表皮一体型ヘッドレストの表皮構造
【課題】表皮一体型ヘッドレストにおいて、表皮体へのフレームの挿入配置作業が容易且つ的確に行なえ、且つヘッドレストの製品精度の向上を図り得るような表皮構造を提案する。
【解決手段】表皮体1に、ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、フレーム2を表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、
フレーム挿入開口17を開口させることで、第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつフレーム2を表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストの製造コストの低減が図れるとともに、表皮体1に設けられる注入口16の形成位置を、フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができ、表皮体1内におけるコア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストの商品価値の向上が期待できる。
【解決手段】表皮体1に、ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、フレーム2を表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、
フレーム挿入開口17を開口させることで、第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつフレーム2を表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストの製造コストの低減が図れるとともに、表皮体1に設けられる注入口16の形成位置を、フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができ、表皮体1内におけるコア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストの商品価値の向上が期待できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、表皮体内にフレームを挿入配置し、該フレーム内に発泡樹脂材を注入してコアを成形してなる表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表皮一体型ヘッドレストとしては、従来から種々の構造をもつものが提案されている。例えば、特許文献1〜3に示されるものは、略鼓形の形体をもち、シートバックの上面側に載置状態で取付けられるものである。また、特許文献4に示されるものは、略L字状に屈曲した形体をもち、シートバックの上面側と前面側のコーナ部分に跨った鞍座状態で取付けられるものである。
【0003】
このような表皮一体型ヘッドレストにおいては、袋状に縫製された表皮体内に発泡樹脂材を注入する前に、該表皮体内に、シートバック側への支持部となる左右一対のステー部を備えたフレームを挿入し且つ該ステー部を表皮体に設けたステー挿通穴を通して外部へ延出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体内に発泡樹脂材を注入し、該表皮体内において発泡充填させてコアを形成するようになっている。
【0004】
ところで、このように表皮体内にフレームを挿入配置する場合、該フレームの挿入用開口を表皮体のどの位置に、どのような形で確保するかが問題であり、実際的には、フレームの形状との関係で決定している。
【0005】
例えば、特許文献1〜4に示された略鼓形の形体をもつヘッドレストにおいては、該ヘッドレスト内にはその長手方向に一本の支持部が存在すれば機能的に十分であることから、フレームはこれを、単一の棒材を略コ字状形体に屈曲させた構成とし、その中間部分を支持部とする。
【0006】
そして、特許文献1のものでは、表皮体に、発泡樹脂材の注入口と、ステー挿通穴とフレーム挿入穴を兼用する左右一対の小穴を設け、一方の小穴から上記フレームの一端側を差し入れ、さらにこれを内部へ送り込み、他方の小穴から延出させるようにしている。
【0007】
特許文献2のものでは、表皮体に、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用する横長の開口を設け、上記フレームを、その支持部側から上記開口を通して挿入するとともに、そのステー部分を外方へ延出させた状態で挿入配置し、しかる後、該開口の余分な部分、即ち、ステー部分の延出部位と注入口部分を接着にて閉鎖するようにしている。
【0008】
特許文献3のものでは、表皮体に、注入口とフレーム挿入開口の二者を兼用する横長の開口を設けるとともに、その近傍にステー挿通穴を設ける一方、フレーム側には受けプレートを左右一対のステー部間に跨って取付け、上記開口を通して、上記フレームの支持部及び上記受けプレートを挿入し、且つステー部分を外方へ延出させるようにしている。
【0009】
一方、特許文献4のものでは、略L字状に形成された表皮体の一方側に、注入口と左右一対のステー挿通穴を設ける一方、フレームを単一の棒材で屈曲形成し、該フレームをその一方のステー部側から上記一対のステー挿通穴の一方側に挿入し、これを順次送り出し、上記一方のステー部を他方のステー挿通穴から外部へ延出させるようにしている。即ち、特許文献1の場合と同様の構成を採用している。
【0010】
【特許文献1】特開2000−153084号公報
【特許文献2】特開2000−014480号公報
【特許文献3】特開平8−252147号公報
【特許文献4】特開2000−166708号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献4に示されるように、略L字状の形体をもつヘッドレストにおいて、フレームを単一の棒材で屈曲形成した場合には、当該文献の図2に示されるように、頭部荷重を支持する支持部が、横設された一本の棒体のみで構成されヘッドレストにおける対応範囲が狭く限られ、頭部保持性能という点において不満が残る。
【0012】
このような問題を解決するために、例えば、本案添付の図2に示すように、フレームを、左右一対のステー部21cを構成する単一の棒体からなる第1フレーム材21と、単一の棒体を略コ字形に折曲して構成され上記本体部21の支持部21aに固定された第2フレーム材22で構成し、上記本体部21側の支持部21aと上記第2フレーム材22側の支持部22aが上下方向に離間して平行配置されるように構成したものが採用される。
【0013】
ところが、このような二部材構成のフレームを使用した場合、上掲特許文献1又は4に示されるような、フレームを、その一方のステー部側から表皮体のステー挿通穴に挿入するというような作業形態をとることはできない。そのため、一般には、特許文献2に示すように、表皮体に、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用する横長の開口を設け、該開口からフレームを挿入するとか、特許文献3に示すように、表皮体に、注入口とフレーム挿入開口の二者を兼用する横長の開口を設け、該開口からフレームを挿入するような作業形態を採用するのが通例である。しかし、このような作業方法では、単一材で構成されたフレームを用いて行なう場合に比して、作業がやりにくく、作業工数の増加によって製造コストが高くつき、またフレームの配置精度、延いてはヘッドレストの商品精度を確保しにくいという問題があった。
