説明

表示制御装置及びプログラム

【課題】手書き入力時よりも後で手書き画像を見直して手本画像と比較することを可能とする。
【解決手段】電子辞書1は、所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する辞書データベース60aと、辞書データベース60aにより記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させるCPU20と、手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受けるタッチパネル110と、手書き入力された手書き画像を、表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像データベース82とを備える。CPU20は、ユーザ操作に基づいて、手書き画像データベース82に記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示制御装置では、手書き入力が可能となっている。
このような表示制御装置においては、近年、手本の画像と、ユーザにより手書き入力された画像とを比較して、手書き画像の良し悪しを評価する技術が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−133886号公報
【特許文献2】特開2006−133888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2の技術では、手書き入力を行った時点で手書き画像の評価を行うことはできるものの、後で手書き画像を見直すことはできない。
【0005】
本発明の課題は、手書き入力時よりも後で手書き画像を見直して手本画像と比較することのできる表示制御装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、表示制御装置において、
所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する手本画像記憶手段と、
前記手本画像記憶手段により記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させる手本表示制御手段と、
前記手本表示制御手段により手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受ける手書き入力手段と、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御手段により表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像・手本記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記手書き画像・手本記憶手段により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる手書き画像・手本表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手書き入力時よりも後で手書き画像を見直して手本画像と比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
【図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
【図3】カード登録処理を示すフローチャートである。
【図4】カード呼び出し処理を示すフローチャートである。
【図5】表示部の表示内容を示す図である。
【図6】表示部の表示内容を示す図である。
【図7】表示部の表示内容を示す図である。
【図8】表示部の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る表示制御装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11及びキー群2を備えている。
【0011】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、いわゆるタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0012】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、カーソルキー2e等とを有している。
【0013】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。
【0014】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。
【0015】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構造について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0016】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、記録媒体読取部50、CPU(Central Processing Unit)20、フラッシュROM(Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)90を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0017】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0018】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0019】
記録媒体読取部50は、着脱自在に装着されるSDカードやUSBメモリ、CD等の記録媒体50Aから情報を読み取るものである。
【0020】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果をRAM90に保存するとともに、当該処理結果を表示部40に適宜出力させる。
【0021】
フラッシュROM80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM80は、本発明に係る情報表示プログラム81と、テキストコンテンツ群7と、辞書コンテンツ群6と、手書き画像データベース82等とを記憶している。
