血糖値管理装置及び血糖値管理方法
【課題】過去の履歴を維持しつつ、そのときの血糖値の血糖区分情報を変更することができる血糖値管理装置及び血糖値管理方法を提供すること。
【解決手段】情報を表示するための表示部21を有し、表示部に、血糖測定装置10が測定した血糖情報を、血糖情報を区分するための血糖区分情報bと共に表示し、血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、適用時期情報は、対応する変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、表示部には、変更後の血糖区分情報が、対応する適用時期情報に基づいて表示される血糖値管理装置20。
【解決手段】情報を表示するための表示部21を有し、表示部に、血糖測定装置10が測定した血糖情報を、血糖情報を区分するための血糖区分情報bと共に表示し、血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、適用時期情報は、対応する変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、表示部には、変更後の血糖区分情報が、対応する適用時期情報に基づいて表示される血糖値管理装置20。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血糖値を計測する血糖計の情報を管理するための血糖値管理装置及び血糖値管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、糖尿病患者の血糖値を計測する血糖計からデータを取得し患者の血糖値を管理する血糖値情報処理システム等が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような血糖値情報システムの管理装置は、患者等から取得した血糖値等の情報をディスプレイに表示するが、その際、血糖値のコントロール目標値の範囲、低血糖の範囲及び高血糖の範囲等の血糖区分情報を操作者である医療従事者等が一見して分かるように、それぞれの数値範囲を色分け等をして示している。
しかし、血糖値の目標値の範囲は、それぞれ患者の症状等によって変えることが好ましいだけでなく、同じ患者でも、その症状等により変更することが好ましい。
そこで、上述の管理装置を操作する医療従事者等は、その目標値の範囲を途中から変更する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−60803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目標値の範囲を変更すると、過去の血糖値のデータに遡及して、目標値の範囲まで変更されてしまうため過去の履歴等を画面上で当時の状態で参照できず、診断等を正確に行うことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、過去の履歴等を維持しつつ、そのときの血糖値の血糖区分情報を変更することができる血糖値管理装置及び血糖値管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明にあっては、情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理装置であって、前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、適用時期情報は、対応する変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、表示部には、変更後の血糖区分情報が、対応する適用時期情報に基づいて表示される構成となっている。
このため、操作者等が目標血糖値範囲等の血糖区分情報を変更した場合でも、その変更は、入力された適用時期から表示部に表示される。したがって、過去の血糖区分情報に基づく履歴情報等は変更されずに、表示部に表示可能なので、操作者である医療従事者の診断等を正確に行うことができる。
【0008】
好ましくは、情報を入力する入力部を有し、前記表示部には、前記血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、前記処方情報は、前記処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、前記処方情報は、前記開始時期情報に基づいて図形情報として表示され、前記図形情報の一つを前記入力部で選択することで、当該選択された図形情報に対応する前記処方の内容が、前記表示部に表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置である。
【0009】
前記構成によれば、表示部には、血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、処方情報は、処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、処方情報は、開始時期情報に基づいて図形情報として表示される、
このため、操作者である医療従事者が当該患者に対し、どの時期に処方を開始したかを瞬時に把握することができる。
また、前記構成では、操作者が、その処方内容を確認したいときは、当該処方情報を示す図形情報の一つを選択するだけで、その内容が表示部に表示されるので、迅速且つ簡易に処方内容を確認することができる。
【0010】
好ましくは、前記処方の開始時期情報に基づき、その処方が存続する所定期間内において、前記血糖情報が特定の前記血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有し、前記血糖区分内比率情報に基づいて、前記特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有することを特徴とする血糖値管理装置である。
【0011】
前記構成によれば、処方の開始時期情報に基づきその期間が開始する所定期間内において、血糖情報が特定の血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有している。
このため、目標血糖値領域等の特定の血糖区分情報の範囲内に留まる血糖情報が、所定期間内にどの程度存在するかの比率情報を取得できるので、その処方の効果を客観的に評価することができる。
また、前記構成では、血糖区分内比率情報に基づいて、特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有しているので、より適切な目標血糖値領域等に血糖区分情報を自動的に変更することができる。
【0012】
好ましくは、前記血糖情報に影響を与えるイベント情報を取得し、前記イベント情報と前記血糖情報との相互関係情報であるイベント及び血糖相互関係情報を有し、前記取得したイベント情報と前記イベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における前記血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有することを特徴とする血糖値管理装置である。
【0013】
前記構成によれば、取得したイベント情報とイベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有する。
したがって、その患者等の1日における血糖値等の変化をシュミレーションすることができるので、操作者等の医療従事者等の適切な診断等に寄与する情報を提供することができる。
【0014】
前記課題は、本発明にあっては、情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理方法であって、前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示されることを特徴とする血糖値管理方法により達成される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、過去の履歴等を維持しつつ、そのときの血糖値の適正な目標値の範囲を変更することができる血糖値管理装置及び血糖値管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態にかかる血糖値管理装置を有する血糖値管理システムを示す概略図である。
