説明

表示制御装置、画像処理装置、表示制御プログラム、及び、画像処理プログラム

【課題】表示部に順次表示される画像群の中で、所定の画像を際立たせることができる表示制御装置、画像処理装置、表示制御プログラム、及び、画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る表示制御装置は、複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像を所定の表示順序で表示部に表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示部に表示する前記複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施してから前記表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、画像処理装置、表示制御プログラム、及び、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像を連続的に表示する画像表示方法において、関連する複数の画像を抽出するための関連画像抽出工程と、前記関連画像抽出工程が抽出した画像のおのおのと関連付けられた撮影情報を取得する撮影情報取得工程と、前記撮影情報取得工程が取得した各画像の撮影情報に基づいて個々の画像の表示形態を判断する表示形態判断工程とを備える画像表示方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−42256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された画像表示方法では、複数の画像からなる画像群においてユーザの興味を引く画像等の所定の画像を際立たせることはできない。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、表示部に順次表示される画像群の中で、所定の画像を際立たせることができる表示制御装置、画像処理装置、表示制御プログラム、及び、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像を所定の表示順序で表示部に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する前記複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施してから前記表示部に表示する。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る画像処理装置は、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施す画像処理手段と、
を備える。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る表示制御プログラムは、
コンピュータを、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像を所定の表示順序で表示部に表示する表示制御手段と、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する前記複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施してから前記表示部に表示する。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る画像処理プログラムは、
コンピュータを、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施す画像処理手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示制御装置、画像処理装置、表示制御プログラム、及び、画像処理プログラムによれば、表示部に順次表示される画像群の中で、所定の画像を際立たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示制御装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が行う画像処理情報生成処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が生成した画像処理情報の内容の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示制御装置が行う表示制御処理のフローチャートである。
【図7】(a)は、表示部にスライドショー表示される画像群を構成する各画像(画風を変更する画像にあっては、変更される前の元画像)の一部を表す。(b)は、表示部に表示する表示順序と、表示順序に応じて画風を変更する際の変更度Pとの関係を示した一例のグラフである。(c)は、元画像のうちの主要被写体である人に着目して、どの画像について画像処理が施されるかを説明するための図である。
【図8】(a)及び(b)は、表示部に表示する画像の表示順番と、表示順番に応じて画風を変更する際の変更度Pとの関係を示した他の例のグラフである。
【図9】(a)乃至(c)は、表示部に表示する画像の表示順番と、表示順番に応じて画風を変更する際の変更度Pとの関係を示した他の例のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る表示制御装置を、図面を参照して説明する。
【0013】
なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。下記の実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0014】
まず、本実施形態に係る表示制御装置100の構成を図1乃至図3を参照して説明する。
【0015】
本実施形態に係る表示制御装置100は、デジタル写真を表示するデジタルフォトスタンド(表示装置の一例)である。表示制御装置100は、図1に示すように、フォトフレーム(写真立て)を模した筐体に表示パネル(表示部140)を組み込んで、デジタルデータ(画像データ)による写真画像などを表示する機能を有する。
【0016】
