説明

血圧計用締付装置及び電子血圧計

【課題】 簡易な構成による血圧計用締付装置を提供する。
【解決手段】 血圧計用締付装置2であって、電圧を印加することで伸縮可能なEPAMと、前記エラストマー又はポリマーに電圧を印加するために設けられた電極とを有するアクチュエータ21と、前記EPAMの伸縮に応じて生体の一部を締め付けるよう変形するカーラ22と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧計に用いられる締付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧計測に際しては、人体の動脈を圧迫し発生する動脈圧脈波を正確にとらえるため、人体の一部、例えば上腕に空気袋を巻き付け、その空気袋を周囲から拘束、固定する必要がある。
【0003】
この時、上腕のサイズに合わせて拘束固定する必要があるため、カフ(手首や腕を圧迫するための腕帯)に上腕を挿入した後、上腕のサイズに応じて自動的にカフが巻き付き、カフ内の空気袋に空気を送圧することで上腕が拘束、圧迫される。
【0004】
このような装置として、特許文献1には、空気袋を内包するカフの巻き付けを行うために、巻き込み用ワイヤーロープをモータに接続されたプーリに巻き付けて伝達する巻き込み用クラッチ、巻き戻り用クラッチ及び加圧時の腕体緩みを止めるロッククラッチを備えたフローティング機構が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、円筒状に構成された可撓性腕体と、可撓性腕体を巻き付けるためのテープ及び巻き取りローラと、巻き取りローラを回転するモータとを備え、巻き取りローラを回転することにより巻き付け固定を行う血圧測定用腕体巻付装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、収納室内に移動可能に収納された可動部材と、可動部材と連結された蛇腹と、蛇腹に圧力空気を送るポンプとを備え、圧力空気により蛇腹が伸張されることで可動部材が移動し、カフが生体に巻き付けられる血圧測定用腕体の自動巻付装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術の場合においては、人体の一部にカフや可撓性腕体を巻き付け固定するための巻き取り用ユニットの機構部として、ワイヤーロープ、プーリ、クラッチ、ローラ等の駆動伝達部、及びそれらを駆動するモータを必要とする。そのため、部品点数が多くなることで複雑となるだけでなく、装置自体が大きくかつ重くなる要因となる。
【0008】
また、部品点数が多く複雑となることで、騒音や消費電流が大きくなる要因ともなる。
【特許文献1】実開平2−135003号公報
【特許文献2】特開平10−314123号公報
【特許文献3】特開平7−124128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来技術を鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡易な構成による血圧計用締付装置及びそれを用いた電子血圧計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る血圧計用締付装置にあっては、電圧を印加することで伸縮可能なエラストマー又はポリマーと、前記エラストマー又はポリマーに電圧を印加するために設けられた電極とを有するアクチュエータと、前記エラストマー又はポリ
マーの伸縮に応じて生体の一部を締め付けるよう変形する固定具と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、電圧を印加することで伸縮可能なエラストマー又はポリマーとしては、誘電エラストマーや電歪ポリマー(例えば、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン等の電場応答性を持つ高歪性プラスチック)と呼ばれる物質を用いることができる。特に、電場応答性高分子人工筋肉(EPAM)を用いたものが好適である。また、固定具の形状は略リング状であるとよい。
【0012】
この構成により、生体の一部を締め付けるための固定具を変形させるためにモータやクラッチ等の部品が必要なく、簡便な構成による血圧計用締付装置を実現することができる。
【0013】
また、前記血圧形用締付装置において、前記アクチュエータは、高電圧で長時間印加させるとコンデンサ効果が現れる。そのため、人体測定時(締め付け時)において、人体締め付け拘束状態を保持する為に必要な電力を省力化することができる。
【0014】
特に、前記固定具の内側に血圧測定の際に加圧される流体袋を備え、前記固定具は前記流体袋を介して生体の一部を締め付ける構成を好適に用いることができる。
【0015】
また、前記血圧計用締付装置において、前記固定具は、可撓性又はバネ性を有することでアクチュエータで発生する力が少なくても固定具を変形させ、かつ、繰り返しの変形動作が可能となる。
【0016】
また、前記血圧計用締付装置において、前記固定具は、少なくとも2以上の部品を連結することでリング状に構成され、前記部品は平板又はR形状を有することで、周長の異なる部位を測定する装置間であっても、部品の数を変えるだけで対応できる。ここで、R形状とは、平板でない曲面をいい、測定部位の形状に応じた曲面が好ましく、例えば、円弧状の曲面形状が好ましい。
【0017】
また、前記血圧計用締付装置において、隣接する前記部品間に前記アクチュエータが配置され、該アクチュエータを複数有することで、締付装置の周長を大きく変化させることが可能となる。
