説明

表示機能付き電波モジュール、電子ナンバープレート、電波モジュール本体の状態表示方法及び車両

【課題】製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避しながらも、電波モジュール本体の状態を表示する。
【解決手段】電波モジュール本体2と共にベースプレート12に取付けられる表示装置3は、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する例えば電子ペーパーから構成されており、電波モジュール本体2の電池の残容量が閾値まで低下したり電波モジュール本体2が表示装置3から取外されたりすると、その旨を電波モジュール本体2の電池または表示装置3の充電池から供給されている電力を動作電力として表示切替する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体を備えた表示機能付き電波モジュール、車両に取付けられる電子ナンバープレート、前記電波モジュール本体の状態を表示する方法及び前記電子ナンバープレートを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に取付けられる電波モジュールは、その取付け対象となる車両に関する車両情報が筐体内に封止されている電池から供給されている電力に基づいて記憶保持される構成が一般的である。この種の電波モジュールは、現行のナンバープレートに取付けられたときの見栄えを損なわないように、また、現行のナンバープレートに刻印されている車両情報(車両登録番号)の視認を妨げないように、筐体のサイズが小型化されており、その小型化された筐体内に、電波を送受信するアンテナ、車両情報を記憶する記憶装置、電波モジュールの動作全般を制御する制御装置及び電池などが搭載されて構成されている。
【0003】
ところで、従来の電波モジュールには電池が消耗する関係上、当該電波モジュールの状態を表示する機能を有していないのが一般的であり、単に電波モジュールを目視するだけでは当該電波モジュールが正常に動作しているか否か判断することができないのが実情である。そのため、電波モジュールが車両から故意に取外されて機能が停止したことにより正常に動作していない場合であっても、その旨をユーザが確認することが困難であるという問題がある。
【0004】
一方、下記の特許文献1,2には、非接触ICチップと表示装置とが一体化されてなる表示機能付き電子タグが開示されている。
【特許文献1】特開2004−29259号公報
【特許文献2】特開2005−71143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1,2に記載されているものでは、表示装置の電源が搭載された構造となっており、電源が消耗すると、非接触ICチップは本来の機能を維持することができるものの、表示装置は表示情報を表示することができなくなる。
【0006】
一方、電波モジュールでは、電波モジュールとしての本来の通信機能(路側機との通信機能)を確保する必要があると同時に、上記した理由から電波モジュールの状態を表示する必要がある。しかしながら、電波モジュールに対して上記した特許文献1,2に記載されている表示装置を一体的に設けたとしても、電源が消耗すると、電波モジュールの状態を表示することが困難となる。
【0007】
また、例えばLEDなどの表示手段を用いて電波モジュールの状態を表示する方法が考えられるが、電波モジュールが筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作するように構成されているので、上記した方法では、筐体内に封止されている電池の容量が電波モジュールの状態を表示するために消費されてしまい、製品寿命を縮めてしまうと共に電波モジュールとしての本来の通信機能にも支障を来たすという問題がある。
【0008】
一方、現行のナンバープレートは、例えば金属材料からなるプレートに上記したように車両情報(車両登録番号)が刻印されている構成であるので、車両に取付けられる前に事前加工される必要があると共に、ユーザや不特定多数の人が現行のナンバープレートを視認して取得し得る情報としては当該車両情報に限られているのが実情である。しかしながら、これでは、車両に取付けられる前に事前加工される必要があるので、在庫管理に多大な手間を要するという問題があると共に、車両情報以外の情報を取得したいというユーザや不特定多数の人の要求に応じることができないという問題がある。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができながらも、電波モジュールの状態を表示することにより、電波モジュールの状態をユーザに適切に知らせることができる表示機能付き電波モジュール、電子ナンバープレート及び電波モジュールの状態表示方法を提供することにある。また、第2の目的は、現行のナンバープレートを在庫管理するのに要する多大な手間を不要とすることができると共に、ユーザや不特定多数の人に車両情報以外の有益な情報を与えることができる電子ナンバープレート及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段は、電波モジュール本体の電池から供給されている電力または電波モジュール本体の電池から充電池に充電されて充電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0011】
この場合、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0012】
請求項2に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段は、電波モジュール本体の電池から供給されている電力または補助電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0013】
この場合も、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0014】
請求項3に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下すると、表示手段は、電池の残容量が閾値まで低下する前の表示情報から電池の残容量が閾値まで低下した旨を表す表示情報に表示切替するように構成したので、電池の残容量が閾値まで低下した(いわゆる電池切れが迫っている)旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0015】
請求項4に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体が状態を切替えたことにより電波モジュール本体の電池から表示装置に電力が供給されなくなると、表示手段は、電波モジュール本体の電池から充電池に充電されて充電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、例えば何らかの不具合が原因で電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されなくなったとしても、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0016】
請求項5に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体が状態を切替えたことにより電波モジュール本体の電池から表示装置に電力が供給されなくなると、表示手段は、補助電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、上記した請求項4に記載したものと同様にして、例えば何らかの不具合が原因で電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されなくなったとしても、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0017】
請求項6に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体が表示手段から取外されると、表示手段は、電波モジュール本体が表示手段から取外される前の表示情報から電波モジュール本体が表示手段から取外された旨を表す表示情報に表示切替するように構成したので、電波モジュール本体が表示装置から取外された旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0018】
請求項7に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、過去に運用を開始した後に同じ表示手段または別の表示手段から取外されて無効化された電波モジュール本体が表示手段に取付けられると、表示手段は、表示情報を表示切替しないように構成したので、電波モジュール本体が表示手段に取付けられているのにも拘らず表示手段が表示情報を表示切替しないことにより、表示手段に取付けられた電波モジュール本体が過去に運用を開始した後に同じ表示手段または別の表示手段から取外されて無効化された電波モジュール本体である旨をユーザに適切に知らせることができる。また、電波モジュール本体を取替えての成りすましを未然に回避することもでき、悪用を防止することもできる。
【0019】
請求項8に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、表示手段を現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートに取付け可能に構成し、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にあると、表示手段は、電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持するように構成したので、電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持することにより、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある旨をユーザに適切に知らせることができる。また、表示情報として表示維持されている車両情報の正否を判定することにより、電波モジュール本体の正否(正規のものであるか否か)を判定することができ、電波モジュール本体が不正に使用されているか否かを判定することができる。
【0020】
請求項9に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にあると、表示手段は、電波モジュール本体に記憶されている車両情報のうち車両登録番号を表示情報として表示維持するように構成したので、現行のナンバープレートと同様の機能を持たせることができ、表示機能付き電波モジュールが取付けられた車両で一般の公道を走行することもできる。
