説明

血液処理装置

【課題】ハウジング端部での中空糸膜の偏り、捩れ、中空糸膜束の束割れをなくすことができる、血液処理装置を提供すること。
【解決手段】ハウジング(2)は、長さ方向に沿って小径部(2.1)と小径部(2.1)の両端部に移行部(2.3)を介して大径部(2.2)を形成し、移行部(2.3)は、透析液ポート入口(7.1)の中心(C2)よりも、ハウジング(2)の血液ポート出口(5.2)寄りに配置し、透析液ポート入口(7.1)近傍に、透析液ポート入口(7.1)近傍からハウジング(2)内部に連通する貫通口(12)を形成し、貫通口(12)は、前記ハウジング(2)の前記血液ポート出口(5.2)方向に開口している血液処理装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液透析、血液透析ろ過に用いる血液処理装置であって、中空糸膜をハウジングの内部に装填した血液処理装置の改良に関し、ハウジングの形状・構造を改良した血液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液処理装置は、ハウジングの半径(円周)方向端部に、透析液ポート(入口と出口の二箇所)を装着し、透析液ポート入口(「注入口」ともいう)からハウジング内に透析液を導入している。
しかし当該透析液の流れが、直接、中空糸膜に衝突すると、中空糸膜にダメージを与えるので、これを回避するために、ハウジングの透析液ポート入口に対応する位置に、障害部材を配置している。当該障害部材として以下の発明が開示されている。
【0003】
特許文献1(特開2000−350781号公報、要約、段落[0014]、図3、図4)には、基端部がケーシングの内周面に固定されると共に、先端部がケーシングの開口部に向かうバッフル板(3)を設け、該バッフル板は、先端が樹脂層部(固定材)内に届く長さを有し、ケーシングの内壁と所定の間隔を開けて透析液の注入口(及び流出口)を覆う舌片状に形成し、製造時に中空糸がバッフル板に固着されることを防止できる発明が開示されている。
前記バッフル板(3)には、基端部に樹脂組成物流動案内溝(14)を形成し、ケーシング内に樹脂組成物を注入する際に、当該樹脂組成物が拡散しないように、前記バッフル板の透析液の注入口と対向する壁面に、複数の突堤(13)を形成した旨が記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2006−116134号公報、要約、段落[0011]、図2から図4)には、バッフル板(41)は基端部がケーシング(2)の内表面に固定されるとともに、先端部がケーシング(2)の開口端部に向けて延出され、バッフル板(41)の内表面に、中空糸束(5)側へ向けて突出した突起部(42)を、バッフル板(41)の幅方向の一側から他側に亘って形成し、樹脂液の這い上がりが生じても緩衝板と中空糸束の一部とが固着することなく、中空糸膜の損傷を回避できる発明が開示されている。
特許文献2では、バッフル板(41)は、ケーシング(2)の全周に形成されている。
【0005】
特許文献3(特開2006−7180号公報、特許請求の範囲、図2から図5)には、ケーシングの両端近傍に形成された出入口並びに中空糸膜束外壁及びケーシング内壁により形成される空間からなる(第二の)流路を有する中空糸膜濾型過器において、(第二の)流路における中空糸膜束の周方向の流体の流れを遮る障害物を備えており、障害物が、筒型ケーシングに設けた櫛の歯状のカラーである。これらにより、流れの圧力損失を大きく増やさず、中空糸膜に損傷をあたえない流れとする発明が開示されている。
【0006】
特許文献4(特開2004−154772号公報、要約、図3、図4)には、隔壁に、ケーシング筒の筒軸に対して斜交する方向に延在するスリットを備えたバッフル筒を内在させ、隔壁部材がケーシング筒から剥離したり抜けたりすることを防止することができる発明が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−350781号公報(要約、段落[0014]、図3、図4)
【特許文献2】特開2006−116134号公報(要約、段落[0011]、図2から図4)
【特許文献3】特開2006−7180号公報(特許請求の範囲、図2から図5)
