説明

表示制御機能付きセンサコントローラ

【課題】 測定モード時に測定値とその測定状態がモニタ表示上で認識し易くするとともに、機能設定モード時にその設定状態がモニタ表示上で認識し易くした表示制御機能付きセンサコントローラを提供する。
【解決手段】 画面表示制御手段14により、機能設定モード時に、各最上位階層ごとにそれぞれ1つの最上位階層およびこれに関連付けられた各階層をモニタ1の一画面に一括表示して、前記階層構造のセンサ機能情報を、非階層構造に表示させる表示制御を行うとともに、色表示制御手段15により、測定モード時に、モニタ1に表示される測定値がその測定状態に応じた特定色が付される表示制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定値や測定状態などを表示する表示部(モニタ)を有し、測定物のセンサ検出制御を行う表示制御機能付きセンサコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学センサ等のセンサコントローラでは、測定時に、一瞬の測定値を観測させやすいように測定値をホールドするため、ホールド入力端子に信号が入力された場合、別途設けられた表示灯を点灯させて、そのモニタに表示された測定値がホールドされたものであることを認識させるようにしていた。
【0003】
その一方、測定した値の平均回数の設定やフィルタ設定などのセンサ機能設定では、センサ機能情報は、上位階層から下位階層へ順次関連付けられた複数の階層構造を有するものであり、モニタの表示は、図3(b)に示すように、例えば、複数の「機能グループ」(上位の階層1)、それぞれの複数の設定する「項目」(中位の階層2)、それぞれの複数の調整する「値」(下位の階層3)、の3層の階層構造になっている。この場合、それぞれの階層から目的のものを選択することで、下の階層に降りて行き、センサ機能設定の目的である「値」にたどり着く。
【0004】
このような従来のモニタ表示における階層構造の一例として、携帯無線端末についての情報表示方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−115345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のような表示灯の点灯によりホールドされた測定値を認識させる方法では、作業者はモニタの測定値と測定状態を示す表示灯とをあわせて見る必要があり、煩雑であった。また、従来の階層構造では、図3(b)において、例えば調整する「値」の画面ではその上の階層の内容が表示されないため、作業者は何の階層に属する「値」かわかりにくいので見晴らしが悪く、また、「値」を変更しようとすると、階層を上がって行き、再度階層を下がって行く必要があり、さらに、階層を下がる専用ボタンと上がる専用ボタンとを別々に操作する必要があることから、操作パネル上の操作が煩雑であった。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解決して、機能設定モード時にその設定状態をモニタ表示上で認識され易くするとともに、測定モード時に測定値とその測定状態をモニタ表示上で認識され易くした表示制御機能付きセンサコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る表示制御機能付きセンサコントローラは、測定物を測定する測定モードと複数のセンサ機能を設定する機能設定モードとに切り替えるモード切替ボタンを含む、複数の操作ボタンを有する操作部と、測定モード時に測定値とその測定状態を、機能設定モード時に複数のセンサ機能情報を、それぞれ表示する表示部と、センサ検出制御を行う制御部とを備えたセンサコントローラであって、前記センサ機能情報は、上位階層から下位階層へ順次関連付けられた複数の階層構造を有するものであり、前記制御部は、機能設定モード時に、複数の最上位階層ごとにそれぞれ1つの最上位階層およびこれに関連付けられた各階層を表示部の一画面に一括表示して、前記階層構造のセンサ機能情報を、非階層構造に表示させる表示制御を行う画面表示制御手段と、測定モード時に、表示部に表示される測定値がその測定状態に応じた特定色が付される表示制御を行う色表示制御手段と、を備えている。
【0008】
この構成によれば、画面表示制御手段により、機能設定モード時に、各最上位階層ごとにそれぞれ1つの最上位階層およびこれに関連付けられた各階層を表示部の一画面に一括表示して、前記階層構造のセンサ機能情報を、非階層構造に表示させる表示制御を行うとともに、色表示制御手段により、測定モード時に、表示部に表示される測定値がその測定状態に応じた特定色が付される表示制御を行うので、機能設定モード時にその設定状態をモニタ表示上で認識され易くできるとともに、測定モード時に測定値とその測定状態をモニタ表示上で認識され易くできる。