【0021】
請求項10記載した表示機能付き電波モジュールによれば、表示手段を現行のナンバープレートに刻印されている車両情報を隠さないように現行のナンバープレートに取付け可能に構成したので、現行のナンバープレートに表示されている車両情報を隠すことなく、電波モジュール本体の状態を表示することにより、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。また、現行のナンバープレートを有効に活用することにより、導入コストを抑えることができ、導入の実現性を高めることができる。さらに、電波モジュール本体に記憶されている車両情報と現行のナンバープレートとの同一性を確認することもできる。
【0022】
請求項11に記載した電子ナンバープレートによれば、現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートに電池、充電池及び電波モジュール本体が内蔵され、電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段は、電池から供給されている電力または電池から充電池に充電されて充電池から供給されている電力を動作電力としてモジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0023】
この場合も、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。また、この場合は、電波モジュール本体がベースプレートに内蔵されているので、電波モジュール本体がベースプレートから突起した突起物となることもなく、電波モジュール本体を汚れや損傷から保護することができると共に見栄えを良くすることができ、しかも、現行のナンバープレートと比較して違和感のない構成を実現することができる。
【0024】
請求項12に記載した電子ナンバープレートによれば、現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートに電池、補助電池及び電波モジュール本体が内蔵され、電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段は、電池から供給されている電力または補助電池から供給されている電力を動作電力としてモジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するように構成したので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0025】
この場合も、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。また、この場合も、電波モジュール本体がベースプレートに内蔵されているので、上記した請求項11に記載したものと同様にして、電波モジュール本体がベースプレートから突起した突起物となることもなく、電波モジュール本体を汚れや損傷から保護することができると共に見栄えを良くすることができ、しかも、現行のナンバープレートと比較して違和感のない構成を実現することができる。
【0026】
請求項13に記載した電子ナンバープレートによれば、電池の残容量が閾値まで低下すると、表示手段は、電池の残容量が閾値まで低下する前の表示情報から電池の残容量が閾値まで低下した旨を表す表示情報に表示切替するように構成したので、上記した請求項3に記載したものと同様にして、電池の残容量が閾値まで低下した旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0027】
請求項14に記載した電子ナンバープレートによれば、車両から取外されると、表示手段は、車両から取外される前の表示情報から車両から取外された旨を表す表示情報に表示切替するように構成したので、車両から取外された旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0028】
請求項15に記載した電子ナンバープレートによれば、過去に運用を開始した後に同じ車両または別の車両から取外されて無効化された後に車両に取付けられると、表示手段は、表示情報を表示切替しないように構成したので、電子ナンバープレートが車両に取付けられているのにも拘らず表示手段が表示情報を表示切替しないことにより、車両に取付けられた電子ナンバープレートが過去に運用を開始した後に同じ車両または別の車両から取外されて無効化された電子ナンバープレートである旨をユーザに適切に知らせることができる。また、電子ナンバープレートを取替えての成りすましを未然に回避することもでき、悪用を防止することもできる。
【0029】
請求項16に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にあると、電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持するように構成したので、上記した請求項8に記載したものと同様にして、電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持することにより、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある旨をユーザに適切に知らせることができる。また、表示情報として表示維持されている車両情報の正否を判定することにより、電波モジュール本体の正否を判定することができ、電波モジュール本体が不正に使用されているか否かを判定することができる。
【0030】
請求項17に記載した電子ナンバープレートによれば、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にあると、表示手段は、電波モジュール本体に記憶されている車両情報のうち車両登録番号を表示情報として表示維持するように構成したので、上記した請求項9に記載したものと同様にして、現行のナンバープレートと同様の機能を持たせることができ、電子ナンバープレートが取付けられた車両で一般の公道を走行することもできる。
【0031】
請求項18に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段は、物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0032】
この場合、表示手段が表示情報を不可逆に表示切替するので、表示手段が表示情報を表示切替するだけの電力消費で済むことにより、上記した請求項1に記載したものと同様にして、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。また、この場合は、表示手段が電波モジュール本体と一体的に設けられているので、例えば電池交換などで電波モジュールを取外して取替える場合であっても、電波モジュール本体と表示手段とを別々に取外して取替える必要がなく、電波モジュール本体と表示手段とを一体的に取外して取替えることができ、取外し作業や取替え作業を容易に行うことができる。
【0033】
請求項19に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下すると、表示手段は、物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、上記した請求項3に記載したものと同様にして、電池の残容量が閾値まで低下した旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0034】
請求項20に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体がナンバープレートから取外されると、表示手段は、物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、ナンバープレートから取外された旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0035】
請求項21に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、物理状態切替手段は、電波モジュール本体が状態を切替えた内容に応じて物理状態を切替える程度を可変し、表示手段は、物理状態切替手段が物理状態を切替える程度を可変することに連動して表示状態を表示切替する程度を可変するように構成したので、電波モジュール本体が状態を切替えた内容を区別してユーザに適切に知らせることができ、例えば電池の残容量が閾値まで低下した旨とナンバープレートから取外された旨とを区別してユーザに適切に知らせることができる。
【0036】
請求項22に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、物理状態切替手段は、物理状態を切替える動作として光を放出し、表示手段は、物理状態切替手段から放出された光に反応して表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、光の変化を利用して電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0037】
請求項23に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、表示手段は、その外側表面部に紫外線を遮断する紫外線遮断部材が設けられているので、太陽光の影響で誤作動してしまうことを未然に回避することができる。
【0038】
請求項24に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、物理状態切替手段は、切替える動作として熱を放出し、表示手段は、物理状態切替手段から放出された熱に反応して表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、熱の変化を利用して電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0039】
請求項25に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、物理状態切替手段は、切替える動作として磁気を発生し、表示手段は、物理状態切替手段から発生された磁気に反応して表示情報を不可逆に表示切替するように構成したので、磁気の変化を利用して電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0040】
