衣料
【課題】本願発明は、体型を補正でき、しかも、歩く姿勢を良くできる衣料の提供を目的とする。
【解決手段】骨盤当て部1と、臀部周当て部2と、右下腹当て片3aと、左下腹当て片3bとを備える。骨盤当て部1と右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されることにより、体型を補正できるとともに、歩行姿勢を良いものにできるものにする。
【解決手段】骨盤当て部1と、臀部周当て部2と、右下腹当て片3aと、左下腹当て片3bとを備える。骨盤当て部1と右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されることにより、体型を補正できるとともに、歩行姿勢を良いものにできるものにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、穿かれるようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆うパンツ等の衣料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、穿かれるようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料として、例えば腹部にかかる緊迫力と、ヒップなどの腹部以外の箇所にかかる緊迫力とを連動させることにより、相乗的に体型補正機能を向上させた、ガードル等の衣料が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004―339623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のものでは、歩く姿勢まで良くできるというものではない。
【0004】
本願発明は、体型を補正でき、しかも、歩く姿勢を良くできる衣料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、穿くようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料であって、前記腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも前記下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部とを備え、前記第1及び第2の強緊迫部は、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする衣料である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記第1の強緊迫部が、前記腰部の周方向に延ばされた帯状の主部と、その主部よりも伸長応力が弱い副部とを備え、前記副部は、前記主部の上方側に、その長手方向に沿って配設されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記第1の強緊迫部が、前記腰部の周方向に延ばされた帯状のものに形成されているとともに、前部側においてその長手方向の端部同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、前記端部同士の間に、それらの端部夫々に連結されるようにして配設され前記他の部分の一部を構成する下腹押さえ部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記第2の強緊迫部が、前記下腹部の左側部に当たる帯状の左下腹当て片と、前記下腹部の右側部に当たる帯状の右下腹当て片とを備え、これらの左下腹当て片と右下腹当て片とは、夫々、その一端が、前記第1の強緊迫部の下端に連結され、他端同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、前記下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方部が、前記他端同士の間に、それらの他端夫々に連結されるようにして配設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、右間隙が区画形成されているとともに、前記左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、左間隙が区画形成され、前記右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられているとともに、前記左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記衣料が、身体の左右の臀部夫々を包み込む臀部包み込み部と、それらの臀部包み込み部夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部と、臀部包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設された臀部受け部とを、更に備え、前記臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているとともに、前記臀部受け部は、前記臀部包み込み部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、前記第1及び第2の強緊迫部が、前記他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1記載の発明によれば、第1の強緊迫部によって、身体の腰部の骨盤(腰骨)及びその近傍の筋肉をサポートできる。これにより、例えば骨盤近傍の筋力が弱く自然な歩行姿勢で歩き難い人でも、自然ときれいな姿勢で歩くことができる。又、第2の強緊迫部によって、下腹部における左右両側夫々の筋肉をサポートでき、第1の強緊迫部と相まって、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0013】
一方、第2の強緊迫部によって、下腹部における左右両側部分を押さえることができ、きれいな体型に補正できる。
【0014】
請求項2によれば、第1の強緊迫部は、主部よりも伸長応力の弱い副部が、主部の上方側に配設されているため、穿き易いものにできる。又、着用後は、骨盤近傍を局部的に強く押さえるようなことを防止でき、かゆみや痛みなどが発生し難いものにできるとともに、徐々に下から上へと段階的に押さえることができ、違和感のないものにできる。
【0015】
又、主部と副部とによって第1の強緊迫部の全体を帯状のものとするため、骨盤及びその近傍の筋肉をサポートでき、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0016】
請求項3によれば、帯状からなる第1の強緊迫部の端部同士の間に、第1の強緊迫部よりも伸長応力の弱い下腹押さえ部が設けられているため、穿き易いものにできる。又、例えば下腹押さえ部を、ある程度、伸長応力の強いものに形成しておけば、着用後、下腹を押さえることができ、きれいな体型にできる。
【0017】
請求項4によれば、下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方側が、第2の強緊迫部の左下腹当て片と右下腹当て片との間に配設されているため、着用した場合に違和感のないものにできる。従って、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0018】
請求項5によれば、右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって区画形成された右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられ、左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって区画形成された左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられているため、身体を屈曲し易くできる。
【0019】
請求項6によれば、臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているため、臀部周当て部によって、臀部の周部を押さえるようにして臀部包み込み部に臀部を入れることができる。又、臀部包み込み部に入れた臀部を、臀部受け部によって下方側から持ち上げるようにして受けることができる。これにより、臀部をきれいな形にして保持できる。
【0020】
