表示制御装置、表示装置、および表示制御方法
【課題】乗客輸送手段の乗客の行先に応じた案内情報を乗客輸送手段の乗客に表示することができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置50は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部20に記憶させる行先情報取得部10と、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、乗客輸送手段に設けられた表示部40に表示させる表示制御部30とを備える。
【解決手段】表示制御装置50は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部20に記憶させる行先情報取得部10と、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、乗客輸送手段に設けられた表示部40に表示させる表示制御部30とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示装置、および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、列車に設置された親機から乗客が身につけている子機へ運行データが送信され、乗客が子機を操作して知りたい項目を選択すると、運行データのうち選択されたデータが子機に表示される構成が開示されている。
【0003】
特許文献2には、列車の各ドアから駅の各出口の方向を計算し、計算された駅の各出口の方向を、列車の各ドア付近に設置された表示器に表示することにより、降車客のホーム上での移動速度の向上を図る構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−16806号公報
【特許文献2】特許2834193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された構成では、乗客の行先に応じた乗り換え案内や駅の出口案内が行われず、乗客にとって不便である。また、子機を持っていない乗客は、親機からの情報を見ることができない。
【0006】
また、特許文献2では、乗客の行先に応じた表示とはなっていないため、不要な案内情報も多数表示され、乗客に必要な情報が十分に表示されないことが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、乗客輸送手段の乗客の行先に応じた案内情報を乗客輸送手段の乗客に表示することができる表示制御装置、表示装置、および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示制御装置は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、上記の表示制御装置と、当該表示制御装置からの情報を表示する前記表示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る表示制御方法は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得ステップと、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、乗客輸送手段の乗客の行先に応じた案内情報を乗客輸送手段の乗客に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】行先情報入力画面の一例を示す図である。
【図3】案内用基情報の一例を示す図である。
【図4】案内用基情報の一例を示す図である。
【図5】端末用案内情報の一例を示す図である。
【図6】端末用案内情報の一例を示す図である。
【図7】行先情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図8】案内画像の一例を示す図である。
【図9】案内画像の一例を示す図である。
【図10】案内画像記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図11】運行状況画像の一例を示す図である。
【図12】合成画像の一例を示す図である。
【図13】実施の形態1における表示制御装置の行先情報の取得に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1における表示制御装置の案内情報の表示に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態3における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図17】実施の形態4における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における表示装置1の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置1は、乗客輸送手段に設けられた表示部40に、乗客輸送手段の乗客を案内するための案内情報を表示する装置である。本例では、乗客輸送手段は列車であり、表示装置1は、列車内に設けられた表示部40に、列車の乗客に向けた乗り換え案内や駅の出口案内を表示する装置である。列車は、例えば複数の車両が連結されたものであるが、1つの車両からなる1両編成の列車であってもよい。
【0013】
図1において、表示装置1は、行先情報取得部10、行先情報記憶部20、表示制御部30、および表示部40を備える。
【0014】
行先情報取得部10は、列車の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部20に記憶させる。行先情報は、乗客の目的駅を示す情報(例えば目的駅名)や、乗客の目的施設を示す情報(例えば目的施設名)などである。
【0015】
行先情報記憶部20は、行先情報取得部10による行先情報の取得の結果を記憶する。例えば、行先情報記憶部20は、各行先について、当該行先を示す行先情報の行先情報取得部10により取得された回数(以下、「取得回数」と称す)を記憶する。あるいは、行先情報記憶部20は、行先情報取得部10により取得された行先情報を累積的に記憶する。ただし、行先情報記憶部20は、上記以外の態様で取得結果を記憶してもよい。
【0016】
表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、列車内に設けられた表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗り換え案内または駅の出口案内(以下、「駅出口案内」と称す)のための案内情報を表示部40に表示させる。
【0017】
具体的には、表示制御部30は、行先情報が乗客の目的駅を示す場合、案内情報として、目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報(例えば乗り換え駅での乗り換えの方向や道順を示す情報)を表示させる。また、表示制御部30は、行先情報が乗客の目的施設を示す場合、案内情報として、目的施設に行くための駅出口案内を示す情報(例えば目的施設への最寄り出口名と最寄り出口の方向を示す情報)を表示させる。
【0018】
一つの態様では、表示制御部30は、行先情報取得部10により複数の行先の行先情報が取得された場合、各行先の行先情報の取得回数(または行先情報記憶部20に記憶された回数)に基づいて、案内情報を表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報の取得回数の多い行先に対応する案内情報を選択的または優先的に表示部40に表示させる。より具体的には、表示制御部30は、ある停車駅に対応する案内情報を表示させる際、当該停車駅に対応する複数の案内情報のうち、取得回数の多い行先に対応する案内情報を選択的または優先的に表示させる。例えば、表示制御部30は、取得回数が最も多い行先に対応する案内情報を選択的に表示させる。また例えば、表示制御部30は、取得回数が多いほど案内情報の表示サイズや表示時間が大きくなるよう、各行先の取得回数に応じて各行先に対応する案内情報を表示させる。
【0019】
また、一つの態様では、表示制御部30は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報記憶部20に記憶された情報とに基づいて、案内情報を表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報(すなわち行先情報の取得結果)に応じた案内情報を、運行情報に応じたタイミングで、表示部40に表示させる。ここで、運行情報は、例えば、列車の走行位置情報や遅延情報など、列車の現在位置を特定するための情報を含む。
【0020】
上記態様における一例では、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、乗客の行先から当該乗客の降車駅を特定し、運行情報に基づいて列車が当該降車駅に近づいたことを検出すると、当該行先に対応する案内情報を表示部40に表示させる。上記の降車駅としては、目的駅に行くための乗り換え駅や、目的施設に行くための最寄り駅(最終降車駅)などがある。
【0021】
また、上記態様における別の一例では、表示制御部30は、運行情報に基づいて列車が次の停車駅に近づいたことを検出すると、行先情報記憶部20に記憶されている情報に基づき、次の停車駅に対応する乗客の行先に応じた案内情報を表示部40に表示させる。なお、次の停車駅が降車駅となる行先の行先情報が行先情報記憶部20に記憶されていない場合、表示制御部30は、案内情報を表示させなくてもよいし、当該停車駅に対応する予め定められた案内情報を表示させてもよい。
【0022】
また、一つの態様では、表示制御部30は、上記案内情報と、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して表示部40に表示させる。例えば、表示制御部30は、上記運行情報に基づき、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報を生成し、当該情報と案内情報とを合成して合成情報を生成し、当該合成情報を表示部40に出力する。上記の列車の運行状況を乗客に知らせるための情報としては、例えば、列車の走行位置情報や遅延情報などがある。
【0023】
また、一つの態様では、表示制御部30は、予め記憶された複数の案内情報の中から表示対象の案内情報を選択して表示部40に表示させる。例えば、表示制御部30は、予め用意された複数の案内画像の中から表示対象の案内画像を選択する。
【0024】
表示部40は、列車内に設けられ、表示制御部30からの情報(すなわち、案内情報、または案内情報と列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とが合成された情報)を表示する。具体的には、表示部40は、その表示内容が乗客から見えるように設けられ、例えば乗降用のドア付近などに設置される。
【0025】
以下、行先情報取得部10、行先情報記憶部20、表示制御部30、および表示部40について、より具体的に説明する。
【0026】
まず、行先情報取得部10について説明する。図1の例では、行先情報取得部10は、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15を有する。
【0027】
