説明

表示機能付きスイッチ及び操作デバイス

【課題】本発明は、簡潔で操作性に優れたシステム用のスイッチ又は該スイッチを備える操作デバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】 入力部品と知覚できる形状を有するスイッチに、電子的に書き換え可能な表示部が備わった表示機能付きスイッチである。表示部は、スイッチの機能などを文字、画像、写真、アイコン等を用いて表示する。表示部の書き換えが可能であるので、1つのスイッチが複数の機能を有する場合でも、そのときのスイッチの備える機能のみを表示することができる。そのときには行えない機能まで表示しなくてもよいので、スイッチの使用者を混乱させるのを防ぐことができる。1つのスイッチに多くの機能を備えても混乱を招かないので、操作パネルやリモートコントロール装置に備わるスイッチの数を減らし、1つのスイッチについての表示を大きくすることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチに書き換え可能な表示部を設けた表示機能付きスイッチ及び該表示機能付きスイッチを備えた操作デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電製品や電子機器などの日常の生活の中で利用する各種装置の高機能化が進んでいる。この高機能化に伴い、装置を直接操作する操作パネルには多数のスイッチが配置されるようになった。操作パネルの大きさは、各装置の大きさにより制限される。高機能化が進む一方で装置の小型化が進んでいるため、スイッチを構成する入力部品が小さくなっている。これらにより、スイッチの機能の表示は略記され、それ故機能の認知が困難であるため、装置を使用するためには各スイッチの機能を理解して記憶しなければならず、操作パネルの使用が困難となっていた。
【0003】
一方で、家電製品や電子機器など装置を遠隔操作するためのリモートコントロール装置が多用されている。リモートコントロール装置も各種装置の高機能化に伴い多数のスイッチが備わっている。リモートコントロール装置は、人の手で持てる大きさを限度としてスイッチを配置するので、各スイッチの機能を表示するのに十分な面積はない。このため、リモートコントロール装置も、スイッチの機能の表示は機能の認知が困難な略記となっていた。さらに、オーディオ機器などの複雑な機能をもつ装置では、1つのスイッチに複数の機能を備えるため、スイッチの機能が不明確になっていた。このように、リモートコントロール装置を用いた装置の使用は、リモートコントロール装置ごとに各スイッチの機能を理解して記憶しなければならず、操作が困難となっていた。
【0004】
スイッチと液晶表示部とを備え、操作の内容を該表示部にて表すリモートコントロール装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。リモートコントロール装置は、スイッチを押すごとに運転モードを切替える。液晶表示部の外に装置の運転モードが印刷されており、運転モードが切り替わると液晶表示部の映像情報が書き換えられてどの運転モードが選択されているのかを表示する。このリモートコントロール装置は、スイッチを押すごとに液晶表示部が書き換えられるが、スイッチの機能は固定されているので多機能の装置には応用が困難である。また、スイッチの機能の数に等しい液晶表示部が必要であるので、リモートコントロール装置に装備できる機能は少なくなる。
【0005】
さらに、多機能のスイッチにタッチパネルがある。タッチパネルは1つの入力部分で複数の機能を果たす。しかし、液晶で表示された枠内が入力部分となるので、タッチパネルの使用者は、液晶に手を近づけ、他の部分に一切接触することなく入力部分のみを触らなければならなかった。このため、タッチパネルは、手で持ち運ぶと装置の誤操作をしてしまうため、リモートコントロール装置には応用できなかった。さらに、液晶で表示された枠内が入力部分となるので、入力部分が不明確であった。入力部分が不明確であることは、金融機関の現金自動預け払い機にタッチパネルとは別に入力スイッチが備わっていることから明らかである。このため、タッチパネルの使用者は入力した入力部分が自分の希望する入力部分であるかを目によって確認しなければならず、日常生活に用いる操作パネルとしては適さなかった。
【特許文献1】特開平9−182178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各種装置の操作パネル及びリモートコントロール装置に備わるスイッチは、多くのスイッチが備わり操作性が悪かった。或いは、複雑な操作が可能なスイッチは、操作が複雑なだけでなく構造も複雑であるので通常の使用時の利便性に反していた。通常の利用で使う機能は限られている場合でも、高機能化に対応するため操作性が劣っていた。
本発明は、上記課題を解決するために、簡潔で操作性に優れたスイッチ又は該スイッチを備える操作デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、視覚や触覚によって入力部品と知覚できる形状を有するスイッチに、電子的に書き換え可能な表示部が備わった表示機能付きスイッチである。表示部は、スイッチの機能などを文字、画像、写真、アイコン等を用いて表示する。従来の操作パネルやリモートコントロール装置のように、スイッチの1つ1つを入力部品であると視覚や触覚によって知覚できるので、操作性に優れる。
【0008】
表示部の書き換えが可能であるので、1つのスイッチが複数の機能を有する場合でも、そのときのスイッチの備える機能のみを表示することができる。そのときには行わない機能まで表示しなくてもよいので、スイッチの使用者の混乱を防ぐことができる。1つのスイッチに多くの機能を備えても混乱を招かないので、操作パネルやリモートコントロール装置に備わるスイッチの数を減らし、1つのスイッチについての表示を大きくすることが可能になる。したがって、簡潔で操作性に優れたスイッチ及び操作デバイスを提供することが可能になる。
【0009】
具体的には、本発明に係る表示機能付きスイッチは、文字、画像、写真、アイコン等の映像情報を表示する電子的に書き換え可能な表示部と、該表示部に表示する映像情報が入力され、入力された該映像情報を前記表示部へ出力する映像入力部と、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する感知部と、該感知部の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルの出力部と、を少なくとも備え、入力部品であると知覚できる形状を有する。電子的に書き換え可能な表示部を入力部品と知覚できる形状を有するスイッチに備えることにより、スイッチによって行える操作を明確に表示することが可能になる。したがって、簡潔で操作性に優れたスイッチを提供することが可能になる。
【0010】
前記感知部は、前記表示部の表示面に配置されるか、或いは、前記表示部の表示面の背面に配置されるか、或いは、前記表示部の表示面と同一面上に配置されていてもよい。感知部が、表示部の表示面に配置されるか、或いは、前記表示部の表示面と同一面上に配置されることによって、感知部をスイッチの表面に配置することができる。これにより、スイッチが入力されたことを直接感知する感知部を備えることができる。また感知部が、表示部の表示面の背面すなわち裏面に配置されることによって、表示部をスイッチの表面に配置することができる。これにより、人の見やすい部分に表示部を配置することができるので、表示部は表示機能付きスイッチの外部に対して精細な映像を表示することが可能になる。
