説明

血糖値情報処理装置、血糖値情報表示シート及び患者指導用血糖値データ表示シート

【課題】糖尿病を患う患者の血糖値測定時の値をグラフで表示すると共に警戒領域あるいは危険領域に数値が入った場合にその測定回数と目標となる回数を表示する。
【解決手段】血糖値情報処理装置はPC10と表示器12と入力装置14とプリンタ16とを備え、PC10はその内部に、患者の血糖値測定装置18からの血糖値測定データを取り込む機能と、グラフ表示機能と、血糖値表示機能を備えた演算部と、患者の名前、測定時間帯、血糖値平均値、警報回数、グラフ、目標警報回数、目標平均値を示すことができるデータベースを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血糖値情報処理装置及び前記装置によって生成される血糖値情報表示シート並びに患者指導用血糖値データ表示シートに関し、一層詳細には、特定の糖尿病患者の蓄積された血糖値測定データを単独であるいは他の関連情報と共に処理する装置及び前記処理されたデータを一定の形式で表示することが可能な血糖値情報表示シート並びに患者指導用血糖値データ表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、糖尿病患者の増加が著しく、また糖尿病と診断されていない潜在的患者(以下、総括的に患者という)も増加していると報告されている。このような患者に対する療法としては、食事療法、運動療法、薬物療法、インスリン療法等があるが、いずれの場合においても、各患者ごとの日々の血糖値管理が極めて重要である。
【0003】
このような血糖値を簡易に測定するために携帯型の自動血糖値測定装置が市販されている。しかしながら、患者それぞれが、自分の血糖値を測定しても、その血糖値の変化がどのような意味を有しているか、また、血糖値が増加する傾向にあるのか減少する傾向にあるのか、さらには、自分の血糖値の最大値、最小値、あるいは平均値がどれくらいであるか等の情報を把握することは容易ではない。
【0004】
患者個人が日々測定した血糖値データを容易に管理し、そのデータを病院に持参する等を行い、担当医師がそのデータを見ながら適切な診断ができるようなシステムとして、患者個人の血糖値データを市販のコンピュータ等に入力し、当該コンピュータで血糖値の変化やその傾向に係る情報や各患者ごとの血糖値の時間的変化や平均値等をグラフ化して表示できる血糖値情報処理システムが既に提案されている(特許文献1及び2)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−060803号公報
【特許文献2】特開2001−245900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は血糖値情報処理システムを開示し、また特許文献2は血糖値に関連するグラフ及びグラフの表示方法並びにグラフ表示装置を開示している。しかしながら、患者が血糖値に対する自己管理を継続して自己の生活習慣の改善により糖尿病のそれ以上の悪化を回避し、むしろ治癒に向けて努力するには患者自身の自覚とやる気が最も重要な因子である。そのためには、単に血糖値の変化や傾向をグラフに表示するだけでなく、医師や保健師等の専門職による健康相談、指導に利用されやすく、患者にそのための自覚とやる気を引き起こすツールが必要である。前記特許文献1や特許文献2には、この観点からの血糖値にかかるデータの処理や、健康相談指導に役立つ情報を表示するような情報処理は何らなされていない。すなわち、従来、血糖値に係る測定結果がグラフ化されることはあったとしても、病状の悪化を阻止し、あるいは病状を改善するための具体的目標を患者自身が把握することは困難であり、その結果、患者自身の自覚や病状改善の動機付けとしての資料提供に必要且つ十分な対応がなされていない。また、患者は従来の自らの病状と比較した結果を測定値情報として与えられてはおらず、表示するデータ量が多すぎると、病人である患者にとって煩雑となり、心理的負担も多く、しかも理解しづらくなってしまうという問題点が露呈している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記の種々の課題を解決するためになされたものであって、
請求項1で規定される発明は、特定の患者の蓄積された血糖値測定データを処理し、他の関連情報と共に所定形式でモニタの画面上に表示しもしくは印刷するための血糖値情報データを出力する血糖値情報処理装置であって、
前記患者の血糖測定値及び測定日時に関する情報を読み出す測定データ取得手段と、
