説明

血管穴閉鎖体送出デバイス

【課題】第1及び第2の可撓性部材及びこれらの可撓性部材の夫々から延びる第1及び第2の係合部材とを含む血管穴閉鎖デバイスを送出するための手術用送出器具を提供する。
【解決手段】送出器具は、長さ方向に延びる第1及び第2の開口部及び第1及び第2の突出表面を持つハウジングを含み、第1突出表面は、第1係合部材と係合するため、第1開口部内に延びており、第2突出表面は、第2係合部材と係合するため、第2開口部内に延びている。第1係合部材は、ターゲット部位での閉鎖デバイスの配置中、第1係合部材に所定の力が加わるまで、第1突出表面によって保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年11月3日に出願された米国特許出願第61/409,599号の優先権を主張するものである。米国特許出願第61/409,599号は、2009年9月11日に出願された米国仮特許出願第61/241,555号の優先権を主張する、2010年8月12日に出願された米国特許出願第12/854,988号の、及び2008年2月15日に出願された米国仮特許出願第61/066,072号の優先権を主張する、2009年1月23日に出願された米国特許出願第12/358,411号の一部継続出願である。出典を明示することにより、これらの出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
本願は、血管デバイス用送出デバイスに関し、更に詳細には、血管穴閉鎖デバイス用送出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の種類の血管手術中、皮膚の切開部、及び皮下組織を通してカテーテルを挿入し、患者の脚部の大腿動脈にアクセスする。次いで、大腿動脈の壁に形成したアクセス開口部を通してカテーテルを挿入し、動脈を通して所望の部位まで案内し、血管形成術やプラーク除去術等の外科的手順を実行する。外科的手順を完了し、カテーテルを患者から除去した後、アクセス穴を塞がなければならない。これは、動脈からの血流が高いためばかりでなく、大腿動脈に達する上で穿刺しなければならない組織層が多いため、極めて困難である。
【0003】
大腿部のアクセス穴を閉鎖するため、これまで、幾つかのアプローチが使用されてきた。一つのアプローチは、穿刺部位に手で加えた圧縮を、血液が凝固するまで、砂袋や重りによって増大することである。このアプローチでは、血管の穴が閉鎖し、患者が歩き回ることができるのに最大6時間程かかる。この非効率のため、手術時間が長くなるばかりでなく、手順の全体としての費用も増大する。これは、病院の職員が圧力を物理的に維持しなければならないためである。また、歩き回ることができないため、患者の退院が遅れる。
血管の穿刺部位を閉鎖するための別の方法は、手術台及び患者の脚部にクランプを取り付けることである。クランプが血管開口部に圧力を加える。しかしながら、血液の凝固を確認するために患者を監視しなければならず、病院の職員がこれに時間を割く必要があり、手順の費用が増大する。
【0004】
手で圧力を加えるアプローチの上述の欠点をなくすため、縫合デバイスが開発された。このような縫合デバイスの一つは、アボット社が販売しており、血管壁の開口部と隣接したニードルを前進し、開口部と隣接した壁を通して縫合材料を外に引っ張る。次いで、外科医が縫合糸を結び、開口部を閉鎖する。この手順と関連した一つの困難は、外科医がニードルを展開し、縫合糸を捕捉し、縫合糸を引っ張り、結び目を形成し、縫合糸を固定するのに多くの工程が必要とされるということである。更に、外科医は、大腿動脈の深さ(皮膚に対する)のため、縫合糸を容易に見つけることができず、縫合糸をブラインドで(直接見ないで)結び、前に結んだ結び目をブラインドでスリップする。更に、結び目を結ぶ技術は外科医によって異なり、従って、穴がうまく正確に塞がれるかは外科医の技量で決まってしまう。この縫合器具の別の欠点は、器具を挿入するために血管の開口部が拡げられ、そのため閉鎖システムを送出し損なった場合には、閉鎖する開口部が比較的大きくなってしまうということである。更に、石灰化した血管にニードルを通すのは困難である。
【0005】
米国特許第4,744,364号には、血管の穿刺部位をシールするための、血管壁に引き付けるためのフィラメントを備えた膨張可能な閉鎖体部材を持つデバイスの形態の別のアプローチが開示されている。閉鎖体部材は、フィラメントを所定の場所に保持するために皮膚上に配置した一片のテープによって所定の場所に保持される。しかしながら、それでも、閉鎖デバイスには移動が加わり、これにより穿刺部位を通して漏れが生じる。更に、縫合糸が緩むと、閉鎖部材は保持されず、血管内で下流に流れてしまう。更に、縫合糸が皮膚を通って延びているため、感染症を生じる可能性がある通路が形成される。米国特許第5,545,178号の閉鎖デバイスは、穿刺路内に配置された吸収性コラーゲンフォームプラグを含む。しかしながら、血管の凝固には、代表的には、最大20分かかるため、及び血液がプラグと組織路との間を漏れることがあるため、コラーゲンプラグが組織路内で膨張するまで、所定期間に亘り穿刺部位に手で圧力を加えなければならない。
【0006】
従って、血管壁の開口部(穿刺部位)を迅速に且つ効果的に閉鎖するデバイスを提供するのが有利である。このようなデバイスは、有利には、開口部に手で圧力を加える場合の時間及び費用をなくし、開口部を閉鎖するのに必要な工程を簡単にし、開口部が拡げられないようにし、閉鎖デバイスを血管に更に効果的に保持する。
【0007】
