表示タグ付き結束具及び結束具
【課題】結束方法を工夫して、容易に結束帯部の両端側を連結した状態を維持できるようにするとともに、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できるようにする。
【解決手段】所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、表示札11及び当該表示札11の一辺から延在した結束帯13とを有する本体10と、U字型形状を有して、本体10に取り付けられる留具20とを備え、本体10の結束帯13は、両端側が互いに重合するよう被結束物品の外周に巻き回されて、留具20は、重ね合わされた結束帯13の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持するものである。
【解決手段】所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、表示札11及び当該表示札11の一辺から延在した結束帯13とを有する本体10と、U字型形状を有して、本体10に取り付けられる留具20とを備え、本体10の結束帯13は、両端側が互いに重合するよう被結束物品の外周に巻き回されて、留具20は、重ね合わされた結束帯13の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品や日用雑貨等の梱包に適用可能な表示タグ付き結束具及び結束具に関する。詳しくは、食品や日用雑貨を入れた袋等の被結束物品の外周に巻き回されて、結束帯部の重ね合わせられた両端側を把持する、U字型の留具部材を備え、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるようにするとともに、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、日用雑貨等を梱包した袋が閉じられる結束位置に、袋の内容物に係る情報が記載された表示タグを取り付ける場合が多くある。このような場合には、表示タグ付き結束具により、袋が閉じられていることが多い。これらの表示タグには、紙製、プラスチック製等の柔軟性を有する部材が使用されることが多く、結束具には、金属製、繊維製、紙製、又はプラスチック製の紐部材が使用されることが多い。
【0003】
これに関連して、特許文献1示すような硬貨収納袋等に取り付けられる内容物表示札が開示されている。この内容物表示札によれば、情報を記載されるシート片の一端部を折り返された重合部に紐挿通孔を設け、紐挿通孔の引裂き抵抗を大きくするとともに、使用寿命を長くするというものである。
【0004】
また、特許文献2示すような札も開示されている。この札によれば、上下同形状の頭合わせに形成された任意形状の札体を備え、裏面全体に接着剤を塗布して頭合部の裏に環紐の両端を突合わせにして介入し、同部において札体を二つ折りとして表裏部を一枚に重合させるようにすることにより、札体を非常に丈夫にできるというものである。
【0005】
一方、表示タグを、プラスチック製の結束具に取り付ける方法も使用されている。このような表示タグ付き結束具によれば、金属製の部材が使用されないので、出荷直前の金属混入検査が可能になり、食品の梱包に応用する場合に安全性を向上できる。
【0006】
例えば、食パンの梱包等に使われるような、弾力性を有するプラスチック製の結束具に、プラスチック製の表示タグを取り付ける方法もある。しかし、このような表示タグ付き結束具を製造する場合においても、弾力性を有する結束具と、柔軟性を有する表示タグは異素材であることが多く、別工程で製造され、圧着又は接着により連結されていることが多い。
【0007】
またこれに関連して、特許文献3に示すような袋を閉鎖するための閉じ具が開示されている。この閉じ具によれば、ストラップを永久接続部において接続してループ状に閉鎖し、袋を閉じることができる閉じ具において、永久接続部において接続された後で、ストラップの内側部と外側部とを分離させてループを開放できるようにするとともに、外側部に形成された開口に内側部を挿入して、解除可能に接続できるようにしたものである。これにより、開口後に、再び閉じることが容易になるというものである。
【0008】
【特許文献1】実開昭59−144681号公報(第1及び3頁、図1)
【特許文献2】実開昭57−170165号公報(第1及び2頁、図1)
【特許文献3】特開2002−240836号公報(第3及び5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来例に係る内容物表示札(特許文献1)及び札(特許文献2)によれば、表示タグと紐部材を連結する工程が必要になるとともに、紐部材の両端部をねじる、結ぶ、ステープラ等で留める等して結束させる工程が必要になる。
【0010】
また、従来例に係る閉じ具(特許文献3)によれば、永久接続部を、永久的な接着剤接合及び/又は溶着接合するものであり、接着剤接合による場合は、食品の梱包に応用する場合に衛生上好ましくない他、溶着接合による場合は、熱に弱い製品を変形、変質させるおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、上述の問題に鑑み創作されたものであり、容易に結束帯部又は結束帯部材の両端側の重合状態を維持できるようにするとともに、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できるようにした表示タグ付き結束具及び結束具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る表示タグ付き結束具は、所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、表示部及び当該表示部の一辺から延在する結束帯部とを有する本体部材と、U字型形状を有して、本体部材に取り付けられる留具部材とを備え、本体部材の結束帯部は、両端側が互いに重合するよう被結束物品の外周に巻き回され、留具部材は、重合している結束帯部の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持することを特徴とするものである。
【0013】
この発明に係る表示タグ付き結束具によれば、被結束物品の外周に巻き回されて互いに重ね合わせられた結束帯部の両端側を、U字型の留具部材が把持するものである。従って、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。
【0014】
この発明に係る結束具は、被結束物品を結束させる結束具において、長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有する結束帯部材と、U字型形状に構成され、U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有する留具部材とを備え、結束帯部材は、被結束物品の外周に巻き回されて、各々の孔部を互いに重ね合わせられ、留具部材は、重ね合わせられた孔部に突起部を嵌合させて、結束帯部材を把持することを特徴とするものである。
