説明

衛星位置決めシステム信号を得る方法および装置

【課題】SPS信号をSPS衛星から得る時間を減少させる、衛星位置決めシステム信号を得る方法および装置を提供する。
【解決手段】第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離が決定され、SPS受信機の近似位置が決定される。第2のSPS衛星に対する第2のSPS擬似距離に対する推定擬似距離が第2のSPS衛星の近似位置および衛星位置から決定される。SPS受信機は、推定擬似距離によって決定された距離の第2のSPS衛星からのSPS信号を探索する。推定擬似距離は、前記第2のSPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づかない。近似位置は、いろいろな無線セルサイトの各々の識別をセルラ(あるいはセルベース)電話システムのような無線セルベース通信システム内のオブジェクトに対する近似位置と相関するセルベース情報源から決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照 本出願は、ノーマン・エフ・クラスナーによる1997年4月24日に出願された米国特許出願第08/845,545号の一部継続出願およびノーマン・エフ・クラスナーによる1996年12月4日出願された米国特許出願第08/759,523号の一部継続出願ならびにノーマン・エフ・クラスナーによる1996年3月8日出願された米国特許出願第08/612,582号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、グローバルポジショニングシステム(GPS)のような衛星位置決めシステム(SPS)で使用される衛星から信号を得ることができる受信機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
GPS受信機は、通常複数のGPS(あるいはNAVSTAR)衛星から同時に送信される信号の相対到達時間を計算することによってGPS受信機の位置を決定する。これらの衛星は、いわゆる「天体位置推算表」の衛星位置決めデータならびにクロックタイミングデータの両方をこれらの衛星のメッセージの一部として送信する。GPS信号を探索し、得て、複数の衛星のための衛星データを読み取り、このデータからの受信機の位置を計算する処理は、多くの時間を必要とし、しばしば数分を要する。多くの場合、この非常に長い処理時間は、受け入れ難く、さらに超小型化された携帯用途の電池寿命を非常に制限する。さらに、増加された受信感度が必要とされる厳しい妨害条件の下では、この処理時間は著しく増加し得る。
【0004】
GPS受信システムの2つの主要な機能、(1)いろいろのGPS衛星に対する擬似距離の計算、(2)これらの擬似距離および衛星タイミングデータならびに天体位置推算表データを使用する受信プラットホームの位置の計算、がある。擬似距離は、単に各衛星からの受信信号とローカルクロックとの間で測定された時間遅れである。それとは別に、時間遅れは、各衛星からの送信時間とローカルクロックとの間で測定されてもよい。ここでは、各衛星の位置履歴は、センサに対する衛星からの経路遅延を含むように使用される。時間遅れが光速倍されると、距離として示される擬似距離を得る。ローカルクロック(あるいはクロックバイアス)の時間エラーおよび他の小さいタイミングエラーが確認される場合、擬似距離が真の距離になる。信号探索および取得に関連する本発明の目的のために、擬似距離の前述の定義を受信衛星信号とローカルクロックとの間の時間遅れとして使用する。さらに、ここで関心がある擬似距離は、米国GPSシステムの場合、C/Aコードが1ミリ秒である基本的な擬似ランダム拡散シーケンスのフレーム時間の時間モジュロである。擬似距離は衛星距離とは区別されるべきであることに注目せよ。衛星距離は、衛星からSPS受信機までの真の距離である。いくつかの場合、この距離は、この距離(例えば、単位はメートル)を光速で割ることによって時間単位で示される。
【0005】
衛星天体位置推算表データおよびタイミングデータは、一旦獲得され、追跡されると、GPS信号から抽出される。前述されるように、この情報を収集することは、通常、比較的長い時間(30秒〜数分)がかかり、低いエラーレートを得るために良好な受信信号レベルで行われなければならない。本発明は、見えている衛星、好ましくは全ての見えている衛星の擬似距離を迅速に決定する方法に主に関連している。
【0006】
大部分のGPS受信機は、擬似距離を計算する相関方法を利用する。これらの相関方法は、一般に実時間で、しばしばハードウェア相関器で実行される。GPS信号は、擬似ランダム(PN)シーケンスと呼ばれる高レート繰り返し信号を含む。民間用途に役立つコードは、C/Aコードと呼ばれ、1.023MHzの2進反相レート、すなわち「チッピング」レートおよび1ミリ秒のコード時間の1023のチップの繰り返し周期を有する。このコードシーケンスはゴールドコードとして知られる一群に属する。各GPS衛星は、固有ゴールドコードを有する信号を放送する。
【0007】
所与のGPS衛星から受信された信号に関して、ベースバンドへのダウン変換処理に続いて、相関受信機は、受信信号をこの受信機のローカルメモリ内に含まれる適切なゴールドコードの記憶されたコピーと乗算し、次に信号の存在の表示を得るためにこの積を積分し、ローパスフィルタリングする。この処理は「相関」動作と称される。受信信号に対するこの記憶されたコピーの相対タイミングを逐次調整し、相関出力の大きさあるいは連続出力のセットの平均値を観測することによって、受信機は、受信信号とローカルクロックとの間の時間遅れを決定できる。このような出力の存在の初期決定は「捕捉」と称される。一旦捕捉が生じると、この処理は、ローカル基準のタイミングが高い相関出力を保持するためにわずかな量調整される「トラッキング」フェーズに入る。トラッキングフェーズ中の相関出力は、取り除かれた擬似ランダムコード、あるいは一般的な用語では「逆拡散」を有するGPS信号とみなすことができる。この信号は、一般的にはGPS波形に重ね合わされる50ビット/秒の2進位相偏移変調データ信号に対応するバンド幅を有する狭い帯域である。
【0008】
特に、受信信号が弱い場合、相関捕捉処理は非常に時間がかかる。これは、相関器がPNコードの全ての可能な1023の位置にわたって連続的な方法でPNフレームエポックを探索しなければならない。捕捉時間を改善するために、大部分のGPS受信機は、相関ピークのための可能なエポック位置にわたり並列探索を可能にする複数の相関器(一般的には最大12個まで)を利用する。
【0009】
米国特許第5,663,734号の方法の一例に示された他の捕捉方法は、特別の任意の前処理動作および後処理動作とともに多数のFFT動作を実行することによって比較的高感度および比較的高処理速度をもたらす。この方法では、受信データは、適当な低周波中間周波数にダウン変換され、ディジタル化され、バッファメモリに記憶される。次に、このデータは、一例において、前述のFFT動作および他の動作を実行するプログラマブルディジタル信号処理ICを使用する際に作動される。実際は、これらの動作は、多数の相関器(数千の相関器)の並列実装を可能にする。さらに、この動作は単一のデータセット、あるいは「ブロック」で実行されるので、この動作は相関器方式に共通な変動信号レベルおよび変化する特性の影響を受けない。
【0010】
前述のように、GPS受信機の第1の任務は、GPS受信機が見ることができるGPSの各々の到達時間、あるいは擬似距離を決定することにある。探索される必要がある2つの主要変数、すなわち時間および周波数がある。前述されるように、各GPS信号の擬似ランダムフレーム構造は、コードの1023のチップにわたって探索し、最初のPNフレーム同期を確立することを必要にする。しかしながら、一般に、各GPS信号の搬送波の正確な情報は欠けている。通常、これは、搬送波のセットが探索されることも必要であることを意味する。特に、搬送波のエラーは、全ての可能なエポック位置で強い相関出力の欠如を生じ得る。搬送波の不確かさは、3つの要因、すなわち(A)±4kHz未満である、衛星に関連するドップラー、(B)一般的には数百Hz未満である、受信機プラットホームが動いている場合に受信機プラットホームに関連するドップラー、および(C)受信機に使用される発振器の特性に応じて、数百Hzから数万Hzに及ぶ可能性があるGPS受信機の基準発振器(L.O.)に関連する周波数エラーによる。通常、未知のキャリアにわたって探索は、相関器あるいは整合フィルタ装置の一貫した積分時間の逆数の何分の一である周波数の増分で行われる。この一貫した積分時間は、任意の検出動作より前に局部的に発生される基準と比較されるPNフレーム数に等しい。この数は、一般的には、1〜20ミリ秒である1〜20のPNフレームの範囲にある。信号の上部に配置された直感的な未知の50ボーの2進位相偏移変調データ(衛星データメッセージ)の存在は、1データビット時間、すなわち20ミリ秒にわたる一貫した処理利得を可能にしないので、20ミリ秒にわたる一貫した積分は通常適切でない。一例として、そのとき受信機が2ミリ秒の一貫した積分時間を使用する場合、未知の周波数にわたる適当なステップは、0.5/2ミリ秒、すなわち250Hzである。±10kHzの範囲が探索される場合、約80に等しいステップ数が必要とされる。
【0011】
一貫した処理に加えて、捕捉受信機が一貫した処理を実行する。すなわち、一貫した相関処理の出力は、二乗検波器あるいは線形検波器で検出され、次に前の出力と合計される。これは改良された感度を可能にする。実際に、著しい閉鎖を有するGPSを検出するために、いくつかの場合に最大1000の多数の検出後の加算が必要とされ得る。したがって、感度と実行される検出後の積分数との間に明らかなトレードオフがある。単一相関器がGPS信号を得るために使用される場合、この相関器は1ミリ秒×Npred×Npostd秒の時間休止する、ここで、Npredは集中的に積分されたPNフレーム数であり、かつNpostdは、検出後加算された数である。高い妨害物の場合、この全積分時間は、わずか1秒であり得る。捕捉受信機は、一般的には、全部で2046の可能な時間遅れの間、1023のチップ期間にわたって単位が時間である1/2チップ間隔にわたって探索しなければならない。以前に示された例は、多分80の異なる搬送波が探索されねばならないことを示している。したがって、163,680の異なる時間周波数のGPS信号を得るように探索されねばならないかもしれない推測あるいは「ビン」が存在しなければならないかもしれない。したがって、単一の相関器は、今列挙された例で探索を実行するために163,680秒以上を必要とする(時間周波数ビンおよび80の周波数ビン毎に1秒休止)。
【0012】
従来のGPSシステムは捕捉時間に対する感度をトレードオフする。したがって、1ミリ秒の検出前の積分時間が使用され、唯一の検出後積分が使用される場合、80の周波数ビンの上記状態の場合、全探索時間は163.7秒である。これは2分以上である。捕捉時間をさらに減らすために、大部分のGPS受信機は、探索要件を±2kHzに減らす安定化発振器を使用し、したがってこれは上記の例に対して5倍も探索範囲を減らす。捕捉時間を減らすことの代替は、前述のように、多数の並列相関器、あるいは整合フィルタ方式を使用することにある。しかしながら、いくつかのGPS信号は位置の決定を実行するために得ることが必要であることに注目せよ。
【0013】