請求項26に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報を判定材料として判定するように構成したので、電池電圧が温度に依存して変動することを考慮して電池の残容量が閾値まで低下したか否かを判定することができ、電池の残容量が閾値まで低下したか否かをより正確に判定することができる。
【0041】
請求項27に記載した表示機能付き電波モジュールによれば、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報に、電波モジュール本体が起動した回数、電波モジュール本体が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体が通信を中断(異常終了)した回数、電波モジュール本体が誤って起動した回数及び電波モジュール本体が起動した累積時間のうち少なくともいずれかをも判定材料として加えて判定するように構成したので、電池電圧が温度に依存して変動することに加えて電波モジュール本体の起動状態をも考慮して電池の残容量が閾値まで低下したか否かを判定することができ、電池の残容量が閾値まで低下したか否かをより正確に判定することができる。
【0042】
請求項28に記載した電子ナンバープレートによれば、電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報を判定材料として判定するように構成したので、上記した請求項26に記載したものと同様にして、電池電圧が温度に依存して変動することを考慮して電池の残容量が閾値まで低下したか否かを判定することができ、電池の残容量が閾値まで低下したか否かをより正確に判定することができる。
【0043】
請求項29に記載した電子ナンバープレートによれば、電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報に、電波モジュール本体が起動した回数、電波モジュール本体が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体が通信を中断した(異常終了)回数、電波モジュール本体が誤って起動した回数及び電波モジュール本体が起動した累積時間のうち少なくともいずれかをも判定材料として加えて判定するように構成したので、上記した請求項27に記載したものと同様にして、電池電圧が温度に依存して変動することに加えて電波モジュール本体の起動状態をも考慮して電池の残容量が閾値まで低下したか否かを判定することができ、電池の残容量が閾値まで低下したか否かをより正確に判定することができる。
【0044】
請求項30に記載した電波モジュール本体の状態表示方法によれば、筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、電波モジュール本体の電池から供給されている電力を充放電する充電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段を設け、電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段が電波モジュール本体の電池から供給されている電力または電波モジュール本体の電池から充電池に充電されて充電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0045】
この場合も、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0046】
請求項31に記載した電波モジュール本体の状態表示方法によれば、筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、補助電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段を設け、電波モジュール本体の電池から表示手段に電力が供給されているときに電波モジュール本体が状態を切替えると、表示手段が電波モジュール本体の電池から供給されている電力または補助電池から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0047】
この場合も、表示手段が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態を表示維持するために筐体内に封止されている電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0048】
請求項32に記載した電波モジュール本体の状態表示方法によれば、筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、電池から供給される電力を動作電力として物理状態を切替える物理状態切替手段と表示手段とを電波モジュール本体に一体的に設け、電波モジュール本体が状態を切替えると、物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して表示手段が表示情報を不可逆に表示切替するので、上記した請求項1に記載したものと同様にして、電波モジュール本体の状態をユーザに適切に知らせることができる。
【0049】
この場合も、表示手段が表示情報を不可逆に表示切替するので、表示手段が表示情報を表示切替するだけの電力消費で済むことにより、上記した請求項18に記載したものと同様にして、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができ、また、例えば電池交換などで電波モジュールを取外して取替える場合であっても、電波モジュール本体と表示手段とを別々に取外して取替える必要がなく、電波モジュール本体と表示手段とを一体的に取外して取替えることができ、取外し作業や取替え作業を容易に行うことができる。
【0050】
請求項33に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、表示情報を電子的に表示切替するように構成したので、車両に取付けられる前に事前加工される必要がなく、現行のナンバープレートを在庫管理するのに要する多大な手間を不要とすることができると共に、ユーザや不特定多数の人に与え得る情報が車両情報に限られることがなく、ユーザや不特定多数の人に車両情報以外の有益な情報をも与えることができる。
【0051】
請求項34に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、車両挙動状態取得手段が取得した情報に基づいて表示情報を表示切替するように構成したので、例えばアクセルの挙動、ブレーキの挙動、ウィンカの挙動及びステアリングの挙動などを取得し、それら取得した情報に基づいて表示情報を表示切替することにより、車両が発進する旨、停止する旨、右折する旨及び左折する旨などを周囲に居る歩行者や後続車両に知らせることができる。
【0052】
請求項35に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、外部通信手段が路側機及び他車両の車載通信機のいずれかから受信した情報に基づいて表示情報を表示切替するように構成したので、例えば路側機との間で路車間通信したり他車両の車載通信機との間で車々間通信したりして路側機及び他車両の車載通信機のいずれかから渋滞情報や事故情報などを受信し、それら受信した情報に基づいて表示情報を表示切替することにより、渋滞が発生している旨や事故が発生している旨などを後続車両に知らせることができる。
【0053】
請求項36に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、表示情報を表示切替するトリガが発生した時点で表示していた表示情報に新たな表示情報を重畳して表示情報を表示切替するように構成したので、新たな表示情報を視認させながらも、それまでに表示していた表示情報をそのまま継続して視認させることができる。
【0054】
請求項37に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、表示情報を表示切替するトリガが発生した時点で表示していた表示情報の表示濃度を薄くまたは濃くするように構成したので、それまでに表示していた表示情報の表示濃度を薄くすることにより、新たな表示情報を確実に視認させることができ、一方、それまでに表示していた表示情報の表示濃度を濃くすることにより、新たな表示情報に視認性が妨げられることなく、それまでに表示していた表示情報を継続して確実に視認させることができる。
【0055】
請求項38に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、新たな表示情報を点滅させるように構成したので、新たな表示情報を強調することができ、新たな表示情報をより確実に視認させることができる。
【0056】
請求項39に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、新たな表示情報をスクロールさせるように構成したので、新たな表示情報が例えば「この先渋滞があります」などの文章で情報量が多い場合であっても、その情報量が多い新たな表示情報をより確実に視認させることができる。
【0057】
請求項40に記載した電子ナンバープレートによれば、表示手段は、表示情報として字体及び絵柄のうち少なくともいずれかを表示するように構成したので、例えば車両登録番号のみでなく車両登録番号の地域に因んだ絵柄を表示することにより、多種多様な情報を
視認させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。図2は、車両に取付けられる前の表示機能付き電波モジュールの構成を概略的に示している。表示機能付き電波モジュール1は、電波モジュール本体2と表示装置3(本発明でいう表示手段)とを備えて構成されている。
【0059】
電波モジュール本体2は、その筐体4が略矩形状の本体部5と車両に取付けるための取付け部6とが一体に形成された構造をなしており、その本体部5には、電波を送受信するアンテナ、車両登録番号などの車両情報を記憶する記憶装置、電波モジュール本体2の動作全般を制御する制御装置、例えば磁気センサからなる耐タンパスイッチ及び電源としての電池(小型電池)などが内蔵されて封止されている。また、取付け部6には、取付けボルト7が挿通される挿通穴部6aが形成されている。
【0060】
表示装置3は、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する例えば電子ペーパーから構成されており、現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されている。尚、電子ペーパーの厚さは10分の数ミリ程度である。
【0061】