【特許文献4】特開2004−154772号公報(要約、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、
特許文献1から特許文献4に記載のバッフル板を有する血液処理装置は、ハウジングのくびれ部(移行部)は、透析液ポート入口の中心よりも、ハウジングの血液ポート入口方向寄りに配置しているので、ハウジング(両)端部での中空糸膜の自由度が大きく、中空糸膜の端部が、偏り、捩れ、ハウジング内壁に密着するケースがあった。
特許文献1では、「舌片状」(バッフル板)の先端部が樹脂層部(固定部材ともいう)まで届いており、注入口から注入した透析液がバッフル板に当たって左右方向に分散されるようにしているが、透析液が中空糸膜領域に流入する際、均一にならず、流量にムラが出来やすいことが懸念される点である。
特許文献2では、バッフル板(41)は、全周に形成されている。このため、注入口から注入した透析液は、バッフル板に衝突して迂回するように中空糸膜領域に流入するので、透析液が中空糸膜に流入する際、均一にならず、流量にムラが出来やすいことが懸念される点である。
またハウジングの小径部から大径部の移行部(くびれ部ともいう)の内周壁面ないし大径部の内周壁面と、全周バッフル板外周壁面との間のスペースに、エアーが溜まりやすく、溜まったエアーが抜けにくい点である。
特許文献3の「櫛の歯状のカラー」と、特許文献4の「スリットを備えたバッフル筒」では、中空糸膜をハウジングに挿入する際、中空糸膜が「歯状のカラー」、「スリット」に引っかかることが想定され、最悪の場合、中空糸膜が破損する懸念がある点である。また歯の隙間、スリットから透析液が優先的に流入し、透析液が均一に中空糸膜領域に流入しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明者は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、新規なハウジングの形状・構造を発明することにより、特許文献1から4のように、あえてバッフル板を配置しなくても、これらの特許文献1から4に記載の発明の課題を解決できる発明に到達した。
[1]本発明は、ハウジング(2)の内部に、前記ハウジング(2)の長さ方向に沿って中空糸膜(4)を配置し、
当該中空糸膜(4)端部を固定材(3)により前記ハウジング(2)端部内面に固定し、
当該ハウジング(2)の前記長さ方向の両端部に、血液ポート入口(5.1)と血液ポート出口(5.2)を装着し、
当該ハウジング(2)の前記長さ方向と交差する断面方向の端部に、透析液ポート入口(7.1)と透析液ポート出口(7.2)を装着し、
当該ハウジング(2)は、前記長さ方向に沿って小径部(2.1)と当該小径部(2.1)の両端部に移行部(2.3)を介して大径部(2.2)を形成し、
前記移行部(2.3)は、前記透析液ポート入口(7.1)の中心(C2)よりも、前記ハウジング(2)の前記血液ポート出口(5.2)寄りに配置し、
前記透析液ポート入口(7.1)近傍に、当該透析液ポート入口(7.1)近傍から前記ハウジング(2)内部に連通する貫通口(12)を形成し、当該貫通口(12)は、前記ハウジング(2)の前記血液ポート出口(5.2)方向に開口している、血液処理装置(1)を提供する。
[2]本発明は、前記ハウジング(2)の前記移行部(2.3)の開始点(2.3P)と、
前記透析液ポート入口(7.1)の開口部(7.11)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部(7P)を結ぶ線(L)が、前記小径部(2.1)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部と実質的に重なるように形成した、[1]に記載の血液処理装置(1)を提供する。
【0010】
[3]本発明は、前記小径部(2.1)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部の内径(D1)と、大径部(2.2)の内径(D2)の差:(ΔD)を4mmから8mmに形成した、[1]または[2]に記載の血液処理装置(1)を提供する。
[4]本発明は、前記貫通口(12)は、少なくとも透析液ポート(7)の開口断面と実質的に同等以上の開口断面を有し、当該開口断面の前記血液ポート出口(5.2)方向の開口角度θは、0°から45°に形成した、[1]から[3]のいずれか一項に記載の血液処理装置(1)を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の血液処理装置は、