一般に譲渡された米国特許第7,662,161号には、以上の利点を持つ効果的な血管穴閉鎖デバイスが開示されている。様々な厚さの組織を受け入れるように調節でき、組織の厚さに関わらず、デバイスの血管内構成要素と血管外構成要素との間に比較的一定のクランプ/保持力を加える血管穴閉鎖デバイスを提供するのが更に有利である。このような調節自在性は、2010年8月12日に出願された、現在継続中の、一般に譲渡された、2011/0029013として公開された米国特許出願第12/854,988号の血管穴閉鎖デバイスで達成されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第61/409,599号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/241,555号
【特許文献3】米国特許出願第12/854,988号
【特許文献4】米国仮特許出願第61/066,072号
【特許文献5】米国特許出願第12/358,411号
【特許文献6】米国特許第4,744,364号
【特許文献7】米国特許第5,545,178号
【特許文献8】米国特許第7,662,161号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
血管のアクセス穴を閉鎖するため、米国特許出願第12/854,988号の閉鎖デバイスをターゲット部位まで送出する効果的な送出デバイスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一つの態様では、可撓性第1部材及びこの可撓性第1部材から延びる第1係合部材と、可撓性第2部材及びこの可撓性第2部材から延びる第2係合部材とを含む血管穴閉鎖デバイスを送出するための手術用送出器具を提供する。送出器具は、長さ方向に延びる第1及び第2の開口部及び第1及び第2の突出表面を持つハウジングを含み、第1突出表面は、第1係合部材と係合するため、第1開口部内に延びており、第2突出表面は、第2係合部材と係合するため、第2開口部内に延びている。第1係合部材は、ターゲット部位での閉鎖デバイスの配置中、第1係合部材に所定の力が加わるまで、第1突出表面によって保持される。
【0011】
好ましい実施例では、第2係合部材は、ターゲット部位での閉鎖デバイスの配置中、第2係合部材に所定の力が加わるまで、第2突出表面によって保持される。
【0012】
好ましい実施例では、閉鎖デバイスの第1及び第2の可撓性部材は縫合糸であり、送出器具は、更に、ハウジング内に位置決めされた、縫合糸を切断するための切断部材を含む。
【0013】
幾つかの実施例では、送出器具は、更に、長さ方向に延びる第1開口部と連通した第1チャンネルと、長さ方向に延びる第2開口部と連通した第2チャンネルとを含み、第1及び第2のチャンネルは、長さ方向に延びる第1及び第2の開口部の長さ方向軸線に対して所定の角度で延びる壁に形成されている。
【0014】
送出器具は、更に、長さ方向に延びる第1開口部内に延びる、第1突出表面から軸線方向で間隔が隔てられた第3突出表面と、長さ方向に延びる第2開口部内に延びる、第2突出表面から軸線方向で間隔が隔てられた第4突出表面とを含む。幾つかの実施例では、a)第1係合部材は、第1力が加えられたとき、第1突出表面と係合でき、次に、これに続いて力が加えられたとき、第3突出表面と係合でき、b)第2係合部材は、第2力が加えられたとき、第2突出表面と係合でき、次いで、次に、これに続いて力が加えられたとき、第4突出表面と係合できる。
【0015】
幾つかの実施例では、可撓性部材は縫合糸であり、第1及び第2の係合部材は夫々の縫合糸の近位部分に位置決めされている。幾つかの実施例では、第1及び第2の係合部材は実質的に球形形状である。
【0016】
別の態様では、本発明は、血管穴閉鎖デバイス及びこの血管穴閉鎖デバイスを送出するための送出器具の組み合わせを提供する。血管穴閉鎖デバイスは、血管の内部に位置決めするための、遠位端のカバー部材、血管の外部に位置決めするための第1リテーナ、カバー部材と第1リテーナとの間を延びる可撓性第1部材、及び可撓性部材の近位部分の第1係合部材を含む。送出器具は、第1ストップを持つハウジングを含み、第1係合部材は第1ストップと係合でき、送出器具に近位方向に所定の力が加えられたとき、第1ストップを乗り越える。
【0017】
幾つかの実施例では、送出器具のハウジングは、送出中に第1係合部材が移動する内腔を含み、第1ストップは、内腔に対して横方向に延びる突出表面の形態の当接部材を含む。
【0018】
幾つかの実施例では、送出器具は、穴閉鎖デバイスを手術部位まで送出するとき、可撓性第1部材を切断する切断部材を含む。
【0019】
好ましくは、閉鎖デバイスは、第2リテーナと、この第2リテーナとカバー部材との間を延びる可撓性第2部材とを有する。送出器具は、第2ストップと、この第2ストップと係合できる第2係合部材とを含み、送出器具に近位方向に所定の力が加えられたとき、第2ストップを乗り越える。好ましくは、可撓性第1部材を引っ張ると第1リテーナがカバー部材に向かって前進し、可撓性第2部材を引っ張ると第2リテーナがカバー部材に向かって前進する。
【0020】
好ましい実施例では、カバー部材、第1及び第2のリテーナ、及び第1及び第2の可撓性部材は、吸収性材料で形成されている。
【0021】
別の態様では、本発明は、血管穴閉鎖デバイスを送出する方法を提供する。この方法は、
カバー部材、第1リテーナ、カバー部材と第1リテーナとの間を延びる可撓性第1部材、及び可撓性第1部材から延びる第1係合部材を含む血管穴閉鎖デバイスを提供する工程と、
可撓性第1部材を収容する送出器具を提供する工程と、
送出器具の遠位部分を血管内に挿入する工程と、
血管の内部に配置するため、カバー部材を露呈する工程と、
