説明

血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置

【課題】被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能な血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置を提供する。
【解決手段】カフ20は、流体袋34と、流体袋34を一端部30a側に内包する外装カバー30と、面ファスナー41と、面ファスナー42とを備える。外装カバー30は、外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域を含む部分において、外装カバー30のうち面ファスナー41が設けられている領域を含む部分の幅W1よりも外装カバー30の幅が広くなる第1幅広部33Aを有する。面ファスナー42は、面ファスナー41の幅L1よりも面ファスナー42の幅が広くなる第2幅広部43Aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧値等の血圧情報を測定する際に被測定部位に装着されて使用される血圧情報測定装置用カフ、およびこれを備えた血圧情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧情報測定装置は、被験者の血圧情報を取得する。血圧情報測定装置が取得する血圧情報には、収縮期血圧値(最高血圧値)、拡張期血圧値(最低血圧値)、平均血圧値、被験者の脈波、脈拍、またはAI(Augmentation Index)値など、被験者の循環器系の種々の情報などが含まれる。これらの血圧情報に基づき、被験者の心臓の負荷、または被験者の動脈硬さの変化などを把握することができる。血圧情報測定装置は、被験者の循環器系の疾患の早期発見、予防または治療などのために使用されている。
【0003】
一般に、血圧情報の測定には、血圧情報測定装置用カフ(以下、単にカフとも称する)が使用される。カフは、内腔を有する帯状の部材であって、上腕などの生体の一部に巻き付けることができる。カフは、生体(動脈)を圧迫するための流体袋を内包している。
【0004】
収縮期血圧値または拡張期血圧値などの血圧値を測定するための血圧情報測定装置(以下、単に血圧計とも称する)においては、カフが生体の一部の体表面に巻き付けられたあと、カフに内包される流体袋に気体や液体等の流体が注入および排出される。流体袋は、流体が注入および排出されることにより膨張および収縮し、このときに発生する流体袋の内圧の変化が、動脈圧脈波または血圧値として取得される。
【0005】
図14は、一般的なカフ100Aを展開したときの平面図を示している。図14において、外装カバー30の一部を破断して図示しているが、実際には当該一部において外装カバー30は連続している。後述する図15においても同様である。
【0006】
図14を参照して、カフ100Aは、外装カバー30と、外装カバー30に流体袋として内包される空気袋(不図示)と、面ファスナー41と、面ファスナー42とを有している。
【0007】
外装カバー30は、表面31、裏面32、一端部30a、他端部30b、一方の側部30c、および他方の側部30dを有している。
【0008】
空気袋は、外装カバー30に内包された状態でエア管80に接続されている。空気袋は、外装カバー30の長手方向における一端部30a側に設けられている。ここで言う長手方向とは、外装カバー30の一端部30aと他端部30bとを結ぶ方向である。
【0009】
面ファスナー41は、外装カバー30の表面31上に設けられている。面ファスナー42は、外装カバー30の裏面32上に設けられている。面ファスナー41と面ファスナー42とは、相互に係止することが可能である。
【0010】
カフ100Aは、外装カバー30の裏面32と生体(不図示)とが対向するように載置される(図16参照)。カフ100Aは、生体に対して環状に巻き付けられる。面ファスナー41と面ファスナー42とが相互に係止することにより、環状に巻き付けられた外装カバー30の生体に対する締結状態が保持される。外装カバー30に内包される空気袋が生体に対して固定され、血圧情報の測定が可能となる。カフ100Aと略同様の構成を有するカフが、下記の特許文献1(特開2004−166943号公報)に開示されている。
【0011】
図15を参照して、外装カバー30の他の形状について説明する。カフ100Bの外装カバー30のように、一端部30aから他端部30bに向かって徐々に外装カバー30の幅が狭くなるように構成される場合もある。カフ100Bの外装カバー30は、側部30dのみにおいて外装カバー30の幅が狭くなるように構成されているが、側部30cおよび側部30dの双方において外装カバー30の幅が狭くなるように構成される場合もある。
【0012】
図16を参照して、カフ100Aがたとえば上腕70に巻き付けられたとき、外装カバー30の他端部30bが肩側に偏った状態で係止される場合がある。他端部30b付近における外装カバー30の側部30cは、既に巻き付けられている(一端部30a側の)外装カバー30の表面31から、外側(上腕70の表面)に向かってはみ出して配置されている。肩近くの上腕70周りの長さH1と、肘近くの上腕70周りの長さH2との差が大きいほど、外装カバー30の他端部30bは肩側に偏った状態で係止される。
【0013】
この場合、面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が小さくなるため、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力が小さくなる。空気袋を所望の圧力で膨張および収縮させることができなくなり、ひいては血圧値の測定中にカフ100Aが上腕70から外れてしまうこともある。その結果、測定値にばらつきが生じ、精度よく安定的に血圧情報を測定することが困難になる。図15に示すカフ100Bがたとえば上腕70に巻き付けられたときも同様に、面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が小さくなり、測定値にばらつきが生じ、精度よく安定的に血圧情報を測定することが困難になる。
【0014】
図17を参照して、カフ100Aが上腕70に巻き付けられたとき、面ファスナー42が面ファスナー41を視覚的に重なり合うように巻き付けられる場合もある。換言すると、他端部30b付近における外装カバー30の側部30cは、既に上腕70に巻きつけられている(一端部30a側の)外装カバー30の側部30cと重なり合うように配置される。他端部30b付近における外装カバー30の側部30dも同様に、既に上腕70に巻きつけられている(一端部30a側の)外装カバー30の側部30dと重なり合うように配置される。
【0015】
この場合、上記長さH1と上記長さH2との差が大きいほど、外装カバー30の側部30d側(肘に近い側)の長さが不足し、外装カバー30の側部30c側(肩に近い側)の長さが余分となり、面ファスナー41と面ファスナー42との間に隙間Sが生じる。
【0016】
隙間Sにより面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が小さくなるため、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力が小さくなる。空気袋を所望の圧力で膨張および収縮させることができなくなり、ひいては血圧値の測定中にカフ100Aが上腕70から外れてしまうこともある。その結果、測定値にばらつきが生じ、精度よく安定的に血圧情報を測定することが困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2004−166943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能な血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の局面に基づく血圧情報測定装置用カフは、生体を圧迫するための流体袋と、第1主面および第2主面を有し、上記流体袋を一端部側に内包する外装カバーと、上記第1主面上の上記一端部側に設けられた第1係止部材と、上記第1主面上の他端部側または上記第2主面上の上記他端部側のいずれかに設けられた第2係止部材と、を備え、上記外装カバーは上記生体に対して環状に巻き付けられ、上記第1係止部材および上記第2係止部材は、巻き付けられた上記外装カバーの上記生体に対する締結状態を保持し、上記外装カバーは、上記外装カバーのうち上記第2係止部材が設けられている領域を含む部分において、上記外装カバーのうち上記第1係止部材が設けられている領域を含む部分の幅よりも上記外装カバーの幅が広くなる第1幅広部を有し、上記第2係止部材は、上記第1係止部材の幅よりも上記第2係止部材の幅が広くなる第2幅広部を有する。