【0014】
さらに、表皮体に設けられた開口は、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用しているが、その場合、該開口の形成位置は、主としてフレームの挿入が容易な位置に設定され、注入口の位置は発泡樹脂材の膨張特性上において必ずしも適した位置とはなっていない。このため、例えば、表皮体内におけるコアの成形精度が損なわれ、場合によっては、ヘッドレストの商品価値の低下を招来することも懸念される。
【0015】
そこで本願発明では、略L字状に屈曲した断面形状をもつ表皮一体型ヘッドレストを製作するに際して、表皮体へのフレームの挿入配置作業が容易且つ的確に行なえるとともに、ヘッドレストの成品精度の向上を図り得るようにした表皮構造を提案することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0017】
本願の第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造では、略L字状に屈曲した断面形状をもつ袋状の表皮体1内に、単一の棒材を屈曲させてその両端部分をそれぞれステー部21c、21cとした第1フレーム材21と、単一又は複数の棒材あるいは板材で構成され且つ上記第1フレーム材21の中間位置に側方へ延出状態で固定された第2フレーム材22とからなる略コ字状の側面視形体をもつフレーム2を、上記各ステー部21c、21cを上記表皮体1に設けたステー挿通穴18、18からそれぞれ外部へ延出させた状態で挿入配置し、該表皮体1内に発泡樹脂材を注入しこれを発泡させてコア3を形成してなる表皮一体型ヘッドレストにおいて、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けたことを特徴としている。
【0018】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造において、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段Xを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0020】
(a)本願の第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造によれば、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、
(a−1)上記フレーム挿入開口17を開口させることで、上記第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつ上記フレーム2を上記表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストの製造コストの低減が図れるとともに、
(aー2)上記表皮体1に設けられる上記注入口16の形成位置、即ち、上記表皮体1内への発泡樹脂材の注入位置を、上記フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができ、その結果、上記表皮体1内における上記コア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストの商品価値の向上が期待できる、
等の実用上極めて有用な効果が奏せられるものである。
【0021】
(b)本願の第2の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造によれば、前記(a)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段Xを備えているので、上記フレーム挿入開口17の大きさを大きく設定しても、上記フレーム2の挿入配置後においては上記フレーム挿入開口17が上記閉鎖手段Xによって閉鎖され、上記表皮体1を上記フレーム2とともに発泡成形型内にセットした状態において上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が保持され、従って、上記表皮体1内で発泡成形される発泡樹脂材が上記フレーム挿入開口17を通して外部へ漏洩するのが確実に防止され、その成形精度が確保されるなど、上記フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によるヘッドレストの製造コストの低減と、上記コア3の成形精度の確保による商品価値の向上が両立されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1には、本願発明の実施形態に係る表皮構造を備えた表皮一体型のヘッドレストヘッドレストZを、車両用シートのシートバック5の頂面5aと該頂面5a前端縁に連続する前面上部5bの間に跨らせて取付けた状態を示している。
【0024】
上記ヘッドレストZは、上記シートバック5の頂面5a側に対応する頂部Zaと、上記前面上部5b側に対応する前垂部Zbを備えた略L字形の断面形態をもち、上記頂部Zaの下面側から延出する左右一対のステー部21cを上記シートバック5側のステーホルダー6に嵌挿固定することで、上記シートバック5側に取付けられる。
【0025】
そして、上記ヘッドレストZは、次述する表皮体1内に次述のフレーム2を挿入配置し、その状態で上記表皮体1内に発泡樹脂材を注入しこれを該表皮体1内に発泡充填させてコア3を形成することで構成される。
【0026】
ここで、図1に斜視図で示すように、シートに着座した乗員の後頭部をサポートする上記ヘッドレストZの前垂部Zbは比較的大きな表面積をもつものであり、従って、この前垂部Zbの内部に埋設配置されて車両衝突時において乗員の頭部荷重を受ける支持部は、該前垂部Zbの広い範囲をカバーし得るような構成であることが要求される。このため、この実施形態においては、上記フレーム2として図2に示すような構成を採用している。
【0027】
即ち、上記フレーム2は、図2に示すように、第1フレーム材21と第2フレーム材22を組み合わせて一体化した構成とされている。
【0028】
上記第1フレーム材21は、所定径をもつ金属製の一本の棒体を先ずコ字形に屈曲させてその中央部を支持部21aとする一方、該支持部21aの両端側からそれぞれ延出する部分を略直交状に屈曲させて、上記支持部21a寄り部分を腕部21bとするとともに、該腕部21bより端部寄り部分をステー部21cとしている。
【0029】
上記第2フレーム材22は、金属製の一本の棒体を略C形に屈曲成形し、その中央部分を支持部22aとしている。そして、上記第1フレーム材21の上記支持部21aに、上記第2フレーム材22の両端部22b、22bを溶接固定し、これら両者を一体化して上記フレーム2を構成している。この場合、上記第2フレーム材22の上記第1フレーム材21に対する取付角度を、上記第1フレーム材21のステー部21の延出方向において、上記第2フレーム材22の支持部22aと上記第1フレーム材21の支持部21aとが上下二段に並ぶように設定されている。
【0030】