[1]〈第一の特徴〉「ハウジング2は、長さ方向に沿って小径部2.1と当該小径部2.1の両端部に移行部2.3を介して大径部2.2を形成し、移行部2.3は、透析液ポート入口7.1の中心C2よりも、ハウジング2の血液ポート出口5.2方向寄りに配置していること」により、ハウジング2内に装填した中空糸膜4の自由度を、従来よりもハウジング2の(両)端部で制限できるようになり、中空糸膜4をハウジング2の中央に配置することができる。従来のハウジング端部での中空糸膜の偏り、捩れ、中空糸膜束の束割れをなくすことができる。
【0012】
[2]前記〈第一の特徴〉に加えて、「〈第二の特徴〉透析液ポート入口7.1近傍からハウジング2内部に連通する貫通口12を形成し、当該貫通口12は、ハウジング2の血液ポート出口5.2方向に開口していること」、さらに「〈第三の特徴〉ハウジング2の移行部2.3の開始点2.3Pと、透析液ポート入口7.1の開口部7.11の血液ポート出口5.2方向の端部7Pを結ぶ線Lが、小径部2.1の血液ポート出口5.2方向の端部と実質的に重なるように形成していること」により、特許文献2のようにわざわざ全周バッフル板を設けなくても、これらと同等ないし同等以上の流動性(透析液を中空糸膜方向へ均一に流すことができる)を確保することができ、性能改善に貢献できる。
[3]特許文献2と比較して、簡単な形状で、エアー抜けのよい構造[特許文献2のように、ハウジングの小径部から大径部の移行部(くびれ部ともいう)の内周壁面ないし大径部の内周壁面と、全周バッフル板外周壁面との間のスペースがない]とすることができ、エアーによる乱流、見た目の悪さを改善することができる。
[4]中空糸膜束の偏り・中空糸膜束の割れが改善でき、血液の流動性、残血・血液凝固を改善できる。
[5]中空糸膜束が挿入し易い構造となっているので、特許文献1、2(バッフル板)特許文献3(櫛の歯状のカラー)、4(バッフル板のスリット)のように、挿入工程中に、中空糸膜束のひっかかりが懸念される要因がないので、作業性が向上し、中空糸膜が破損する懸念がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の血液処理装置1の概略図(全体側面図)、図2と図3は本発明の血液処理装置1の一部拡大断面図、図4は図2のA矢視図、図5は透析液の流れを示す概略図(一部拡大断面図)、図6は図5のA´矢視図、図7は(A)透析液ポート入口7.1付近の拡大平面図、図7(B)は図7(A)の一部拡大図である。
本発明では、ハウジング2の長さ方向を第一方向X、前記第一方向Xと交差する断面(横断する)方向を第二方向Yと記載する。ハウジング2は、第二方向Yに第一方向Xにのびる中心C1を有する。
また前記第一方向Xにおいて、血液ポート入口5.1を装着した方向を第一X1方向、血液ポート出口5.2を装着した方向を第一X2方向と記載する。
また前記第二方向Yにおいて、透析液ポート入口7.1と透析液ポート出口7.2を装着した方向を第二Y1方向、透析液ポート入口7.1と透析液ポート出口7.2を装着していない、第二Y1方向と略180°反対側方向を第二Y2方向と記載する。
【0014】
図1及び図2に示すように、ハウジング2の内部に、ハウジング2の第一方向Xに沿って中空糸膜4を配置し、中空糸膜4端部を固定材3によりハウジング2端部内面に固定している。
ハウジング2の第一方向Xの両端部に、血液入口ポート5.1と血液ポート出口5.2を装着し、ハウジング2の第二方向Yの端部に、透析液ポート入口7.1と透析液ポート出口7.2を装着している。
ハウジング2は、第一方向Xに沿って小径部2.1と当該小径部2.1の両端部に移行部2.3を介して大径部2.2を形成している。
【0015】
本発明の第一の特徴は、図2、図3、図5に例示するように、移行部2.3は、透析液ポート入口7.1の中心C2よりも、ハウジング2の第一X2方向寄りに配置している点である。
移行部2.3をこのように配置することにより、公知のバッフル板を有する血液処理装置(移行部2.3は、透析液ポート入口7.1の中心C2よりも、ハウジングの第一X1方向寄りに配置している)と比較して、小径部2.1の第一方向Xの長さを長く形成でき、大径部2.2の長さを短く・容積を小さくすることができる。
