説明

表示処理装置、及びプログラム

【課題】容易に、かつ円滑にアプリケーションプログラムを用いたデモンストレーションを含むプレゼンテーションを実施する。
【解決手段】プレゼンテーションの実施者の操作に応じてプレゼン主画面を表示するためのアプリケーションプログラムを起動し(ステップ152)、指定されたページのプレゼン主画面を表示デバイスに表示する(ステップ158)。デモンストレーションオブジェクトに含まれている開始時の実行状況を示す状況データに基づいてデモアプリをバックグラウンドで起動し(ステップ162)、デモンストレーションオブジェクトに含まれているページ上の実行状況表示画面の位置を示す位置データ、及び位置、及びサイズ等で定められるデモ画面上の実行状況表示領域を示すデータに基づいて、ページ上の実行状況表示画面に、デモ画面の実行状況表示領域を表示する(ステップ164)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションプログラムの研修において、プレゼンテーション文書をスクリーン上に表示して講義を行う場合に、プレゼンテーションの途中で、アプリケーションプログラムの開発環境における開発方法のデモンストレーションを表示させるとき等には、一旦プレゼンテーション文書の表示を終了させ、アプリケーションプログラムの開発環境を表示してデモンストレーションを行った後に、もとのプレゼンテーション文書を表示させて講義を継続することがある。このように、プレゼンテーション文書の表示と、デモンストレーションを行うアプリケーションプログラムの実行画面の表示とを切り替えてプレゼンテーションを行う場合等のように、複数の資料を用いてプレゼンテーションを行う場合には、画面の表示を切り替える必要があるため、プレゼンテーションの進行の流れが悪くなり、講師、及び受講者が共に思考が途切れがちである。
【0003】
これに対し、例えばOLEの技術は、文書作成用のアプリケーションプログラムで作成している文書の中に、文書作成用とは別のアプリケーションプログラムで作成した情報を埋め込んだり、別のアプリケーションプログラムの機能をあたかも自分の機能であるかのように提供することができる。このようなOLE等の技術を用いることで、プレゼンテーション文書の表示と、デモンストレーションを行うアプリケーションプログラムの実行画面の表示とを表示画面の切り替えることなく行うことが可能となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、表示画面内に複数のアプリケーションアイコンと、複合文書アイコンとを表示して、入力デバイスを介した操作者の操作に応じて、複合文書アイコン内のオブジェクトボタンがポインタによってクリックされることにより、オブジェクトボタンに対応するオブジェクトを編集するためのアプリケーションウィンドウを起動することにより、複合の文書を扱う場合の操作性等を向上させる技術が開示されている。
【0005】
しかし、OLEの技術を用いる場合は、文書がOLEに対応したサーバー機能を保持している必要があり、適用可能なアプリケーションプログラムが制限される。また、OLEの技術を用いるためには、アプリケーションプログラム毎に作り込みの作業が発生するため、各アプリケーションプログラムを作成するメーカーの各々が対応することは困難である。
【0006】
また、文書の同一のページ内に異なるアプリケーションプログラムの機能を埋め込む場合には、各アプリケーションプログラムの起動、及び終了等を行うため、アプリケーションプログラムの実行状況の表示等がアプリケーションプログラム間で統一をとることは困難であり、プレゼンテーションを円滑に実施できない場合がある。特に、複数のデモンストレーションを行う場合等では、デモンストレーションを行うための環境等をアプリケーションプログラム毎に準備しておく必要があるため、デモンストレーションの実施のタイミングに合わせてアプリケーションプログラムの実行が行えないときもあり、受講者の思考を途切れさせることがある。
【0007】
また、デモンストレーションの実施においては、予め決められた状況から開始する必要がある。OLEの技術においてはアプリケーションプログラムで作成した情報を埋め込むことは可能であるが、情報の内容が更新された場合は、アプリケーションプログラムで作成した情報までも更新されてしまうという欠点がある。
【0008】
さらに、アプリケーションプログラムの開発環境のデモンストレーションを実施する場合などは、プレゼンテーション用の資料、アプリケーションプログラムの開発環境の画面、及び開発環境の画面において実行されるアプリケーションプログラム等の複数のプロセスが同時に動作する場合があり、各々を1つの画面で対応付けて表現するための制御は困難である。