【0015】
この発明に係る結束具によれば、内壁面に突起部を有するU字型の留具部材が、当該突起部を結束帯部材の孔部と嵌合した状態で、結束帯部材の両端側を把持するものである。従って、結束帯部材の両端側の重合状態を確実に維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る表示タグ付き結束具によれば、被結束物品の外周に巻き回されて、結束帯部の互いに重ね合わせられた両端側を把持する、U字型の留具部材を備えるものである。この構成により、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、本体部材と留具部材との2つのパーツを準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで表示タグを取り付けられるので、食品の梱包に適用した場合に、衛生上の安全性を向上できる。
【0017】
この発明に係る結束具によれば、結束帯部材の重ね合わせられた両端側の孔部を把持する、U字型の内壁面に突起部を有した留具部材を備えるものである。この構成により、結束帯部材の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を確実に結束できる。また、結束帯部材と留具部材との2つのパーツを準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで取り付けられるので、食品の梱包等に適用した場合に安全性を向上できるのに加え、電線の結束等のように強い結束力が求められるものの結束に適用した場合でも、確実に結束を行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、この発明に係る表示タグ付き結束具及び結束具について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る第1の実施例としての表示タグ付き結束具100の構成例を示す斜視図である。図1に示す表示タグ付き結束具100は、所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品の一例を構成する袋200の開口部201を結束する。表示タグ付き結束具100は、本体10、留具20を備えて構成される。
【0020】
本体10は、本体部材の一例を構成し、表示札11、連結ネック12、結束帯13を有している。表示札11は、表示部の一例を構成し、所定の情報を表示する部位である。表示札11は、例えば、薄く柔軟性を有するプラスチック、紙等により、表面の中央部に印刷部11aを有する所定の形状に形成される。表示札11の一辺、図1における上方の辺には、この例では、連結ネック12の一方の端部が連結される。
【0021】
連結ネック12は、連結部の一例を構成し、所定の長さを有する部位である。連結ネック12は、この例では、表示札11と同素材により帯形状に構成され、表示札11と結束帯13とを分離させて、表示札11の可動領域を広げるとともに、表示札11に外力が作用してねじられる等して、結束帯13から切断されることを防ぐ。連結ネック12の他方の端部には、結束帯13の短手方向の側方部位が連結される。
【0022】
結束帯13は、結束帯部の一例を構成し、この例では、連結ネック12と同素材により帯形状に構成され、この例では連結ネック12と略T字型に連結される。結束帯13は、袋200の開口部201の外周に巻き回され、両端側を重ね合わせられる。また、この例では、結束帯13の長手方向の両端側の各々には、孔部の一例を構成するスリット13aが所定の大きさに開口されている(図2参照)。結束帯13の互いに重ね合わせられた両端側は、留具20により把持されて重合状態を維持する。
【0023】
留具20は、留具部材の一例を構成し、本体10に取り付けられるものである。留具20は、U字型形状を有して、U字型の内側の両壁面で結束帯13を把持する。またこの例では、留具20は、両方の内壁面に突起部21を有し、当該突起部21を、結束帯13の重ね合わせられたスリット13aに嵌合させる(図3参照)。以上のようにして、表示タグ付き結束具100が構成される。以下で、表示タグ付き結束具100の製造方法について説明をする。
【0024】
図2は、本体10の部材例を示す正面図である。図2に示す本体10を製造するには、まず、厚さ1〜2mm程度の、柔軟性を有するプラスチックのシート状素材又は紙を準備する。所定のシート状素材又は紙が準備できたら、以下のように本体10を切り出す。
【0025】
本体10を切り出す場合は、表示札11、連結ネック12及び結束帯13が連続された、1つの所定形状の部材を切り出すようにするとよい。ここで、所定形状とは、一例として四つの頂点に丸みを帯びた四角形の上方側面の中央部に、T字型の帯状の部位が連結された展開形状を指す。
【0026】
所定形状の部材を切り出したら、T字型上部の帯状の部位(結束帯13)の長手方向の両端側に、例えばカッターでスリット13aを開口する。スリット13aは、この例では、結束帯13の長手方向と長辺を平行になされた、長方形のスリット状に開口される。
【0027】
以上のように本体10が形成できたら、四角形の部位(表示札11)の印刷部11aに所定の情報を記載する。情報を記載するには、直接印刷や印字、打刻等をしてもよいし、予め用意しておいた所定の情報が印刷されたシール等を貼ってもよい。このようにして、本体10を製造することができる。次に留具20の製造方法について説明をする。
【0028】
図3A及びBは、留具20の部材例を示す斜視図及びX1−Y1平面で切断した断面図である。図3A及びBに示す留具20を製造するには、まず、縦方向の長さl1、横方向の長さl3、厚み方向の長さl2の長方形の凹部の側面方向から、開口部24及び25、凹部26を象った、柱状の突出部が突出形成された、所定形状の金型を準備する。また、ここで開口部24、開口部25、凹部26は、互いに側面を接するようにして配置されるものとする。
【0029】
所定形状の金型を準備できたら、弾力性に富んだプラスチック樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を溶融状態で流し込んで固め、基本部材を形成する。この時の凹部26の厚み方向の長さは、図3Bに示す留具20の開口幅L2を決定するようになる。なお、この例においては、長さl2と開口幅L2とは、ほぼ等しい大きさになっている。固化した基本部材を金型から取り出したら、閉塞面27の両端を扇形に削り取り、凹部23を形成する。この時の閉塞面27の残った横幅は、図3Aに示すように、閉塞面の幅L1となる。また、横方向の長さl3は、開口面の幅L3となる。
【0030】