【0011】
前記感知部は、加圧を感知する圧力センサーによるか、或いは、静電容量の変化を感知する静電センサーによるか、或いは、発信された超音波の反射波を感知する超音波センサーによるか、或いは、光を感知する光センサーによるか、或いは、電磁波信号によるか、或いは、或いは電気抵抗の変化によって、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することが好ましい。
【0012】
感知部が加圧を感知する圧力センサーによってか、或いは、感知部が静電容量の変化を感知する静電センサーによって、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することによって、使用者は入力部品であると知覚できる形状を有するスイッチを押したという感覚によって入力したことを確認できる。
【0013】
感知部が、発信された超音波の反射波を感知する超音波センサーによってか、或いは、感知部が光を感知する光センサーによってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することによって、使用者は入力部品であると知覚できる形状を有するスイッチに近づくだけでスイッチを入力できる。また、感知部が電磁波信号によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することによって、使用者はスイッチと離れた場所から電磁波信号を用いてスイッチを入力できる。また、感知部が電気抵抗の変化によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することによって、任意の入力レベルを入力することが可能になる。
【0014】
前記表示部は、電力の供給がないときでも表示した映像情報を保持するか、或いは、バッテリーで供給される程度のわずかな電力で表示した映像情報を保持するか、或いは、外部から供給された電力により表示した映像情報を保持することが好ましい。表示部は、電力の供給がないときでも表示した映像情報を保持するか、バッテリーで供給される程度のわずかな電力で表示した映像情報を保持することにより、表示機能付きスイッチは表示部を書き換えるときのみ電力を使用するので、消費する電力を低減することができる。また、表示部は、表示機能付きスイッチの外部から供給された電力により表示した映像情報を保持することにより、表示機能付きスイッチはスイッチを使用しないときでも表示部に映像情報を表示し続けることができる。
【0015】
前記映像入力部から出力された映像情報を記憶保存するメモリーと、前記映像入力部から出力された映像情報を前記表示部へ出力する中央処理装置と、の少なくともいずれかを有することが好ましい。映像入力部から出力された映像情報を記憶保存するメモリーを備えることにより、表示部は、映像情報を外部システムから入力されることなく常時表示することができる。また、映像入力部から出力された映像情報を表示部へ出力する中央処理装置を備えることにより、表示部で使用する信号形態とは異なる信号形態の映像情報を映像入力部で受け取ることができる。これにより、任意の信号形態で映像情報を表示機能付きスイッチに入力できるので、使用環境に適した伝送方法を用いて映像情報を映像入力部に入力可能になる。
【0016】
前記表示部と前記感知部とは分離可能であり、該表示部は、前記映像情報を受け取る入力端子をさらに備えていてもよい。これにより、感知部と表示部との任意の組み合わせが可能になる。さらに、表示部と感知部とが分離可能であることによって、既存のスイッチに新たに表示部を設けて表示機能付きスイッチとすることが可能になる。
【0017】
前記表示部と前記感知部とを着脱自在に固定する着脱部をさらに設けてもよい。表示部と感知部とが分離可能であり、さらに表示部と感知部とを着脱自在であることにより、既存のスイッチに新たに表示部を設け、表示部を固定し一体化することができる。
【0018】
本発明に係る他の表示機能付きスイッチは、前記表示機能付きスイッチを相隣り合うように少なくとも2個配置した表示機能付きスイッチであって、相隣り合う前記表示部を連接し、該表示部は、前記各感知部に装着したときに、感知部ごとの映像情報を表示する。連接した表示部と、連接した感知部とが互いに分離可能であることによって、表示機能付きスイッチが複数備わる場合でも、所望の感知部と所望の表示部とを組み合わせた表示機能付きスイッチを提供することができる。さらに、相隣り合うように連接した既存のスイッチを、それぞれのスイッチに表示部が備わった表示機能付きスイッチとすることが可能になる。
【0019】
本発明に係る操作デバイスは、前記表示機能付きスイッチを少なくとも2個備えた操作デバイスであって、制御の対象となる1種類以上の装置群のなかで、所望する装置の種類又は装置のモードに応じて、それぞれの表示部に表示する映像情報を電子的に書き換える。これにより、簡潔で操作性に優れた操作デバイスが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、高機能の装置にも対応する簡潔で操作性に優れたスイッチ又は該スイッチを備える操作デバイスを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について、図面の参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施形態1)
本発明に係る表示機能付きスイッチの実施形態の一例を図1に示す。図1は、実施形態1のシステム構成図である。図1に示すシステムは、表示機能付きスイッチ91と、外部システム81と、を備える。表示機能付きスイッチ91は、文字、画像、写真、アイコン等の映像情報を表示する電子的に書き換え可能な表示部11と、表示部11に表示する映像情報A1が入力され、入力された映像情報A1を表示部11へ出力する映像入力部14と、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する感知部13と、感知部13の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを入力信号B1として出力する出力部15と、を備える。
【0022】
外部システム81は、映像入力部14に映像情報を出力する映像出力部21と、出力部15の出力した入力信号B1を外部へ出力する外部出力部22と、映像情報A1と動作信号D1とを映像出力部21と外部出力部22にそれぞれ出力する中央処理装置24と、映像情報A1と動作信号D1とを記憶保存するメモリー25と、外部システムに電力Pを供給する主電源26と、表示部11と感知部13とに電力Pを供給するサブ電源27と、を備える。外部システム81は一例であり、これに限定するものでない。なお、図1において、B1は感知部13の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを出力する入力情報、D1は装置を動作させる動作信号、A1は動作信号D1に対応する映像情報、Pは電力を示す。D2(不図示)は装置を動作させるD1とは異なる動作信号、A2(不図示)は動作信号D2に対応する映像情報である。
【0023】