たとえどんな捕捉方式が使用されても、全捕捉時間を減らすために探索周波数範囲および/または探索時間範囲を減らすことが望ましい。多数の著者が、探索周波数範囲を減らす方法を検討した(例えば、米国特許第4,445,118号を参照せよ)。これらは、通常、GPS衛星のドップラー周波数の近似情報を有して展開する。これは、通信リンクのような補助的なこのような情報源によって得ることができるかあるいはGPS受信機が時間および位置の近似情報を有する場合、この情報はこのようなドップラー周波数を計算することによって得ることができる。後者の場合、GPS受信機はGPS衛星そのものによって供給されたいわゆる天体暦データを記憶したと仮定される。このデータは、約1月の期間有効である近似の衛星位置対時間を与える。推定ドップラーの場合さえ、SPS信号を得るのに必要とされる探索時間はしばしば今までどおり長い。いろいろの手段が、ローカル周波数基準の不確かさを減らすために使用されてもよい。これは、特別の高い安定性のあるいは校正された発振器等を使用してGPS受信機への外部伝送を介してこの基準を安定化することを含む。発振器の不安定性によるエラーは全ての衛星信号に共通であることに注目すべきである。したがって、一旦第1の信号が得られると、主要な周波数の不安定性源としての局部発振器を除去することは通常容易である。
【0014】
SPS受信機において、初期のSPS信号捕捉中PNエポックにわたる探索範囲、すなわち受信されたGPS信号の1023の可能なチップ位置にわたる探索を制限することが望ましい。これは、受信機が最近(例えば、数秒以内)GPS信号を失った後、受信機がGPS信号を再獲得しなければならない再捕捉の場合と対比されるべきであることに注目する。この場合、GPS受信機は、最後に決定されたPNエポックの近傍の範囲内でPNエポックの距離を単に探索する。ほとんどGPSの概念が最初に作り出されたので、再捕捉戦略はGPS受信機の通常の動作の一部であった。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、SPS衛星からの捕捉時間を減少させるいろいろの方法および装置を提供する。本発明の方法の例では、SPS受信機の近似位置が決定される。特定のSPS衛星に対する推定擬似距離は、特定のSPS衛星の時刻、近似位置および衛星位置情報から決定される。次に、SPS受信機は、推定擬似距離によって決定された距離の特定のSPS衛星からのSPS信号を探索する。一般的には、この方法は、特定のSPS衛星から最初にSPS信号を得るために探索時間を減らす。本発明の1つの特定の例では、近似位置は、いろいろの無線セルサイトの各々の識別をセルラ電話システムのような無線セルベース通信システムの無線セルサイトによってサービスされるセル内のオブジェクトに対する近似位置と相関するセルベース情報源から決定される。
【0016】
本発明の他の特定の例では、サーバシステムは、推定擬似距離を決定し、これらの推定擬似距離を移動SPS受信機に送信させることによって移動SPS受信機を助ける。このサーバは、無線セルベース通信システムを通して移動SPS受信機に結合されてもよい。
【0017】
本発明の他の例では、SPS衛星から信号を得る時間は、SPS信号のフレーム時間(例えば、米国のGPSシステムの場合は1ミリ秒)よりよい精度の時刻を決定し、SPS衛星からの推定距離(あるいは信号進行時間)を(所与の時間に所与の近似位置に対して)指定する数式のセットを得ることによって減らしてもよい。時刻および数式は、探索がSPS衛星からSPS信号を得るように実行されてもよい推定擬似距離を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明と併用されてもよいSPS受信機の例を示している。
【図2】図2は、本発明の一例による制限されたPN探索距離の絵で表した図である。
【図3】図3は、本発明による方法の例を示すフローチャートを示す。
【図4】図4は、本発明と併用されてもよい無線セルベース通信システムの例を示している。
【図5】図5は、本発明の1例によるSPS補助データを移動SPS受信機に供給するために使用されてもよい位置探知サーバの例を示している。
【図6】図6は、位置探知サーバと併用されてもよいSPS受信機の例を示す。
【図7】図7は、図4に示された位置探知サーバと併用されてもよい基準GPS受信機の例を示す。
【図8】図8は、本発明の一態様により使用されてもよいセルベース情報源の例を示している。
【図9】図9は、位置探知サーバが本発明の一例によりSPS補助情報を供給する本発明による他の方法を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明のいろいろの例による探索時間を減らす他の方法を示す表である。これらの方法も組み合わせて使用されてもよい。
【詳細な説明】
【0019】
本発明は、SPS信号をSPS衛星から得る時間を減少させるいろいろの方法および装置を提供する。下記の説明および図は、本発明の実例であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。多数の特定の詳細は本発明の完全な理解を与えるように説明されている。しかしながら、ある種の例では、周知あるいは従来の詳細な事項は、詳細な本発明を不必要にあいまいにしないために説明されていない。
【0020】
図1は、本発明と併用されてもよいGPS受信機のようなSPS受信機の例を示す。この受信機101は、SPS信号を受信するアンテナ102を含んでいる。アンテナ102からのSPS信号は、この信号を増幅する低雑音増幅器104に供給される。この信号は、次に局部発振器108によってクロックされるミキサ106に供給される。このミキサ106は、中間周波数段110によって処理され、相関器システム112に供給されるダウン変換されたSPS信号を発生する。この相関器システム112はSPSナビゲーションコンピュータ114に結合される。このSPSナビゲーションコンピュータ114は、SPS信号が得られ、追跡され、次に衛星天体位置推算表データがSPS受信機の位置を決定するためにSPS信号から読みとられるように、一般的には相関器システム112および局部発振器108の動作を制御している。この受信機101は、例えば、SPS信号をこの衛星から得る時間を減らすために特定の衛星に対する推定擬似距離を使用することによって本発明により使用されてもよい。一般的には、このようなSPS受信機は、後述されるように位置補助情報あるいは時刻情報を受信する通信受信機を含み、この情報は、次に本発明によりこの情報を使用し、探索時間を減らし、SPS信号をSPS衛星から得るSPSナビゲーションコンピュータ114に供給される。本発明は、異なる受信機アーキテクチャを有し、例えば従来の相関器受信機システムを含むSPS受信機、畳み込みアルゴリズムを有するディジタル信号プロセッサを有する受信機(例えば、米国特許第5,663,734号を参照)、整合フィルタを使用する受信機(例えば、1998年2月11日に出願された係属中の米国特許出願第09/021,854号を参照)、高並列相関を使用する受信機(例えば、1998年5月29日に出願された係属中の米国特許出願第09/087,438号を参照;1997年10月30日に公表されたPCT国際公表第WO97/40398号も参照)と併用されてもよい。
【0021】
擬似距離を探索する時間を減らすために直観的な情報を利用する2つの主要な方式が後述される。第1の方式では、正確な時刻情報は、探索の範囲を制限するために接近したユーザおよび衛星位置の情報と結合される。第2の場合、近似時刻情報だけが利用可能である。それから、第1の衛星信号を探索する範囲は制限されなくて、全部探索されねばならない(1秒のPNフレーム期間にわたる)。その後の擬似距離探索は、第1の受信信号+近似ユーザ位置および衛星位置に対するユーザ位置および衛星位置の探索範囲を制限するように決定された擬似距離を使用できる。この後者の場合が第1の場合の後に下記により詳細に述べられる。
【0022】
SPS受信機は、前述のように、従来の技術により1つのSPS信号を得たと仮定する。SPS受信機が、例えば、半径10マイルの範囲内の受信機の位置、例えば1秒の精度の時刻、例えば天体暦によって供給される近似衛星位置の近似情報を有すると仮定する。受信信号が十分強いならば、時間情報は6秒の期間(1サブフレーム)内の第1の受信信号から得ることができる。近似位置は、前の位置決定あるいは位置(例えば、都市および都市の周囲の制限位置)の一般的な情報、もしくは例えば後述される例におけるような通信リンクを通して受信機に供給される補助情報から得ることができる。
【0023】
近似位置を使用することによって探索範囲を制限することができる。SPS受信機は、3次元位置決定に対して4つのSPS信号および2次元位置決定に対して3つの信号を得なければならない。PNエポックが時間T1モジュロ1ミリ秒(PNコードが1ミリ秒毎に繰り返される)にあると仮定する。今第2の衛星の探索が進行していると仮定する。受信機の地理的位置が正確に知られている場合、T1に対する受信機のPNエポックは高精度であると知られている。残りのエラー源は時刻および衛星位置エラーであるので、これはこの事例である。これらの2つのエラーを考察する。時刻エラーは衛星位置エラーを生じる。GPS衛星のドップラーは一般的には2700ナノ秒/秒未満である。したがって、2つのGPS衛星間の最大ドップラー差は約±5.4マイクロ秒/秒未満である。したがって、1秒の時間エラーに関して、2つのPNエポック間で生じるエラーは、±5.4マイクロ秒、あるいは±6チップ未満である。いま、衛星位置エラーを考察する。このエラーが半径方向に2マイル未満である場合、位置エラーに関連する最大時間エラーは、光が2マイルを進行する時間、すなわち約10マイクロ秒に対応する時間エラーである。したがって、この例では、衛星位置エラーが支配する。これらの2つのエラーを一緒に合計する場合、±15.4ミリ秒の最大差分時間エラーが生じることが分かる。これは約±15.4チップの範囲に対応し、多くの場合、非常に小さい。したがって、上記の環境下では、約1023/(2×15.4)=33.2倍も探索範囲を狭くすることができる。さらに、第2の衛星に対する予想されたPNエポックで開始する探索を蛇行するように行うことによって、平均でこの探索時間をなおさら減らすことができる。この改良された速度は、第1の衛星以外のGPS衛星の全ての信号に対する全探索および捕捉時間が第1の衛星に対する全探索および捕捉時間よりもかなり大きいべきでなく、しばしばより小さいべきであるほどのものである。本発明の例は図2に絵で示されている。
【0024】
この図の「パルス」133、134および138の各々は、衛星手段の信号のエポックの到達時間を示している。大きな垂直線131および132は、(受信機の)局部的に発生されたPN信号のPNエポックを示している。時間T1136は、受信機によって測定され、基準PNエポック131に対して第1のSV信号の測定到達時間に基づいている。一旦T1が決定されると、第2の衛星信号の推定到達時間を推量できる。これはオフセットδTnom137として示される。δTnomは、式(R2−R1)/cによって計算される、ここで、R1は、地球上の推定受信機位置から第1のGPS衛星までの推定距離であり、R2は、地球上の推定受信機位置から第2のGPS衛星までの推定距離であり、両方共推定時刻を使用し、ここで、cは光速である。前述のように、推定GPS衛星位置、推定時刻および推定受信機位置はある程度まで全てエラーであり、主要なエラーは通常受信機位置に関連している。位置T1+δTnomの周りのこのエリア135は、これらのエラーによる第2の衛星からのPNエポックの到達時間の不確かさを示している。これは範囲あるいは領域Eとしても示されている。前述のように、これは、一般的には約10マイクロ秒であってもよい。領域Eだけが第2のSV擬似距離を探索する必要があるので、探索時間の大きな削減が隣接PNエポック間の到達時間の探索に対して行われることが明らかである。
【0025】
