説明

衛生器具用の排水装置

【課題】細菌などの消毒を長時間にわたって低消費電力で行うことが可能な衛生器具用の排水装置を提供する。
【解決手段】排水が流入する排水口2を備え前記排水を排出する排水管3と接続される排水部1と、該排水部1の内部を消毒する紫外線を照射する紫外線LED4を備えた紫外線照射部5と、を有する衛生器具用の排水装置10であり、紫外線照射部5は、紫外線LED4をパルス点灯させる点灯回路部と、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ所定時間内における紫外線LED4から照射される紫外線照射量を減少するように前記点灯回路部を制御する制御回路部6と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌の消毒手段として紫外線LEDを備えた衛生器具用の排水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ウイルス、細菌などの病原体の感染による感染症の流行や抵抗力の弱い高齢者の増加にともなう感染症の感染対策が社会問題視されている。このような背景から、身近な住空間における衛生環境を改善することは、居住者の健康管理をより高度なものとし、さらには、住空間の維持管理を簡便にできるので、より安心で快適な暮らしを実現することに寄与する。
【0003】
住空間の中で、台所、洗面所や風呂などの水周りは、衛生環境が悪化しやすい。特に、水周りとなる衛生器具の排水部では、たとえば、台所においては食材汚れなど、洗面所や風呂などにおいては皮脂や石鹸垢などが付着し、それらを栄養分としてカビや細菌などが繁殖する。また、排水部には、このような細菌が自己の乾燥を防ぎ、増殖する際に出すバイオフィルム(ヌメリ)が付着しやすい。バイオフィルムは、内部に種々の雑菌が存在し、雑菌の繁殖などにより悪臭の発生源にもなる。さらには、バイオフィルムは、病原性微生物の温床にもなる。したがって、衛生器具の排水部において、病原性微生物だけでなく、バイオフィルムを産生する細菌などを殺菌・消毒することは、住空間における衛生環境をより好ましいものとすることができる。
【0004】
この種の細菌の殺菌・消毒手法として、従来から、加熱殺菌、塩素などの薬剤を用いた薬剤殺菌や紫外線照射による紫外線消毒などが知られている。このうち紫外線消毒は、紫外線を細菌に照射させ、細菌の遺伝子情報を司る核酸(DNAやRNA)に作用して光化学反応を引き起こさせる。光化学反応は、細菌の核酸の一部に障害を生じさせ、遺伝子からの転写制御が滞ることから新陳代謝異常により細菌が不活化するとされている。そのため、薬剤を用いた細菌の薬剤殺菌と異なり、不要な薬剤残留や耐性菌をつくらない。また、紫外線消毒に用いられる紫外線照射装置は、加熱殺菌に用いられる加熱殺菌装置のような冷却システムが不要で構造が簡易であり、比較的安価に製造できるなどの理由により、広範囲に利用されている。
【0005】
通常、紫外線照射装置は、紫外線を照射する光源として、低圧水銀ランプ(主となる輝線スペクトル:253.7nm)が用いられており、用途によってはキセノンフラッシュランプなどが用いられる場合もある。このような紫外線照射装置の光源は、細菌の核酸における吸収スペクトルの吸収帯に合わせて消毒効果の高い紫外線を効率よく発光することができる。
【0006】
紫外線照射装置の例として、衛生器具用の排水装置ではないが、図5に示す紫外線照射装置20が提案されている(特許文献1)。
【0007】
紫外線照射装置20は、無菌水用の蛇口15の内部を消毒する紫外線を照射するキセノンフラッシュランプなどのフラッシュランプ4’を備えた紫外線照射部5’と、蛇口15のノズル16の先端に被せられて前記紫外線を反射するランプハウジング7’と、を有している。フラッシュランプ4’は、制御回路部6’によってパルス点灯されている。
【0008】
なお、紫外線照射装置20は、蛇口15の開閉操作に連動した水の流れを検出し、信号を出力する検出器14が設けられている。制御回路部6’は、検出器14からの信号に応じて蛇口15が開かれたときに、フラッシュランプ4’を点灯させる。また、蛇口15のノズル16には、該ノズル16の先端に被せるランプハウジング7’を支持する支持台12を挿入し、螺子13,13で支持台12とノズル16とを取り付け固定している。このような紫外線照射装置20では、フラッシュランプ4’から照射された前記紫外線が紫外線透過性保護管11を透過して蛇口15におけるノズル16内部の細菌を消毒する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−122008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、紫外線を照射する光源として、近紫外線や遠紫外線など紫外域に発光可能な紫外線発光ダイオード(以下、紫外線LEDという)が盛んに研究・開発されている。紫外線LEDの研究・開発は、目覚ましく、紫外線LEDの光出力の向上にともないその一部が既に実用化されている。このような紫外線LEDは、キセノンフラッシュランプのようにキセノンガスを内部に数十気圧の高圧でも封入できる石英ガラス管などを使用する必要がない。また、紫外線LEDは、数Vから数十Vで点灯することが可能であり、キセノンフラッシュランプのようにランプ供給電圧として数百Vから一千Vに至るような高い電圧を必要とすることもない。
