説明

衛生用紙収納用カートン

【課題】衛生用紙を外に取り出す際に、人の指先が傷付き難いカートンを提供すること。
【解決手段】衛生用紙を収納するとともに、少なくとも一の面に、収納した前記衛生用紙の取出口10を設けるために、前記取出口の形状に沿って切り込まれた切込線11によって、切取部が形成されているカートン100である。この衛生用紙収納用カートンは、切取部が、長手方向の両端に配設される一対の端部切取部14と、その一対の端部切取部の間に配設される帯状切取部24と、からなり、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線が、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目とを有する二重ミシン目で構成され、少なくとも帯状切取部の短手方向の中心側に配設される内側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するところに特徴がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティシュペーパー等の衛生用紙を収納するためのカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭やオフィス等で広く使われているティシュペーパーを収納したカートンは、一般に、概ね直方体を呈し、その一面(通常は上面)に、ティシュペーパーを取り出すための取出口(開口部)を設けた構造を有するものである。使用者は、カートンのその一面に設けられている切込線に沿って切取片を切り離し取出口を形成して、そこからティシュペーパーを取り出す。従来、その取出口の内面には、取出口を被覆するフィルムが貼着され、そのフィルムの中央部には直線状のスリットが設けられており(例えば、特許文献1参照。)、ティシュペーパーは、フィルムのスリットを通して外へ引き出される。
【0003】
ティシュペーパーは、多くの場合2枚1組とされ、その1組が継続してカートンから取出せるように、交互に折り重ねられて収納され、スリットからティシュペーパー1組が引き出されたときに、次のティシュペーパー1組が内部からスリットに保持される位置まで引き出されるように、所謂ポップアップ方式で折り畳まれている。カートンの取出口の内面に貼着したフィルムは、カートン外部の塵や異物に対して内容物を保護するとともに、ティシュペーパーを外に取り出す際に、フィルムのスリット間での摩擦により、ティシュペーパーがカートンの内部に落ち込むことを防ぎ、ティシュペーパーを保持する役割を果たしている。
【0004】
しかし、容器包装の廃棄物について、消費者の分別排出、自治体の分別収集、事業者のリサイクル責任を明確にした「容器リサイクル法」が1997年から本格施行され、循環型経済社会の構築に向けた動きが加速している近時においては、使用済みのカートンを廃棄するとき、取出口に貼着したポリエチレンフィルム等のプラスチックからなるフィルムをカートン本体からひき剥がし、分別して廃棄しなければならないことは、手間を要し、問題である。そこで、取出口の内面にフィルムを貼着しない構造の、所謂フィルムレスカートンが提案されている(例えば、特許文献2〜7、非特許文献1参照)。このフィルムレスカートンは、フィルムの材料コスト及びフィルムをカートンに貼りつける製造工程を省く点においても、フィルムが貼着されたカートンに対し優位性を有している。
【0005】
【特許文献1】実公昭41−6464号公報
【特許文献2】実開昭57−167080号公報
【特許文献3】特開2004−59150号公報
【特許文献4】特開2004−315084号公報
【特許文献5】特開2004−352336号公報
【特許文献6】特開2001−219980号公報
【特許文献7】特許第3422856号公報
【非特許文献1】王子製紙(株)広報誌「森の響」、王子製紙(株)広報室、2003年6月20日発行、夏号、P25−26
【非特許文献2】紙パルプ技術便覧第5版、第459頁、1992年1月30日発行、紙パルプ技術協会編集・発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、フィルムレスカートンでは、ティシュペーパーをカートンから外に取り出す際に、人の指先が傷付く場合がある、という問題があった。検討が重ねられた結果、人の指先は取出口に触れて傷付くのであり、その理由は、フィルムレスカートンにおいて、最初に取出口を形成するために切取片を切込線に沿って切り離した跡に生じる取出口の端面が、鋸の刃状であったり鋭利であったりするためである、と考えられた。フィルムを備えたカートンにおいても、取出口を形成するために切取片を切込線に沿って切り離し、取出口を形成するが、フィルムを備えたカートンでは、フィルムのスリットを介してティシュペーパーを取り出すことが出来、又、フィルムがティシュペーパーを保持する役割を果たすため、通常は、カートンに触れずにティシュペーパーを取り出せる。従って、ティシュペーパーを取り出す際に、人の指先が傷付くおそれは小さい。上記問題は、人の指が取出口の端面に触れる機会の多いフィルムレスカートンにおいて、顕在化してきたものである。
【0007】
