説明

表示システムおよび表示制御装置

【課題】 値下げなどの販売制限を開始する前のより適切なタイミングで商品の販売を促進するための広告を表示することができる表示システムおよび表示制御装置を提供する。
【解決手段】 表示データ判断部11は、現在の時刻から廃棄時刻までの時間が広告表示開始時間よりも小さく、かつ商品iの在庫数が、販売促進商品の対象となる商品であるか否かを決める基準となる基準在庫数よりも大きいと、その商品を販売促進商品として、その商品についての優先表示データを、表示データ送信部12によって、在庫数から基準在庫数を減算した超過在庫数に比例する範囲内の情報表示装置20に送信して表示させる。表示データ制御部21は、受信した優先表示データの広告表示種類が示す表示形態、たとえば少なくともテロップ表示、面積変更および表示時間延長のいずれかの表示形態で、その商品の広告を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を販売するための広告情報を表示する表示システムおよび表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の技術による広告表示装置9の構成を示すブロック図である。広告表示装置9は、たとえば特許文献1に記載される装置であり、複数の商品を収容し、顧客の要求に応じて該当する商品を提供するとともに、複数の広告表示を有する自動販売機に用いられる。広告表示装置9は、時、分、秒情報を生成する時刻発生部91と、その日が何月にあたるかを識別する月確認部92と、商品の在庫数を確認する在庫確認部93と、直近所定時間内のそれぞれの商品販売数を確認する販売商品検出部94と、前記各ブロックからの信号を処理する制御部95と、前記制御部95の制御によって商品広告および案内などを表示する広告表示部96とで構成される。
【0003】
制御部95は、複数の商品広告について、時間、時刻、季節、在庫数量および販売数量に応じて表示時間および表示内容を変えるように、広告表示部96を制御する。たとえば「おいしいモ−ニングコーヒーをどうぞ」、「午後のひととき、コーヒー、紅茶をどうぞ」、「運動の後にはスポーツドリンクで水分の補給を」など、その季節あるいは時刻に相応した案内を商品表示部96に表示する。
【0004】
さらに、制御部95は、在庫確認部93からの情報に基づいて、在庫数量が少なくなった商品の広告を中止し、他の在庫数量の豊富な商品の広告を優先する。したがって、在庫切れも防ぐことができ、かつ在庫が多い商品を売ることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−276089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スーパーマーケットあるいは百貨店などの店舗、特にその店舗の食品売り場では、賞味期限あるいは消費期限が近付いた商品、主に惣菜および生鮮などの食品を販売するために、人的な判断に基づいて値下げなどの売価変更が行われ対応されている。期限切れの商品および翌日以降に販売することができない商品については、当日に廃棄処分をせざるを得ない状況になり、店舗の粗利低下への影響が大きい。
【0007】
従来の技術による広告表示装置9は、自動販売機での広告に用いられるものであり、店舗などで販売される商品、特に値下げ販売が行われる食品については、そのまま用いることができないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、値下げなどの販売制限を開始する前のより適切なタイミングで商品の販売を促進するための広告を表示することができる表示システムおよび表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を表示するための表示部と、
商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、前記販売促進広告情報を前記表示部に表示させる広告開始時刻を決定する決定部と、
現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報を前記表示部に表示させる制御部とを含むことを特徴とする表示システムである。
【0010】
また本発明は、商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、情報を表示する表示装置に表示させる広告開始時刻を決定する決定部と、
現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報を前記表示装置に表示させる制御部とを含むことを特徴とする表示制御装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示部によって、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報が表示され、記憶部によって、商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報が記憶され、決定部によって、前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、前記販売促進広告情報を前記表示部に表示させる広告開始時刻が決定される。
【0012】
そして、判定部によって、現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かが判定され、制御部によって、前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報が前記表示部に表示される。
【0013】
したがって、在庫数、たとえばPOSシステムから提供される在庫数に基づいて、商品、たとえば食品の値下げなどの販売制限を開始する前のより適切なタイミングで、商品の販売を促進するための広告を表示することができる。すなわち、廃棄処分の対象となり得る商品について、廃棄処分前のより適切なタイミングで重点的に広告表示することによって、廃棄処分の対象となり得る商品を、利益率の高い段階で販売することが可能となる。POSシステムと連動することによって、売上推移を考慮して、商品の販売を促進するための広告を表示するタイミングを決定することができ、人的な判断による場合よりも、より細かくかつ適切なタイミングでの広告が可能となり、販売利益を向上することができる。
【0014】
また本発明によれば、記憶部によって、商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報が記憶され、決定部によって、前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、情報を表示する表示装置に表示させる広告開始時刻が決定される。
【0015】
そして、判定部によって、現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かが判定され、制御部によって、前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報が前記表示装置に表示される。
【0016】
したがって、情報を表示することができる表示装置、たとえば液晶ディスプレイを用いて、食品の廃棄処分を開始する前のより適切なタイミングで商品の販売を促進するための広告を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の一形態である表示システム1の構成を示すブロック図である。表示システム1は、店舗サーバ10、情報表示装置20、POS(Point Of Sales)端末31、ハブ32およびアクセスポイント33を含んで構成される。
【0018】
店舗サーバ10は、たとえばキーボードおよびマウスなどの入力装置と、ディスプレイなどの表示装置あるいはプリンタなどの印刷装置を含む出力装置と、他の装置と通信する通信装置と、半導体メモリおよびハードディスク装置などの記憶装置と、中央処理装置(以下「CPU」という)とを含むコンピュータシステムによって構成される。CPUは、記憶装置に記憶される制御プログラムを実行することによって、入力装置、出力装置および通信装置を制御する。
【0019】
表示制御装置である店舗サーバ10は、POS端末31から受信する販売数に基づいて、後述する商品マスタで各商品の在庫数を管理し、在庫数に基づいて販売を促進するための販売促進広告を情報表示装置20に送信して表示させる。
【0020】
表示装置および表示部である情報表示装置20は、たとえば液晶ディスプレイなどの表示装置であり、ハブ32を介して有線通信で店舗サーバ10に接続され、あるいはハブに接続されるアクセスポイント33を介して無線通信で店舗サーバ10に接続される。情報表示装置20は、店舗サーバ10から受信した広告などの情報を表示する。
