説明

表示制御装置、表示制御方法およびプログラム

【課題】透過ディスプレイを通して人物が物体を見る際に当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイの表示を可能とする。
【解決手段】第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、上記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から上記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御装置であって、上記透過ディスプレイと上記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する取得部と、上記位置情報における上記位置関係の変化に応じて、上記視点位置から知覚される、上記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの上記画面からの奥行きを変化させる表示制御部と、を備える表示制御装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一方の面側から他方の面側に光を透過させる画面を有する透過ディスプレイが実現され、開発されている。透過ディスプレイは、一例として高分子分散液晶等の液晶により実現される。当該液晶は、印加電圧がオフ状態であれば光を散乱させ、印加電源がON状態であれば光を透過させる。
【0003】
下記特許文献1には、透過ディスプレイを有する携帯電話端末において、そのユーザが当該透過ディスプレイのいずれの面を見ているかによって、透過ディスプレイの画面に表示される文字や記号の向きを変える技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−183378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術では、ユーザである人物が透過ディスプレイを通して物体を見る際に、当該透過ディスプレイの画面内の文字や記号はユーザの眼に負担を与え得る。一例として、上記人物は、透過ディスプレイの画面に表示される文字や記号と当該画面から離れた位置に存在する上記物体とを見るために、画面の位置から物体の位置へまたは物体の位置から画面の位置へ焦点を合わせなければならない。その結果、当該人物の眼への負担が大きくなる。
【0006】
そこで、本開示では、透過ディスプレイを通して人物が物体を見る際に当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイの表示を可能とする、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法、およびコンピュータプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、上記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から上記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御方法であって、上記透過ディスプレイと上記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、上記位置情報における上記位置関係の変化に応じて、上記視点位置から知覚される、上記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの上記画面からの奥行きを変化させることと、を含む表示制御方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、上記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から上記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御方法であって、上記透過ディスプレイと上記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、上記位置情報における上記位置関係の変化に応じて、上記視点位置から知覚される、上記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの上記画面からの奥行きを変化させることと、を含む表示制御方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、上記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から上記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイに、直接的にまたは間接的に接続するコンピュータに、上記透過ディスプレイと上記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、上記位置情報における上記位置関係の変化に応じて、上記視点位置から知覚される、上記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの上記画面からの奥行きを変化させることと、を実行させるコンピュータプログラムが提供される。ここで、コンピュータプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体を用いて提供されてもよく、通信手段等を介して提供されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本開示によれば、透過ディスプレイを通して人物が物体を見る際に当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイの表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る表示制御システムの一例を示す概略図である。
【図2】立体視のためのパララックスバリア方式を説明するための説明図である。
【図3】立体視のためのレンチキュラ方式を説明するための説明図である。
【図4】多視点での立体視のためのレンチキュラ方式を説明するための説明図である。
【図5】立体視可能に表示される表示オブジェクトの一例を説明するための説明図である。
【図6】透過ディスプレイ、物体および設定される視点位置の位置関係を説明する説明図である。
【図7】一実施形態に係る表示制御装置の論理的な構成の一例を示すブロック図である。
【図8】xz平面(水平面)における物体の方向を特定する手法を説明する説明図である。
【図9】xz平面(水平面)における物体の位置を説明する説明図である。
【図10】yz平面における物体の方向を特定する手法を説明する説明図である。
【図11】表示オブジェクトの奥行きの変化の一例を説明するための説明図である。
【図12】表示オブジェクトの奥行きの変化の他の例を説明するための説明図である。
【図13】表示オブジェクトの位置の変化の一例を説明するための説明図である。
【図14】人物の位置に応じた表示オブジェクトの表示の一例を説明するための説明図である。
【図15】眼に負担を与える奥行きの変化量の一例を説明するための第1の説明図である。
【図16】眼に負担を与える奥行きの変化量の一例を説明するための第2の説明図である。
【図17】制約条件下での奥行きの変化量の一例を説明するための第1の説明図である。
【図18】制約条件下での奥行きの変化量の一例を説明するための第2の説明図である。
【図19】眼に負担を与える奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための第1の説明図である。
【図20】眼に負担を与える奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための第2の説明図である。
【図21】制約条件下での奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための第1の説明図である。
【図22】制約条件下での奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための第2の説明図である。
【図23】衝突防止オブジェクトの第1の例を説明するための説明図である。
【図24】衝突防止オブジェクトの表示のタイミングの一例を説明するための説明図である。
【図25】衝突防止オブジェクトの第2の例を説明するための説明図である。
【図26】物体の位置に応じた衝突防止オブジェクトの表示のタイミングの一例を説明するための説明図である。
【図27】一実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図28】一実施形態に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
【図29】一実施形態に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
【図30】多視点での立体視表示における表示オブジェクトの表示の例を説明するための説明図である。
【図31】一実施形態の変形例に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.表示制御システムの概要
2.表示制御装置の構成
2.1.表示制御装置の論理的な構成
2.2.表示制御部
2.3.表示制御装置のハードウェア構成
3.処理の流れ
4.変形例
4.1.表示制御装置の論理的な構成
4.2.処理の流れ
5.まとめ
【0014】
<1.表示制御システムの概要>
まず、図1を参照して、本開示の一実施形態に係る表示制御システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る表示制御システム1の一例を示す概略図である。本実施形態に係る表示制御システム1は、透過ディスプレイ10、カメラ20および表示制御装置100を含む。なお、図1およびその他の図面には、3次元空間において直交する3つの軸を示すx軸、y軸、z軸が記載されている。より具体的には、x軸は透過ディスプレイ10の画面200の水平方向に平行な軸を示し、y軸は透過ディスプレイ10の画面200の垂直方向に平行な軸を示し、z軸は透過ディスプレイの画面200(xy平面)に垂直な軸を示す。
【0015】
(透過ディスプレイ10)
