説明

衛生シーツ及びその製造方法

【課題】お茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻から浸出された浸出液の乾燥物を透水性不織布層部に含有させて、一様に衛生的に優れる衛生シーツの提供。
【解決手段】6.1重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が形成され、該不透水性膜層部2の上に、4.3重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が形成され、該第二吸水性紙層部3の上に、50.6重量部の3mm以下の粒度の紙おむつ粉砕粉で吸水性層部4が形成され、その上に4.3重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、ウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物を含有する4.5重量部のポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、該ポリプロピレン不織布層部6の端部36は、最下層の前記ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お茶の抽出残留廃液及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻を利用した衛生シーツに関し、特に、寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツなどの衛生用品に使用できる衛生シーツ及びその製造方法に関する。
また、本発明は、長時間使用して衛生状態を保持することができる使い捨ての衛生用品に関し、特に、寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツに使用できる使い捨ての衛生用品及びその製造方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、人又は動物用の衛生用品に使用される衛生シーツに関し、特に、プラスチック廃材、紙廃材、例えば、紙おむつ廃材、尿パッド廃材、生理用ナプキン廃材、動物用紙おむつ廃材又は動物用シーツ廃材或いはそれら廃材の粉砕物を利用した衛生用品、即ち寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツに使用できる衛生シーツに関する。さらにまた、本発明は、特に、就寝時、休養時及び排泄時に使用する使い捨て用の衛生用品に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、衛生シーツは、寝具用補助シーツ、紙おむつ、生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及びペット用シーツなどの衛生シーツに使用されている、例えば、寝具用補助シーツは、ベッドや敷布団の上に敷いて、ベッドや布団の耐久性を保ち、ベッドや布団を清潔に維持するために用いられている。
就寝中にも、人間の皮膚からは、汗以外に水分が絶えず外に排泄されており、これらの水分は、寝床や寝衣に吸い取られるので、例えば、寝具用補助シーツには、保温性及び適度の吸湿性を備えることが要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、木綿製等の寝具用補助シーツの場合、取り替える度毎に、洗濯されるが、比較的嵩ばるのと、汚れの程度が相違し、また洗濯により清浄にできる程度も椙違するので、自動洗濯機等によるとしても、希望するように清潔にすることは難しく、また、そのようにするには多くの手間を要して問題である。
【0005】
一方、缶ドリンクやインスタントティーなどのお茶製造業から排出される茶殻は膨大な量に上っている。しかし、茶殻は、かなりの量の抽出残留廃液を含むために、利用が難しく、しかも抽出残留廃液の一部は、該お茶の抽出後において、該茶殻から滲出するために、集めて、活性汚泥法等により処理し、残る茶殻は、焼却処理されている。
また、紙おむつ、紙生理用ナプキン等の紙製の衛生シーツは、裁断屑や検査不良品が発生し、その処理が問題とされている。
本発明は、寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツ等の取り替え等の際に多くの手間を要するなどの間題点を解決すると共に、お茶の抽出残留廃液及び茶殻の処理を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、缶ドリンクやインスタントティー等の製造時に大量に排出される、ウーロン茶及び紅茶の抽出残留廃液が、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を72時間以上に亙って阻害することを発見し、また緑茶の抽出残留廃液が、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を72時間に亙って阻害することを発見し、さらにまた、本発明者は、紅茶及びウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液が、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を72時間に亙って阻害することを発見し、さらに、ウーロン茶の抽出残留廃液、該ウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液、緑茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液、紅茶の抽出残留廃液又は該紅茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液或いはこれら二以上の混合物を含有させた後乾燥させたシーツが、何れも緑膿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌及び連鎖球菌の増殖を72時間以上に亙って阻害することを発見し、本発明に至った。
本発明は、お茶の抽出残留廃液及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻から抽出した抽出液を、衛生シーツの不織布層部に付着乃至含有させ、乾燥して得られる衛生的に優れた衛生シーツ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
即ち、本発明は、上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部と、該吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記不織布層部に、お茶抽出残留廃液の乾燥物及び茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツにあり、また、本発明は、上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、前記不透水性膜部の上面に接して位置する第二紙層部と、前記吸水性の第一紙層部と第二紙層部の間に、吸水性の第三紙層部を備え、前記第一紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第一の吸水性層部を備え、前記第二紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第二の吸水性層部を備えており、該第二の吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部を備えており、前記不織布層部に、お茶抽出残留廃液の乾燥物及び茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツにある。
【0008】
そしてまた、本発明は、不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、不織布に、茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液及び茶殻の浸出液を付着させ、該お茶抽出残留廃液及び茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥させて製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法にあり、さらに、本発明は、不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、お茶抽出残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造されたお茶抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液を不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法にあり、さらにまた、不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製遺方法において、不織布層部が、茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液と、お茶残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造された茶殻の浸出液とを、夫々その侭、又は混合して不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の衛生シーツは、寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツ等の衛生用品に使用でき、長時間に亙って良好な衛生状態を保持して使用できるものである。
また、本発明の衛生シーツは、寝具用補助シーツ、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツ等の衛生用品に使用できる衛生シーツであり、吸水性材料の一部を、使い捨て用に適している可燃性の有機物廃材、例えば、プラスチック製廃材、紙廃材、例えば紙おむつ廃材、尿パッド廃材、生理用ナプキン廃材及び動物用紙おむつ廃材、動物用シーツ廃材並びに紙ナプキン廃材並びにそれら一以上の廃材の粉砕物を原料として、安価に製造することができる。
【0010】
さらにまた、本発明の衛生シーツは、上面に透水性の不織布層部を形成し、下面にプラスチック製の不透水性膜部を形成して、その間に、上下吸水性紙層部間に吸水性混合層部が形成されている吸水部を配置して形成されており、使い捨て用の紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド、失禁パッド及び動物用シーツとすることができる、本発明にお右いて、動物用シーツは、従来の動物用シーツと同様に、排泄用として使用されるが、その他に、休養及び就寝用として使用することができる。