【0021】
POS端末31は、商品の販売数、および商品の購入者から受領した金銭の金額を入力する装置であり、入力された販売数および金額を店舗サーバ10に送信する。ハブ32は、店舗サーバ10、情報表示装置20、POS端末31およびアクセスポイント33を接続する集線装置である。アクセスポイント33は、店舗サーバ10と情報表示装置20との無線通信を中継する装置である。
【0022】
図2は、表示システム1に含まれる店舗サーバ10および情報表示装置20の構成を模式的に示すブロック図である。店舗サーバ10は、表示データ判断部11、表示データ送信部12、時刻発生部13、売上データ14、商品マスタ15、判定用閾値データ16、通常表示データ17、情報表示装置位置データ18および優先表示データ19を含んで構成される。
【0023】
表示データ判断部11および表示データ送信部12は、CPUが記憶装置に記憶される制御プログラムを実行することによって実現される機能である。売上データ14、商品マスタ15、判定用閾値データ16、通常表示データ17、情報表示装置位置データ18および優先表示データ19は、店舗の管理者などが、たとえば入力装置によって入力し、予め記憶装置に記憶したデータである。表示データ判断部11および表示データ送信部12は、売上データ14、商品マスタ15、判定用閾値データ16、通常表示データ17、情報表示装置位置データ18および優先表示データ19にアクセス可能である。
【0024】
決定部および判定部である表示データ判断部11は、商品の販売を促進するための販売促進広告を優先して表示する必要がある販売促進商品があるか否かを監視し、販売促進商品があると判断すると、その販売促進商品について、販売促進広告を優先して表示させるために、後述する優先表示データを情報表示装置20に送信するように、表示データ送信部12に指示する。表示データ送信部12は、販売促進広告を表示させる情報表示装置20を選択し、選択した情報表示装置20に、表示データ判断部11から指示された優先表示データを送信して表示させる。表示データ判断部11および表示データ送信部12は、制御部である。
【0025】
時刻発生部13は、時間を計時する計時装置であり、たとえばRTC(Real Time
Clock)によって構成される。表示データ判断部11は、時刻発生部13を参照することによって現在の時刻を知ることができる。売上データ14は、POS端末31から受信した情報に基づいて管理される売上げに関するデータである。
【0026】
商品マスタ15は、商品を管理するためのデータであり、少なくとも商品ID(
Identification)、商品名、在庫数、見切り時刻、廃棄時刻、粗利および配置場所などの情報を含む。商品マスタ15は、商品IDごとに、商品名、在庫数、見切り時刻、廃棄時刻、粗利および配置場所を記憶する。商品マスタ15に記憶される情報の一例を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
商品IDは、各商品を識別するための商品識別情報であり、商品名は、商品の名称であり、在庫数は、現在の時刻においてまだ販売されていない商品の数である。見切り時刻は、販売価格の値下げを開始する時刻である。廃棄時刻は、商品を廃棄処分にするために商品の販売を停止する時刻である。廃棄時刻は、商品の販売を停止する販売停止時刻の一例である。粗利は、1個の商品を販売したことによる利益を計算するための金額であり、たとえば売上高から売上原価を差し引いた粗利益であり、配置場所は、商品が陳列されている店舗内の位置をXY座標で表す情報である。
【0029】
表1に示した商品マスタ15には、たとえば商品ID「1」の商品について、商品名「お惣菜A」、在庫数「30」、見切り時刻「18:00」、廃棄時刻「20:00」、粗利「30円」および配置場所「x1,y1」と記憶されている。
【0030】
判定用閾値データ16は、販売促進商品があるか否かを判定するための基準となる閾値を含むデータであり、少なくとも商品ID、基準在庫数、広告表示開始時間および広告表示種類などの情報を含む。判定用閾値データ16は、商品IDごとに、基準在庫数、広告表示開始時間および広告表示種類を記憶する。判定用閾値データ16に記憶される情報の一例を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
基準在庫数は、在庫数についての閾値であり、販売促進商品の対象となる商品であるか否かを決める基準となる在庫数である。在庫数が基準在庫数を上回っている場合は、多くの商品を廃棄処分にしなければならない可能性が高いので、販売促進広告を表示して商品の販売を促進する必要がある。広告表示開始時間は、時間についての閾値であり、廃棄時刻よりもどれくらい前の時間から販売促進広告を表示する予定であるかを示す時間である。たとえば、ある惣菜が賞味期限つまり廃棄時刻の3時間前の見切り時刻から値下げを始めなければならない場合、広告表示開始時間は、4時間と設定され、見切り時刻の1時間前から販売促進広告の表示が開始される予定であることを示す。廃棄時刻から広告表示開始時間を減算した時刻は、広告表示開始時刻である。本実施の形態では、広告表示開始時間を記憶しているが、広告表示開始時間に加えて広告表示開始時刻を記憶してもよい。
【0033】
広告表示種類は、販売促進広告を表示する表示形態を示す。表示形態には、少なくともテロップ表示、面積変更および表示時間延長の3つの表示形態を含み、3つの表示形態を組み合わせることも可能である。各表示形態については、図3で後述する。
【0034】
表2に示した判定用閾値データ16には、たとえば商品ID「1」の商品について、基準在庫数「20」、広告表示開始時間「3時間0分」および広告表示種類「テロップ表示 and 面積変更」と記憶され、商品ID「2」の商品について、広告表示種類「表示時間変更」と記憶されている。商品マスタ15および判定用閾値データ16は、記憶部である。
【0035】
図3は、表示形態の例を示す図である。図3(a)は、販売促進商品でない商品の広告を表示している状態での表示画面41とタイムテーブル51とを示す。表示画面41は、情報表示装置20の表示画面であり、画面に向かって左半分の画面である左画面41Lには、商品名「お惣菜A」についての広告が表示され、画面に向かって右半分の画面である右画面41Rには、商品名「お惣菜B」についての広告が表示されている。
【0036】
タイムテーブル51は、左画面41Lおよび右画面41Rに順次表示される商品名を示すテーブルである。タイムテーブル51は、左画面41Lについて、商品名が「お惣菜A」、「お惣菜C」、「衣料品E」および「衣料品G」の順序で、商品ごとに定められる後述する表示時間が経過するごとに順次、各商品名の商品の広告が表示されることを示している。さらに、右画面41Rについて、商品名が「お惣菜B」、「お惣菜D」、「季節商品F」および「お惣菜H」の順序で、商品ごとに定められる後述する表示時間が経過するごとに順次、各商品名の商品の広告が表示されることを示している。
【0037】
図3(b)は、商品名「お惣菜A」の商品について、販売促進商品の広告をテロップ表示で表示している状態での表示画面42とタイムテーブル52とを示す。表示画面42は、情報表示装置20の表示画面であり、左画面42Lには、販売促進商品である商品名「お惣菜A」の商品についての広告が表示され、右画面42Rには、販売促進商品でない商品名「お惣菜B」の商品についての広告が表示され、さらに表示画面内の下側のテロップ表示領域42Tに、販売促進商品である商品名「お惣菜A」の商品についての広告がテロップ表示されている。テロップ表示領域42Tは、左画面42Lまたは右画面42Rに表示される広告の商品のいずれかが販売促進商品であるとき表示される。この場合、左画面42Lおよび右画面42Rに表示される広告は、テロップ表示領域42Tの部分が欠落するが、欠落しないように、左画面42Lおよび右画面42Rに表示される広告を縦方向に縮小して、左画面42Lおよび右画面42Rに表示してもよい。
【0038】
商品名「季節商品F」は、販売促進商品であるので、商品名「季節商品F」の商品の広告が右画面42Rに表示されるとき、商品名「季節商品F」の商品の広告がテロップ表示領域42Tにテロップ表示される。このように、販売促進商品の広告をテロップで表示することによって、販売促進商品でない商品よりも強調して広告を行うことができる。タイムテーブル52は、図3(a)に示したタイムテーブル51と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0039】