表示機能付きスイッチ91について説明する。表示機能付きスイッチ91は、入力部品であると知覚できる形状を有する。図2に、表示機能付きスイッチ91の外観例を示した。図2は、表示機能付きスイッチ91の斜視図である。表示機能付きスイッチ91は、図2(a)に示すように、立体の基体96から表示機能付きスイッチ91が突出しているものでもよい。基体96から表示機能付きスイッチ91が突出していることで、入力部品であることを触感及び視覚により知覚可能にすることができる。また、表示機能付きスイッチ91は、基体96から突出していなくてもよい。この場合、図2(b)に示したように、表示機能付きスイッチ91の接している基体96の表面に、表示機能付きスイッチ91の形状を線や色彩を用いて印刷することによって、入力部品であることを視覚により知覚可能にすることができる。基体96と表示機能付きスイッチ91とを異なる素材、異なる表面形状にすることによって入力部品であることを触感により知覚可能にしてもよい。
【0024】
表示部11は、文字、画像、写真、アイコン等の映像情報を表示する電子的に書き換え可能なものである。表示機構は限定しない。例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、FED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)でもよい。表示した映像情報が衝撃や電磁波等により影響を受けないようなものでもよい。表示部11は、表示機能付きスイッチ91の外部から供給された電力Pにより表示した映像情報を保持するものでもよい。これにより、表示機能付きスイッチはスイッチを使用しないときでも表示部に映像情報を表示し続けることができる。また表示部11は、電力の供給がないときでも表示した映像情報A1を保持するものでもよい。例えば、着色粒子を電気泳動で動かすことによって文字や画像を表示するものでもよい。例えば、ミクロ粒子状の液晶にマイナスイオンや熱などのエネルギーを外部から加えて書き換えるものでもよい。例えば、不揮発性の液晶ディスプレイでもよい。この場合、表示部11は、電力Pの供給がないときでも表示した映像情報を保持する。また表示部11は、バッテリーで供給される程度のわずかな電力で表示した映像情報A1を保持するものでもよい。表示部は、表示機能付きスイッチに備えたバッテリーで供給される程度のわずかな電力で表示した映像情報を保持するものでもよい。例えば、有機ELディスプレイであれは、印加電圧が5〜10Vで表示することができる。ここで、バッテリーは、ボタン電池などの電池でもよい。バッテリーは、外部システムや太陽光などの外部からのエネルギーを電力として蓄えることのできるものでもよい。さらにバッテリーは、表示機能付きスイッチの内部に備わっていてもよいし、表示機能付きスイッチの外部に備わっていてもよい。これらにより、表示部11は、表示部11を書き換えるときのみ電力を使用するので、消費する電力を低減することができる。
【0025】
ここで、映像情報A1は、文字、画像、写真、アイコン等の、表示部11に表示する内容である。映像情報A1のファイル形式は限定しない。例えば、HTML形式、XML形式、PDF形式、JPEG形式、GIF形式、TIFF形式、MPEG形式などの静止画でもよい。QuickTime形式、AVI(AUDIO Visual Interleaved)形式、Real Audio形式、Windows(登録商標) Media形式の動画でもよい。NTSC信号、PAL信号又はRed、Green、Blue、Hs、Vs、Cs等のアナログ信号でもよい。
【0026】
映像入力部14は、表示部11に表示する映像情報A1が入力され、入力された映像情報A1を表示部11へ出力するものである。映像入力部14は、USB、EIA232C、IEEE1394等のデジタル信号用のコネクタでもよい。D−Sub
15ピンコネクタ、ミニD−Sub 15ピンコネクタ、DVI−Dコネクタ等のパソコンの映像信号用のものでもよい。ピン・プラグ、ピン・ジャック等のビデオ機器用のコンポジット映像信号用のものでもよい。S端子等のセパレート信号用のものでもよい。赤外線等を使用した無線信号を受信するものでもよい。出力部15は、感知部13の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを出力するものである。例えば、出力部15は、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを、入力信号B1として外部出力部22へ出力してもよい。出力部15の構成は限定しない。例えば、外部出力部22と情報配線により接続するためのコネクタでもよい。また、赤外線又は電波などを用いた無線装置でもよい。無線装置を用いることで、移動可能な表示機能付きスイッチが可能になる。また、圧電素子とコイルを利用したパルス発生機構でもよい。必要な電力を圧電素子で作り出し、作り出した電力で外部に入力信号B1を出力することができる。なお、入力信号B1は、感知部13の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを出力する信号である。入力信号B1は電気信号でもよいし、光信号でもよい。スイッチのオンとオフとは、感知部に電流が流れなければオフとし、感知部に電流が流れたときにオンとしてもよい。スイッチの入力レベルは信号の信号出力の大きさでもよい。
【0027】
感知部13は、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知するものである。感知部13は、アナログ値として感知するものでもよいし、デジタル値として感知するものでもよい。スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する構成は限定しない。例えば、感知部13は、電気抵抗の変化によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知するものでもよい。電気抵抗の変化には、感知部の移動(上、下、左、右など)に伴って電気抵抗を変化させる場合を含み、電気抵抗の値に応じた入力レベルを感知するものでもよい。電気抵抗の値に応じた入力レベルは、連続的な値(アナログ値)でもよいが、段階的な値(デジタル値)でもよい。
【0028】
(スイッチの実施例1)
本発明に係る表示機能付きスイッチの具体例を図3に示す。図3は、メカニカルスイッチを応用した表示機能付きスイッチの一例を示す構成図である。図3に示した表示機能付きスイッチは、表示部11と、入力部材12と、映像入力部14と、出力部15と、バネ31と、板バネ32と、固定部34と、接点部33及び37と、映像配線35及び36と、情報配線38及び39と、から構成されている。感知部は、メカニカルスイッチとなっており、入力部材12と、バネ31と、板バネ32と、接点部33及び37と、固定部34と、により構成されている。
【0029】
入力部材12は、キーボードに用いられているメカニカルスイッチの入力部分と同様のものである。入力部材12の一方に突起40が備わっており、他方に表示部11が備わっている。固定部34は前述の図2に示した基体96に固定されている。固定部34一部にバネ31の一端が固定されており、バネ31の他端は入力部材12の突起40の先端と接触している。固定部34には板バネ32の一端が固定されており、板バネ32の一部は入力部材12の突起40の先端と接触している。板バネ32と固定部34に、接点部33と接点部37がそれぞれ備わっている。出力部15は、固定部34の底面に備わっている。接点部37と出力部15とは、情報配線38で接続されている。映像入力部14は、固定部34の底面に備わっている。表示部11と映像入力部14とは、映像配線35で接続されている。
【0030】