例えば、特許文献7において開示されているティシュペーパー収納箱は、中間部と長手方向両端部とに区分された取出口を形成するための裂開用ミシン目が、内側ミシン目と外側ミシン目とによる二重ミシン目として形成され、内側ミシン目のカット部分を支配的にした長手方向両端部内に設けられた指先挿入部を摘んで両縁部を引き起こすと中間部の内側、外側ミシン目のカット部を交互に行き来しながら開封片が切断されてティッシュペーパー取出口が形成されるものである。このティシュペーパー収納箱では、特許文献7の図3に示されるように、中間部においては、内側ミシン目及び外側ミシン目はともにカット部分の長さ及びカット部分間の間隙部の長さが同じであり、それぞれのカット部分が千鳥状に配置されるように、内側ミシン目と外側ミシン目とを均等に形成するか、あるいは、特許文献7の段落0011に記されているように、外側ミシン目において、カット部分の長さを長めにしてカット部分間の間隙部の長さを若干短くして、内側ミシン目と外側ミシン目とのカット部分に若干重ね代を持たせるようにしている。しかし、二重ミシン目によって開封片を切断すると、特に、厚いカートン用紙で形成された収納箱の場合には、切断後に現れる内側ミシン目のカット部分に指を接触させたときに指を切ってしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、このような問題に対し、従来より対策が提案されている。例えば、特許文献6において開示されているティッシュペーパー用カートンでは、ティッシュペーパー取出口を開口させるために形成されている中間部切取線と両縁部切取線とで囲まれた開口用切取線のうち少なくとも中間部切取線が、間隔が狭い内側ミシン目のカット部と、その内側ミシン目の外側に近接し間隔が狭い外側ミシン目のカット部と、が千鳥状に配置されている二重ミシン目で構成されており、内側ミシン目のカット部の端とそのカット部の端に最も近接した外側ミシン目のカット部の端とを結ぶ直線と内側ミシン目との内角が鈍角であるように構成することによって、ミシン目のカット部分に指が触れても指が傷付かないようにしている。しかしながら、人の指先が傷付くおそれは完全に排除されているとはいえなかった。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、本発明が目的とするところは、衛生用紙(ティシュペーパー等)を外に取り出す際に、従来の収納箱、カートン等より人の指先が傷付き難い、衛生用紙収納用のカートンを提供することにある。研究が重ねられた結果、以下に示す手段によって、上記目的が達成出来ることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明によれば、衛生用紙を収納するとともに、少なくとも一の面に、収納した衛生用紙の取出口を設けるために、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって、切取部が形成されているカートンであって、切取部は、長手方向の両端に配設される一対の端部切取部と、その一対の端部切取部の間に配設される帯状切取部と、からなり、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線が、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目とを有する二重ミシン目で構成され、少なくとも帯状切取部の短手方向の中心側に配設される内側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈する衛生用紙収納用カートンが提供される。
【0011】
本明細書において、カートンとは、木材パルプ、古紙等を原料とする厚紙等の紙材料を主体に製造した収納箱であり、主にティシュペーパー、ペーパータオル、等の衛生用紙を収納するために使用される箱である。衛生用紙とは、ティシュペーパー(顔ふき紙、化粧紙等と呼ばれるもの)、ちり紙、ペーパータオル(キッチンペーパー等)、トイレットペーパー(ロールを除く)、ワッティング(紙綿)等の使い捨て紙を総称する概念である(非特許文献2を参照)。内側ミシン目とは、切り取る前の(帯状)切取部側(切取部を切り取った後の取出口側)のミシン目であり、外側ミシン目とは、(帯状)切取部側からみて、内側ミシン目より外側のミシン目である。これらによる二重ミシン目(切込線)は、切り取る前においては、切取部の外縁にあたる部分を構成する。組み立てる前のカートン用紙にミシン目を形成するための刃は、両刃タイプであっても片刃タイプであってもよく、又、刃の角度や太さ(幅)は問われるものではなく、適宜、選定される。
【0012】
本発明の衛生用紙収納用カートンにおいては、上記外側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈することが好ましい。但し、限定されるものではなく、外側ミシン目が、直線状を呈するものであってもよい。
【0013】
本発明の衛生用紙収納用カートンにおいて、帯状切取部は、その両端部分が中央部分よりも広がった形状に形成され、端部切取部は、帯状切取部と一体に形成されながら、帯状切取部よりも広幅に形成され、取出口を形成する切取部を挟んで短手方向の両側に、長手方向に沿って切取部側に張り出した、横長の一対の第1湾曲張出部が形成されるとともに、取出口を形成する切取部を挟んで長手方向の両側に、短手方向に沿って切取部側に張り出して一対の端部切取部のそれぞれに接する、舌片状を呈する一対の第2湾曲張出部が形成されることが好ましい。
【0014】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、取出口を設ける一の面の内側に、取出口を被覆するフィルムが配置されていないことが好ましい。この好ましい態様は、所謂フィルムレスカートンであることを意味する。