本発明において、衛生シーツを、紙おむつ、動物用紙おむつ、生理用ナプキン、動物用生理用ナプキン、乳パッド、汗パッド及び動物用シーツとする場合には、その上面の不織布層部は、例えば、レーヨンパルプ、プラスチック含有パルプ、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂等のプラスチック繊維製又はレーヨン繊維製の不織布で形成することができ、下面の不透水性膜部は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック製の不透水性膜で形成することができる。本発明において、前記不織布層部の下には、その下面に接して吸水性の第一紙層部を設けることができる。
【0011】
本発明において、第一及び第二の吸水性の紙層部は、ティッシュペーパ、ちり紙、トイレットペーパ、紙おむつ、生理用ナプキン、タンポン等に使用される生理用紙、タオル用紙などの衛生紙で形成され、クレープ加工され、又はクレープ加工されない衛生紙で形成されるのが、良好な吸水性を確保できるので好ましい。
本発明においては、前記吸水性の第一紙層部の下面に接して、高吸水性樹脂及び吸水性材料粉を混合物として、又は混合物としないで含有する吸水性混合層部を設けることができる、この吸水性混合層部には、綿状パルプ層の間に高吸水性樹脂が保待され、その表裏両面に吸水紙が設けられている所謂ポリマーシートを使用することができ、また、高吸水性樹脂に代えて高吸水性繊維を、例えば不織布として使用することができる。
【0012】
本発明においては、例えば、紙おむつ廃材を、例えば100mm以下の粒度の紙おむつ粉砕物又は該紙おむつ粉砕物となるように粉砕し、これらの粉砕物を分級して、その構成成分である紙粉及び高吸水性樹脂を種々の割合で含む分級産物を、吸水性混合層部の原料として使用することができる。
紙おむつ廃材粉砕物には、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン及び合成ゴム材等が含有されるが、これらの材料は、5mm以下、好ましくは3mm以下の粉砕物とすることにより保水性を発揮することが分かった、ポリマーシートを使用する場合には、ポリマーシートには、高吸水性樹脂層の上下に紙層部が設けられているので、不織布層部の下面に接する吸水性の第一紙層部即ち第一の紙層部及び不透水性漢部上面に接する吸水性の第二紙層部即ち第二の紙層部を省略することができる。
【0013】
本発明において、吸水性樹脂の用語は、比較的吸水性能の低い吸水性樹脂、比較的吸水性能の低い吸水性繊維、吸水性能の高い高吸水性樹脂又は吸水性能の高い高吸水性繊維を意味する。しかし、吸水性の高いものを使用すると、使用量を少なくできるので好ましい、吸水性繊維及び高吸水性繊維の場合は、適当な寸法に裁断又は破砕して使用される。
また、本発明において、吸水性材料は、比較的高い吸水性を有する、機械パルプ、化学パルプ、セミケミカルパルプ等の木材パルプの粉砕物、化学繊維の粉砕物、古紙パルプの粉砕物、木粉、紙粉、紙おむつ廃材粉砕物、チタン紙又はパンチ屑などの屑紙の粉砕物或いはそれらの二以上の混合物とすることができる。これらの吸水性材料は、5mm以下の粒度、好ましくは3mm以下の粒度とするのが好ましい。
【0014】
本発明において、紙粉は、粉状の紙又は吸水性樹脂を含む粉状の紙であり、例えば、製本時に発生する紙粉、紙製の不織布製造時に発生する紙粉、製紙工程において発生する紙粉、及び紙おむつ工場等の集塵ロスの紙粉、並びに紙おむつ、生理用ナプキン、乳パッド、尿パッド又は汗パッド等のパッド類等の衛生材料製造時に飛散する高吸水性樹脂を含む紙粉を意味する。
木材パルプに、木粉及びパンチ屑の粉砕物を加える場合には、木粉及ぴパンチ屑の粉砕物の量は、木材パルプの3〜20重量%以下、好ましくは3〜10重量%以下である。また、本発明においては、前記混合層部の下面に接して吸水材料層部を設けることができ、さらに該木材パルプ層部の下面に接して第二の吸水性の紙層部を設けることができる。
【0015】
本発明において、緑膿菌、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌、ポツリヌス菌等の細菌の増殖を避けるために、お茶の抽出残留廃液及び/又は該抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液が、少なくとも不織布層部に、印刷、塗布又は浸漬等により付着乃至含有される。本発明において、不織布層部は、一以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は該抽出残留廃液を含有する茶殼の一以上の浸出液の乾燥物を含有する少なくとも一枚の不織布で形成することができる。
【0016】
本発明において使用されるお茶の抽出残留廃液又は該抽出残留廃液を含有する茶殼は、インスタントティー、缶入り即ち缶ドリンクのお茶の製造時に抽出滓として排出されるものである。お茶の抽出残留廃液は、茶殻に含有されており、該お茶葉からお茶を抽出した茶殻から滲出し又は該茶殻の濾過過程で分離される。お茶の液を抽出した残渣である茶殻には、お茶抽出残留廃液が含有されており、本発明において、お茶の抽出残留廃液を含浸する茶殻の浸出液は、該茶殻に対し10倍以下の重量で、常温水で又は常温以上の温度の加熱水で浸出してえることができ、このように得られる浸出液には、お茶の抽出残留廃液が溶解含有されると共に、前記茶殻中に未抽出で残留する未抽出の成分が溶解含有される。
【0017】
本発明において、お茶抽出残留廃液は、一以上のお茶抽出残留廃液をいい、例えば、緑茶の抽出残留廃液、ウーロン茶の抽出残留廃液又は紅茶の抽出残留廃液或いはこれらの二以上のお茶の抽出残留廃液の混合物等の組み合わせを意味する。また、本発明において、お茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液は、緑茶の抽出残留廃液を含有する緑茶の茶殻の浸出液、ウーロン茶の抽出残留廃液を含有するウーロン茶の茶殻の浸出液又は紅茶の抽出残留廃液を含有する紅茶の茶殻の浸出液或いはこれらの二以上の茶殻の浸出液の混合物等の組み合わせを意昧する。本発明において、お茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液は、茶殻に対して10倍以下好ましくは5倍以下の常温水又は常温を越える温度の加熱水で浸出して製造する、浸出液1リットル中のお茶の浸出成分の一である亜鉛の量が5μg以上、好ましくは7μg以上であるのが好ましい。
【0018】
本発明において、お茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物は、例えば、お茶の抽出残留廃液と茶殻自体の未溶解成分とを含有する溶液の乾燥物である、本発明において、お茶の抽出残留廃液の乾燥物及び茶殻についての浸出液の乾燥物は、一以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液の乾燥物を意味すると共に、一以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物と、一以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液との混合物の乾燥物を意味する。
本発明において、不織布層部は不織布から形成されるが、不織布への前記浸出液の塗布量は、例えば、不織布500m2当たり、お茶の抽出残留廃液又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液4乃至6リットルであり、好ましくは、4.5乃至5.5リットルである。
本発明において、衛生シーツの不織布層部には、お茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻からの浸出液の乾燥物が付着される。本発明において、不織布層部への前記お茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液乾燥物の付着は、前記抽出残留廃液及び/又は抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液を、不織布層部に、噴霧法、塗布法、例えばローラによる塗布法、又は浸漬法等により付着又は含有させ、これを乾燥することにより行われることであり、前記お茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を、不織布層部に付着又は含有させることをいう。この場合、前記抽出残留廃液の乾燥物及び/又はお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を、不織布層部に付着するのみでなく一以上の吸水紙等から構成されている吸水性紙層部に付着することも包含する。
【0019】
本発明において、衛生シーツの透水性不織布層部は、お茶の抽出残留廃液及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液に、一種以上のお茶の抽出残留廃液及び/又は一種以上の茶殻の浸出液を混ぜた浸出液の混合物を、透水性の不織布又は不織布層部に、噴霧法、塗布法又は浸漬法等により含有させ、この浸出液を含有した透水性の不織布又は不織布層部を、乾燥することにより、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物、或いは一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を、透水性不織布又は不織布層部に含有させることができる。
【0020】
本発明において、一種以上のお茶の抽出残留廃液及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻についての浸出液を、印刷インキ組成物と配合して、又は更に、適当な着色材を配合して、カラーインキに形成することができる、このように印刷インキとすると、透水性の不織布層部又は吸水性紙層部面に全般に亙って所望の模様及び文字を印刷でき、例えば、装飾模様、並びに商業宣伝用の模様及び文字を透水性の不織布層部又は吸水性紙層部に印刷することができる。
透水性不織布層部に含浸させる、お茶の抽出残留廃液、又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の濃度は、浸出時の抽出残渣又は茶殻の単位重量に対して使用する浸出液の水又は加熱水の容量を変えて調整することができる。浸出時間は、2時間以内、特に1時間以内とすると、浸出時間を短くできるので好ましい。茶殻に含有される抽出残留廃液成分及び未抽出成分は、水又は加熱水で浸出され易いので、比較的短時間で浸出することができる。
【0021】
本発明において、衛生シーツの吸水性混合層部には、紙おむつ、生理用ナプキンや動物用シーツに、吸水性を保持させるために、高吸水性樹脂が配合された紙粉や綿状パルブ廃材が使用される、この場合の高吸水性樹脂の使用量は、生理用ナプキン及び動物用シーツの場合で、全量に対し、5乃至15重量%、好ましくは、7乃至10重量%であり、紙おむつの場合で、全量に対し、20乃至30重量部%、好ましくは24乃至27重量%である。
【0022】
本発明において使用される高吸水性樹脂は、人工尿で自重の30倍から100倍程度の水を吸収しても、形を保特できる樹脂であるのが好ましい。このような高吸水性樹脂としては、例えば、ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体鹸化物、澱粉とアクリル酸のグラフト重合体、ポリアクリル酸の架橋物、ビニルアルコールとアクリル酸の共重合体、ポリアクリロニトリルの部分加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリエチレングリコールの架橋物、キトサンの塩又はプルランのゲルなどがある。これらは、吸水性材料粉に単独で又はこれら2種以上を浸合して使用される。