前記血糖測定値の所望の目標値を設定する目標値設定手段と、
前記血糖値測定データの計数対象期間を定める対象期間設定手段と、
前記計数対象期間における前記血糖値測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数を計数する計数手段と、
前記血糖測定値を前記計数対象期間について時系列でプロットし、前記目標値を下回る領域と前記目標値を上回る領域を視覚的に区別して表示した血糖値2次元グラフを作成するグラフ作成手段と、
前記血糖値情報の少なくとも一部として、直近の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数、並びに直近の前記計数対象期間における前記血糖値2次元グラフをレイアウトするレイアウト手段と、
前記レイアウト結果にもとづいて、表示もしくは印刷に適した形式のデータを生成し、前記血糖値情報データとして出力する血糖値情報データ出力手段とを有し、
前記測定回数及び前記警報回数について、直近の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数と、前回の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数を対比して表示すると共に、次回の警報回数の記入欄が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2で規定される発明は、前記レイアウト手段が、前記目標値を上回る血糖測定値を前記目標値を下回る血糖測定値と比べ視覚的に強調してプロットしたレイアウトとすることを特徴とする。
【0009】
請求項3で規定される発明は、前記計数対象期間が、当該計数対象期間の間隔及び前記患者の計測時間帯であることを特徴とする。
【0010】
請求項4で規定される発明は、前記間隔が、1週間以上6ヶ月以下であり、前記計測時間帯が、「朝食前」「朝食後」「昼食前」「昼食後」「夕食前」「夕食後」「就寝前」「深夜」のいずれかであることを特徴とする。
【0011】
請求項5で規定される発明は、前記レイアウト手段は、前記直近の前記血糖値2次元グラフの1/4以下の面積でレイアウトされた前回の計数対象期間における前記血糖値2次元グラフをレイアウトすることを特徴とする。
【0012】
請求項6で規定される発明は、前記血糖値情報処理装置が、前記計数対象期間における前記血糖値測定データの平均値を算出する平均値算出手段をさらに有し、直近の前記計数対象期間における前記平均値と、前回の前記計数対象期間における前記平均値を対比して表示すると共に、次回の平均値記入欄が設けられていることを特徴とする。
【0013】
なお、前記請求項1乃至6に記載の血糖値情報処理装置から出力された血糖値情報表示シートもまた本発明の特徴である。
【0014】
さらに、本発明は請求項8で規定されるように、患者の血糖測定値を直近の所定期間にわたって時系列でプロットし、所定の目標値を下回る領域と前記目標値を上回る領域を視覚的に区別して表示した血糖値2次元グラフと、
前記患者の血糖測定値の測定データの直近の前記所定期間における前記血糖値の測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数と、
前記患者の血糖測定値の測定データの前回の前記所定期間における前記血糖値の測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数と、
が表示もしくは印刷された患者指導用血糖値データ表示シートであって、
直近の前記所定期間における前記測定回数及び警報回数と、前回の前記所定期間における前記測定回数及び前記警報回数を対比して表示されていると共に、次回の警報回数記入欄が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項9で規定される患者指導用血糖値データ表示シートは、前記目標値を上回る血糖測定値を前記目標値を下回る血糖測定値と比べ視覚的に強調してプロットされていることを特徴とする。
【0016】
請求項10で規定される患者指導用血糖値データ表示シートは、前記所定期間が、当該所定期間の間隔及び血糖値測定データの計測時間帯であることを特徴とする。
【0017】
請求項11で規定される患者指導用血糖値データ表示シートは、前記間隔が、1週間以上6ヶ月以下であり、前記計測時間帯が、「朝食前」「朝食後」「昼食前」「昼食後」「夕食前」「夕食後」「就寝前」「深夜」のいずれかであることを特徴とする。