【0011】
また、紫外線LEDは、半導体発光素子であり、キセノンフラッシュランプなどと比較して寿命が長い。さらに、紫外線LEDは、パルス点灯による駆動制御も比較的容易であり、商用電力だけでなく電池によっても比較的簡単に点灯させることができる。そのため、紫外線LEDは、点灯回路を含め小型、軽量且つ低消費電力である利点を生かし、これまで設置が困難であった場所へも利用することができる。
【0012】
しかしながら、細菌を消毒させる紫外線照射装置20においては、従来、フラッシュランプ4’へのランプ供給電圧が高い関係から商用電力で駆動させる場合が多い。そのため、紫外線照射装置20は、前記電池でも駆動が容易なように低消費電力で長時間駆動させることが十二分に考慮されていない。上述の紫外線照射装置20では、精々、検出器14などのセンサと連動してフラッシュランプ4’の点灯をオン、オフ制御して省エネルギーに寄与することぐらいしか考慮されていない。
【0013】
また、紫外線LEDは、細菌を消毒させるために十分な光出力を得ようとすると、電力消費量が多くなる傾向にある。そのため、紫外線照射装置20の光源を電池による紫外線LEDの点灯に単純に置き換えた場合、紫外線照射装置20は、紫外線LEDの低消費電力という特長を生かしても、長時間駆動することが難しい場合もある、という問題もある。
【0014】
近年、省エネルギーに対する意識の高まりから、各種機器に対しても不必要な電力消費量を抑制した、より低消費電力の機器が求められる傾向にある。しかしながら、従来の紫外線照射装置20においては、低消費電力化が十二分に行われているとはいえなかった。
【0015】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、細菌などの消毒を長時間にわたって低消費電力で行うことが可能な衛生器具用の排水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の発明は、排水が流入する排水口を備え前記排水を排出する排水管と接続される排水部と、該排水部の内部を消毒する紫外線を照射する紫外線LEDを備えた紫外線照射部と、を有する衛生器具用の排水装置であって、前記紫外線照射部は、前記紫外線LEDをパルス点灯させる点灯回路部と、前記紫外線LEDの点灯回数が増加するにつれ所定時間内における前記紫外線LEDから照射される紫外線照射量を減少するように前記点灯回路部を制御する制御回路部と、を有することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、紫外線照射部の制御回路部が紫外線照射部の紫外線LEDにおける点灯回数の増加に応じて、前記紫外線LEDが照射する紫外線照射量(被照射面での紫外線照度と紫外線照射時間との積)を減少するように前記紫外線LEDを点灯させる点灯回路部を制御する。これにより、排水装置は、排水部における細菌の消毒に過剰な紫外線が照射されることを抑制し、前記紫外線照射部の電力消費量を抑制することができる。
【0018】
すなわち、本発明では、細菌の生存率が有効な紫外線照度および紫外線照射時間に比例するという細菌の紫外線消毒における特性を考慮して、前記紫外線LEDから過剰な前記紫外線を照射することなく細菌の増殖を抑制し、消毒効果を得ている。一般に、細菌などの消毒に必要な前記紫外線照射量は、明らかになっている。そのため、前記紫外線照射部は、前記紫外線の照射により細菌の消毒が十分に行われた場合、残存した細菌などを消毒させるのに十分な前記紫外線を照射するように前記紫外線LEDを制御するだけでよい。これにより、細菌などの消毒を長時間にわたって低消費電力で行うことが可能な衛生器具用の排水装置とすることができる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御回路部が、前記紫外線LEDの発光強度を低下させることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記紫外線LEDの発光強度を低下させるという比較的簡便な制御によって、前記排水部の内部における細菌の消毒に過剰な前記紫外線の照射を抑制し、前記紫外線照射部の電力消費量を抑制することができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御回路部が、前記紫外線LEDのパルス点灯時の点灯時間を短くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、前記紫外線LEDの点灯時間を短くさせるという比較的簡便な制御によって、前記排水部の内部における細菌の消毒に過剰な前記紫外線の照射を抑制し、前記紫外線照射部の電力消費量を抑制することができる。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御回路部が、前記紫外線LEDのパルス点灯の点灯間隔を長くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前記紫外線LEDのパルス点灯における繰り返し回数が増加するにつれて点灯間隔を長くさせることで、前記排水部の内部における細菌の消毒に過剰な前記紫外線の照射を抑制し、前記紫外線照射部の電力消費量を抑制することができる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記紫外線を遮蔽する遮蔽体を前記排水口に被せてなることを特徴とする。