【0015】
本発明の衛生用紙収納用カートンにおいては、帯状切取部は、中央部ほど幅の狭い形状であることが好ましい。
【0016】
又、切込線のうち端部切取部を形成する切込線が、滑らかな波形状を呈し、その波形状を呈する切込線によって、端部切取部には双丘形の摘み部が形成されることが好ましい。尚、上記切込線により表される波形状は、その切込線(曲線)の態様(曲率等)によっては、繭形(繭を半分にした形状)あるいはマウスの耳形、と表現し得る形状である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線が、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目とを有する二重ミシン目で構成され、少なくとも帯状切取部の短手方向の中心側に配設され、帯状切取部を切り取って形成される取出口側にあたる内側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて、即ち帯状切取部を切り取って形成される取出口側に向けて、膨らんだ円弧状を呈するので、帯状切取部を切り取って形成される人の指先が最も接触し易い取出口の端面が、波形状(ウエーブ状)に形成される。従って、取出口の端面に人の指先が触れた際の感触がソフトになり、指先を傷付けるおそれが極小さくなる。切込線が一重ミシン目であったり、内側ミシン目と外側ミシン目とがともに直線状の二重ミシン目の場合には、取出口を形成するために切取部(切取片)を切込線に沿って切り離した跡に生じる取出口の端面が、鋭利になり、あるいは鋸の刃状になるために、人がよく紙の端面を擦って切り傷をもらうことを経験するのと同様に、指先を傷付けるおそれが高くなるが、本発明の衛生用紙収納用カートンによれば、このような問題を解消出来る。
【0018】
尚、取出口の端面とは、取出口(空間部分)を形成するカートン(実体部分)の一の面の、取出口側の端面を意味する。切取部を切込線(内側ミシン目と外側ミシン目)に沿って切り取ることによって形成される取出口の端面(実体部分)は、内側ミシン目により形成される部分が、カートン(実体部分)としては取出口に向けて外側になり、外側ミシン目により形成される部分が、カートン(実体部分)としては取出口に向けて内側になる。
【0019】
本発明の衛生用紙収納用カートンでは、内側ミシン目が帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するため、内側ミシン目と外側ミシン目との間に生じ得る毛羽立ちは、帯状切取部を切り取った後に得られる取出口の端面の円弧状部分(円弧状の内側ミシン目により形成される部分)より、実体部分であるカートンの一の面の内側(外側ミシン目側)に留まる。従って、カートンから外に取り出す際に、衛生用紙が毛羽立ちに引っ掛かることなく、スムーズに取り出すことが出来る。切込線が一重ミシン目の場合には突起状の毛羽立ちが取出口の端面に表れ、又、切込線が内側ミシン目と外側ミシン目とがともに直線状の二重ミシン目の場合には、毛羽立ちが、取出口の端面に表れるおそれがある。そうすると、衛生用紙が取り出し難くなったり、衛生用紙が毛羽立ちに引っ掛かって破れるという問題が生じ得るが、本発明の衛生用紙収納用カートンによれば、このような問題は回避出来る。
【0020】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、上述のように、内側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するので、帯状切取部を切り取って形成される取出口の端面が、波形状(ウエーブ状)に形成され、且つ、内側ミシン目と外側ミシン目との間に生じ得る毛羽立ちは、取出口の端面の円弧状部分より、実体部分であるカートンの一の面の内側に留まる。従って、取出口の見栄えが大変よく、意匠的にも優れたものとなる。切込線が一重ミシン目の場合には、取出口の形状(軌跡)に毛羽立ちが現れ、意匠的に劣るものとなるが、本発明の衛生用紙収納用カートンによれば、このような問題は生じ難い。
【0021】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線が二重ミシン目で構成される。従って、切取部の開封性が改善され、スムーズに切り取り開封することが可能である。切込線が一重ミシン目の場合には、切込線(ミシン目)に沿って平行にゆっくりと引っ張れば、問題なく切り取れ得るが、斜めに引っ張ったり、少しでも勢いよく引っ張ると、カートンを構成する用紙の表層が剥がれて見栄えが悪くなったり、場合によっては切取部(切取片)が途中でちぎれてしまうことがあり得るが、本発明の衛生用紙収納用カートンによれば、このような問題は防止出来る。
【0022】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、その好ましい態様において、外側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するため、取出口の端面に人の指先が触れた際の感触が、よりソフトになり、指先を傷付けるおそれが、更に小さくなる(上記効果が強調される)。
