説明

表示制御装置、表示制御方法、プログラム及び記録媒体

【課題】複数の項目を同時に表示する際の、操作性を向上させる。
【解決手段】表示されている複数の項目から、少なくとも一部が異なる他の複数の項目に表示を変更する場合、表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目は識別可能に表示させ、該選択された項目の表示位置を記憶する。そして、表示されている複数の項目が他の複数の項目に変更した後、記憶した変更前の選択された項目の表示位置と同じ位置に表示されている項目を識別可能に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の項目を同時に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体の大容量化が進み、デジタルカメラ等の撮像装置において、接続された記録媒体に撮像した画像を大量に保存することが可能である。撮像装置に備えられている表示装置で撮像した画像を閲覧するには、画像を1つずつ再生して表示する通常の再生機能に加え、複数の画像のサムネイルを同時に表示させるマルチ再生機能がある。マルチ再生機能は、画像の検索性や閲覧性を向上させる上で有効な手段であり、ユーザは閲覧している複数の画像から所望の画像を選択して、処理を行わせることが可能である。一般に、マルチ再生機能において画像を選択するためにはフォーカス枠(選択されていることを示す強調表示)を画像に重畳表示し、ユーザは操作によってフォーカス枠を移動させることにより選択を行う。
【0003】
マルチ再生機能においては、特許文献1のように、記録媒体に記録された画像の数がマルチ再生機能で表示可能な画像の数より多い場合に、表示する画像を複数のページに分け、閲覧時にページ切り替えを行って全ての画像を閲覧可能とする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−317930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、マルチ再生機能で閲覧時にページ切り替えを行うと、ページ切り替え前に選択されていた画像が切り替えられたページに存在しない、または切り替えられたページにおいて表示位置が異なることがあった。このため、ページ切り替えの前後でフォーカス枠の表示位置が移動するため、ユーザがフォーカス枠を見失うことがあり、ページ切り替え後にすぐに操作を行うことが難しかった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の項目を同時に表示する際の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明の表示制御装置は、以下の構成を備える。
複数の項目を表示装置に同時に表示させる表示制御装置であって、表示装置に表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目を識別可能に、複数の項目を表示装置に表示させる表示制御手段と、選択された少なくとも一つの項目の表示位置を記憶する記憶手段と、表示装置に表示されている複数の項目を、該複数の項目と少なくとも一部が異なる他の複数の項目に変更する変更手段と、を備え、表示制御手段は、変更手段により複数の項目が他の複数の項目に変更された場合に、他の複数の項目において、記憶手段に記憶された表示位置と同じ表示位置の項目を識別可能に、表示装置に表示させるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このような構成により本発明によれば、複数の項目を同時に表示する際の操作性を向上させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るPCの機能構成を表すブロック図。
【図2】実施形態1のマルチ再生画面のページ切り替えを説明するための図。
【図3】実施形態1のマルチ再生画面制御処理のフローチャート。
【図4】実施形態2のマルチ再生画面のページスクロール送りを説明するための図。
【図5】実施形態2のマルチ再生画面制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、表示制御装置の一例としての、接続されたディスプレイの表示領域に複数の縮小画像を表示することが可能なパーソナルコンピュータ(PC)に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、表示装置の表示領域に、例えばテキストや動画等の複数の項目を表示することが可能な任意の機器に適用可能である。また、本明細書において、「マルチ再生」とは、複数の画像をディスプレイの表示領域に複数配置して表示する表示形態を表すものとし、ユーザのページ送り操作によって、表示される複数の画像の組み合わせを変更可能であるとする。また、本実施形態の説明において、「フォーカス枠」を画像に重畳表示させることにより、選択されている画像をユーザに対して識別可能に表示させるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はフォーカス枠の重畳表示に限らず、選択されている項目と、選択されていない項目が識別可能に表示される表示方式であれば構わない(例えば反転表示等)。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