本発明において、高吸水性樹脂として、例えば、不良品としての紙おむつ、失禁パッド若しくは生理用ナプキン又は紙おむつ廃材等から回収された高吸水性樹脂含有物或いは高吸水性繊維若しくは高吸水性繊維廃材又はそれらの粉砕物を使用することができる。このような回収された高吸水性樹脂含有物は、人工尿に対して、吸水倍率が10乃至30g/gとその吸水性能は乏しいが、衛生シーツ、例えば、紙おむつや動物用シーツでは、この程度の吸水効果で十分使用できることが分かった。使用する高吸水性樹脂の粒度は、50乃至500μmであるのが好ましい。
【0023】
また、本発明においては、不良品の紙おむつ、不良品の生理用ナプキン、不良品の乳パッド又は不良品の尿パッド等の衛生用品の不良品並びに紙おむつ、生理用ナプキン、乳パッド又は尿パッド等の衛生用品製造時の裁断屑等の衛生用品の廃材を、吸水性層部に使用される。紙おむつ廃材は、綿状パルプ即ち紙粉及び高吸水性樹脂分を、例えば約70重量%含有しているので、かなりの吸水性及び保水性を有するが、不透水性膜等にプラスチック材料及びゴム材料が5乃至15重量%ほど使用されているので、その侭では、その分吸水性及び保水性が低下する。しかし、プラスチック材料やゴム材料は、5mm以下の粒度、好ましくは3mm以下の粒度に粉砕された粉砕物では、水の保水性を発揮するので、衛生シーツの吸水性混合層部に使用できることが分かった。しかも、プラスチック材料やゴム材料の吸水性混合層部への配合は、焼却処理する場合に、プラスチック材料及びゴム材料の発熱量が大きいので、紙おむつ廃材の粉砕物を、吸水性混合層部に配合した衛生シーツの場合は、使用後の濡れた状態においても、衛生シーツを燃焼できる発熱量を有することが分かった。
【0024】
本発明において、衛生シーツは、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上の該お茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含まれている透水性不織布層部を備えているので、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物、一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液の乾燥物の作用により、汗等により湿っても、吸水性及び保水性に優れ、且つ細菌の増殖が抑えられ、安価なお茶の抽出残留廃液及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殼や衛生用品等の廃物を活用して、長時間に亙って、衛生的な状態を保つことができる。
また、本発明は、衛生シーツの不織布層部に、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を含有するので、これらの一種以上の乾燥物の作用により、汗等により湿っても、吸水性及び保水性に優れ、且つ細菌の増殖が抑えられ、廃棄処理されていたお茶の抽出残留廃液、同じく廃棄処理されているお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻及び衛生用品等の廃物を、回収し活用して衛生用品用のシーツとするものであり、しかも、衛生シーツに使用して、長時間に亙って、良好な衛生的な状態を保つことができる。
【0025】
また、本発明においては、上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合層部と、該混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記不織布層部には、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含まれているので、例えば、紙おむつ、動物用シーツ等の衛生用品に使用して、排泄した尿の吸収が良く、また保水性が良く、高い脱臭機能を有する。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施の態様の例を説明するが、本発明は、以下の説明及び例示によって何等制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施例の動物用シーツの説明図である。図2は本発明の別の一実施例の動物用シーツの説明図である。図3は、本発明のさらに別の一実施例の動物用シーツの説明図である。図4は、本発明の動物用シーツを製造する工程を示す概略の工程図である。図5は、本発明の動物用シーツを製造する別の工程を示す概略の工程図である。図1乃至図5において対応する箇所には同一の符号が付されている。
【0027】
例1
ウーロン茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、ウーロン茶抽出液を抽出し、その全量を濾過した。30秒を経過し、滴下量が少なくなったところでウーロン茶抽出残留廃液の採取を開始した。ウーロン茶抽出残留廃液の量は約20mlであった。ウーロン茶抽出残留廃液の滴下が停止したところで、濾紙上のウーロン茶の茶殻は104g(含水率72%)であった。
このように調製されたウーロン茶抽出残留廃液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の20cm×75cmを浸漬して、ウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0028】
例2
紅茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、紅茶を抽出し、その全量を濾過した。30秒を経過し、滴下量が少なくなったところで紅茶の抽出残留廃液の採取を開始した。紅茶抽出残留廃液の量は約15mlであった。紅茶抽出残留廃液の滴下が停止したところで、濾紙上の紅茶の茶殻は102g(含水率72%)であった。
このように調製された紅茶の抽出残留廃液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の20cm×75cmを浸漬して、紅茶抽出残留廃液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0029】
例3
緑茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、緑茶を抽出し、その全量を濾過した。30秒を経過し、滴下量が少なくなったところで緑茶の抽出残留廃液の採取を開始した。緑茶抽出残留廃液の量は約15mlであった。緑茶抽出残留廃液の滴下が停止したところで、濾紙上の緑茶の茶殻は102g(含水率72%)であった。
このように調製された緑茶の抽出残留廃液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の20cm×75cmを浸漬して、緑茶抽出残留廃液を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0030】
例4
ウーロン茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、ウーロン茶の全量を濾過した。濾紙上のウーロン茶抽出残留廃液を含有するウーロン茶の茶殻は104g(含水率72%)であった。該ウーロン茶の茶殻106gに70℃の温度の水200mlを加えて、1分間放置して、浸出液の全量を濾過した。浸出液は200mlであった。
このように調製された浸出液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の80cm×75cmを浸漬して、ウーロン茶の茶殻の浸出液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0031】
例5
紅茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、紅茶の全量を濾過した。濾紙上の紅茶抽出残留廃液を含有する紅茶の茶殻は104g(含水率72%)であった。該紅茶の茶殻106gに70℃の温度の水200mlを加えて、1分間放置して、浸出液の全量を濾過した。浸出液は200mlであった。
このように調製された浸出液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の80cm×75cmを浸漬して、紅茶の茶殻の浸出液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0032】
例6
緑茶40gを400mlの沸騰水に1分間浸漬して、緑茶の全量を濾過した。濾紙上の緑茶抽出残留廃液を含有する緑茶の茶殻は104g(含水率72%)であった。該緑茶の茶殻106gに70℃の温度の水200mlを加えて、1分間放置して、浸出液の全量を濾過した。浸出液は200mlであった。
このように調製された浸出液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の80cm×75cmを浸漬して、緑茶の茶殻の浸出液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0033】
例7
例1で調製されたウーロン茶抽出残留廃液と例2で調製された紅茶抽出残留廃液とを、等量宛混合して、ウーロン茶抽出残留廃液及び紅茶抽出残留廃液の混合抽出残留廃液を調製した。
このように調製された混合抽出残留廃液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の20cm×75cmを浸漬して、ウーロン茶及び紅茶の抽出残留廃液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0034】
例8
例4で調製されたウーロン茶抽出残留廃液を含有するウーロン茶の茶殻の浸出液と例5で調製された紅茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液とを、等量宛混合して、ウーロン茶の茶殻浸出液及び紅茶の茶殻浸出液の混合液を調製した。 このように調製された混合浸出液は、1m2当たり40gのセルローズ繊維製の不織布の80cm×75cmを浸漬して、ウーロン茶の茶殻浸出液及び紅茶の茶殻浸出液の乾燥物を含有した不織布を作製するのに使用された。
【0035】
例9
図1において、衛生シーツ1は、底面部が不透水性膜層部2で形成され、該不透水性膜層部2の上に、第二吸水性紙層部3が形成され、該第二吸水性紙層部3の上に、高吸水性樹脂量の必要量が包含されている廃材粉砕粉により吸水性層部4が形成され、その上に第一吸水性紙層部5が配置されており、その上を覆って、例えば、前記例1乃至8で調製されたお茶抽抽出残留廃液の乾燥物及び/又はお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物或いはこれらと他のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は該他のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を含有させて、透水性の不織布層部6が形成されており、前記透水性の不織布層部6の端部36は、最下層の前記不透水性膜層部2の端部とホットメルト接着等により接着又は接合されて衛生シーツ1が形成されている。