通信部11は、列車の乗客により携帯される移動体端末2との間で無線通信を行う。本例では、通信部11は、携帯電話と通信可能な装置(例えば携帯電話の小型の基地局)であり、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、GSM(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)などの通信方式により、携帯電話である移動体端末2と通信を行う。具体的には、通信部11は、後述する行先情報受信部12から入力される行先情報入力画面を移動体端末2へ送信し、移動体端末2から送信される行先情報を受信して行先情報受信部12に出力する。また、通信部11は、後述する案内情報送信部15から入力される端末用案内情報および合成画像を移動体端末2へ送信する。通信部11は、移動体端末2と通信可能であればよく、適宜の態様で設置されればよい。
【0028】
行先情報受信部12は、通信部11を介して、移動体端末2に表示可能な形式で行先情報入力画面を移動体端末2へ送信し、行先情報入力画面上で入力された行先情報を移動体端末2から通信部11を介して受信し、当該行先情報を行先情報記憶部20に記憶させる。具体的には、行先情報受信部12は、移動体端末2を携行する乗客から、当該乗客の目的駅や目的施設などの行先を示す行先情報を取得するために、行先情報入力画面を、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式など移動体端末2で表示可能な形式で通信部11へ出力し、通信部11を介して行先情報入力画面を移動体端末2に表示させる。また、行先情報受信部12は、通信部11を介して、移動体端末2にて行先情報入力画面上で入力された行先情報を例えばHTML形式により取得し、当該行先情報を例えばテキスト形式に変換して行先情報記憶部20および案内情報生成部14に出力する。上記行先情報入力画面は、例えば図2に示されるように、乗客に行先情報(目的駅名または目的施設名)の入力を促すメッセージと、乗客が行先情報を入力するための行先入力欄とを含む。
【0029】
案内用基情報記憶部13は、乗客を案内するための端末用案内情報の生成の基となる(または乗客を案内するための基となる)案内用基情報を記憶する。案内用基情報記憶部13は、例えば、列車の運行前に予め外部の情報供給元から端子101を介して入力される案内用基情報を記憶しておく。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。案内用基情報は、例えば、目的駅への乗り換え案内のための情報や、目的施設への駅出口案内のための情報を含む。ここで、目的駅への乗り換え案内のための情報は、目的駅と、当該目的駅に行くための乗り換え駅と、当該乗り換え駅での乗り換え先とが対応付けられた情報であり、例えば、図3に示されるように、目的駅と、乗り換え駅と、乗り換え先列車の路線名と、乗り換え駅にて乗り換え先列車が到着するホーム番号とが対応付けられた情報である。また、目的施設への駅出口案内のための情報は、目的施設と、当該目的施設に行くための最寄り駅(最終降車駅)と、当該最寄り駅での目的施設への最寄り出口とが対応付けられた情報であり、例えば、図4に示されるように、目的施設と、最寄り駅と、最寄り駅での目的施設に一番近い出口の名前(駅出口名)とが対応付けられた情報である。
【0030】
案内情報生成部14は、行先情報受信部12により受信された行先情報に応じて、乗り換え案内または駅出口案内のための端末用案内情報を生成し、案内情報送信部15に出力する。
【0031】
一つの態様では、案内情報生成部14は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報受信部12から入力された行先情報と、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報とから、端末用案内情報を生成する。図1では、上記運行情報は外部の情報供給元から端子102を介して案内情報生成部14に入力される。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。
【0032】
具体的には、案内情報生成部14は、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報から、受信された行先情報により示される行先と対応付けられた情報を選択し、当該行先に対応する降車駅(乗り換え駅または最寄り駅)までの到着時間を運行情報から予測し、選択された情報と、予測された到着時間とから、端末用案内情報を生成する。
【0033】
より具体的には、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先が目的駅である場合、案内用基情報に基づき、目的駅に対応する乗り換え駅および乗り換え先を特定し、当該乗り換え駅までの到着時間を運行情報から予測し、特定された乗り換え駅および乗り換え先と、予測された到着時間とを示す端末用案内情報を生成する。また、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先が目的施設である場合、案内用基情報に基づき、目的施設に対応する最寄り駅および最寄り出口を特定し、当該最寄り駅までの到着時間を運行情報から予測し、特定された最寄り駅および最寄り出口と、予測された到着時間とを示す端末用案内情報を生成する。
【0034】
例えば、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先がB1駅である場合、図3の案内用基情報を参照して、B1駅に対応する乗り換え駅「A3駅」、乗り換え先列車の路線名「路線B」、および乗り換え先列車が到着するホーム番号「3番線」を特定し、A3駅までの到着時間を予測し、図5に示されるような、乗り換え駅「A3駅」と、乗り換え先「路線B」および「3番線」と、予測された到着時間「10分」とを示す端末用案内情報を生成する。また、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先がE3公園である場合、図4の案内用基情報を参照して、E3公園に対応する最寄り駅「A2駅」および駅出口名「東口」を特定し、A2駅までの到着時間を予測し、図6に示されるような、最寄り駅「A2駅」と、駅出口名「東口」と、予測された到着時間「7分」とを示す端末用案内情報を生成する。
【0035】
案内情報送信部15は、案内情報生成部14により生成された端末用案内情報を、移動端末2に表示可能な形式で、通信部11を介して移動体端末2へ送信する。具体的には、案内情報送信部15は、案内情報生成部14から入力される端末用案内情報を、例えばHTML形式など移動体端末2にて表示可能な形式に変換して通信部11に出力し、通信部11を介して移動体端末2に表示させる。
【0036】
また、案内情報送信部15は、表示制御部30により表示部40に表示される情報を受け取り、当該情報を、移動体端末2に表示可能な形式で、通信部11を介して移動体端末2へ送信する。具体的には、案内情報送信部15は、後述する合成画像生成部34により生成された合成画像を、例えばHTML形式など移動体端末2にて表示可能な形式に変換して通信部11へ出力し、通信部11を介して移動体端末2に表示させる。
【0037】
次に、行先情報記憶部20について説明する。行先情報記憶部20は、行先情報受信部12から入力される行先情報を記憶する。例えば、行先情報記憶部20は、図7に示されるように、各行先について、当該行先を示す行先情報が取得された回数(取得回数)を記憶する。この場合、例えば、行先情報記憶部20は、行先情報受信部12から行先情報の入力を受ける度に、当該行先情報により示される行先に対応する取得回数を1増やす。各行先の取得回数は、例えば列車の運行前に0にクリアしておくこととする。
【0038】
次に、表示制御部30について説明する。図1の例では、表示制御部30は、案内画像記憶部31、案内画像選択部32、運行状況画像生成部33、および合成画像生成部34を有する。
【0039】
案内画像記憶部31は、案内情報として、乗り換え案内や駅出口案内のための案内画像を複数記憶する。例えば、案内画像記憶部31は、列車の運行前に予め外部の情報供給元から端子103を介して入力される案内画像を複数記憶しておく。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。図8には、案内画像記憶部31に記憶される乗り換え案内のための案内画像の一例が示されており、図9には、案内画像記憶部31に記憶される駅出口案内のための案内画像の一例が示されている。案内画像記憶部31は、例えば、図10に示されるように、行先と、当該行先に行くための降車駅(乗り換え駅または最寄り駅)と、当該行先を案内するための案内画像とを対応付けて記憶する。行先や降車駅等に関する情報は、端子103から案内画像と共に案内画像記憶部31に入力される。案内画像記憶部31に記憶される案内画像は、列車内での表示部40の取り付け位置を基点とした案内画像であり、例えば表示部40の取り付け位置から乗り換え先のホームや最寄り出口への方向や道順を示す案内画像である。図8,9の例では、「降車口」は表示部40が設置されたドアの位置を示しており、「降車口」から乗り換え先のホームや最寄り出口への方向等が示されている。
【0040】
案内画像選択部32は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報記憶部20に記憶された情報とに基づいて、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から案内画像を選択して合成画像生成部34に出力する。例えば、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された複数の行先情報(または各行先の取得回数)に基づいて、案内画像を選択する。
【0041】
具体的には、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された情報から列車の乗客の降車駅を割り出し、端子102から入力される運行情報により、上記割り出された降車駅に列車が近づいたことを検出すると、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から、当該降車駅に対応する案内画像を選択して合成画像生成部34に出力する。この際、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、行先情報の取得回数の多い行先に対応する案内画像を案内画像記憶部31から優先的に選択する。例えば、案内画像選択部32は、上記降車駅を乗り換え駅または最寄り駅とする行先のうち、取得回数の最も多い行先に対応する案内画像を選択する。
【0042】
また、案内画像選択部32は、端子102から入力される運行情報により、案内画像記憶部31に記憶された降車駅を通過したことを検出すると、その降車駅と対応付けて案内画像記憶部31に記憶されている行先について、行先情報記憶部20に記憶されている取得回数を0にクリアする。
【0043】
運行状況画像生成部33は、端子102から入力される運行情報に基づいて、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報として、列車の運行状況を示す運行状況画像を生成し、合成画像生成部34に出力する。例えば、運行状況画像生成部33は、運行情報から列車の現在位置を特定し、図11に示されるような、列車の現在位置または次の停車駅を示す運行状況画像を生成する。
【0044】