【0026】
これによって、前記排水部の前記排水口から前記紫外線が漏れ出ることを抑制し、前記紫外線が前記排水部の内部に閉じ込められることにより、前記排水部の内部における細菌の消毒効果を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の発明は、紫外線LEDの点灯回数が増加するにつれ所定時間内における前記紫外線LEDから照射される紫外線の紫外線照射量を減少するように前記紫外線LEDを点灯する点灯回路部を制御する制御回路部を設けることにより、細菌の消毒を長時間にわたって低消費電力で行うことが可能な衛生器具用の排水装置を提供できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態1の排水装置を示す要部概略断面図である。
【図2】同上の紫外線LEDが発光する紫外線の発光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図3】実施形態2の紫外線LEDが発光する紫外線の発光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図4】実施形態3の紫外線LEDが発光する紫外線の発光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図5】従来のキセノンフラッシュランプを備えた紫外線照射装置の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施形態1)
以下、本実施形態の衛生器具用の排水装置について、図1を用いて説明する。
【0030】
図1に示す衛生器具用の排水装置10は、たとえば、キッチンのシンク、浴室の洗い場の排水などを目的に設けられるものである。排水装置10は、前記排水が流入する排水口2を備え前記排水を排出する排水管3と接続される排水部1と、該排水部1の内部を消毒する紫外線を照射可能な複数個の紫外線LED4,4,4を備えた紫外線照射部5と、を有している。本実施形態の排水装置10では、紫外線照射部5が、紫外線LED4,4,4をパルス点灯させる点灯回路部(図示せず)を内蔵した制御回路部6を備えている。該制御回路部6は、紫外線LED4,4,4の点灯回数が増加するにつれ所定時間内における紫外線LED4,4,4から照射される前記紫外線の紫外線照射量を減少するように前記点灯回路部を制御している。なお、紫外線照射部5の紫外線LED4,4,4は、制御回路部6の前記点灯回路部を介して電源部8からの電力が供給されるように電気的に接続されている。また、排水口2には、前記紫外線を遮蔽する遮蔽体7を被せている。
【0031】
以下、本実施形態の衛生器具用の排水装置10に用いられる各構成について、詳述する。
【0032】
本実施形態の衛生器具用の排水装置10における排水部1は、排水が流入する排水口2を備え、前記排水を排出する排水管3と接続できるものであればよい。排水部1は、たとえば、前記排水を流入できるように上面が開口し下面となる内底面側の中央部に前記排水が排水管3へと流れる貫通孔を備えた直方体状や円筒状などの容器形状に形成させることができる。本実施形態の排水部1においては、前記容器形状における内壁面の一部に後述する紫外線照射部5の複数個の紫外線LED4,4,4を配置している。また、排水部1の前記上面には、排水部1の排水口2に被せて紫外線照射部5の紫外線LED4から照射される前記紫外線が排水部1の内部から外部へ漏れ出ないように遮蔽する矩形板状の遮蔽体7を保持している。排水部1では、遮蔽体7で覆われていない排水口2の端部(図中の右側)から前記排水が排水部1の内部に流入することになる。排水部1に流入した前記排水は、前記容器形状における前記内底面側の中央部に設けられた前記貫通孔から排水管3を介して外部に排出される。
【0033】
このような排水部1は、前記排水が流入する排水口2を備え前記排水を排出する排水管3と接続されることができればよく、浴室の洗い場における排水溝のほか、キッチンのシンク、洗面所の排水穴、ディスポーザー(生ごみ粉砕装置)の本体、キッチン、浴室やトイレのトラップ部などにも利用できる。そのため、排水部1の大きさ、形状や材質は、その用途に応じて種々選択することができる。同様に、排水部1の排水口2や排水部1の前記内底面側の中央部から延設し、排水管3と接続される排水部1の管状部位は、その形状や大きさも適宜設定することができる。なお、図1では、排水管3と、該排水管3と接続される排水部1の前記管状部位と、を連続一体として図示している。
【0034】
排水部1の材質としては、耐腐食性や耐久性などを考慮し、たとえば、陶器、プラスチック、ガラス繊維強化ポリエステル、金属表面にガラス結晶を形成させたホーローなどを用いることができる。また、排水部1は、紫外線照射部5の紫外線LED4から照射された前記紫外線を、排水部1の内部で反射させ有効利用するために、前記紫外線に対して効率よく反射するステンレス鋼などの材質で形成することもできる。
