説明

表示制御装置および表示制御方法

【課題】 ハイパーリンク情報が含まれている構造化文書データを印刷プレビュー表示するような場合、印刷プレビュー表示内にリンク先の気になるリンク表示をみつけても、オペレータは1度印刷プレビュー表示モードを解除し、構造化文書の閲覧モードにしてからリンク先を辿るという手順を踏まないと、リンク先を閲覧することができなかった。
【解決手段】 本発明は、オペレータが指定した印刷プレビュー画像上の位置情報と、印刷プレビュー画面上のリンク表示がされた座標情報を比較し、リンクが指定されたならばリンク先の情報を取得して表示する。これにより、印刷プレビューモードを解除し閲覧モードに戻らなくてもリンク先の情報を参照することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷プレビュー表示に係り、特にハイパーリンク情報が含まれる印刷データをプレビュー表示させる表示制御装置およびその表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、HTMLに代表される構造化文書形式で記述されたデータが急増している。これにより、リンク先を示すハイパーリンク情報を含むデータを印刷する需要も増加傾向にある。ところが構造化文書は印刷のことを考慮した形式になっていないため、ブラウザなどのアプリケーション上での見た目がそのまま印刷レイアウトになることがほとんどない。したがって、印刷前にアウトプットの確認ができる印刷プレビュー表示機能が、これまで以上に重要視されつつある。
【0003】
このような状況により、印刷プレビューに関する従来技術は多数存在する。例えば複数枚の印刷プレビュー画像をそれぞれ上下左右にずらしつつ、重ねて表示させる技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術によりオペレータは、複数枚の印刷であることと、印刷される内容との両方を目視で容易に認識できる。
【0004】
また印刷プレビュー表示上でバナー広告などユーザが印刷したくない部分を選択すると、選択した部分のタグをプレースホルダで置き換えることにより、印刷時に削除することができる技術が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−318581号公報
【特許文献2】特開2007−257069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来技術においても、ハイパーリンク情報を含む構造化文書データの印刷プレビュー表示という観点から見ると、ある課題がある。
【0006】
ハイパーリンク情報が含まれている構造化文書データを印刷プレビュー表示する場合、オペレータが印刷プレビュー表示中にリンク先の気になるリンク表示をみつけることがある。しかし上記従来技術では、そのリンク先を閲覧するためには1度印刷プレビュー表示モードを解除せざるをえなかった。
【0007】
つまり、特許文献1記載の技術によれば複数枚の印刷プレビュー画像を表示できるが、表示される対象はあくまで予め印刷候補として選択した印刷データである。よって、1度印刷プレビュー表示を実行してしまうと、それ以上印刷プレビュー画像を増やすことができなかった。したがってオペレータが印刷プレビュー画像内のリンク先を閲覧する場合、1度印刷プレビュー表示モードを解除して、そのあと構造化文書の閲覧モードにしてからリンク先を辿るという手順を踏まなければならなかった。
【0008】
また特許文献2に記載の技術によれば印刷プレビュー画像の編集が可能であるが、特許文献1と同様に、印刷プレビュー画像内のリンク先を閲覧することは考慮されていなかった。
【0009】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、印刷プレビュー表示モードを解除せずに、印刷プレビュー画像内のリンク先の情報を閲覧できる表示制御装置および表示制御方法を提供することを第1の目的とする。
【0010】
また、そのように閲覧したリンク先の情報を印刷したい場合は、そのまま容易に印刷を実行できる表示制御装置および表示制御方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、印刷設定情報に基づいて印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる表示制御方法であって、ハイパーリンク情報を含む印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、オペレータからの指示に応じて指定された前記印刷プレビュー画像上での位置が、リンク表示がされた位置である場合、前記リンク表示に対応するハイパーリンク情報が示すリンク先データを取得する取得工程と、前記取得工程において取得されたリンク先データに基づき、前記表示装置に画像を表示させる第2の表示制御工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、印刷プレビュー画像内の任意のリンクから直接リンク先のデータを取得することができる。よって印刷プレビュー表示状態であってもリンク先の情報を閲覧することができる。またリンク先の情報は印刷プレビューとして表示すれば、リンク先の情報をそのまま印刷できる。したがって、印刷プレビュー画像内のリンク先を閲覧する手順、また印刷する手順も、従来に比べて大幅に減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0014】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。