請求項7によれば、第1及び第2の強緊迫部は、他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されているため、製作容易なものにでき、低コストで製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本願発明の衣料の一実施の形態のパンツの前方側から見た斜視図、図2は、そのパンツの後方側から見た斜視図、図3は、そのパンツの正面図、図4は、そのパンツの背面図、図5は、そのパンツの側面図である。
【0023】
この実施形態のパンツは、上下中央よりやや上側に配設された第1の強緊迫部としての帯状の骨盤当て部1と、前面側の左右両側夫々に配設された右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bとを備えている。これらの骨盤当て部1、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bは、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されている。
【0024】
骨盤当て部1は、着用に際して身体の腰部における少なくとも左右夫々の骨盤(腰骨)を覆うようにして骨盤近傍の筋肉に当てる部分で、この実施形態では、1つの所定幅の帯状のものから構成され、身体の腰部に、前部の一部を除く全周に渡って配設されている。
【0025】
又、この実施形態の骨盤当て部1は、帯状の主部11と、主部11の上方側に、主部11よりも細幅の帯状に形成された副部12とにより構成されている。又、主部11と副部12とは、次のように編まれることによって形成されている。
【0026】
主部11と副部12とは、同じ糸使いとされている。詳しくは、図6、図7に示すように、第1コース及び第5コースに、ウーリーナイロン糸が用いられ、第2コース及び第6コースに、シングルカバードヤーンと、上記ウーリーナイロン糸とが用いられている。
【0027】
又、第3コース及び第7コースに、ナイロン生糸が用いられ、第4コース及び第8コースに、上記シングルカバードヤーンと、ウーリーナイロン糸とが用いられている。
【0028】
そして、これらの第1コース〜第8コースに用いられた8コースの糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられている。なお、このナイロン生糸は、上記ウーリーナイロン糸やシングルカバードヤーンに比して弾性率の小さい糸である。
【0029】
次に、編み方は、主部11と副部12とで異なる。詳しくは、主部11は、図6に示すように、第1コース〜第6コース、及び第8コースは、順次右方向に、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。
【0030】
第7コースは、プレーン編みを2回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0031】
一方、副部12は、図7に示すように、第1、第2、第4〜第6及び第8コースは、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれ、第3及び第7コースは、プレーン編みを2回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0032】
次に、右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとについて、説明する。右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、第2の強緊迫部を構成するもので、図1、図3に示すように、左右一対をなし、夫々、帯状片から構成されている。これらの右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bは、その一端が上記骨盤当て部1の下端部及び後述の臀部周当て部2の端部に連結され、その他端が下前方側に延ばされており、着用に際し、身体の骨盤下部から左下腹、右下腹夫々にかけての部分を覆って当たるように構成されている。
【0033】
又、右下腹当て片3aは、この実施形態では、次のようにして編まれている。まず、糸使いは、図11に示すように、第1コース及び第5コースに、綿糸と、上記ウーリーナイロン糸が用いられている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースに、上記シングルカバードヤーンとウーリーナイロン糸とが用いられ、又、第3コース及び第7コースに、上記ウーリーナイロン糸が用いられている。
【0034】
そして、これらの第1コース〜第8コースに用いられた8コース分の糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられている。なお、この糸使いは、以下の全ての部分(上記骨盤当て部1を除く全ての部分)において同じである。従って、以下の各部の説明において、糸使いの説明は省略する。
【0035】
編み方は、図11に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みを5回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0036】
左下腹当て片3bは、右下腹当て片3aと同じ編み構成を採っている。
【0037】
また、図1、図3に示すように、これらの右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとの間、且つ、上記骨盤当て部1の長手方向の両端の間に、身体の下腹部における左右中央部に当てる中緊迫部としての下腹押さえ部4が設けられている。
【0038】
この下腹押さえ部4は、右下腹当て片3a、左下腹当て片3b、及び骨盤当て部1夫々に連結されるようにして配設されている。又、この実施形態の下腹押さえ部4は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように形成されている。
【0039】
この下腹押さえ部4は、図12に示すように、上記右下腹当て片3a等のように第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編まれている。
【0040】
又、この下腹押さえ部4が、骨盤当て部1、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bに連結されることにより、図1、図3に示すように、下腹押さえ部4と骨盤当て部1と右下腹当て片3aとによって右間隙6が区画形成されているとともに、下腹押さえ部4と骨盤当て部1と左下腹当て片3bとによって左間隙7が区画形成されている。
【0041】
右間隙6には、右間隙被覆部61が設けられ、左間隙7には、右間隙被覆部71が設けられている。これらの右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、左右対称に配設されて左右一対をなしている。
【0042】
又、これらの右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、図13に示すように、第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編まれている。又、このようにして編まれることによって、右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、裏表方向に凹凸を有するものとされている(図1、図3では、凹凸を表していない)。
【0043】
又、この実施形態のパンツの後面側には、身体の左右の臀部夫々を受容する2つの臀部受容部5と、臀部受容部5夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部2とを備えている。
【0044】
この臀部周当て部2は、この実施形態では、下方側に突設された2つの湾曲部21を有する帯状のものからなる。そして、臀部周当て部2における長手方向の両端部及び中間部が骨盤当て部1の下端に連結されることにより、臀部周当て部2と骨盤当て部1とで2つの臀部受容部5を区画形成している。これにより、臀部周当て部2が、臀部受容部5夫々の周部に配設され、着用に際して身体の左右の臀部夫々の周部に当たることができるようになっている。
【0045】
この臀部周当て部2は、図8に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てフロート編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0046】
臀部用受容部5は、夫々、図2、図4に示すように、臀部を包み込む袋状の臀部包み込み部51と、臀部包み込み部51の下方側に配設され受容した臀部を下方側から受ける臀部受け部52とを備えている。