本例において、第一吸水性紙層部5、吸水性混合層部4及び第二吸水性紙層部5は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。
【0036】
例10
本実施例は、図1に示す衛生シーツ1の構成を、人用の紙おむつに適用した事例である。図1において、6.1重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が形成され、該不透水性膜層部2の上に、4.3重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が形成され、該第二吸水性紙層部3の上に、50.6重量部の3mm以下の粒度の紙おむつ粉砕粉で吸水性層部4が形成されており、その上に4.3重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、前記例1で調製されたウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物を含有する4.5重量部のポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6が形成されており、該ポリプロピレン不織布層部6の端部36は、最下層の前記ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されて、人用の紙おむつが形成されている。
本例において、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。本例において、本例の人用の紙おむつは、使用前の燃焼熱が、6531キロカロリー(kcal)/kgであるが、人の一回の排尿量に相当する300mlの疑似尿で濡れた後のシーツの燃焼熱は717kcal/kgであり、燃焼不良にはならない。
本例の衛生シーツは、不織布100gあたり含有されているウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物は4gであり、72時間後においても、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌及びレジオネラ菌の増殖を抑止した。
【0037】
例11
本実施例は、図1に示す衛生シーツ1の構成を、動物用シーツに適用した事例である。図1において、3重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、2.1重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、17.6重量部の粒度3mm以下の紙おむつ粉砕粉で吸水性層部4が形成され、その上に4.3重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、前記例4で調製されたウーロン茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されている2.2重量部のポリプロピレン不織布6で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、該ポリプロピレン不織布6の端部36は、最下層の前記ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されて、動物用シーツが形成される。
本例においても、例1の場合と同様に、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状にされている。 本例の動物用シーツは、使用前の燃焼熱が、6408キロカロリー(kcal)/kgであるが、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後のシーツの燃焼熱は1354kcal/kgであり、燃焼不良にはならない。 本例の衛生シーツは、不織布100gあたり含有されているウーロン茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が2.5gであり、72時間後においても、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌及びレジオネラ菌の増殖を抑止した。
【0038】
例12
本実施例は、図1に示す衛生シーツ1の構成を、動物用シーツに適用した事例であるが、吸水性層部が上下面に吸水性紙が設けられている高吸水性繊維板で形成されている事例である。図1において、動物用シーツ1は、底部の不透水性膜層部2が3重量部のポリエチレンシートで形成されており、不透水性膜層部2の上に、上下面に吸水性紙層部3,5を備える不織布タイプの板状の高吸水性繊維(150g/m2)の20.3重量部を配置して、吸水性層部4を形成する。この吸水性層部3の上に、4.3重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上に、例1で調製されたウーロン茶抽出残留廃液と例2で調製された紅茶抽出残留廃液とを等量混合した混合抽出残留廃液が含有されている2.2重量部のポリプロピレン不織布6で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、該ポリプロピレン不織布6の端部36は、最下層の前記ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されて、動物用シーツが形成される。
本例における動物用シーツの使用前の燃焼熱は5560キロカロリー(kcal)/kgであるが、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後のシーツの燃焼熱は933kcal/kgであり、燃焼不良にはならない。
本例の衛生シーツは、不織布100gあたり含有されているウーロン茶抽出残留廃液と例2で調製された紅茶抽出残留廃液とを等量混合した混合抽出残留廃液の乾燥固形分が2.5gであり、72時間後においても、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌及びレジオネラ菌の増殖を抑止した。
【0039】
例13
本実施例は、図1に示す衛生シーツ1の構成を、動物用シーツに適用した事例である。図1において、3重量部のポリエチレンフィルムで、底部を形成する不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、2.1重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、17.6重量部の粒度3mm以下の紙おむつ廃材粉砕粉で吸水性層部4が形成され、その上に例4で調製されたウーロン茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液と、例5で調製された紅茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液とを等量混合した混合浸出液が含有されている4.7重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、同様に例4で調製されたウーロン茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物と、例5で調製された紅茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液とを等量混合した混合浸出液の乾燥物が含有されている2.8重量部のポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6が形成されており、該ポリプロピレン不織布6の端部36は、最下層の前記不透水性膜層部ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されて、動物用シーツが形成されている。
本例の動物用シーツにおいて、使用前の燃焼熱は、6094キロカロリー(kcal)/kgであるが、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後においても、燃焼熱は1852kcalであり、本例の動物用シーツは燃焼不良にはならない。
【0040】
例14
図2において、衛生シーツ1は、図1に示した衛生シーツ1と吸水性層部の構造が相違するものである。本例の衛生シーツ1においては、底面部が不透水性膜層部2で形成され、該不透水性膜層部2の上に、第二吸水性紙層部3が形成され、該第二吸水性紙層部3の上に、高吸水性樹脂量が必要量より少ない量含有の廃材粉砕粉7及び高吸水性樹脂の不足する分を補う高吸水性樹脂粉8により吸水性層部4が形成され、その上に、第一吸水性紙層部5が配置され、その上を覆って、例1で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液と例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の等量混合液を含有する透水性の不織布層部6が配置され、前記透水性の不織布層部6の端部36は、最下層の前記不透水性膜層部2の端部とホットメルト接着等により接着又は接合されて、衛生シーツ1が形成されている。
本例において、第一吸水性紙層部5、吸水性層部4及び第二吸水性紙層部3は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。
本例の衛生シーツは、不織布100gあたり含有されているウーロン茶の抽出残留廃液と例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の等量混合液の乾燥固形分が2.5gであり、72時間後において、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌及びレジオネラ菌の増殖を抑止した。
【0041】
例15
本実施例は、図2に示す衛生シーツ1の構成を、人用の紙おむつに適用した事例である。図2において、6.1重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、4.2重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、高吸水性樹脂の含有量が24重量%の粒度3mm以下の紙おむつ廃材粉砕粉7の34.1重量部が載置され、該紙おむつ廃材粉砕粉7の上に11.7重量部の高吸水性樹脂粉8が供給されて、高吸水性樹脂含有量が33重量%の吸水性層部4が形成され、該吸水性層部4の上に、9.5重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が載置され、その上を、例2で調製された紅茶の抽出残留廃液と、例4で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液との混合液が含まれている4.4重量部のポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6を形成し、該ポリプロピレン不織布6の端部は、最下層の前記ポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着されて、人用の紙おむつ1が形成されている。