【図2】血糖計側ディスプレイでのイベントの表示例を示す概略図である。
【図3】血糖値管理装置の主な構成を示す概略ブロック図である。
【図4】各種データ記憶部の内容を示す概略ブロック図である。
【図5】血糖値管理システムの主な動作を示す概略フローチャートである。
【図6】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図7】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図8】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図9】管理装置側ディスプレイに表示される血糖値管理画面例を示す概略図である。
【図10】血糖値基準領域変更画面の画面例を示す概略図である。
【図11】血糖値基準領域情報が血糖値管理画面上で変更された状態を示す概略図である。
【図12】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図13】処方データ入力画面例を示す概略図である。
【図14】処方データアイコンを表示した血糖値管理画面を示す概略図である。
【図15】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図16】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図17】日内変動データの画面例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる血糖値管理装置20を有する血糖値管理システム1を示す概略図である。図1に示すように、血糖値管理システム1は、患者等の血糖値を計測する血糖計10を有している。
この血糖計10は、図1に示すように、患者の血液を採取するチップを装着するためのチップ装着部11や各種データを表示するための血糖計側ディスプレイ12を有している。
また、血糖計10は、患者等が食事等をし、又はインスリン投与をした場合に、かかるイベント情報が実施されたことを血糖計10に入力するためのイベントボタン13や、時間設定ボタン14も有している。
【0019】
このイベント情報は、血糖情報である血糖値に影響を与える情報であり、具体的には、「食事」、「間食」、「酒宴」及び「インスリン」投与等の情報となっている。ここで、「食事」とは通常1日3回摂る朝食、昼食、夕食を指し、「間食」とは「食事」に比べて簡単で量が少なく、「食事」の間に摂るものであり、夜食も含まれる。「酒宴」とは一般にアルコールを摂取するものであり、食事時間も「食事」より長くなることが多い。
すなわち、患者が食事をする場合、通常の「朝食」「昼食」「夕食」と「間食」又は「酒宴」とでは、そのカロリー摂取量や食事の時間、飲食物の種類が大きく異なり、「血糖値」に与える影響も大きく異なる。また、多くの場合、食前に行う「インスリン」投与も当然ながら「血糖値」に大きな影響を与える。
【0020】
そこで、本実施の形態では、これら「食事」「間食」「酒宴」及び「インスリン」投与を、血糖値に影響を与えるイベントとし、患者等がいずれかのイベント情報を選択入力する構成となっている。
具体的には、血糖計10の血糖計側ディスプレイ12には、その左側には、血糖値(「100」)が表示され、右上には「日付(「3月27日」)、中段には「時刻(「18時11分」)、下段にイベントが表示される。なお、図2は、イベントの表示例を示す概略図である。
【0021】
この血糖計側ディスプレイ12では、図2に示すように「食事」→「間食」→「酒宴」→「インスリン」の順にイベントの表示が変化する構成となっている。このイベント表示の変更は、図1のイベントボタン13を押下することで実行され、長押しすることで決定される構成となっている。これら「食事」等のイベント表示のデータは、血糖計10の内部に予め記憶されている。
【0022】
さらに、血糖計10は、外部と通信するための血糖計側通信装置を内蔵しており、この血糖計側通信装置を介して、内部に蓄積した血糖値データやイベントデータを図1の血糖値管理装置20に送信することができる構成となっている。
【0023】
また、図1に示すように、血糖値管理システム1は、血糖計10から血糖値情報等を取得して管理する血糖値管理装置20を有している。
この血糖値管理装置20は、各種データを表示する表示部である管理装置側ディスプレイ21や、操作者が各種データを入力するための入力部である入力装置22を備えていると共に、血糖計10と通信するための管理装置側通信装置23(図3参照)を有している。
したがって、血糖値管理装置20は、管理装置側通信装置23を介して血糖計10と通信することでき、血糖計10から血糖値データ等を通信で取得することができる構成となっている。
なお、血糖計10と血糖値管理装置20との間の通信は、図1に示す有線通信のみならず無線通信も可能な構成となっている。
【0024】
図1の血糖計10及び血糖値管理装置20は、コンピュータを有し情報を制御している。
このコンピュータは、CPU、RAM、ROM等を有し、これらは、例えばバス等を介して配置されている。
このバスは、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。CPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。RAMは、プログラム処理中のメモリの内容を対比し、若しくはプログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0025】
図3は、図1の血糖値管理装置20の主な構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように血糖値管理装置20は、制御部24を有し、上述の管理装置側通信装置23、入力装置22、管理装置側ディスプレイ21、計時装置25等が制御部24と接続されている。
また、血糖値管理装置20は、各種データ記憶部26を有しており、図4は、この各種データ記憶部26の内容を示す概略ブロック図である。なお、図3に示す各プログラムや図3の記憶部については、後述する。
また、図3及び図4のデータの配置例では、各プログラムや各記憶部が分けて記載しているが、これらは、説明の便宜のために分けて記載したものであり、実際にかかる配置とされている必要はない。
【0026】
図5乃至図8は、血糖値管理システム1の主な動作を示す概略フローチャートである。以下、図5乃至図8のフローチャートに沿って血糖値管理システム1の動作を説明すると共に、図1乃至図4の構成も併せて説明する。
【0027】
先ず、図1の血糖値管理装置20は、患者等が図1の血糖計10で測定した血糖値データや、食事等のイベントデータを図3の管理装置側通信装置23を介して取得し、図4の受信データ記憶部50に記憶する。
次いで、図1の血糖値管理装置20の操作者である医療従事者が患者の血糖値データを参照したいときは、入力装置22を操作して、血糖値管理装置20の管理装置側ディスプレイ21に、当該患者の血糖値データを表示させる。
【0028】
具体的には、図5のST1に示すように、図4の血糖値管理画面データ記憶部51内のデータと受信データ記憶部50内の血糖値データ及びイベントデータ等に基づき、管理装置側ディスプレイ21に表示する。
図9は、管理装置側ディスプレイ21に表示される血糖値管理画面例を示す概略図である。
図9に示すように、血糖値管理画面には、X軸方向に日時データが配置され、Y軸方向に血糖値データが配置されている。また、血糖値データがグラフで表示されると共に、その下段に、食事等のイベントデータが表示されている。
【0029】
具体的には、食事は「◎」、間食は「○」、酒宴は「□」、そしてインスリン投与は「△」で示されている。本実施の形態では、図面での表示の都合上、かかる簡易な図形で示しているが、本実施の形態と異なり、「食事」は「定食の絵」、「間食」は「サンドイッチの絵」、「酒宴」は「ビールの絵」、「インスリン」は「注射器の絵」としても構わず、このように表示することが、むしろ好ましい。
【0030】
また、血糖値管理画面には、血糖値データの血糖区分領域(血糖区分情報)である4つの領域が例えば、色違いで表示されている。
具体的には、血糖値80以下の領域が青(低血糖領域(a))、血糖値81乃至130の領域が白(血糖目標値領域(b))、血糖値131乃至200の領域が黄色(やや高血糖領域(c))、そして、血糖値201以上の領域が赤(高血糖領域(d))で表示されている。