【0018】
また、前記血圧計用締付装置において、前記部品は、隣接する部品に設けられたスライド部にガイドされる突起部を有し、前記アクチュエータの伸縮に応じて前記部品が前記隣接する部品に対して相対移動することで、部品同士が外れることなく締付装置の変形が可能となる。
【0019】
また、前記血圧計用締付装置において、前記部品は、隣接する部品に設けられた複数のスライド部にガイドされる複数の突起部を有し、前記アクチュエータの伸縮に応じて前記部品が前記隣接する部品に対して相対移動し、前記突起部のそれぞれが前記スライド部のそれぞれに対して移動する量が異なることが好適である。
【0020】
この構成によれば、例えば、測定する生体の一部が上腕や手首等の場合のように、固定具に対する挿入側、固定具からの突出側に対して直径が異なる部位を測定する場合、各スライド部でのスライド量が上腕の形状に沿って定まる。その結果、測定部位全体に渡って締め付け力を均一にすることが可能となり、正しい血圧測定が可能となる。
【0021】
また、前記血圧計用締付装置において、前記固定具は、生体の締め付け時に前記生体の
一部の形状に応じて変形し、生体を固定具に挿入する側の内径より生体が固定具より突出する側の内径が小さくなる構成であっても良い。
【0022】
また、前記血圧計用締付装置において、前記アクチュエータの変形量を増幅して前記固定具を変形させる変形量増幅手段を有する構成であっても良い。
【0023】
また、前記血圧計用締付装置において、前記アクチュエータの変形を復元する弾性部材を備えることで、締め付け状態から開放状態への変形を迅速に行うことができる。
【0024】
また、前記血圧計用締付装置において、前記アクチュエータと前記固定具との接合部に電極を設けることで、装置の小型化を図ることができる。
【0025】
また、前記血圧計用締付装置において、前記アクチュエータは、伸縮可能なポリマーの両面に導電性伸縮材料を電極として設けることで、アクチュエータの変形時においてもポリマー膜等に対して安定した電圧印加が可能となる。
【0026】
また、前記血圧計用締付装置において、前記アクチュエータは、電圧を印加することで前記固定具の周方向に対して収縮する第一のエラストマー又はポリマーと、電圧を印加することで前記固定具の周方向に対して膨張する第二のエラストマー又はポリマーとを有し、それぞれに印加する電圧を制御することで、バネ部がなくてもアクチュエータの締め付け、開放動作を行うことが可能となり、部品点数の削減、装置の小型・軽量化を図ることができる。
【0027】
また、前記血圧計用締付装置は、前記流体袋を加圧するポンプと、前記流体袋の内気圧を検出する圧力センサと、検出した前記内気圧に基づいて血圧測定のための処理を実行する演算手段と、を有する電子血圧計に好適に用いることができる。これにより、小型、軽量な電子血圧計を実現することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、簡易な構成による血圧計用締付装置を実現することができる。また、小型化、軽量化を図った電子血圧計を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に図面及び実施例を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、機能、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状、機能などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0030】
(血圧計の構成)
図3は、本発明を好適に採用しうる電子血圧計のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
電子血圧計Aは、血圧測定の際に上腕に巻き付ける流体袋1と、その流体袋1を周囲から圧迫、固定するための圧迫固定用アクチュエータ21及び固定具としてのカーラ22(図1参照)と、を備える締付装置(以下、「締付装置」と称す)2と、空気等の流体が充填される流体袋1に流体を送り加圧するポンプ3と、流体袋1内の流体を排出する弁4と、流体袋1の内気圧を検出する圧力センサ5と、検出した内気圧に基づいて内蔵するプログラムにより血圧測定のための処理を実行する演算手段としてのCPU6と、測定時の設定や測定の開始を行う操作部7と、設定データ、演算データ、測定結果等を記憶するメモ
リ8と、設定状態や測定結果等を表示する表示部9と、各部に電気を供給する電源部10とを備えている。
【0032】
また、CPU6は、圧力センサ5から出力され、発振回路11にて変換された信号に基づいて流体袋1内の圧力を検出する。そして、CPU6は、加圧が必要な場合は、ポンプ駆動回路12によりポンプ3を駆動し、流体袋1内の圧力を高める。一方、減圧が必要な場合は、弁駆動回路13により弁4を開弁し、流体袋1内の圧力を低める。
【0033】
また、CPU6は、駆動回路14を制御し、上腕を流体袋1を介して締め付けるように締付装置2を駆動する。
【0034】
なお、締付装置2としては、後述する電場応答性高分子人工筋肉(EPAM:Electroactive Polymer Artificial Muscle)を用いたものが好適であり、以下の各実施例ではE
PAMをアクチュエータ21に用いた場合について説明する。
【0035】
(血圧計の基本動作)
図4は、本発明を好適に採用しうる電子血圧計の基本動作を示すフローチャートである。
【0036】
