説明

蛍光表示管及びその製造方法

【課題】陽極が作り込まれた回路基板を外囲器のガラス基板の内面に固定した構造の蛍光表示管において、回路基板をガラス基板に確実に接着する構造を提供する。
【解決手段】この蛍光表示管の外囲器2のガラス基板3には、アルミニウム薄膜5が形成され、その上に、陽極導体と制御素子と蛍光体層からなる陽極が形成された回路基板6がダイボンド材9で接着固定されている。アルミニウム薄膜のアルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲にあれば、回路基板は十分な強度でガラス基板に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマトリクス状に構成されてスイッチング素子で選択される複数の陽極導体と各陽極導体を覆う蛍光体層とを有する回路基板が外囲器の内面に取り付けられ、外囲器内の電子源から放出された電子を、スイッチング素子で選択した陽極導体の蛍光体層に射突させて所望のグラフィック表示を行うアクティブマトリクス駆動タイプの蛍光表示管に係り、特に陽極が作り込まれた回路基板が外囲器の基板に確実に固定され、かつ前記基板から剥離しにくい蛍光表示管とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、半導体チップが外囲器内でガラス基板上に接着されて一体化された蛍光表示管の構造例が開示されている。この発明は、蛍光表示管の外囲器の一部を構成するガラス基板の内面側に搭載され、ペーストで固定された半導体チップの接着状態を、半導体チップを剥がすことなく検査できるようにし、検査作業の効率化と生産性を高めることを目的としたものである。
【0003】
図7及び図8に示すように、ガラス板10上に形成されたアルミニウムからなる接地用の配線層20のうち、半導体チップが搭載される部分には複数のスリット21が設けられている。図7の例では平面視でX方向(横方向)及びY方向(縦方向)にスリット21が設けられ、図8の例では同心円形のパターンでスリット21が設けられている。
【0004】
そして、図9(a)に示すように導電性ペースト40を配線層20上に塗布し、同図(b)に示すように半導体チップ50を上から押し付けることにより、導電性ペースト40がつぶれ、半導体チップ50とガラス基板10が固着される。配線層20が図7及び図8に示したようにスリット21を有するパターンで形成されているので、蛍光表示管のガラス基板10の裏面から見ると、導電性ペースト40が一様につぶれているか否かの検査を半導体チップ50を剥離することなく行うことができる。
【特許文献1】特開平11−224622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の蛍光表示管では、ガラス基板10に設けられたアルミニウムの配線層20には複数のスリット21が形成されているが、このスリット21は、半導体チップ50を配線層20に電気的に接続するための導電性ペースト40が一様につぶれて半導体チップ50と配線層20の間に行き渡っていることを確認するためのものである。すなわち、導電性ペースト40による半導体チップ50とガラス基板10の固着強度について配線層20が何らかの影響を及ぼすなどといった発想は同文献中には開示されていない。
【0006】
本願発明者等は、前記特許文献1のようなスリットを有する配線層の上に半導体チップを固定する構造について研究を進めた結果、ガラス基板上面に設けられたアルミニウムの配線層に設けたスリットは目視検査を目的としており、更に前記配線と半導体チップ50の間に厚さ約30μmの絶縁層が介在することもある。このような構造においては、半導体チップとガラス基板の固定は必ずしも確実ではなく、半導体チップがガラス基板から剥がれてしまうことがあることを見出すに至った。さらに、上記研究の過程で、配線層なしで半導体チップをガラス基板上に接着材料によって直接接着した場合には、接着材料とガラスの熱膨張係数の差異によってガラス基板が割れたり、半導体チップが剥がれたりする場合があることも判明した。本願発明者等はこれらの知見から、外囲器内のガラス基板上に半導体の回路基板を接着材料で固定する構造において、ガラス基板上にアルミニウム薄膜を何らかの特殊な構造で形成することにより、ガラス基板と回路基板の固定状態を確実にすることができるのではないかとの課題を得るに至った。
【0007】