尚、この実施形態では、上記第2フレーム材22を単一の棒材を屈曲成形して構成しているが、本願発明は係る構成に限定されるものではなく、例えば、上記第2フレーム材22を、単一又は複数の棒材で構成するとか、所定形の板材で構成することもできるものである。また、上記第2フレーム材22の材質は、この実施形態のように金属材とするのに限らず、例えば、これを樹脂材等の適宜の材質を選択して使用することができるものである。上記第2フレーム材22を樹脂製の棒材とか板材で構成した場合には、上記第1フレーム材21側への固定手法としては、樹脂材の弾性を利用した弾圧固着構造とか、ビス止め固定構造等、任意の固着構造が採用できる。
【0031】
以上のように構成された上記フレーム2は、上記ヘッドレストZにおいて、図1に示すように、上記第1フレーム材21の腕部21bを上記ヘッドレストZの頂部Za内に位置させ、また上記第1フレーム材21の支持部21aと上記第2フレーム材22の支持部22aを上記ヘッドレストZの前垂部Zbの上部側と下部側にそれぞれ位置させるとともに、上記第1フレーム材21のステー部21cを上記頂部Zaの下面側へ延出させた状態で設けられる。
【0032】
このように複雑な形体をもつ上記フレーム2を、上記ヘッドレストZの製作に際して上記表皮体1内に挿入配置する場合、例えば、上掲各公知例のように単一の棒体で構成されたフレームを用いる場合とは異なった挿入形態をとることが要求される。また、この場合、上記フレーム2の挿入作業の容易さのみならず、上記表皮体1内に注入される発泡樹脂材の該表皮体1内における発泡特性をも考慮することが必要となる。このような様々な事情を考慮した上で、この実施形態では、上記表皮体1の構造を決定している。以下、この表皮体1の具体的な構造及び該表皮体1内への上記フレーム2の挿入配置作業等について説明する。
【0033】
上記表皮体1は、上記ヘッドレストZの外観形態に対応すべく、略L字形の断面形状をもつ袋状に縫製される。即ち、表皮体1は、所要の表皮材を用い、これを上記形状に縫製して得られるものであって、図3及び図4に示すように、上記ヘッドレストZの上記頂部Zaに対応する第1表皮部1Aと上記前垂部Zbに対応する第2表皮部1Bを備えている。また、上記第1表皮部1Aは、頂面部11と下面部14とこれらの両側部を閉塞する側面部15の一部で構成される。また、上記第2表皮部1Bは、背面部12と前面部13とこれらの両側部を閉塞する上記側面部15の他の一部で構成される。
【0034】
そして、この実施形態では、上記表皮体1の上記下面部14と前面部13の縫合部19の中央部分の一部を未縫製としてこれを注入口16としている。従って、この注入口16は、図4に示すように、上記表皮体1の第1表皮部1Aと第2表皮部1Bの境界部分で且つその内部空間(即ち、発泡樹脂材の充填空間)が最も大きな部位に設定されることになる。
【0035】
また、上記表皮体1の上記下面部14の左右両側には小丸穴で構成されるステー挿通穴18がそれぞれ形成されている。
【0036】
さらに、上記表皮体1の前面部13は、該表皮体1の底面1a寄り部分において、その幅方向の全長に亘って下側部13aと上側部13bとに分断されており、この分断部分に形成された横長の開口をフレーム挿入開口17としている。即ち、上記フレーム挿入開口17は上記注入口16及びステー挿通穴18とは別個独立に形成されており、且つこのフレーム挿入開口17の形成位置は上記注入口16の形成位置の選択には何らの影響も与えないものである。
【0037】
ここで、上記フレーム挿入開口17は、後述のように上記表皮体1内へ発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させるとき、この発泡樹脂材が外部へ漏洩しないように閉鎖する必要がある。そのため、この実施形態では上記フレーム挿入開口17部分に次述の閉鎖手段Xを設けている。ここでは、上記閉鎖手段Xとして、第1〜第4の構造例を提案する。
【0038】
第1の構造例
上記閉鎖手段Xの第1の構造例は、図4及び図5に示すように、上記表皮体1の上記前面部13の下側部13a側においては、該下側部13aの端縁部分を裏面側へ折り返し、折り返し部分を縫合し、縫合線31より端縁寄り部分を掛止端13a1としている。一方、上記表皮体1の上記前面部13の上側部13b側においては、その端縁部分をその表面側へ折り返し、折り返し部分を縫合し、縫合線31より端縁寄り部分を掛止端13b1としている。
【0039】
そして、上記前面部13の下側部13aの裏面側に、上記上側部13bを引き込んで、上記下側部13aの掛止端13a1と上記上側部13bの掛止端13b1を相互に掛止することで、上記フレーム挿入開口17が閉鎖される。従って、この状態で、上記表皮体1を上記フレーム2と共に発泡成形型内にセットした状態においては、上記各掛止端13a1、13b1同士の掛止作用によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持される。この結果、上記表皮体1内で発泡樹脂材が発泡する際に、上記フレーム挿入開口17から発泡樹脂材が漏洩するのが確実に防止されることになる。
【0040】
また、図5に示す上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態から、上記上側部13bを上方へ引き出すことで、上記各掛止端13a1、13b1同士の掛止状態が解除され、図4において鎖線図示するように、上記フレーム挿入開口17が開口され、この開口部分から上記フレーム2を上記表皮体1内へ挿入することが可能となるものである。
【0041】
第2の構造例
上記閉鎖手段Xの第2の構造例は、図6に示すように、上記表皮体1の上記前面部13の下側部13a側においては、該下側部13aの端縁部分を裏面側へ折り返し、折り返し部分を縫合している。一方、上記表皮体1の上記前面部13の上側部13b側においては、その端縁部分をその裏面側へ折り返し、この折り返し部分に板バネ等でなる弾性材25を包み込み、これを縫合固定している。
【0042】
そして、上記弾性材25は、その弾性復元力が矢印P方向に作用し、上記上側部13bによって上記下側部13aを上方へ(即ち、該発泡成形型の内面側へ)押し付けることができるように、その形状とか復元方向が設定される。従って、上記表皮体1を発泡成形型内にセットした状態においても、上記弾性材25の弾性復元力によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0043】
第3の構造例
上記閉鎖手段Xの第3の構造例は、図7に示すように、上記前面部13の下側部13aの端縁を裏面側へ折り返し、ここに、例えば、樹脂材で形成された突片状の掛止片26を、該端縁に沿って適当数だけ縫合固定する。一方、上記前面部13の上側部13b側の上記各掛止片26に対応する位置には、それぞれ横長のスリット27を形成する。そして、上記掛止片26を上記スリット27に差し込むことで上記フレーム挿入開口17を閉鎖保持するものである。
【0044】
この場合、上記掛止片26の先端両側にフック26aを設ければ、該フック26aと上記スリット27との掛止作用によって、上記フレーム挿入開口17の閉鎖保持状態がより確実ならしめられる。
【0045】
この構造例のものにおいても、上記表皮体1を発泡成形型内にセットした状態においては、上記掛止片26の掛止作用によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0046】
