表示制御装置および表示制御プログラム
【課題】設定が制約される原因を分かりやすくユーザに知らせることができる装置の提供。
【解決手段】I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていると判断すると(S1240でYes)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群が既に着色されているかを判断する(S1250)。I番目の制約条件に対応する制約設定項目群は着色されていないと判断すると(S1250でNo)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群を対応する表示色で着色して(S1260)、S1290に進む。I番目の制約条件に対応する制約設定項目群が既に着色されていると判断すると(S1250でYes)、その着色を消去する(S1270)。既に着色されていた色とI番目の制約条件の表示色とで分割された各領域を着色する(S1280)。I番目の制約条件に含まれていて、着色されていなかった設定項目を対応する表示色で着色する(S1285)。
【解決手段】I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていると判断すると(S1240でYes)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群が既に着色されているかを判断する(S1250)。I番目の制約条件に対応する制約設定項目群は着色されていないと判断すると(S1250でNo)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群を対応する表示色で着色して(S1260)、S1290に進む。I番目の制約条件に対応する制約設定項目群が既に着色されていると判断すると(S1250でYes)、その着色を消去する(S1270)。既に着色されていた色とI番目の制約条件の表示色とで分割された各領域を着色する(S1280)。I番目の制約条件に含まれていて、着色されていなかった設定項目を対応する表示色で着色する(S1285)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷等のためにデータの処理をする際に、その処理に関するいくつかの項目の設定をユーザに求めるように構成された装置が既に知られている。この種の装置においては、各項目がどのように設定されても、その処理を実行できるとは限らない。つまり、ある項目の設定と別の項目の設定とが衝突して処理を実行できないときもある。そこでこの種の装置は、そのような設定ができないように構成されている。
【0003】
ところで、このようなときに、なぜ設定ができないかがユーザにとって分かりにくいことがある。そこで、特許文献1では以下の技術で、その分かりにくさを解消するようにしている。
【0004】
その技術を二つ説明する。一つ目は次の通りである。ある項目を設定したときに、別の項目の設定と衝突して処理できなくなったとする。その場合に、その別の項目がユーザにとって一目で分かるように表示する技術である。二つ目は次の通りである。ある項目を設定したことで、別の項目の設定において選択できないものがあるとする。その場合には、その項目の設定をできないように、設定を制約する技術である。
【特許文献1】特開平9−98278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先述した技術の課題は、なぜ項目の設定が制約されているかがユーザにとって分かりにくいことが、依然として解消されていないことである。理由を説明する。この技術は、ある項目を設定したときに、別の項目の表示を変えたり、設定できないようにしたりするだけであった。従ってユーザは、ある項目を設定した時に、別の項目のうちのどの項目に変化があったかを注意深く見ると共に覚える必要があった。そうしなければ、どの項目の設定が原因で先述した変化があったのかが分からない。ゆえに、なぜ項目の設定が制約されているかがユーザにとって分かりにくい、という課題を解決するに至っていなかった。
【0006】
本発明は、先述した課題を鑑み、なぜ項目の設定が制約されているかを、分かりやすくユーザに知らせることができる装置およびプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先述した課題を解決するためになされた請求項1に記載の表示制御装置は、表示手段と、設定手段と、処理手段と、制約手段とを備える。
表示手段は、複数の設定項目を記した設定画面を、表示装置に表示させる。そして、設定手段は、表示手段によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する。また、処理手段は、設定手段によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する。また、制約手段は、予め定められた条件を満たさないように、設定手段が設定値を設定するのを制約する。具体的に、上記条件は、処理手段による処理をさせないように予め定められた設定値の組み合わせについての条件である。
【0008】
そして、表示手段は、先述した動作に加えて、表示装置に制約設定項目群を第一態様で表示させると共に、制約設定項目群以外の設定項目を第二態様で表示させる。この制約設定項目群とは、設定画面上において、条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する設定項目の集合である。
【0009】
請求項1に記載の表示制御装置によれば、なぜ設定動作が制約されているかを、分かりやすくユーザに知らせることができる。なぜなら、設定が制約される項目だけでなく、制約が生じる原因となった設定項目も第一態様で表示できるからである。従って、従来技術とは異なり、どの設定項目同士が制約に関係しているのかが分かりやすい。
【0010】
請求項1に記載の表示制御装置は請求項2に記載のように構成されるとよい。請求項2に記載の表示制御装置においては、条件が複数定められる。さらに、複数の条件のそれぞれに対しては、それぞれ異なる表示態様が定められている。
【0011】
そして、表示手段は、それぞれの制約設定項目群を、それぞれの制約設定項目群が属する条件に対して定められた表示態様で、表示装置に表示させる。
請求項2に記載の表示制御装置によれば、どの設定項目同士によって設定動作が制約されるのかが、ユーザにとって分かりやすい。なぜなら、制約設定項目群が複数ある場合に、それぞれを違う態様で表すからである。
【0012】
請求項2に記載の表示制御装置は、請求項3に記載のように構成されるとよい。請求項3に記載の表示制御装置は、選択手段を備える。この選択手段は、表示手段によって表示された設定画面を通じて入力される情報に基づいて、複数の設定項目の中から、一部の設定項目を選択する。そして、表示手段は、制約設定項目群のうち、選択手段によって選択された設定項目のみを、第一態様で表示装置に表示させる。その一方で、選択手段によって選択されなかった設定項目は、当該設定項目を第二態様で表示装置に表示させる。
【0013】
請求項3に記載の表示制御装置によれば、条件の確認がより分かりやすくなる。なぜなら、ユーザが必要としていると考えられるものについてだけ、第一態様で表すことができるからである。例えば、設定画面を通じて設定された設定値に対応する設定項目と、その設定された項目によって値の設定が制約される設定項目とを第一態様で表せば、互いの関係が分かりやすい。
【0014】
請求項2又は請求項3に記載の表示制御装置は、請求項4に記載のように構成されるとよい。請求項4に記載の表示制御装置が備える表示手段は、第一態様での表示対象の設定項目の全部または一部を、第三態様によって表示をする。この第三態様による表示の対象は、互いに異なる条件に属する制約設定項目群に含まれる同一の設定項目である。そして、第三態様による表示態様は、当該同一の設定項目が属する各条件に対し第一態様として定められた表示態様のそれぞれの特徴を含む表示態様である。
【0015】
請求項4に記載の表示制御装置によれば、ある設定項目が互いに異なる条件に属する制約設定項目群に含まれていても、どの設定項目同士が条件に関係しているのかを、分かりやすく表示できる。
【0016】
請求項4に記載の表示制御装置が表示する第三態様は、具体的には請求項5に記載のように定められるとよい。即ち、表示手段は、第三態様として、同一の設定項目が属する条件の数で、当該設定項目を表示する設定画面内の領域を分割し、分割された各領域では、同一の設定項目が属する各条件に対し第一態様として定められた表示態様で設定項目を表示する構成にされるとよい。
【0017】
請求項5の表示制御装置によれば、より分かりやすく、ある設定項目が互いに異なる条件に属する制約設定項目群を表示できる。
請求項1〜請求項5の何れかに記載の表示制御装置は、請求項6に記載のように構成されるとよい。請求項6に記載の表示制御装置において、条件としての組み合わせを構成する、各設定項目について一つずつの設定値は、第一設定値と第二設定値とに分類されている。そして、制約手段は、第一設定値が設定手段によって設定されたときには、設定手段に第二設定値を設定させないように構成されている。
【0018】
また、表示手段は、設定手段によって設定された第一設定値が属する条件に対応する制約設定項目群を第一態様で表示する。その一方で、設定手段によって設定されていない第一設定値が属する条件に対応する制約設定項目群を第二態様で表示する。
【0019】
請求項6に記載の表示制御装置によれば、ユーザにとってより便利な表示ができる。そもそもユーザにとっては、所望の設定ができれば何ら問題はない。従って、設定が制約されているときに限って、条件に関する情報が表示されれば十分である。本請求項に記載の表示装置によれば、このような表示が実行できるようになる。