またこの時、2つの内壁面から突出する突起部21は、互いの端部が可能な限り近くなるように形成する方が好ましい。一方突起部22は、互いの端部が多少離れているように形成してもよい。その場合は、金型を準備する段階で、開口部25と凹部26を象った突出部の側部を互いに連結させて突出形成するようにする。また、突起部22を突出させないで留具20を形成することもできる。以上のようにして、留具20を製造することができる。
【0031】
なお、この例では、初めに直方体の基本部材を形成してから、凹部23を切削形成するようにしたが、それに限られることはなく、開口部24、開口部25、凹部26を象ったスライド可能な金型と、側面から型締めできるコアとなる金型を使用して、一発形成するようにしてもよい。次に、表示タグ付き結束具100の袋200への取付工程に使用される取付工具について簡単に説明をする。
【0032】
図4A及びBは、取付工具の構成例を示す上面図及び側面図である。この例で使用される取付工具は、巻き付けアーム81及び82、開口ポール91〜94、取り付けアーム95により構成される。
【0033】
図4Aに示す巻き付けアーム81及び82は、結束帯13を開口部201に巻き回して巻き付けるものであり、駆動棒81a及び82aに連結されて、本体10の、図4における左右方向に配置されて矢線A1方向に移動可能に設けられる。
【0034】
巻き付けアーム81及び82は、結束帯13を巻き付けた時の径に合わせた半径rの仮想円S(図5A参照)に沿うように形成されたU字型の湾曲面を有し、当該湾曲面を互いに向き合わせるように配置される。また、互いの仮想円Sの中心は、Δdずれるように配置されている(図5A参照)。更に、図4Bに示すように、巻き付けアーム81及び82は、結束帯13とほぼ同等の高さ方向の幅を有しており、結束帯13の高さに合わせて配置される。
【0035】
巻き付けアーム81及び82の上部には、開口ポール91〜94が配置される。開口ポール91〜94は、留具20を開口させるものであり、本体10の左右方向から突出するように配置され、位置を固定される。
【0036】
開口ポール91〜94は、開口ポール91と93との距離であり、開口ポール92と94との距離である距離L4が、留具20の開口面の幅L3よりも小さく、閉塞面の幅L1よりも大きくなるように、更に、開口ポール91と92とのピッチであり、開口ポール93と94とのピッチであるピッチL5が留具20の開口幅L2よりも小さくなるようにして、スリット13aの上部に配置される。
【0037】
開口ポール91〜94の上部には、図4Bに示すように取り付けアーム95が配置される。取り付けアーム95は、留具20を把持して移動させるものであり、駆動棒95aに連結されて矢線A2方向に移動可能に設けられる。取り付けアーム95は、留具20の閉塞面の幅L1よりも小さい幅を有し、留具20の図4Bにおける上端部を把持する。以上のような取付工具が使用される。以下で取付工程について説明をする。
【0038】
また、この例の取付工程は、本体10を開口部201に巻き付ける巻付工程と、巻き付けられた本体10を留具20により嵌合する嵌合工程とに分類される。従って、以下、2つの工程に分けて説明をする。
【0039】
[巻付工程]
図5A〜Cは、本体10の取付例(その1)を示す上面図である。図5Aに示す本体10は、開口部201の結束したい位置に結束帯13の高さを合わせて、袋200の側方に配置されている。またここでは、図の煩雑化を回避するため、袋200は開口部201の外輪線のみを破線で図示し、開口ポール91〜94及び取り付けアーム95は省略する。
【0040】
図5Aに示す開口部201及び本体10は、図示しない固定具によって固定されている。開口部201は、結束部をある程度収束された状態で固定されており、本体10は、表示札11等、結束帯13以外の部位を把持され、結束帯13の両端側は開放された状態で固定されている。
【0041】
本体10の結束帯13を開口部201に巻き付ける場合、巻き付けアーム81及び82が、駆動棒81a及び82aにより、図5Bに示すように矢線A3及びA3’の方向に移動される。巻き付けアーム81及び82の移動に伴い、本体10の結束帯13は湾曲され、開口部201に徐々に巻き回されて巻き付けられる。
【0042】
図5Cに示すように、巻き付けアーム81及び82が、矢線A3及びA3’の方向に更に移動されると、結束帯13は更に開口部201に巻き付けられ、両端側のスリット13aが重ね合わせられる。このようにして、本体10の結束帯13が、開口部201に巻き付けられる。
【0043】
図6は、本体10の取付例(その2)を示す側面図である。図6に示すスリット13aの上部には、取り付けアーム95に把持された留具20が配置されている。
【0044】
[嵌合工程]
図7A〜Cは、留具20の取付例(その1)を示す断面図である。なお、図7Aは、図6のY2−Y2矢視断面図を構成する。図7Aに示す開口ポール91及び92のピッチL5は、留具20の開口幅L2よりも多少小さく、開口部24及び25の幅よりも多少大きくなるように設定されている。
【0045】
留具20を結束帯13に嵌合させる場合、駆動棒95aにより、取付アーム95が矢線A4の方向に下降移動される。留具20は、取付アーム95の下降に伴い、開口ポール91〜94によって、図7Bに示すように開口面を開口される。更に下降すると、留具20の凹部23により、開口ポール91〜94が留具20から抜けて外れる。弾性を有する留具20は、これにより閉口し、図7Cに示すように突起部21をスリット13aに嵌合させる。このようにして本体10が、留具20により連結される。
【0046】
図8A及びBは、留具20の取付例(その2)を示す上面図及び側面図である。図8A及びBに示す留具20は、結束帯13の両端部を把持して連結させ、袋200の開口部201を結束している。
【0047】
このように、第1の実施例に係る表示タグ付き結束具100によれば、被結束物品の外周に巻き回されて重ね合わせられた結束帯13の両端側を、U字型の留具20が把持するものである。従って、結束帯13の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、2つのパーツ、本体10及び留具20を準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで表示タグを取り付けられるので、食品の梱包に応用した場合に、衛生上の安全性を向上できる。
【0048】
また、突起部21をスリット13aに嵌合させることにより、結束帯13の両端側を強固に連結できる。
【0049】
更に、本体10及び留具20を金属以外の素材で形成することにより、出荷直前の金属混入検査が可能になり、食品や玩具、衣類等の梱包に応用する場合に安全性を向上できる。
【実施例2】
【0050】
図9は、本発明に係る第2の実施例としての留具40の構成例を示す斜視図及びX3−Y3平面で切断した断面図である。図9に示す留具40は、留具部材の一例を構成し、第1の実施例の本体10に取り付けられるものである。
【0051】