【0015】
この印刷システムは、プリンタドライバがインストールされ、印刷プレビュー画像を表示させる表示制御装置としてのPC100と、プリンタ104とが例えばUSBケーブル105で接続されている。またPC100は、LANケーブル106、不図示のルータ等を介してインターネット107と接続されている。
【0016】
図1においてPC100は所謂ノート型のPCであり、表示装置101、情報処理部102、入力デバイス103で構成される。しかし本発明はこれに限らず、表示装置101と入力デバイス103が別体となり、情報処理部102が単体となって表示制御装置として動作する所謂デスクトップ型のPCであってもよい。
【0017】
図2は、本発明の実施形態に係るPC100のハードウェア構成例を示す図である。
【0018】
図2において、PC100はその情報処理部102に、命令に従って演算・判断等を行ってデータ処理やデバイスの制御等を行うための中央演算処理装置(以下、CPUと略記)202を有する。また図のRAM203およびROM204や、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略記)205等の記憶装置には、オペレーティングシステム(以下、OSと略記)やプリンタドライバその他の制御プログラムが格納されている。USBインタフェース206は、USBケーブル105を介してプリンタ104とデータ通信を行うためのデバイスである。LANインタフェース207は、LANケーブル106が繋がれるデバイスであり、不図示のルータ等を介してインターネット107と接続される。208はオペレータが文字や数字を入力する為のキーボード、209はポインティングデバイスとしてのタッチパッドであり、入力デバイス103に含まれる。またポインティングデバイスとしてはタッチパッドの代わりに例えばマウスでもよい。210はシステムバスであり、各デバイスを接続する。
【0019】
図3は、PC100の情報処理部102において実行される、印刷モジュールの機能構成の一例を示す図である。
【0020】
ウェブブラウザ301は、インターネット107からダウンロードして取得したWebページなどの構造化文書に対して閲覧や編集を行うソフトウェアであり、さらにWebページの印刷プレビュー表示の要求を行う。
【0021】
プラグインモジュール302は、ウェブブラウザ301からの要求に従い、Webページの印刷プレビューをOSおよびディスプレイドライバを介して表示装置101に表示させる機能を有している。なお、このプラグインモジュール302はプリンタドライバ303とは独立したモジュールとして存在し、通常は例えばHDD205上に保存されている。そしてウェブブラウザ301からコールされると、CPU202によりRAM203上にロードされて実行される。ただし本発明の印刷プレビュー表示の処理は、上述のように独立したプラグインモジュールに限定されるものではない。例えば印刷データの印刷プレビュー表示を行う場合に、プリンタドライバ303から読み出し指示されるモジュール、つまり、プリンタドライバ303の中のあるモジュールとして存在してもよい。
【0022】
プリンタドライバ303はCPU202により実行されるプログラムであり、プリンタ104の機能等に応じて最適な設定や制御を可能にするために、プリンタに応じて用意されている。またプリンタ104に対して設定可能な印刷設定項目を有しており、その主な項目には用紙サイズ、用紙の種類、レイアウト、部数等がある。いったん設定された各項目の値はHDD205等に記憶されて印刷の都度利用される。オペレータは印刷設定の変更を、表示装置101に表示される印刷設定画面から行うことができる。印刷プレビュー画像は、このようにオペレータが設定した印刷設定に基づき作成される。
【0023】
データメモリ領域304は、RAM203やHDD205上に構築され、インターネットからダウンロードされたWebデータなどの構造化文書を記憶する。また、プラグインモジュール302の処理を実行する際に必要となる情報も、一時的に記憶される。
【0024】
ユーザインタフェース305は、表示装置101に印刷プレビュー画像を表示させると共に、オペレータによる入力デバイス103の操作を、オペレータからの指示として入力するモジュールである。これによりオペレータは、例えばタッチパッド209を操作し、印刷プレビュー画像上のカーソルを操作することで指示を与えることができる。
【0025】
次にプラグインモジュール302を構成するブロックについて説明する。プラグインモジュール302内で「手段」としているブロックは、すべてソフトウエアモジュールとして存在しており、CPU202の処理により実現されるものである。
【0026】