【0022】
情報表示プログラム81は、後述のカード登録処理(図3参照)及びカード呼び出し処理(図4参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0023】
テキストコンテンツ群7は、文字列からなるテキストコンテンツ71を少なくとも1つ有している。
【0024】
辞書コンテンツ群6は、複数の辞書データベース60を有している。各辞書データベース60には、見出し語と、この見出し語の説明情報とを対応付けた1つ以上の辞書情報が格納されている。
【0025】
ここで、本実施の形態においては、このような辞書データベース60の1つとして、「筆順事典」の辞書データベース60aが用いられている。この「筆順事典」の辞書データベース60aでは、文字の読みが見出し語として用いられ、当該文字についての手本画像と、当該手本画像で示される文字の総画数と、が説明情報として用いられている。更に、この辞書データベース60aの手本画像では、例えば後述の図5(c)に示すように、同一の文字について複数種類の各書体による手本部分が別々の領域に含まれている。
【0026】
手書き画像データベース82は、後述のカード登録処理(図3参照)においてタッチパネル110により手書き入力される手書き画像と、「筆順事典」の辞書データベース60aに記憶された該当の手本画像とを対応付け、「書き方カード」(復習用カード)の裏面、表面として記憶するようになっている。より詳細には、この手書き画像データベース82には、タッチパネル110により1筆分ずつ手書き入力された各時点での手書き画像が、それぞれ同一の手本画像における同一書体の手本部分に対応付けられて記憶されるようになっている。また、この手書き画像データベース82では、手書き画像の画数と、この手本画像の画数とが「書き方カード」の両面に対応付けて記憶されるようになっている。
【0027】
RAM90は、CPU20が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えている。
【0028】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図3,図4を参照しつつ説明する。
【0029】
(カード登録処理)
図3は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行するカード登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
この図に示すように、カード登録処理においては、まずCPU20は、メインディスプレイ10の端部に「書き方」アイコンA1(図5(a)参照)を表示させた後、この「書き方」アイコンA1に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS1)、タッチ操作が行われないと判定した場合(ステップS1;No)には他の処理へ移行する。
【0031】
また、ステップS1において「書き方」アイコンA1に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいて文字の指定操作を受け付ける(ステップS2)。なお、このステップS2においてユーザは、「筆順事典」の辞書データベース60aで見出し語検索を行うことで文字の指定を行っても良いし、メインディスプレイ10にテキストコンテンツ71や「筆順事典」以外の辞書データベース60のテキストが表示された状態から、テキスト内の文字にタッチ操作を行うことで文字の指定を行っても良い。
【0032】
次に、CPU20は、指定された文字(以下、指定文字とする)についての手本画像が「筆順事典」の辞書データベース60aに存在するか否かを判定し(ステップS3)、存在しないと判定した場合(ステップS3;No)には、その旨のエラーメッセージをメインディスプレイ10に表示させた後(ステップS4)、上述のステップS1に移行する。
【0033】
また、ステップS3において指定文字についての手本画像が「筆順事典」の辞書データベース60aに存在すると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU20は、その手本画像を辞書データベース60aから読み出してメインディスプレイ10に表示させ(ステップS6)、タッチパネル110を介して指定文字についての手書き入力を受ける(ステップS7)。より詳細には、これらのステップS6〜S7においてCPU20は、メインディスプレイ10における手書き画像の入力エリアに手本画像を表示させ、表示された手本画像に重ねるように、当該手本画像の文字(指定文字)についての手書き入力を受けるようになっている。また、このときCPU20は、手書き入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像を低濃度化して表示させるようになっている。
【0034】
次に、CPU20は、手書き入力内容についての情報として、1筆分ずつ入力された各時点での手書き画像と、手書き入力の位置と、手書き入力された筆数(画数)とを検出し(ステップS8)、手本画像から、手書き入力の位置を含んで表示されている文字部分の領域、つまり手書き入力の位置によって指定される手本部分を抽出する(ステップS9)。より具体的には、このステップS9においてCPU20は、1つの手本画像に含まれる各書体の手本部分のうち、手書き入力の位置に重ねて表示されている手本部分の領域を、当該手本画像から抽出する。
【0035】
次に、CPU20は、ステップS9で抽出した領域の手本画像(以下、手本抽出画像とする)と、手書き画像とを並べて表示させ(ステップS11)、手本抽出画像の画数と、手書き画像の画数とが一致するか否かを判定し(ステップS12)、一致すると判定した場合(ステップS12;Yes)には後述のステップS14に移行する。
【0036】
また、ステップS12において手本抽出画像の画数と、手書き画像の画数とが一致しないと判定した場合(ステップS12;No)には、CPU20は、手書き画像の画数が誤っている旨をメインディスプレイ10に表示させる(ステップS13)。
【0037】
次に、CPU20は、決定操作が行われるか否かを判定し(ステップS14)、行われないと判定した場合(ステップS14;No)には上述のステップS7に移行する。
【0038】
