説明

表示コンテンツ出力装置、表示コンテンツ出力装置の制御方法、電子機器、情報提供サーバ、通信システム、制御プログラム、および記録媒体

【課題】簡単な構成で表示画面を複数の領域に分割し、それぞれに異なるコンテンツを表示する。
【解決手段】表示コンテンツ出力装置は、複数の表示コンポーネント5を含み、コンテンツ14とコマンド15とを含むコンテンツ情報13をコンテンツ提供サーバ12から取得する。コンテンツ情報13からコンテンツ14を抽出し、コマンド15を抽出し、第2の表示コンポーネント5へコマンド15を送信し、第2の表示コンポーネント5は、第1の表示コンポーネント5から受信したコマンド15を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供サーバから提供されるコンテンツを表示するための装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画面を備えた電子機器が急速に普及しており、こうした機器からのアクセスを前提としたコンテンツが増加している。電子機器にコンテンツを提供するにあたっては、インターフェースを工夫することが重要となる。特に、携帯型の電子機器では、表示画面の大きさや操作キーの個数が限られているなどのハードウェア的な制約が大きく、ユーザの操作負担の軽減と直感的な操作とが強く要請されるからである。
【0003】
ここで、表示画面を複数の領域に分割し、それぞれの領域で異なるコンテンツを表示する例を、図11に基づいて説明する。図11は、ウェブブラウザでウェブページを表示する際に、画面を分割して表示する場合としない場合との具体例を示す説明図であり、図11(a)は画面を分割せず、一画面すべてがコンテンツ領域23で占められる場合、図11(b)は画面を2つに分割し、上側がコンテンツ領域23として、下側がフッタ領域24として割り当てられる場合を示す。
【0004】
同図(b)の場合、ユーザはフッタ領域24に表示されたアイコン26を選択することにより、例えばコンテンツ領域23の表示を簡単に切り替えることができる。すなわち、同図(a)のように、一画面すべてを単一の領域に割り当て、すべてのコンテンツを当該領域に表示するのではなく、コンテンツを表示する領域とナビゲーションを表示する領域とに分割し、ユーザが頻繁に使用する操作をアイコン26としてまとめてフッタ領域24に表示することで、操作性の良い優れたインターフェースを実現できる。
【0005】
ここで、下記の特許文献1には、コンテンツの新着情報をフレーム構成情報で表される表示形態で端末装置に表示させる技術が開示されている。この技術によれば、同文献の図15および図17に示されるように、HTML(Hyper Text Mark-up Language)に規定されるフレーム機能を用いて表示領域を分割し、各領域にサーバが提供するアプリケーションを所定の基準で分類して表示できる。図11(b)の例のように、表示画面を複数の領域に分割するという点で関連した技術と言える。
【0006】
また、下記の特許文献2には、ユーザ同士が協調作業をするためのインターフェースとして利用するウェブブラウザに関する技術が開示されている。この技術によれば、複数のユーザが1つのデータを編集する場合に、コンテンツ(各ユーザが編集した内容)に矛盾が生じないように同期をとってウェブブラウザに表示できる。図11(b)の例のように、各領域でコンテンツの表示に同期をとるという点で関連した技術と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−165836号公報(平成16年6月10日公開)
【特許文献2】特開2010−225106号公報(平成22年10月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の図11(a)で示される例のように、電子機器の表示画面とそれに表示すべきコンテンツとが一対一で対応する場合、ウェブブラウザは当該コンテンツをサーバから取得し、コンテンツ領域23に表示するだけで足りるため、従来技術でも問題は生じない。一方、同図(b)で示される例のように、表示画面が複数の領域に分割され、表示画面とそれに表示すべきコンテンツとが一対多で対応する場合(分割された各領域で異なるコンテンツを表示させる場合)、次のような問題が考えられる。
【0009】
第一に、電子機器に実装されるウェブブラウザには、画面分割を行うための機能が十分でないことがある。すなわち、表示画面の領域分割は、(1)HTMLに規定されるフレーム機能、または(2)スタイルシートを用いたデザインにより実現されることが一般的であるが、特に携帯型の電子機器に実装されるウェブブラウザにフレーム機能自体が実装されていない、またはスタイルシートの解釈が厳密でなく表示結果がウェブブラウザの種類に大きく依存することがあるため、各領域に表示されるコンテンツに連動する領域分割ができない場合があるという問題がある。
【0010】
第二に、冗長なデータ通信が発生するという問題が考えられる。すなわち、上記(1)のフレーム機能を用いた場合、ウェブブラウザはフレームとして複数の領域に分割することや各領域で取得すべきコンテンツを定義したデータを取得した後に、指定された態様で領域分割を行い、各コンテンツをそれぞれ取得する。したがって、本来必要となる各コンテンツだけでなく、最初に定義データを取得する必要があるため通信に無駄が生じる。
【0011】
一方、上記(2)のスタイルシートを用いた場合、1つの領域のみで表示を更新する場合であっても、表示を変更する必要のない他の領域まで更新する必要があるため、やはり通信に無駄が生じる。すなわち、例えば図11(b)の例において、コンテンツ領域23の表示のみを更新する場合でも、この更新に伴ってフッタ領域24の更新も必要となる。
【0012】
上記の特許文献1に開示されている技術は、主にパーソナルコンピュータ(PC)などのクライアントマシンを動作対象としているところ、比較的計算資源に余裕のあるPCなどの電子機器においては、表示領域の分割に係る上記の問題が発生することは少ない。実際、同文献に記載の発明は上記の問題を課題として解決するものではないため、これらの問題へ対処することについては記載がない。なお、上記の特許文献2に開示されている技術は、表示画面を分割する技術に係るものではないため、上記の課題を解決できない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冗長な通信を発生させることなく、簡単な構成で表示画面を複数の表示領域に分割し、ある領域に対応付けられた表示コンポーネントが、他の領域に対応付けられた表示コンポーネントに所定のコマンドを実行させる(例えば、あるコンテンツが他のコンテンツに連動するように各領域に異なるコンテンツを表示させる)ことができる表示コンテンツ出力装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の表示コンテンツ出力装置は、