【特許文献1】特開2000−276274公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、文書の中に、文書作成用とは別のアプリケーションプログラムの機能を埋め込む場合と比較して、容易に、かつ円滑にアプリケーションプログラムを用いたデモンストレーションを含むプレゼンテーションを実施できる表示処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明の表示処理装置は、表示指示が入力されたときに、主画面を表す画面データ、前記主画面の表示と共に実行するプログラムを識別する識別データ、前記プログラムの処理の実行状況を示す実行状況表示画面であって当該実行状況表示画面上で行われた操作に応じた処理の実行状況を表示する実行状況表示画面を前記主画面上に表示するための当該実行状況表示画面の前記主画面上の位置を示す位置データ、及び前記実行状況表示画面の表示の開始時の前記プログラムの実行状況を示す状況データの各々を対応付けて記憶した記憶手段から、前記画面データ、前記識別データ、前記位置データ、及び前記状況データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記画面データに基づいて前記主画面を表示すると共に、前記取得手段によって取得された前記識別データに対応するプログラムを起動して前記取得手段によって取得された前記状況データに示される実行状況となるように処理して、当該実行状況が表示される前記実行状況表示画面を前記取得手段によって取得された前記位置データに対応する位置に表示するよう制御する表示制御手段と、前記実行状況表示画面上で操作が行われた場合に、前記表示手段によって起動された前記プログラムに前記操作に応じた処理を実行させる実行制御手段と、前記実行制御手段による前記プログラムの実行に応じて前記実行状況表示画面を変更する変更手段と、を含んで構成されている。
【0011】
請求項2の発明は請求項1に記載の表示処理装置において、前記表示手段は、前記プログラムの実行により表示可能な画面のうち、予め定められた領域のみを前記実行状況表示画面に表示するものである。
【0012】
請求項3の発明は請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置において、前記取得手段は、前記実行状況表示画面の大きさを示すサイズデータを更に取得し、前記表示手段は、前記サイズデータに応じて前記実行状況表示画面を表示するものである。
【0013】
請求項4の発明は請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示処理装置において、前記取得手段は、前記画面データに複数の識別データが対応付けられている場合に、当該複数の識別データ同士の親子関係を示す親子関係データを更に取得し、前記処理制御手段は、前記親子関係データによって親と定められている識別データに識別されるプログラムの実行状況表示画面上で操作が行われたときに、前記親と定められている識別データに対応付けられている子と定められている識別データに識別されるプログラムに、当該操作に応じた処理を実行させるものである。
【0014】
請求項5の発明は、コンピュータに、表示指示が入力されたときに、主画面を表す画面データ、前記主画面の表示と共に実行するプログラムを識別する識別データ、前記プログラムの処理の実行状況を示す実行状況表示画面であって当該実行状況表示画面上で行われた操作に応じた処理の実行状況を表示する実行状況表示画面を前記主画面上に表示するための当該実行状況表示画面の前記主画面上の位置を示す位置データ、及び前記実行状況表示画面の表示の開始時の前記プログラムの実行状況を示す状況データの各々を対応付けて記憶した記憶手段から、前記画面データ、前記識別データ、前記位置データ、及び前記状況データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された前記画面データに基づいて前記主画面を表示すると共に、前記取得ステップで取得された前記識別データに対応するプログラムを起動して前記取得ステップで取得された前記状況データに示される実行状況となるように処理して、当該実行状況が表示される前記実行状況表示画面を前記取得ステップで取得された前記位置データに対応する位置に表示するよう制御する表示制御ステップと、前記実行状況表示画面上で操作が行われた場合に、前記表示ステップで起動された前記プログラムに前記操作に応じた処理を実行させる実行制御ステップと、前記実行制御ステップによる前記プログラムの実行に応じて前記実行状況表示画面を変更する変更ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1及び請求項5の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、主画面の表示中に、容易に、かつ円滑にプログラムの実行状況を表示できる、という優れた効果を有する。
【0016】