ハウジング2内に装填した中空糸膜4の動きは、長い小径部2.1で規制され、中空糸膜4端部と大径部2.2内壁面とのクリアランス(隙間)が少なくなる。
したがって、ハウジング2内に装填した中空糸膜4の自由度を、従来よりもハウジング2の(両)端部で制限できるようになり、中空糸膜4をハウジング2の中央に配置することができる。従来のハウジング端部での中空糸膜4の偏り、捩れ、中空糸膜束の割れをなくすことができる。
【0016】
また移行部2.3をこのように配置することにより、公知特許文献1から4に記載のバッフル板(筒)と同様に、透析液ポート入口7.1から流入した透析液を迂回させて、中空糸膜4方向に誘導する機能を果たすことができる。
また、本発明の第二の特徴は、透析液ポート入口7.1近傍に、当該透析液ポート入口7.1近傍からハウジング2内部に連通する貫通口12を形成し、当該貫通口12は、ハウジング2の前記第一X2方向に向けて開口している点である。貫通口12は、移行部2.3とともに透析液を中空糸膜4方向へ均一に誘導する機能を果たすことができる。
【0017】
また本発明の第三の特徴は、ハウジング2の移行部2.3の開始点2.3Pと、透析液ポート入口7.1の開口部7.11の第一X2方向側の端部7Pを結んだ線Lが、小径部2.1の第一X2方向の端部と実質的に重なるように形成している点である。
このように形成することにより、小径部2.1の第一X2方向の透析液ポート入口7.1と対向する壁面が、透析液ポート入口7.1近傍に適度に突出し、かつ移行部2.3が第一X2方向寄りに位置することになるので、公知の特許文献1から4に記載のバッフル板(筒)と同様に、透析液ポート入口7.1から流入する透析液が、直接、中空糸膜4に衝突するのを防ぐ機能を果たすことができ、透析液ポート入口7.1から流入した透析液を、第二Y2方向(透析液ポート入口7.1と反対側の壁面)に迂回させることができる。
【0018】
なお線Lと小径部2.1の第一X2方向の端部が「実質的に重なる」とは、完全に重なる場合の他に、線Lが小径部2.1の第一X2方向の端部よりも、第一X2方向に若干ずれてよいし、第一X1方向に若干ずれてもよいことを意味する。
第一X2方向に若干ずれる場合とは、線Lと固定材3の第一X1方向端部までの間隔(距離):dが最大2mmまで接近することが許容されることを意味する。2mmを超えると線Lと固定材3のX2方向端部との間のスペースが狭くなりすぎ、透析液ポート入口7.1から流入する透析液が、第二Y2方向に流れにくくなるので、好ましくない。
線LがX1方向にずれる場合とは、線Lと小径部2.1の第一X2方向の端部のクリアランスが、1から2mmまで許容されることを意味する。
なおクリアランスがあまり大きい(2mmを超える)と、透析液ポート入口7.1から流入する透析液が、直接、中空糸膜4に、衝突する機会が増えるので好ましくない。
【0019】
また小径部2.1端部の内径D1と、大径部2.2の内径D2(固定材3の第一X1方向端部付近の内径)の差:ΔDを4mmから8mmに形成している。ΔDがあまり小さい(4mm未満)と、中空糸膜4がハウジング2の内壁面にくっつきやすいので好ましくない。
またΔDがあまり大きい(8mmを超える)と、スペース大きくなり、デッドスペースDSができ、DSに透析液が滞留しやすくなるので好ましくない。
貫通口12は、少なくとも透析液ポート入口7.1の開口断面と同じ開口断面を有し、例えば図7に例示するように、開口断面をハウジング2の第一X2方向へ広がるように形成する場合、開口角度θは、0°から45°に形成するのが好ましい。開口角度θがあまり大きい(45°を超える)と、透析液の流れが、直接中空糸膜4にあたり、第二Y2方向(迂回する方向)に流れなくなるので好ましくない。
【0020】
本発明の血液処理装置1は、図5、図6に例示するように、透析液が透析液ポート入口7.1から中空糸膜4領域へ流入する際、透析液ポート7.1入口、貫通口12を経て、ハウジング2内に流入する。
透析液は、貫通口12から移行部2.3の外周に沿って、当該透析液ポート入口7.1と反対側に向けて、移行部2.3の外周を迂回しながら、順次、中空糸膜4領域方向に流入する。さらに詳述すれば透析液は、移行部2.3の途中から順次、中空糸膜4領域方向に流入するとともに、移行部2.3を最後まで迂回して、中空糸膜4領域方向に流入する。