【0023】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、その好ましい態様により、取出口を形成する切取部を挟んで短手方向の両側に、長手方向に沿って切取部側に張り出した、横長の一対の第1湾曲張出部が形成されるとともに、取出口を形成する切取部を挟んで長手方向の両側に、短手方向に沿って切取部側に張り出して一対の端部切取部のそれぞれに接する、舌片状を呈する一対の第2湾曲張出部が形成される。これは、換言すれば、切取部を切り取って得られる取出口のフォルムが、一対の第1湾曲張出部と一対の第2湾曲張出部を含む曲線によって形成されていることを意味する。従って、取出口の端面に人の指先が直線的に触れないので、指先を傷付けるおそれが抑制される。又、見栄えもよい。更には、非特許文献1によるフィルムレスカートンと同様に、衛生用紙(ティシュペーパー)をカートンから外に引き出す際に、切取部の角等に引っ掛かって破れるという問題は生じ難い。
【0024】
本発明の衛生用紙収納用カートンにおける上記第1湾曲張出部と第2湾曲張出部は、特許文献2や非特許文献1に示されるフィルムレスカートンのように折り曲げて使用するフラップ部として機能するものではなく、衛生用紙が第1湾曲張出部と第2湾曲張出部とによって、しっかりと挟まれながら取り出されるので、使用によりカートンの中の衛生用紙が少なくなっても、取り出し途中の衛生用紙がカートンの中に落下する問題は生じ難い。従って、フィルムを備えたカートンと同様に、通常は、カートンに触れずに衛生用紙を取り出せ、衛生用紙を取り出す際に、人の指先が傷付くおそれは小さい。
【0025】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、その好ましい態様は、取出口を設ける一の面の内側に、取出口を被覆するフィルムが配置されていない所謂フィルムレスカートンである。取出口の内側にフィルムを配置しなくてもよいので、廃棄時に紙製カートンとフィルムの分別作業が必要なくなり、環境にやさしい。又、フィルムをなくすことにより、材料費の節約に留まらず、製造工程が短縮出来、省エネルギ、省資源を達成することが可能である。但し、限定されるものではなく、フィルムを備えたカートンであっても、取出口の端面に人の指先が触れないという保証はなく、指先を傷付けるおそれが極小さくなる等の上記効果を享受し得る点で優位性を有する。
【0026】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、切取部は、長手方向の両端に配設される一対の端部切取部と、その一対の端部切取部の間に配設される帯状切取部と、に区分され、帯状切取部は、その両端部分が中央部分よりも広がった形状に形成され、端部切取部は、帯状切取部と一体に形成されながら、帯状切取部よりも広幅に形成される。従って、衛生用紙の取出口を形成する切取部の形状が、見た目に優美でやわらかな印象となり、美観に優れる。又、取出口を開封する際に、端部切取部が摘み易く、開封が容易である。又、開封後に、取出口のうち端部切取部を切り取って得られるところから指を容易に差し入れることが出来、確実に最初の一枚を摘み上げられる。
【0027】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、その好ましい態様により、帯状切取部は、中央部ほど幅の狭い形状である。従って、帯状切取部を切り取って得られる取出口における中央部の幅も狭くなり、衛生用紙を取り出さないときには、塵や異物が侵入し難い。このような形状の取出口では、取出口の端面に人の指先が触れ易くなるが、本発明の衛生用紙収納用カートンは、上記特徴・効果を有するものであるため、指先を傷付けるおそれが極小さく、取出口における中央部の幅を狭くして、塵や異物の侵入を防止出来るのである。
【0028】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、その好ましい態様により、切込線のうち端部切取部を形成する切込線が、滑らかな波形状を呈し、その波形状を呈する切込線によって、端部切取部には双丘形の摘み部が形成される。従って、衛生用紙の取り出しに際して、衛生用紙が取出口の端部切取部に引っ掛かって破れるという問題が生じ難い。特に、ティシュペーパーの場合、インターフォルダという折り構造で交互に折り畳んでカートンに積層収納されているため、ティシュペーパーの取り出される方向が交互に変化するものであるが、ティシュペーパーの折り畳み方向の変化に対応して振り分けがなされて、ティシュペーパーの取り出し方向の移動がスムーズに行われることになり、紙の破れや引っ掛かりの防止に優れている。又、こうした作用によりティシュペーパー取り出しの際にカートンとティシュペーパー間の摩擦が軽減され、ティシュペーパーの取り出しの音は発生し難く、静かに取り出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
【0030】
図1〜図6は、本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す図である。図1は、衛生用紙収納用カートン100の使用状態を示す斜視図であり、図2は、図1に示される衛生用紙収納用カートン100の切断線108における断面図である。図3は、衛生用紙収納用カートン100を開封する様子を示す斜視図である。図4は、衛生用紙収納用カートン100を組み立てる前のカートンブランクの状態の展開図である。図5は、衛生用紙収納用カートン100の上面板1を拡大して示す平面図であり、図6は、衛生用紙収納用カートン100の切込線11を示す拡大図であり、図5における丸囲いしたA部分を示す図である。尚、図2においては、下面板2に設けた底上げ部材23を内側に折り曲げて使用している状態が示されている。
【0031】