請求項2の発明によれば、プログラムの実行により表示可能な全ての画面を表示する場合と比較して、画面の視認性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0017】
請求項3の発明によれば、画面の大きさを調整できない場合と比較して、予め定められた大きさで表示することで、画面の視認性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0018】
請求項4の発明によれば、複数のプログラムの実行状況の表示の各々を対応付けない場合と比較して、複数のプログラムの実行状況の表示を円滑に行うことができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
本実施の形態に係る表示処理装置は、文書管理処理をコンピュータに実行させるプログラムをコンピュータに搭載したものである。
【0021】
図1に示すように、表示処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)16等がバス18によって接続された制御部20、表示デバイス22、入力デバイス24、インターフェース26、及びHDD(Hard Disk Drive)28を含んで構成されており、表示デバイス22、入力デバイス24、インターフェース26、及びHDD28の各々は、バス18を介して制御部20と信号授受可能に接続されている。
【0022】
CPU12は、表示処理装置10の全体の動作を司るものであり、プログラムに従い後述するプレゼンテーションを実施するための画面を表示する文書の作成処理、及びプレゼンテーションを行うときの表示処理を実行する。
【0023】
ROM14は、表示処理装置10の起動時に動作するブートプログラムなどが記憶されている不揮発性の記憶装置である。
【0024】
RAM16は、CPU12の実行において使用されるプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ、表示処理装置10の作動中に取得される各種のログデータを記憶する揮発性の記憶装置である。
【0025】
表示デバイス22は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などからなり、表示処理装置10の制御により処理されるプレゼンテーションを実施するための画面の表示等を行う。
【0026】
入力デバイス24は、プレゼンテーションを実施するための画面を表示する文書の作成指示、プレゼンテーションを実施するための画面の表示指示、及びプレゼンテーション中に実施するアプリケーションプログラムのデモンストレーションの実施指示等、操作者の操作によるプレゼンテーションの実施に関する指示を入力するための装置である。
【0027】
インターフェース26は、表示処理装置10と直接又はネットワークを介して接続された外部機器との間のデータの送受信を行うものである。
【0028】
HDD28は、オペレーティングシステム、及び後述する作成処理、及び表示処理を実行するためのプログラム、当該プログラムによって表示されるプレゼンテーションを実施するための画面を表わす画面データ、当該プログラムの実行時に起動される他のアプリケーションプログラム、並びにインターフェース26を介して外部機器と送受信されるデータ等が格納される不揮発性の記憶装置である。
【0029】
なお、上記のプログラムを、予め記録媒体に記録しておき、表示処理装置10に記録媒体の記録内容を読取可能な読取機構を設けて、読取機構によりプログラムを読み取らせて、プログラムを実行する形態を実施してもよい。記録媒体としては、例えば、CD−ROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがある。
【0030】
次に、図2のフローチャートを参照して、プレゼンテーションを実施するための画面を表示する文書の作成の処理ルーチンを説明する。
【0031】
ここでは、図3(A)に示されるような、2種類のデモンストレーションを行ってプレゼンテーションの実施するための画面(以下、「プレゼン主画面」とよぶ)PDを表示する文書(以下、「プレゼン文書」とよぶ)を作成する場合を例にあげて説明する。
【0032】
まず、ステップ100では、プレゼン文書の作成者の操作に応じてプレゼン文書を編集するためのアプリケーションプログラムを起動する。プレゼン文書の作成者は、プレゼン文書を編集するためのアプリケーションプログラムが起動された後、プレゼン主画面PDのレイアウトを編集してプレゼン文書を作成していく。
【0033】
ステップ102では、プレゼンテーション中に他のアプリケーションプログラムのデモンストレーションを実施するものか否かを判定する。肯定された場合はステップ104へ移行し、否定された場合はステップ116へ移行する。
【0034】