以上のように本発明の血液処理装置1では、透析液は、ほとんど均一に中空糸膜4領域に流入させることができる。
【0021】
図1から図7と以上説明した本願の血液処理装置1とこれらの各部材の形状・構造は、上記したものに限定されることはなく、要するに、本願発明の効果が達成できる若干の変更は、許容される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の血液処理装置1の概略図(全体側面図)
【図2】本発明の血液処理装置1の一部拡大断面図
【図3】本発明の血液処理装置1の一部拡大断面図
【図4】図2のA矢視図
【図5】透析液の流れを示す概略図(一部拡大断面図)
【図6】図5のA´矢視図
【図7】(A)透析液ポート入口7.1付近の拡大平面図、(B)(A)の一部拡大図
【符号の説明】
【0023】
1 血液処理装置
2 ハウジング
2.1 小径部
2.2 大径部
2.3 移行部(ハウジング2のくびれ部)
2.3P 移行部開始点
3 固定材
4 中空糸膜
5.1 血液ポート入口
5.2 血液ポート出口
7.1 透析液ポート入口
7.11 (透析液ポート入口)開口部
7P 開口部の端部
7.2 透析液ポート出口
12 貫通口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)の内部に、前記ハウジング(2)の長さ方向に沿って中空糸膜(4)を配置し、
当該中空糸膜(4)端部を固定材(3)により前記ハウジング(2)端部内面に固定し、
当該ハウジング(2)の前記長さ方向の両端部に、血液ポート入口(5.1)と血液ポート出口(5.2)を装着し、
当該ハウジング(2)の前記長さ方向と交差する断面方向の端部に、透析液ポート入口(7.1)と透析液ポート出口(7.2)を装着し、
当該ハウジング(2)は、前記長さ方向に沿って小径部(2.1)と当該小径部(2.1)の両端部に移行部(2.3)を介して大径部(2.2)を形成し、
前記移行部(2.3)は、前記透析液ポート入口(7.1)の中心(C2)よりも、前記ハウジング(2)の前記血液ポート出口(5.2)寄りに配置し、
前記透析液ポート入口(7.1)近傍に、当該透析液ポート入口(7.1)近傍から前記ハウジング(2)内部に連通する貫通口(12)を形成し、当該貫通口(12)は、前記ハウジング(2)の前記血液ポート出口(5.2)方向に開口している、
ことを特徴とする血液処理装置(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(2)の前記移行部(2.3)の開始点(2.3P)と、
前記透析液ポート入口(7.1)の開口部(7.11)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部(7P)を結ぶ線(L)が、前記小径部(2.1)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部と実質的に重なるように形成した、ことを特徴とする請求項1に記載の血液処理装置(1)。
【請求項3】
前記小径部(2.1)の前記血液ポート出口(5.2)方向の端部の内径(D1)と、大径部(2.2)の内径(D2)の差:(ΔD)を4mmから8mmに形成した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の血液処理装置(1)。
【請求項4】
前記貫通口(12)は、少なくとも透析液ポート(7)の開口断面と実質的に同等以上の開口断面を有し、当該開口断面の前記血液ポート出口(5.2)方向の開口角度θは、0°から45°に形成した、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の血液処理装置(1)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−148655(P2010−148655A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329735(P2008−329735)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000200035)川澄化学工業株式会社 (103)
【Fターム(参考)】