第1係合部材が第1ストップを押し通って送出器具内の第2ストップと接触するまで送出器具を近位方向に移動し、第1リテーナをカバー部材に向かって移動する工程とを含む。
【0022】
好ましい実施例では、閉鎖デバイスは、第2リテーナと、カバー部材と第2リテーナとの間を延びる可撓性第2部材とを含み、送出器具を近位方向に移動することにより、可撓性第2部材から延びる第2係合部材を移動して送出器具内の第3ストップと接触させ、第2リテーナをカバー部材に向かって移動する。
【0023】
幾つかの実施例では、送出器具を近位方向に更に移動することにより、可撓性第1部材を切断する。
【0024】
幾つかの実施例では、カバー部材は、送出するための比較的長さ方向配向と配置するための横方向位置との間で枢動自在である。
【0025】
幾つかの実施例では、送出器具を近位方向に更に移動することにより、第2係合部材を第3ストップを越えて移動し、送出器具内の第4ストップと接触する。
【0026】
幾つかの実施例では、送出器具を近位方向に移動することにより、第1係合部材をチャンネルハウジングのチャンネル内で摺動し、可撓性第1部材をチューブ状部材内に位置決めされた切断部材と接触でき、可撓性第1部材を切断する。幾つかの実施例では、このような近位方向移動により可撓性第2部材も切断する。
本開示の好ましい実施例を添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の穴閉鎖体送出器具の第1実施例の斜視図である。
【図2】図2は、図1の送出器具の分解図である。
【図2A】図2Aは、チャンネルハウジングの下側の斜視図である。
【図3】図3は、図1の3−3線に沿った長さ方向断面図である。
【図4】図4は、閉鎖デバイスのリテーナが初期位置にある、送出器具のバンプハウジング及びチャンネルハウジングを示す斜視図である。
【図5】図5は、第1リテーナの位置を示す、図4の5−5線に沿った断面図である。
【図6】図6は、第2リテーナの位置を示す、図4の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図7は、閉鎖デバイスの第1リテーナをカバー部材に向かって前進するための送出器具のハウジングの近位方向初期移動を示す、図3と同様の断面図である。
【図7A】図7Aは、図7の縫合糸位置を示す斜視図である。
【図8】図8は、第2リテーナの移動を示す、図6の断面と対応する断面図である。この図は、閉鎖デバイスの第2リテーナをカバー部材に向かって前進するため、送出器具のハウジングを近位方向に更に移動したことを示す。
【図8A】図8Aは、図8の縫合糸位置を示す斜視図である。
【図9】図9は、閉鎖デバイスの第2リテーナをカバー部材に向かって前進するため、送出器具のハウジングを近位方向に更に移動したことを示す、図8と同様の断面図である。
【図9A】図9Aは、図9の縫合糸位置を示す斜視図である。
【図10】図10は、閉鎖デバイスの第1リテーナをカバー部材に向かって前進するため、送出器具のハウジングを近位方向に更に移動したことを示す、図7と同様の断面図である。
【図10A】図10Aは、図10の縫合糸位置を示す斜視図である。
【図11】図11は、縫合糸がバンプハウジングをどのように出るのかを示す、バンプハウジングの斜視図チャンネルハウジングの部分切除図である。
【図12】図12は、チャンネルに沿った係合部材の移動及び切断ブレードと接触する縫合糸を示す、図11と同様の斜視図である。
【図13】図13は、縫合糸を切断した状態でのバンプハウジング及びチャンネルハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、添付図面を詳細に参照すると、幾つかの図に亘り、類似した即ち同様の構成要素に同様の参照番号が付してある。本願は、本発明の血管穴(孔)閉鎖デバイスを送出するための送出デバイスに関する。閉鎖デバイスは、代表的には、血管形成術又は他の介入的手順を行うために血管壁を通して血管内腔内に予め挿入したカテーテルのを取り出した後に形成された血管壁の孔を閉鎖するようになっている。孔は、患者の皮膚及び皮下組織、血管の外壁、血管壁、及び血管内壁を通って延び、血管の内腔と連通している。本発明の閉鎖デバイスは、血流を遮断する血管内構成要素及び血管内構成要素を保持するための血管外構成要素を有する。
【0029】
閉鎖デバイスを図7乃至図10に様々な送出段階で示す。これは、2010年8月12日に出願された米国特許出願第12/854,988号に更に詳細に説明されている。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。閉鎖デバイスは、血流を遮断するために血管の内壁に当てた状態で血管内に位置決めされたカバー部材即ちパッチ104と、カバー部材104をその遮断位置に保持するため、血管壁の外側に位置決めされた二つのリテーナ110、112とを含む。各リテーナ110、112は、好ましくは球形形状(しかし、この他の形状が考えられる)であり、夫々の縫合糸122、120を引っ張ることにより、これらの縫合糸に取り付けられたリテーナをカバー部材104に向かって前進し、最終的には、リテーナ110、112が血管壁の外面に当たった状態で又は血管壁と隣接した状態で側部と側部とが向き合わせて配置された関係に位置決めされるように、夫々の縫合糸122、120に固定的に取り付けられている。
【0030】
カバー部材104は、好ましくは、図示の細長い形状を備えており、血管に送出するための長さ方向位置で送出シース内に保持されており、次いで血管内腔内で、横方向位置(孔を通って延びる軸線に対して実質的に垂直な位置)まで枢動し、血管孔を内側で覆う(パッチを当てる)配向にする。この移動は、米国特許第7,662,161号の図37A乃至図37Dに示されている。出典を明示することにより、この特許に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0031】