図3は、前述された有効な方法の一例の擬似距離を得る際のステップを示すフローチャートである。この処理は、ステップ161の第1のGPS信号の捕捉および第1の信号を送信している対応する衛星に対する擬似距離の決定で開始する。一旦これが完了されると、時刻は、衛星データメッセージをこの信号から読み取るかあるいは外部源から受信機に送信されたこのようなデータを有することによって得られてもよい。それとは別に、この受信機は、経過時間カウンタを使用して適切な時刻の推定値を保有していてもよい。この受信機は、ステップ163で、近似ユーザ位置および衛星位置情報を過去に収集された記憶情報からあるいは通信リンク(あるいは手動入力さえ)を介するこのような情報の伝送を介してのいずれかから近似ユーザ位置および衛星位置情報を引き出す。この情報から、推定擬似距離(モジュロ1ミリ秒期間)は、ステップ165で推定され、この推定のエラーの範囲(例えば、エラー距離)は、受信機位置、時刻のエラー、および衛星位置情報の品質に基づいてステップ167で推量される。次に、受信機は、推定擬似距離±エラー距離に等しい可能な擬似距離の制限範囲をステップ169で探索する。通常、初期の捕捉では、推定擬似距離は、特定のSPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づかない。全ての衛星が捕捉されるまで、この処理は、通常ステップ171で全ての衛星に対して繰り返される。一旦3つの衛星信号が得られると、受信機の位置エラーを大いに減少させる2次元位置決定を通常計算できることに注目せよ。したがって、この情報は、その後のSVに対する擬似距離領域をさらに減少させるために使用できる。
【0026】
局部発振器の不安定性によるエラーが第1の衛星の捕捉時間を支配しない場合、上記の方式は特に有利である。したがって、探索時間は、衛星ドップラーおよびもちろん未知PNエポックにわたる探索によって支配される。したがって、前述された方式は、Mに近づく量だけ全衛星の捕捉時間を潜在的に減らすことができる。ここで、Mは捕捉される衛星の数である。さらに、本発明のいろいろの方法および装置は、1996年3月8日に出願された係属中の米国特許出願第08/612,582号および1996年12月4日に出願された係属中の米国特許出願第08/759,523号(これらの出願の両方とも引用文献としてここに組み込まれている)に記載されているこれらの技術のように、GPS信号を得るために使用される安定した局部発振器信号を供給する技術と併用されてもよい。
【0027】
前述の方法は、第2の信号およびその後の信号を得る時間を劇的に減少させるが、第1の衛星信号を得る時間を減少させない。上記に列挙された例では、その後のGPS信号は、第1の時間の1/33で得られる。したがって、捕捉時間Dを必要とされる第1の信号および6つの信号全てが得られるべきである場合、簡単な探索が実行されるならば、全捕捉時間は、(1+5/33)D対6Dであり、5.21倍の節約である。多数の場合、第1の信号がより迅速に得ることができる場合、非常に十分な改善を行うことができる。これは、GPS受信機で絶対時間(例えば、100マイクロ秒エラー未満)の若干の正確な情報を必要とする。これは、しばしば時間伝達機構によって行うことができる。ここで、受信機が受信機の位置および近似衛星位置情報(衛星天体暦)の近似情報を有しているものと仮定する。
【0028】
このような時間伝達機構は、外部源からGPS受信機への補助通信リンクによって可能である。これの多数の場合がある。第1の例は、約1マイクロ秒に対して正確であるタイミング情報+セルラ基地局からセルラ電話までの任意の伝搬遅延および電話それ自体内にある信号処理遅延をもたらすIS-95のCDMAスペクトラム拡散セルラ電話規格である。比較的長いパス遅延を示すセルサイトから電話までの5マイルの距離は約26マイクロ秒の時間遅れを生じる。GPS受信機が13マイクロ秒の平均パス遅延をとる場合、±13マイクロ秒のエラーが生じる。最悪の場合、このようなシステムの伝達エラーが約±20マイクロ秒以下に保持できると仮定することは妥当である。全PNフレーム持続時間は1ミリ秒であるので、標準相関器システムが使用される場合、これは、第1の衛星の探索時間を26倍も減少させる。さらに、前述の例を使用すると、時間探索が全然制限のない約D/26+5D/33すなわち0.19D対6Dの全探索時間を得る、すなわち31.6倍の節約となる。絶対時間だけが使用可能である場合、これはおよそ必要とされる1/6の探索時間である。
【0029】
他の時間伝達機構は特別の場合に使用可能であり得る。専用通信リンクは、タイミング信号をローカルエリアに供給するように確立されてもよい。WWWおよびその変形のようなある種の放送信号は、タイミング信号を供給するが、これらの信号の精度は捕捉時間の著しい削減を可能にするほど十分でないかもしれない。多数の付加的CDMAセルラシステムは、世界中に及ぶ規格として現在提案され、これらのシステムのいくつかは時間伝達機構に組み込んでもよい。
【0030】
上記の説明では、高精度の時刻(例えば、100マイクロ秒未満)は、第1の擬似距離を明白に得るように衛星位置の近似位置および衛星位置の情報とともに使用された。したがって、他の擬似距離は、この第1の擬似距離からの時間オフセットおよび近似衛星位置の計算によって得られる。もちろん、各受信衛星信号に対応する各擬似距離を別々に処理し、したがって他のものに関係なく各擬似距離を探索できる。しかしながら、特に絶対時間のエラーが支配する場合、これは不必要な探索時間がかかる。例えば、絶対時間が50マイクロ秒だけエラーであると仮定し、全ての他のエラー(例えば、近似位置エラー)源が20マイクロ秒であると仮定する。したがって、第1の擬似距離の探索は、少なくとも70マイクロ秒の範囲にわたる探索を必要とする。そのとき第2の擬似距離を別々に探索した場合、この擬似距離は70マイクロ秒以上の探索範囲を再び必要とする。しかしながら、第1の擬似距離の位置に対して、第2の擬似距離の探索の範囲は20マイクロ秒である。他の方法を述べると、第1の擬似距離の探索は、受信機のローカルクロックに対して、50マイクロ秒タイミングエラーだけ探索範囲を減少した。したがって、その後の探索は探索範囲のこの削減を利用できる。
【0031】
本発明の他の実施形態はサーバシステムを使用する。いくつかの移動GPSシステムは遠隔サーバとともに作動する。一般的には、移動GPS受信機は、擬似距離を計算し、位置の最終計算のためにこれらをサーバに送信する。このセットアップは、受信機がGPS衛星データメッセージを読み取る必要がないので、増加される受信機感度に対して、かなり高い受信信号対雑音比を必要とする課題を許す。この場合、サーバとの通信によって、サーバは、GPS受信機の探索範囲を制限するのに役立つ情報をGPS受信機に供給できる。米国特許第5,663,734号は、サーバおよび移動GPS受信機を含むシステムを記載している。動作のフローチャートは、サーバが探索される第1の信号に対して全SV信号の推定擬似距離を計算することを除いて、丁度図3におけるように進行できる。すなわち、図3の処理ブロック163、165および167の動作はサーバで実行される。GPS受信機に接近しているかさもないとGPS受信機の近似位置を知っていると仮定されるサーバは時刻、近似ユーザ位置および衛星位置情報を知っているので、これを行うことができる。したがって、サーバは、探索される第1のGPSのSV信号に対する推定擬似距離をGPS受信機に送信できる。図3の動作が完了された後、GPS受信機は、位置計算を完了するサーバに時間タグ擬似距離を送信する。この後者の時間タグ付けは、約数ミリ秒の精度であるだけが必要であり、最終位置計算を正確に実行することが必要とされる。この時間タグ付けは必要とされるので、擬似距離が測定される場合、GPS衛星の近似位置は既知である。さらに、この時間タグ付けは、CDMAセルラネットワークで使用可能である受信信号のような受信信号をGPS受信機で使用して行うことができる。
【0032】
図4は、その各々が特定の地理的な地域あるいは位置にサービスするように設計される複数のセルサイトを含むセルベース通信システム10の例を示している。このようなセルラベースあるいはセルベース通信システムの例は、セルベース電話システムのような当該技術分野で周知である。セルベース通信システム10は、その両方がセルサービスエリア11内にあるように規定される2つのセル12および14を含んでいる。さらに、このシステム10はセル18および20を含む。対応するセルサイトおよび/またはセルラサービスエリアを有する複数の他のセルも、セルラ交換局24およびセルラ交換局24bのような1つあるいはそれ以上のセルラ交換局に結合されたシステム10に含めてもよいことが分かる。
【0033】
セル12のような各セル内には、図4に示された受信機16のような移動GPS受信機と無線通信媒体を介して通信するように設計されるアンテナ13aを含むセルサイト13のような無線セルサイト、あるいはセルラサイトがある。GPS受信機および通信システムを有するこのような結合システムの例は、図6に示され、GPSアンテナ77および通信システムアンテナ79の両方を含んでもよい。
【0034】
各セルサイトはセルラ交換局に結合される。図4では、セルサイト13、15および19は、接続部13b、15bおよび19bそれぞれを通して交換局24に結合され、セルサイト21は接続部21bを通して異なる交換局24bに結合される。これらの接続部は、それぞれのセルサイトとセルラ交換局24および24bとの間のワイヤ線接続部である。各セルサイトは、セルサイトによってサービスされる通信システムと通信するアンテナを含む。1例では、セルサイトは、セルサイトによってサービスされるエリアの移動セルラ電話と通信するセルラ電話サイトであってもよい。セル4に示された受信機22のような1つのセル内の通信システムは、妨害物(あるいはセルサイト21が受信機22と通信できない他の理由)によりセル18のセルサイト19と実際通信してもよいことが認識される。
【0035】
本発明の典型的な実施形態では、移動GPS受信機16は、GPS受信機および通信システムの両方が同じハウジングの中に囲まれるようにGPS受信機と一体とされるセルベース通信システムを含む。これの1つの例は、共通回路をセルラ電話トランシーバと共有する一体GPS受信機を有するセルラ電話である。この結合システムがセルラ電話システムのために使用される場合、伝送が受信機16とセルサイト13との間に生じる。したがって、受信機16からセルサイト13への伝送は、接続部13bを介してセルラ交換局24に伝搬され、セルラ交換局24によってサービスされるセルの他のセルラ電話あるいは接続部(一般的にはワイヤ接続)を介して陸上固定電話システム/ネットワーク28を介する他の電話のいずれかに伝搬される。用語ワイヤ接続は、光ファイバおよび銅ケーブル布線等のような他の非無線接続部を含んでいる。受信機16と通信している他の電話からの伝送は、接続部13bおよびセルサイト13を通してセルラ交換局24から伝達され、従来のような方法で受信機16に戻される。
【0036】
遠隔データ処理システム26(いくつかの実施形態では、GPSサーバあるいは位置探知サーバとして呼ばれてもよい)は、システム10に含められ、一つの実施形態では、GPS受信機によって受信されたGPS信号を使用して移動GPS受信機の位置を決定するために使用される。GPSサーバ26は、接続部27を通して陸上固定電話システム/ネットワーク28に結合されてもよく、接続部25を通してセルラ交換局24にも任意に結合されてもよく、接続部25bを通して交換局24bにも任意に接続されてもよい。接続部25および27は無線でもよいけれども、接続部25および27は一般的にはワイヤ接続部であることが分かる。システム10の任意の構成要素として示されるのは、ネットワーク28を通してGPSサーバ26に結合される他のコンピュータシステムからなってもよい問い合わせ端末29である。この問い合わせ端末29は、セル中の1つの特定のGPS受信機の位置に対するリクエストをGPSサーバ26に送信してもよく、それはそのときGPS受信機の位置を決定し、この位置を問い合わせ端末29に送り返すためにセルラ交換局を通して特定の通信システム/GPS受信機との対話を開始する。他の実施形態では、GPS受信機に対する位置決定は位置GPS受信機のユーザによって開始されてもよい。すなわち、例えば、移動GPS受信機のユーザは、統合セル電話の911を押し、移動GPS受信機の位置で緊急状態を指示してもよく、これはここに記載されたように位置処理を開始してもよい。