透過ディスプレイ10は、第1の面の側に位置する物体90から届く光を透過することによって、上記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から上記物体90を視認可能とする画面200を有する表示装置である。透過ディスプレイ10は、当該画面200において、生成された表示画像を表示できる。表示される当該表示画像には、例えば、メニュー、図形、テキスト、アイコン、ウィンドウ等の表示オブジェクト230が含まれる。透過ディスプレイ10は、例えば、高分子散乱液晶(高分子分散液晶、ポリマーネットワーク液晶)を用いて実現され得る。透過ディスプレイ10は、他の液晶、有機EL(Organic Electro Luminescence display)等を用いて実現されてもよい。
【0016】
また、透過ディスプレイ10は、その画面200に表示される表示オブジェクト230を立体視可能に表示する表示装置である。より具体的には、透過ディスプレイ10は、その画面200に、右眼用画像と左眼用画像を表示する。当該右眼用画像には、表示オブジェクト230の右眼用オブジェクトが含まれ、左眼用の表示画像には、表示オブジェクト230の左眼用オブジェクトが含まれる。画面200内における左眼用オブジェクトの表示位置と右眼用オブジェクトの表示位置との間には、左右方向(すなわちx軸方向)のオフセットが存在する。当該オフセットにより、画面200を見る人物の左右網膜において表示オブジェクト230の相対的な位置のずれ(すなわち両眼視差)が生じる。そしてこの両眼視差により、画面200からの表示オブジェクト230の奥行きが上記人物により知覚される。また、オフセットにより立体視可能に表示された表示オブジェクト230に視線を交差させる左眼および右眼の動き(すなわち輻輳)が起こる。この眼の動きの筋肉制御によっても、表示オブジェクト230の奥行きが上記人物により知覚される。
【0017】
立体視のための方式として、例えば、パララックスバリア方式、レンチキュラ方式等の裸眼型方式が用いられる。図2は、立体視のためのパララックスバリア方式を説明するための説明図である。図2を参照すると、画面200は、左眼用画像を表示するための左眼用表示領域202と右眼用画像を表示するための右眼用表示領域204とを含む。また、スリット212が、画面200を覆うように位置する。当該スリット212の開口部から、左眼用表示領域202は左眼82に映り、また右眼用表示領域204は右眼84に映る。一方で、当該スリット212が存在することで、右眼用表示領域204は左眼82には映らず、また左眼用表示領域202は右眼84には映らない。パララックスバリア方式では、例えばこのように立体視表示が実現される。
【0018】
図3は、立体視のためのレンチキュラ方式を説明するための説明図である。図3を参照すると、画面200は、左眼用画像を表示するための左眼用表示領域202と右眼用画像を表示するための右眼用表示領域204とを含む。また、並列した凸レンズを含むレンチキュラレンズ214が、画面200を覆うように位置する。レンチキュラレンズ214の個々の凸レンズ上に光が集光されることにより、左眼用表示領域202は左眼82には映るが右眼84には映らず、一方で右眼用表示領域204は右眼84には映るが左眼82には映らない。レンチキュラ方式では、例えばこのように立体視表示が実現される。
【0019】
以上のように、パララックスバリア方式およびレンチキュラ方式は、それぞれ画面200をスリット212またはレンチキュラレンズ214で覆うという単純な構造を有する。よって、透過ディスプレイ10においてもパララックスバリア方式およびレンチキュラ方式を適用可能である。なお、立体視のための方式の一例として、パララックスバリア方式およびレンチキュラ方式が挙げられたが、本実施形態で適用され得る立体視のための方式はこれらに限られない。例えば、他の裸眼立体方式が適用されてもよく、または偏光フィルタ方式、液晶シャッタ方式等のメガネ型方式が適用されてもよい。このように、本実施形態では、透過ディスプレイ10で立体視表示を可能とする任意の方式が適用され得る。
【0020】
また、透過ディスプレイ10を見るための複数の視点位置が、透過ディスプレイ10の第2の面(後述の図6のAの方向)側に設定されてもよい。そして、透過ディスプレイ10は、上記複数の視点位置のうちの各視点位置から視認可能に、当該各視点位置に対応する個別の表示画像を表示し、当該個別の表示画像内で表示オブジェクト230を立体視可能に表示する多視点立体ディスプレイであってもよい。図4は、多視点での立体視のためのレンチキュラ方式を説明するための説明図である。図4を参照すると、画面200は、左眼82または右眼84が位置し得る8つの個別位置Eに画像を提供するための表示領域206を含む。また、並列した凸レンズを含むレンチキュラレンズ214が、画面200を覆うように位置する。レンチキュラレンズ214の個々の凸レンズ上に光が集光されることにより、1番から8番の個別の表示領域206−1〜206−8は、対応する各個別位置E〜E(E、E、EおよびEは図示せず)のみに映る。例えば、個別位置Eに左眼82が位置し、個別位置Eに右眼84が位置すると仮定すると、左眼82には表示領域206−3に表示される画像が映り、右眼84には表示領域206−4に表示される画像が映る。よって、表示領域206−3に表示される画像が左眼用画像となり、表示領域206−4に表示される画像が右眼用画像となる。すなわち、個別位置E〜Eのうちの2つの組合せが、1つの視点位置80(例えば、個別位置EおよびE)となる。そして、当該組合せに含まれる2つの個別位置に対応する2つの個別の表示領域(例えば、個別の表示領域206−3および206−4)の画像が、上記1つの視点位置80に対応する表示画像(左眼用画像および右眼用画像)となる。多視点立体ディスプレイでは、例えばこのように立体視表示が実現される。
【0021】
レンチキュラレンズおよび画面の表示領域の設計によりこのような多視点での立体視表示が実現されるため、透過ディスプレイ10においても、多視点の立体視のためのレンチキュラ方式を適用可能である。多視点での立体視のための方式の一例として、レンチキュラ方式が挙げられたが、本実施形態で適用され得る方式はこれに限られない。例えば、パララックスバリア方式、マルチプロジェクション方式が適用されてもよい。このように、本実施形態では、透過ディスプレイ10で多視点の立体視表示を可能とする任意の方式が適用され得る。また、図4では、左眼82または右眼84が位置し得る個別位置Eが8つの場合が挙げられたが、本実施形態で適用され得る個別位置Eはこれに限られない。例えば、個別位置Eが数十個を超えてもよい。本実施形態では、任意の数の個別位置Eが設定され得る。
【0022】
図5は、立体視可能に表示される表示オブジェクトの一例を説明するための説明図である。図5を参照すると、左眼82のための左眼用オブジェクト230bおよび右眼84のための右眼用オブジェクト230cが、オフセットOを伴って画面200上に表示される。その結果、当該オフセットOによる両眼視差が生じ、左眼82および右眼84を有する人物は、表示オブジェクト230aの奥行きD(すなわちz軸方向におけるD)を知覚する。
【0023】
なお、透過ディスプレイ10は、タッチ検出面を有するタッチパネル装置であってもよい。この場合に、透過ディスプレイの画面200に表示される表示オブジェクト230は、当該画面200上へのタッチに応じて表示位置を変えられてもよい。なお、タッチ検出のための方式として、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等の方式が適用されてもよいが、これらに限られずタッチ検出の任意の方式が適用され得る。
【0024】
図6は、透過ディスプレイ10、物体90および設定される視点位置80の位置関係を説明する説明図である。本実施形態では、透過ディスプレイ10の第1の面側(すなわち図6のBの方向)に物体90が位置し、透過ディスプレイ10の第2の面側(すなわち図6のAの方向)に視点位置80が設定される。そして、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係に基づいて、透過ディスプレイ10の表示が制御される。ここでの物体90は、静止している物体であってもよく、また他の人物、動物、機械等を含む自ら移動する物体であってもよい。物体90は、静止している物体であったとしても、外力(例えば人の力)によって動かされ得る。
【0025】
(カメラ20)
カメラ20は、透過ディスプレイ10の第1の面側(すなわち図6のBの方向)に位置する物体90を撮像する。図1に示されるように、カメラ20は、例えば、図1に示されるxz平面(すなわち水平面)において透過ディスプレイ10の中心と同じ位置に設置される。後述するように、当該カメラ20は、例えば水平画角2αと垂直画角2βを有する。当該水平画角と垂直画角が利用されて、物体90の方向が認識される。カメラ20は、撮像により得られたデジタル画像を表示制御装置100に出力する。ここでは、物体90の距離を測定するために、上記カメラ20は、例えばステレオカメラ、TOF(Time of flight)方式の距離画像センサ等の対象物の距離を測定可能なカメラである。一例として、TOF方式の距離画像センサは、光源から発した光が対象物に反射してセンサに届くまでの光の遅れにより、対象物までの距離を測定する。
【0026】
(表示制御装置100)
表示制御装置100は、透過ディスプレイ10の表示を制御する。本実施形態では、表示制御装置100は、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する。そして、表示制御装置100は、上記位置情報における上記位置関係の変化に応じて、上記視点位置80から知覚される、透過ディスプレイ10により立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。これにより、視点位置にいる人物が透過ディスプレイを通して物体を見る際に当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイの表示が可能となる。表示制御装置100は、[2.表示制御装置の構成]において詳細に説明される。
【0027】
(その他)
なお、表示制御システム1は、透過ディスプレイ10、カメラ20および表示制御装置100以外の他の要素を有してもよい。例えば、表示制御システム1は、カメラ20に加えて、透過ディスプレイの第2の面側(すなわち図6のAの方向)に位置する人物を撮像するための追加のカメラを有してもよい。また、当該追加のカメラも、対象物の距離を測定可能なカメラであってもよい。当該カメラにより、視点位置80に人物が位置すると仮定する代わりに、人物の実際の位置を認識することが可能となる。その結果、人物がいずれの位置にいるかによらず当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイの表示が可能となり得る。
【0028】