【0020】
上記発明の他の形態においては、上記外装カバーにおける上記第1幅広部および上記第2係止部材における上記第2幅広部は、上記外装カバーの上記一端部側から上記他端部側に向かうにつれ、幅方向外側にその幅が徐々に広がる略円弧状の形状を有している。
【0021】
上記発明の他の形態においては、上記外装カバーにおける上記第1幅広部および上記第2係止部材における上記第2幅広部は、上記外装カバーの上記一端部側から上記他端部側に向かうにつれ、幅方向の両外側に広がる形状を有している。
【0022】
上記発明の他の形態においては、上記外装カバーにおける上記第1幅広部および上記第2係止部材における上記第2幅広部は、上記第1主面側または上記第2主面側に折り曲げることが可能である。
【0023】
上記発明の他の形態においては、上記第2係止部材と、上記外装カバーのうち上記第2係止部材が設けられている領域を含む部分とには、上記第1主面側から上記第2主面側に向かって貫通する開口部がそれぞれ設けられている。
【0024】
本発明の第2の局面に基づく血圧情報測定装置用カフは、生体を圧迫するための流体袋と、上記流体袋を内包する第1の外装カバーと、上記第1の外装カバーに設けられた第1係止部材と、第2の外装カバーと、上記第2の外装カバーに設けられた第2係止部材と、上記第1の外装カバーの他端部側と上記第2の外装カバーの一端部側とを回動可能に接続する接続部材と、を備え、上記第1の外装カバーおよび上記第2の外装カバーは上記接続部材により相互に接続された状態で上記生体に対して環状に巻き付けられ、上記第1係止部材および上記第2係止部材は、巻き付けられた上記第1の外装カバーおよび上記第2の外装カバーの上記生体に対する締結状態を保持する。
【0025】
本発明に基づく血圧情報測定装置は、上記いずれかに記載の血圧情報測定装置用カフと、上記流体袋を膨縮させる膨縮機構と、血圧情報を取得する血圧情報取得部とを備えている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能な血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態1における血圧計の全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1におけるカフを示す平面図である。
【図3】実施の形態1における血圧計の機能ブロックを示す図である。
【図4】実施の形態1における血圧計の処理の流れを示す図である。
【図5】実施の形態1の第1変形例におけるカフを示す平面図である。
【図6】実施の形態1の第2変形例におけるカフを示す平面図である。
【図7】実施の形態1の第3変形例におけるカフを示す平面図である。
【図8】実施の形態1の第4変形例におけるカフを示す平面図である。
【図9】実施の形態1の第5変形例におけるカフを示す平面図である。
【図10】実施の形態1の第6変形例におけるカフを示す平面図である。
【図11】実施の形態1の第7変形例におけるカフを示す平面図である。
【図12】実施の形態2におけるカフを示す平面図である。
【図13】実施の形態3における血圧計の全体構成を示す図である。
【図14】一般的なカフを示す平面図である。
【図15】他の一般的なカフを示す平面図である。
【図16】一般的なカフが上腕に締結された様子を示す図である。
【図17】一般的なカフが上腕に締結された他の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に基づいた各実施の形態における血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0029】
以下の各実施の形態においては、血圧情報測定装置用カフの一例として、上腕に巻き付けられて使用される血圧計用カフについて説明する。血圧情報測定装置用カフを備えた血圧情報測定装置の一例として、上記血圧計用カフを用いて収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値を測定可能とした血圧計について説明する。
【0030】
以下の各実施の形態においては、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。以下に説明する各実施の形態において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0031】
[実施の形態1]
図1〜図4を参照して、本実施の形態における血圧計1について説明する。
【0032】
(血圧計1の構成)
図1を参照して、血圧計1は、本体10と、カフ20と、エア管80とを備えている。本体10は箱状の筐体を有している。本体10の上面には、表示部12および操作部15が設けられている。本体10は、測定時においてテーブル等に載置されて使用される。
【0033】
カフ20は、外装カバー30と、外装カバー30に流体袋として内包される空気袋34と、面ファスナー41(第1係止部材)と、面ファスナー42(第2係止部材)とを有している。
【0034】
外装カバー30は、表面(第1主面)31、裏面(第2主面)32、一端部30a、他端部30b、一方の側部30c、および他方の側部30dを有している。外装カバー30は、表面31を構成する部材と、裏面32を構成する部材とを重ね合わせて、その周縁を接合(たとえば縫合や溶着等)することによって袋状の部材として構成されている。カフ20は、外装カバー30の裏面32とたとえば上腕などの生体とが対向するように配置される。
【0035】
外装カバー30の裏面32側を構成する部材としては、好適には空気袋34の膨張によって上腕に加えられる圧迫力が阻害されないように、十分に伸縮性に富んだ部材が使用される。
【0036】
外装カバー30の表面31側を構成する部材としては、外装カバー30の裏面32側を構成する部材に比して伸縮性に乏しい部材が使用される。外装カバー30の表面31側を構成する部材としては、伸縮性の大小を比較的容易に調整することができるポリアミド(PA)、ポリエステル等の合成繊維からなる布地等が使用される。
【0037】
空気袋34は、エア管80に接続されている。空気袋34は、外装カバー30の長手方向における一端部30a側に内包されている。空気袋34は、袋状の部材から構成され、内部に膨縮空間を有している。空気袋34は、好適には樹脂シートを用いて構成される。空気袋34は、たとえば2枚の樹脂シートを重ね合わせ、その周縁を溶着することによって袋状に構成される。
【0038】
空気袋34を構成する樹脂シートの材質には、伸縮性に富んでおり溶着後において膨縮空間からの漏気がないものであればどのようなものでも使用可能である。好適には、空気袋34を構成する樹脂シートの材質は、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、軟質塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、天然ゴム(NR)等である。
【0039】
エア管80は、分離して構成された本体10とカフ20に内包される空気袋34とを接続している。空気袋34は、本体10からエア管80を通じて流体が注入されることにより膨張する。空気袋34は、本体10からエア管80を通じて流体が排出されることにより収縮する。この膨張および収縮により、空気袋34はたとえば上腕などの生体を圧迫することができる。
【0040】
外装カバー30には、空気袋34に加えて湾曲弾性板としてカーラ(不図示)が内包される場合もある。カーラは、一般的には、生体にフィットするように可撓性の部材により、略円筒形状に構成される。カーラは、一部が筒軸方向に破断されており、外装カバー30の長手方向に沿って外装カバー30に内包される。これにより、カーラは生体に巻きつけられる際に径方向に弾性変形することができる。カーラは、空気袋34の外側(カフ20を生体に巻きつけた際の空気袋34の外側)に配置される。
【0041】