図3(c)は、商品名「お惣菜A」の商品について、販売促進商品の広告を面積変更で表示している状態での表示画面43とタイムテーブル53とを示す。表示画面43は、情報表示装置20の表示画面であり、左画面43Lには、販売促進商品である商品名「お惣菜A」の商品についての広告が、図3(a)に示した左画面41Lよりも広い領域に拡大されて表示され、右画面42Rには、販売促進商品でない商品名「お惣菜B」の商品についての広告が、図3(a)に示した右画面41Rよりも狭い領域に縮小されて表示されている。
【0040】
商品名「季節商品F」は、販売促進商品であるので、商品名「季節商品F」の商品の広告を表示するときは、商品名「季節商品F」の商品の広告が、図3(a)に示した右画面41Rよりも広い領域の右画面43Rに拡大して表示され、そのとき、販売促進商品でない商品名「衣料品E」の商品の広告は、図3(a)に示した左画面41Lよりも狭い領域の左画面43Lに縮小して表示される。このように、販売促進商品の広告を表示している領域を拡大することによって、販売促進商品でない商品よりも強調して広告を行うことができる。
【0041】
左画面43Lおよび右画面41Rが同時に販売促進商品の広告を表示することになった場合は、左画面43Lおよび右画面41Rが同時に販売促進商品でない商品の広告を表示する場合と同様の状態で表示する。タイムテーブル53は、図3(a)に示したタイムテーブル51と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0042】
図3(d)は、商品名「お惣菜A」の商品について、販売促進商品の広告の表示時間延長で表示している状態での表示画面44とタイムテーブル54とを示す。表示画面44は、図3(a)に示した表示画面41と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0043】
タイムテーブル54は、左画面44Lについて、販売促進商品である商品名「お惣菜A」の商品の広告を、その商品について定められる時間より長い時間、たとえばその商品について定められる時間の2倍の時間表示することを示している。さらに、販売促進商品である商品名「季節商品F」の商品の広告についても、その商品について定められる時間より長い時間、たとえばその商品について定められる時間の1.5倍の時間表示する。このように、販売促進商品の広告を表示している時間を延長することによって、販売促進商品でない商品よりも強調して広告を行うことができる。
【0044】
通常表示データ17は、商品を販売するための広告を表す広告情報を生成するための情報であり、少なくとも商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を含む。通常表示データ17は、商品IDごとに、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間を記憶する。通常表示データ17に記憶される情報の一例を表3に示す。
【0045】
【表3】

【0046】
表示幅は、情報表示装置20の表示画面の領域を左右に分割したとき、その商品の広告を表示する左画面もしくは右画面の領域が全画面の領域に占める割合を百分率で示す情報である。表示位置は、左画面および右画面のうちどちらの画面に表示するのかを示す情報であり、「左」は左画面に表示し、「右」は右画面に表示することを示す。表示コンテンツは、表示位置で示される領域の画面に表示する静止画像、動画像、もしくは音声情報またはこれらの組み合わせをファイル名で示す。音声情報を用いる場合は、情報表示装置20に音声出力装置を設ける必要がある。表示時間は、表示コンテンツを表示する時間を示し、動画像の場合には、同じ動画像が繰り返し表示され、音声情報の場合には、同じ音声情報が繰り返し出力される。左画面および右画面でともに音声情報を出力する場合は、交互に出力する。
【0047】
表3に示した通常表示データ17には、たとえば商品ID「1」の商品について、表示幅「50%」、表示位置「右」、表示コンテンツ「1.mpg」および表示時間「15秒」と記憶され、商品ID「2」の商品について、表示幅「50%」、表示位置「左」、表示コンテンツ「2.mpg」および表示時間「15秒」と記憶され、商品ID「3」の商品について、表示幅「50%」、表示位置「右」、表示コンテンツ「3.mpg」および表示時間「20秒」と記憶され、商品ID「4」の商品について、表示幅「50%」、表示位置「左」、表示コンテンツ「4.jpg/4.mp3」および表示時間「20秒」と記憶されている。
【0048】
通常表示データ17のデータは、店舗の管理者などによって記憶装置に記憶された後、表示データ送信部12によって、各商品の広告を表示する情報表示装置20に送信される。
【0049】
情報表示装置位置データ18は、情報表示装置20が配置されている位置を示す情報であり、少なくとも情報表示装置IDおよび配置場所などの情報を含む。情報表示装置位置データ18に記憶される情報の一例を表4に示す。情報表示装置IDは、各情報表示装置20を識別するための装置識別情報であり、配置場所は、店舗内で各情報表示装置20が配置される位置をXY座標で表している。
【0050】
【表4】

【0051】
表4に示した情報表示装置位置データ18には、情報表示装置ID「A」の情報表示装置20について、配置場所「xA,yA」が記憶され、情報表示装置ID「B」の情報表示装置20について、配置場所「xB,yB」が記憶され、情報表示装置ID「C」の情報表示装置20について、配置場所「xC,yC」が記憶されていることが示されている。
【0052】
優先表示データ19は、商品の販売を促進するための広告、つまり販売促進広告を表す販売促進広告情報を生成するための情報であり、少なくとも商品ID、広告表示種類およびパラメータなどの情報を含む。優先表示データ19は、商品IDごとに、広告表示種類およびパラメータを記憶する。優先表示データ19に記憶される情報の一例を表5に示す。
【0053】
【表5】

【0054】
広告表示種類は、販売促進広告情報を表示する表示形態を示す。パラメータは、表示形態を実現するための情報である。たとえば、表示形態が「テロップ表示」の場合は、テロップ表示する文字列を示し、表示形態が「面積変更」の場合は、右画面あるいは左画面を拡大する割合と方向とを示し、表示形態が「表示時間延長」の場合は、表示を延長する時間を示す。
【0055】
表5に示した優先表示データ19には、たとえば商品ID「1」の商品の広告について、広告表示種類が「テロップ表示」で、パラメータが「お惣菜A xxx産現在・・」と記憶され、同じ商品ID「1」の商品の広告について、広告表示種類が「面積変更」で、パラメータが「横幅+20%」と記憶され、商品ID「2」の商品の広告について、広告表示種類が「表示時間延長」で、パラメータが「+10秒」と記憶されている。
【0056】
情報表示装置20は、表示データ制御部21、情報表示部分22、情報表示装置通常表示データ23および情報表示装置優先表示データ24を含んで構成される。表示データ制御部21は、店舗サーバ10の表示データ送信部12から、通常表示データを受信した場合は、受信した通常表示データを情報表示装置通常表示データ23に記憶し、さらに優先表示データを受信した場合は、受信した優先表示データと情報表示装置通常表示データ23とに基づいて、受信した優先表示データに含まれる商品IDについて情報表示装置優先表示データ24を生成して記憶する。
【0057】
表示データ制御部21は、情報表示装置優先表示データ24に記憶されている商品IDの商品について、記憶する情報表示装置優先表示データ24に基づいて販売促進広告情報を生成し、生成した販売促進広告情報を情報表示部分22に表示する。情報表示装置優先表示データ24に記憶されていない商品IDの商品については、記憶する情報表示装置通常表示データ23に基づいて広告情報を生成し、生成した広告情報を情報表示部分22に表示する。情報表示部分22は、液晶ディスプレイなどの表示画面であり、表示データ制御部21から受け取る広告情報および販売促進広告情報を表示する。
【0058】
情報表示装置通常表示データ23は、各情報表示装置20で順次表示する広告情報を生成するための情報であり、少なくとも再生順序、商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を含む。情報表示装置通常表示データ23は、再生順序ごとに、商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間を記憶する。情報表示装置通常表示データ23に記憶される情報の一例を表6に示す。
【0059】
【表6】

【0060】
再生順序は、各商品の広告を表示する順序を示す。商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間は、店舗サーバ10に記憶される通常表示データ17の商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間と同じであり、重複を避けるため説明は省略する。
【0061】