プラグインモジュール302において、プレビュー画像作成手段306は、データメモリ領域304から印刷対象であるWebデータなどの構造化文書を、プリンタドライバ303から印刷設定情報を取得する。そして取得した情報を解析して、印刷プレビュー画像を作成する。
【0027】
ロケーション情報生成手段307は、まず印刷対象であるWebデータなどの構造化文書を解析する。そして解析の結果とプリンタドライバ303から取得した印刷設定情報とに基づき、印刷プレビュー画像上でリンク表示がされる部分を示すロケーション情報を生成する。ロケーション情報は、例えば印刷プレビュー画像上での座標情報として生成され、ハイパーリンク情報に含まれるURLと共にデータメモリ領域304の記憶領域に記憶される。記憶する方法としては、ロケーション情報に対応するURLと関連付けてテーブル形式で記憶することが考えられる。
【0028】
プレビュー画面表示手段308は表示制御モジュールであり、印刷プレビュー画像を表示装置101に表示させる。具体的には、プレビュー画像作成手段306で作成された印刷プレビュー画像を所定の位置にレイアウトして印刷プレビュー画面として表示させる。入力情報判別手段309は、ユーザインタフェース305を通して入力されたオペレータの指示が、印刷プレビュー画像内に存在するリンクを指定したアクションなのかを判別する。その方法としては、オペレータの指示に基づき印刷プレビュー画像上の位置が指定され、指定された位置情報と、ロケーション情報生成手段307により記憶されたロケーション情報を比較する。
【0029】
通常、印刷プレビュー画像はビットマップデータであるので、そのデータからは画像上のどこにリンク表示がされているかを知ることはできない。しかし上述のようなロケーション情報を生成し、印刷プレビュー画像上で指定された位置情報と比較することで、オペレータがリンクを指定したのか判別することができる。この詳しい処理内容については、図7および図10にて後述する。
【0030】
印刷対象データ取得手段310は、入力情報判別手段309によりオペレータがリンク表示を指定したと判別された場合、データメモリ領域304に記憶されているそのリンク表示に対するURLを読み出す。そして読み出したURLで特定されたリンク先の情報を取得し、取得したリンク先データをデータメモリ領域304に記憶する。
【0031】
またURL入力手段311は、ユーザインタフェース305を通して表示装置101にURL入力ダイアログを表示させるモジュールである。オペレータはキーボード208を操作して、URL入力ダイアログにURLを入力することができる。そして印刷対象データ取得手段310は、この入力されたURLを用いてリンク先のデータを取得し、データメモリ領域304に記憶する。なお、詳細は図12にて後述する。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係る印刷プレビュー画像を表示装置101に表示する処理手順を示す図である。
【0033】
ステップS401では、入力デバイス103の操作によりオペレータの指示が入力され、ウェブブラウザ301からプラグインモジュール302に印刷プレビュー表示の要求が来るのを待つ。ステップS402では、プレビュー画像作成手段306がプリンタドライバ303から印刷設定情報を取得する。
【0034】
ステップS403では、プレビュー画像作成手段306が、データメモリ領域304から印刷対象となっているWebページなどの構造化文書データを読み出し、印刷プレビュー画像を作成する。なお、この印刷プレビュー画像はステップS402で取得した印刷設定に応じて作成される。図5は印刷プレビュー画像の一例であり、例えば1面レイアウトが選ばれているならば図5(a)のような印刷プレビュー画像になるが、4in1レイアウトが選ばれているならば図5(b)のような印刷プレビュー画像になる。また印刷されるページが複数にわたる場合は、全てのページ分の印刷プレビュー画像を作成しておく。このように作成された印刷プレビュー画像の画像データは、データメモリ領域304に一時的に記憶される。
【0035】
ステップS404では、ロケーション情報生成手段307がデータメモリ領域304から印刷対象となっているWebページなどの構造化文書データを読み出し、ハイパーリンク情報の有無を解析する。ステップS405では、ステップS404の解析の結果、構造化文書データの中にハイパーリンク情報があるかどうかを判別する。ハイパーリンク情報があるならば、ステップS406へ進む。ハイパーリンク情報が無いならば、ステップS407へ進む。
【0036】
ステップS406では、まずロケーション情報生成手段307が、印刷対象となっているWebページなどの構造化文書データを解析する。加えて、プリンタドライバ303から印刷設定情報を取得して、リンク表示が印刷プレビュー画像上のどの位置にレイアウトされるかを予測してロケーション情報を生成する。印刷プレビューが複数ページにわたる場合は、全てのページ分この動作を実施する。このように作成されたロケーション情報は、URLと共にデータメモリ領域304へ一時的に記憶される。
【0037】