(1)複数に分割した表示領域のそれぞれに表示コンポーネントを割り当てることで、情報提供サーバから取得される複数のコンテンツを前記表示領域のそれぞれに表示する表示コンテンツ出力装置であって、
(2)第1の表示コンポーネントは、
(2−1)前記コンテンツと当該第1の表示コンポーネントとは異なる第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得手段と、
(2−2)前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理手段と、
(2−3)前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理手段とを備え、
(3)前記第2の表示コンポーネントは、
(3−1)前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
また、上記の課題を解決するために、本発明の表示コンテンツ出力装置の制御方法は、
(1)複数に分割した表示領域のそれぞれに表示コンポーネントを割り当てることで、情報提供サーバから取得される複数のコンテンツを前記表示領域のそれぞれに表示する表示コンテンツ出力装置の制御方法であって、
(2)第1の表示コンポーネントにおいて、
(2−1)前記コンテンツと当該第1の表示コンポーネントとは異なる第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得ステップと、
(2−2)前記コンテンツ情報取得ステップにて取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理ステップと、
(2−3)前記コンテンツ情報取得ステップにて取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理ステップとを含み、
(3)前記第2の表示コンポーネントにおいて、
(3−1)前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理ステップを含むことを特徴としている。
【0016】
表示コンテンツ出力装置に含まれる第1の表示コンポーネントは、情報提供サーバからコンテンツ情報を取得できる。ここで、コンテンツ情報には、当該第1の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示させるコンテンツと、第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとが含まれている。そして、第1の表示コンポーネントは、当該表示領域に当該コンテンツを表示させるとともに、第2の表示コンポーネントへ当該コマンドを送信する。
【0017】
コマンドを受信した第2の表示コンポーネントは、当該コマンドの指示にしたがって所定の動作を実行する。例えば、当該第2の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示させるコンテンツと関連付けられたコンテンツを、指定された情報提供サーバから取得して表示したり、特定のコマンド群をさらに実行したりする。
【0018】
なお、本願でいう「コマンド」とは、第2の表示コンポーネントに動作を指示するものをいう。例えば、「コマンド」は、第2の表示コンポーネントの動作を規定するAPI(Application Programming Interface)を指定することであってよく、「コマンドを送信する」ことには、当該APIをコールすることが含まれる。
【0019】
上記の構成により、本発明の表示コンテンツ出力装置は、起点となる第1の表示コンポーネント(コマンドの送信側)が指定した処理を、後続する第2の表示コンポーネント(コマンドの受信側)に実行させることができる。例えば、第1の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示されるコンテンツに連動するコンテンツを、第2の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示させることができる。
【0020】
また、後続の表示コンポーネントは、起点となった表示コンポーネントから連鎖的に処理が与えられ、必要な処理が内部で完結するため冗長なデータ通信が発生しない。
【0021】
また、前記表示コンテンツ出力装置では、
(1)前記コマンドは、前記第2の表示コンポーネントに、当該第2の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示すべき前記コンテンツを取得させ、当該表示領域に表示させる指示を含むことが望ましい。
【0022】
上記のコマンドには、起点となる第1の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示させるコンテンツと関連付けられたコンテンツを、指定された情報提供サーバから取得して表示させるものが含まれる。これにより、本発明の表示コンテンツ出力装置は、第1の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示されるコンテンツと連動したコンテンツを第2の表示コンポーネントに対応する表示領域に表示させることができる。
【0023】
また、前記表示コンテンツ出力装置では、
(1)前記コマンドは、前記第2の表示コンポーネントに対応する前記表示領域を非表示にさせる指示を含むことが望ましい。
【0024】
上記のコマンドには、後続の表示コンポーネントを非表示にさせるものが含まれる。これにより、本発明の表示コンテンツ出力装置は、領域分割が必要ない場合に不必要な領域を非表示にし、必要となる領域のみを表示させることができる。
【0025】
また、前記表示コンポーネントは、
(1)前記第1の表示コンポーネントおよび前記第2の表示コンポーネントの少なくとも一方は、対応する表示領域が割り当てられた時に、当該領域サイズが指定されることが望ましい。
【0026】
上記の構成により、本発明の表示コンテンツ出力装置は、表示コンポーネントと表示領域とを対応付ける時、当該領域を指定されたサイズに設定できる。したがって、より柔軟な表示領域の分割を実現できる。
【0027】
また、本発明の電子機器は、
(1)前記表示コンテンツ出力装置を備えたことを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、電子機器が前記表示コンテンツ出力装置を備えていることにより、冗長な通信を発生させることなく、各表示領域のコンテンツが互いに連動する領域分割を簡単な構成で実現できる。
【0029】
また、本発明の情報提供サーバは、
(1)前記表示コンテンツ出力装置からのコンテンツ要求に応答して、前記コンテンツ情報を前記表示コンテンツ出力装置に送信する情報提供サーバであって、