表6に示した情報表示装置通常表示データ23には、たとえば再生順序「1」について、商品ID「9」、表示幅「60%」、表示位置「右」、表示コンテンツ「9.mpg」、および表示時間「10秒」が示され、再生順序「2」について、商品ID「10」、表示幅「40%」、表示位置「左」、表示コンテンツ「10.jpg/10.mp3」、および表示時間「10秒」が示され、再生順序「3」について、商品ID「1」、表示幅「50%」、表示位置「右」、表示コンテンツ「1.mpg」、および表示時間「15秒」が示され、再生順序「4」について、商品ID「2」、表示幅「50%」、表示位置「左」、表示コンテンツ「2.mpg」、および表示時間「15秒」が示され、再生順序「20」について、商品ID「200」、表示幅「50%」、表示位置「左」、表示コンテンツ「200.mpg」、および表示時間「30秒」が示されている。
【0062】
表示データ制御部21は、情報表示装置通常表示データ23の再生順序に従って、図3(a)に示したように、左画面41Lおよび右画面41Rに順次広告情報を表示する。
【0063】
情報表示装置優先表示データ24は、優先表示データ部241と通常表示データ部242とを含む。優先表示データ部241は、表示データ制御部21が表示データ送信部12から受信した優先表示データを記憶し、通常表示データ部242は、優先表示データ部241の商品IDと同じ商品IDの商品についての通常表示データを記憶する。優先表示データ部241の一例を表7に示し、通常表示データ部242の一例を表8に示す。
【0064】
【表7】

【0065】
【表8】

【0066】
表7に示した優先表示データ部241には、商品ID「2」の商品についての優先表示データが記憶され、表8に示した通常表示データ部242には、商品ID「2」の商品についての通常表示データが記憶されている。
【0067】
表示データ制御部21は、情報表示装置通常表示データ23の再生順序に従って順次表示している広告情報の商品について、情報表示装置優先表示データ24が記憶されていると、情報表示装置優先表示データ24に記憶されている優先表示データに基づいて、その広告情報を販売促進広告情報にして表示する。
【0068】
図4は、表示データ判断部11および表示データ送信部12が実行する第1の表示制御処理を示すフローチャートである。第1の表示制御処理は、店舗サーバ10が優先表示データおよび優先表示データの削除指示を情報表示装置20に送信する処理である。時刻発生部13によって計時される時間が所定の時間、たとえば10分経過するたびに、ステップA1に移る。ステップA1〜A11,A13,A22,A23は、表示データ判断部11によって実行され、ステップA12,A14〜A21,A24,A25は、表示データ送信部12によって実行される。
【0069】
ステップA1では、変数iに「1」を代入する。変数iは、商品を識別するための値であり、たとえば商品IDを示す。ステップA2では、商品iの広告表示開始時間を取得する。具体的には、判定用閾値データ16から商品ID「i」の広告表示開始時間を読み出す。ステップA3では、現在の時間を取得する。具体的には、時刻発生部13を参照して現在の時刻を取得し、商品マスタ15の商品ID「i」の廃棄時刻から、取得した現在の時刻を減算した時間を、現時間、つまり廃棄時刻までの現在の時間とする。
【0070】
ステップA4では、現時間が広告表示開始時間よりも小さいか否かを判定する。具体的には、ステップA3で求めた現時間がステップA2で取得した広告表示開始時間よりも小さいと、ステップA5に進み、ステップA3で求めた現時間がステップA2で取得した広告表示開始時間よりも小さくないと、ステップA25に進む。
【0071】
ステップA5では、商品iの在庫数を取得する。具体的には、商品マスタ15から商品ID「i」の在庫数を読み出す。ステップA6では、商品iの基準在庫数を取得する。具体的には、判定用閾値データ16から商品ID「i」の基準在庫数を読み出す。ステップA7では、在庫数が基準在庫数よりも大きいか否かを判定する。ステップA5で取得した在庫数がステップA6で取得した基準在庫数よりも大きいと、ステップA8に進み、ステップA5で取得した在庫数がステップA6で取得した基準在庫数よりも大きくないと、ステップA25に進む。
【0072】
すなわち、ステップA2〜A7では、広告表示開始時間および基準在庫数の2つの閾値を基準にして、廃棄時刻までの現時間および現在の在庫数に基づいて、商品ID「i」の商品が販売促進商品であるか否かを判定している。
【0073】
ステップA8では、商品iの単価を取得する。具体的には、商品マスタ15から商品ID「i」の粗利を読み出す。ステップA9では、在庫数から基準在庫数を減算した数を在庫超過数とする。すなわち、在庫超過数は、ステップA5で取得した在庫数からステップA6で取得した基準在庫数を減算した数である。ステップA10では、在庫超過数と単価とを乗算した値を優先度Piとする。すなわち、優先度Piは、ステップA9で求めた在庫超過数とステップA8で読み出した粗利と乗算した値であり、商品ID「i」の商品についての優先度である。
【0074】
ステップA11では、商品iの位置を取得する。具体的には、商品マスタ15から商品ID「i」の配置場所を読み出す。ステップA12では、変数jに「1」を代入する。変数jは、情報表示装置20を識別するための値であり、たとえば情報表示装置位置データ18の情報表示装置IDのアルファベットを数字に対応付けた値である。すなわち、アルファベット「A」を「1」に対応付け、アルファベット「B」を「2」に対応付け、アルファベット「C」を「3」に対応付け、以下同様に対応付ける。
【0075】
ステップA13では、商品iの広告表示種類を取得する。具体的には、判定用閾値データ16から商品ID「i」の広告表示種類を読み出す。ステップA14では、表示装置jの位置を取得する。具体的には、情報表示装置位置データ18から変数jに対応するアルファベットの情報表示装置IDの配置場所を読み出す。ステップA15では、商品iの位置と表示装置jの位置との距離を装置間距離とする。すなわち、装置間距離は、ステップA11で読み出した商品ID「i」の配置場所が示す座標と、ステップA13で読み出した変数jに対応するアルファベットの情報表示装置IDの配置場所が示す座標との距離である。
【0076】
ステップA16では、Piに係数を乗算した値が装置間距離よりも大きいか否かを判定する。係数は、店舗の広さ、店舗に配置される情報表示装置20の数、情報表示装置20の表示画面の大きさなどの条件に基づいて、店舗の管理者などによって予め設定される係数である。ステップA10で求めた優先度Piに係数を乗算した値がステップA15で求めた装置間距離よりも大きいと、ステップA17に進み、ステップA10で求めた優先度Piに係数を乗算した値がステップA15で求めた装置間距離よりも大きくないと、ステップA21に進む。
【0077】
すなわち、ステップA8〜A16では、優先表示データをどの情報表示装置20に送信すべきかを判定している。
【0078】
ステップA17では、商品iの通常表示データを取得する。具体的には、通常表示データ17から商品ID「i」の商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を読み出す。ステップA18では、表示装置jに通常表示データを送信する。具体的には、ステップA17で読み出した商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を、表示データ送信部12によって変数jに対応するアルファベットの情報表示装置IDの情報表示装置20に送信する。
【0079】
ステップA19では、商品iの優先表示データを取得する。具体的には、優先表示データ19から商品ID「i」の商品ID、広告表示種類およびパラメータなどの情報を読み出す。ステップA20では、表示装置jに優先表示データを送信する。具体的には、ステップA19で読み出した商品ID、広告表示種類およびパラメータなどの情報を、表示データ送信部12によって変数jに対応するアルファベットの情報表示装置IDの情報表示装置20に送信する。
【0080】
ステップA21では、変数jが値「m」に等しいか否かを判定する。値「m」は、情報表示装置位置データ18に登録されている情報表示装置20の数である。変数jが値「m」に等しいと、ステップA22に進み、変数jが値「m」に等しくないと、ステップA24に進む。ステップA22では、変数iに「1」を加算する。ステップA23では、変数iが値「n」より大きいか否かを判定する。値「n」は、商品マスタ15にデータが登録されている商品の数である。変数iが値「n」より大きいと、第1の表示制御処理を終了し、変数iが値「n」より大きくないと、ステップA2に戻る。
【0081】