本例においても、前記例14の場合と同様に、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。
本例の人用の紙おむつは、使用前の燃焼熱が、5577キロカロリー(kcal)/kgであるが、人の一回の排尿量に相当する300mlの疑似尿で濡れた後のシーツの燃焼熱は536kcal/kgであり、燃焼不良にはならない。
【0042】
例16
本実施例は、図2に示す衛生シーツ1の構成を、動物用シーツに適用した事例である。図2において、3重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、2.1重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、3mm以下の粒度に粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7の16.9重量部が載置され、その上に3重量部の高吸水性樹脂粉8が供給されて、吸水性層部4が形成され、該吸水性層部4の上に、4.7重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、例4で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されている2.7重量部のポリプロピレン不織布6で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、前記ポリプロピレン不織布6の端部36は、最下層のポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着させて動物用シーツが形成された。
本例においても、前記例12及び例13の場合と同様に、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。本例において使用された紙おむつ廃材粉は、ポリプロピレンフィルムが20重量パーセント被覆されていた。本例における動物用シーツの使用前の燃焼熱は5520kcal/kgであるが、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後のシーツの燃焼熱は2009kcal/kgであり、燃焼不良にはならない。
【0043】
例17
本実施例は、例16に示した動物用シーツの事例において、紙おむつ廃材粉砕粉に代えて、紙おむつ廃材粉砕粉を分級して、高吸水性樹脂及び綿状パルプを分離回収された残りの分級産物、即ち分級前の紙おむつ廃材粉砕粉の高吸水性樹脂含有量より高吸水性樹脂含有量低い分級産物を使用した事例である。
図2において、3重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、2.1重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、3mm以下の粒度の紙おむつ廃材粉砕粉の高吸水性樹脂含有量の低い分級産物7の16.9重量部が載置され、その上に3重量部の高吸水性樹脂粉が供給されて、吸水性層部4が形成され、該吸水性層部4の上に、4.7重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、例1で調製されたウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物及び例3で調製された緑茶抽出残留廃液の乾燥物が混合含有されている2.7重量部のポリプロピレン不織布6で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、前記ポリプロピレン不織布6の端部36は、最下層のポリエチレンフィルム2の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着させて動物用シーツが形成された。
本例においても、例えば、前記例14及び例16の場合と同様に、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。本例における動物用シーツは、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後においても、燃焼不良にはならない。
【0044】
例18
図3には、本発明の一実施例の衛生シーツ1の製造工程が示されている。衛生シーツ1は、ポリエチレンフィルムにより形成された不透水性膜層部2により底部が形成され、該不透水性膜層部2上に吸水紙が配置されて第二吸水性紙層部3が形成され、その上に、紙おむつ廃材粉砕粉7が層状に配置され、その上に高吸水性樹脂8が供給され、高吸水性樹脂8は、紙おむつ廃材粉砕粉7中に分散混入して、紙おむつ廃材粉砕粉と共に、吸水性層部4を形成し、その吸水性層部4の上に、吸水紙が配置されて、第一吸水性紙層部5が形成され、その上を、例1で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液の乾燥物を含有するポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6を形成する。
【0045】
図3において、第二吸水性紙層部3を形成する下側吸水紙の供給ロール9は、下側吸水紙送り出しローラ10により引き出されて、紙おむつ廃材粉砕粉7の供給ローラ11に送られる。紙おむつ廃材粉砕粉7の供給ローラ11の上方には、紙おむつ廃材12の供給部13に接続して、粉砕機14が設けられており、供給された紙おむつ廃材12を粉砕機14により3mm以下の粒度に粉砕し、この粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7は、供給される紙おむつ廃材粉砕粉の量が一定となるように調整されて、供給ローラ11から下側吸水紙の第二吸水性紙層部3の上に供給される。紙おむつ廃材粉砕粉7が供給された第二吸水性紙層部3は、水の噴霧箇所15に送られて、水噴霧器16から水が下側吸水紙上に一定量載置されている紙おむつ廃材粉砕粉上に噴霧される。水が噴霧された紙おむつ廃材粉砕粉を載せた第二吸水性紙層部3は、高吸水性樹脂8の散布箇所17に送られ、この高吸水性繊維8の散布箇所17で、高吸水性樹脂散布機18から、水が噴霧された紙おむつ廃材粉砕粉の上に、高吸水性樹脂8が散布される。紙おむつ廃材粉砕粉7に散布された高吸水性樹脂8は、搬送中に紙おむつ廃材粉砕粉中に分散混合して、吸水性層部4を形成する。
【0046】
紙おむつ廃材粉砕粉7に高吸水性樹脂8が散布されて吸水性層部4が形成された第二吸水性紙層部3は、第一吸水性紙層部5を形成する上側吸水紙の供給箇所19に送られて、上側吸水紙の供給ロール20から、吸水性層部4の上方に上側吸水紙が載せられる。このようにして、吸水性層部4は、下側に第二吸水性紙層部3が配置され、上側に、吸水性紙層部5が配置される。このように、上下に第一及び第二吸水性紙層部が配置された吸水性層部4を有する積層物21は、エンボス機22に送られてエンボスが形成される。エンボスが形成された吸水性層部4を有する積層物21は、マットカッター23に送られて、長さ450mmの吸水性層部を有する積層物21に切断される。切断された吸水性層部を有する積層物21の下方には、下方からバックフィルム用のポリエチレンフィルム2’がポリエチレンフィルム2’のロール24から供給され、吸水性層部4を有する積層物21はポリエチレンフィルム2’の上に載せられる。このように下にポリエチレンフィルム2’が配置された吸水性層部を有する積層物21は、例1で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液の乾燥物が含有されているポリプロピレン不織布6を被せる箇所25に送られる。
【0047】
一方、前記ウーロン茶抽出残留廃液をの乾燥物が含有されているポリプロピレン不織布6は、ポリプロピレン不織布6のロール26から送られ、途中ホットメルト接着剤が噴霧器27から、ポリプロピレン不織布6の接着箇所に噴霧される。ホットメルト接着剤が噴霧されたポリプロピレン不織布6は、積層物21上に載せられる。ポリプロピレン不織布が載せられた吸水性層部の積層物は、サイドシール機28に送られて、両側部は、圧着されて、ホットメルト接着剤により接着される。両側部が接着された積層物は、エンドシール機29に送られて長手方向両端部が接着され、製品カッター30に送られ、所定の寸法に切断され製品として送られる。製品カッター30で切断された製品は、搬送路31により折り機によって折られ包装機により包装されて出荷される。
【0048】
本例においては、ウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物を含有する不織布により形成した不織布層部の例を示したが、紅茶抽出残留廃液の乾燥物を含有する不織布、ウーロン茶抽出残留廃液及びウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を含有する不織布、紅茶抽出残留廃液及び紅茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を含有する不織布、紅茶抽出残留廃液、紅茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液及びウーロン茶の抽出残留廃液の乾燥物を含有する不織布、並びにウーロン茶の抽出残留廃液を含有する浸出液、ウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液、紅茶の抽出残留廃液及び紅茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を含有する不織布により形成した不織布層部を使用することができる。また、以上の不織布の他に、ウーロン茶、紅茶又は緑茶の抽出残留廃液の乾燥物或いはウーロン茶、紅茶又は緑茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物の二以上の乾燥物を含有する不織布により不織布層部を使用することができる。
【0049】
例19
図4に示す衛生シーツ1は、図1及び図2に示した衛生シーツ1と、第三の吸水性紙層部により仕切られて、吸水性層部が上下二層に形成されている点で相違している。
本例の衛生シーツ1においても、図1及び図2の例と同様に、底面部が不透水性膜層部2で形成され、該不透水性膜層部2の上に、第二吸水性紙層部3が形成され、頂部が、例えば前記例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されている透水性の不織布層部6で形成されている。
本例において、該第二吸水性紙層部3の上に、高吸水性樹脂量及び紙おむつ廃材粉砕粉を含有する下部吸水性層部32が形成され、その上に、第三吸水性紙層部33が配置され、その上を覆って、上部吸水性層部34が形成されている。本例において、第二吸水性紙層部の端部35は、前記第三の吸水性紙層部33を押さえるように、第三の吸水性紙層部の端部上にまで折り込まれている。本例においても、前記透水性の不織布層部6の端部36は、最下層の前記不透水性膜層部2の端部とホットメルト接着等により接着又は接合されて、衛生シーツ1が形成されている。