また、表示制御システム1は、カメラ20または上記追加のカメラの代わりに、物体90または人物の位置を認識するための情報を提供する別の装置を有してもよい。当該別の装置は、透過ディスプレイ10の第1の面側(すなわち図6のBの方向)または第2の面側(すなわち図2のAの方向)に配置された赤外線センサまたは圧力センサであってもよい。また、上記別の装置は、物体90または人物に備えられた発信機からの電波を受信し、当該電波から物体90または人物の位置を特定可能な情報を生成する受信装置であってもよい。本実施形態の表示制御システム1には、物体90または人物の位置または距離を特定可能な情報を提供する任意の装置が含まれ得る。
【0029】
また、表示制御システム1は、カメラ20からのデジタル画像またはその他の装置からの情報から物体90または人物の位置を認識する装置を有してもよい。その場合に、表示制御装置100は、物体90または人物の位置を認識する機能を有していなくてもよい。また、表示制御システム1は、表示制御装置100による制御に応じて透過ディスプレイ10に表示する表示画像を生成する装置を有してもよい。その場合に、表示制御装置100は、表示画像を生成する機能を有していなくてもよい。
【0030】
また、表示制御システム1は、透過ディスプレイ10に表示される表示オブジェクト230を操作するための入力装置をさらに有してもよい。当該入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、リモートコントローラ、透過ディスプレイ10の操作に対応した携帯電話、PDA等の外部接続機器であってもよい。
【0031】
<2.表示制御装置の構成>
次に、図7〜図27を参照して、本実施形態に係る表示制御装置100の構成について説明する。
【0032】
[2.1.表示制御装置の論理的な構成]
まず、図7〜図10を参照して、本実施形態に係る表示制御装置100の論理的な構成の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る表示制御装置100の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図7を参照すると、表示制御装置100は、認識部110、取得部120、記憶部130、画像生成部140および表示制御部150を備える。
【0033】
(認識部110)
認識部110は、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を認識する。認識部110は、例えばカメラ20から取得したデジタル画像から、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を認識する。
【0034】
認識部110は、例えば、図1に示されるxz平面(すなわち水平面)における、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向と距離とを特定することにより、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を認識する。
【0035】
まず、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向の特定手法を説明する。図8は、xz平面(水平面)における物体90の方向を特定する手法を説明する説明図である。図8の8−1を参照すると、カメラ20は、2αの水平画角を有する。また、物体90は、カメラ20の水平画角の中心から左側にθだけずれた角度に位置している。ここで、カメラ20は、図1に示されるように、xz平面において透過ディスプレイ10の中心と同じ位置に設置される。よって、物体90は、xz平面において、z軸に平行でかつ透過ディスプレイ10の中心を通る直線からθだけずれた角度に位置する。したがって、xz平面において、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向は、当該θにより表される。なお、θは、物体90が左側にずれている場合には正の値で表され、物体90が右側にずれている場合には負の値で表されてもよく、またはその逆であってもよい。
【0036】
図8の8−2には、カメラ20により撮像されたデジタル画像22が示されている。認識部110は、デジタル画像22内の物体90を検出し、デジタル画像22の中央からの当該物体90の距離dを得る。ここでは、例えばデジタル画像22の横幅を1(すなわち横幅の半分を0.5)とし、したがって上記距離dは0.5より小さい正数である。この場合に、以下の式が成り立つ。
【数1】

そして、上記(式1)を変形すると、以下の式が得られる。
【数2】

したがって、認識部110は、上記距離dと既知である水平画角αとを用いて上記θを得ることができる。このように、認識部110は、xz平面における、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向θを特定できる。
【0037】
一方で、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の距離は、対象物の距離を測定可能なカメラから提供されるデジタル画像に基づいて認識部110により測定される。例えば、カメラ20から物体90までの距離がDと認識されたとする。ここでは物体90はxz平面において透過ディスプレイ10の中心と同じ位置に設置されている。よって、z軸方向において、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の距離は、カメラ20からの物体90の距離と同様にDとなる。したがって、z軸方向において、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の距離は、Dにより表される。なお、xz平面において透過ディスプレイ10の中心とカメラ20の位置とが同じ位置でなくとも、両者間のオフセット距離が既知であれば、当該オフセット距離分だけ補正することにより透過ディスプレイ10と物体90との間の距離を特定できる。
【0038】
したがって、図9に示されるように、認識部110は、xz平面において、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向θおよび距離Dを特定することにより、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を認識する。
【0039】
なお、図8および図9を用いて、xz平面について、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置が説明されたが、yz平面についても、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置が認識されてもよい。図10に示されるように、yz平面では、水平画角2αの代わりに、垂直画角2βが用いられ、デジタル画像22における距離dの代わりに、デジタル画像22における距離dが得られる。これらにより、上記で説明された手法で、カメラ20に対する物体90の方向θが得られる。また、カメラ20(または透過ディスプレイ10)の中心からの物体90の距離D(すなわちz軸方向の距離)は、yz平面においても同様に用いられる。ただし、yz平面では、カメラ20の位置と透過ディスプレイ10の中心の位置とが、y軸方向においてオフセット距離Doffsetだけ相違する。よって、方向θおよび距離Dから得られたカメラ20に対する物体90の相対的な位置からオフセット距離Doffsetだけy軸方向において補正された位置が、yz平面における、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置となる。
【0040】
デジタル画像を用いた透過ディスプレイ10対する物体90の相対的な位置の認識について説明されたが、本実施形態はこれに限られない。例えば、赤外線センサ、圧力センサ、物体90に備えられた発信機からの電波を受信する受信装置等のカメラ以外の他の装置から得られた情報を用いて、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置が認識されてもよい。
【0041】
また、認識部110は、物体90の大きさも認識してもよい。
【0042】
また、認識部110は、透過ディスプレイ10に対する人物の相対的な位置を認識してもよい。認識部110は、例えばカメラ20とは別の追加のカメラから得られたデジタル画像または赤外線センサ、圧力センサ等の他の装置から得られた別の情報から、透過ディスプレイ10に対する人物の相対的な位置を認識してもよい。
【0043】
また、認識部110は、上記追加のカメラから得られたデジタル画像または赤外線センサ、圧力センサ等の他の装置から得られた情報から、人物または当該人物の体の一部(例えば、手)と透過ディスプレイ10との間の距離(以下、「接触距離」と呼ぶ)を認識してもよい。
【0044】
(取得部120)
取得部120は、透過ディスプレイ10と当該透過ディスプレイの第1の面側(すなわち図6のBの方向)に位置する物体90との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する。位置情報は、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係を示す任意の情報である。位置情報は、例えば、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を示す情報である。この場合に、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置は、例えば図9に示されるように、透過ディスプレイ10の中心からの物体90の方向θおよび距離Dである。代わりに、位置情報は、いずれかの位置に設定された原点に対する透過ディスプレイ10および物体90の位置を示す情報であってもよい。また、ここでの透過ディスプレイ10の位置および物体90の位置は、それらの中心点に限らず、それらの中にまたは近傍に含まれるいずれかの点であってもよい。当該いずれかの点は、2つ以上の点であってもよく、または2つ以上の点を含む範囲であってもよい。また、位置情報は、物体90の大きさを含む情報であってもよい。また、位置情報は、xz平面(すなわち水平面)における相対的な位置関係だけではなく、yz平面の相対的な位置情報を含んでもよい。
【0045】