合成画像生成部34は、案内画像選択部32により選択された案内画像と、運行状況画像生成部33により生成された運行状況画像とを合成して合成画像を合成情報として生成し、当該合成画像を表示部40に表示させる。例えば、合成画像生成部34は、案内画像選択部32から入力される図8に示される案内画像と、運行状況画像生成部33から入力される図11に示される運行状況画像とを合成し、図12に示されるような合成画像を生成して表示部40に出力する。合成画像生成部34は、案内情報送信部15にも合成画像を出力する。この合成画像は、上述した通り、案内情報送信部15により通信部11を介して移動体端末2に送信され、移動体端末2で表示される。
【0045】
次に、表示部40について説明する。表示部40は、合成画像生成部34により生成された合成画像を表示画面上に表示する。例えば、表示部40は、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)パネルや有機エレクトロルミネッセンス(EL: Electro- Luminescence)パネルといった表示デバイスを含み、当該表示デバイスにより合成画像生成部34から入力される合成画像を表示する。
【0046】
なお、上記構成において、行先情報取得部10および表示制御部30は、表示制御装置50を構成している。表示制御装置50は、行先情報記憶部20など、他の構成要素を含んでもよい。
【0047】
図13は、実施の形態1における表示制御装置50の行先情報の取得に関する動作の一例を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、表示制御装置50の行先情報の取得に関する動作を説明する。図13の処理は、例えば、列車が始発駅を出発してから終着駅に到着するまでの間、表示制御装置50が移動体端末2からの要求を受信する度に実行される。
【0048】
表示制御装置50は、例えば移動体端末2からの要求に応じて、行先情報入力画面を移動体端末2で表示可能な形式で無線通信により移動体端末2へ送信する(S11)。移動体端末2は、当該行先情報入力画面を受信して表示し、当該行先情報入力画面上での乗客による行先情報の入力を受けると、当該行先情報を無線通信により表示制御装置50へ送信する。
【0049】
表示制御装置50は、上記移動体端末2から送信された行先情報を受信し(S12)、当該行先情報を行先情報記憶部20に記憶させる(S13)。具体的には、表示制御装置50は、行先情報記憶部20において、当該行先情報により示される位置に対応付けられた取得回数を1増加させる。
【0050】
また、表示制御装置50は、ステップS12で受信された行先情報と、端子102から入力される列車の運行情報と、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報とに基づいて、端末用案内情報を生成し(S14)、当該端末用案内情報を移動体端末2で表示可能な形式に変換して無線通信により移動体端末2へ送信する(S15)。具体的には、表示制御装置50は、ステップS12で受信された行先情報の送信元の移動体端末2に対して、上記端末用案内情報を送信する。移動体端末2は、表示制御装置50から送信された端末用案内情報を表示する。
【0051】
図14は、実施の形態1における表示制御装置50の案内情報の表示に関する動作の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、表示制御装置50の案内情報の表示に関する動作を説明する。図14の処理は、例えば、列車が始発駅を出発する際に開始される。また、図14の処理が行われている間、行先情報記憶部20の記憶内容は、図13の処理により随時更新される。
【0052】
表示制御装置50は、行先情報記憶部20に記憶されている情報に基づき、乗客の降車駅を特定する(S21)。行先情報記憶部20に複数の行先の行先情報が記憶されている場合(または行先情報の取得回数が1以上である行先が複数存在する場合)には、各行先に対応する1以上の降車駅を特定する。
【0053】
ついで、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報により、ステップS21で特定された降車駅のいずれかに列車が近づいたか否かを判断する(S22)。例えば、表示制御装置50は、列車から降車駅までの距離が所定値以下となった場合や、降車駅までの到着予測時間が所定値以下となった場合、列車が当該降車駅に近づいたと判断する。
【0054】
列車が降車駅に近づいていないと判断された場合(S22:NO)、表示制御装置50は、処理をステップS28に移す。
【0055】
一方、列車が降車駅に近づいたと判断された場合(S22:YES)、表示制御装置50は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から表示対象の案内画像を選択する(S23)。具体的には、表示制御装置50は、次の降車駅に対応する案内画像の中から、取得回数が最も多い行先に対応する1つの案内画像を選択する。
【0056】
また、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報から、列車の運行状況を示す運行状況画像を生成する(S24)。
【0057】
そして、表示制御装置50は、ステップS23で選択された案内画像と、ステップS24で生成された運行状況画像とから合成画像を生成し(S25)、当該合成画像を表示部40に表示させる(S26)。
【0058】
また、表示制御装置50は、ステップS25で生成された合成画像を、移動体端末2で表示可能な形式に変換して無線通信により移動体端末2へ送信し(S27)、処理をステップS28に移す。移動体端末2は、表示制御装置50から送信された合成画像を表示する。なお、合成画像の送信先は、例えば、図13のステップS12で受信された行先情報の送信元の移動体端末2や、当該送信元の移動体端末2のうちステップS23で選択された案内画像に対応する行先情報を送信した移動体端末2である。
【0059】
ステップS28では、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報に基づき、列車が終着駅に到着したか否かを判断する。
【0060】
列車が終着駅に到着していないと判断された場合(S28:NO)、表示制御装置50は、処理をステップS21に戻す。
【0061】
一方、列車が終着駅に到着したと判断された場合(S28:YES)、表示制御装置50は、処理を終了させる。
【0062】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(10)の効果が得られ得る。
(1)表示制御装置は、列車の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部に記憶させ、当該行先情報記憶部に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、列車内に設けられた表示部に表示させる。このため、列車の乗客の行先に応じた案内情報を列車内に表示することができる。具体的には、列車内に取り付けられた表示部に、列車の乗客の行先に応じた乗り換え案内や駅出口案内を表示することができる。また、不要な案内情報が多数表示されることを避けることができ、列車の乗客に必要な情報を十分に表示することが可能となる。例えば、表示される案内情報を充実させることができ、乗り換えの際や駅出口に向かう際の方向や道順(すなわち降車後の方向や道順)を乗客に分かり易く伝えることが可能となる。例えば、列車の乗り換え時に乗客がホームを移動する際の階段の位置や、目的施設に近い駅出口に至るための階段の位置などを乗客に分かり易く示すことができる。
【0063】
(2)表示制御装置は、複数の行先の行先情報が取得された場合、各行先の行先情報の取得回数に基づいて、上記案内情報を表示させる。本態様によれば、各行先の乗客の人数に応じて、より適切に案内情報を表示することができる。
【0064】
(3)表示制御装置は、列車の運行状況を示す運行情報と、上記行先情報記憶部に記憶された情報とに基づいて、上記案内情報を表示させる。本態様によれば、列車の乗客の行先に応じた案内情報を、列車の運行状況(例えば列車の現在位置)に応じた適切なタイミングで表示することができる。
【0065】
(4)表示制御装置は、上記案内情報と、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して表示部に表示させる。本態様によれば、列車の乗客に対し、乗り換え案内や駅出口案内に加えて、列車の運行状況を伝えることができる。
【0066】
(5)表示制御装置は、予め記憶された複数の案内情報の中から表示対象の案内情報を選択する。本態様によれば、表示対象の案内情報を容易に得ることができ、処理負荷の軽減が可能となる。
【0067】
(6)表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末から行先情報を受信し、その結果を行先情報記憶部に記憶させるとともに、受信された行先情報に応じて、乗客を案内するための端末用案内情報を生成して移動体端末に送信する。具体的には、表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信部と、当該通信部を介して、移動体端末に表示可能な形式で行先情報入力画面を移動体端末へ送信し、行先情報入力画面上で入力された行先情報を移動体端末から受信し、その結果を行先情報記憶部に記憶させる行先情報受信部と、受信された行先情報に応じて、乗り換え案内または駅の出口案内のための端末用案内情報を生成する案内情報生成部と、生成された端末用案内情報を、移動体端末に表示可能な形式で、通信部を介して移動体端末へ送信する案内情報送信部とを備える。本態様によれば、乗客の行先に応じて、各乗客に対して案内情報を表示することができ、各乗客に対して乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。具体的には、行先情報の送信元の乗客に対して、当該行先情報に対応する案内情報(すなわち当該乗客の行先に応じた案内情報)を伝えることができる。これにより、乗客は自分にとって必要な案内情報を得ることができる。
【0068】
(7)上記通信部は、携帯電話と通信可能な装置である。本態様によれば、乗客が携帯する携帯電話に乗り換え案内や駅出口案内を表示することができる。
【0069】
(8)表示制御装置は、上記表示部に表示される情報を、移動体端末に表示可能な形式で移動体端末へ送信する。本態様によれば、乗客の行先情報に応じて、各乗客に対して乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0070】
(9)表示制御装置は、行先情報が乗客の目的駅を示す場合、案内情報として、目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報を表示させる。本態様によれば、乗客の目的駅に応じた乗り換え案内を、列車内の表示部や移動体端末に表示することができる。具体的には、乗客の目的駅に応じて、乗り換え駅での乗り換えの方向や道順を示す案内画像を表示することにより、乗客に乗り換えの際の方向や道順を分かり易く伝えることができる。
【0071】
(10)表示制御装置は、行先情報が乗客の目的施設を示す場合、案内情報として、目的施設に行くための出口案内を示す情報を表示させる。本態様によれば、乗客の目的施設に応じた駅出口案内を、列車内の表示部や移動体端末に表示することができる。具体的には、乗客の目的施設に応じて、目的施設への最寄り出口名と最寄り出口の方向を示す案内画像を表示することにより、乗客に駅出口に向かう際の方向や道順を分かり易く伝えることができる。
【0072】
実施の形態2.