電源がONされ、動作が開始すると、電子血圧計Aの各設定状態を初期状態にリセットする初期化が行われる(ステップST1)。
【0037】
電子血圧計Aは、締付装置2を駆動し、締付装置2の一部を構成する固定具としてのカーラが上腕の締め付けを開始する(ステップST2)。その後、カーラは、上腕に対してある程度締め付けた状態で固定される(ステップST3)。
【0038】
上腕と固定されたカーラとの間に配置されている流体袋1は、ポンプ3により所定の圧力まで加圧される。そして、圧力センサ5が検出した流体袋1の圧力変動を示す信号が、発振回路11を経てCPU6に送信され、その信号に基づいて測定が開始される(ステップST4)。
【0039】
その後、流体袋1内の圧力は弁4を開弁することで徐々に減圧され(ステップST5)、CPU6は、最高血圧、最低血圧及び脈拍数を算出する(ステップST6)。算出された血圧値等は表示部9に表示される(ステップST7)。
【0040】
測定が終了すると、駆動回路14は、締付装置2を駆動し、カーラの締め付けを開放する。また、上腕を圧迫していた流体袋1内の空気も弁4から排気され、上腕が締め付けから開放され(ステップST8)、1サイクルの測定動作が終了する。
【0041】
以下に、本発明に好適に用いられる血圧測定用締付装置の構成を説明する。なお、以下では、人体の上腕を測定する場合について説明するが、人体以外の生体にも使用できるものであり、測定する部位も生体の一部である手首や足首であってよい。
【実施例1】
【0042】
図1は、実施例1に係る締付装置の締め付け動作を示す断面図、図2は、実施例1に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【0043】
図1に示す締付装置2は、電圧を印加することで伸縮可能なEPAMと該EPAMに電圧を印加するために設けられた電極(不図示)とを有するアクチュエータ21と、前記EPAMの伸縮に応じて生体の一部を締め付けるよう変形する略リング状の固定具であって
、流体袋1を上腕に対して締め付け固定する固定具としてのカーラ22と、アクチュエータ21の端部をカーラ22と接合する接合部23a、23bとを有する。
【0044】
なお、流体袋1はカーラ22の内側に備えられており、血圧測定の際に加圧される。そして、カーラ22は流体袋1を介して生体の一部である、例えば、上腕を締め付ける。
【0045】
カーラ22は、図2に示すように、可撓性又はバネ性を有する板状の弾性体を約一周分巻いたような円筒形をしており、板の一端に径方向に折り曲がった状態で設けられた接合部23aと、板の他端に径方向に折り曲がった状態で設けられた接合部23bとを有する。そして、板の一部に設けられた開口22aから、接合部23aが外側に飛び出た状態で、接合部23aと接合部23bとの間にアクチュエータ21が取り付けられている。これにより、アクチュエータ21で発生する力が少なくてもカーラ22を変形させ、かつ、繰り返しの変形動作が可能となる。
【0046】
アクチュエータ21とカーラ22との接合部23a、23bは、アクチュエータ21が締付装置2の動作中に外れないような構成であればよく、例えば、図12に示すように、アクチュエータ21の両端部が入り込む穴が設けられた筒状の接合部でもよい。
【0047】
また、接合部23a、23bには電極を設けることで簡便にアクチュエータ21に電圧を印加することができる。
【0048】
例えば、伸縮可能なポリマー膜の両面に伸縮性のある電極膜(例えば、弾性体に炭素の粒子を分散させた導電性伸縮材料)ではさみ電圧を加えると電極間距離が縮まり、横方向にポリマー膜が伸びる。そこで、その性質を締付装置2に利用することで、モータを必要とせず簡便な構成で上腕に対する締め付けを行うことができる。また、電極に伸縮性のある導電性材料を採用することにより、アクチュエータ21の変形時においてもポリマー膜等に対して安定した電圧印加が可能となる。
【0049】
図5は、実施例に係るアクチュエータに電圧を印加した際の変形の様子を示す模式図である。
【0050】
実施例1に係るアクチュエータ21は、図15(a)に示すような両面に伸縮性のある電極25a、25bが設けられたフィルム状のEPAM(1)を、図15(b)に示すようにロール状に1周又は複数周巻いたものである。なお、EPAM(1)を巻く際には、隣接する電極同士を絶縁するために、不図示の絶縁物がEPAM(1)と共にロール状に巻かれている。そして、図5(a)に示すように、電極25a、25b間に電圧Vを印加することで、アクチュエータ21は径方向に圧縮され軸方向に伸びる。そのため、アクチュエータ21は、カーラ22の周方向に沿って伸び、接合部23a、23b間の距離が離れるため、カーラ22の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0051】
実施例1に係る締付装置2は、上述のアクチュエータ21を用いることで、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなくカーラ22を初期(開放)状態(図1(a))から締付状態(図1(b))へ変形させることができる。
【0052】
また、変形していたアクチュエータ21は、電圧の印加を停止すると、カーラ22が有するバネ性(弾性力)により元の形に戻り、カーラ22が締付状態から初期状態に戻る。なお、カーラ22自身の復元力を増加させるためにアクチュエータ21にバネ部を設けることも有効である。
【0053】
従って、実施例1に係る締付装置2によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の