表示装置3の所定部位(図2では左上隅部)には電波モジュール本体2が接続(装着)される接続部8が設けられており、電波モジュール本体2が接続部8に正常に接続されている状態では、電波モジュール本体2側の電源端子9a及び信号端子9b(図3参照)と表示装置3側(接続部8側)の電源端子10a及び信号端子10b(図3参照)とが接続されることにより、電波モジュール本体2に内蔵されている電池から表示装置3に電力が供給されると共に、電波モジュール本体2と表示装置3とが両者の間でデータ通信を行うことが可能になる。また、表示装置3には、取付けボルト7,11が挿通される挿通穴部3a,3bが2箇所で形成されている。
【0062】
ベースプレート12は、例えばアルミを材質として構成されており、上記した表示装置3と同様にして現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されている。また、ベースプレート12にも、取付けボルト7,11が挿通される挿通穴部12a,12bが2箇所で形成されている。
【0063】
上記した構成では、一方の取付けボルト7が封緘13を介して電波モジュール本体2の挿通穴部6a、表示装置3の挿通穴部3a及びベースプレート12の挿通穴部12aに挿通されて共締め固定されると共に、他方の取付けボルト11が表示装置3の挿通穴部3b及びベースプレート12の挿通穴部12bに挿通されて共締め固定されることにより、電波モジュール本体2、表示装置3及びベースプレート12が一体的に車両に取付けられ、電子ナンバープレートとして車両に取付けられる。また、電波モジュール本体2、表示装置3及びベースプレート12が一体的に車両に取付けられた後に、取付けボルト7が封印14により封止されることにより、電波モジュール本体2が容易に取外されない構造が実現される。そして、このようにして表示機能付き電波モジュール1がベースプレート12に取付けられた状態で電子ナンバープレート32とされる。
【0064】
図3は、上記した電波モジュール本体2及び表示装置3の電気的な構成を機能ブロック図として示している。電波モジュール本体2は、機能ブロックとして、制御部15、スイッチ部16、RF部17、高周波発振部18、不揮発性メモリ19、ウェイクアップ部20、判定部21、低周波発振部22、揮発性メモリ23、耐タンパスイッチ24及び電源部25を備えて構成されている。
【0065】
電源部25は、電池26の電力を各機能ブロックに動作電力として供給すると共に、電波モジュール本体2が接続部8に正常に接続されている状態では電池26の電力を表示装置3の充電池27にも供給する。判定部21は、電力供給切替信号を電源部25に出力することにより、電源部25から各機能ブロックへの動作電力の供給状態を切替え、電波モジュール本体2の動作モードを部分通電動作モード、通電動作モード及び通信動作モードの間で切替える。
【0066】
具体的に説明すると、判定部21は、電源部25から耐タンパスイッチ24、判定部21及び揮発性メモリ23のみに動作電力を供給させることにより、電波モジュール本体2を部分通電動作モードで動作させる(図3中「a」参照)。また、判定部21は、電源部25から耐タンパスイッチ24、判定部21及び揮発性メモリ23に動作電力を供給させることに加えて、電源部25からスイッチ部16、ウェイクアップ部20及び低周波発振部22にも動作電力を供給させることにより、電波モジュール本体2を通電動作モードで動作させる(図3中「b」参照)。さらに、判定部21は、電源部25から耐タンパスイッチ24、判定部21、揮発性メモリ23、スイッチ部16、ウェイクアップ部20及び低周波発振部22に動作電力を供給させることに加えて、電源部25からRF部17、制御部15、高周波発振部18及び不揮発性メモリ19にも動作電力を供給させることにより、電波モジュール本体2を通信動作モードで動作させる(図3中「c」参照)。
【0067】
上記した構成において、耐タンパスイッチ24は、オン/オフのスイッチから構成されており、電波モジュール本体2が表示装置3またはベースプレート12に接触した状態ではオン状態となり、一方、電波モジュール本体2が表示装置3またはベースプレート12から離間した状態ではオフ状態となるように構成されている。また、揮発性メモリ23は、不揮発性メモリ19に記憶されているメモリ情報をバックアップしたバックアップ情報やセキュリティ情報などをメモリ情報として記憶しておくためのメモリとして機能するように構成されている。
【0068】
この場合、電波モジュール本体2は、部分通電動作モードでは以下の動作を行う。すなわち、耐タンパスイッチ24は、電波モジュール本体2を表示装置3またはベースプレート12に接触させると、オフ状態からオン状態に切替わり、オン信号を判定部21に出力する。判定部21は、耐タンパスイッチ24からオン信号を入力すると、電力供給切替信号を電源部25に出力し、電波モジュール本体2を部分通電動作モードから通電動作モードに移行させる。そして、判定部21は、このようにして電波モジュール本体の動作モードを部分通電動作モードから通電動作モードに移行させた後に、低周波発振部22から供給されている低周波クロックを動作クロックとして動作する。
【0069】
次に、電波モジュール本体2は、通電動作モードでは以下の動作を行う。すなわち、ウェイクアップ部20は、外部から電波信号をアンテナ28で受信してスイッチ部16を介して入力すると、その入力した電波信号を包絡線検波して検波信号を判定部21に出力する。判定部21は、低周波発振部22から供給されている低周波クロックを動作クロックとして動作し、ウェイクアップ部20から検波信号を入力すると、その入力した検波信号を処理し、外部から受信した電波信号が予め規定された信号レベルや信号パターンである旨を検出すると、電力供給切替信号を電源部25に出力し、電波モジュール本体2を通電動作モードから通信動作モードに移行させる。この場合、判定部21は、電波モジュール本体2を起動させるための起動信号を制御部15に出力する。
【0070】
そして、電波モジュール本体2は、通信動作モードでは以下の動作を行う。すなわち、制御部15は、判定部21から起動信号を入力すると、起動して高周波発振部18から供給されている高周波クロックを動作クロックとして動作し、RF部17の通信動作を制御すると共に不揮発性メモリ19に対してメモリ情報のデータ読出し・データ書込みを制御する。
【0071】
判定部21は、耐タンパスイッチ24からオフ信号を入力すると、異常検知信号を制御部15に出力する。制御部15は、判定部21から異常検知信号を入力すると、耐タンパ動作を実施する。具体的には、制御部15は、不揮発性メモリ19や揮発性メモリ23に記憶されているメモリ情報を全体消去または一部消去したり、RF部17の通信機能を強制禁止したりし、これ以降の運用を停止または制限する。
【0072】
また、制御部15は、電源部25から電池電圧を入力して電池26の残容量を解析して電池26の残容量を判定する。さらに、制御部15は、外部から受信した信号が運用開始信号である旨を検出すると、これ以降に運用を開始し、路側機(基地局)との無線通信を許可する。
【0073】
表示装置3は、機能ブロックとして、制御部29、表示部30、取外し検出部31及び上記した充電池27を備えて構成されている。制御部29は、電波モジュール本体2の制御部15との間でデータ通信を行うことにより、電波モジュール本体2の制御部15から表示指令信号を入力し、その入力した表示指令信号に基づいて表示部30にて表示情報を表示したり消去したりする。
【0074】
取外し検出部31は、電波モジュール本体2側の電源端子9a及び信号端子9bと表示装置3側の電源端子10a及び信号端子10bとが正常に接続されているか否かに基づいて電波モジュール本体2が表示装置3から取外されたか否かを判定し、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を検出すると、取外検出信号を制御部29に出力する。充電池27は、電波モジュール本体2の電池26から電源部25を介して供給されている電力を充電・放電し、充電した電力を放電することにより、電波モジュール本体2の電池26の電力を各機能ブロックに動作電力として間接的に供給する。
【0075】
次に、上記した構成の作用について、図1を参照して説明する。尚、本実施形態では、電波モジュール本体2、表示装置3及びベースプレート12が一体的に車両に取付けられた状態では、電波モジュール本体2が部分通電動作モードから通電動作モードに移行することを前提として説明する。また、ここでは、
(1)電波モジュール本体2が正常通信可能な場合
(2)電池26の残容量が閾値まで低下した場合
(3)電波モジュール本体2が表示装置3から取外された場合
について順次説明する。
【0076】
(1)電波モジュール本体2が正常通信可能な場合
電波モジュール本体2、表示装置3及びベースプレート12が一体的に車両に取付けられると、判定部21は、耐タンパスイッチ24からオン信号を入力することにより、電波モジュール本体2を部分通電動作モードから通電動作モードに移行させる。この場合、電波モジュール本体2と表示装置3の接続部8とが正常に接続されることにより、電波モジュール本体2の電池26から表示装置3に電力が供給されると共に電波モジュール本体2と表示装置3とが両者の間でデータ通信を行うことが可能になる。
【0077】
ここで、電波モジュール本体2において、判定部21は、外部から受信した電波信号が予め規定された信号レベルや信号パターンである旨を検出すると、制御部15を起動させ、電波モジュール本体2を通電動作モードから通信動作モードに移行させ、さらに、外部から運用開始信号を受信した旨を検出すると、これ以降に運用を開始し、路側機との間で通信可能な状態となる。そして、制御部15は、起動すると、表示指令信号を表示装置3の制御部29に出力すると共に、不揮発性メモリ19に記憶されている車両登録番号などの車両情報を不揮発性メモリ19から読出し、その読出した車両情報を表示装置3の制御部29に出力する。
【0078】
表示装置3において、制御部29は、電波モジュール本体2の制御部15から表示指令信号及び車両情報を入力すると、図1(a)に示すように、充電池27から供給されている電力を動作電力として電波モジュール本体2から入力した車両情報を表示情報として表示部30に表示させ、その表示情報を表示維持する。この場合、上記したように表示装置3が表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有しているので、表示装置3が車両情報を表示情報として最初に表示するには電波モジュール本体2の電池26の電力が必要となるが、表示装置3が表示情報を表示維持している間は電波モジュール本体2の電池26の電力が必要となることはなく、電波モジュール本体2の電池26の残容量が低下する(電池26が消耗する)ことはない。
【0079】