【0047】
臀部包み込み部51は、図10に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、全てプレーン編みで編まれている。第2コース、第6コースは、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。第4コース及び第8コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0048】
一方、臀部受け部52は、図9に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0049】
又、この実施形態のパンツの下部には、図1〜図5に示すように、股下被覆部8が設けられているとともに、パンツの上部には、筒状の腰上当て部9が設けられている。
【0050】
この股下被覆部8は、夫々、身体の股部から大腿部の内側部分にかけての部分に当てる股下当て部81と、身体の大腿部の内側部分に当てる大腿内当て部82と、大腿部の前側の部分に当てる大腿前当て部83と、大腿部の外側から後側にかけての部分に当てる大腿後当て部84と、それらの下方に配設された裾部85とを備えている。
【0051】
股下当て部81は、図15に示すように第1コース及び第5コースが、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。第3コース及び第7コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0052】
大腿内当て部82は、図18に示すように、第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして順次下方側に編まれている。
【0053】
大腿前当て部83は、図14に示すように、第1コース、第2コース、第4コース〜第6コース、及び第8コースは、フロート編みを2回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。又、第3コース及び第7コースは、プレーン編みを2回繰り返しフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0054】
大腿後当て部84は、上記右間隙被覆部61と同じように編まれている。又、裾部85は、図16に示すように、第1、第3、第5、第7コースが、全てプレーン編みで編まれ、第2、第4、第6、第8コースが、フロート編みを2回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0055】
腰上当て部9は、身体の腰より上の部分(腹部)に当てる部分で、上記右間隙被覆部61と同じようにして編まれている。
【0056】
又、この実施形態では、腰上当て部9の上方側に、筒状のゴム部10が付設され、このゴム部10によって、着用後、ずり落ち難いようになされている。なお、このゴム部10は、図17に示すように、第1、第3、第5、第7コースが、全てプレーン編みで編まれ、第2、第4、第6、第8コースが、フロート編みを3回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれ、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0057】
次に、以上のように構成されたパンツの各部の伸長応力について、図19を参照して以下に説明する。図19は、パンツの後述する部分の伸長応力(伸長力)及び緊迫力についての測定データを示したもので、測定部は、骨盤当て部1の主部11、臀部周当て部2、右下腹当て片3a、下腹押さえ部4、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83、及び大腿後当て部84とした。なお、図19では、上記符号を用いて測定部を明記している。
【0058】
又、測定に際して、テストスピード(試験片を伸長する際の速度)を300mm/minとし、試験片幅を25mmとした。また、試験片の掴み間隔は、製作した試験片の都合により、主部11が60mm、臀部周当て部2が50mm、右下腹当て片3aが40mm、下腹押さえ部4が40mm、右間隙被覆部6が60mm、臀部包み込み部51が40mm、大腿前当て部83が40mm、大腿後当て部84が100mmとした。
【0059】
又、伸長応力は、試験片を左右方向(周方向、図19のX−X方向)に30%、80%伸ばした際の測定値(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)である。緊迫力は、試験片を左右方向に80%伸ばした後、30%伸ばした状態まで戻した際の測定値(30%時緊迫力)である。
【0060】
周方向の30%時の伸長応力は、図19に示すように、骨盤当て部1の主部11が最も強く、次いで、右下腹当て片3a、臀部周当て部2、下腹押さえ部4、大腿後当て部84、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。又、周方向の80%時の伸長応力は、右下腹当て片3aが最も強く、次いで、骨盤当て部1の主部11、臀部周当て部2、下腹押さえ部4、右間隙被覆部6、大腿後当て部84、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。
【0061】
また、緊迫力は、図19に示すように、骨盤当て部1の主部11が最も強く、次いで、右下腹当て片3a、大腿後当て部84、下腹押さえ部4、臀部周当て部2、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。
【0062】
又、この測定データとして図19に記載していないが、骨盤当て部1の副部12の周方向の伸長応力(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)及び緊迫力は、主部11よりも弱く、主部11、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3b以外の他の部分(大腿後当て部84、下腹押さえ部4、臀部周当て部2、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83)よりも強かった。又、臀部受け部52の周方向の伸長応力(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)及び緊迫力は、臀部周当て部2よりも弱く、臀部包み込み部51よりも強かった。
【0063】
次に、このパンツの作用について説明する。本願発明のパンツを穿く場合は、一般的なパンツと同様に穿く。その際、緊迫力の強い骨盤当て部1が配設されているが、骨盤当て部1の端部同士の間に、それより緊迫力の弱い下腹押さえ部4が設けられているため、比較的容易に穿くことができる。
【0064】
又、穿いて着用した後は、腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部と、身体の臀部の周部を覆って当てる臀部周当て部2とを備え、第1及び第2の強緊迫部と臀部周当て部2とは、それら以外の他の部分よりも伸長応力および緊迫力が強くなるように構成されているため、身体の下腹部を、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bによって、上方に持ち上げるようにして押さえ、更には、そのように持ち上げた下腹部を、下腹押さえ部4によって押さえることができ、例えば出っ張って下方に垂れ下がり気味の下腹部を整えることができる。
【0065】
また、身体の臀部を、臀部周当て部2によって、上方に持ち上げるようにして周部を押さえ、臀部を臀部包み込み部51に入れることができる。又、臀部受け部52によって、臀部を下方側から受けることができる。その際、臀部包み込み部51、臀部受け部52、臀部周当て部2の順に伸長応力及び緊迫力が強くなっているため、臀部をきれいな球状に近い形状に突出させた状態で受容できる。従って、例えば下方に垂れ下がり気味の臀部を、美麗な形に整えることができる。
【0066】
一方、歩く場合は、骨盤当て部1によって、身体の腰部の骨盤及びその近傍を押さえ、骨盤近傍の筋肉をサポートできる。これにより、例えば骨盤近傍の筋力が弱く自然な歩行姿勢で歩き難い人でも、自然ときれいな歩行姿勢で歩くことができる。
【0067】
しかも、臀部周当て部2によって、臀部の周部の筋肉をサポートできるとともに、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bによって、下腹部における左右両側夫々の筋肉をサポートでき、骨盤当て部1と相まって、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0068】