留具40は、例えば弾力性に富んだプラスチック樹脂により、U字型形状を有して、U字型の一方の内壁面に突起部41を有するように構成される。留具40は、突起部41を結束帯13の重ね合わせられたスリット13aに嵌合させ、結束帯13の両端側を連結する。
【0052】
留具40を製造するには、まず、長方形の凹部の底面から、開口部44、開口部45及び凹部46を象った、柱状の突出部が突出形成された、所定形状の金型を準備する。所定形状の金型を準備できたら、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を流し込んで固め、基本部材を形成する。金型から固化した基本部材を取り出したら、閉塞面47の両端を扇形に削り取り、凹部43を形成する。
【0053】
留具40を結束帯13に嵌合させる場合は、第1の実施例の図4に示した取付工具を使用して、図5〜図8に係る記載と同様の手順で取り付けるようにするとよい。
【0054】
このように、第2の実施例に係る留具40によれば、留具20に比べて更に簡略化された形状になされる。従って、容易に設計、製造することができる。
【実施例3】
【0055】
図10は、本発明に係る第3の実施例としての結束具300の構成例を示す斜視図である。図10に示す結束具300は、第1の実施例と同様の袋200の開口部201や、電線等の被結束物品を結束させるものである。結束具300は、結束帯33と留具30とを備えて構成される。
【0056】
図11A及びBは、結束帯33及び留具30の構成例を示す斜視図である。図11Aに示す結束帯33は、結束帯部材の一例を構成し、長手方向の両端側に、孔部の一例を構成するスリット33aを有している。スリット33aは、所定の大きさを有するように、この例では長方形のスリット状に開口される。結束帯33は、被結束物品の外周に巻き回されて、両端側のスリット33aを重ね合わせられる。また結束帯33は、第1の実施例の結束帯13と同様に、薄く柔軟性を有するプラスチック、紙等により構成される。
【0057】
図11Bに示す留具30は、留具部材の一例を構成し、U字型形状に構成され、U字型の両方の内壁面に突起部31を有するものである。留具30は、突起部31を、重ね合わせられたスリット33aに嵌合させて、結束帯33を把持する。留具30は、第1の実施例の留具20と同様に、弾力性に富んだプラスチック樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等により構成される。以上のように、結束帯33と留具30が構成される。以下で、被結束物品への結束具300の取付方法について簡単に説明をする。
【0058】
図12A〜Cは、結束具300の取付例を示す斜視図である。図12Aに示す結束帯33は、被結束物品の外周に巻き回され、図12Bに示すように両端側のスリット33aを重ね合わせられる。重ね合わせられたスリット33aは、留具30により図12Cに示すように把持されて重合状態が維持されて連結される。このようにして、結束具300を取り付けることができる。また、この取付工程は、図4に示した取付工具を使用して、図5〜8に係る記載と同様の手順で行うことができる。
【0059】
このように、第3の実施例に係る結束具300によれば、内壁面に突起部31を有するU字型の留具30が、当該突起部31を結束帯33のスリット33aと嵌合させて、結束帯33の両端側を把持するものである。従って、結束帯33の両端側の連結状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、2つのパーツ、結束帯33及び留具30を準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで取り付けられるので、食品の梱包等に適用した場合に安全性を向上できるのに加え、電線の結束に適用した場合でも確実に結束を行なえる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
この発明は、菓子のパッケージング、ギフトラッピング、植物のタグ付け、衣類のタグ付け等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施例としての表示タグ付き結束具100の構成例を示す斜視図である。
【図2】本体10の部材例を示す正面図である。
【図3】(A)及び(B)は、留具20の部材例を示す斜視図及びX1−Y1平面で切断した断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、取付工具の構成例を示す上面図及び側面図である。
【図5】(A)〜(C)は、本体10の取付例(その1)を示す上面図である。
【図6】本体10の取付例(その2)を示す側面図である。
【図7】(A)〜(C)は、留具20の取付例(その1)を示す断面図である。
【図8】(A)及び(B)は、留具20の取付例(その2)を示す上面図及び側面図である。
【図9】第2の実施例としての留具40の構成例を示す斜視図及びX2−Y2平面で切断した断面図である。
【図10】第3の実施例としての結束具300の構成例を示す斜視図である。
【図11】(A)及び(B)は、結束帯33及び留具30の構成例を示す斜視図である。
【図12】(A)〜(C)は、結束具300の取付例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・本体、11・・・表示札、12・・・連結ネック、13,33・・・結束帯、13a,33a・・・スリット、20,30,40・・・留具、21,31・・・突起部、100・・・表示タグ付き結束具、200・・・袋、300・・・結束具
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品や日用雑貨等の梱包に適用可能な表示タグ付き結束具及び結束具に関する。詳しくは、食品や日用雑貨を入れた袋等の被結束物品の外周に巻き回されて、結束帯部の重ね合わせられた両端側を把持する、U字型の留具部材を備え、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるようにするとともに、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、日用雑貨等を梱包した袋が閉じられる結束位置に、袋の内容物に係る情報が記載された表示タグを取り付ける場合が多くある。このような場合には、表示タグ付き結束具により、袋が閉じられていることが多い。これらの表示タグには、紙製、プラスチック製等の柔軟性を有する部材が使用されることが多く、結束具には、金属製、繊維製、紙製、又はプラスチック製の紐部材が使用されることが多い。
【0003】
これに関連して、特許文献1示すような硬貨収納袋等に取り付けられる内容物表示札が開示されている。この内容物表示札によれば、情報を記載されるシート片の一端部を折り返された重合部に紐挿通孔を設け、紐挿通孔の引裂き抵抗を大きくするとともに、使用寿命を長くするというものである。
【0004】