そして、ステップS14において決定操作が行われたと判定した場合(ステップS14;Yes)には、CPU20は、手本抽出画像と、筆順ごとの手書き画像と、手本抽出画像の画数とを対応付けて手書き画像データベース82に記憶させ(ステップS15)、書き方カード登録処理を終了する。より詳細には、このステップS15においてCPU20は、手本抽出画像を「書き方カード」の表面、各手書き画像を「書き方カード」の裏面として手書き画像データベース82に記憶させるようになっている。
【0039】
(カード呼び出し処理)
図4は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行するカード呼び出し処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
この図に示すように、カード呼び出し処理においては、まずCPU20は、ユーザにより「書き方カード」の呼び出し操作が行われるか否かを判定し(ステップT1)、行われないと判定した場合(ステップT1;No)には他の処理へ移行する。
【0041】
また、ステップT1において呼び出し操作が行われたと判定した場合(ステップT1;Yes)には、CPU20は、手書き画像データベース82に記憶された複数の「書き方カード」(手本抽出画像と手書き画像とを対応付けたカード)のうち、ユーザ操作に基づいて選択される「書き方カード」の表面(手本抽出画像の面)をメインディスプレイ10に表示させる(ステップT2)。また、このときCPU20は、メインディスプレイ10の端部に「練習」アイコンA3と、「書き順」アイコンA4とを表示させる(図7(c)参照)。
【0042】
このステップT2においてCPU20は、所定のユーザ操作が行われた場合に、「書き方カード」の裏面(手書き画像の面)をメインディスプレイ10に表示させ(ステップT3)、この状態から更に所定のユーザ操作が行われた場合に、ステップT2に移行するようになっている。なお、このステップT3においてCPU20は、手書き画像データベース82内の情報に基づいて、手書き画像の画数と、手本画像の画数とが一致するか否かを判定し、判定結果をメインディスプレイ10に表示させることが好ましい。これにより、画数が誤っていた場合には、そのことを認識して復習を行うことができる。
【0043】
これらステップT2,T3の次に、CPU20は、「練習」アイコンA3に対してタッチ操作が行われるか否かを判定する(ステップT4)。
【0044】
このステップT4において「練習」アイコンA3に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップT4;Yes)には、CPU20は、「書き方カード」で表示された文字を指定文字とした後、この指定文字についての手本画像を辞書データベース60aから読み出してメインディスプレイ10に表示させ(ステップT6)、タッチパネル110を介して指定文字についての手書き入力を受ける(ステップT7)。より詳細には、これらのステップT6〜T7においてCPU20は、メインディスプレイ10における手書き画像の入力エリアに手本画像を表示させ、表示された手本画像に重ねるように、当該手本画像の文字(指定文字)についての手書き入力を受けるようになっている。また、このときCPU20は、手書き入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像を低濃度化して表示させるようになっている。
【0045】
次に、CPU20は、手書き入力の位置を検出し(ステップT8)、手本画像から、手書き入力の位置を含んで表示されている文字部分の領域、つまり手書き画像に対応する手本部分を抽出する(ステップT9)。より具体的には、このステップT9においてCPU20は、1つの手本画像に含まれる各書体の手本部分のうち、手書き入力の位置に重ねて表示されている手本部分の領域を、当該手本画像から抽出する。
【0046】
次に、CPU20は、ステップT9で抽出した手本抽出画像と、手書き画像とを並べて表示させた後(ステップT11)、決定操作が行われるか否かを判定し(ステップT14)、行われないと判定した場合(ステップT14;No)には上述のステップT7に移行する。
【0047】
また、ステップT14において決定操作が行われたと判定した場合(ステップT14;Yes)には、CPU20は、手本抽出画像と、筆順ごとの手書き画像と、手本抽出画像の画数とを対応付けて手書き画像データベース82に上書き記憶させ(ステップT15)、書き方カード呼び出し処理を終了する。より詳細には、このステップT15においてCPU20は、手本抽出画像を「書き方カード」の表面、各手書き画像を「書き方カード」の裏面として手書き画像データベース82に記憶させるようになっている。
【0048】
また、上述のステップT4において「練習」アイコンA3に対してタッチ操作が行われないと判定した場合(ステップT4;No)には、CPU20は、「書き順」アイコンA4に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップT21)、行われないと判定した場合(ステップT21;No)には他の処理へ移行する。
【0049】
また、ステップT21において「書き順」アイコンA4に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップT21;Yes)には、CPU20は、同一の手本抽出画像に対応付けられた各筆数(画数)での手書き画像を、筆順に従ってメインディスプレイ10に順次表示させた後(ステップT22)、書き方カード呼び出し処理を終了する。
【0050】
(動作例)
続いて、図5〜図8を参照しつつ、上記のカード登録処理及びカード呼び出し処理を具体的に説明する。
【0051】
まず、図5(a)に示すように、「国語辞典」の辞書データベース60において見出し語「凱旋」の説明情報テキストが表示された状態から、ユーザが「書き方」アイコンA1に対してタッチ操作を行う(ステップS1;Yes)。
【0052】
次に、図5(b)に示すように、ユーザが文字「凱」について指定操作を行うと(ステップS2)、指定文字「凱」についての手本画像が「筆順事典」の辞書データベース60aに存在すると判定され(ステップS3;Yes)、図5(c)に示すように、その手本画像が辞書データベース60aから読み出されてメインディスプレイ10に表示される(ステップS6)。このとき、手書き入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像が低濃度化して表示される。
【0053】