尚、この構造例では、上記掛止片26を、上記表皮体1とは別体に形成し、これを上記前面部13の下側部13aに取付けるようにしているが、本願発明の他の構造例では、別体構成の掛止片26を設けることなく、例えば、上記前面部13の下側部13aの端縁の一部を裏面側へ折り返すことなく、そのまま前方へ(即ち、上記上側部13b側へ)舌状に延出させてこれを掛止片26として利用することもできる。
【0047】
第4の構造例
上記閉鎖手段Xの第4の構造例は、図8に示すように、上記前面部13の下側部13aの端縁部13a1と上側部13bの端縁部13b1をともに表皮体1の内側へ折り曲げて付き合わせた構成をもつものである。この構造例のものにおいては、上記表皮体1を発泡成形型にセットした状態では表皮材自体の弾性復元力によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持されるとともに、発泡樹脂材の発泡時には、発泡圧によって閉鎖状態が助長され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0048】
続いて、上記表皮体1を発泡成形型へセットするのに先立って行なわれる該表皮体1への上記フレーム2の挿入作業を、図3及び図9〜図11を参照して、説明する。
【0049】
第1の工程
図3に示すように上記表皮体1を、その裏面側を上にして載置する。この状態では、上記フレーム挿入開口17は閉鎖状態にある。ここで、上記フレーム挿入開口17を開き、図9に示すように、上記フレーム2をその一対のステー部21c,21c側から、上記フレーム挿入開口17を通して上記表皮体1内に差し入れる。そして、そのまま上記各ステー部21c、21cを上記表皮体1の第1表皮部1A側へ進入させ、該第1表皮部1Aに設けられた左右一対のステー挿通穴18,18を通して外部へ延出させる。
【0050】
この状態では、上記フレーム2の第1フレーム材21の腕部21b及びステー部21cと、上記第2フレーム材22の全体は上記フレーム挿入開口17の外側に残っている。
【0051】
第2の工程
次に、上記フレーム2の第1フレーム材21の外部残存部分を上記表皮体1内へ進入させるとともに、それに引き続いて、上記第2フレーム材22を上記フレーム挿入開口17から上記表皮体1内へ進入させる。この状態では、上記フレーム2の左右一対のステー部21c,21cは上記ステー挿通穴18から大きく延出する一方、上記第1フレーム材21のステー部21c及び上記第2フレーム材22の支持部22aは上記表皮体1の前垂部Zbの所定位置に達している。
【0052】
第3の工程
しかる後、上記フレーム挿入開口17を上記閉鎖手段Xによって閉鎖することで、図11に示すように、上記表皮体1内に上記フレーム2が完全に挿入配置され、発泡成形型へのセット準備が完了する。
【0053】
セット準備が完了すると、上記表皮体1と上記フレーム2を一体的に発泡成形型内にセットする。また、上記注入口16に注入ノズル(図示省略)を取付け、該注入ノズルを介して上記表皮体1内に発泡樹脂材を注入し、これを発泡充填させて上記コア3を成形する。これで上記ヘッドレストZの成形作業が完了する。
【0054】
以上のように、この実施形態のものにおいては、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、上記フレーム挿入開口17を開口させることで、上記第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつ上記フレーム2を上記表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストZの製造コストの低減が図れる。
【0055】
また、上記表皮体1に設けられる上記注入口16の形成位置、即ち、上記表皮体1内への発泡樹脂材の注入位置を、上記フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができるので、上記表皮体1内における上記コア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストZの商品価値の向上が期待できる。
【0056】
さらに、この実施形態では、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する上記閉鎖手段Xを備えているので、上記フレーム挿入開口17の大きさを大きく設定しても、上記フレーム2の挿入配置後においては上記フレーム挿入開口17が上記閉鎖手段Xによって閉鎖され、上記表皮体1を上記フレーム2とともに発泡成形型内にセットした状態において上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が保持される。従って、上記表皮体1内で発泡成形される発泡樹脂材が上記フレーム挿入開口17を通して外部へ漏洩するのが確実に防止され、その成形精度が確保されるなど、上記フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によるヘッドレストZの製造コストの低減と、上記コア3の成形精度の確保による商品価値の向上が両立されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】車両用シートの側面図である。
【図2】図1に示したヘッドレストに備えられるステーの全体斜視図である。
【図3】本願発明のヘッドレスト製造方法に使用される表皮体の第1の構造例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図であって、表皮体を仮想的に展張させた状態を示している。
【図5】図4にV部の拡大図である。
【図6】表皮体の第2の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図7】表皮体の第3の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図8】表皮体の第4の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図9】表皮体へのステーの挿入作業における第1工程の説明図である。
【図10】第2工程の説明図である。
【図11】第3工程の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ・・表皮体
1A ・・第1表皮部
1B ・・第2表皮部
2 ・・フレーム
3 ・・コア
5 ・・シートバック
6 ・・ステーホルダー
11 ・・頂面部
12 ・・背面部
13 ・・前面部
14 ・・下面部
15 ・・側面部
16 ・・注入口
17 ・・フレーム挿入開口
18 ・・ステー挿通穴
19 ・・縫合部
21 ・・第1フレーム材
22 ・・第2フレーム材
X ・・閉鎖手段
Z ・・ヘッドレスト
Za ・・頂部
Zb ・・前垂部
31 ・・縫合線
【技術分野】
【0001】
本願発明は、表皮体内にフレームを挿入配置し、該フレーム内に発泡樹脂材を注入してコアを成形してなる表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表皮一体型ヘッドレストとしては、従来から種々の構造をもつものが提案されている。例えば、特許文献1〜3に示されるものは、略鼓形の形体をもち、シートバックの上面側に載置状態で取付けられるものである。また、特許文献4に示されるものは、略L字状に屈曲した形体をもち、シートバックの上面側と前面側のコーナ部分に跨った鞍座状態で取付けられるものである。