図3(A)に示される場合には、図3(B)に示される、「○○開発ツール」の画面D1を表示するアプリケーションプログラム(以下、「デモアプリ1」とよぶ)、及び「コマンドプロンプト」の画面D2を表示するアプリケーションプログラム(以下、「デモアプリ2」とよぶ)の実行のデモンストレーションをプレゼンテーション中に実施する。なお、図3(B)は、プレゼン文書の作成時の画面の概念図である。
【0035】
ステップ104では、プレゼンテーション中にデモンストレーションを実施するアプリケーションプログラム(以下、「デモアプリ」とよぶ)であって、未だ各種決定事項が決定されていないデモアプリがあるか否かを判定する。肯定された場合はステップ106へ移行し、否定された場合はステップ116へ移行する。
【0036】
ステップ106では、プレゼン文書の作成者による、未だ各種決定事項が決定されていないデモアプリの選択操作に応じて、選択されたデモアプリを起動する。
【0037】
ステップ108では、デモアプリの実行によって表示される画面(以下、「デモ画面」とよぶ)から、プレゼン文書の作成者に指定されたデモンストレーション時に表示する表示領域(以下、「実行状況表示領域」とよぶ)を入力する。図3(B)に図示される場合では、デモアプリ1のデモ画面D1については、ウィンドウ領域のうち符号A1で示される領域が選択され、デモアプリ2のデモ画面D2については、符号A2で示されるウィンドウ領域の全体が選択される。
【0038】
選択は、実行状況表示領域をプレゼン文書にドラッグアンドドロップする、マウス及びキーボード等の入力デバイス24で実行状況表示領域を順次指定する等の操作によって行うとよい。
【0039】
また、使用頻度が高い領域、表示内容の変更の頻度が高い領域等の領域を自動的に記録しておく機構を更に備え、デモ画面における記録されている領域を実行状況表示領域としてもよい。
【0040】
ステップ110では、プレゼン文書の作成者による、デモンストレーションの開始時の実行状況の指定を受け付ける。例えば、デモンストレーションの実施によってアプリケーションプログラムがデータを更新する場合は、更新対象のデータの更新前の実行状況を指定する。
【0041】
ステップ112では、プレゼン文書の作成者による、デモンストレーションを実施するプレゼン主画面上の表示領域(以下、「実行状況表示画面」とよぶ)の指定を受け付ける。プレゼン文書が複数枚のページを含む場合はページの指定も行う。図3(A)に図示される場合では、デモアプリ1については、符号P1で示される領域が指定され、デモアプリ2については、符号P2で示される領域が指定される。
【0042】
ステップ114では、ステップ108で指定されたデモ画面上の実行状況表示領域を示す領域データ、ステップ110で指定された開始時の実行状況を示す状況データ、及びステップ112で指定された実行状況表示画面の位置を示す位置データを、デモアプリを識別する情報と対応付けてプレゼン文書と対応付ける。
【0043】
ステップ116では、作成されたプレゼン文書をHDD22に記憶する。
【0044】
なお、プレゼンテーション中に互いに関連付けられる複数のアプリケーションプログラムを起動する場合は、複数のアプリケーションプログラム同士の親子関係を示すデータを更に対応付ける。例えば、図3に図示されるプレゼン文書は、デモアプリ1がデモアプリ2を起動するものとする。この場合、デモアプリ1が親とされ、デモアプリ2が子とされて対応付けられる。
【0045】
また、ステップ110の処理は、図4のフローチャートに示される処理フローに従って行うとよい。
【0046】
ステップ120では、アプリケーションプログラムが起動され、作成者によってデモンストレーションが実施されているか否かを判定する。肯定された場合はステップ122へ移行し、否定された場合は本処理フローを終了する。
【0047】
ステップ122では、デモンストレーションによって変更可能な各種の実行状況に変化があったか否かを判定する。肯定された場合はステップ124へ移行して、変化前の実行状況を記録する。一方、否定された場合はステップ120に戻る。
【0048】
すなわち、プレゼン文書の作成時に、アプリケーションプログラムが起動され、デモンストレーションが実施されている間の、デモンストレーションによって変更可能な各種の実行状況の変化に基づいて、開始時の実行状況を決定する。
【0049】
図5に、上記の処理フローによって作成されたプレゼン文書に含まれるデモンストレーションに関する情報例を図示する。
【0050】