(外装カバー30および面ファスナー41,42の詳細)
図2は、本実施の形態における血圧計1に用いられるカフ20を展開したときの平面図を示している。
【0042】
図2においては、外装カバー30に内包される空気袋(34)を記載していない。後述する実施の形態1の第1変形例〜第7変形例、および実施の形態2の説明に関する図5〜図12においても同様である。
【0043】
図2においては、外装カバー30の一部を破断して図示しているが、実際には当該一部において外装カバー30は連続している。図5〜図12においても同様である。
【0044】
図2を参照して、外装カバー30の一方の側部30cは、長手方向に沿って略直線状に構成されている。外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分は、長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0045】
外装カバー30においては、他方の側部30dのみが外側(紙面下方側)に湾曲して広がるように構成されている。外装カバー30の他方の側部30dは、一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分において、外装カバー30の幅が徐々に広くなるように構成されている。この構成に続いて、外装カバー30の他方の側部30dは、一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、外装カバー30の幅が比較的急峻に狭くなるように構成されている。
【0046】
外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、その一部において幅W2を有している。
【0047】
面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の一部における幅W2は、外装カバー30のうち面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aを有している。
【0048】
面ファスナー41は、外装カバー30の表面31上において略矩形状に設けられている。面ファスナー41は、外装カバー30の一端部30a側に設けられている。面ファスナー41は、外装カバー30の幅方向の略中心位置に設けられている。面ファスナー41は、幅L1を有している。
【0049】
面ファスナー42は、外装カバー30の裏面32上に設けられている。面ファスナー42は、外装カバー30の他端部30b側に設けられている。面ファスナー42は、一端部42a、他端部42b、一方の側部42c、および他方の側部42dを有している。
【0050】
面ファスナー42の一方の側部42cは、外装カバー30の長手方向と略平行な直線状に構成されている。
【0051】
面ファスナー42においては、他方の側部42dのみが外側(紙面下方側)に湾曲して広がるように構成されている。面ファスナー42の他方の側部42dは、一端部42a側から他端部42b側に向かうにつれ、面ファスナー42の幅が徐々に広くなるように構成されている。面ファスナー42の他方の側部42dは、一端部42a側から他端部42b側に向かうにつれ、他端部42bの付近において、面ファスナー42の幅が比較的急峻に狭くなるように構成されている。面ファスナー42は、その一部において幅L2を有している。
【0052】
面ファスナー42の一部における幅L2は、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aを有している。
【0053】
上記構成を有する血圧計1を使用して血圧値を測定するときは、カフ20が、外装カバー30の裏面32とたとえば上腕とが対向するように載置される。
【0054】
外装カバー30は、長手方向における空気袋34(図1参照)の略中心位置と、被測定部位とが対向するように、上腕に対して環状に巻き付けられる。面ファスナー41と面ファスナー42とは、重ね合わされることによって相互に係止し、巻き付けられた外装カバー30の生体に対する締結状態を保持する。外装カバー30に内包される空気袋が生体に対して固定され、血圧情報の測定が可能となる。
【0055】
(血圧計1の機能ブロック)
図3を参照して、血圧計1の機能ブロックについて説明する。血圧計1の本体10は、上述した表示部12および操作部15に加え、制御部11と、メモリ部13と、電源部14と、加圧ポンプ16aと、排気弁16bと、圧力センサ16cと、加圧ポンプ駆動回路17aと、排気弁駆動回路17bと、発振回路17cとを備えている。
【0056】
加圧ポンプ16a、排気弁16bおよび圧力センサ16cは、血圧計1におけるエア系コンポーネント16に相当する。加圧ポンプ16aおよび排気弁16bは、空気袋34を膨張および収縮させるための血圧計1における膨縮機構に相当する。
【0057】
空気袋34は、上述のとおりその内部に内腔としての膨縮空間を有している。空気袋34は、エア管80を介して加圧ポンプ16a、排気弁16bおよび圧力センサ16cのそれぞれに接続されている。
【0058】
制御部11は、たとえばCPU(Central Processing Unit)から構成される。制御部11は、血圧計1の全体を制御する。表示部12は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)にて構成される。表示部12は、測定結果等を表示する。
【0059】
メモリ部13は、処理用メモリ13aとデータ用メモリ13bとから構成される。メモリ部13は、処理用メモリ13aおよびデータ用メモリ13bにより、血圧値測定のための処理手順を制御部11等に実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果等を記憶したりする。
【0060】
電源部14は、制御部11に電源としての電力を供給する。操作部15は、電源スイッチ15aと、測定スイッチ15bと、停止スイッチ15cと、記録呼出スイッチ15dとから構成される。操作部15は、被験者等により各スイッチ15a〜15dの操作を受けて、外部からの命令を制御部11または電源部14に入力する。
【0061】
制御部11は、加圧ポンプ16aおよび排気弁16bを駆動するための制御信号を加圧ポンプ駆動回路17aおよび排気弁駆動回路17bにそれぞれ入力する。制御部11は、測定結果としての血圧値をメモリ部13または表示部12に入力する。
【0062】
制御部11は、圧力センサ16cによって検出された圧力値に基づいて被験者の血圧値を取得する血圧情報取得部(不図示)を含んでいる。血圧情報測定部によって取得された血圧値が、測定結果として上述したメモリ部13または表示部12に入力される。
【0063】
血圧計1は、測定結果としての血圧値を外部の機器(たとえばPC(Personal Computer)やプリンタ等)に出力する出力部を別途有していてもよい。出力部としては、たとえばシリアル通信回線または各種の記録媒体への書き込み装置等が使用可能である。
【0064】
加圧ポンプ16aの膨縮動作は、制御部11から入力された制御信号に基づいて加圧ポンプ駆動回路17aにより制御される。加圧ポンプ16aは、空気袋34の内腔に空気などの流体を供給することにより、空気袋34の内部の圧力(以下、「カフ圧」とも称する)を加圧する。
【0065】
排気弁16bの開閉動作は、制御部11から入力された制御信号に基づいて排気弁駆動回路17bにより制御される。排気弁16bは、空気袋34の内部の圧力を維持したり、空気袋34の内腔を外部に開放してカフ圧を減圧したりする。
【0066】
圧力センサ16cは、空気袋34の内部の圧力に応じた出力信号を発振回路17cに入力する。発振回路17cは、圧力センサ16cから入力された信号に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号を制御部11に入力する。
【0067】
(血圧計1の処理の流れ)
図3および図4を参照して、血圧計1の処理の流れについて説明する。血圧計1の処理の流れに従うプログラムは、メモリ部13に予め記憶されている。制御部11がメモリ部13からこのプログラムを読み出して実行することにより、血圧計1の処理が実行される。
【0068】
血圧値を測定する際には、被験者は予めカフ20を上腕に装着する。この状態において、被験者は本体10に設けられた操作部15(電源スイッチ15a)を操作して、血圧計1の電源をONにする(ステップST1)。