複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0054】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【実施例2】
【0055】
図6は、実施例2に係る締付装置の締め付け動作を示す断面図、図7は、実施例2に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【0056】
図6に示す締付装置102は、電圧を印加することで伸縮可能なEPAMと該EPAMに電圧を印加するために設けられた電極(不図示)とを有するアクチュエータ121と、前記EPAMの伸縮に応じて生体の一部を締め付けるよう変形する略リング状の固定具であって、流体袋101を上腕に対して締め付け固定するカーラ122と、アクチュエータ121の端部をカーラ122と接合する接合部123a、123bと、アクチュエータ121に電圧を印加するために配置された電極(不図示)とを有する。
【0057】
カーラ122は、図7に示すように、可撓性又はバネ性を有する板状の弾性体の一端を折り曲げ、その両端部が重なるように約一周分巻いたような円筒形をしている。カーラ122の一端はアクチュエータ121が取り付けられるように、径方向に折り曲がった接合部123aが設けられている。また、カーラ122の外周部に径方向に突出して設けられた板状の接合部123bと接合部123aとの間にアクチュエータ121を挟持している。
【0058】
実施例2に係るアクチュエータ121は、図5(b)に示すように、EPAM(2)の軸方向の両端に電極125a、125bが設けられている。本実施例では、更に、EPAM(2)の間にも交互に複数の電極125a、125bが設けられている。そして、電極125a、125b間のそれぞれに電圧Vを印加することで、アクチュエータ121は軸方向に圧縮され径方向に膨張する。そのため、アクチュエータ121は、カーラ122の周方向に沿って収縮し、接合部123a、123b間の距離が近づくため、カーラ122の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0059】
実施例2に係る締付装置102は、上述のアクチュエータ121を用いることで、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなくカーラ122を初期(開放)状態(図6(a))から締付状態(図6(b))へ変形させることができる。
【0060】
また、電圧の印加を停止すると、変形していたアクチュエータ121は、カーラ122が有するバネ性(弾性力)により元の形に戻り、カーラ122が締付状態から初期状態に戻る。なお、必要に応じて接合部123a、123b間にバネを設け、その弾性力を利用してもよい。
【0061】
従って、実施例2に係る締付装置102によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0062】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【実施例3】
【0063】
図8は、実施例3に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【0064】
図8に示す締付装置202は、複数の分割カーラ222と、電圧を印加することで電場方向に収縮すると共に電場方向と垂直な方向に膨張する複数のアクチュエータ221と、アクチュエータ221の端部を分割カーラ222と接合する接合部223a、223bと、電圧が印加されていない状態でカーラの内径を上腕が挿入できる程度の大きさに保持する伸縮部としてのバネ部224と、アクチュエータ221と分割カーラ222との接合部にアクチュエータ221に電圧を印加するために配置された電極(不図示)とを有する。
【0065】
分割カーラ222は、接合部223a、223bが設けられている円弧状の本体部222aと、隣接する本体部222aに対してスライド可能なスライド部222b、222cと、隣接する本体部222aに設けられた突起部(不図示)が挿入されるスライド溝222dとを備える。そして、少なくとも2以上の平板又はR形状を有する分割カーラ222を連結することでリング状の固定具が構成される。
【0066】
スライド部222b、222cは、本体部222aの軸方向に平行な一辺の両端部に設けられている。なお、分割カーラ222は、複数の部品を結合して一体としても良いし、一体成形により作製してもよい。
【0067】
従って、分割カーラ222は、隣接する分割カーラ222に設けられたスライド部222b、222cにガイドされる突起部を有しているため、アクチュエータ221の伸縮に応じて分割カーラ222が隣接する分割カーラ222に対して相対移動することが可能となる。
【0068】
アクチュエータ221は、分割カーラ222の接合部223aと、隣接する分割カーラ222の接合部223bとの間に取り付けられている。また、アクチュエータ221と対応して、各分割カーラ222の間に、締付時にカーラ全体が広がる方向に圧力を発生するバネ部224を備えている。
【0069】
実施例3に係るアクチュエータ221は、実施例2で用いた図5(b)に示すEPAM(2)を用いることができる。そして、例えば、接合部223a、223bに設けられた電極(不図示)間に電圧を印加することで、円柱状のアクチュエータ221は円柱の軸方向に圧縮され円柱の径方向に膨張する。そのため、アクチュエータ221は、分割カーラ222の周方向に沿って収縮し、接合部223a、223b間の距離が近づくため、分割カーラ222を連結した締付装置202の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0070】