次に、図7(a)に示すように、表示された手本画像のうち、書体「楷書」の手本部分に重ねるように、ユーザがタッチパネル110を介して指定文字「凱」についての手書き入力を行う(ステップS7)。
【0054】
次に、手書き入力内容についての情報として、1筆分ずつ入力された各時点での手書き画像と、手書き入力の位置と、手書き入力された筆数(画数)とが検出され(ステップS8)、手本画像から書体「楷書」の手本部分(手本抽出画像)が抽出される(ステップS9)。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、手本抽出画像と、手書き画像とが並べて表示される(ステップS11)。なお、本動作例では、このとき手本抽出画像は「書き方カード」の表面として、手書き画像は「書き方カード」の裏面として、それぞれ表示されるようになっている。また、手本抽出画像,手書き画像の各筆跡部分には筆順番号が付記されている。
【0056】
そして、ユーザが決定操作を行うと(ステップS14;Yes)、手本抽出画像と、筆順ごとの手書き画像と、手本抽出画像の画数とが対応付けられて手書き画像データベース82に記憶される(ステップS15)。なお、本動作例においては、図7(c)に示すように、このときメインディスプレイ10には「書き方カード1」〜「書き方カード6」が選択可能に表示され、ユーザが「書き方カード1」を選択すると、手本抽出画像と、筆順ごとの手書き画像等とが「書き方カード1」の内容として記憶されるようになっている。
【0057】
次に、図7(a),(b)に示すように、ユーザが「書き方カード」の呼び出し操作を行うと(ステップT1;Yes)、「書き方カード1」〜「書き方カード6」が選択可能に表示され、ユーザが「書き方カード1」を選択すると、図7(c)に示すように、当該「書き方カード1」の表面(手本抽出画像の面)がメインディスプレイ10に表示される(ステップT2)。また、このときメインディスプレイ10の端部に「練習」アイコンA3と、「書き順」アイコンA4とが表示される。
【0058】
次に、ユーザが所定の操作を行うと、図7(d)に示すように、「書き方カード」の裏面(手書き画像の面)がメインディスプレイ10に表示される(ステップT3)。
【0059】
次に、「練習」アイコンA3に対してユーザがタッチ操作を行うと(ステップT4;Yes)、「書き方カード」で表示された文字「凱」が指定文字とされた後、図8(a)に示すように、この指定文字「凱」についての手本画像が辞書データベース60aから読み出されてメインディスプレイ10に表示される(ステップT6)。このとき、手書き入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像が低濃度化して表示される。
【0060】
次に、図8(b)に示すように、表示された手本画像のうち、書体「楷書」の手本部分に重ねるように、ユーザがタッチパネル110を介して指定文字「凱」についての手書き入力を行う(ステップT7)。
【0061】
次に、手書き入力の位置が検出され(ステップT8)、手本画像から、書体「楷書」の手本部分(手本抽出画像)が抽出される(ステップT9)。
【0062】
次に、図8(c)に示すように、手本抽出画像と、手書き画像とが並べて表示される(ステップT11)。なお、本動作例では、このとき手本抽出画像は「書き方カード」の表面として、手書き画像は「書き方カード」の裏面として、それぞれ表示されるようになっている。また、手本抽出画像,手書き画像の各筆跡部分には筆順番号が付記されている。
【0063】
また、図7(d)に示した状態から、ユーザが「書き順」アイコンA4に対してタッチ操作を行うと(ステップT21;Yes)、図8(d)に示すように、指定文字「凱」についての同一の手本抽出画像に対応付けられた各筆数(画数)での手書き画像が、筆順に従ってメインディスプレイ10に順次表示される(ステップT22)。なお、この図では、指定文字「凱」について6画目が手書き入力された時点での手書き画像が表示されている。
【0064】
以上の電子辞書1によれば、図3のステップS2〜S15や、図4のステップT1〜T3、図5〜図7等に示したように、指定された手本画像に手書き画像が対応付けて手書き画像データベース82に記憶され、ユーザ操作に基づいて、手書き画像データベース82に記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とが表示されるので、手書き入力時よりも後で手書き画像を見直して手本画像と比較することができる。よって、手書き画像の復習を容易に行うことができる。
【0065】
また、図3のステップS15や図6等に示したように、各手本画像は複数の手本部分を別々の領域に含んでおり、手書き画像データベース82には、ユーザ操作により指定された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本部分に対応付けて手書き画像が記憶されるので、手本画像中に複数の手本部分が含まれる場合に、対比したい手本部分のみを抽出して表示させることができる。
【0066】
また、図3のステップS7や図6(a)等に示したように、手本画像内の何れかの手本部分に重ねるように手書き入力が行われた場合に、当該手書き画像が当該手本画像の当該手本部分に対応付けて記憶されるので、容易に手本部分の指定を行うことができる。また、手本画像に重ねるように、当該手本画像の文字についての手書き入力が行われるので、手本画像に対して忠実に手書き入力を行うことができる。
【0067】
また、図3のステップS6〜S7や図6(a)等に示したように、入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像が低濃度化して表示されるので、手書き画像を手本画像から区別しながら、手書き入力を行うことができる。
【0068】
また、図5(c)等に示したように、各手本画像は同一の文字について、書体の異なる複数の手本部分を別々の領域に含んでいるので、様々な字体を手本として手書き入力を行い、手書き画像の復習を行うことができる。
【0069】
また、図3のステップS15や図4のステップS22、図8(d)等に示したように、1筆分ずつ手書き入力された各時点での手書き画像がそれぞれ同一の手本画像に対応付けられて手書き画像データベース82に記憶され、記憶された手書き画像のうち、同一の手本画像に対応付けられた各手書き画像が筆順に従って表示されるので、自分の書いた筆順を分かり易く表示させ、復習に用いることができる。
【0070】