より具体的には、取得部120は、例えば、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を、認識部110から取得する。なお、認識部110が、透過ディスプレイ10に対する当該透過ディスプレイ10の上記第2の面側(すなわち図6のAの方向)に位置する人物の位置を認識する場合には、取得部120は、透過ディスプレイ10に対する当該人物の相対的な位置を、認識部110から取得してもよい。すなわち、取得部120は、透過ディスプレイ10と上記人物および物体90との相対的な位置関係を示す拡張された位置情報を取得してもよい。また、取得部120は、物体90の大きさも取得してもよい。
【0046】
また、取得部120は、人物または当該人物の体の一部と透過ディスプレイ10との間の第1の距離である接触距離をさらに取得してもよい。取得部120は、例えば、当該接触距離を認識部110から取得してもよい。
【0047】
(記憶部130)
記憶部130は、表示制御装置100において一時的にまたは恒久的に保持すべき情報を記憶する。記憶部130は、例えば、透過ディスプレイ10の画面200に表示される表示画像を生成するために必要な情報を記憶する。例えば、記憶部130は、立体視可能に表示される表示オブジェクト230の立体視のための表示位置および表示属性を記憶する。
【0048】
ここでの立体視のための表示位置は、例えば、立体視によって視点位置80から知覚させる、表示オブジェクト230の3次元空間内の位置である。この場合に、立体視のための表示位置は、画面200の座標(例えば(x,y))と、当該画面200から当該画面200に垂直な方向への奥行き(例えばz)とを含む3次元空間内の座標(例えば(x,y,z))であってもよい。なお、立体視のための表示位置は、画面200(または左眼用画像)内における左眼用オブジェクトの表示位置、および画面200(または右眼用画像)内における右眼用オブジェクトの表示位置そのものであってもよい。
【0049】
また、ここでの立体視のための表示属性は、表示オブジェクト230の透明度、色、表示のオン/オフ、大きさ、形状、縦横比、回転角度等の表示オブジェクト230の表示に関する任意の属性である。上記形状は、空間における3次元の形状であってもよく、上記回転角度は、空間における3次元の回転角度であってもよい。
【0050】
表示オブジェクト230の立体視のための表示位置および表示属性は、表示制御部150による表示制御において、決定されまたは変更され得る。
【0051】
なお、透過ディスプレイ10に対する人物の相対的な位置が、認識部110により認識され、記憶部130に記憶されてもよい。この場合に、認識部110は、人物が頻繁に移動しないことを前提に、認識の頻度を少なくしてもよい。また、記憶部130は、物体90の大きさも記憶してもよい。当該物体90の大きさも、表示制御装置100の管理者により設定されてもよく、または認識部110により認識されてもよい。
【0052】
また、記憶部130は、測定される透過ディスプレイ10と物体90との間の位置関係の変化の過程を記録してもよく、または測定される表示オブジェクト230の奥行き(または位置)の変化の過程を記録してもよい。
【0053】
(画像生成部140)
画像生成部140は、表示制御部150による制御に応じて、透過ディスプレイ10の画面200に表示するための表示画像を生成する。画像生成部140は、例えば、メニュー、図形、テキスト、アイコン、ウィンドウ等の表示オブジェクト230を含む表示画像を生成する。
【0054】
画像生成部140は、とりわけ、表示画像として右眼用画像と左眼用画像とを生成する。画像生成部140は、例えば、記憶部130に記憶されている表示オブジェクト230の立体視のための表示位置および表示属性に基づいて、右眼用オブジェクトを含む右眼用画像と左眼用オブジェクトを含む左眼用画像とを生成する。ここで、立体視のための表示位置は、例えば、立体視によって視点位置80から知覚させる、表示オブジェクト230の3次元空間内の位置(例えば座標(x,y,z))である。このような3次元空間内の位置から、画像生成部140は、画面200(または左眼用画像)内における左眼用オブジェクトの表示位置および画面200(または右眼用画像)内における右眼用オブジェクトの表示位置を特定できる。または、画像生成部140は、上記3次元空間内の位置に基づき、立体視用のレンダリングを行うことにより、左眼用オブジェクト230を含む左眼用画像と、右眼用オブジェクト230を含む右眼用画像とを直接的に生成することができる。なお、立体視のための表示位置は、画面200(または左眼用画像)内における左眼用オブジェクトの表示位置、および画面200(または右眼用画像)内における右眼用オブジェクトの表示位置そのものであってもよい。画像生成部140は、左眼用オブジェクトおよび右眼用オブジェクトの表示位置そのものから、右眼用オブジェクトを含む右眼用画像と左眼用オブジェクトを含む左眼用画像とを生成してもよい。画像生成部140は、透過ディスプレイ10に右眼用画像および左眼用画像を出力する。
【0055】
(表示制御部150)
表示制御部150は、透過ディスプレイ10の表示を制御する。本実施形態では、表示制御部150は、上記位置情報における透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて、視点位置80から知覚される、立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。具体的な手段としては、表示制御部150は、例えば、画面200内における左眼用オブジェクトの表示位置と右眼用オブジェクトの表示位置との間の左右方向のオフセットを変化させることにより、上記奥行きを変化させる。表示制御部150による具体的な表示制御の例を以下の[2.2.表示制御部]において説明する。
【0056】
[2.2.表示制御部]
次に、図11〜図26を参照して、本実施形態に係る表示制御装置100の具体的な表示制御の例を説明する。まず、基本的な奥行きの制御を説明し、その後、奥行きの変化過程の制御と、透過ディスプレイへの衝突防止の制御とを説明する。
【0057】
(基本的な奥行きの制御)
基本的な奥行きの制御として、上記のとおり、表示制御部150は、位置情報における透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて、視点位置80から知覚される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。
【0058】
表示制御部150は、例えば、記憶部130に記憶される表示オブジェクト230の立体視のための表示位置を変更することにより、視点位置80から知覚される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。上記のとおり、立体視のための表示位置は、例えば、立体視によって視点位置80から知覚させる、表示オブジェクト230の3次元空間内の位置(例えば座標(x,y,z))である。この場合に、表示制御部150は、表示オブジェクト230が視点位置80により近づく方向または視点位置80からより離れる方向に、上記3次元空間内の位置を変化させることによって、上記奥行きを変化させる。このように変化した3次元空間内の位置に基づいて左眼用画像および右眼用画像が生成されると、画面200内における表示オブジェクト230の左眼用オブジェクトの表示位置と右眼用オブジェクトの表示位置との間の左右方向のオフセットが変わる。その結果、視点位置80から知覚される奥行きが変化する。また、上記のとおり、立体視のための表示位置は、画面200(または左眼用画像)内における左眼用オブジェクトの表示位置、および画面200(または右眼用画像)内における右眼用オブジェクトの表示位置そのものであってもよい。この場合に、表示制御部150は、これらの左眼用オブジェクトの表示位置と右眼用オブジェクトの表示位置との間のオフセットを直接的に変化させてもよい。その結果、視点位置80から知覚される奥行きが変化する。
【0059】
図11は、表示オブジェクト230の奥行きの変化の一例を説明するための説明図である。図11を参照すると、11−1および11−3に示されるように、物体90を指し示す表示オブジェクト230aが、立体視可能に表示される。図11−1では、表示オブジェクト230aが物体90の隣に示されているが、当該表記は、視点位置80から知覚される表示オブジェクト230aの奥行きを示すためのものであり、実際にその位置に存在することを意味しない。図5で説明されたとおり、表示オブジェクト230として、実際には左眼用オブジェクトおよび右眼用オブジェクトが画面200に表示される。以降に説明される図面においても同様の表記が用いられる。図11に戻ると、表示オブジェクト230aの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の実際の奥行きと同程度の奥行きとして知覚される。よって、視点位置80から、表示オブジェクト230aが物体90の近傍に位置するように見える。ここで、11−2および11−4に示されるように、物体90が、例えば、透過ディスプレイ10から離れる方向に移動する。この場合に、表示制御部150は、物体90の当該位置の変化に応じて、例えば、表示オブジェクト230aの奥行きをより大きくする。その結果、例えば11−2および11−4に示されるように、表示オブジェクト230aの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の新たな奥行きと同程度の奥行きとして再び知覚される。
【0060】
図12は、表示オブジェクト230の奥行きの変化の他の例を説明するための説明図である。図12を参照すると、12−1および12−3に示されるように、物体90の値札を示す表示オブジェクト230bが、立体視可能に表示される。ここでは、表示オブジェクト230bの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の実際の奥行きよりも少し小さい奥行きとして知覚される。よって、視点位置80から、表示オブジェクト230bが物体90の手前に位置するように見える。ここで、12−2および12−4に示されるように、物体90が、例えば、透過ディスプレイ10に近づく方向に移動する。この場合に、表示制御部150は、物体90の当該位置の変化に応じて、例えば、表示オブジェクト230bの奥行きをより小さくする。その結果、例えば11−2および11−4に示されるように、表示オブジェクト230bの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の新たな奥行きよりも少し小さい奥行きとして再び知覚される。
【0061】