【0037】
セルラベースあるいはセルベース通信システムが1つ以上の送信機を有する通信システムであり、その各々が時間のいかなる瞬時にも予め規定される異なる地理的なエリアに役立つことが注目されるべきである。一般的には、カバーされるエリアは特定のセルラシステムによって決まるけれども、各送信機は、20マイル未満の地理的な半径を有するセルに役立つ無線送信機である。セルラ電話、PCS(個人通信システム)、SMR(専用移動無線)、一方向および双方向ページャシステム、RAM、ARDIS、および無線パケットデータシステムのような多数の種類のセルラ通信システムがある。一般的には、所定の地理的なエリアはセルと呼ばれ、複数のセルは、まとめられ、図4に示されたセルラサービスエリア11のようなセルラサービスエリアになり、これらの複数のセルは、接続部を陸上固定電話システムおよび/またはネットワークに与える1つあるいはそれ以上のセルラ交換局に結合される。サービスエリアは、しばしば課金目的のために使用される。したがって、それは2つ以上のサービスエリアのセルが1つの交換局に接続される場合であってもよい。例えば、図4では、セル1および2はサービスエリア11にあり、セル3はサービスエリア13にあるが、全て3つが交換局24に接続される。それとは別に、時にはそれは、1つのサービスエリア内のセルが特に人口が密集したエリアの異なる交換局に接続された場合がある。一般に、サービスエリアは、互いに接近した地理的に近接した範囲内のセルの集合として規定される。上記の説明に合う他の種類のセルラシステムは、セルラ基地局あるいはセルサイトが一般的には地球の軌道を回る衛星である衛星ベースである。これらのシステムでは、セルセクタおよびサービスエリアは時間の関数として移動する。このようなシステムの例は、イリジウム、グローバルスター、オルブコム、およびオデッセイを含む。
【0038】
図5は、図4のGPSサーバ26として使用されてもよいGPSサーバ50の例を示している。図5のGPSサーバ50は、フォールトトレラントディジタルコンピュータシステムであってもよいデータ処理装置51を含む。SPSサーバ50は、モデムあるいは他の通信インタフェース52およびモデムあるいは他の通信インタフェース53およびモデムあるいは他の通信インタフェース54も含んでいる。これらの通信インタフェースは、ネットワーク60、62、および64として示される3つの異なるネットワーク間で図5に示された位置探知サーバへあるいはこの位置探知サーバから情報を交換するための連結性をもたらす。このネットワーク60は、セルラ交換局および/あるいは陸上固定電話システム交換機あるいはセルサイトを含む。したがって、このネットワーク60は、セルラ交換局24および24bおよび陸上固定電話システム/ネットワーク28およびセルラサービスエリア11ならびにセル18および20を含むものとみなすことができる。このネットワーク64は、その例が一般的には911の緊急電話呼び出しに応答する制御センターである公衆安全応答ポイント(PSAP)である図4の問い合わせ端末29を含むものとみなすことができる。問い合わせ端末29の場合、この端末は、位置情報をセルベース通信システムのいろいろなセルにある指定移動SPS受信機から得るためにサーバ26に問い合わせをするために使用されてもよい。この場合、位置探知動作は、移動GPS受信機のユーザ以外の誰かによって開始される。セルラ電話を含む移動GPS受信機からの911の電話呼の場合、位置探知処理はセルラ電話のユーザによって開始される。図4のGPS基準ネットワーク32を示すネットワーク62は、差分GPS補正情報および衛星天体位置推算表データを含むGPS信号データもデータ処理装置に供給するように設計されたGPS基準受信機であるGPS受信機のネットワークである。サーバ50が非常に大きな地理的なエリアに役立つ場合、任意のGPS受信機56のようなローカルの任意のGPS受信機は、このエリア中で移動SPS受信機が見える所にある全GPS衛星を観測できなくてもよい。したがって、ネットワーク62は、衛星天体位置推算表データを含む衛星メッセージデータを収集し、供給し、本発明により広いエリアにわたって差分GPS補正データを供給する。
【0039】
図5に示されるように、大容量記憶装置55はデータ処理装置51に結合される。一般的には、大容量記憶装置55は、擬似距離を図4の受信機16のような移動GPS受信機から受信された後、GPS位置計算を実行するソフトウェアための記憶装置を含む。これらの擬似距離は、通常セルサイトおよびセルラ交換局およびモデムあるいは他のインタフェース53を通して受信される。大容量記憶装置55は、少なくとも1つの実施形態では、モデムあるいは他のインタフェース54を通してGPS基準ネットワーク32によって供給される衛星天体位置推算表データを含む衛星メッセージデータを受信し、使用するために使用されるソフトウェアも含む。大容量記憶装置55は、一般的には、セルサイト識別子のようなセルオブジェクト情報を記憶するデータベース、および一般的には特定のセルサイトと無線通信している移動SPS受信機に対する推定位置である対応する近似位置も含む。このセルオブジェクト情報および対応する位置は、その例が図8に示され、さらに後述されるセルベース情報源である。
【0040】
本発明の典型的な実施形態では、図4のGPS基準ネットワーク32(図5のネットワーク62として示される)がGPS基準ネットワークのいろいろな基準受信機が見えている所にある衛星から生衛星データメッセージを供給するのと同様に差分GPS情報を供給するとき、任意のGPS受信機56は必要ない。サーバ支援モード(サーバが補助データを移動SPS受信機に供給する)では、モデムあるいは他のインタフェース54を通してネットワークから得られる衛星メッセージデータは、通常、移動GPS受信機に対する位置情報を計算するために移動GPS受信機から得られる擬似距離と従来のように併用されることが分かる。インタフェース52、53および54は各々、データ処理装置をネットワーク64の場合に他のコンピュータシステムに、ネットワーク60の場合にセルラベース通信システムに、およびネットワーク62のコンピュータシステムのような伝送システムに結合するモデムあるいは他のコンピュータシステムであってもよい。一実施形態では、ネットワーク62は地理的な地域にわたって分散されるGPS基準受信機の分散された集合を含むことが分かる。セルラベースシステムを通して移動GPS受信機と通信しているセルサイトあるいはセルラサービスエリア近くの受信機から得られる差分補正GPS情報は、移動GPS受信機の近似位置に適切である差分GPS補正情報を供給する。
【0041】
図6は、GPS受信機および通信システムトランシーバを含む一般化された結合システムを示している。一例では、通信システムトランシーバは、セルラ電話(ときにはセル電話あるいはPCS電話とも呼ばれる)である。システム75は、アンテナ77を有するGPS受信機76と通信アンテナ79を有する通信受信機78とを含んでいる。GPS受信機76は、図6に示された接続部80を通して通信トランシーバ78に結合される。本発明の例による動作の1つのモードでは、通信システムトランシーバ78は、アンテナ79を通して近似ドップラーおよび推定擬似距離情報を受信し、この近似ドップラーおよび推定擬似距離情報をリンク80によりGPS受信機76に供給し、それはGPS信号をGPSアンテナ77を通してGPS衛星から受信することによって擬似距離決定を実行する。次に、決定された擬似距離は、通信システムトランシーバ78を通して図4に示されたGPSサーバのような位置探知サーバに送信される。一般的には、通信システムトランシーバ78は、アンテナ79を通して信号をセルサイトに送信する。このセルサイトは、次にこの情報を転送し、図4のGPSサーバ26のようなGPSサーバに戻す。このシステムのためのいろいろな受信機の一例は当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,663,734号は、改良されたGPS受信機システムを利用する結合されたGPS受信機および通信システムの一例を示している。結合されたGPSおよび通信システムの他の例は、1996年5月23日に出願された係属中の出願第08/652,833号に示される。GPS受信機のいろいろの異なるアーキテクチャは、本発明と併用されてもよい。すなわち、本発明のいろいろの例は、従来の単一あるいは並列のチャネル相関器SPS受信機、ディジタル信号プロセッサを相関アルゴリズムと併用するSPS受信機(例えば、米国特許第5,663,734号を参照)、整合ファイルを使用するSPS受信機(例えば、出願がこれによって引用文献としてここに組み込まれる、1998年2月11日に出願された係属中の米国特許出願第09/021,854号を参照)および上記に参照された受信機のような高い並列相関システムを使用するSPS受信機と併用されてもよい。図6のシステムならびにSPS受信機を有する多数の他の通信システムは、本発明のGPS基準ネットワークあるいはネットワークの一部でないSPSサーバ(例えば、サーバに時間情報および衛星位置情報を供給する基準GPS受信機を有するセルサイトのサーバ)とともに作動するように本発明の方法と使用されてもよい。
【0042】
図7は、GPS基準局のための1つの実施形態を示している。各基準局がこのように構成され、通信ネットワークあるいは通信媒体に結合されてもよいことが分かる。一般的には、図7のGPS基準局90のような各GPS基準局は、GPS信号をアンテナ91が見えている所にあるGPS衛星から受信するGPSアンテナ91に結合される二重周波数GPS基準受信機92を含む。GPS基準受信機は当該技術分野で周知である。本発明の一実施形態によるGPS基準実施形態92は、少なくとも2つの種類の情報を受信機92からの出力として供給する。擬似距離出力93は、プロセッサ・ネットワークインタフェース95に供給され、これらの擬似距離出力は、GPSアンテナ91が見えている所にあるこれらの衛星に対する擬似距離補正を従来のように計算するために使用される。このプロセッサ・ネットワークインタフェース95は、当該技術分野で周知であるようなGPS基準受信機からデータを受信するインタフェースを有する従来のディジタルコンピュータシステムであってもよい。このプロセッサ95は、一般的にはGPSアンテナ91が見えている所にある各衛星に対する適切な擬似距離補正を決定するために擬似距離データを処理するように設計されたソフトウェアを含んでいる。次に、これらの擬似距離補正は、ネットワークインタフェースを通して他のGPS基準局も結合された通信ネットワークあるいは媒体96に送信される。GPS基準受信機92は衛星メッセージデータ出力94も供給する。このデータは、次にこのデータを通信ネットワーク96上に送信するプロセッサ・ネットワークインタフェース95に供給される。
【0043】
衛星メッセージデータ出力94は、一般的には各GPS衛星から受信された実際のGPS信号の符号化された生の50ボーナビゲーションデータである。そのようなとき、情報内容は、高精度衛星位置式(天体位置推算表方程式と呼ばれる)と、全ての衛星に対する近似衛星位置情報と、クロックエラーモデルと、時刻と、他の情報とを含んでいる。この衛星メッセージデータは、GPS衛星からのGPS信号の50ビット/秒データストリームとして放送され、GPSのICD-200ドキュメントに非常に詳述されるナビゲーションメッセージとも呼ばれる。このプロセッサ・ネットワークインタフェース95は、この衛星メッセージデータ出力94を受信し、実時間あるいは近実時間で通信ネットワーク96に送信する。この衛星メッセージデータは、通信ネットワークに送信され、本発明の態様によりいろいろの位置探知サーバのネットワークを通して受信される。
【0044】