また、特許文献2示すような札も開示されている。この札によれば、上下同形状の頭合わせに形成された任意形状の札体を備え、裏面全体に接着剤を塗布して頭合部の裏に環紐の両端を突合わせにして介入し、同部において札体を二つ折りとして表裏部を一枚に重合させるようにすることにより、札体を非常に丈夫にできるというものである。
【0005】
一方、表示タグを、プラスチック製の結束具に取り付ける方法も使用されている。このような表示タグ付き結束具によれば、金属製の部材が使用されないので、出荷直前の金属混入検査が可能になり、食品の梱包に応用する場合に安全性を向上できる。
【0006】
例えば、食パンの梱包等に使われるような、弾力性を有するプラスチック製の結束具に、プラスチック製の表示タグを取り付ける方法もある。しかし、このような表示タグ付き結束具を製造する場合においても、弾力性を有する結束具と、柔軟性を有する表示タグは異素材であることが多く、別工程で製造され、圧着又は接着により連結されていることが多い。
【0007】
またこれに関連して、特許文献3に示すような袋を閉鎖するための閉じ具が開示されている。この閉じ具によれば、ストラップを永久接続部において接続してループ状に閉鎖し、袋を閉じることができる閉じ具において、永久接続部において接続された後で、ストラップの内側部と外側部とを分離させてループを開放できるようにするとともに、外側部に形成された開口に内側部を挿入して、解除可能に接続できるようにしたものである。これにより、開口後に、再び閉じることが容易になるというものである。
【0008】
【特許文献1】実開昭59−144681号公報(第1及び3頁、図1)
【特許文献2】実開昭57−170165号公報(第1及び2頁、図1)
【特許文献3】特開2002−240836号公報(第3及び5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来例に係る内容物表示札(特許文献1)及び札(特許文献2)によれば、表示タグと紐部材を連結する工程が必要になるとともに、紐部材の両端部をねじる、結ぶ、ステープラ等で留める等して結束させる工程が必要になる。
【0010】
また、従来例に係る閉じ具(特許文献3)によれば、永久接続部を、永久的な接着剤接合及び/又は溶着接合するものであり、接着剤接合による場合は、食品の梱包に応用する場合に衛生上好ましくない他、溶着接合による場合は、熱に弱い製品を変形、変質させるおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、上述の問題に鑑み創作されたものであり、容易に結束帯部又は結束帯部材の両端側の重合状態を維持できるようにするとともに、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できるようにした表示タグ付き結束具及び結束具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る表示タグ付き結束具は、所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、表示部及び当該表示部の一辺から延在する結束帯部とを有する本体部材と、U字型形状を有して、本体部材に取り付けられる留具部材とを備え、本体部材の結束帯部は、両端側が互いに重合するよう被結束物品の外周に巻き回され、留具部材は、重合している結束帯部の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持することを特徴とするものである。
【0013】
この発明に係る表示タグ付き結束具によれば、被結束物品の外周に巻き回されて互いに重ね合わせられた結束帯部の両端側を、U字型の留具部材が把持するものである。従って、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。
【0014】
この発明に係る結束具は、被結束物品を結束させる結束具において、長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有する結束帯部材と、U字型形状に構成され、U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有する留具部材とを備え、結束帯部材は、被結束物品の外周に巻き回されて、各々の孔部を互いに重ね合わせられ、留具部材は、重ね合わせられた孔部に突起部を嵌合させて、結束帯部材を把持することを特徴とするものである。
【0015】
この発明に係る結束具によれば、内壁面に突起部を有するU字型の留具部材が、当該突起部を結束帯部材の孔部と嵌合した状態で、結束帯部材の両端側を把持するものである。従って、結束帯部材の両端側の重合状態を確実に維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る表示タグ付き結束具によれば、被結束物品の外周に巻き回されて、結束帯部の互いに重ね合わせられた両端側を把持する、U字型の留具部材を備えるものである。この構成により、結束帯部の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、本体部材と留具部材との2つのパーツを準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで表示タグを取り付けられるので、食品の梱包に適用した場合に、衛生上の安全性を向上できる。
【0017】
この発明に係る結束具によれば、結束帯部材の重ね合わせられた両端側の孔部を把持する、U字型の内壁面に突起部を有した留具部材を備えるものである。この構成により、結束帯部材の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を確実に結束できる。また、結束帯部材と留具部材との2つのパーツを準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで取り付けられるので、食品の梱包等に適用した場合に安全性を向上できるのに加え、電線の結束等のように強い結束力が求められるものの結束に適用した場合でも、確実に結束を行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、この発明に係る表示タグ付き結束具及び結束具について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る第1の実施例としての表示タグ付き結束具100の構成例を示す斜視図である。図1に示す表示タグ付き結束具100は、所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品の一例を構成する袋200の開口部201を結束する。表示タグ付き結束具100は、本体10、留具20を備えて構成される。
【0020】
本体10は、本体部材の一例を構成し、表示札11、連結ネック12、結束帯13を有している。表示札11は、表示部の一例を構成し、所定の情報を表示する部位である。表示札11は、例えば、薄く柔軟性を有するプラスチック、紙等により、表面の中央部に印刷部11aを有する所定の形状に形成される。表示札11の一辺、図1における上方の辺には、この例では、連結ネック12の一方の端部が連結される。
