説明

衝撃吸収部材及び衝撃吸収構造

【課題】車体外部からの衝撃を効果的に吸収することができる衝撃吸収部材及び車体パネルの衝撃吸収構造を得る。
【解決手段】第2衝撃吸収部18の包囲壁42及びリブ46の高さを、第1衝撃吸収部20の包囲壁40及びリブ44の高さよりも高くなるようにしている。リブ44とリブ46の肉厚は略同じであり、リブ44とリブ46の本数は同じであるため、第2衝撃吸収部18は第1衝撃吸収部20よりも高く形成されている分、第1衝撃吸収部20よりも脆弱となっている。そして車内側に第1衝撃吸収部20を配置し、車外側に第2衝撃吸収部18を配置することで、車内側よりも車外側で高い衝撃吸収力を得るようにして、車内側への衝撃力を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアパネル部材に取付けられる衝撃吸収部材及びドアパネル部材の衝撃吸収構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、特に自動車では、車体側面からの衝突、所謂側突に対して、車体外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部材が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ドアアウタパネルとドアインナパネルの間に設けられたドアパネル部材に衝撃吸収部材を固定し、該衝撃吸収部材をドアアウタパネル及びドアインナパネル側へ突出させると共に、衝撃吸収部材のドアパネル部材との境界部分には脆弱部を設けており、車体の側面衝突時に衝撃吸収部材を脆弱部から破断させるようにしている。
【0004】
また、特許文献2では、ダッシュパネルの車体前方側に衝撃吸収部材が設けられている。この衝撃吸収部材には、車体前後方向へ延在する空洞が、互いに交差する複数の隔壁により縦横に仕切られた構成となっている。さらに、特許文献3では、ドアトリムとドアパネルとの間に介装される外壁部が筒状に形成され、外壁部の内部空間は、複数のリブによって区画されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3873565号公報
【特許文献2】特開2009−51251号公報
【特許文献3】特許3575096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、車体外部からの衝撃を効果的に吸収することができる衝撃吸収部材及び車体パネルの衝撃吸収構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ドアパネル部材に取付けられ、車体外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、前記衝撃吸収部材が、前記ドアパネル部材に取付けられる取付板と、前記取付板の一方の面に設けられ、前記ドアパネル部材の車内側に位置する第1衝撃吸収部と、前記取付板の他方の面に設けられ、前記第1衝撃吸収部よりも高い衝撃吸収力を有し、前記ドアパネル部材の車外側に位置する第2衝撃吸収部と、を備え、前記第1衝撃吸収部が、前記取付板から立設し、高さが同じ複数の第1リブと、前記取付板から立設し、前記複数の第1リブを包囲し、前記第1リブと高さが同じ第1包囲壁と、を含んで構成され、前記第2衝撃吸収部が、前記取付板から立設し、高さが同じ複数の第2リブと、前記取付板から立設し、前記複数の第2リブを包囲し、前記第2リブと高さが同じ第2包囲壁と、を含んで構成されている。
【0008】
請求項1に記載の発明では、衝撃吸収部材には、ドアパネル部材に取付けられる取付板が設けられており、取付板の一方の面には第1衝撃吸収部が形成され、取付板の他方の面には第2衝撃部材が形成されている。この第2衝撃吸収部の衝撃吸収力を第1衝撃吸収部よりも高くしている。
【0009】
つまり、一方の面側と他方の面側とで、衝撃吸収力を変えるようにしている。そして、車内側に第1衝撃吸収部を配置し、車外側に第2衝撃吸収部を配置して、車内側よりも車外側で高い衝撃吸収力を得るようにして、車内側への衝撃力を軽減することができる。
【0010】
ここで、第1衝撃吸収部は、複数の第1リブが立設し、これら複数の第1リブを第1包囲壁で包囲している。この第1包囲壁の高さ及び複数の第1リブの高さが全て同じになるようにしている。また、第2衝撃吸収部は、複数の第2リブが立設し、これら複数の第2リブを第2包囲壁で包囲している。この第2包囲壁の高さ及び複数の第2リブの高さが全て同じになるようにしている。
【0011】