本発明のある種の実施形態では、衛星メッセージデータの所定のセグメントだけが、ネットワークインタフェースおよび通信ネットワークに対するバンド幅要件を低下させるために位置探知サーバに送信されてもよい。さらに、このデータは連続して供給される必要がなくてもよい。例えば、全ての5つのフレームよりもむしろ天体位置推算表方程式を一緒に含む第1の3つのフレームだけが通信ネットワーク96に送信されてもよい。本発明の一実施形態では、位置探知サーバは、ノーマンエフ・クラスナーにより1997年2月3日に出願された係属中の米国特許出願第08/794,649号に記載された方法のような衛星データメッセージに関連した時間を測定する方法を実行するために1つあるいはそれ以上のGPS基準受信機から送信された衛星メッセージデータを使用してもよいことが分かる。GPS基準受信機92が衛星天体位置推算表データを含む2進データ出力94を供給するために基準受信機92が見える所にある異なるGPS衛星とは異なるGPS信号を復号化したことも分かる。
【0045】
図8は、一実施形態では図4に示されたGPSサーバ26のようなデータ処理装置に保有されてもよいセルベース情報源の例を示している。それとは別に、この情報源は、図4のセルラ交換局24のようなセルラ交換局あるいは図4に示されたサイト13のような各セルサイトに保有されてもよい。しかしながら、一般的にはこの情報は、セルラ交換局に結合される位置探知サーバに保有され、日常的に更新される。この情報源は、いろいろのフォーマットのデータを保有し、図8に示されたフォーマットはフォーマットの一例だけを示していることが分かる。一般的には、推定位置212aのような各推定位置は、セルサイト位置のような対応するセルオブジェクトあるいはセルサイト識別子208aのようなセルサイトあるいはサービスエリアに対するIDを含む。セルベース情報源の情報は、列208および210のそれぞれに示されたセルサービスエリアあるいはセルサイトのIDのようなセルオブジェクト情報を含み、列212に示された情報のような対応する推定位置も含んでいる。各推定位置がセルサイトからの無線信号カバレッジによってカバーされる地理的な地域の平均位置であってもよいことが分かる。セルサイトの周りの推定位置の他の数学的表現が使用されてもよい。特にセルサイトの位置が、移動SPS受信機がセルサイトの無線カバレッジの特定のエリアにある可能性がある位置を示さなくてもよいセルサイトの位置よりもむしろセルサイト近くの推定位置(例えば推定位置212a)を使用することは役に立ち得る。
【0046】
次に、セルベース情報源201からの使用は、本発明の方法の例を示す図9とともに説明される。この下記の説明では、移動SPS受信機は、SPS信号を受信し、擬似距離をこれらの信号から決定するが、移動受信機で位置数式計算を完了しないと仮定される。むしろ、移動受信機は、これらの擬似距離を移動受信機が無線通信している特定のセルサイトに送信し、このセルサイトは、擬似距離を移動交換局に転送する。この移動交換局は、同様に擬似距離を図4のGPSサーバ26のような位置探知サーバに転送する。
【0047】
図9の方法は、移動SPS受信機がSPS補助情報に対するリクエストを送信する。一般的には、受信機の位置が望まれる場合、これが生じる。これは、SPS受信機を追跡するためにSPS受信機のユーザのリクエスト(例えば、ユーザからの「911」呼び出し)あるいはSPS受信機から遠く離れている他のユーザのリクエストであってもよい。この補助情報リクエストは、セルベース通信システムを通してステップ253でSPS補助情報を受信する位置探知サーバに転送される。ステップ255では、位置探知サーバは、移動SPS受信機の通信システムと通信するセルサイトを識別するセルサイト識別子を決定する。位置探知サーバは、セルベース情報源からのセルサイトによってサービスされるセルのオブジェクトに対する近似位置を得る。これは、図6に示された受信機のような移動SPS受信機に結合される移動セルベース通信システムと無線通信しているセルサイトに対するセルサイト識別子あるいは位置を受信する位置探知サーバによって生じ得る。例えば、セルサイトは、セルサイトの識別子情報を転送できるしあるいはSPS補助情報リクエストによってセルサイトの位置を移動SPS受信機から位置探知サーバに転送できる。セルサイト識別子あるいはセルサイトの位置のいずれかを使用して、位置探知サーバは、セルサイトによってサービスされるセルサイトのオブジェクトに対する近似位置を得るためにセルベース情報源でルックアップ動作を実行する。ステップ257で、位置探知サーバは、次にセルのオブジェクトが見えている所にある衛星に対する衛星位置を決定する。位置探知サーバは、一般的には、時刻も決定し、衛星位置情報および時刻から、セルのオブジェクトが見えている所にある衛星に対する推定距離を決定する。例えば、時刻情報は、局部的に位置探知サーバに接続されているSPS受信機あるいはその時刻情報が通信リンク(例えば、長距離リンクあるいは広域ネットワーク)を介して位置探知サーバに通信される遠隔SPS受信機から得ることができる。これらの推定距離は、セルのオブジェクトに対して決定された近似位置に基づいている。すなわち、近似位置は移動SPS受信機の近似位置であると考えられる。これらの推定距離も、位置探知サーバによって決定された時刻で見えている衛星に対して決定された衛星位置に基づいている。ステップ259では、サーバによって、推定距離および例えば、見えている衛星に対するドップラーを含む任意の付加的情報は、移動SPS受信機に送信される。ステップ261では、移動SPS受信機は、推定距離を受信し、信号を第1の衛星から得て、第1の衛星に対する第1の擬似距離を決定し、次に次の衛星に対する推定擬似距離を使用して次の衛星を探索する。このように、移動SPS受信機は、各適切な衛星に対する推定擬似距離によって決定された距離で探索することによって見えているいろいろの衛星からSPS信号を得るために必要とされる探索時間を短くすることができる。推定距離は第1の衛星に対する推定擬似距離を含んでもよく、この推定擬似距離がこの擬似距離の精度に応じて第1の衛星の信号を探索する際に使用されてもよいし使用されなくてもよいことが分かる。しばしば、捕捉された第1の衛星は、見えている他の衛星に対して最高の信号対雑音比を有する。
【0048】
本発明の他の例では、移動SPS受信機が見えている衛星に対する擬似距離を決定し、衛星天体位置推算表データを得て、決定された擬似距離および衛星天体位置推算表データから衛星の位置を計算することによって衛星の位置(例えば、緯度および経度)を決定できることが分かる。すなわち、この場合、サーバは、セルのような領域内のサーバが見えている所にある衛星の衛星天体位置推算表データを移動受信機に供給する。
【0049】
本発明のさらにもう一つの例では、位置探知サーバは、GPS基準受信機に専用であり、GPS基準受信機を有するセルサイトにある。この場合、各セルサイトは、セルサイト自身の位置探知サーバおよび時刻および衛星天体位置推算表データを位置探知サーバに供給するGPS基準受信機を有してもよい。この位置探知サーバは、次に、本発明に従ってこのデータを使用し、推定擬似距離あるいは推定衛星距離を移動SPS受信機に供給するかあるいは時刻、近似位置、および衛星位置データを移動SPS受信機に供給できるので、位置探知サーバは、SPS信号を得る探索時間を減らすために推定距離を決定できる。セルサイトのGPS近似受信機の場合、一般的には、ローカルGPS基準受信機は差分補正および衛星天体位置推算表データおよび時刻を受信機が見えている所にある衛星から決定できるので、データをGPS基準受信機のネットワークから受信する必要が全然なく、セルサイトの位置(あるいは若干の近接のプロキシ)はセルサイトと通信している移動SPS受信機の近似位置として使用できる。このローカルサーバは、単に補助情報(例えば、衛星天体位置推算表および/または時刻)を移動SPS受信機に送信し、移動SPS受信機に推定擬似距離あるいは距離を決定させ、SPS信号を得る探索時間を減らことができ、あるいはこれらの推定擬似距離あるいは推定距離を決定し、これらの距離を移動SPS受信機に送信できる。次に、移動SPS受信機は、高精度の擬似距離を決定し、この受信機の位置(決定された擬似距離およびこの受信機がSPS衛星あるいは位置探知サーバから受信された衛星天体位置推算表データから)を計算するかあるいは高精度の擬似距離を決定し、これらの決定された擬似距離を移動SPS受信機の位置を計算する位置探知サーバに送信できる。
【0050】
前述のものは本発明の一例であり、本発明の範囲内にあるいろいろの代替物がある。例えば、移動SPS受信機は、遠隔サーバからの援助なしに全ての動作そのものを実行できる。移動SPS受信機は、移動SPS受信機に送信されるセルサイト識別子からこの受信機の近似位置を決定できるかもしれない。セルサイト識別子を使用すると、移動SPS受信機は、移動SPS受信機に保有されるデータベースのルックアップ動作を実行し、近似位置を決定でき、天体暦情報も(例えば、前のSPS信号受信に基づいて受信機の記憶装置から)あるいは他の衛星位置情報を得ることができ、時刻情報を(例えば、前述のようなセルラ送信から)得ることができる。衛星位置情報、時刻、および近似位置から、移動SPS受信機は、見えている衛星に対するSPS信号を探索し、得るのに必要な時間を短くするためにいろいろの衛星に対する推定擬似距離を決定できる。それとは別に、SPS受信機は、決定された擬似距離をそのとき位置計算を完了する位置探知サーバにも送信できるけれども、SPS受信機は、次に、擬似距離および衛星天体位置推算表データを使用することによって位置計算を完了できる。
【0051】
本発明の他の代替例では、サーバは、近似位置および/または衛星天体位置推算表データを次に移動SPS受信機自体の推定擬似距離を決定する移動SPS受信機に供給することによって補助動作を実行できる。さらに他の代替では、サーバは、衛星天体位置推算表情報を供給することによって移動SPS受信機を助け、移動装置は、時間およびこの装置の近似位置を移動SPS装置とセルサイトとの間の送信から決定し、次に移動SPS装置は、推定擬似距離を決定する。
【0052】
探索削減の主要な変形は図10の表に与えられる。この表は、SPS受信機で確立できる時刻の精度を表の行302および304に沿って識別する。この表は、列308、310および312に沿ってSPS受信機によって得られた補助位置情報の特徴を識別する。表のエントリー322、324、326、330、332、および334は、第1の処理済衛星信号の探索距離が減少できるかどうかを示している。最初の探索では、未支援SPS受信機は、米国のGPSシステム(C/Aコード)の場合1ミリ秒期間であるPNフレームにわたって探索する。したがって、SPS受信機に使用可能である時刻が1ミリ秒に過ぎないならば、SPS受信機は、PNエポックの間全体で1ミリ秒範囲を探索しなければならない。しかしながら、一旦第1の衛星信号が得られると、他の信号の探索は、第1の信号の探索手順から検出されたPNエポックに対して時々行うことができる(すなわち、第1の信号の擬似距離の決定)。これは前述された。より高精度の時刻がSPS受信機で利用可能である場合、第1の衛星の信号探索範囲が減少できる。全ての場合、探索減少は、SPSに対する衛星の距離の近似情報(光速を使用して、距離あるいは等価時間単位のいずれかで示される)を必要とする。
【0053】