【0021】
連結ネック12は、連結部の一例を構成し、所定の長さを有する部位である。連結ネック12は、この例では、表示札11と同素材により帯形状に構成され、表示札11と結束帯13とを分離させて、表示札11の可動領域を広げるとともに、表示札11に外力が作用してねじられる等して、結束帯13から切断されることを防ぐ。連結ネック12の他方の端部には、結束帯13の短手方向の側方部位が連結される。
【0022】
結束帯13は、結束帯部の一例を構成し、この例では、連結ネック12と同素材により帯形状に構成され、この例では連結ネック12と略T字型に連結される。結束帯13は、袋200の開口部201の外周に巻き回され、両端側を重ね合わせられる。また、この例では、結束帯13の長手方向の両端側の各々には、孔部の一例を構成するスリット13aが所定の大きさに開口されている(図2参照)。結束帯13の互いに重ね合わせられた両端側は、留具20により把持されて重合状態を維持する。
【0023】
留具20は、留具部材の一例を構成し、本体10に取り付けられるものである。留具20は、U字型形状を有して、U字型の内側の両壁面で結束帯13を把持する。またこの例では、留具20は、両方の内壁面に突起部21を有し、当該突起部21を、結束帯13の重ね合わせられたスリット13aに嵌合させる(図3参照)。以上のようにして、表示タグ付き結束具100が構成される。以下で、表示タグ付き結束具100の製造方法について説明をする。
【0024】
図2は、本体10の部材例を示す正面図である。図2に示す本体10を製造するには、まず、厚さ1〜2mm程度の、柔軟性を有するプラスチックのシート状素材又は紙を準備する。所定のシート状素材又は紙が準備できたら、以下のように本体10を切り出す。
【0025】
本体10を切り出す場合は、表示札11、連結ネック12及び結束帯13が連続された、1つの所定形状の部材を切り出すようにするとよい。ここで、所定形状とは、一例として四つの頂点に丸みを帯びた四角形の上方側面の中央部に、T字型の帯状の部位が連結された展開形状を指す。
【0026】
所定形状の部材を切り出したら、T字型上部の帯状の部位(結束帯13)の長手方向の両端側に、例えばカッターでスリット13aを開口する。スリット13aは、この例では、結束帯13の長手方向と長辺を平行になされた、長方形のスリット状に開口される。
【0027】
以上のように本体10が形成できたら、四角形の部位(表示札11)の印刷部11aに所定の情報を記載する。情報を記載するには、直接印刷や印字、打刻等をしてもよいし、予め用意しておいた所定の情報が印刷されたシール等を貼ってもよい。このようにして、本体10を製造することができる。次に留具20の製造方法について説明をする。
【0028】
図3A及びBは、留具20の部材例を示す斜視図及びX1−Y1平面で切断した断面図である。図3A及びBに示す留具20を製造するには、まず、縦方向の長さl1、横方向の長さl3、厚み方向の長さl2の長方形の凹部の側面方向から、開口部24及び25、凹部26を象った、柱状の突出部が突出形成された、所定形状の金型を準備する。また、ここで開口部24、開口部25、凹部26は、互いに側面を接するようにして配置されるものとする。
【0029】
所定形状の金型を準備できたら、弾力性に富んだプラスチック樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を溶融状態で流し込んで固め、基本部材を形成する。この時の凹部26の厚み方向の長さは、図3Bに示す留具20の開口幅L2を決定するようになる。なお、この例においては、長さl2と開口幅L2とは、ほぼ等しい大きさになっている。固化した基本部材を金型から取り出したら、閉塞面27の両端を扇形に削り取り、凹部23を形成する。この時の閉塞面27の残った横幅は、図3Aに示すように、閉塞面の幅L1となる。また、横方向の長さl3は、開口面の幅L3となる。
【0030】
またこの時、2つの内壁面から突出する突起部21は、互いの端部が可能な限り近くなるように形成する方が好ましい。一方突起部22は、互いの端部が多少離れているように形成してもよい。その場合は、金型を準備する段階で、開口部25と凹部26を象った突出部の側部を互いに連結させて突出形成するようにする。また、突起部22を突出させないで留具20を形成することもできる。以上のようにして、留具20を製造することができる。
【0031】
なお、この例では、初めに直方体の基本部材を形成してから、凹部23を切削形成するようにしたが、それに限られることはなく、開口部24、開口部25、凹部26を象ったスライド可能な金型と、側面から型締めできるコアとなる金型を使用して、一発形成するようにしてもよい。次に、表示タグ付き結束具100の袋200への取付工程に使用される取付工具について簡単に説明をする。
【0032】
図4A及びBは、取付工具の構成例を示す上面図及び側面図である。この例で使用される取付工具は、巻き付けアーム81及び82、開口ポール91〜94、取り付けアーム95により構成される。
【0033】
図4Aに示す巻き付けアーム81及び82は、結束帯13を開口部201に巻き回して巻き付けるものであり、駆動棒81a及び82aに連結されて、本体10の、図4における左右方向に配置されて矢線A1方向に移動可能に設けられる。
【0034】
巻き付けアーム81及び82は、結束帯13を巻き付けた時の径に合わせた半径rの仮想円S(図5A参照)に沿うように形成されたU字型の湾曲面を有し、当該湾曲面を互いに向き合わせるように配置される。また、互いの仮想円Sの中心は、Δdずれるように配置されている(図5A参照)。更に、図4Bに示すように、巻き付けアーム81及び82は、結束帯13とほぼ同等の高さ方向の幅を有しており、結束帯13の高さに合わせて配置される。
【0035】
巻き付けアーム81及び82の上部には、開口ポール91〜94が配置される。開口ポール91〜94は、留具20を開口させるものであり、本体10の左右方向から突出するように配置され、位置を固定される。
【0036】
開口ポール91〜94は、開口ポール91と93との距離であり、開口ポール92と94との距離である距離L4が、留具20の開口面の幅L3よりも小さく、閉塞面の幅L1よりも大きくなるように、更に、開口ポール91と92とのピッチであり、開口ポール93と94とのピッチであるピッチL5が留具20の開口幅L2よりも小さくなるようにして、スリット13aの上部に配置される。
【0037】
開口ポール91〜94の上部には、図4Bに示すように取り付けアーム95が配置される。取り付けアーム95は、留具20を把持して移動させるものであり、駆動棒95aに連結されて矢線A2方向に移動可能に設けられる。取り付けアーム95は、留具20の閉塞面の幅L1よりも小さい幅を有し、留具20の図4Bにおける上端部を把持する。以上のような取付工具が使用される。以下で取付工程について説明をする。