ステップA24では、変数jに「1」を加算して、ステップA14に戻る。ステップA25では、商品iの優先表示データの削除指示をすべての情報表示装置20に送信し、ステップA22に進む。具体的には、各情報表示装置20が記憶する情報表示装置優先表示データ24のうち、商品ID「i」の商品についての優先表示データを削除する削除指示を、表示データ送信部12によってすべての情報表示装置20に送信し、ステップA22に進む。
【0082】
図4に示した実施の形態では、優先表示データを送信する情報表示装置20を選択するとき、優先表示データを表示する商品が陳列されている位置と情報表示装置20が配置されている位置との距離によって選択したが、距離に限定されるものではなく、エリアによって情報表示装置20を選択してもよい。具体的には、たとえば少なくとも1つの情報表示装置20を含む複数のエリアを予め定めておいて、販売促進広告を表示することによって販売数を増加させることが期待される位置に配置されている情報表示装置20を含むエリア、たとえば利用者の多い位置に配置されている情報表示装置20を含むエリアに配置される情報表示装置20を選択してもよい。
【0083】
図5は、表示データ判断部11および表示データ送信部12が実行する第2の表示制御処理を示すフローチャートである。第2の表示制御処理は、図4に示した第1の表示制御処理の代わりに表示データ判断部11によって実行される。第2の表示制御処理は、店舗サーバ10が優先表示データを情報表示装置20に送信する処理である。時刻発生部13によって計時される時間が所定の時間、たとえば10分経過するたびに、ステップB1に移る。ステップB1〜B13,A18,A19は、表示データ判断部11によって実行され、ステップB14〜B17は、表示データ送信部12によって実行される。
【0084】
ステップB1では、変数iに「1」を代入する。変数iは、商品を識別するための値であり、たとえば商品IDを示す。ステップB2では、商品iの在庫数を取得する。具体的には、商品マスタ15から商品ID「i」の在庫数を読み出す。ステップB3では、商品iの基準在庫数を取得する。具体的には、判定用閾値データ16から商品ID「i」の基準在庫数を読み出す。ステップB4では、在庫数が基準在庫数よりも大きいか否かを判定する。ステップB2で取得した在庫数がステップB3で取得した基準在庫数よりも大きいと、ステップB5に進み、ステップB2で取得した在庫数がステップB3で取得した基準在庫数よりも大きくないと、ステップB18に進む。
【0085】
ステップB5では、商品iの単価を取得する。具体的には、商品マスタ15から商品ID「i」の粗利を読み出す。ステップB6では、在庫数から基準在庫数を減算した数を在庫超過数とする。すなわち、在庫超過数は、ステップB2で取得した在庫数からステップB3で取得した基準在庫数を減算した数である。ステップB7では、在庫超過数と単価とを乗算した値を優先度Piとする。すなわち、優先度Piは、ステップB6で求めた在庫超過数とステップB5で読み出した粗利と乗算した値であり、商品ID「i」の商品についての優先度である。
【0086】
ステップB8では、商品iの広告表示開始時間を取得する。具体的には、判定用閾値データ16から商品ID「i」の広告表示開始時間を読み出す。ステップB9では、現在の時間を取得する。具体的には、時刻発生部13を参照して現在の時刻を取得し、商品マスタ15の商品ID「i」の廃棄時刻から、取得した現在の時刻を減算した時間を、現時間、つまり廃棄時刻までの現在の時間とする。
【0087】
ステップB10では、現時間から広告表示開始時間を減算した時間を広告までの時間とする。すなわち、猶予時間である広告までの時間は、ステップB9で求めた現時間からステップB8で取得した広告表示開始時間を減算した時間である。ステップB11では、優先度Piを広告までの時間で除算した値を在庫リスクとする。すなわち、在庫リスクは、ステップB7で求めた優先度PiをステップB10で求めた広告までの時間で除算した値である。ステップB12では、広告表示開始時刻から、在庫リスクを係数倍した値を減算した値を前倒し広告時刻とする。すなわち、広告開始時刻である前倒し広告時刻は、ステップB11で求めた在庫リスクを係数倍した値を、広告表示開始時刻から減算した時刻である。表示開始予定時刻である広告表示開始時刻は、廃棄時刻から広告表示開始時間を減算した時刻である。係数は、店舗の広さ、店舗に配置される情報表示装置20の数、情報表示装置20の表示画面の大きさなどの条件に基づいて、店舗の管理者などによって予め設定される係数である。
【0088】
ステップB13では、現時刻が前倒し広告時刻よりも大きいか否かを判定する。具体的には、ステップB9で取得した現在の時刻がステップB12で求めた前倒し広告時刻よりも大きいと、ステップB14に進み、ステップB9で取得した現在の時刻がステップB12で求めた前倒し広告時刻よりも大きくないと、ステップB18に進む。
【0089】
ステップB14では、商品iの通常表示データを取得する。具体的には、通常表示データ17から商品ID「i」の商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を読み出す。ステップB15では、商品i用の表示装置に通常表示データを送信する。具体的には、ステップB15で読み出した商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を、表示データ送信部12によって商品i用の情報表示装置20、つまり商品iからの距離が最も近い情報表示装置20に送信する。
【0090】
ステップB16では、商品iの優先表示データを取得する。具体的には、優先表示データ19から商品ID「i」の商品ID、広告表示種類およびパラメータなどの情報を読み出す。ステップB17では、商品i用の表示装置に優先表示データを送信する。具体的には、ステップB16で読み出した商品ID、広告表示種類およびパラメータなどの情報を、表示データ送信部12によって商品i用の情報表示装置20に送信する。
【0091】
ステップB18では、変数iに「1」を加算する。ステップB19では、変数iが値「n」より大きいか否かを判定する。値「n」は、商品マスタ15にデータが登録されている商品の数である。変数iが値「n」より大きいと、第2の表示制御処理を終了し、変数iが値「n」より大きくないと、ステップB2に戻る。
【0092】
図6は、表示データ制御部21が実行する広告表示処理を示すフローチャートである。広告表示処理は、情報表示装置20が、優先表示データの受信および優先表示データの削除指示を店舗サーバ10から受信する処理である。情報表示装置20の電源が投入され動作可能になるとステップC1に移る。
【0093】
ステップC1では、店舗サーバ10からの通信を受信する。ステップC2では、優先表示データを送信する通信または優先表示データの削除指示の通信を受信したか否かを判定する。優先表示データを送信する通信または優先表示データの削除指示の通信を受信すると、ステップC3に進み、優先表示データを送信する通信および優先表示データの削除指示のいずれの通信も受信していないと、ステップC16に進む。
【0094】
ステップC3では、受信した通信が優先表示データの削除指示であるか否かを判定する。受信した通信が優先表示データの削除指示であると、ステップC15に進み、受信した通信が優先表示データの削除指示でないと、ステップC4に進む。ステップC4では、受信したデータを優先表示データとして情報表示装置優先表示データ24に保存する。ステップC5では、優先表示データを情報表示装置優先表示データ24から読み取り、商品IDを記憶装置の一時記憶領域に記憶する。
【0095】
ステップC6では、広告表示種類がテロップであるか否かを判定する。ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「テロップ表示」があると、広告表示種類がテロップであると判定し、ステップC7に進み、ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「テロップ表示」がないと、広告表示種類がテロップでないと判定し、ステップC8に進む。ステップC7では、優先表示データのテロップを取得する。すなわち、ステップC5で読み取った優先表示データに含まれるパラメータのうち広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータを、記憶装置の一時記憶領域に記憶する。
【0096】
ステップC8では、広告表示種類が面積変更であるか否かを判定する。ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「面積変更」があると、広告表示種類が面積変更であると判定し、ステップC9に進み、ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「面積変更」がないと、広告表示種類が面積変更でないと判定し、ステップC10に進む。ステップC9では、優先表示データの面積変更を取得する。すなわち、ステップC5で読み取った優先表示データに含まれるパラメータのうち広告表示種類が「面積変更」であるパラメータを、記憶装置の一時記憶領域に記憶する。