本表示機能付きスイッチの動作について図3を用いて説明する。映像入力部14は、映像出力部21から出力された映像情報A1を映像配線36によって入力される。映像入力部14は、入力された映像情報A1を映像配線35によって表示部11へ出力する。表示部11は、映像入力部14から出力された映像情報を表示する。表示部11を固定部34に向かって押し下げたとき、接点部33と37とが接触して導通することによって感知部はスイッチが入力されたことを感知する。スイッチが入力されたことにより出力部15は入力情報B1を出力する。感知部は、スイッチが入力された回数によりスイッチのオンとオフと入力レベルを感知し、出力部15からスイッチのオンとオフと入力レベルを出力してもよい。以上はメカニカルスイッチを応用した表示機能付きスイッチの一例である。このようにしてメカニカルスイッチを応用することにより、電力を供給することなく感知部を構成することができる。感知部13が押し下げられることで生じた電気抵抗の変化によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することにより、使用者は、入力部品であると知覚できる形状を有するスイッチを押し下げたという感覚によって入力したことを確認できる。なお、メカニカルスイッチはラッチ付きのものでもよい。
【0031】
(スイッチの実施例2)
感知部13は、例えば、光を感知する光センサーによってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知するものでもよい。本発明に係る他の表示機能付きスイッチの具体例を図4に示す。図4は、感知部が光を感知する光センサーを備える表示機能付きスイッチの一例を示す縦断面図である。図4に示した表示機能付きスイッチは、表示部11と、入力部材12と、感知部13と、映像入力部14と、出力部15と、映像配線35および36と、情報配線38及び39と、により構成されている。入力部材12と、表示部11と、感知部13とが順に重なった形状で配置されている。感知部13の表示部11と接している面と対向した面は、中央が窪んでいる。映像入力部14は、入力部材12に配置されており、表示部11と映像配線35により接続されている。出力部15は、入力部材12に配置されており、感知部13と情報配線38により接続されている。
【0032】
感知部13は、光を感知することによりスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する光センサーを備える。実施例2では、表面に窪みを備えており、この窪みの内側で感知された光を感知する。感知部13に備わる光センサーは、光を感知するものである。例えば、人の体温など特定の波長の光を感知することのできる赤外線センサーでもよい。この場合は、感知できる波長を人の体温程度に限定し、さらに一定距離内に近づくことによって得られる強度によってスイッチの付近から入射した赤外線を感知してもよい。また、赤外線を感知部13の付近から放射し、スイッチの付近で反射された赤外線を感知してもよい。また、シリコンフォトダイオードなどのフォトダイオード、CdSなどの光電導素子、光電管、焦電センサーなどの、光子のエネルギーを電気信号に変換するものを応用したものでもよい。なお、光センサーの感知する光は限定しない。可視光線でもよい。このように、光センサーは、光を感知するだけのものでもよいし、感知部から出射した光の反射光を感知するものでもよい。
【0033】
実施例2の表示機能付きスイッチの動作は、前述の実施例1とほぼ同様である。実施例1との違いは、感知方法のみである。実施例2の感知部13は、例えば感知部13の窪みの内側の赤外線を感知することにより、出力部15からスイッチが入力されたことを図1の入力情報B1として出力することができる。このように、感知部13が光を感知する光センサーによってスイッチのオンとオフ又はスイッチのオンとオフと入力レベルを感知する構成によって表示機能付きスイッチを作製してもよい。これにより使用者は、入力部品であると知覚できる形状を有するスイッチに近づくだけでスイッチを入力できる。
【0034】
実施例2の感知部13は光センサーとしたが、感知部13は限定しない。例えば圧力センサーを用いて感知部13の窪みに加えられた圧力によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する構成としてもよい。例えば静電センサーを用いて感知部13の窪みに接触したときの感知部13表面の静電容量の変化によってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する構成としてもよい。例えば感知部13の一部から電磁波を出射し、IC等の含まれるチップやコイルによって作用を受けた電磁波信号を読み取ることによってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する構成としてもよい。例えば外部から出射された電磁波信号を受信することによってスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する構成としてもよい。外部から出射された電磁波信号を読み取ることができれば、使用者は、スイッチと離れた場所から電磁波信号を用いてスイッチを入力できるので、スイッチの遠隔操作が可能になる。さらに、感知部13は、前述の図2(b)に示したような、基体96と一体化したものであってもよい。また、実施例2では、感知部13の中央に窪みを設けたが、平坦なものでもよい。
【0035】
なお、感知部13は、図5(a)に示すように、表示部11の表示面に配置されてもよい。図5(a)は、感知部13が表示部11の表示面に配置されている状態の一例を示す断面図である。表示部11の片面が表示面19となっている。図5(a)では、表示部11と、表示面19と、感知部13と、は方向Eに向かって順に重なって配置されている。表示部11に対して表示面19が配置される方向、すなわち図5(a)に示した方向Eが表示部11の表示方向となる。このように、感知部13が、表示部11の表示面に配置されることによって、人や物が触れたことを感知する感知部を備えることができる。また、感知部13は、図5(b)に示すように、表示部11の表示面の背面に配置されてもよい。図5(b)は、感知部13が表示部11の表示面の背面に配置されている状態の一例を示す断面図である。感知部13は、方向Eに向かって感知部13、表示部11、表示面19の順に重なって配置されていてもよい。このように、感知部13が表示部11の表示面の背面に配置されることによって、人の見やすい部分に表示部11を配置することができる。これにより、表示部11は、表示機能付きスイッチ91の外部に対して精細な映像を表示することが可能になる。
【0036】
(スイッチの実施例3)
感知部は、表示部の表示面と同一面上に配置されてもよい。本発明に係る他の表示機能付きスイッチの具体例を図6に示す。図6は、本発明に係る表示機能付きスイッチ97の他の構成例を示す正面図である。表示機能付きスイッチ97は、基体96の上に、映像情報を表示する表示部41と、表示部41の周囲に配置された超音波発信部42a、42b及び超音波センサー43a、43bと、が備わっている。超音波センサー43a、43bは、例えば表示部41の表面に超音波を反射するような物体が近づいたとき、超音波発信部42a及び42bから発信された超音波の反射波を超音波センサー43a及び43bで受信してスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する。なお、実施例3では発信された超音波の反射波を感知する超音波センサーを備える例を示したが、表示機能付きスイッチ97に備わる感知部はこれに限定されるものではない。