【0020】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の表示制御装置は、請求項7に記載のように構成されるとよい。請求項7に記載の表示制御装置において、各設定項目には、複数あるタブの何れかが予め対応付けられる。そして、設定手段は、表示手段により表示された設定画面を通じて入力された情報に基づいて、何れか一つのタブを有効タブとして設定するように構成される。その一方で、有効タブ以外のタブを無効タブとして設定するように構成される。
【0021】
また、表示手段は、設定画面として、有効タブに対応付けられた設定項目が記されたダイアログボックス及び無効タブのうち特定の無効タブを表示装置に表示させるように構成される。その一方で、無効タブに対応付けられた設定項目を表示装置に表示させないように構成される。
【0022】
なお、特定の無効タブとは、有効タブとして設定されたときに、自らに対応付けられた設定項目の何れかが第一態様によって表示される種類の無効タブである。そして、表示手段は、この特定の無効タブを、当該特定の無効タブに対応付けられた設定項目の何れかを表示する際に用いる第一態様と同じ態様で、表示装置に表示させる。
【0023】
請求項7記載の表示制御装置によれば、タブの機能によって表示されていない設定項目が条件に関係していたとしても、タブの表示態様が変化することで分かりやすく表示できる。
【0024】
請求項8に記載の表示制御プログラムは、請求項1に記載の表示制御装置の各手段としての機能をコンピュータに実現させるためのものである。従って、請求項1と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面と共に説明する。図1は、プリンタ10と、プリンタ10を制御する、本発明が適用されたPC(パーソナルコンピュータ)30との構成を表すブロック図である。
【0026】
プリンタ10は、各種プログラムを実行して装置内各部を統括制御するCPU11と、CPU11により実行される各種プログラムを記憶するROM13と、CPU11によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM15と、各種設定データを記憶するデータ書き換え可能な不揮発性メモリとしてのNVRAM17と、CPU11に制御されてPC30から入力されたジョブデータに基づく画像を用紙に印刷する印刷部21と、表示部(液晶モニタ)及びユーザが操作可能な操作部(キー群)を備える表示操作部23と、LANに接続されたプリンタポートインタフェース(いわゆるLANインタフェース)27とを備える。
【0027】
また、PC30は、各種プログラムを実行して装置内各部を統括制御するCPU31と、CPU31により実行されるブートプログラム等を記憶するROM33と、CPU31によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM35と、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム、プリンタドライバ等のプログラム及び各種データを記憶するハードディスク装置(HDD)37と、液晶モニタ等から構成される情報表示用の表示部41と、キーボードやポインティングデバイス等から構成されるユーザが操作可能な入力部43と、LANに接続されたプリンタポートインタフェース(いわゆるLANインタフェース)47とを備える。
【0028】
次に図2を用いて制約条件について説明する。図2(a)は、制約条件の種類を示したテーブルである。制約条件は、設定値の組み合わせによって構成される。PC30は、図2(a)に示される3つの制約条件の何れも満たさないように、設定値が取り得る範囲を制限する。
【0029】
詳述すると、図2(a)に示す組み合わせAは「両面印刷ON及びA4未満の用紙サイズ」である。つまり、両面印刷ON及びA4未満の用紙サイズが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、A4未満の用紙は、両面印刷を実行するための、用紙を裏返す動作の対象とするのが難しいからである。
【0030】
また、組み合わせBは「両面印刷ON及びポスター印刷ON」である。つまり、ポスター印刷ON及び両面印刷ONが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、両面印刷時には、ポスター印刷をするために余白なしで印刷するのが難しいからである。
【0031】
そして、組み合わせCは「A4未満の用紙サイズ及び手差しトレイ以外のトレイ」である。つまり、A4未満の用紙サイズ及び手差しトレイ以外のトレイが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、A4未満の用紙を、手差しトレイ以外でピックアップするのが難しいからである。なお、プリンタ10が備える手差しトレイ以外のトレイは、第1トレイ及び第2トレイである。
【0032】
ただし、図2(a)に示したテーブルがハードディスク装置37に記憶されているわけではない。図2(a)に示したテーブルの形式では、処理に用いづらいからである。そこで、実際にハードディスク装置37に記憶されている形式のテーブルを図2(b)に示す。
【0033】
図2(b)に示されたテーブルは、「番号」「制約条件」「制約設定項目群」及び「表示色」の情報からなる。また、テーブルにおいて、制約条件は、条件設定値および制約設定値により定義されている。図2(b)に示した二つの情報は、条件設定値として規定された値が設定されているときには、制約設定値として規定された値が設定されないように、設定値の変更を制約するためのものである。具体的な手順は後述する(図3)。また、番号は、その処理を実現する処理で用いられる。なお、条件設定値が第一設定値の一例、制約設定値が第二設定値の一例である。
【0034】
そして、各制約条件には、制約設定項目群および表示色が対応付けられている。制約設定項目群は、条件設定値および制約設定値が設定される設定項目が示されたものである。そして、表示色は、各制約条件に固有であると共に、それぞれを識別しやすい色が対応付けられている。なお、この表示色が第一態様の一例である。また、初期設定の色(白色や灰色など)が第二態様の一例である。次から、図2(b)に示した制約条件としてのテーブルを用いた処理を説明する。
【0035】
図3は、印刷設定処理を表すフローチャートである。この処理は、CPU31が主体となって実行する処理であり、先述した、ハードディスク装置37に記憶されるプリンタドライバを構成するプログラムの一部により実現される。また、この印刷設定処理は、印刷に関する設定画面を表示する指令を、入力部43を通じて受けることで実行が開始される。
【0036】
まず、設定画面を表示部41に表示する(S110)。なお、この動作が表示手段および表示手順の一例である。図4に設定画面を示す。この設定画面は、表示部41に表示され、グラフィカルユーザインタフェースとして機能する。具体的には、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60、ポスター印刷項目70、給紙トレイ項目80の各設定項目に対して、入力部43を通じてユーザが設定値を設定できる。
【0037】
用紙サイズ項目50においては、A4やA5などが設定値として設定される。両面印刷項目60には、ON又はOFFが設定値として設定される。なお、両面印刷項目60がONに設定されて印刷が実行されれば、用紙の両面に印刷が実行される。
【0038】
また、ポスター印刷項目70にも、ON又はOFFが設定値として設定される。なお、ポスター印刷項目70がONに設定されて印刷が実行されれば、複数の用紙が一組になって印刷対象の画像が形成されるように、各用紙に対して割り当てられた部分が拡大して印刷される。給紙トレイ項目80には、プリンタ10が備える第1トレイ、第2トレイ及び手差しトレイが対応する。給紙をするトレイを決めるための情報である。
【0039】
また、設定画面には、決定ボタン90が表示されている。即ち、CPU31は、設定画面を表示部41に表示した後には、決定ボタン90が選択操作されるまでの期間、入力部43を通じてユーザが設定画面に対して行った操作の内容に従って、各設定項目50、60、70、80に対応する設定値を設定するように処理を実行する。なお、この動作が設定手段および設定手順の一例である。そして、この決定ボタン90をユーザが入力部43を通じて選択すると、CPU31は、そのときの設定値の組み合わせに基づいて、印刷のための処理を実行する。
【0040】
また、図4に示されているように、初期設定値は、用紙サイズ項目50がA4、両面印刷項目60がOFF、ポスター印刷項目70がOFF、給紙トレイ項目80が自動選択(選択した用紙サイズに対応する用紙が入っているトレイを選ぶ)に定められている。このように定められれば、図2を用いて説明した全ての条件設定値を回避することになる。つまり、どの制約条件も満たさない。
【0041】
次に、着色処理を実行する(S1200)。この着色処理は、制約条件に基づいて、制約設定項目群を着色する処理である。ただし、先述したように、初期設定値は条件設定値を全て回避しているので、現段階では何も着色されない。そこで、後の処理で条件設定値が変更された後のステップで、改めて着色処理を説明する。
【0042】
着色処理の次は、決定ボタン90が入力部43を通じて選択されたかを判断する(S130)。決定ボタン90が入力部43を通じて選択されていないと判断すると(S130でNo)、直前の着色処理を終えたときに設定されていた設定値のどれかが、直前の着色処理を終えてから変更されたかを判断する(S140)。ここで直前と言っているのは、着色処理は繰り返し行われることがあるので、S140で対象とするのは直近の着色処理であることを指している。
【0043】
直前の着色処理を終えたときに設定されていた設定値のどれかが、直前の着色処理を終えてから変更されていなかったと判断すると(S140でNo)、S130に戻る。つまり、決定ボタン90が選択されるか、設定値が変更されるか、どちらかまで待機することになる。
【0044】