表示制御装置100は、図2のように、制御部110と、記憶部120と、操作部130と、表示部140と、読出・書込部150と、を備える。
【0017】
制御部110は、表示制御装置100全体を制御する。制御部110は、画像データ取得部110aと表示制御部110bと画像処理情報生成部110cとを備える。画像データ取得部110aと表示制御部110bとは、後述の表示制御処理を行う。画像処理情報生成部110cは、後述の画像処理情報生成処理を行う。
【0018】
制御部110(特に、画像データ取得部110a、表示制御部110b、画像処理情報生成部110c)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)111とRAM(Random Access Memory)112とを含んで構成される(図3参照)。
【0019】
CPU111は、制御プログラム122に従って、表示制御装置100全体を制御するとともに、画像データ取得部110a及び表示制御部110bが行う後述の表示制御処理、画像処理情報生成部110cが行う画像処理情報生成処理を行う。制御プログラム122は、後述のハードディスク121に記録され、所定のタイミングでRAM112に読み出される。CPU111は、RAM112に読み出された制御プログラム122の指令に基づいて前記の処理を行う。制御部110(画像データ取得部110a、表示制御部110b、画像処理情報生成部110c)の少なくとも一部は、各種専用回路(例えば画像データを圧縮するエンコーダ、画像データを伸長するデコーダ等)によって構成されてもよい。この場合、各種専用回路がCPU111が行う処理の一部を行う。
【0020】
RAM112は、CPU111のワーキングメモリ等として機能する。CPU111が処理中に使用するデータ及び生成したデータはRAM112に一時記録される。CPU111に入出力されるデータはRAM112に一時記録される。
【0021】
記憶部120は、制御部110が処理中に使用する又は生成したデータ、制御部110が記憶媒体50から読み出した画像データ等を適宜記憶する。また、記憶部120は、画像処理情報123を記憶する。記憶部120は、例えば、ハードディスク121を含んで構成される(図3参照)。ハードディスク121には、上記データ(画像処理情報123等)、制御プログラム122等が記録される。記憶部120は、フラッシュメモリ等の他の記憶装置を含んで構成されてもよい。
【0022】
操作部130は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号を制御部110に供給する。操作部130は、例えば、入力キー131を含んで構成される(図3参照)。入力キー131は、ユーザからの押圧操作に応じたオン信号等を操作信号として出力する。入力キー131は、例えば、所定の機能を有するキーとして機能する1以上のキーによって構成される。
【0023】
表示部140は、制御部110から供給された表示用データ等に基づいて、画像、操作画面等を表示する。表示部140は、例えば、駆動回路141と表示パネル142とを含んで構成される(図3参照)。駆動回路141には、CPU111の制御のもと、表示用データが供給される。駆動回路141は、供給された表示用データに基づいて表示パネル142を駆動し、表示パネル142に表示用データが表す画像、操作画面等を表示させる。表示パネル142は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等によって構成される。
【0024】
読出・書込部150は、記憶媒体50に対してデータ(例えば画像データ)を読み書きする。読出・書込部150は、例えば、メディアコントローラ151によって実現される。メディアコントローラ151は、メモリカード51に対してデータを読み書きする。
【0025】
記憶媒体50は、各種のデータを記憶する。記憶媒体50は、デジタルカメラが撮影した撮影画像(例えばデジタル写真)を表すデータである画像データを記録する。記憶媒体50は、メモリカード51によって実現される。メモリカード51は、フラッシュメモリ等のメモリを使用したものであり、各種のデータを記憶する。記憶媒体50は、例えば、MD(MD:Mini Disc〜商標),CD(Compact Disk),DVD(Digital Versatile Disk),MO(Magneto Optical disk)であってもよい。
【0026】
次に、表示制御装置100の動作について説明する。なお、ここでは、記憶媒体50に所定数の画像データによって構成されるグループ(画像データ群)がグループ毎に記録されているものとする。なお、以下では、画像データ群を構成する各画像データが表す各画像の集合を画像群と呼ぶ。画像データ群は、例えば、連続的な撮影(連写撮影)によって得られた連続的な静止画像をそれぞれ表す複数の静止画像データ(連写撮影データ)である。各画像データ群は、それぞれ、例えば、画像データ群を特定できる識別データ(例えば、ID情報のデータ)とともに記憶媒体50に記録されているものとする。また、画像データ群の各画像データがそれぞれ表す画像の表示順序は予め設定されているものとする。この表示順序を特定するデータ(表示順序データ)も、画像データ群とともに記憶媒体50に記録されているものとする。さらに、画像データ群が連写撮影データで有る場合には、その旨を示すデータが画像データ群に含まれるものとする。このようなデータは、連写撮影によって、連写撮影データが生成されるときに適宜生成される。
【0027】
まず、表示制御装置100が行う画像処理情報生成処理を、図4を参照して説明する。この画像処理情報生成処理は、ユーザが操作部130を操作し、画像処理情報の生成モードを指定するとともに、処理対象となる画像群を指定したときを契機として開始する。なお、この画像処理情報生成処理は、処理中であっても、ユーザが操作部130を操作し、他のモードを指定したとき等を契機として終了するものとする。
【0028】
画像処理情報生成処理が開始されると、画像データ取得部110aは、読出・書込部150を介して記憶媒体50からユーザに指定された画像群を表す画像データ群を構成する各画像データを順次取得するとともにこの画像群データの識別データ及び表示順序データを取得する。画像データ取得部110aは、読出・書込部150を介して記憶媒体50から画像データを読み出し、RAM112に保持することによって、画像データを取得する。画像データ取得部110aは、読出・書込部150を介して記憶媒体50から識別データ及び表示順序データを読み出し、RAM112に保持することによって、識別データ及び表示順序データを取得する。