細長いカバー部材104は、出血を阻止するため、血管壁の内部開口部を覆う(パッチを当てる)ように機能する。カバー部材104は、好ましくは、幾分楕円形形状であり、実質的に平行な側壁106a、106b、及びこれらの側壁106a、106bを連結する端壁108a、108bを有する。カバー部材のこの他の形状も考えられる。側壁106a、106bは、実質的に直線状の壁部分であってもよいし、湾曲した壁部分であってもよい。カバー部材は、好ましくは、中央領域が第1及び第2の端部領域よりも厚い。この他の寸法も考えられる。
【0032】
カバー部材104の長さ方向軸線が長さ方向寸法を形成し、横方向軸線が比較的短い幅寸法を形成する。カバー部材104の幅寸法は、好ましくは、6フレンチのデバイスについては、約2.5mm乃至約3.5mmであり、更に好ましくは約3.1mmである。この他の寸法も考えられる。幅は、好ましくは、少なくとも血管壁の内開口部の寸法とほぼ等しい。これは、開口部を効果的に覆うためである。好ましい実施例では、カバー部材104の長さは、約7.5mm乃至約9mm(6フレンチのシステムにおいて)であり、好ましくは約8mmである。
【0033】
変形例では、米国特許第7,662,161号の図1の実施例に例示されているように、カバー部材には拡幅領域が設けられていてもよいということは理解されるべきである。更に、カバー部材は、カバー部材を所定角度で引っ張ったときに孔が拡がるのを受け入れるため、拡大領域が中心からずらされるように非対称に形成されていてもよい。更に、カバー部材は、米国特許第7,662,161号の図9B乃至図9Eに示すように、狭幅領域が広幅領域と隣接したパドル形状をなして形成されていてもよい。本願のリテーナに関し、米国特許第7,662,161号に開示されたこの他のカバー部材形状を使用してもよい。
【0034】
細長いカバー部材は、ポリカーボネート又はポリウレタン等の材料で形成されていてもよい。好ましくは、カバー部材は、所定期間後に体内に吸収されるラクチド/グリコリドコポリマー等の吸収性材料で形成される。吸収性材料で形成されている場合には、カバー部材は、随意であるが、吸収性が異なる領域を備えていてもよい。例えば、吸収性が異なる材料を使用することによって、又はカバー部材の質量を変えることによって(質量が増大すると吸収時間が伸びる)、様々な吸収性を得ることができる。
【0035】
球形リテーナ110、112は、好ましくは、吸収性材料で形成される。好ましい実施例では、各リテーナ110、112の直径は約2.286mm乃至約2.413mm(約0.090インチ乃至約0.095インチ)であるが、この他の寸法も考えられる。球として図示したが、丸みのあるこの他の形状も考えられる。リテーナは、別の態様では、非吸収性のポリマー材料又は金属材料で形成されていてもよい。
【0036】
リテーナ110、112は、送出器具から放出されたとき、カバー部材104から大きく間隔が隔てられている。更に詳細には、各リテーナ110、112は、縫合糸120、122等の可撓性連結部材に夫々しっかりと固定されている。縫合糸120、122は、好ましくは吸収性のポリマー材料製であり、ポリジオキサノン等の材料で形成されている。更に、別の態様では、金属材料を使用してもよいと考えられる。縫合糸、リテーナ、及びカバー部材は、同じ又は異なる吸収性材料で形成されていてもよく、及び/又は吸収時間が同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0037】
穴閉鎖デバイス並びにデバイスの様々な実施例の詳細が、上文中で言及した米国特許出願第12/854,988号に示されており且つ説明されている。
【0038】
縫合糸120は、近位端120aと、型成形、接着、結び目の形成、又は他の方法によってリテーナ112に固定された反対側の端部とを有する。同様に、縫合糸122は、近位端122aと、上述の方法のうちの任意の方法によってリテーナ110に固定された反対側の端部とを有する。米国特許出願第12/854,988号には、様々な取り付け方法が示されており且つ説明されている。
【0039】
リテーナ110、112を血管壁(及びカバー部材)に向かって前進するため、各縫合糸120、122の近位端を近位方向に引っ張ることによって夫々のリテーナを反対方向に移動し、孔及び血管壁に近づける。これを送出器具と関連して以下に詳細に説明する。ひとたびリテーナ110、112を組織に対して締め付けると、十分な保持力が維持される、即ちカバー部材104に近位方向に引っ張り力を加えることにより、カバー部材104を血管壁に僅かに近位方向に引き付けるということに着目されたい。従って、リテーナ110、112は、カバー部材104が血管壁から分離(反対側の血管壁に向かう方向に移動)しないようにするのを補助する。カバー部材104が血管壁から分離すると、カバー部材104と血管の開口部との間に望ましからぬ隙間が形成され、ここから血液が流出してしまう。リテーナ110、112が壁に向かってどれ程移動するのか(及び従ってリテーナの最終配置位置における血管壁からの距離)は組織の厚さで決まる。かくして、閉鎖デバイスは、組織の様々な厚さに対して調節でき、組織の厚さに関わらず一定の保持力を加える。
【0040】