ここで、入力部43を通じて入力される情報に基づいて設定値が変更されたとする。図5に、変更後の設定値の具体例を示す。用紙サイズはA5、両面印刷はOFF、ポスター印刷はON、給紙トレイは手差しトレイに設定されている。なお、用紙サイズを条件設定値とした制約設定値は、両面印刷がON、及び、給紙トレイが手差しトレイ以外のトレイとなる。
【0045】
設定値が変更されれば、S140でYesと判断することになる。そうすると、カウンタIに1を代入する(S150)。そして、カウンタIが制約条件の数よりも大きいかを判断する(S160)。本実施例においては制約条件が三つなので、カウンタIが3以下か4かを判断することになる。
【0046】
カウンタIが制約条件の数よりも大きくないと判断すると(S160でNo)、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されているかを判断する(S170)。
【0047】
I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されていると判断すると(S170でYes)、その制約条件に従って、制約設定値に対応する値が設定画面を通じて設定されないように、設定値の変更を制約して(S180)、S185に進む。S180について、図6(a)を用いて説明する。
【0048】
図6(a)において、両面印刷項目60に対応するチェックボックスに×印が表示されている。この×印の表示はS180による結果である。つまり、先述したように、用紙サイズがA4未満に設定された場合、両面印刷項目60がON、及び、給紙トレイ項目80が手差しトレイ以外のトレイの設定値は、設定されないように制約する必要がある。そこで、この×印を表示して、両面印刷項目60をONにするためにチェックボックスの設定を変更するための入力を受け付けないように、プリンタドライバは構成されている。なお、これが制約手段および制約手順の一例である。
【0049】
また、図示しないが、給紙トレイ項目80に対応するプルダウンメニューを表示するとき、手差し以外のトレイ、例えば第1トレイや第2トレイについて、グレーアウト表示をすると共に設定を変更する入力を受け付けないように、プリンタドライバは構成されている。
【0050】
図3に戻る。一方、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されていないと判断すると(S170でNo)、S180を実行せずにS185に進む。S185に進むと、カウンタIに1を足してS160に戻る。つまり、S170〜S185を、カウンタIが制約条件の数よりも大きくなるまで繰り返す。そして、カウンタIが制約条件の数よりも大きいと判断すると(S160でYes)、S1200に戻る。
【0051】
こうしてS1200に戻ってくると、着色処理において着色が実行されることになる。そこで図7を用いて着色処理を説明する。図7は、着色処理を表すフローチャートである。まず、いまの着色を全て消去する(S1210)。次に、カウンタIに1を代入する(S1220)。そして、カウンタIが制約条件の数より大きいかを判断する(S1230)。
【0052】
カウンタIが制約条件の数より大きくないと判断すると(S1230でNo)、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されているかを判断する(S1240)。図5の場合だと、番号2及び3の制約条件の条件設定値が設定されている。従って、カウンタIが2又は3のときはS1240でYes、カウンタIが1のときはS1240でNoと判断されることになる。
【0053】
I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていないと判断すると(S1240でNo)、着色せずにS1290に進む。一方、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていると判断すると(S1240でYes)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群のどれかが既に着色されているかを判断する(S1250)。図5の場合だと、番号2と3とに対応する制約設定項目群の両方共に、両面印刷が含まれる。従って、カウンタIが2のときにした両面印刷項目60の着色によって、カウンタIが3のときはS1250でYesと判断することになる。
【0054】
I番目の制約条件に対応する制約設定項目群はどれも着色されていないと判断すると(S1250でNo)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群の各背景を、対応する表示色で着色して(S1260)、S1290に進む。
【0055】
一方、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群のどれかが既に着色されていると判断すると(S1250でYes)、着色されていた設定項目の着色を消去する(S1270)。図5の場合だと、カウンタIが2のときに着色した緑を、カウンタIが3のときに消去する。
【0056】
次に、これまでの着色数に1を足した数で、着色されていた設定項目の領域を縦に等分割する(S1275)。図5の場合だと、今までの着色数は1なので、両面印刷項目60の表示領域を二等分することで分割することになる。
【0057】
そして、既に着色された色と、I番目の制約条件の表示色とで、分割された各領域の背景を着色する(S1280)。図5の場合だと、緑と、番号3に対応する青とで着色する。どの領域をどの色にするかは、設計者の自由である。例えば、小さい番号の制約条件に対応する色ほど左に配置するようにすればよい。
【0058】
なお、S1270〜S1285については、複数の設定項目が該当するのであれば、該当する各設定項目についてそれぞれ実行するものとする。
そして、I番目の制約条件に含まれていて、着色されていなかった設定項目の背景を、対応する表示色で着色する(S1285)。図5の場合だと、ポスター印刷項目70を青で着色することになる。そして、カウンタIに1を足して(S1290)、S1230に戻る。
【0059】
そして、カウンタIが制約条件の数より大きいと判断すると(S1230でYes)、着色処理を終えて、表示処理のS130に進む。
図6を用いて、着色処理による着色結果について説明する。図6(b)は、各設定項目の着色結果を表にしたものである。用紙サイズ項目50及び給紙トレイ項目80は緑、ポスター印刷項目70は青、両面印刷項目60は緑および青によって着色されたことを表している。そして、図6(a)は、表示部41に表示される、設定項目が着色された様子を表している。ただし、緑は縦横線、青は斜線で表されている。先述したように両面印刷項目60は、S1270〜S1285によって、左半分は緑、右半分は青によって着色されている。なお、このように領域を分割すると共にそれぞれを異なる色で着色するのが第三態様の一例である。
【0060】
このようにして、決定ボタン90が選択されるまで、設定値の変更が行われる度に、設定値変更の制約の処理(S150〜S185)及び着色処理(S1200)を実行する。そして、決定ボタン90が入力部43を通じて選択されたと判断すると(S130でYes)、設定画面を閉じ(S190)、印刷対象のデータについて、上記設定された設定値に従い描画処理を実行する(S195)。なお、この動作が処理手段および処理手順の一例である。そして、印刷設定処理を終える。
【0061】
図8(a)に、図5の場合とは異なる設定値の組み合わせを表す。用紙サイズ項目50はA4、両面印刷項目60はON、ポスター印刷項目70はOFF、給紙トレイ項目80は第1トレイにそれぞれ設定されている。この組み合わせに基づいて、印刷設定処理を実行すると、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60及びポスター印刷項目70が赤で着色される。その一方で、給紙トレイ項目80は着色されない。
【0062】
図8(a)で示した組み合わせに基づいて着色をした結果を反映した印刷設定画面を、図8(b)に示す。ただし、赤は斜線で表されている。また、ポスター印刷項目70のチェックボックスには×印が表示されている。この×印の表示は、設定値変更の制約の処理(S150〜S185)によるものである。図8(a)で示した組み合わせの場合は、番号1の両面印刷ONに対応する制約設定値が、ポスター印刷ONだからである。
【0063】
以上に説明したように、印刷設定処理および印刷設定処理に含まれる着色処理によれば、どの設定項目同士が制約条件において関係しているのかを、ユーザにとって分かりやすく表示できる。
[変形例1]
図9に着色処理の変形例を示す。ただし説明は、変形した点のみについてする。その変形した点とは、S1230でNoの後でS1240の前に、S1235が挿入される点である。S1230でNoと判断すると、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれるが否かを判断する(S1235)。なお、この動作が選択手段の一例である。
【0064】
注目設定項目とは、設定値がこれから変更されそうな設定項目である。変更されそうであるか否かについては、いくつか判断方法がある。例えば、カーソルの位置が、設定項目の表示領域内または近辺にあるときに、変更されそうであると判断できる。
【0065】
また、設定値をプルダウンメニューとして表示する設定項目については、プルダウンメニューが表示されている設定項目を、注目設定項目と判断できる。なお、カーソルとは、入力部43としてのポインティングデバイスによって表示部41に表示される画面上の位置が定められ、グラフィカルユーザインタフェースの機能を実現するためのものである。
【0066】
そして、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれると判断すると(S1235でYes)、S1240に進む。一方、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれないと判断すると(S1235でNo)、S1290に進む。つまり、注目設定項目のみを着色することになる。
【0067】