距離情報は、3つの主要な方法(314,316および318)によって供給できる。すなわち、(1)衛星天体位置推算表(ephemeris)データを供給すること、(2)衛星天体暦(almanac)データを供給すること、(3)衛星距離データを供給すること。ここで、衛星天体位置推算表データは、比較的短い時間、一般的には、2時間未満有効である衛星の位置対時間の高精度な数学的記述を意味する。天体暦データは、比較的長い時間、一般的には1月間有効である衛星の位置対時間の数学的記述である。衛星の特性によって、衛星の位置の精度は、天体位置推算表データ(数メートルエラー)に対して天体暦データ(一般的には数キロメートルエラー)で非常に小さく、式が更新されるまで、この精度は時間とともに低下する。天体位置推算表データおよび天体暦データの両方がGPS衛星によって送信される。このデータの形式は、一般的にはケプラー方程式に関連する係数である。しかしながら、他の記述は可能であり(例えば、球面調波記述等)、本発明に準じている。例えば、天体暦あるいは天体位置推算表データが遠隔位置探知サーバからSPS受信機に供給される場合、このデータは、例えば、SPS受信機あるいは減少された記憶装置において減少された計算を可能にすることができる多数の形式をとってもよい。天体暦データあるいは天体位置推算表データがSPS受信機に利用される場合、SPS受信機は、この受信機の位置を知らなければならないので、(近似)衛星距離は所与の時間に計算できる。正確な時間が使用可能である場合、距離および時間は、PNフレームエポックを推定し、処理される第1の衛星の信号に対してさえ探索時間を減らす。近似時間(1ミリ秒以上)が利用可能である場合、得られる第1の信号の後の信号は第1の衛星および次の衛星に対する推定される距離の差を計算することによって探索できる。次に、次の衛星のPNフレームエポックの各々は、推定距離差(時間単位に示される)に等しい量だけ第1の(あるいは他の処理される)信号に対して検出されたPNフレームエポックからオフセットされる距離で探索できる。第3の方法は、推定衛星距離方程式をSPS受信機に直接に与える。これらの方程式、例えば、時間あるいは距離の多項式は、SPS受信機に接近して置かれ、SPS受信機の位置を近似的に知り、この受信機の位置に対する適切な方程式を与える遠隔サーバによってSPS受信機に与えられてもよい。この場合、この式は各衛星を探索する時間の範囲を与えるので、SPS受信機は、この受信機の位置を知る必要がない。実際には、326は、単に探索する時間の範囲の直接の細目であり、334は、所与の衛星信号の受信時間に対して探索する時間の範囲の仕様である。
【0054】
天体暦データを使用する長所は、このデータは非常に長時間有効であり、したがってサーバからの送信を非常にしばしば必要としないしあるいは天体暦がSPSの送信から時々読み取られる場合、決して必要としないということである。天体位置推算表データの長所は、このデータがより正確であり、したがって天体暦データを減少させるよりもより大きい程度まで探索範囲を減らすことである。さらに、サーバから送信された天体位置推算表データは、SPS衛星からこのデータを読み取ること(時間がかかり、弱い受信信号レベルに対して困難である)を必要としないで、SPS受信機でこの受信機の位置を計算するために使用されてもよい。衛星距離方程式は、天体位置推算表データあるいは天体暦データのいずれかに対して置換において使用されてもよいが、一般的には比較的短時間にわたって正確であるしあるいはこの方程式が長い時間にわたって有効であるべきである場合、他の数学的記述と同様にサイズがコンパクトでなくてもよい。したがって、位置情報を供給する方式の各々は、長所および異なる用途でトレードオフであり得る欠点を有する。
【0055】
本発明の方法および装置はGPS衛星に関して説明されているけれども、教示がプセドライトあるいは衛星およびプセドライトの組み合わせを利用する位置決めシステムに同様に応用可能であることが分かる。プセドライトは、通常GPS時間と同期するLバンドキャリア信号で変調されたPNコード(GPS信号と同様である)を放送する地上ベース送信機である。各送信機は、遠隔受信機によって識別を可能にするように固有PNコードを割り当てられてもよい。プセドライトは、トンネル、鉱山、建物あるいは他の閉鎖エリアのような軌道を回っている衛星からのGPS信号が利用できない場合に役に立つ、ここで使用されるような用語「衛星」は、プセドライトあるいはプセドライトの均等物を含むことを意図され、ここで使用されるような用語GPS信号は、プセドライトあるいはプセドライトの均等物からのGPSに類似した信号を含むことを意図されている。
【0056】
前述の議論において、本発明は、米国のグローバルポジショニング衛星(GPS)システムの用途を参照して説明される。しかしながら、これらの方法は、類似の衛星位置決めシステム、特にロシアのグロナスシステムに同様に応用可能であることは明白であるべきである。このグロナスシステムは、異なる衛星からの放射が異なる擬似ランダムコードを使用するよりもむしろわずかに異なる周波数を利用することによって互いに差がとられる点でGPSシステムと主に異なる。ここで使用される「用語」は、ロシアのグロナスシステムを含むこのような他の衛星位置決めシステムを含む。
【0057】
前述の明細書では、本発明は、本発明の特定の典型的な実施形態を参照して説明された。しかしながら、いろいろの修正および変更は、添付された特許請求の範囲に詳述される本発明のより広い精神および範囲から逸脱しないでこれに対して行われてもよいことは明らかである。この明細書および図面は、したがって、制限的な意味よりも例示的意味で考察されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星位置決めシステム(SPS)受信機で衛星位置決めシステム(SPS)信号を得る探索時間を減少させる方法であって、 第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離を決定し、 前記SPS受信機の近似位置を決定し、 第2のSPS衛星に対する第2の擬似距離のための推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記第1の擬似距離から決定され、 前記推定擬似距離によって決定された距離にある前記第2のSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索することを含む方法。
【請求項2】
時間情報を決定し、 前記第2の衛星の衛星位置を決定することをさらに含み、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記衛星位置から決定される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記探索時間が前記SPS信号を最初に得るためのものであり、かつ前記推定擬似距離が前記第2のSPS衛星のための予め決定された擬似距離に基づかなくて、かつ前記探索時間が前記推定擬似距離によって決定された時間間隔以上であり、かつ前記時間情報が、±10分内の精度である近似時刻であり、かつ前記推定擬似距離が、前記SPS衛星からのSPS信号の推定到達時間あるいは前記SPS受信機からの前記SPS衛星に対する推定距離の中の1つである請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記距離が、前記近似位置および前記時間情報および前記衛星位置の少なくとも1つに関連したエラーに基づいている請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記距離が、前記第1の擬似距離および前記SPS受信機の基準時間に対して決定される請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記近似位置が、セルベース情報源から得られる請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記近似位置が、前記セルベース情報源から前記SPS受信機で受信される請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記セルベース情報源が位置探知サーバに結合され、かつ前記近似位置がセルベース通信システムのセルオブジェクトの位置を示す請求項6記載の方法。
【請求項9】
高精度搬送波信号を供給する供給源から前記高精度搬送波信号を受信し、 前記高精度搬送波信号に自動的にロックし、かつ基準信号を供給し、 局部発振器信号を供給し、SPS信号を得るために前記基準信号を使用することをさらに含む請求項2記載の方法。
【請求項10】
前記位置探知サーバが、前記SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記近似位置を前記セルベース情報源から決定する請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記位置探知サーバが前記推定擬似距離を決定する請求項10記載の方法。
【請求項12】
第3のSPS衛星に対する第3の擬似距離のための他の推定擬似距離を決定し、 前記第3のSPS衛星の他の衛星位置を決定することをさらに含み、前記他の推定擬似距離が、前記近似位置および前記他の衛星位置から決定される請求項2記載の方法。
【請求項13】
前記他の推定擬似距離によって決定された距離にある前記第3のSPS衛星からSPS信号を探索することをさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
SPS受信機で衛星位置決めシステム(SPS)信号を最初に得る方法であって、 第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離を決定し、 前記SPS受信機の近似位置を決定し、 第2のSPS衛星に対する第2の擬似距離のための推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記第1の擬似距離から決定され、 前記推定擬似距離によって決定された距離にある前記第2のSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索することを含む方法。
【請求項15】
時間情報を決定し、 前記第2の衛星の衛星位置を決定することをさらに含み、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記衛星位置から決定される請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記探索時間が前記SPS信号を最初に得るためにあり、かつ前記推定擬似距離が前記第2のSPS衛星のための予め決定された擬似距離に基づかない請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記距離が、前記第1の擬似距離および前記SPS受信機の基準時間に対して決定される請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記近似位置がセルベース情報源から得られる請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記近似位置が、前記セルベース情報源から前記SPS受信機で受信される請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記セルベース情報源が位置探知サーバに結合され、かつ前記近似位置がセルベース通信システムのセル対象物の位置を示している請求項18記載の方法。
【請求項21】
高精度搬送波信号を供給する供給源から前記高精度搬送波信号を受信し、 前記高精度搬送波信号に自動的にロックし、かつ基準信号を供給し、 局部発振器信号を供給し、SPS信号を得るために前記基準信号を使用することをさらに含む請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記位置探知サーバが、前記SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記近似位置を前記セルベース情報源から決定する請求項20記載の方法。
【請求項23】
SPS信号を受信するように構成されるSPSアンテナと、 前記SPSアンテナに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離を決定し、かつ第2のSPS衛星に対する推定擬似距離によって決定された距離にある前記第2のSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索し、前記推定擬似距離が、前記SPS受信機の近似位置および前記第1の擬似距離から決定される衛星位置決めシステム(SPS)受信機。
