説明

血液サンプル検出方法、血液サンプル分注方法、血液サンプル分析方法、分注装置および血液サンプル種類検出方法

【課題】血漿サンプルおよび血球サンプルを簡易かつ正確に分注しうる方法および装置を提供すること。
【解決手段】検体容器9a内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプルを検体分注装置20により分注する血液サンプル分注方法。圧力検出手段を備えた検体分注装置20は、分注プローブ20bを用いて、検体容器9aに収容された前記血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出部18bと、前記圧力変化により血漿層と血球層の境界面を検出して、血球層の高さ情報を算出する演算部18cと、前記血球層の高さ情報に基づき血球サンプルの吸引を制御する制御部15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液サンプル検出方法、血液サンプル分注方法、血液サンプル分析方法、分注装置および血液サンプル種類検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血糖やヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病の診断マーカとして使用されており、自動分析装置においては、被験者から採取した血液サンプルを遠心分離により血漿と血球に分離し、血漿サンプルから血糖を、血球サンプルからHbA1cを分析している。血漿および血球サンプルの分注については、種々の分注方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1では、液面検知手段により検知された液面位置と、予め設定された又は測定されたヘマトクリット値に基づいて血漿層と血球層との界面を推定し、係る界面位置に基づいて血球層の検体を分注する方法が開示されている。
【0004】
特許文献2では、血漿を吸引する電極兼用血漿吸引ノズルと、血球を吸引する電極兼用血球吸引ノズルとを有し、これら2つのノズル間のインピーダンスを検出して、血漿層と血球層の界面位置を検知する装置が開示されている。
【0005】
特許文献3では、検体容器に貼られた識別ラベルの表面で反射した光の光量によって識別コードを読み取るとともに、識別ラベルの周方向の両端間に形成される隙間を通して得られる検体からの反射光量の差によって検体容器内の血液検体の血漿面及び血球面を検出する分析装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−246727号公報
【特許文献2】特開平5−306950号公報
【特許文献3】特開平9−89902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の方法では、血球の境界面を推定するために、予めヘマトクリット値を測定するか、または測定しない場合はヘマトクリットの予測値を入力する必要がある。したがって、同じ検体においてヘマトクリット値が測定されている場合はよいが、測定されていない場合は、検査項目の追加となるため費用や時間の増加につながり、予測値を使用する場合は、正しい境界面の検知は困難であるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2の装置では、血漿と血球の界面検知のために、金属製サンプルプローブを2本用いる必要があるため、自動分析装置の構造が複雑となるだけでなく、サンプル容器の種類によっては2本のプローブを挿入することが困難である。
【0009】
さらに、特許文献3の装置では、識別ラベルの読取りのために検体容器の保持、昇降および回転のための機構を設けるため構造が複雑になるだけでなく、識別ラベルの貼り付けに留意しないと識別ラベルの周方向の両端に形成される隙間ができずに検出不能になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で血液サンプルの濃度分布、血液サンプルの種類を検出し、血球層の高さを算出することにより、血球サンプルを簡易かつ正確に分注しうる血液サンプル検出方法、血液サンプル分注方法、血液サンプル分析方法、分注装置および血液サンプル種類検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の血液サンプル検出方法は、プローブ内の圧力を検出する手段を用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出ステップと、前記圧力変化をもとに前記血液サンプルの濃度分布を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の血液サンプル検出方法は、上記発明において、前記判定ステップは、前記血液サンプルの境界面を判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の血液サンプル検出方法は、上記発明において、前記検出ステップは、前記プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の血液サンプル検出方法は、上記発明において、前記検出ステップは、分注プローブによる前記血液サンプル中での上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、検体容器内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプルの分注方法であって、圧力検出手段を備えた分注装置の分注プローブを用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