外部からの衝撃力が第1衝撃吸収部へ伝達された場合、第1衝撃吸収部の端面の高さが揃っていない場合は、外部から伝達された衝撃力を第1衝撃吸収部の一部で受けこととなり、第1衝撃吸収部の一部から取付板を介してドアパネル部材へ衝撃力が伝達されることとなる。つまり、第1衝撃吸収部において衝撃エネルギを吸収しない箇所が生じてしまい、効果的ではない。
【0012】
しかし、第1衝撃吸収部及び第2衝撃吸収部の端面の高さを揃えることで、外部から伝達された衝撃力を第1衝撃吸収部及び第2衝撃吸収部の全面で受けることができるため、衝撃エネルギを効果的に吸収することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衝撃吸収部材において、前記複数の第1リブ及び前記複数の第2リブがそれぞれ格子状に配列されている。
【0014】
請求項2に記載の発明では、複数の第1リブ及び複数の第2リブをそれぞれ格子状に配列する。つまり、複数の第1リブ又は複数の第2リブ同士を互いに連結させることで、第1衝撃吸収部及び第2衝撃吸収部に伝達された衝撃力を、縦横に分散しながら複数の第1リブ又は複数の第2リブ全体で受けることとなり、該衝撃力を効果的に吸収することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材において、前記第1リブよりも第2リブの方が長く形成されている。
【0016】
請求項3に記載の発明では、第1リブよりも第2リブの方を長く形成することで、第1リブよりも第2リブの強度を低くして、第1衝撃吸収部よりも第2衝撃吸収部の衝撃吸収力が高くなるようにしている。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の衝撃吸収部材において、第1リブよりも第2リブの方が薄肉に形成されている。
【0018】
請求項4に記載の発明では、第1リブよりも第2リブの方を薄肉に形成することで、第1リブよりも第2リブの強度を低くして、第1衝撃吸収部よりも第2衝撃吸収部の衝撃吸収力が高くなるようにしている。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の衝撃吸収部材において、前記第1リブよりも第2リブの本数を少なくしている。
【0020】
請求項5に記載の発明では、第1リブよりも第2リブの本数を少なくすることで、第1リブよりも第2リブの強度を低くして、第1衝撃吸収部よりも第2衝撃吸収部の衝撃吸収力が高くなるようにしている。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の衝撃吸収部材において、少なくとも前記第1リブ又は前記第2リブの先端部から根元部へ行くにしたがって、段階的に又は徐々に肉厚が変化している。
【0022】
請求項6に記載の発明では、少なくとも第1リブ又は第2リブの先端部から根元部へ行くにしたがって、段階的に又は徐々に肉厚を変化させるようにすることで、段階的に又は徐々に衝撃吸収力を変えることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、車体外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収構造において、請求項1〜6の何れか1項に記載の衝撃吸収部材を備え、前記ドアパネル部材に形成された取付穴へ車外側から前記第1衝撃吸収部が挿入され、第1衝撃吸収部が前記ドアパネル部材の車内側に配置され、前記第2衝撃吸収部が前記ドアパネル部材の車外側に配置され前記取付板が前記取付穴の周辺に取付けられている。
【0024】
請求項7に記載の発明では、ドアパネル部材に形成された取付穴へ第1衝撃吸収部を挿入して、第1衝撃吸収部をドアパネル部材の車内側に配置し、第2衝撃吸収部をドアパネル部材の車外側に配置することで、車内側よりも車外側で高い衝撃吸収力を得るようにして、車内側への衝撃力を軽減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、上記構成としたので、車体外部からの衝撃を効果的に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(A)、(B)は、本実施の形態に係る衝撃吸収部材を示す斜視図であり、(A)は、第2衝撃吸収部側から見た図であり、(B)は、第1衝撃吸収部側から見た図である。
【図2】本実施の形態に係る衝撃吸収部材の係止部を示す一部断面図である。
【図3】本実施の形態に係る衝撃吸収部材を示す断面図である。
【図4】本実施の形態に係る衝撃吸収部材の第1衝撃吸収部側から見た平面図である。
【図5】本実施の形態に係る衝撃吸収部材が取付けられたサイドドアの断面図であり、(A)は、本実施の形態に係る衝撃吸収部材が衝撃を受ける前の状態であり、(B)は衝撃吸収部材が衝撃を受けた状態である。