以上に説明した処理により、電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にあると、電波モジュール本体2に記憶されている車両情報が表示情報として表示装置3に表示されるので、ユーザは、表示装置3に表示されている車両情報を目視することにより、電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にある旨を確認することができる。
【0080】
(2)電池26の残容量が閾値まで低下した場合
電波モジュール本体2が通信すると、電波信号を送受信したり変調処理または復調処理したりするのに電力を消費し、電池26の残容量が低下することになる。電波モジュール本体2において、制御部15は、電源部25から電池電圧を入力して電池26の残容量を解析して電池26の残容量が閾値まで低下した旨を検出すると、表示指令信号を表示装置3の制御部29に出力する。表示装置3において、制御部29は、電波モジュール本体2の制御部15から表示指令信号を入力すると、充電池27から供給されている電力を動作電力として表示情報を表示切替する。
【0081】
具体的に説明すると、制御部29は、図1(b)に示すように、それまで表示させていた車両情報を消去し、車両情報を表す表示情報から例えば「通信不可 電池切れ 要交換」という電波モジュール本体2の交換を促す文字情報を表示情報として表示切替し、その表示情報を表示維持する。この場合、表示装置3が文字情報を表示情報として表示切替するには電波モジュール本体2の電池26の電力が必要となるが、表示装置3が文字情報を表示情報として表示維持している間は電波モジュール本体2の電池26の電力が必要となることはなく、電波モジュール本体2の電池26の残容量が低下することはない。
【0082】
以上に説明した処理により、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下すると、電波モジュール本体2の交換を促す文字情報が表示情報として表示装置3に表示されるので、ユーザは、表示装置3に表示されている電波モジュール本体2の交換を促す文字情報を目視することにより、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下した旨を確認することができ、電波モジュール本体2を交換する必要がある旨を確認することができる。
【0083】
(3)電波モジュール本体2が表示装置3から取外された場合
電波モジュール本体2が表示装置3から取外されると、上記したように、電波モジュール本体2では耐タンパスイッチ24が異常検知信号を判定部21を介して制御部15に出力すると共に、表示装置3では取外し検出部31が取外検出信号を制御部29に出力する。
【0084】
電波モジュール本体2において、制御部15は、耐タンパスイッチ24から判定部21を介して異常検知信号を入力すると、耐タンパ動作として、不揮発性メモリ19や揮発性メモリ23に記憶されているメモリ情報を全体消去または一部消去したり、RF部17の通信機能を強制禁止したりし、これ以降の運用を停止または制限する。
【0085】
一方、表示装置3において、制御部29は、取外し検出部31から取外検出信号を入力すると、この時点では電波モジュール本体2の電池26から充電池27への電力が供給不可能になったので、充電池27から供給されている電力を動作電力として表示情報を表示切替する。
【0086】
具体的に説明すると、制御部29は、図1(c)に示すように、それまで表示させていた車両情報を消去し、車両情報を表す表示情報から例えば「使用不可 電波モジュール取外し」という電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を表す文字情報を表示情報として表示切替し、その表示情報を表示維持する。この場合、表示装置3が文字情報を表示情報として表示切替するには充電池27の電力が必要となるが、表示装置3が文字情報を表示情報として表示維持している間は充電池27の電力が必要となることはなく、充電池27の残容量が低下することはない。
【0087】
以上に説明した処理により、電波モジュール本体2が表示装置3から取外されると、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を表す文字情報が表示情報として表示装置3に表示されるので、ユーザは、表示装置3に表示されている電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を表す文字情報を目視することにより、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を確認することができ、電波モジュール本体2が耐タンパ動作を実施した旨を確認することができる。
【0088】
ところで、以上は、電池26の残容量が閾値まで低下した場合に、それまで表示維持していた車両情報を消去し、電波モジュール本体2の交換を促す文字情報を表示情報として表示装置3の全体に表示する構成を説明したが、図4(b)に示すように、それまで表示維持していた車両情報を消去することなく(車両情報を表示維持したまま)、電波モジュール本体2の交換を促す文字情報を表示情報として表示装置3の一部に表示するようにしても良い。また、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された場合に、図4(c)に示すように、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を表す文字情報を表示情報として表示装置3の一部に表示するようにしても良い。また、過去に運用を開始した後に同じ表示装置3または別の表示装置から取外されて無効化された電波モジュール本体2が表示装置3に取付けられた場合に、表示装置3が車両情報を表示情報として表示しないようにしても良い。
【0089】
以上に説明したように第1の実施形態によれば、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下すると、電池26の残容量が閾値まで低下した旨を表す文字情報を表示装置3が表示情報として表示切替するように構成したので、電池26の残容量が閾値まで低下した(いわゆる電池切れが迫っている)旨をユーザに適切に知らせることができる。この場合、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する電子ペーパーから表示装置3を構成したので、表示装置3が文字情報を表示情報として表示維持するために電池26の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0090】
また、電波モジュール本体2が表示装置3から取外されると、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨を表す文字情報を表示装置3が表示情報として表示切替するように構成したので、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された旨をユーザに適切に知らせることができ、電波モジュール本体2が耐タンパ動作を実施した旨をユーザに適切に知らせることができる。また、この場合、それまで表示させていた車両情報を消去するように構成したので、電波モジュール本体2が表示装置3から取外された後に電波モジュールとして機能させないようにすることができる。
【0091】
また、過去に運用を開始した後に同じ表示装置3または別の表示装置から取外されて無効化された電波モジュール本体2が表示装置3に取付けられると、表示装置3が表示情報を表示切替しないように構成したので、表示装置3に取付けられた電波モジュール本体2が過去に運用を開始した後に同じ表示装置3または別の表示装置から取外されて無効化された電波モジュール本体2である旨をユーザに適切に知らせることができ、また、電波モジュール本体2を取替えての成りすましを未然に回避することもでき、悪用を防止することもできる。
【0092】
また、電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にあると、電波モジュール本体2に記憶されている車両情報を表示装置3が表示情報として表示維持するように構成したので、電波モジュール本体2に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持することにより、電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にある旨をユーザに適切に知らせることができる。また、表示情報として表示維持されている車両情報の正否を判定することにより、電波モジュール本体2の正否(正規のものであるか否か)を判定することができ、電波モジュール本体2が不正に使用されているか否かを判定することができる。また、車両情報のうち車両登録番号を表示するように構成したので、現行のナンバープレートと同様の機能を持たせることができ、電子ナンバープレート32が取付けられた車両で一般の公道を走行することもできる。さらに、本実施形態では、厚さが極めて薄い電子ペーパーから表示装置3を構成したので、表示装置3がベースプレート12に取付けられた状態でも電子ナンバープレート32が全体として厚くなってしまうことを未然に回避することができる。
【0093】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図5を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記した第1の実施形態は、電波モジュール本体2とベースプレート12とが別体であることにより、電波モジュール本体2と表示装置3とを備えて構成される表示機能付き電波モジュール1がベースプレート12に取付けられる構成であるが、これに対して、第2の実施形態は、電波モジュール本体とベースプレートとが一体化されて電子ナンバープレートが形成されている構成である。
【0094】
すなわち、電子ナンバープレート41は、現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレート42に、上記した第1の実施形態で説明した表示装置3と同等の機能を有する表示装置43(本発明でいう表示手段)が取付けられて構成されている。ベースプレート42は、その一部または全体が電波を透過する電波透過材料からなり、少なくとも電波透過材料の箇所にアンテナが配置されるように上記した第1の実施形態で説明した電波モジュール本体2と同等の機能を有する電波モジュール本体が内蔵されている。
【0095】
