説明

衛星位置決め基準システムおよび方法

【課題】衛星位置決め基準システムおよび方法
【解決手段】特定のSPS基準受信機の視界内のSPS衛星から受信された天体暦データ。複数のディジタル処理システムは、通信ネットワークに結合され、該通信ネットワークを介して送信される天体暦データを受信する。ディジタル処理システムは、SPS移動受信機から擬似距離データを受信し、SPS移動受信機の位置情報を、擬似距離データの表現および通信ネットワークから受信された天体暦データから計算する。ディジタル処理システムは、通信ネットワークから複数の擬似距離訂正データも受信し、これらの訂正データを擬似距離データを訂正するために用いて、該擬似距離データの表現を提供する。本発明のこの例の一実施形態では、複数の移動SPS受信機は通信するように結合される。

【発明の詳細な説明】
【関連技術】
【0001】
本出願は、Norman F.Krasnerによって1997年4月15日に出願された米国特許出願第08/842,559号の一部継続出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は、基準受信機を使用する衛星位置システム、より詳細には衛星位置決めシステム用基準受信機のネットワークに関するものである。
【背景技術】
【0003】
米国グローバル位置決めシステム(GPS)のような従来の衛星位置決めシステム(SPS)は、その位置を決定するために複数の衛星からの信号を使用する。従来のGPS受信機は、地球を軌道飛行している複数のGPS衛星から同時に送信される信号の相対到達時間を計算することによってその位置を通常決定する。各衛星は、そのナビゲーションメッセージの一部として、衛星位置決めデータならびに所定の時間にその位置およびクロック状態を特定するクロックタイミングのデータの両方を送信する。すなわち、GPSナビゲーションメッセージのサブフレーム1〜3に検出されたこのデータはしばしば衛星クロックおよび天体暦データ(ephmeris data)と呼ばれ、衛星天体暦データと呼ばれるであろう。従来のGPS受信機は、一般的には、GPS信号を探索し、取得し、そのそれぞれの衛星に対して衛星天体暦データ (satellite ephemeris data)を得るために各信号からナビゲーションメッセージを読み取り、これらの複数の衛星に対する複数の擬似距離(pseudorange)を決定し、GPS受信機の位置を前記複数の擬似距離からおよび複数の衛星からの衛星天体暦データを計算する。
【0004】
改良された位置精度は、差分(differential)GPSと呼ばれる周知および従来の技術を使用することによって得ることができる。従来の差分GPSの場合、単一差分基準局は複数の差分GPS訂正データをローカル地域のユーザに同報通信する。したがって、一般的には従来の差分GPSシステムに関して3つの主要構成要素がある。第1の構成要素は、通常視界内の全衛星を観察できる既知の位置のGPS受信機および任意には複数の擬似距離訂正データを計算し、特定の同報通信フォーマットに対して複数の擬似距離訂正データを符号化するためにGPS受信機に埋め込み(imbedded)ができる基準局のソフトウェアを有する既知位置の基準局である。他の構成要素は、実時間の複数の差分訂正データを移動GPS受信機に送信する無線リンクである。第3の構成要素は、基準局から同報通信される複数の差分訂正データを受信する受信機も含む。
【0005】
複数の差分GPS訂正データは、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号の中の信号の相対到達時間を計算することによって得られる擬似距離データを訂正するために従来のように移動GPS受信機によって使用される。従来の差分GPSは、これはよくあることであるけれども、実時間で作動するかあるいは複数の訂正データを移動GPS受信機に供給してはならない。特許および非特許文献の両方に記載されている差分GPSには多数の改良点がある。これらのいろいろの改良点は、差分訂正データ計算およびアプリケーションアルゴリズムならびに複数の差分訂正データを供給する方法に集中している。複数の差分訂正データは、大部分は測定領域(擬似距離、累算デルタ距離、および距離レート(range-rate)誤差概算値)にある。
【0006】
基準受信機および関与移動GPS受信機の両方が互いに非常に接近している場合、従来の差分GPSには著しい位置精度改良がある。しかしながら、差分GPSからの精度改良は、2つの受信機間の分離距離が増加するにつれて悪化する。この精度の悪化を取り除く1つの解決策は、移動GPS受信機が、同じ衛星のセットを見る傾向があるように作動してもよいエリアと一致するエリアカバレージを与えるように地理的エリアにわたって分散されるGPS基準受信機のネットワークを備えることにある。この例では、移動GPS受信機は、2つ以上の差分基準局から複数の差分訂正データを受信でき、移動GPS受信機は、移動GPS受信機と2つあるいはそれ以上の基準局との間での相対接近に基づいて視界内の複数の衛星に対するこれらの複数の差分訂正データを選択できる。差分GPSシステムの複数の基準局の使用は時には広域差分GPS(WADGPS)と呼ばれる。
【0007】
他の形式のWADGPS基準システムは、GPS基準受信機のネットワークおよびその測定値を受信し、基準局によって観察される複数の各GPS衛星に対する合体される天体暦およびクロック訂正概算のセットを計算するために基準局と通信している主局とを含む。次に、この主局は、送信機によって延長された範囲にわたって適用可能である複数の訂正データを有する差分GPSメッセージを供給できる。このような広域差分GPS基準システムの例は、米国特許第5,323,322号および米国特許第5,621,646号に記載されている広域差分GPS基準システムを含んでいる。
【0008】
特定の差分基準システムのカバレージとは無関係に、差分GPSシステムの主要目的は、エラーをGPS測定値あるいは測定値誘導解決策から除去するために移動GPS受信機に役立つ差分サービスを提供することにある。ネットワークが除去しようと試みるGPSシステムエラーは、基準局数、その空間配置および中央処理機構で実行されるアルゴリズムの複雑化の関数である。差分ネットワークの二次機能は、測定値領域および状態空間領域でいろいろのチェックを実行することによって差分サービスに対する統合性および信頼性を提供することにある。
【0009】
前述のシステムは改良された精度を移動GPS受信機に提供するが、これらのシステムは、移動GPS受信機がクライアントシステムのような機能を果たし、移動GPS受信機から得られた複数の擬似距離および天体暦データを使用することによって位置解決策のための計算を完了する離隔して設けられた位置決め用サーバに擬似距離測定値を提供する、クライアント/サーバGPSアーキテクチャと両立しない。本発明は、位置決め用サーバの位置決めの柔軟性を可能にする改良された方法および装置を提供し、クライアント/サーバシステムにも改良された効率およびコストをもたらす。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、衛星位置決めシステム基準システムのための方法および装置を提供する。
【0011】
本発明の一つの概要では、典型的な方法は、少なくとも2つのSPS基準受信機を使用することによって衛星位置情報を処理する。この方法によれば、第1のディジタル処理システムは、第1の既知位置を有する第1のSPS基準受信機から第1の衛星天体暦データを受信する。第1のディジタル処理システムは、第2の既知位置を有する第2のSPS基準受信機から第2の衛星天体暦データも受信する。第1のディジタル処理システムは、移動SPS受信機から複数の擬似距離データをさらに受信する。次に、第1のディジタル処理システムは、一般的には、複数の擬似距離データと第1の衛星天体暦データおよび第2の衛星天体暦データの少なくとも1つを使用して移動SPS受信機の位置情報(例えば、緯度および経度ならびに高度)を計算する。本発明の一つの特定の実施形態では、第1の衛星天体暦データおよび第2の衛星天体暦データは、2つの基準受信機の視界内の複数の衛星から、第1のSPS基準受信機および第2のSPS基準受信機からそれぞれ受信された「未使用」50bps衛星ナビゲーションメッセージのサブセットである。1つの例では、この衛星ナビゲーションメッセージは、基準受信機によって受信され、復号化され、第1のディジタル処理システムに実時間あるいは近実時間に送信されたGPS信号に符号化された50ビット/秒のデータメッセージであってもよい。
【0012】