【0003】
このような表皮一体型ヘッドレストにおいては、袋状に縫製された表皮体内に発泡樹脂材を注入する前に、該表皮体内に、シートバック側への支持部となる左右一対のステー部を備えたフレームを挿入し且つ該ステー部を表皮体に設けたステー挿通穴を通して外部へ延出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体内に発泡樹脂材を注入し、該表皮体内において発泡充填させてコアを形成するようになっている。
【0004】
ところで、このように表皮体内にフレームを挿入配置する場合、該フレームの挿入用開口を表皮体のどの位置に、どのような形で確保するかが問題であり、実際的には、フレームの形状との関係で決定している。
【0005】
例えば、特許文献1〜4に示された略鼓形の形体をもつヘッドレストにおいては、該ヘッドレスト内にはその長手方向に一本の支持部が存在すれば機能的に十分であることから、フレームはこれを、単一の棒材を略コ字状形体に屈曲させた構成とし、その中間部分を支持部とする。
【0006】
そして、特許文献1のものでは、表皮体に、発泡樹脂材の注入口と、ステー挿通穴とフレーム挿入穴を兼用する左右一対の小穴を設け、一方の小穴から上記フレームの一端側を差し入れ、さらにこれを内部へ送り込み、他方の小穴から延出させるようにしている。
【0007】
特許文献2のものでは、表皮体に、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用する横長の開口を設け、上記フレームを、その支持部側から上記開口を通して挿入するとともに、そのステー部分を外方へ延出させた状態で挿入配置し、しかる後、該開口の余分な部分、即ち、ステー部分の延出部位と注入口部分を接着にて閉鎖するようにしている。
【0008】
特許文献3のものでは、表皮体に、注入口とフレーム挿入開口の二者を兼用する横長の開口を設けるとともに、その近傍にステー挿通穴を設ける一方、フレーム側には受けプレートを左右一対のステー部間に跨って取付け、上記開口を通して、上記フレームの支持部及び上記受けプレートを挿入し、且つステー部分を外方へ延出させるようにしている。
【0009】
一方、特許文献4のものでは、略L字状に形成された表皮体の一方側に、注入口と左右一対のステー挿通穴を設ける一方、フレームを単一の棒材で屈曲形成し、該フレームをその一方のステー部側から上記一対のステー挿通穴の一方側に挿入し、これを順次送り出し、上記一方のステー部を他方のステー挿通穴から外部へ延出させるようにしている。即ち、特許文献1の場合と同様の構成を採用している。
【0010】
【特許文献1】特開2000−153084号公報
【特許文献2】特開2000−014480号公報
【特許文献3】特開平8−252147号公報
【特許文献4】特開2000−166708号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献4に示されるように、略L字状の形体をもつヘッドレストにおいて、フレームを単一の棒材で屈曲形成した場合には、当該文献の図2に示されるように、頭部荷重を支持する支持部が、横設された一本の棒体のみで構成されヘッドレストにおける対応範囲が狭く限られ、頭部保持性能という点において不満が残る。
【0012】
このような問題を解決するために、例えば、本案添付の図2に示すように、フレームを、左右一対のステー部21cを構成する単一の棒体からなる第1フレーム材21と、単一の棒体を略コ字形に折曲して構成され上記本体部21の支持部21aに固定された第2フレーム材22で構成し、上記本体部21側の支持部21aと上記第2フレーム材22側の支持部22aが上下方向に離間して平行配置されるように構成したものが採用される。
【0013】
ところが、このような二部材構成のフレームを使用した場合、上掲特許文献1又は4に示されるような、フレームを、その一方のステー部側から表皮体のステー挿通穴に挿入するというような作業形態をとることはできない。そのため、一般には、特許文献2に示すように、表皮体に、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用する横長の開口を設け、該開口からフレームを挿入するとか、特許文献3に示すように、表皮体に、注入口とフレーム挿入開口の二者を兼用する横長の開口を設け、該開口からフレームを挿入するような作業形態を採用するのが通例である。しかし、このような作業方法では、単一材で構成されたフレームを用いて行なう場合に比して、作業がやりにくく、作業工数の増加によって製造コストが高くつき、またフレームの配置精度、延いてはヘッドレストの商品精度を確保しにくいという問題があった。
【0014】
さらに、表皮体に設けられた開口は、注入口とステー挿通穴及びフレーム挿入開口の三者を兼用しているが、その場合、該開口の形成位置は、主としてフレームの挿入が容易な位置に設定され、注入口の位置は発泡樹脂材の膨張特性上において必ずしも適した位置とはなっていない。このため、例えば、表皮体内におけるコアの成形精度が損なわれ、場合によっては、ヘッドレストの商品価値の低下を招来することも懸念される。
【0015】
そこで本願発明では、略L字状に屈曲した断面形状をもつ表皮一体型ヘッドレストを製作するに際して、表皮体へのフレームの挿入配置作業が容易且つ的確に行なえるとともに、ヘッドレストの成品精度の向上を図り得るようにした表皮構造を提案することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0017】
本願の第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造では、略L字状に屈曲した断面形状をもつ袋状の表皮体1内に、単一の棒材を屈曲させてその両端部分をそれぞれステー部21c、21cとした第1フレーム材21と、単一又は複数の棒材あるいは板材で構成され且つ上記第1フレーム材21の中間位置に側方へ延出状態で固定された第2フレーム材22とからなる略コ字状の側面視形体をもつフレーム2を、上記各ステー部21c、21cを上記表皮体1に設けたステー挿通穴18、18からそれぞれ外部へ延出させた状態で挿入配置し、該表皮体1内に発泡樹脂材を注入しこれを発泡させてコア3を形成してなる表皮一体型ヘッドレストにおいて、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けたことを特徴としている。
【0018】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造において、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段Xを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0020】
(a)本願の第1の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造によれば、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、