この場合も、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電波モジュール本体が正常通信可能な状態にあると、図5(a)に示すように、電波モジュール本体に記憶されている車両情報が表示情報として表示装置43に表示され、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下すると、図5(b)に示すように、この場合は、電波モジュール本体が電子ナンバープレート41に内蔵されているので、電子ナンバープレート41の交換を促す文字情報が表示情報として表示装置43に表示される。また、この場合は、上記した第1の実施形態に記載したものとは異なって、電波モジュール本体が表示装置から取外されることはないが、電子ナンバープレート41が車両から取外されると、図5(c)に示すように、電子ナンバープレート41が車両から取外された旨を表す表示情報が表示装置43に表示される。
【0096】
以上に説明したように第2の実施形態によれば、電波モジュール本体の電池の残容量が閾値まで低下すると、電池の残容量が閾値まで低下した旨を表す文字情報を表示装置が表示情報として表示切替するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電池の残容量が閾値まで低下した旨をユーザに適切に知らせることができる。この場合も、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する電子ペーパーから表示装置43を構成したので、表示装置43が文字情報を表示情報として表示維持するために電池の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0097】
また、電子ナンバープレート41が車両から取外されると、電子ナンバープレート41が車両から取外された旨を表す文字情報を表示装置43が表示情報として表示切替するように構成したので、電子ナンバープレート41が車両から取外された旨をユーザに適切に知らせることができ、電波モジュール本体が耐タンパ動作を実施した旨をユーザに適切に知らせることができる。また、車両情報のうち車両登録番号を表示するように構成したので、現行のナンバープレートと同様の機能を持たせることができ、電子ナンバープレート41が取付けられた車両で一般の公道を走行することもできる。さらに、この場合は、電波モジュール本体がベースプレート42に内蔵されているので、電波モジュール本体が突起物となることもなく、電波モジュール本体を汚れや損傷から保護することができると共に見栄えを良くすることができ、しかも、現行のナンバープレートと比較して違和感のない構成を実現することができる。
【0098】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
上記した第1の実施形態は、表示装置3が現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されている構成であるが、これに対して、第3の実施形態は、表示装置が現行のナンバープレートよりも十分に小さいサイズに形成され、現行のナンバープレートに刻印されている車両情報を隠さないように現行のナンバープレートに取付け可能な構成である。
【0099】
すなわち、表示機能付き電波モジュール51は、上記した第1の実施形態で説明した電波モジュール本体2と、上記した第1の実施形態で説明した表示装置3よりも十分に小さいサイズに形成されている表示装置52(本発明でいう表示手段)とを備え、現行のナンバープレート54に刻印されている車両情報を隠さないように現行のナンバープレート54に取付け可能に構成されている。
【0100】
表示装置52は、上記した第1の実施形態で説明した表示装置3とサイズが異なるのみであり、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する例えば電子ペーパーから構成され、その所定部位には電波モジュール本体2が接続される接続部53が設けられており、電波モジュール本体2が接続部53に正常に接続されている状態では、電波モジュール本体2に内蔵されている電池26から表示装置52に電力が供給されると共に、電波モジュール本体2と表示装置52とが両者の間でデータ通信を行うことが可能になる。また、表示装置52にも、取付けボルト7が挿通される挿通穴部52aが形成されており、現行のナンバープレート54にも、取付けボルト7,11が挿通される挿通穴部54a,54bが形成されている。そして、このようにして表示機能付き電波モジュール51が現行のナンバープレート54に取付けられた状態で電子ナンバープレート55とされる。
【0101】
この場合は、電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にあると、例えば「通信可能」という電波モジュール本体2が正常通信可能な状態にある旨を表す文字情報が表示情報として表示装置52に表示され、また、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下すると、例えば「通信不可」という電波モジュール本体2の交換を促す文字情報が表示情報として表示装置52に表示され、さらに、電波モジュール本体2が表示装置52から取外されると、例えば「取外し」という電波モジュール本体2が表示装置52から取外された旨を表す表示情報が表示情報として表示装置52に表示される。
【0102】
以上に説明したように第3の実施形態によれば、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下すると、電池26の残容量が閾値まで低下した旨を表す文字情報を表示装置52が表示情報として表示切替するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電池26の残容量が閾値まで低下した旨をユーザに適切に知らせることができる。この場合も、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する例えば電子ペーパーから表示装置52を構成したので、表示装置52が文字情報を表示情報として表示維持するために電池26の容量が消費されてしまうことがなく、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。
【0103】
また、電波モジュール本体2が表示装置52から取外されると、電波モジュール本体2が表示装置52から取外された旨を表す文字情報を表示装置52が表示情報として表示切替するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電波モジュール本体2が表示装置52から取外された旨をユーザに適切に知らせることができ、電波モジュール本体2が耐タンパ動作を実施した旨をユーザに適切に知らせることができる。また、車両情報のうち車両登録番号を表示するように構成したので、電波モジュール本体2に記憶されている車両情報と現行のナンバープレート54との同一性を確認することもできる。さらに、この場合は、表示機能付き電波モジュール51を現行のナンバープレート54に取付け可能に構成したので、現行のナンバープレート54を有効に活用することができ、導入コストを抑えることができ、導入の実現性を高めることができる。
【0104】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図8を参照して説明する。尚、上記した第1の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記した第1の実施形態は、表示装置3の動作電力を確保すべく充電池27が表示装置3に配置されている構成であるが、これに対して、第4の実施形態は、表示装置の動作電力を確保すべく補助電池が表示装置に配置されている構成である。
【0105】
すなわち、表示装置61は、機能ブロックとして、上記した第1の実施形態で説明した制御部29、表示部30、取外し検出部31を備えると共に、電源切替部62を備えて構成されている。制御部29は、電波モジュール本体2が表示装置61から取外された旨を取外し検出部31が検出したことにより、取外し検出部31から取外検出信号を入力すると、電源切替信号を電源切替部62に出力する。
【0106】
電源切替部62は、電波モジュール本体2が表示装置61に正常に接続されている状態では電波モジュール本体2の電池26から供給されている電力を各機能ブロックに動作電力として供給し、電波モジュール本体2が表示装置61から取外されたことにより、制御部29から電源切替信号を入力すると、補助電池63から供給されている電力を各機能ブロックに動作電力として供給する。
【0107】
以上に説明したように第4の実施形態によれば、電波モジュール本体2の電池26の残容量が閾値まで低下すると、電池26の残容量が閾値まで低下した旨を表す文字情報を表示装置61が表示情報として表示切替し、また、電波モジュール本体2が表示装置61から取外されると、電波モジュール本体2が表示装置61から取外された旨を表す文字情報を表示装置61が表示情報として表示切替するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電池26の残容量が閾値まで低下した旨をユーザに適切に知らせることができ、また、電波モジュール本体2が表示装置61から取外された旨をユーザに適切に知らせることができ、電波モジュール本体2が耐タンパ動作を実施した旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0108】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について、図9ないし図13を参照して説明する。尚、上記した第3の実施形態と同一部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記した第3の実施形態は、表示装置52が電波モジュール本体2と別体の構成であるが、これに対して、第5の実施形態は、表示装置が電波モジュール本体と一体の構成である。
【0109】
すなわち、表示機能付き電波モジュール71は、電波モジュール本体72に表示装置73(本発明でいう表示手段)が一体的に組込まれて構成されている。電波モジュール本体72は、アンテナ74、記憶装置75、制御装置76、耐タンパスイッチ77及び電源としての電池78が内蔵されていると共に、その筐体の所定部位(本実施形態ではアンテナ74のアンテナ面74aに対向する正面部)に開口部72aが段差状に形成されて構成されている。筐体の内部で開口部72aに対向する部位には、紫外線を照射する紫外線LED79(本発明でいう物理状態切替手段)が上記したアンテナ74、記憶装置75及び制御装置76と共に回路基板80に実装されており、開口部72aには、ラベル81が貼付けられている透明部材82が表示窓として設けられている。