CPU101は、PC100が備える制御装置であり、不図示の不揮発性メモリやHDD102に記憶されたPC100の各ブロックの動作プログラムを、後述するメモリ103に展開して実行することにより、PC100の各ブロックの動作を制御する。HDD102は、ハードディスク等のPC100に接続された記録媒体であり、PC100の各ブロックの動作プログラムに加え、本実施形態では画像データや画像閲覧アプリケーションのデータ等が記録されている。メモリ103は、PC100が備える書き換え可能な揮発性メモリであり、PC100の各ブロックの動作プログラムのワークメモリとしてや、アプリケーションの設定情報やパラメータ情報等を記憶する一時的な記憶領域として用いられる。
【0011】
表示制御部104は、接続されたディスプレイ110の表示を制御するGPU等であり、CPU101から入力された表示内容の情報をもとに、ディスプレイ110に表示するための表示制御信号を生成し、ディスプレイ110に伝送する。また、CPU101がディスプレイ110に表示するGUIデータを例えば不揮発性メモリから取得して表示制御部104に伝送することにより、表示制御部104は固定のGUIデータをディスプレイ110に表示するように制御することも可能である。なお、ディスプレイ110はLCD等の表示装置であり、PC100が内蔵する表示装置、またはPC100と接続する外部の表示装置であってよい。操作入力部105は、ユーザからのPC100への入力を受け付ける入力インタフェースであり、接続されたマウスやキーボード等を用いて入力された操作内容を識別して、入力された操作の情報をCPU101に伝送する。
【0012】
ドライブ装置106は、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の外部記録媒体108に記録されているデータの読み込みや、外部記録媒体108へのデータの書き込み等を行うためのインタフェースである。なお、外部記録媒体108は上述したCD−ROMやDVD−ROMに限らず、メモリカードや不揮発性の半導体メモリ等であってもよい。通信インタフェース(I/F)107は、PC100を、LANやインターネット等の外部のネットワーク120に接続するためのインタフェースであり、CPU101の制御のもとネットワーク120上の機器等と通信可能である。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、HDD102に記憶されている画像をマルチ再生としてディスプレイ110に表示する方法について説明するが、表示に用いる画像は、ドライブ装置106またはネットワーク120上の機器から取得しても構わない。
以上説明した、CPU101、HDD102、メモリ103、表示制御部104、操作入力部105、ドライブ装置106、及び通信I/F107は、内部バス111を介して互いに通信可能であるものとする。
【0013】
次に図2を用いて、本実施形態における発明の動作の概要を説明する。
図2は、マルチ再生時にディスプレイ110の表示領域の表示を表す図であり、HDD102に記憶されている画像のうち、複数の画像の縮小画像が格子状に並列表示されている。複数の画像の縮小画像は選択可能に表示され、ユーザが画像201をマウス等のポインティングデバイスを用いて選択すると、操作入力部105はポイント入力された表示領域の位置をCPU101に伝送する。CPU101は、入力されたポイント入力された位置に対応する表示画像201を識別可能なように、表示制御部104に表示画像201に対してフォーカス枠を重畳表示させる。
【0014】
このような状態において、ユーザの操作により、ページ切り替え動作要求が行われた場合、CPU101は現在選択されている表示画像201の表示位置の情報をメモリ103に記憶させる。そして、変更されたページにおいて、メモリ103に記憶された画像201が表示されていた表示位置と同じ位置にある画像202をフォーカス対象とし、表示制御部104にフォーカス枠を重畳表示させる。なお、ページ切り替え動作とは、表示領域に表示されている複数の画像の組み合わせを1ページとした場合、表示領域に表示されていない、別の複数の画像の組み合わせのページに表示を切り替える動作である。なお、本実施形態ではページ切り替え動作において、表示領域に表示されている全ての画像が変更されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、少なくとも表示されている複数の画像のうち、一部の画像が変更された場合に適用可能である。
【0015】
(マルチ再生画面制御処理)
このような構成をもつ本実施形態のPC100のマルチ再生画面制御処理について、図3のフローチャートをさらに用いて説明する。なお、本マルチ再生画面制御処理は、例えばユーザによって起動指示された画像閲覧アプリケーションにおいて、閲覧する表示形態としてマルチ再生表示が指定された場合に開始されるものとして説明する。なお、以下のマルチ再生画面制御処理の説明では、一つの画像のみが選択されるものとして説明するが、表示されている項目のうち、選択される項目は複数であってもよい。
【0016】
S301で、CPU101は、マルチ再生表示で表示されている複数の画像のうち、ユーザによって画像を選択する操作がなされたかを判断する。具体的には、CPU101は操作入力部105から、ユーザによって画像選択がなされたことを表す信号が入力されたか否かによって、画像が選択されたか否かを判断する。CPU101は、画像が選択されたと判断された場合は処理をS302に移し、画像が選択されていないと判断された場合は処理をS303に移す。