したがって、血糖値管理画面を見た医療従事者等は、当該患者の血糖値の状態を把握し易い構成となっている。
なお、図9に示す血糖目標値領域(b)は、患者の症状等によって適宜変更することが好ましい領域である。
【0031】
次いで、図9の血糖値管理画面を視認していた医療従事者が、当該患者の血糖目標値領域(b)の範囲を、現状の血糖値81乃至130から変更したいと考えたとき、図5のST2へ進む。
ST2では、血糖目標値領域等の血糖値基準領域(例えば、低血糖領域a、血糖目標値領域b、やや高血糖領域c及び高血糖領域d)を変更するか否かを判断する。具体的には、操作者が図9の血糖値管理画面のうち矢印Aで示す囲み領域を入力装置22で選択したか否かを判断する。例えば、マウスで右クリックを行ったか否かである。
【0032】
ST2で、血糖値基準領域の変更指示があったと判断された場合は、ST3へ進み、図4に示す血糖値基準領域変更画面データ記憶部52内に記憶されている血糖値基準領域変更画面が、管理装置側ディスプレイ21に表示される。
図10は、血糖値基準領域変更画面の画面例を示す概略図である。
図10に示すように、血糖値基準領域変更画面は、背景色「赤」(図9の「高血糖領域(d)」)、背景色「黄色」(図9の「やや高血糖領域(c)」)、背景色「白」(図9の「血糖目標値領域(b)」)及び背景色「青」(図9の「低血糖領域(a)」)の上限値を入力することで変更することができる構成となっている。
また、図10の血糖値基準領域変更画面では、これら変更後の各領域が表示される適用時期情報である変更表示開始日時情報を入力することができる構成となっている。
【0033】
次いで、ST4へ進む。ST4では、図10に示す血糖値基準領域変更画面に、入力装置22による入力が終了したか否かが判断される。
ST4で、入力が終了したと判断された場合、すなわち、操作者が入力装置22で図10の「OK」をクリックすると、ST5へ進む。
【0034】
ST5では、図3の開始日時付血糖値基準領域変更データ生成部(プログラム)30が動作して、図10の画面で入力された血糖値基準領域の変更データである血糖値の上限値情報と変更表示開始日時情報とを関連付けて、図4の開始日時付血糖値基準変更データ記憶部53に記憶させる。
【0035】
次いで、ST6へ進む。ST6では、図3の血糖値基準領域情報変更部(プログラム)31が動作し、ST5で記憶した開始日時付血糖値基準変更データ記憶部53内のデータ、すなわち、入力された変更後の血糖値基準領域情報と、変更表示開始日時情報に従って、管理装置側ディスプレイ21の画面を変更する。
図11は、血糖値基準領域情報が血糖値管理画面上で変更された状態を示す概略図である。
図11では、血糖値基準領域情報である例えば、背景色「白」(血糖目標値領域(b)」の上限値を下げたため、その領域の範囲が変更されている。
また、その変更は、図10で入力された変更表示開始日(図11の矢印(イ)で示す日時)以後のみの変更となっており、それ以前は変更されていない。
したがって、血糖値管理画面を視認する医療従事者等は以前の履歴情報をそのまま参照しながら診断等をすることができる。
【0036】
次いで、医療従事者等が血糖値管理画面上に処方情報である処方データを入力する場合について説明する。
先ず、図6のST11で、管理装置側ディスプレイ21に、図4の受信データ記憶部50及び血糖値管理画面データ記憶部51を参照して、血糖値管理画面を表示する。
図12は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の画面例を示す概略図である。
図12に示す血糖値管理画面には、上述の図9と同様に、その背景に色分けした血糖値基準領域(a、b、c、d)が示され、血糖値がグラフで示されると共に、下方側には、イベント情報も表示されている。
【0037】
次いで、ST12へ進む。ST12では、ST11に示された血糖値管理画面に、医療従事者が処方データの入力を希望するか否かを判断する。
具体的には、図12の血糖値管理画面の矢印Bで示す囲み部分を入力装置22で選択したか否かを判断する。
ST12で、医療従事者が処方データの入力を希望したと判断したときは、ST13へ進み、処方データ入力画面を管理装置側ディスプレイ21に表示する。
図13は、処方データ入力画面例を示す概略図である。
【0038】
図13に示すように、処方データ入力画面は、処方の内容である例えば、インスリンの薬剤名、投与タイミング(例えば、朝食後)及び単位(例えば、5)の入力部と、処方の開始時期情報である例えば、処方開始日時データの入力部とを含んでいる。
この図13に示す処方データ入力画面は、図4の処方データ入力画面データ記憶部54に格納されているため、このデータを管理装置側ディスプレイ21に表示する。
【0039】
次いで、ST14へ進む。ST14では、処方データの入力が終了したか否かを判断し、終了した場合は、ST15へ進む。ST15では、図3の開始日時付処方データ生成部(プログラム)32が動作して、図13で入力した処方開始日時データと関連付けて、入力した薬剤名等の処方の内容と関連付けられた開始日時付処方データとして、図4の開始日時付処方データ記憶部55に記憶する。
【0040】
次いで、ST16へ進む。ST16では、図3の処方データ表示部(プログラム)33が動作して、図4の処方データ用アイコンデータ記憶部56を参照し、血糖値管理画面に表示すべき処方データ表示を特定する。
この処方データ用アイコンデータ記憶部56は、処方データを示す図形情報である処方データアイコン、例えば「◇」を特定する。
そして、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の「処方開始日時データ」に基づき、当該日時に相当する血糖値管理画面に処方データアイコン「◇」を表示する。
【0041】
図14は、処方データアイコンを表示した血糖値管理画面を示す概略図である。図14に示すように、矢印(ロ)に示す処方データアイコンが表示される。
なお、本実施の形態では、図面での表示の都合上、かかる簡易な図形で示しているが、本実施の形態と異なり、処方データアイコンを「カルテの絵」としても構わず、このように表示することが、むしろ好ましい。
したがって、医療従事者は、当該患者に対し、どの時期にこの処方を開始したかを瞬時に把握することができる。
【0042】
次いで、ST17に進む。ST17では、図14の血糖値管理画面を見ている医療従事者が、その画面に表示されている「処方データアイコン「◇」」の内容を確認したいか否かを判断する。具体的には、入力装置22で、図14の「処方データアイコン「◇」」を選択したか否かを判断する。
ST17で、「処方データアイコン「◇」」を選択した場合は、ST18へ進む。ST18では、図3の処方データ取得部(プログラム)34が動作し、図4の開始日時付データ記憶部53から取得した「薬剤名等の処方の内容」を血糖値管理画面に表示する。
【0043】
したがって、医療従事者が、血糖値管理画面に表示された処方内容を確認したいときは、その処方データアイコンを選択するだけで、その内容が表示されるので、迅速且つ簡易に処方内容を確認することができる。
【0044】
一方、ST17で、処方データアイコンが選択されないと、ST20へ進む。ST20では、図3の期間判断部(プログラム)35が動作し、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の処方開始日時データにより処方開始から1ヶ月が経過したか否かを判断する。
ST20で、1ヶ月以上経過したと判断した場合は、ST21へ進む。ST21では、図3の血糖区分内比率情報生成部である血糖値データ解析部(プログラム)36が動作し、当該処方開始日時データから1ヶ月以内の血糖値のデータの50%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在するか否かを判断する。
【0045】
そして、ST21で、血糖値のデータの50%が目標血糖値領域(b)に存在しない場合は、処方の結果が思わしくないことになるため、図15に示すように「コントロール度合が50%以下です。処方を確認してください。」という処方内容の見直しを促す表示を血糖値管理画面に表示する。
これにより、医療従事者に処方結果の状況を通知することができ、その注意を喚起することができる。
なお、図15は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【0046】