本例においても、図1及び図2の実施例と同様に、第一吸水性紙層部5、上部吸水性層部34及び第二吸水性紙層部3は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。
【0050】
例20
図4において、3重量部のポリエチレンフィルムで不透水性膜層部2が設けられ、該不透水性膜層部2の上に、2.1重量部の吸水紙で第二吸水性紙層部3が設けられ、該第二吸水性紙層部3の上に、3mm以下の粒度に粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7の16.9重量部が載置され、その上に、3重量部の高吸水性樹脂粉8が供給されて、下部吸水性層部32が形成され、その上に、4.7重量部の吸水紙で第三吸水性紙層部33が設けられ、その上に、3mm以下の粒度に粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7の16.9重量部が載置され、その上に、2重量部の高吸水性樹脂粉8が供給されて、上部吸水性層部34が形成される。前記上部吸水性層部34の上には、4.3重量部の吸水紙で第一吸水性紙層部5が設けられ、その上を、例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されている2.7重量部のポリプロピレン不織布6で覆って、透水性の不織布層部6が形成され、前記ポリプロピレン不織布6の端部は、最下層のポレエチレンフィルム2’の端部とホットメルト接着剤を介してホットメルト接着させて動物用シーツが形成された。
本例においても、前記例5乃至例10の場合と同様に、第一吸水性紙層部、吸水性層部及び第二吸水性紙層部は、重ねられて、エンボス加工されて、シート状に一体化されている。本例における動物用シーツは、子犬の五回の排尿量に相当する75mlの疑似尿で濡れた後においても、燃焼不良にはならない。
本例の衛生シーツは、不織布100gあたり含有されているウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥固形分が2.5gであり、72時間後において、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌及びレジオネラ菌の増殖を抑止した。
【0051】
例21
図5には、本発明の図3に示す衛生シーツの製造工程とは異なる別の一実施例の衛生シーツの製造工程が示されている。
衛生シーツ1は、ポリエチレンフィルムにより形成された不透水性膜層部2により底部が形成され、該不透水性膜層部2上に吸水紙が配置されて第二吸水性紙層部3が形成され、その上に、紙おむつ廃材粉砕粉及び高吸水性樹脂による層状の下部吸水性層部32が形成され、その上に吸水紙が配置されて第三吸水性紙層部33が形成され、その上に、紙おむつ廃材粉砕粉及び高吸水性樹脂による層状の上部吸水性層部34が形成され、その上部吸水性層部34の上に、吸水紙が配置されて、第一吸水性紙層部5が形成され、その上を、例えば、例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されているポリプロピレン不織布で覆って、透水性の不織布層部6を形成することにより形成される。
【0052】
図5において、第二吸水性紙層部3を形成する下側吸水紙のロール9は、下側吸水紙の送り出しローラ10により引き出されて、紙おむつ廃材粉砕粉7の第一供給ローラ11の下方に送られる。紙おむつ廃材粉砕粉7の第一供給ローラ11の上方には、紙おむつ廃材12の第一供給部13に接続して第一粉砕機14が設けられており、供給された紙おむつ廃材12を第一粉砕機14により3mm以下の粒度に粉砕し、この粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7は、第一供給ローラ11から下側吸水紙の上に供給されと第二吸水性紙層部3を形成する。この供給される紙おむつ廃材粉砕粉7は、下側吸水紙で形成された第二吸水性紙層部3の上で、紙おむつ廃材粉砕粉7の量が一定となるように、調整されて供給される。紙おむつ廃材粉砕粉が供給された第二吸水性紙層部3は、水の噴霧箇所15に送られて、水噴霧器16から水が第二吸水性紙層部3の上のおむつ廃材粉砕粉上に噴霧される。水が噴霧された紙おむつ廃材粉砕粉7を載せた第二吸水性層部3は、高吸水性樹脂8の散布箇所17に送られ、水が噴霧された紙おむつ廃材粉砕粉7は、第二吸水性層部3と共に、高吸水性樹脂8の散布箇所17に送られて、高吸水性樹脂散布機18から高吸水性樹脂8が散布される。紙おむつ廃材粉砕粉7に散布された高吸水性樹脂8は、紙おむつ廃材粉砕粉7中に分散混合される。
【0053】
紙おむつ廃材粉砕粉7に高吸水性樹脂8が散布されて、紙おむつ粉砕粉と高吸水性樹脂の下部吸水性層部32が形成された第二吸水性層部3は、第三吸水性紙層部33を形成する中間吸水紙の供給箇所37に送られる。一方、第三吸水性紙層部33を形成する中間吸水紙は、中間吸水紙のロール38から、中間吸水紙の供給箇所37に送られ、そこで、中間吸水紙の供給ローラ39に案内されて、中間吸水紙が前記下部吸水性層部32の上に載せられる。前記下部吸水性層部32の上に第三吸水性紙層部33が形成された第二吸水性紙層部3は、折り畳み機40に送られ、そこで加圧されて、第二吸水性紙層部3の端部35を第三吸水性紙層部33の上方に折り曲げて、第三吸水性紙層部33を安定させる。第二吸水性紙層部3の端部35を第三吸水性紙層部33の上に折り曲げた第二吸水性紙層部3は、紙おむつ廃材粉砕粉7の第二供給ローラ41の下方に送られる。紙おむつ廃材粉砕粉7の第二供給ローラ41の上方には、紙おむつ廃材12の第二供給部42に接続して、第二粉砕機43が設けられており、供給された紙おむつ廃材12を第二粉砕機43により3mm以下の粒度に粉砕し、この粉砕された紙おむつ廃材粉砕粉7は、第二供給ローラ41から第三吸水性紙層部33の上に、紙おむつ廃材粉砕粉7の量が一定となるように調整されて供給される。第三吸水性紙層部33の上に紙おむつ廃材粉砕粉7が供給された第二吸水性紙層部3は、第二水噴霧箇所44に送られて、第二水噴霧器45から、水が、第三吸水性紙層部33の上に形成された紙おむつ廃材粉砕粉7の上に噴霧される。水が噴霧された第三吸水性紙層部33上の紙おむつ廃材粉砕粉7を載せた第二吸水性紙層部3は、高吸水性樹脂8の第二の散布箇所46に送られて、水が噴霧された第三吸水性紙層部33上の紙おむつ廃材粉砕粉7の上に、高吸水性樹脂の第二散布機47から高吸水性樹脂8が散布される。紙おむつ廃材粉砕粉7に散布された高吸水性樹脂8は、紙おむつ廃材粉砕粉7中に分散混合されて、紙おむつ粉砕粉と高吸水性樹脂を含有する上部吸水性層部34が第三吸水性紙層部33上に形成される。上部吸水性紙層部34が形成された第二吸水性紙層部3は、上側吸水紙5’の供給箇所19に送られ、そこで、上側吸水紙5’が載せられる。上側吸水紙5’が載せられた第二吸水性紙層部3は、エンボス機22に送られてエンボスが形成される。エンボスが形成された吸水性層部が一体に形成された積層物21は、第一乃至第二吸水性紙層部3、5及び33が形成され、第二吸水性紙層部3と第三吸水性紙層部33の間に下部吸水性層部32が形成され、第一吸水性紙層部3と第三吸水性紙層部33の間に上部吸水性層部34が形成される。このように形成された積層物21は、マットカッター23に送られて、450mmの長さに切断される。切断された積層物21の下方には、下方からバックフィルム用のポリエチレンフィルム2’が、ポリエチレンフィルム2’のロール24から供給されて、積層物21は、ポリエチレンフィルム2’の上に載せられて、例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されているポリプロピレン不織布6を被せる箇所25に送られる。
【0054】
前記ウーロン茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含有されているポリプロピレン不織布で形成されるポリプロピレン不織布層部6がロール26から送られ、途中ホットメルト接着剤が噴霧器27から、ポリプロピレン不織布層部6の接着箇所の両側端部36に噴霧される。ホットメルト接着剤が噴霧されたポリプロピレン不織布層部6は、積層物21上に載せられる。ポリプロピレン不織布層部6が載せられた積層物は、サイドシール機28に送られて、両側部が、圧着されて、ホットメルト接着剤により接着される。両側端部36が接着された積層物21は、エンドシール機29に送られて長手方向両端部が接着され、製品カッター30に送られ、所定の寸法に切断され製品として送られる。製品カッター30で切断された製品は、搬送路31により折り機によって折られ包装機により包装されて出荷される。
【0055】
本例においては、例2で調製されたウーロン茶の抽出残留廃液を含有するウーロン茶の茶殻の浸出液の乾燥物を含有する不織布により形成した不織布層部の例を示したが、その他の例で調製されたウーロン茶、紅茶若しくは緑茶の抽出残留廃液の乾燥物又はウーロン茶、紅茶若しくは緑茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物或いはこれらの一以上の乾燥物を含有する不織布により形成した不織布層部を使用することができる。
また、本例においては、上部吸水性層部及び下部吸水性層部に、共に紙おむつ廃材粉砕粉及び高吸水性樹脂を配合しているが、上部吸水性層部における尿や汗等の液体の吸収速度を速くするために、上部吸水性層部は、紙おむつ廃材粉砕粉のみとすることができる。また、上部吸水性層部と下部吸水性層部の組成を、その目的に応じて変えることができる。
【0056】
本発明において、衛生シーツは、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含まれている透水性の不織布層部で上面を形成するので、従来の衛生シーツに比して、衛生シーツに含有されているお茶の抽出残留廃液及び/又はお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物の作用により、汗等の臭いが抑制され、発汗による湿り及び細菌の増殖を抑えることができ、長時間に亙って、衛生的な状態を保つことができる。
【0057】
また、本発明において、衛生シーツはは、上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合層部と、該混合層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記不織布層部に、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が含まれているので、従来の紙おむつや動物用シーツと比して、排泄した尿により外観上の濡れがなく、尿や体臭による汚臭を抑制することができ、例えば、愛玩用の動物用として、休養時、就寝時又は排泄時に使用して、周囲を良好な衛生状態に保つことができる。
【0058】