(2)前記表示コンテンツ出力装置から送信される前記コンテンツ要求を取得するリクエスト取得手段と、
(3)前記コンテンツ要求に対応する前記コンテンツ情報を前記表示コンテンツ出力装置に送信するリクエスト処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、本発明の情報提供サーバは、上記の表示コンテンツ出力装置からのコンテンツ要求に応答して、必要なコンテンツ情報を特定し、特定したコンテンツ情報をレスポンスとして表示コンテンツ出力装置に送信する。前述の通り、当該コンテンツ情報には、表示コンポーネントが表示させるコンテンツだけでなく、これらの動作を規定するコマンドが含まれる。したがって、上記の情報提供サーバは、上記の表示コンテンツ出力装置に適したコンテンツ情報を提供できる。
【0031】
また、本発明の通信システムは、
(1)前記電子機器と、前記情報提供サーバから構成されることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、冗長な通信を発生させることなく、各表示領域のコンテンツが互いに連動する領域分割を簡単な構成で実現できる。
【0033】
なお、前記表示コンテンツ出力装置および前記情報提供サーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記表示コンテンツ出力装置または前記情報提供サーバの各手段として動作させることにより、前記表示コンテンツ出力装置または前記情報提供サーバをコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明の表示コンテンツ出力装置は、第1の表示コンポーネントは、コンテンツと当該第1の表示コンポーネント以外の第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得手段と、前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理手段と、前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理手段とを備え、前記第2の表示コンポーネントは、前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理手段を備えた構成である。
【0035】
また、本発明の表示コンテンツ出力装置の制御方法は、第1の表示コンポーネントは、コンテンツと当該第1の表示コンポーネント以外の第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得ステップと、前記コンテンツ情報取得ステップが取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理ステップと、前記コンテンツ情報取得ステップが取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理ステップとを含み、前記第2の表示コンポーネントは、前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理ステップを含む構成である。
【0036】
したがって、冗長な通信を発生させることなく、簡単な構成で表示画面を複数の表示領域に分割し、ある表示領域に対応付けられた表示コンポーネントが、他の表示領域に対応付けられた表示コンポーネントに所定のコマンドを実行させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示コンテンツ出力装置を内蔵した携帯型通信機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記表示コンテンツ出力装置と、本発明の一実施の形態におけるコンテンツ提供サーバとを含む通信システムの動作例の概要を、模式的に表したものである。
【図3】上記携帯型通信機器と上記コンテンツ提供サーバとの関係を示すことにより、上記通信システムの構成を概略的に示す説明図である。
【図4】上記コンテンツ提供サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記携帯型通信機器の外観例を2つ表したものであり、(a)は表示部および電源スイッチを含むもの、(b)は操作スイッチおよびポインティングデバイスをさらに含むものを示す。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示コンテンツ出力装置を内蔵する携帯型通信機器のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】コンテンツ情報の内容を表した模式図である。
【図8】図11(b)とは異なる構成で分割された表示画面の一例を示す。
【図9】図11(b)とは異なる構成を有するフッタ領域の一例を示す。
【図10】上記携帯型通信機器および上記コンテンツ提供サーバが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】ウェブブラウザでウェブページを表示する際に、画面を分割して表示する場合としない場合との具体例を示す説明図であり、(a)は画面を分割せず、一画面すべてがコンテンツ領域で占められる場合、(b)は画面を2つに分割し、上側がコンテンツ領域として、下側がフッタ領域として割り当てられる場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態では、本実施の形態に係る表示コンテンツ出力装置11を内蔵した電子機器として携帯型通信機器(電子機器)100を、HTTPリクエストを受け付けてレスポンスにコンテンツを返すWebサーバとして、コンテンツ提供サーバ(情報提供サーバ)12をそれぞれ想定する。また、携帯型通信機器100およびコンテンツ提供サーバ12を含むシステム全体として、通信システム1を想定する。
【0039】
〔概要〕
図2に基づいて、携帯型通信機器100、コンテンツ提供サーバ12、およびこれらを含む通信システム1の概要について説明する。図2は、携帯型通信機器100とコンテンツ提供サーバ12とを含む通信システム1の動作例の概要を、模式的に表したものである。なお、説明を簡潔に記述するために、1つの符号にa、bが付されることにより2つ以上存在することが明示されている構成については、これらを省略して当該構成を総称することがある(例えば、表示コンポーネント5aおよび5bを、表示コンポーネント5と総称することがある)。
【0040】