【図6】本実施の形態に係る衝撃吸収部材が取付けられたサイドドアの側面図である。
【図7】本実施の形態に係る衝撃吸収部材の第1変形例を示す断面図である。
【図8】本実施の形態に係る衝撃吸収部材の第2変形例を示す断面図である。
【図9】本実施の形態に係る衝撃吸収部材の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本実施の形態に係る衝撃吸収部材について説明する。
図5(A)及び図6に示されるように、車体側部に設けられたサイドドア10は、サイドドア10の車外側に設けられたアウタパネル12と、車内側に設けられたインナパネル14と、備えており、アウタパネル12とインナパネル14の間には、ドアパネル部材16が設けられている。このドアパネル部材16、アウタパネル12及びインナパネル14が、溶接などにより互いに固定されており、図示しないシートの座部に対応する位置において、ドアパネル部材16には衝撃吸収部材18が取付けられている。
【0028】
(衝撃吸収部材の構成)
ここで、図1〜図4を参照して、衝撃吸収部材18の構成について説明する。
図1(A)、(B)に示されるように、衝撃吸収部材18には、角状の第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部22が備えられており、第1衝撃吸収部20と第2衝撃吸収部18の間には取付板24が設けられている。第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18は平面視にて略同じ外形を有しており、取付板24は四角形状を成し、第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18の全周から取付板24が張出している。
【0029】
取付板24の角部には、係止部26が設けられている。図2に示されるように、係止部26には、タッピングスクリュ28がねじ込まれる孔部30が設けられている。この孔部30には、第1衝撃吸収部20側へ延出しタッピングスクリュ28がねじ込まれる角状袋部32が連通している。
【0030】
角状袋部32の根元側(取付板24側)には、角状袋部32から切り離された状態で弾性変形可能な一対の係止片34が設けられており、角状袋部32及び係止片34は、タッピングスクリュ28の呼び径よりも狭幅となっている。
【0031】
一方、ドアパネル部材16には、矩形状の取付穴36が形成されており、取付穴36には第1衝撃吸収部20が挿入可能とされている。取付板24の外形は取付穴36よりも大きく形成されており、第1衝撃吸収部20が取付穴36へ挿入された状態で、取付穴36の周辺部に、取付板24が面接触する。
【0032】
また、取付穴36の角部近傍には、装着穴38が形成されており、角状袋部32及び係止片34が挿入可能とされている。この装着穴38へ角状袋部32及び係止片34が挿入された状態で、角状袋部32及び係止片34へタッピングスクリュ28をねじ込むと、角状袋部32にはタッピングスクリュ28がねじ込まれると共に、係止片34が拡幅する。 これにより、装着穴38の周辺部に係止片34が係止され、取付板24と係止片34の間でドアパネル部材16が挟持され、衝撃吸収部材18が抜け止めされる。つまり、衝撃吸収部材18がドアパネル部材16に固定される。
【0033】
ところで、図1(A)、(B)及び図3に示されるように、第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18は、前述したように平面視にて略同じ外形を有しているが、第2衝撃吸収部18の高さ(H)は、第1衝撃吸収部20の高さ(H)よりも高くなるようにしている。
【0034】
第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18は、四角形状の包囲壁40、42をそれぞれ有している。図1(B)に示されるように、包囲壁40の内側には、複数のリブ44が格子状に配列されている。リブ44の高さは包囲壁40の高さと同じになるように形成されており、リブ44の先端面は包囲壁40の先端面と面一となっている。
【0035】
また、図1(A)に示されるように、包囲壁42の内側には、複数のリブ46が格子状に配列されている。リブ46の高さは包囲壁42の高さと同じになるように形成されており、リブ46の先端面は包囲壁42の先端面と面一となっている。
【0036】
リブ46とリブ44は同じ本数設けられており、リブ46の肉厚はリブ44の肉厚と略同一となっている。なお、成形時の抜きテーパを考慮しなければいけないため、リブの長さによっては、リブ46の肉厚とリブ44の肉厚が若干異なる場合もある。
【0037】