図1〜図6に示される衛生用紙収納用カートン100は、上面板1、下面板2、左右の側面板3,4、及び組み合わせで1つの端面を構成する端面板6,7で形成されるカートンである(図4参照)。衛生用紙収納用カートン100は、その中に収納したティシュペーパー107(衛生用紙)の取出口10を形成するために、上面板1に、取出口10の形状に沿って、帯状切取部24を形成する切込線11と、端部切取部14を形成するとともに切込線11を連結する波形状の滑らかな切込線12と、が形成され、且つ、取出口10を有する面の内側には、取出口10を被覆するフィルムが配置されていないフィルムレスカートンである(図5参照)。
【0032】
切込線11は、千鳥状に配設された内側ミシン目11aと外側ミシン目11bを有する二重ミシン目で構成される。内側ミシン目11aは、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に配設されるミシン目であり、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に向けて膨らんだ円弧状を呈している。又、第1湾曲張出部17側の外側ミシン目11bも、同様に、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に向けて膨らんだ円弧状を呈している(図6参照)。
【0033】
衛生用紙収納用カートン100において、取出口10を形成する切取部13は、長手方向の両端に配設される一対の端部切取部14と、その一対の端部切取部14の間に配設される帯状切取部24と、からなる。帯状切取部24は、その両端部分が中央部分よりも広がった形状に形成され、中央部ほど幅の狭い形状である。又、端部切取部14は、帯状切取部24と一体に形成されながら、帯状切取部24よりも広幅に形成されている。端部切取部14の外縁を構成する切込線12は、波形状をした滑らかなものであり、その波形状をした切込線12により、端部切取部14は双丘形の摘み部として構成される。更に、帯状切取部24と2つの端部切取部14とは、リード罫15により区分されており、容易に折ったり切り離ししたりすることが可能である。開封の際には、帯状切取部24と端部切取部14(摘み部)とは、上面板1から一体として切り取られるように構成され、端部切取部14は、摘み上げ易いように広幅で双丘形に形成されていることから、切取部13全体の摘み部として使われる。
【0034】
衛生用紙収納用カートン100の取出口10は、中央がくびれており、長手方向の両端に向かって広がった「犬の骨」に似た形状を呈している。取出口10の短手方向の長さは、狭すぎると取出口10を得るための切取部13の切り取りが難しくなり、広すぎると塵や異物がカートンの中に入り易くなり、好ましくない。
【0035】
衛生用紙収納用カートン100では、取出口10を形成する切取部13(帯状切取部24)を挟んで短手方向の両側には、長手方向に沿って切取部13側に張り出した横長の一対の第1湾曲張出部17が形成され、加えて、取出口10を形成する切取部13(端部切取部14及び帯状切取部24)を挟んで長手方向の両側に、短手方向に沿って切取部13側に張り出して一対の端部切取部14のそれぞれに接する舌片状を呈する一対の第2湾曲張出部19が形成されている。
【0036】
尚、本明細書において、単に短手方向というときにはカートンの短手方向を意味し、図1に示される矢印Sで示される方向であり、これは帯状切取部の短手方向とも一致する。又、単に長手方向というときにはカートンの長手方向を意味し、図1に示される矢印Lで示される方向であり、これは帯状切取部の長手方向とも一致する。又、第1湾曲張出部17及び第2湾曲張出部19の領域は、それぞれ湾曲状に張り出した部分であり、第1湾曲張出部17の領域は、張り出した部分の両端を結ぶ直線と切込線11とで囲われた部分として特定され、第2湾曲張出部19の領域は、張り出した部分の両端を結ぶ直線と切込線12とで囲われた部分として特定される。
【0037】
衛生用紙収納用カートン100では、一対の第1湾曲張出部17のそれぞれより短手方向の外側に、切込線11から離隔して、長手方向に沿った一対のガイド罫16aが形成され、加えて、一対の第1湾曲張出部17に、切込線11から離隔して、長手方向に沿った一対のガイド罫16bが形成されている。ガイド罫16a,16bは、切込線11が描く曲線に概ね平行な曲線部で構成される罫線であり、その末端には、図5に示されるように、曲線部より稍細い罫線が、曲線部に対して概ね垂直方向に形成されている。又、衛生用紙収納用カートン100には、第2湾曲張出部19より長手方向の外側に、短手方向に沿った円弧状(曲線状)のガイド罫18が形成されている(図5を参照)。
【0038】
又、衛生用紙収納用カートン100には、端部切取部14を挟んでカートンの短手方向の両側に、一対のサイド罫20が形成されている(図5を参照)。端部切取部14は2つ存在するから、サイド罫20は4つ(2対)存在する。このサイド罫20は、太い1本の罫線で構成され、直線状を呈するものである。
【0039】