本発明においては、一種以上のお茶の抽出残留廃液の乾燥物及び/又は一種以上のお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物を、衛生シーツに含有されて、衛生シーツの使用時の細菌の増殖を抑制するので、大量のお茶の抽出残留廃液及びお茶の抽出残留廃液を含有する茶殻を原料として活用することとなり、従来、活性汚泥処理等により処理されていた廃液を有効に利用できることとなり、缶ドリンクやインスタントティー製造時に生じる廃物及び廃液の処理工程を省くことができ、また例えば紙おむつ廃材等を有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例の動物用シーツの説明図である。
【図2】発明の別の一実施例の動物用シーツの説明図である。
【図3】本発明の衛生シーツを製造する工程を示す概略の工程図である。
【図4】本発明の動物用シーツを製造する工程を示す概略の工程図である。
【図5】本発明の動物用シーツを製造する別の工程を示す概略の工程図である。図1乃至図5において対応する箇所には同一の符号が付されている。
【符号の説明】
【0060】
1 衛生シーツ
2 不透水性膜層部
2’ ポリエチレンフィルム
3 第二吸水性紙層部
4 吸水性層部
5 上側吸水紙、第一吸水性紙層部
6 ポリプロピレン不織布、不織布層部
7 紙おむつ紙廃材粉砕粉
8 高吸水性樹脂
9 供給ロール
10 下側吸水紙の送り出しローラ
11 紙おむつ廃材粉7の供給ローラ
12 紙おむつ廃材
13 紙おむつ廃材供給部
14 粉砕機
15 噴霧箇所
16 水噴霧器
17 高吸水性樹脂の散布箇所
18 高吸水性樹脂の散布機
19 上側吸水紙の供給箇所
20 上側吸水紙の供給ロール
21 積層物
22 エンボス機
23 マットカッター
24 ポリレエチレンフィルム2’のロール
25 ポリプロピレン不織布6を被せる箇所
26 ポリプロピレン不織布6のロール
27 ホットメルト接着剤噴霧器
28 サイドシール機
29 エンドシール機
30 製品カッター
31 搬送路
32 下部吸水性層部
33 第三吸水性紙層部
34 上部吸水性層部
35 第二吸水性紙層部の端部
36 不織布層部の端部
37 中間吸水紙の供給箇所
38 中間吸水紙のロール
39 中間吸水紙の供給ローラ
40 折り畳み機
41 第二供給ローラ
42 紙おむつ廃材の第二供給部
43 第二粉砕機
44 第二水噴霧箇所
45 第二水噴霧器
46 高吸水性樹脂8の第二散布箇所
47 高吸水性樹脂8の第二散布機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部と、該吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記不織布層部に、お茶抽出残留廃液の乾燥物及び茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツ。
【請求項2】
上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、前記不透水性膜部の上面に接して位置する第二紙層部と、前記吸水性の第一紙層部と第二紙層部の間に、吸水性の第三紙層部を備え、前記第一紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第一の吸水性層部を備え、前記第二紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第二の吸水性層部を備えており、該第二の吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部を備えており、前記不織布層部に、お茶抽出残留廃液の乾燥物及び茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツ。
【請求項3】
第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合物で形成されていることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項4】
第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂又は吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、前記第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合層部と、該混合層部の下面に接して位置する吸水性材料粉層部とで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項5】
吸水性材料粉が、紙おむつ廃材粉砕物若しくはその分級産物、生理用ナプキン廃材粉砕物若しくはその分級産物、乳パッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、尿取りパッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、木材パルプの粉砕物、古紙パルプの粉砕物、木粉、紙粉又はチタン紙の屑紙若しくはパンチ屑などの屑紙の粉砕物或いはこれらの二以上の混合物との混合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項6】
不織布層部が、プラスチック繊維、プラスチック繊維廃材、レーヨン繊維、レーヨン繊維廃材、パルプ、パルプ廃材、ポリアミド繊維、ポリアミド繊維廃材、ポリエステル繊維若しくはポリエステル繊維廃材又はこれら二以上の不織布或いはこれら二以上の繊維製又は繊維廃材製の不織布で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生シーツ。
【請求項7】
吸水性樹脂が、高吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材、吸水性繊維若しくはその粉砕物又は吸水性繊維廃材若しくはその粉砕物或いはこれら二以上の混合物を包含するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項8】
お茶抽出残留廃液の乾燥物が、緑茶抽出残留廃液の乾燥物、ウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物又は紅茶抽出残留廃液の乾燥物或いはこれらの二以上のお茶抽出残留廃液の混合物の乾燥物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生シーツ。
【請求項9】
茶殻の浸出液の乾燥物が、緑茶の茶殻についての浸出液の乾燥物、ウーロン茶の茶殻についての浸出液の乾燥物又は紅茶の茶殻についての浸出液の乾燥物或いはこれらの二以上の浸出液の乾燥物の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生シーツ。
【請求項10】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、不織布に、茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液及び茶殻の浸出液を付着させ、該お茶抽出残留廃液及び茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥させて製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項11】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、お茶抽出残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造されたお茶抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液を不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項12】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製遺方法において、不織布層部が、茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液と、お茶残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造された茶殻の浸出液とを、夫々その侭、又は混合して不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項13】
第一紙層部、第二紙層部並びに第一紙層部及び第二紙層部間に設けられる吸水性層郵が、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第三紙層部を形成し、該第三紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成することにより製造されることを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項14】
吸水性材料粉が、紙おむつ廃材粉砕物若しくはその分級産物、生理用ナプキン廃材粉砕物若しくはその分級産物、乳パッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、尿取りパッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、木材パルプの粉砕物、古紙バルブの粉砕物、木粉、紙粉又はチタン紙の屑紙若しくはパンチ屑などの屑紙の粉砕物或いはこれらの二以上の混合物との混合物であることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項15】
不織布層部が、プラスチック繊維、プラスチック繊維廃材、レーヨン繊維、レーヨン繊維廃材、ポリエステル繊維、ポリエステル繊維廃材、パルプ繊維、パルプ繊維廃材、ポリイミド繊維又はポリイミド繊維廃材或いはこれら二以上により製造された不織布で形成されていることを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項16】
吸水性樹脂が、高吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材又は高吸水性繊維若しくはその粉砕物又は高吸水性繊維廃材若しくはその粉砕物或いはこれら二以上の混合物を包含するものであることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項17】
お茶抽出残留廃液と、お茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液との混合液が、前記お茶抽出残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で5倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造された浸出液に、前記茶殼から分離されたお茶抽出残留廃液を混合して製造されることを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項18】
吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、前記第二紙層部の上に吸水性材料粉を配置し、配置された吸水性材料粉の上から、粉状の吸水性樹脂を加えて、前記吸水性材料粉内に、前記粉状の吸水性樹脂を混入させて、製造することを特徴とする請求項10至13の何れか一頃に記載の衛生シーツ。