図10(a)に、変形例1における着色処理によって、図5の場合の設定値に基づいて、設定項目を着色した結果を示す。また、図10(b)に、設定項目が着色された設定画面の様子を示す。なお、注目設定項目は用紙サイズ項目50である。そうすると、用紙サイズ項目50を含む制約設定項目群に対応する制約条件は、番号1及び2となる。しかし、番号1に対応する両面印刷ONは設定されていない。従って、番号2の内容に従って着色されることになる。つまり、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60及び給紙トレイ項目80が緑で着色される。ただし、緑は斜線で表されている。
【0068】
図10(b)は、図6(a)と見比べると、着色による情報量が少ないのが見て取れる。両面印刷項目60とポスター印刷項目70との関係を示す着色がされていないからである。この着色は、用紙サイズを変更しようとしているユーザにとっては、余分な情報である場合がある。従って、変形例1における着色処理によれば、より分かりやすく表示できることがある。
[変形例2]
図11に変形した設定画面を示す。この設定画面は、各設定項目がタブを用いて、表示する設定項目を切り替え可能に構成されている。つまり、全ての設定項目が表示されるのではなく、有効タブに対応付けられた設定項目が表示される。その一方で、有効タブでないタブ、つまり無効タブに対応付けられた設定項目は表示されないようになっている。
【0069】
図11(a)に、用紙サイズ項目50及び給紙トレイ項目80の設定項目が用紙設定タブ100に対応付けられている様子を表す。また、図11(b)には、両面印刷項目60及びポスター印刷項目70が拡張印刷タブ200に対応付けられている様子を表す。そして、有効タブと無効タブとの切り替えは、入力部43を通じて入力される情報に基づいてなされる。
【0070】
ところで、このようにタブを用いた表示をする場合、無効タブに対応付けられた設定項目は、着色処理によって着色されたとしても、ユーザが見ることができない。従って、ユーザにとって分かりやすく制約条件を表示するという目的が、達成されないことも起こり得る。
【0071】
そこで、変形例2ではタブを着色する。具体的には、着色処理の所定のステップを読み替えたフローチャートによる処理で実現する。そこで、読み替え方を説明する。S1250及びS1260に含まれる「制約設定項目群」を「制約設定項目群に含まれる設定項目のうち有効タブに対応付けられたもの、又は、無効タブのうち制約設定項目群に含まれる設定項目に対応付けられたもの」に読み替える。また、S1270〜S1285に含まれる「設定項目」を「設定項目または無効タブ」に読み替える。
【0072】
このようにしてタブを着色すれば、着色表示されるべき設定項目が隠れていても、ユーザにとって分かりやすく表示できる。
[その他の変形]
着色処理において、S1240を常にYesと判断してもよい。こうすると、設定されている設定値とは関係なしに、制約条件に基づいて着色することになる。場合によっては、この方が見やすいことも考えられる。また、第三態様として、領域を分割してそれぞれに着色するのではなく、時間帯を分割して、その分割した時間帯毎に異なる色を交互に表示するようにしてもよい。設定項目の表示領域が狭いときなどに、このほうが見やすいことも考えられる。
【0073】
また、印刷対象の処理を、制約条件を満たすような設定値の組み合わせを設定入力はできるものの、その状態では決定ボタン90を選択できないように決定ボタン90をグレーアウトする、という構成にしてもよい。
【0074】
また、第一態様として、背景を着色するのではなく、字を着色してもよいし、太字にしたりイタリック体にしたりしてもよい。また、本発明をPCではなくコピー機や複合機などに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】プリンタ10及び本発明が適用されたPC30の概略構成を示すブロック図である。
【図2】制約条件を表すテーブルである。
【図3】印刷設定処理を表すフローチャートである。
【図4】初期設定値による設定画面の様子を表す図である。
【図5】変更された設定値を表すテーブルである。
【図6】設定項目が着色された様子を表す図(a)及び設定項目と着色結果との関係を示すテーブル(b)である。
【図7】着色処理を表すフローチャートである。
【図8】設定項目と設定値と着色結果との関係を示すテーブル(a)及び設定項目が着色された様子を表す図(b)である。
【図9】変形した着色処理を表すフローチャートである。
【図10】変形した着色処理によって着色された設定画面を表す図である。
【図11】タブに対応付けられた設定項目を表す図(a)(b)、及び、それらが着色された様子を表す図(c)(d)である
【符号の説明】
【0076】
10…プリンタ、11、31…CPU、13、33…ROM、15、35…RAM、17…NVRAM、21…印刷部、23…表示操作部、27、47…プリンタポートI/F、30…PC、37…ハードディスク装置、41…表示部、43…入力部、50…用紙サイズ項目、60…両面印刷項目、70…ポスター印刷項目、80…給紙トレイ項目、90…決定ボタン、100…用紙設定タブ、200…拡張設定タブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷等のためにデータの処理をする際に、その処理に関するいくつかの項目の設定をユーザに求めるように構成された装置が既に知られている。この種の装置においては、各項目がどのように設定されても、その処理を実行できるとは限らない。つまり、ある項目の設定と別の項目の設定とが衝突して処理を実行できないときもある。そこでこの種の装置は、そのような設定ができないように構成されている。
【0003】
ところで、このようなときに、なぜ設定ができないかがユーザにとって分かりにくいことがある。そこで、特許文献1では以下の技術で、その分かりにくさを解消するようにしている。
【0004】
その技術を二つ説明する。一つ目は次の通りである。ある項目を設定したときに、別の項目の設定と衝突して処理できなくなったとする。その場合に、その別の項目がユーザにとって一目で分かるように表示する技術である。二つ目は次の通りである。ある項目を設定したことで、別の項目の設定において選択できないものがあるとする。その場合には、その項目の設定をできないように、設定を制約する技術である。
【特許文献1】特開平9−98278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先述した技術の課題は、なぜ項目の設定が制約されているかがユーザにとって分かりにくいことが、依然として解消されていないことである。理由を説明する。この技術は、ある項目を設定したときに、別の項目の表示を変えたり、設定できないようにしたりするだけであった。従ってユーザは、ある項目を設定した時に、別の項目のうちのどの項目に変化があったかを注意深く見ると共に覚える必要があった。そうしなければ、どの項目の設定が原因で先述した変化があったのかが分からない。ゆえに、なぜ項目の設定が制約されているかがユーザにとって分かりにくい、という課題を解決するに至っていなかった。
【0006】
本発明は、先述した課題を鑑み、なぜ項目の設定が制約されているかを、分かりやすくユーザに知らせることができる装置およびプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先述した課題を解決するためになされた請求項1に記載の表示制御装置は、表示手段と、設定手段と、処理手段と、制約手段とを備える。
表示手段は、複数の設定項目を記した設定画面を、表示装置に表示させる。そして、設定手段は、表示手段によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する。また、処理手段は、設定手段によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する。また、制約手段は、予め定められた条件を満たさないように、設定手段が設定値を設定するのを制約する。具体的に、上記条件は、処理手段による処理をさせないように予め定められた設定値の組み合わせについての条件である。
【0008】
そして、表示手段は、先述した動作に加えて、表示装置に制約設定項目群を第一態様で表示させると共に、制約設定項目群以外の設定項目を第二態様で表示させる。この制約設定項目群とは、設定画面上において、条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する設定項目の集合である。
【0009】
請求項1に記載の表示制御装置によれば、なぜ設定動作が制約されているかを、分かりやすくユーザに知らせることができる。なぜなら、設定が制約される項目だけでなく、制約が生じる原因となった設定項目も第一態様で表示できるからである。従って、従来技術とは異なり、どの設定項目同士が制約に関係しているのかが分かりやすい。
【0010】
請求項1に記載の表示制御装置は請求項2に記載のように構成されるとよい。請求項2に記載の表示制御装置においては、条件が複数定められる。さらに、複数の条件のそれぞれに対しては、それぞれ異なる表示態様が定められている。
【0011】
そして、表示手段は、それぞれの制約設定項目群を、それぞれの制約設定項目群が属する条件に対して定められた表示態様で、表示装置に表示させる。
請求項2に記載の表示制御装置によれば、どの設定項目同士によって設定動作が制約されるのかが、ユーザにとって分かりやすい。なぜなら、制約設定項目群が複数ある場合に、それぞれを違う態様で表すからである。
【0012】
請求項2に記載の表示制御装置は、請求項3に記載のように構成されるとよい。請求項3に記載の表示制御装置は、選択手段を備える。この選択手段は、表示手段によって表示された設定画面を通じて入力される情報に基づいて、複数の設定項目の中から、一部の設定項目を選択する。そして、表示手段は、制約設定項目群のうち、選択手段によって選択された設定項目のみを、第一態様で表示装置に表示させる。その一方で、選択手段によって選択されなかった設定項目は、当該設定項目を第二態様で表示装置に表示させる。