【0035】
排水装置10の排水部1には、排水管3からの悪臭や害虫などを防ぐトラップを設けることもできる。前記トラップは、排水部1自体を利用した非サイフォン式トラップの一種であるベル型トラップで形成してもよい。また、排水管3と接続される排水部1の前記管状部位の一部分をS字形状を横にしたSトラップ、U字形状のUトラップや排水管3を建物の壁面などに向かわせるPトラップなどのサイフォン式トラップなどで構成してもよい。また、排水装置10の排水部1内には、髪の毛などの固定物が排水部1から排水管3へ流れないようにヘアーキャッチャーなどの網形状物を排水口2や前記貫通孔などに適宜設けてもよい。
【0036】
次に、本実施形態の衛生器具用の排水装置10に用いられる紫外線LED4は、排水部1の内部における細菌を消毒するために照射する前記紫外線の発光波長が380nm以下のものを好適に用いることができる。紫外線LED4は、細菌をより効率よく消毒するために照射する前記紫外線の発光波長が300nm以下であることが好ましい。特に、紫外線LED4は、菌の種類(大きさや形状など)および排水部1の状態などによって左右されるものの、発光波長が250nmから280nmの前記紫外線を発光することがさらに好ましい。
【0037】
通常、細菌などのDNAの光吸収は、波長260nm付近に吸収ピークを備えている。そのため、細菌に250nmから280nm付近の波長をもった前記紫外線を照射する紫外線LED4を用いることで、細菌のDNAに光化学反応を効率的に生じさせ、細菌の消毒効果を高めることができると考えられる。
【0038】
このような紫外線LED4は、AlN、AlGaN、AlInGaNなどの窒化物半導体材料を発光層に用いた半導体発光素子やダイヤモンド薄膜を発光層に用いた半導体発光素子を使用することができる。また、紫外線LED4は、前記発光層の組成比で前記紫外線の発光波長を調整することもできる。紫外線LED4の前記発光層に窒化物半導体材料を用いた場合は、Alの含有量を増やすにつれ、前記紫外線の発光波長を短くすることができる。他方、細菌の消毒作用における分光特性は、約260nm付近において消毒作用が強く約260nmをピークとして細菌の消毒作用が低下する傾向にある。そのため、紫外線LED4が照射する前記紫外線の発光波長を、たとえば、260nmに設定すればよい。
【0039】
しかしながら、前記発光層に窒化物半導体材料を用いた紫外線LED4では、前記発光層にAlの含有量が増えるにつれ、前記発光層の結晶性が悪くなる傾向にある。そのため、短波長側の紫外線LED4は、より長波長側で発光する紫外線LED4と比較して紫外線LED4から放出される前記紫外線の発光強度が低下する傾向にある。
【0040】
紫外線LED4から照射する前記紫外線の発光強度を高め消毒作用を強めるためには、260nm付近に主となる発光波長のある紫外線LED4を複数個直列接続させてもよいし、並列接続や直並列接続させて出力を向上させてもよい。
【0041】
このような紫外線LED4は、金属製のキャンパッケージやセラミックパッケージ内に前記半導体発光素子を実装させたものを用いてもよいし、ベアチップの前記半導体発光素子を用いてもよい。
【0042】
また、紫外線LED4から照射される発光波長が、たとえば、近紫外域にある355nmから375nm程度の比較的長波長域にあり、細菌に対する消毒作用が低い発光スペクトルの場合であっても、紫外線LED4から照射した前記紫外線を凸レンズなどにより集光させることで消毒効果を高めることができる場合もある。さらに、紫外線LED4から照射される近紫外線をTiO材料やZnO材料などからなる粉体の光触媒の活性化に利用して、該光触媒の酸化作用によって前記光触媒に接した細菌を殺菌することも可能である。また、深紫外域が発光可能なInAlGaNなどを前記発光層に用いた紫外線LED4を用いることで、出力が弱くとも前記光触媒を用いた酸化作用による殺菌ではなく、細菌の光化学反応により消毒効果を高めることもできる。
【0043】
特に、紫外線LED4から照射される前記紫外線の発光波長を250nmから280nmの間にすることで、排水部1の前記内壁面に前記光触媒を設けることなく直接的に細菌などを効率よく消毒することができる。これによって、排水装置10は、紫外線LED4から照射された前記紫外線により排水部1の内部空間に浮遊している細菌に対しても消毒を行うことができる。また、排水装置10は、排水部1内に前記光触媒を用いることなく、より簡易な構成で細菌の消毒を行うことができる。
【0044】
また、本実施形態の衛生器具用の排水装置10における紫外線照射部5は、紫外線LED4と、該紫外線LED4をパルス点灯させる前記点灯回路部と、該点灯回路部を制御する制御回路部6と、を備えている。これにより、紫外線照射部5は、紫外線照射部5の紫外線LED4から排水部1の内部に前記紫外線を照射させ、排水部1の内部における病原性微生物やバイオフィルムを産生する細菌などを消毒することができる。なお、本実施形態の紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4をパルス点灯させる前記点灯回路部を内蔵している。
【0045】