【0037】
感知部が表示部の表示面と同一面上に配置される構成は、上記スイッチの実施例3に限定されるものではなく、表示部と感知部とが交互に碁盤目状に配置してもよい。表示部は、例えばRGBの発光ダイオード(LED)であり、RGBのものが一体化されていても分離されていてもよい。感知部は、例えば電荷結合素子(CCD)であり、RGBごとに光を受光することができるものであってもよい。
【0038】
感知部13は、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを入力したときの触感がフィードバックされるものでもよい。キーボードのタッチ音やマウスのクリック音等のアクセス音がするものでもよい。発光素子が発光するものでもよい。圧電素子を感知部に用い、そこで発生した電力により発光素子を発光させれば、電力供給なしで発光させることができる。アクセス音や発光波長は、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルによって可変してもよい。
【0039】
外部システム81の構成の一例について説明する。主電源26は、外部システム81に電力Pを供給するものである。電力を供給することのできるものであればよく、電力供給用のコンセントでもよい。サブ電源27は、出力部11と、感知部13と、に電力Pを供給するものである。メモリー25は、装置を操作することのできる動作信号と、該動作信号に対応する映像情報とを記憶保存するものである。動作信号と映像信号とは対応しており、例えば動作信号D1と映像情報A1、動作信号D2(不図示)と映像情報A2(不図示)とが対応している。中央処理装置24は、映像情報A1及び動作信号D1をメモリー25から読み出し、映像出力部21及び外部出力部22に出力するものである。映像出力部21は、映像情報A1を映像入力部14に出力するものである。外部出力部22は、出力部15から出力された入力信号B1によって、装置を操作する動作信号D1を出力するものである。
【0040】
表示機能付きスイッチ91及び外部システム81により構成されるシステムの動作の一例について図1を用いて説明する。主電源26は、メモリー25と、中央処理装置24と、サブ電源27と、外部出力部22と、映像出力部21とに電力Pを供給する。中央処理装置24は、メモリー25から映像情報A1及び動作信号D1を読み出す。中央処理装置24は、映像情報A1を映像出力部21へ出力する。中央処理装置24は、動作信号D1を外部出力部22へ出力する。映像出力部21は、映像入力部14へ映像情報を出力する。サブ電源27は、表示部11と感知部13とに電力Pを供給する。映像入力部14は、入力された映像情報A1を表示部11へ出力する。表示部11は、入力された映像情報A1を表示する。
【0041】
1度目に感知部13が入力されたことを感知したとき、出力部15から入力情報B1が出力される。外部出力部22からは、動作信号D1としてスイッチのオンが出力される。2度目に感知部13が入力されたことを感知したとき、出力部15から入力情報B1が出力される。外部出力部22からは、動作信号D1としてスイッチの入力レベル1が出力される。3度目に感知部13が入力されたことを感知したとき、出力部15から入力情報B1が出力される。外部出力部22からは、動作信号D1としてスイッチの入力レベル2が出力される。4度目に感知部13が入力されたことを感知したとき、出力部15から入力情報B1が出力される。外部出力部22からは、動作信号D1としてスイッチの入力レベル3が出力される。5度目に感知部13が入力されたことを感知したとき、出力部15から入力情報B1が出力される。外部出力部22からは、動作信号D1としてスイッチのオフが出力される。なお、スイッチの入力レベルを入力レベル3としたが、入力レベルは限定しない。入力レベル2まででもよいし、入力レベル4以上でもよい。さらにオンとオフのみでもよい。
【0042】
感知部13は表示機能付きスイッチ91の機能を変更する機能を有していてもよい。この場合は、感知部13と中央処理装置24とを電気的に接続する。感知部13が2秒以上感知し続けたときに、中央処理装置24が表示機能付きスイッチ91の機能を変更するよう動作する構成にしてもよい。感知部13を2秒以上感知させ続けたとき、中央処理装置24は、動作信号D2と、映像情報A2とをメモリー25から読み出し、映像情報A2を映像出力部21へ出力し、動作信号D2を外部出力部22へ出力する。映像出力部21に入力された映像情報A2は、映像入力部14へ入力され、映像入力部14から表示部11へ出力される。表示部11へ出力された映像情報A2は表示部11に表示される。このようにして、動作信号D1を動作信号D2に変更し、映像情報A1を映像情報A2に変更することができる。ここでは、感知部13が2秒以上感知し続けたときとしたが、表示機能付きスイッチ91の機能を変更する手段は限定しない。例えば、感知部13が短い時間に2度感知したときに表示機能付きスイッチ91の機能を変更してもよい。
【0043】
以上説明したように、装置を操作するスイッチに表示部が備わり、スイッチの機能に応じて表示部に表示する映像情報を変更することができる。これにより、1つのスイッチが複数の機能を有する場合でも、スイッチによって行える操作のみを表示することが可能になる。また、装置やモードだけではなく、利用者に応じて言語や文字の大きさを変更して表示することが可能になる。したがって、簡潔で操作性に優れたスイッチを提供することが可能になる。
【0044】
(実施形態2)
表示機能付きスイッチは、映像入力部から出力された映像情報を記憶保存するメモリーと、映像入力部から出力された映像情報を前記表示部へ出力する中央処理装置と、の少なくともいずれかを有してもよい。図7に前述の図1に示した表示機能付きスイッチに中央処理装置とメモリーとを設けた表示機能付きスイッチ93の一例を示すシステム構成図を示す。表示機能付きスイッチ93は、前述の図1に示した表示機能付きスイッチ91に、メモリー52と、中央処理装置53と、がさらに設けられており、映像入力部14と出力部15とは機能の異なる映像入力部51と、出力部54とが備わっている。
【0045】
メモリー52は、例えば、ROM等の半導体メモリーである。また、ハードディスク、DVDなどの書き換え可能な記憶媒体でもよい。メモリー52は、例えば映像入力部51から出力された動作信号D1と映像情報A1とを記憶保存するものである。中央処理装置53は、映像情報A1及び動作信号D1をメモリー52から読み出し、表示部11及び出力部54に出力するものである。メモリー52から読み出した映像情報A1を任意の信号形態に変換するグラフィック・ディスプレイ・コントローラを備えていてもよい。また、映像入力部51は、出力端子がメモリー52と直接又は間接的に接続されており、メモリー52へ記録する入力された映像情報A1及び動作信号D1をメモリー52へ出力するものである。映像入力部51は、映像情報A1及び動作信号D1を受け取るので、D−Sub 15ピンコネクタ、ミニD−Sub 15ピンコネクタ、DVI−Dコネクタ等のパソコンの映像信号用のものを使用してもよい。出力部54は、感知部13から出力された入力信号B1によって、装置を操作する動作信号D1を出力する。出力部54は、赤外線等を使用した無線信号を出力するものでもよい。操作する装置と情報配線により電気的に接続されており、該情報配線により動作信号D1を出力するものでもよい。なお、表示部11、感知部13、入力情報B1、動作信号D1及び映像情報A1は、前述の実施形態1で説明したものと同様である。
【0046】