【0069】
電源部14から制御部11に対して電源としての電力が供給されて制御部11が駆動する。制御部11はメモリ部13の初期化を行なう(ステップST2)。制御部11は、圧力センサ16cの初期化を行なう(ステップST3)。
【0070】
制御部11は被験者の測定開始の指示を待つ。被験者が測定開始の指示として、操作部15(測定スイッチ15b)を操作する(ステップST4)。制御部11は、排気弁16bを閉塞させるとともに加圧ポンプ16aを駆動させる。空気袋34の加圧が開始される(ステップST5)。
【0071】
空気袋34のカフ圧は上昇する。空気袋34のカフ圧は、血圧値測定のために必要な所定のカフ圧以上にまで達する(ステップST6)。制御部11は加圧ポンプ16aを停止させ、閉じていた排気弁16bを開放する。空気袋34内の空気が排気され、空気袋34の減圧が徐々に開始される(ステップST7)。
【0072】
本実施の形態における血圧計1においては、カフ圧が徐々に減圧される過程において血圧値を測定する。血圧計1は、制御部11により収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値を算出する(ステップST8)。
【0073】
制御部11は、空気袋34のカフ圧が徐々に減圧する過程において発振回路17cから得られる発振周波数に基づき、脈波情報を抽出する。制御部11は、抽出された脈波情報に基づいて血圧値を決定する(ステップST9)。
【0074】
血圧値が決定されると、制御部11は、排気弁16bを開放して空気袋34内の空気を完全に排気する(ステップST10)。制御部11は、測定結果としての血圧値を表示部12に表示する(ステップST11)。制御部11は、当該血圧値をメモリ部13に格納し、データとして記録する(ステップST12)。
【0075】
被験者は、本体に設けられた操作部15(電源スイッチ15a)を操作して、血圧計1の電源をOFFにする。電源OFFにより、血圧計1の動作は終了する(ステップST13)。
【0076】
以上において説明した測定方式は、空気袋34の減圧時に脈波を検出するいわゆる減圧測定方式である。本実施の形態における血圧計1の測定方式は減圧測定方式に限られず、空気袋34の加圧時に脈波を検出するいわゆる加圧測定方式を採用することも可能である。
【0077】
(効果)
図1を参照して、カフ20は、外装カバー30の裏面32と、生体としてたとえば被験者の左腕の上腕(不図示)とが対向するように載置される。カフ20は、被験者の右手により、長手方向における空気袋34の略中心位置と、被測定部位とが対向するように、上腕に対して環状に巻き付けられる。
【0078】
カフ20が上腕に対して環状に巻きつけられる際、外装カバー30の一端部30aが、上腕と外装カバー30の裏面32との間に挟み込まれる。外装カバー30は、上腕に対して締結される。面ファスナー41および面ファスナー42は、相互に係止することによって、巻き付けられた外装カバー30の上腕に対する締結状態を保持する。外装カバー30に内包される空気袋34が上腕に対して固定され、血圧情報の測定が可能となる。
【0079】
本実施の形態における血圧計1においては、外装カバー30に第1幅広部33Aが設けられ、かつ面ファスナー42に第2幅広部43Aが設けられている。本実施の形態における血圧計1においては、第1幅広部33Aおよび第2幅広部43Aが設けられている側の側部(他方の側部30d)を、肘側(図16参照)に位置するように配置する。
【0080】
カフ20が、生体としてたとえば上腕に巻き付けられたとき、外装カバー30の他端部30bにおける側部30cが、肩側に偏った状態で係止される場合がある。冒頭において図16を参照して説明した面ファスナー41のうち面ファスナー42と接触せずに露出していた部分は、本実施の形態における血圧計1によれば、第2幅広部43Aにより覆われる。
【0081】
面ファスナー41と面ファスナー42とは相互に十分な接触面積をもって接触する。面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が大きくなることにより、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力を十分に確保することができる。
【0082】
空気袋34を所望の圧力で膨張および収縮させることが可能となり、血圧値の測定中にカフ20が上腕などの生体から外れてしまうことを防止できる。したがって、本実施の形態におけるカフ20およびこれを備えた血圧計1によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。
【0083】
[第1変形例]
図5を参照して、実施の形態1の第1変形例における血圧計について説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1との相違点についてのみ説明する。実施の形態1と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0084】
より具体的には、実施の形態1と本変形例とは、カフ21(図5参照)を構成する外装カバー30の外形形状、およびカフ21を構成する面ファスナー42の外形形状において相違する。
【0085】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分は、実施の形態1と同様に長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0086】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分においては、他方の側部30dに加え、一方の側部30cも外側(紙面上方側)に広がるように構成されている。
【0087】
外装カバー30の一方の側部30cは、一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分において、外装カバー30の幅が(紙面上方側に)徐々に広がるような円弧状に構成されている。
【0088】
外装カバー30の他方の側部30dは、一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分において、外装カバー30の幅が(紙面下方側に)徐々に広がるような円弧状に構成されている。
【0089】
外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、その一部において幅W2を有している。
【0090】
面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の一部における幅W2は、実施の形態1と同様に、外装カバー30のうち領域R1を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aに加えて、一方の側部30c側に突出する他の第1幅広部33Bを有している。
【0091】
本変形例における面ファスナー42においては、他方の側部42dに加え、一方の側部42cも外側(紙面上方側)に広がるように構成されている。面ファスナー42の一方の側部42cは、一端部42a側から他端部42b側に向かうにつれ、面ファスナー42の幅が徐々に広くなるような円弧状に構成されている。面ファスナー42は、その一部において幅L2を有している。
【0092】
面ファスナー42の一部における幅L2は、実施の形態1と同様に、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aに加えて、一方の側部42c側に突出する他の第2幅広部43Bを有している。
【0093】
(効果)
本変形例におけるカフ21において、外装カバー30は第1幅広部33Aおよび他の第1幅広部33Bを有しており、かつ面ファスナー42は第2幅広部43Aおよび他の第2幅広部43Bを有している。
【0094】
実施の形態1におけるカフ20は、面ファスナー41と面ファスナー42とを相互に十分に接触させるために、第1幅広部33Aおよび第2幅広部43Aが設けられている側(外装カバー30の側部30d側)が、肘側に位置するように巻き付けられる必要がある。したがって、実施の形態1におけるカフ20を備えた血圧計は、一方の腕(たとえば左腕)にのみ巻き付けて使用することが可能である。
【0095】
