説明

表示制御装置、システム、表示制御方法及びそのためのプログラム

【課題】 ディスプレイに表示されたコンテンツに対して操作者が手書きで文字を入力する場合に、コンテンツを適切な表示拡大率でディスプレイに表示させることができないという問題点がある。
【解決手段】 原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力するコンテンツ拡大率算出手段と、表示拡大率に基づいた大きさでディスプレイにコンテンツを表示させる表示内容制御手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、システム、表示制御方法及びそのためのプログラムに関し、特に、表示拡大率を制御する表示制御装置、システム、表示制御方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル付きディスプレイを備える端末などにおいて、手書き文字を入力するための、様々な関連技術が知られている。
【0003】
特許文献1は、タッチパネル付きディスプレイ装置において、ディスプレイに拡大表示されたコンテンツ上に書き込まれた文字を、コンテンツの拡大率に対応する拡大率で書き込まれたものとする技術を開示している。特許文献1に記載のタッチパネル付きディスプレイ装置は、まず、コンテンツを表示しているタッチパネル付きディスプレイに、タッチペンなどが一定時間以上タッチされたことを検知し、指定された拡大率でコンテンツを拡大表示する。操作者は、この拡大表示されたコンテンツ上に文字を手書きする。その後、コンテンツの拡大表示が解除されると、このタッチパネル付きディスプレイ装置は、コンテンツの拡大表示解除に伴う表示縮小に対応して、手書き文字を縮小表示する。
【0004】
尚、コンテンツとは、例えば、写真や図などの静止画、テキストや画像を含む文書、或いはビデオ映像などの動画である。
【0005】
特許文献2は、通信会議方法及び通信会議端末装置において、表示画素数が異なる相手端末と自端末とに、共通な描画データを表示する技術を開示している。特許文献2に記載の通信会議端末装置は、まず、相手端末と自端末との表示画素数の比率に基づいて、自端末の描画入力データ(例えば、手書き文字の描画データ)を、拡大表示または縮小表示するように座標変換する。次に、この通信会議端末装置は、座標変換した描画入力データを相手端末へ送信する。また、この通信会議端末装置は、相手端末から描画入力データを受信した場合、自端末から描画入力データを送信する場合と逆に、拡大表示または縮小表示するように座標変換し、その座標変換した描画入力データに基づいて表示を更新する。
【0006】
特許文献3は、手書き文字を入力することができる情報処理端末において、予め定められた文字サイズに近い大きさで手書きした文字を、予め定められた文字サイズで表示する技術を開示している。特許文献3に記載の情報処理端末は、まず手書きされた文字のサイズを判定し、その文字の拡大率を決定する。次に、この情報処理端末は、決定した拡大率で手書きされた文字を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−46797号公報
【特許文献2】特開平8−228329号公報
【特許文献3】特開平5−282091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した先行技術文献に記載された技術においては、ディスプレイに表示されたコンテンツに対して操作者が手書きで文字を入力する場合に、コンテンツを適切な表示拡大率でディスプレイに表示させることができないという問題点がある。適切な表示拡大率とは、操作者が手書きしやすい文字サイズで入力するのに適した、かつ、操作者が入力した手書き文字のサイズが他の操作者の手書き文字のサイズに対して操作者の意図に沿った関係を持つような、サイズでコンテンツを表示させる拡大率である。
【0009】
コンテンツを適切な表示拡大率でディスプレイに表示させることができない理由は、以下のとおりである。
【0010】
特許文献1が開示する技術は、操作者が設定した拡大率でコンテンツを表示する技術である。このような、タッチパネル付きディスプレイ装置に設定するコンテンツの拡大率を決定することは、ヒューリスティックな問題である。従って、操作者にとって適切な拡大率を決定することは、容易ではない。
【0011】
特許文献2が開示する技術は、相手端末と自端末との表示画素数の比率に基づいて、描画入力データを座標変換する技術である。この技術では、操作者が意図する大きさにコンテンツを表示することは、できない。
【0012】
特許文献3が開示する技術は、操作者が手書きした文字を、その手書きした文字のサイズに近い、予め定められた特定のサイズに変換する技術である。従って、コンテンツの表示サイズを変更することはできず、操作者が手書きしやすい、任意の文字サイズで入力することはできない。
【0013】
次に、課題の背景について説明する。
【0014】
例えばホワイトボードに複数人で文字を書き込むとき、人は一般的に、他者が書いた文字の大きさとほぼ同じになるように文字を書く。これは、自分の文字の大きさを他者が書いた文字の大きさに合わせることにより、文字同士の見た目のバランスがよくなり、視認性が上がるためである。
【0015】
同様に、遠隔地にいるユーザ(操作者)間で、個々のユーザが持つタッチパネル付きディスプレイを備える端末上で、同じコンテンツを共有して作業することが考えられる。このような作業において、その共有コンテンツに文字を書き込むときにも、自分が書き込む文字の大きさを相手が書いた文字の大きさに合わせたい場合がある。
【0016】
通常、個々のユーザが持つ端末の画面は、会議室にあるホワイトボードよりも小さい。そのため、ユーザが文字を書き込むときには、端末は、共有コンテンツの一部を表示する。そして、その一部が表示される共有コンテンツの表示サイズは、ユーザが書き込みやすい大きさで文字を入力した場合に、その入力した文字と他者が書いた文字との大きさが一致するような表示サイズであることが求められる。
【0017】
そこで、複数人でコンテンツを共有するシステムの利便性を向上するために、共有するコンテンツ上に手書きで文字を入力するときに、それぞれのユーザの端末で表示しているコンテンツを、簡便な操作で上述のような表示サイズに拡大表示又は縮小表示できることが求められる。
【0018】
以上が課題の背景である。
【0019】