出ステップと、前記圧力変化をもとに血漿層と血球層との境界面を検出し、前記血球層の高さを算出する演算ステップと、前記血球層の高さ情報に基づき血球サンプルを吸引採取する分注ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記検出ステップは、前記プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記検出ステップは、前記分注プローブによる前記血液サンプルの上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記分注ステップは、前記演算ステップで血球層の高さを算出後、前記血液サンプル中の分注プローブを所定量血球層内に降下して血球サンプルを吸引採取することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記分注ステップは、前記分注プローブを前記血液サンプル中から引上げ、吸引サンプルを吐出洗浄の後行なわれることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記検出ステップは、前記分注プローブにより血漿液面を検出し、前記分注ステップは、前記血漿液面の検出結果をもとに血漿サンプルの分注を行ない、その後、前記血球サンプルを分注することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の血液サンプル分注方法は、上記発明において、前記検出ステップは、静電容量式液面検知機構による静電容量変化により液面を検出することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の血液サンプル分析方法は、上記のいずれかに記載の血液サンプル分注方法により分注した血液サンプルと試薬との反応後、光学的に分析を行う分析ステップを含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の分注装置は、検体容器内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプルの分注を行なう分注装置であって、プローブ内の圧力を検出する手段を用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出手段と、前記圧力変化により血漿層と血球層の境界面を検出し、前記血球層の高さを算出する演算手段と、前記血球層の高さに基づき血球サンプルの吸引を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の分注装置は、上記の発明において、前記検出手段は、前記分注プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の分注装置は、上記の発明において、前記検出手段は、前記分注プローブによる前記血液サンプルの上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の血液サンプル種類の検出方法は、前記血液サンプル中で圧力検出手段を備えた分注プローブのサンプル吸引時または吐出時の圧力変化を検出する検出ステップと、前記圧力変化により血液サンプルの種類を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、検体容器内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプル内を、圧力検出手段を備えた分注プローブを用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出し、前記圧力変化により血漿層と血球層の境界面を検出して、血球層の高さを算出し、当該血球層の高さに基づき血球サンプルを吸引採取することができるので、血球サンプルを簡易かつ正確に分注できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(実施の形態1)
以下に添付図面を参照して、本発明の血液サンプル分注方法の好適な実施の形態1を詳細に説明する。図1は、実施の形態1にかかる自動分析装置の概略構成図である。図2は、図1の自動分析装置で使用する検体分注装置の概略構成を示すブロック図である。
【0029】
自動分析装置1は、血球成分を含む血液や尿等の検体を自動分析する装置であり、図1に示すように、第1および第2試薬テーブル2、3、反応テーブル4、第1および第2試薬分注装置6、7、検体容器移送機構8、ラック9、分析光学系11、洗浄機構12、第1および第2攪拌装置13、14、制御部15、入力部16、表示部17、記憶部19及び検体分注装置20を備えている。
【0030】
第1および第2試薬テーブル2、3は、図1に示すように、それぞれ第1試薬の試薬容器2aと第2試薬の試薬容器3aが周方向に複数配置され、駆動手段により回転されて試薬容器2a、3aを周方向に搬送する。複数の試薬容器2a、3aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が付加されている。ここで、試薬テーブル2および3の外周には、試薬容器2aおよび3aに付加した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置(図示せず)が設置されている。
【0031】