【0018】
請求項12で規定される患者指導用血糖値データ表示シートは、前記直近の前記血糖値2次元グラフの1/4以下の面積でレイアウトされた前回の前記所定期間における前記血糖値2次元グラフがレイアウトされていることを特徴とする。
【0019】
請求項13で規定される患者指導用血糖値データ表示シートは、直近の前記所定期間における血糖値の平均値と、前回の前記所定期間における前記平均値を対比して表示すると共に、次回の平均値記入欄が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、病状を維持もしくは改善できる血糖値に係る目標値が所定期間内で設定でき、また日々目標値を超えた血糖値の測定回数を自動的に計数してグラフ等により警報表示することが可能となるために、患者の血糖値への関心を高め、患者自らの目標に対する結果を振り返り、さらに、病状改善のための努力をする指針を与えることができる。
【0021】
さらにまた、前回測定した目標値を超えた血糖値の測定回数、前回測定した血糖値の平均値、前回測定した血糖値の変化あるいは傾向を示す小さなグラフを併せて表示することにより大略前回の測定値との比較をすることができる。しかも、前回の測定値等を小さくグラフで表示することで、所定期間内の測定値の平均を示すグラフ等他の情報をシートに表すことが可能である。この結果、糖尿病改善の指導の経験が少ない医師、あるいは看護師、保健師であっても、患者に対する指導を行うための情報を容易に取得することができ、特に、糖尿病の改善に関する指導者が不足している病院や診療所、保健所での指導者の養成や確保に貢献することが可能となるという特有の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る血糖値情報処理装置のシステム構成図である。図1において、参照符号10は市販されている情報処理装置(PC)を示し、CRT、液晶、エレクトロルミネッセンス等からなる表示器12と、キーボードやマウス等の入力装置14及び血糖値情報表示シートを出力するプリンタ16が接続されている。前記PC10は固定型または携帯型であって患者によって用いられる血糖値測定装置18と接続されている。血糖値測定装置18は、PC10に対して、主として患者によって測定された血糖値情報を入力(転送)するためのものであり、実際上、家庭内で用いられる。血糖値測定装置18が固定型の場合には、該血糖値測定装置18によって得られた情報は電気通信回線を利用して患者が通院する病院等に転送されるものであり、一方、携帯型の場合には、該血糖値測定装置18を患者が病院等に持参することによりPC10に接続されて該情報が吸い上げられる。
【0024】
前記血糖値測定装置18から病院等に提供される血糖値情報は以下を含む。
【0025】
(1)患者自身に関する情報。これには、患者名、性別、年齢等が含まれる。
【0026】
(2)血糖値の測定日及び測定時間帯。測定時間帯とは、例えば、「朝食前」「昼食前」「夕食前」及び「就寝前」を意味する。場合によって、「朝食後」「昼食後」「夕食後」「深夜」の如き測定時間帯を含む。
【0027】
(3)HbAlc値(%)
【0028】
従って、前記血糖値測定装置18は、少なくとも前掲(1)(2)(3)の情報を蓄積するための記憶手段(メモリー)をその内部に有している。
【0029】
次に、PC10の内部構造について説明する。
【0030】
PC10は基本的に、演算機能と、測定データ取り込み機能と、グラフ表示機能と、レポート作成機能、そして記憶機能とを有する。これらの機能を達成するために、当該PC10は図示しないMPU、ROM、データベースとしてのRAMをその内部に有する。この場合、ROMには後述する血糖値2次元グラフを作成し、該2次元グラフを所定のフォーマットで画面上もしくは印刷媒体にレイアウトしたり、前記レイアウトされたデータを血糖値情報データとして出力するためのソフトウェアが格納されている。
【0031】
血糖値測定装置18から出力されたデータは測定データ取り込み機能によってRAMの中に記憶され、当該PC10を操作する医師、看護師等によって入力装置を介して入力される信号に基づき演算を行い、グラフ表示機能、レポート作成機能を達成して、表示器12に表示されると共に、プリンタ16から出力されることになる。そこで、PC10のRAM、ROM及びMPUによって達成される測定データ取り込み機能、演算機能、グラフ表示機能、レポート作成機能について、血糖値情報表示シートとの関連で、図2、図3を参照しながら説明する。
【0032】