本実施形態の紫外線照射部5では、排水部1の前記内壁面に沿って複数個の深紫外の前記紫外線が発光可能な紫外線LED4,4,4を配置させている。なお、紫外線LED4は、排水部1の大きさ、形状などに応じて、紫外線LED4の個数や設置箇所を適宜設定することができる。
【0046】
紫外線照射部5の紫外線LED4は、必ずしも排水部1の前記内壁面に設ける必要はなく、排水部1の内部における細菌が消毒可能であれば、排水部1の排水口2を覆う遮蔽体7に設けてもよいし、排水部1の前記内底面側に設けてもよい。また、紫外線LED4は、排水部1の内部に前記紫外線が照射できればよく、必ずしも排水部1の内部に設ける必要もない。この場合、紫外線照射部5の紫外線LED4は、排水部1と別体に形成させ、紫外線照射部5の紫外線LED4と光結合した光ファイバーを介して排水部1の内部に前記紫外線を照射させてもよい。
【0047】
また、紫外線照射部5の紫外線LED4は、排水部1の排水口2から流入した前記排水などと直接接触しないように図示しない紫外線透過性保護板(たとえば、石英ガラスや紫外線透過アクリル樹脂など)で覆い密閉保護することもできる。
【0048】
次に、本実施形態の衛生器具用の排水装置10における紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線照射部5の紫外線LED4をパルス点灯させる点灯回路部を制御可能なものである。すなわち、制御回路部6は、前記点灯回路部を制御することによって、紫外線照射部5の紫外線LED4の点灯を制御することができる。
【0049】
そのため、制御回路部6は、電池などの電源部8や商用電力と電気的に接続され、電源部8からの電力を制御回路部6の前記点灯回路部を介して、紫外線LED4に供給できるよう電気的に接続している。制御回路部6は、たとえば、紫外線LED4へ電力供給と停止との切換、紫外線LED4に供給する電流もしくは電圧の制御や紫外線LED4の駆動時間の制御を行うことができる。
【0050】
本実施形態の紫外線照射部5は、制御回路部6に内蔵した前記点灯回路部が紫外線LED4をパルス点灯させる。紫外線LED4は、パルス駆動が比較的容易であり、ダイナミック点灯させることでスタティック点灯した場合と比較し、瞬時値として出力を大きくすることができる。また、紫外線LED4は、パルス駆動することにより消費電力を低減させることもできる。
【0051】
制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ所定時間内における紫外線LED4から照射される前記紫外線照射量を減少するように前記点灯回路部を制御するよう構成されている。制御回路部6は、前記紫外線照射量を減少させるため、紫外線LED4の発光強度を低下させる、紫外線LED4のパルス点灯時の点灯時間を短くさせる、あるいは、紫外線LED4のパルス点灯の点灯間隔を長くさせるように前記点灯回路部を制御すればよい。このような制御回路部6は、マイクロコンピュータなどを用いて適宜構成することができる。
【0052】
なお、大腸菌を消毒するためには、たとえば、波長が253.7nmの紫外線を6.6mW・s/cm照射すればよいことが知られている。したがって、細菌の消毒に必要な前記紫外線照射量は、細菌の種類や排水部1の状態によって種々異なるが紫外線LED4から発光波長が254nm付近となる深紫外線で上述の紫外線照射量程度で照射されればよい。そのため、排水装置10の制御回路部6は、紫外線LED4から排水部1の内部に照射した光出力が所定の細菌を消毒できるように紫外線LED4の出力および駆動時間を適宜調整すればよい。
【0053】
次に、本実施形態の衛生器具用の排水装置10における遮蔽体7は、紫外線照射部5の紫外線LED4から排水装置10の排水部1の内部に照射した前記紫外線が排水部1の排水口2から外部に漏れ出ることを抑制可能なものである。本実施形態の遮蔽体7においては、矩形板状に形成させており、排水部1の排水口2の周部に設けられたフランジ部(図示しない)で保持されている。
【0054】
このような遮蔽体7は、排水部1の排水口2の形状、大きさや数などによって種々の形状に形成することができる。そのため、遮蔽体7は、たとえば、浴室の洗い場などの表面を排水するための排水溝における目皿やグレーチング、ベル型トラップにおける椀状の蓋などとして用いてもよい。
【0055】
また、遮蔽体7は、紫外線LED4が照射した前記紫外線を反射あるいは吸収する材料で形成することができる。このような遮蔽体7の材料としては、たとえば、鉄の亜鉛メッキ、ステンレス、アルミニウムやFRP(Fiber Reinforced Plastics)材料などを用いることができる。また、遮蔽体7は、排水部1の内部と対向する一表面側に凹凸を形成し、紫外線LED4が照射した前記紫外線を排水部1の内部で反射、散乱させて有効利用してもよい。さらに、遮蔽体7の前記一表面側に前記光触媒として機能するTiOやZnOの微粒子を膜状に形成させたものを用いることもできる。
【0056】
なお、遮蔽体7は、常時、排水部1の排水口2を覆って設置した状態で使用してもよいし、たとえば、遮蔽体7で排水部1の排水口2を完全に塞ぎ前記紫外線の照射時のみに使用するものでもよい。
【0057】