図15は、実施の形態2における表示装置3の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置3は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置3は、実施の形態1の表示装置1において通信部11を通信部301に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0073】
本実施の形態2では、行先情報取得部10は、実施の形態1の通信部11の代わりに、通信部301を有する。通信部301は、無線LAN(Local Area Network)端末と通信可能な装置(例えば無線LANの基地局や無線LAN親機)であり、例えばIEEE802.11などの通信方式により、乗客に携帯される無線LAN端末である移動体端末4(例えば無線LAN子機を備えた移動体端末)と通信を行う。
【0074】
以上の通り、本実施の形態2では、表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信部として、無線LAN端末と通信可能な装置を有する。このため、本実施の形態2によれば、乗客が携帯する無線LAN対応の移動体端末に乗り換え案内や駅出口案内を表示することができ、無線LAN対応の移動体端末を携帯する乗客への乗り換え案内や駅出口案内ができる。
【0075】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3における表示装置5の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置5は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置5は、実施の形態1の表示装置1において、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15をタッチパネル501に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0076】
本実施の形態3では、行先情報取得部10は、タッチパネル501を備え、当該タッチパネル501を介して列車の乗客から行先情報を取得するように構成されている。
【0077】
タッチパネル501は、列車の乗客がタッチパネル操作により入力した行先を行先情報として行先情報記憶部20に出力する。
【0078】
以上の通り、本実施の形態3では、表示制御装置は、タッチパネルを備え、当該タッチパネル501を介して列車の乗客から行先情報を取得する。このため、本実施の形態3によれば、タッチパネルにより乗客の行先情報を収集し、列車の乗客への乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0079】
実施の形態4.
図17は、実施の形態4における表示装置6の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置6は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置6は、実施の形態1の表示装置1において、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15を行先読み取り部601に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0080】
本実施の形態4では、行先情報取得部10は、行先読み取り部601を有する。この行先読み取り部601は、列車の乗客により携行される携行物から行先情報を読み取り、当該行先情報を行先情報記憶部20に出力する。
【0081】
一つの態様では、携行物は、行先を示す情報が印刷された印刷物であり、行先読み取り部601は、携行物に印刷された情報を行先情報として読み取る。具体的には、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する列車の切符やコンサートチケットを、例えばカメラにより撮影し、目的駅や目的施設といった行先を読み取る。
【0082】
また、別の態様では、携行物は行先を示す情報が電磁的に記録された記録媒体であり、行先読み取り部601は、携行物に記録された情報を行先情報として読み取る。具体的には、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する磁気カードから、磁気センサにより、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。また、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する接触式ICカードから、有線通信により、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。また、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する非接触式ICカードから、近距離無線通信により、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。
【0083】
以上の通り、本実施の形態4では、表示制御装置は、列車の乗客により携行される携行物から行先情報を読み取る。このため、本実施の形態4によれば、列車の乗客の携行物から行先情報を収集し、列車の乗客への乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0084】
以上説明した実施の形態1〜4において、表示装置は、少なくとも1つの表示部を備えていればよく、複数の表示部を備えていてもよい。例えば、表示部は、列車の車両毎に設けられてもよいし、列車の各車両のドア毎に設けられてもよい。そして、表示制御装置は、複数の表示部の表示を制御するように構成されてもよい。この場合、表示制御装置は、例えば、行先に応じた案内情報を表示部に表示させる際、それぞれの表示部に対し、当該表示部の設置位置に応じた案内情報(例えば当該表示部の設置位置を基点とした案内画像)を表示させる。例えば、表示制御装置は、行先情報記憶部に記憶された情報から乗客の降車駅を割り出し、表示部が設置された列車内の位置を示す情報(例えば表示部が設置された車両の番号および車両内での表示部の設置位置情報)から、降車駅での表示部の位置(例えば到着ホームのホーム番号および当該到着ホームにおける表示部の停止位置)を特定する。そして、表示制御装置は、運行情報により降車駅に近づいたことを検出すると、降車駅での表示部の位置に対応する案内画像を案内画像記憶部に記憶された複数の案内画像から選択して表示させる。例えば、表示制御装置は、ホーム番号毎および停止位置毎に用意された複数の案内画像の中から、上記特定されたホーム番号および停止位置に対応する案内画像を選択して表示させる。
【0085】
また、実施の形態1〜4において、表示装置は、乗客の行先情報を入力するための入力部(具体的には、通信部11、通信部301、タッチパネル501、行先読み取り部601)を少なくとも1つ備えていればよく、複数の入力部を備えていてもよい。例えば、入力部は、列車の車両毎に設けられてもよいし、列車の各車両のドア毎に設けられてもよい。そして、表示制御装置は、複数の入力部から入力された行先情報に基づいて、1または複数の表示部の表示を制御するように構成されてもよい。この場合、表示制御装置は、各表示部の表示をすべての入力部から入力された行先情報に基づいて制御してもよいし、各表示部の表示を当該表示部に対応する一部(例えば1つ)の入力部から入力された行先情報に基づいて制御してもよい。
【0086】
また、実施の形態1〜4において、表示制御装置の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、表示制御装置の機能は、例えば表示制御プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、表示制御装置の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された表示制御プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。表示制御プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態1〜4における表示装置および表示制御装置は、バス、船舶、航空機など、列車以外の、乗客を輸送する乗客輸送手段、乗物、または交通機関(例えば公共交通機関)に適用されてもよい。具体的には、表示制御装置は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させ、当該記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、上記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させてもよい。この場合、実施の形態1〜4において、「列車」に関する用語は、「乗客輸送手段」に関する用語に適宜読み替えられる。例えば、「列車の運行状況」は「乗客輸送手段の運行状況」と読み替えられ、「駅」は「乗客が乗降する場所」と読み替えられる。また、「駅出口案内のための案内情報」の代わりに、例えば、乗客が乗降する場所における乗客を案内するための案内情報や、乗客が乗降する場所から目的施設へ案内するための案内情報(例えば目的施設への方向や道順を示す情報)が表示される。
【0088】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0089】
1,3,5,6 表示装置、 2,4 移動体端末、 10 行先情報取得部、 11 通信部、 12 行先情報受信部、 13 案内用基情報記憶部、 14 案内情報生成部、 15 案内情報送信部、 20 行先情報記憶部、 30 表示制御部、 31 案内画像記憶部、 32 案内画像選択部、 33 運行状況画像生成部、 34 合成画像生成部、 40 表示部、 50 表示制御装置、 101〜103 入力端子、 301 通信部、 501 タッチパネル、 601 行先読み取り部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示装置、および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、列車に設置された親機から乗客が身につけている子機へ運行データが送信され、乗客が子機を操作して知りたい項目を選択すると、運行データのうち選択されたデータが子機に表示される構成が開示されている。
【0003】
特許文献2には、列車の各ドアから駅の各出口の方向を計算し、計算された駅の各出口の方向を、列車の各ドア付近に設置された表示器に表示することにより、降車客のホーム上での移動速度の向上を図る構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−16806号公報
【特許文献2】特許2834193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された構成では、乗客の行先に応じた乗り換え案内や駅の出口案内が行われず、乗客にとって不便である。また、子機を持っていない乗客は、親機からの情報を見ることができない。
【0006】