本変形例における外装カバー30は、外装カバー30の側部30d側に第1幅広部33Aおよび第2幅広部43Aが設けられ、外装カバー30の側部30c側に他の第1幅広部33Bおよび他の第2幅広部43Bが設けられている。したがって、本変形例におけるカフ21を備えた血圧計は、いずれの腕(右腕および左腕)に巻き付けても使用することが可能である。
【0096】
外装カバー30における第1幅広部33A,33B、および面ファスナー42における第2幅広部43A,43Bは、外装カバー30の一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、それらの幅が徐々に広がるような円弧状に構成されている。
【0097】
ここで仮に、カフ21が上腕に対して環状に巻き付けられた際、外装カバー30の側部30d側が肘近くに載置されるように載置されたとする(図16参照)。この場合、カフ21を上腕に巻き付ける途中において、外装カバー30の上記円弧状の構成を利用することができる。具体的には、外装カバー30の側部30dのうち、上腕に対して既に巻き付けられている側部30dの上に沿って、上腕に未だ巻き付けられていない側部30dを重ね合わせることが可能となる。
【0098】
側部30dが全体として重ね合わせられることによって、側部30dは上腕周りにおいて1つの円を略同一平面上に形成する。カフ21を備えた血圧計の利用者に対して、視覚的な安定感を与えることが可能となる。
【0099】
[第2変形例]
図6を参照して、実施の形態1の第2変形例における血圧計ついて説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第1変形例(図5)に基づいて、第1変形例との相違点についてのみ説明する。第1変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0100】
より具体的には、第1変形例と本変形例とは、カフ22(図6参照)を構成する外装カバー30、およびカフ22を構成する面ファスナー42において相違する。
【0101】
本変形例におけるカフ22を構成する外装カバー30は、第1幅広部33Aおよび第1幅広部33Bを、表面31側または裏面32側にそれぞれ折り返すことが可能な構成となっている。
【0102】
本変形例におけるカフ22を構成する面ファスナー42も、外装カバー30と同様に、第2幅広部43Aおよび第2幅広部43Bを、表面31側または裏面32側にそれぞれ折り返すことが可能な構成となっている。
【0103】
第1幅広部33A、第1幅広部33B、第2幅広部43Aおよび第2幅広部43Bを折り返すことが可能な構成により、カフ22を備える血圧計を収納するケースなどに収納する際、当該ケースの大きさを小さく構成することができる。加えて、血圧値の測定中においても、上記各幅広部33A,33B,43A,43Bと生体とが干渉することを抑制することが可能となる。
【0104】
[第3変形例]
図7を参照して、実施の形態1の第3変形例における血圧計ついて説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第1変形例(図5)に基づいて、第1変形例との相違点についてのみ説明する。第1変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0105】
より具体的には、第1変形例と本変形例とは、カフ23(図7参照)を構成する外装カバー30、およびカフ23を構成する面ファスナー42において相違する。
【0106】
本変形例におけるカフ23を構成する外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域を含む部分には、外装カバー30の他端部30b側から一端部30a側に向かって略V字状の切り欠き30vが設けられている。切り欠き30vは、外装カバー30の幅方向の略中心に位置している。切り欠き30vは、外装カバー30の他端部30b側から一端部30a側に向かって設けられている。
【0107】
本変形例におけるカフ23を構成する面ファスナー42にも、他端部42b側から一端部42a側に向かって略V字状の切り欠き42vが設けられている。切り欠き42vは、面ファスナー42の幅方向の略中心に位置し、他端部42b側から一端部42a側に向かって設けられている。
【0108】
ここで、第1変形例(図5)におけるカフ21を上腕などの生体に環状に巻き付けた後、面ファスナー41と面ファスナー42とを係止させたとき、外装カバー30の他端部30b側において幅方向に皺が発生する場合がある。本変形例におけるカフ23によれば、切り欠き30vおよび切り欠き42vが設けられていることにより、外装カバー30の他端部30b側において幅方向に皺が発生することを抑制することが可能となる。
【0109】
[第4変形例]
図8を参照して、実施の形態1の第4変形例における血圧計について説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第1変形例(図5)に基づいて、第1変形例との相違点についてのみ説明する。第1変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0110】
より具体的には、第1変形例と本変形例とは、カフ24(図8参照)を構成する外装カバー30の外形形状、およびカフ24を構成する面ファスナー42の外形形状において相違する。
【0111】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分は、第1変形例と同様に長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0112】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の外形形状は、4つの角部が丸みを帯びた略矩形状に構成されている。
【0113】
外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、第1変形例と同様に、その一部において幅W2を有している。
【0114】
面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の一部における幅W2は、第1変形例と同様に、外装カバー30のうち領域R1を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aと、一方の側部30c側に突出する他の第1幅広部33Bとを有している。
【0115】
本変形例における面ファスナー42の外形形状は、4つの角部が丸みを帯びた略矩形状に構成されている。面ファスナー42は、第1変形例と同様に、その一部において幅L2を有している。
【0116】
面ファスナー42の一部における幅L2は、第1変形例と同様に、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aと、一方の側部42c側に突出する他の第2幅広部43Bとを有している。
【0117】
本変形例におけるカフ24においては、第1変形例と同様に、外装カバー30に第1幅広部33A,33Bが設けられ、かつ面ファスナー42に第2幅広部43A,43Bが設けられている。外装カバー30の他端部30bが肩側に偏った状態で係止された場合であっても、面ファスナー41と面ファスナー42とは相互に十分な接触面積をもって接触することができる。
【0118】
本変形例におけるカフ24およびこれを備えた血圧計によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。本変形例におけるカフ24を備えた血圧計は、いずれの腕(右腕および左腕)に巻き付けても使用することが可能である。
【0119】
[第5変形例]
図9を参照して、実施の形態1の第5変形例における血圧計について説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第1変形例(図5)に基づいて、第1変形例との相違点についてのみ説明する。第1変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0120】
より具体的には、第1変形例と本変形例とは、カフ25(図9参照)を構成する外装カバー30の外形形状、およびカフ25を構成する面ファスナー42の外形形状において相違する。