本実施の形態では、表示部4の表示領域はコンテンツ領域(表示領域)23とフッタ領域(表示領域)24とに分割されており、一方のコンテンツが他方のコンテンツに連動するように互いに異なるコンテンツを表示する。まず、表示コンテンツ出力装置11は、各領域を処理するコンポーネントとして表示コンポーネント5aおよび5bをそれぞれに割り当てる。次に、表示コンポーネント5aは、コンテンツ領域23に表示させるコンテンツ情報13aについてのリクエスト(コンテンツ要求)16aを、コンテンツ提供サーバ12に送信する(図2における(1)の矢印)。リクエスト16aを受信したコンテンツ提供サーバ12は、これに対するレスポンスとしてコンテンツ情報13aを表示コンポーネント5aに送信する(同図における(2)の矢印)。
【0041】
このコンテンツ情報13aには、コンテンツ領域23に表示すべきコンテンツだけでなく、フッタ領域24に対するコマンド15も含まれている。表示コンポーネント5aは、コマンド15で定義される指示を、表示コンポーネント5bに送信する(同図における(3)の矢印)。ここで、コマンド15は、表示コンポーネント5bに、例えばコンテンツ提供サーバ12からコンテンツ領域23に表示されるコンテンツに対応した所定のコンテンツ情報を受信することを指示するものである。
【0042】
この場合、表示コンポーネント5bは、受信した指示にしたがってフッタ領域24に表示させるコンテンツ情報13bについてのリクエスト16bを、コンテンツ提供サーバ12に送信する(同図における(4)の矢印)。リクエスト16bを受信したコンテンツ提供サーバ12は、これに対するレスポンスとしてコンテンツ情報13bを表示コンポーネント5bに送信する(同図における(5)の矢印)。
【0043】
以上のように、本実施の形態に係る表示コンテンツ出力装置11では、表示コンポーネント5aおよび5bを各表示領域と対応させ、コマンドによって連携しながらそれぞれ独立してコンテンツ提供サーバ12と通信を行い、対応付けられた領域の表示処理を実行する。これにより、表示コンポーネントを複数備えるという簡単な構成で、分割した各領域に互いに関連付けられた異なるコンテンツを表示できる。
【0044】
上記の「連携」とは、例えば表示コンポーネント5aが受信したコマンド15により、表示コンポーネント5bが駆動されることをいう。言い換えれば、後続の表示コンポーネント(第2の表示コンポーネント)の動作は、起点となった表示コンポーネント(第1の表示コンポーネント)で受信されたコマンド15で規定されている。そして、後続の表示コンポーネントは起点となった表示コンポーネントから連鎖的に処理が与えられ、必要な処理が内部で完結するため冗長なデータ通信が発生しない。
【0045】
上記のように、各領域に割り当てた表示コンポーネントが互いに同期して望ましい表示処理を行うという枠組みは、領域ごとに単一の表示コンポーネントを逐次実行させるという処理を行っていた上記の従来技術とは本質的に異なる。
【0046】
ここまでで、携帯型通信機器100およびコンテンツ提供サーバ12のそれぞれの位置づけと、通信システム1全体で実行される処理手順の概略を明らかにした。以下、説明の都合で、通信システム1、携帯型通信機器100、コンテンツ提供サーバ12の順番にそれぞれの構成を詳細に説明する。続いて、携帯型通信機器100の外観やより詳細な構成、コンテンツ提供サーバ12から送信されるコンテンツ情報の具体的な内容、コマンドの種類および具体例の順序でさらに詳細に説明する。
【0047】
〔通信システム1の構成〕
図3に基づいて、本実施の形態における通信システム1の全体構成について説明する。図3は、携帯型通信機器100とコンテンツ提供サーバ12との関係を示すことにより、通信システム1の構成を概略的に示す説明図である。
【0048】
図示のように、通信システム1は、携帯型通信機器100とコンテンツ提供サーバ12とを含む。携帯型通信機器100とコンテンツ提供サーバ12とは、サーバ・クライアント方式に基づく通信を行う。すなわち、上記の概要で示した通り、携帯型通信機器100がコンテンツ提供サーバ12へコンテンツ情報13のリクエスト16を送信し、コンテンツ提供サーバ12はこれに対するレスポンスとしてコンテンツ情報13を送信する。ここで、両者を中継する通信網18の種類は限定されない。すなわち、通信網18は、両者が通信可能でありさえすればよく、例えばインターネットであってもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。
【0049】
〔携帯型通信機器100の構成〕
図1に基づいて、本実施の形態に係る携帯型通信機器100の構成の例について説明する。図1は、携帯型通信機器100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、携帯型通信機器100は、表示コンテンツ出力装置11、通信部2、表示制御部3、および表示部4を含む。なお、本実施の形態に直接関係のない部分(例えば一般的な通信機器に含まれることの多い、画像撮影や音量調整などを実現する部分)は、構成の説明およびブロック図から省略した。
【0050】
表示コンテンツ出力装置11は、表示コンポーネント(第1の表示コンポーネント、第2の表示コンポーネント)5を含む。また、表示コンポーネント5は、コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段、第1のコンテンツ処理手段、第2のコンテンツ処理手段)6、コマンド処理部(第1のコマンド処理手段、第2のコマンド処理手段)7、コマンド通信部8、コンテンツ情報取得部(コンテンツ情報取得手段、第1のコンテンツ情報取得手段、第2のコンテンツ情報取得手段)9を含む。
【0051】
以下、説明の都合で、表示コンテンツ出力装置11(表示コンポーネント5、コンテンツ処理部6、コマンド処理部7、コマンド通信部8、コンテンツ情報取得部9)、通信部2、表示制御部3、表示部4の順序で各構成が担う機能を説明する。
【0052】
(表示コンテンツ出力装置11)
表示コンテンツ出力装置11は、コンテンツ提供サーバ12から取得したコンテンツを、携帯型通信機器100が備える表示部4に表示する装置である。ここで、コンテンツとは、文章、画像(動画を含む)、音声(音楽を含む)など、何らかの観点から意味のある情報群をいう。
【0053】
なお、本実施の形態では、表示コンテンツ出力装置11が携帯型通信機器100の内部に含まれる構成としたが、表示コンテンツ出力装置11と携帯型通信機器100とを通信可能にし、表示コンテンツ出力装置11を携帯型通信機器100の外部に設置してもよい。すなわち、携帯型通信機器100がコンテンツ情報13を表示コンテンツ出力装置11へ出力し、表示コンテンツ出力装置11が携帯型通信機器100へ表示すべき情報を出力する構成にすれば、携帯型通信機器100は表示コンテンツ出力装置11を内蔵している必要はない。
【0054】
表示コンポーネント5は、コンテンツ提供サーバ12と通信してコンテンツ情報13を取得し、対応付けられた表示領域にコンテンツ14を表示する。なお、本実施の形態では、表示コンテンツ出力装置11に表示コンポーネントが2つ(5aおよび5b)含まれる構成としたが、複数であればいくつ含まれていてもよい。また、起点となる表示コンポーネントからコマンド15を受信して動作する後続の表示コンポーネントは、複数であってもよい。