本発明の他の態様によれば、衛星位置情報を処理するシステムは、各々が既知位置を有する複数の衛星位置決めシステム(SPS)基準受信機を含んでいる。このシステムは複数のディジタル処理システムも含んでいる。複数のSPS基準受信機は、地理的な地域にわたって分散され、各々がそれぞれのSPS基準受信機の視界内の複数の衛星からの衛星天体暦データを受信する。複数のSPS受信機の各々は、受信する衛星天体暦データを通信ネットワークに送信する。このシステムは、その各々が通信ネットワークによって送信された衛星天体暦データの少なくともいくつかを受信するように通信ネットワークに結合される複数のディジタル処理システムも含んでいる。一つの実施形態では、少なくとも2つのこのようなディジタル処理システムがある。第1のディジタル処理システムは、第1の複数の擬似距離を第1の移動SPS受信機から受信し、第1の移動SPS受信機の第1の位置情報(例えば、緯度および経度)を第1の複数の擬似距離データおよび通信ネットワークから受信された衛星天体暦データから計算する。一般的には、第1のディジタル処理システムは、第1の移動SPS受信機が見える所にある少なくともこれらの複数の衛星のための適切な衛星天体暦データをネットワークから選択的に受信する。第2のディジタル処理システムは、第2の複数の擬似距離データを第2の移動SPS受信機から受信し、第2の移動SPS受信機の第2の位置情報を第2の複数の擬似距離データおよび通信ネットワークから受信された衛星天体暦データから計算する。本発明の1つの例では、第2のディジタル処理システムは、第2の移動SPS受信機が見える所のこれらの複数の衛星のための適切な衛星天体暦データをネットワークから選択的に受信する。本発明の他の例では、第1および第2のディジタル処理システム各々は、ネットワークを考慮している最も最新の衛星天体暦データをネットワークから受信する。
【0013】
本発明の一つの他の実施形態では、他のディジタル処理システムは、基準受信機から測定値(例えば複数の差分訂正データ)を受信し、複数のネットワーク差分訂正データのセットを生成するために通信ネットワークに結合されてもよい。本発明のいろいろの他の態様および実施形態は下記にさらに後述される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】その各々がセルサイトによってサービスされ、その各々が時には移動交換センタと呼ばれるセルベース交換センタに結合される、複数のセルを有する第一のセルベース通信システムを示す概略図。
【図2】本発明の一実施形態による位置決定用サーバシステムの実行を示す概略図。
【図3】本発明の一実施形態による結合されたSPS受信機および通信システムの例を示す概略図、および本発明の一実施形態によるGPS基準局の例を示す概略図。
【図4】本発明の一実施形態によるSPS基準受信機ネットワークを示す概略図。
【図5】本発明の一実施形態による方法を示すフローチャート。
【図6】本発明による基準受信機ネットワークの一実施形態に使用されてもよいネットワーク訂正プロセッサのためのデータフローを示す概略図。
【図7】本発明の一実施形態による位置決定用サーバに関連したデータフローの例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、同じ参照番号は同じ要素を示す添付図面の図において限定ではなく例示により示されている。
本発明は、後述される方法でディジタル処理システムによる使用のための衛星天体暦データのような衛星ナビゲーションメッセージの少なくとも一部を供給するSPS基準受信機のネットワークを提供する。この基準システムに関するいろいろの詳細を説明する前に、この基準受信機が一般的に使用される状況を説明することは有用である。したがって、図1、図2および図3のAを参照する予備論議は、本発明のシステムのSPS基準受信機のネットワークを論議する前に行われる。
【0016】
図1は、複数のセルサイトを含み、その各々が特定の地理的な地域あるいは位置にサービスするように設計されたセルベース通信システム10の例を示している。セルベース電話システムのようなこのようなセルラベースあるいはセルベース通信システムの例は当該技術分野で周知である。第一のセルベース通信システム10は、その両方がセルラサービスエリア11内にあるように規定される2つのセル12および14を含んでいる。さらに、システム10はセル18および20を含んでいる。対応するセルサイトおよび/またはセルラサービスエリアを有する複数の他のセルは、セルラ交換センタ24およびセルラ交換センタ24bのような1つあるいはそれ以上のセルラ交換センタに結合されシステム10にも含めてもよいことが分かる。
【0017】
セル12のような各セル内で、図1に示される受信機16のような移動GPS受信機と結合されてもよい通信受信機と無線通信媒体によって通信するように設計されるアンテナ13aを含むセルサイト13のような無線セルあるいはセルラサイトがある。GPS受信機および通信システムを有するこのような結合システムの例は、図3のAに示され、GPSアンテナ77および通信システムアンテナ79の両方を含んでもよい。
【0018】
各セルサイトはセルラ交換センタに結合されている。図1では、セルサイト13、15、および19は、結線13b、15bおよび19bそれぞれによって交換センタ24に結合され、セルサイト21は結線21bによって異なる交換センタ24bに結合される。これらの結線は、一般的には、それぞれのセルサイトとセルラ交換センタ24および24bとの間のワイヤ線結線である。各セルサイトは、セルサイトによってサービスされる通信システムと通信するアンテナを含む。1つの例では、セルサイトは、セルサイトによってサービスされるエリアの移動セルラ電話と通信するセルラ電話セルサイトであってもよい。セル4に示された受信機22のような1つのセル内の通信システムは、実際のところ、妨害(あるいはセルサイト21が受信機22と通信できない他の理由)のためにセル18のセルサイト19と通信してもよいことが分かる。
【0019】
本発明の典型的な実施形態では、移動GPS受信機16は、GPS受信機および通信システムの両方が同じハウジングの中に閉囲されるようにGPS受信機と統合されるセルベース通信システムを含む。これの1つの例は、セルラ電話トランシーバと共通回路を共有する統合GPS受信機を有するセルラ電話である。この結合システムがセルラ電話通信のために使用される場合、送信が受信機16とセルサイト13との間に生じる。次に、受信機16からセルサイト13への送信は、結線13bを介してセルラ交換センタ24に、次にセルラ交換センタ24によってサービスされるセルの他のセルラ電話あるいは結線30(一般的には配線)による地上電話システム/ネットワーク28を介する他の電話のいずれかに伝搬される。配線という用語は、光ファイバおよび銅ケーブル布線等のような他の非無線結線を含んでいることが分かる。受信機16と通信する他の電話からの送信は、セルラ交換センタ24から結線13bおよびセルサイト13によって従来のように伝達され、受信機16に戻される。
【0020】
遠隔データ処理システム26(いくつかの実施形態では、GPSサーバあるいは位置決定用サーバと呼ばれてもよい)は、システム10に含められ、GPS受信機によって受信されたGPS信号を使用して移動GPS受信機(例えば受信機16)の状態(例えば、位置および/または速度および/または時間)を決定するために使用される。GPSサーバ26は、結線27によって地上電話システム/ネットワーク28に結合されてもよく、任意には結線25によってセルラ交換センタ24にも結線されてもよく、任意には結線25bによってセンタ24bにも結線されてもよい。結線25および27が無線であってもよいけれども、結線25および27は一般的には配線接続であることが分かる。ネットワーク28によってGPSサーバ26に結合される他のコンピュータシステムからなってもよい照会端末29は、システム10の任意の構成要素として示される。この照会端末29は、セルの中の1つの特定のGPS受信機の位置および/または速度に対するリクエストをGPSサーバ26に送信してもよい。次に、GPSサーバ26は、GPS受信機の位置および/または速度を決定し、要求された情報を報告し、照会端末29に戻すためにセルラ交換センタを介して特定のGPS受信機との会話を始める。他の実施形態では、GPS受信機のための位置決定は、移動GPS受信機の使用によって開始されてもよい。例えば、移動GPS受信機の使用は、移動GPS受信機の位置の緊急状況を示すためにセル電話の911を押してもよい。これはここに示されているように位置処理を開始してもよい。
【0021】
セルラベースあるいは第一のセルベース通信システムが、その各々が任意の瞬時に予め規定される異なる地理的エリアに役立つ2つ以上の送信機を有する通信システムであることに注目されるべきである。一般的には、カバーされるエリアは特定のセルラシステムによって決まるけれども、各送信機は、20マイル未満の地理的半径を有するセルに役立つ無線送信機である。セルラ電話、PCS(パーソナル通信システム)、SMR(専用移動無線)、片方向および両方向ページャシステム、RAM、ARDIS、および無線パケットデータシステムのような多数の種類の通信システムがある。一般的には、予め規定された地理的エリアはセルと呼ばれ、複数のセルは、図1に示されるセルラサービスエリア11のようなセルラサービスエリアに一つにまとめられ、これらの複数のセルラは、地上電話システムおよび/またはネットワークへの接続を行う1つあるいはそれ以上のセルラ交換センタに結合される。サービスエリアはしばしば課金目的のために使用される。したがって、それは2つ以上のサービスエリアのセルが1つの交換センタに接続される場合であってもよい。例えば、図1では、セル1および2はサービスエリア11にあり、セル3はサービスエリア13にあるが、全て3つは交換センタ24に接続される。一方、時には1つのサービスエリア内のセルは特に人口が密集した地域では異なる交換センタに接続される。一般に、サービスエリアは、その中で互いに非常に地理的に接近しているセルの集合体と定義される。上記の説明に一致する他の種類のセルラシステムのクラスは、セルラ基地局あるいはセルサイトが一般的には地球を軌道飛行している複数の衛星である場合、衛星ベースである。これらのシステムでは、セルセクタおよびサービスエリアが時間の関数として移動する。このようなシステムの例は、イリジウム(Iridium)、グローバルスター(Globalstar)、オルブコム(Orbcomm)およびオデッセイ(Odyssey)を含んでいる。
