説明

蝋付工作物、蝋付方法および熱交換器

【課題】 フラックスで蝋付する代案として大きな支出なしに経済的に大規模に実現可能な蝋付工作物およびフラックスレス蝋付用蝋付方法を提供する。
【解決手段】 アルミニウムおよび/またはアルミニウム化合物からなる蝋付工作物であって、蝋付工作物の1表面に配置される1つの酸化物層および/または水酸化物層を有し、酸化物層および/または水酸化物層の厚さdが自然な酸化物層および/または水酸化物層の厚さよりも大きいことを特徴とする蝋付工作物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムおよび/またはアルミニウム化合物からなる蝋付工作物であって、蝋付工作物の1表面に配置される1つの酸化物層および/または水酸化物層を有するもの、少なくとも2つの工作物を結合するための蝋付方法、および特に自動車用の熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの金属工作物を蝋付継手によって接合するには、工作物の表面に形成される酸化物層を蝋付前に少なくとも部分的に除去し、蝋付プロセス時に新たに形成されないようにする必要がある。これは一般に金属酸化物用の特殊な溶剤、いわゆるフラックスで行われる。現在例えば、自動車分野で使用されるような熱交換器用アルミニウム部材の硬蝋付には特殊な蝋付方法、特にフルオロアルミン酸カリウム系のフラックスを使ったいわゆる「ノコロック」蝋付方法を利用するのが一般的である。
【0003】
しかしながらフラックスの施用が既にしばしばきわめて手間がかかり、費用もかさむ。さらに、耐食性、親水性および/または付着性表面等の所要の特性および/または純度等の観点、製品デザインまたは視覚的印象に関する部材に対する産業界の要求に対処するために、部材は蝋付後にフラックスが付加されているので、フラックスは蝋付プロセス後にさまざまに手間のかかる清浄処理および/またはその他の表面処理を必要とする。「ノコロック」の名称で市販されているフラックスも、アルミニウム部材の蝋付後に表面に留まり、表面を結晶性層で被覆する。この結晶性層は使用目的に応じて他の清浄処理および転換処理を施工されねばならない。さらに、フラックスの応用は環境に対して、そして使用される機械装置に対して否定的に作用し、機械装置は強い摩耗に曝されており、これは耐用期間の短縮と結び付いている。さらに、亜鉛および/またはマグネシウムを含有する素材の使用が困難になる。というのも、亜鉛もしくはマグネシウムがフラックスと反応し、フラックス消費量が増し、材料特性が影響されるからである。
【0004】
こうした欠点を防ぐために、アルミニウムまたはアルミニウム化合物からなる蝋付工作物の表面にもはやフラックスを備える必要のないアルミニウム蝋付方法を提供するのが望ましい。
【0005】
金属表面に形成される酸化物層をフラックスなしに除去しまたは剥ぎ取ることは、当該工作物の前処理によって、蝋被覆、例えばいわゆるニッケル‐アルミニウム蝋付によって、または真空蝋付時に母材または蝋被覆から元素、例えばマグネシウムを蒸発させることによって、行うことができる。
【0006】
特別に開発された電気加熱式真空炉内でフラックスなしに硬・高温蝋付する場合、真空は還元性雰囲気として働く。こうして、結合されるべき部材への蝋濡れ用の金属光沢表面を達成し、金属酸化物層の成長を防止することができる。しかしながら真空蝋付では欠点として、技術的に手間のかかる、従って高価な蝋付設備が必要であり、蝋付を予定された工作物を清浄にするための前処理に費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、フラックスで蝋付する代案として大きな支出なしに経済的に大規模に実現可能な蝋付工作物およびフラックスレス蝋付用蝋付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、次のように解決される。すなわち、酸化物層および/または水酸化物層の厚さdが自然な酸化物層および/または水酸化物層の厚さよりも大きいことを特徴とする蝋付工作物によって解決される。また、前述の、少なくとも1つの工作物が使用されることを特徴とする方法によって解決される。または、前述の少なくとも1つの工作物の加工プロセスのとき特にハロゲンを含有した潤滑剤の工作物への付加が行われることを特徴とする方法によって解決される。また、熱交換器が少なくとも一部では前述の方法によって蝋付されていることを特徴とする熱交換器によって解決される。