また、特許文献2では、乗客の行先に応じた表示とはなっていないため、不要な案内情報も多数表示され、乗客に必要な情報が十分に表示されないことが考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、乗客輸送手段の乗客の行先に応じた案内情報を乗客輸送手段の乗客に表示することができる表示制御装置、表示装置、および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示制御装置は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、上記の表示制御装置と、当該表示制御装置からの情報を表示する前記表示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る表示制御方法は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得ステップと、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、乗客輸送手段の乗客の行先に応じた案内情報を乗客輸送手段の乗客に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】行先情報入力画面の一例を示す図である。
【図3】案内用基情報の一例を示す図である。
【図4】案内用基情報の一例を示す図である。
【図5】端末用案内情報の一例を示す図である。
【図6】端末用案内情報の一例を示す図である。
【図7】行先情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図8】案内画像の一例を示す図である。
【図9】案内画像の一例を示す図である。
【図10】案内画像記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図11】運行状況画像の一例を示す図である。
【図12】合成画像の一例を示す図である。
【図13】実施の形態1における表示制御装置の行先情報の取得に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1における表示制御装置の案内情報の表示に関する動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態3における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図17】実施の形態4における表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における表示装置1の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置1は、乗客輸送手段に設けられた表示部40に、乗客輸送手段の乗客を案内するための案内情報を表示する装置である。本例では、乗客輸送手段は列車であり、表示装置1は、列車内に設けられた表示部40に、列車の乗客に向けた乗り換え案内や駅の出口案内を表示する装置である。列車は、例えば複数の車両が連結されたものであるが、1つの車両からなる1両編成の列車であってもよい。
【0013】
図1において、表示装置1は、行先情報取得部10、行先情報記憶部20、表示制御部30、および表示部40を備える。
【0014】
行先情報取得部10は、列車の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部20に記憶させる。行先情報は、乗客の目的駅を示す情報(例えば目的駅名)や、乗客の目的施設を示す情報(例えば目的施設名)などである。
【0015】
行先情報記憶部20は、行先情報取得部10による行先情報の取得の結果を記憶する。例えば、行先情報記憶部20は、各行先について、当該行先を示す行先情報の行先情報取得部10により取得された回数(以下、「取得回数」と称す)を記憶する。あるいは、行先情報記憶部20は、行先情報取得部10により取得された行先情報を累積的に記憶する。ただし、行先情報記憶部20は、上記以外の態様で取得結果を記憶してもよい。
【0016】
表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、列車内に設けられた表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づいて、乗り換え案内または駅の出口案内(以下、「駅出口案内」と称す)のための案内情報を表示部40に表示させる。
【0017】
具体的には、表示制御部30は、行先情報が乗客の目的駅を示す場合、案内情報として、目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報(例えば乗り換え駅での乗り換えの方向や道順を示す情報)を表示させる。また、表示制御部30は、行先情報が乗客の目的施設を示す場合、案内情報として、目的施設に行くための駅出口案内を示す情報(例えば目的施設への最寄り出口名と最寄り出口の方向を示す情報)を表示させる。
【0018】
一つの態様では、表示制御部30は、行先情報取得部10により複数の行先の行先情報が取得された場合、各行先の行先情報の取得回数(または行先情報記憶部20に記憶された回数)に基づいて、案内情報を表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報の取得回数の多い行先に対応する案内情報を選択的または優先的に表示部40に表示させる。より具体的には、表示制御部30は、ある停車駅に対応する案内情報を表示させる際、当該停車駅に対応する複数の案内情報のうち、取得回数の多い行先に対応する案内情報を選択的または優先的に表示させる。例えば、表示制御部30は、取得回数が最も多い行先に対応する案内情報を選択的に表示させる。また例えば、表示制御部30は、取得回数が多いほど案内情報の表示サイズや表示時間が大きくなるよう、各行先の取得回数に応じて各行先に対応する案内情報を表示させる。
【0019】
また、一つの態様では、表示制御部30は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報記憶部20に記憶された情報とに基づいて、案内情報を表示部40に表示させる。具体的には、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報(すなわち行先情報の取得結果)に応じた案内情報を、運行情報に応じたタイミングで、表示部40に表示させる。ここで、運行情報は、例えば、列車の走行位置情報や遅延情報など、列車の現在位置を特定するための情報を含む。
【0020】
上記態様における一例では、表示制御部30は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、乗客の行先から当該乗客の降車駅を特定し、運行情報に基づいて列車が当該降車駅に近づいたことを検出すると、当該行先に対応する案内情報を表示部40に表示させる。上記の降車駅としては、目的駅に行くための乗り換え駅や、目的施設に行くための最寄り駅(最終降車駅)などがある。
【0021】
また、上記態様における別の一例では、表示制御部30は、運行情報に基づいて列車が次の停車駅に近づいたことを検出すると、行先情報記憶部20に記憶されている情報に基づき、次の停車駅に対応する乗客の行先に応じた案内情報を表示部40に表示させる。なお、次の停車駅が降車駅となる行先の行先情報が行先情報記憶部20に記憶されていない場合、表示制御部30は、案内情報を表示させなくてもよいし、当該停車駅に対応する予め定められた案内情報を表示させてもよい。
【0022】
また、一つの態様では、表示制御部30は、上記案内情報と、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して表示部40に表示させる。例えば、表示制御部30は、上記運行情報に基づき、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報を生成し、当該情報と案内情報とを合成して合成情報を生成し、当該合成情報を表示部40に出力する。上記の列車の運行状況を乗客に知らせるための情報としては、例えば、列車の走行位置情報や遅延情報などがある。
【0023】
また、一つの態様では、表示制御部30は、予め記憶された複数の案内情報の中から表示対象の案内情報を選択して表示部40に表示させる。例えば、表示制御部30は、予め用意された複数の案内画像の中から表示対象の案内画像を選択する。
【0024】
表示部40は、列車内に設けられ、表示制御部30からの情報(すなわち、案内情報、または案内情報と列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とが合成された情報)を表示する。具体的には、表示部40は、その表示内容が乗客から見えるように設けられ、例えば乗降用のドア付近などに設置される。
【0025】
以下、行先情報取得部10、行先情報記憶部20、表示制御部30、および表示部40について、より具体的に説明する。
【0026】
まず、行先情報取得部10について説明する。図1の例では、行先情報取得部10は、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15を有する。
【0027】
通信部11は、列車の乗客により携帯される移動体端末2との間で無線通信を行う。本例では、通信部11は、携帯電話と通信可能な装置(例えば携帯電話の小型の基地局)であり、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、GSM(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)などの通信方式により、携帯電話である移動体端末2と通信を行う。具体的には、通信部11は、後述する行先情報受信部12から入力される行先情報入力画面を移動体端末2へ送信し、移動体端末2から送信される行先情報を受信して行先情報受信部12に出力する。また、通信部11は、後述する案内情報送信部15から入力される端末用案内情報および合成画像を移動体端末2へ送信する。通信部11は、移動体端末2と通信可能であればよく、適宜の態様で設置されればよい。
【0028】
行先情報受信部12は、通信部11を介して、移動体端末2に表示可能な形式で行先情報入力画面を移動体端末2へ送信し、行先情報入力画面上で入力された行先情報を移動体端末2から通信部11を介して受信し、当該行先情報を行先情報記憶部20に記憶させる。具体的には、行先情報受信部12は、移動体端末2を携行する乗客から、当該乗客の目的駅や目的施設などの行先を示す行先情報を取得するために、行先情報入力画面を、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式など移動体端末2で表示可能な形式で通信部11へ出力し、通信部11を介して行先情報入力画面を移動体端末2に表示させる。また、行先情報受信部12は、通信部11を介して、移動体端末2にて行先情報入力画面上で入力された行先情報を例えばHTML形式により取得し、当該行先情報を例えばテキスト形式に変換して行先情報記憶部20および案内情報生成部14に出力する。上記行先情報入力画面は、例えば図2に示されるように、乗客に行先情報(目的駅名または目的施設名)の入力を促すメッセージと、乗客が行先情報を入力するための行先入力欄とを含む。
【0029】