又、骨盤当て部1と右下腹当て片3aと下腹押さえ部4との間、及び骨盤当て部1と左下腹当て片3bと下腹押さえ部4との間に、それらよりも伸長応力及び緊迫力の弱い右間隙被覆部61、右間隙被覆部71を夫々、設けているため、身体を屈曲させ易いものにできる。
【0069】
また、右間隙被覆部61、右間隙被覆部71及び腰上当て部9が表裏側に凹凸を有するため、腹部の血行を良好なものにできる。
【0070】
尚、上記実施形態では、第1の強緊迫部としての骨盤当て部1を、第2の強緊迫部を構成する右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bよりも30%伸長応力及び緊迫力の強いものとしているが、この形態のものに限らず、例えば骨盤当て部1の30%伸長応力及び緊迫力を、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bの30%伸長応力及び緊迫力と同じ又は弱いものとしても良く、適宜変更し得る。
【0071】
又、右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、同じ伸長応力及び緊迫力のものに形成される形態のものに限らず、異なる伸長応力及び緊迫力のものに形成するようにしても良く、適宜変更できる。
【0072】
また、上記実施形態では、骨盤当て部1を、主部11と、副部12とから構成しているが、この形態のものに限らず、例えば主部11だけで構成し、または主部11と副部12との間に、主部11よりも伸長応力が弱く、副部12よりも伸長応力が強い中間層部を設けるようにしても良い。
【0073】
又、上記実施形態では、骨盤当て部1を、1つの帯状のものから構成しているが、この形態のものに限らず、例えば分離した2つの帯状のものから構成し、或いは、2つの円形状等のものから構成してもよく、適宜変更できる。
【0074】
また、骨盤当て部1を帯状のものから構成する場合において、その上下の幅は、骨盤近傍に当てることができる程度のものであれば良く、特に限定されないが、10mm〜70mmが好ましい。10mm以下になると、腰骨及びその近傍の筋力を十分にサポートできず歩行姿勢を良好にし難くなるとともに、長時間着用した場合にかゆくなる等のおそれが生じ、一方、70mmを超えると、穿き難くなるとともに、長時間着用した場合に圧迫感を与える等のおそれが生じるためである。
【0075】
又、上記実施形態では、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bと、それ以外の他の部分とを、編み方及び糸使いを変えることによって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力及び緊迫力の強いものに形成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0076】
例えば、伸長応力の強い糸を骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bに用い、伸長応力の弱い糸を他の部分に用いることによって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力の強いものに形成し、或いは、使用する糸と編み方との両方によって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力の強いものに形成しても良い。
【0077】
又、上記実施形態では、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編んでいるが、フロート編みとプレーン編みとから構成する形態のものに限らず、適宜変更できる。又、フロート編みとプレーン編みとで編む場合において、両者の割合は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0078】
また、本願発明の衣料は、パンツとして実施されるものに限らず、例えばガードル等の下着の他、下着の上に穿くトレーニングパンツ等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本願発明の一実施の形態のパンツの前方側から見た斜視図である。
【図2】そのパンツの後方側から見た斜視図である。
【図3】そのパンツの正面図である。
【図4】そのパンツの背面図である。
【図5】そのパンツの側面図である。
【図6】骨盤当て部の主部の編み略図である。
【図7】骨盤当て部の副部の編み略図である。
【図8】臀部周当て部の編み略図である。
【図9】臀部受け部の編み略図である。
【図10】臀部包み込み部の編み略図である。
【図11】右下腹当て片の編み略図である。
【図12】下腹押さえ部の編み略図である。
【図13】右間隙被覆部の編み略図である。
【図14】大腿前当て部の編み略図である。
【図15】股下当て部の編み略図である。
【図16】裾部の編み略図である。
【図17】ゴム部の編み略図である。
【図18】大腿内当て部の編み略図である。
【図19】各部の伸長応力等の測定データを表した図表である。
【符号の説明】
【0080】
1 骨盤当て部(第1の強緊迫部)
2 臀部周当て部
3a 右下腹当て片
3b 左下腹当て片
4 下腹押さえ部
51 臀部包み込み部
52 臀部受け部
【技術分野】
【0001】
本願発明は、穿かれるようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆うパンツ等の衣料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、穿かれるようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料として、例えば腹部にかかる緊迫力と、ヒップなどの腹部以外の箇所にかかる緊迫力とを連動させることにより、相乗的に体型補正機能を向上させた、ガードル等の衣料が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004―339623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のものでは、歩く姿勢まで良くできるというものではない。
【0004】
本願発明は、体型を補正でき、しかも、歩く姿勢を良くできる衣料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、穿くようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料であって、前記腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも前記下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部とを備え、前記第1及び第2の強緊迫部は、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする衣料である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記第1の強緊迫部が、前記腰部の周方向に延ばされた帯状の主部と、その主部よりも伸長応力が弱い副部とを備え、前記副部は、前記主部の上方側に、その長手方向に沿って配設されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記第1の強緊迫部が、前記腰部の周方向に延ばされた帯状のものに形成されているとともに、前部側においてその長手方向の端部同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、前記端部同士の間に、それらの端部夫々に連結されるようにして配設され前記他の部分の一部を構成する下腹押さえ部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記第2の強緊迫部が、前記下腹部の左側部に当たる帯状の左下腹当て片と、前記下腹部の右側部に当たる帯状の右下腹当て片とを備え、これらの左下腹当て片と右下腹当て片とは、夫々、その一端が、前記第1の強緊迫部の下端に連結され、他端同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、前記下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方部が、前記他端同士の間に、それらの他端夫々に連結されるようにして配設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