なお、衛生器具用の排水装置10としては、少なくとも前記排水が流入する排水口2を備え前記排水を排出する排水管3と接続される排水部1と、該排水部1の内部を消毒する紫外線を照射する紫外線LED4を備えた紫外線照射部5と、排水口2に被せて前記紫外線を遮蔽する遮蔽体7と、を有していればよい。
【0058】
したがって、遮蔽体7に紫外線LED4、紫外線LED4を点灯させる前記点灯回路部、該点灯回路部を制御する制御回路部6や紫外線LED4に電力を供給する電源部8の機能を併せ持たせてもよい。この場合、遮蔽体7は排水部1の細菌を消毒可能な排水口用蓋体として機能することになり、既存の排水口2に使用している蓋と取り替えるだけで排水部1の内部の細菌を消毒することができる。
【0059】
次に、本実施形態の排水装置10における紫外線照射部5を用いた紫外線LED4の駆動制御について、図2を用いて説明する。なお、図2では、横軸を時間、縦軸を紫外線LED4が発光する前記紫外線の発光強度とし、紫外線LED4が発光する前記紫外線のパルスを図示している。図2では、紫外線照射部5の制御回路部6が、紫外線LED4における点灯回数が増加するにつれ、図2の所定時間内における紫外線LED4から照射される前記紫外線照射量を減少させることを示している。
【0060】
より具体的には、紫外線照射部5の前記点灯回路部は、紫外線LED4をパルス点灯時の点灯時間およびパルス点灯の点灯間隔を一定にしてパルス点灯させている。また、紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4が発光する一回目のパルス点灯時の発光強度Pよりも、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯時の発光強度Pが小さくなるように前記点灯回路部を制御している。同様に、制御回路部6は、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯時の発光強度Pよりも、紫外線LED4が発光する三回目のパルス点灯時の発光強度Pが、小さくなるように前記点灯回路部を制御している。また、制御回路部6は、紫外線LED4が発光する三回目のパルス点灯時の発光強度Pよりも、紫外線LED4が発光する四回目のパルス点灯時の発光強度Pが小さくなるよう前記点灯回路部を制御している(P>P>P>P)。
【0061】
本実施形態における排水装置10は、紫外線照射部5が、紫外線LED4の発光強度を低下させることで、前記紫外線照射量を減少させることができる。これにより、紫外線照射部5は、排水部1の内部における細菌を消毒させるのに過剰な前記紫外線の照射を抑制することができる。
【0062】
ここで、本実施形態の排水装置10における前記点灯回路部は、パルス発生回路を内蔵している。前記点灯回路部は、前記パルス発生回路が生成したパルスと同期し一定の時間間隔ごとに電源部8から定電流を流し、紫外線LED4をパルス点灯させる。
【0063】
本実施形態の排水装置10における制御回路部6は、制御回路部6に内蔵したパルスカウンタ回路によって、前記点灯回路部から出力された前記パルスをカウントしている。また、制御回路部6は、電源部8から前記点灯回路部に流れる電流を制限する抵抗値の異なる複数個の抵抗と、抵抗値の異なる前記抵抗を切り替えことが可能なスイッチング回路と、を備えている。
【0064】
制御回路部6の前記スイッチング回路は、前記パルスカウンタ回路のカウント数が増加するにつれ、予め設定した低い定電流が前記点灯回路部に流れるように抵抗値の高い前記抵抗に順次切り替える。これによって、紫外線照射部5は、前記点灯回路部が同じ周期で紫外線LED4をパルス点灯させていても、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4が発光する前記紫外線の発光強度を減少させることができる。
【0065】
なお、制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4に流れる電流量を一律に毎回減少させるだけではなく、たとえば、紫外線LED4を同じ発光強度で複数回点灯を繰り返した後、紫外線LED4の発光強度を減少させてさらに点灯を繰り返すことも可能である。また、制御回路部6は、紫外線LED4が発光する前記紫外線の発光強度を減少させ、最終的に消灯としてもよい。また、紫外線照射部5の紫外線LED4から前記紫外線を照射する所定時間は、排水部1の形状や大きさ、紫外線LED4の光出力や数、対象となる細菌などの種類によって適宜設定すればよい。
【0066】
本実施形態の排水装置10における紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4の発光強度を低下させて前記所定時間内における紫外線LED4から照射する前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御している。
【0067】
これにより、本実施形態の排水装置10は、紫外線LED4から排水部1の内部に照射された前記紫外線が、長時間にわたって低消費電力で細菌などを消毒することができ、排水装置10の衛生環境をより好ましいものとすることができる。
【0068】
(実施形態2)