【0121】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分は、第1変形例と同様に長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0122】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、外装カバー30の一端部30a側に底辺を有する略二等辺三角形状に構成されている。
【0123】
外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、第1変形例と同様に、その一部において幅W2を有している。
【0124】
面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の一部における幅W2は、第1変形例と同様に、外装カバー30のうち領域R1を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aと、一方の側部30c側に突出する他の第1幅広部33Bとを有している。
【0125】
本変形例における面ファスナー42は、面ファスナー42の一端部42a側に底辺を有する略二等辺三角形状に構成されている。面ファスナー42は、第1変形例と同様に、その一部において幅L2を有している。
【0126】
面ファスナー42の一部における幅L2は、第1変形例と同様に、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aと、一方の側部42c側に突出する他の第2幅広部43Bとを有している。
【0127】
本変形例におけるカフ25においては、第1変形例と同様に、外装カバー30に第1幅広部33A,33Bが設けられ、かつ面ファスナー42に第2幅広部43A,43Bが設けられている。外装カバー30の他端部30bが肩側に偏った状態で係止された場合であっても、面ファスナー41と面ファスナー42とは相互に十分な接触面積をもって接触することができる。
【0128】
本変形例におけるカフ25およびこれを備えた血圧計によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。本変形例におけるカフ25を備えた血圧計は、いずれの腕(右腕および左腕)に巻き付けても使用することが可能である。
【0129】
[第6変形例]
図10を参照して、実施の形態1の第6変形例における血圧計について説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第1変形例(図5)に基づいて、第1変形例との相違点についてのみ説明する。第1変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0130】
より具体的には、第1変形例と本変形例とは、カフ26(図10参照)を構成する外装カバー30の外形形状、およびカフ26を構成する面ファスナー42の外形形状において相違する。
【0131】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域R1を含む部分は、第1変形例と同様に長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0132】
本変形例における外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、一端部30a側の部分においては幅方向と平行になるような直線状に構成され、他の部分においては上記一端部30a側の部分と連続し他端部30b側に向かって略楕円形状に構成されている。
【0133】
外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分は、第1変形例と同様に、その一部において幅W2を有している。
【0134】
面ファスナー42が設けられている領域R2を含む部分の一部における幅W2は、第1変形例と同様に、外装カバー30のうち領域R1を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aと、一方の側部30c側に突出する他の第1幅広部33Bとを有している。
【0135】
本変形例における面ファスナー42は、面ファスナー42の一端部42a側の部分においては幅方向と平行となるような直線状に構成され、他の部分においては上記一端部42a側の部分と連続し他端部42b側に向かって略楕円形状に構成されている。面ファスナー42は、第1変形例と同様に、その一部において幅L2を有している。
【0136】
面ファスナー42の一部における幅L2は、第1変形例と同様に、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aと、一方の側部42c側に突出する他の第2幅広部43Bとを有している。
【0137】
本変形例におけるカフ26においては、第1変形例と同様に、外装カバー30に第1幅広部33A,33Bが設けられ、かつ面ファスナー42に第2幅広部43A,43Bが設けられている。外装カバー30の他端部30bが肩側に偏った状態で係止された場合であっても、面ファスナー41と面ファスナー42とは相互に十分な接触面積をもって接触することができる。
【0138】
本変形例におけるカフ26およびこれを備えた血圧計によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。本変形例におけるカフ26を備えた血圧計は、いずれの腕(右腕および左腕)に巻き付けても使用することが可能である。
【0139】
[第7変形例]
図11を参照して、実施の形態1の第7変形例における血圧計について説明する。本変形例の説明においては、実施の形態1の第6変形例(図10)に基づいて、第6変形例との相違点についてのみ説明する。第6変形例と本変形例とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0140】
より具体的には、第6変形例と本変形例とは、カフ27(図11参照)を構成する外装カバー30の形状、およびカフ27を構成する面ファスナー42の形状において相違する。
【0141】
本変形例におけるカフ27を構成する外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域を含む部分には、表面31側から裏面32側に向かって貫通する開口部30Hが設けられている。
【0142】
本変形例におけるカフ27を構成する面ファスナー42にも、表面31側から裏面32側に向かって貫通する開口部42Hが設けられている。
【0143】
外装カバー30の開口部30Hと面ファスナー42の開口部42Hとは、平面視において略同一の形状を有し、略同一の位置に配置されている。
【0144】
具体的には、開口部42Hおよび開口部30Hは、長手方向に延びる略楕円形状に形成されている。開口部30Hおよび開口部42Hは、面ファスナー42の幅方向における略中心、および長手方向における略中心に位置している。
【0145】
外装カバー30に開口部30Hが設けられ、面ファスナー42に開口部42Hが設けられていることにより、外装カバー30および面ファスナー42を長手方向に容易に伸縮させることが可能となる。当該伸縮を利用して、カフ27は、多様な生体の形状に対して柔軟に巻き付けられることが可能となる。
【0146】
[実施の形態2]
図12を参照して、本実施の形態における血圧計について説明する。本実施の形態の説明においては、実施の形態1に基づいて、実施の形態1との相違点についてのみ説明する。実施の形態1と本実施の形態とはカフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0147】
より具体的には、本実施の形態におけるカフ28(図12参照)は、第1の外装カバー30Aと、第2の外装カバー30Bと、第1の外装カバー30Aに流体袋として内包される空気袋(不図示)と、面ファスナー41(第1係止部材)と、面ファスナー42(第2係止部材)と、接続部材38とを備えている。
【0148】
第1の外装カバー30Aは、表面31A、裏面32A、一端部30Aa、および他端部30Abを有している。第1の外装カバー30Aは、長手方向に延びて略帯状に形成されている。空気袋は、上述のとおり第1の外装カバー30Aに内包されている。空気袋は、エア管80に接続されている。
【0149】