【0029】
画像処理情報生成部110cは、画像データ取得部110aが順次取得した各画像データに基づいて、例えば、各画像データが表す各画像(画像群を構成する各画像)の縮小画像を組み込んだ画像(画像選択用画像)を表す表示用データを生成する。画像処理情報生成部110cは、生成した表示用データを表示部140に供給し、この表示用データが表す画像選択用画像を表示部140に表示する(ステップS101)。この画像選択用画像の表示によって、画像群のうちの一の画像の選択がユーザに促される。なお、画像処理情報生成部110cは、画像データ取得部110aが取得した表示順序データを用いて、一の画像が選択された場合でも、この選択された画像の表示の順番を特定できるように、画像選択用画像を表示部140に表示するものとする。なお、ユーザが選択する一の画像は、ユーザが画風を変化させて表示部140に表示させたい画像(例えば、画像群の中のうちのユーザが興味を持った画像)であり、以下では、この画像をクライマックスシーンと呼ぶ。
【0030】
次に、画像処理情報生成部110cは、ユーザがクライマックスシーンを選択したかを判別する(ステップS102)。ユーザが操作部130を操作し、クライマックスシーンを選択すると、操作部130は、この選択に応じた操作信号を画像処理情報生成部110cに供給する。画像処理情報生成部110cは、このような操作信号が供給されていなければ、ユーザがクライマックスシーンを選択していないと判別し(ステップS102;NO)、再びステップS102の処理を行う。このようにして、画像処理情報生成部110cは、ユーザがクライマックスシーンを選択するまで待機する。一方、画像処理情報生成部110cは、前記の操作信号が供給されていれば、ユーザがクライマックスシーンを選択したと判別し(ステップS102;YES)、クライマックスシーンとして選択された画像(つまり、クライマックスシーンとして特定された画像)の表示の順番を示すデータを生成し、保持(RAM112に一時記録)する(ステップS103)。このようにして、画像処理情報生成部110cは、クライマックスシーンを特定する。画像処理情報生成部110cは、画像選択用画像内の各画像の表示の順番を特定できるので、特定された画像の表示の順番を示すデータを生成できる。
【0031】
次に、画像処理情報生成部110cは、画風の選択を促す画像(画風選択用画像)を表す表示用データを生成する。画風の種類は、予め決められており、表示制御装置100が画像処理できる画風の種類である。この表示用データの元となる画像データ(テンプレートの画像データ)は、記憶部120に記録されているものとし、画像処理情報生成部110cは、記憶部120からこの画像データを取得して、前記表示用データを生成する。画像処理情報生成部110cは、生成した表示用データを表示部140に供給し、この表示用データが表す画風選択用画像を表示部140に表示する(ステップS104)。この画像選択用画像の表示によって、表示制御装置100が扱うことのできる画風の種類のうちの一の画風の選択がユーザに促される。
【0032】
次に、画像処理情報生成部110cは、ユーザが画風を選択したかを判別する(ステップS105)。ユーザが操作部130を操作し、画風を選択すると、操作部130は、この選択に応じた操作信号を画像処理情報生成部110cに供給する。画像処理情報生成部110cは、このような操作信号が供給されていなければ、ユーザが画風を選択していないと判別し(ステップS105;NO)、再びステップS105の処理を行う。このようにして、画像処理情報生成部110cは、ユーザが画風を選択するまで待機する。一方、画像処理情報生成部110cは、前記の操作信号が供給されていれば、ユーザが画風を選択したと判別し(ステップS105;YES)、選択された画風を示すデータを生成し、保持する(ステップS106)。
【0033】
次に、画像処理情報生成部110cは、クライマックスシーンから前後何枚(ここで、前後とは、前のみ、後ろのみ適宜含む。)の画像の画風を変更するかの範囲の指定を促す画像(範囲指定用画像)を表す表示用データを生成する。範囲指定用画像は、予め定められた複数の範囲の中から一の範囲を選択させる画像であってもよいし、範囲の枚数(例えば、前後10枚等)を直接ユーザに入力させるような画像であってもよい。この表示用データの元となる画像データ(テンプレートの画像データ)は、記憶部120に記録されているものとし、画像処理情報生成部110cは、記憶部120からこの画像データを取得して、前記表示用データを生成する。画像処理情報生成部110cは、生成した表示用データを表示部140に供給し、この表示用データが表す範囲指定用画像を表示部140に表示する(ステップS107)。この範囲指定用画像の表示によって、クライマックスシーンから前後何枚の画像の画風を変更するかの範囲の指定がユーザに促される。
【0034】
次に、画像処理情報生成部110cは、ユーザが前記の範囲を指定したかを判別する(ステップS108)。ユーザが操作部130を操作し、前記の範囲を選択すると、操作部130は、この指定に応じた操作信号を画像処理情報生成部110cに供給する。画像処理情報生成部110cは、このような操作信号が供給されていなければ、ユーザが前記の範囲を指定していないと判別し(ステップS108;NO)、再びステップS108の処理を行う。このようにして、画像処理情報生成部110cは、ユーザが前記の範囲を指定するまで待機する。一方、画像処理情報生成部110cは、前記の操作信号が供給されていれば、ユーザが前記の範囲を指定したと判別し(ステップS108;YES)、指定された範囲を示すデータを生成し、保持する(ステップS109)。
【0035】
次に、画像処理情報生成部110cは、上記の処理で保持した、クライマックスシーンの表示の順番を示すデータ、画風を示すデータ、範囲を示すデータ、及び、画像データ取得部110aが保持する識別データに基づいて、画像処理情報123を生成し、記憶部120に記録する。
【0036】