本実施形態の衛生器具用の排水装置10における基本構成は、実施形態1と略同一であり、排水装置10の紫外線照射部5における制御回路部6が図3に示すように紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯時の点灯時間を短くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御する点が異なる。
【0069】
より具体的には、紫外線照射部5の前記点灯回路部は、紫外線LED4をパルス点灯時の前記紫外線の発光強度およびパルス点灯の点灯間隔を一定にしてパルス点灯させている。また、紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4が発光する一回目のパルス点灯時の点灯時間tよりも、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯時の点灯時間tを短くしている。同様に、制御回路部6は、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯時の点灯時間tよりも、紫外線LED4が発光する三回目のパルス点灯時の点灯時間tを短くしている。また、紫外線LED4が発光する三回目のパルス点灯時の点灯時間tよりも、紫外線LED4が発光する四回目のパルス点灯時の点灯時間tを短くしている(t>t>t>t)。
【0070】
紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4のパルス点灯時の点灯時間を短くさせることで、前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御している。すなわち、紫外線LED4は、一定の間隔でパルス点灯をしているが、点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯時のパルス幅を狭くさせている。これにより、前記紫外線照射量を減少させることができる。
【0071】
本実施形態の紫外線照射部5の前記点灯回路部は、紫外線LED4を一定の間隔でパルス点灯している。制御回路部6は、制御回路部6に内蔵したパルスカウンタ回路によって、前記点灯回路部から出力されたパルスをカウントしている。また、制御回路部6は、前記パルスカウンタ回路のカウントが増加するにつれて、パルス幅変調回路を用いてパルスごとに電源部8から前記点灯回路部を介して紫外線LED4に流れる電流の時間を順次短くしている。そのため、前記点灯回路部が同じ周期で紫外線LED4をパルス点灯させても、紫外線LED4が照射する前記紫外線の点灯時間は減少することになる。
【0072】
なお、制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4の点灯時間を一律に毎回減少させるだけではなく、たとえば、紫外線LED4を同じ点灯時間で複数回点灯を繰り返した後、紫外線LED4の点灯時間を減少させてさらに点灯を繰り返すことも可能である。また、制御回路部6は、紫外線LED4が発光する前記紫外線のパルス幅を順次減少させ、最終的に消灯としてもよい。
【0073】
本実施形態の排水装置10における紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯時の点灯時間を短くさせて前記所定時間内における紫外線LED4から照射する前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御している。
【0074】
これにより、本実施形態の排水装置10は、紫外線LED4から排水部1の内部に照射された前記紫外線が、長時間にわたって低消費電力で細菌などを消毒することができ、排水装置10の衛生環境をより好ましいものとすることができる。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態の衛生器具用の排水装置10における基本構成は、実施形態1と略同一であり、排水装置10の紫外線照射部5における制御回路部6が図4に示すように紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯の点灯間隔を長くすることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御する点が異なる。
【0076】
より具体的には、紫外線照射部5の前記点灯回路部は、紫外線LED4をパルス点灯時の前記紫外線の発光強度およびパルス点灯時の点灯時間を一定にしてパルス点灯させている。また、紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4が発光する一回目のパルス点灯の終了から二回目のパルス点灯の開始までの点灯間隔tよりも、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯の終了から三回目のパルス点灯の開始までの点灯間隔tを長くしている。同様に、紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4が発光する二回目のパルス点灯の終了から三回目のパルス点灯の開始までの点灯間隔tよりも、紫外線LED4が発光する三回目のパルス点灯の終了から四回目のパルス点灯の開始までの点灯間隔tを長くしている(t<t<t)。