【発明の実施の形態】
【0009】
安定した蝋付継手を形成するために、蝋は工作物から、または外部から、互いに結合されるべき工作物の間に流れるようにされる。従って、切欠き、孔、亀裂等の形成される不均質性内、酸化物層および/または水酸化物層内に蝋が浸入し、接合されるべき工作物の間に確実な蝋付継手を保証できるように、蝋付工作物を覆う酸化物層および/または水酸化物層の剥ぎ取りまたは少なくとも部分的除去が可能とならねばならないであろう。
【0010】
酸化物層および/または水酸化物層に隣接する工作物の母材は酸化物層および/または水酸化物層とは別の熱膨張を有し、そのため蝋付過程のとき加熱の結果として酸化物層および/または水酸化物層中と、母材と酸化物層および/または水酸化物層との間の境界領域中とに応力が生成される。
【0011】
アルミニウムまたはアルミニウム化合物からなる工作物の周囲空気に曝されるすべての表面に形成される自然な酸化物層および/または水酸化物層はふつう厚さが10nm未満であり、湿った空気では20nmにまでなることがある。この僅かな厚さのゆえに酸化物層および/または水酸化物層が柔軟性を有し、酸化物層および/または水酸化物層の内部で熱応力は減退することがある。
【0012】
本発明の基本的考えは、柔軟性のゆえに酸化物層および/または水酸化物層の内部で熱応力がもはや減退不能となるように、酸化物層および/または水酸化物層の平均厚さ等の厚さを適切に選択することである。蝋付温度に加熱するとき応力が大きく、酸化物層および/または水酸化物層中に、特に蝋付工作物の表面に関して垂直方向で不均質性、特に切欠き、孔および/または亀裂が形成され、酸化物層および/または水酸化物層は状況によっては少なくとも部分的に剥離する。その場合、液状蝋材は亀裂内に、もしくは工作物と酸化物層および/または水酸化物層との間に浸入できる。
【0013】
つまり本発明の課題は、蝋付工作物の1表面に配置される酸化物層および/または水酸化物層の厚さが自然な酸化物層および/または水酸化物層の厚さよりも大きいことによって解決される。有利には厚さが25nm超、特別好ましくは厚さが50nm超である。
【0014】
酸化物層および/または水酸化物層の厚さが特別大きいと、所要の亀裂形成が酸化物層および/または水酸化物層の内部安定性のゆえに困難になるので、層厚は1000nm未満、主に500nm未満が有利である。
【0015】
アルミニウム素材用の通常の蝋付条件、つまり約500℃〜660℃の温度のとき、80nm〜250nmの酸化物層および/または水酸化物層の厚さはアルミニウムもしくはアルミニウム化合物からなる工作物、特に熱交換器部品をフラックスなしに蝋付する可能性にとって特別有利であることが実証された。
【0016】
蝋付前に酸化物層を生成するために、望ましくは、公知の主に化学的または電気化学的または物理的方法が応用される。化学的製造方法として考慮に値するのは例えばベーマイト法であり、これにより酸化物層および/または水酸化物層は有利には主としてベーマイトからなり、処理時間は1分〜1時間、特に1分〜15分、温度は80℃〜150℃、特に100℃〜120℃が選択される。この場合通常の水が利用され、この水は化学薬品を含むこともできる。同様に、550℃までの工作物温度において15℃〜80℃の温度が考慮の対象になる。選択的に、工作物の表面は酸化物層を形成するために電気化学的に処理することができる。これには例えばアルミニウムの電解酸化用の公知のアルミニウム陽極酸化法が処理時間1分〜1時間、特に1分〜10分、温度20℃〜50℃、電圧40Vで応用される。定義された酸化物層の物理的生成例としてPVD(物理蒸着)法を利用することができ、そこでは主に−40Vのバイアス電圧と0.1mbar〜1mbarの被覆圧力が設定される。他の可能性は、アルミニウム酸化物および/またはその他の酸化物からなりかつ化学反応を介して製造可能な混合酸化物層を形成することである。
【0017】