、右間隙が区画形成されているとともに、前記左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、左間隙が区画形成され、前記右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられているとともに、前記左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記衣料が、身体の左右の臀部夫々を包み込む臀部包み込み部と、それらの臀部包み込み部夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部と、臀部包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設された臀部受け部とを、更に備え、前記臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているとともに、前記臀部受け部は、前記臀部包み込み部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、前記第1及び第2の強緊迫部が、前記他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の請求項1記載の発明によれば、第1の強緊迫部によって、身体の腰部の骨盤(腰骨)及びその近傍の筋肉をサポートできる。これにより、例えば骨盤近傍の筋力が弱く自然な歩行姿勢で歩き難い人でも、自然ときれいな姿勢で歩くことができる。又、第2の強緊迫部によって、下腹部における左右両側夫々の筋肉をサポートでき、第1の強緊迫部と相まって、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0013】
一方、第2の強緊迫部によって、下腹部における左右両側部分を押さえることができ、きれいな体型に補正できる。
【0014】
請求項2によれば、第1の強緊迫部は、主部よりも伸長応力の弱い副部が、主部の上方側に配設されているため、穿き易いものにできる。又、着用後は、骨盤近傍を局部的に強く押さえるようなことを防止でき、かゆみや痛みなどが発生し難いものにできるとともに、徐々に下から上へと段階的に押さえることができ、違和感のないものにできる。
【0015】
又、主部と副部とによって第1の強緊迫部の全体を帯状のものとするため、骨盤及びその近傍の筋肉をサポートでき、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0016】
請求項3によれば、帯状からなる第1の強緊迫部の端部同士の間に、第1の強緊迫部よりも伸長応力の弱い下腹押さえ部が設けられているため、穿き易いものにできる。又、例えば下腹押さえ部を、ある程度、伸長応力の強いものに形成しておけば、着用後、下腹を押さえることができ、きれいな体型にできる。
【0017】
請求項4によれば、下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方側が、第2の強緊迫部の左下腹当て片と右下腹当て片との間に配設されているため、着用した場合に違和感のないものにできる。従って、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0018】
請求項5によれば、右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって区画形成された右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられ、左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって区画形成された左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられているため、身体を屈曲し易くできる。
【0019】
請求項6によれば、臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているため、臀部周当て部によって、臀部の周部を押さえるようにして臀部包み込み部に臀部を入れることができる。又、臀部包み込み部に入れた臀部を、臀部受け部によって下方側から持ち上げるようにして受けることができる。これにより、臀部をきれいな形にして保持できる。
【0020】
請求項7によれば、第1及び第2の強緊迫部は、他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されているため、製作容易なものにでき、低コストで製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本願発明の衣料の一実施の形態のパンツの前方側から見た斜視図、図2は、そのパンツの後方側から見た斜視図、図3は、そのパンツの正面図、図4は、そのパンツの背面図、図5は、そのパンツの側面図である。
【0023】
この実施形態のパンツは、上下中央よりやや上側に配設された第1の強緊迫部としての帯状の骨盤当て部1と、前面側の左右両側夫々に配設された右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bとを備えている。これらの骨盤当て部1、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bは、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されている。
【0024】
骨盤当て部1は、着用に際して身体の腰部における少なくとも左右夫々の骨盤(腰骨)を覆うようにして骨盤近傍の筋肉に当てる部分で、この実施形態では、1つの所定幅の帯状のものから構成され、身体の腰部に、前部の一部を除く全周に渡って配設されている。
【0025】
又、この実施形態の骨盤当て部1は、帯状の主部11と、主部11の上方側に、主部11よりも細幅の帯状に形成された副部12とにより構成されている。又、主部11と副部12とは、次のように編まれることによって形成されている。
【0026】
主部11と副部12とは、同じ糸使いとされている。詳しくは、図6、図7に示すように、第1コース及び第5コースに、ウーリーナイロン糸が用いられ、第2コース及び第6コースに、シングルカバードヤーンと、上記ウーリーナイロン糸とが用いられている。
【0027】
又、第3コース及び第7コースに、ナイロン生糸が用いられ、第4コース及び第8コースに、上記シングルカバードヤーンと、ウーリーナイロン糸とが用いられている。
【0028】
そして、これらの第1コース〜第8コースに用いられた8コースの糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられている。なお、このナイロン生糸は、上記ウーリーナイロン糸やシングルカバードヤーンに比して弾性率の小さい糸である。
【0029】
次に、編み方は、主部11と副部12とで異なる。詳しくは、主部11は、図6に示すように、第1コース〜第6コース、及び第8コースは、順次右方向に、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。
【0030】
第7コースは、プレーン編みを2回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0031】
一方、副部12は、図7に示すように、第1、第2、第4〜第6及び第8コースは、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれ、第3及び第7コースは、プレーン編みを2回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0032】
次に、右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとについて、説明する。右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、第2の強緊迫部を構成するもので、図1、図3に示すように、左右一対をなし、夫々、帯状片から構成されている。これらの右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bは、その一端が上記骨盤当て部1の下端部及び後述の臀部周当て部2の端部に連結され、その他端が下前方側に延ばされており、着用に際し、身体の骨盤下部から左下腹、右下腹夫々にかけての部分を覆って当たるように構成されている。
【0033】