実施例3に係る締付装置202は、上述のアクチュエータ221を用いることで、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなく各分割カーラ222を初期(開放)状態(図8(a))から締付状態(図8(b))へ変形させることができる。
【0071】
また、電圧の印加を停止すると、変形していたアクチュエータ221は、バネ部224の弾性力の助けを得て元の形に復元し、各分割カーラ222が締付状態から初期状態に戻る。
【0072】
従って、実施例3に係る締付装置202によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0073】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【0074】
また、分割カーラ222は、隣接する分割カーラに設けられた複数のスライド部222b、222cにガイドされる複数の突起部(不図示)を有し、アクチュエータ221の伸縮に応じて分割カーラ222が隣接する分割カーラに対して相対移動し、前記突起部のそれぞれがスライド部222b、222cのそれぞれに対して移動する量を異ならせることが可能な構成である。
【0075】
また、複数の分割カーラ222からなる締付装置202は、上腕の締め付け時に上腕の形状に応じて変形し、上腕をカーラに挿入する側の内径より上腕がカーラより突出する側の内径が小さくなるよう変形可能な構成である。
【0076】
換言すれば、隣接する分割カーラに対してスライドするスライド部が各分割カーラごとに2箇所ずつ設けられているので、例えば、上腕のようにカーラの挿入側、カーラからの突出側に対して直径が異なる部位を測定する場合、各スライド部でのスライド量が上腕の形状に沿って定まる。具体的には、上腕の測定部位のうち手に近い部位は直径が小さいため、それに合わせてスライド部のスライド量が多くなる。一方、肩に近い部位は直径が大きいため、それに合わせてスライド部のスライド量は少なくてすむ。その結果、測定部位全体に渡って締め付け力を均一にすることが可能となり、正しい血圧測定が可能となる。
【0077】
また、分割カーラを採用することにより、周長の異なる部位を測定する装置間であっても、分割カーラの数を変えるだけで対応できる。
【0078】
また、複数の分割カーラを用い、各分割カーラ間にそれぞれアクチュエータを配置することで、締付装置の周長を大きく変化させることが可能となる。そのため、測定前(開放状態)の締付装置の内径を大きくすることができ、測定者の手首や上腕の挿入が容易となり、測定者に与える心理的な圧迫を減らすことができる。
【実施例4】
【0079】
図9は、実施例4に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【0080】
図9に示す締付装置302は、複数の分割カーラ322と、電圧を印加することで電場方向に収縮すると共に電場方向と垂直な方向に膨張する複数のアクチュエータ321と、アクチュエータ321の端部を分割カーラ322と接合する接合部323a、323bと、電圧が印加されていない状態でカーラの内径を上腕が挿入できる程度の大きさに保持する伸縮部としてのバネ部324と、アクチュエータ321と分割カーラ322との接合部にアクチュエータ321に電圧を印加するために配置された電極(不図示)とを有する。
【0081】
分割カーラ322は、接合部323aが設けられている円弧状の本体部322aと、隣接する本体部322aに対してスライド可能なスライド部322b、322cと、隣接する本体部322aに設けられた突起部(不図示)が挿入するスライド溝322dと、本体部322a、スライド部322b、322cに囲まれた開口部322eと、開口部322eを挟んで本体部322aと反対側に設けられた接合部323bとを備える。
【0082】
そして、スライド部323b、323cは、それらの一端が本体部322aの軸方向に平行な一辺の両端部と結合しており、それらの他端が接合部323bと連結している。なお、分割カーラ322は、複数の部品を結合して一体としても良いし、一体成形により作製してもよい。
【0083】
アクチュエータ321は、分割カーラ322の接合部323aと、隣接する分割カーラ322の接合部323bとの間に取り付けられている。また、アクチュエータ321と対応して、各開口部322eに、締付時にカーラ全体が広がる方向に圧力を発生するバネ部324を備えている。
【0084】
実施例4に係るアクチュエータ321は、実施例1で用いた図5(a)に示すEPAM(1)を用いることができる。そして、例えば、接合部323a、323bに設けられた電極(不図示)間に電圧を印加することで、円柱状のアクチュエータ321は円柱の径方向に圧縮され円柱の軸方向に膨張する。そのため、アクチュエータ321は、分割カーラ322の周方向に沿って膨張し、接合部323a、323b間の距離が遠くなるため、分割カーラ322を連結した締付装置302の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0085】
実施例4に係る締付装置302は、上述のアクチュエータ321を用いることで、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなく各分割カーラ322を初期(開放)状態(図9(a))から締付状態(図9(b))へ変形させることができる。