本発明は、このような従来の技術において本願発明者等が見出した課題を解決するためになされたものであり、発光表示部である陽極が作り込まれた半導体の回路基板を外囲器のガラス基板の内面に固定した構造の蛍光表示管において、回路基板をガラス基板に確実に接着できる構造乃至製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された蛍光表示管は、ガラス基板を備えた外囲器と、複数の陽極導体と各陽極導体を制御する制御素子と各陽極導体に設けられた蛍光体層からなる陽極が形成されて前記外囲器の前記ガラス基板の内面に取り付けられた回路基板と、前記外囲器の内部において前記陽極の上方に設けられた電子源とを有し、前記制御素子で選択した前記陽極導体の前記蛍光体層に前記電子源からの電子を射突させて所望の表示を行う蛍光表示管において、前記ガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲にあるアルミニウム薄膜が設けられ、前記アルミニウム薄膜の上にダイボンド材を介して前記回路基板が固定されたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載された蛍光表示管は、請求項1記載の蛍光表示管において、前記アルミニウム薄膜のアルミニウム面積比率が40%〜50%の範囲にあることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載された蛍光表示管は、請求項1又は2に記載の蛍光表示管において、
前記ガラス基板の内面に設けられる前記アルミニウム薄膜は前記回路基板の外形よりも大きく形成され、前記アルミニウム薄膜の上面に前記アルミニウム薄膜よりも小さくかつ前記回路基板の外形よりも大きい開口を有する絶縁層が形成され、
前記絶縁層の前記開口部に形成された前記アルミニウム薄膜の上にダイボンド材を介して前記回路基板が固定されたことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載された蛍光表示管の製造方法は、ガラス基板を備えた外囲器と、複数の陽極導体と各陽極導体を制御する制御素子と各陽極導体に設けられた蛍光体層からなる陽極が形成されて前記外囲器の前記ガラス基板の内面に取り付けられた回路基板と、前記外囲器の内部において前記陽極の上方に設けられた電子源とを有し、前記制御素子で選択した前記陽極導体の前記蛍光体層に前記電子源からの電子を射突させて所望の表示を行う蛍光表示管の製造方法において、前記ガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲でアルミニウム薄膜を形成し、前記アルミニウム薄膜の上にダイボンドペーストをストライプ状に印刷し、前記ダイボンドペーストの上に前記回路基板を載置して押圧することにより前記ダイボンドペーストを前記回路基板と前記アルミニウム薄膜の間で均一に広げ、前記ガラス基板を焼成することによって前記回路基板を前記ガラス基板上に固定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る蛍光表示管によれば、外囲器のガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲(より好ましくは40%〜50%の範囲)でアルミニウム薄膜を形成し、その上にダイボンドペーストを焼成して得られるダイボンド材を介して回路基板を固定したので、回路基板のガラス基板に対する付着強度が最適となり、ガラス基板が割れたり、回路基板が剥離したりする等の不都合が生じにくくなった。更に回路基板とアルミニウム又はガラス基板の間には絶縁層が無いため、ダイボンド材とアルミニウム又はガラス基板と半導体基板の接合が安定になる。
【0013】
本発明に係る蛍光表示管の製造方法によれば、外囲器のガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲(より好ましくは40%〜50%の範囲)でアルミニウム薄膜を形成し、その上にダイボンドペーストをストライプ状に印刷し、その上から回路基板を載置して押圧してから焼成することとしたので、ダイボンドペーストは回路基板とアルミニウム薄膜の間で均一に広がった状態で焼成されて回路基板をガラス基板上に最適の付着強度で確実に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態に係る蛍光表示管の断面図、図2は同蛍光表示管の製造工程において回路基板を接着する前のガラス基板の平面図、図3(a),(b)は同蛍光表示管の一製造工程を示す平面図及び同平面図のA−A’切断線における断面図、図4(a),(b)は同蛍光表示管の一製造工程を示す平面図及び同平面図のB−B’切断線における断面図、図5は同蛍光表示管をステップ衝撃試験に供した結果を示す表図、図6は図5に示した実験結果から得られた同蛍光表示管におけるアルミニウム面積比率と限界となる加速度との関係を示す図である。