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列されており、試薬テーブル2および3を駆動する駆動手段とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転されて反応容器5を周方向に移動させる。反応テーブル4は、光源11aと分光部11bとの間に配置され、反応容器5を保持する保持部4aと光源11aが出射した光束を分光部11bへ導く円形の開口からなる光路4bとを有している。保持部4aは、反応テーブル4の外周に周方向に沿って所定間隔で配置され、保持部4aの内周側に半径方向に延びる光路4bが形成されている。
【0032】
反応容器5は、分析光学系11から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等によって四角筒状に成形されたキュベットと呼ばれる容器である。反応容器5は、近傍に設けた第一および第二試薬分注装置6、7によって第一および第二試薬テーブル2、3の試薬容器2a、3aから試薬が分注される。ここで、第一および第二試薬分注装置6、7は、それぞれ水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム6a、7aに試薬を分注するノズル6b、7bが設けられ、洗浄水によってノズル6b、7bを洗浄する洗浄手段(図示せず)を有している。
【0033】
検体容器移送機構8は、図1に示すように、配列された複数のラック9を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック9は、検体を収容した複数の検体容器9aを保持している。ここで、検体容器9aは、収容した検体の情報を記録したバーコード等が貼付され、検体容器移送機構8によって移送されるラック9の歩進が停止するごとに、検体分注装置20によって検体が各反応容器5へ分注される。血糖やヘモグロビンA1cを分析項目とする血液サンプルは、予め検体容器9aに収容された状態で遠心分離が行なわれ、血漿層と血球層に分離された血液サンプルから血漿サンプルと血球サンプルが分析項目に応じて個別に分注される。ここで、ラックの外周には、検体容器9aに貼付された情報記録媒体(図示せず)に記録された、検体情報や検体容器9aの容器情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置(図示せず)が設置されている。
【0034】
分析光学系11は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体試料に分析光(340〜800nm)を透過させて分析するための光学系であり、光源11a、分光部11b及び受光部11cを有している。光源11aから出射された分析光は、反応容器5内の液体試料を透過し、分光部11bと対向する位置に設けた受光部11cによって受光される。受光部11cは、制御部15と接続されている。
【0035】
洗浄機構12は、ノズル12aによって反応容器5内の液体試料を吸引して排出した後、ノズル12aによって洗剤や洗浄水等の洗浄液等を繰り返し注入し、吸引することにより、分析光学系11による分析が終了した反応容器5を洗浄する。
【0036】
第1攪拌装置13及び第2攪拌装置14は、分注された検体と試薬とを攪拌棒13a、14aによって攪拌し、反応を促進させる。
【0037】
制御部15は、第1および第2試薬テーブル2、3、第1および第2試薬分注装置6、7、検体容器移送機構8、分析光学系11、洗浄機構12、第1および第2攪拌装置13、14、入力部16、表示部17、記憶部19および検体分注装置20等と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、受光部11cから入力される波長ごとの光量信号をもとに各反応容器5内の液体試料の波長ごとの吸光度を求め、検体の成分濃度等を分析する。また、制御部15は、試薬容器2a、3aに付加した情報記録媒体から読み取った情報に基づき、試薬のロットが異なる場合や有効期限外等の場合に分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警報を発する。
【0038】
さらに、制御部15は、モード切替手段15aを有している。モード切替手段15aは、検体分注装置20の分注モードを切り替えるためのものである。分注モードとしては、特別分注モードと通常分注モードとがある。特別分注モードは、検体が血漿および血球を分注するためのモードである。また、通常分注モードは、検体が全血サンプルやその他の血液以外のサンプルを分注するモードである。そして、制御部15は、図2に示すように、処理部18a、検出部18bおよび演算部18cを備えた境界面検出部18と接続される。
【0039】
図2は、検体分注装置の概略構成を示すブロック図である。検体分注装置20は、図2に示すように、分注プローブ20b、分注ポンプ23、ポンプ駆動部24、圧力検出手段である圧力センサ25、洗浄水ポンプ27、増幅回路28、液面検知部31、制御部15および境界面検出部18を備えている。
【0040】
検体分注装置20は、図1に示すように、それぞれ水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム20aに検体を分注する分注プローブ20bが設けられ、洗浄水によって分注プローブ20bを洗浄する洗浄槽(図示せず)を有している。図2に示すように、分注プローブ20bは、配管22によって分注ポンプ23、圧力センサ25及び洗浄水ポンプ27と接続されている。分注プローブ20bは、プローブ駆動部21によって図中矢印Xで示す水平方向およびZで示す上下方向に移動され、分注プローブ20bの下部に順次搬送されてくる検体容器9aから検体を吸引し、この検体を反応テーブル4上の反応容器5に吐出することによって検体を分注する。
【0041】