一方、ST21で、血糖値データの50%以上が目標血糖値領域にある場合は、ST23に進む。ST23では、図3の期間判断部(プログラム)35が動作し、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の処方開始日時データによって処方開始から3ヶ月が経過したか否かを判断する。
ST23で、3ヶ月経過したと判断した場合は、ST24へ進む。ST24では、図3の血糖値データ解析部36が動作し、当該処方開始日時データから3ヶ月以内の血糖値のデータの90%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在するか否かを判断する。
【0047】
ST24で、3ヶ月以内の血糖値のデータの90%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在する場合は、さらに目標血糖値領域(b)の範囲を狭めても良いケースであると判断し、血糖区分範囲変更部である、図3の目標血糖値領域自動変動部(プログラム)37が動作し、血糖値管理画面の目標血糖値領域(b)を、血糖値データの70%が含まれる範囲まで狭める。
このように、本実施の形態では、患者の症状により、より好ましい目標血糖値領域(b)を自動的に変動させることができるので、医療従事者等にとって使い易い血糖値管理装置20となる。
【0048】
また、本実施の形態では、一定の条件下で、当該患者の1日の血糖値の推移を予測する血糖推移予測情報である「日内変動データ」を提供する構成となっている。この「日内変動データ」ついて、図8のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ST31で、図3の血糖値基準領域変更有無判断部(プログラム)38が動作して、当該患者の血糖値管理画面において、血糖値基準領域(目標血糖値領域(b)等)の変更が2週間以内に行われたか否かが判断される。具体的には、図4の開始日時付血糖値基準領域変更データ記憶部53を参照して判断する。
【0049】
そして、ST31で、2週間以内に、血糖値基準領域の変更がなかった場合、ST32へ進む。ST32では、図3のイベント及び血糖値関連判断部(プログラム)39が動作して、血糖値管理画面に表示されているイベント表示から食事「◎」及びインスリン投与「△」の前後に血糖値データが存在するか否かを判断する。
図16は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。図16に示すように、血糖値管理画面には、下方にイベント表示があり、このイベント表示から食事「◎」及びインスリン投与「△」の日時を把握し、その前後に血糖値データが存在するか否かを判断する。
【0050】
ST32で、食事及びインスリン投与のイベント表示の前後に血糖値データが存在する場合、例えば、図16に示す血糖値管理画面の場合は、ST33へ進む。
ST33では、血糖推移予測情報生成部である、図4の日内変動データ生成部(プログラム)40が動作し、イベント及び血糖相互関係情報である、図4のインスリン投与後経過時間と効果のテーブルデータ記憶部57及び当該患者の食事後経過時間と血糖値の変化テーブルデータ記憶部58を参照して、当該患者の1日の血糖値の変化予測である「日内変動」データを生成し、「日内変動」の表示と関連付けて、図4の日内変動データ記憶部59に記憶される。
【0051】
次いで、ST34へ進む。ST34では、図3の日内変動データ基準目標血糖値領域変更部(プログラム)41が動作し、図4の日内変動データ記憶部59の日内変動データに基づき、血糖値基準領域の目標血糖値領域(b)の上限を計算し、必要がある場合は、自動的に、図16の目標血糖値領域(b)を変更する。
【0052】
次いで、ST35へ進む。ST35では、図16に示すように、血糖値管理画面に「日内変動」と表示し、当該患者の1日の血糖値推移の変化予測データが表示可能であることを示す。
次いで、ST36で、管理装置側ディスプレイ21を見ている医療従事者が、「日内変動」データを参照したいときは、図16の血糖値管理画面に表示されている「日内変動」の表示を入力装置22で選択する。
【0053】
すると、ST37へ進み、図4の日内変動データ記憶部59に記憶されている、図17に示すような「日内変動」のデータが、図16の血糖値管理画面に表示される。
図17は、日内変動データの画面例を示す概略図である。
【0054】
したがって、その患者の1日における血糖値の変化をシュミレーションすることができるので、医療従事者の適切な診療に寄与する情報が提供されることになる。
【0055】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0056】
1・・・血糖値管理システム、10・・・血糖計、11・・・チップ装着部、12・・・血糖計側ディスプレイ、13・・・イベントボタン、14・・・時間設定ボタン、20・・・血糖値管理装置、21・・・管理装置側ディスプレイ、22・・・入力装置、23・・・管理装置側通信装置、24・・・制御部、25・・・計時装置、26・・・各種データ記憶部、30・・・開始日時付血糖値基準領域変更データ生成部(プログラム)、31・・・血糖値基準領域情報変更部(プログラム)、32・・・開始日時付処方データ生成部(プログラム)、33・・・処方データ表示部(プログラム)、34・・・処方データ取得部(プログラム)、35・・・期間判断部(プログラム)、36・・・血糖値データ解析部(プログラム)、37・・・目標血糖値領域自動変動部(プログラム)、38・・・血糖値基準領域変更有無判断部(プログラム)、39・・・イベント及び血糖値関連判断部(プログラム)、40・・・日内変動データ生成部(プログラム)、41・・・日内変動データ基準目標血糖値領域変更部(プログラム)、50・・・受信データ記憶部、51・・・血糖値管理画面データ記憶部、52・・・血糖値基準領域変更画面データ記憶部、53・・・開始日時付血糖値基準変更データ記憶部、54・・・処方データ入力画面データ記憶部、55・・・開始日時付処方データ記憶部、56・・・処方データ用アイコンデータ記憶部、57・・・インスリン投与後経過時間と効果のテーブルデータ記憶部、58・・・当該患者の食事後経過時間と血糖値の変化テーブルデータ記憶部、59・・・日内変動データ記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血糖値を計測する血糖計の情報を管理するための血糖値管理装置及び血糖値管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、糖尿病患者の血糖値を計測する血糖計からデータを取得し患者の血糖値を管理する血糖値情報処理システム等が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような血糖値情報システムの管理装置は、患者等から取得した血糖値等の情報をディスプレイに表示するが、その際、血糖値のコントロール目標値の範囲、低血糖の範囲及び高血糖の範囲等の血糖区分情報を操作者である医療従事者等が一見して分かるように、それぞれの数値範囲を色分け等をして示している。
しかし、血糖値の目標値の範囲は、それぞれ患者の症状等によって変えることが好ましいだけでなく、同じ患者でも、その症状等により変更することが好ましい。
そこで、上述の管理装置を操作する医療従事者等は、その目標値の範囲を途中から変更する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−60803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、目標値の範囲を変更すると、過去の血糖値のデータに遡及して、目標値の範囲まで変更されてしまうため過去の履歴等を画面上で当時の状態で参照できず、診断等を正確に行うことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、過去の履歴等を維持しつつ、そのときの血糖値の血糖区分情報を変更することができる血糖値管理装置及び血糖値管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明にあっては、情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理装置であって、前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、適用時期情報は、対応する変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、表示部には、変更後の血糖区分情報が、対応する適用時期情報に基づいて表示される構成となっている。