【0017】
S302で、CPU101は、S301で入力された画像を選択するための入力がなされた、ディスプレイ110の表示領域上の位置の情報から、入力位置に表示されている選択された画像を特定する。そしてCPU101は、例えばHDD102に記憶されているフォーカス枠のGUIデータを表示制御部104に伝送し、選択された画像にフォーカス枠を重畳表示させる。
【0018】
S303で、CPU101は、ユーザによってマルチ再生表示で現在表示されているページから、異なるページへのページ切り替え動作要求がなされたかを判断する。具体的には、CPU101は操作入力部105から、ユーザによってページ切り替え動作要求がなされたことを表す信号が入力されたか否かによって、ページ切り替え動作要求がなされたか否かを判断する。CPU101は、ページ切り替え動作要求がなされていない場合は処理をS304に移し、操作入力部105からその他の操作要求の入力を受信していないかを判断し、操作要求があった場合は要求に従った処理を行って、処理をS301に移せばよい。
【0019】
S303でページ切り替え動作要求がなされたと判断された場合、CPU101は処理をS305に移し、ユーザによって選択された画像が存在するか、即ちフォーカス枠が重畳表示されている画像が、表示されている複数の画像の中に存在しているかを判断する。表示されている複数の画像の中に、ユーザによって選択された画像が存在する場合、CPU101は処理をS306に移す。
【0020】
S306で、CPU101はページ切り替え動作が行われる前に表示されている複数の画像のうち、ユーザによって選択された画像の表示位置の情報を取得し、メモリ103に記憶する。選択された画像の表示位置の情報は、例えば図2のように格子状に複数の画像が表示されている場合は、表示領域において、左上に表示されている画像から数えて何行何列目の画像であるか等の情報であってよい。
【0021】
S307で、CPU101はページ切り替え処理を行い、ページ切り替え動作が行われた後にディスプレイ110に表示される画像の縮小画像の情報をHDD102から読み出して表示制御部104に伝送し、ディスプレイ110に表示させる。ページ切り替え処理については、従前のページ切り替え処理と同様の処理を行えばよく、本実施形態においては処理の説明を省略する。
【0022】
S308で、CPU101はS306でメモリ103に記憶した、ページ切り替え動作が行われる前に選択された画像の表示位置の情報を取得する。そしてCPU101は、ページ切り替え動作が行われた後にディスプレイ110に表示されている複数の画像のうち、ページ切り替え動作が行われる前に選択された画像の表示位置に表示されている画像をフォーカス枠を表示する画像として設定する。CPU101は、HDD102に記憶されているフォーカス枠のGUIデータを表示制御部104に伝送し、ディスプレイ110に表示されている、フォーカス枠を表示する画像として設定された画像にフォーカス枠を重畳表示させ、処理をS301に戻す。
なお、S305においてユーザによって選択された画像が存在しない場合、CPU101は処理をS309に移してページ切り替え処理を実行して、処理をS301に戻す。
【0023】
以上説明したように、本実施形態の表示制御装置は、複数の項目を同時に表示されている際に表示する項目を変更する場合、変更前にフォーカスされていた項目と同じ位置の項目を、変更後にフォーカスすることが可能である。具体的には、表示制御装置は表示されている複数の項目から、少なくとも一部が異なる他の複数の項目に表示を変更する場合、次のように処理する。表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目は識別可能に表示させ、該選択された項目の表示位置を記憶する。そして、表示されている複数の項目が他の複数の項目に変更した後、記憶した変更前の選択された項目の表示位置と同じ位置に表示されている項目を識別可能に表示させる。
【0024】
これにより、ユーザは表示されている複数の項目が変更された際に、変更前にフォーカスされていた項目と同じ位置の項目がフォーカスされるため、表示が切り替わった際にもフォーカスを識別することが可能である。即ち、表示が切り替わった際にも、選択されている項目を識別する情報が表示領域においてどこに存在するかを、ユーザに容易に認識させることが可能となる。
【0025】
(実施形態2)
上述の実施形態1では、マウス等のポインティングデバイスを用いた本発明の実施について説明した。本実施形態では、実施形態1の構成のPC100において、ディスプレイ110がタッチパネル式ディスプレイであって、操作入力部105は、ユーザが指またはペン等を用いて接触入力した表示領域上の位置の情報を、タッチパネルセンサを用いて検出する。
【0026】
また、本明細書の説明に用いる、タッチパネル式ディスプレイ上で認識する種々の状態(操作)の名称について以下に説明する。
タッチダウン:接触入力を認識した瞬間の状態
タッチオン :接触入力を認識している状態
ムーブ :タッチオンされ、かつ入力点が所定距離以上移動している状態(ドラッグ等)
タッチアップ:入力されていた入力点が所定時間以上認識されず、入力が中断されたと判断された瞬間の状態