分注ポンプ23は、分注プローブ20bに検体容器9a内の検体を吸引した後、反応テーブル4により搬送されてくる反応容器5に吸引した検体を吐出するシリンジポンプであり、ポンプ駆動部24によってピストン23aが往復動される。
【0042】
圧力センサ25は、配管22内の圧力を検出し、圧力信号(アナログ)として増幅回路28へ出力する。
【0043】
洗浄水ポンプ27は、タンク29に貯留された脱気した洗浄水30を吸い上げ、圧力センサ25との間に設けた電磁弁26を介して配管22内に圧送する。このとき、電磁弁26は、制御部15からの制御信号によって、吸い上げた洗浄水30を配管22内に圧送する場合には「開」に切り替えられ、分注ポンプ23によって分注プローブ20bが液体試料を吸引し、吐出する場合には「閉」に切り替えられる。
【0044】
増幅回路28は、圧力センサ25から出力される圧力信号(アナログ)を増幅し、増幅した圧力信号は制御部15を介して境界面検出部18へ出力される。
【0045】
境界面検出部18は、処理部18a、検出部18bおよび演算部18cを備えており、圧力センサ25により検出された圧力変化に基づき血漿層と血球層の境界面を検出し、血球層の高さを算出するが、空気と血漿の界面についても同様に検出することができる。境界面検出部18は、例えば、コンピュータ装置が使用される。
【0046】
処理部18aは、増幅回路28から入力される圧力信号(アナログ)をデジタル信号に変換処理する部分で、例えばA/D変換器が使用される。検出部18bは、処理部18aによってデジタル信号に変換された圧力信号から配管22内の圧力を検出する。演算部18cは、検出部18bが検出した圧力変化から血漿層と血球層の境界面を検出し、読取部(図示せず)で読取った検体容器の情報から検体容器のサイズを取得し、これらに基づき血球層の高さ情報を算出する。血球層の高さ情報は制御部15に出力され、制御部15は、前記血球層の高さ情報に基づき、プローブ駆動部21を駆動制御して検体容器9a中の血漿−血球境界面に停止している分注プローブ20bを設定量分降下させ、ポンプ駆動部24を駆動させて血球サンプルを吸引採取する。
【0047】
液面検知部31は、空気と血漿層界面、すなわち血漿液面を検知し、図3に示すように、発振回路101、微分回路102及び電圧検出回路103を備えている。
【0048】
図3は、液面検知部31の概略構成を示すブロック図である。発振回路101は、交流信号を発振し、微分回路102に入力する。微分回路102は、図3に示すように、抵抗102a、102b、コンデンサ102c、102d及びオペアンプ102eを有し、発振回路101が発振する交流信号の周波数によって入力感度が高くなるように調整されている。微分回路102の+側入力端は、リード線10aを介して分注プローブ20bに接続されている。電圧検出回路103は、微分回路102の出力端に接続されて微分回路102の出力電圧Voutを検出し、この値に応じて分注プローブ20bの下端が検体容器9a内の液体の液面に接したか否かを検知する。電圧検出回路103が検出したこの出力電圧信号は、制御部15へ出力され、検体容器9a内の血漿液面(空気−血漿界面)が検出される。
【0049】
分注プローブ20bが液体の液面に非接触状態の静電容量値により発振回路101の周波数で入力感度が高くなるように調節された微分回路102は、接触状態の静電容量値では感度が低下する。従って、電圧検出回路103は、出力電圧Voutの変化により液面を検知する。
【0050】
前記液面検知部31または境界面検出部18により、検体容器9a内の液面高(空気−血漿界面)が検出されると、制御部15は血漿サンプル分注のために、所定量分注プローブ20bを降下後、血漿サンプルを吸引採取する。
【0051】
次に、分注プローブ20bによる分注動作について説明する。図4は、分注プローブの分注動作を示すフローチャートであり、図5は、実施の形態1にかかる血液サンプル分注方法の分注動作を示すフローチャート(特別分注モード)であり、図6は、血漿−血球に層分離した血液サンプル中を分注プローブで降下吸引させたときの圧力変化図であり、図7は、実施の形態1にかかる血液サンプル分注方法の動作図(特別分注モード)である。
【0052】
図4に示すように制御部15は、記憶部19から検体の種類や分析項目等の分析情報15bを取得する(ステップS100)。制御部15は、分析情報15bに基づきモード切替手段15aによって分注モードを切り替える(ステップS101)。ステップS101において検体が血漿サンプルか血球サンプルである場合、特別分注モードに切り替える(ステップS101:Yes)。制御部15は、実施の形態1にかかる血液サンプル分注方法としての特別分注モードを実行して本制御を終了する(ステップS102)。一方、ステップS101において、通常分注モードに切り替えた場合(ステップS101:No)、制御部15は、通常分注モードを実行して本制御を終了する(ステップS103)。
【0053】
図5に示すように特別分注モード(ステップS102)では、先ず、制御部15は、分注を行なうのが血漿サンプルか否か確認する(ステップS200)。血漿サンプルである場合(ステップS200:Yes)、分注プローブ20bを検体吸引位置にある検体容器9aの開口部の上方に移動させ、前記分注プローブ20bを検体容器9a中に降下させて、液面検知部31により血漿液面を検知する(ステップS201)。血漿液面検知後、血漿サンプルを分注するために所定量分注プローブ20bを降下し(ステップS202)、血漿サンプルを吸引後(ステップS203)、吸引した血漿サンプルを反応容器5に吐出する(ステップS204)。その後、制御部15は、血球サンプルも分注するか否か確認する(ステップS205)。ステップS200において、血漿サンプルの分注が行なわれなかった場合にも(ステップS200:No)、同様に血球サンプルを分注するか否か確認する。