また、図5等に示したように、所定の文字について、所定の書体での手本画像が記憶されるので、辞書データベース60における各文字の画像を手本画像として用いることができる。
【0071】
また、図3のステップS2や図5等に示したように、表示された文字列のうち、何れかの文字についての指定操作が行われると、「筆順事典」の辞書データベース60aに記憶された手本画像のうち、指定された文字についての手本画像が表示されて、当該手本画像の文字についての手書き入力が行われるので、テキスト中の所望の文字について、簡単な操作で手書きの練習を開始することができる。
【0072】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
例えば、本発明に係る表示制御装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る情報表示プログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な記録媒体50Aに記憶されることとしてもよい。
【0074】
また、文字についての手本画像を用いて手書き入力することとして説明したが、記号など、他の手書き対象の手本画像を用いることとしても良い。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する手本画像記憶手段と、
前記手本画像記憶手段により記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させる手本表示制御手段と、
前記手本表示制御手段により手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受ける手書き入力手段と、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御手段により表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像・手本記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記手書き画像・手本記憶手段により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる手書き画像・手本表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項2>
請求項1記載の表示制御装置において、
各手本画像は、複数の手本部分を別々の領域に含んでおり、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御手段により表示された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本部分に対応付けて記憶することを特徴とする表示制御装置。
<請求項3>
請求項2記載の表示制御装置において、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手本表示制御手段により表示された手本画像内の何れかの手本部分に重ねるように前記手書き入力手段によって手書き入力を受けた場合に、当該手書き画像を当該手本画像の当該手本部分に対応付けて記憶することを特徴とする表示制御装置。
<請求項4>
請求項3記載の表示制御装置において、
前記手本表示制御手段は、
前記手書き入力手段による入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像を低濃度化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項5>
請求項1〜4の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により1筆分ずつ手書き入力された各時点での手書き画像を、それぞれ同一の手本画像に対応付けて記憶し、
前記手書き画像・手本表示制御手段は、
前記手書き画像・手本記憶手段により同一の手本画像に対応付けられた各手書き画像を、筆順に従って表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項6>
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記手本画像記憶手段は、
所定の文字について、所定の書体での手本画像を記憶していることを特徴とする表示制御装置。
<請求項7>
請求項6記載の表示制御装置において、
前記手本画像記憶手段は、
手本画像で示される各文字の画数を記憶し、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、当該手書き画像の画数に対応付けて記憶しており、
前記手書き画像・手本表示制御手段は、
前記手書き画像・手本記憶手段により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させるとともに、これらの手書き画像及び手本画像の画数が一致するか否かを表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項8>
請求項6または7に記載の表示制御装置において、
各手本画像は、同一の文字について、書体の異なる複数の手本部分を別々の領域に含んでいることを特徴とする表示制御装置。
<請求項9>
請求項6〜8の何れか一項に記載の表示制御装置において、
文字列を表示させる文字列表示制御手段と、
前記文字列表示制御手段により表示された文字列のうち、何れかの文字についての指定操作をユーザから受ける文字指定手段とを備え、
前記手本表示制御手段は、
前記手本画像記憶手段により記憶された手本画像のうち、前記文字指定手段により指定された文字についての手本画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項10>
コンピュータに、
所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する手本画像記憶機能と、
前記手本画像記憶機能により記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させる手本表示制御機能と、
前記手本表示制御機能により手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受ける手書き入力機能と、