図11および図12を参照して説明されたとおり、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて表示オブジェクト230の奥行きを変化させることで、表示オブジェクト230を物体90に追従させることができる。すなわち、表示オブジェクト230と物体90との間で知覚される奥行きを近くすることができる。よって、人物は、焦点を大きく変えることなく、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることができる。その結果、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることが人物にとってより容易になり、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0062】
なお、表示制御部150は、位置情報に応じて、視点位置80から知覚される、奥行き以外の表示オブジェクト230の位置をさらに変化させてもよい。図13は、表示オブジェクト230の位置の変化の一例を説明するための説明図である。図13を参照すると、13−1および13−3に示されるように、物体90の値札を示す表示オブジェクト230bが、立体視可能に表示される。ここでは、表示オブジェクト230bの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の実際の奥行きよりも少し小さい奥行きとして知覚される。よって、視点位置80から、表示オブジェクト230bが物体90の手前に位置するように見える。ここで、13−2および13−4に示されるように、物体90が、例えば、z軸方向において透過ディスプレイ10に近づく方向に移動しつつ、x軸方向において視点位置80から見て左の方向に移動する。この場合に、表示制御部150は、物体90の当該位置の変化に応じて、例えば、表示オブジェクト230bの奥行きをより小さくしつつ、x軸方向の位置も視点位置80から見て左の方向に変化させる。その結果、例えば13−2および13−4に示されるように、表示オブジェクト230bの奥行きは、透過ディスプレイ10からの物体90の新たな奥行きよりも少し小さい奥行きとして再び知覚される。さらに、表示オブジェクト230bの左右方向の位置は、物体90とほぼ等しい位置として知覚される。
【0063】
図13を参照して説明されたとおり、位置情報に応じて、視点位置80から知覚される、奥行き以外の表示オブジェクト230の位置をさらに変化させることで、奥行き方向以外でも表示オブジェクト230を物体90に追従させることができる。すなわち、表示オブジェクト230と物体90との間で知覚される左右上下方向の位置を近くすることができる。よって、人物は、左右上下方向に眼を大きく動かすことなく、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることができる。その結果、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることが人物にとってより容易になり、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0064】
なお、取得部120が、透過ディスプレイ10の第2の面側に位置する人物と透過ディスプレイ10との相対的な位置関係を取得する場合、換言すると、上記拡張された位置情報を取得する場合に、表示制御部150は、当該拡張された位置情報を用いてもよい。すなわち、表示制御部150は、拡張された位置情報における位置関係の変化に応じて、上記人物の位置から知覚される、表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させてもよい。図14は、人物の位置に応じた表示オブジェクト230の表示の一例を説明するための説明図である。14−1および14−2は、設定される視点位置80から表示オブジェクト230aが見られる場合を示す。図14を参照すると、14−1では、設定された視点位置80を前提とする場合に、表示オブジェクト230aが、例えば物体90からx軸方向に少しずれた位置に見えるように表示される。その結果、14−2に示されるように、表示オブジェクト230aは、視点位置80から、物体90を左側から指し示しているように見える。一方で、14−3および14−4は、取得された人物の位置70から表示オブジェクト230aが見られる場合を示す。図14を参照すると、14−3では、取得された人物の位置70を前提とする場合に、表示オブジェクト230aが、例えば物体90からx軸方向およびz軸方向に少しずれた位置に見えるように表示される。その結果、14−4に示されるように、表示オブジェクト230aは、設定された視点位置80とずれた実際の人物の位置70からであっても、物体90を左側から指し示しているように見える。このように固定された視点位置80を前提とせずに、実際の人物の位置70を用いることで、当該人物の位置70において、表示オブジェクト230の所望の位置(奥行きを含む)を知覚させる表示画像(左眼用画像および右眼用画像)を表示できる。その結果、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることが人物にとってより容易になり、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0065】
(奥行きの変化過程の制御)
次に、表示制御部150による奥行きの変化過程の制御について説明する。表示制御部150は、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程に関する制約条件を満たすように、奥行きを変化させる。すなわち、表示オブジェクト230の奥行きがどのように変化するかについての制約条件が設けられ、表示オブジェクト230の奥行きは、その制約条件を満たす範囲で変化する。
【0066】
上記制約条件の第1の例は、例えば、所定の時間あたりの表示オブジェクト230の奥行きの変化量が所定の変化量よりも小さいことである。すなわち、表示制御部150は、所定の時間あたりの当該奥行きの変化量が所定の変化量よりも小さくなるように、当該奥行きを変化させる。
【0067】
図15および図16は、眼に負担を与える奥行きの変化量の一例を説明するための説明図である。図15を参照すると、15−1と15−2に示されるように、ある時間tからt+1に時間が経過すると、例えば人に動かされることにより、物体90が透過ディスプレイ90に近づく方向に急激に移動する。そして、物体90の当該位置の変化に応じて、表示オブジェクト230aの奥行きも急激に小さくなる。この場合に、図16の16−1および16−2に示されるように、表示オブジェクト230aは、視点位置80において素早くまたは急に飛び出てくるように見える。すると、視点位置80からこれを見た人物は、急に飛び出る表示オブジェクト230に焦点が合うように眼の筋肉を動作させる。その結果、当該人物の眼に負担を与え得る。
【0068】
これに対して、図17および図18は、制約条件下での奥行きの変化量の一例を説明するための説明図である。図17を参照すると、17−1と17−2に示されるように、ある時間tからt+1に時間が経過すると、物体90が透過ディスプレイ10に近づく方向に急激に移動する。これに対して、表示制御部150は、透過ディスプレイ10に対する当該物体90の変化に応じて一度に奥行きを変化させると所定の時間あたりのその変化量が所定の変化量以上になると判定する。そのため、17−1から17−4に示されるように、表示制御部150は、ある時間tからt+3にわたって、表示オブジェクト230aの奥行きを徐々に変化させる。この場合に、図18の18−1から18−4に示されるように、表示オブジェクト230aは、視点位置80においてゆっくりと飛び出てくるように見える。このように、所定の時間あたりの表示オブジェクト230の奥行きの変化量を所定の変化量よりも小さくすることで、表示オブジェクト230の奥行きが急激に変化することにより、それを見た人物の眼に過度な負担を与えることを防止できる。すなわち、表示オブジェクト230を見る人物の眼への負担を軽減し得る。
【0069】
次に、上記制約条件の第2の例は、例えば、所定の時間あたりの表示オブジェクト230の奥行きの増加と減少との切り替わりの回数が所定の回数よりも小さいことである。すなわち、表示制御部150は、所定の時間あたりの当該奥行きの増加と減少との切り替わりの回数が所定の回数よりも小さくなるように、当該奥行きを変化させる。
【0070】
図19および図20は、眼に負担を与える奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための説明図である。図19を参照すると、19−1から19−4に示されるように、ある時間tからt+3まで時間が経過する間に、例えば人に揺さぶられることにより、物体90が透過ディスプレイ90に近づく方向と離れる方向に移動を繰り返す。そして、表示オブジェクト230aの奥行きも、物体90の当該位置の変化に応じて、減少と増加を繰り返す。この場合に、図20の20−1から20−4に示されるように、表示オブジェクト230aは、視点位置80において前後への動きを繰り返えすように見える。すると、視点位置80からこれを見た人物は、前後への動きを繰り返す表示オブジェクト230に焦点が合うように、眼の筋肉を繰り返し動作させる。その結果、当該人物の眼に負担を与え得る。
【0071】
これに対して、図21および図22は、制約条件下での奥行きの増加と減少との切り替わりの一例を説明するための説明図である。図21を参照すると、21−1から21−4に示されるように、ある時間tからt+3まで時間が経過する間に、物体90が透過ディスプレイ90に近づく方向と離れる方向に移動を繰り返す。ここでの制約条件は、例えばtが5増加するまでの間に上記切り替わりが1回よりも小さい(すなわち切り替わりが発生しない)ことであるものとする。よって、表示制御部150は、透過ディスプレイ10に対する当該物体90位置の変化に応じて奥行きを変化させると、所定の時間あたりの奥行きの増加と減少との切り替わりの回数が所定の回数以上になると判定する。そのため、表示制御部150は、例えば、t=t+1では、透過ディスプレイ10に対する物体90の位置の変化に応じて、表示オブジェクト230aの奥行きを変化させるが、その後t=t+2およびt=t+3では位置を変化させない。この場合に、図22の22−1から22−4に示されるように、表示オブジェクト230aは、視点位置80において、物体90に合わせてはじめに動いた後に静止しているように見える。このように、表示オブジェクト230の奥行きの増加と減少との切り替わりを所定の回数よりも小さくすることにより、それを見た人物の眼に過度な負担を与えることを防止できる。すなわち、表示オブジェクト230を見る人物の眼への負担を軽減し得る。
【0072】