【0054】
血球サンプルを分注する場合(ステップS205:Yes)、分注プローブ20bを再度検体容器9a中に降下させながら分注ポンプ23によりサンプルを吸引して、吸引時の圧力を圧力センサ25、処理部18aおよび検出部18bにより検出する(ステップS206)。図6は、血漿−血球に層分離した血液サンプル中を分注プローブ20bで吸引しながら降下させるときの圧力変化図である。分注プローブ20bを降下吸引させると、血漿液面で吸引圧力が変化し(t1〜t2)、血漿中を吸引降下しているときは(t2〜t3)、圧力は一定(V1)となる。さらに分注プローブ20bを降下吸引させると、血漿−血球境界面近傍で圧力が変化し(t3〜t4)、完全に血球サンプル層に挿入されると(血漿−血球境界面)再度吸引圧力が一定となる(V2)。したがって、血漿−血球境界面と認識した後に(t5)、分注プローブ20bの降下および吸引を停止させる。また、図6では、分注プローブ20bを吸引降下させていくと、分注プローブ20bが血漿サンプルを吸引した時点(t1)で吸引圧力が変化するので、当該圧力変化を検出することにより血漿液面を検出することも可能である。
【0055】
検出した圧力変化により検出部18bにより血漿−血球境界面を検出し、検体容器のサイズ情報と合わせて演算部18cにより血球層の高さ情報を算出する(ステップS207)。血球層の高さを算出後、所定量分注プローブを降下し(ステップS208)、血球サンプルを吸引する(ステップS209)。吸引した血球サンプルは別の反応容器5に吐出される(ステップS210)。分注が終了した分注プローブ20bは、分注プローブ洗浄槽で洗浄が行なわれ(ステップS211)、分注された血漿サンプルおよび血球サンプルの分析が行われる。ステップS205において、血球サンプルの分注を行なわないと判断された場合にも(ステップS205:No)、次の検体の分注を行なうために同様に洗浄が行なわれる。
【0056】
次に、図7の本発明の実施の形態1の動作図(特別分注モード)を使用してさらに説明する。図7(a)では、分注プローブ20bを血漿層と血球層に層分離した血液サンプルを収容する検体容器9a中に降下させて、分注プローブ20bの先端部が液面に接触した際の電圧により液面検知部31が血漿液面を検知する。または分注プローブ20bを降下させながら分注ポンプ23によりサンプルを吸引したときの圧力変化を検出し、空気−血漿層界面での圧力変化により液面を検出してもよい。前記のいずれかの手法により血漿液面検知後、分注プローブ20bの降下は停止されるが、図7(b)に示すように、サンプルを確実に吸引採取するために、分注プローブ20bを所定量降下させて血漿サンプルを吸引する。サンプル吸引後、分注プローブ20bは反応テーブル4内に保持される反応容器5にサンプルを吐出するためプローブ駆動部21により搬送され、図7(c)に示すように、反応容器5内に血漿サンプルを吐出する。当該反応容器5には、第1試薬分注装置6により第1試薬テーブル2に保持される試薬容器2a内の第1試薬がすでに分注され、血漿サンプル分注後、さらに第2試薬分注装置7により第2試薬テーブル3に保持される試薬容器3a内の第2試薬が分注される。血漿サンプルおよび第2試薬の分注後には、第1または第2攪拌装置13、14で攪拌が行なわれ、その後、反応容器5内の結晶サンプルの分析が分析光学系11で行われる。
【0057】
一方、血漿層と血球層に層分離した血液サンプルを収容する検体容器9aから血球サンプルを分注するために、図7(d)に示すように、検体容器9a中で分注プローブ20b降下させながら分注ポンプ23によりサンプルを吸引したときの圧力変化を検出して、血漿−血球境界面を検出し、検体容器のサイズ情報と合わせて血球層の高さを算出する。分注プローブ20bの降下吸引は血漿−血球境界面の検出後停止されるが、所望の血球サンプルを分注するために分注プローブ20bは、図7(e)に示すように所定量降下される。血球サンプルからは、例えば糖尿病の診断マーカーとなるHbA1cの分析が行われるが、血球層の血球は、その老若により比重の違いがあり、かかる比重(老若)の違いで分析項目であるHbA1c値も異なるものとなる。したがって、血球サンプルの吸引位置は非常に重要であり、通常血球層高さの20〜80%、好ましくは中央値である50%の位置から採取するよう設定されるが、血液サンプルに応じて変更することも可能である。分注プローブ20bを設定分降下させて血球サンプル吸引後、分注プローブ20bは、反応テーブル4内に保持される反応容器5にサンプルを吐出するため搬送され、図7(f)に示すように、血漿サンプルを分注した反応容器5とは別の反応容器5内にサンプルを吐出する。当該反応容器5には、血漿サンプルと同様に、第1試薬分注装置6により第1試薬テーブル2に保持される試薬容器2a内の第1試薬がすでに分注され、血球サンプル分注後、さらに第2試薬分注装置7により第2試薬テーブル3に保持される試薬容器3a内の第2試薬が分注される。血球サンプルおよび第2試薬の分注後には、第1または第2攪拌装置13、14で攪拌が行なわれ、その後、反応容器5内の血球サンプルの分析が分析光学系11で行われる。
【0058】
本発明の実施の形態1に係る分注方法では、分注プローブ20bの血液サンプル中での降下吸引による血漿−血球界面の検出後、分注プローブ20b内に境界面検出のために吸引されたサンプルを吐出することなく、引き続き血球サンプルを吸引する。分注プローブ20b内では、吸引された血液サンプルの血漿と血球とは層分離しているため、余分に血球サンプルを吸引することで血漿を混入させることなく所定量の血球サンプルを反応容器5に吐出できる。したがって、分注プローブ20b内に吸引されたサンプルの吐出および洗浄にかかる時間を省略でき、迅速な分注ならびに分析を可能にする。
【0059】