【0055】
コンテンツ情報取得部9は、通信部2を介してコンテンツ提供サーバ12と通信し、コンテンツ情報13を取得して、コンテンツ処理部6およびコマンド処理部7に出力する。
【0056】
コンテンツ処理部6は、コンテンツ情報取得部9によって取得されたコンテンツ情報13を解析し、これに含まれるコンテンツ14を抽出して表示制御部3へ出力する。具体的には、例えばHTMLのレンダリングエンジンを含む、ウェブブラウザとしての機能を独立して備える構成である。
【0057】
コマンド処理部7(コマンド処理部7a、第1のコマンド処理手段)は、表示コンポーネント(第1の表示コンポーネント)5で受信されたコンテンツ情報13を解析して、これに含まれるコマンド15を抽出し、コマンド通信部8を介して他の表示コンポーネント5へ送信する。または、(コマンド処理部7b、第2のコマンド処理手段は)コマンド通信部8を介して他の表示コンポーネント(第2の表示コンポーネント)5からコマンド15を受信し、指定された処理を実行する。
【0058】
ここで、コマンド処理部7aは、コマンド処理部7bが実行可能な形式にコマンド15を適宜変換し、これを送信してもよい。また、表示コンポーネント5bのコマンド処理部7b(第2の表示コンポーネントの(第2の)コマンド処理手段)は、表示コンポーネント5a(第1の表示コンポーネント)がコマンドを指定するためのインターフェースとして動作してもよい。この場合、表示コンポーネント5aは当該インターフェースを介して、コマンド15に相当する動作を表示コンポーネント5bに指示できる。
【0059】
具体的には、コマンド処理部7bは、例えば表示コンポーネント5bの動作を規定するAPIを用意していてもよい。このとき、表示コンポーネント5aは、コマンド15で指定する動作に相当するAPIをコールすることで、表示コンポーネント5bに処理を指示し、コールを受けたコマンド処理部7bは指定された処理を実行する。すなわち、コマンド処理部7aがコマンド通信部8aを介して表示コンポーネント5bにコマンド15を送信することには、コマンド処理部7aがコマンド処理部7bに用意されたAPIをコールすることが含まれる。コマンド15の具体例、およびコマンド処理部7が実行する処理については、後で詳述する。
【0060】
コマンド通信部8は、表示コンポーネント5同士でコマンド15を送受信する。通信可能でありさえすればその形式は限定されない。
【0061】
(通信部2)
通信部2は、所定の通信方式にしたがう通信網18を通じて、コンテンツ提供サーバ12等の外部の機器と通信する装置であり、例えばイーサネット(登録商標)アダプタなどで構成できる。通信を実現する本質的な機能さえ備わっていればよく、使用する電気通信回線、通信方式、または通信媒体などは限定されない。例えば、通信方式や通信媒体は、IEEE802.11無線通信、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)であってよい。
【0062】
(表示制御部3)
表示制御部3は、コンテンツ処理部6から入力を受けたコンテンツ14を表示信号17に変換し、これを表示部4へ出力する。表示コンテンツ出力装置11の内部で識別できるデータを表示部4で表示できる信号へ形式変換できるものであればよく、例えば一般的なディスプレイアダプタでよい。
【0063】
(表示部4)
表示部4は、文字や画像などを表示する装置である。表示制御部3から入力を受けた表示信号17を処理して表示する機能さえあれば装置の種類は限定されず、例えば液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイなどで構成できる。
【0064】
〔コンテンツ提供サーバ12の構成〕
図4に基づいて、本実施の形態におけるコンテンツ提供サーバ12の構成について説明する。図4は、コンテンツ提供サーバ12の要部構成を示すブロック図である。図示のように、コンテンツ提供サーバ12は、制御部30、記憶部40、一時記憶部50、操作部60、および通信部80を含み、制御部30は、リクエスト取得部(リクエスト取得手段)31、およびリクエスト処理部(リクエスト処理手段)32を含む。
【0065】
以下、説明の都合で、制御部30(リクエスト取得部31、リクエスト処理部32)、記憶部40、一時記憶部50、操作部60の順序で各構成が担う機能を説明する。通信部80の機能は、前述した通信部2の機能と同じであるため説明を省略する。
【0066】
(制御部30)
制御部30は、表示コンテンツ出力装置11から受け付けたリクエスト16を処理し、これに対応するコンテンツ情報13を特定してレスポンスとして返すという一連の処理を制御する。
【0067】
リクエスト取得部31は、表示コンテンツ出力装置11から受け付けたリクエスト16を通信部2を介して取得し、リクエスト処理部32に出力する。
【0068】
リクエスト処理部32は、入力されたリクエスト16で指定されるコンテンツを特定し、記憶部40から当該コンテンツに対応するデータを読み出す。そして、このデータをコンテンツ情報13として送信するために、通信部2へ出力する。
【0069】
(記憶部40)
記憶部40は、コンテンツ提供サーバ12で実行されるプログラム41や、クライアント(携帯型通信機器100)からのリクエストに応答して提供するコンテンツデータ42などを記憶するために用いる不揮発性の記憶装置であり、例えば半導体メモリ、ハードディスク、DVD等で構成できる。なお、本実施の形態では、記憶部40はコンテンツ提供サーバ12に内蔵される装置として図4に示しているが、コンテンツ提供サーバ12の外部に接続された外部記憶装置として実現されてもよい。
【0070】
(一時記憶部50)
一時記憶部50は、制御部30が処理の過程で計算した結果を一時的に記憶するために用いる記憶媒体であり、例えば半導体メモリ(DRAMなど)で構成できる。
【0071】
(操作部60)
操作部60は、ユーザ(例えばサーバの管理者)がコンテンツ提供サーバ12に入力を与えるためのインターフェースであり、例えば一般的なキーボードやマウスなどでよい。
【0072】
〔携帯型通信機器100の外観〕
図5に基づいて、本実施の形態に係る携帯型通信機器100の外観について説明する。図5は、本実施の形態に係る携帯型通信機器100の外観例を2つ表したものである。携帯型通信機器100aは、表示部4、および電源スイッチ20を含む。携帯型通信機器100bは、操作スイッチ21、およびポインティングデバイス22をさらに含む。ユーザは、電源スイッチ20を長押しすることで、機器の電源のオン、オフを切り替えることができる。また、短押しすることで、機器を休止状態にする、または休止状態から復帰させることができる。
【0073】