【0022】
図2は、図1のGPSサーバ26として使用されてもよいGPSサーバ50の例を示している。図2のGPSサーバ50は、フォールトトレラントディジタルコンピュータであってもよいデータ処理装置51を含んでいる。SPSサーバ50は、モデムあるいは他の通信インタフェース52およびモデムあるいは他の通信システム53ならびにモデムあるいは他の通信インタフェース54も含んでいる。これらの通信インタフェースは、ネットワーク60、62および64として示される3つの異なるネットワーク間で図2に示された位置決定用サーバへおよびこの位置決定用サーバからの情報の交換のための結合性を与える。このネットワーク60は、セルラ交換センタおよび/または地上電話システムスイッチあるいはセルサイトを含んでいる。ネットワークの例は、図1に示され、そこにGPSサーバ26が図6のサーバ50を示している。したがって、ネットワーク60は、セルラ交換センタ24および24bおよび地上電話システム/ネットワーク28およびセルラサービスエリア11ならびにセル18および20を含むとみなされてもよい。ネットワーク64は、図1の照会端末29あるいは一般的には911緊急電話呼び出しに応答する制御センタである公衆安全応答ポイントである「PSAP」を含むとみなされてもよい。照会端末29の場合、この端末は、セルベース通信システムのいろいろのセルにある指定移動SPS受信機からの情報の状態(例えば、位置)を得るためにサーバ26に照会するために使用されてもよい。この例では、位置決め動作は移動GPS受信機のユーザ以外の誰かによって開始される。セルラ電話を含む移動GPS受信機からの911電話呼び出しの場合、位置決め処理はセルラ電話のユーザによって開始される。図1のGPS基準ネットワーク32を示すネットワーク62は、差分GPS訂正情報を供給し、衛星天体暦データのような衛星ナビゲーションメッセージの少なくとも一部を含むGPS信号データをデータ処理装置にも供給するように設計されるGPS基準受信機であるGPS受信機のネットワークである。サーバ50が非常に大きな地理的地域にサービスする場合、任意のGPS受信機56のようなローカルの任意のGPS受信機は、この地域中の移動SPS受信機の視界内の全GPS衛星を観察できなくてもよい。したがって、ネットワーク62は、本発明の一実施形態による広い地域にわたる衛星天体暦データおよび差分GPS訂正データのような衛星ナビゲーションメッセージの少なくとも一部を収集し、供給する。
【0023】
図6に示されるように、大容量(mass)記憶装置55はデータ処理装置51に結合される。一般的には、大容量記憶部55は、図1の受信機16のような移動GPS受信機から複数の擬似距離を受信後のGPS位置計算を実行するソフトウェアおよびデータのための記憶部を含んでいる。これらの複数の擬似距離は、通常セルサイトおよびセルラ交換センタならびにモデムあるいは他のインタフェース53を介して受信される。大容量記憶装置55は、少なくとも一実施形態では、モデムあるいは他のインタフェース54によってGPS基準ネットワーク32を介して供給される衛星天体暦データを受信し、使用するために使用されるソフトウェアも含む。
【0024】
本発明の典型的な実施形態では、図1のGPS基準ネットワーク32(図2のネットワーク62として示される)がGPS基準ネットワークのいろいろの基準受信機が見える所の複数の衛星から未使用衛星ナビゲーションメッセージを供給すると同様に差分GPS情報を供給するので、任意のGPS受信機56は、必要ない。モデムあるいは他のインタフェース54を介してネットワークから得られた衛星天体暦データは移動GPS受信機のための位置情報を計算するために移動GPS受信機から得られた複数の擬似距離で従来のように使用されてもよいことが分かる。インタフェース52、53、および54は各々、データ処理装置をネットワーク64の場合のように他のコンピュータシステムに、ネットワーク60の場合のようにセルラベース通信システムに、ネットワーク62のコンピュータシステムのように送信装置に結合するモデムあるいは他の適当な通信インタフェースであってもよい。1つの実施形態では、ネットワーク62は地理的地域にわたって分散されるGPS基準受信機の分散集合体を含むことが分かる。
【0025】
図3のAは、GPS受信機および通信システムトランシーバを含む一般化結合システムを示している。1つの例において、この通信システムトランシーバはセルラ電話である。このシステム75は、GPSアンテナを有するGPS受信機76および通信アンテナ79を有する通信トランシーバ78を含む。GPS受信機76は、図3のAに示された結線80によって通信トランシーバ78に結合される。1つの動作モードでは、通信システムトランシーバ78は、アンテナ79によって近似(approximate)ドップラー情報を受信し、この近似ドップラー情報をリンク80を介してGPSアンテナ77によって複数のGPS衛星からGPS信号を受信することによって擬似距離決定を実行するGPS受信機76に供給する。次に、この擬似距離は、通信システム受信機78によって図1に示されたGPSサーバのような位置決定用サーバに送信される。一般的には、通信システムトランシーバ78は、アンテナ79を介して信号をセルサイトへ送信し、セルサイトはその後、図1のGPSサーバ26のようなGPSサーバへこの情報を転送し戻す。システム75のためのいろいろの実施形態の例は当該技術で公知である。例えば、米国特許第5,663,734号は、改良されたGPS受信機システムを使用する結合されたGPS受信機および通信システムの例を記載している。結合されたGPSおよび通信システムの他の例は、1996年5月23日に出願された同時係属の出願第08/652,833号に記載されている。図3のAのシステム75ならびにSPS受信機を有する多数の他の通信システムは、本発明のGPS基準ネットワークで作動させるために本発明の方法とともに使用されてもよい。
【0026】
図3のBはGPS基準局のための1つの実施形態を示している。各基準局がこのように構成され、通信ネットワークあるいは媒体に結合されてもよいことが分かる。一般的には、図3のBのGPS基準局90のような各GPS基準局は、GPSアンテナ91に結合され、アンテナ91が見える所の複数のGPS衛星からGPS信号を受信する単一あるいは双対周波数GPS基準受信機92を含む。GPS基準受信機は当該技術で周知である。本発明の一実施形態によるGPS基準受信機92は、受信機92からの出力として少なくとも2つの種類の情報を供給する。擬似距離出力93は、プロセッサおよびネットワークインタフェース95に供給され、これらの擬似距離出力は、GPSアンテナ91が見える所のこれらの複数の衛星のための複数の擬似距離訂正データを従来のように計算するために使用される。プロセッサおよびネットワークインタフェース95は、当該技術で周知であるようなGPS基準受信機からデータを受信するインタフェースを有する従来のディジタルコンピュータシステムであってもよい。プロセッサ95は、一般的には、GPSアンテナ91が見える所の各衛星に対する適切な擬似距離訂正データを決定するために擬似距離データを処理するように設計されたソフトウェアを含む。次に、これらの複数の擬似距離訂正データ(および/または擬似距離データ出力)は、ネットワークインタフェースを介して他のGPS基準局にも結合される通信ネットワークあるいは媒体96に送信される。GPS基準受信機92は、一実施形態では、衛星天体暦データ出力94のような衛星ナビゲーションメッセージの少なくとも一部の表示も行う。このデータは、次にこのデータを通信ネットワーク96上に送信するプロセッサ・ネットワークインタフェース95に供給される。
【0027】
一実施形態では、全衛星ナビゲーションメッセージは、通常の速度よりも高速度で各基準受信機からネットワークに送信される。ある従来のGPS受信機は、6秒毎に1度未使用(ディジタル)ナビゲーションメッセージデータを出力できる(これは通常の速度であると見なされうる)。例えば、あるNovAtelGPS受信機がこの機能を有する。これらの受信機は、ナビゲーションメッセージの1サブフレームのディジタルデータ(標準GPS信号の場合300ビット)をバッファに集め、次に、バッファのデータを(300ビットの全サブフレームのバッファリング後)6秒毎に1度シフトアウトすることによって受信機の出力にこのデータを供給する。しかしながら、本発明の一実施形態では、ディジタルナビゲーションメッセージの表示の少なくとも一部は、600ミリ秒毎に1度の割合でネットワークに送信される。この高いデータ速度は、1997年2月3日に出願された同時係属米国特許出願第08/794,649号に記載されているような時間を測定する方法を実行できる。本発明のこの実施形態では、ナビゲーションメッセージの一部は、サブフレームの一部(例えば、30ビット)だけをバッファに集め、一旦この一部が集められると、この部分をシフトアウトすることによって600ミリ秒毎に1度ネットワークに送信される。したがって、プロセッサ95からネットワークに送信されるデータのパケットは、(300ビットの)1全サブフレームのバッファから作成されるパケットに供給できるものよりもより小さいナビゲーションメッセージの一部を有する。一旦バッファがサブフレームの一部(例えば、30ビット)を集めると、このデータは本発明のネットワークを介して非常に高いデータ速度(例えば512Kbps)で送信されるパケットにシフトアウトされてもよい。次に、これらのパケット(全サブフレームよりも少なく含む)は、データをいくつかのパケットから抽出し、連結し、全サブフレームを再作成することによって受信ディジタル処理システムで再組み立てされる。