表示機能付きスイッチ93の動作について図7を用いて説明する。映像入力部51は、外部システムより入力された映像情報A1及び動作信号D1をメモリー52へ出力する。中央処理装置53は、メモリー52から映像情報A1及び動作信号D1を読み出す。中央処理装置53は、映像情報A1を表示部11へ出力する。中央処理装置53は、動作信号D1を出力部54へ出力する。表示部11は、入力された映像情報A1を表示する。感知部13は、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知し、入力情報B1を出力部54へ出力する。出力部54は、感知部13からの入力情報B1によって、操作する装置に動作信号D1を出力する。感知部13が表示機能付きスイッチ93の機能を変更する動作は、前述の実施形態1で説明したものとほぼ同様であるが、外部から中央処理装置53への動作信号D3(不図示)により設定を変更することも可能である。異なる点は、表示機能付きスイッチ93の内部に備わったメモリー52と中央処理装置53とが表示機能付きスイッチ93の機能を変更する点である。図7には、感知部13から中央処理装置53に出力される信号が切替え信号Fとして図示されている。
【0047】
上記のように、表示機能付きスイッチがメモリーと中央処理装置とを備えることにより、表示機能付きスイッチは、動作信号と該動作信号に対応した映像情報とを記憶し、装置を動作させることが可能になる。常時映像情報A1を映像入力部へ入力し、スイッチを入力するたびに外部システムへ入力情報B1を出力しなくても、表示部11に映像情報A1を表示し、かつ動作信号D1を操作する装置へ出力することができる。これにより、映像入力部51を無線装置の受信装置又はコネクタで構成し、表示機能付きスイッチ93に備わる機能をアップデートするときのみ映像入力部51に映像情報A1と動作信号D1とを入力すればよい。このように、表示機能付きスイッチは、外部システムと切り離して装置を動作させることが可能になる。
【0048】
なお、表示機能付きスイッチは、中央処理装置は備えず、映像入力部から出力された映像情報を記憶保存するメモリーを備えるのみでもよい。この場合の表示機能付きスイッチの一例を示すシステム構成図を図8(a)に示す。図8(a)に示す表示機能付きスイッチ94は、前述の実施形態1で説明した表示機能付きスイッチ91の映像入力部14と表示部11との間にメモリー55が設けられた構成となっている。メモリー55は映像入力部14から出力された映像情報A1を記憶保存する。表示部11はメモリー55に記憶保存された映像情報A1を読み出して表示する。このように、映像入力部14から出力された映像情報A1を記憶保存するメモリー55を備えることにより、表示部11は、映像情報A1を外部システムから入力されることなく常時表示することができる。
【0049】
なお、表示機能付きスイッチは、メモリーは備えず映像入力部から出力された映像情報を表示部へ出力する中央処理装置を備えるのみでもよい。この場合の表示機能付きスイッチの一例を示すシステム構成図を図8(b)に示す。図8(b)に示す表示機能付きスイッチ95は、前述の実施形態1で説明した表示機能付きスイッチ91の映像入力部14と表示部11との間に中央処理装置56が設けられた構成となっている。中央処理装置56は映像入力部14から出力された映像情報A1を表示部11に出力する。表示部11は表示部11から出力された映像情報A1を表示する。
【0050】
このように、映像入力部14から出力された映像情報A1を表示部11へ出力する中央処理装置56を備えることにより、表示部11とは異なる信号形態の映像情報を映像入力部14で受け取ることができる。これにより、任意の信号形態で映像情報を表示機能付きスイッチ95に入力できるので、使用環境に適した伝送方法を用いて映像情報を映像入力部に入力可能になる。
【0051】
(実施形態3)
本発明に係る表示機能付きスイッチは、表示部と感知部とは分離可能であり、前記映像情報を受け取る入力端子と、表示部と感知部とを着脱自在に固定する着脱部とを備えていてもよい。図9にメカニカルスイッチを応用した本実施形態3に係る表示機能付きスイッチの例の構成図を示す。図9に示した表示機能付きスイッチは、前述の図3に示した表示機能付きスイッチに、表示部11が入力部材12と接する面に接して内蔵された入力端子16と、入力部材12が表示部11と接する面の上に配置された感知部側入力端子17と、入力部材12が表示部11と接する面の上に配置されている感知側着脱部61と、表示部11が入力部材12と接する面に接して内蔵されている表示部側着脱部62と、がさらに備わっている。感知部側入力端子17は、映像配線35によって映像入力部14と接続されている。
【0052】
本実施形態3では、図9に示したように、表示部11と、感知部とは分離可能となっている。表示部11と感知部とは、表示機能付きスイッチとして使用する際には入力端子16と感知部側入力端子17とによって接続される。これにより、表示部11は、映像入力部14に入力された映像情報を表示することができる。このような構成にすることにより、感知部と表示部との任意の組み合わせが可能になる。さらに、表示部と感知部とが分離可能であることによって、既存のスイッチに新たに表示部を設けて表示機能付きスイッチとすることが可能になる。
【0053】
表示部11と感知部13は、着脱部を有してもよい。着脱部の構成は限定しない。感知側着脱部61と表示部側着脱部62とは、図9に示したように、凹凸がかみ合わさるように形成されていてもよい。感知側着脱部61と表示部側着脱部62とを装着することにより、表示機能付きスイッチとして使用する際には表示部11と感知部とを固定することが可能になる。感知側着脱部61を凹形状、表示部側着脱部62を凸形状としてもよい。また、複数の着脱部を備えていてもよい。着脱部を複数備えることにより、固定する力を強くすることができる。既存のスイッチなどの感知部を挟むロック機構を表示部に備えていてもよい。
【0054】
なお、映像入力部と出力部との配置は限定しない。映像入力部及び出力部は、表示部に配置されてもよい。以上説明したように、表示部と感知部とが分離可能であることにより、既存のスイッチに新たに表示部を設けることが可能となる。また感知部と表示部との任意の組み合わせが可能になる。さらに、表示部と感知部とを着脱自在であることにより、分離可能な表示部と感知部とを固定することができる。
【0055】
(実施形態4)
さらに、実施形態3において、表示機能付きスイッチを相隣り合うように少なくとも2個配置した表示機能付きスイッチであって、相隣り合う表示部を連接し、表示部は、各感知部に装着したときに、感知部ごとの映像情報を表示してもよい。図10は、表示機能付きスイッチを相隣り合うように少なくとも2個配置した一例の外観図である。本表示機能付きスイッチは、図10に示すように、3×3個の表示部11が相隣り合うように行列状に連接した表示部65と、相隣り合うように行列状に配置された3×3個の感知部と、を備える。
【0056】
表示部65は、例えば図9に示した表示機能付きスイッチに備わる表示部が3×3個配列されたものである。ただし、図10の例では、映像入力部は1つの映像配線66に統合されている。各表示部と映像入力部とは、映像配線66によって接続されている。感知部は、例えば図9に示した表示機能付きスイッチに備わる感知部が3×3個配列されたものである。図10では、入力部材12及び情報配線39のみが示されている。ただし、図10の例では、図9の例では感知部に備わっていた映像入力部は、表示部65に備わっている。映像入力部から出力された映像情報は、映像配線66を介して3×3個のそれぞれの表示部に映像情報を表示する。それぞれの映像情報は、表示部の下に備わっている感知部を入力することによって入力される動作信号に対応する映像情報となっている。