(a−1)上記フレーム挿入開口17を開口させることで、上記第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつ上記フレーム2を上記表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストの製造コストの低減が図れるとともに、
(aー2)上記表皮体1に設けられる上記注入口16の形成位置、即ち、上記表皮体1内への発泡樹脂材の注入位置を、上記フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができ、その結果、上記表皮体1内における上記コア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストの商品価値の向上が期待できる、
等の実用上極めて有用な効果が奏せられるものである。
【0021】
(b)本願の第2の発明に係る表皮一体型ヘッドレストの表皮構造によれば、前記(a)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段Xを備えているので、上記フレーム挿入開口17の大きさを大きく設定しても、上記フレーム2の挿入配置後においては上記フレーム挿入開口17が上記閉鎖手段Xによって閉鎖され、上記表皮体1を上記フレーム2とともに発泡成形型内にセットした状態において上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が保持され、従って、上記表皮体1内で発泡成形される発泡樹脂材が上記フレーム挿入開口17を通して外部へ漏洩するのが確実に防止され、その成形精度が確保されるなど、上記フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によるヘッドレストの製造コストの低減と、上記コア3の成形精度の確保による商品価値の向上が両立されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0023】
図1には、本願発明の実施形態に係る表皮構造を備えた表皮一体型のヘッドレストヘッドレストZを、車両用シートのシートバック5の頂面5aと該頂面5a前端縁に連続する前面上部5bの間に跨らせて取付けた状態を示している。
【0024】
上記ヘッドレストZは、上記シートバック5の頂面5a側に対応する頂部Zaと、上記前面上部5b側に対応する前垂部Zbを備えた略L字形の断面形態をもち、上記頂部Zaの下面側から延出する左右一対のステー部21cを上記シートバック5側のステーホルダー6に嵌挿固定することで、上記シートバック5側に取付けられる。
【0025】
そして、上記ヘッドレストZは、次述する表皮体1内に次述のフレーム2を挿入配置し、その状態で上記表皮体1内に発泡樹脂材を注入しこれを該表皮体1内に発泡充填させてコア3を形成することで構成される。
【0026】
ここで、図1に斜視図で示すように、シートに着座した乗員の後頭部をサポートする上記ヘッドレストZの前垂部Zbは比較的大きな表面積をもつものであり、従って、この前垂部Zbの内部に埋設配置されて車両衝突時において乗員の頭部荷重を受ける支持部は、該前垂部Zbの広い範囲をカバーし得るような構成であることが要求される。このため、この実施形態においては、上記フレーム2として図2に示すような構成を採用している。
【0027】
即ち、上記フレーム2は、図2に示すように、第1フレーム材21と第2フレーム材22を組み合わせて一体化した構成とされている。
【0028】
上記第1フレーム材21は、所定径をもつ金属製の一本の棒体を先ずコ字形に屈曲させてその中央部を支持部21aとする一方、該支持部21aの両端側からそれぞれ延出する部分を略直交状に屈曲させて、上記支持部21a寄り部分を腕部21bとするとともに、該腕部21bより端部寄り部分をステー部21cとしている。
【0029】
上記第2フレーム材22は、金属製の一本の棒体を略C形に屈曲成形し、その中央部分を支持部22aとしている。そして、上記第1フレーム材21の上記支持部21aに、上記第2フレーム材22の両端部22b、22bを溶接固定し、これら両者を一体化して上記フレーム2を構成している。この場合、上記第2フレーム材22の上記第1フレーム材21に対する取付角度を、上記第1フレーム材21のステー部21の延出方向において、上記第2フレーム材22の支持部22aと上記第1フレーム材21の支持部21aとが上下二段に並ぶように設定されている。
【0030】
尚、この実施形態では、上記第2フレーム材22を単一の棒材を屈曲成形して構成しているが、本願発明は係る構成に限定されるものではなく、例えば、上記第2フレーム材22を、単一又は複数の棒材で構成するとか、所定形の板材で構成することもできるものである。また、上記第2フレーム材22の材質は、この実施形態のように金属材とするのに限らず、例えば、これを樹脂材等の適宜の材質を選択して使用することができるものである。上記第2フレーム材22を樹脂製の棒材とか板材で構成した場合には、上記第1フレーム材21側への固定手法としては、樹脂材の弾性を利用した弾圧固着構造とか、ビス止め固定構造等、任意の固着構造が採用できる。
【0031】
以上のように構成された上記フレーム2は、上記ヘッドレストZにおいて、図1に示すように、上記第1フレーム材21の腕部21bを上記ヘッドレストZの頂部Za内に位置させ、また上記第1フレーム材21の支持部21aと上記第2フレーム材22の支持部22aを上記ヘッドレストZの前垂部Zbの上部側と下部側にそれぞれ位置させるとともに、上記第1フレーム材21のステー部21cを上記頂部Zaの下面側へ延出させた状態で設けられる。
【0032】
このように複雑な形体をもつ上記フレーム2を、上記ヘッドレストZの製作に際して上記表皮体1内に挿入配置する場合、例えば、上掲各公知例のように単一の棒体で構成されたフレームを用いる場合とは異なった挿入形態をとることが要求される。また、この場合、上記フレーム2の挿入作業の容易さのみならず、上記表皮体1内に注入される発泡樹脂材の該表皮体1内における発泡特性をも考慮することが必要となる。このような様々な事情を考慮した上で、この実施形態では、上記表皮体1の構造を決定している。以下、この表皮体1の具体的な構造及び該表皮体1内への上記フレーム2の挿入配置作業等について説明する。
【0033】
上記表皮体1は、上記ヘッドレストZの外観形態に対応すべく、略L字形の断面形状をもつ袋状に縫製される。即ち、表皮体1は、所要の表皮材を用い、これを上記形状に縫製して得られるものであって、図3及び図4に示すように、上記ヘッドレストZの上記頂部Zaに対応する第1表皮部1Aと上記前垂部Zbに対応する第2表皮部1Bを備えている。また、上記第1表皮部1Aは、頂面部11と下面部14とこれらの両側部を閉塞する側面部15の一部で構成される。また、上記第2表皮部1Bは、背面部12と前面部13とこれらの両側部を閉塞する上記側面部15の他の一部で構成される。
【0034】
そして、この実施形態では、上記表皮体1の上記下面部14と前面部13の縫合部19の中央部分の一部を未縫製としてこれを注入口16としている。従って、この注入口16は、図4に示すように、上記表皮体1の第1表皮部1Aと第2表皮部1Bの境界部分で且つその内部空間(即ち、発泡樹脂材の充填空間)が最も大きな部位に設定されることになる。
【0035】
また、上記表皮体1の上記下面部14の左右両側には小丸穴で構成されるステー挿通穴18がそれぞれ形成されている。
【0036】