【0097】
ステップC10では、広告表示種類が時間変更であるか否かを判定する。ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「表示時間延長」があると、広告表示種類が時間変更であると判定し、ステップC11に進み、ステップC5で読み取った優先表示データの広告表示種類に「表示時間延長」がないと、広告表示種類が時間変更でないと判定し、ステップC12に進む。ステップC11では、優先表示データの時間変更を取得する。すなわち、ステップC5で読み取った優先表示データに含まれるパラメータのうち広告表示種類が「表示時間延長」であるパラメータを、記憶装置の一時記憶領域に記憶する。
【0098】
ステップC12では、表示データ生成処理を呼出して実行する。ステップC13では、表示データ生成処理で生成された表示データ、すなわち記憶装置の後述する表示データ領域に記憶される表示データを情報表示部分22に表示する。ステップC14では、所定時間、たとえば1秒経過するのを待って、ステップC1に戻る。
【0099】
ステップC15では、ステップC3で優先表示データの削除指示によって指示された商品IDの優先表示データを削除し、さらにその商品IDの通常表示データを情報表示装置通常表示データ23から読み込んで、記憶装置の一時記憶領域に記憶して、ステップC12に進む。ステップC16では、優先表示データがあるか否かを判定する。情報表示装置優先表示データ24が記憶されていると、優先表示データがあると判定し、ステップC13に進み、情報表示装置優先表示データ24が記憶されていないと、優先表示データがないと判定し、ステップC17に進む。
【0100】
ステップC17では、次データに切り換える時であるか否かを判定する。左画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間、および右画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間のうちのいずれかの表示時間が経過していると、次データに切り換える時であると判定し、ステップC18に進む。左画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間、および右画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間のうちのいずれの表示時間も経過していないと、次データに切り換える時でないと判定し、ステップC13に進む。
【0101】
ステップC18では、次の再生順序を設定する。すなわち、左画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間が経過している場合は、左画面に表示する通常表示データの順序を示す左ポインタの値を、情報表示装置通常表示データ23の表示位置が「左」である商品IDのうち、現在表示している商品IDの次の商品IDの再生順序の値にする。右画面に表示されている優先表示データあるいは通常表示データの表示時間が経過している場合は、右画面に表示する通常表示データの順序を示す右ポインタの値を、情報表示装置通常表示データ23の表示位置が「右」である商品IDのうち、現在表示している商品IDの次の商品IDの再生順序の値にする。
【0102】
ステップC19では、次の通常表示データを読み込んで、ステップC12に進む。すなわち、ステップC18で更新した左ポインタまたは右ポインタが示す再生順序の通常表示データを情報表示装置通常表示データ23から読み込んで、記憶装置の一時記憶領域に記憶し、ステップC12に進む。
【0103】
図6に示した実施の形態では、ステップC16で優先表示データがあるか否かを判定しているので、優先表示データの削除指示があるまで、表示されている優先表示データおよび通常表示データが更新されることがない。優先表示データの削除指示がなくても、優先表示データおよび通常表示データの更新を可能とする場合は、ステップC16の判定処理をなくし、ステップC2で、優先表示データを送信する通信および優先表示データの削除指示のいずれの通信も受信していないとき、ステップC17に進むようにすればよい。
【0104】
図7は、表示データ制御部21が実行する表示データ生成処理を示すフローチャートである。図6に示したフローチャートのステップC12で呼び出されると、ステップD1に移る。
【0105】
ステップD1では、次の表示データを読み込み済みであるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に通常表示データが記憶されていると、次の表示データを読み込み済みであると判定し、ステップD4に進み、記憶装置の一時記憶領域に通常表示データが記憶されていないと、次の表示データを読み込み済みでないと判定し、ステップD2に進む。
【0106】
ステップD2では、優先表示データの商品IDと画面右の通常表示データの商品IDとが同じであるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されており、かつその商品IDと、情報表示装置通常表示データ23の商品IDのうち、右ポインタが示す再生順序の商品IDとが同じ商品IDである場合は、優先表示データの商品IDと画面右の通常表示データの商品IDとが同じであると判定し、ステップD7に進む。記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されていない場合、または記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されており、かつその商品IDと、情報表示装置通常表示データ23の商品IDのうち、右ポインタが示す再生順序の商品IDとが同じ商品IDでない場合は、優先表示データの商品IDと画面右の通常表示データの商品IDとが同じでないと判定し、ステップD3に進む。
【0107】
ステップD3では、優先表示データの商品IDと画面左の通常表示データの商品IDとが同じであるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されており、かつその商品IDと、情報表示装置通常表示データ23の商品IDのうち、左ポインタが示す再生順序の商品IDとが同じ商品IDである場合は、優先表示データの商品IDと画面左の通常表示データの商品IDとが同じであると判定し、ステップD13に進む。記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されていない場合、または記憶装置の一時記憶領域に商品IDが記憶されており、かつその商品IDと、情報表示装置通常表示データ23の商品IDのうち、左ポインタが示す再生順序の商品IDとが同じ商品IDでない場合は、優先表示データの商品IDと画面左の通常表示データの商品IDとが同じでないと判定し、表示データ生成処理を終了する。
【0108】
ステップD4では、次の表示データの画面位置は右であるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に記憶されている通常表示データの表示位置が「右」であると、次の表示データの画面位置は右であると判定し、ステップD5に進む。記憶装置の一時記憶領域に記憶されている通常表示データの表示位置が「右」でないと、次の表示データの画面位置は右でないと判定し、ステップD6に進む。
【0109】
ステップD5では、画面右に次の表示データの動画/静止画を表示するためのデータを準備して、ステップD2に進む。具体的には、記憶装置の一時記憶領域に記憶されている通常表示データ、つまり商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を読み出し、読み出した商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に書き込んで、ステップD2に進む。ステップD6では、画面左に次の表示データの動画/静止画を表示するためのデータを準備して、ステップD2に進む。具体的には、記憶装置の一時記憶領域に記憶されている通常表示データ、つまり商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を読み出し、読み出した商品ID、表示幅、表示位置、表示コンテンツおよび表示時間などの情報を記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に書き込んで、ステップD2に進む。
【0110】