又、右下腹当て片3aは、この実施形態では、次のようにして編まれている。まず、糸使いは、図11に示すように、第1コース及び第5コースに、綿糸と、上記ウーリーナイロン糸が用いられている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースに、上記シングルカバードヤーンとウーリーナイロン糸とが用いられ、又、第3コース及び第7コースに、上記ウーリーナイロン糸が用いられている。
【0034】
そして、これらの第1コース〜第8コースに用いられた8コース分の糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられている。なお、この糸使いは、以下の全ての部分(上記骨盤当て部1を除く全ての部分)において同じである。従って、以下の各部の説明において、糸使いの説明は省略する。
【0035】
編み方は、図11に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みを5回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0036】
左下腹当て片3bは、右下腹当て片3aと同じ編み構成を採っている。
【0037】
また、図1、図3に示すように、これらの右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとの間、且つ、上記骨盤当て部1の長手方向の両端の間に、身体の下腹部における左右中央部に当てる中緊迫部としての下腹押さえ部4が設けられている。
【0038】
この下腹押さえ部4は、右下腹当て片3a、左下腹当て片3b、及び骨盤当て部1夫々に連結されるようにして配設されている。又、この実施形態の下腹押さえ部4は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように形成されている。
【0039】
この下腹押さえ部4は、図12に示すように、上記右下腹当て片3a等のように第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編まれている。
【0040】
又、この下腹押さえ部4が、骨盤当て部1、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bに連結されることにより、図1、図3に示すように、下腹押さえ部4と骨盤当て部1と右下腹当て片3aとによって右間隙6が区画形成されているとともに、下腹押さえ部4と骨盤当て部1と左下腹当て片3bとによって左間隙7が区画形成されている。
【0041】
右間隙6には、右間隙被覆部61が設けられ、左間隙7には、右間隙被覆部71が設けられている。これらの右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、左右対称に配設されて左右一対をなしている。
【0042】
又、これらの右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、図13に示すように、第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編まれている。又、このようにして編まれることによって、右間隙被覆部61と右間隙被覆部71とは、裏表方向に凹凸を有するものとされている(図1、図3では、凹凸を表していない)。
【0043】
又、この実施形態のパンツの後面側には、身体の左右の臀部夫々を受容する2つの臀部受容部5と、臀部受容部5夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部2とを備えている。
【0044】
この臀部周当て部2は、この実施形態では、下方側に突設された2つの湾曲部21を有する帯状のものからなる。そして、臀部周当て部2における長手方向の両端部及び中間部が骨盤当て部1の下端に連結されることにより、臀部周当て部2と骨盤当て部1とで2つの臀部受容部5を区画形成している。これにより、臀部周当て部2が、臀部受容部5夫々の周部に配設され、着用に際して身体の左右の臀部夫々の周部に当たることができるようになっている。
【0045】
この臀部周当て部2は、図8に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てフロート編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0046】
臀部用受容部5は、夫々、図2、図4に示すように、臀部を包み込む袋状の臀部包み込み部51と、臀部包み込み部51の下方側に配設され受容した臀部を下方側から受ける臀部受け部52とを備えている。
【0047】
臀部包み込み部51は、図10に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、全てプレーン編みで編まれている。第2コース、第6コースは、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。第4コース及び第8コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0048】
一方、臀部受け部52は、図9に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0049】
又、この実施形態のパンツの下部には、図1〜図5に示すように、股下被覆部8が設けられているとともに、パンツの上部には、筒状の腰上当て部9が設けられている。
【0050】
この股下被覆部8は、夫々、身体の股部から大腿部の内側部分にかけての部分に当てる股下当て部81と、身体の大腿部の内側部分に当てる大腿内当て部82と、大腿部の前側の部分に当てる大腿前当て部83と、大腿部の外側から後側にかけての部分に当てる大腿後当て部84と、それらの下方に配設された裾部85とを備えている。
【0051】
股下当て部81は、図15に示すように第1コース及び第5コースが、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。第3コース及び第7コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0052】
大腿内当て部82は、図18に示すように、第1コースから第8コースの編み方を1組にした繰り返しとはされず、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして順次下方側に編まれている。
【0053】
大腿前当て部83は、図14に示すように、第1コース、第2コース、第4コース〜第6コース、及び第8コースは、フロート編みを2回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。又、第3コース及び第7コースは、プレーン編みを2回繰り返しフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0054】
大腿後当て部84は、上記右間隙被覆部61と同じように編まれている。又、裾部85は、図16に示すように、第1、第3、第5、第7コースが、全てプレーン編みで編まれ、第2、第4、第6、第8コースが、フロート編みを2回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0055】
腰上当て部9は、身体の腰より上の部分(腹部)に当てる部分で、上記右間隙被覆部61と同じようにして編まれている。
【0056】
又、この実施形態では、腰上当て部9の上方側に、筒状のゴム部10が付設され、このゴム部10によって、着用後、ずり落ち難いようになされている。なお、このゴム部10は、図17に示すように、第1、第3、第5、第7コースが、全てプレーン編みで編まれ、第2、第4、第6、第8コースが、フロート編みを3回繰り返しプレーン編みを1回入れるようにして編まれ、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
【0057】
次に、以上のように構成されたパンツの各部の伸長応力について、図19を参照して以下に説明する。図19は、パンツの後述する部分の伸長応力(伸長力)及び緊迫力についての測定データを示したもので、測定部は、骨盤当て部1の主部11、臀部周当て部2、右下腹当て片3a、下腹押さえ部4、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83、及び大腿後当て部84とした。なお、図19では、上記符号を用いて測定部を明記している。
【0058】
又、測定に際して、テストスピード(試験片を伸長する際の速度)を300mm/minとし、試験片幅を25mmとした。また、試験片の掴み間隔は、製作した試験片の都合により、主部11が60mm、臀部周当て部2が50mm、右下腹当て片3aが40mm、下腹押さえ部4が40mm、右間隙被覆部6が60mm、臀部包み込み部51が40mm、大腿前当て部83が40mm、大腿後当て部84が100mmとした。