【0110】
ラベル81は、紫外線に反応するフォトクロミック材料を含んでおり、紫外線LED79から紫外線が照射されると、フォトクロミック材料が紫外線に反応して不可逆に色変化するように構成されている。また、透明部材82にあってラベル81が貼付けられている面(内側面)とは反対側の面(外側面)には紫外線を遮断する紫外線遮断フィルム83(本発明でいう紫外線遮断部材)が貼付けられている。
【0111】
図12は、上記した電波モジュール本体の電気的な構成を機能ブロック図として示している。電波モジュール本体72は、機能ブロックとして制御部84、スイッチ部16、RF部17、高周波発振部18、不揮発性メモリ19、ウェイクアップ部20、判定部21、低周波発振部22、揮発性メモリ23、耐タンパスイッチ77及び電源部25に加えて、電池26の電圧を検出する電圧検出部85、周囲の温度を検出する温度検出部86、上記した紫外線LED79から構成される表示部87を備えて構成されている。
【0112】
耐タンパスイッチ77は、上記した耐タンパスイッチ24と同様にしてオン/オフのスイッチから構成されており、電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88に正常に取付けられている状態では、図9(a)及び図10(a)に示すように、その突出部77aが本体部77b側に押込まれてオン状態となり、電波モジュール本体2が現行のナンバープレート88から取外されている状態では、図10(b)に示すように、その突出部77aが本体部77bから突出してオフ状態となるように構成されている。そして、波モジュール本体72は、このようにして耐タンパスイッチ77がオン状態からオフ状態に切替わると、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、耐タンパ動作として、不揮発性メモリ19や揮発性メモリ23に記憶されているメモリ情報を全体消去または一部消去したり、RF部17の通信機能を強制禁止したりし、これ以降の運用を停止または制限する。尚、上記した電波モジュール本体72は、図11に示すように、取付けボルト7、封緘13及び封印14により現行のナンバープレート88に取付けられる。
【0113】
この場合、制御部84は、電圧検出部85から電池26の電圧情報を入力すると共に温度検出部86から周囲の温度情報を入力し、それら電池26の電圧情報及び周囲の温度情報を解析して電池26の残容量が閾値まで低下したか否かを判定する。これは、一般的に電池電圧が温度に依存して変動するものであり、図13に示すように、低温の下では電池電圧が低下するものの、常温や高温になると電池電圧が復帰する特性を持つからである。また、ある所を超えると電池電圧が急激に低下する特性をも持つことから、それら電池26の電圧情報及び周囲の温度情報に、電波モジュール本体72が起動した回数、電波モジュール本体72が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体72が通信を中断(異常終了)した回数、電波モジュール本体72が誤って起動した回数及び電波モジュール本体72が起動した累積時間のうち少なくともいずれかをも判定材料として加えて判定するようにしても良い。これにより、電池26の残容量が閾値まで低下したか否かをより正確に判定することが可能となる。
【0114】
そして、制御部84は、電池26の残容量が閾値まで低下した旨を検出すると、点灯信号を表示部87に出力する。表示部87の紫外線LED79は、制御部84から点灯信号を入力すると、点灯して紫外線をラベル81に向けて照射し、ラベル81は、紫外線LED79から紫外線が照射されると、フォトクロミック材料が紫外線に反応して不可逆に色変化する。この場合、制御部84は、ラベル81が色変化するまでの時間だけ紫外線LED79から紫外線を照射させており、ラベル81が色変化を完了すると、紫外線LED79からの紫外線の照射を停止させる、もしくは、電池26の容量がなくなるまで照射を継続させる。
【0115】
以上に説明した処理により、電波モジュール本体72の電池26の残容量が閾値まで低下すると、ラベル81が色変化するので、ユーザは、ラベル81が色変化した旨を目視することにより、電波モジュール本体72の電池26の残容量が閾値まで低下した旨を確認することができ、電波モジュール本体72を交換する必要がある旨を確認することができる。
【0116】
また、制御部84は、耐タンパスイッチ77がオン状態からオフ状態に切替わり、電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外された旨を検出すると、この場合も、点灯信号を表示部87に出力する。表示部87の紫外線LED79は、制御部84から点灯信号を入力すると、点灯して紫外線をラベル81に向けて照射し、ラベル81は、紫外線LED79から紫外線が照射されると、フォトクロミック材料が紫外線に反応して不可逆に色変化する。この場合の色変化は、例えば紫外線LED79が照射する光の波長を変化させることにより、上記した電池26の残容量が閾値まで低下した場合とは異なる態様の色変化であっても良い。また、この場合も、制御部84は、ラベル81が色変化するまでの時間だけ紫外線LED79から紫外線を照射させており、ラベル81が色変化を完了すると、紫外線LED79からの紫外線の照射を停止させる、もしくは、電池26の容量がなくなるまで照射を継続させる。
【0117】
以上に説明した処理により、電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外されると、ラベル81が色変化するので、ユーザは、ラベル81が色変化した旨を目視することにより、電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外された旨を確認することができる。
【0118】
ところで、以上は、紫外線を照射する紫外線LED79が設けられ、ラベル82が紫外線により色変化する場合を説明したが、熱や磁気を放出するセンサが設けられ、サーモラベルが熱により色変化したり磁気フィルムが磁気により色変化したりすることを利用し、電波モジュール本体72の電池26の残容量が閾値まで低下した旨や電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外された旨をユーザに知らせる構成であっても良い。
【0119】
以上に説明したように第5の実施形態によれば、電波モジュール本体72の電池26の残容量が閾値まで低下したり電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外されたりすると、紫外線LED79が紫外線を照射してラベル81が不可逆に色変化するように構成したので、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、電池26の残容量が閾値まで低下した旨や電波モジュール本体72が現行のナンバープレート88から取外された旨をユーザに適切に知らせることができる。
【0120】
この場合、ラベル81が不可逆に色変化するので、ラベル81が色変化するだけの電力消費で済むことにより、上記した第1の実施形態に記載したものと同様にして、製品寿命を縮めたり電波モジュールとしての本来の通信機能に支障を来たしたりすることを未然に回避することができる。また、この場合は、表示装置73が電波モジュール本体72と一体的に設けられているので、例えば電池交換などで電波モジュール本体72を取外して取替える場合であっても、電波モジュール本体72と表示装置73とを別々に取外して取替える必要がなく、電波モジュール本体72と表示装置73とを一体的に取外して取替えることができ、取外し作業や取替え作業を容易に行うことができる。また、紫外線フィルム83を設けたので、太陽光の影響で誤作動してしまうことを未然に回避することができる。
【0121】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について、図14ないし図17を参照して説明する。
電子ナンバープレート91は、上記した第1の実施形態で説明した表示装置3と同等の機能を有する、つまり、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する例えば電子ペーパーからなる表示装置92(本発明でいう表示手段)がベースプレートに取付けられて構成されている。この場合は、表示装置92は、例えばバッテリから供給される電力を動作電力として動作するように構成されている。
【0122】
電子ナンバープレート表示制御ECU(以下、表示制御ECUと称する)93は、ユーザが操作可能な操作スイッチから入力したユーザ操作検出信号、車両挙動信号入出力部94(本発明でいう車両挙動状態取得手段)から入力した車両挙動信号及び外部通信機95(本発明でいう外部通信手段)から入力した外部通信信号に基づいて表示装置92の表示情報を電子的に表示切替する。
【0123】
車両挙動信号入出力部94は、アクセルの挙動(開度の程度)を示すアクセル信号、ブレーキの挙動を示すブレーキ信号、ウィンカの挙動を示すウィンカ信号、ステアリングの挙動(回動確度の程度)を示すステアリング信号、ドア開閉スイッチの挙動を示すドア開閉スイッチ信号及び車速センサが検出した車速信号などを入力し、それらを車両挙動信号として表示制御ECU93に出力する。
【0124】
外部通信機95は、路側に設置されている路側機96との間で路車間通信し、路側機96から例えば渋滞情報や事故情報などの信号を受信したり、他車両に搭載されている車載通信機97との間で車々間通信し、車載通信機97から例えば渋滞情報や事故情報などの信号を受信したりすると、それらを外部通信信号として表示制御ECU93に出力する。
【0125】
表示制御ECU93は、これら操作スイッチから入力したユーザ操作検出信号、車両挙動信号入出力部94から入力した車両挙動信号及び外部通信機95から入力した外部通信信号を解析して表示情報を表示切替する。具体的に説明すると、表示制御ECU93は、図15に示すように、生産工場での生産時、生産工場から販売店への搬送時、販売店での展示時及び顧客に納入する顧客納入時などで例えば各々の担当者(作業員や販売員など)が操作スイッチを操作することにより、電子ナンバープレート91の表示情報を各々の工程に対応する表示情報に表示切替する。尚、この場合の表示情報は、予め記憶領域(図示せず)に記憶されていて読出されたものであっても良いし、表示情報を表示切替する時点で各々の担当者により個別に入力されるものであっても良い。尚、図15では、車両前方に取付けられている電子ナンバープレートを示しているが、車両後方に取付けられている電子ナンバープレートも同様である。
【0126】