【0038】
また、この例の取付工程は、本体10を開口部201に巻き付ける巻付工程と、巻き付けられた本体10を留具20により嵌合する嵌合工程とに分類される。従って、以下、2つの工程に分けて説明をする。
【0039】
[巻付工程]
図5A〜Cは、本体10の取付例(その1)を示す上面図である。図5Aに示す本体10は、開口部201の結束したい位置に結束帯13の高さを合わせて、袋200の側方に配置されている。またここでは、図の煩雑化を回避するため、袋200は開口部201の外輪線のみを破線で図示し、開口ポール91〜94及び取り付けアーム95は省略する。
【0040】
図5Aに示す開口部201及び本体10は、図示しない固定具によって固定されている。開口部201は、結束部をある程度収束された状態で固定されており、本体10は、表示札11等、結束帯13以外の部位を把持され、結束帯13の両端側は開放された状態で固定されている。
【0041】
本体10の結束帯13を開口部201に巻き付ける場合、巻き付けアーム81及び82が、駆動棒81a及び82aにより、図5Bに示すように矢線A3及びA3’の方向に移動される。巻き付けアーム81及び82の移動に伴い、本体10の結束帯13は湾曲され、開口部201に徐々に巻き回されて巻き付けられる。
【0042】
図5Cに示すように、巻き付けアーム81及び82が、矢線A3及びA3’の方向に更に移動されると、結束帯13は更に開口部201に巻き付けられ、両端側のスリット13aが重ね合わせられる。このようにして、本体10の結束帯13が、開口部201に巻き付けられる。
【0043】
図6は、本体10の取付例(その2)を示す側面図である。図6に示すスリット13aの上部には、取り付けアーム95に把持された留具20が配置されている。
【0044】
[嵌合工程]
図7A〜Cは、留具20の取付例(その1)を示す断面図である。なお、図7Aは、図6のY2−Y2矢視断面図を構成する。図7Aに示す開口ポール91及び92のピッチL5は、留具20の開口幅L2よりも多少小さく、開口部24及び25の幅よりも多少大きくなるように設定されている。
【0045】
留具20を結束帯13に嵌合させる場合、駆動棒95aにより、取付アーム95が矢線A4の方向に下降移動される。留具20は、取付アーム95の下降に伴い、開口ポール91〜94によって、図7Bに示すように開口面を開口される。更に下降すると、留具20の凹部23により、開口ポール91〜94が留具20から抜けて外れる。弾性を有する留具20は、これにより閉口し、図7Cに示すように突起部21をスリット13aに嵌合させる。このようにして本体10が、留具20により連結される。
【0046】
図8A及びBは、留具20の取付例(その2)を示す上面図及び側面図である。図8A及びBに示す留具20は、結束帯13の両端部を把持して連結させ、袋200の開口部201を結束している。
【0047】
このように、第1の実施例に係る表示タグ付き結束具100によれば、被結束物品の外周に巻き回されて重ね合わせられた結束帯13の両端側を、U字型の留具20が把持するものである。従って、結束帯13の両端側の重合状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、2つのパーツ、本体10及び留具20を準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで表示タグを取り付けられるので、食品の梱包に応用した場合に、衛生上の安全性を向上できる。
【0048】
また、突起部21をスリット13aに嵌合させることにより、結束帯13の両端側を強固に連結できる。
【0049】
更に、本体10及び留具20を金属以外の素材で形成することにより、出荷直前の金属混入検査が可能になり、食品や玩具、衣類等の梱包に応用する場合に安全性を向上できる。
【実施例2】
【0050】
図9は、本発明に係る第2の実施例としての留具40の構成例を示す斜視図及びX3−Y3平面で切断した断面図である。図9に示す留具40は、留具部材の一例を構成し、第1の実施例の本体10に取り付けられるものである。
【0051】
留具40は、例えば弾力性に富んだプラスチック樹脂により、U字型形状を有して、U字型の一方の内壁面に突起部41を有するように構成される。留具40は、突起部41を結束帯13の重ね合わせられたスリット13aに嵌合させ、結束帯13の両端側を連結する。
【0052】
留具40を製造するには、まず、長方形の凹部の底面から、開口部44、開口部45及び凹部46を象った、柱状の突出部が突出形成された、所定形状の金型を準備する。所定形状の金型を準備できたら、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を流し込んで固め、基本部材を形成する。金型から固化した基本部材を取り出したら、閉塞面47の両端を扇形に削り取り、凹部43を形成する。
【0053】
留具40を結束帯13に嵌合させる場合は、第1の実施例の図4に示した取付工具を使用して、図5〜図8に係る記載と同様の手順で取り付けるようにするとよい。
【0054】
このように、第2の実施例に係る留具40によれば、留具20に比べて更に簡略化された形状になされる。従って、容易に設計、製造することができる。
【実施例3】
【0055】
図10は、本発明に係る第3の実施例としての結束具300の構成例を示す斜視図である。図10に示す結束具300は、第1の実施例と同様の袋200の開口部201や、電線等の被結束物品を結束させるものである。結束具300は、結束帯33と留具30とを備えて構成される。
【0056】
図11A及びBは、結束帯33及び留具30の構成例を示す斜視図である。図11Aに示す結束帯33は、結束帯部材の一例を構成し、長手方向の両端側に、孔部の一例を構成するスリット33aを有している。スリット33aは、所定の大きさを有するように、この例では長方形のスリット状に開口される。結束帯33は、被結束物品の外周に巻き回されて、両端側のスリット33aを重ね合わせられる。また結束帯33は、第1の実施例の結束帯13と同様に、薄く柔軟性を有するプラスチック、紙等により構成される。
【0057】
図11Bに示す留具30は、留具部材の一例を構成し、U字型形状に構成され、U字型の両方の内壁面に突起部31を有するものである。留具30は、突起部31を、重ね合わせられたスリット33aに嵌合させて、結束帯33を把持する。留具30は、第1の実施例の留具20と同様に、弾力性に富んだプラスチック樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等により構成される。以上のように、結束帯33と留具30が構成される。以下で、被結束物品への結束具300の取付方法について簡単に説明をする。
【0058】