携帯型通信機器100aでは表示部4にタッチパネルが備えられており、ユーザは表示部4上に表示されるソフトウェアキーなどのオブジェクトをタッチすることで機器を操作できるため、操作スイッチ21およびポインティングデバイス22などのハードウェアキーは備えられていなくともよい。
【0074】
逆に、携帯型通信機器100bのように、操作スイッチ21およびポインティングデバイス22などのハードウェアキーを備えれば、表示部4にタッチパネルが備えられていなくともよい。すなわち、ユーザはポインティングデバイス22を動かすことにより、例えば画面の表示領域の移動操作を行える。または、操作スイッチ21aを押下することにより前回表示していた画面へ切り替えたり、操作スイッチ21bを押下することによりメインメニューを表示するトップ画面へ切り替えたりできる。なお、タッチパネルと操作スイッチ等のハードウェアキーは両方備えられていてもよく、ハードウェアキーの種類、形状、配置、数などは特に限定されない。
【0075】
〔携帯型通信機器100のより詳細な構成〕
図6に基づいて、本実施の形態に係る携帯型通信機器100のより詳細な構成の例について説明する。図6は、携帯型通信機器100のより詳細な構成例を示すブロック図である。前述と同様に、携帯型通信機器100は、表示コンテンツ出力装置11、通信部2、表示制御部3、および表示部4を含み、さらに記憶部43、一時記憶部50、操作部60、および音声入出力部70を含む。
【0076】
以下、説明の都合で、記憶部43、操作部60、および音声入出力部70の順序で各構成が担う機能を説明する。上記と同様に、すでに説明した構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0077】
(記憶部43)
記憶部43は、前述した記憶部40と同様に、携帯型通信機器100で必要となるプログラム44やデータ45を記憶するための不揮発性の記憶装置である。記憶部43も、外部記憶装置として実現されてよい。
【0078】
(操作部60)
操作部60は、ユーザが携帯型通信機器100に入力を与えるためのインターフェースであり、具体的には、例えば前述した電源スイッチ20、操作スイッチ21、またはポインティングデバイス22などである(図5を参照)。あるいは、タッチパネルを備えた表示部4に表示されるソフトウェアインターフェースであってもよい。
【0079】
(音声入出力部70)
音声入出力部は、通話やオーディオ機能を実現するために、音声を入出力するための機器であり、例えば一般的なスピーカやマイクなどで構成できる。
【0080】
〔表示領域の分割手順〕
表示コンテンツ出力装置11は、コンテンツを取得すべき情報(例えば、ユーザがリンクをクリックするなど)を取得すると同時に、複数の領域に分割するための情報も取得する。表示コンテンツ出力装置11にこれらを同時に与える方法として、例えばフッタ領域24のサイズを、以下のようにURLのクエリとして与えることが考えられる。
(分割例1)http://www.xxxxx.co.jp/videostore?footratio=10
(分割例2)http://www.xxxxx.co.jp/videostore?height=100&width=240
すなわち、「http://www.xxxxx.co.jp/videostore」のURL部分でコンテンツ提供サーバ12を特定し、当該サーバに含まれるコンテンツを指定するとともに、クエリ部分で表示部4の表示領域を分割することの指定、およびフッタ領域24のサイズを取得する。
【0081】
上記の(分割例1)では、「footratio=10」により「フッタ領域24の縦の長さを画面サイズの10パーセントに設定する」ことを指示する。また、上記の(分割例2)では、「height=100&width=240」により「フッタ領域24の縦の長さを100ピクセル、横の長さを240ピクセルに設定する」ことを指示する。なお、この例では、画面の下端から指定された大きさでフッタ領域24を配置するものとする。
【0082】
このように、クエリとして表示コンポーネント5に領域サイズについての情報を与えることで、柔軟にサイズ指定を行える。また、リクエスト16を送信してからコンテンツ情報13を受信するまでに表示コンテンツ出力装置11が画面構成を準備できるため、画面構成の変更をスムーズに行える。
【0083】
〔コンテンツ情報の構成〕
図7に基づいて、本実施の形態におけるコンテンツ情報13の構成について説明する。図7は、コンテンツ情報13に含まれる内容を表した模式図である。図示のように、コンテンツ情報13には、コンテンツ14とコマンド15とが含まれる。ただし、データ構造としてこれらが明確に二分されて含まれるとは限らない。例えば、コンテンツ14がHTMLドキュメントであり、コマンド15がこのHTMLドキュメントにスクリプト形式で含まれる場合など、両者が明確に分離されていなくともよい。
【0084】
(コンテンツ14)
コンテンツ14は、表示コンポーネント5が表示領域に表示すべきコンテンツであり、例えばテキスト、画像、映像、音声、位置情報などが含まれる。
【0085】
(コマンド15)
コマンド15は、表示コンポーネント5の動作を規定するものである。フッタ領域24に対して、前述した例のようにサイズの指定がある場合、コンテンツ領域23に対応する表示コンポーネント5aが受信したコンテンツ情報13には、例えば以下のようなスクリプト形式(ECMAScriptなど)でコマンド15が含まれる。
(コマンド例1)footerMgr.loadFooter("http://www.xxxxx.co.jp/footer1.html")
(コマンド例2)footerMgr.loadMain("http://www.xxxxx.co.jp/videolist")
(コマンド例3)footerMgr.execScript("javascript:function(param)")
上記の(コマンド例1)〜(コマンド例3)は、コンテンツ領域23に対応する表示コンポーネント5aが、フッタ領域24に対応する表示コンポーネント5bに実行させるコマンドを表す。
【0086】
例えば、コンテンツ情報13aに(コマンド例1)に例示されるコマンドが含まれている場合、表示コンポーネント5aはパラメータとして指定されたURLからコンテンツを取得し、当該コンテンツを表示することを、表示コンポーネント5bに指示する。
【0087】
これとは逆に、コンテンツ情報13bに(コマンド例2)に例示されるコマンドが含まれている場合、表示コンポーネント5bがパラメータとして指定されたURLからコンテンツを取得することを、表示コンポーネント5aに指示する。このように、コマンドを発信する起点となる表示コンポーネントを、コンテンツの内容に合わせて変更することができるため、例えば前述した図11(b)の状態から、同図(a)の状態へ表示を切り替えることもできる。この例では、フッタ領域24は非表示となる。
【0088】