持ち込まれるべき蝋用の不均質性の形成を可能とする酸化物層および/または水酸化物層が形成されるので、結合されるべき工作物のこのような前処理はまさに標準化された大量ロット生産に特別適している。
【0018】
本発明の他の基本的考えは、酸化物層および/または水酸化物層のモルフォロジに適切に影響を及ぼすことによって層の避け割れおよび/または剥げ落ちを促進し、場合によっては特別良好な濡れ用に工作物のアルミニウム表面を蝋材で前処理することである。
【0019】
これは有利な1実施により、例えば切欠き、孔および/または亀裂等の不均質性を利用して酸化物層および/または水酸化物層中で起きる。これらの不均質性は主に、蝋付工作物の化学的および/または熱的および/または機械的処理によって酸化物層および/または水酸化物層中に設けられている。
【0020】
好ましくは酸化中または酸化後、例えば蝋付工作物に、すなわち酸化物層および/または水酸化物層に潤滑剤が塗布され、この潤滑剤は有利にはハロゲンを含有している。蝋付過程中の後続の加熱ステップの内部で酸化物層のこのような改質によって不均質性の形成が促進され、露出されたアルミニウム表面はハロゲン化合物によって、蝋で濡らせることができるほどに活性化される。
【0021】
フラックス施用の方法ステップが省かれるので、蝋付炉内、例えば連続炉内で熱脱脂と蝋付とを一緒に実行することが可能になる。特別有利には両方の方法ステップが単一の加温過程中に実行される。
【0022】
熱処理は好ましくは、場合によって元々必要な脱脂プロセスに一体化され、この脱脂プロセスは潤滑剤を除去するために実行される。特別好ましくは熱処理および場合によっては熱脱脂が蝋付過程に一体化され、なお加熱が必要であるにすぎない。これにより方法支出をさらに下げることが可能である。
【0023】
方法経過を簡素化するために、好ましくは、方法に起因して既に潤滑を必要とする深絞り、切断、スタンピング等の素材加工プロセスを主に前段に設けて、特にハロゲンを含有した潤滑剤の付加が行われる。
【0024】
さらに、裂け割られた酸化物層の個所での再酸化は大きな付加的支出なしに阻止されねばならないであろう。このためハロゲン含有潤滑剤が含有する添加剤は加熱時に裂け割られ、かつその成分中に酸素との親和力を有し、接合されるべき工作物自体の直接的周囲で酸素を結合し、こうして蝋雰囲気および蝋流れを改善する。その際、酸素結合添加剤または成分として考慮に値するのは有利にはカルボキシル酸、アミン、硫黄化合物および/またはリン化合物である。蝋付過程も、添加剤もしくは成分によって肯定的影響を受けることができる。
【0025】
マグネシウムは保護ガス雰囲気のもとで比較的大量に維持され、すなわち真空のもとのようには蒸発せず、従って一方で液状蝋の分布を容易とし、また蝋付プロセス後に工作物の強度特性改善に寄与することができる。他方で、マグネシウムの部分的蒸発によって酸化物層の前記裂け割れを促進することができ、マグネシウムが表面に拡散するときそこにある残留酸素と反応して酸化マグネシウム(MgO)となることによってアルミニウム表面の再酸化は阻止される。それゆえに、望ましくはマグネシウム含有量を高めたアルミニウム母材が蝋付に利用される。本方法の特別有利な構成において、0.2%超、特に0.5%超、特に2%未満のマグシウム含有量を有するアルミニウム母材が利用される。
【0026】
全温度範囲にわたって還元作用する保護ガス雰囲気は、望ましいことに、アルミニウム表面が再度酸化されることがなく、なお存在する酸化物層がそれ以上成長しないことに寄与する。それゆえ、加熱および蝋付時に保護ガス、有利には水素、アルゴンまたは窒素が利用され、窒素は特別安価である。さらに、保護ガス連続炉を利用するとこの製造プロセスの高い自動化度が可能になる。
【0027】
特に自動車分野において例えばチューブ、ディスク、フィン等のアルミニウム部材を、または熱交換器用帯材等の半製品も、フラックスなしに蝋付することに前記方法は使用される。本発明に係る蝋付工作物は主に蝋材からなる1つの層を有し、この蝋材はアルミニウム化合物からなる。
【0028】