なお、図15から図22では、時間の経過を簡単に示すために、時間tがt、t+1、t+2、t+3という簡易な表記で示されたが、上記所定の時間は、様々な形式を表し得る。上記所定の時間は、例えば秒数のように、時間そのものを表してもよい。また、上記所定の時間は、取得部120により透過ディスプレイ10と物体90との位置関係を示す位置情報が取得される回数を表してもよい。
【0073】
また、表示制御部150は、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程に関する制約条件が満たされるか否かを判定するために、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置の変化の過程を測定してもよい。この場合に、表示制御部150は、例えば、取得部120により位置情報が取得される度に、当該位置情報と前回取得された位置情報とを用いて、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置の変化(例えば、変化量と変化の方向)を測定する。そして、表示制御部150は、例えば、測定された物体90の相対的な位置の変化から表示オブジェクト230の奥行きの変化(例えば、変化量と変化の方向)を算出し、当該奥行きの変化が上記制約条件を満たすか否かを判定する。また、2つの位置情報から測定される物体90の相対的な位置の変化の過程(1回分の変化)ではなく、3つ以上の位置情報から測定される物体90の相対的な位置の一連の変化の過程(2回分以上の変化)から、上記制約条件が満たされるか否かが判定されてもよい。また、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置の変化の過程ではなく、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程が直接的に測定されてもよい。
【0074】
また、表示制御部150は、上記位置情報における透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置が所定の時間あたりに所定の距離以上変化しない場合には、表示オブジェクト230の奥行きを変化させなくてもよい。例えば、図21のように物体90の位置が透過ディスプレイ10に近づく方向および離れる方向に変化する場合に、変化した位置の間の距離が所定の距離よりも小さければ、表示オブジェクト230の奥行きは、21−1に示される奥行きから変化しない。すなわち、表示オブジェクト230の奥行きは、21−2から21−4に示されるように、透過ディスプレイ10に近づく方向に変化することはない。これにより、物体90の位置が大きく変わらない場合には、表示オブジェクト230の奥行きまたは表示位置を変化させないようにすることができる。すなわち、物体90の少しの動きに合わせて表示オブジェクト230がむやみに揺れることを防止することができる。その結果、表示オブジェクト230を見る人物の眼への負担を軽減し得る。
【0075】
(透過ディスプレイへの衝突防止の制御)
次に、表示制御部150による透過ディスプレイへの衝突防止の制御について説明する。表示制御部150は、透過ディスプレイ10の第2の面側に位置する人物に透過ディスプレイ10の存在に気付かせる表示オブジェクト(以下、「衝突防止オブジェクト」と呼ぶ)を表示させてもよい。図23は、衝突防止オブジェクト250の第1の例を説明するための説明図である。図23を参照すると、例えば、静止している4つの丸型の衝突防止オブジェクト250aが、透過ディスプレイ10の画面200に表示される。また、表示制御部150は、上記人物または当該人物の体の一部(例えば手)と透過ディスプレイ10との間の距離である接触距離に応じて、衝突防止オブジェクト250を表示させてもよい。図24は、衝突防止オブジェクト250の表示のタイミングの一例を説明するための説明図である。図24を参照すると、例えば、接触距離Dが所定の閾値Dを下回った場合に、衝突防止オブジェクト250が表示される。また、図25は、衝突防止オブジェクト250の第2の例を説明するための説明図である。図25を参照すると、例えば、接触距離Dが所定の閾値Dを下回った場合に、人物により動的に飛び出すように知覚される衝突防止オブジェクト250bが、透過ディスプレイ10の画面200に表示されてもよい。このような衝突防止オブジェクト250の表示により、人物が、透過ディスプレイ10の存在に気付かずに物体90に触れようとした結果、透過ディスプレイ10に衝突する、という事態を防ぐことができる。また、接触距離に応じて衝突防止オブジェクト250を表示させることにより、衝突の危険性がない場合には、衝突防止オブジェクトを非表示にできる。その結果、表示オブジェクト230をより広い範囲で表示することが可能となり、また人物による物体90の見易さが担保される。
【0076】
また、表示制御部150は、位置情報における透過ディスプレイ10の位置と物体90の位置との間の距離(以下、「物体設置距離」と呼ぶ)がより短い程、接触距離がより長くても、上記人物に衝突防止オブジェクト250を表示させてもよい。図26は、物体90の位置に応じた衝突防止オブジェクト250の表示のタイミングの一例を説明するための説明図である。図26を参照すると、例えば、26−1のように物体設置距離Dがより大きい場合よりも、26−2のように物体設置距離Dがより小さい場合の方が、接触距離Dの所定の閾値Dがより大きくなる。一般的に、物体90がより近くにある程、人物は物体90をより触りやすいと感じる。よって、上記のように衝突防止オブジェクト250の表示のタイミングを設定することで、上記人物が物体90を触ろうとする可能性が高い場合に、衝突防止オブジェクト250をより早く表示させ、より高い確率で衝突を防止することができる。
【0077】
[2.3.表示制御装置のハードウェア構成]
次に、図27を参照して、本実施形態に係る表示制御装置100のハードウェア構成の一例について説明する。図27は、一実施形態に係る表示制御装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図27を参照すると、表示制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)181、ROM(Read Only Memory)183、RAM(Random Access Memory)185、GPU(Graphics Processing Unit)187、バス189、記憶装置191、および入出力インターフェース193を含む。
【0078】
CPU181は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM183、RAM185、または記憶装置191に記録された各種プログラムに従って、表示制御装置100内の動作全般またはその一部を制御する。ROM183は、CPU181が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM185は、CPU181が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。GPU187は、表示画面の生成(例えば、レンダリングによる右眼用画像および左眼用画像の生成)をはじめとする、表示装置(例えば透過ディスプレイ10)の表示に関する様々な処理を行う。バス189は、CPU181、ROM183、RAM185およびGPU187を相互に接続する。バス189には、さらに、記憶装置191および入出力インターフェース193が接続される。
【0079】
記録媒体191は、例えば、OS(Operating System)などの基本ソフトウェアや、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体191としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
【0080】
入出力インターフェース193は、例えば、透過ディスプレイ10、カメラ20等を接続する。ここで、入出力インターフェース193としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual
Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられるが、上記に限られない。
【0081】
<3.処理の流れ>
以下では、図28および図29を用いて、本実施形態に係る表示制御処理の第1の例および第2の例について説明する。
【0082】
(表示制御処理の第1の例)
図28は、本実施形態に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。表示制御処理の第1の例では、基本的な奥行きの制御として説明されたように、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて、視点位置80から知覚される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きが変化する。
【0083】
図28を参照すると、まずステップS310で、認識部110は、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置を認識する。
【0084】
次に、ステップS320で、取得部120は、透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する。
【0085】
次に、ステップ330で、表示制御部150は、位置情報における透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて、視点位置80から知覚される、立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。
【0086】
そして、ステップ340で、画像生成部140は、感知される奥行きが変化した表示オブジェクト230の左眼用オブジェクトおよび右眼用オブジェクトをそれぞれ含む左眼用画像および右眼用画像を、表示画像として生成する。
【0087】
(表示制御処理の第2の例)
図29は、本実施形態に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。表示制御処理の第2の例では、奥行きの変化過程の制御として説明されたように、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程に関する制約条件を満たすように、奥行きが変化する。ここでは、表示制御処理の第2の例と図28にて示された表示制御処理の第1の例との差分であるステップS352、S354、S356およびS358のみを説明する。
【0088】
ステップS352では、表示制御部150は、取得された最新の位置情報と前回取得された位置情報とを用いて、透過ディスプレイ10に対する物体90の相対的な位置の変化を測定し、記録する。