ステップS407では、プレビュー画面表示手段308が、ステップS403にて作成した印刷プレビュー画像をデータメモリ領域304から読み出し、まず第1の表示制御として表示装置101に表示させる。その際、印刷プレビュー画像は所定の位置にレイアウトされて印刷プレビュー画面を構成し、その印刷プレビュー画面がユーザインタフェース305を通して表示される。例えば図5において印刷プレビュー画像は、通常のサイズで表示する領域と、縮小サイズで表示する領域のそれぞれにレイアウトされている。
【0038】
図6は、本発明の実施形態に係る印刷プレビュー表示中に印刷設定を変更したときの処理手順を示す図である。
【0039】
ステップS601では、入力デバイス103の操作によりオペレータからの指示が入力され、プラグインモジュール302が印刷設定の変更を要求する。ステップS602では、プレビュー画像作成手段306がプリンタドライバ303から現在の印刷設定情報を取得する。
【0040】
ステップS603では、プレビュー画像作成手段306が、ステップS602で取得した印刷設定情報と、オペレータの操作以前の印刷設定情報とで差異がないかを判断する。差異があるならば、ステップS604へ進む。差異がなければ、そのまま処理を終了する。
【0041】
ステップS604では、プレビュー画像作成手段306が、データメモリ領域304から印刷対象となっているWebページなどの構造化文書データを再び読み出し、更新された印刷設定に応じた印刷プレビュー画像を再作成する。また印刷ページが複数にわたる場合は、全てのページ分の印刷プレビュー画像を作成しておく。このように再作成された印刷プレビュー画像の画像データはデータメモリ領域304に一時的に記憶され、古い印刷設定情報に応じて作成された印刷プレビュー画像は削除される。
【0042】
以下、ステップS605〜ステップS608の処理は、図4で示したステップS404〜ステップS407と同様であり、S604で再作成した印刷プレビュー画像がレイアウトされた印刷プレビュー画面を、表示装置101に表示させる。
【0043】
次に図7は、図4、図6で示した処理手順に従い表示させた印刷プレビュー画像上に、カーソル表示させたときの処理手順を示す図である。
【0044】
ステップS701では、オペレータが入力デバイス103を操作して、表示されたカーソルを移動させるのを待つ。オペレータがカーソルを移動させる方法としては、例えばタッチパッド209でドラッグ動作をすることが考えられる。ステップS702では、入力情報判別手段309が、データメモリ領域304に記憶されているロケーション情報と、印刷プレビュー画像上でカーソルが表示される位置情報とを比較する。その比較により、印刷プレビュー画像上でカーソルがリンク表示の位置に存在するかどうかを判別することができる。カーソルがリンク表示の位置に存在すると判別されればステップS703へ進み、カーソルがリンク表示の位置に存在しないと判別されればステップS701へ戻る。ステップS703では、プレビュー画面表示手段308が、印刷プレビュー画像上でのリンク表示にカーソルが合っていることをオペレータに示す効果を追加して、印刷プレビュー画面を表示装置101に再表示させる。そのような効果としては、例えば図8に示す印刷プレビュー画像上でのカーソル表示の変更、もしくは図9に示すカーソルが合ったリンク表示の変更といった効果が考えられる。この効果により、オペレータに対して印刷プレビュー画像上のリンクの有無、またその位置を伝えることができる。
【0045】
図10は、オペレータにより印刷プレビュー表示中にリンクが指定されたときの処理手順を示す図である。
【0046】
ステップS1001では、オペレータによる入力デバイス103の操作に応じて印刷プレビュー画像上でカーソルを移動させ、任意の位置が指定されるのを待つ。例えばオペレータによりタッチパッド209上でクリック動作が行われると、そのときカーソルが表示された位置を指定することが考えられる。ステップS1002では、入力情報判別手段309が、データメモリ領域304に記憶されているリンク表示のロケーション情報とステップS1001で指定された位置情報を比較する。その比較により、オペレータがリンクを指定したのかどうかを判別する。オペレータがリンクを指定したならば、ステップS1003へ進む。判別結果がリンクを指定していないものならば、ステップS1001へ戻る。なお図7の処理手順に従えば、ステップS1001において印刷プレビュー画像上を移動したカーソルがリンク表示部分に重なった場合、図8、図9のように表示されるのでオペレータはリンクを指定しやすくなる。また上記の説明ではオペレータがクリック動作を行った後に、ロケーション情報と指定された位置情報との比較を行っているが、図7の処理手順に従えば次のような方法も考えられる。つまり、図7の処理手順に従えばロケーション情報に基づき、リンク表示部にカーソルが重なっていると印刷プレビュー画像の表示を変更している。したがって、表示の変更が行われている状態でオペレータがクリック動作を行えば、改めて上記比較を行わなくとも、リンク表示が指定されたものと判別することができる。
【0047】