プレゼン文書のページ毎に、デモンストレーションに関するデモンストレーションオブジェクトが定義される。各デモンストレーションオブジェクトは、例えば、デモンストレーションオブジェクトを識別するための識別情報、位置データによって表されるページ上の実行状況表示画面の位置、ページ上の実行状況表示画面のサイズ、及びアプリケーションプログラムに関する情報を含んで構成される。アプリケーションプログラムに関する情報は、例えば、アプリケーションプログラムを識別するための識別情報、位置、及びサイズ等で定められるデモ画面上の実行状況表示領域を示すデータ、デモンストレーションオブジェクトが親子関係を有する場合は、親とするデモンストレーションオブジェクトの識別情報、及び子とするデモンストレーションオブジェクトの識別情報、並びに開始時の実行状況を示す状況データを含んだ情報である。アプリケーションプログラムが複数のウィンドウ画面を表示するものである場合、アプリケーションプログラムを識別するための識別情報は、デモンストレーションで用いるウィンドウを識別する識別情報も含む。
【0051】
次に、図6及び図7のフローチャートを参照して、制御部20によって実行されるプレゼンテーションを行うときの表示の処理ルーチンを説明する。
【0052】
ステップ150では、プレゼンテーションの実施者により、プレゼン文書の表示指示があったか否かを判定する。肯定された場合はステップ152へ移行し、否定された場合はステップ150に戻る。
【0053】
ステップ152では、プレゼンテーションの実施者の操作に応じてプレゼン主画面を表示するためのアプリケーションプログラムを起動する。このアプリケーションプログラムは、図2のステップ102で起動する、プレゼン文書の作成者の操作に応じてプレゼン文書を編集するためのアプリケーションプログラムと関連付いたものである。
【0054】
ステップ154では、プレゼンテーションの実施者により、プレゼンテーションの終了指示が入力されたか否かを判定する。入力がない場合はステップ156へ移行し、入力があった場合はステップ174へ移行する。
【0055】
ステップ156では、プレゼンテーションの実施者により、プレゼン文書のページの指定が入力されたか否かを判定する。肯定された場合はステップ158へ移行し、否定された場合はステップ154へ移行する。
【0056】
ステップ158では、指定されたページのプレゼン主画面を表示デバイス22に表示する。
【0057】
ステップ160では、指定されたページはアプリケーションのデモンストレーションを実施するページか否かを判定する。肯定された場合はステップ162へ移行し、否定された場合はステップ154へ移行する。
【0058】
ステップ162では、デモンストレーションオブジェクトに含まれている開始時の実行状況を示す状況データに基づいてデモアプリをバックグラウンドで起動する。
【0059】
ステップ164では、デモンストレーションオブジェクトに含まれているページ上の実行状況表示画面の位置を示す位置データ、及び位置、及びサイズ等で定められるデモ画面上の実行状況表示領域を示すデータに基づいて、ページ上の実行状況表示画面に、デモ画面の実行状況表示領域を表示する。
【0060】
ステップ166では、プレゼンテーションの実施者により、ページ上の実行状況表示画面への指示操作の入力が行われたか否かを判定する。肯定された場合はステップ168へ移行し、否定された場合はステップ154へ移行する。
【0061】
ステップ168では、入力された指示操作を示す指示情報に応じてデモアプリの実行を指示する。
【0062】
ステップ170では、デモアプリの実行に伴ったデモ画面の表示内容の変更情報を入力したか否かを判定する。肯定された場合はステップ172へ移行し、否定された場合はステップ170に戻る。
【0063】
ステップ172では、ページ上の実行状況表示画面の表示内容を変更する。
【0064】
ステップ174では、デモアプリの終了を指示する。
【0065】
上記のステップ162の処理が行なわれると、図7のフローチャートで示される処理ルーチンでデモアプリが実行される。
【0066】
ステップ200では、デモアプリの起動指示があるか否かを判定する。肯定された場合はステップ202へ移行し、否定された場合はステップ200に戻る。
【0067】
ステップ202では、起動指示があったデモアプリを起動する。
【0068】
ステップ204では、デモアプリの終了の指示がないか否かを判定する。すなわち、上記の図6のステップ174の処理が行なわれたか否かを判定する。肯定された場合はステップ206へ移行し、否定された場合は本処理ルーチンを終了する。
【0069】
ステップ206では、実行しているデモアプリが、親子関係を有するデモアプリを有するか否かを判定する。すなわち、デモンストレーションが行われているデモンストレーションオブジェクトが子デモンストレーションオブジェクトの識別情報を含んでいるか否かを判定する。肯定された場合はステップ208へ移行し、否定された場合はステップ204へ移行する。
【0070】
ステップ208では、デモンストレーションオブジェクトに含まれている開始時の実行状況を示す状況データに基づいてデモアプリをバックグラウンドで起動する。
【0071】