カバー部材104は、第1穴対及び第2穴対を有する。第1穴対116、117は縫合糸120を受け入れ、第2穴対119、114は縫合糸122を受け入れる。穴114、117は穴116、119よりも小径である。比較的大きい穴116は、縫合糸120が自由に制限なく移動するように縫合糸120を受け入れる寸法を有し、従って、球形リテーナ112の適用が比較的容易である。同様に、比較的大きい穴119は、縫合糸122が自由に制限なく移動するように縫合糸122を受け入れる寸法を有し、従って、球形リテーナ110の適用(移動)が比較的容易である。比較的小さい穴114は、縫合糸122と摩擦係合するような寸法を有し、そのため縫合糸122に張力が加わる。近位端122aを引っ張ることによって十分な力が加えられた場合に穴114を通して縫合糸122を引っ張ることができる寸法を備えているが、このような所定の力が加えられないと縫合糸122は開口部114の壁と摩擦係合したままであり、移動しない。このようにして、近位端122aに張力を加えるのを止めると、縫合糸122及びかくして球形リテーナ110は所定の位置にとどまる。縫合糸120は同様に作用し、比較的小さい開口部117は、縫合糸120と摩擦係合し且つその移動に抵抗し、球形リテーナ112を所定位置に保持するような寸法を備えている。好ましくは、各穴114、117は内方に角度をなし、小径領域に続く壁、及び外方に角度をなし、大径領域に続く壁を有する。これらの角度をなした壁は、張力が加えられた場合に縫合糸の移動を容易にし、縮径領域が縫合糸を摩擦によって固定する。穴117は穴114と同様の形状を有し、及びかくして同様の角度をなした壁を含む。このようにして、近位端120a及び近位端122aに張力を加えるのを止めると、夫々の縫合糸120及び122及びかくして夫々の球形リテーナ112及び110は所定の位置にとどまる。
【0041】
縫合糸にクリンプ又はビードを取り付け、又は縫合糸に結び目を形成することにより、リテーナ内の部分よりも大径の部分を形成する。これは、夫々の球形リテーナ110又は112の移動をブロックする肩部を形成する。従って、この摩擦係合により、夫々のリテーナがカバー部材104から遠ざかる方向に摺動しないようにする。肩部は、これと同様に、リテーナがカバー部材104に向かう方向に摺動しないようにする。リテーナ112及び縫合糸120は、好ましくは、リテーナ110及び縫合糸122と同じ構造及び係合/保持を有する。
【0042】
送出中、カバー部材104が送出シースから出て、シースの長さ方向軸線と比較的整合した、又は好ましい実施例において実質的に整合した傾斜位置から、シースの長さ方向軸線に対して実質的に垂直な横方向位置に血管内で移動するということに着目されたい。
【0043】
わかるように、カバー部材104を血管内に送出した後、カバー部材104を近位方向に引っ張り、血管の内側で内部開口部に当て、開口部を覆う(パッチを当てる)。縫合糸は血管壁の開口部を通って延びる。送出位置において、リテーナ110及び112は、好ましくは、送出システムの横断寸法を小さくするため、送出器具内で積み重ねられた関係にあるということに着目されたい。
【0044】
次いで、血管壁を通る血流を遮断するためにカバー部材104を血管壁に当てた所定位置に保持するため、縫合糸120、122をこれらの縫合糸の近位端120a、122aから近位方向に引っ張り、これによってリテーナ112、110を血管壁及びカバー部材104に向かって前進する。リテーナ112、110は、血管壁と隣接した位置まで移動でき、又は組織の厚さに応じて、何らかの組織をリテーナと血管壁との間に置いた状態で壁と隣接してもよい。リテーナ110、112は、この位置において、細長いカバー部材104に近位方向に力を加え、血管内へのカバー部材104の移動を制限する。リテーナは、この配置位置において、好ましくは、実質的に側部と側部とを向き合わせて配置された関係にある。これらのエレメントをターゲット箇所まで送出し、血管の開口部を閉鎖するための本発明の器具を以下に詳細に説明する。
【0045】
図10に示すように、リテーナ110、112は、側部と側部とを向き合わせた関係で、カバー部材104に関して横方向の配向で並んでいる。即ち、これらのリテーナは、カバー部材104の幅に沿って位置決めされている。しかしながら、リテーナは、配置位置において、長さ方向配向(カバー部材の長さ方向軸線と実質的に平行)であってもよいとも考えられる。リテーナは、更に、長さ方向軸線に対して所定の角度をなした、側部と側部とを向き合わせた他の配置にあってもよい。別の態様では、リテーナは、配置位置において部分的に重なっていてもよい。
【0046】
次に、本発明の送出器具を説明する。先ず最初に図1、図2、及び図4を参照すると、送出器具の全体に参照番号10が付してある。送出器具10は、ハンドル即ちハウジング12及びこのハンドル12から遠位方向に延びる細長いチューブ14を含む。閉鎖デバイス100が図1及び図2に送出器具10の外に出した状態で示してある。
【0047】
閉鎖デバイスを挿入するための送出器具は、患者の皮膚の開口部を通って、皮下組織を通って、血管壁の外開口部を通って、血管壁の孔を通って、及び血管壁の内側の内開口部を通って血管内腔内に延びる。
【0048】
細長いチューブ14は、閉鎖デバイスの送出を容易にするため、フレア状の遠位端を含んでいてもよい。
【0049】
ハンドルハウジング12は、長さ方向に延びる実質的に平行な開口部即ち内腔20、22、24、及び26を持つバンプハウジング16を含む。開口部20及び22は縫合糸120を受け入れ、開口部24及び26は閉鎖デバイス100の縫合糸122を受け入れる。図4に示すように、縫合糸120は、ループ121のところで開口部20から開口部22内にループをなしており、縫合糸122は、ループ127のところで開口部24から開口部26内にループをなしている。
【0050】