【0086】
また、電圧の印加を停止すると、変形していたアクチュエータ321は、バネ部324の弾性力の力を得て元の形に復元し、各分割カーラ322が締付状態から初期状態に戻る。
【0087】
従って、実施例4に係る締付装置302によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0088】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【0089】
また、実施例4に係る締付装置302によれば、分割カーラを採用することにより、周長の異なる部位を測定する装置間であっても、分割カーラの数を変えるだけで対応できる。
【0090】
また、複数の分割カーラを用い、各分割カーラ間にそれぞれEPAMを配置することで、アクチュエータの周長を大きく変化させることが可能となる。そのため、測定前(開放状態)のアクチュエータの内径を大きくすることができ、測定者の手首や上腕の挿入が容易となり、測定者に与える心理的な圧迫を減らすことができる。
【実施例5】
【0091】
図10は、実施例5に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【0092】
図10に示す締付装置402は、図8に示す締付装置202と類似の構成を有する。特に異なる点は、電圧の印加方向が1種類のアクチュエータ221を電圧の印加方向が異なる2種類のEPAMからなるアクチュエータ421に変更し、バネ部224を廃したことである。
【0093】
すなわち、実施例5に係るアクチュエータ421は、電圧を印加することでカーラの周方向に対して収縮する第一のEPAMと、電圧を印加することでカーラの周方向に対して膨張する第二のEPAMとを有する。
【0094】
図10に示す締付装置402は、複数の分割カーラ222と、電圧を印加することで電場方向に収縮すると共に電場方向と垂直な方向に膨張する2種類のEPAM421a、421b(図11参照)からなる複数のアクチュエータ421と、アクチュエータ421の端部を分割カーラ422と接合する接合部423a、423bと、EPAM421a、421bと分割カーラ422との接合部に、EPAM421a、421bに電圧を印加するためにそれぞれ配置された電極(不図示)とを有する。
【0095】
図11は、EPAM421a、421bとそれぞれに電圧を印加するために設けられた電極対421c、421dとからなる実施例5に係るEPAMを示す断面図である。
【0096】
以下、実施例3と比較して同じ構成の説明は省略し、異なる構成、作用、効果について説明する。
【0097】
実施例5に係るアクチュエータ421は、実施例1、2で用いた図5(a)、(b)に示すEPAM(1)、(2)を用いることができる。実施例5では、アクチュエータ421は円筒(円柱)状であり、アクチュエータ421の外側に図5(a)に示すようなロール状に巻いたEPAM421a(EPAM(1))が配置され、内側に図5(b)に示す円筒形のEPAM421b(EPAM(2))が配置されている。
【0098】
そして、電極対421c間に電圧を印加せず、電極対421d間(図11参照)に電圧を印加することで、円筒形のEPAM421bは、円筒の軸方向に圧縮され円筒の径方向に膨張する。そのため、アクチュエータ421全体は、分割カーラ422の周方向に沿って収縮し、接合部423a、423b間の距離が近づくため、分割カーラ422を連結した締付装置402の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0099】
一方、電極対421d間に電圧を印加せず、電極対421c間(図11参照)に電圧を印加することで、円筒状のEPAM421aは、円筒の径方向に圧縮され円筒の軸方向に膨張する。そのため、アクチュエータ421全体は、分割カーラ422の周方向に沿って膨張し、接合部423a、423b間の距離が離れるため、分割カーラ422を連結した締付装置402の内径が大きくなり、上腕を開放することができる。
【0100】
従って、実施例5に係る締付装置402によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0101】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【0102】
また、電圧の印加方向が異なる2種類のEPAMを設け、それぞれに印加する電圧を制御することで、バネ部がなくてもアクチュエータの締め付け、開放動作を行うことが可能となり、部品点数の削減、装置の小型・軽量化を図ることができる。
【実施例6】
【0103】
図13は、実施例6に係る締付装置の概略構成を示す斜視図である。
【0104】
図13に示す締付装置502は、不図示の空気袋を上腕に対して締め付け固定するカーラ522と、電圧を印加することで電場方向に収縮すると共に電場方向と垂直な方向に膨張するアクチュエータ521と、アクチュエータ521の端部をカーラ522と接合する
523a、523bと、アクチュエータ521に電圧を印加するために配置された電極(不図示)とを有する。
【0105】
カーラ522は、板状の弾性体の一端を折り曲げ、その両端部が重なるように約一周分巻いたような円筒形をしている。カーラ522の一端522aは接合部523aと連結部524aにより連結しており、カーラ522の他端522bは接合部523bと連結部524bにより連結している。連結部524a、524bは、支点525で互いに回動可能に交差しており、接合部523a、523b間に挟持されたアクチュエータ521の伸縮に合わせて支点を中心に可動する。