【0015】
(1)構造
図1に示すように、本例の蛍光表示管1は、内部が高真空状態とされた略箱型の容器である外囲器2を有している。外囲器2は、絶縁性のガラス基板3と、ガラス板を組み合わせて下面側が開放された蓋状に構成され、前記ガラス基板3の内面側に封着される容器部4から構成されている。
【0016】
図1に示すように、外囲器2の内部において、ガラス基板3の内面には、アルミニウム薄膜5が形成されている。このアルミニウム薄膜5は、後述するようにこの上に回路基板6をダイボンドペーストで接着する際に接着力を安定化して回路基板6の固着を確実にするための層であり、その目的のためには、以下に説明するように、アルミニウム薄膜5の構成に以下に説明するような条件を与える必要がある。
【0017】
すなわち、図2に示すように、このアルミニウム薄膜5には多数の抜き部分7(アルミニウム薄膜5が形成されていない孔の部分)が一様に形成されており、図示の例では正方形の抜き部分7を有する格子状のパターンに形成されている。そして、アルミニウム面積比率(アルミニウム薄膜5が形成されている領域の全面積に対するアルミニウム部分の面積比率)は、30〜60%であることが必要である。図2に示した例では、アルミニウムの面積比率は(a)が75%、(b)が50%、(c)が30%である。すなわち、(a)は本発明に含まれず、(b)及び(c)は本発明に含まれる構成例である。なお、このようなアルミニウムの面積比率についての条件は、回路基板6の剥がれが生じにくいという効果が得られる条件として実験で見出されたものであり、その詳細については後述する。
【0018】
また、前記回路基板6が載置されるアルミニウム薄膜5の周縁部に、開口部10aを有する略枠状の絶縁層10を積層して形成する。絶縁層10は、前記開口部10aが前記回路基板6の位置決めに有用に作用するとともに、他の部品との絶縁をとり、併せて外光に対して遮光部材として作用する。ここで、前記絶縁層10は、低融点ガラスに主として黒色の顔料を添加したペーストを焼成して作成することができる。
【0019】
図1に示すように、前記アルミニウム薄膜5の上には回路基板6が接着材料としてのダイボンド材9を介して取り付けられている。
回路基板6は、矩形のシリコンウエハーからなり、その表面には発光表示部である陽極が作り込まれている。陽極は、回路基板6の上面にマトリクス状に配置構成された複数の陽極導体と、各陽極導体ごとに設けられて当該陽極導体のON/OFFを選択するスイッチング素子等の制御回路と、さらに各陽極導体を覆って設けられた蛍光体層8を有している。
【0020】
ダイボンド材9を形成するためのダイボンドペーストは、Ag等の導電性金属粒子と、ゲル化材と、オクタンジールから構成されており、アルミニウム薄膜5の格子状の開口部(抜き部分7)を埋めつつ、アルミニウム薄膜5の形成領域の全域にわたって一定の厚さで形成され、回路基板6を確実にガラス基板3に接着固定している。
【0021】
図示しないが、前記外囲器2の内部には、回路基板6の陽極の上方に、電子源が設けられている。電子源はフィラメント状のものでも良いし、回路基板6と対面する容器部4の内面に面状に形成されたものでもよい。
【0022】
以上の構成によれば、回路基板6に作り込まれた制御回路の制御素子に表示信号を入力して所望の陽極導体を選択し、当該陽極導体に相当する位置にある蛍光体層8に前記電子源からの電子を射突させれば、画素として選択された蛍光体層8の発光部分の発光時間が長く、輝度の高いスタティック駆動による所望のグラフィック表示を行うことができる。
【0023】
(2)製造工程
次に、本例の蛍光表示管1の製造工程を、要部である回路基板6の接着工程を中心として説明する。
図3(a)に示すように、ガラス基板3の内面上には、30%〜60%のアルミニウム面積比率でアルミニウム薄膜5が形成されている。そのアルミニウム薄膜5乃至ガラス基板3の上面に、ダイボンドペースト9を印刷法によって所定パターンで塗布する。ここで形成するパターンは、アルミニウム薄膜5の格子パターンに沿う平行な帯状体を所定間隔で形成したストライプパターンである。
【0024】
図3(b)に示すように、蛍光体層8を有する回路基板6(マトリクス状の陽極導体や各陽極導体ごとに設けられた制御素子は同図中には現れない)を、ストライプ状のダイボンドペースト9の上方に配置して位置決めする。