なお、上記では、画像処理情報生成部110cは、画像選択用画像を表示部140に表示することによって、ユーザにクライマックスシーンの選択を促していたが、処理対象となる画像群を構成する各画像を表示順序データが示す表示順序に従って表示部140に順次表示し、ユーザにクライマックスシーンの選択を促してもよい。この場合、画像処理情報生成部110cは、画像データ取得部110aが順次取得した画像データに基づいて、順次表示用データを生成し、表示部140に供給し、各画像データが表す画像を順次表示部140に表示する。ユーザは、クライマックスシーンとしたい画像が表示部140に表示されたときに操作部130を操作する。この操作に応じた操作信号が操作部130から供給されたときに表示部140に表示している画像をクライマックスシーンとして特定し、この画像の表示の順番に基づいて、クライマックスシーンとして選択された画像の表示の順番を示すデータを生成する。
【0037】
また、画像処理情報生成部110cは、上記では、ユーザが選択した画像をクライマックスシーンとして特定したが、画像処理情報生成部110cは、例えば、特開2006−279939号等に記載された技術(連続して撮像された画像の中からユーザが鑑賞を欲する画像(クライマックスシーンに相当)を抽出する技術)を用いて、画像群の中からクライマックスシーンを特定してもよい。つまり、画像処理情報生成部110cは、画像データ群を構成する各画像データに基づいて、各画像データの中から所定の基準を満たす画像データを抽出し、この画像データが表す画像をクライマックスシーンとして自動的に特定してもよい。
【0038】
また、上記では、画風及び範囲がユーザの選択又は指定によって特定されていたが、画風及び範囲は予め設定されるか、ランダムで特定されたものであってもよい。この場合、画像処理情報123における、画風を示すデータ、範囲を示すデータは、予め設定された内容又はランダムで特定された内容を示すデータになる。
【0039】
ここで、画像処理情報123の内容について、図5を参照して説明する。画像処理情報123は、識別情報、順番、画風の種類、画像処理の範囲等の内容を示すデータが互いに対応したデータであり、図5では、複数の画像処理情報123がデータベースとして記憶部120に記録される。
【0040】
識別情報は、画像データ群を特定するための情報であり、前記の識別データによって示される。
【0041】
順番は、クライマックスシーンが画像群の中の何枚目かにあるかの情報であり、前記のクライマックスシーンの表示の順番を示すデータによって示される。
【0042】
画風の種類は、後述の表示制御処理において、画像を変換する画風の種類を示す情報であり、画風を示すデータによって示される。この画風としては様々なものがあるが、詳しくは後述する。
【0043】
画像処理の範囲は、後述の表示制御処理において、クライマックスシーンを基準として、クライマックスシーンの前後何枚について画風を変更する画像処理を施すかを示す情報であり、前記の範囲を示すデータによって示される。
【0044】
画像処理情報123は、後述の表示制御処理において参照される。
【0045】
次に、表示制御装置100が行う表示制御処理を、図6を参照して説明する。表示制御処理では、表示制御装置100は、画像群を構成する各画像を表示部140に所定期間毎に表示する所謂スライドショーを行う。そして、スライドショーによって表示する画像群のうちのクライマックスシーンについては、表示制御装置100は、画風を変更して表示する。また、表示制御装置100は、クライマックスシーンの前又は前後の所定範囲内の順番にある画像についても画風を変更する。このとき、表示制御装置100は、画風の変更度(異なる画風への変換強度)をクライマックスシーンとその他の画像とで異ならせる。ここで、画風とは、画像における視覚的印象である。ここでは、写真画像が、下記のグラフィックソフト等で用いられるフィルタ等によって、絵画調等の画像に変換されることによって、画風が変更される。つまり、写真の画風から絵画調、モノクロ調等の画風に変更される。
【0046】
画風の変更は、画像データが表す画像に画風を変更する画像処理を施して行う。このような画像処理は、ラスタ形式の画像データを扱うグラフィックソフト(いわゆるペイント系ソフト(例えば、フォトショップ(PHOTOSHOP:登録商標))で用いられているフィルタ(アートフィルタ)などと同様の効果となる画像処理によって行われる。この画像処理では、元となる画像データが表す画像についての種々のパラメータを変更し、例えば、絵画調(油絵風、ちぎり絵風、水墨画風等)の画像などの変換画像を生成する。この場合の画像処理の種類は任意であり、実行可能な画像処理によって実現できる種々の画像変換(例えば、モノクロ調への変換、セピア調への変換、ソフトフォーカス調への変換、ビビッド調への変換、モザイク調への変換、ミニチュア写真風への変換、など)が適用されうる。
【0047】
なお、上記のパラメータは、画像処理を施すときに使用される各種数値である。このようなパラメータは、画像の性質を表す数値であり、例えば、明るさ、変換の細かさ、なめらかさ、テクスチャでの値等、画像処理の種類(変更する画風の種類)によって、様々なもので構成される。ここでは、このパラメータによって画風の変更度が表現される。変更度とは、どの程度の強度で画像変換処理を行うかの尺度となる値であり、画像処理の前後の画像を比べたときの変化の度合いである。
【0048】
また、以下では、画風の変更について、変更度をPとしたとき、画像の変更が最適となる変更度Pを最大値100(変更度Pとして取り得る値の最大値)として説明する。画像の変更が最適となる変更度は、画像の画風が最も良い程度で変更されるような変更度である。ここでは、変更度が上がるにつれて、徐々に変更後の画像が前記の最も良い程度に変更された画像に近づくように、徐々に画風の変更後の画像が変わるような画像処理が行われる。そして、変更度が最も大きいとき(ここでは、100)の画像処理によって、画像の画風が最も良い程度で変更される。最も大きいときの変更度Pは、変換後の画像の画風が最も良い程度で変更されるようなパラメータ(最適パラメータ)によって表現される。画風が最も良い程度がどの程度であるかは、ユーザの主観によるものであるので、最適パラメータは、既定値として予め設定されているものとする(ユーザが適宜変更しても良い)。Pが100ということは、パラメータが最適パラメータになる。また、Pが100未満の場合には、最適パラメータの各数値にP/100の数値を乗じたパラメータを用いて画像処理がなされる。このように、変更度P(パラメータ)に応じて画像処理が行われる。前記のパラメータは、例えば、描画パラメータであり、例えば、フォトショップ等で使用される画像処理のパラメータである。