ステップS1003では、印刷対象データ取得手段310が、ステップS1001で指定されたリンクが示すリンク先データを、データメモリ領域304に記憶されているURLを元に取得する。取得されたデータは、データメモリ領域304に記憶される。なお、リンク先のデータの取得は、プラグインモジュール302自体がその機能を有していても良いし、ウェブブラウザ301を経由して取得しても良い。
【0048】
ステップS1004では、ステップS1003でリンク先のデータを取得できたかどうかを判別する。リンク先のデータを取得できたと判別されれば、リンク先印刷プレビュー画像を作成し、第2の表示制御として表示装置に表示させる。その方法は、上述した図4と同様の処理を行えばよい。一方S1004において、例えばリンク切れなどでリンク先のデータを取得できなかったと判別されれば、ステップS1001へ戻る。
【0049】
以上の処理手順に従い、印刷プレビュー画像から、リンク先の別の印刷プレビュー画像を作成できる。このように、印刷プレビュー画像が複数存在する場合の表示方法の一例を図11に示す。
【0050】
図11の拡大表示部分にリンク先の印刷対象データの印刷プレビュー画像が、縮小表示部分に全ての印刷対象データ画像の縮小された印刷プレビュー画像が表示される。なお、ここでの説明ではステップS1003で取得されたリンク先データの印刷プレビューを作成するとした。しかし本発明はこれに限らず、ウェブブラウザ301によりリンク先のWebページを表示させるようにしても良い。この場合も、オペレータは印刷プレビュー表示モードを解除せずに、リンク先のWebページを閲覧できるという効果を奏する。
【0051】
また以上の説明では、構造化文書データの解析結果と印刷設定情報からロケーション情報を生成することで、オペレータにより指定された印刷プレビュー画像上での位置が、リンク表示された位置かが判別できる。しかしこれに限らず、構造化文書データと印刷設定情報に基づいて、オペレータによりリンク表示が指定されたかを判別することができれば本発明の目的は達成される。
【0052】
〔第2の実施形態〕
次に第2の実施形態として、印刷プレビュー画面表示時に、オペレータがURLを直接入力する場合について述べる。
【0053】
図12は、オペレータによりURLが直接入力されるときの処理手順を示す図である。
【0054】
ステップS1201では、オペレータが入力デバイス103を操作して、印刷プレビュー画面上でURLを直接入力する機能を選択するのを待つ。ステップS1202では、入力情報判別手段309により、ステップS1201でのオペレータによる操作がURLを直接入力する機能を選択したものだったかどうかを判別される。URLを直接入力できる機能を選択したものだったならば、ステップS1203へ進む。選択したものではなかったならば、ステップS1201へ戻る。
【0055】
ステップS1203では、URL入力手段311により、オペレータがURLを直接入力できる入力画面が表示される。図13はURLを直接入力する入力画面を示す図であり、例えば図13(a)に示すURL入力ダイアログが表示される。ステップS1204では、オペレータが入力デバイス103を使ってダイアログ上でURLを入力し、その入力が完了するのを待つ。なお、オペレータが直接入力する方法としては、例えばキーボード208の操作がある。この場合、オペレータによるタイプに従いURLが表示され、完了の指示が与えられることにより、表示されたURLが入力される。また直接URLを入力するのが難しいようならば、図13の(b)に示すように、リンクが存在する部分にカーソルをあてると、URLが表示されるといった処理を行っても良い。ステップS1205では、入力情報判別手段309により、オペレータによるURL入力の完了の指示が与えられたかどうか判別される。オペレータによるURLの入力が完了したと判別されると、URL入力手段311により入力されたURL情報が取得され、これをデータメモリ領域304へ記憶してからステップS1206へ進む。URLの入力が完了していないと判別されると、ステップS1204へ戻る。ステップS1206では、印刷対象データ取得手段310により、ステップS1204で入力されたURLを元にデータを取得し、データメモリ領域304に記憶する。ステップS1207では、印刷対象データ取得手段310がステップS1206にてデータを取得できたかどうかを判断する。データを取得できたと判断されれば、そのデータに従い、URLで特定されたWebページの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置101に表示させる。その方法は、上述した図4と同様の処理を行えばよい。一方S1207において、例えばデータを取得できなかったと判断されれば、ステップS1204へ戻る。
【0056】
〔第3の実施形態〕
次に第3の実施形態として、上述の実施形態により複数の印刷プレビュー画像が作成された場合の表示方法について説明する。
【0057】
図14は、印刷プレビュー画像を切替えて表示する処理手順を示す図である。
【0058】
ステップS1401では、入力デバイス103が操作され、オペレータの指示が入力される。ステップS1402では、入力情報判別手段309により、ステップS1401でのオペレータの指示が印刷プレビュー画像の表示切替の指示だったか否かが判別される。ページの表示切替の指示だったならばステップS1403へ進み、表示切替の指示ではなかったならばステップS1401へ戻る。ステップS1403では、プレビュー画面表示手段308により、ステップS1401にて入力されたオペレータの指示に対応する印刷プレビュー画像がデータメモリ領域304から読み出される。