バンプハウジング16内には、縫合糸120、122の移動に対して抵抗を提供する突出部材又は当接部材の形態の一連のストップが設けられている。例示の実施例では、当接/突出部材は、各々、長さ方向に延びる開口部内に横方向に延びるバンプの形態である。この抵抗は、縫合糸120及び縫合糸122の近位部分に係合部材を設けることによって得られる。
【0051】
更に詳細には、係合部材129は、実質的に球形であるように示してあるが、この他の形状も考えられ、縫合糸120の近位端120aに位置決めされる。同様に、係合部材131は、実質的に球形であるように示してあるが、この他の形状も考えられ、縫合糸122の近位端122aに位置決めされる。これらの係合部材129、131は、クリンプ止め、結び目を形成すること、縫合糸に型成形すること等の方法によって取り付けることができ、バンプハウジング16のバンプと係合し、縫合糸の移動に対して抵抗を提供するように形成されている。上述のように、開口部20、22、24、及び26は、好ましくは、バンプハウジング16の長さに沿って長さ方向に、即ち近位端から遠位端まで延びる。
【0052】
バンプ32、36の第1の組は、夫々、長さ方向開口部24、26内に延びており(例えば図3及び図5参照)、バンプ34、38の第2の組は、夫々、長さ方向開口部20、22内に延びており(例えば図6及び図8参照)、これらが以下に説明するようにストップを形成する。
【0053】
図2、図2A、及び図4を参照すると、チャンネルハウジング40は近位領域42と、この近位領域42から遠位方向に延びる実質的に半円形断面の領域44とを含む。近位領域42の角度をなした壁46は、領域44の壁45に対して所定の角度で位置決めされている。例示の角度は鈍角である。壁45は、送出器具の長さ方向軸線と実質的に平行に延びる。第1チャンネル48は、領域44内を長さ方向に延びる第1部分48a(長さ方向軸線と実質的に平行)と、領域44の長さ方向軸線に対して横方向に、角度をなした壁46に沿って延びる角度をなした部分48bとを有する。第2チャンネル50は第1チャンネル48と実質的に平行であり、領域42及び44に沿って延びる。チャンネル50は、領域44内を延びる第1部分50aと、領域44の長さ方向軸線に対して横方向に、角度をなした壁46に沿って延びる角度をなした部分50bとを含む。チャンネル48及び50は、夫々、遠位開口部49、51で終端する。
【0054】
切断ブレード60がチャンネルハウジング40にピン62によって取り付けられているが、この他の取り付け方法も考えられる。図示のように、ブレード60は実質的に平らな表面64を有し、角度をなした切断縁部66が近位縁部に設けられている。
内部アッセンブリ70がハウジング12及びチューブ状部分14内を延びている。内部アッセンブリ70は、図2に示すように、ねじ山を備えたハウジング72及びキャップ80を含む。ハウジング72のねじ山75は、キャップ80の内ねじと螺合する。特定の実施例では、キャップ80が設けられていない。即ち、ハウジング72がハウジング12内にキャップ80なしで着座し且つ固定されている。内シャフト74は、ハウジング72から遠位方向にチューブ14内を延び、好ましくは、シャフト14の遠位端と隣接した遠位端で終端する。ばね77がアッセンブリ70を近位方向に押圧し、縫合糸120、122をぴんと張った状態に保持し、維持する。
【0055】
次に、送出デバイス10を使用した穴閉鎖デバイス100の送出を説明する。初期位置において、リテーナ110及び112は、細長いチューブ14内に受け入れられた内シャフト74内に位置決めされている。カバー部材104は、この実施例では、初期位置においてシャフト74及びチューブ14の外側に延びており、送出デバイス10が挿入された送出シースによって傾斜した送出位置に維持される。しかしながら、幾つかの実施例において、カバー部材104は、シャフト74又はチューブ14内に位置決めされていてもよいということは理解されるべきである。初期位置において、縫合糸120、122の突出部129、131は、夫々、バンプハウジング16の夫々のバンプと係合した状態から外れている(図5及び図6参照)。
【0056】
送出シース(図示せず)を通して送出デバイスを挿入する。好ましい実施例では、デバイス10は、シャフト14の外側に延びるカバー部材104が送出シースの内側に配置されるように、送出シースを通して導入される。このような挿入を容易にするため、カバー部材104が挿入される送出シースの近位端にチューブを配置してもよい。
【0057】
皮膚、血管壁まで延びる組織穿刺路、及び血管壁を通って血管内腔内に延びる送出シースを通して送出デバイス10を挿入する。次いで、この位置で、閉鎖デバイス100の展開を開始できる。
【0058】
閉鎖デバイス100を展開するため、送出デバイス10を送出シースに関して遠位方向に移動し、カバー部材104を送出シースから出す。カバー部材104は、ひとたび出されると、血管内腔内で、送出シースの長さ方向軸線と比較的整合した第1送出位置から横方向配置位置まで枢動する。
【0059】
次いで、送出デバイス10を近位方向に引っ張り、カバー部材104を血管壁の開口部の内側に当てて配置し、血管壁にパッチを当て、即ち覆い、流体の流出を阻止する。次いで、送出デバイスを更に近位方向に移動することによりリテーナ110、112を展開し、穴閉鎖デバイスを以下に説明するように固定する。図3、図5、及び図6は、カバー部材104を最初に血管内腔内に挿入したときの縫合糸120及び122の初期位置を示す。
【0060】