【0049】
また、ここでは、クライマックスシーンから前後何枚目であるかによって、変更度Pが変化する。ここでは、このPの算出方法は下記のような式(1)とする。ここで、zは、画像処理を行う画像の範囲の数値の絶対値+1である(画像の範囲の数値が±4であれば、z=5)。iは実際に表示する画像の順番p(例えば、20枚目)とクライマックスシーンの表示の順番q(例えば18枚目)との差の絶対値である。
P=(z−i)×100/z・・・(1)
【0050】
以上を踏まえ、表示制御処理は、ユーザが操作部130を操作し、スライドショーの表示モードを指定するとともに、処理対象となる画像群を指定したときを契機として開始する。なお、この表示制御処理は、処理中であっても、ユーザが操作部130を操作し、他のモードを指定したとき等を契機として終了するものとする。また、ユーザによって画像群が指定されたとき、画像データ取得部110aは、識別データ及び表示順序データを記憶媒体50から適宜取得している(RAM112に保持している)ものとする。
【0051】
まず、画像データ取得部110aは、指定された画像群を表す画像データ群に、その画像データ群に連写撮影データで有る旨を示すデータが含まれているか判別することによって、指定された画像群を表す画像データ群が連写撮影データであるかを判別する(ステップS201)。このとき、画像データ取得部110aが取得した識別データに基づいて、記憶媒体50に記録されている処理対象の画像データ群を特定する。連写撮影データで有る旨を示すデータがその画像データ群に含まれている場合、表示制御部110bは、画像データ群が連写撮影データであると判別し(ステップS201;YES)、表示制御部110bによってステップS201の処理が行われる。ステップ画像データ群に含まれていない場合、表示制御部110bは、画像データ群が連写撮影データでないと判別し(ステップS201;NO)、表示制御部110bによってステップS210の処理が行われる。
【0052】
表示制御部110bは、ステップS202の処理において、指定された画像群について、画像処理情報が生成されているかを判別する。例えば、表示制御部110bは、指定された画像データ群の識別データ(画像データ取得部110aが取得している。)に基づいて、記憶部120にこの識別データによって示される識別情報(例えば、図5の画像処理情報123における識別情報「A」又は「B」等)を含む画像処理情報123が記録されているかを判別することによって上記判別を行う。
【0053】
表示制御部110bは、前記の画像処理情報123が記録されている場合には、画像処理情報が生成されていると判別する(ステップS202;YES)。この場合、次に画像データ取得部110aがステップS204の処理を行う。なお、このとき、表示制御部110bは、RAM112に前記の画像処理情報123を読み出し保持することによって、以降の処理でこの画像処理情報123が参照されるものとする。一方、前記の画像処理情報123が記録されていない場合には、画像処理情報123が生成されていないと判別し(ステップS202;NO)、ステップS203の処理を行う。
【0054】
表示制御部110bは、ステップS203の処理において、新たに画像処理情報を生成する。画像処理情報の内容は、上記の画像処理情報123と同様であり、順番は、例えば、表示順序データ(画像データ取得部110aが取得している。)に基づいて、最後の表示の順番とする。これによって、クライマックスシーンは、便宜上、最後の順番で表示される画像になる。また、その他の内容については、予め設定されるか、ランダムに設定される。表示制御部110bは、ステップS203の処理の後、画像データ取得部110aがステップS204の処理を行うが、以降の処理では、この処理で生成した画像処理情報が画像処理情報123として、RAM112に保持され参照されるものとする。
【0055】
以上のように、画像処理情報123によって、画像群の中から、画風を変更すべき画像が特定される。これによって、表示制御部110bは、以降の処理で画像処理情報123することによって、画像群のうちの予め定められた画像について画風を変換することになる。
【0056】
上記によって、画風を変更すべき画像は、ユーザの操作部130の操作に基づいて予め設定されるか、複数の画像(画像群)のうちの表示順序が最後の画像に基づいて表示制御装置100によって自動的に設定されるか、複数の画像のうちの所定の基準を満たす画像に基づいて表示装置100によって自動的に設定されることになる。
【0057】
ステップS204の処理において、画像データ取得部110aは、n=1を設定するとともに、表示順序データ(画像データ取得部110aが取得している)が示す表示順序に従って、読出・書込部150を介して記憶媒体50からnに対応する表示の順番の画像データを取得する(RAM112に読み出し保持する)。なお、このとき、画像データ取得部110aが取得した識別データに基づいて、記憶媒体50に記録されている処理対象の画像データ群を特定する。なお、画像データ取得部110aは、以降で繰り返されるステップS204の処理において、nを1ずつ増加させて上記の処理を行う。これによって、画像データ取得部110aは、画像の表示順序に従って画像データを取得する。また、画像データ取得部110aは、このステップS204の繰り返しによって、複数の画像データを取得するが、画像データ取得部110aは、複数の画像データを一度に取得しても良い。この場合には、各画像データについて、表示順序が分かるように保持する。また、この場合、後述のステップS209でYESと判別された後、適宜、ステップS205の処理が行われる。
【0058】
画像データ取得部110aが画像データを取得すると、表示制御部110bは、画像データ取得部110aが取得した画像データについて、画像処理を行うか判別する(ステップS205)。表示制御部110bは、画像データが表す画像の表示の順番がクライマックスシーンの表示の順番から所定の範囲内にある場合(ステップS205;YES)には画像処理を行い、所定の範囲内にない場合(ステップS205;NO)には画像処理を行わない。この判別は、設定したnと、表示制御部110bによって参照される画像処理情報123に含まれるクライマックスシーンの順番及び画像処理の範囲と、に基づいて決められる。例えば、表示制御部110bは、画像データ取得部110aが設定したnの値が、(順番の数値+画像処理の範囲の最小の数値)〜(順番の数値+画像処理の範囲の最大の数値)の範囲内に入っていれば、画像処理を行うと判別し(ステップS205;YES)、ステップS206の処理を行う。一方、表示制御部110bは、nの値が、前記の範囲内に入っていなければ、画像処理を行わないと判別し(ステップS205;NO)、ステップS208の処理を行う。