本発明で達成される利点は特に、保護ガス蝋付前に、アルミニウムおよび/またはアルミニウム化合物からなる蝋付工作物の1表面に酸化物層および/または水酸化物層を備えかつ特にハロゲンを含有する潤滑剤を酸化中または酸化後に付加することによって、蝋付時にフラックスの利用を省くことができる点にある。それと結び付いているのが環境負荷の低減および機器摩耗の減少、従って機器耐用期間の延長である。さらに、保護ガス蝋付用に亜鉛および/またはマグネシウム含有素材の使用が可能になりまたは少なくとも容易となる。
【0029】
その際ハロゲン含有潤滑剤の付加によって、蝋付過程中に酸化物層および/または水酸化物層の裂け割れおよび/または剥げ落ちが促進され、蝋濡れ向上のためアルミニウム表面が活性化され、特に酸素に親和力を有するその添加剤または成分によって、露出したアルミニウム表面の再酸化が少なくとも困難にされることになる。最後の点について、温度範囲全体にわたって還元作用する保護ガス雰囲気も寄与する。従って、加熱時に形成される不均質性は、強固な永続的蝋付継手の形成が可能となるように蝋で満たすことができる。
【0030】
こうしてアルミニウムまたはアルミニウム化合物をフラックスなしに蝋付するための特別経済的かつ比較的簡単な方法が提供され、この方法は、まさに大規模な利用、特に自動車分野でのロット生産のために要求されるような、再現可能な一定した品質で例えば熱交換器用アルミニウム部材の特別安定した蝋付継手の構成を保証する。
【0031】
以下、図面を基に本発明の1実施例が詳しく説明される。
【実施例】
【0032】
縮尺どおりではない図1が示す蝋付工作物10はアルミニウム合金からなる1つの基体20を有し、この基体はアルミニウム合金からなる厚さ約0.1mmの蝋被覆30を備えている。蝋被覆30の表面に厚さ約100nmのベーマイト層40が被着されている。
【0033】
潤滑剤50は蝋付方法前の切断またはスタンピングプロセスを容易とするのに役立つ。潤滑剤50の施用はベーマイト層を製造するための酸化中または酸化後に行うことができる。
【0034】
図2が示す蝋付工作物110は1つの基体120と1つの蝋被覆130とを有し、蝋被覆は不均質酸化物層および/または水酸化物層140で覆われている。酸化物層および/または水酸化物層140は切欠き、孔および/または亀裂160を有し、そこでは蝋被覆130が約1nm〜5nm厚の自然な酸化物層および/または水酸化物層170で覆われているだけである。この不均質性160の製造は例えば熱脱脂過程中に、特にハロゲン含有潤滑剤が除去されるとき行うことができる。高い温度のときハロゲンはこのような不均質性の形成を引き起こしもしくは促進する。
【0035】
このように前処理された結合されるべき2つの工作物の蝋付個所は周知の如くに、それゆえに図示しないが相応に位置決めされる。引き続き配置全体が保護ガス炉内に、自動化の理由から特に保護ガス連続炉内に挿入され、前処理された工作物が炉内で加熱される。
【0036】
その際一方で(図1)、ベーマイト層40中と、蝋被覆30とベーマイト層40との間の境界領域中とに応力が現れる。これらの応力は蝋付温度に加熱時に、場合によってはハロゲン含有潤滑剤50によって支援されて、主に蝋被覆30の表面に関して垂直方向でベーマイト層40中に切欠き、孔および/または亀裂の形成をもたらし、また蝋被覆30からベーマイト層40の部分的剥離をもたらす。他方で(図2)、酸化物層および/または水酸化物層140は切欠き、孔および/または亀裂160のゆえにやはり部分的に蝋被覆130から剥離される。
【0037】
図3に示すように、蝋被覆の蝋材230は蝋過程中ベーマイト層もしくは酸化物層および/または水酸化物層の剥離片280の周囲を流れおよび/または洗い壊す。これにより、液化した蝋材230は工作物210のアルミニウムからなる基体220を濡らすことができ、こうして所要の蝋付継手が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る蝋付工作物を示す。
【図2】本発明に係る蝋付工作物を示す。
【図3】本発明に係る蝋付方法中の蝋付工作物を示す。
【符号の説明】
【0039】
10 蝋付工作物
20 基体
30 蝋被覆
40 ベーマイト層
50 潤滑剤
110 蝋付工作物
120 基体
130 蝋被覆
140 水酸化物層
160 亀裂
170 水酸化物層
210 工作物
220 基体
230 蝋材