面ファスナー41は、第1の外装カバー30Aの表面31A上において略矩形状に設けられている。面ファスナー41は、第1の外装カバー30Aの一端部30Aa側に設けられている。面ファスナー41は、第1の外装カバー30Aの幅方向の略中心位置に設けられている。
【0150】
第2の外装カバー30Bは、表面31B、裏面32B、一端部30Ba、および他端部30Bbを有している。第2の外装カバー30Bは、長手方向に延びて略帯状に形成されている。
【0151】
面ファスナー42は、第2の外装カバー30Bの裏面32B上において、裏面32Bの略全面を覆うように略矩形状に設けられている。
【0152】
接続部材38は、第1の外装カバー30Aの他端部30Ab側と、第2の外装カバー30Bの一端部30Ba側とを回動可能に接続している。接続部材38により、第2の外装カバー30Bは、第1の外装カバー30Aに対して矢印A1に示す方向および矢印A2に示す方向に回動することができる。
【0153】
接続部材38は、たとえば紙面垂直方向に延びる筒状に形成される。接続部材38には、第1の外装カバー30Aと第2の外装カバー30Bとの接続状態を保持するために、(紙面垂直方向における)双方の端部において、それぞれ筒径方向に突出するフランジ状の突起が設けられているとよい。
【0154】
上記構成を有する血圧計を使用して血圧値を測定するときは、カフ28が、第1の外装カバー30Aの裏面32A(および第2の外装カバー30Bの裏面32B)と、生体としてたとえば上腕とが対向するように載置される。第1および第2の外装カバー30A,30Bは、上腕に対して環状に巻き付けられる。
【0155】
面ファスナー41と面ファスナー42とは、重ね合わされることによって相互に係止し、巻き付けられた第1および第2の外装カバー30A,30Bの上腕に対する締結状態を保持する。空気袋が生体に対して固定され、血圧情報の測定が可能となる。
【0156】
(効果)
カフ28が、生体としてたとえば上腕に巻き付けられたとき、第2の外装カバー30Bの他端部30Bbが肩側に偏った状態で係止される場合がある。
【0157】
本実施の形態における血圧計においては、第1の外装カバー30Aと第2の外装カバー30Bとが回動可能に接続されている。たとえば上述の図16において、面ファスナー41のうち面ファスナー42と接触せず露出していた部分は、第2の外装カバー30Bを回動させることによって、面ファスナー42により覆われる。
【0158】
面ファスナー41と面ファスナー42とは相互に十分な接触面積をもって接触する。面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が大きくなることにより、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力を十分に確保することができる。
【0159】
空気袋を所望の圧力で膨張および収縮させることが可能となり、血圧値の測定中にカフ28が上腕などの生体から外れてしまうことを防止できる。本実施の形態におけるカフ28およびこれを備えた血圧計によれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。
【0160】
本実施の形態における血圧計においては、第1の外装カバー30Aと第2の外装カバー30Bとが、矢印A1および矢印A2に示す双方向に回動可能に接続されている。したがって、本実施の形態におけるカフ28を備えた血圧計は、いずれの腕(右腕および左腕)に巻き付けて使用されても、第2の外装カバー30Bを回動させることによって、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力を十分に確保することができる。
【0161】
[実施の形態3]
図13を参照して、実施の形態3における血圧計1aについて説明する。本実施の形態の説明においては、実施の形態1との相違点についてのみ説明する。実施の形態1と本実施の形態とは、カフの構成において相違し、その他の構成については略同様である。
【0162】
より具体的には、本実施の形態におけるカフ29(図13参照)は、外装カバー30と、外装カバー30に流体袋として内包される空気袋34と、面ファスナー41(第1係止部材)と、面ファスナー42(第2係止部材)と、環状リング36とを有している。
【0163】
外装カバー30の一方の側部30cは、長手方向に沿って略直線状に構成されている。外装カバー30のうち、面ファスナー41が設けられている領域を含む部分は、長手方向に延びて略帯状に構成されている。当該部分は、幅W1を有している。
【0164】
外装カバー30においては、他方の側部30dのみが外側(紙面上方側)に湾曲して広がるように構成されている。外装カバー30の他方の側部30dは、一端部30a側から他端部30b側に向かうにつれ、外装カバー30のうち面ファスナー42が設けられている領域を含む部分において、外装カバー30の幅が徐々に広くなるように構成されている。
【0165】
外装カバー30のうち、面ファスナー42が設けられている領域を含む部分は、その一部において幅W2を有している。
【0166】
面ファスナー42が設けられている領域を含む部分の一部における幅W2は、外装カバー30のうち面ファスナー41が設けられている領域を含む部分の幅W1よりも広く設定されている。外装カバー30の当該広く設定されている部分において、外装カバー30は、他方の側部30d側に突出する第1幅広部33Aを有している。
【0167】
面ファスナー41は、外装カバー30の表面31上において略矩形状に設けられている。面ファスナー41は、外装カバー30の長手方向における一端部30aと他端部30bとの間に設けられている。面ファスナー41は、外装カバー30の幅方向の略中心位置に設けられている。面ファスナー41は、幅L1を有している。
【0168】
面ファスナー42は、面ファスナー41と同様に、外装カバー30の表面31上に設けられている。面ファスナー42は、外装カバー30の他端部30b側に設けられている。面ファスナー42は、一端部42a、他端部42b、一方の側部42c、および他方の側部42dを有している。
【0169】
面ファスナー42の一方の側部42cは、外装カバー30の長手方向と略平行な直線状に構成されている。
【0170】
面ファスナー42においては、他方の側部42dのみが外側(紙面上方側)に湾曲して広がるように構成されている。面ファスナー42の他方の側部42dは、一端部42a側から他端部42b側に向かうにつれ、面ファスナー42の幅が徐々に広くなるように構成されている。面ファスナー42は、その一部において幅L2を有している。
【0171】
面ファスナー42の一部における幅L2は、面ファスナー41における幅L1よりも広く設定されている。面ファスナー42の当該広く設定されている部分において、面ファスナー42は、他方の側部42d側に突出する第2幅広部43Aを有している。
【0172】
環状リング36は、外装カバー30の一端部30a側に取付けられている。環状リング36は、外装カバー30の一端部30a側の部分を環状リング36に挿通させ折り返して縫合することにより、外装カバー30に取付けられている。
【0173】
環状リング36は、外装カバー30との間に摩擦が生じ難いたとえば金属製の部材にて構成され、外装カバー30の他端部30b側の部分を挿通可能な挿通孔を有している。外装カバー30は、外装カバー30の他端部30bが外装カバー30の一端部30a付近に取付けられた環状リング36の挿通孔に挿通されることで、環状の形態に維持される。
【0174】
外装カバー30の他端部30b側の部分は、外装カバー30の環状に形成された部分の周方向に沿って環状リング36に向かい、環状リング36を基点に折り返される。
【0175】
上記構成を有する血圧計1aを使用して血圧値を測定するとき、環状に形成された外装カバー30にたとえば被験者の左腕の上腕(不図示)が挿入される。外装カバー30は、被験者の右手により外装カバー30の他端部30bが環状リング36から離れる方向に引っ張られることにより、外装カバー30が上腕に対して締結される。
【0176】
面ファスナー41および面ファスナー42は、相互に係止することによって、巻き付けられた外装カバー30の上腕に対する締結状態を保持する。外装カバー30に内包される空気袋が上腕に対して固定され、血圧情報の測定が可能となる。
【0177】