本発明の目的は、上述した問題点を解決する表示制御装置、システム、表示制御方法及びそのためのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の表示制御装置は、原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力するコンテンツ拡大率算出手段と、前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる表示内容制御手段とを含む。
【0021】
本発明の表示制御方法は、コンピュータが、原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力し、前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる。
【0022】
本発明のプログラムは、原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力する処理と、前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、ディスプレイに表示されたコンテンツに対して操作者が手書きで文字を入力する場合に、コンテンツを適切な表示拡大率でディスプレイに表示させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における手書き文字サイズ情報の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における基準文字サイズ情報の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ共有システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における操作情報の例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における表示制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるプログラムにより所定の処理をコンピュータに実行させる表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ共有システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第1の実施形態における表示制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ共有システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1を参照すると、本実施形態に係る表示制御装置110は、表示内容制御部103とコンテンツ拡大率算出部106とを含む。
【0028】
コンテンツ拡大率算出部106は、基準文字サイズ情報と手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイ(図1には図示しない)に表示するコンテンツの表示拡大率を算出する。次に、コンテンツ拡大率算出部106は、算出した表示拡大率を拡大率情報として、表示内容制御部103に出力する。
【0029】
手書き文字サイズ情報は、特定の操作者の手書き文字のサイズを示す情報である。手書き文字サイズ情報は、例えば、端末210及び端末220を使用する操作者それぞれの手書き文字の大きさ(例えば、文字の高さ)を示す情報である。図2は、手書き文字サイズ情報161の例を示す図である。図2を参照すると、例えば、手書き文字サイズ情報161は、9ミリメートルである。
【0030】
基準文字サイズ情報は、原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す情報である。基準文字サイズ情報162は、例えば、原寸大のコンテンツにおける手書き文字の基準の大きさ(例えば、文字の高さ)を示す情報である。図3は、手書き文字サイズ情報161の例を示す図である。図3を参照すると、例えば、基準文字サイズ情報162は、6ミリメートルである。
【0031】
表示拡大率は、例えば、コンテンツを原寸大で表示する場合を「1(100%)」とした場合の、原寸に対する倍率を示す、任意の正の実数である。例えば、表示拡大率が「1.3」の場合、コンテンツは原寸の1.3倍の寸法(サイズ)で表示される。例えば、表示拡大率が「0.5」の場合、コンテンツは原寸の半分の寸法で表示される。
【0032】
コンテンツ拡大率算出部106は、例えば、手書き文字サイズ情報を基準文字サイズで除し、表示拡大率を算出する。コンテンツ拡大率算出部106は、例えば、図2に示す手書き文字サイズ情報161と図3に示す基準文字サイズ情報162とに基づいて、表示拡大率を1.5(9ミリメートル÷6ミリメートル=1.5)と算出する。この場合、コンテンツ拡大率算出部106が算出する表示拡大率は、原寸大のコンテンツにおいて、基準文字サイズ情報が示す文字のサイズと、原寸大入力文字サイズとが、同一のサイズになるような表示拡大率である。原寸大入力文字サイズは、コンテンツ拡大率算出部106が算出した表示拡大率(例えば、「1.5」倍)で表示されたコンテンツに、手書き文字サイズ情報が示す文字のサイズ(例えば、「9ミリメートル」の高さ)で手書きされた文字のサイズを、原寸大のコンテンツ上における文字のサイズに換算したサイズ(例えば、9ミリメートル÷1.5=6ミリメートル)である。
【0033】
尚、コンテンツ拡大率算出部106は、基準文字サイズ情報が示す文字のサイズと原寸大入力文字サイズとが、同一のサイズになるような表示拡大率以外の表示拡大率を算出するようにしてもよい。例えば、コンテンツ拡大率算出部106は、原寸大入力文字サイズが、基準文字サイズ情報が示す文字のサイズの、半分のサイズになるように表示拡大率を算出してもよい。即ち、図2に示す手書き文字サイズ情報161と図3に示す基準文字サイズ情報162との場合、コンテンツ拡大率算出部106は、表示拡大率を3(9ミリメートル÷6ミリメートル×2=3)と算出するようにしてもよい。
【0034】
表示内容制御部103は、受け取った拡大率情報に基づいて、ディスプレイにコンテンツを表示させる。
【0035】
図4は、本実施形態に係るコンテンツ共有システム190の構成を示す図である。
【0036】
図4を参照すると、本実施形態に係るコンテンツ共有システムは、端末210及び端末220を含む。端末210と端末220とは、通信路300を介して、接続される。
【0037】
端末210及び端末220それぞれは、表示制御装置110、コンテンツ指定部201、操作情報生成部205、タッチパネル208及びディスプレイ209を含む。
【0038】
コンテンツ指定部201は、操作者によるコンテンツの指定を受け取り、指定されたコンテンツの保存先を含むコンテンツ情報を表示内容制御部103に渡す。尚、コンテンツは、例えば、端末210及び端末220それぞれに含まれる図示しない記憶手段に保存されている。