さらに、上記表皮体1の前面部13は、該表皮体1の底面1a寄り部分において、その幅方向の全長に亘って下側部13aと上側部13bとに分断されており、この分断部分に形成された横長の開口をフレーム挿入開口17としている。即ち、上記フレーム挿入開口17は上記注入口16及びステー挿通穴18とは別個独立に形成されており、且つこのフレーム挿入開口17の形成位置は上記注入口16の形成位置の選択には何らの影響も与えないものである。
【0037】
ここで、上記フレーム挿入開口17は、後述のように上記表皮体1内へ発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させるとき、この発泡樹脂材が外部へ漏洩しないように閉鎖する必要がある。そのため、この実施形態では上記フレーム挿入開口17部分に次述の閉鎖手段Xを設けている。ここでは、上記閉鎖手段Xとして、第1〜第4の構造例を提案する。
【0038】
第1の構造例
上記閉鎖手段Xの第1の構造例は、図4及び図5に示すように、上記表皮体1の上記前面部13の下側部13a側においては、該下側部13aの端縁部分を裏面側へ折り返し、折り返し部分を縫合し、縫合線31より端縁寄り部分を掛止端13a1としている。一方、上記表皮体1の上記前面部13の上側部13b側においては、その端縁部分をその表面側へ折り返し、折り返し部分を縫合し、縫合線31より端縁寄り部分を掛止端13b1としている。
【0039】
そして、上記前面部13の下側部13aの裏面側に、上記上側部13bを引き込んで、上記下側部13aの掛止端13a1と上記上側部13bの掛止端13b1を相互に掛止することで、上記フレーム挿入開口17が閉鎖される。従って、この状態で、上記表皮体1を上記フレーム2と共に発泡成形型内にセットした状態においては、上記各掛止端13a1、13b1同士の掛止作用によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持される。この結果、上記表皮体1内で発泡樹脂材が発泡する際に、上記フレーム挿入開口17から発泡樹脂材が漏洩するのが確実に防止されることになる。
【0040】
また、図5に示す上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態から、上記上側部13bを上方へ引き出すことで、上記各掛止端13a1、13b1同士の掛止状態が解除され、図4において鎖線図示するように、上記フレーム挿入開口17が開口され、この開口部分から上記フレーム2を上記表皮体1内へ挿入することが可能となるものである。
【0041】
第2の構造例
上記閉鎖手段Xの第2の構造例は、図6に示すように、上記表皮体1の上記前面部13の下側部13a側においては、該下側部13aの端縁部分を裏面側へ折り返し、折り返し部分を縫合している。一方、上記表皮体1の上記前面部13の上側部13b側においては、その端縁部分をその裏面側へ折り返し、この折り返し部分に板バネ等でなる弾性材25を包み込み、これを縫合固定している。
【0042】
そして、上記弾性材25は、その弾性復元力が矢印P方向に作用し、上記上側部13bによって上記下側部13aを上方へ(即ち、該発泡成形型の内面側へ)押し付けることができるように、その形状とか復元方向が設定される。従って、上記表皮体1を発泡成形型内にセットした状態においても、上記弾性材25の弾性復元力によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0043】
第3の構造例
上記閉鎖手段Xの第3の構造例は、図7に示すように、上記前面部13の下側部13aの端縁を裏面側へ折り返し、ここに、例えば、樹脂材で形成された突片状の掛止片26を、該端縁に沿って適当数だけ縫合固定する。一方、上記前面部13の上側部13b側の上記各掛止片26に対応する位置には、それぞれ横長のスリット27を形成する。そして、上記掛止片26を上記スリット27に差し込むことで上記フレーム挿入開口17を閉鎖保持するものである。
【0044】
この場合、上記掛止片26の先端両側にフック26aを設ければ、該フック26aと上記スリット27との掛止作用によって、上記フレーム挿入開口17の閉鎖保持状態がより確実ならしめられる。
【0045】
この構造例のものにおいても、上記表皮体1を発泡成形型内にセットした状態においては、上記掛止片26の掛止作用によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0046】
尚、この構造例では、上記掛止片26を、上記表皮体1とは別体に形成し、これを上記前面部13の下側部13aに取付けるようにしているが、本願発明の他の構造例では、別体構成の掛止片26を設けることなく、例えば、上記前面部13の下側部13aの端縁の一部を裏面側へ折り返すことなく、そのまま前方へ(即ち、上記上側部13b側へ)舌状に延出させてこれを掛止片26として利用することもできる。
【0047】
第4の構造例
上記閉鎖手段Xの第4の構造例は、図8に示すように、上記前面部13の下側部13aの端縁部13a1と上側部13bの端縁部13b1をともに表皮体1の内側へ折り曲げて付き合わせた構成をもつものである。この構造例のものにおいては、上記表皮体1を発泡成形型にセットした状態では表皮材自体の弾性復元力によって上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が維持されるとともに、発泡樹脂材の発泡時には、発泡圧によって閉鎖状態が助長され、上記フレーム挿入開口17からの発泡樹脂材の漏洩が確実に防止される。
【0048】
続いて、上記表皮体1を発泡成形型へセットするのに先立って行なわれる該表皮体1への上記フレーム2の挿入作業を、図3及び図9〜図11を参照して、説明する。
【0049】
第1の工程
図3に示すように上記表皮体1を、その裏面側を上にして載置する。この状態では、上記フレーム挿入開口17は閉鎖状態にある。ここで、上記フレーム挿入開口17を開き、図9に示すように、上記フレーム2をその一対のステー部21c,21c側から、上記フレーム挿入開口17を通して上記表皮体1内に差し入れる。そして、そのまま上記各ステー部21c、21cを上記表皮体1の第1表皮部1A側へ進入させ、該第1表皮部1Aに設けられた左右一対のステー挿通穴18,18を通して外部へ延出させる。
【0050】
この状態では、上記フレーム2の第1フレーム材21の腕部21b及びステー部21cと、上記第2フレーム材22の全体は上記フレーム挿入開口17の外側に残っている。
【0051】
第2の工程
次に、上記フレーム2の第1フレーム材21の外部残存部分を上記表皮体1内へ進入させるとともに、それに引き続いて、上記第2フレーム材22を上記フレーム挿入開口17から上記表皮体1内へ進入させる。この状態では、上記フレーム2の左右一対のステー部21c,21cは上記ステー挿通穴18から大きく延出する一方、上記第1フレーム材21のステー部21c及び上記第2フレーム材22の支持部22aは上記表皮体1の前垂部Zbの所定位置に達している。
【0052】
第3の工程
しかる後、上記フレーム挿入開口17を上記閉鎖手段Xによって閉鎖することで、図11に示すように、上記表皮体1内に上記フレーム2が完全に挿入配置され、発泡成形型へのセット準備が完了する。
【0053】
セット準備が完了すると、上記表皮体1と上記フレーム2を一体的に発泡成形型内にセットする。また、上記注入口16に注入ノズル(図示省略)を取付け、該注入ノズルを介して上記表皮体1内に発泡樹脂材を注入し、これを発泡充填させて上記コア3を成形する。これで上記ヘッドレストZの成形作業が完了する。