案内用基情報記憶部13は、乗客を案内するための端末用案内情報の生成の基となる(または乗客を案内するための基となる)案内用基情報を記憶する。案内用基情報記憶部13は、例えば、列車の運行前に予め外部の情報供給元から端子101を介して入力される案内用基情報を記憶しておく。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。案内用基情報は、例えば、目的駅への乗り換え案内のための情報や、目的施設への駅出口案内のための情報を含む。ここで、目的駅への乗り換え案内のための情報は、目的駅と、当該目的駅に行くための乗り換え駅と、当該乗り換え駅での乗り換え先とが対応付けられた情報であり、例えば、図3に示されるように、目的駅と、乗り換え駅と、乗り換え先列車の路線名と、乗り換え駅にて乗り換え先列車が到着するホーム番号とが対応付けられた情報である。また、目的施設への駅出口案内のための情報は、目的施設と、当該目的施設に行くための最寄り駅(最終降車駅)と、当該最寄り駅での目的施設への最寄り出口とが対応付けられた情報であり、例えば、図4に示されるように、目的施設と、最寄り駅と、最寄り駅での目的施設に一番近い出口の名前(駅出口名)とが対応付けられた情報である。
【0030】
案内情報生成部14は、行先情報受信部12により受信された行先情報に応じて、乗り換え案内または駅出口案内のための端末用案内情報を生成し、案内情報送信部15に出力する。
【0031】
一つの態様では、案内情報生成部14は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報受信部12から入力された行先情報と、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報とから、端末用案内情報を生成する。図1では、上記運行情報は外部の情報供給元から端子102を介して案内情報生成部14に入力される。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。
【0032】
具体的には、案内情報生成部14は、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報から、受信された行先情報により示される行先と対応付けられた情報を選択し、当該行先に対応する降車駅(乗り換え駅または最寄り駅)までの到着時間を運行情報から予測し、選択された情報と、予測された到着時間とから、端末用案内情報を生成する。
【0033】
より具体的には、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先が目的駅である場合、案内用基情報に基づき、目的駅に対応する乗り換え駅および乗り換え先を特定し、当該乗り換え駅までの到着時間を運行情報から予測し、特定された乗り換え駅および乗り換え先と、予測された到着時間とを示す端末用案内情報を生成する。また、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先が目的施設である場合、案内用基情報に基づき、目的施設に対応する最寄り駅および最寄り出口を特定し、当該最寄り駅までの到着時間を運行情報から予測し、特定された最寄り駅および最寄り出口と、予測された到着時間とを示す端末用案内情報を生成する。
【0034】
例えば、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先がB1駅である場合、図3の案内用基情報を参照して、B1駅に対応する乗り換え駅「A3駅」、乗り換え先列車の路線名「路線B」、および乗り換え先列車が到着するホーム番号「3番線」を特定し、A3駅までの到着時間を予測し、図5に示されるような、乗り換え駅「A3駅」と、乗り換え先「路線B」および「3番線」と、予測された到着時間「10分」とを示す端末用案内情報を生成する。また、案内情報生成部14は、行先情報により示される行先がE3公園である場合、図4の案内用基情報を参照して、E3公園に対応する最寄り駅「A2駅」および駅出口名「東口」を特定し、A2駅までの到着時間を予測し、図6に示されるような、最寄り駅「A2駅」と、駅出口名「東口」と、予測された到着時間「7分」とを示す端末用案内情報を生成する。
【0035】
案内情報送信部15は、案内情報生成部14により生成された端末用案内情報を、移動端末2に表示可能な形式で、通信部11を介して移動体端末2へ送信する。具体的には、案内情報送信部15は、案内情報生成部14から入力される端末用案内情報を、例えばHTML形式など移動体端末2にて表示可能な形式に変換して通信部11に出力し、通信部11を介して移動体端末2に表示させる。
【0036】
また、案内情報送信部15は、表示制御部30により表示部40に表示される情報を受け取り、当該情報を、移動体端末2に表示可能な形式で、通信部11を介して移動体端末2へ送信する。具体的には、案内情報送信部15は、後述する合成画像生成部34により生成された合成画像を、例えばHTML形式など移動体端末2にて表示可能な形式に変換して通信部11へ出力し、通信部11を介して移動体端末2に表示させる。
【0037】
次に、行先情報記憶部20について説明する。行先情報記憶部20は、行先情報受信部12から入力される行先情報を記憶する。例えば、行先情報記憶部20は、図7に示されるように、各行先について、当該行先を示す行先情報が取得された回数(取得回数)を記憶する。この場合、例えば、行先情報記憶部20は、行先情報受信部12から行先情報の入力を受ける度に、当該行先情報により示される行先に対応する取得回数を1増やす。各行先の取得回数は、例えば列車の運行前に0にクリアしておくこととする。
【0038】
次に、表示制御部30について説明する。図1の例では、表示制御部30は、案内画像記憶部31、案内画像選択部32、運行状況画像生成部33、および合成画像生成部34を有する。
【0039】
案内画像記憶部31は、案内情報として、乗り換え案内や駅出口案内のための案内画像を複数記憶する。例えば、案内画像記憶部31は、列車の運行前に予め外部の情報供給元から端子103を介して入力される案内画像を複数記憶しておく。情報供給元は、例えば、地上の情報配信システムや、当該情報配信システムから情報を受信する車上装置である。図8には、案内画像記憶部31に記憶される乗り換え案内のための案内画像の一例が示されており、図9には、案内画像記憶部31に記憶される駅出口案内のための案内画像の一例が示されている。案内画像記憶部31は、例えば、図10に示されるように、行先と、当該行先に行くための降車駅(乗り換え駅または最寄り駅)と、当該行先を案内するための案内画像とを対応付けて記憶する。行先や降車駅等に関する情報は、端子103から案内画像と共に案内画像記憶部31に入力される。案内画像記憶部31に記憶される案内画像は、列車内での表示部40の取り付け位置を基点とした案内画像であり、例えば表示部40の取り付け位置から乗り換え先のホームや最寄り出口への方向や道順を示す案内画像である。図8,9の例では、「降車口」は表示部40が設置されたドアの位置を示しており、「降車口」から乗り換え先のホームや最寄り出口への方向等が示されている。
【0040】
案内画像選択部32は、列車の運行状況を示す運行情報と、行先情報記憶部20に記憶された情報とに基づいて、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から案内画像を選択して合成画像生成部34に出力する。例えば、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された複数の行先情報(または各行先の取得回数)に基づいて、案内画像を選択する。
【0041】
具体的には、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された情報から列車の乗客の降車駅を割り出し、端子102から入力される運行情報により、上記割り出された降車駅に列車が近づいたことを検出すると、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から、当該降車駅に対応する案内画像を選択して合成画像生成部34に出力する。この際、案内画像選択部32は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、行先情報の取得回数の多い行先に対応する案内画像を案内画像記憶部31から優先的に選択する。例えば、案内画像選択部32は、上記降車駅を乗り換え駅または最寄り駅とする行先のうち、取得回数の最も多い行先に対応する案内画像を選択する。
【0042】
また、案内画像選択部32は、端子102から入力される運行情報により、案内画像記憶部31に記憶された降車駅を通過したことを検出すると、その降車駅と対応付けて案内画像記憶部31に記憶されている行先について、行先情報記憶部20に記憶されている取得回数を0にクリアする。
【0043】
運行状況画像生成部33は、端子102から入力される運行情報に基づいて、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報として、列車の運行状況を示す運行状況画像を生成し、合成画像生成部34に出力する。例えば、運行状況画像生成部33は、運行情報から列車の現在位置を特定し、図11に示されるような、列車の現在位置または次の停車駅を示す運行状況画像を生成する。
【0044】
合成画像生成部34は、案内画像選択部32により選択された案内画像と、運行状況画像生成部33により生成された運行状況画像とを合成して合成画像を合成情報として生成し、当該合成画像を表示部40に表示させる。例えば、合成画像生成部34は、案内画像選択部32から入力される図8に示される案内画像と、運行状況画像生成部33から入力される図11に示される運行状況画像とを合成し、図12に示されるような合成画像を生成して表示部40に出力する。合成画像生成部34は、案内情報送信部15にも合成画像を出力する。この合成画像は、上述した通り、案内情報送信部15により通信部11を介して移動体端末2に送信され、移動体端末2で表示される。
【0045】
次に、表示部40について説明する。表示部40は、合成画像生成部34により生成された合成画像を表示画面上に表示する。例えば、表示部40は、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)パネルや有機エレクトロルミネッセンス(EL: Electro- Luminescence)パネルといった表示デバイスを含み、当該表示デバイスにより合成画像生成部34から入力される合成画像を表示する。
【0046】
なお、上記構成において、行先情報取得部10および表示制御部30は、表示制御装置50を構成している。表示制御装置50は、行先情報記憶部20など、他の構成要素を含んでもよい。
【0047】
図13は、実施の形態1における表示制御装置50の行先情報の取得に関する動作の一例を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、表示制御装置50の行先情報の取得に関する動作を説明する。図13の処理は、例えば、列車が始発駅を出発してから終着駅に到着するまでの間、表示制御装置50が移動体端末2からの要求を受信する度に実行される。
【0048】
表示制御装置50は、例えば移動体端末2からの要求に応じて、行先情報入力画面を移動体端末2で表示可能な形式で無線通信により移動体端末2へ送信する(S11)。移動体端末2は、当該行先情報入力画面を受信して表示し、当該行先情報入力画面上での乗客による行先情報の入力を受けると、当該行先情報を無線通信により表示制御装置50へ送信する。
【0049】
表示制御装置50は、上記移動体端末2から送信された行先情報を受信し(S12)、当該行先情報を行先情報記憶部20に記憶させる(S13)。具体的には、表示制御装置50は、行先情報記憶部20において、当該行先情報により示される位置に対応付けられた取得回数を1増加させる。
【0050】