【0025】
図4に示すように、回路基板6をダイボンドペースト9に均一に押し付けてガラス基板3上に搭載すると、ストライプ状のダイボンドペースト9は回路基板6とガラス基板3の間で潰れて周囲に移動し、一様に広がる。ダイボンドペースト9は、アルミニウム薄膜5の格子状の開口部(抜き部分7)を埋めつつ、アルミニウム薄膜5の形成領域の全域にわたって一定の厚さとなり、回路基板6とガラス基板3の間を均一に埋めつくす。
【0026】
内部に回路基板6を有する蛍光表示管1の製造において、ガラス基板3上に回路基板6を接着するためのダイボンドペースト9を設ける作業は、実際には大きなガラス板に蛍光表示管の部品サイズのガラス基板3を多数個取りし、後に切断されてガラス基板3となる各領域にダイボンドペースト9を次々と連続的に塗布する工程で行うが、このような作業はディスペンサーでは時間がかかり過ぎるため、印刷法で行うことが好ましい。ところが、回路基板6とガラス基板3(アルミニウム薄膜5)の間にダイボンドペースト9の均一な層を通常の印刷法で形成しようとしても、ペーストの吐出量の調整が難しいので実際には困難である。しかしながら、本例によれば、アルミニウム薄膜5が形成された回路基板6の接着領域に、ダイボンドペースト9を印刷法によって速やかにストライプパターンで印刷し、これを回路基板6でつぶすという工法を採用したので、回路基板6とガラス基板3の間に均一なダイボンドペースト9の層を容易に形成することができる。
【0027】
ここで、このガラス基板3を大気雰囲気中にて480℃〜500℃で焼成し、ダイボンドペーストを固化させて回路基板6をガラス基板3に固定する。
【0028】
そして、さらに図示はしないが必要なその他の内部構造を構築した後、ガラス基板3の上面に容器部4を封着し、内部を排気しながら焼成して封止することにより、本例の蛍光表示管1が完成する。
【0029】
(3)効果
先に述べたように、本発明におけるアルミニウム薄膜5の面積比率は30%〜60%の範囲にあることが条件であるが、回路基板6が剥がれにくいという本発明の効果が達成される当該数値範囲を見出した実験について説明する。
【0030】
実験では、以上説明した本発明の蛍光表示管1の構造を有するが、アルミニウム薄膜5の面積比率の異なる複数種類の蛍光表示管1を供試体として製造した。具体的には、図5及び図6に示すように、アルミニウム薄膜5の面積比率が30%、40%、50%、60%、75%の5種類であり、各種類を5個ずつ実験に供した。
【0031】
実験はステップ衝撃試験であり、供試体の蛍光表示管1を実験装置のステージに回路基板6が下向きになるように取り付け、ステージを所定寸法上昇させて所定位置に位置決めして停止し、その後固定具を解除して蛍光表示管1を落下させ、所定の加速度による衝突の衝撃で回路基板6の剥離が生じるか否かを見るものである。
【0032】
そして、このような衝撃試験を、一つの蛍光表示管1について、小さな加速度(600G)から上限の2000Gに至るまで100Gずつ増加させながら連続して行っていき、回路基板6が剥離した時点での加速度を記録する。実験は1種類の蛍光表示管1について、5個の供試体を用意して行うので、生データとしては図5に示すように1種類の蛍光表示管1について5個の限界加速度データが得られるが、全体の傾向を見るため図6に示すように各種類の蛍光表示管1ごとに5個のデータを平均してグラフ化した。
【0033】
実験の結果、アルミニウム薄膜5の面積比率が30%から60%の範囲において、衝撃加速度の平均が1400G以上となり、この範囲であれば実用上必要な強度が得られることが判明した。例えば大きな衝撃が不定期に繰り返し加わる車載用の蛍光表示管1としては上記30%から60%の範囲は実用上必須の強度を確保するために必要であるが、さらに40%から50%の範囲であれば衝撃加速度の平均が1700G以上となり、さらに好ましい。
【0034】
実験の結果によれば、アルミニウム薄膜5の面積比率が大きい50%〜75%では、アルミニウム薄膜5の面積比率が大きいと固着強度が弱く、逆に小さいと固着強度が強くなるという傾向があるが、アルミニウム薄膜5の面積比率が小さい50%未満の領域では、そのような傾向(図中破線で示す)から外れ、固着強度が低下している。その理由は、製造工程中で固着強度が強くなり過ぎてガラス基板3とダイボンドペースト9に微少なクラックが生じ、試供体完成時には固着強度が低下してしまうからであると考えられる。
【0035】