ステップD7では、時間変更があるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータが記憶されていると、時間変更があると判定し、ステップD10に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータが記憶されていないと、時間変更がないと判定し、ステップD8に進む。ステップD8では、面積変更があるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「面積変更」のパラメータが記憶されていると、面積変更があると判定し、ステップD11に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「面積変更」のパラメータが記憶されていないと、面積変更がないと判定し、ステップD9に進む。
【0111】
ステップD9では、テロップデータがあるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータが記憶されていると、テロップデータがあると判定し、ステップD12に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータが記憶されていないと、テロップデータがないと判定し、ステップD3に進む。ステップD10では、タイムチャートの時間を延長して、ステップD8に進む。具体的には、記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に記憶される表示時間に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータで示される時間を加算して、ステップD8に進む。
【0112】
ステップD11では、画面右の面積を変更し、それに応じて画面左の面積を変更する。具体的には、記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に記憶される表示幅に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「面積変更」のパラメータで示される割合を加算して、かつ記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に記憶される表示幅から、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「面積変更」のパラメータで示される割合を減算して、ステップD9に進む。ステップD12では、画面下にテロップを表示するための準備をして、ステップD3に進む。具体的には、記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータを書き込んで、ステップD3に進む。
【0113】
ステップD13では、時間変更があるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータが記憶されていると、時間変更があると判定し、ステップD16に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータが記憶されていないと、時間変更がないと判定し、ステップD14に進む。ステップD14では、面積変更があるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「面積変更」のパラメータが記憶されていると、面積変更があると判定し、ステップD17に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「面積変更」のパラメータが記憶されていないと、面積変更がないと判定し、ステップD15に進む。
【0114】
ステップD15では、テロップデータがあるか否かを判定する。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータが記憶されていると、テロップデータがあると判定し、ステップD20に進む。記憶装置の一時記憶領域に広告表示形態が「テロップ表示」のパラメータが記憶されていないと、テロップデータがないと判定し、表示データ生成処理を終了する。ステップD16では、タイムチャートの時間を延長して、ステップD14に進む。具体的には、記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に記憶される表示時間に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータで示される時間を加算して、ステップD14に進む。
【0115】
ステップD17では、画面右は面積変更済みであるか否かを判定する。右ポインタが示す再生順序の通常表示データの商品IDと同じ商品IDの優先表示データが記憶装置の一時記憶領域に記憶されており、その優先表示データの広告表示形態に「画面変更」が記憶されていると、画面右は面積変更済みであると判定し、ステップD18に進む。右ポインタが示す再生順序の通常表示データの商品IDと同じ商品IDの優先表示データが記憶装置の一時記憶領域に記憶されていないか、または右ポインタが示す再生順序の通常表示データの商品IDと同じ商品IDの優先表示データが記憶装置の一時記憶領域に記憶されていても、その優先表示データの広告表示形態に「画面変更」が記憶されていないと、画面右は面積変更済みでないと判定し、ステップD19に進む。
【0116】
ステップD18では、画面右左の大きさを元の大きさに戻す。具体的には、記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に記憶される表示幅を、右ポインタが示す再生順序の通常表示データの表示幅に書き換えるとともに、記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に記憶される表示幅を、左ポインタが示す再生順序の通常表示データの表示幅に書き換えて、ステップD15に進む。
【0117】
ステップD19では、画面左の面積を変更し、それに応じて画面右の面積を変更する。具体的には、記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に記憶される表示幅に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「面積変更」のパラメータで示される割合を加算して、かつ記憶装置の表示データ領域の右画面用の領域に記憶される表示幅から、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「面積変更」のパラメータで示される割合を減算して、ステップD15に進む。
【0118】
ステップD20では、画面下にテロップを表示するための準備をして、表示データ生成処理を終了する。具体的には、記憶装置の表示データ領域の左画面用の領域に、記憶装置の一時記憶領域に記憶される広告表示形態が「表示時間延長」のパラメータを書き込んで、表示データ生成処理を終了する。表示データ生成処理を終了するときは、記憶装置の一時記憶領域に記憶される通常表示データを消去してから終了する。
【0119】
このように、情報表示装置20によって、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報が表示され、商品マスタ15および判定用閾値データ16によって、商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報が記憶され、表示データ判断部11によって、商品マスタ15に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、判定用閾値データ16に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、前記販売促進広告情報を情報表示装置20に表示させる広告開始時刻が決定される。
【0120】
そして、表示データ判断部11によって、現在の時刻が前記決定された広告開始時刻に達しているか否かが判定され、表示データ判断部11および表示データ送信部12によって、表示データ判断部11によって現在の時刻が前記決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報が情報表示装置20に表示される。
【0121】
したがって、在庫数、たとえばPOSシステムから提供される在庫数に基づいて、商品、たとえば食品の値下げなどの販売制限を開始する前のより適切なタイミングで、商品の販売を促進するための広告を表示することができる。すなわち、廃棄処分の対象となり得る商品について、廃棄処分前のより適切なタイミングで重点的に広告表示することによって、廃棄処分の対象となり得る商品を、利益率の高い段階で販売することが可能となる。POSシステムと連動することによって、売上推移を考慮して、商品の販売を促進するための広告を表示するタイミングを決定することができ、人的な判断による場合よりも、より細かくかつ適切なタイミングでの広告が可能となり、販売利益を向上することができる。