【0028】
本発明の一実施形態では、各GPS基準局は、(擬似距離訂正データよりもむしろ)衛星ナビゲーションメッセージおよび擬似距離データの少なくとも一部の表示を送信する。擬似距離訂正データは、特定の衛星のための擬似距離および天体暦情報から得ることができる。したがって、GPS基準局は、擬似距離訂正データあるいは天体暦のいずれか(あるいは両方)をネットワークに送信してもよい。しかしながら、好ましい実施形態では、異なる受信機からの複数の訂正データが異なる天体暦データセットから得ることができ、異なる受信機からの複数の訂正データの不一致を生じるために(擬似距離訂正データの代わりに)擬似距離データは、各GPS基準局からネットワークに送信される。この好ましい実施形態に関して、中央訂正プロセッサ(例えば、図4に示されたネットワーク訂正プロセッサ110)は、GPS基準受信機のいずれから受信された最も最新の一貫した天体暦データセットを使用するので、これらの不一致を避ける。このセットは、天体暦、距離測定値(例えば複数の擬似距離)および/または1つの特定の瞬時に利用可能である複数の衛星からの複数の訂正データからなるために一貫している。各セットの利用可能性の時間が重なる限り、セットはデータの他のセットと合体されてもよい。
【0029】
図3のBに戻って参照すると、衛星天体暦データ出力94は、一般的には各GPS衛星から受信される実際のGPS信号に符号化された全未使用50ボーナビゲーション2進データの少なくとも一部を供給する。衛星天体暦データは、複数のGPS衛星からのGPS信号の50ビット/秒データストリームとして同報通信され、GPSICD−200文献に非常に詳細に述べられている。プロセッサ・ネットワークインタフェース95は、この衛星天体暦データ出力94を受信し、実時間あるいは近実時間で通信ネットワーク96に送信する。後述されるように、通信ネットワークに送信されるこの衛星天体暦データは、本発明の態様によるいろいろの位置決定用サーバでネットワークを介して後で受信される。
【0030】
本発明のある実施形態では、衛星ナビゲーションメッセージのあるセグメントだけは、ネットワークインタフェースおよび通信ネットワークに対するバンド幅要求を低くするために位置決定用サーバに送信されてもよい。さらに、このデータは、連続して供給される必要がないかもしれない。例えば、全て5つのサブフレームよりもむしろ天体暦情報を含む第1の3つのサブフレームだけが一緒に、更新情報を含む場合、通信ネットワーク96に送信されてもよい。本発明の一実施形態では、位置決定用サーバは、Norman F.Krasnerによって1997年2月3日に出願された同時係属の米国特許第08/794,649号に記載された方法のような衛星データメッセージに関連した時間を測定する方法を実行するために1つあるいはそれ以上のGPS基準受信機から送信されたナビゲーションメッセージデータを使用してもよいことが分かる。GPS基準受信機92は、衛星天体暦データを含む2進データ出力94を供給するために基準受信機92が視界内の所の異なる複数のGPS衛星からの異なるGPS信号を復号化したことも分かる。
【0031】
一般的には、データのパケットは、特定の位置決定用サーバにアドレス指定されなくて、ナビゲーションメッセージの一部を含み、データがどの衛星から受信されたかの識別子を含む。いくつかの実施形態では、パケットは送信基準局の識別子(identifier)も指定してもよい。いくつかの実施形態では、任意のGPS受信機56は、ローカル位置決定用サーバによって使用されるナビゲーションメッセージデータの主要源であってもよく、本発明のネットワークは要求に応じて情報を供給してもよい。
【0032】
図4は、GPS基準受信機ネットワークの例を示している。図4の例では、全システム101は、図3のBの通信ネットワーク96に対応する通信ネットワークあるいは媒体103に結合される2つの位置決定用サーバ115および117を含んでいる。ネットワーク訂正プロセッサ110および112は通信ネットワーク103にも結合される。5つのGPS基準局104、105、106、107、および108は図4に示されている。これらの基準局の各々は通信ネットワーク103に結合される。GPS基準局104のような各GPS基準局は、図3のBに示された典型的なGPS基準局90に対応し、通信ネットワーク103は、図3のBに示された通信ネットワーク96に対応する。基準局104〜108のようなGPS基準局は移動GPS受信機によっても受信されてもよいGPS信号のための受信機カバレージを与えるために地理的な地域にわたって分散されることが分かる。一般的には、隣接基準局間のこのカバレージは、全地理的な地域が完全にカバーされるように重なる。基準局の全ネットワークに対する地理的な地域は、全世界あるいは都市、州、国家、あるいは大陸のようなその任意のサブセットに及んでもよい。GPS基準局104のような各GPS基準局は、擬似距離訂正データを通信ネットワーク103に供給し、位置決定用サーバ115のようなここに示されているような位置決定用サーバによって使用される未使用ナビゲーションデータメッセージも供給する。後述されるように、位置決定用サーバは、基準局よりも数が少なくてもよいので、広範囲にわたって分離された移動GPS受信機からの擬似距離データを処理する。例えば、1つの位置決定用サーバは、カリフォルニアの移動GPS受信機およびカリフォルニアの基準局からの擬似距離データを処理してもよく、同じ位置決定用サーバは、ニューヨークの移動GPS受信機およびニューヨークの基準局に対する擬似距離データを処理してもよい。したがって、単一位置決定用サーバは、広範囲にわたって分散されてもよい2つあるいはそれ以上の基準局からナビゲーションメッセージを受信してもよい。図4に示されるように、通信ネットワークは、フレームリレーあるいはATMネットワークのようなデータネットワークあるいは他の高速ディジタル通信ネットワークであってもよい。
【0033】
図4は、2つのネットワーク訂正プロセッサ110および112も示している。これらのプロセッサは、1つの実施形態の複数の基準局のための複数の合体ネットワーク訂正データを供給し、電離層データも位置決定用サーバに供給してもよい。ネットワーク訂正プロセッサの1つの実施形態の動作はさらに後述される。一般的には、これらのプロセッサは、複数の擬似距離および同じ利用可能時間を有する天体暦から複数の適切な擬似距離訂正データを決定し、適切な複数の訂正データのセットおよび天体暦データを合体し、同じかあるいは重なる利用可能時間を有する1つのセットにする。次に、合体セットは、ネットワークに結合された位置決定用サーバによって受信するためのネットワークに再送信される。
【0034】
図5のAおよびBは、本発明の1つの実施形態の一つの方法をフローチャート形式で示している。この方法200では、各GPS基準受信機は、特定の基準受信機の視界内の複数のGPS衛星から衛星天体暦データを受信し、衛星天体暦データ(ナビゲーションメッセージ)を図4に示されたパケット化データネットワーク103のような通信ネットワークに送信する。このステップ201の典型的な実施形態では、特定の基準受信機の視界内のGPS衛星からの各GPS信号は、GPS信号にある2進50ビット/秒データストリームを供給するように復号化され、この50ビット/秒データストリームは、実時間あるいは近実時間に通信ネットワークに送信される。他の実施形態では、このデータストリームの一部だけが前述のようなネットワークに送信されてもよい。ステップ203では、各GPS基準受信機は、基準受信機が視界内の所の複数のGPS衛星の複数の擬似距離に対する複数の擬似距離訂正データを決定し、この動作は、図3のBに示されたプロセッサおよびネットワークインタフェース95のようなコントローラコンピュータを使用して従来の方法で実行されてもよい。次に、各GPS基準受信機からのこれらの複数の擬似距離訂正データは、図4の通信ネットワーク96あるいはネットワーク103のような通信ネットワークに送信される。ステップ205では、通信ネットワーク103のような通信ネットワークに結合されるネットワーク訂正プロセッサ110のようなプロセッサは、衛星天体暦データおよび複数の擬似距離訂正データを受信する。ネットワーク訂正プロセッサは、合体(merged)擬似距離訂正データのセットを生成し、後述される他の動作を実行してもよい。次に、これらの合体擬似距離訂正データは、この情報が通信ネットワークにも結合されるいろいろな位置決定用サーバによって受信できるように通信ネットワーク103のような通信ネットワークに送信される。