実施の形態1では、分注プローブを上または下方向に連続的に移動させながら複数の箇所の圧力を測定しているが、連続的に移動しながら圧力測定するほか、分注プローブを上または下方向に移動し、一旦停止して複数の箇所の圧力を測定することも可能である。さらに、検体分注装置20内に検体分注用に備える圧力センサ25を使用して分注プローブ20bを降下吸引させることにより血漿−血球境界面を検出する実施の形態1の変形例として、新たな圧力センサを備えた分注プローブ20bを血液サンプル中で上昇または下降させることにより圧力変化を検出して、血漿−血球境界面や、空気−血漿境界面での圧力変化を検出する方法が変形例として例示される。
【0060】
(実施の形態2)
次に、血漿−血球境界面の検出後、分注プローブ20b内に吸引されたサンプルを廃棄し、分注プローブ20bの洗浄を行なう実施の形態2について説明する。実施の形態2では、血球サンプル分注前に、分注プローブ20b内の吸引サンプルを廃棄し、分注プローブ20bの洗浄を行なうため、血球サンプルへの血漿の混入を完全に防止することが可能となるとともに、過剰量のサンプルを吸引する必要がなくなるため、微量サンプルへの対応も可能となる。
【0061】
図8は、実施の形態2にかかる血液サンプル分注方法の分注動作を示すフローチャート(特別分注モード)であり、図9は、実施の形態2の血液サンプル分注方法の動作図である。
【0062】
図8に示すように、実施の形態2の特別分注モードは、血漿サンプルの分注工程であるステップS300〜304、および血漿−血球境界面の検出工程であるステップS305〜307までは、実施の形態1のステップS200〜207と同様である。実施の形態2では、血球層の高さを算出後、一旦分注プローブ20bを血液サンプルから引上げ(ステップS308)、分注プローブ内20bに吸引されたサンプルを廃棄するために、分注プローブ20bを、検体容器移送機構8と反応テーブル4の中間位置に配置された分注プローブ洗浄槽(図示せず)まで搬送する。分注プローブ洗浄槽で分注プローブ20b内のサンプルを廃棄して、分注プローブ20bは洗浄される(ステップS309)。その後、血球サンプル分注のために再度検体分注位置まで分注プローブ20bを搬送して、血球層の高さから血球サンプルの吸引位置まで降下する(ステップS310)。その後の血球サンプルの吸引・吐出、分注プローブ20bの洗浄の工程であるステップS311〜313は、実施の形態1のステップS209〜211と同様である。
【0063】
次に、図9の実施の形態2の血液サンプル分注方法の動作図を使用してさらに説明する。図9(a)では、分注プローブ20bを血漿層と血球層に層分離した血液サンプルを収容する検体容器9a中に降下させて、分注プローブ20bの先端部が液面に接触した際の電圧により液面検知部31が血漿液面を検出する。または分注プローブ20bを降下吸引させて、空気−血漿層界面での圧力変化により液面を検出してもよい。血漿液面検出後、分注プローブ20bの降下は停止されるが、図9(b)に示すように、サンプルを確実に吸引採取するために所定量分注プローブ20bを降下させて血漿サンプルを吸引する。サンプル吸引後、分注プローブ20bは反応テーブル4内に保持される反応容器5にサンプルを吐出するためプローブ駆動部21により搬送され、図9(c)に示すように、反応容器5内に血漿サンプルを吐出する。当該反応容器5には、第1試薬分注装置6により第1試薬テーブル2に保持される試薬容器2a内の第1試薬がすでに分注され、血漿サンプル分注後、さらに第2試薬分注装置7により第2試薬テーブル3に保持される試薬容器3a内の第2試薬が分注される。血漿サンプルおよび第2試薬の分注後には、第1または第2攪拌装置13、14で攪拌が行なわれ、その後、反応容器5内の血漿サンプルの分析が分析光学系11で行われる。
【0064】
一方、血漿層と血球層に層分離した血液サンプルを収容する検体容器9aから血球サンプルを分注するために、図9(d)に示すように、検体容器9a中で分注プローブ20bを降下吸引させて、圧力変化の検出により血漿−血球境界面を検出し、検体容器のサイズ情報と合わせて血球層の高さ情報を得る。分注プローブ20bの吸引降下は血漿−血球境界面の検出後停止されるが、実施の形態2では、図9(e)に示すように、分注プローブ20bは一旦検体容器9aから引上げられ、検体容器移送機構8と反応テーブル4の中間位置に配置された分注プローブ洗浄槽まで搬送される。その後図9(f)に示すように、分注プローブ20bは、分注プローブ洗浄槽で分注プローブ20b内のサンプルを廃棄し、分注プローブ20bの洗浄が行なわれる。洗浄後、図9(g)に示すように、分注プローブ20bは血球層の高さから血球サンプルの吸引位置まで降下され、血球サンプルが吸引される。血球サンプル吸引後、分注プローブ20bは、反応テーブル4内に保持される反応容器5にサンプルを吐出するため搬送され、図9(h)に示すように、血漿サンプルを分注した反応容器とは別の反応容器5内にサンプルを吐出する。当該反応容器5には、血漿サンプルと同様に、第1試薬分注装置6により第1試薬テーブル2に保持される試薬容器2a内の第1試薬がすでに分注され、血球サンプル分注後、さらに第2試薬分注装置7により第2試薬テーブル3に保持される試薬容器3a内の第2試薬が分注される。血球サンプルおよび第2試薬の分注後には、第1または第2攪拌装置13、14で攪拌が行なわれ、その後、反応容器5内の血球サンプルの分析が分析光学系11で行われる。
【0065】
(実施の形態3)
上記では、血液サンプル分注方法について説明したが、本発明に使用する分注プローブ内の圧力を検出する手段を用いて、分注プローブの血液サンプル吸引時または吐出時の圧力変化を検出することにより、血液サンプルの種類および濃度分布も検出することができる。