このため、操作者等が目標血糖値範囲等の血糖区分情報を変更した場合でも、その変更は、入力された適用時期から表示部に表示される。したがって、過去の血糖区分情報に基づく履歴情報等は変更されずに、表示部に表示可能なので、操作者である医療従事者の診断等を正確に行うことができる。
【0008】
好ましくは、情報を入力する入力部を有し、前記表示部には、前記血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、前記処方情報は、前記処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、前記処方情報は、前記開始時期情報に基づいて図形情報として表示され、前記図形情報の一つを前記入力部で選択することで、当該選択された図形情報に対応する前記処方の内容が、前記表示部に表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置である。
【0009】
前記構成によれば、表示部には、血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、処方情報は、処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、処方情報は、開始時期情報に基づいて図形情報として表示される、
このため、操作者である医療従事者が当該患者に対し、どの時期に処方を開始したかを瞬時に把握することができる。
また、前記構成では、操作者が、その処方内容を確認したいときは、当該処方情報を示す図形情報の一つを選択するだけで、その内容が表示部に表示されるので、迅速且つ簡易に処方内容を確認することができる。
【0010】
好ましくは、前記処方の開始時期情報に基づき、その処方が存続する所定期間内において、前記血糖情報が特定の前記血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有し、前記血糖区分内比率情報に基づいて、前記特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有することを特徴とする血糖値管理装置である。
【0011】
前記構成によれば、処方の開始時期情報に基づきその期間が開始する所定期間内において、血糖情報が特定の血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有している。
このため、目標血糖値領域等の特定の血糖区分情報の範囲内に留まる血糖情報が、所定期間内にどの程度存在するかの比率情報を取得できるので、その処方の効果を客観的に評価することができる。
また、前記構成では、血糖区分内比率情報に基づいて、特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有しているので、より適切な目標血糖値領域等に血糖区分情報を自動的に変更することができる。
【0012】
好ましくは、前記血糖情報に影響を与えるイベント情報を取得し、前記イベント情報と前記血糖情報との相互関係情報であるイベント及び血糖相互関係情報を有し、前記取得したイベント情報と前記イベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における前記血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有することを特徴とする血糖値管理装置である。
【0013】
前記構成によれば、取得したイベント情報とイベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有する。
したがって、その患者等の1日における血糖値等の変化をシュミレーションすることができるので、操作者等の医療従事者等の適切な診断等に寄与する情報を提供することができる。
【0014】
前記課題は、本発明にあっては、情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理方法であって、前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示されることを特徴とする血糖値管理方法により達成される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、過去の履歴等を維持しつつ、そのときの血糖値の適正な目標値の範囲を変更することができる血糖値管理装置及び血糖値管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態にかかる血糖値管理装置を有する血糖値管理システムを示す概略図である。
【図2】血糖計側ディスプレイでのイベントの表示例を示す概略図である。
【図3】血糖値管理装置の主な構成を示す概略ブロック図である。
【図4】各種データ記憶部の内容を示す概略ブロック図である。
【図5】血糖値管理システムの主な動作を示す概略フローチャートである。
【図6】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図7】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図8】血糖値管理システムの主な動作を示す他の概略フローチャートである。
【図9】管理装置側ディスプレイに表示される血糖値管理画面例を示す概略図である。
【図10】血糖値基準領域変更画面の画面例を示す概略図である。
【図11】血糖値基準領域情報が血糖値管理画面上で変更された状態を示す概略図である。
【図12】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図13】処方データ入力画面例を示す概略図である。
【図14】処方データアイコンを表示した血糖値管理画面を示す概略図である。
【図15】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図16】管理装置側ディスプレイにおける血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【図17】日内変動データの画面例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる血糖値管理装置20を有する血糖値管理システム1を示す概略図である。図1に示すように、血糖値管理システム1は、患者等の血糖値を計測する血糖計10を有している。
この血糖計10は、図1に示すように、患者の血液を採取するチップを装着するためのチップ装着部11や各種データを表示するための血糖計側ディスプレイ12を有している。
また、血糖計10は、患者等が食事等をし、又はインスリン投与をした場合に、かかるイベント情報が実施されたことを血糖計10に入力するためのイベントボタン13や、時間設定ボタン14も有している。
【0019】
このイベント情報は、血糖情報である血糖値に影響を与える情報であり、具体的には、「食事」、「間食」、「酒宴」及び「インスリン」投与等の情報となっている。ここで、「食事」とは通常1日3回摂る朝食、昼食、夕食を指し、「間食」とは「食事」に比べて簡単で量が少なく、「食事」の間に摂るものであり、夜食も含まれる。「酒宴」とは一般にアルコールを摂取するものであり、食事時間も「食事」より長くなることが多い。
すなわち、患者が食事をする場合、通常の「朝食」「昼食」「夕食」と「間食」又は「酒宴」とでは、そのカロリー摂取量や食事の時間、飲食物の種類が大きく異なり、「血糖値」に与える影響も大きく異なる。また、多くの場合、食前に行う「インスリン」投与も当然ながら「血糖値」に大きな影響を与える。
【0020】
そこで、本実施の形態では、これら「食事」「間食」「酒宴」及び「インスリン」投与を、血糖値に影響を与えるイベントとし、患者等がいずれかのイベント情報を選択入力する構成となっている。
具体的には、血糖計10の血糖計側ディスプレイ12には、その左側には、血糖値(「100」)が表示され、右上には「日付(「3月27日」)、中段には「時刻(「18時11分」)、下段にイベントが表示される。なお、図2は、イベントの表示例を示す概略図である。
【0021】