また、リブ46同士が互いに交差する箇所には、円柱部48が設けられている。この円柱部48は、衝撃吸収部材18を成形するときに、衝撃吸収部材18を成形するための金型(図示省略)から該衝撃吸収部材18を離型させるときに金型から突出する突出しピンを受けるため、リブ46の他の部分よりも肉厚となるようにしたものであるが、リブ46同士が互いに交差する箇所に、このような円柱部48を設けることで、リブ46自体を補強することができる。このため、リブ44側でもリブ46と同様に円柱部50が設けられている。
【0038】
なお、ここでは、第1衝撃吸収部20、第2衝撃吸収部18及び取付板24が一体成形された衝撃吸収部材18について説明したが、第1衝撃吸収部20、第2衝撃吸収部18及び取付板24が一体的に形成されたものであれば良いため、成形後に互いに溶着等により一体化させても良い。
【0039】
(衝撃吸収部材の作用・効果)
ここで、衝撃吸収部材18の作用・効果について説明する。
図3に示されるように、本実施形態では、衝撃吸収部材18の第2衝撃吸収部18の包囲壁42及びリブ46の高さ(H)を、第1衝撃吸収部20の包囲壁40及びリブ44の高さ(H)よりも高くしている。リブ44とリブ46の肉厚は略同じであり、リブ44とリブ46の本数も同じであるため、第2衝撃吸収部18は第1衝撃吸収部20よりも高く形成されている分、第1衝撃吸収部20よりも脆弱となっている。
【0040】
換言すると、第2衝撃吸収部18は第1衝撃吸収部よりも衝撃吸収力が高くなっている。つまり、ここでは、第1衝撃吸収部20と第2衝撃吸収部22とで衝撃吸収力を変えるようにしている。
【0041】
そして、図5(A)に示されるように、車内側に第1衝撃吸収部20を配置し、車外側に第2衝撃吸収部18を配置することで、車内側よりも車外側で高い衝撃吸収力を得るようにして、車内側への衝撃力を軽減することができる。
【0042】
このように、第1衝撃吸収部と第2衝撃吸収部18とで、リブ44、46の長さを変えることによって、衝撃吸収力を容易にコントロールすることができる。また、第1衝撃吸収部と第2衝撃吸収部18とで、リブ44、46の長さを変えるだけなので、第2衝撃吸収部18に別途衝撃吸収部材を設けた場合と比較して、軽量・安価な構造とすることができる。
【0043】
ここで、図1(A)、(B)に示されるように、第1衝撃吸収部20は、複数のリブ44が立設し、これら複数のリブ44を包囲壁40で包囲している。この包囲壁40の先端面とリブ44の先端面が面一となるようにしている。また、第1衝撃吸収部20と同様に第2衝撃吸収部18には、複数のリブ46が立設し、これら複数のリブ46を包囲壁42で包囲している。この包囲壁42の先端面とリブ46の先端面が面一となるようにしている。
【0044】
そして、複数のリブ44及びリブ46をそれぞれ格子状に配列し、複数のリブ44及び包囲壁40又は複数のリブ46及び包囲壁42を互いに連結させることで、第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18に伝達された衝撃力を、縦横に分散しながら複数のリブ44及び包囲壁40又は複数のリブ46及び包囲壁42全体で受けることができる。
【0045】
例えば、図示はしないが、第1衝撃吸収部20の端面の高さが揃っていない場合、外部から伝達された衝撃力を第1衝撃吸収部20の一部で受けることとなり、第1衝撃吸収部20の一部から取付板24を介してドアパネル部材16へ衝撃力が伝達されることとなる。つまり、第1衝撃吸収部20において衝撃エネルギを吸収しない箇所が生じてしまい、効果的ではない。
【0046】
しかし、本実施形態のように、第1衝撃吸収部20及び第2衝撃吸収部18の端面の高さを揃えることで、図5(B)に示されるように、外部からの衝撃力(矢印)を第1衝撃吸収部20の全面で受け、取付板24を介してドアパネル部材16及び第1衝撃吸収部20を変形させることによって該衝撃エネルギを吸収するため、効果的である。
【0047】
そして、ドアパネル部材16の変形によって第2衝撃吸収部18がインナパネル14に当たると、第2衝撃吸収部18の全面でその衝撃力を受け、第2衝撃吸収部18の変形によって衝撃エネルギを吸収する。図示はしないが、衝撃吸収部材18には補強バーとしてのリーンホースが接触しており、衝撃吸収部材18によって衝撃エネルギが吸収された後、残された衝撃エネルギはこのリーンホースへ伝達される。
【0048】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態では、複数のリブ44及びリブ46をそれぞれ格子状に配列したが、予め設定された衝撃吸収力を得ることができれば良いため、必ずしも格子状に配列する必要はない。
【0049】