【0106】
実施例6に係るアクチュエータ521は、例えば、図5(a)、(b)に示すEPAMを適宜選択して用いることができる。そしてアクチュエータ521の両端に設けられた電極(不図示)に電圧を印加することで、アクチュエータ21は軸方向に圧縮され径方向に伸びる。そのため、アクチュエータ521は、カーラ522の周方向に沿って伸び、接合部523a、523b間の距離が離れるため、連結部524a、524bがカーラ22の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0107】
すなわち、実施例6に係る締付装置502は、アクチュエータ521の変形量を増幅してカーラ522を変形させる変形量増幅手段として、てこ(梃子)の原理を利用できるよう接合部とカーラの端部を連結し、支点を中心に連結部同士が相対的に回動可能な構成を採用した。
【0108】
従って、実施例6に係る締付装置502は、上述の構成を採用することにより、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなくカーラ522を初期(開放)状態から締付状態へ変形させることができる。
【0109】
また、電圧の印加を停止すると、変形していたアクチュエータ521は、カーラ522のバネ性(弾性力)により元の形に戻り、カーラ522が締付状態から初期状態に戻る。
【0110】
また、実施例6に係る締付装置502によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0111】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【実施例7】
【0112】
図14は、実施例7に係る締付装置の概略構成を示す斜視図である。
【0113】
図14に示す締付装置602は、不図示の空気袋を上腕に対して締め付け固定するカーラ622と、電圧を印加することで電場方向に収縮すると共に電場方向と垂直な方向に膨張するアクチュエータ621と、アクチュエータ621の一端に固定されたラック623と、ラック623と噛み合うように配置された2段ギヤ624と、2段ギヤ624と噛み合うラック625と、電圧を印加するために配置された電極(不図示)とを有する。
【0114】
カーラ622は、板状の弾性体の一端を折り曲げ、その両端部が重なるように約一周分巻いたような円筒形をしている。カーラ622の一端622aにはラック625が取り付けられている。一方、カーラ622の他端622bは、アクチュエータ621の他端が接合している。
【0115】
実施例7に係るアクチュエータ621は、例えば、図5(a)、(b)に示すEPAMを適宜選択して用いることができる。そしてアクチュエータ621の両端に設けられた電極(不図示)に電圧を印加することで、アクチュエータ621は軸方向に圧縮され径方向に伸びる。
【0116】
そのため、アクチュエータ621に取り付けられているラック623が矢印D方向に移動し、ラック623と噛み合っている小径のギヤ部624aが回転すると共に、大径のギヤ部624bも矢印B方向に回転する。そして、ギヤ部624bと噛み合うラック625が矢印C方向に移動することで、両端622a、622b間の距離が離れるため、カーラ622の内径が小さくなり、上腕を締め付けることができる。
【0117】
すなわち、実施例6に係る締付装置602は、アクチュエータ621の変形量を増幅してカーラ522を変形させる変形量増幅手段として、ギヤとラックとの組み合わせを採用した。
【0118】
従って、実施例7に係る締付装置602は、上述の構成を採用することにより、アクチュエータ621の特性(例えば、伸縮率、作動圧)を考慮してギヤ比を適宜選択することで、モータやクラッチ等の複雑な機構を用いることなくカーラ622を初期(開放)状態から締付状態へ変形させることができる。
【0119】
また、電圧の印加を停止すると、変形していたアクチュエータ621は、カーラ622のバネ性(弾性力)により元の形に戻り、カーラ622が締付状態から初期状態に戻る。
【0120】
また、実施例7に係る締付装置602によれば、従来技術に示したモータやクラッチ等の複雑な機構を必要とせず、簡便な構成でモータより応答性の良い締め付け動作を行うことができ、血圧計の小型化、軽量化に寄与することができる。
【0121】
また、モータの駆動音がないためアクチュエータの駆動時の騒音を低減することができる。加えて、モータを駆動するための電流も必要ないため、血圧計全体の消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施例1に係る締付装置の断面図である。
【図2】実施例1に係る締付装置の斜視図である。
【図3】電子血圧計のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】電子血圧計の基本動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例に係るEPAMに電圧を印加した際の変形の様子を示す模式図である。
【図6】実施例2に係る締付装置の締め付け動作を示す断面図である。
【図7】実施例2に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【図8】実施例3に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【図9】実施例4に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【図10】実施例5に係る締付装置の締め付け動作を示す斜視図である。