フリック :所定速度以上のムーブ直後にタッチアップされた状態(指ではじく等)
タッチオフ :接触入力がなされていない状態
なお、上述の6つの状態を用いて、本実施形態のマルチ再生画面制御処理について以下に説明するが、状態の名称、及び各処理のトリガーとなる状態の指定は一例を示すものであり、以下に限定されない。
【0027】
次に図4を用いて、本実施形態における発明の動作の概要を説明する。
図4は、図2と同様にマルチ再生時にディスプレイ110の表示領域の表示を表す図であり、HDD102に記憶されている画像のうち、複数の画像の縮小画像が格子状に並列表示されている。図4(a)のように、複数の画像の縮小画像は選択可能に表示され、画像401が選択されている状態で、ユーザが指で接触入力を行うと、操作入力部105はタッチダウンされた表示領域上の位置をCPU101に伝送する。CPU101は、図4(b)のようにタッチダウンがなされた位置に表示されている画像402を識別可能なように、表示制御部104に表示画像402に対してフォーカス枠を重畳表示させる。
【0028】
このような状態において、ユーザによって図4(c)のように上方向へのフリック操作がなされると、CPU101はページスクロール送り動作要求が行われたと判断する。このとき、CPU101はフリック操作がなされたと判断される、ディスプレイ110のタッチパネルセンサ上から指が離された位置に対応する画像の表示位置の情報をメモリ103に記憶させる。そして、CPU101は、図4(d)のようにページスクロール送りがなされたページにおいて、メモリ103に記憶された、タッチパネルセンサ上から指が離された位置に対応する画像の表示位置と同じ位置にある画像403をフォーカス対象とする。さらにCPU101は、表示制御部104にフォーカス枠を重畳表示させる。なお、ページスクロール送り動作とは、表示領域に表示されている複数の画像の組み合わせを1ページとした場合、少なくとも表示されている複数の画像のうち、一部の画像が変更された、別の複数の画像の組み合わせに表示を変更する動作である。
【0029】
(マルチ再生画面制御処理)
このような構成をもつ本実施形態のPC100のマルチ再生画面制御処理について、図5のフローチャートをさらに用いて説明する。なお、本マルチ再生画面制御処理は、例えばユーザによって起動指示された画像閲覧アプリケーションにおいて、閲覧する表示形態としてマルチ再生表示が指定された場合に開始されるものとして説明する。なお、以下のマルチ再生画面制御処理の説明では、一つの画像のみが選択されるものとして説明するが、表示されている項目のうち、選択される項目は複数であってもよい。
【0030】
S501で、CPU10は、マルチ再生表示で表示されている複数の画像のうち、ユーザによって画像を選択する操作がなされたかを判断する。具体的には、CPU101は操作入力部105から、ユーザによってタッチダウン入力がなされたことと、入力がなされた表示領域上の位置の情報とを取得し、入力がなされた位置に選択可能な画像が表示されている場合は、画像が選択されたと判断する。CPU101は、画像が選択されていないと判断された場合は処理をS502に移し、操作入力部105からその他の操作要求の入力を受信していないかを判断し、操作要求があった場合は要求に従った処理を行って、処理をS501に移す。またCPU101は、画像が選択されたと判断された場合は処理をS503に移す。なお、画像が選択されたと判断する条件は、タッチダウン入力がなされた表示領域上の位置に選択可能な画像が表示されているという条件に限らない。例えば、個々の選択可能な画像周辺の、予め定められた、画像表示サイズよりも大きい領域内に入力がなされた場合にも、画像が選択されたと判断するとしてもよい。
【0031】
S503で、CPU101は、S501でタッチダウン入力がなされた、ディスプレイ110の表示領域上の位置に表示されている画像を特定する。そしてCPU101は、例えばHDD102に記憶されているフォーカス枠のGUIデータを表示制御部104に伝送し、選択された画像にフォーカス枠を重畳表示させる。
【0032】
S504で、CPU101は、ユーザによってタッチアップ操作がなされたか、またはタッチオフ状態であるかを判断する。具体的には、CPU101は、操作入力部105からタッチアップ操作を検出した情報を取得している場合、またはタッチオフ状態であるという情報を取得している場合は、タッチアップ操作がなされたと判断して処理をS508に移す。またCPU101は、操作入力部105からタッチアップ操作を検出した情報を取得していない場合は処理をS505に移す。
【0033】
なお、このときタッチアップ操作を検出した場合、操作入力部105はタッチアップ操作を検出する直前の接触入力点の表示領域上の位置の情報を、CPU101に伝送する。CPU101は、受信したタッチアップ操作直前の接触入力点が検出された表示領域上の位置の情報を、メモリ103にタッチアップ検出された位置として記憶する。
【0034】
S505で、CPU101は、ユーザによってムーブまたはフリック操作がなされたかを判断する。具体的には、CPU101は、操作入力部105からムーブまたはフリック操作を検出した情報を取得している場合は処理をS506に移し、取得していない場合は処理をS504に戻す。なお、本実施形態において、ムーブまたはフリック操作は、ページスクロール送りの要求動作であるものとして判断される。即ち、ユーザはディスプレイ110上にタッチダウン入力を行い、タッチオン状態のままムーブ操作を行うことにより、タッチダウン操作で選択された画像を中心に、選択画像が表示されたままページをスクロール可能であるものとする。また、ユーザはディスプレイ上にタッチダウン入力を行い、タッチオン状態のままフリック操作を行うことにより、表示されたページから自由なページにスクロール移動可能であるとする。