【0035】
この方法は、第1の位置決定用サーバが衛星天体暦データのようなナビゲーションメッセージの少なくても一部および合体擬似距離訂正データをネットワークから受信するステップ207で続く。したがって、例えば、位置決定用サーバ115は、いろいろのGPS基準局によってネットワークに送信されたナビゲーションメッセージデータを受信できる。このデータは、一般的には、近実時間方法で供給され、一般的には各位置決定用サーバは、2つの基準局およびしばしばより多数の基準局から少なくとも衛星天体暦データを受信する。一般的には、受信衛星ナビゲーションメッセージデータは、衛星クロックおよび天体暦データを供給するように位置決定用サーバによって復号化され、サーバに記憶され、位置決定用サーバは衛星位置およびクロック状態を要求に応じて計算できる。この天体暦データは、この受信機が移動GPS受信機が視界内の所の複数の衛星に複数の擬似距離を与えた後、移動GPS受信機の位置を計算するために使用される。したがって、ステップ209では、第1の位置決定用サーバは、第1の移動GPS受信機から複数の擬似距離を受信し、第1の移動GPS受信機の位置をネットワークから受信された衛星天体暦データおよび第1の移動GPS受信機から発生する複数の擬似距離から決定する。基準局のネットワークの使用によって、位置決定用サーバは、GPS基準受信機ネットワークのカバレージの地域に対応する分散地域にわたる移動GPS受信機の位置を計算できる。したがって、位置決定用サーバにある単一GPS受信機を有し、天体暦データを位置決定用サーバに供給するよりもむしろ、図4に示されるようなGPS基準局の分散ネットワークによって、位置決定用サーバは、広範囲にわたって分散された移動GPS受信機のための位置計算を行うことができる。図4に示されるように、第2の位置決定用サーバは、移動GPS受信機のための位置解法計算を行うために通信ネットワーク103にも結合されてもよい。一つの実施形態では、位置決定用サーバ117は、位置決定用サーバ115が故障した場合、位置決定用サーバ115のための冗長/バックアップサーバであってもよいことが分かる。一般的には、各位置決定用サーバは故障許容性(fault-tolerant)コンピュータシステムである。高データ処理要求が位置決定用サーバによってカバーされる人口が密集した地域のために特定の位置決定用サーバに対して行われうる場合では、いくつかの位置決定用サーバは冗長位置決定用サーバに加えてこの地域に配置されてもよい。ステップ211および213は、本発明の方法での第2の位置決定用サーバの使用を示している。ステップ211では、第2の位置決定用サーバは、衛星天体暦データおよび複数の訂正済擬似距離訂正データを通信ネットワークから受信する。ネットワークから受信された衛星天体暦データは位置決定用サーバ117によってサービスされる対応するエリアの基準局の視界内にあるこれら複数の衛星に対して衛星専有であってもよいことが分かる。これは、特定の位置決定用サーバに対するデータをアドレス指定するためにヘッダパケットあるいは他のアドレス指定データを、基準局から送信された衛星天体暦データおよび複数の訂正済擬似距離訂正データに与えることによって実行されてもよい。ステップ213では、第2の位置決定用サーバは、第2の移動GPS受信機から複数の擬似距離を受信し、第2の移動GPS受信機の状態(例えば、位置)をネットワークから受信された衛星ナビゲーションメッセージデータおよび第2の移動GPS受信機から発生する複数の擬似距離から決定する。
【0036】
図6は、図4のプロセッサ110のようなネットワーク訂正プロセッサに関してデータフローの例を示している。各ネットワーク訂正プロセッサは、複数の基準局からの複数の訂正データを合体し、位置決定用サーバによって使用するためのほぼ同じ利用可能時間を有する単一の訂正データ(および調整値)のセットにする。一つの実施形態では、1つの特定の位置決定用サーバが特定のネットワーク訂正プロセッサからの訂正データを受信することに失敗した場合、1つの特定の位置決定用サーバは、地理的な種々異なった位置のバックアップネットワーク訂正プロセッサから同じ情報を要求できる。ネットワーク訂正プロセッサに到達した際に、各訂正データセットはルックアップのためのメモリにバッファリングされ、必要に応じて使用する。大気エラーが取り除かれ、複数の訂正データは、衛星クロックエラーおよび位置エラー(SAディザを含む)による変動するエラーの最適の推定値を形成するように合体される。次に、これらの合体された複数のネットワーク訂正データは、主要電離層データおよび視界内の適切な複数の衛星に対する最も最新のナビゲーションメッセージとともに送信される。1つの特定の実施形態では、この情報は、(ネットワーク訂正プロセッサからの複数の訂正データのアドレスとして指定された)全指定位置決定用サーバに送信される。各衛星手段は1つの実施形態の2個以上の基準受信機によって追跡されるために、各複数のネットワーク訂正データのセットは内部整合性を確実にするためにチェックできる。したがって、第1の基準局からの擬似距離訂正データは、内部整合性を確実にするために隣接基準局からの同じ衛星に対する擬似距離訂正データと比較されてもよい。図6に示されるように、基準局301は、図4に示された局104〜108のような地理的に分散された基準局を示す。1つの実施形態では、擬似距離訂正データ303およびGPS信号内に含まれた50ビットデータストリームの少なくとも一部を含むナビゲーションメッセージデータはネットワーク訂正プロセッサに送信される。ネットワーク訂正プロセッサは、電離層パラメータ310を抽出し、単一元期のための訂正データセット309を作成する。大気遅延は取り除かれ、合体された複数の訂正データは作成される316。ここに記載されているいろいろな動作のデータフローは図6にさらに示される。
【0037】
図7は、位置決定用サーバに関するデータのフローの例を示している。図7は、一般的には位置決定用サーバに対して離れて置かれているシステムの少なくとも3つの異なる構成要素を示している。基準受信機ネットワーク401は、図4の基準局104〜108に対応している。これらの基準局は、図4のネットワーク103のような通信ネットワークによって位置決定用サーバに結合される。基準受信機ネットワーク401は、データネットワーク403を介して複数の訂正データおよび/または擬似距離データを供給し、ナビゲーションメッセージ405の少なくとも一部をデータネットワークを介しても供給する。このナビゲーションメッセージは、一般的には、1つの実施形態では各GPS衛星からのGPS信号において50ボーデータストリームであるいわゆる衛星天体暦データを含んでいる。複数の訂正データ406は、合体され、訂正プロセッサの内部整合性をチェックされ、複数の訂正データ408および任意には複数の地理的な訂正データとして通信ネットワークを介して位置決定用サーバに送られる。ナビゲーションメッセージデータ407は、移動GPS受信機のための状態(例えば、位置)計算に対する天体暦データを抽出するために使用される。状態(例えば位置)計算410は、地勢高度データベース411からの高度推定値412によって支援できる。位置決定用サーバは、一般的には、訂正データおよびナビゲーションメッセージデータの両方を連続してネットワーク103のような通信ネットワークを介して受信する。したがって、衛星天体暦データ源は位置決定用サーバとともにあるローカルGPS受信機からではなく、むしろ図4の基準局104〜108のようなGPS基準受信機のネットワークからであることが分かる。この方法では、位置決定用サーバは、位置決定用サーバとともにある基準GPS受信機に対して可能でない。
【0038】
位置決定用サーバは、衛星ナビゲーションメッセージデータおよび訂正データの少なくとも一部をGPS基準受信機ネットワークから受信し続けるが、位置決定用サーバは、クライアント424として示される移動GPS受信機の位置に対する要求を受信してもよい。移動GPS受信機による典型的な処理はデータの交換で開始する。一般的には、ドップラーデータ423は、(移動受信機あるいはセルラネットワーク要素からの近似位置データに基づいて)移動GPS受信機424に供給され、次に、擬似距離データ425は、移動GPS受信機を介して位置決定用サーバのクライアントインタフェース420に供給される。この位置決め処理は、上記に指摘されるように、セルラ電話の場合に911を押すことによって移動GPS受信機によって開始されてもよいし、あるいは図1の照会端末29に対応するとみなされてもよい遠隔オペレータ422によって開始されてもよい。図7に示されるように、ドップラー予測414は、クライアントインタフェース420を介して位置決定用サーバから移動GPS受信機424に供給され、移動GPS受信機は、一般的には、移動GPS受信機の位置を決定するために天体暦データ409とともに使用される擬似距離データ425に応答する。位置計算は、典型的なGPS受信機にあるいろいろの従来の位置計算アルゴリズムのいずれかで実行されてもよい。次に、ナビゲーション解法414のように示されるこの位置は、一般的にはソフトウェアモジュールである実行モジュール421によってこの情報をそのとき遠隔オペレータ422に転送してもよいクライアントインタフェース420に供給されてもよい。1つの実施形態では、遠隔オペレータ422は、911電話呼び出しに応答する制御センタであるPSAP(公衆安全応答ポイント)である。