図2に示す抜き部分の形状は、円形、楕円形、多角形いずれの形状であっても矩形の実施形態1と同じ効果がある。また、複数種類の形状の抜き部分が繰り返し連続してあらわれるパターンであってもよく、その場合にも実施形態1と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は第1実施形態に係る蛍光表示管の断面図である。
【図2】図2は同蛍光表示管の製造工程において回路基板を接着する前のガラス基板の平面図である。
【図3】図3(a),(b)は同蛍光表示管の一製造工程を示す平面図及び同平面図のA−A’切断線における断面図である。
【図4】図4(a),(b)は同蛍光表示管の一製造工程を示す平面図及び同平面図のB−B’切断線における断面図である。
【図5】図5は同蛍光表示管をステップ衝撃試験に供した結果を示す表図である。
【図6】図6は図5に示した実験結果から得られた同蛍光表示管におけるアルミニウム面積比率と限界となる加速度との関係を示す図である。
【図7】特許文献1に開示された蛍光表示管用ガラス基板の平面図である。
【図8】特許文献1に開示された蛍光表示管用ガラス基板の平面図である。
【図9】特許文献1に開示された蛍光表示管用ガラス基板に半導体チップを搭載する様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0037】
1…蛍光表示管
2…外囲器
3…ガラス基板
4…容器部
5…アルミニウム薄膜
6…回路基板
7…抜き部分(孔)
8…蛍光体層
9…ダイボンド材(ダイボンドペースト)
10…絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板を備えた外囲器と、複数の陽極導体と各陽極導体を制御する制御素子と各陽極導体に設けられた蛍光体層からなる陽極が形成されて前記外囲器の前記ガラス基板の内面に取り付けられた回路基板と、前記外囲器の内部において前記陽極の上方に設けられた電子源とを有し、前記制御素子で選択した前記陽極導体の前記蛍光体層に前記電子源からの電子を射突させて所望の表示を行う蛍光表示管において、
前記ガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲にあるアルミニウム薄膜が設けられ、前記アルミニウム薄膜の上にダイボンド材を介して前記回路基板が固定されたことを特徴とする蛍光表示管。
【請求項2】
前記アルミニウム薄膜のアルミニウム面積比率が40%〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の蛍光表示管。
【請求項3】
前記ガラス基板の内面に設けられる前記アルミニウム薄膜は前記回路基板の外形よりも大きく形成され、前記アルミニウム薄膜の上面に前記アルミニウム薄膜よりも小さくかつ前記回路基板の外形よりも大きい開口を有する絶縁層が形成され、
前記絶縁層の前記開口部に形成された前記アルミニウム薄膜の上にダイボンド材を介して前記回路基板が固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光表示管。
【請求項4】
ガラス基板を備えた外囲器と、複数の陽極導体と各陽極導体を制御する制御素子と各陽極導体に設けられた蛍光体層からなる陽極が形成されて前記外囲器の前記ガラス基板の内面に取り付けられた回路基板と、前記外囲器の内部において前記陽極の上方に設けられた電子源とを有し、前記制御素子で選択した前記陽極導体の前記蛍光体層に前記電子源からの電子を射突させて所望の表示を行う蛍光表示管の製造方法において、
前記ガラス基板の内面に、アルミニウム面積比率が30%〜60%の範囲でアルミニウム薄膜を形成し、
前記アルミニウム薄膜の上にダイボンドペーストをストライプ状に印刷し、
前記ダイボンドペーストの上に前記回路基板を載置して押圧することにより前記ダイボンドペーストを前記回路基板と前記アルミニウム薄膜の間で均一に広げ、
前記ガラス基板を焼成することによって前記回路基板を前記ガラス基板上に固定することを特徴とする蛍光表示管の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−87662(P2009−87662A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254896(P2007−254896)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000201814)双葉電子工業株式会社 (201)
【Fターム(参考)】