本実施の形態における血圧計1aにおいては、外装カバー30に第1幅広部33Aが設けられ、かつ面ファスナー42に第2幅広部43Aが設けられている。本実施の形態における血圧計1aにおいては、第1幅広部33Aおよび第2幅広部43Aが設けられている側の側部(他方の側部30d)を、肘側に位置するように配置する。
【0178】
カフ29が、生体としてたとえば上腕に巻き付けられたとき、外装カバー30の他端部30bの側部30c側が肩側に偏った状態で係止される場合がある。本実施の形態における血圧計1aによれば、面ファスナー42に第2幅広部43Aが設けられていることにより、面ファスナー41と面ファスナー42とは、相互に十分な接触面積をもって接触する。面ファスナー41と面ファスナー42との接触面積が大きくなることにより、面ファスナー41と面ファスナー42との係止力を十分に確保することができる。
【0179】
空気袋34を所望の圧力で膨張および収縮させることが可能となり、血圧値の測定中にカフ29が上腕などの生体から外れてしまうことを防止できる。したがって、本実施の形態におけるカフ29およびこれを備えた血圧計1aによれば、被測定部位に対する装着を確実に行なうことが可能となり、測定値にばらつきが生じることも無く、精度よく安定的に血圧情報を測定することが可能となる。
【0180】
以上、本発明の発明を実施するための形態について説明したが、今回開示された形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0181】
たとえば、実施の形態1(第1〜第7変形例を含む、以下同じ)と、実施の形態3とについては、各構成(技術的思想)を適宜組み合わせることが可能である。実施の形態2と、実施の形態3とについても、各構成(技術的思想)を適宜組み合わせることが可能である。
【0182】
実施の形態1〜実施の形態3においては、血圧値の測定に際して上腕にカフが装着されるいわゆる上腕式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフを例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではない。
【0183】
実施の形態1〜実施の形態3における構成は、血圧値の測定に際して手首にカフが装着されるいわゆる手首式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフに適用することも可能である。
【0184】
実施の形態1〜実施の形態3における構成は、血圧値の測定に際して足首にカフが装着されるいわゆる足首式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフ等に適用することも可能である。
【0185】
実施の形態1〜実施の形態3における構成は、収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値が測定可能な血圧計およびこれに具備される血圧計用カフに適用した場合を例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではない。
【0186】
実施の形態1〜実施の形態3における構成は、収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値以外の他の血圧情報(たとえば、平均血圧値、脈波、脈拍、AI(Augmentation Index)値等)が測定可能な血圧情報測定装置およびこれに具備される血圧情報測定装置用カフに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0187】
1,1a 血圧計、10 本体、11 制御部、12 表示部、13 メモリ部、13a 処理用メモリ、13b データ用メモリ、14 電源部、15 操作部、15a 電源スイッチ、15b 測定スイッチ、15c 停止スイッチ、15d 記録呼出スイッチ、16 エア系コンポーネント、16a 加圧ポンプ、16b 排気弁、16c 圧力センサ、17a 加圧ポンプ駆動回路、17b 排気弁駆動回路、17c 発振回路、20〜29,100A,100B カフ、30,30A,30B 外装カバー、30a,30Aa,30Ba,42a 一端部、30Ab,30b,30Bb,42b 他端部、30c,30d,42c,42d 側部、30H,42H 開口部、31,31A,31B 表面、32,32A,32B 裏面、33A,33B 第1幅広部、34 空気袋、36 環状リング、38 接続部材、41,42 面ファスナー、43A,43B 第2幅広部、70 上腕、80 エア管、A1,A2 矢印、L1,L2,W1,W2 幅、R1,R2 領域、S 隙間、ST1〜ST13 ステップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を圧迫するための流体袋と、
第1主面および第2主面を有し、前記流体袋を一端部側に内包する外装カバーと、
前記第1主面上の前記一端部側に設けられた第1係止部材と、
前記第1主面上の他端部側または前記第2主面上の前記他端部側のいずれかに設けられた第2係止部材と、
を備え、
前記外装カバーは前記生体に対して環状に巻き付けられ、
前記第1係止部材および前記第2係止部材は、巻き付けられた前記外装カバーの前記生体に対する締結状態を保持し、
前記外装カバーは、前記外装カバーのうち前記第2係止部材が設けられている領域を含む部分において、前記外装カバーのうち前記第1係止部材が設けられている領域を含む部分の幅よりも前記外装カバーの幅が広くなる第1幅広部を有し、
前記第2係止部材は、前記第1係止部材の幅よりも前記第2係止部材の幅が広くなる第2幅広部を有する、
血圧情報測定装置用カフ。
【請求項2】
前記外装カバーにおける前記第1幅広部および前記第2係止部材における前記第2幅広部は、前記外装カバーの前記一端部側から前記他端部側に向かうにつれ、幅方向外側にその幅が徐々に広がる略円弧状の形状を有している、
請求項1に記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項3】
前記外装カバーにおける前記第1幅広部および前記第2係止部材における前記第2幅広部は、前記外装カバーの前記一端部側から前記他端部側に向かうにつれ、幅方向の両外側に広がる形状を有している、
請求項1または2に記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項4】
前記外装カバーにおける前記第1幅広部および前記第2係止部材における前記第2幅広部は、前記第1主面側または前記第2主面側に折り曲げることが可能である、
請求項1から3のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項5】
前記第2係止部材と、前記外装カバーのうち前記第2係止部材が設けられている領域を含む部分とには、前記第1主面側から前記第2主面側に向かって貫通する開口部がそれぞれ設けられている、
請求項1から4のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項6】
生体を圧迫するための流体袋と、
前記流体袋を内包する第1の外装カバーと、
前記第1の外装カバーに設けられた第1係止部材と、
第2の外装カバーと、
前記第2の外装カバーに設けられた第2係止部材と、
前記第1の外装カバーの他端部側と前記第2の外装カバーの一端部側とを回動可能に接続する接続部材と、
を備え、
前記第1の外装カバーおよび前記第2の外装カバーは前記接続部材により相互に接続された状態で前記生体に対して環状に巻き付けられ、
前記第1係止部材および前記第2係止部材は、巻き付けられた前記第1の外装カバーおよび前記第2の外装カバーの前記生体に対する締結状態を保持する、
血圧情報測定装置用カフ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフと、
前記流体袋を膨縮させる膨縮機構と、
血圧情報を取得する血圧情報取得部とを備えた、
血圧情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−177276(P2011−177276A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43043(P2010−43043)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】