【0039】
操作情報生成部205は、タッチパネル208のセンサ(図示しない)によって、入力デバイス(図示しない、例えばタッチペン)の接触を検出し、操作者が描画するためにタッチパネル208上をドラッグ(タッチパネル208にタッチしたまま上下左右に移動する動作)したり、コンテンツの表示内容を変更するためにタッチパネル208をタップ(タッチパネル208上を軽くつつく動作)したりしたときに、操作情報を生成する。操作情報は、例えば、タッチペンが接触しているタッチパネル208上の座標を、予め定められた時間(例えば、10ミリ秒)間隔で記録した情報である。
【0040】
次に、操作情報生成部205は、生成した操作情報を表示内容制御部203に出力する。尚、他方の端末とは、端末210においては端末220であり、端末220においては端末210である(以下同様)。
【0041】
図5は、操作情報251の例を示す図である。図5に示す操作情報251は、ディスプレイ209の表示領域の「X−Y」座標情報である。図5に示す操作情報251の例は、始点「51−49」から終点「68−24」まで、160ミリ秒かけて、タッチペンをドラッグしたことを示す。
【0042】
更に、操作情報生成部205は、例えば、タッチペンがタッチパネル208上のある点に予め定められた時間(例えば、3秒間)接触していることを検出した場合、手書き入力のためのコンテンツの拡大指示であると判断し、コンテンツ拡大率算出部106に、拡大率要求を出力する。
【0043】
表示内容制御部103は、コンテンツ指定部201及び他方の端末から、コンテンツ情報を受け取る。
【0044】
次に、表示内容制御部103は、受け取ったコンテンツ情報に基づいて、ディスプレイ209の表示領域内に、初期拡大率でコンテンツを表示させる。初期拡大率とは、コンテンツを表示する拡大率の初期値である。初期拡大率は、例えば、ディスプレイ209の表示領域内にコンテンツの1ページ全体を表示するような拡大率である。この場合、初期拡大率は、ディスプレイ209の表示領域のサイズに対応した可変値である。また、初期拡大率は、固定値の「100%」とし、コンテンツを原寸大で表示するようにしてもよい。表示内容制御部103は、例えば、図示しない記憶手段に初期拡大率を保持する。
【0045】
また、表示内容制御部103は、コンテンツ指定部201からコンテンツ情報を受け取った場合、そのコンテンツ情報を他方の端末に送信する。
【0046】
更に、表示内容制御部103は、操作情報生成部205から、操作者が操作した内容を示す操作情報を受け取る。また、表示内容制御部103は、他方の端末からも、他方の端末の操作者が操作した内容を示す操作情報を受け取る。
【0047】
次に、表示内容制御部103は、受け取った操作情報に基づいて、ディスプレイ209の表示を更新する。操作情報は、例えば、操作者がタッチパネル208に接触して描画した描画データや、コンテンツの表示内容を変更するための指示データである。同時に、表示内容制御部103は、他方の端末に、操作情報生成部205から受け取った操作情報を送信する。
【0048】
更に、表示内容制御部103は、既に説明したように、コンテンツ拡大率算出部106から拡大率情報を受け取る。次に、表示内容制御部103は、受け取った拡大率情報に基づいて、ディスプレイ209に表示中のコンテンツの表示を、サイズを変更した表示に更新する。
【0049】
尚、表示内容制御部103は、操作情報生成部205から受け取った、予め定められた特定の操作情報を操作者によるコンテンツの指定として受け取り、コンテンツ情報を生成するようにしてもよい。この場合、コンテンツ指定部201は、端末210及び端末220に含まれなくてもよい。
【0050】
また、表示内容制御部103は、操作情報生成部205から受け取った操作情報が、手書き入力のためのコンテンツの拡大指示を示す操作情報であった場合、コンテンツ拡大率算出部106に、拡大率要求を出力するようにしてもよい。この場合、操作情報生成部205は、コンテンツ拡大率算出部106に、拡大率要求を出力する処理を実行しないようにしてもよい。
【0051】
コンテンツ拡大率算出部106は、例えば、操作情報生成部205から拡大率要求を受けると、既に説明したように手書き文字サイズ情報と基準文字サイズ情報とに基づいて、表示拡大率を算出する。
【0052】
次に本実施形態の動作について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
【0053】
ここでは、図4に示すコンテンツ共有システム190における、端末210の動作を例に説明する。
【0054】
図6は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0055】
本処理は、操作者によりコンテンツを指定され、表示を指示されたことを契機に、動作を開始する。
【0056】
まず、コンテンツ指定部201は、指定されたコンテンツの有無を確認する(S101)。指定されたコンテンツが存在する場合(S101でYES)、処理はS105へ進む。指定されたコンテンツが存在しない場合(S101でNO)、処理はS103へ進む。
【0057】
S103において、コンテンツ指定部201は、ディスプレイ209にコンテンツが存在しない旨を表示させる(S103)。そして、処理は終了する。
【0058】
S105において、コンテンツ指定部201は、コンテンツの保存先を含むコンテンツ情報を表示制御部103に出力する(S105)。
【0059】
次に、表示内容制御部103は、受け取ったコンテンツ情報に基づいて、ディスプレイ209の表示領域内にコンテンツを表示させる(ステップS107)。尚、表示内容制御部103は、最初にコンテンツを表示する場合、初期拡大率を使用する。
【0060】
次に、操作情報生成部205は、操作者によるタッチパネル208に対する操作に対応する操作情報を生成する(S111)。
【0061】
続けて、操作情報生成部205は、操作者によるタッチパネル208に対する操作が手書き入力のためのコンテンツの拡大指示であるか否かを判断する(S113)。
【0062】
操作情報が手書き入力のためのコンテンツの拡大指示である場合(S113でYES)、操作情報生成部205は、コンテンツ拡大率算出部106に、拡大率要求を出力する(S115)。
【0063】
次に、コンテンツ拡大率算出部106は、拡大率要求を受け取ると、手書き文字サイズ情報と基準文字サイズ情報とに基づいて、表示中のコンテンツに対する表示拡大率を算出し、算出した表示拡大率を拡大率情報として表示内容制御部103に出力する(S117)。