【0013】
請求項3に記載の表示制御装置によれば、条件の確認がより分かりやすくなる。なぜなら、ユーザが必要としていると考えられるものについてだけ、第一態様で表すことができるからである。例えば、設定画面を通じて設定された設定値に対応する設定項目と、その設定された項目によって値の設定が制約される設定項目とを第一態様で表せば、互いの関係が分かりやすい。
【0014】
請求項2又は請求項3に記載の表示制御装置は、請求項4に記載のように構成されるとよい。請求項4に記載の表示制御装置が備える表示手段は、第一態様での表示対象の設定項目の全部または一部を、第三態様によって表示をする。この第三態様による表示の対象は、互いに異なる条件に属する制約設定項目群に含まれる同一の設定項目である。そして、第三態様による表示態様は、当該同一の設定項目が属する各条件に対し第一態様として定められた表示態様のそれぞれの特徴を含む表示態様である。
【0015】
請求項4に記載の表示制御装置によれば、ある設定項目が互いに異なる条件に属する制約設定項目群に含まれていても、どの設定項目同士が条件に関係しているのかを、分かりやすく表示できる。
【0016】
請求項4に記載の表示制御装置が表示する第三態様は、具体的には請求項5に記載のように定められるとよい。即ち、表示手段は、第三態様として、同一の設定項目が属する条件の数で、当該設定項目を表示する設定画面内の領域を分割し、分割された各領域では、同一の設定項目が属する各条件に対し第一態様として定められた表示態様で設定項目を表示する構成にされるとよい。
【0017】
請求項5の表示制御装置によれば、より分かりやすく、ある設定項目が互いに異なる条件に属する制約設定項目群を表示できる。
請求項1〜請求項5の何れかに記載の表示制御装置は、請求項6に記載のように構成されるとよい。請求項6に記載の表示制御装置において、条件としての組み合わせを構成する、各設定項目について一つずつの設定値は、第一設定値と第二設定値とに分類されている。そして、制約手段は、第一設定値が設定手段によって設定されたときには、設定手段に第二設定値を設定させないように構成されている。
【0018】
また、表示手段は、設定手段によって設定された第一設定値が属する条件に対応する制約設定項目群を第一態様で表示する。その一方で、設定手段によって設定されていない第一設定値が属する条件に対応する制約設定項目群を第二態様で表示する。
【0019】
請求項6に記載の表示制御装置によれば、ユーザにとってより便利な表示ができる。そもそもユーザにとっては、所望の設定ができれば何ら問題はない。従って、設定が制約されているときに限って、条件に関する情報が表示されれば十分である。本請求項に記載の表示装置によれば、このような表示が実行できるようになる。
【0020】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の表示制御装置は、請求項7に記載のように構成されるとよい。請求項7に記載の表示制御装置において、各設定項目には、複数あるタブの何れかが予め対応付けられる。そして、設定手段は、表示手段により表示された設定画面を通じて入力された情報に基づいて、何れか一つのタブを有効タブとして設定するように構成される。その一方で、有効タブ以外のタブを無効タブとして設定するように構成される。
【0021】
また、表示手段は、設定画面として、有効タブに対応付けられた設定項目が記されたダイアログボックス及び無効タブのうち特定の無効タブを表示装置に表示させるように構成される。その一方で、無効タブに対応付けられた設定項目を表示装置に表示させないように構成される。
【0022】
なお、特定の無効タブとは、有効タブとして設定されたときに、自らに対応付けられた設定項目の何れかが第一態様によって表示される種類の無効タブである。そして、表示手段は、この特定の無効タブを、当該特定の無効タブに対応付けられた設定項目の何れかを表示する際に用いる第一態様と同じ態様で、表示装置に表示させる。
【0023】
請求項7記載の表示制御装置によれば、タブの機能によって表示されていない設定項目が条件に関係していたとしても、タブの表示態様が変化することで分かりやすく表示できる。
【0024】
請求項8に記載の表示制御プログラムは、請求項1に記載の表示制御装置の各手段としての機能をコンピュータに実現させるためのものである。従って、請求項1と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面と共に説明する。図1は、プリンタ10と、プリンタ10を制御する、本発明が適用されたPC(パーソナルコンピュータ)30との構成を表すブロック図である。
【0026】
プリンタ10は、各種プログラムを実行して装置内各部を統括制御するCPU11と、CPU11により実行される各種プログラムを記憶するROM13と、CPU11によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM15と、各種設定データを記憶するデータ書き換え可能な不揮発性メモリとしてのNVRAM17と、CPU11に制御されてPC30から入力されたジョブデータに基づく画像を用紙に印刷する印刷部21と、表示部(液晶モニタ)及びユーザが操作可能な操作部(キー群)を備える表示操作部23と、LANに接続されたプリンタポートインタフェース(いわゆるLANインタフェース)27とを備える。
【0027】
また、PC30は、各種プログラムを実行して装置内各部を統括制御するCPU31と、CPU31により実行されるブートプログラム等を記憶するROM33と、CPU31によるプログラム実行時に作業領域として使用されるRAM35と、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラム、プリンタドライバ等のプログラム及び各種データを記憶するハードディスク装置(HDD)37と、液晶モニタ等から構成される情報表示用の表示部41と、キーボードやポインティングデバイス等から構成されるユーザが操作可能な入力部43と、LANに接続されたプリンタポートインタフェース(いわゆるLANインタフェース)47とを備える。
【0028】
次に図2を用いて制約条件について説明する。図2(a)は、制約条件の種類を示したテーブルである。制約条件は、設定値の組み合わせによって構成される。PC30は、図2(a)に示される3つの制約条件の何れも満たさないように、設定値が取り得る範囲を制限する。
【0029】
詳述すると、図2(a)に示す組み合わせAは「両面印刷ON及びA4未満の用紙サイズ」である。つまり、両面印刷ON及びA4未満の用紙サイズが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、A4未満の用紙は、両面印刷を実行するための、用紙を裏返す動作の対象とするのが難しいからである。
【0030】
また、組み合わせBは「両面印刷ON及びポスター印刷ON」である。つまり、ポスター印刷ON及び両面印刷ONが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、両面印刷時には、ポスター印刷をするために余白なしで印刷するのが難しいからである。
【0031】
そして、組み合わせCは「A4未満の用紙サイズ及び手差しトレイ以外のトレイ」である。つまり、A4未満の用紙サイズ及び手差しトレイ以外のトレイが同時に設定された状態にならないように、PC30は構成されている。理由は、A4未満の用紙を、手差しトレイ以外でピックアップするのが難しいからである。なお、プリンタ10が備える手差しトレイ以外のトレイは、第1トレイ及び第2トレイである。
【0032】
ただし、図2(a)に示したテーブルがハードディスク装置37に記憶されているわけではない。図2(a)に示したテーブルの形式では、処理に用いづらいからである。そこで、実際にハードディスク装置37に記憶されている形式のテーブルを図2(b)に示す。
【0033】
図2(b)に示されたテーブルは、「番号」「制約条件」「制約設定項目群」及び「表示色」の情報からなる。また、テーブルにおいて、制約条件は、条件設定値および制約設定値により定義されている。図2(b)に示した二つの情報は、条件設定値として規定された値が設定されているときには、制約設定値として規定された値が設定されないように、設定値の変更を制約するためのものである。具体的な手順は後述する(図3)。また、番号は、その処理を実現する処理で用いられる。なお、条件設定値が第一設定値の一例、制約設定値が第二設定値の一例である。
【0034】
そして、各制約条件には、制約設定項目群および表示色が対応付けられている。制約設定項目群は、条件設定値および制約設定値が設定される設定項目が示されたものである。そして、表示色は、各制約条件に固有であると共に、それぞれを識別しやすい色が対応付けられている。なお、この表示色が第一態様の一例である。また、初期設定の色(白色や灰色など)が第二態様の一例である。次から、図2(b)に示した制約条件としてのテーブルを用いた処理を説明する。
【0035】
図3は、印刷設定処理を表すフローチャートである。この処理は、CPU31が主体となって実行する処理であり、先述した、ハードディスク装置37に記憶されるプリンタドライバを構成するプログラムの一部により実現される。また、この印刷設定処理は、印刷に関する設定画面を表示する指令を、入力部43を通じて受けることで実行が開始される。
【0036】
まず、設定画面を表示部41に表示する(S110)。なお、この動作が表示手段および表示手順の一例である。図4に設定画面を示す。この設定画面は、表示部41に表示され、グラフィカルユーザインタフェースとして機能する。具体的には、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60、ポスター印刷項目70、給紙トレイ項目80の各設定項目に対して、入力部43を通じてユーザが設定値を設定できる。
【0037】
用紙サイズ項目50においては、A4やA5などが設定値として設定される。両面印刷項目60には、ON又はOFFが設定値として設定される。なお、両面印刷項目60がONに設定されて印刷が実行されれば、用紙の両面に印刷が実行される。