【0059】
ステップS1404では、読み出されたプレビュー画像が所定の位置にレイアウトされた印刷プレビュー画面を、ユーザインタフェース305を通して表示装置101を再表示する。これにより表示される印刷プレビュー画像が切り替わる。
【0060】
図15は、図14の処理手順に従った、印刷プレビュー画像の表示切替の一例を示す図である。
【0061】
図15(a)のように、オペレータが入力デバイス103を操作して印刷プレビュー画面上のカーソルを操作し、縮小サイズの印刷プレビュー画像上でクリック動作を行い選択する。すると図15の(b)のように、その選択された印刷プレビュー画像がオペレータによって現在選択されている印刷プレビュー画像として拡大して表示され、表示が切り替わる。
【0062】
以上の処理に従えば、1つの印刷プレビュー画像からリンク先の別の印刷プレビュー画像を作成できるので、これを繰り返せば複数の印刷プレビュー画像が作成される。すると別の課題として、リンク先の内容によってはオペレータが印刷したくない画像が含まれてしまうことが考えられる。そこで無駄な印刷を防ぐために、それぞれの印刷対象データに対して印刷の要否、また印刷部数を印刷対象データ個別に設定することが考えられる。印刷対象データ個別設定の為の画面表示の一例を図16に示す。
【0063】
図16において、複数のプレビュー画像のそれぞれに対して印刷部数を設定できるようになっている。また縮小サイズ表示されたプレビュー画像のそれぞれに対して印刷するか否かを指定するためのチェックボックスが表示されている。また図14の処理に従えば選択した印刷プレビュー画像を拡大できる。したがってオペレータは、まず縮小サイズ表示されたプレビュー画像の中から印刷プレビューを選び、拡大表示させて内容を確認する。そしてチェックボックスをクリックして図のようなレ点を表示させ、さらに印刷部数を設定する。これにより複数の印刷プレビュー画像の内からオペレータが印刷を望む画像、またその部数を簡単に指示することができる。また印刷部数が設定されていない場合は、印刷することを示すレ点がチェックボックスに表示されず、印刷部数が設定された場合はレ点がチェックボックスに自動的に表示され、印刷対象となるようにしてもよい。
【0064】
以上のように本発明は、印刷プレビュー画像上でリンク先を指定でき、その指定されたリンク先のデータを、印刷プレビュー画像として表示することができる。
【0065】
なお、以上の実施形態では、印刷対象となるデータ形式をWebページなどの構造化文書データとしていたが、ハイパーリンク情報を含むデータであれば、構造化文書形式でなくても本出願に係る説明に含まれることは言うまでもない。
【0066】
また本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムコードを記録した記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)がそのプログラムコードを実行することによっても達成される。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコードが前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体、及びそのプログラムコード自体は本発明を構成することになる。
【0067】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどがある。
【0068】
またプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合でも本発明の目的は達成される。
【0069】
さらに前述した実施形態の機能を実現するプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれる場合でも本発明の目的は達成される。その場合、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPC100のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】印刷モジュールの機能構成の一例を示す図である。
【図4】印刷プレビュー画像を表示装置101に表示する処理手順を示す図である。
【図5】印刷プレビュー画像の一例を示す図である。
【図6】印刷プレビュー表示中に印刷設定を変更したときの処理手順を示す図である。
【図7】印刷プレビュー画像上に、カーソル表示させたときの処理手順を示す図である。
【図8】印刷プレビュー画像上でのカーソル表示の変更を示す図である。
【図9】印刷プレビュー画像上でのリンク表示の変更を示す図である。
【図10】印刷プレビュー表示中にリンクが指定されたときの処理手順を示す図である。
【図11】印刷プレビュー画像が複数存在する場合の表示方法の一例を示す図である。
【図12】オペレータによりURLが直接入力されるときの処理手順を示す図である。