【0064】
次に、表示内容制御部103は、表示中のコンテンツの表示を、受け取った拡大率情報に基づいてサイズを変更した表示に更新する(S119)。そして処理は、S111へ戻る。
【0065】
操作情報が手書き入力のためのコンテンツの拡大指示でない場合(S113でNO)、操作情報生成部205は、表示内容制御部103へ操作情報を出力する(S121)。
【0066】
次に、表示内容制御部103は、受け取った操作情報に基づいて、ディスプレイ209の表示を更新する(S131)。そして、処理は、S111へ戻る。尚、操作情報がコンテンツの表示の終了を指示する操作情報である場合、処理は終了する。
【0067】
表示制御装置110は、汎用的なコンピュータによって構成される表示制御装置であってもよい。
【0068】
図7は、本実施形態における、プログラムにより所定の処理をコンピュータに実行させる表示制御装置111の構成を示すブロック図である。
【0069】
図7を参照すると、表示制御装置111は、CPU(Central Processing Unit)710、不揮発性記憶部720、記憶部730及び通信部750を備えている。
【0070】
図1に示す表示制御装置110の表示内容制御部103及びコンテンツ拡大率算出部106は、CPU710と不揮発性記憶部720と記憶部730とに対応する。
【0071】
CPU710は、不揮発性記憶部720に格納されたプログラムを、例えば、記憶部730に展開し、展開したプログラムに基づいて、表示内容制御部103及びコンテンツ拡大率算出部106と同様の処理を実行する。
【0072】
不揮発性記憶部720は、そのプログラムを記憶する。
【0073】
記憶部730は、展開されたそのプログラムを記憶する。
【0074】
通信部750は、表示内容制御部103及びコンテンツ拡大率算出部106に含まれる。
【0075】
以上が、汎用的なコンピュータによって構成される表示制御装置111の説明である。
【0076】
上述した本実施形態における第1の効果は、ディスプレイに表示されたコンテンツに対して操作者が手書きで文字を入力する場合に、コンテンツを適切な表示拡大率でディスプレイに表示させることを可能にする点である。
【0077】
その理由は、コンテンツ拡大率算出部106が、基準文字サイズ情報と手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示するコンテンツの表示拡大率を算出するようにしたからである。
【0078】
上述した本実施形態における第2の効果は、コンテンツ上に記載された、各操作者の手書き文字のサイズを統一することを可能にする点である。
【0079】
その理由は、コンテンツ拡大率算出部106が、原寸大のコンテンツにおいて、基準文字サイズ情報が示す文字のサイズと、原寸大入力文字サイズとが、同一のサイズになるような表示拡大率を算出するようにしたからである。
【0080】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0081】
図8は、本実施形態に係るコンテンツ共有システム290の構成を示す図である。
【0082】
図8を参照すると、本実施形態に係るコンテンツ共有システム290は、端末410、端末420、端末430及びサーバ500を含む。端末230、端末240及び端末250それぞれは、サーバ500と通信路300を介して、接続される。
【0083】
端末410、端末420及び端末430それぞれは、コンテンツ指定部201、タッチパネル208、ディスプレイ209及びサーバインタフェース部202を含む。
【0084】
サーバ500は、図1に示す表示制御装置110、操作情報生成部205及び端末インタフェース部502を含む。
【0085】
コンテンツ指定部201、タッチパネル208、ディスプレイ209、表示制御装置110及び操作情報生成部205は、以下の点を除いて、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0086】
コンテンツ指定部201、タッチパネル208及びディスプレイ209と、表示制御装置110及び操作情報生成部205とは、サーバインタフェース部202及び端末インタフェース部502を介して、情報を授受する。
【0087】
例えば、コンテンツ指定部201、タッチパネル208及びディスプレイ209は、サーバインタフェース部202に対して、表示制御装置110及び操作情報生成部205に対する入出力を実行する。サーバインタフェース部202は、コンテンツ指定部201、タッチパネル208及びディスプレイ209に対する入出力と端末インタフェース部502に対する送受信とを中継する。
【0088】
また、表示制御装置110及び操作情報生成部205は、端末インタフェース部502に対して、コンテンツ指定部201、タッチパネル208及びディスプレイ209に対する入出力を実行する。端末インタフェース部502は、表示制御装置110及び操作情報生成部205に対する入出力と、サーバインタフェース部202に対する送受信とを中継する。
【0089】
以上の点が、コンテンツ指定部201、タッチパネル208、ディスプレイ209、表示制御装置110及び操作情報生成部205の第1の実施形態で説明したものと異なる点である。
【0090】
次に、本実施形態における、サーバインタフェース部202及び端末インタフェース部502の動作の一例を説明する。
【0091】
端末230のサーバインタフェース部202は、例えば、端末230のコンテンツ指定部201が出力したコンテンツ情報を受け取り、これを端末インタフェース部502に送信する。
【0092】
次に、端末インタフェース部502は、端末230のサーバインタフェース部202から受信したコンテンツ情報を表示内容制御部103に出力する。
【0093】
次に、端末インタフェース部502は、出力したコンテンツ情報に応答して表示内容制御部103がディスプレイ209に出力する、ディスプレイ209にコンテンツを表示させる、情報を受け取る。
【0094】
次に、端末インタフェース部502は、表示内容制御部103から受け取った、ディスプレイ209にコンテンツを表示させる情報を、端末240及び端末250のサーバインタフェース部202に送信する。
【0095】
次に、端末240及び端末250それぞれのサーバインタフェース部202は、受け取ったディスプレイ209にコンテンツを表示させる情報に基づいて、端末240及び端末250それぞれのディスプレイ209にコンテンツを表示させる。
【0096】
以上が、本実施形態における、サーバインタフェース部202及び端末インタフェース部502の動作の一例を説明である。サーバインタフェース部202及び端末インタフェース部502は、周知の技術で実現されるため、他の動作の例については、説明を省略する。