また、表示制御装置50は、ステップS12で受信された行先情報と、端子102から入力される列車の運行情報と、案内用基情報記憶部13に記憶された案内用基情報とに基づいて、端末用案内情報を生成し(S14)、当該端末用案内情報を移動体端末2で表示可能な形式に変換して無線通信により移動体端末2へ送信する(S15)。具体的には、表示制御装置50は、ステップS12で受信された行先情報の送信元の移動体端末2に対して、上記端末用案内情報を送信する。移動体端末2は、表示制御装置50から送信された端末用案内情報を表示する。
【0051】
図14は、実施の形態1における表示制御装置50の案内情報の表示に関する動作の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、表示制御装置50の案内情報の表示に関する動作を説明する。図14の処理は、例えば、列車が始発駅を出発する際に開始される。また、図14の処理が行われている間、行先情報記憶部20の記憶内容は、図13の処理により随時更新される。
【0052】
表示制御装置50は、行先情報記憶部20に記憶されている情報に基づき、乗客の降車駅を特定する(S21)。行先情報記憶部20に複数の行先の行先情報が記憶されている場合(または行先情報の取得回数が1以上である行先が複数存在する場合)には、各行先に対応する1以上の降車駅を特定する。
【0053】
ついで、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報により、ステップS21で特定された降車駅のいずれかに列車が近づいたか否かを判断する(S22)。例えば、表示制御装置50は、列車から降車駅までの距離が所定値以下となった場合や、降車駅までの到着予測時間が所定値以下となった場合、列車が当該降車駅に近づいたと判断する。
【0054】
列車が降車駅に近づいていないと判断された場合(S22:NO)、表示制御装置50は、処理をステップS28に移す。
【0055】
一方、列車が降車駅に近づいたと判断された場合(S22:YES)、表示制御装置50は、行先情報記憶部20に記憶された情報に基づき、案内画像記憶部31に記憶された複数の案内画像から表示対象の案内画像を選択する(S23)。具体的には、表示制御装置50は、次の降車駅に対応する案内画像の中から、取得回数が最も多い行先に対応する1つの案内画像を選択する。
【0056】
また、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報から、列車の運行状況を示す運行状況画像を生成する(S24)。
【0057】
そして、表示制御装置50は、ステップS23で選択された案内画像と、ステップS24で生成された運行状況画像とから合成画像を生成し(S25)、当該合成画像を表示部40に表示させる(S26)。
【0058】
また、表示制御装置50は、ステップS25で生成された合成画像を、移動体端末2で表示可能な形式に変換して無線通信により移動体端末2へ送信し(S27)、処理をステップS28に移す。移動体端末2は、表示制御装置50から送信された合成画像を表示する。なお、合成画像の送信先は、例えば、図13のステップS12で受信された行先情報の送信元の移動体端末2や、当該送信元の移動体端末2のうちステップS23で選択された案内画像に対応する行先情報を送信した移動体端末2である。
【0059】
ステップS28では、表示制御装置50は、端子102から入力される運行情報に基づき、列車が終着駅に到着したか否かを判断する。
【0060】
列車が終着駅に到着していないと判断された場合(S28:NO)、表示制御装置50は、処理をステップS21に戻す。
【0061】
一方、列車が終着駅に到着したと判断された場合(S28:YES)、表示制御装置50は、処理を終了させる。
【0062】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(10)の効果が得られ得る。
(1)表示制御装置は、列車の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を行先情報記憶部に記憶させ、当該行先情報記憶部に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、列車内に設けられた表示部に表示させる。このため、列車の乗客の行先に応じた案内情報を列車内に表示することができる。具体的には、列車内に取り付けられた表示部に、列車の乗客の行先に応じた乗り換え案内や駅出口案内を表示することができる。また、不要な案内情報が多数表示されることを避けることができ、列車の乗客に必要な情報を十分に表示することが可能となる。例えば、表示される案内情報を充実させることができ、乗り換えの際や駅出口に向かう際の方向や道順(すなわち降車後の方向や道順)を乗客に分かり易く伝えることが可能となる。例えば、列車の乗り換え時に乗客がホームを移動する際の階段の位置や、目的施設に近い駅出口に至るための階段の位置などを乗客に分かり易く示すことができる。
【0063】
(2)表示制御装置は、複数の行先の行先情報が取得された場合、各行先の行先情報の取得回数に基づいて、上記案内情報を表示させる。本態様によれば、各行先の乗客の人数に応じて、より適切に案内情報を表示することができる。
【0064】
(3)表示制御装置は、列車の運行状況を示す運行情報と、上記行先情報記憶部に記憶された情報とに基づいて、上記案内情報を表示させる。本態様によれば、列車の乗客の行先に応じた案内情報を、列車の運行状況(例えば列車の現在位置)に応じた適切なタイミングで表示することができる。
【0065】
(4)表示制御装置は、上記案内情報と、列車の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して表示部に表示させる。本態様によれば、列車の乗客に対し、乗り換え案内や駅出口案内に加えて、列車の運行状況を伝えることができる。
【0066】
(5)表示制御装置は、予め記憶された複数の案内情報の中から表示対象の案内情報を選択する。本態様によれば、表示対象の案内情報を容易に得ることができ、処理負荷の軽減が可能となる。
【0067】
(6)表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末から行先情報を受信し、その結果を行先情報記憶部に記憶させるとともに、受信された行先情報に応じて、乗客を案内するための端末用案内情報を生成して移動体端末に送信する。具体的には、表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信部と、当該通信部を介して、移動体端末に表示可能な形式で行先情報入力画面を移動体端末へ送信し、行先情報入力画面上で入力された行先情報を移動体端末から受信し、その結果を行先情報記憶部に記憶させる行先情報受信部と、受信された行先情報に応じて、乗り換え案内または駅の出口案内のための端末用案内情報を生成する案内情報生成部と、生成された端末用案内情報を、移動体端末に表示可能な形式で、通信部を介して移動体端末へ送信する案内情報送信部とを備える。本態様によれば、乗客の行先に応じて、各乗客に対して案内情報を表示することができ、各乗客に対して乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。具体的には、行先情報の送信元の乗客に対して、当該行先情報に対応する案内情報(すなわち当該乗客の行先に応じた案内情報)を伝えることができる。これにより、乗客は自分にとって必要な案内情報を得ることができる。
【0068】
(7)上記通信部は、携帯電話と通信可能な装置である。本態様によれば、乗客が携帯する携帯電話に乗り換え案内や駅出口案内を表示することができる。
【0069】
(8)表示制御装置は、上記表示部に表示される情報を、移動体端末に表示可能な形式で移動体端末へ送信する。本態様によれば、乗客の行先情報に応じて、各乗客に対して乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0070】
(9)表示制御装置は、行先情報が乗客の目的駅を示す場合、案内情報として、目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報を表示させる。本態様によれば、乗客の目的駅に応じた乗り換え案内を、列車内の表示部や移動体端末に表示することができる。具体的には、乗客の目的駅に応じて、乗り換え駅での乗り換えの方向や道順を示す案内画像を表示することにより、乗客に乗り換えの際の方向や道順を分かり易く伝えることができる。
【0071】
(10)表示制御装置は、行先情報が乗客の目的施設を示す場合、案内情報として、目的施設に行くための出口案内を示す情報を表示させる。本態様によれば、乗客の目的施設に応じた駅出口案内を、列車内の表示部や移動体端末に表示することができる。具体的には、乗客の目的施設に応じて、目的施設への最寄り出口名と最寄り出口の方向を示す案内画像を表示することにより、乗客に駅出口に向かう際の方向や道順を分かり易く伝えることができる。
【0072】
実施の形態2.
図15は、実施の形態2における表示装置3の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置3は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置3は、実施の形態1の表示装置1において通信部11を通信部301に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0073】
本実施の形態2では、行先情報取得部10は、実施の形態1の通信部11の代わりに、通信部301を有する。通信部301は、無線LAN(Local Area Network)端末と通信可能な装置(例えば無線LANの基地局や無線LAN親機)であり、例えばIEEE802.11などの通信方式により、乗客に携帯される無線LAN端末である移動体端末4(例えば無線LAN子機を備えた移動体端末)と通信を行う。
【0074】
以上の通り、本実施の形態2では、表示制御装置は、列車の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信部として、無線LAN端末と通信可能な装置を有する。このため、本実施の形態2によれば、乗客が携帯する無線LAN対応の移動体端末に乗り換え案内や駅出口案内を表示することができ、無線LAN対応の移動体端末を携帯する乗客への乗り換え案内や駅出口案内ができる。
【0075】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3における表示装置5の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置5は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置5は、実施の形態1の表示装置1において、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15をタッチパネル501に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0076】
本実施の形態3では、行先情報取得部10は、タッチパネル501を備え、当該タッチパネル501を介して列車の乗客から行先情報を取得するように構成されている。
【0077】
タッチパネル501は、列車の乗客がタッチパネル操作により入力した行先を行先情報として行先情報記憶部20に出力する。
【0078】
以上の通り、本実施の形態3では、表示制御装置は、タッチパネルを備え、当該タッチパネル501を介して列車の乗客から行先情報を取得する。このため、本実施の形態3によれば、タッチパネルにより乗客の行先情報を収集し、列車の乗客への乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0079】
実施の形態4.