【0035】
なお、このときフリック操作を検出した場合、操作入力部105はフリック操作において、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置の情報をCPU101に伝送する。即ち、フリック操作を判定するに至ったタッチアップ操作を検出する直前の接触入力点の位置の情報をCPU101に伝送する。CPU101は、受信したフリック操作において、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置の情報を、メモリ103にタッチアップ検出された位置として記憶する。
【0036】
S506で、CPU101は、表示制御部104にS502でディスプレイ110上の選択されている画像に重畳表示させたフォーカス枠を非表示にさせる。そしてS507で、CPU101はS505で入力されたムーブまたはフリック操作の操作量に応じて、ページスクロール送り処理を行う。具体的には、CPU101は取得したムーブまたはフリック操作の操作量に応じて、表示される画像の組み合わせを特定し、HDD102に記憶されている画像のうち、表示される画像の縮小画像を取得して表示制御部104に伝送して表示させる。このとき、CPU101はページスクロール送り処理の完了を待たず、処理をS504に戻す。なお、S505でフリック操作が行われたと検出された場合は、すでにタッチアップ操作が検出されたことになるため、処理がS504に戻った際には操作入力部105はタッチオフ状態である情報をCPU101に伝送するものとする。
【0037】
S508で、CPU101はユーザによってタッチアップ操作がなされた、またはタッチオフ状態であると判断された際に、ディスプレイ110の表示領域の中にフォーカス枠が重畳表示された画像が存在したかを判断する。即ち、CPU101は、ユーザによってムーブまたはフリック動作が行われ、S506で表示制御部104にフォーカス枠を非表示状態にさせたか否かを判断する。そしてCPU101は、フォーカス枠が非表示自体である場合は処理をS508に移し、フォーカス枠が表示されている状態である場合は処理をS501に戻す。S508において、フォーカス枠が表示されている状態であるということは、タッチダウン操作のあと接触入力点が動かずに離された(タッチアップ)ということであり、動作としては画像の選択のみが行われたことになる。
【0038】
S509で、CPU101はメモリ103に記憶した、タッチアップ操作またはタッチオフ状態が検出された際に、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置の情報を読み込む。そしてCPU101は、ディスプレイ110に画像を表示する際の表示形態において、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置に対応する画像の表示位置の情報を特定し、メモリ103に記憶する。最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置に対応する画像の表示位置の情報は、実施形態1と同様に、例えば表示領域において、左上に表示されている画像から数えて何行何列目の画像であるか等の情報であってよい。
【0039】
S510で、CPU101は、S507で開始したページスクロール送り処理が完了しているかを判断する。そしてCPU101は、ページスクロール送り処理が完了していない場合は処理をS512に移してページスクロール送り処理を継続させて処理をS510に戻す。また、ページスクロール送り処理が完了している場合は、CPU101は処理をS512に移し、S509でメモリ103に記憶した、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置に対応する画像の表示位置の情報を取得する。そしてCPU101は、ページスクロール送り処理が行われた後にディスプレイ110に表示されている、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置に対応する画像の表示位置に表示されている画像を、フォーカス枠を表示する画像として設定する。CPU101は、HDD102に記憶されているフォーカス枠のGUIデータを表示制御部104に伝送し、ディスプレイ110に表示されている複数の画像のうち、フォーカス枠を表示する画像として設定された画像にフォーカス枠を重畳表示させる。その後、CPU101は処理をS501に戻す。
【0040】