【0122】
さらに、商品マスタ15および判定用閾値データ16によって、商品の販売を停止する販売停止時刻、たとえば廃棄時刻を表す廃棄時刻情報、廃棄時刻よりもどれくらい前の時間から前記販売促進広告情報を表示する予定であるかを示す広告表示開始時間を表す広告表示開始時間情報、粗利、および前記販売促進広告情報を表示するか否かを決める基準となる予め定める基準在庫数を表す基準在庫数情報が記憶される。
【0123】
そして、表示データ判断部11によって、商品マスタ15に記憶される在庫数情報が示す在庫数から判定用閾値データ16に記憶される基準在庫数情報が示す基準在庫数を減算した超過在庫数と、商品マスタ15に記憶される粗利と、商品マスタ15に記憶される廃棄時刻情報が示す廃棄時刻から判定用閾値データ16に記憶される広告表示開始時間情報が示す広告表示開始時間を減算した時刻を表示開始予定時刻として、これらに基づいて、前記広告開始時刻が決定される。したがって、売れ残っている商品の数、1個の商品から得ることができる利益、および廃棄処分を開始するまでの時間を考慮して、広告開始時刻を決定することができる。
【0124】
さらに、表示データ判断部11によって、商品マスタ15に記憶される在庫数情報が示す在庫数が、判定用閾値データ16に記憶される基準在庫数情報が示す基準在庫数よりも多いときに、前記広告開始時刻が決定されるので、廃棄処分になり得る商品の在庫数が多い場合に商品の販売を促進するための広告を表示することができる。
【0125】
さらに、商品マスタ15によって、記憶する廃棄時刻情報が示す廃棄時刻よりも早い時刻であって、販売価格の値下げを開始する見切り時刻を表す見切り時刻情報がさらに記憶され、表示データ判断部11によって、前記広告開始時刻が、商品マスタ15に記憶される見切り時刻情報が示す見切り時刻よりも早い時刻で決定されるので、値下げの対象となり得る商品について、より適切なタイミングで販売を促進するための広告を表示することができる。
【0126】
さらに、商品マスタ15および判定用閾値データ16によって、商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報が記憶され、表示データ判断部11によって、商品マスタ15に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を、判定用閾値データ16に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、情報を表示する情報表示装置20に表示させる広告開始時刻が決定される。
【0127】
そして、表示データ判断部11によって、現在の時刻が前記決定された広告開始時刻に達しているか否かが判定され、表示データ判断部11および表示データ送信部12によって、表示データ判断部11によって現在の時刻が前記決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報が情報表示装置20に表示される。
【0128】
したがって、情報を表示することができる表示装置、たとえば液晶ディスプレイを用いて、食品の廃棄処分を開始する前のより適切なタイミングで商品の販売を促進するための広告を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施の一形態である表示システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】表示システム1に含まれる店舗サーバ10および情報表示装置20の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】表示形態の例を示す図である。
【図4】表示データ判断部11および表示データ送信部12が実行する第1の表示制御処理を示すフローチャートである。
【図5】表示データ判断部11および表示データ送信部12が実行する第2の表示制御処理を示すフローチャートである。
【図6】表示データ制御部21が実行する広告表示処理を示すフローチャートである。
【図7】表示データ制御部21が実行する表示データ生成処理を示すフローチャートである。
【図8】従来の技術による広告表示装置9の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0130】
1 表示システム
10 店舗サーバ
11 表示データ判断部
12 表示データ送信部
13 時刻発生部
14 売上データ
15 商品マスタ
16 判定用閾値データ
17 通常表示データ
18 情報表示装置移置データ
19 優先表示データ
20 情報表示装置
21 表示データ制御部
22 情報表示部分
23 情報表示装置通常表示データ
24 情報表示装置優先表示データ
30 POS端末
31 ハブ
32 アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を表示するための表示部と、
商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、前記販売促進広告情報を前記表示部に表示させる広告開始時刻を決定する決定部と、
現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報を前記表示部に表示させる制御部とを含むことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記記憶部は、商品の販売を停止する販売停止時刻を表す販売停止時刻情報、販売停止時刻よりもどれくらい前の時間から前記販売促進広告情報を表示する予定であるかを示す広告表示開始時間を表す広告表示開始時間情報、1個の商品を販売したことによる利益を計算するための金額を表す金額情報、および前記販売促進広告情報を表示するか否かを決める基準となる予め定める基準在庫数を表す基準在庫数情報を記憶し、
前記決定部は、前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数から前記記憶部に記憶される基準在庫数情報が示す基準在庫数を減算した超過在庫数と、前記金額情報と、前記記憶部に記憶される販売停止時刻情報が示す販売停止時刻から前記記憶部に記憶される広告表示開始時間情報が示す広告表示開始時間を減算した時刻を表示開始予定時刻として、これらに基づいて、前記広告開始時刻を決定することを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数が、前記記憶部に記憶される基準在庫数情報が示す基準在庫数よりも多いときに、前記広告開始時刻を決定することを特徴とする請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記記憶部は、記憶する販売停止時刻情報が示す販売停止時刻よりも早い時刻であって、販売価格の値下げを開始する見切り時刻を表す見切り時刻情報をさらに記憶し、
前記決定部は、前記広告開始時刻を、前記記憶部に記憶される見切り時刻情報が示す見切り時刻よりも早い時刻で決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項5】
商品の在庫数を表す在庫数情報、および商品の販売促進広告情報の表示開始予定時刻を表す表示開始予定時刻情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される在庫数情報が示す在庫数に基づいて、商品の販売を促進するための販売促進広告を表す販売促進広告情報を、前記記憶部に記憶される表示開始予定時刻情報が示す表示開始予定時刻を用いて、情報を表示する表示装置に表示させる広告開始時刻を決定する決定部と、
現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって現在の時刻が前記決定部によって決定された広告開始時刻に達していると判定された場合、前記販売促進広告情報を前記表示装置に表示させる制御部とを含むことを特徴とする表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−97439(P2010−97439A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267985(P2008−267985)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(592032522)シャープシステムプロダクト株式会社 (23)
【Fターム(参考)】