尚、衛生用紙収納用カートン100において、取出口10からティシュペーパーを取り出すときには、先ず、何れか一方の端部切取部14を指で押圧し、これをカートンの内側に押し込み、カートンの上面板1から波形状の双丘形の端部切取部14(摘み部)を破断する。そして、図3に示されるように、端部切取部14を摘み上げて、一体に形成された帯状切取部24(合わせて切取部13)を切り取って開封する。開封した後は、端部切取部14に相当する取出口10の幅の広いところから指を入れ、最上部の1枚目のティシュペーパーを摘んで上方に引き出せばよい。このときに、指が取出口10に触れても、その取出口10の端面に人の指先が触れた際の感触はソフトであり、指先を傷付けるおそれは極小さい。帯状切取部24の短手方向の中心側に配設され、帯状切取部24を切り取って形成される取出口10側にあたる内側ミシン目11aが、帯状切取部24の短手方向の中心に向けて、即ち帯状切取部24を切り取って形成される取出口10側に向けて、膨らんだ円弧状を呈するので、帯状切取部24を切り取って形成される、人の指先が最も接触し易い取出口10の端面が、波形状(ウエーブ状)に形成されるからである。1枚目のティシュペーパーを引き出すと、カートン内に積層したティシュペーパーは1組ずつ互い違いに折り込まれているため、これに連れて、これに続く次のティシュペーパーが引き出される。第1湾曲張出部17と、取出口10の両端に突き出した舌片状の第2湾曲張出部19は、ティシュペーパーを挟み込んでこれを保持する。又、ティシュペーパーが取り出される際、取出口10に張り出した第2湾曲張出部19は、ティシュペーパーの引き出し方向が交互に変わるのを振り分ける作用を発現し、ティシュペーパーをスムーズにガイドする。
【0040】
又、衛生用紙収納用カートン100は、カートンの中のティシュペーパーの残量が少なくなったときには、下面板2に設けた一対の底上げ部材23をカートン内部側に折り曲げて使用することが出来る。即ち、下面板2の切込線21を破断し、折れ線22をヒンジ部として、底上げ部材23をカートンの内側に概ね90度折り曲げると、折り曲げられた底上げ部材23により、内部のティシュペーパーが上面側に押し上げられる。これにより、上面の取出口10からティシュペーパーの最後の一枚まで、安定してポップアップさせることが可能である(図2及び図4を参照)。
【0041】
次に、図7〜図10に基づいて、本発明の衛生用紙収納用カートンの他の実施形態について説明する。図7〜図10に示される実施形態においては、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目を有する二重ミシン目で構成され帯状切取部を形成する切込線の仕様が異なる他は、既述の衛生用紙収納用カートン100と同じ態様である。
【0042】
図7は、本発明の衛生用紙収納用カートンの他の実施形態における上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した平面図であり、図8は、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図7における丸囲いしたB部分を示す図である。図7及び図8に示される衛生用紙収納用カートンでは、帯状切取部24を形成する切込線71は、千鳥状に配設された内側ミシン目71aと外側ミシン目71bを有する二重ミシン目で構成される。内側ミシン目71aは、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に配設されるミシン目であり、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に向けて膨らんだ円弧状を呈している。一方、第1湾曲張出部17側の外側ミシン目71bは、直線状を呈している。
【0043】
図7及び図8に示されるように、切込線71の外側ミシン目71bが直線状を呈していても、内側ミシン目71aが、帯状切取部24の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するので、帯状切取部24を切り取って形成される取出口の端面が、波形状(ウエーブ状)に形成され、指先を傷付けるおそれは極小さい。又、内側ミシン目71aと外側ミシン目71bとの間に生じ得る毛羽立ちは、帯状切取部24を切り取った後に得られる取出口の端面の円弧状部分(円弧状の内側ミシン目71aにより形成される部分)より、実体部分であるカートンの上面板の内側(外側ミシン目71b側)に留まるので、ティシュペーパーをカートンから外に取り出す際に、毛羽立ちに引っ掛かることなく、スムーズに取り出すことが出来る。
【0044】
図9は、本発明の衛生用紙収納用カートンの他の実施形態における上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した平面図であり、図10は、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図9における丸囲いしたC部分を示す図である。図9及び図10に示される衛生用紙収納用カートンでは、帯状切取部24を形成する切込線91は、千鳥状に配設された内側ミシン目91aと外側ミシン目91bを有する二重ミシン目で構成される。内側ミシン目91aは、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に配設されるミシン目であり、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に向けて膨らんだ円弧状を呈している。一方、第1湾曲張出部17側の外側ミシン目91bは、その第1湾曲張出部17側(帯状切取部24の短手方向の中心側とは反対側)に向けて膨らんだ円弧状を呈している。即ち、外側ミシン目91bは、内側ミシン目91aに対し、反対向きの円弧状を呈している。
【0045】