【0097】
上述した本実施形態における第1の効果は、第1の実施の形態の効果に加えて、3以上の端末で同じコンテンツを共有して作業する場合にも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる点である。
【0098】
その理由は、端末にサーバインタフェース部202を備え、サーバ500に端末インタフェース部502を備え、サーバ500を介してコンテンツ情報や操作情報を複数の端末に配信するようにしたからである。
【0099】
上述した本実施形態における第2の効果は、端末の処理負荷を軽減することが可能になる点である。
【0100】
その理由は、端末にサーバインタフェース部202を備え、サーバ500に端末インタフェース部502及び表示制御装置110を備え、サーバ500側で表示内容制御部103及びコンテンツ拡大率算出部106の処理を実行するようにしたからである。
【0101】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0102】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る表示制御装置130の構成を示すブロック図である。
【0103】
本実施形態の表示制御装置130は、第1の実施形態の表示制御装置110に比べて、他者文字サイズ測定部304を更に含む点が異なる。また、本実施形態の表示制御装置130は、第1の実施形態の表示制御装置110に比べて、コンテンツ拡大率算出部106に替えてコンテンツ拡大率算出部306を含む点が異なる。
【0104】
コンテンツ拡大率算出部306は、操作情報生成部205から拡大率要求を受け取ると、他者文字サイズ測定部304に対し、他者文字サイズ要求を出力する。
【0105】
また、コンテンツ拡大率算出部306は、他者文字サイズ測定部304から受け取った他者文字サイズ情報を基準文字サイズ情報とし、表示拡大率を算出する。
【0106】
尚、コンテンツ拡大率算出部306は、他者文字サイズ測定部304から他者文字サイズ情報を受け取れなかった場合、予め定められた値を基準文字サイズ情報として使用するようにしてもよい。
【0107】
また、コンテンツ拡大率算出部306は、他者文字サイズ測定部304から他者文字サイズ情報を受け取れなかった場合、表示内容制御部103を介して、他者文字サイズ不明を示す情報を図示しないディスプレイに表示させる。この場合、例えば、表示制御装置130を搭載した端末の操作者は、図示しない手段により任意の拡大率でコンテンツを表示させるようにしてもよい。
【0108】
他者文字サイズ測定部304は、他者文字サイズ要求を受け取ると、コンテンツ上に存在する他の操作者の手書き文字のサイズを、測定する。次に、他者文字サイズ測定部304は、測定した他の操作者の手書き文字のサイズを他者文字サイズ情報として、コンテンツ拡大率算出部306に出力する。尚、他者文字サイズ測定部304は、コンテンツ上に他の操作者の手書き文字を検出できなかった場合、他者文字サイズ情報の提供不可を示す情報をコンテンツ拡大率算出部306に出力する。
【0109】
他者文字サイズ測定部304は、例えば、コンテンツに含まれる操作者の手書き文字であることを示すメタ情報を参照して他の操作者の手書き文字を検出する。尚、他者文字サイズ測定部304は、画像認識処理により手書き文字を検出するようにしてもよい。
【0110】
他者文字サイズ測定部304は、コンテンツ上に複数の他の操作者が文字を書き込んでいる場合、それら複数の他の操作者が書き込んだ文字の大きさを測定し、その複数の測定値の平均値を他者文字サイズ情報とする。
【0111】
次に、本実施形態の動作について、図9及び図10を参照して詳細に説明する。
【0112】
本実施形態における動作は、第1の実施形態の動作を示すフローチャートである図6に示すフローチャートのS121が、図10に示すフローチャートのS201〜S225に置き換わる。
【0113】
図10は、本実施形態における、表示拡大率を算出する動作を示すフローチャートである。
【0114】
コンテンツ拡大率算出部306は、操作情報生成部205から拡大率要求を受けると、他者文字サイズ測定部304に対し、他者文字サイズ要求を出力する(S201)。
【0115】
次に、他者文字サイズ測定部304は、表示中のコンテンツのページ上に他者が書いた文字が存在するか否かを確認する(S203)。
【0116】
他者が書いた文字が存在する場合(S203でYES)、処理はS221へ進む。
【0117】
他者が書いた文字が存在しない場合(S203でNO)、他者文字サイズ測定部304は、そのコンテンツの表示していないページに他者が書いた文字が存在するか否かを確認する(S205)。
【0118】
他者が書いた文字が存在する場合(S205でYES)、処理はS221へ進む。
【0119】
他者が書いた文字が存在しない場合(S205でNO)、他者文字サイズ測定部304は、他者文字サイズ情報の提供不可を示す情報をコンテンツ拡大率算出部306に出力する(S207)。
【0120】
次に、コンテンツ拡大率算出部306は、表示内容制御部103を介して、他者文字サイズ不明を示す情報を図示しないディスプレイに表示させる(S209)。
【0121】
S221において、他者文字サイズ測定部304は、その他者が書いた文字のサイズを測定する(S221)。
【0122】
次に、他者文字サイズ測定部304は、測定した文字のサイズを他者文字サイズ情報として、コンテンツ拡大率算出部306に出力する(S223)。
【0123】
次に、コンテンツ拡大率算出部306は、他者文字サイズ測定部304から受け取った他者文字サイズ情報を基準文字サイズ情報とし、この基準文字サイズ情報及び手書き文字サイズ情報とに基づいて、表示拡大率を算出する(S225)。そして、処理は終了する。
【0124】
以上が、本実施形態の動作の説明である。
【0125】
本実施形態の表示制御装置130は、第1の実施形態の表示制御装置110に替えて、コンテンツ共有システム190及びコンテンツ共有システム290に適用してもよい。
【0126】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態及び第2の実施形態の効果に加えて、コンテンツ上に最初に入力された手書き文字のサイズを基準文字サイズとすることを可能にする点である。
【0127】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に他者文字サイズ測定部304がコンテンツ上に存在する他の操作者の手書き文字のサイズを測定し、他者文字サイズ情報を出力する。第2に、コンテンツ拡大率算出部306は、他者文字サイズ情報を基準文字サイズ情報とし、表示拡大率を算出する。