280 剥離片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムおよび/またはアルミニウム化合物からなる蝋付工作物であって、蝋付工作物の1表面に配置される1つの酸化物層および/または水酸化物層を有し、酸化物層および/または水酸化物層の厚さdが自然な酸化物層および/または水酸化物層の厚さよりも大きいことを特徴とする蝋付工作物。
【請求項2】
前述の厚さdが、25nm<d<1000nm、特に50nm<d<500nm、特に80nm<d<250nmであることを特徴とする、請求項1記載の蝋付工作物。
【請求項3】
酸化物層および/または水酸化物層が主としてベーマイトからなることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項4】
酸化物層および/または水酸化物層が不均質性、特に切欠き、孔および/または亀裂を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項5】
不均質性が蝋付工作物の化学的および/または熱的および/または機械的処理によって酸化物層および/または水酸化物層中に設けられることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項6】
蝋付工作物が、特にハロゲンを含有した1つの潤滑剤を備えていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項7】
潤滑剤がカルボキシル酸、アミン、硫黄化合物および/またはリン化合物等の添加剤または成分を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項8】
蝋付工作物がアルミニウム化合物からなる1つの蝋層を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項9】
蝋付工作物の母材が、0.2%超、特に0.5%超、主に2%未満のマグシウム含有量を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付工作物。
【請求項10】
少なくとも2つの工作物を互いに結合するための蝋付方法において、先行請求項のいずれか1項に従って構成される少なくとも1つの工作物が使用されることを特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも1つの工作物の加工プロセス、特に深絞り、切断および/またはスタンピングを前段に設けた特に請求項10記載の蝋付方法において、前段に設けられた加工プロセスのとき特にハロゲンを含有した潤滑剤の工作物への付加が行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
潤滑剤がカルボキシル酸、アミン、硫黄化合物および/またはリン化合物等の添加剤または成分を有することを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付方法。
【請求項13】
熱脱脂と蝋付過程が一緒に、特に単一の加温過程の間に実行されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付方法。
【請求項14】
加熱および/または蝋付用に保護ガス、特に水素、アルゴンまたは窒素が利用されることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載の蝋付方法。
【請求項15】
特に自動車用の熱交換器において、熱交換器が少なくとも一部では先行請求項のいずれか1項記載の方法によって蝋付されていることを特徴とする熱交換器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−504954(P2007−504954A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525652(P2006−525652)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008801
【国際公開番号】WO2005/028152
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)