図12A〜Cは、結束具300の取付例を示す斜視図である。図12Aに示す結束帯33は、被結束物品の外周に巻き回され、図12Bに示すように両端側のスリット33aを重ね合わせられる。重ね合わせられたスリット33aは、留具30により図12Cに示すように把持されて重合状態が維持されて連結される。このようにして、結束具300を取り付けることができる。また、この取付工程は、図4に示した取付工具を使用して、図5〜8に係る記載と同様の手順で行うことができる。
【0059】
このように、第3の実施例に係る結束具300によれば、内壁面に突起部31を有するU字型の留具30が、当該突起部31を結束帯33のスリット33aと嵌合させて、結束帯33の両端側を把持するものである。従って、結束帯33の両端側の連結状態を維持できるので、溶着又は接着剤を使用しないで被結束物品を結束できる。また、2つのパーツ、結束帯33及び留具30を準備するだけで容易に被結束物品に装着できるので、梱包効率を向上できる。更に、溶着又は接着剤を使用しないで取り付けられるので、食品の梱包等に適用した場合に安全性を向上できるのに加え、電線の結束に適用した場合でも確実に結束を行なえる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
この発明は、菓子のパッケージング、ギフトラッピング、植物のタグ付け、衣類のタグ付け等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施例としての表示タグ付き結束具100の構成例を示す斜視図である。
【図2】本体10の部材例を示す正面図である。
【図3】(A)及び(B)は、留具20の部材例を示す斜視図及びX1−Y1平面で切断した断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、取付工具の構成例を示す上面図及び側面図である。
【図5】(A)〜(C)は、本体10の取付例(その1)を示す上面図である。
【図6】本体10の取付例(その2)を示す側面図である。
【図7】(A)〜(C)は、留具20の取付例(その1)を示す断面図である。
【図8】(A)及び(B)は、留具20の取付例(その2)を示す上面図及び側面図である。
【図9】第2の実施例としての留具40の構成例を示す斜視図及びX2−Y2平面で切断した断面図である。
【図10】第3の実施例としての結束具300の構成例を示す斜視図である。
【図11】(A)及び(B)は、結束帯33及び留具30の構成例を示す斜視図である。
【図12】(A)〜(C)は、結束具300の取付例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・本体、11・・・表示札、12・・・連結ネック、13,33・・・結束帯、13a,33a・・・スリット、20,30,40・・・留具、21,31・・・突起部、100・・・表示タグ付き結束具、200・・・袋、300・・・結束具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、
表示部及び当該表示部の一辺から延在する結束帯部とを有する本体部材と、
U字型形状を有して、前記本体部材に取り付けられる留具部材とを備え、
前記本体部材の前記結束帯部は、両端側が互いに重合するよう前記被結束物品の外周に巻き回され、
前記留具部材は、重合している前記結束帯部の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持することを特徴とする表示タグ付き結束具。
【請求項2】
前記本体部材は、
前記表示部と前記結束帯部との間に連結部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項3】
前記留具部材は、
U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項4】
前記結束帯部は、
長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有し、
前記被結束物品の外周に巻き回されて互いに重ね合わせられた各々の前記孔部を、前記留具部材の前記突起部に嵌合されることを特徴とする請求項3に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項5】
被結束物品を結束させる結束具において、
長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有する結束帯部材と、
U字型形状に構成され、U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有する留具部材とを備え、
前記結束帯部材は、前記被結束物品の外周に巻き回されて、各々の前記孔部を互いに重ね合わせられ、
前記留具部材は、重ね合わせられた前記孔部に前記突起部を嵌合させて、前記結束帯部材を把持することを特徴とする結束具。
【請求項1】
所定の情報を表示する部位を有して、被結束物品を結束する表示タグ付き結束具において、
表示部及び当該表示部の一辺から延在する結束帯部とを有する本体部材と、
U字型形状を有して、前記本体部材に取り付けられる留具部材とを備え、
前記本体部材の前記結束帯部は、両端側が互いに重合するよう前記被結束物品の外周に巻き回され、
前記留具部材は、重合している前記結束帯部の両端側を、U字型の内側の両壁面で把持することを特徴とする表示タグ付き結束具。
【請求項2】
前記本体部材は、
前記表示部と前記結束帯部との間に連結部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項3】
前記留具部材は、
U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項4】
前記結束帯部は、
長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有し、
前記被結束物品の外周に巻き回されて互いに重ね合わせられた各々の前記孔部を、前記留具部材の前記突起部に嵌合されることを特徴とする請求項3に記載の表示タグ付き結束具。
【請求項5】
被結束物品を結束させる結束具において、
長手方向の両端側の各々に所定の大きさの孔部を有する結束帯部材と、
U字型形状に構成され、U字型の内壁面の一方又は両方に突起部を有する留具部材とを備え、
前記結束帯部材は、前記被結束物品の外周に巻き回されて、各々の前記孔部を互いに重ね合わせられ、
前記留具部材は、重ね合わせられた前記孔部に前記突起部を嵌合させて、前記結束帯部材を把持することを特徴とする結束具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−150080(P2008−150080A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340351(P2006−340351)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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