上文中に言及したようにカバー部材104が血管内壁に当接するように送出デバイスを引っ込めたとき、送出デバイスを更に引っ込めることにより、リテーナ110、112を以下に説明するように展開する。初期移動において、縫合糸122が近位方向に引っ張られ、縫合糸122の係合部材131が移動し、図7及び図7Aに示すようにバンプ32と当接/係合する。(カバー部材104を血管壁に当てる力は、送出デバイス及び縫合糸120、122を近位方向に移動することにより、縫合糸120、122に取り付けられたリテーナ110、112を遠位方向に移動する力と釣り合いがとれるということに着目されたい。)縫合糸122を引っ張る(張力を加える)ことにより、図7に示すように、縫合糸122の反対側の端部に取り付けられたリテーナ110をカバー部材104に向かって移動する。縫合糸120の係合部材129は、未だ、バンプハウジング30のバンプ34と係合していないということに着目されたい。かくして、この位置では、バンプ32は、縫合糸122の移動を制限するストップを提供する。このバンプ32は、更に、リテーナ110がカバー部材104に向かって大きく移動されたことを示す触感を使用者に提供する。
【0061】
送出デバイス10を送出シースに関して近位方向に更に引っ張ると、縫合糸120が手前方向に引っ張られ(張力が加えられ)、図8及び図8Aに示すように、リテーナ112をカバー部材104に向かって移動する。このような移動は、係合部材129がバンプ34に当接/係合するまで続く。バンプ34は、これによって、縫合糸120の移動を制限するストップを提供する。バンプ34は、更に、リテーナ112がカバー部材104に向かって大きく移動されたことを示す触感を使用者に提供する。係合部材131は既にバンプ32を乗り越えており、もはや張力が加わっていないということに着目されたい。わかるように、リテーナ110及び112はカバー部材104と隣接するまで移動されているが、未だ、遠位方向で一杯に固定された位置にない。この送出方法は、力を分配する、即ちカバー部材104に作用する負荷を低減するということに着目されたい。
【0062】
送出デバイス10を近位方向に移動し続けると縫合糸120に十分な張力が加わり、そのため、係合部材129がバンプ34を乗り越え、図9及び図9Aに示すように長さ方向開口部22のバンプ38と係合するまで、長さ方向開口部20を通って長さ方向開口部22内に移動し続ける。これによりリテーナ112をカバー部材104に向かって遠位方向に更に移動し、リテーナ112をカバー部材104に関して締め付ける。係合部材131はバンプ36に向かって移動し続けるということに着目されたい。
【0063】
図10に示すように、近位方向に移動し続けると、縫合糸122が近位方向に引っ張られ、係合部材131がバンプ36と係合するまで、長さ方向開口部24を出て長さ方向開口部26に入る。突出部129は、バンプ34と係合した状態から外れている。縫合糸122を更に移動すると、リテーナ110がカバー部材104に向かって遠位方向に更に移動し、これによってリテーナ110がカバー部材104に関して締め付けられ、カバー部材104を所定位置に固定する。カバー部材104に向かうリテーナ110、112の移動の程度、即ちリテーナ110と112との間の最終距離、及びリテーナ110、112とカバー部材104との間の距離は、患者の組織の厚さで決まるということに着目されたい。
【0064】
次いで、リテーナ110及び112が血管開口部に続く組織路内(しかし血管開口部の外側)に配置された状態で、縫合糸122、124は、送出デバイス10の切断ブレード60によって自動的に切断される。これを図11、図12、及び図13に示す。
【0065】
送出デバイス10を更に近位方向に引っ張ると、係合部材129、131及び縫合糸120、122がハウジング16の開口部22、26の夫々から出て、チャンネルハウジング40のチャンネル48及び50に入る。送出デバイス10を引っ込め、縫合糸120、122を引っ込めると、係合部材129、131は長さ方向部分48a及び50a内に落下し、縫合糸120、122はこれらの部分48a及び48bの上に残り、切断ブレード60の縁部66と接触し、図13に示すように縫合糸120、122を切断する。係合部材129、131は、これらにもはや張力が作用していないため、チャンネルの内部で浮動できるということに着目されたい。縫合糸120、122を更に締め付けることができ、次いで外科医が患者の皮膚と面一になるように切断する。
【0066】
以上の説明は多くの特徴を含んでいるけれども、これらの特徴は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、その好ましい実施例の単なる例示であると解釈されるべきである。本開示の範囲及び精神に含まれる多くの他の可能な変形は、添付の特許請求の範囲に定義されているということは理解されよう。
【符号の説明】
【0067】
10 送出器具
12 ハンドルハウジング
14 チューブ
16 バンプハウジング
20、22、24、26 内腔
34、38 バンプ
40 チャンネルハウジング
42 近位領域
44 半円形断面領域
45 壁
46 角度をなした壁
48 第1チャンネル
50 第2チャンネル
49、51 遠位開口部
60 切断ブレード
62 ピン
64 平らな表面
66 切断縁部
70 内部アッセンブリ
72 ねじ山を備えたハウジング
75 ねじ山
80 キャップ
77 ばね
104 カバー部材
100 閉鎖デバイス
110、112 リテーナ
120、122 縫合糸
120a、122a 近位端
121、127 ループ
129、131 係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管穴閉鎖デバイス及び血管穴閉鎖デバイスを送出するための送出器具の組み合わせにおいて、