このステップ208の処理で起動される子デモンストレーションオブジェクトのデモアプリは、図7のフローチャートで示される処理ルーチンで、親デモンストレーションオブジェクトのデモアプリと同様に実行される。
【0072】
ステップ210では、プレゼンテーションの実施者により、ページ上の実行状況表示画面への指示操作の入力が行われたか否かを判定する。すなわち、上記の図6のステップ166の判定において肯定されたか否かを判定する。肯定された場合はステップ212へ移行し、否定された場合はステップ204へ移行する。
【0073】
ステップ212では、指示操作を示す指示情報に応じてデモアプリに処理を実行させる。本ステップ212のデモアプリ実行に伴って、デモ画面の表示内容の変更情報を出力する。上記のステップ170では、本ステップ212による出力を入力したか否かを判定している。
【0074】
また、ステップ206の判定が肯定されている場合には、本ステップ212では、入力した指示操作を示す指示情報に応じて子デモンストレーションオブジェクトのデモアプリにも処理を実行させる。
【0075】
次に、図8を参照して、プレゼン主画面上の操作に応じた、デモアプリの実行制御について説明する。
【0076】
図8(A)はプレゼン主画面を示している。
【0077】
プレゼン主画面の左上端の点M0を、プレゼン主画面上の点を座標で表すための原点とする。以下、点M0を原点とする座標を[と]とで囲んで表す。
【0078】
プレゼン主画面上の実行状況表示画面の左上端の座標を、[MDx,MDy]とする。
【0079】
実行状況表示画面の右上端の座標を、[MWx,MDy]とする。また、実行状況表示画面の左下端の座標を、[MDx,MHy]とする。
【0080】
また、入力デバイス24によって指定された位置MCLの座標を、[MCLx,MCLy]とする。
【0081】
一方、図8(B)はデモアプリの実行によって仮想的に表示される画面(以下、「メイン画面」とよぶ)を示している。
【0082】
メイン画面におけるプレゼン主画面の[MDx,MDy]に対応する点を、Dと表す。点D0がメイン画面上の点を座標で表すための原点となる。以下、点D0を原点とする座標を≪と≫とで囲んで表す。
【0083】
また、メイン画面におけるプレゼン主画面の[MWx,MDy]に対応する座標を、≪DWx,0≫と表し、メイン画面におけるプレゼン主画面の[MDx,MHy]に対応する座標を、≪0,DHy≫と表す。
【0084】
さらに、メイン画面におけるプレゼン主画面の[MCLx,MCLy]に対応する座標を、≪DCLx,DCLy≫と表す。
【0085】
本実施の形態の制御部20では、プレゼン主画面上の実行状況表示画面とメイン画面とを、各々の位置及びサイズに基づいて対応付けて、プレゼン主画面上の操作指示が行われた座標を変換することによって、バックグラウンドで実行されるデモアプリに処理を実行させる。
【0086】
プレゼン主画面上の操作指示が行われた座標は、以下の式(1)に従って、メイン画面の座標に変換される。
≪DCLx,DCLy≫
=≪(MCLx−MDx)*DWx/(MWx−MDx),(MCLy−MDy)*DHy/(MHy−MDy)≫ ・・・ (1)
なお、デモ画面内の対応するウィンドウは、ウィンドウの名前等の識別情報で識別するとよい。
【0087】
ただし、ウィンドウの名前等の識別情報が起動ごとに変わるアプリケーションプログラムを用いる場合には、含まれるコントロール、及び描画イメージ等の付加的な情報で識別するとよい。
【0088】
また、プレゼンテーション中にデモンストレーションを行うアプリケーションプログラムが、プレゼン主画面を表示する表示処理装置に搭載されていない場合は、インターフェースを介して、該当するアプリケーションプログラムが搭載されている外部機器と接続し、インターフェースを介して外部機器に搭載されているアプリケーションプログラムを遠隔制御するとよい。
【0089】
このように、本実施の形態では、プレゼン主画面上の、予め定められている位置に、予め定められている実行状況、及び領域のデモ画面(すなわち、実行状況表示画面)を表示して、プレゼンテーション中にアプリケーションプログラムのデモンストレーションを実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係る表示処理装置のブロック図ある。
【図2】本実施の形態に係るプレゼンテーションを行うときに用いるプレゼン文書の作成の処理ルーチンのフローチャートである。
【図3】(A)はプレゼン画面を示し、(B)はデモ画面を示している。
【図4】本実施の形態に係る状況データ作成の処理ルーチンのフローチャートである。
【図5】プレゼン文書に含まれるデモンストレーションに関する情報例である。
【図6】本実施の形態に係るプレゼン画面の表示の処理ルーチンのフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係るデモアプリの実行の処理ルーチンのフローチャートである。