【請求項24】
前記プロセッサに結合された通信システムをさらに含み、前記通信システムが、前記近似位置を前記プロセッサに供給する請求項23記載のSPS受信機。
【請求項25】
前記プロセッサに結合されたセルベース通信システムをさらに含み、前記セルベース通信システムが、前記推定擬似距離を受信し、かつ前記推定擬似距離を前記プロセッサに供給する請求項23記載のSPS受信機。
【請求項26】
推定擬似距離が、前記近似位置および前記第2のSPS衛星の衛星位置から決定される請求項25記載のSPS受信機。
【請求項27】
前記推定近似距離が、前記第2のSPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づかない請求項25記載のSPS受信機。
【請求項28】
前記距離が、前記第1の擬似距離および前記SPS受信機の近似時間に対して決定される請求項25記載のSPS受信機。
【請求項29】
前記プロセッサが、第3のSPS衛星に対する他の推定擬似距離によって決定された距離にある第3のSPS衛星からのSPS信号を探索し、前記推定擬似距離が前記SPS受信機の前記近似位置から決定される請求項28記載のSPS受信機。
【請求項30】
通信インタフェースと、記憶装置と、前記記憶装置および前記通信インタフェースに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、前記通信インタフェースを通して前記ディジタル処理システムと通信できる移動衛星位置決めシステム(SPS)受信機の近似位置を決定し、かつ前記プロセッサが、第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離のための推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記第1のSPSの衛星位置から決定され、かつ前記推定擬似距離が、前記通信インタフェースを通して前記移動SPS受信機に送信されるディジタル処理システム。
【請求項31】
前記近似位置が、前記記憶装置に記憶されたセルベース情報源から得られる請求項30記載のディジタル処理システム。
【請求項32】
前記セルベース情報源が、無線セルベース通信システムのセルの対象物に対して近似位置情報を供給する請求項31記載のディジタル処理システム。
【請求項33】
前記近似位置が、無線セルベース通信システムのセル対象物の位置を示している請求項31記載のディジタル処理システム。
【請求項34】
前記セル対象物が、前記無線セルベース通信システムの無線セルサイトである請求項33記載のディジタル処理システム。
【請求項35】
前記近似位置が、前記移動SPS受信機に結合された無線通信システムと無線通信している無線セルベース情報源から決定される請求項33記載のディジタル処理システム。
【請求項36】
データ処理システムによって実行されるとき、移動衛星位置決めシステム(SPS)受信機の近似位置を決定し、第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離のための推定擬似距離を決定し、前記推定近似距離が、前記近似位置および前記第1のSPS衛星の衛星位置から決定され、
前記推定擬似距離を前記移動SPS受信機に送信することを含む方法を前記データ処理システムに実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記方法がさらに、第2のSPS衛星に対する第2の擬似距離のための他の推定擬似距離を決定することを含み、前記他の推定擬似距離が、前記近似位置および前記第2のSPS衛星の他の衛星位置から決定され、かつ前記近似位置が、前記位置SPS受信機に結合された無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記セルベース情報源から決定される請求項36記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記時間情報が、10分よりよい精度を有する前記SPS受信機の近似時刻であり、かつ前記衛星位置が、前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体位置推算表データのセットを送信する外部源から決定される請求項2記載の方法。
【請求項39】
前記SPS受信機が、セルベース通信システムの通信信号から前記時間情報を決定する請求項2記載の方法。
【請求項40】
前記SPS受信機が、SPS信号を得るために整合フィルタを使用する請求項2記載の方法。
【請求項41】
前記衛星位置が、(a)前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体位置推算表データのセット、あるいは(b)前記SPS受信機によって見ることができる前記SPS衛星のセットに対応する天体暦データのセットの少なくとも1つを含む請求項2に記載の方法。
【請求項42】
前記天体位置推算表データのセットがSPS受信機の基準ネットワークから得られる請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記天体暦データのセットがSPS受信機の基準ネットワークから得られる請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記天体位置推算表データのセットが、前記SPS受信機と通信しているセルサイトでSPS基準受信機から得られる請求項41記載の方法。
【請求項45】
前記天体暦データのセットが、前記SPS受信機と通信しているセルサイトでSPS基準受信機から得られる請求項41記載の方法。
【請求項46】
前記天体暦データのセットが、SPS衛星からのSPS信号から前記SPS受信機によって得られる請求項41記載の方法。
【請求項47】
前記セルベース通信システムが、CDMA(符号分割多元接続)システムである請求項39記載の方法。
【請求項48】
前記時刻を決定するステップが、セルベース通信リンクを介して前記SPS受信機によって受信されたセルラ通信信号に提供する時刻メッセージを読み取ることによって実行される請求項39記載の方法。
【請求項49】
衛星位置決めシステム(SPS)受信機の衛星位置決めシステム(SPS)信号を得る探索時間を減少させる方法であって、 前記SPS信号のフレーム時間よりよい精度の前記SPS受信機で時刻を決定し、 前記SPS受信機の近似位置を決定し、 少なくとも1つのSPS衛星に対する推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記近似位置および衛星位置および前記時刻から決定され、 前記推定擬似距離によって決定された距離の前記SPS衛星からSPS信号の到達時間を探索することを含む方法。
【請求項50】
前記衛星位置データが外部源から受信される請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記探索時間が、前記SPS信号を最初に得るためのものであり、かつ前記推定擬似距離が、前記SPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づいていなく、かつ前記衛星位置データが、前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体暦データのセットを含む請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記距離が、前記近似位置および前記時刻および前記衛星位置データの少なくとも1つと関連するエラーに基づいている請求項50記載の方法。
【請求項53】
前記衛星位置データが、前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体位置推算表データのセットを含む請求項50記載の方法。
【請求項54】
前記近似位置が、セルベース情報源から得られ、かつ前記外部源が、(a)SPS衛星あるいは(b)セルベース通信システムの中の少なくとも1つである請求項50記載の方法。
【請求項55】
前記近似位置が、前記セルベース情報源から前記SPS受信機で受信される請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記セルベース情報源が位置探知サーバに結合され、かつ前記近似位置がセルベース通信システムのセル対象物の位置を示している請求項54記載の方法。
【請求項57】
高精度搬送波信号を供給する供給源から前記高精度搬送波信号を受信し、 前記高精度搬送波信号に自動的にロックし、かつ基準信号を供給し、 局部発振器信号を供給し、SPS信号を得るために前記基準信号を使用することをさらに含む請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記位置探知サーバが、前記SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記近似位置を前記セルベース情報源から決定する請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記位置探知サーバが前記推定擬似距離を決定する請求項58記載の方法。
【請求項60】
他のSPS衛星に対する他の擬似距離のための他の推定擬似距離を決定し、 前記他のSPS衛星の他の衛星位置を決定することをさらに含み、前記他の推定擬似距離が、前記近似位置および前記他の衛星位置から決定される請求項50に記載の方法。
【請求項61】
前記他の推定擬似距離によって決定された距離にある前記他のSPS衛星からSPS信号の到達時間を探索することをさらに含む請求項60記載の方法。
【請求項62】
SPS受信機の衛星位置決めシステム(SPS)信号を最初に得る方法であって、 前記SPS信号のフレーム時間よりよい精度の前記SPS受信機で時刻を決定し、前記SPS受信機の近似位置を決定し、少なくとも1つのSPS衛星に対する推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記衛星位置データおよび前記時刻から決定され、 前記推定擬似距離によって決定された距離にある前記SPS衛星からSPS信号の到達時間を探索することを含む方法。
【請求項63】
前記衛星位置データが外部源から受信される請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記探索時間が、前記SPS信号を最初に得るためのものであり、かつ前記推定擬似距離が、前記SPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づいていなく、かつ前記衛星位置データが、前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体暦データのセットを含む請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記衛星位置データが、前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星のセットに対応する天体位置推算表データのセットを含む請求項63記載の方法。
【請求項66】
前記近似位置がセルベース情報源から得られる請求項63記載の方法。
【請求項67】
前記近似位置が、前記セルベース情報源から前記SPS受信機で受信される請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記セルベース情報源が位置探知サーバに結合され、かつ前記近似位置がセルベース通信システムのセル対象物の位置を示す請求項66記載の方法。
【請求項69】