【0054】
以上のように、この実施形態のものにおいては、上記表皮体1に、上記ステー挿通穴18と樹脂注入用の注入口16とは別に、上記フレーム2を上記表皮体1内に挿入するための横長のフレーム挿入開口17を設けているので、上記フレーム挿入開口17を開口させることで、上記第1フレーム材21と第2フレーム材22から構成された複雑な形体をもつ上記フレーム2を上記表皮体1内に容易に挿入配置することができ、該フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によってヘッドレストZの製造コストの低減が図れる。
【0055】
また、上記表皮体1に設けられる上記注入口16の形成位置、即ち、上記表皮体1内への発泡樹脂材の注入位置を、上記フレーム挿入開口17の形成位置に影響されることなく、発泡樹脂材の膨張特性上において最適な位置に設定することができるので、上記表皮体1内における上記コア3の成形精度が良好に維持され、延いては、ヘッドレストZの商品価値の向上が期待できる。
【0056】
さらに、この実施形態では、上記フレーム挿入開口17に、上記フレーム2の挿入状態において該フレーム挿入開口17を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する上記閉鎖手段Xを備えているので、上記フレーム挿入開口17の大きさを大きく設定しても、上記フレーム2の挿入配置後においては上記フレーム挿入開口17が上記閉鎖手段Xによって閉鎖され、上記表皮体1を上記フレーム2とともに発泡成形型内にセットした状態において上記フレーム挿入開口17の閉鎖状態が保持される。従って、上記表皮体1内で発泡成形される発泡樹脂材が上記フレーム挿入開口17を通して外部へ漏洩するのが確実に防止され、その成形精度が確保されるなど、上記フレーム2の挿入作業の簡易迅速化によるヘッドレストZの製造コストの低減と、上記コア3の成形精度の確保による商品価値の向上が両立されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】車両用シートの側面図である。
【図2】図1に示したヘッドレストに備えられるステーの全体斜視図である。
【図3】本願発明のヘッドレスト製造方法に使用される表皮体の第1の構造例を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図であって、表皮体を仮想的に展張させた状態を示している。
【図5】図4にV部の拡大図である。
【図6】表皮体の第2の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図7】表皮体の第3の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図8】表皮体の第4の構造例を示す斜視図であって、図5に対応するものである。
【図9】表皮体へのステーの挿入作業における第1工程の説明図である。
【図10】第2工程の説明図である。
【図11】第3工程の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ・・表皮体
1A ・・第1表皮部
1B ・・第2表皮部
2 ・・フレーム
3 ・・コア
5 ・・シートバック
6 ・・ステーホルダー
11 ・・頂面部
12 ・・背面部
13 ・・前面部
14 ・・下面部
15 ・・側面部
16 ・・注入口
17 ・・フレーム挿入開口
18 ・・ステー挿通穴
19 ・・縫合部
21 ・・第1フレーム材
22 ・・第2フレーム材
X ・・閉鎖手段
Z ・・ヘッドレスト
Za ・・頂部
Zb ・・前垂部
31 ・・縫合線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略L字状に屈曲した断面形状をもつ袋状の表皮体(1)内に、単一の棒材を屈曲させてその両端部分をそれぞれステー部(21c),(21c)とした第1フレーム材(21)と、単一又は複数の棒材あるいは板材で構成され且つ上記第1フレーム材(21)の中間位置に側方へ延出状態で固定された第2フレーム材(22)とからなる略コ字状の側面視形体をもつフレーム(2)を、上記各ステー部(21c)、(21c)を上記表皮体(1)に設けたステー挿通穴(18)、(18)からそれぞれ外部へ延出させた状態で挿入配置し、該表皮体(1)内に発泡樹脂材を注入しこれを発泡させてコア(3)を形成してなる表皮一体型ヘッドレストにおいて、
上記表皮体(1)に、上記ステー挿通穴(18)と樹脂注入用の注入口(16)とは別に、上記フレーム(2)を上記表皮体(1)内に挿入するための横長のフレーム挿入開口(17)が設けられていることを特徴とする表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造。
【請求項2】
請求項1において、
上記フレーム挿入開口(17)には、上記フレーム(2)の挿入状態において該フレーム挿入開口(17)を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段(X)が備えられていることを特徴とする表皮一体型ヘッドレストの表皮構造。
【請求項1】
略L字状に屈曲した断面形状をもつ袋状の表皮体(1)内に、単一の棒材を屈曲させてその両端部分をそれぞれステー部(21c),(21c)とした第1フレーム材(21)と、単一又は複数の棒材あるいは板材で構成され且つ上記第1フレーム材(21)の中間位置に側方へ延出状態で固定された第2フレーム材(22)とからなる略コ字状の側面視形体をもつフレーム(2)を、上記各ステー部(21c)、(21c)を上記表皮体(1)に設けたステー挿通穴(18)、(18)からそれぞれ外部へ延出させた状態で挿入配置し、該表皮体(1)内に発泡樹脂材を注入しこれを発泡させてコア(3)を形成してなる表皮一体型ヘッドレストにおいて、
上記表皮体(1)に、上記ステー挿通穴(18)と樹脂注入用の注入口(16)とは別に、上記フレーム(2)を上記表皮体(1)内に挿入するための横長のフレーム挿入開口(17)が設けられていることを特徴とする表皮一体型ヘッドレストにおける表皮構造。
【請求項2】
請求項1において、
上記フレーム挿入開口(17)には、上記フレーム(2)の挿入状態において該フレーム挿入開口(17)を閉鎖して発泡樹脂材の漏出を防止する閉鎖手段(X)が備えられていることを特徴とする表皮一体型ヘッドレストの表皮構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−330577(P2007−330577A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166910(P2006−166910)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(393022997)タカヤ化成株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(393022997)タカヤ化成株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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