まず、患者名である。患者名は、医師等によって入力装置14から入力された特定の患者のID情報からRAMを介して読み出され、ROMに記憶されているフォーマットを用いたレポート作成機能により図2に示す血糖値情報表示シート100に対応する画面上の参照符号20で表示される部位に表示される(S1)。さらに、医師等により入力装置14を介して、当該血糖値情報処理の年月日(参照符号22)が入力される。ここでは、仮に平成19年12月15日に患者が病院等に出向いて既に測定されている血糖値データを提供し、医師等との相談が行われる日と仮定する。そこで、予め固定型の血糖値測定装置18の場合には、電気通信回線を介して、また、携帯型の血糖値測定装置18では直接PC10に接続されて、測定データ取り込み機能により当該血糖値測定装置18に蓄積されているデータが取り込まれる(S2)。そこで、PC10の測定データ取り込み機能を用いて、血糖値情報表示シート100を表す表示器12に計測時間帯が表示される(参照符号24)。計測時間帯は前記の通り、患者の血糖値測定時間帯である「朝食前」「昼食前」「夕食前」及び「就寝前」の4つのカテゴリーに分けることができる。従って、医師は入力装置14を介して、計測時間帯のうち、いずれの計測時間帯で測定されたデータを取り出すのかを特定することができる(S3)。ここで、計測時間帯が「朝食前」と選択されると、PC10は血糖値測定装置18から、患者の過去から現在に至る「朝食前」の血糖値データを取り込む。前記取り込まれた測定データは、PC10のデータベース、すなわちRAMに格納されることになる。
【0033】
次に、医師は血糖値処理に関する計数対象期間を入力する(S4)。
【0034】
医師が入力装置14を操作すれば、データベースに蓄積された測定データが読み出され、ROMに記憶されているアルゴリズムによって、PC10はまず警報回数についての演算を行う。ここで、警報回数とは、血糖値測定回数と、測定された血糖値が1dl中100mg以上測定された場合の回数を示す。この場合、警報回数は前回の測定回数に対して1dl中100mg以上血糖値が測定された場合を意味し(参照符号26)今回の警報回数(参照符号28)も表示される。前回の警報回数は、前月の警報回数を示し、また、今回の警報回数は今月の警報回数を示し、次回、すなわち、翌月の警報回数の目標値(参照符号30)はそのまま空欄となるように表示器12に出力される(S6、S7)。
【0035】
次に、医師は入力装置14を操作して、血糖値の平均値を演算処理する。平均値のうち、前回とは前月に測定された血糖値の平均が血液1dl中何mgであったかを示すためのものであり(参照符号32)、今回の平均値とは、今月の血液1dl中の血糖値が何mgであったかを平均した数値として示すことができる(参照符号34)。この場合、次回目標平均値は、例えば、血液1dl中120mgと設定したり、また目標平均値が定まらなければ空欄としておく。
【0036】
図2から警報回数は前回は26/29回であり、今月は20/21回であることが了解されよう。また、平均値は、前月は119mg/dlであり、今月は122mg/dlである。この場合、警報回数で示される「100mg/dl以上の回数」は、医師等と患者とが相談することによって任意に選択できる閾値である。従って、場合によって、患者によって120mg/dlと目標値を事前に設定しておけば、当然に120mg/dl以上の警報回数が前月どの程度であったかを表示することができる。
【0037】
この警報回数及び平均値が、前月分と今月分にわたって表示されたとき、医師は患者と相談して、次なる翌月の目標警報回数と目標平均値(目標血糖値)とを入力することができる(S8)。すなわち、入力装置14を介して、血糖値情報表示シート100に示される次回の欄にそれぞれの目標値を入力することができる(参照符号30、36)。
【0038】
次に、医師等は入力装置14を用いて、過去の血糖値データをグラフ表示するための操作を行う(S10)。例えば、診察日から起算して過去30日間の血糖値をグラフ表示すべく、その場合に対象期間を特定する。対象期間を指定すると演算装置はデータベースから情報を読み出し、ROMに格納されているフォーマットに合わせてレイアウトして、表示器12に当該グラフ(参照符号38)を表す。この場合、当該グラフは横軸に測定日、縦軸に血糖値を表し、特に、血糖値(mg/dl)はその値が100と、126の値に沿って、横線が引かれ(参照符号40、42)、100と126の間は好ましくは黄色で背景が色づけされ、また、126以上は薄い赤で背景が色づけされている。ここで、血糖値100と126の間の黄色は、血糖値が警戒領域にある範囲を示し、また、血糖値が126以上の薄赤色で示される領域は危険領域であることを示す。従って、対象期間を入力装置14から入力し、例えば、11月16日から12月15日と特定することによって、患者の血糖値、測定日とその測定日における血糖値が、グラフに棒状に示され、当該それぞれの日の血糖値が警戒領域であるか、危険領域であるか、あるいはまた、安全領域であるかを医師等と患者が同時に視認することができる。すなわち、目標値を超えた血糖値とそれ以下のものを視覚的に峻別して表示する。