【0077】
これにより、制御回路部6は、紫外線LED4の点灯間隔を長くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することができる。すなわち、紫外線LED4は、一定のパルス幅で点灯をしているが、点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯の点灯間隔を長くさせている。これにより、図4で示す時間内で前記紫外線照射量の総量が減少することになる。
【0078】
ここで、紫外線照射部5の前記点灯回路部は、紫外線LED4がパルス点灯する間隔をパルス点灯ごとに増加させている。制御回路部6は、たとえば、制御回路部6に内蔵したパルス発信回路およびパルスカウンタ回路によって、前記パルス発信回路から出力されたパルスをカウントする。また、制御回路部6は、たとえば、前記パルスカウンタ回路のカウントが増加するにつれて、紫外線LED4のパルス点灯を間引くように前記点灯回路部を制御することでパルス点灯の点灯間隔を順次長くすることができる。そのため、紫外線LED4が発光する一回の出力パルスが同じでも、所定時間内においては紫外線LED4が照射する前記紫外線照射量は減少することになる。
【0079】
なお、制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4の点灯間隔を一律に毎回増加させるだけではなく、たとえば、紫外線LED4を同じ点灯間隔で複数回点灯を繰り返した後、点灯間隔を長くし、さらに点灯を繰り返すことも可能である。また、制御回路部6は、紫外線LED4から照射される前記紫外線の点灯間隔を順次増加させ、最終的に消灯としてもよい。
【0080】
本実施形態における紫外線照射部5の制御回路部6は、実施形態1における紫外線LED4から照射される前記紫外線の発光強度を減少させるための前記点灯回路部の制御と組み合わせてもよい。また、本実施形態における紫外線照射部5の制御回路部6は、実施形態2における紫外線LED4からのパルス幅の減少させる前記点灯回路部の制御と組み合わせてもよい。さらに、本実施形態における紫外線照射部5の制御回路部6は、本実施形態における点灯間隔の増加させる前記点灯回路部の制御と、実施形態1および実施形態2の前記点灯回路部の制御を組み合わせて制御してもよい。
【0081】
本実施形態の排水装置10における紫外線照射部5の制御回路部6は、紫外線LED4の点灯回数が増加するにつれ、紫外線LED4のパルス点灯時の点灯間隔を長くさせて前記所定時間内における紫外線LED4から照射する前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御している。
【0082】
これにより、本実施形態の排水装置10は、紫外線照射部5の紫外線LED4から排水部1の内部に照射された前記紫外線が、より長時間にわたって低消費電力で細菌などを消毒することができ、排水装置10の衛生環境を好ましいものとすることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 排水部
2 排水口
3 排水管
4 紫外線LED
5 紫外線照射部
6 制御回路部
7 遮蔽体
10 排水装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水が流入する排水口を備え前記排水を排出する排水管と接続される排水部と、該排水部の内部を消毒する紫外線を照射する紫外線LEDを備えた紫外線照射部と、を有する衛生器具用の排水装置であって、
前記紫外線照射部は、前記紫外線LEDをパルス点灯させる点灯回路部と、前記紫外線LEDの点灯回数が増加するにつれ所定時間内における前記紫外線LEDから照射される紫外線照射量を減少するように前記点灯回路部を制御する制御回路部と、を有することを特徴とする衛生器具用の排水装置。
【請求項2】
前記制御回路部は、前記紫外線LEDの発光強度を低下させることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする請求項1に記載の衛生器具用の排水装置。
【請求項3】
前記制御回路部は、前記紫外線LEDのパルス点灯時の点灯時間を短くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする請求項1に記載の衛生器具用の排水装置。
【請求項4】
前記制御回路部は、前記紫外線LEDのパルス点灯の点灯間隔を長くさせることで前記紫外線照射量が減少するように前記点灯回路部を制御することを特徴とする請求項1に記載の衛生器具用の排水装置。
【請求項5】
前記紫外線を遮蔽する遮蔽体を前記排水口に被せてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の衛生器具用の排水装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−275841(P2010−275841A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132331(P2009−132331)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】