【0057】
なお、映像入力部の設置箇所は限定しない。図10の例では表示部に備わっているが、感知部に備わっていてもよい。図9に示したように、それぞれの感知部に接続されてもよい。以上説明したように連接した表示部と、連接した感知部とが互いに分離可能であることによって、表示機能付きスイッチが複数備わる場合でも、所望の感知部と所望の表示部とを組み合わせた表示機能付きスイッチを提供することができる。また、相隣り合うように連接した既存のスイッチに表示部を設け、相隣り合うように連接した既存のスイッチに表示部を設けて、例えば、キーボードのキーのそれぞれに表示部が備わった表示機能付きスイッチとすることが可能になる。
【0058】
(実施形態5)
本発明に係る操作デバイスは、表示機能付きスイッチを少なくとも2個備えた操作デバイスであって、制御の対象となる複数の装置群のなかで、所望する装置の種類又は装置のモードに応じて、それぞれの表示部に表示する映像情報を電子的に書き換える。本発明に係る操作デバイスの構成例を図11に示した。図11は、本発明に係る操作デバイスの外観図である。本発明に係る操作デバイスは、3×3個の行列状に配置された表示機能付きスイッチ101〜109と、回転式の表示機能付きスイッチ111と、スライドレバー式の表示機能付きスイッチ110と、を備える。表示機能付きスイッチ110は、例えばスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを入力する際に移動させるスライドレバー112と、表示部113と、を備える。スイッチのオンとオフと入力レベルのうちいずれの入力情報とするかは例示したに過ぎない。
【0059】
例えばメカニカルスイッチを使った例とする。表示機能付きスイッチ101〜109は、スイッチのオンが入力されるものとする。表示機能付きスイッチ101〜109の各入力部分の表面には、表示部が配置されている。表示機能付きスイッチ110は、スライドレバー112を移動させることによってスイッチのオンとオフと入力レベルを入力するものとする。表示機能付きスイッチ110は、電気抵抗の変化によってスイッチのオンとオフと入力レベルを感知する感知部を備えるものとする。例えば、スライドレバー112を原点から移動させることによって、その移動量に伴い電気抵抗値を増加させるものとする。その電気抵抗値の大小によって入力レベルの大小を連続的に感知する。表示機能付きスイッチ110は、スライドレバー112を平行移動させる部分の傍らに、表示部113が備わっているものとする。表示部113は、表示機能付きスイッチ110の入力により出力される動作信号に対応する映像情報を表示するものとする。
【0060】
表示機能付きスイッチ111は、回転ダイヤルを回動させることによってスイッチのオンとオフと入力レベルを入力する、例えばシャトルスイッチやパルススイッチなどのロータリースイッチである。表示機能付きスイッチ111に備わる感知部は、電気抵抗の変化によってスイッチのオンとオフと入力レベルを感知するものとする。例えば、原点から任意の角度に回して止めたときに、原点からの角度によって予め決められた電気抵抗値が選択されて入力レベルが決定され、その電気抵抗の値に応じて所定のコードを出力するものとする。このとき、表示機能付きスイッチ111は、所定のコードに対応して、制御の対象となる複数の装置群のなかで、所望する装置の種類または装置のモードを変更するものとする。表示機能付きスイッチ111は、表示機能付きスイッチ111を回動させたときの所定のコードに応じて、表示機能付きスイッチ101〜110により出力される動作信号と、回転レバーの表面に配置されている表示部に表示する映像情報も変更するものとする。
【0061】
本操作デバイスの動作について図11を用いて説明する。各表示機能付きスイッチは、各表示機能付きスイッチの入力により出力される動作信号に対応した映像情報を表示する。例えば表示機能付きスイッチ111を回転させることにより、装置の種類または装置のモードが選択される。このとき、表示機能付きスイッチ101〜110は選択された装置の種類または装置のモードに応じた映像情報を各表示部に表示する。表示機能付きスイッチ101〜110のいずれかが入力されたとき、入力された表示機能付きスイッチは、前述の実施形態1で説明した入力信号B1を出力部に出力し、選択されている装置に動作信号を出力する。
【0062】
なお、操作デバイスに備わる表示機能付きスイッチの数は限定しない。操作デバイスがリモートコントロール装置であれば、表示機能付きスイッチの数を少なくすることによって表示部を大きくすることができる。表示部を大きくすることで、表示部に表示する文字を大きくし、可読性を向上することが可能になる。また、表示機能付きスイッチの形状は限定しない。入力部品と知覚できるものであればよい。また、操作デバイスに備わる表示機能付きスイッチの感知部は限定しない。操作デバイスの使用状況に応じて任意の感知部を備えてもよい。また、装置の種類及び装置のモードごとにすべての表示部に映像情報を表示しなくてもよい。装置の種類及び装置のモードごとに使用する表示機能付きスイッチの数が異なるときは、使用する表示機能付きスイッチの表示部のみに映像情報を表示すればよい。以上説明したように、表示機能付きスイッチを複数備え、所望する装置の種類又は装置のモードに応じて、それぞれの表示部に表示する映像情報を電子的に書き換える。これにより、複数の装置の操作が可能でありかつ操作性に優れた操作デバイスが可能になる。
【0063】
(操作デバイスの実施例4)
操作デバイスを電話機の操作パネルに応用してもよい。例えば、表示機能付きスイッチ101〜109を番号入力用にし、表示機能付きスイッチ111を機能切替え用のスイッチにする。表示機能付きスイッチ111がオフのときは、表示機能付きスイッチ101〜109を数字にし、表示機能付きスイッチ111を回すことによって、表示機能付きスイッチ101〜109を機能設定用の表示にする。なお、図11では、表示機能付きスイッチ101〜109としたので、数字は9つだが、同様の表示機能付きスイッチをさらに配置して、記号や短縮用スイッチを配置すればよい。
【0064】
不特定多数の利用者を想定している電話機では、人間工学的に優れた機種が好ましい。本操作デバイスを応用すれば、ダイヤリングのためのスイッチを機能設定用のスイッチに置き換えてもスイッチごとに機能の表示ができるので、操作性に優れる。また、機能設定用のスイッチを減らして日常使用するダイヤリングのためのスイッチを大きくすることができるので人間工学的に優れており、かつ操作性に優れた操作デバイスが提供可能になる。機能設定をする際は、選択可能な機能を同時に表示できる。使用者は、カーソルを移動させて項目を選択していく等の煩雑な操作を必要とせず、直接機能の選択が行える。これにより、選択可能な機能が一目で認識可能であること、最終的な値の選択までのステップ数を減らすことにより、簡潔で操作性に優れた操作デバイスを提供することが可能になる。
【0065】
(操作デバイスの実施例5)
本操作デバイスをカーオーディオの操作パネルに応用してもよい。例えば、図11に示した表示機能付きスイッチ111を、FM、AM、MD、CD、テープ等のモード選択用に用いればよい。FMを聴くときは、表示機能付きスイッチ101〜110にFMラジオを聴くための操作項目のみを表示する。CDを聴くときは、表示機能付きスイッチ101〜110にCDを聴くための操作項目のみを表示する。音量の上げ下げは、表示機能付きスイッチ110を各モード共通で用いればよい。使用しない表示機能付きスイッチは表示しない。使用しない表示機能付きスイッチの表示部には表示しないことで、そのスイッチの入力が無意味であることを明示的に知らせることが可能となるため、使用者の混乱を回避することができる。