さらに、(コマンド例3)に例示されるコマンドは、表示コンポーネント5bにfunction(param)というスクリプト関数を呼び出すことを指示するものである。このように、任意に定義された関数を呼び出す形式でコマンドを指定することにより、表示コンポーネント5により複雑な動作を行わせることができる。
【0089】
なお、表示コンポーネント5へ一度に与えるコマンドの数は1つに限定されない。上記のコマンド例を任意の数だけ連続して与えることもできる。
【0090】
〔その他の変形例〕
図8に基づいて、表示画面を複数の領域に分割する他の例について説明する。図8は、前述した図11(b)とは異なる構成で分割された表示画面の一例を示す。図示のように、表示画面をコンテンツ領域23、フッタ領域24に加えて、さらにサイドメニュー領域(表示領域)25を構成するよう3分割してもよい。この場合、表示コンポーネント5は、それぞれの領域に対応して3つ必要である。また、分割した領域の数や分割の態様も、2つまたは3つの領域を縦横に並べるだけに限られず、任意の数の領域を自由な形状や並べ方で分割できる。この場合、コンテンツ領域に指定される各領域のサイズ指定は、例えば縦および横の指定を双方とも行うことで可能となる(前述の(分割例2)の形式)。
【0091】
図9に基づいて、フッタ領域24の構成例について説明する。図9は、前述した図11(b)とは異なる構成を有するフッタ領域24の一例を示す。図11(b)に示した例では、フッタ領域24にアイコン26が4つ表示されているが、図9で示す例には5つ表示されている。分割された各領域には任意のコンテンツを表示させることができるため、例えば図示のようにアイコンの数や表示内容を変更することができるなど、自由にフッタ領域24を構成できる。また、各アイコン26を選択したときの動作も任意に割り当てることができる。
【0092】
〔携帯型通信機器100が実行する処理〕
図10に基づいて、携帯型通信機器100およびコンテンツ提供サーバ12が実行する処理の流れを説明する。図10は、携帯型通信機器100およびコンテンツ提供サーバ12が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、表示コンテンツ出力装置11がコンテンツ領域23の表示を更新すべき信号(例えば、ユーザがリンクをクリックするなど)を検出すると、表示コンポーネント5aは、更新に必要なコンテンツ情報を取得するためのリクエスト16aを、通信部2を介して指定されたコンテンツ提供サーバ12に送信する(S1)。なお、このステップにおいて、コンテンツ領域23が画面全体を占めるように初期化を行っておいてもよい。
【0094】
表示を更新すべき信号にフッタ領域24のサイズを指定する情報が含まれている場合(S2においてYES)、表示コンポーネント5aはコンテンツ領域23のサイズを指定の大きさに変更した後(S3)、コンテンツ提供サーバ12から送信されるコンテンツ情報13aを、通信部2を介して受信する(S4)。コンテンツ処理部6aは、受信したコンテンツ情報13aを解析し、これに含まれるコンテンツ14aを抽出して表示制御部3に出力する。入力を受けた表示制御部3は、コンテンツ14aに対応する表示信号17を表示部4に出力する。この一連の処理により、表示コンポーネント5aは、コンテンツ領域にコンテンツ14を表示する(S5)。
【0095】
一方、フッタ領域24のサイズを指定する情報が含まれていない場合(S2においてNO)、表示コンポーネント5aはコンテンツ領域23のサイズを全画面に設定した後(S6)、コンテンツ提供サーバ12から送信されるコンテンツ情報13aを、通信部2を介して受信する(S7)。表示コンポーネント5aは、上記と同様の処理により、コンテンツ領域23にコンテンツ14aを表示する(S8)。
【0096】
領域を分割して表示する場合において、表示コンポーネント5aがコンテンツ領域にコンテンツ14を表示した後(S5)、コマンド処理部7aはコンテンツ情報13aを解析してこれに含まれるコマンド15を抽出し、コマンド通信部8aを介して表示コンポーネント5bへ送信する(S9)。コマンド処理部7bは、コマンド通信部8bを介してコマンド15を受信すると(S10)、コマンド15で指定された処理を実行する。
【0097】
なお、上述したように、コマンド処理部7aは、コマンド処理部7bが実行可能な形式にコマンド15を適宜変換し、これを送信してもよい。また、コマンド処理部7bが表示コンポーネント5bを制御するインターフェース(例えば、APIなど)を用意している場合、表示コンポーネント5aは当該インターフェースを介して、コマンド15に相当する動作を表示コンポーネント5bに指示できる。例えば、コマンド15で指定する動作に相当するAPIをコールすることで、表示コンポーネント5bに処理を指示し(S9)、コールを受けたコマンド処理部7bは指定された処理を実行する(S10)。ここで説明する処理の例では、当該コマンドはフッタ領域24にコンテンツ14bを表示することが指示されているものとする(前述の(コマンド例1))。
【0098】
表示コンポーネント5bは、コマンド15の指示にしたがって、コンテンツ情報13bを取得するためのリクエスト16bを、通信部2を介して指定されたコンテンツ提供サーバ12に送信する(S11)。そして、コンテンツ提供サーバ12から送信されるコンテンツ情報13bを、通信部2を介して受信する(S12)。表示コンポーネント5bは、上記と同様の処理により、フッタ領域24にコンテンツ14を表示する(S13)。
【0099】
コンテンツ提供サーバ12は、表示コンポーネント5aから受け付けたリクエスト16aを受け付け、指定されたコンテンツ情報16aを送信する処理を行う。具体的には、リクエスト取得部31がリクエスト16aを取得し(S14a)、リクエスト処理部32がコンテンツ情報13aを送信する(S15a)。同様に、コンテンツ提供サーバ12は、表示コンポーネント5bから受け付けたリクエスト16bを受け付け、指定されたコンテンツ情報16bを送信する処理を行う。具体的には、リクエスト取得部31がリクエスト16bを取得し(S14b)、リクエスト処理部32がコンテンツ情報13bを送信する(S15b)。
【0100】
〔携帯型通信機器100の効果〕
表示画面を複数の領域に分割し、各領域に異なるコンテンツを表示できる。また、同様の機能を実現する従来の方法と比較して、必要な構成は簡単であり、冗長なデータ通信も発生しない。
【0101】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、表示コンテンツ出力装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0102】