【図13】URLを直接入力する入力画面を示す図である。
【図14】印刷プレビュー画像を切替えて表示する処理手順を示す図である。
【図15】印刷プレビュー画像の表示切替の一例を示す図である。
【図16】印刷対象データ個別設定の為の画面表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
202 中央演算処理装置(CPU)
203 RAM
204 ROM
205 ハードディスクドライブ(HDD)
206 USBインタフェース
207 LANインタフェース
208 キーボード
209 タッチパッド
210 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷設定情報に基づいて印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる表示制御方法であって、
ハイパーリンク情報を含む印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる第1の表示制御工程と、
オペレータからの指示に応じて指定された前記印刷プレビュー画像上での位置が、リンク表示がされた位置である場合、前記リンク表示に対応するハイパーリンク情報が示すリンク先データを取得する取得工程と、
前記取得工程において取得されたリンク先データに基づき、前記表示装置に画像を表示させる第2の表示制御工程と、
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
印刷設定情報及び前記印刷対象データに基づき、オペレータからの指示に応じて指定された前記印刷プレビュー画像上での位置が、リンク表示がされた位置であるか否かを判別する判別工程を有し、
前記取得工程では、前記判別工程における判別結果に応じてリンク先データを取得することを特徴とする請求項1に記載の表示制御方法。
【請求項3】
印刷設定情報及び前記印刷対象データに基づき、前記印刷プレビュー画像上でリンク表示がされる位置を示すロケーション情報を生成する生成工程を有し、
前記判別工程では、オペレータからの指示に応じて指定された前記印刷プレビュー画像上での位置情報と、前記ロケーション情報との比較に基づき判別を行うことを特徴とする請求項2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記第1の表示制御工程で表示された印刷プレビュー画像上にカーソルを表示させるカーソル表示工程と、
入力されたオペレータからの指示に応じて、前記印刷プレビュー画像上で前記カーソルを移動させる移動工程と、を有し、
前記移動工程において移動したカーソルが、リンク表示がされた位置にある場合、前記カーソルの表示、または前記リンク表示を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記第2の表示制御工程において、前記リンク先データの印刷プレビュー画像を表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項6】
入力されたオペレータからの指示に応じて、前記第1の表示制御工程、または前記第2の表示制御工程において表示された印刷プレビュー画像を選択する選択工程を有し、
選択されていない印刷プレビュー画像を、選択されている印刷プレビュー画像よりも小さなサイズで表示させることを特徴とする請求項5に記載の表示制御方法。
【請求項7】
前記選択工程において選択されていない印刷プレビュー画像に対し、印刷対象か否かを示す表示をすることを特徴とする請求項6に記載の表示制御方法。
【請求項8】
入力されたオペレータからの指示に応じて、前記選択工程において選択されていない印刷プレビュー画像を印刷対象として設定することを特徴とする請求項7に記載の表示制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
印刷設定情報に基づいて印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる表示制御装置であって、
ハイパーリンク情報を含む印刷対象データの印刷プレビュー画像を作成し、表示装置に表示させる第1の表示制御手段と、
オペレータからの指示を入力する入力手段と、
前記入力手段に入力された指示に応じて指定された前記印刷プレビュー画像上での位置が、リンク表示がされた位置である場合、前記リンク表示に対応するハイパーリンク情報が示すリンク先データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたリンク先データに基づき、前記表示装置に画像を表示させる第2の表示制御手段と、
を有することを特徴とする表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−258966(P2009−258966A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106803(P2008−106803)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】