【図8】(A)はプレゼン画面を示し、(B)はメイン画面を示している。
【符号の説明】
【0091】
10 表示処理装置
20 制御部
22 表示デバイス
24 入力デバイス
26 インターフェース
28 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示指示が入力されたときに、主画面を表す画面データ、前記主画面の表示と共に実行するプログラムを識別する識別データ、前記プログラムの処理の実行状況を示す実行状況表示画面であって当該実行状況表示画面上で行われた操作に応じた処理の実行状況を表示する実行状況表示画面を前記主画面上に表示するための当該実行状況表示画面の前記主画面上の位置を示す位置データ、及び前記実行状況表示画面の表示の開始時の前記プログラムの実行状況を示す状況データの各々を対応付けて記憶した記憶手段から、前記画面データ、前記識別データ、前記位置データ、及び前記状況データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記画面データに基づいて前記主画面を表示すると共に、前記取得手段によって取得された前記識別データに対応するプログラムを起動して前記取得手段によって取得された前記状況データに示される実行状況となるように処理して、当該実行状況が表示される前記実行状況表示画面を前記取得手段によって取得された前記位置データに対応する位置に表示するよう制御する表示制御手段と、
前記実行状況表示画面上で操作が行われた場合に、前記表示手段によって起動された前記プログラムに前記操作に応じた処理を実行させる実行制御手段と、
前記実行制御手段による前記プログラムの実行に応じて前記実行状況表示画面を変更する変更手段と、
を含む表示処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記プログラムの実行により表示可能な画面のうち、予め定められた領域のみを前記実行状況表示画面に表示する請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記実行状況表示画面の大きさを示すサイズデータを更に取得し、
前記表示手段は、前記サイズデータに応じて前記実行状況表示画面を表示する請求項1又は請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記画面データに複数の識別データが対応付けられている場合に、当該複数の識別データ同士の親子関係を示す親子関係データを更に取得し、
前記処理制御手段は、前記親子関係データによって親と定められている識別データに識別されるプログラムの実行状況表示画面上で操作が行われたときに、前記親と定められている識別データに対応付けられている子と定められている識別データに識別されるプログラムに、当該操作に応じた処理を実行させる請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
表示指示が入力されたときに、主画面を表す画面データ、前記主画面の表示と共に実行するプログラムを識別する識別データ、前記プログラムの処理の実行状況を示す実行状況表示画面であって当該実行状況表示画面上で行われた操作に応じた処理の実行状況を表示する実行状況表示画面を前記主画面上に表示するための当該実行状況表示画面の前記主画面上の位置を示す位置データ、及び前記実行状況表示画面の表示の開始時の前記プログラムの実行状況を示す状況データの各々を対応付けて記憶した記憶手段から、前記画面データ、前記識別データ、前記位置データ、及び前記状況データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得された前記画面データに基づいて前記主画面を表示すると共に、前記取得ステップで取得された前記識別データに対応するプログラムを起動して前記取得ステップで取得された前記状況データに示される実行状況となるように処理して、当該実行状況が表示される前記実行状況表示画面を前記取得ステップで取得された前記位置データに対応する位置に表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記実行状況表示画面上で操作が行われた場合に、前記表示ステップで起動された前記プログラムに前記操作に応じた処理を実行させる実行制御ステップと、
前記実行制御ステップによる前記プログラムの実行に応じて前記実行状況表示画面を変更する変更ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−175795(P2009−175795A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10750(P2008−10750)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】