遠位端に設けられた、血管の内部に位置決めするためのカバー部材、血管の外部に位置決めするための第1リテーナ、前記カバー部材と前記第1リテーナとの間を延びる可撓性第1部材、及び前記可撓性部材の近位部分に設けられた、第1係合部材を含む血管穴閉鎖デバイスと、
第1ストップを持つハウジングを含む送出器具とを含み、前記第1係合部材は、前記第1ストップと係合でき、前記送出器具に近位方向に所定の力が加わったとき、前記第1ストップを乗り越え、前記送出器具を近位方向に移動することにより、前記第1リテーナを前記カバー部材に向かって前進する、組み合わせ。
【請求項2】
請求項1に記載の組み合わせにおいて、
前記閉鎖デバイスは、血管の外部に位置決めするための第2リテーナ、前記第2リテーナと前記カバー部材との間を延びる可撓性第2部材、及び前記可撓性第2部材の近位部分に設けられた第2係合部材を含み、前記送出器具は第2ストップを含み、前記第2係合部材は、前記第2ストップと係合でき、前記送出器具に近位方向に所定の力が加わったとき、前記第2ストップを乗り越える、組み合わせ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組み合わせにおいて、
初期位置において、前記第1係合部材は前記第1ストップから間隔が隔てられており、前記送出器具が近位方向に十分に移動したとき、前記第1係合部材が前記第1ストップと係合する、組み合わせ。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載の組み合わせにおいて、
前記送出器具の前記ハウジングは、送出中に前記第1係合部材が移動する内腔を含み、前記第1ストップは、前記内腔に対して横方向に延びる突出表面の形態の当接部材を含む、組み合わせ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記送出器具は、前記閉鎖デバイスを手術部位に送出するとき、前記可撓性第1部材を切断する切断部材を含む、組み合わせ。
【請求項6】
請求項2乃至5のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記可撓性第1部材を引っ張ると前記第1リテーナが前記カバー部材に向かって前進し、前記可撓性第2部材を引っ張ると前記第2リテーナが前記カバー部材に向かって前進する、組み合わせ。
【請求項7】
請求項2乃至6のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記カバー部材は、前記第1及び第2の可撓性部材の夫々の移動を制限するように形成された第1及び第2の開口部を有する、組み合わせ。
【請求項8】
請求項2乃至7のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記カバー部材、前記第1及び第2のリテーナ、及び前記第1及び第2の可撓性部材は、吸収性材料で形成されている、組み合わせ。
【請求項9】
請求項2乃至8のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記送出器具のハウジングは、長さ方向に延びる第1及び第2の開口部を有し、前記第1及び第2のストップは第1及び第2の突出表面の形態であり、前記第1突出表面は、前記第1係合部材と係合するため、前記第1開口部内に延びており、前記第2突出表面は、前記第2係合部材と係合するため、前記第2開口部内に延びている、組み合わせ。
【請求項10】
請求項2乃至9のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記閉鎖デバイスの前記可撓性第1部材は縫合糸であり、前記可撓性第2部材は縫合糸であり、前記送出器具は、更に、前記縫合糸を切断するため、前記ハウジング内に位置決めされた切断部材を含む、組み合わせ。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の組み合わせにおいて、更に、
前記長さ方向に延びる第1開口部と連通した第1チャンネル及び前記長さ方向に延びる第2開口部と連通した第2チャンネルを含み、前記第1及び第2のチャンネルは、前記長さ方向に延びる第1及び第2の開口部の長さ方向軸線に対して所定の角度で延びる壁に形成されている、組み合わせ。
【請求項12】
請求項2乃至11のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、更に、
前記第1ストップから軸線方向に間隔が隔てられた、前記長さ方向に延びる第1開口部内に延びる第3ストップと、前記第2ストップから軸線方向に間隔が隔てられた、前記長さ方向に延びる第2開口部内に延びる第4ストップとを含む、組み合わせ。
【請求項13】
請求項12に記載の組み合わせにおいて、
前記第1係合部材は、第1力が加えられたとき、前記第1ストップと係合でき、次に、これに続いて力が加えられたとき、前記第3ストップと係合でき、前記第2係合部材は、第2力が加えられたとき、前記第2ストップと係合でき、次に、これに続いて力が加えられたとき、前記第4ストップと係合できる、組み合わせ。
【請求項14】
請求項2乃至13のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
各可撓性部材は縫合糸であり、前記第1及び第2の係合部材は夫々の縫合糸の近位部分に位置決めされている、組み合わせ。
【請求項15】
請求項2乃至14のうちのいずれか一項に記載の組み合わせにおいて、
前記第1及び第2の係合部材は実質的に球形形状である、組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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