【0009】
好ましくは、前記表示部に表示されたセンサ機能情報間の移動を操作する上下左右移動ボタンが操作部に設けられている。したがって、従来のように各階層を上下するボタン操作が必要ないから、機能設定モード時の操作パネル上の操作が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る表示制御機能付きセンサコントローラを示す構成図である。本センサコントローラは、例えば光学的に測定物までの距離や反射率を測定する光学式変位センサ用のコントローラであり、測定物までの距離や反射率を測定する図示しないセンサヘッド(例えばA、B)に接続されて、当該センサヘッドを制御する。
【0011】
本センサコントローラは、表示部(モニタ)1、操作パネル2、およびコントローラ内に内蔵されてセンサ全体を制御する制御手段(マイクロコンピュータ)3を備えている。モニタ1は、センサヘッドの測定値(A、B)のほかに、演算結果(CAL)、バンク(BNK)No.などを表示する。操作パネル2は、上下左右移動ボタン(十字キー)5、測定物を測定する測定モード(SET)と複数のセンサ機能を設定する機能設定モード(RUN)とに切り替えるモード切り替え(SET/RUN)ボタン6、バンク切り替えボタン7、操作ロックボタン8などの複数の例えば押ボタンのような操作ボタンを有する。
【0012】
図2に示すように、制御手段(マイクロコンピュータ)3は、機能設定モード(SET)時に、複数の最上位階層ごとにそれぞれ1つの最上位階層およびこれに関連付けられた各階層についてをモニタ1の一画面に一括表示して、階層構造のセンサ機能情報を、非階層構造に表示させる表示制御を行う画面表示制御手段14と、測定モード(RUN)時に、モニタ1に表示される測定値がその測定状態に応じた特定色が付される表示制御を行う色表示制御手段15とを備えている。
【0013】
機能設定モード(SET)に用いられるセンサ機能情報は、上位階層から下位階層へ順次関連付けられた複数の階層構造を有するものであり、例えば、複数の「機能グループ」(最上位階層)、各「機能グループ」にそれぞれ属する複数の設定する「項目」(中位階層)、各「項目」にそれぞれ属する複数の調整する「値」(下位階層)、の3層の階層構造になっている。
【0014】
最上位階層の「機能グループ」には、例えば、「機能グループ1」として、入力信号(測定値)のフィルタリングに関する機能を設定するフィルタ機能設定、「機能グループ2」として、測定値の演算処理を設定する演算機能設定、「機能グループ3」として、測定値をホールド設定するホールド設定、その他、制御(判定)出力を設定する制御(判定)出力設定、アナログ出力を設定するアナログ出力設定、センサヘッド感度を設定するセンサヘッド感度設定、タイマ設定、メモリ設定、および測定物の種類に応じてバンクの切替を設定するバンク設定などの各「機能グループ」がある。
【0015】
中位階層の設定する「項目」には、例えば、「機能グループ1」のフィルタ機能設定グループに属する複数の「項目」として、平均回数設定(「項目1」)、フィルタ設定(「項目2」)および周波数設定(「項目3」)などがある。このフィルタ機能設定グループの各「項目」に、下位階層の設定内容である複数の調整する「値」が属する。同様に、「機能グループ2」の演算機能設定グループに属する複数の「項目」には、演算式設定(「項目1」)、測定値増減方向設定(「項目2」)、シフト設定(「項目3」)などがあり、「機能グループ3」のホールド設定グループに属する複数の「項目」には、センサヘッドホールド設定(「項目1」)、演算結果ホールド設定(「項目2」)、ホールド入力設定(「項目3」)などがあり、それぞれ各「項目」に複数の「値」が属する。
【0016】
図2の画面表示制御手段14は、機能設定モード(SET)時に、図3(a)に示すように、モニタ1の一画面に各「機能グループ」(最上位階層)ごとに「機能グループ」(最上位階層)の1つとこれに属する「項目」(中位階層)および「値」(下位階層)とからなるセンサ機能情報を一括表示させるように制御する。例えば「機能グループ1」について、その「項目1〜5」、「値」がモニタ1の一画面に一括表示される。つまり階層構造のセンサ機能情報について、モニタ表示を従来の階層構造と異なり非階層構造としている。
【0017】
これにより、本発明では、機能設定モード(SET)時に、1つの「機能グループ」およびこれに関連付けられた「項目」、「値」の各階層をモニタ1の一画面に一括表示させる非階層構造としているので、従来の階層構造と異なり、表示する「値」が、何の「項目」名、「機能グループ」名のものであるかが一見してわかるから、見晴らしが良くなる。