【0066】
(操作デバイスの実施例6)
本操作デバイスをリモートコントロール装置に応用してもよい。例えば、図11に示した表示機能付きスイッチ111を、テレビ、ビデオ、クーラー、照明等の装置選択用に用いればよい。所望する装置の種類がクーラーであれば、表示機能付きスイッチ101〜110は、風向及び運転モード等を選択するスイッチとなる。所望する装置の種類がテレビであれば、表示機能付きスイッチ101〜110は、チャンネル選択用のスイッチとなる。所望する装置の種類が照明であれば、一定時間後に消灯するタイマー機能を搭載してもよい。このように、本操作デバイスをリモートコントロール装置に応用することで、1つのリモートコントロール装置で複数の装置を操作するだけでなく、機能の著しく異なる複数の装置も操作することが可能になる。また、新しい機能が装置に追加されたときも、リモートコントロール装置に簡単に機能を追加することが可能になる。したがって、簡潔で操作性に優れた操作デバイスを提供することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、家電製品や電子機器などの装置を操作する操作パネル及びリモートコントロール装置の入力デバイスとして利用できる。表示部の書き換えが可能なので、操作性を向上させる自由な表示と、装置に備わるソフトウェアをアップデートする場合も、入力デバイス自体をそれに合わせて更新させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る表示機能付きスイッチのシステム構成例である。
【図2】本発明に係る表示機能付きスイッチの一例を示す斜視図である。
【図3】メカニカルスイッチを応用した本発明に係る表示機能付きスイッチの構成図である。
【図4】本発明に係る表示機能付きスイッチの他の構成例を示す縦断面図である。
【図5】表示部及び感知部の配置例について説明する断面図である。
【図6】本発明に係る表示機能付きスイッチの他の構成例を示す正面図である。
【図7】中央処理装置及びメモリーの備わる表示機能付きスイッチの一例を示すシステム構成図である。
【図8】中央処理装置又はメモリーの備わる表示機能付きスイッチの一例を示すシステム構成例である。
【図9】本発明に係る表示部と感知部が分離可能な表示機能付きスイッチの構成例を示す縦断面図である。
【図10】表示機能付きスイッチを相隣り合うように少なくとも2個配置した一例の外観図である。
【図11】本発明に係る操作デバイスの一例を示す外観図である。
【符号の説明】
【0069】
11、65、41、113 表示部
12 入力部材
13 感知部
14、51 映像入力部
15、54 出力部
16 入力端子
17 感知部側入力端子
18 固定部
19 表示面
21 映像出力部
22 外部出力部
24、53、56 中央処理装置
25、52、55 メモリー
26 主電源
27 サブ電源
31 バネ
32 板バネ
33、37 接点部
34 固定部
35、36 映像配線
38、39 情報配線
40 突起
42a、42b 超音波発信部
43a、43b 超音波センサー
61 感知部側着脱部
62 表示部側着脱部
81 外部システム
85 操作デバイス
91、93、94、95、97、101〜111 表示機能付きスイッチ
96 基体
112 スライドレバー
A1 映像情報
B1 入力情報
D1 動作信号
E 表示方向
F 切替え信号
P 電力


【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字、画像、写真、アイコン等の映像情報を表示する電子的に書き換え可能な表示部と、
該表示部に表示する映像情報が入力され、入力された該映像情報を前記表示部へ出力する映像入力部と、
スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知する感知部と、
該感知部の感知したスイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルの出力部と、を少なくとも備え、
入力部品であると知覚できる形状を有することを特徴とする表示機能付きスイッチ。
【請求項2】
前記感知部は、前記表示部の表示面に配置されるか、或いは、
前記表示部の表示面の背面に配置されるか、或いは、
前記表示部の表示面と同一面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項3】
前記感知部は、加圧を感知する圧力センサーによるか、或いは、
静電容量の変化を感知する静電センサーによるか、或いは、
発信された超音波の反射波を感知する超音波センサーによるか、或いは、
光を感知する光センサーによるか、或いは、
電磁波信号によるか、或いは、
電気抵抗の変化によって、スイッチのオンとオフ又はオンとオフと入力レベルを感知することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項4】
前記表示部は、電力の供給がないときでも表示した映像情報を保持するか、
バッテリーで供給される程度のわずかな電力で表示した映像情報を保持するか、或いは
外部から供給された電力により表示した映像情報を保持することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項5】
前記映像入力部から出力された映像情報を記憶保存するメモリーと、
前記映像入力部から出力された映像情報を前記表示部へ出力する中央処理装置と、の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項6】
前記表示部と前記感知部とは分離可能であり、
該表示部は、前記映像情報を受け取る入力端子をさらに備えることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項7】
前記表示部と前記感知部とを着脱自在に固定する着脱部をさらに設けたことを特徴とする請求項6に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の表示機能付きスイッチを相隣り合うように少なくとも2個配置した表示機能付きスイッチであって、
相隣り合う前記表示部を連接し、該表示部は、前記各感知部に装着したときに、感知部ごとの映像情報を表示することを特徴とする請求項6又は7に記載の表示機能付きスイッチ。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の表示機能付きスイッチを少なくとも2個備えた操作デバイスであって、
制御の対象となる複数の装置群のなかで、所望する装置の種類又は装置のモードに応じて、それぞれの表示部に表示する映像情報を電子的に書き換えることを特徴とする操作デバイス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−66091(P2006−66091A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243945(P2004−243945)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(303066596)
【Fターム(参考)】