【0039】
なお、ここで、当然、グラフが示されていない日は、患者が血糖値の測定を行わなかったことを示す。さらに、本実施の形態では、前記特定された対象期間の前月の記録もこのグラフと合わせて、しかも当該グラフよりも小さくミニグラフとして表示することができる。好ましくは、このミニグラフ44はグラフ38の略4分の1の大きさとする(S11)。これによって、前月の血糖値の変化もまた合わせて確認することができる。このミニグラフ44の表示も前記入力装置14によって行われる。
【0040】
この場合、本実施の形態によれば、任意の期間の週平均の血糖値を棒グラフによって表示することができる。医師等は入力装置14を使って、例えば、過去の任意の対象期間の週平均の血糖値を表示することができる。その場合、医師はその任意の期間、例えば平成19年8月9日から11月15日までの15週間の血糖値を表示するよう入力すれば、その期間の週ごとの平均値が棒グラフとして表示される(参照符号50、S12)。さらにまた、医師等または患者が、過去52週間の記録、すなわち1年分の血糖値の変化を見ようとするとき、グラフ50の4分の1のミニグラフ52にその左上方に小さく週平均血糖値を表示することができる(S13)。
【0041】
さらにまた、医師等は入力装置14を用いて、週平均血糖値を示すグラフ50の下方にメモを示すメモ欄を利用することができる(参照符号54、S14)。例えば、その患者の血糖値に関する注意事項等を記入しておくと、次回の診察日にそれを活用したアドバイスを患者に対して行うことができる。
【0042】
このようにして得られる血糖値情報は、プリンタ16によって出力され、患者に手渡される(S15)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る血糖値情報処理装置のシステム構成図である。
【図2】表示器に表示される血糖値情報を所定のフォーマットで表した説明図である。
【図3】図1に示すPCを使用して患者と対話しながら表示器に表示させるための手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
10…PC 12…表示器
14…入力装置 16…プリンタ
18…血糖値測定装置 38、50…グラフ
44、52…ミニグラフ 100…血糖値情報表示シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の患者の蓄積された血糖値測定データを処理し、他の関連情報と共に所定形式でモニタの画面上に表示しもしくは印刷するための血糖値情報データを出力する血糖値情報処理装置であって、
前記患者の血糖測定値及び測定日時に関する情報を読み出す測定データ取得手段と、
前記血糖測定値の所望の目標値を設定する目標値設定手段と、
前記血糖値測定データの計数対象期間を定める対象期間設定手段と、
前記計数対象期間における前記血糖値測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数を計数する計数手段と、
前記血糖測定値を前記計数対象期間について時系列でプロットし、前記目標値を下回る領域と前記目標値を上回る領域を視覚的に区別して表示した血糖値2次元グラフを作成するグラフ作成手段と、
前記血糖値情報の少なくとも一部として、直近の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数、並びに直近の前記計数対象期間における前記血糖値2次元グラフをレイアウトするレイアウト手段と、
前記レイアウト結果にもとづいて、表示もしくは印刷に適した形式のデータを生成し、前記血糖値情報データとして出力する血糖値情報データ出力手段とを有し、
前記測定回数及び前記警報回数について、直近の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数と、前回の前記計数対象期間における前記測定回数及び前記警報回数を対比して表示すると共に、次回の警報回数の記入欄が設けられていることを特徴とする血糖値情報処理装置。