【0038】
また、ポスター印刷項目70にも、ON又はOFFが設定値として設定される。なお、ポスター印刷項目70がONに設定されて印刷が実行されれば、複数の用紙が一組になって印刷対象の画像が形成されるように、各用紙に対して割り当てられた部分が拡大して印刷される。給紙トレイ項目80には、プリンタ10が備える第1トレイ、第2トレイ及び手差しトレイが対応する。給紙をするトレイを決めるための情報である。
【0039】
また、設定画面には、決定ボタン90が表示されている。即ち、CPU31は、設定画面を表示部41に表示した後には、決定ボタン90が選択操作されるまでの期間、入力部43を通じてユーザが設定画面に対して行った操作の内容に従って、各設定項目50、60、70、80に対応する設定値を設定するように処理を実行する。なお、この動作が設定手段および設定手順の一例である。そして、この決定ボタン90をユーザが入力部43を通じて選択すると、CPU31は、そのときの設定値の組み合わせに基づいて、印刷のための処理を実行する。
【0040】
また、図4に示されているように、初期設定値は、用紙サイズ項目50がA4、両面印刷項目60がOFF、ポスター印刷項目70がOFF、給紙トレイ項目80が自動選択(選択した用紙サイズに対応する用紙が入っているトレイを選ぶ)に定められている。このように定められれば、図2を用いて説明した全ての条件設定値を回避することになる。つまり、どの制約条件も満たさない。
【0041】
次に、着色処理を実行する(S1200)。この着色処理は、制約条件に基づいて、制約設定項目群を着色する処理である。ただし、先述したように、初期設定値は条件設定値を全て回避しているので、現段階では何も着色されない。そこで、後の処理で条件設定値が変更された後のステップで、改めて着色処理を説明する。
【0042】
着色処理の次は、決定ボタン90が入力部43を通じて選択されたかを判断する(S130)。決定ボタン90が入力部43を通じて選択されていないと判断すると(S130でNo)、直前の着色処理を終えたときに設定されていた設定値のどれかが、直前の着色処理を終えてから変更されたかを判断する(S140)。ここで直前と言っているのは、着色処理は繰り返し行われることがあるので、S140で対象とするのは直近の着色処理であることを指している。
【0043】
直前の着色処理を終えたときに設定されていた設定値のどれかが、直前の着色処理を終えてから変更されていなかったと判断すると(S140でNo)、S130に戻る。つまり、決定ボタン90が選択されるか、設定値が変更されるか、どちらかまで待機することになる。
【0044】
ここで、入力部43を通じて入力される情報に基づいて設定値が変更されたとする。図5に、変更後の設定値の具体例を示す。用紙サイズはA5、両面印刷はOFF、ポスター印刷はON、給紙トレイは手差しトレイに設定されている。なお、用紙サイズを条件設定値とした制約設定値は、両面印刷がON、及び、給紙トレイが手差しトレイ以外のトレイとなる。
【0045】
設定値が変更されれば、S140でYesと判断することになる。そうすると、カウンタIに1を代入する(S150)。そして、カウンタIが制約条件の数よりも大きいかを判断する(S160)。本実施例においては制約条件が三つなので、カウンタIが3以下か4かを判断することになる。
【0046】
カウンタIが制約条件の数よりも大きくないと判断すると(S160でNo)、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されているかを判断する(S170)。
【0047】
I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されていると判断すると(S170でYes)、その制約条件に従って、制約設定値に対応する値が設定画面を通じて設定されないように、設定値の変更を制約して(S180)、S185に進む。S180について、図6(a)を用いて説明する。
【0048】
図6(a)において、両面印刷項目60に対応するチェックボックスに×印が表示されている。この×印の表示はS180による結果である。つまり、先述したように、用紙サイズがA4未満に設定された場合、両面印刷項目60がON、及び、給紙トレイ項目80が手差しトレイ以外のトレイの設定値は、設定されないように制約する必要がある。そこで、この×印を表示して、両面印刷項目60をONにするためにチェックボックスの設定を変更するための入力を受け付けないように、プリンタドライバは構成されている。なお、これが制約手段および制約手順の一例である。
【0049】
また、図示しないが、給紙トレイ項目80に対応するプルダウンメニューを表示するとき、手差し以外のトレイ、例えば第1トレイや第2トレイについて、グレーアウト表示をすると共に設定を変更する入力を受け付けないように、プリンタドライバは構成されている。
【0050】
図3に戻る。一方、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が、設定値として設定画面に設定されていないと判断すると(S170でNo)、S180を実行せずにS185に進む。S185に進むと、カウンタIに1を足してS160に戻る。つまり、S170〜S185を、カウンタIが制約条件の数よりも大きくなるまで繰り返す。そして、カウンタIが制約条件の数よりも大きいと判断すると(S160でYes)、S1200に戻る。
【0051】
こうしてS1200に戻ってくると、着色処理において着色が実行されることになる。そこで図7を用いて着色処理を説明する。図7は、着色処理を表すフローチャートである。まず、いまの着色を全て消去する(S1210)。次に、カウンタIに1を代入する(S1220)。そして、カウンタIが制約条件の数より大きいかを判断する(S1230)。
【0052】
カウンタIが制約条件の数より大きくないと判断すると(S1230でNo)、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されているかを判断する(S1240)。図5の場合だと、番号2及び3の制約条件の条件設定値が設定されている。従って、カウンタIが2又は3のときはS1240でYes、カウンタIが1のときはS1240でNoと判断されることになる。
【0053】
I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていないと判断すると(S1240でNo)、着色せずにS1290に進む。一方、I番目の制約条件に含まれる条件設定値が設定されていると判断すると(S1240でYes)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群のどれかが既に着色されているかを判断する(S1250)。図5の場合だと、番号2と3とに対応する制約設定項目群の両方共に、両面印刷が含まれる。従って、カウンタIが2のときにした両面印刷項目60の着色によって、カウンタIが3のときはS1250でYesと判断することになる。
【0054】
I番目の制約条件に対応する制約設定項目群はどれも着色されていないと判断すると(S1250でNo)、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群の各背景を、対応する表示色で着色して(S1260)、S1290に進む。
【0055】
一方、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群のどれかが既に着色されていると判断すると(S1250でYes)、着色されていた設定項目の着色を消去する(S1270)。図5の場合だと、カウンタIが2のときに着色した緑を、カウンタIが3のときに消去する。
【0056】
次に、これまでの着色数に1を足した数で、着色されていた設定項目の領域を縦に等分割する(S1275)。図5の場合だと、今までの着色数は1なので、両面印刷項目60の表示領域を二等分することで分割することになる。
【0057】
そして、既に着色された色と、I番目の制約条件の表示色とで、分割された各領域の背景を着色する(S1280)。図5の場合だと、緑と、番号3に対応する青とで着色する。どの領域をどの色にするかは、設計者の自由である。例えば、小さい番号の制約条件に対応する色ほど左に配置するようにすればよい。
【0058】
なお、S1270〜S1285については、複数の設定項目が該当するのであれば、該当する各設定項目についてそれぞれ実行するものとする。
そして、I番目の制約条件に含まれていて、着色されていなかった設定項目の背景を、対応する表示色で着色する(S1285)。図5の場合だと、ポスター印刷項目70を青で着色することになる。そして、カウンタIに1を足して(S1290)、S1230に戻る。
【0059】
そして、カウンタIが制約条件の数より大きいと判断すると(S1230でYes)、着色処理を終えて、表示処理のS130に進む。
図6を用いて、着色処理による着色結果について説明する。図6(b)は、各設定項目の着色結果を表にしたものである。用紙サイズ項目50及び給紙トレイ項目80は緑、ポスター印刷項目70は青、両面印刷項目60は緑および青によって着色されたことを表している。そして、図6(a)は、表示部41に表示される、設定項目が着色された様子を表している。ただし、緑は縦横線、青は斜線で表されている。先述したように両面印刷項目60は、S1270〜S1285によって、左半分は緑、右半分は青によって着色されている。なお、このように領域を分割すると共にそれぞれを異なる色で着色するのが第三態様の一例である。
【0060】
このようにして、決定ボタン90が選択されるまで、設定値の変更が行われる度に、設定値変更の制約の処理(S150〜S185)及び着色処理(S1200)を実行する。そして、決定ボタン90が入力部43を通じて選択されたと判断すると(S130でYes)、設定画面を閉じ(S190)、印刷対象のデータについて、上記設定された設定値に従い描画処理を実行する(S195)。なお、この動作が処理手段および処理手順の一例である。そして、印刷設定処理を終える。