【請求項19】
お茶抽出残留廃液の乾燥物が、緑茶抽出残留廃液の乾燥物、ウーロン茶抽出残留廃液の乾燥物又は紅茶抽出残留廃液の乾燥物或いはこれらの二以上のお茶抽出残留廃液の乾燥物の混合物であることを特徴とする請求項10、11、12又は17に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項20】
お茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液の乾燥物が、緑茶の抽出残留廃液を含有する緑茶の茶殻の浸出液の乾燥物、ウーロン茶の抽出残留廃液を含有するウーロン茶の茶殻の浸出液の乾燥物又は紅茶の抽出残留廃液を含有する紅茶の茶殻の浸出液の乾燥物或いはこれらの二以上の茶殼の浸出液の乾燥物の混合物であることを特徴とする請求項10,11,12又は17に記載の衛生シーツ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、該第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部と、該吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部とを備えており、前記不透水性膜部は、前記第二紙層部の下方に位置して配置されており、前記不織布層部に、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶のお茶抽出残留廃液の乾燥物及び緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶の茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツ。
【請求項2】
上面を形成する透水性の不織布層部と、下面を形成するプラスチック製の不透水性膜部と、前記不織布層部の下面に接して位置する吸水性の第一紙層部と、前記不透水性膜部の上面に接して位置する第二紙層部と、前記吸水性の第一紙層部と第二紙層部の間に、吸水性の第三紙層部を備え、前記第一紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第一の吸水性層部を備え、前記第二紙層部と第三紙層部の間に吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する第二の吸水性層部を備えており、該第二の吸水性層部の下面に接して位置する吸水性の第二紙層部を備えており、前記不織布層部に、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶のお茶抽出残留廃液の乾燥物及び緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶の茶殻の浸出液の乾燥物が含まれていることを特徴とする衛生シーツ。
【請求項3】
第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合物で形成されていることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項4】
第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂又は吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、前記第一紙層部の下面に接して位置する吸水性樹脂及び吸水性材料粉の混合層部と、該混合層部の下面に接して位置する吸水性材料粉層部とで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項5】
吸水性材料粉が、紙おむつ廃材粉砕物若しくはその分級産物、生理用ナプキン廃材粉砕物若しくはその分級産物、乳パッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、尿取りパッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、木材パルプの粉砕物、古紙パルプの粉砕物、木粉、紙粉又はチタン紙の屑紙若しくはパンチ屑などの屑紙の粉砕物或いはこれらの二以上の混合物との混合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項6】
不織布層部が、プラスチック繊維、プラスチック繊維廃材、レーヨン繊維、レーヨン繊維廃材、パルプ、パルプ廃材、ポリアミド繊維、ポリアミド繊維廃材、ポリエステル繊維若しくはポリエステル繊維廃材又はこれら二以上の不織布或いはこれら二以上の繊維製又は繊維廃材製の不織布で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生シーツ。
【請求項7】
吸水性樹脂が、高吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材、吸水性繊維若しくはその粉砕物又は吸水性繊維廃材若しくはその粉砕物或いはこれら二以上の混合物を包含するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の衛生シーツ。
【請求項8】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、不織布に、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶の茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液及び前記茶殻の浸出液を付着させ、該お茶抽出残留廃液及び茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥させて製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項9】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製造方法において、不織布層部が、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶のお茶抽出残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造されたお茶抽出残留廃液を含有する茶殼の浸出液を不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項10】
不透水性膜部材の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第二紙層部を形成し、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成し、第一紙層部の上に透水性の不織布を配置して上面を形成する不織布層部を形成して衛生シーツを製造する衛生シーツの製遺方法において、不織布層部が、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶の茶殻から分離されたお茶抽出残留廃液と、緑茶、ウーロン茶若しくは紅茶又はこれら二以上のお茶のお茶残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で10倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造された茶殻の浸出液とを、夫々その侭、又は混合して不織布に付着させ、これらお茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液が付着した不織布を乾燥して製造されることを特徴とする衛生シーツの製造方法。
【請求項11】
第一紙層部、第二紙層部並びに第一紙層部及び第二紙層部間に設けられる吸水性層郵が、該第二紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第三紙層部を形成し、該第三紙層部の上に、吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部を形成し、該吸水性層部の上に、少なくとも一枚以上の吸水紙を配置して吸水性の第一紙層部を形成することにより製造されることを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項12】
吸水性材料粉が、紙おむつ廃材粉砕物若しくはその分級産物、生理用ナプキン廃材粉砕物若しくはその分級産物、乳パッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、尿取りパッド廃材粉砕物若しくはその分級産物、木材パルプの粉砕物、古紙バルブの粉砕物、木粉、紙粉又はチタン紙の屑紙若しくはパンチ屑などの屑紙の粉砕物或いはこれらの二以上の混合物との混合物であることを特徴とする請求項乃至1の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項13】
不織布層部が、プラスチック繊維、プラスチック繊維廃材、レーヨン繊維、レーヨン繊維廃材、ポリエステル繊維、ポリエステル繊維廃材、パルプ繊維、パルプ繊維廃材、ポリイミド繊維又はポリイミド繊維廃材或いはこれら二以上により製造された不織布で形成されていることを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項14】
吸水性樹脂が、高吸水性樹脂、高吸水性樹脂廃材又は高吸水性繊維若しくはその粉砕物又は高吸水性繊維廃材若しくはその粉砕物或いはこれら二以上の混合物を包含するものであることを特徴とする請求項乃至1の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項15】
お茶抽出残留廃液と、お茶抽出残留廃液を含有する茶殻の浸出液との混合液が、前記お茶抽出残留廃液を含有する茶殻を、該茶殻に対して重量で5倍以下の常温水又は常温より高い温度に加熱された加熱水により浸出して製造された浸出液に、前記茶殼から分離されたお茶抽出残留廃液を混合して製造されることを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の衛生シーツの製造方法。
【請求項16】
吸水性樹脂及び吸水性材料粉を含有する吸水性層部が、前記第二紙層部の上に吸水性材料粉を配置し、配置された吸水性材料粉の上から、粉状の吸水性樹脂を加えて、前記吸水性材料粉内に、前記粉状の吸水性樹脂を混入させて、製造することを特徴とする請求項至1の何れか一頃に記載の衛生シーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−341105(P2006−341105A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173174(P2006−173174)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【分割の表示】特願2002−192775(P2002−192775)の分割
【原出願日】平成10年8月29日(1998.8.29)
【出願人】(000148977)株式会社大貴 (43)
【Fターム(参考)】