【0128】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0129】
図11は、本発明の第4の実施形態に係る表示制御装置140の構成を示すブロック図である。
【0130】
本実施形態の表示制御装置140は、第1の実施形態の表示制御装置110に比べて、手書き文字サイズ測定部404を更に含む点が異なる。また、本実施形態の表示制御装置140は、第1の実施形態の表示制御装置110に比べて、コンテンツ拡大率算出部106に替えてコンテンツ拡大率算出部406を含む点が異なる。
【0131】
手書き文字サイズ測定部404は、図11には図示しない操作情報生成部から操作情報を取得し、取得した操作情報に基づいて図11には図示しないタッチパネルに書かれた文字の大きさを計測する。
【0132】
次に、手書き文字サイズ測定部404は、計測した文字の大きさを手書き文字サイズ情報としてコンテンツ拡大率算出部406に出力する。
【0133】
手書き文字サイズ測定部404は、例えば、表示制御装置140が動作を開始した後、初めて操作者が手書き文字を入力した場合に文字の大きさを計測する。
【0134】
尚、手書き文字サイズ測定部404は、例えば、コンテンツ拡大率算出部406からの手書き文字サイズ情報要求を受け取った場合に、手書きされた文字の大きさを計測するようにしてもよい。この場合、コンテンツ拡大率算出部406は、操作情報生成部から拡大率要求を受け取った場合に、手書き文字サイズ測定部404に対し、手書き文字サイズ情報要求を出力するようにしてもよい。同時に、コンテンツ拡大率算出部406は、表示内容制御部103を介して図11には図示しないディスプレイに手書き文字入力要求を表示させるようにしてもよい。
【0135】
コンテンツ拡大率算出部406は、例えば、コンテンツ拡大率算出部406内の図示しない記憶手段に、受け取った手書き文字サイズ情報を保持する。
【0136】
本実施形態の表示制御装置140は、第1の実施形態の表示制御装置110に替えて、コンテンツ共有システム190及びコンテンツ共有システム290に適用してもよい。
【0137】
上述した本実施形態における効果は、第1の実施形態及び第2の実施形態の効果に加えて、手書き文字サイズ情報を容易に取得することを可能にする点である。
【0138】
その理由は、手書き文字サイズ測定部404が、操作者が手書きした文字の大きさを計測するようにしたからである。
【0139】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0140】
本発明の第5の実施形態は、タブレット端末で動作する、コンテンツ共有システムである。
【0141】
本システムにおいて、ユーザ(操作者)は、タッチパネル付きディスプレイを備えるタブレット端末を使用して、プレゼンテーションの原稿を表示し、その原稿にコメントを記入するために、タッチペンを用いて手書き文字を入力する。
【0142】
図12は、本実施形態に係るコンテンツ共有システム590の構成を示すブロック図である。
【0143】
図12に示すように本実施形態に係るコンテンツ共有システム590は、タブレット端末260及びタブレット端末270を含む。タブレット端末260とタブレット端末270とは、インターネット310を介して、接続される。
【0144】
タブレット端末260とタブレット端末270とは、コンテンツ指定プログラム601と表示内容制御プログラム603と文字サイズ測定プログラム604と操作情報生成プログラム605とコンテンツ拡大率算出プログラム606とを含む。尚、タブレット端末260とタブレット端末270とは、タッチパネル付きディスプレイ(図示しない)を備えている。
【0145】
上述の各プログラムは、タブレット端末260及びタブレット端末270それぞれが備えるハードディスク(図示しない)に格納される。これらの各プログラムは、タブレット端末260及びタブレット端末270が備えるCPU(図示しない)によって、メモリ(図示しない)上に展開され、実行される。また、タッチパネル式ディスプレイは、データの表示機能と入力機能を備えている。タッチパネル式ディスプレイと、コンテンツ指定プログラム601、表示内容制御プログラム603、文字サイズ測定プログラム604及び操作情報生成プログラム605との間で、データの入出力が行われる。
【0146】
コンテンツ指定プログラム601、表示内容制御プログラム603及び操作情報生成プログラム605それぞれは、第1の実施形態のコンテンツ指定部201、表示内容制御部203及び操作情報生成部205それぞれに対応する。
【0147】
コンテンツ拡大率算出プログラム606は、第1の実施形態のコンテンツ拡大率算出部106に対応し、更に第3の実施形態のコンテンツ拡大率算出部306と第4の実施形態のコンテンツ拡大率算出部406との両方の機能を含む。
【0148】
文字サイズ測定プログラム604は、第3の実施形態の他者文字サイズ測定部304及び手書き文字サイズ測定部404に対応する。
【0149】
タッチパネル付きディスプレイは、第1の実施形態のタッチパネル208及びディスプレイ209に対応する。
【0150】
次に、ユーザの操作と関連付け、具体的な例を示して本実施形態の動作を説明する。
【0151】
タブレット端末260において、ユーザによりコンテンツ共有アプリケーションを起動されると、文字サイズ測定プログラム604は、手書き文字サイズ情報を生成する。
【0152】
例えば、文字サイズ測定プログラム604は、表示内容制御部103を介してディスプレイ(図示しない)に、タッチパネル上に3つのサンプル文字「あ」「A」「有」を手書きすることの要求を表示させる。
【0153】
ユーザがタッチパネル上にサンプル文字を書くと、文字サイズ測定プログラム604は、3つの文字の大きさを測定し、その測定値の平均値を算出する。次に、文字サイズ測定プログラム604は、例えば、文字の縦サイズの平均値が2センチメートルであった場合、手書き文字サイズ情報として「2センチメートル」を図示しない記憶手段に記録する。
【0154】
同様にして、タブレット端末270において、ユーザによりコンテンツ共有アプリケーションを起動されると、文字サイズ測定プログラム604は、手書き文字サイズ情報を生成する。文字サイズ測定プログラム604は、例えば、文字の縦サイズの平均値が1.5センチメートルであった場合、手書き文字サイズ情報として「1.5センチメートル」を図示しない記憶手段に記憶する。
【0155】