【0089】
ステップS354では、表示制御部150は、物体90の相対的な位置の変化の過程から、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程に関する制約条件が満たされるか否かを判定する。ここで、上記制約条件が満たされる場合には、処理はステップS356へ進む。一方で、上記制約条件が満たされない場合には、処理はステップS358へ進む。
【0090】
ステップS356では、表示制御部150は、位置情報における透過ディスプレイ10と物体90との相対的な位置関係の変化に応じて、視点位置80から知覚される、立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。
【0091】
ステップS358では、表示制御部150は、代替手法で表示オブジェクト230の上記奥行きを変化させる。例えば、表示制御部150は、図17において説明されたように、表示オブジェクト230の上記奥行きを小さい変化量で変化させ、または図21において説明されたように表示オブジェクト230の上記奥行きを維持する。
【0092】
<4.変形例>
上記実施形態の変形例として、透過ディスプレイ10が多視点立体ディスプレイであり、多視点での立体視表示が実現される場合について説明する。当該変形例では、複数の視点位置80が設定され、透過ディスプレイ10と物体90の位置関係の変化に応じて、当該複数の視点位置80のうちの各視点位置から知覚される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きが変化する。
【0093】
[4.1.表示制御装置の論理的な構成]
変形例に係る表示制御装置100は、図7を用いて説明された上記実施形態と同様に、認識部110、取得部120、記憶部130、画像生成部140および表示制御部150を備える。ここで、認識部110と取得部120については、本変形例と上記実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、記憶部130、画像生成部140および表示制御部150について、上記実施形態と本変形例との間差異が説明される。
【0094】
(記憶部130)
表示オブジェクト230の立体視のための表示位置または表示属性の記憶において、記憶部130は、複数の視点位置80のうちの各々の視点位置に対応する、表示オブジェクト230の立体視のための表示位置または表示属性を記憶する。例えば、図4に示されるように、個別位置EおよびEの組合せである視点位置に対して、表示オブジェクト230の立体視のための表示位置または表示属性が記憶されてもよい。また、個別位置EおよびEの組合せである視点位置個別位置EおよびEの組合せである視点位置、並びに個別位置EおよびEの組合せである視点位置に対して、表示オブジェクト230の立体視のための表示位置または表示属性が記憶されてもよい。
【0095】
(画像生成部140)
表示画像の生成において、画像生成部140は、各個別位置(例えば、上記EからE)に対応する個別の表示領域(例えば、図4の206−1〜206−8)に表示するための画像を生成する。画像生成部140は、例えば、記憶部130に記憶されている各視点位置に対応する表示オブジェクト230の表示位置および表示属性に基づいて、個別の表示領域に表示するための画像を生成する。例えば、画像生成部140は、個別位置EおよびEの組合せである視点位置に対して記憶されている、表示オブジェクト230の立体視のための表示位置または表示属性に基づいて、表示領域206−3および206−4に表示するための画像を生成する。
【0096】
(表示制御部150)
表示制御部150は、透過ディスプレイ10と物体90との位置関係の変化に応じて、各視点位置から知覚される、透過ディスプレイ10により立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。表示制御部150は、例えば、視点位置毎に、表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。図30は、多視点での立体視表示における表示オブジェクト230の表示の例を説明するための説明図である。図30を参照すると、30−1、30−3および30−5に示されるように、視点位置80a、80bおよび80cが設定されている。上記のとおり、視点位置80a、80bおよび80cの各々について、表示オブジェクト230の立体視のための表示位置が、記憶部230に記憶されている。例えばここでは、表示オブジェクト230aが物体90を左側から指し示しているように視点位置80a〜80cのいずれからも見えるように、表示オブジェクト230aの立体視のための表示位置が変化し、記憶されている。そのため、30−1のように、視点位置80aについての表示オブジェクト230aの立体視のための表示位置は、物体90からx軸方向に少しずれた位置となる。また、30−3および30−5のように、視点位置80bおよび80cについての表示オブジェクト230aの立体視のための表示位置は、表示オブジェクト230は物体90からx軸方向およびz軸方向に少しずれた位置となる。そして、30−2、30−4および30−6に示されるように、表示オブジェクト230は、各視点位置において、物体90を左側から指し示しているように見える。
【0097】
このように複数の視点位置の各々についての表示オブジェクト230の表示位置(奥行きを含む)を変化させることで、各々の視点位置に応じた表示オブジェクト230の位置(奥行きを含む)を知覚させることができる。よって、視点位置が変わっても、知覚される物体90の奥行きと表示オブジェクト230の奥行きの関係を維持することもできる。例えば上記のように、複数の視点位置のうちのいずれの視点位置からも、表示オブジェクト230が物体90の左側の位置に存在するかのように、表示オブジェクト230の位置(奥行きを含む)を知覚させることもできる。したがって、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることを人物にとってより容易にすることができ、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0098】
[4.2.処理の流れ]
図31は、本変形例に係る表示制御処理の概略的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、変形例に係る表示制御処理の例と図28にて示された上記実施形態に係る表示制御処理の第1の例との差分であるステップS332およびS342のみを説明する。
【0099】
ステップS332では、表示制御部150は、透過ディスプレイ10と物体90との位置関係の変化に応じて、各視点位置から知覚される、透過ディスプレイ10により立体視可能に表示される表示オブジェクト230の画面200からの奥行きを変化させる。
【0100】
そして、ステップS342では、画像生成部140は、各個別位置に対応する個別の表示領域に表示するための画像を生成する。これにより、2つの個別位置の組合せである各視点位置についての表示画像が生成される。
【0101】
<5.まとめ>
ここまで、図1〜31を用いて、本開示の一実施形態に係る表示制御システム1および表示制御装置100について説明した。本実施形態によれば、透過ディスプレイ10を通して人物が物体90を見る際に当該人物の眼への負担を軽減し得る、透過ディスプレイ10の表示が可能となる。
【0102】
本実施形態によれば、例えば、視点位置80から知覚される、奥行き以外の表示オブジェクト230の位置も変化させられる。これにより、上記人物は、奥行き方向だけではなく左右方向に眼を大きく動かすことなく、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることができる。その結果、物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることが人物にとってより容易になり、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0103】
また、本実施形態によれば、例えば、表示オブジェクト230の奥行きの変化の過程に関する制約条件が満たされるように、奥行きが変化させられる。これにより、人物の眼に過度な負担を与える表示オブジェクト230の奥行きの変化を回避することができる。その結果、表示オブジェクト230を見る人物の眼への負担を軽減し得る。
【0104】
また、本実施形態によれば、例えば、透過ディスプレイ10に衝突防止オブジェクト250が表示される。これにより、人物が、透過ディスプレイ10の存在に気付かずに物体90に触れようとした結果、透過ディスプレイ10に衝突する、という事態を防ぐことができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、例えば、複数視点での立体視表示において、複数の視点位置の各々についての表示オブジェクト230の表示位置(奥行きを含む)が変化させられる。これにより、各々の視点位置に応じた表示オブジェクト230の位置(奥行きを含む)を知覚させることができる。物体90および表示オブジェクト230をあわせて見ることを人物にとってより容易にすることができ、また人物の眼への負担を軽減し得る。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
例えば、上記実施形態では、認識部および画像生成部を備える表示制御装置が説明されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、表示制御装置は、取得部および画像生成部を備えず、表示制御装置と直接的にまたは間接的に接続される別の装置が、認識部および画像生成部を備えてもよい。
【0108】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御装置であって、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する取得部と、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる表示制御部と、
を備える表示制御装置。
(2)
前記透過ディスプレイは、表示オブジェクトの左眼用オブジェクトを含む左眼用画像と、当該表示オブジェクトの右眼用オブジェクトを含む右眼用画像とを前記画面に表示することにより、当該表示オブジェクトを立体視可能に表示し、
前記表示制御部は、前記画面内における前記左眼用オブジェクトの表示位置と前記右眼用オブジェクトの表示位置との間の左右方向のオフセットを変化させることにより、前記奥行きを変化させる、