【0039】
クライアントインタフェース420は、位置決定用サーバと移動GPS受信機のようなクライアントとの間の通信リンクを管理する。1つの実施形態では、1つのクライアントインタフェースオブジェクトは、実行インタフェースによって各移動GPS受信機に割り当てられる。1つのクライアントインタフェースは、一般的には、位置決定用サーバで作動するソフトウェアによって実行されてもよい。一般的には位置決定用サーバで作動するソフトウェアでもある実行モジュール421は、遠隔動作要求をアドレス指定するためにインタフェースを割り当てる。実行モジュール421は、外部データベースへのインタフェースも制御し、ネットワーク管理および他の外部対話を必要に応じて実行する。一般的には、特定の位置決定用サーバは複数の遠隔オペレータインタフェースを提供する。例えば、標準フレームリレー、X.25およびTCP/IPネットワーク結合性は遠隔オペレータ要求を満たすように提供されてもよい。
【0040】
前述の説明は、所定の構成をとっている(それにおいて、移動SPS受信機は複数のSPS衛星からSPS信号を受信し、これらの衛星に対する複数の擬似距離を決定し、次に複数の擬似距離を時刻記録とともに移動受信機の位置を決定する位置決定用サーバに送信する)が、他の構成は本発明とともに使用されてよいことが分かる。例えば、移動SPS受信機は、複数のSPS信号を受信し、複数の擬似距離を検知することによって、および(例えば、該移動SPS受信機と通信しているセルサイトから決定された該移動SPS受信機の近似位置に基づいて適切な天体暦データを送信する位置決定用サーバからの)衛星天体暦データを受信し、使用することによってそれ自体の位置を決定できる。この例では、位置決定用サーバは、基準ネットワークの複数の受信機から衛星天体暦データを受信し、移動受信機の位置決めに対する要求があると、セルベース通信システム(例えば、セルラ電話システム)を介して適切な衛星天体暦データを該移動受信機に送信する。適切である衛星天体暦データは、一般的には移動受信機の近似位置から決定される。すなわち、この近似位置は、該移動受信機とのセルベース無線通信リンクを設定したセルサイトの位置から決定されてもよい。位置決定用サーバは、該セルサイトによって供給された識別子からこの近似位置を決定してもよい。近似位置を決定し、利用するいろいろの技術は、出願が参照してここにこれによって組み込まれるNorman F.Krasnerにより1997年4月15日に出願された同時係属の米国特許出願第08/842,559号に記載されている。近似位置は、視界内の複数の衛星を決定し、次に位置決定用サーバは、これら複数の衛星についての衛星天体暦データを移動交換センタおよびセルサイトを介して移動受信機に送信してもよい。位置決定用サーバも、ドップラー予測データおよび/または衛星暦および/または擬似距離の複数の訂正データをこの例では移動SPS受信機に送信してもよい。
【0041】
本発明の方法および装置は複数のGPS衛星に関して記載されているけれども、教示は、同様にシュウドォウリティ(pseudolites)あるいは衛星およびシュウドォウリティの組み合わせを利用する位置決めシステムに適用可能であることが分かる。シュウドォウリティは、通常GPS時間と同期化されるLバンドキャリア信号で変調されるPNコード(GPS信号と同様である)を同報通信する地上ベース送信機である。各送信機は、遠隔受信機による識別を可能なように固有PNコードを割り当てられてもよい。シュウドォウリティは、軌道飛行している衛星からのGPS信号が使用可能でないことがあるトンネル、鉱山、ビルディングあるいは他の閉囲エリアのような場合に役立つ。ここで使用されるような用語「衛星」は、シュウドォウリティあるいはシュウドォウリティの均等物を含むことを意図され、ここで使用されるような用語GPS信号は、シュウドォウリティあるいはシュウドォウリティの均等物からのGPS類似信号を含むように意図されている。
【0042】
前述において、本発明は、米国グローバル位置決め衛星(GPS)システムの応用に関して記載されている。しかしながら、これらの方法は、同様に同じ衛星位置決めシステム、特に、ロシアグロナス(Russian Glonass)システムに適用可能であることは明らかであるべきである。グロナスシステムは、主に、異なる衛星からの送波は異なる擬似ランダムコードを使用するよりもむしろわずかに異なるキャリア周波数を使用することによって互いが区別される点で、GPSシステムと異なる。この場合では、前述されたほぼ全ての回路およびアルゴリズムは、新しい衛星の送波を処理する場合、異なるキャリア周波数に対応する異なる指数関数乗算器はこのデータを前処理するために使用されることを除いて応用可能である。ここに使用される用語「GPS」はロシアグロナスシステムを含むこのような他の衛星位置決めシステムを含む。
【0043】
前述の明細書では、本発明は、その特定の典型的な実施形態に関して説明されている。しかしながら、いろいろの修正および変更は、添付された特許請求の範囲に詳述される本発明のより広い精神および範囲を逸脱しないでこれに対して行われてもよいことが明らかである。したがって、明細書および図面は限定的な意味よりもむしろ例示的であるとみなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する、衛星位置決めシステム(SPS)における衛星位置情報を処理する方法、
最初に、第一の既知位置を有する第一のSPS受信機から第一の衛星天体暦データを第一のディジタル処理システムで受信する、
第二の既知位置を有する第二のSPS受信機から第二の衛星天体暦データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
移動SPS受信機から複数の擬似距離データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
前記複数の擬似距離データ及び、前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの少なくとも一つを使用して前記移動SPS受信機の位置情報を計算する。
【請求項2】
前記第一のディジタル処理システムは前記位置情報を計算する、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第一のディジタル処理システムは、前記既知位置に比して遠方に位置し、前記第一のSPS受信機は第一の基準受信機である、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第一のディジタル処理システムは、前記第二の既知位置に比して遠方に位置し、前記第二のSPS受信機は第二の基準受信機である、請求項3の方法。
【請求項5】
前記第一の衛星天体暦データは前記第一のSPS受信機の視野内の第一群の複数のSPS衛星から受信され、前記第二の衛星位置推算用データは前記第二のSPS受信機の視野内の第二群の複数のSPS衛星から受信される、請求項1の方法。
【請求項6】
前記方法はさらに、下記を具備する請求項1の方法、
前記第一のSPS受信機から第一の擬似距離訂正データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
前記第二のSPS受信機から第二の擬似距離訂正データを前記第一のディジタル処理システムで受信する。
【請求項7】
前記第一の擬似距離訂正データと前記第二の擬似距離訂正データの少なくとも一つが、訂正された複数の擬似距離データを供するために、前記移動SPS受信機から前記複数の擬似距離データを訂正するために使用される、請求項6の方法。
【請求項8】
前記位置情報は、前記訂正された複数の擬似距離データから、及び前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの少なくとも一つから、計算される、請求項7の方法。
【請求項9】
前記第一の衛星天体暦データは前記第一群の複数のSPS衛星からのナビゲーションメッセージを具備し、前記第二の衛星天体暦データは前記第二群の複数のSPS衛星からのナビゲーションメッセージを具備する、請求項5の方法。
【請求項10】
さらに、下記を具備する請求項1の方法、
前記第一のSPS受信機から第一の擬似距離データを第二のディジタル処理システムで受信する、
前記第二のSPS受信機から第二の擬似距離データを前記第二のディジタル処理システムで受信する、
合体された第一の擬似距離訂正データを供するために前記第一の擬似距離データを使用して訂正を実行し、及び合体された第二の擬似距離訂正データを供するために前記第二の擬似距離データを使用して訂正を実行する、
前記合体された第一の擬似距離訂正データと前記合体された第二の擬似距離訂正データの少なくとも一つを、前記第一のディジタル処理システムに送信する。
【請求項11】