【0059】
例えば、処理対象の画像データ群が、図5に示す画像処理情報123における識別情報がA又はBであった場合、順番の数値は、Aであれば20、Bであれば10になり、画像処理の範囲の最小の数値は、Aであれば−4、Bであれば−6になる。また、画像処理の範囲の最大の数値は、Aであれば+4、Bであれば0になる。このため、前記の範囲は、例えば、Aであれば、16〜24となり、Bであれば、4〜10となる。
【0060】
表示制御部110bは、ステップS206の処理において、変更度Pを算出する。表示制御部110bは、前記のnを用いるとともに、画像処理情報123を参照してPを算出する(ステップS206)。上述のように、表示制御部110bは、上述の式(1)を用いてPを算出する。zは、画像処理を行う画像の範囲の数値の絶対値+1であるので、画像処理情報123の画像処理の範囲の数値を使用する。画像の順番pは、nである。クライマックスシーンの表示の順番qは、画像処理情報123の順番の数値を使用する。
【0061】
表示制御部110bは、変更度Pを算出すると、画像データ取得部110aが取得したn番目の画像データに基づいて、変更度Pに応じた画像処理を行う(ステップS207)。この画像処理が施されることによって、画像変換が行われ、画風が異なる画像が生成される。つまり、画風の異なる画像を現す画像データが生成され、RAM112に保持される。なお、表示制御部110bは、変更する画風の種類を、画像処理情報123の画風の種類を参照して特定し、特定した種類の画風となるような画像処理を行う。表示制御部110bは、画像処理を行うとステップS208の処理を行う。
【0062】
表示制御部110bは、ステップS208の処理において、画像表示を行う。表示制御部110bは、前記の画像処理を行った場合(直近のステップS205でYESと判別した場合)、画像処理後の画像データに基づいて表示用データを生成し、表示部140に供給することで、表示部140に画像処理後の画像を表示する。また、表示制御部110bは、前記の画像処理を行っていない場合(直近のステップS205でNOと判別した場合)、画像データが取得した最新の画像データに基づいて表示用データを生成し、表示部140に供給することで、表示部140に画像処理が施されていない画像を表示する。
【0063】
なお、表示制御部110bは、ステップS208の処理において、画像の表示後、一定の時間待機するとよい。これによって、表示部140に表示される画像の切り替えタイミングがコントロールされる。
【0064】
画像データ取得部110aは、表示制御部110bがステップS208の処理を行うと、現在、表示部140に表示されている画像が表示順序における最後の画像であるかを判別する(ステップS209)。この処理は、表示順序データが示す表示順序を参照して判別される。この表示順序によって、表示部140に表示されている画像が最後であるか分かる。画像データ取得部110aが最後の画像であると判別した場合(ステップS209;YES)、表示制御処理は終了する。一方で、画像データ取得部110aは、最後の画像でないと判別した場合(ステップS209;NO)、まだ、表示すべき画像があるので、ステップS204の処理を再び行う。
【0065】
上記ステップS204乃至209によって、ユーザによって指定された画像データ群に基づいて、画像群を構成する複数の画像が順次表示部140に表示される(スライドショー)。
【0066】
表示制御部110bは、ステップS210において、変更度Pを100とし、画像データ取得部110aと表示制御部110bとは、スライドショーを行う(ステップS211)。ここでのスライドショーでは、すべての画像データについて変更度Pを100とした画像処理がなされて画像表示がなされる。なお、スライドショーについては、ステップS204、ステップS207乃至S209と同様の処理によって行われる。具体的には、画像データ取得部110aが画像データ群を構成する画像データを取得し、取得した各画像データについて表示制御部110bが画像処理を施すとともに、画像処理の画像データに基づいて表示用データを生成する。表示制御部110bは、生成した表示用データを表示部140に供給して画像処理後の画像を表示部140に表示する。スライドショーが終了すると、表示制御処理は終了する。
【0067】
ステップS211でのスライドショーでは、すべての画像について、同じ変更度で画像の画風が変更され、変更された画風の画像が表示部140に順次表示される。一方、ステップS204乃至209において行われるスライドショーでは、クライマックスシーンの順番を基準にして予め定められた前後何枚の範囲内(所定範囲内)にある表示の順番の画像の画風が変更される。また、画風の変更度は、クライマックスシーンの画像がもっとも大きくなる。
【0068】
なお、上記では、画像データ群が連写撮影データである場合、つまり、表示部140に順次表示される画像群が連写撮影によって得られた連続写真である場合に、ステップS204乃至209を行うとしたが、画像群が連続写真でない場合に、ステップS204乃至209を行っても良い。
【0069】
ステップS204乃至209の処理によって行われるスライドショーによって表示部140に表示される画像と、変更度Pの変化との関係の一例(画像情報123における識別情報がAのように画像処理の範囲がクライマックスシーンの前後にある場合)について、図7を参照して説明する。図7(a)は、表示部140にスライドショー表示される画像群を構成する各画像(画風を変更する画像にあっては、変更される前の元画像)の一部を表す。図7(b)は、表示部140に表示する表示順番と、表示順序に応じて画風を変更する際の変更度Pとの関係を示したグラフである。図7(c)は、元画像のうちの主要被写体である人に着目して、どの画像について画像処理が施されるかを説明するための図である。
【0070】