【0059】
又、伸長応力は、試験片を左右方向(周方向、図19のX−X方向)に30%、80%伸ばした際の測定値(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)である。緊迫力は、試験片を左右方向に80%伸ばした後、30%伸ばした状態まで戻した際の測定値(30%時緊迫力)である。
【0060】
周方向の30%時の伸長応力は、図19に示すように、骨盤当て部1の主部11が最も強く、次いで、右下腹当て片3a、臀部周当て部2、下腹押さえ部4、大腿後当て部84、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。又、周方向の80%時の伸長応力は、右下腹当て片3aが最も強く、次いで、骨盤当て部1の主部11、臀部周当て部2、下腹押さえ部4、右間隙被覆部6、大腿後当て部84、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。
【0061】
また、緊迫力は、図19に示すように、骨盤当て部1の主部11が最も強く、次いで、右下腹当て片3a、大腿後当て部84、下腹押さえ部4、臀部周当て部2、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83の順に強い。
【0062】
又、この測定データとして図19に記載していないが、骨盤当て部1の副部12の周方向の伸長応力(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)及び緊迫力は、主部11よりも弱く、主部11、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3b以外の他の部分(大腿後当て部84、下腹押さえ部4、臀部周当て部2、右間隙被覆部6、臀部包み込み部51、大腿前当て部83)よりも強かった。又、臀部受け部52の周方向の伸長応力(30%時伸長応力及び80%時伸長応力)及び緊迫力は、臀部周当て部2よりも弱く、臀部包み込み部51よりも強かった。
【0063】
次に、このパンツの作用について説明する。本願発明のパンツを穿く場合は、一般的なパンツと同様に穿く。その際、緊迫力の強い骨盤当て部1が配設されているが、骨盤当て部1の端部同士の間に、それより緊迫力の弱い下腹押さえ部4が設けられているため、比較的容易に穿くことができる。
【0064】
又、穿いて着用した後は、腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部と、身体の臀部の周部を覆って当てる臀部周当て部2とを備え、第1及び第2の強緊迫部と臀部周当て部2とは、それら以外の他の部分よりも伸長応力および緊迫力が強くなるように構成されているため、身体の下腹部を、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bによって、上方に持ち上げるようにして押さえ、更には、そのように持ち上げた下腹部を、下腹押さえ部4によって押さえることができ、例えば出っ張って下方に垂れ下がり気味の下腹部を整えることができる。
【0065】
また、身体の臀部を、臀部周当て部2によって、上方に持ち上げるようにして周部を押さえ、臀部を臀部包み込み部51に入れることができる。又、臀部受け部52によって、臀部を下方側から受けることができる。その際、臀部包み込み部51、臀部受け部52、臀部周当て部2の順に伸長応力及び緊迫力が強くなっているため、臀部をきれいな球状に近い形状に突出させた状態で受容できる。従って、例えば下方に垂れ下がり気味の臀部を、美麗な形に整えることができる。
【0066】
一方、歩く場合は、骨盤当て部1によって、身体の腰部の骨盤及びその近傍を押さえ、骨盤近傍の筋肉をサポートできる。これにより、例えば骨盤近傍の筋力が弱く自然な歩行姿勢で歩き難い人でも、自然ときれいな歩行姿勢で歩くことができる。
【0067】
しかも、臀部周当て部2によって、臀部の周部の筋肉をサポートできるとともに、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bによって、下腹部における左右両側夫々の筋肉をサポートでき、骨盤当て部1と相まって、より一層、きれいな姿勢で歩くことができる。
【0068】
又、骨盤当て部1と右下腹当て片3aと下腹押さえ部4との間、及び骨盤当て部1と左下腹当て片3bと下腹押さえ部4との間に、それらよりも伸長応力及び緊迫力の弱い右間隙被覆部61、右間隙被覆部71を夫々、設けているため、身体を屈曲させ易いものにできる。
【0069】
また、右間隙被覆部61、右間隙被覆部71及び腰上当て部9が表裏側に凹凸を有するため、腹部の血行を良好なものにできる。
【0070】
尚、上記実施形態では、第1の強緊迫部としての骨盤当て部1を、第2の強緊迫部を構成する右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bよりも30%伸長応力及び緊迫力の強いものとしているが、この形態のものに限らず、例えば骨盤当て部1の30%伸長応力及び緊迫力を、右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bの30%伸長応力及び緊迫力と同じ又は弱いものとしても良く、適宜変更し得る。
【0071】
又、右下腹当て片3aと左下腹当て片3bとは、同じ伸長応力及び緊迫力のものに形成される形態のものに限らず、異なる伸長応力及び緊迫力のものに形成するようにしても良く、適宜変更できる。
【0072】
また、上記実施形態では、骨盤当て部1を、主部11と、副部12とから構成しているが、この形態のものに限らず、例えば主部11だけで構成し、または主部11と副部12との間に、主部11よりも伸長応力が弱く、副部12よりも伸長応力が強い中間層部を設けるようにしても良い。
【0073】
又、上記実施形態では、骨盤当て部1を、1つの帯状のものから構成しているが、この形態のものに限らず、例えば分離した2つの帯状のものから構成し、或いは、2つの円形状等のものから構成してもよく、適宜変更できる。
【0074】
また、骨盤当て部1を帯状のものから構成する場合において、その上下の幅は、骨盤近傍に当てることができる程度のものであれば良く、特に限定されないが、10mm〜70mmが好ましい。10mm以下になると、腰骨及びその近傍の筋力を十分にサポートできず歩行姿勢を良好にし難くなるとともに、長時間着用した場合にかゆくなる等のおそれが生じ、一方、70mmを超えると、穿き難くなるとともに、長時間着用した場合に圧迫感を与える等のおそれが生じるためである。
【0075】
又、上記実施形態では、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bと、それ以外の他の部分とを、編み方及び糸使いを変えることによって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力及び緊迫力の強いものに形成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0076】
例えば、伸長応力の強い糸を骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bに用い、伸長応力の弱い糸を他の部分に用いることによって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力の強いものに形成し、或いは、使用する糸と編み方との両方によって、骨盤当て部1や右下腹当て片3a及び左下腹当て片3bを、他の部分よりも伸長応力の強いものに形成しても良い。
【0077】
又、上記実施形態では、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編んでいるが、フロート編みとプレーン編みとから構成する形態のものに限らず、適宜変更できる。又、フロート編みとプレーン編みとで編む場合において、両者の割合は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0078】
また、本願発明の衣料は、パンツとして実施されるものに限らず、例えばガードル等の下着の他、下着の上に穿くトレーニングパンツ等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本願発明の一実施の形態のパンツの前方側から見た斜視図である。
【図2】そのパンツの後方側から見た斜視図である。
【図3】そのパンツの正面図である。
【図4】そのパンツの背面図である。