前記合体された第一の擬似距離訂正データと前記合体された第二の擬似距離訂正データの少なくとも一つが、訂正された複数の擬似距離データを供するために前記移動SPS受信機からの前記複数の擬似距離データを訂正するために使用される、請求項10の方法。
【請求項12】
前記位置情報は、前記訂正された複数の擬似距離データから、及び前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データから、計算される、請求項11の方法。
【請求項13】
前記第一の衛星天体暦データは、前記第一のSPS受信機の視野内にある第一群の複数のSPS衛星からのナビゲーションメッセージから得られ、及び前記第二の衛星天体暦データは、前記第二のSPS受信機の視野内にある第二群の複数のSPS衛星からのナビゲーションメッセージから得られる、請求項12の方法。
【請求項14】
前記第一の衛星天体暦データは、前記第二のディジタル処理システムを介して前記第一のSPS受信機から受信され、及び前記第二の衛星天体暦データは前記第二のディジタル処理システムを介して前記第二のSPS受信機から受信される、請求項13の方法。
【請求項15】
前記第一のディジタル処理システムは、第一の故障許容性コンピュータシステムを具備し、前記第二のディジタル処理システムは第二の故障許容性コンピュータシステムを具備し、前記第一の擬似距離データは、前記第一のSPS受信機の視界内の複数の衛星への第一の複数の擬似距離と前記第一のSPS受信機の視界内の複数の衛星への複数の擬似距離のための第一の訂正の少なくとも一つを具備する、請求項12の方法。
【請求項16】
前記第一のディジタル処理システムは、無線セルベースの通信システムを介して前記移動SPS受信機に連結される、請求項12の方法。
【請求項17】
前記無線セルベースの通信システムは移動交換センターを具備する、請求項16の方法。
【請求項18】
前記第一のSPS受信機、前記第二のSPS受信機、前記第一のディジタル処理システム及び前記第二のディジタル処理システムはパケットデータネットワークを介して一緒に連結される、請求項17の方法。
【請求項19】
さらに下記を具備する、請求項10の方法、
前記第一のSPS受信機から前記第一の擬似距離データを第三のディジタル処理システムで受信する、
前記第二のSPS受信機から前記第二の擬似距離データを前記第三のディジタル処理システムで受信する、
前記合体された第一の擬似訂正データを供するために前記第一の擬似距離データを使用して訂正を前記第三のディジタル処理システムで実行し、及び前記合体された第二の擬似距離訂正データを供するために前記第二の擬似距離訂正データを使用して訂正を実行する、
ここで、前記第一のディジタル処理システムは、前記第三のディジタル処理システムから前記合体された第一の擬似距離訂正データと前記合体された第二の擬似距離訂正データを受信することができる。
【請求項20】
下記を具備する衛星位置情報処理システム、
複数の衛星位置決めシステム(SPS)基準受信機、各々は既知位置を有し、前記複数のSPS基準受信機は地理的領域上に散在し、前記複数のSPS 基準受信機の各々は通信ネットワーク中に前記複数のSPS基準受信機の各々の視界内にある複数の衛星から受信した衛星天体暦データを送信する、
複数のディジタル処理システム、各々は前記通信ネットワークに結合されて通信ネットワークを介して送信された衛星天体暦データを受信し、前記複数のディジタル処理システムは第一のディジタル処理システムと第二のディジタル処理システムを具備し、前記第一のディジタル処理システムは第一の移動SPS受信機から第一の複数の擬似距離データを受信し、及び前記第一の複数の擬似距離データから及び前記通信ネットワークから受信した衛星天体暦データから前記第一の移動SPS受信機の第一の位置情報を計算し、及び前記第二のディジタル処理システムは第二の移動SPS受信機から第二の複数の擬似距離データを受信し及び前記第二の複数の擬似距離データから及び前記通信ネットワークから受信した衛星天体暦データから前記第二の移動SPS受信機の第二の位置情報を計算する。
【請求項21】
前記第一のディジタル処理システムは、無線セルベースの通信システムを介して前記第一の移動SPS受信機に通信可能に結合され、及び前記第二のディジタル処理システムは前記無線セルベースの通信システムを介して前記第二の移動SPS受信機に通信可能に結合される、請求項20のシステム。
【請求項22】
前記通信ネットワークはパケットデータネットワークである、請求項21のシステム。
【請求項23】
前記第一のディジタル処理システムは前記複数のSPS基準受信機の少なくとも幾つかに比して遠方に位置している、請求項21のシステム。
【請求項24】
前記複数のSPS基準受信機は、第一のSPS基準受信機と第二のSPS基準受信機とを具備し、及び前記第一のSPS基準受信機は、前記第一のSPS基準受信機の視界内にある第一群の複数のSPS衛星から受信したナビゲーションメッセージから得られた第一の衛星天体暦データを前記通信ネットワーク中に送信し、及び前記第二のSPS基準受信機は、前記第二のSPS基準受信機の視界内にある第二群の複数のSPS衛星からのナビゲーションメッセージから得られた第二の衛星天体暦データを前記通信ネットワーク中に送信する、請求項21のシステム。
【請求項25】
前記第一のディジタル処理システムは、前記第一の移動SPS受信機の前記第一の位置情報の計算において前記第一の衛星天体暦データ及び前記第二の衛星天体暦データを使用することができ、及び前記第二のディジタル処理システムは、前記第二の移動SPS受信機の前記第二の位置情報の計算において前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データを使用することができる、請求項24のシステム。
【請求項26】
前記第一と第二のディジタル処理システムは、前記第一のSPS基準受信機からのデータから得た第一の擬似距離訂正データ及び前記第二の基準受信機からのデータから得た第二の擬似距離訂正データを受信する、請求項24のシステム。
【請求項27】
前記第一のSPS基準受信機は、前記通信ネットワーク中に前記第一の擬似距離訂正データを送信し、及び前記第二のSPS基準受信機は前記第二の擬似距離訂正データを前記通信ネットワーク中に送信する、請求項26のシステム。
【請求項28】
前記第一の擬似距離訂正データと前記第二の擬似距離訂正データの内の少なくとも一つは、第一の合体された複数の擬似距離データを供するために前記第一の複数の擬似距離データの訂正に使用され、及び前記第一の位置情報は、前記第一の合体された複数の擬似距離データ及び前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの内の少なくとも一つから決定される、請求項27のシステム。
【請求項29】
さらに、下記を具備する請求項24のシステム、 前記通信ネットワークに結合されたさらなるディジタル処理システム、
前記さらなるディジタル処理システムは、前記第一のSPS基準受信機から第一の擬似距離データを受信し及び前記第二のSPS基準受信機から第二の擬似距離データを受信し、前記さらなるディジタル処理システムは、前記第一の擬似距離データ上で訂正を実行して合体された第一の擬似距離訂正データを供し及び前記第二の擬似距離データ上で訂正を実行して合体された第二の擬似距離訂正データを供し、及び前記さらなるディジタル処理システムは前記合体された第一の擬似距離訂正データと前記合体された第二の擬似距離訂正データの内の少なくとも一つを前記第一のディジタル処理システムに送信する。
【請求項30】
実施時に、下記を具備する方法を第一のディジタル処理システムに実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、
第一の既知位置を有する第一の衛星位置決めシステム(SPS)受信機から第一の衛星天体暦データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
第二の既知位置を有する第二のSPS受信機から第二の衛星天体暦データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
移動SPS受信機から複数の擬似距離データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
前記複数の擬似距離データ及び前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの内の少なくとも一つを使用して前記移動SPS受信機の位置情報を計算する。
【請求項31】
前記第一のディジタル処理システムは、前記第一の既知位置に比して遠方に位置し、及び前記第一のSPS受信機は基準受信機である、請求項30のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項32】
前記第一の衛星天体暦データは前記第一のSPS受信機の視界内の第一群の複数のSPS衛星から受信され、及び前記第二の衛星天体暦データは前記第二のSPS受信機の視界内の第二群の複数のSPS衛星から受信される、請求項30のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項33】