【0066】
図10は、分注プローブ20bによる血漿サンプルの吸引および吐出時の圧力変化を表す図であり、図11は、同じ分注プローブ20bによる血球サンプルの吸引および吐出時の圧力変化を表す図である。図10および図11において、t1〜t2までサンプルを吸引し、t3〜t4まで吸引したサンプルを吐出している。同じ駆動条件で駆動した場合であっても、血漿サンプル吸引時の圧力変化は△v1であるのに対し、血球サンプル吸引時は△v3と大きくなる。ここには示さないが、全血サンプル吸引時の圧力変化は、△v1と△v3の間の数値となる。したがって、各圧力変化の数値を含む閾値を設定することにより、血液サンプルが全血であるか、血漿であるか、血球であるかの検出をすることが可能になる。また、血液サンプル間にはサンプル吐出時においても、圧力変化に同様の相違が認められるため、吸引したサンプルを吐出する際の圧力値によっても血液サンプルの種類を検出することが可能である。さらに上記では、血液サンプルの吸引時または吐出時の圧力変化により血液サンプルの種類を判別しているが、圧力センサを備えたプローブを血液サンプル中で移動させたときの圧力変化からも、血液サンプルの種類の判別を行なうことが可能である。
【0067】
さらに、血液サンプルは、被検体から採取後の放置により、血球成分が時間の経過と共に沈降する。図12に、検体容器9aに採取した検体S(血液サンプル)の血球成分が沈降していく様子を示す。検体Sは、血漿成分に対して血球成分の比重が大きいため、図12に示すように、採取時、血球成分が血漿中に均一に分布していても、時間経過に伴って血球成分が沈降し、検体Sの上層部は血球成分が薄く、検体Sの下層部は血球成分が濃くなってゆく。
【0068】
図13は、検体容器9aにおけるこのような血球成分の沈降に起因した血球成分の基準濃度R1の時間変化を示す模式図である。検体S(全血サンプル)は、図12に示すように、時間の経過に伴い血球成分が沈降する。このため、血球成分は、基準濃度R1より薄い濃度R0の領域が経時的に上層から下層に向かって拡大し、基準濃度R1より濃い濃度R2の領域は、下層から上層に拡大する。このような濃度分布を有する血液サンプルに分注プローブ20bを挿入し、上昇または下降時の圧力変化を検出して、血液サンプルの濃度分布を検出することができる。図14は、分注プローブによる濃度分布を有する血液サンプルの下降吸引時の圧力変化を表す図である。t1〜t2は図13で示す基準濃度R0の領域のサンプルの吸引時であり、t2〜t3は基準濃度R1の領域のサンプルの吸引時であり、t3〜t4は基準濃度R2の領域のサンプルの吸引時である。各領域で異なる吸引圧力値となるため、血液サンプルの濃度分布を検出することが可能となる。したがって、たとえば、基準濃度R1の全血サンプルを吸引採取したい場合は、分注プローブを検体に挿入し、上昇吸引または下降吸引させたときの圧力変化を検出して、前記圧力変化により基準濃度R1の領域を判定し、当該領域から分注するように設定することで基準濃度R1の全血サンプルの分注をおこなうことができる。あるいは、圧力センサを備えたプローブを濃度変化を有するサンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することにより、血液サンプルの濃度分布を判定することも可能である。
【0069】
本発明の実施の形態における説明に際し、自動分析装置1は、試薬分注装置を2つ備えた場合について説明したが、試薬分注装置は1つであってもよい。また、本発明の分注方法を使用する自動分析装置は、自動分析装置1を1ユニットとして複数のユニットが組み合わされて構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる血液サンプルの分注方法を使用する自動分析装置の概略構成図である。
【図2】図1の自動分析装置で使用する検体分注装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1の自動分析装置で使用する液面検知部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】分注プローブの分注動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる血液サンプルの分注方法(特別分注モード)の分注動作を示すフローチャートである。
【図6】血漿−血球に層分離した血液サンプル中を分注プローブで降下吸引させたときの圧力変化図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかる血液サンプルの分注方法(特別分注モード)の動作図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる血液サンプルの分注方法(特別分注モード)の分注動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる血液サンプルの分注方法(特別分注モード)の動作図である。
【図10】血漿サンプルの吸引および吐出時の圧力変化を表す図である。
【図11】血球サンプルの吸引および吐出時の圧力変化を表す図である。
【図12】検体容器に採取された検体(血液)に含まれる血球成分の沈降する様子を示す模式図である。
【図13】検体(血液)に含まれる血球成分の沈降に起因した基準濃度の時間変化を示す模式図である。
【図14】濃度分布を有する血液サンプルの吸引時の圧力変化を表す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 自動分析装置
2、3 第1および第2試薬テーブル
4 反応テーブル
4a 保持部
4b 光路
4c 金属板
5 反応容器
6、7 第1および第2試薬分注装置