本実施形態では、最後に接触入力点が検出された表示領域上の位置、即ち接触入力の消失が検出された位置に対応する画像を、表示される項目が変更された後にフォーカス枠を表示する画像として設定する方法について説明した。しかしながら、実施形態1と同様に、接触入力が検出された位置、即ち最初にタッチダウン操作で選択された画像を、表示される項目が変更された後にフォーカス枠を表示する画像として設定してもよい。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の表示制御装置は、複数の項目を同時に表示されている際に表示する項目を変更する場合、接触入力が消失した位置に表示されていた項目と同じ位置の項目を、変更後にフォーカスすることが可能である。具体的には、表示制御装置は表示されている複数の項目から、少なくとも一部が異なる他の複数の項目に表示を変更する場合、次のように処理する。表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目は識別可能に表示させる。そして、ユーザの接触入力操作によって、表示されている複数の項目を他の複数の項目に変更する際、接触入力の消失が検出された位置を記憶する。表示されている複数の項目が他の複数の項目に変更された後、表示されている他の複数の項目のうち、記憶した接触入力の消失が検出された位置と同じ位置に表示されている項目を識別可能に表示させる。
【0042】
これにより、ユーザは表示されている複数の項目を変更する際に、変更のための接触入力を行った位置と同じ位置の項目が変更後にフォーカスされるため、表示が切り替わった際にもフォーカスを識別することが可能である。即ち、表示が切り替わった際にも、選択されている項目を識別する情報が表示領域においてどこに存在するかを、ユーザに容易に認識させることが可能となる。
【0043】
なお、上述した実施形態1及び2のPC100の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をPCに適用した場合を例にして説明したが、本発明の実施は上述の例に限定されない。すなわち、本発明はデジタルカメラやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、プリンタ装置に設けられた印刷画像選択および確認のためのディスプレイ、デジタルフォトフレームなど、複数の画像を同時に表示するように制御可能な表示制御装置であれば適用可能である。
【0044】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目を表示装置に同時に表示させる表示制御装置であって、
前記表示装置に表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目を識別可能に、前記複数の項目を前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記選択された少なくとも一つの項目の表示位置を記憶する記憶手段と、
前記表示装置に表示されている複数の項目を、該複数の項目と少なくとも一部が異なる他の複数の項目に変更する変更手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記変更手段により前記複数の項目が前記他の複数の項目に変更された場合に、前記他の複数の項目において、前記記憶手段に記憶された表示位置と同じ表示位置の項目を識別可能に、前記表示装置に表示させるように制御することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記複数の項目は、複数の画像であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
ユーザに、前記表示装置に表示されている複数の項目のうち、少なくとも一つの項目を選択させる選択手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記選択手段によって選択された少なくとも一つの項目の表示位置を記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示装置は、接触入力がなされた位置を検出する検出手段を備え、
前記選択手段は、ユーザによる前記表示装置の表示領域上への接触入力が検出された位置に表示されている項目を選択することを特徴する請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記選択手段は、ユーザによる前記表示装置の表示領域上への接触入力の消失が検出された位置に表示されている項目を選択することを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
複数の項目を表示装置に同時に表示させる表示制御方法であって、
表示制御手段が、前記表示装置に表示されている複数の項目のうち、選択された少なくとも一つの項目を識別可能に、前記表示装置に表示させる表示制御工程と、
記憶手段が、前記選択された少なくとも一つの項目の表示位置を記憶する記憶工程と、
変更手段が、前記表示装置に表示されている複数の項目を、該複数の項目と少なくとも一部が異なる他の複数の項目に変更する変更工程と、を備え、
前記表示制御工程において前記表示制御手段は、前記変更工程で前記複数の項目が前記他の複数の項目に変更された場合に、前記他の複数の項目において、前記記憶工程で記憶された表示位置と同じ表示位置の項目を識別可能に、前記表示装置に表示させるように制御することを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−159134(P2011−159134A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20743(P2010−20743)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】