図9及び図10に示されるように、切込線91の外側ミシン目91bが内側ミシン目91aに対して反対向きの円弧状を呈していても、内側ミシン目91aが、帯状切取部24の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈するので、帯状切取部24を切り取って形成される取出口の端面が、波形状(ウエーブ状)に形成され、指先を傷付けるおそれは極小さい。又、内側ミシン目91aと外側ミシン目91bとの間に生じ得る毛羽立ちは、帯状切取部24を切り取った後に得られる取出口の端面の円弧状部分(円弧状の内側ミシン目91aにより形成される部分)より、実体部分であるカートンの上面板の内側(外側ミシン目91b側)に留まるので、ティシュペーパーをカートンから外に取り出す際に、毛羽立ちに引っ掛かることなく、スムーズに取り出すことが出来る。
【0046】
次に、図11〜図14に基づいて、衛生用紙収納用カートンの参考形態について説明する。図11〜図14に示される参考形態においては、帯状切取部を形成する切込線は、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目を有する二重ミシン目で構成されるが、内側ミシン目が、帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈しておらず、本発明の衛生用紙収納用カートンの特徴を具備していないが、帯状切取部を形成する切込線の仕様以外は、既述の(本発明の)衛生用紙収納用カートン100と同じ態様である。
【0047】
図11は、衛生用紙収納用カートンの参考形態における上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した平面図であり、図12は、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図11における丸囲いしたD部分を示す図である。図11及び図12に示される衛生用紙収納用カートンでは、帯状切取部24を形成する切込線111は、千鳥状に配設された内側ミシン目111aと外側ミシン目111bを有する二重ミシン目で構成される。内側ミシン目111aは、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に配設されるミシン目であり、第1湾曲張出部17側の外側ミシン目111bとともに、直線状を呈している。図11及び図12に示される衛生用紙収納用カートンでは、2つの内側ミシン目111aが続き、1つの外側ミシン目111bと組み合わされて切込線111を構成する。
【0048】
図11及び図12に示されるように、切込線111の内側ミシン目111aと外側ミシン目111bがともに直線状を呈していても、二重ミシン目で構成されるので、切取部(帯状切取部24及び端部切取部14)の開封性が改善され、スムーズに切り取り開封することが可能である。又、内側ミシン目111aと外側ミシン目111bとの間に生じ得る毛羽立ちは、一重ミシン目の場合より目立ち難くなるため、取出口の見栄え及びティシュペーパーの取出円滑性の改善が図られる。
【0049】
図13は、衛生用紙収納用カートンの参考形態における上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した平面図であり、図14は、切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図13における丸囲いしたE部分を示す図である。図13及び図14に示される衛生用紙収納用カートンでは、帯状切取部24を形成する切込線131は、千鳥状に配設された内側ミシン目131aと外側ミシン目131bを有する二重ミシン目で構成される。内側ミシン目131aは、帯状切取部24側(帯状切取部24の短手方向の中心側)に配設されるミシン目であり、第1湾曲張出部17側の外側ミシン目131bとともに、直線状を呈している。図13及び図14に示される衛生用紙収納用カートンでは、内側ミシン目131aと外側ミシン目131bとが、1つずつ交互に組み合わされて切込線131を構成する。
【0050】
図13及び図14に示されるように、切込線131の内側ミシン目131aと外側ミシン目131bがともに直線状を呈していても、図11及び図12に示される参考形態と同様に、二重ミシン目で構成されるので、切取部(帯状切取部24及び端部切取部14)の開封性が改善され、スムーズに切り取り開封することが可能である。又、内側ミシン目131aと外側ミシン目131bとの間に生じ得る毛羽立ちは、一重ミシン目の場合より目立ち難くなるため、取出口の見栄え及びティシュペーパーの取出円滑性の改善が図られる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の衛生用紙収納用カートンは、ティシュペーパー、キッチンペーパー等のペーパータオル、シート状のトイレットペーパー、ワッティング(紙綿)等のカートンとして、好適に利用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す図であり、使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示される衛生用紙収納用カートンの所定の切断線における断面図である。
【図3】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す図であり、開封する様子を示す斜視図である。
【図4】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す図であり、衛生用紙収納用カートンを組み立てる前のカートンブランクの状態の展開図である。