8 検体容器移送機構
9 ラック
9a 検体容器
11 分析光学系
12 洗浄機構
13、14 第1および第2攪拌装置
15 制御部
15a モード切替手段
16 入力部
17 表示部
18 境界面検出部
18a 処理部
18b 検出部
18c 演算部
19 記憶部
20 検体分注装置
21 プローブ駆動部
22 配管
23 分注ポンプ
24 ポンプ駆動部
25 圧力センサ
26 電磁弁
27 洗浄水ポンプ
28 増幅回路
29 タンク
30 洗浄水
31 液面検知部
101 発振回路
102 微分回路
103 電圧検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ内の圧力を検出する手段を用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出ステップと、
前記圧力変化をもとに前記血液サンプルの濃度分布を判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とする血液サンプル検出方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、前記血液サンプルの境界面を判定することを特徴とする請求項1に記載の血液サンプル検出方法。
【請求項3】
前記検出ステップは、前記プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の血液サンプル検出方法。
【請求項4】
前記検出ステップは、分注プローブによる前記血液サンプル中での上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の血液サンプル検出方法。
【請求項5】
検体容器内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプルの分注方法であって、
圧力検出手段を備えた分注装置の分注プローブを用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出ステップと、
前記圧力変化をもとに血漿層と血球層との境界面を検出し、前記血球層の高さを算出する演算ステップと、
前記血球層の高さ情報に基づき血球サンプルを吸引採取する分注ステップと、
を備えたことを特徴とする血液サンプル分注方法。
【請求項6】
前記検出ステップは、前記プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする請求項5に記載の血液サンプル分注方法。
【請求項7】
前記検出ステップは、前記分注プローブによる前記血液サンプルの上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする請求項5または6に記載の血液サンプル分注方法。
【請求項8】
前記分注ステップは、前記演算ステップで血球層の高さを算出後、前記血液サンプル中の分注プローブを所定量血球層内に降下して血球サンプルを吸引採取することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つに記載の血液サンプル分注方法。
【請求項9】
前記分注ステップは、前記分注プローブを前記血液サンプル中から引上げ、吸引サンプルを吐出洗浄の後行なわれることを特徴とする請求項7または8に記載の血液サンプル分注方法。
【請求項10】
前記検出ステップは、前記分注プローブにより血漿液面を検出し、
前記分注ステップは、前記血漿液面の検出結果をもとに血漿サンプルの分注を行ない、その後、前記血球サンプルを分注することを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載の血液サンプル分注方法。
【請求項11】
前記検出ステップは、静電容量式液面検知機構による静電容量変化により液面を検出することを特徴とする請求項10に記載の血液サンプル分注方法。
【請求項12】
請求項5〜11のいずれか一つに記載の血液サンプル分注方法により分注した血液サンプルと試薬との反応後、光学的に分析を行う分析ステップを含むことを特徴とする血液サンプル分析方法。
【請求項13】
検体容器内に収容された血漿層と血球層とに層分離した血液サンプルの分注を行なう分注装置であって、
プローブ内の圧力を検出する手段を用いて、検体容器に収容された血液サンプル中の高さの異なる複数個所で圧力変化を検出する検出手段と、
前記圧力変化により血漿層と血球層の境界面を検出し、前記血球層の高さを算出する演算手段と、
前記血球層の高さに基づき血球サンプルの吸引を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする分注装置。
【請求項14】
前記検出手段は、前記分注プローブを前記血液サンプル中で上昇または下降させたときの圧力変化を検出することを特徴とする請求項13に記載の分注装置。
【請求項15】
前記検出手段は、前記分注プローブによる前記血液サンプルの上昇吸引時または下降吸引時の圧力変化を検出することを特徴とする請求項13または14に記載の分注装置。
【請求項16】
血液サンプル種類の検出方法であって、
前記血液サンプル中で圧力検出手段を備えた分注プローブのサンプル吸引時または吐出時の圧力変化を検出する検出ステップと、
前記圧力変化により血液サンプルの種類を判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とする血液サンプル種類検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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