後者の場合、表示コンテンツ出力装置11は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示コンテンツ出力装置11の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記文字入力装置11、上記文字入力装置12、および上記文字入力装置13に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0103】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0104】
また、表示コンテンツ出力装置11を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0105】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、コンテンツを表示する携帯型の通信機器などに適用できる。
【符号の説明】
【0107】
1 通信システム
5a 表示コンポーネント(第1の表示コンポーネント)
5b 表示コンポーネント(第2の表示コンポーネント)
6a コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段、第1のコンテンツ処理手段)
6b コンテンツ処理部(第2のコンテンツ処理手段)
7a コマンド処理部(第1のコマンド処理手段)
7b コマンド処理部(第2のコマンド処理手段)
9a コンテンツ情報取得部(コンテンツ情報取得手段、第1のコンテンツ情報取得手段)
9b コンテンツ情報取得部(第2のコンテンツ情報取得手段)
11 表示コンテンツ出力装置
12 コンテンツ提供サーバ(情報提供サーバ)
13a コンテンツ情報
13b コンテンツ情報
14a コンテンツ
14b コンテンツ
15a コマンド
15b コマンド
16a リクエスト(コンテンツ要求)
16b リクエスト(コンテンツ要求)
23 コンテンツ領域(表示領域)
24 フッタ領域(表示領域)
25 サイドメニュー領域(表示領域)
31 リクエスト取得部(リクエスト取得手段)
32 リクエスト処理部(リクエスト処理手段)
100 携帯型通信機器(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数に分割した表示領域のそれぞれに表示コンポーネントを割り当てることで、情報提供サーバから取得される複数のコンテンツを前記表示領域のそれぞれに表示する表示コンテンツ出力装置であって、
第1の表示コンポーネントは、
前記コンテンツと当該第1の表示コンポーネントとは異なる第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得手段と、
前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理手段と、
前記コンテンツ情報取得手段が取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理手段とを備え、
前記第2の表示コンポーネントは、
前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理手段を備えたことを特徴とする表示コンテンツ出力装置。
【請求項2】
前記コマンドは、前記第2の表示コンポーネントに、当該第2の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示すべき前記コンテンツを取得させ、当該表示領域に表示させる指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示コンテンツ出力装置。
【請求項3】
前記コマンドは、前記第2の表示コンポーネントに対応する前記表示領域を非表示にさせる指示を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の表示コンテンツ出力装置。
【請求項4】
前記第1の表示コンポーネントおよび前記第2の表示コンポーネントの少なくとも一方は、対応する表示領域が割り当てられた時に、当該領域サイズが指定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示コンテンツ出力装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示コンテンツ出力装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示コンテンツ出力装置からのコンテンツ要求に応答して、前記コンテンツ情報を前記表示コンテンツ出力装置に送信する情報提供サーバであって、
前記表示コンテンツ出力装置から送信される前記コンテンツ要求を取得するリクエスト取得手段と、
前記コンテンツ要求に対応する前記コンテンツ情報を前記表示コンテンツ出力装置に送信するリクエスト処理手段とを備えたことを特徴とする情報提供サーバ。
【請求項7】
請求項5に記載の電子機器と、請求項6に記載の情報提供サーバから構成されることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
複数に分割した表示領域のそれぞれに表示コンポーネントを割り当てることで、情報提供サーバから取得される複数のコンテンツを前記表示領域のそれぞれに表示する表示コンテンツ出力装置の制御方法であって、
第1の表示コンポーネントにおいて、
前記コンテンツと当該第1の表示コンポーネントとは異なる第2の表示コンポーネントの動作を規定するコマンドとを少なくとも含むコンテンツ情報を前記情報提供サーバから取得するコンテンツ情報取得ステップと、
前記コンテンツ情報取得ステップにて取得した前記コンテンツ情報から当該第1の表示コンポーネントに対応する前記表示領域に表示する前記コンテンツを抽出し、当該表示領域に表示するコンテンツ処理ステップと、
前記コンテンツ情報取得ステップにて取得した前記コンテンツ情報から前記コマンドを抽出し、前記第2の表示コンポーネントへ送信する第1のコマンド処理ステップとを含み、
前記第2の表示コンポーネントにおいて、
前記第1の表示コンポーネントから受信した前記コマンドを実行する第2のコマンド処理ステップを含むことを特徴とする表示コンテンツ出力装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示コンテンツ出力装置、または請求項6に記載の情報提供サーバを動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを前記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−8239(P2013−8239A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141080(P2011−141080)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】