図7(a)において、画像D[0]がクライマックスシーンである。また、画像D[−10]は、クライマックスシーンから10枚前の画像である。また、画像D[10]は、クライマックスシーンから10枚後の画像である。Dの[]内の値は、クライマックスシーンを基準として前後の何枚目にあるかの数字である(以下、図7乃至図9において同様)。
【0071】
図7(a)乃至(c)のように、スライドショー表示される画像群を構成する各画像において、クライマックスシーンを基準にして前後所定枚数の範囲にある画像は画風が変更されて表示部140に表示される(図7(b)参照)。さらに、図7(b)及び図7(c)のように、クライマックスシーンの変更度Pを最大にして、クライマックスシーンに近づけば近づくほど変更度Pが大きくなっている。これによって、クライマックスシーンの画像が最も画風が良く変化していることになる。なお、図7(b)において、変更度Pが0のときは、その画像は、画像処理を行う範囲には入っていないので、このときの順番の画像は画像処理が施されない。
【0072】
なお、上記では、変更度Pと表示枚数とは、画像処理を行う表示枚数の範囲で一次関数の関係になっているが、両者の増減の関係は、例えば、図8(a)又は(b)のように曲線的に増減してもよい(このような増減の関係は、図9で説明する変形でも同様)。この場合、上記での式(1)は、図8(a)又は(b)に示すような式にする。
【0073】
ここでは、上記構成によって、表示制御部110bは、画像データ取得部110aが取得した複数の画像データ(ここでは、画像データ群)に基づいて、複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像(ここでは、画像群)を所定の表示順序で表示部140に表示する(スライドショー)。そして、表示制御部110bは、表示部140に表示する複数の画像のうちの予め定められた一部の画像(ここでは、クライマックスシーンの表示の順番を基準として前後所定範囲内の順番にある画像)について、画像の画風を変更する画像処理を施し、画像処理後の画像を表示部に表示する。
【0074】
以上のような構成によって、スライドショーで順次表示される画像群のうちの一部の画像が、画風が変更されて表示部140に表示されるので、この一部の画像を他の画像に比べて目立たせることができる。これによって、表示部140に順次表示される画像群の中で、ユーザの興味を引く画像等の所定の画像を際立たせることができる。これによって、例えば、「運動会でゴールした瞬間」(図7)、「サッカーでボールを蹴る瞬間」等を捉えた一部の画像を、画像表示(スライドショー)において印象的に表現することができ、スライドショーをより効果的に演出することができる。そして、ユーザの興味を引くシーンを際立たせることができる。
【0075】
また、ここでは、上記によって、表示制御部110bは、前記の一部の画像のうちの一の画像(クライマックスシーン)の画風の変更度が最も大きくなるように、変更度を異ならせて画像の画風を変更する。
【0076】
なお、画風の変更度が最も大きくなる画像は複数であってもよい。すなわち、表示制御部110bは、前記の一部の画像のうちの一部の複数の画像(クライマックスシーン)の画風の変更度が最も大きくなるように、変更度を異ならせて画像の画風を変更してもよい。例えば、図9(a)のように、クライマックスシーンから前後複数枚の画像について、変更度Pを最大にしてもよい。
【0077】
以上のように、表示制御部110bが、前記の一部の画像のうちの一部かつ一以上の画像(クライマックスシーン)の画風の変更度が最も大きくなるように、変更度を異ならせて画像の画風を変更することにより、ユーザの興味を引く画像等の所定の一以上の画像を際立たせることができる。
【0078】
また、上記では、変更度が最も大きい画像(クライマックスシーン)は、表示順序が前記の一部の画像のうちの真ん中にある場合がある(画像情報123における識別情報がAの場合、図7の場合等を参照)。この場合、クライマックスシーンに向かって、画風の変更度が徐々に大きくなり、クライマックスシーンの表示後は徐々に画風の変更度を小さくすることによって、印象的な画像表示が行われる。なお、ここでは、変更度が最も大きい画像(クライマックスシーン)は、表示順序が前記の一部の画像のうちの真ん中にあればよいので、変更度が最も大きい画像は、クライマックスシーンの前後複数枚に渡っていても良い(図9(a)参照)。これによって、クライマックスシーンを含む複数枚の画像が際立つことになる。これによって、印象的な画像表示が行われる。
【0079】
なお、変更度が最も大きい画像は、真ん中に無くても良い。例えば、表示順序の後ろより、前よりにあってもよい。また、変更度Pの変化度は、クライマックスシーンの前後で異なっても良い。これによって、印象的な画像表示が行われる。
【0080】
また、上記では変更度が最も大きい画像は、表示順序が一部の画像のうちの最後の画像であって、かつ、画像群の最後の画像で有る場合がある。この場合、画像群の中の最後の画像について際立たせることができる。
【0081】
また、上記ではクライマックスシーンが過ぎた後の所定の範囲にある順番の画像について、画像処理を施している場合もあるが、クライマックスシーンを最後の画像としてもよい(画像情報123における識別情報がBの場合参照)。つまり、変更度が最も大きい画像は、表示順序が前記の一部の画像のうちの最後の画像であって、その後に表示される画像については、画像処理を施さない元の画像を表示するようにしてもよい。例えば、図9(b)のように、クライマックスシーンよりも後の順番の画像については、画像処理を施さないようにしてもよい。これによって、画像処理がスライドショー中に突然解除されたような印象をユーザに与えることができ、印象的な画像表示が行われる。なお、ここでは、変更度が最も大きい画像は、表示順序が前記の一部の画像のうちの最後の画像であればよいので、変更度が最も大きい画像は、クライマックスシーンの以前の複数枚に渡っていても良い(図9(a)参照)。これによって、クライマックスシーンを含む複数枚の画像が際立つことになる。
【0082】