例えば、図示はしないが、複数のリブ44及びリブ46が六角形状を成すように配置しても良い。また、必ずしも全てのリブを互いに連結させる必要はなく、複数本ずつ連結させても良いし、複数のリブがそれぞれ独立した状態で設けられても良い。また、ここでは、包囲壁40、42を四角形状に形成したが、リブ44、46をそれぞれ包囲すれば良いため、必ずしも四角形状である必要はなく、丸形であっても良い。
【0050】
また、ここでは、図3に示されるように、第1衝撃吸収部20のリブ44の高さ(H)よりも第2衝撃吸収部18のリブ46の高さ(H)を長く形成することで、リブ44よりもリブ46の強度を低くして、第1衝撃吸収部20よりも第2衝撃吸収部18の衝撃吸収力が高くなるようにしたが、これ以外にも、図7に示されるように、リブ46の肉厚(t)をリブ44の肉厚(t)よりも薄くすることで、リブ44よりもリブ46の強度を低くして、第1衝撃吸収部20よりも第2衝撃吸収部18の衝撃吸収力が高くなるようにしても良い。
【0051】
また、図8に示されるように、リブ44よりもリブ46の本数を少なくすることで、リブ44よりもリブ46の強度を低くして、第1衝撃吸収部20よりも第2衝撃吸収部18の衝撃吸収力が高くなるようにしても良い。さらに、これらを組み合わせても良い。
【0052】
また、包囲壁40、42及びリブ44、46には抜きテーパが設けられ、包囲壁40、42及びリブ44、46の先端部から根元部へ行くにしたがって、徐々に幅広となっており、これにより、包囲壁40、42及びリブ44、46の先端部から根元部へ行くにしたがって、衝撃吸収力は徐々に大きくなる。このため、図9に示されるように、包囲壁40、42及びリブ44、46の肉厚を階段状に形成して、段階的に衝撃吸収力が変わるようにしても良い。これにより、衝撃吸収力を段階的にコントロールすることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 サイドドア(車体)
16 ドアパネル部材
18 衝撃吸収部材
20 第1衝撃吸収部
22 第2衝撃吸収部
24 取付板
40 第1包囲壁
42 第2包囲壁
44 第1リブ
46 第2リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネル部材に取付けられ、車体外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、
前記衝撃吸収部材が、
前記ドアパネル部材に取付けられる取付板と、
前記取付板の一方の面に設けられ、前記ドアパネル部材の車内側に位置する第1衝撃吸収部と、
前記取付板の他方の面に設けられ、前記第1衝撃吸収部よりも高い衝撃吸収力を有し、前記ドアパネル部材の車外側に位置する第2衝撃吸収部と、
を備え、
前記第1衝撃吸収部が、
前記取付板から立設し、高さが同じ複数の第1リブと、
前記取付板から立設し、前記複数の第1リブを包囲し、前記第1リブと高さが同じ第1包囲壁と、
を含んで構成され、
前記第2衝撃吸収部が、
前記取付板から立設し、高さが同じ複数の第2リブと、
前記取付板から立設し、前記複数の第2リブを包囲し、前記第2リブと高さが同じ第2包囲壁と、
を含んで構成された衝撃吸収部材。
【請求項2】
前記複数の第1リブ及び前記複数の第2リブがそれぞれ格子状に配列されている請求項1に記載の衝撃吸収部材。
【請求項3】
前記第1リブよりも第2リブの方が長く形成されている請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材。
【請求項4】
前記第1リブよりも第2リブの方が薄肉に形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の衝撃吸収部材。
【請求項5】
前記第1リブよりも第2リブの本数を少なくしている請求項1〜4の何れか1項に記載の衝撃吸収部材。
【請求項6】
少なくとも前記第1リブ又は前記第2リブの先端部から根元部へ行くにしたがって、段階的に又は徐々に肉厚が変化している請求項1〜5の何れか1項に記載の衝撃吸収部材。
【請求項7】
車体外部からの衝撃を吸収する衝撃吸収構造において、
請求項1〜6の何れか1項に記載の衝撃吸収部材を備え、
前記ドアパネル部材に形成された取付穴へ車外側から前記第1衝撃吸収部が挿入され、第1衝撃吸収部が前記ドアパネル部材の車内側に配置され、前記第2衝撃吸収部が前記ドアパネル部材の車外側に配置され前記取付板が前記取付穴の周辺に取付けられた衝撃吸収構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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