【図5】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す上面図である。
【図6】本発明の衛生用紙収納用カートンの切込線を示す拡大図であり、図5における丸囲いしたA部分を示す図である。
【図7】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す平面図であり、上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した図である。
【図8】図7に示される切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図7における丸囲いしたB部分を示す図である。
【図9】本発明の衛生用紙収納用カートンの一の実施形態を示す平面図であり、上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した図である。
【図10】図9に示される切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図9における丸囲いしたC部分を示す図である。
【図11】衛生用紙収納用カートンの参考形態を示す平面図であり、上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した図である。
【図12】図11に示される切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図11における丸囲いしたD部分を示す図である。
【図13】衛生用紙収納用カートンの参考形態を示す平面図であり、上面板の、取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって形成された切取部、並びに第1湾曲張出部及び第2湾曲張出部のみを表した図である。
【図14】図13に示される切込線のうち帯状切取部を形成する切込線の一部分の拡大図であり、図13における丸囲いしたE部分を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 上面板
2 下面板
3,4 側面板
6,7 端面板
10 取出口
11,71,91,111,131 切込線
11a,71a,91a,111a,131a 内側ミシン目
11b,71b,91b,111b,131b 外側ミシン目
12 切込線
13 切取部
14 端部切取部
15 リード罫
16a,16b (長手方向に沿った)ガイド罫
17 第1湾曲張出部
18 (短手方向に沿った)ガイド罫
19 第2湾曲張出部
20 サイド罫
21 切込線
22 折れ線
23 底上げ部材
24 帯状切取部
100 衛生用紙収納用カートン
107 ティシュペーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用紙を収納するとともに、少なくとも一の面に、収納した前記衛生用紙の取出口を設けるために、前記取出口の形状に沿って切り込まれた切込線によって、切取部が形成されているカートンであって、
前記切取部は、長手方向の両端に配設される一対の端部切取部と、その一対の端部切取部の間に配設される帯状切取部と、からなり、
前記切込線のうち前記帯状切取部を形成する切込線が、千鳥状に配設された内側ミシン目と外側ミシン目とを有する二重ミシン目で構成され、
少なくとも前記帯状切取部の短手方向の中心側に配設される前記内側ミシン目が、前記帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈する衛生用紙収納用カートン。
【請求項2】
前記外側ミシン目が、前記帯状切取部の短手方向の中心に向けて膨らんだ円弧状を呈する請求項1に記載の衛生用紙収納用カートン。
【請求項3】
前記帯状切取部は、その両端部分が中央部分よりも広がった形状に形成され、前記端部切取部は、前記帯状切取部と一体に形成されながら、前記帯状切取部よりも広幅に形成され、
前記取出口を形成する切取部を挟んで短手方向の両側に、長手方向に沿って切取部側に張り出した、横長の一対の第1湾曲張出部が形成されるとともに、
前記取出口を形成する切取部を挟んで長手方向の両側に、短手方向に沿って切取部側に張り出して前記一対の端部切取部のそれぞれに接する、舌片状を呈する一対の第2湾曲張出部が形成される請求項1又は2に記載の衛生用紙収納用カートン。
【請求項4】
前記取出口を設ける前記一の面の内側に、前記取出口を被覆するフィルムが配置されていない請求項1〜3の何れか一項に記載の衛生用紙収納用カートン。
【請求項5】
前記帯状切取部は、中央部ほど幅の狭い形状である請求項1〜4の何れか一項に記載の衛生用紙収納用カートン。
【請求項6】
前記切込線のうち前記端部切取部を形成する切込線が、滑らかな波形状を呈し、その波形状を呈する切込線によって、前記端部切取部には双丘形の摘み部が形成される請求項1〜5の何れか一項に記載の衛生用紙収納用カートン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−112503(P2007−112503A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308555(P2005−308555)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】