この血糖計側ディスプレイ12では、図2に示すように「食事」→「間食」→「酒宴」→「インスリン」の順にイベントの表示が変化する構成となっている。このイベント表示の変更は、図1のイベントボタン13を押下することで実行され、長押しすることで決定される構成となっている。これら「食事」等のイベント表示のデータは、血糖計10の内部に予め記憶されている。
【0022】
さらに、血糖計10は、外部と通信するための血糖計側通信装置を内蔵しており、この血糖計側通信装置を介して、内部に蓄積した血糖値データやイベントデータを図1の血糖値管理装置20に送信することができる構成となっている。
【0023】
また、図1に示すように、血糖値管理システム1は、血糖計10から血糖値情報等を取得して管理する血糖値管理装置20を有している。
この血糖値管理装置20は、各種データを表示する表示部である管理装置側ディスプレイ21や、操作者が各種データを入力するための入力部である入力装置22を備えていると共に、血糖計10と通信するための管理装置側通信装置23(図3参照)を有している。
したがって、血糖値管理装置20は、管理装置側通信装置23を介して血糖計10と通信することでき、血糖計10から血糖値データ等を通信で取得することができる構成となっている。
なお、血糖計10と血糖値管理装置20との間の通信は、図1に示す有線通信のみならず無線通信も可能な構成となっている。
【0024】
図1の血糖計10及び血糖値管理装置20は、コンピュータを有し情報を制御している。
このコンピュータは、CPU、RAM、ROM等を有し、これらは、例えばバス等を介して配置されている。
このバスは、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。CPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。RAMは、プログラム処理中のメモリの内容を対比し、若しくはプログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0025】
図3は、図1の血糖値管理装置20の主な構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように血糖値管理装置20は、制御部24を有し、上述の管理装置側通信装置23、入力装置22、管理装置側ディスプレイ21、計時装置25等が制御部24と接続されている。
また、血糖値管理装置20は、各種データ記憶部26を有しており、図4は、この各種データ記憶部26の内容を示す概略ブロック図である。なお、図3に示す各プログラムや図3の記憶部については、後述する。
また、図3及び図4のデータの配置例では、各プログラムや各記憶部が分けて記載しているが、これらは、説明の便宜のために分けて記載したものであり、実際にかかる配置とされている必要はない。
【0026】
図5乃至図8は、血糖値管理システム1の主な動作を示す概略フローチャートである。以下、図5乃至図8のフローチャートに沿って血糖値管理システム1の動作を説明すると共に、図1乃至図4の構成も併せて説明する。
【0027】
先ず、図1の血糖値管理装置20は、患者等が図1の血糖計10で測定した血糖値データや、食事等のイベントデータを図3の管理装置側通信装置23を介して取得し、図4の受信データ記憶部50に記憶する。
次いで、図1の血糖値管理装置20の操作者である医療従事者が患者の血糖値データを参照したいときは、入力装置22を操作して、血糖値管理装置20の管理装置側ディスプレイ21に、当該患者の血糖値データを表示させる。
【0028】
具体的には、図5のST1に示すように、図4の血糖値管理画面データ記憶部51内のデータと受信データ記憶部50内の血糖値データ及びイベントデータ等に基づき、管理装置側ディスプレイ21に表示する。
図9は、管理装置側ディスプレイ21に表示される血糖値管理画面例を示す概略図である。
図9に示すように、血糖値管理画面には、X軸方向に日時データが配置され、Y軸方向に血糖値データが配置されている。また、血糖値データがグラフで表示されると共に、その下段に、食事等のイベントデータが表示されている。
【0029】
具体的には、食事は「◎」、間食は「○」、酒宴は「□」、そしてインスリン投与は「△」で示されている。本実施の形態では、図面での表示の都合上、かかる簡易な図形で示しているが、本実施の形態と異なり、「食事」は「定食の絵」、「間食」は「サンドイッチの絵」、「酒宴」は「ビールの絵」、「インスリン」は「注射器の絵」としても構わず、このように表示することが、むしろ好ましい。
【0030】
また、血糖値管理画面には、血糖値データの血糖区分領域(血糖区分情報)である4つの領域が例えば、色違いで表示されている。
具体的には、血糖値80以下の領域が青(低血糖領域(a))、血糖値81乃至130の領域が白(血糖目標値領域(b))、血糖値131乃至200の領域が黄色(やや高血糖領域(c))、そして、血糖値201以上の領域が赤(高血糖領域(d))で表示されている。
したがって、血糖値管理画面を見た医療従事者等は、当該患者の血糖値の状態を把握し易い構成となっている。
なお、図9に示す血糖目標値領域(b)は、患者の症状等によって適宜変更することが好ましい領域である。
【0031】
次いで、図9の血糖値管理画面を視認していた医療従事者が、当該患者の血糖目標値領域(b)の範囲を、現状の血糖値81乃至130から変更したいと考えたとき、図5のST2へ進む。
ST2では、血糖目標値領域等の血糖値基準領域(例えば、低血糖領域a、血糖目標値領域b、やや高血糖領域c及び高血糖領域d)を変更するか否かを判断する。具体的には、操作者が図9の血糖値管理画面のうち矢印Aで示す囲み領域を入力装置22で選択したか否かを判断する。例えば、マウスで右クリックを行ったか否かである。
【0032】
ST2で、血糖値基準領域の変更指示があったと判断された場合は、ST3へ進み、図4に示す血糖値基準領域変更画面データ記憶部52内に記憶されている血糖値基準領域変更画面が、管理装置側ディスプレイ21に表示される。
図10は、血糖値基準領域変更画面の画面例を示す概略図である。
図10に示すように、血糖値基準領域変更画面は、背景色「赤」(図9の「高血糖領域(d)」)、背景色「黄色」(図9の「やや高血糖領域(c)」)、背景色「白」(図9の「血糖目標値領域(b)」)及び背景色「青」(図9の「低血糖領域(a)」)の上限値を入力することで変更することができる構成となっている。
また、図10の血糖値基準領域変更画面では、これら変更後の各領域が表示される適用時期情報である変更表示開始日時情報を入力することができる構成となっている。
【0033】
次いで、ST4へ進む。ST4では、図10に示す血糖値基準領域変更画面に、入力装置22による入力が終了したか否かが判断される。
ST4で、入力が終了したと判断された場合、すなわち、操作者が入力装置22で図10の「OK」をクリックすると、ST5へ進む。
【0034】
ST5では、図3の開始日時付血糖値基準領域変更データ生成部(プログラム)30が動作して、図10の画面で入力された血糖値基準領域の変更データである血糖値の上限値情報と変更表示開始日時情報とを関連付けて、図4の開始日時付血糖値基準変更データ記憶部53に記憶させる。
【0035】
次いで、ST6へ進む。ST6では、図3の血糖値基準領域情報変更部(プログラム)31が動作し、ST5で記憶した開始日時付血糖値基準変更データ記憶部53内のデータ、すなわち、入力された変更後の血糖値基準領域情報と、変更表示開始日時情報に従って、管理装置側ディスプレイ21の画面を変更する。
図11は、血糖値基準領域情報が血糖値管理画面上で変更された状態を示す概略図である。
図11では、血糖値基準領域情報である例えば、背景色「白」(血糖目標値領域(b)」の上限値を下げたため、その領域の範囲が変更されている。
また、その変更は、図10で入力された変更表示開始日(図11の矢印(イ)で示す日時)以後のみの変更となっており、それ以前は変更されていない。
したがって、血糖値管理画面を視認する医療従事者等は以前の履歴情報をそのまま参照しながら診断等をすることができる。
【0036】
次いで、医療従事者等が血糖値管理画面上に処方情報である処方データを入力する場合について説明する。
先ず、図6のST11で、管理装置側ディスプレイ21に、図4の受信データ記憶部50及び血糖値管理画面データ記憶部51を参照して、血糖値管理画面を表示する。
図12は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の画面例を示す概略図である。