【0061】
図8(a)に、図5の場合とは異なる設定値の組み合わせを表す。用紙サイズ項目50はA4、両面印刷項目60はON、ポスター印刷項目70はOFF、給紙トレイ項目80は第1トレイにそれぞれ設定されている。この組み合わせに基づいて、印刷設定処理を実行すると、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60及びポスター印刷項目70が赤で着色される。その一方で、給紙トレイ項目80は着色されない。
【0062】
図8(a)で示した組み合わせに基づいて着色をした結果を反映した印刷設定画面を、図8(b)に示す。ただし、赤は斜線で表されている。また、ポスター印刷項目70のチェックボックスには×印が表示されている。この×印の表示は、設定値変更の制約の処理(S150〜S185)によるものである。図8(a)で示した組み合わせの場合は、番号1の両面印刷ONに対応する制約設定値が、ポスター印刷ONだからである。
【0063】
以上に説明したように、印刷設定処理および印刷設定処理に含まれる着色処理によれば、どの設定項目同士が制約条件において関係しているのかを、ユーザにとって分かりやすく表示できる。
[変形例1]
図9に着色処理の変形例を示す。ただし説明は、変形した点のみについてする。その変形した点とは、S1230でNoの後でS1240の前に、S1235が挿入される点である。S1230でNoと判断すると、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれるが否かを判断する(S1235)。なお、この動作が選択手段の一例である。
【0064】
注目設定項目とは、設定値がこれから変更されそうな設定項目である。変更されそうであるか否かについては、いくつか判断方法がある。例えば、カーソルの位置が、設定項目の表示領域内または近辺にあるときに、変更されそうであると判断できる。
【0065】
また、設定値をプルダウンメニューとして表示する設定項目については、プルダウンメニューが表示されている設定項目を、注目設定項目と判断できる。なお、カーソルとは、入力部43としてのポインティングデバイスによって表示部41に表示される画面上の位置が定められ、グラフィカルユーザインタフェースの機能を実現するためのものである。
【0066】
そして、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれると判断すると(S1235でYes)、S1240に進む。一方、I番目の制約条件に対応する制約設定項目群に、注目設定項目が含まれないと判断すると(S1235でNo)、S1290に進む。つまり、注目設定項目のみを着色することになる。
【0067】
図10(a)に、変形例1における着色処理によって、図5の場合の設定値に基づいて、設定項目を着色した結果を示す。また、図10(b)に、設定項目が着色された設定画面の様子を示す。なお、注目設定項目は用紙サイズ項目50である。そうすると、用紙サイズ項目50を含む制約設定項目群に対応する制約条件は、番号1及び2となる。しかし、番号1に対応する両面印刷ONは設定されていない。従って、番号2の内容に従って着色されることになる。つまり、用紙サイズ項目50、両面印刷項目60及び給紙トレイ項目80が緑で着色される。ただし、緑は斜線で表されている。
【0068】
図10(b)は、図6(a)と見比べると、着色による情報量が少ないのが見て取れる。両面印刷項目60とポスター印刷項目70との関係を示す着色がされていないからである。この着色は、用紙サイズを変更しようとしているユーザにとっては、余分な情報である場合がある。従って、変形例1における着色処理によれば、より分かりやすく表示できることがある。
[変形例2]
図11に変形した設定画面を示す。この設定画面は、各設定項目がタブを用いて、表示する設定項目を切り替え可能に構成されている。つまり、全ての設定項目が表示されるのではなく、有効タブに対応付けられた設定項目が表示される。その一方で、有効タブでないタブ、つまり無効タブに対応付けられた設定項目は表示されないようになっている。
【0069】
図11(a)に、用紙サイズ項目50及び給紙トレイ項目80の設定項目が用紙設定タブ100に対応付けられている様子を表す。また、図11(b)には、両面印刷項目60及びポスター印刷項目70が拡張印刷タブ200に対応付けられている様子を表す。そして、有効タブと無効タブとの切り替えは、入力部43を通じて入力される情報に基づいてなされる。
【0070】
ところで、このようにタブを用いた表示をする場合、無効タブに対応付けられた設定項目は、着色処理によって着色されたとしても、ユーザが見ることができない。従って、ユーザにとって分かりやすく制約条件を表示するという目的が、達成されないことも起こり得る。
【0071】
そこで、変形例2ではタブを着色する。具体的には、着色処理の所定のステップを読み替えたフローチャートによる処理で実現する。そこで、読み替え方を説明する。S1250及びS1260に含まれる「制約設定項目群」を「制約設定項目群に含まれる設定項目のうち有効タブに対応付けられたもの、又は、無効タブのうち制約設定項目群に含まれる設定項目に対応付けられたもの」に読み替える。また、S1270〜S1285に含まれる「設定項目」を「設定項目または無効タブ」に読み替える。
【0072】
このようにしてタブを着色すれば、着色表示されるべき設定項目が隠れていても、ユーザにとって分かりやすく表示できる。
[その他の変形]
着色処理において、S1240を常にYesと判断してもよい。こうすると、設定されている設定値とは関係なしに、制約条件に基づいて着色することになる。場合によっては、この方が見やすいことも考えられる。また、第三態様として、領域を分割してそれぞれに着色するのではなく、時間帯を分割して、その分割した時間帯毎に異なる色を交互に表示するようにしてもよい。設定項目の表示領域が狭いときなどに、このほうが見やすいことも考えられる。
【0073】
また、印刷対象の処理を、制約条件を満たすような設定値の組み合わせを設定入力はできるものの、その状態では決定ボタン90を選択できないように決定ボタン90をグレーアウトする、という構成にしてもよい。
【0074】
また、第一態様として、背景を着色するのではなく、字を着色してもよいし、太字にしたりイタリック体にしたりしてもよい。また、本発明をPCではなくコピー機や複合機などに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】プリンタ10及び本発明が適用されたPC30の概略構成を示すブロック図である。
【図2】制約条件を表すテーブルである。
【図3】印刷設定処理を表すフローチャートである。
【図4】初期設定値による設定画面の様子を表す図である。
【図5】変更された設定値を表すテーブルである。
【図6】設定項目が着色された様子を表す図(a)及び設定項目と着色結果との関係を示すテーブル(b)である。
【図7】着色処理を表すフローチャートである。
【図8】設定項目と設定値と着色結果との関係を示すテーブル(a)及び設定項目が着色された様子を表す図(b)である。
【図9】変形した着色処理を表すフローチャートである。
【図10】変形した着色処理によって着色された設定画面を表す図である。
【図11】タブに対応付けられた設定項目を表す図(a)(b)、及び、それらが着色された様子を表す図(c)(d)である
【符号の説明】
【0076】
10…プリンタ、11、31…CPU、13、33…ROM、15、35…RAM、17…NVRAM、21…印刷部、23…表示操作部、27、47…プリンタポートI/F、30…PC、37…ハードディスク装置、41…表示部、43…入力部、50…用紙サイズ項目、60…両面印刷項目、70…ポスター印刷項目、80…給紙トレイ項目、90…決定ボタン、100…用紙設定タブ、200…拡張設定タブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目を記した設定画面を、表示装置に表示させる表示手段と、
前記表示手段によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、前記複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段による処理をさせないように予め定められた前記設定値の組み合わせとしての条件を満たさないように、前記設定手段が設定値を設定するのを制約する制約手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記表示装置に、前記設定画面上において、前記条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する前記設定項目の集合である制約設定項目群を、第一態様で表示させると共に、前記制約設定項目群以外の設定項目を、前記第一態様とは異なる第二態様で表示させる
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記条件は、複数定められ、
前記複数の条件のそれぞれに対しては、前記第一態様として、それぞれ異なる表示態様が定められており、
前記表示手段は、それぞれの前記制約設定項目群を、前記それぞれの制約設定項目群が属する前記条件に対して定められた前記第一態様としての表示態様で、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示手段によって表示された設定画面を通じて入力される情報に基づいて、前記複数の設定項目の中から、一部の設定項目を選択する選択手段
を備え、