【請求項2】
前記レイアウト手段が、前記目標値を上回る血糖測定値を前記目標値を下回る血糖測定値と比べ視覚的に強調してプロットしたレイアウトとすることを特徴とする請求項1記載の血糖値情報処理装置。
【請求項3】
前記計数対象期間が、当該計数対象期間の間隔及び前記患者の計測時間帯であることを特徴とする請求項1または2に記載の血糖値情報処理装置。
【請求項4】
前記間隔が、1週間以上6ヶ月以下であり、前記計測時間帯が、「朝食前」「朝食後」「昼食前」「昼食後」「夕食前」「夕食後」「就寝前」「深夜」のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の血糖情報処理装置。
【請求項5】
前記レイアウト手段は、前記直近の前記血糖値2次元グラフの1/4以下の面積でレイアウトされた前回の計数対象期間における前記血糖値2次元グラフをレイアウトすることを特徴とする請求項1に記載の血糖値情報処理装置。
【請求項6】
前記血糖値情報処理装置が前記計数対象期間における前記血糖値測定データの平均値を算出する平均値算出手段をさらに有し、直近の前記計数対象期間における前記平均値と、前回の前記計数対象期間における前記平均値を対比して表示すると共に、次回の平均値記入欄が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の血糖値情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の血糖値情報処理装置から出力された血糖値情報表示シート。
【請求項8】
患者の血糖測定値を直近の所定期間にわたって時系列でプロットし、所定の目標値を下回る領域と前記目標値を上回る領域を視覚的に区別して表示した血糖値2次元グラフと、
前記患者の血糖測定値の測定データの直近の前記所定期間における前記血糖値の測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数と、
前記患者の血糖測定値の測定データの前回の前記所定期間における前記血糖値の測定データの個数である測定回数及び前記目標値を上回る前記血糖値測定データの個数である警報回数と、
が表示もしくは印刷された患者指導用血糖値データ表示シートであって、
直近の前記所定期間における前記測定回数及び警報回数と、前回の前記所定期間における前記測定回数及び前記警報回数が対比して表示されていると共に、次回の警報回数記入欄が設けられていることを特徴とする患者指導用血糖値データ表示シート。
【請求項9】
前記目標値を上回る血糖測定値を前記目標値を下回る血糖測定値と比べ視覚的に強調してプロットされていることを特徴とする請求項8記載の患者指導用血糖値データ表示シート。
【請求項10】
前記所定期間が、当該所定期間の間隔及び血糖値測定データの計測時間帯であることを特徴とする請求項8または9に記載の患者指導用血糖値データ表示シート。
【請求項11】
前記間隔が、1週間以上6ヶ月以下であり、前記計測時間帯が、「朝食前」「朝食後」「昼食前」「昼食後」「夕食前」「夕食後」「就寝前」「深夜」のいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の患者指導用血糖値データ表示シート。
【請求項12】
前記直近の前記血糖値2次元グラフの1/4以下の面積でレイアウトされた前回の前記所定期間における前記血糖値2次元グラフがレイアウトされていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の患者指導用血糖値データ表示シート。
【請求項13】
直近の前記所定期間における血糖値の平均値と、前回の前記所定期間における前記平均値を対比して表示すると共に、次回の平均値記入欄が設けられていることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の患者指導用血糖値データ表示シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−82210(P2010−82210A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254945(P2008−254945)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【出願人】(508294099)瀬戸内兄弟社株式会社 (1)
【Fターム(参考)】