図12に示す血糖値管理画面には、上述の図9と同様に、その背景に色分けした血糖値基準領域(a、b、c、d)が示され、血糖値がグラフで示されると共に、下方側には、イベント情報も表示されている。
【0037】
次いで、ST12へ進む。ST12では、ST11に示された血糖値管理画面に、医療従事者が処方データの入力を希望するか否かを判断する。
具体的には、図12の血糖値管理画面の矢印Bで示す囲み部分を入力装置22で選択したか否かを判断する。
ST12で、医療従事者が処方データの入力を希望したと判断したときは、ST13へ進み、処方データ入力画面を管理装置側ディスプレイ21に表示する。
図13は、処方データ入力画面例を示す概略図である。
【0038】
図13に示すように、処方データ入力画面は、処方の内容である例えば、インスリンの薬剤名、投与タイミング(例えば、朝食後)及び単位(例えば、5)の入力部と、処方の開始時期情報である例えば、処方開始日時データの入力部とを含んでいる。
この図13に示す処方データ入力画面は、図4の処方データ入力画面データ記憶部54に格納されているため、このデータを管理装置側ディスプレイ21に表示する。
【0039】
次いで、ST14へ進む。ST14では、処方データの入力が終了したか否かを判断し、終了した場合は、ST15へ進む。ST15では、図3の開始日時付処方データ生成部(プログラム)32が動作して、図13で入力した処方開始日時データと関連付けて、入力した薬剤名等の処方の内容と関連付けられた開始日時付処方データとして、図4の開始日時付処方データ記憶部55に記憶する。
【0040】
次いで、ST16へ進む。ST16では、図3の処方データ表示部(プログラム)33が動作して、図4の処方データ用アイコンデータ記憶部56を参照し、血糖値管理画面に表示すべき処方データ表示を特定する。
この処方データ用アイコンデータ記憶部56は、処方データを示す図形情報である処方データアイコン、例えば「◇」を特定する。
そして、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の「処方開始日時データ」に基づき、当該日時に相当する血糖値管理画面に処方データアイコン「◇」を表示する。
【0041】
図14は、処方データアイコンを表示した血糖値管理画面を示す概略図である。図14に示すように、矢印(ロ)に示す処方データアイコンが表示される。
なお、本実施の形態では、図面での表示の都合上、かかる簡易な図形で示しているが、本実施の形態と異なり、処方データアイコンを「カルテの絵」としても構わず、このように表示することが、むしろ好ましい。
したがって、医療従事者は、当該患者に対し、どの時期にこの処方を開始したかを瞬時に把握することができる。
【0042】
次いで、ST17に進む。ST17では、図14の血糖値管理画面を見ている医療従事者が、その画面に表示されている「処方データアイコン「◇」」の内容を確認したいか否かを判断する。具体的には、入力装置22で、図14の「処方データアイコン「◇」」を選択したか否かを判断する。
ST17で、「処方データアイコン「◇」」を選択した場合は、ST18へ進む。ST18では、図3の処方データ取得部(プログラム)34が動作し、図4の開始日時付データ記憶部53から取得した「薬剤名等の処方の内容」を血糖値管理画面に表示する。
【0043】
したがって、医療従事者が、血糖値管理画面に表示された処方内容を確認したいときは、その処方データアイコンを選択するだけで、その内容が表示されるので、迅速且つ簡易に処方内容を確認することができる。
【0044】
一方、ST17で、処方データアイコンが選択されないと、ST20へ進む。ST20では、図3の期間判断部(プログラム)35が動作し、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の処方開始日時データにより処方開始から1ヶ月が経過したか否かを判断する。
ST20で、1ヶ月以上経過したと判断した場合は、ST21へ進む。ST21では、図3の血糖区分内比率情報生成部である血糖値データ解析部(プログラム)36が動作し、当該処方開始日時データから1ヶ月以内の血糖値のデータの50%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在するか否かを判断する。
【0045】
そして、ST21で、血糖値のデータの50%が目標血糖値領域(b)に存在しない場合は、処方の結果が思わしくないことになるため、図15に示すように「コントロール度合が50%以下です。処方を確認してください。」という処方内容の見直しを促す表示を血糖値管理画面に表示する。
これにより、医療従事者に処方結果の状況を通知することができ、その注意を喚起することができる。
なお、図15は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。
【0046】
一方、ST21で、血糖値データの50%以上が目標血糖値領域にある場合は、ST23に進む。ST23では、図3の期間判断部(プログラム)35が動作し、図4の開始日時付処方データ記憶部55内の処方開始日時データによって処方開始から3ヶ月が経過したか否かを判断する。
ST23で、3ヶ月経過したと判断した場合は、ST24へ進む。ST24では、図3の血糖値データ解析部36が動作し、当該処方開始日時データから3ヶ月以内の血糖値のデータの90%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在するか否かを判断する。
【0047】
ST24で、3ヶ月以内の血糖値のデータの90%以上が、血糖値基準領域である目標血糖値領域(b)に存在する場合は、さらに目標血糖値領域(b)の範囲を狭めても良いケースであると判断し、血糖区分範囲変更部である、図3の目標血糖値領域自動変動部(プログラム)37が動作し、血糖値管理画面の目標血糖値領域(b)を、血糖値データの70%が含まれる範囲まで狭める。
このように、本実施の形態では、患者の症状により、より好ましい目標血糖値領域(b)を自動的に変動させることができるので、医療従事者等にとって使い易い血糖値管理装置20となる。
【0048】
また、本実施の形態では、一定の条件下で、当該患者の1日の血糖値の推移を予測する血糖推移予測情報である「日内変動データ」を提供する構成となっている。この「日内変動データ」ついて、図8のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ST31で、図3の血糖値基準領域変更有無判断部(プログラム)38が動作して、当該患者の血糖値管理画面において、血糖値基準領域(目標血糖値領域(b)等)の変更が2週間以内に行われたか否かが判断される。具体的には、図4の開始日時付血糖値基準領域変更データ記憶部53を参照して判断する。
【0049】
そして、ST31で、2週間以内に、血糖値基準領域の変更がなかった場合、ST32へ進む。ST32では、図3のイベント及び血糖値関連判断部(プログラム)39が動作して、血糖値管理画面に表示されているイベント表示から食事「◎」及びインスリン投与「△」の前後に血糖値データが存在するか否かを判断する。
図16は、管理装置側ディスプレイ21における血糖値管理画面の他の画面例を示す概略図である。図16に示すように、血糖値管理画面には、下方にイベント表示があり、このイベント表示から食事「◎」及びインスリン投与「△」の日時を把握し、その前後に血糖値データが存在するか否かを判断する。
【0050】
ST32で、食事及びインスリン投与のイベント表示の前後に血糖値データが存在する場合、例えば、図16に示す血糖値管理画面の場合は、ST33へ進む。
ST33では、血糖推移予測情報生成部である、図4の日内変動データ生成部(プログラム)40が動作し、イベント及び血糖相互関係情報である、図4のインスリン投与後経過時間と効果のテーブルデータ記憶部57及び当該患者の食事後経過時間と血糖値の変化テーブルデータ記憶部58を参照して、当該患者の1日の血糖値の変化予測である「日内変動」データを生成し、「日内変動」の表示と関連付けて、図4の日内変動データ記憶部59に記憶される。
【0051】
次いで、ST34へ進む。ST34では、図3の日内変動データ基準目標血糖値領域変更部(プログラム)41が動作し、図4の日内変動データ記憶部59の日内変動データに基づき、血糖値基準領域の目標血糖値領域(b)の上限を計算し、必要がある場合は、自動的に、図16の目標血糖値領域(b)を変更する。
【0052】