高精度搬送波信号を供給する供給源から前記高精度搬送波信号を受信し、 前記高精度搬送波信号に自動的にロックし、かつ基準信号を供給し、 局部発振器信号を供給し、SPS信号を得るように前記基準信号を使用することをさらに含む請求項68記載の方法。
【請求項70】
前記位置探知サーバが、前記SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記近似位置を前記セルベース情報源から決定する請求項68記載の方法。
【請求項71】
SPS信号を受信するように構成されるSPSアンテナと、 前記SPSアンテナに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、前記SPS信号のフレーム時間よりよい精度の前記SPS受信機で時刻を決定し、かつ第2のSPS衛星に対する推定擬似距離によって決定された距離の前記第2のSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索し、前記推定擬似距離が、前記SPS受信機の近似位置および衛星位置データおよび前記時刻からから決定される衛星位置決めシステム(SPS)受信機。
【請求項72】
前記プロセッサに結合される通信システムをさらに含み、前記通信システムが前記近似位置を前記プロセッサに供給する請求項71記載のSPS受信機。
【請求項73】
前記プロセッサに結合されるセルベース通信システムをさらに含み、前記セルベース通信システムが、前記推定擬似距離を受信し、かつ前記推定擬似距離を前記プロセッサに供給する請求項71記載のSPS受信機。
【請求項74】
前記推定擬似距離が、前記近似位置および前記SPS衛星の衛星位置から決定される請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記推定擬似距離が、前記SPS衛星に対する予め決定された擬似距離に基づかない請求項73記載の方法。
【請求項76】
前記衛星位置データが、(a)SPS衛星あるいは(b)セルベース通信システムの中の1つである外部源から受信され、かつ前記時刻がセルベース通信システムの通信信号から決定される請求項72記載のSPS受信機。
【請求項77】
前記プロセッサが、前記他のSPS衛星に対する他の推定擬似距離によって決定された距離にある他のSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索し、前記推定擬似距離が前記SPS受信機の前記近似位置から決定される請求項76記載のSPS受信機。
【請求項78】
前記SPS受信機が、SPS信号を得るために整合ファイルを使用する請求項49記載の方法。
【請求項79】
前記SPS受信機が、セルベース通信システムの通信信号から前記時刻を決定する請求項49記載の方法。
【請求項80】
前記セルベース通信システムが、CDMA(符号分割多元接続)システムを含む請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記通信信号が、時刻メッセージあるいは一連の時間パルスの1つである請求項79記載の方法。
【請求項82】
前記天体暦データのセットが、(a)SPS受信機の基準ネットワーク、(b)前記SPS受信機と通信しているセルサイトのSPS基準受信機、あるいは(c)前記SPS受信機によってSPS衛星からSPS信号の中の少なくとも1つから受信される請求項51の方法。
【請求項83】
前記天体位置推算表データのセットが、(a)SPS受信機の基準ネットワーク、(b)前記SPS受信機と通信しているセルサイトのSPS基準受信機、あるいは(c)前記SPS受信機によってSPS衛星からのSPS信号の中の少なくとも1つから受信される請求項53の方法。
【請求項84】
衛星位置決めシステム(SPS)受信機の衛星位置決めシステム(SPS)信号を得る探索時間を減少させる方法であって、 前記SPS受信機で時刻を決定し、 推定距離対時間の数学的記述のセットを得、前記推定距離が、前記SPS受信機から前記SPS受信機によって見ることができる前記SPS衛星までであり、 少なくとも1つのSPS衛星に対する推定擬似距離を決定し、前記推定擬似距離が、前記時刻および前記数学的記述のセットから決定され、 前記推定擬似距離によって決定された距離の前記SPS衛星からSPS信号の到達時間を探索することを含む方法。
【請求項85】
前記数学的記述のセットが外部源から受信される請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記探索時間が、前記SPS信号を最初に得るためのものであり、かつ前記推定擬似距離が、前記SPS衛星からのSPS信号の推定到達時間あるいは前記SPS受信機から前記SPS衛星までの推定距離の中の1つであり、かつ前記探索が前記推定擬似距離によって決定された時間間隔にわたっている請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記距離が、前記時刻および前記数学的記述のセットの少なくとも1つに関連したエラーに基づいている請求項85の方法。
【請求項88】
第1のSPS衛星に対する第1の擬似距離を決定することをさらに含み、かつ前記推定擬似距離が、前記第1の擬似距離からも決定され、かつ前記時刻が近似である請求項85記載の方法。
【請求項89】
前記数学的近似のセットが、セルベース情報源から得られた前記SPS受信機の近似位置を使用する請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記近似位置が、前記セルベース情報源から前記SPS受信機で受信される請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記セルベース情報源が位置探知サーバに結合され、かつ前記近似位置が、セルベース通信システムのセル対象物の位置を示す請求項89記載の方法。
【請求項92】
前記セル対象物が、前記セルベース通信システムの無線セルサイトである請求項91記載の方法。
【請求項93】
前記位置探知サーバが、前記SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記近似位置を前記セルベース情報源から決定する請求項91記載の方法。
【請求項94】
前記位置探知サーバが、前記数学的記述のセットを決定し、かつ前記数学的記述のセットを前記SPS受信機に送信させる請求項93記載の方法。
【請求項95】
高精度搬送波信号を前記高精度搬送波信号を供給する供給源から受信し、 前記高精度搬送波信号に自動的にロックし、かつ記述信号を供給し、 局部発振器信号を供給し、SPS信号を得るために前記基準信号を使用することを含む請求項85記載の方法。
【請求項96】
前記時刻が前記SPS信号のフレーム時間内に対して正確である請求項85記載の方法。
【請求項97】
SPS信号を受信するように構成されるSPSアンテナと、 前記SPSアンテナに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、SPS受信機で時刻を決定し、かつ前記SPS衛星の推定擬似距離によって決定された距離にあるSPS衛星からのSPS信号の到達時間を探索し、前記推定擬似距離が、前記時刻および推定距離対時間の数学的記述のセットから決定され、前記推定距離が、前記SPS受信機から前記SPS受信機によって見ることができる前記SPS衛星までである衛星位置決めシステム(SPS)受信機。
【請求項98】
前記プロセッサに結合される通信システムをさらに含み、前記通信システムが、前記数学的記述のセットを受信し、かつ前記数学的記述のセットを前記プロセッサに供給する請求項97記載のSPS受信機。
【請求項99】
前記プロセッサに結合されるセルベース通信システムをさらに含み、前記セルベース通信システムが、前記時刻を指定するメッセージを受信し、かつ前記時刻を前記プロセッサに供給する請求項97記載のSPS受信機。
【請求項100】
前記時刻が10分以内の近似である場合、前記プロセッサが第1のSPS衛星の第1の擬似距離を決定し、かつ前記推定擬似距離が第1の擬似距離からも決定される請求項97記載のSPS受信機。
【請求項101】
前記推定擬似距離が、前記SPS衛星からのSPS信号の推定到達時間あるいは前記SPS受信機から前記SPS衛星までの推定距離の中の1つである請求項97記載のSPS受信機。
【請求項102】
前記プロセッサが前記探索を実行する整合フィルタを含む請求項97記載のSPS受信機。
【請求項103】
通信インタフェースと、記憶装置と、前記記憶装置および前記通信インタフェースに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサが、前記通信インタフェースを通して前記ディジタル処理システムと通信できる移動衛星位置決めシステム(SPS)受信機の近似位置を決定し、かつ前記プロセッサが、推定距離対時間の数学的記述のセットを決定し、前記推定距離が、前記SPS受信機から前記SPS受信機によって見ることができる前記SPS衛星までであり、前記数学的式のセットが前記近似位置から決定され、かつ前記数学的式のセットが前記通信インタフェースを通して前記移動SPS受信機に送信されるディジタル処理システム。
【請求項104】
前記近似位置が、前記記憶装置に記憶されたセルベース情報源から得られる請求項103記載のディジタル処理システム。
【請求項105】
前記セルベース情報源が、無線セルベース通信システムのセルの対象物のための近似位置情報を供給する請求項104記載のディジタル処理システム。
【請求項106】
前記近似位置が、無線セルベース通信システムのセル対象物の位置を示す請求項104記載のディジタル処理システム。
【請求項107】
前記セル対象物が前記無線セルベース通信システムの無線セルサイトである請求項106記載のディジタル処理システム。
【請求項108】
前記近似位置が、前記移動SPS受信機に結合される無線通信システムと無線通信している無線セルサイトの識別を決定することによって前記セルベース情報源から決定される請求項106記載のディジタル処理システム。
【請求項109】
データ処理システムによって実行されるとき、 移動衛星位置決めシステム(SPS)受信機の近似位置を決定し、 推定距離対時間の数学的記述のセットを決定し、前記推定距離が、前記SPS受信機から前記SPS受信機によって見ることができるSPS衛星までであり、前記数学的記述のセットが前記近似位置から決定され、 前記数学的記述のセットを前記移動SPS受信機に送信することを含む方法を前記データ処理システムに実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項110】
前記数学的記述のセットが、SPS衛星に対する推定距離および時間にわたる前記推定距離の変化率を含む請求項84記載の方法。
【請求項111】
前記数学的記述のセットが時間の多項関数を含む請求項84記載の方法。
【請求項112】
前記SPS受信機が、SPS信号を探索するために整合フィルタを使用する請求項84記載の方法。
【請求項113】
前記SPS受信機が、セルベース通信システムの通信信号から前記時刻を決定する請求項84記載の方法。
【請求項114】
前記セルベース通信システムが、CDMA(符号分割多元接続)システムを含む請求項113記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−163563(P2012−163563A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−23280(P2012−23280)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【分割の表示】特願2000−588618(P2000−588618)の分割
【原出願日】平成11年7月15日(1999.7.15)
【出願人】(500480274)スナップトラック・インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】