【0018】
そして、制御手段3は、モニタ1の1画面上で「機能グループ」の選択が操作パネル2の上下左右移動ボタン(十字キー)5の左右ボタンで行われ、「項目」の選択が上下ボタンで、「値」の選択が左右ボタンで行われ、「値」の数値または式の変更が行われるように、つまり十字キー5のみでセンサ機能設定の目的である「値」の変更を行われるように制御する。モニタ1では、各選択が行われると、その選択部分が点灯表示される。
【0019】
これにより、本発明では、センサ機能設定の目的とする「値」の変更を十字キー5のみで行うことができるので、従来のように各階層を上下するボタン操作が必要でないから、操作パネル2上の操作が簡単になる。
【0020】
図2の色表示制御手段15は、測定モード(RUN)時に、リアルタイムのセンサヘッドの通常の測定値をモニタ1に表示する場合には、測定値を例えば青色で表示させるように制御する。また、ホールド入力端子に信号が入力されてホールドされた測定値をモニタ1に表示する場合には、ホールドされている測定値であることを示すために、測定値を例えば黒色で表示させるように制御する。さらに、センサヘッドが測定不能状態になったときの測定値をモニタ1に表示する場合には、測定不能状態を示すために、測定値を例えば赤色で表示させるように制御する。
【0021】
モニタ1が例えば液晶ディスプレイ(LCD)の場合、各表示単位の上にR(赤)、G(緑)、B(青)の3種類のカラーフィルタをかけることで、上記測定状態に応じて異なる色でカラー表示が行われる。
【0022】
これにより、本発明では、測定モード(RUN)時に、測定値がその測定状態に応じた特定色を付されてモニタ1に表示されるので、従来ではモニタの測定値と測定状態を示す表示灯とをあわせて見る必要があったのと異なり、測定値とその測定状態の両方を同時にモニタ1上で把握できるから、モニタ表示上で認識しやすくなる。また、従来のように表示灯を別途設ける必要がないので、センサコントローラの構造が簡単となる。
【0023】
なお、この実施形態では、機能設定モード(SET)時に、各選択が点灯表示されるが、この表示を測定モード(RUN)時のように選択に応じて異なる特定色でカラー表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示制御機能付きセンサコントローラを示す構成図である。
【図2】図1のセンサコントローラの制御部を示す構成図である。
【図3】(a)は本発明にかかるモニタの画面、(b)は従来のモニタの画面を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1:表示部(モニタ)
2:操作パネル
3:制御手段(マイクロコンピュータ)
5:上下左右移動ボタン(十字キー)
6:モード切り替えボタン
14:画面表示制御手段
15:色表示制御手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定物を測定する測定モードと複数のセンサ機能を設定する機能設定モードとに切り替えるモード切替ボタンを含む、複数の操作ボタンを有する操作部と、測定モード時に測定値とその測定状態を、機能設定モード時に複数のセンサ機能情報を、それぞれ表示する表示部と、センサ検出制御を行う制御部とを備えたセンサコントローラであって、
前記センサ機能情報は、上位階層から下位階層へ順次関連付けられた複数の階層構造を有するものであり、
前記制御部は、
機能設定モード時に、複数の最上位階層ごとにそれぞれ1つの最上位階層およびこれに関連付けられた各階層を表示部の一画面に一括表示して、前記階層構造のセンサ機能情報を、非階層構造に表示させる表示制御を行う画面表示制御手段と、
測定モード時に、表示部に表示される測定値がその測定状態に応じた特定色が付される表示制御を行う色表示制御手段と、
を備えている表示制御機能付きセンサコントローラ。
【請求項2】
請求項1において、さらに、
前記表示部に表示されたセンサ機能情報間の移動を操作する上下左右移動ボタンが操作部に設けられている表示制御機能付きセンサコントローラ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−133211(P2006−133211A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140864(P2005−140864)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(392023751)ジック オプテックス株式会社 (17)
【Fターム(参考)】