前記手書き入力機能により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御機能により表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像・手本記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記手書き画像・手本記憶機能により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる手書き画像・手本表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0076】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 情報表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する手本画像記憶手段と、
前記手本画像記憶手段により記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させる手本表示制御手段と、
前記手本表示制御手段により手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受ける手書き入力手段と、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御手段により表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像・手本記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記手書き画像・手本記憶手段により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる手書き画像・手本表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示制御装置において、
各手本画像は、複数の手本部分を別々の領域に含んでおり、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御手段により表示された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本部分に対応付けて記憶することを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の表示制御装置において、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手本表示制御手段により表示された手本画像内の何れかの手本部分に重ねるように前記手書き入力手段によって手書き入力を受けた場合に、当該手書き画像を当該手本画像の当該手本部分に対応付けて記憶することを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の表示制御装置において、
前記手本表示制御手段は、
前記手書き入力手段による入力画像の方が手本画像よりも濃くなるよう、手本画像を低濃度化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により1筆分ずつ手書き入力された各時点での手書き画像を、それぞれ同一の手本画像に対応付けて記憶し、
前記手書き画像・手本表示制御手段は、
前記手書き画像・手本記憶手段により同一の手本画像に対応付けられた各手書き画像を、筆順に従って表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記手本画像記憶手段は、
所定の文字について、所定の書体での手本画像を記憶していることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
請求項6記載の表示制御装置において、
前記手本画像記憶手段は、
手本画像で示される各文字の画数を記憶し、
前記手書き画像・手本記憶手段は、
前記手書き入力手段により手書き入力された手書き画像を、当該手書き画像の画数に対応付けて記憶しており、
前記手書き画像・手本表示制御手段は、
前記手書き画像・手本記憶手段により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させるとともに、これらの手書き画像及び手本画像の画数が一致するか否かを表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の表示制御装置において、
各手本画像は、同一の文字について、書体の異なる複数の手本部分を別々の領域に含んでいることを特徴とする表示制御装置。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか一項に記載の表示制御装置において、
文字列を表示させる文字列表示制御手段と、
前記文字列表示制御手段により表示された文字列のうち、何れかの文字についての指定操作をユーザから受ける文字指定手段とを備え、
前記手本表示制御手段は、
前記手本画像記憶手段により記憶された手本画像のうち、前記文字指定手段により指定された文字についての手本画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項10】
コンピュータに、
所定の手本画像を少なくとも1つ記憶する手本画像記憶機能と、
前記手本画像記憶機能により記憶された手本画像のうち、ユーザ操作により指定された手本画像を表示させる手本表示制御機能と、
前記手本表示制御機能により手本画像が表示された状態で、ユーザから手書き入力を受ける手書き入力機能と、
前記手書き入力機能により手書き入力された手書き画像を、前記手本表示制御機能により表示された手本画像に対応付けて記憶する手書き画像・手本記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記手書き画像・手本記憶機能により記憶された何れかの手書き画像と、当該手書き画像に対応付けられた手本画像とを表示させる手書き画像・手本表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−243230(P2012−243230A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115396(P2011−115396)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】