図17は、実施の形態4における表示装置6の構成の一例を示すブロック図である。この表示装置6は、実施の形態1のものに対し、行先情報取得部10の構成において異なっており、その他の部分については殆ど同じである。具体的には、表示装置6は、実施の形態1の表示装置1において、通信部11、行先情報受信部12、案内用基情報記憶部13、案内情報生成部14、および案内情報送信部15を行先読み取り部601に置き換えた構成となっている。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を用い、説明を省略または簡略化することとする。
【0080】
本実施の形態4では、行先情報取得部10は、行先読み取り部601を有する。この行先読み取り部601は、列車の乗客により携行される携行物から行先情報を読み取り、当該行先情報を行先情報記憶部20に出力する。
【0081】
一つの態様では、携行物は、行先を示す情報が印刷された印刷物であり、行先読み取り部601は、携行物に印刷された情報を行先情報として読み取る。具体的には、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する列車の切符やコンサートチケットを、例えばカメラにより撮影し、目的駅や目的施設といった行先を読み取る。
【0082】
また、別の態様では、携行物は行先を示す情報が電磁的に記録された記録媒体であり、行先読み取り部601は、携行物に記録された情報を行先情報として読み取る。具体的には、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する磁気カードから、磁気センサにより、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。また、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する接触式ICカードから、有線通信により、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。また、行先読み取り部601は、列車の乗客が携行する非接触式ICカードから、近距離無線通信により、列車の乗客の目的駅や目的施設といった行先を読み取る。
【0083】
以上の通り、本実施の形態4では、表示制御装置は、列車の乗客により携行される携行物から行先情報を読み取る。このため、本実施の形態4によれば、列車の乗客の携行物から行先情報を収集し、列車の乗客への乗り換え案内や駅出口案内を行うことができる。
【0084】
以上説明した実施の形態1〜4において、表示装置は、少なくとも1つの表示部を備えていればよく、複数の表示部を備えていてもよい。例えば、表示部は、列車の車両毎に設けられてもよいし、列車の各車両のドア毎に設けられてもよい。そして、表示制御装置は、複数の表示部の表示を制御するように構成されてもよい。この場合、表示制御装置は、例えば、行先に応じた案内情報を表示部に表示させる際、それぞれの表示部に対し、当該表示部の設置位置に応じた案内情報(例えば当該表示部の設置位置を基点とした案内画像)を表示させる。例えば、表示制御装置は、行先情報記憶部に記憶された情報から乗客の降車駅を割り出し、表示部が設置された列車内の位置を示す情報(例えば表示部が設置された車両の番号および車両内での表示部の設置位置情報)から、降車駅での表示部の位置(例えば到着ホームのホーム番号および当該到着ホームにおける表示部の停止位置)を特定する。そして、表示制御装置は、運行情報により降車駅に近づいたことを検出すると、降車駅での表示部の位置に対応する案内画像を案内画像記憶部に記憶された複数の案内画像から選択して表示させる。例えば、表示制御装置は、ホーム番号毎および停止位置毎に用意された複数の案内画像の中から、上記特定されたホーム番号および停止位置に対応する案内画像を選択して表示させる。
【0085】
また、実施の形態1〜4において、表示装置は、乗客の行先情報を入力するための入力部(具体的には、通信部11、通信部301、タッチパネル501、行先読み取り部601)を少なくとも1つ備えていればよく、複数の入力部を備えていてもよい。例えば、入力部は、列車の車両毎に設けられてもよいし、列車の各車両のドア毎に設けられてもよい。そして、表示制御装置は、複数の入力部から入力された行先情報に基づいて、1または複数の表示部の表示を制御するように構成されてもよい。この場合、表示制御装置は、各表示部の表示をすべての入力部から入力された行先情報に基づいて制御してもよいし、各表示部の表示を当該表示部に対応する一部(例えば1つ)の入力部から入力された行先情報に基づいて制御してもよい。
【0086】
また、実施の形態1〜4において、表示制御装置の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、表示制御装置の機能は、例えば表示制御プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、表示制御装置の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された表示制御プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。表示制御プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態1〜4における表示装置および表示制御装置は、バス、船舶、航空機など、列車以外の、乗客を輸送する乗客輸送手段、乗物、または交通機関(例えば公共交通機関)に適用されてもよい。具体的には、表示制御装置は、乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させ、当該記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、上記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させてもよい。この場合、実施の形態1〜4において、「列車」に関する用語は、「乗客輸送手段」に関する用語に適宜読み替えられる。例えば、「列車の運行状況」は「乗客輸送手段の運行状況」と読み替えられ、「駅」は「乗客が乗降する場所」と読み替えられる。また、「駅出口案内のための案内情報」の代わりに、例えば、乗客が乗降する場所における乗客を案内するための案内情報や、乗客が乗降する場所から目的施設へ案内するための案内情報(例えば目的施設への方向や道順を示す情報)が表示される。
【0088】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0089】
1,3,5,6 表示装置、 2,4 移動体端末、 10 行先情報取得部、 11 通信部、 12 行先情報受信部、 13 案内用基情報記憶部、 14 案内情報生成部、 15 案内情報送信部、 20 行先情報記憶部、 30 表示制御部、 31 案内画像記憶部、 32 案内画像選択部、 33 運行状況画像生成部、 34 合成画像生成部、 40 表示部、 50 表示制御装置、 101〜103 入力端子、 301 通信部、 501 タッチパネル、 601 行先読み取り部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記行先情報取得手段により複数の行先の行先情報が取得された場合、前記各行先の行先情報の前記行先情報取得手段により取得された回数に基づいて、前記案内情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、乗客輸送手段の運行状況を示す運行情報と、前記行先情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記案内情報を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記案内情報と、乗客輸送手段の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、予め記憶された複数の案内情報の中から前記案内情報を選択することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記行先情報取得手段は、
前記乗客輸送手段の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して、前記移動体端末に表示可能な形式で行先情報入力画面を前記移動体端末へ送信し、前記行先情報入力画面上で入力された行先情報を前記移動体端末から受信し、その結果を前記記憶手段に記憶させる行先情報受信手段と、
前記受信された行先情報に応じて、乗客を案内するための端末用案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記生成された端末用案内情報を、前記移動体端末に表示可能な形式で、前記通信手段を介して前記移動体端末へ送信する案内情報送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記通信手段は、携帯電話と通信可能な手段であることを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記通信手段は、無線LAN端末と通信可能な手段であることを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記案内情報送信手段は、さらに、前記表示制御手段により前記表示手段に表示される情報を受け取り、当該情報を、前記移動体端末に表示可能な形式で、前記通信手段を介して前記移動体端末へ送信することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記行先情報取得手段は、タッチパネルを備え、当該タッチパネルを介して前記乗客輸送手段の乗客から前記行先情報を取得することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記行先情報取得手段は、前記列車の乗客により携行される携行物から前記行先情報を読み取ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記携行物は、行先を示す情報が印刷された印刷物であり、前記行先情報取得手段は、前記印刷された情報を前記行先情報として読み取ることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記携行物は、行先を示す情報が電磁的に記録された記録媒体であり、前記行先情報取得手段は、前記記録された情報を前記行先情報として読み取ることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記行先情報が乗客の目的駅を示す場合、前記案内情報として、前記目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報を表示させることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記行先情報が乗客の目的施設を示す場合、前記案内情報として、前記目的施設に行くための出口案内を示す情報を表示させることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置からの情報を表示する前記表示手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得ステップと、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項1】
乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記行先情報取得手段により複数の行先の行先情報が取得された場合、前記各行先の行先情報の前記行先情報取得手段により取得された回数に基づいて、前記案内情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、乗客輸送手段の運行状況を示す運行情報と、前記行先情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記案内情報を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記案内情報と、乗客輸送手段の運行状況を乗客に知らせるための情報とを合成して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、予め記憶された複数の案内情報の中から前記案内情報を選択することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記行先情報取得手段は、
前記乗客輸送手段の乗客により携帯される移動体端末との間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して、前記移動体端末に表示可能な形式で行先情報入力画面を前記移動体端末へ送信し、前記行先情報入力画面上で入力された行先情報を前記移動体端末から受信し、その結果を前記記憶手段に記憶させる行先情報受信手段と、
前記受信された行先情報に応じて、乗客を案内するための端末用案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記生成された端末用案内情報を、前記移動体端末に表示可能な形式で、前記通信手段を介して前記移動体端末へ送信する案内情報送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記通信手段は、携帯電話と通信可能な手段であることを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記通信手段は、無線LAN端末と通信可能な手段であることを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記案内情報送信手段は、さらに、前記表示制御手段により前記表示手段に表示される情報を受け取り、当該情報を、前記移動体端末に表示可能な形式で、前記通信手段を介して前記移動体端末へ送信することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記行先情報取得手段は、タッチパネルを備え、当該タッチパネルを介して前記乗客輸送手段の乗客から前記行先情報を取得することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記行先情報取得手段は、前記列車の乗客により携行される携行物から前記行先情報を読み取ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記携行物は、行先を示す情報が印刷された印刷物であり、前記行先情報取得手段は、前記印刷された情報を前記行先情報として読み取ることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記携行物は、行先を示す情報が電磁的に記録された記録媒体であり、前記行先情報取得手段は、前記記録された情報を前記行先情報として読み取ることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記行先情報が乗客の目的駅を示す場合、前記案内情報として、前記目的駅に行くための乗り換え案内を示す情報を表示させることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記行先情報が乗客の目的施設を示す場合、前記案内情報として、前記目的施設に行くための出口案内を示す情報を表示させることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置からの情報を表示する前記表示手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
乗客輸送手段の乗客の行先を示す行先情報を取得し、その結果を記憶手段に記憶させる行先情報取得ステップと、
前記記憶手段に記憶された情報に基づいて、乗客を案内するための案内情報を、前記乗客輸送手段に設けられた表示手段に表示させる表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−180081(P2012−180081A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46045(P2011−46045)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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