なお、表示制御部110bは、変更度の扱い及び画像処理の扱いについて、反対の扱いをしてもよい。例えば、図9(c)のように、前記の一部の画像以外の画像の画像データについて、変更度を最大にして画像処理を行い、画像処理後の画像を表示するとともに、クライマックスシーンについては、画像処理を行わないようにしてもよい。これによって、クライマックスシーンは、他の画像とは異なる画像になるので、クライマックスシーンを際立たせることができる。特に、クライマックスシーン以外の前記の一部の画像については、変更度を最大未満とすることによって、印象的な画像表示が成される。また、特に、クライマックスシーンに近づく程に変更度が低くなっていることによって、より印象的な画像表示が成される。このようにして、表示制御部110bは、表示部140に表示する複数の画像のうちの予め定められた一部の画像(上記の一部の画像以外の画像)について、画像の画風を変更する画像処理を施してから表示部140に表示してもよい。
【0083】
上記実施形態では、画像処理が画像の表示の際に行われているが、画像取得部110a及び表示制御部110bは、ステップS202乃至S209と同様の処理(但し、ステップS202は、画像データの記憶媒体50又は記憶部120への記録になる。)を行うことによって、画像処理を予め行っても良い。この場合、画像処理された画像データ及び画像処理されない画像データは画像データ群として記録してもよい。この場合には、この画像データ群を用いてそのままスライドショーを行うことによって、上記のようなスライドショーが実現される。この場合、表示制御装置100は、画像処理装置になる。また、表示制御部110bは、画像処理部になる。制御プログラム122は、画像処理プログラムになる。
【0084】
上記実施形態では、表示装置を写真表示装置として説明した。しかし、表示装置は、写真表示装置に限られるものではなく、例えば、デジタルカメラ等であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、制御プログラム122が、それぞれハードディスク121等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に予め記憶されているものとして説明した。しかし、表示制御装置100を、装置の全部又は一部として動作させ、あるいは、上述の処理を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これをコンピュータにインストールし、そのコンピュータに上述の処理を実行させてもよい。
【0086】
さらに、制御プログラム122は、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等に格納され、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等されるものとしてもよい。
【0087】
表示制御装置100はデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであってもよい。表示制御装置100がパーソナルコンピュータ等である場合は、表示制御装置100は、記憶部120、表示部140等を備えなくても良い。この場合の表示制御装置100は、適宜、外部の、記憶部、表示部等に接続される。
【符号の説明】
【0088】
50・・・記憶媒体、100・・・表示制御装置、110・・・制御部、110a・・・画像データ取得部、110b・・・表示制御部、画像処理情報生成部110c、120・・・記憶部、122・・・制御プログラム、123・・・画像処理情報、130・・・操作部、140・・・表示部、150・・・読出・書込部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像を所定の表示順序で表示部に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する前記複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施してから前記表示部に表示する、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記一部の画像は、ユーザの操作部の操作に基づいて予め設定されるか、前記複数の画像のうちの所定の基準を満たす画像に基づいて前記表示制御装置によって自動的に設定されるか、前記複数の画像のうちの前記表示順序が最後の画像に基づいて前記表示制御装置によって自動的に設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記一部の画像は、複数の画像であり、
前記表示制御手段は、前記一部の画像のうちの少なくとも一の画像の前記画風の変更度が最も大きくなるように、前記変更度を異ならせて前記画像の画風を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記変更度が最も大きい前記画像は、前記表示順序が前記一部の画像のうちの真ん中にある、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記変更度が最も大きい前記画像は、前記表示順序が前記一部の画像のうちの最後の画像である、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施す画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像を所定の表示順序で表示部に表示する表示制御手段と、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記表示部に表示する前記複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施してから前記表示部に表示する、
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
複数の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段が取得した前記複数の画像データに基づいて、前記複数の画像データがそれぞれ表す複数の画像のうちの予め定められた一部の画像について、前記画像の画風を変更する画像処理を施す画像処理手段と、として機能させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−155483(P2011−155483A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15583(P2010−15583)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】