【図5】そのパンツの側面図である。
【図6】骨盤当て部の主部の編み略図である。
【図7】骨盤当て部の副部の編み略図である。
【図8】臀部周当て部の編み略図である。
【図9】臀部受け部の編み略図である。
【図10】臀部包み込み部の編み略図である。
【図11】右下腹当て片の編み略図である。
【図12】下腹押さえ部の編み略図である。
【図13】右間隙被覆部の編み略図である。
【図14】大腿前当て部の編み略図である。
【図15】股下当て部の編み略図である。
【図16】裾部の編み略図である。
【図17】ゴム部の編み略図である。
【図18】大腿内当て部の編み略図である。
【図19】各部の伸長応力等の測定データを表した図表である。
【符号の説明】
【0080】
1 骨盤当て部(第1の強緊迫部)
2 臀部周当て部
3a 右下腹当て片
3b 左下腹当て片
4 下腹押さえ部
51 臀部包み込み部
52 臀部受け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿くようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料であって、
前記腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも前記下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部とを備え、
前記第1及び第2の強緊迫部は、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする衣料。
【請求項2】
前記第1の強緊迫部は、前記腰部の周方向に延ばされた帯状の主部と、その主部よりも伸長応力が弱い副部とを備え、
前記副部は、前記主部の上方側に、その長手方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項1記載の衣料。
【請求項3】
前記第1の強緊迫部は、前記腰部の周方向に延ばされた帯状のものに形成されているとともに、前部側においてその長手方向の端部同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、
前記端部同士の間に、それらの端部夫々に連結されるようにして配設され前記他の部分の一部を構成する下腹押さえ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の衣料。
【請求項4】
前記第2の強緊迫部は、前記下腹部の左側部に当たる帯状の左下腹当て片と、前記下腹部の右側部に当たる帯状の右下腹当て片とを備え、
これらの左下腹当て片と右下腹当て片とは、夫々、その一端が、前記第1の強緊迫部の下端に連結され、他端同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、
前記下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方部が、前記他端同士の間に、それらの他端夫々に連結されるようにして配設されていることを特徴とする請求項3記載の衣料。
【請求項5】
前記右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、右間隙が区画形成されているとともに、前記左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、左間隙が区画形成され、
前記右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられているとともに、前記左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の衣料。
【請求項6】
前記衣料は、身体の左右の臀部夫々を包み込む臀部包み込み部と、それらの臀部包み込み部夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部と、臀部包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設された臀部受け部とを、更に備え、
前記臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているとともに、前記臀部受け部は、前記臀部包み込み部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の衣料。
【請求項7】
前記第1及び第2の強緊迫部は、前記他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の衣料。
【請求項1】
穿くようにして着用され少なくとも身体の腰部と下腹部と臀部とを覆う衣料であって、
前記腰部における少なくとも左右の骨盤夫々を覆うように配設された第1の強緊迫部と、少なくとも前記下腹部における左右両側夫々を覆うように配設された第2の強緊迫部とを備え、
前記第1及び第2の強緊迫部は、それら以外の他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする衣料。
【請求項2】
前記第1の強緊迫部は、前記腰部の周方向に延ばされた帯状の主部と、その主部よりも伸長応力が弱い副部とを備え、
前記副部は、前記主部の上方側に、その長手方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項1記載の衣料。
【請求項3】
前記第1の強緊迫部は、前記腰部の周方向に延ばされた帯状のものに形成されているとともに、前部側においてその長手方向の端部同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、
前記端部同士の間に、それらの端部夫々に連結されるようにして配設され前記他の部分の一部を構成する下腹押さえ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の衣料。
【請求項4】
前記第2の強緊迫部は、前記下腹部の左側部に当たる帯状の左下腹当て片と、前記下腹部の右側部に当たる帯状の右下腹当て片とを備え、
これらの左下腹当て片と右下腹当て片とは、夫々、その一端が、前記第1の強緊迫部の下端に連結され、他端同士が互いに所定の距離をもって対向するように配設され、
前記下腹押さえ部は、下方側に行くに従って漸次左右方向の幅が狭くなるように構成されているとともに、その下方部が、前記他端同士の間に、それらの他端夫々に連結されるようにして配設されていることを特徴とする請求項3記載の衣料。
【請求項5】
前記右下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、右間隙が区画形成されているとともに、前記左下腹当て片と第1の強緊迫部と下腹押さえ部とによって、左間隙が区画形成され、
前記右間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い右間隙被覆部が設けられているとともに、前記左間隙には、下腹押さえ部よりも伸長応力の弱い左間隙被覆部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の衣料。
【請求項6】
前記衣料は、身体の左右の臀部夫々を包み込む臀部包み込み部と、それらの臀部包み込み部夫々の周部に配設され臀部の周部に当てる臀部周当て部と、臀部包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設された臀部受け部とを、更に備え、
前記臀部周当て部は、前記臀部包み込み部及び臀部受け部よりも伸長応力が強くなるように構成されているとともに、前記臀部受け部は、前記臀部包み込み部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の衣料。
【請求項7】
前記第1及び第2の強緊迫部は、前記他の部分と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって形成されることにより、当該他の部分よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の衣料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−174083(P2009−174083A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14044(P2008−14044)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
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