前記(1)に記載の表示制御装置。
(3)
前記表示制御部は、前記位置情報における前記透過ディスプレイに対する前記物体の相対的な位置が所定の時間あたりに所定の距離以上変化しない場合には、前記奥行きを変化させない、前記(1)に記載の表示制御装置。
(4)
前記表示制御部は、前記表示オブジェクトの前記奥行きの変化の過程に関する制約条件を満たすように、前記奥行きを変化させる、前記(1)または(3)に記載の表示制御装置。
(5)
前記表示制御部は、所定の時間あたりの前記奥行きの変化量が所定の変化量よりも小さくなるように、前記奥行きを変化させる、前記(4)に記載の表示制御装置。
(6)
前記表示制御部は、所定の時間あたりの前記奥行きの増加と減少との切り替わりの回数が所定の回数よりも小さくなるように、前記奥行きを変化させる、前記(4)または(5)に記載の表示制御装置。
(7)
前記透過ディスプレイは、前記第2の面側に設定される複数の視点位置のうちの各視点位置から視認可能に、当該各視点位置に対応する個別の表示画像を表示し、当該個別の表示画像内で表示オブジェクトを立体視可能に表示する多視点立体ディスプレイであり、
前記表示制御部は、前記位置関係の変化に応じて、前記各視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる、
前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(8)
前記取得部は、前記透過ディスプレイと当該透過ディスプレイの前記第2の面側に位置する人物および前記物体との相対的な位置関係を示す拡張位置情報を取得し、
前記表示制御部は、前記拡張位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記人物の位置から知覚される、前記表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる、
前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(9)
前記表示制御部は、前記位置情報に応じて、前記視点位置から知覚される、前記奥行き以外の前記表示オブジェクトの位置をさらに変化させる、前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(10)
前記表示制御部は、前記第2の面側に位置する人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる表示オブジェクトを表示させる、前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(11)
前記取得部は、前記人物または当該人物の体の一部と前記透過ディスプレイとの間の第1の距離をさらに取得し、
前記表示制御部は、前記距離に応じて、前記人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる前記表示オブジェクトを表示させる、
前記(10)に記載の表示制御装置。
(12)
前記表示制御部は、前記位置情報における前記透過ディスプレイの位置と前記物体の位置との間の第2の距離がより短い程、前記第1の距離がより長くても、前記人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる前記表示オブジェクトを表示させる、前記(11)に記載の表示制御装置。
(13)
前記透過ディスプレイに対する前記物体の相対的な位置を認識する認識部をさらに備え、
前記取得部は、前記認識部から前記位置情報を取得する、
前記(1)から(12)のいずれか1項に記載の表示制御装置。
(14)
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御方法であって、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させることと、
を含む表示制御方法。
(15)
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイに、直接的にまたは間接的に接続するコンピュータに、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させることと、
を実行させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1 表示制御システム
10 透過ディスプレイ
20 カメラ
80 視点位置
90 物体
100 表示制御装置
110 認識部
120 取得部
130 記憶部
140 画像生成部
150 表示制御部
200 画面
230 表示オブジェクト
250 衝突防止オブジェクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御装置であって、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得する取得部と、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記透過ディスプレイは、表示オブジェクトの左眼用オブジェクトを含む左眼用画像と、当該表示オブジェクトの右眼用オブジェクトを含む右眼用画像とを前記画面に表示することにより、当該表示オブジェクトを立体視可能に表示し、
前記表示制御部は、前記画面内における前記左眼用オブジェクトの表示位置と前記右眼用オブジェクトの表示位置との間の左右方向のオフセットを変化させることにより、前記奥行きを変化させる、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記位置情報における前記透過ディスプレイに対する前記物体の相対的な位置が所定の時間あたりに所定の距離以上変化しない場合には、前記奥行きを変化させない、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示オブジェクトの前記奥行きの変化の過程に関する制約条件を満たすように、前記奥行きを変化させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、所定の時間あたりの前記奥行きの変化量が所定の変化量よりも小さくなるように、前記奥行きを変化させる、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、所定の時間あたりの前記奥行きの増加と減少との切り替わりの回数が所定の回数よりも小さくなるように、前記奥行きを変化させる、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記透過ディスプレイは、前記第2の面側に設定される複数の視点位置のうちの各視点位置から視認可能に、当該各視点位置に対応する個別の表示画像を表示し、当該個別の表示画像内で表示オブジェクトを立体視可能に表示する多視点立体ディスプレイであり、
前記表示制御部は、前記位置関係の変化に応じて、前記各視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記透過ディスプレイと当該透過ディスプレイの前記第2の面側に位置する人物および前記物体との相対的な位置関係を示す拡張位置情報を取得し、
前記表示制御部は、前記拡張位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記人物の位置から知覚される、前記表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させる、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記位置情報に応じて、前記視点位置から知覚される、前記奥行き以外の前記表示オブジェクトの位置をさらに変化させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第2の面側に位置する人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる表示オブジェクトを表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記人物または当該人物の体の一部と前記透過ディスプレイとの間の第1の距離をさらに取得し、
前記表示制御部は、前記距離に応じて、前記人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる前記表示オブジェクトを表示させる、
請求項10に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記位置情報における前記透過ディスプレイの位置と前記物体の位置との間の第2の距離がより短い程、前記第1の距離がより長くても、前記人物に前記透過ディスプレイの存在に気付かせる前記表示オブジェクトを表示させる、請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記透過ディスプレイに対する前記物体の相対的な位置を認識する認識部をさらに備え、
前記取得部は、前記認識部から前記位置情報を取得する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項14】
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイの表示を制御する表示制御方法であって、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させることと、
を含む表示制御方法。
【請求項15】
第1の面の側に位置する物体から届く光を透過することによって、前記第1の面と反対の面である第2の面の側に設定される視点位置から前記物体を視認可能とする画面を有し、かつ表示オブジェクトを立体視可能に表示する透過ディスプレイに、直接的にまたは間接的に接続するコンピュータに、
前記透過ディスプレイと前記物体との相対的な位置関係を示す位置情報を取得することと、
前記位置情報における前記位置関係の変化に応じて、前記視点位置から知覚される、前記透過ディスプレイにより立体視可能に表示される表示オブジェクトの前記画面からの奥行きを変化させることと、
を実行させるコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−17146(P2013−17146A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150486(P2011−150486)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】