前記方法はさらに下記を具備する請求項30のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、
前記第一のSPS受信機から得た第一の擬似距離訂正データを前記第一のディジタル処理システムで受信する、
前記第二のSPS受信機から得た第二の擬似距離訂正データを前記第一のディジタル処理システムで受信する。
【請求項34】
前記第一の擬似距離訂正データと前記第二の擬似距離訂正データの内の少なくとも一つが、前記移動SPS受信機からの前記複数の擬似距離データを訂正するために使用され、訂正された複数の擬似距離データを供する、請求項33のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項35】
前記位置情報が、前記訂正された複数の擬似距離データから及び前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの内の一つから、計算される、請求項34のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項36】
下記を具備する、衛星位置情報を処理するためのシステム、
通信媒体、
第一の既知位置を有し及び前記通信媒体に連結される第一の通信インターフェイスを有する第一の衛星位置決めシステム(SPS)基準受信機、前記第一のSPS基準受信機は第一の衛星天体暦データを前記通信媒体に送信する、
第二の既知位置を有し及び前記通信媒体に連結される第二の通信インターフェイスを有する第二のSPS基準受信機、前記第二のSPS基準受信機は第二の衛星天体暦データを前記通信媒体に送信する、 及び
前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データの少なくとも一つを受信するために及び前記移動SPS受信機のための位置情報のナビゲーション解を決定するために移動SPS受信機に衛星情報を供するための、前記通信媒体に連結された第一のディジタル処理システム。
【請求項37】
前記第一の衛星天体暦データは前記第一のSPS基準受信機の視界内の第一群の複数のSPS衛星から受信され、及び前記第二衛星天体暦データは前記第二のSPS基準受信機の視界内の第二群の複数のSPS衛星から受信される、請求項36のシステム。
【請求項38】
前記通信媒体はパケットデータネットワークを具備し、及び前記第一の通信インターフェイスと前記第二の通信インターフェイスは、パケットデータ形式の前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データをそれぞれ供する、請求項37のシステム。
【請求項39】
前記第一のSPS受信機は第一の擬似距離データを前記通信媒体に送信し、前記第二のSPS受信機は第二の擬似距離データを前記通信媒体に送信し、及び前記第一の擬似距離データは、前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への第一の擬似距離と前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への擬似距離に関する第一の訂正の内の少なくとも一つを具備する、請求項37のシステム。
【請求項40】
さらに下記を具備する請求項39のシステム、
前記通信媒体に連結された第二のディジタル処理システム、前記第一のディジタル処理システムは前記第一の擬似距離データを受信し及び前記第二の擬似距離データを受信し、及び前記第一のディジタル処理システムは前記第一の擬似距離データを訂正して前記通信媒体に送信される第一の訂正擬似距離訂正データを供し及び前記第二の擬似距離データを訂正して前記通信媒体に送信される第二の訂正擬似距離訂正データを供する。
【請求項41】
下記を具備する衛星位置情報を処理するためのシステム、
通信媒体、
第一の既知位置を有し及び前記通信媒体に連結された第一の通信インターフェイスを有する第一の衛星位置決めシステム(SPS)基準受信機、前記第一のSPS基準受信機は、前記通信媒体に第一の衛星天体暦データの第一のパケットを送信する、前記第一のパケットの各々は衛星天体暦データのサブフレームより少ないサブフレームを有する、
第二の既知位置を有し及び前記通信媒体に連結された第二の通信インターフェイスを有する第二のSPS基準受信機、前記第二のSPS基準受信機は、前記通信媒体に第二の衛星天体暦データの第二のパケットを送信する、前記第二のパケットの各々は衛星天体暦データのサブフレームより少ないサブフレームを有する。
【請求項42】
前記第一の衛星天体暦データは、前記第一のSPS基準受信機の視界内の第一群の複数のSPS衛星から受信され、及び前記第二の衛星天体暦データは前記第二のSPS基準受信機の視界内の第二群の複数のSPS衛星から受信される、請求項41のシステム。
【請求項43】
前記通信媒体はパケットデータネットワークを具備し、及び前記第一の通信インターフェイスと前記第二の通信インターフェイスはパケットデータ形式の前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データをそれぞれ供する、請求項42のシステム。
【請求項44】
前記第一のSPS受信機は前記通信媒体に第一の擬似距離データを送信し、及び前記第二のSPS受信機は前記通信媒体に第二の擬似距離データを送信し、及び前記第一の擬似距離データは前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への第一の擬似距離及び前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への擬似距離に関する第一の訂正の内の少なくとも一つを具備する、請求項42のシステム。
【請求項45】
さらに下記を具備する請求項44のシステム、
前記通信媒体に連結された第一のディジタル処理システム、前記第一のディジタル処理システムは前記第一の擬似距離データを受信し及び前記第二の擬似距離データを受信し、及び前記第一のディジタル処理システムは、前記第一の擬似距離データを訂正して前記通信媒体に送信される第一の訂正された擬似距離訂正データを供し及び前記第二の擬似距離データを訂正して前記通信媒体に送信される第二の訂正された擬似距離訂正データを供する。
【請求項46】
下記を具備する衛星位置情報を処理するシステム、
通信媒体、
第一の既知位置を有し及び前記通信媒体に連結される第一の通信インターフェイスを有する第一の衛星位置決めシステム(SPS)基準受信機、前記第一のSPS基準受信機は第一の衛星天体暦データの第一のパケットを前記通信媒体に送信し、前記第一のパケットの各々は、前記第一のパケットが高パケット毎秒速度で前記通信媒体に送信されるように、衛星天体暦データのサブフレームより少ないサブフレームを有する。
【請求項47】
前記第一の衛星天体暦データは前記第一のSPS基準受信機の視界内の第一群の複数のSPS衛星から受信される、請求項41のシステム。
【請求項48】
前記通信媒体は、パケットデータネットワークを具備し、及び前記第一の通信インターフェイスはパケットデータ形式で前記第一の衛星天体暦データを供する、請求項42のシステム。
【請求項49】
前記第一のSPS受信機は第一の擬似距離データを前記通信媒体に送信し、及び前記第一の擬似距離データは前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への第一の擬似距離と前記第一のSPS基準受信機の視界内の複数の衛星への擬似距離に関する第一の訂正との内の少なくとも一つを具備する、請求項42のシステム。
【請求項50】
さらに下記を具備する請求項44のシステム、
前記通信媒体に連結される第一のディジタル処理システム、前記第一のディジタル処理システムは前記第一の擬似距離データを受信し、及び前記第一のディジタル処理システムは前記第一の擬似距離データを訂正して前記通信媒体に送信される第一の訂正された擬似距離訂正データを供する。
【請求項51】
前記衛星情報は、前記移動SPS受信機の視界内の複数の衛星に関する衛星天体暦データまたは視界内の前記複数の衛星に関するドップラー予測データまたは衛星暦データの内の少なくとも一つを具備し、及び前記衛星情報は前記第一のディジタル処理システムから前記移動SPS受信機に送信され、及び前記移動SPS受信機の視界内の複数の衛星に関する前記衛星天体暦データは前記第一の衛星天体暦データと前記第二の衛星天体暦データのうちの少なくとも一つから得られる、請求項36のシステム。
【請求項52】
前記移動SPS受信機は、前記ナビゲーション解を決定する、請求項51のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−137833(P2011−137833A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−50080(P2011−50080)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【分割の表示】特願2009−293843(P2009−293843)の分割
【原出願日】平成11年4月13日(1999.4.13)
【出願人】(500480274)スナップトラック・インコーポレーテッド (21)
【Fターム(参考)】