【図11】実施例5に係るEPAMの断面図である。
【図12】接合部の様子を示す断面図である。
【図13】実施例6に係る締付装置の構成を示す斜視図である。
【図14】実施例7に係る締付装置の構成を示す斜視図である。
【図15】実施例1に係るEPAMの構造を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0123】
1、101 流体袋
2、102、202、302、402、502、602 締付装置
3 ポンプ
4 弁
5 圧力センサ
6 CPU
7 操作部
8 メモリ
9 表示部
10 電源部
11 発振回路
12 ポンプ駆動回路
13 弁駆動回路
14 駆動回路
21、121、221、321、421、521、621 アクチュエータ
22、122、522、622 カーラ
22a 開口
23a、23b 接合部
25a、25b 電極
222、322、422 分割カーラ
222a 本体部
222b、222c スライド部
222d スライド溝
223a 接合部
223b 接合部
224 バネ部
322e 開口部
421c 電極対
421d 電極対
422 分割カーラ
423a 接合部
524a 連結部
524b 連結部
525 支点
623 ラック
624 2段ギヤ
624a ギヤ部
624b ギヤ部
625 ラック
A 電子血圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧を印加することで伸縮可能なエラストマー又はポリマーと、前記エラストマー又はポリマーに電圧を印加するために設けられた電極とを有するアクチュエータと、
前記エラストマー又はポリマーの伸縮に応じて生体の一部を締め付けるよう変形する固定具と、
を有することを特徴とする血圧計用締付装置。
【請求項2】
前記固定具の内側に血圧測定の際に加圧される流体袋を備え、前記固定具は前記流体袋を介して生体の一部を締め付けることを特徴とする請求項1に記載の血圧計用締付装置。
【請求項3】
前記固定具は、可撓性又はバネ性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の血圧計用締付装置。
【請求項4】
前記固定具は、少なくとも2以上の部品を連結することでリング状に構成され、前記部品は平板又はR形状を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項5】
隣接する前記部品間に前記アクチュエータが配置され、該アクチュエータを複数有することを特徴とする請求項4に記載の血圧計用締付装置。
【請求項6】
前記部品は、隣接する部品に設けられたスライド部にガイドされる突起部を有し、前記アクチュエータの伸縮に応じて前記部品が前記隣接する部品に対して相対移動することを特徴とする請求項4又は5に記載の血圧計用締付装置。
【請求項7】
前記部品は、隣接する部品に設けられた複数のスライド部にガイドされる複数の突起部を有し、前記アクチュエータの伸縮に応じて前記部品が前記隣接する部品に対して相対移動し、前記突起部のそれぞれが前記スライド部のそれぞれに対して移動する量が異なることを特徴とする請求項4又は5に記載の血圧計用締付装置。
【請求項8】
前記固定具は、生体の締め付け時に前記生体の一部の形状に応じて変形し、生体を固定具に挿入する側の内径より生体が固定具より突出する側の内径が小さくなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項9】
前記アクチュエータの変形量を増幅して前記固定具を変形させる変形量増幅手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項10】
前記アクチュエータの変形を復元する弾性部材を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項11】
前記アクチュエータと前記固定具との接合部に電極を設けることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項12】
前記アクチュエータは、伸縮可能なエラストマー又はポリマーの両面に導電性伸縮材料を電極として設けることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項13】
前記アクチュエータは、電圧を印加することで前記固定具の周方向に対して収縮する第一のエラストマー又はポリマーと、電圧を印加することで前記固定具の周方向に対して膨張する第二のエラストマー又はポリマーとを有することを特徴とする請求項1乃至12の
いずれかに記載の血圧計用締付装置。
【請求項14】
請求項2乃至13のいずれかに記載の血圧計用締付装置と、
前記流体袋を加圧するポンプと、
前記流体袋の内気圧を検出する圧力センサと、
検出した前記内気圧に基づいて血圧測定のための処理を実行する演算手段と、
を有する電子血圧計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−6450(P2006−6450A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184879(P2004−184879)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】