次いで、ST35へ進む。ST35では、図16に示すように、血糖値管理画面に「日内変動」と表示し、当該患者の1日の血糖値推移の変化予測データが表示可能であることを示す。
次いで、ST36で、管理装置側ディスプレイ21を見ている医療従事者が、「日内変動」データを参照したいときは、図16の血糖値管理画面に表示されている「日内変動」の表示を入力装置22で選択する。
【0053】
すると、ST37へ進み、図4の日内変動データ記憶部59に記憶されている、図17に示すような「日内変動」のデータが、図16の血糖値管理画面に表示される。
図17は、日内変動データの画面例を示す概略図である。
【0054】
したがって、その患者の1日における血糖値の変化をシュミレーションすることができるので、医療従事者の適切な診療に寄与する情報が提供されることになる。
【0055】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0056】
1・・・血糖値管理システム、10・・・血糖計、11・・・チップ装着部、12・・・血糖計側ディスプレイ、13・・・イベントボタン、14・・・時間設定ボタン、20・・・血糖値管理装置、21・・・管理装置側ディスプレイ、22・・・入力装置、23・・・管理装置側通信装置、24・・・制御部、25・・・計時装置、26・・・各種データ記憶部、30・・・開始日時付血糖値基準領域変更データ生成部(プログラム)、31・・・血糖値基準領域情報変更部(プログラム)、32・・・開始日時付処方データ生成部(プログラム)、33・・・処方データ表示部(プログラム)、34・・・処方データ取得部(プログラム)、35・・・期間判断部(プログラム)、36・・・血糖値データ解析部(プログラム)、37・・・目標血糖値領域自動変動部(プログラム)、38・・・血糖値基準領域変更有無判断部(プログラム)、39・・・イベント及び血糖値関連判断部(プログラム)、40・・・日内変動データ生成部(プログラム)、41・・・日内変動データ基準目標血糖値領域変更部(プログラム)、50・・・受信データ記憶部、51・・・血糖値管理画面データ記憶部、52・・・血糖値基準領域変更画面データ記憶部、53・・・開始日時付血糖値基準変更データ記憶部、54・・・処方データ入力画面データ記憶部、55・・・開始日時付処方データ記憶部、56・・・処方データ用アイコンデータ記憶部、57・・・インスリン投与後経過時間と効果のテーブルデータ記憶部、58・・・当該患者の食事後経過時間と血糖値の変化テーブルデータ記憶部、59・・・日内変動データ記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理装置であって、
前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、
前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、
前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置。
【請求項2】
情報を入力する入力部を有し、
前記表示部には、前記血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、
前記処方情報は、前記処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、前記処方情報は、前記開始時期情報に基づいて図形情報として表示され、
前記図形情報の一つを前記入力部で選択することで、当該選択された図形情報に対応する前記処方の内容が、前記表示部に表示される構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の血糖値管理装置。
【請求項3】
前記処方の開始時期情報に基づき、その処方が存続する所定期間内において、前記血糖情報が特定の前記血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有し、
前記血糖区分内比率情報に基づいて、前記特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有することを特徴とする請求項2に記載の血糖値管理装置。
【請求項4】
前記血糖情報に影響を与えるイベント情報を取得し、
前記イベント情報と前記血糖情報との相互関係情報であるイベント及び血糖相互関係情報を有し、
前記取得したイベント情報と前記イベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における前記血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の血糖値管理装置。
【請求項5】
情報を表示するための表示部を有し、
前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理方法であって、
前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、
前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、
前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示されることを特徴とする血糖値管理方法。
【請求項1】
情報を表示するための表示部を有し、前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理装置であって、
前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、
前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、
前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示される構成となっていることを特徴とする血糖値管理装置。
【請求項2】
情報を入力する入力部を有し、
前記表示部には、前記血糖情報に対する処方情報を併せて表示することができ、
前記処方情報は、前記処方の内容及び処方の開始時期情報を含み、前記処方情報は、前記開始時期情報に基づいて図形情報として表示され、
前記図形情報の一つを前記入力部で選択することで、当該選択された図形情報に対応する前記処方の内容が、前記表示部に表示される構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の血糖値管理装置。
【請求項3】
前記処方の開始時期情報に基づき、その処方が存続する所定期間内において、前記血糖情報が特定の前記血糖区分情報の範囲内に留まる血糖区分内比率情報を生成する血糖区分内比率情報生成部を有し、
前記血糖区分内比率情報に基づいて、前記特定の血糖区分情報の範囲を変更する血糖区分範囲変更部を有することを特徴とする請求項2に記載の血糖値管理装置。
【請求項4】
前記血糖情報に影響を与えるイベント情報を取得し、
前記イベント情報と前記血糖情報との相互関係情報であるイベント及び血糖相互関係情報を有し、
前記取得したイベント情報と前記イベント及び血糖相互関係情報に基づいて、1日における前記血糖情報の推移を予測する血糖推移予測情報を生成する血糖推移予測情報生成部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の血糖値管理装置。
【請求項5】
情報を表示するための表示部を有し、
前記表示部に、血糖測定装置が測定した血糖情報を、前記血糖情報を区分するための血糖区分情報と共に表示する血糖値管理方法であって、
前記血糖区分情報の範囲を変更する際に、変更後の前記血糖区分情報に該変更後の血糖区分情報の適用時期情報を併せて入力することができ、
前記適用時期情報は、対応する前記変更後の血糖区分情報と関連付けて記憶され、
前記表示部には、前記変更後の血糖区分情報が、対応する前記適用時期情報に基づいて表示されることを特徴とする血糖値管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−206487(P2011−206487A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79895(P2010−79895)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】
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