前記表示手段は、前記制約設定項目群のうち、前記選択手段によって選択された設定項目のみを、前記第一態様で前記表示装置に表示させ、前記選択手段によって選択されなかった設定項目については、当該設定項目を前記第二態様で前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示手段は、互いに異なる前記条件に属する前記制約設定項目群に同一の前記設定項目が含まれる場合には、当該同一の設定項目が属する各条件に対し前記第一態様として定められた表示態様のそれぞれの特徴を含む表示態様である第三態様によって、前記同一の設定項目を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第三態様による表示とは、前記同一の設定項目が属する前記条件の数で、当該設定項目を表示する前記設定画面内の領域を分割すると共に、前記分割された領域のそれぞれにおいては、前記同一の設定項目が属する各条件に対し前記第一態様として定められた表示態様で前記設定項目を表示することである
ことを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記条件としての組み合わせを構成する、前記各設定項目について一つずつの設定値は、第一設定値と第二設定値との何れかに分類され、
前記制約手段は、前記第一設定値が前記設定手段によって設定されたときには、前記設定手段に前記第二設定値を設定させないように構成され、
前記表示手段は、前記設定手段によって設定された前記第一設定値が属する前記条件に対応する前記制約設定項目群を前記第一態様で表示し、前記設定手段によって設定されていない前記第一設定値が属する前記条件に対応する前記制約設定項目群を前記第二態様で表示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記各設定項目には、複数あるタブの何れかが予め対応付けられ、
前記設定手段は、前記表示手段により表示された設定画面を通じて入力された情報に基づいて、何れか一つの前記タブを有効タブとして設定すると共に、前記有効タブ以外の前記タブを無効タブとして設定するように構成され、
前記表示手段は、前記設定画面として、前記有効タブに対応付けられた設定項目が記されたダイアログボックス及び前記無効タブのうち特定の無効タブを前記表示装置に表示させる一方で、前記無効タブに対応付けられた設定項目を前記表示装置に表示させないように構成され、
前記特定の無効タブは、前記有効タブとして設定されたときに、自らに対応付けられた前記設定項目の何れかが前記第一態様によって表示される種類の前記無効タブであり、
前記表示手段は、前記特定の無効タブを、当該特定の無効タブに対応付けられた前記設定項目の何れかを表示する際に用いる前記第一態様と同じ態様にて、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の表示制御装置。
【請求項8】
表示装置を制御可能なコンピュータに、
複数の設定項目を記した設定画面を、前記表示装置に表示させる表示手順と、
前記表示手順によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、前記複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する設定手順と、
前記設定手順によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する処理手順と、
前記処理手順による処理をさせないように予め定められた前記設定値の組み合わせとしての条件を満たさないように、前記設定手順が設定値を設定するのを制約する制約手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記表示手順では、前記表示装置に、前記設定画面上において、前記条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する前記設定項目の集合である制約設定項目群を、第一態様で表示させると共に、前記制約設定項目群以外の設定項目を、前記第一態様とは異なる第二態様で表示させる
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項1】
複数の設定項目を記した設定画面を、表示装置に表示させる表示手段と、
前記表示手段によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、前記複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する処理手段と、
前記処理手段による処理をさせないように予め定められた前記設定値の組み合わせとしての条件を満たさないように、前記設定手段が設定値を設定するのを制約する制約手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記表示装置に、前記設定画面上において、前記条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する前記設定項目の集合である制約設定項目群を、第一態様で表示させると共に、前記制約設定項目群以外の設定項目を、前記第一態様とは異なる第二態様で表示させる
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記条件は、複数定められ、
前記複数の条件のそれぞれに対しては、前記第一態様として、それぞれ異なる表示態様が定められており、
前記表示手段は、それぞれの前記制約設定項目群を、前記それぞれの制約設定項目群が属する前記条件に対して定められた前記第一態様としての表示態様で、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示手段によって表示された設定画面を通じて入力される情報に基づいて、前記複数の設定項目の中から、一部の設定項目を選択する選択手段
を備え、
前記表示手段は、前記制約設定項目群のうち、前記選択手段によって選択された設定項目のみを、前記第一態様で前記表示装置に表示させ、前記選択手段によって選択されなかった設定項目については、当該設定項目を前記第二態様で前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示手段は、互いに異なる前記条件に属する前記制約設定項目群に同一の前記設定項目が含まれる場合には、当該同一の設定項目が属する各条件に対し前記第一態様として定められた表示態様のそれぞれの特徴を含む表示態様である第三態様によって、前記同一の設定項目を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第三態様による表示とは、前記同一の設定項目が属する前記条件の数で、当該設定項目を表示する前記設定画面内の領域を分割すると共に、前記分割された領域のそれぞれにおいては、前記同一の設定項目が属する各条件に対し前記第一態様として定められた表示態様で前記設定項目を表示することである
ことを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記条件としての組み合わせを構成する、前記各設定項目について一つずつの設定値は、第一設定値と第二設定値との何れかに分類され、
前記制約手段は、前記第一設定値が前記設定手段によって設定されたときには、前記設定手段に前記第二設定値を設定させないように構成され、
前記表示手段は、前記設定手段によって設定された前記第一設定値が属する前記条件に対応する前記制約設定項目群を前記第一態様で表示し、前記設定手段によって設定されていない前記第一設定値が属する前記条件に対応する前記制約設定項目群を前記第二態様で表示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記各設定項目には、複数あるタブの何れかが予め対応付けられ、
前記設定手段は、前記表示手段により表示された設定画面を通じて入力された情報に基づいて、何れか一つの前記タブを有効タブとして設定すると共に、前記有効タブ以外の前記タブを無効タブとして設定するように構成され、
前記表示手段は、前記設定画面として、前記有効タブに対応付けられた設定項目が記されたダイアログボックス及び前記無効タブのうち特定の無効タブを前記表示装置に表示させる一方で、前記無効タブに対応付けられた設定項目を前記表示装置に表示させないように構成され、
前記特定の無効タブは、前記有効タブとして設定されたときに、自らに対応付けられた前記設定項目の何れかが前記第一態様によって表示される種類の前記無効タブであり、
前記表示手段は、前記特定の無効タブを、当該特定の無効タブに対応付けられた前記設定項目の何れかを表示する際に用いる前記第一態様と同じ態様にて、前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の表示制御装置。
【請求項8】
表示装置を制御可能なコンピュータに、
複数の設定項目を記した設定画面を、前記表示装置に表示させる表示手順と、
前記表示手順によって表示された設定画面を通じて入力された情報に基づき、前記複数の設定項目それぞれに対応する設定値を設定する設定手順と、
前記設定手順によって設定された設定値の組み合わせに基づいて、所定の処理を実行する処理手順と、
前記処理手順による処理をさせないように予め定められた前記設定値の組み合わせとしての条件を満たさないように、前記設定手順が設定値を設定するのを制約する制約手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記表示手順では、前記表示装置に、前記設定画面上において、前記条件としての組み合わせを構成する設定値のそれぞれに対応する前記設定項目の集合である制約設定項目群を、第一態様で表示させると共に、前記制約設定項目群以外の設定項目を、前記第一態様とは異なる第二態様で表示させる
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−217472(P2009−217472A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59639(P2008−59639)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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