次に、タブレット端末260を利用するユーザにより、タブレット端末260内の図示しない記憶手段に記録された文書ファイルを指定されると、コンテンツ指定プログラム601は、指定された文書ファイルを確認して、文書ファイルの保存先を含むコンテンツ情報を表示内容制御プログラム603に渡す。尚、本説明では、ユーザが指定した文書ファイルは、1ページの文書ファイルであり、この時点で、手書き文字は含まれていないものとする。
【0156】
次に、表示内容制御プログラム603は、コンテンツ指定プログラム601からコンテンツ情報を受け取ると、タブレット端末260のディスプレイの画面サイズにあわせて、文書ファイルをタッチパネル付きディスプレイの表示領域内に表示させる。例えば、ディスプレイの画面サイズが原寸の文書ファイルの80%の大きさであった場合、表示内容制御プログラム603は、原寸大の表示ではなく、原寸の80%のサイズで文書ファイルを表示させる。
【0157】
次に、表示内容制御プログラム603は、タブレット端末270に対して、コンテンツ情報を送信する。
【0158】
次に、コンテンツ情報を受け取ったタブレット端末270の表示内容制御プログラム603は、同様にして、コンテンツ情報で指定される文書ファイルをタッチパネル付きディスプレイの表示領域内に表示させる。
【0159】
次に、タブレット端末260のユーザがコンテンツの拡大表示を指示する操作を行うと、操作情報生成プログラム605は、手書き入力のためのコンテンツの拡大指示であると判断し、コンテンツ拡大率算出プログラム606に、拡大率要求を出力する。
【0160】
コンテンツ拡大率算出プログラム606は、操作情報生成プログラム605から拡大率要求を受けると、文字サイズ測定プログラム604が生成した手書き文字サイズ情報と基準文字サイズ情報とに基づいて、表示拡大率を算出する。
【0161】
ここで、ユーザが指定した文書ファイルは、1ページの文書ファイルであり、この時点で、手書き文字は含まれていないため、コンテンツ拡大率算出プログラム606は、予め定められた値を基準文字サイズとして使用する。例えば、予め定められた値(即ち、基準文字サイズ)は、「1センチメートル」であるとする。
【0162】
コンテンツ拡大率算出プログラム606は、例えば、手書き文字サイズ情報(「2センチメートル」)を基準文字サイズ(「1センチメートル」)で除し、表示拡大率(「2(200%)」)を算出する。
【0163】
次に、コンテンツ拡大率算出プログラム606は、算出した表示拡大率を拡大率情報として表示内容制御プログラム603に出力する。
【0164】
次に、表示内容制御プログラム603は、受け取った拡大率情報(「2」)に基づいて、表示中のコンテンツを2倍のサイズでディスプレイに表示させる。
【0165】
次に、タブレット端末260のユーザが文字を書き込む操作を行うと、操作情報生成プログラム605は、操作情報を生成して表示内容制御部203に出力する。
【0166】
次に、タブレット端末260の表示内容制御プログラム603は、受け取った操作情報に基づいて、タッチパネル付きディスプレイに手書き文字を表示させる。同時に、表示内容制御プログラム603は、操作情報をタブレット端末270に送信する。
【0167】
タブレット端末270の表示内容制御プログラム603は、受け取った操作情報に基づいて、タッチパネル付きディスプレイに手書き文字を表示させる。
【0168】
次に、タブレット端末270のユーザがコンテンツの拡大表示を指示する操作を行うと、操作情報生成プログラム605は、手書き入力のためのコンテンツの拡大指示であると判断し、コンテンツ拡大率算出プログラム606に、拡大率要求を出力する。
【0169】
コンテンツ拡大率算出プログラム606は、操作情報生成プログラム605から拡大率要求を受け取ると、文字サイズ測定プログラム604が生成した手書き文字サイズ情報と基準文字サイズ情報とに基づいて、表示拡大率を算出する。
【0170】
具体的には、拡大率要求を受け取ると、コンテンツ拡大率算出プログラム606は、文字サイズ測定プログラム604に対し、他者文字サイズ要求を出力する。
【0171】
次に、文字サイズ測定プログラム604は、コンテンツ上に存在するタブレット端末260のユーザの手書き文字の、原寸大のコンテンツにおけるサイズ(「1センチメートル」)を、測定する。次に、文字サイズ測定プログラム604は、測定した手書き文字のサイズを他者文字サイズ情報として、コンテンツ拡大率算出部306に出力する。
【0172】
コンテンツ拡大率算出プログラム606は、例えば、手書き文字サイズ(「1.5センチメートル」)を基準文字サイズ(他者文字サイズ(「1センチメートル」)で除し、表示拡大率(「1.5」)を算出する。次に、コンテンツ拡大率算出プログラム606は、算出した表示拡大率を表示内容制御プログラム603に出力する。
【0173】
そして、表示内容制御プログラム603は、表示中のコンテンツを1.5倍の拡大率でディスプレイに表示させる。具体的には、ユーザによるコンテンツの拡大表示を指示する操作が、タッチパネル付きディスプレイの特定の点にタッチペンを3秒程度接触させる操作であれ場合、表示内容制御プログラム603は、その特定の点を中心に、コンテンツを原寸の1.5倍のサイズで表示しなおす。
【0174】
以上に述べたように、本実施形態のタブレット端末260及びタブレット端末270は、例えば、ユーザがタッチパネル上を一定時間押下しただけで、表示しているコンテンツを適切なサイズで拡大表示させることができる効果を有する。この場合、適切なサイズとは、他者が書いた文字のサイズが、そのユーザが普段書きなれている大きさの、文字のサイズと同一になるような拡大率でコンテンツを表示した場合のサイズである。
【0175】
その理由は、文字サイズ測定プログラム604が測定した、他者の書いた文字のサイズを基準文字サイズとして、コンテンツ拡大率算出プログラム606が表示拡大率を算出するようにしたからである。
【0176】
以上、各実施の形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0177】
以上の各実施形態で説明した各構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はない。例えば、各構成要素は、複数の構成要素が1個のモジュールとして実現されたり、一つの構成要素が複数のモジュールで実現されたりしてもよい。また、各構成要素は、ある構成要素が他の構成要素の一部であったり、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していたり、といったような構成であってもよい。
【0178】
また、以上説明した各実施形態では、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0179】
さらに、以上説明した各実施形態では、複数の動作は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。例えば、ある動作の実行中に他の動作が発生したり、ある動作と他の動作との実行タイミングが部分的に乃至全部において重複していたりしていてもよい。
【0180】
さらに、以上説明した各実施形態では、ある動作が他の動作の契機になるように記載しているが、その記載はある動作と他の動作の全ての関係を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の関係は内容的に支障のない範囲で変更することができる。また各構成要素の各動作の具体的な記載は、各構成要素の各動作を限定するものではない。このため、各構成要素の具体的な各動作は、各実施形態を実施する上で機能的、性能的、その他の特性に対して支障をきたさない範囲内で変更されて良い。
【0181】
尚、以上説明した各実施形態における各構成要素は、必要に応じ可能であれば、ハードウェアで実現されても良いし、ソフトウェアで実現されても良いし、ハードウェアとソフトウェアの混在により実現されても良い。
【0182】
また、各構成要素の物理的な構成は、以上の実施形態の記載に限定されることはなく、独立して存在しても良いし、組み合わされて存在しても良いしまたは分離して構成されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明は、タッチパネルを搭載した、電話機などの通信機器、パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのコンピュータ、テレビやゲーム機などの家電機器などを、利用して、コンテンツの表示・コンテンツへの描画を共有するシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0184】
103 表示内容制御部
106 コンテンツ拡大率算出部
110 表示制御装置
111 表示制御装置
130 表示制御装置
140 表示制御装置
161 文字サイズ情報
162 基準文字サイズ情報
190 コンテンツ共有システム
201 コンテンツ指定部
202 サーバインタフェース部
203 表示内容制御部
205 操作情報生成部
208 タッチパネル
209 ディスプレイ
210 端末
220 端末
230 端末
240 端末
250 端末
251 操作情報
260 タブレット端末
270 タブレット端末
290 コンテンツ共有システム
300 通信路
304 他者文字サイズ測定部
306 コンテンツ拡大率算出部
310 インターネット
404 文字サイズ測定部
406 コンテンツ拡大率算出部
410 端末
420 端末
430 端末
500 サーバ
502 端末インタフェース部
590 コンテンツ共有システム
601 コンテンツ指定プログラム
603 表示内容制御プログラム
604 文字サイズ測定プログラム
605 操作情報生成プログラム
606 コンテンツ拡大率算出プログラム
710 CPU
720 不揮発性記憶部
730 記憶部
750 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力するコンテンツ拡大率算出手段と、
前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる表示内容制御手段とを含む
表示制御装置。
【請求項2】
前記コンテンツ拡大率算出手段は、前記基準文字サイズ情報が示す文字のサイズと、前記手書き文字サイズ情報が示す文字のサイズで、前記表示拡大率で表示された前記コンテンツに手書きされた文字のサイズを原寸大の前記コンテンツ上の文字のサイズに換算したサイズとが、前記原寸大のコンテンツにおいて同一のサイズになるように前記表示拡大率を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
第2の操作者によって前記コンテンツに書き込まれた手書き文字のサイズに基づいて、前記基準文字サイズ情報を生成する他者文字サイズ測定手段を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の表示制御装置。
【請求項4】
複数の第2の操作者によって前記コンテンツに書き込まれた、複数の手書き文字のサイズの平均値に基づいて、前記基準文字サイズ情報を生成する他者文字サイズ測定手段を有する
ことを特徴とする請求項3記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第1の操作者によって前記コンテンツに書き込まれた手書き文字のサイズに基づいて、前記手書き基準文字サイズ情報を生成する手書き文字サイズ測定手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記第1の操作者による手書き文字入力の開始操作に基づいて、前記コンテンツ拡大率算出手段に表示拡大率を算出することを要求する操作情報生成手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の表示制御装置と、
前記ディスプレイと、
前記手書き文字を入力するタッチパネルと、
前記タッチパネルに対する、前記第1の操作者の操作の内容を示す操作情報を生成する操作情報生成手段と、を含む
システム
【請求項8】
コンピュータが、
原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力し、
前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる
表示制御方法。
【請求項9】
原寸大のコンテンツにおける基準の手書き文字のサイズを示す基準文字サイズ情報と第1の操作者の手書き文字のサイズを示す手書き文字サイズ情報とに基づいて、ディスプレイに表示する、前記第1の操作者が閲覧する、コンテンツの表示拡大率を算出し、出力する処理と、
前記表示拡大率に基づいた大きさで前記ディスプレイに前記コンテンツを表示させる処理とを
コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−252459(P2012−252459A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123557(P2011−123557)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】