また、表示制御ECU93は、図16に示すように、車両が道路を走行している場合には、アクセルの挙動、ブレーキの挙動、ウィンカの挙動及びステアリングの挙動などを解析することにより、車両登録番号に重畳して例えば「発車します」、「停車します」、「右折します」、「左折します」及び「接近注意」などの表示情報を表示する(図16中(a)〜(e)参照)。
【0127】
また、表示制御ECU93は、図17に示すように、路側に設置されている路側機96から受信した信号及び車載通信機97から受信した信号のいずれかを解析することにより、車両登録番号に重畳して例えば「この先渋滞があります」などの表示情報を表示したり(図17中(a)〜(c)参照)、上記した第1の実施形態で説明した電波モジュールに記憶されている車両情報を読出すことにより、車検の有効期限が切れている旨を表す「車検切れ」、自動車税が未納である旨を表す「自動車税未納」及び盗難されたプレートである旨を表す「盗難プレート」などの表示情報を表示したりする(図17中(d)〜(f)参照)。
【0128】
これらの場合、表示制御ECU93は、新たな表示情報を表示する際には、それまで表示していた車両登録番号の表示濃度を薄くしても良いし(図16及び図17中で白抜きにて示す)、それまで表示していた車両登録番号の表示濃度を濃くしても良いし、また、新たな表示情報を点滅させたりスクロールさせたりしても良い。また、表示制御ECU93は、それまで表示していた車両登録番号の1文字あたりのサイズよりも大きなサイズで新たな表示情報を表示しても良い。さらに、表示制御ECU93は、字体と絵柄とを組合わせて表示しても良く、図18に示すように、例えば車両登録番号のみでなく車両登録番号の地域に因んだ絵柄を表示しても良い。
【0129】
以上に説明したように第6の実施形態によれば、電子ナンバープレート91が表示情報を電子的に表示切替するように構成したので、車両に取付けられる前に事前加工される必要がなく、現行のナンバープレートを在庫管理するのに要する多大な手間を不要とすることができると共に、ユーザや不特定多数の人に与え得る情報が車両情報に限られることがなく、ユーザや不特定多数の人に車両情報以外の有益な情報を与えることができる。
【0130】
この場合、例えばアクセルの挙動、ブレーキの挙動、ウィンカの挙動及びステアリングの挙動などを取得することにより、車両が発進する旨、停止する旨、右折する旨及び左折する旨などを周囲に居る歩行者や後続車両に知らせることができ、また、路側に設置されている路側機96及び他車両に搭載されている車載通信機97のいずれかから渋滞情報や事故情報などを受信することにより、渋滞している旨及び事故が発生している旨などを後続車両に知らせることができる。
【0131】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
表示装置は、電子ペーパーに限らず、表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有するものであれば良い。
電池の残容量が閾値まで低下した場合や電波モジュール本体が表示装置から取外された場合や電子ナンバープレートが車両から取外された場合に表示される表示情報は、他の文字情報であっても良いし、電波モジュールや電子ナンバープレートの状態を図形で表す図形情報であっても良いし、文字情報と図形情報とが組合されていても良い。
【0132】
電波モジュール本体が路側機との間で通信するときに、電波モジュール本体の状態を路側機に通知するようにしても良く、電波モジュール本体の状態が異常である場合のみならず正常である場合も含めて電波モジュール本体の状態を路側機に常時通知するようにしても良い。電波モジュール本体が小型のチェッカやテスタ(試験機)との間で通信することにより、電波モジュール本体の状態を小型のチェッカやテスタに通知するようにしても良い。
電波モジュール本体が当該電波モジュール本体の状態を路側機に通知した後に、当該電波モジュール本体の状態を例えば公衆回線やインターネットを介してユーザの携帯電話機などに個別に通知するようにしても良い。
【0133】
第5の実施形態において、電波モジュール本体に表示装置が一体的に組込まれる部位は、筐体の正面部に限らず、筐体の上面部や側面部であっても良い。また、表示装置が複数設けられ、表示パターンの組み合わせを利用し、電波モジュール本体の状態を細かくユーザに知らせるようにしても良い。
第1ないし第4の実施形態において、第5の実施形態に記載したものと同様にして、電池の残量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報、周囲の温度情報、電波モジュール本体が起動した回数、電波モジュール本体が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体が通信を中断(異常終了)した回数、電波モジュール本体が誤って起動した回数及び電波モジュール本体が起動した累積時間のうち少なくともいずれかを判定材料として判定するようにしても良い。
【0134】
第6の実施形態において、電子ナンバープレートが内蔵電池から供給される電力を動作電力として動作する構成であっても良い。複数のLEDが二次元的に配置されて表示装置が構成されていても良いし、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイや有機ELから表示装置が構成されていても良い。車載カメラが搭載されている構成であれば、車載カメラにより撮影された映像を解析した表示情報を表示する構成であっても良く、例えば落下物を検出した場合であれば「落下物あります」などの表示情報を表示する構成であっても良い。例えばBluetooth(登録商標)や無線LANなどの近距離無線機能を有する構成であれば、近距離無線機能付き携帯端末から操作信号を受信して表示情報を表示切替する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであって、表示情報が表示装置に表示されている態様を示す図
【図2】全体構成を示す外観斜視図
【図3】機能ブロック図
【図4】表示情報が表示装置に表示されている態様を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態を示すものであって、表示情報が表示装置に表示されている態様を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態を示すものであって、表示情報が表示装置に表示されている態様を示す図
【図7】図2相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す機能ブロック図
【図9】本発明の第5の実施形態を示すものであって、発明の要部を示す縦断側面図
【図10】紫外線LEDが紫外線を照射している態様を示す図
【図11】電波モジュール本体が現行のナンバープレートに取付けられる態様を示す図
【図12】図3相当図
【図13】電池電圧と放電時間との関係が温度に依存する態様を示す図
【図14】本発明の第6の実施形態を示す機能ブロック図
【図15】生産時から顧客納入時まで表示情報が表示切替される態様を示す図
【図16】表示情報が表示切替される態様を示す図
【図17】図16相当図
【図18】図16相当図
【符号の説明】
【0136】
図面中、1は表示機能付き電波モジュール、2は電波モジュール本体、3は表示装置(表示手段)、12はベースプレート、26は電池、27は充電池、41は電子ナンバープレート、42はベースプレート、43は表示装置(表示手段)、51は表示機能付き電波モジュール、52は表示装置(表示手段)、54は現行のナンバープレート、61は表示装置(表示手段)、63は補助電池、71は表示機能付き電波モジュール、72は電波モジュール本体、73は表示装置(表示手段)、79は紫外線LED(物理状態切替手段)、83は紫外線遮断フィルム(紫外線遮断部材)、88はナンバープレート、91は電子ナンバープレート、92は表示装置(表示手段)、94は車両挙動信号入出力部(車両挙動状態取得手段)、95は外部通信機(外部通信手段)、96は路側機、97は車載通信機である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体と、
前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力を充放電する充電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力または前記電波モジュール本体の前記電池から前記充電池に充電されて前記充電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項2】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体と、
補助電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力または前記補助電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体の前記電池の残容量が閾値まで低下した場合に、前記電池の残容量が閾値まで低下する前の表示情報から前記電池の残容量が閾値まで低下した旨を表す表示情報に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項4】
請求項1または3に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が状態を切替えたことにより前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されなくなった場合に、前記電波モジュール本体の前記電池から前記充電池に充電されて前記充電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項5】
請求項2または3に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が状態を切替えたことにより前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されなくなった場合に、前記補助電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項6】
請求項4または5に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が前記表示手段から取外された場合に、前記電波モジュール本体が前記表示手段から取外される前の表示情報から前記電波モジュール本体が前記表示手段から取外された旨を表す表示情報に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、過去に運用を開始した後に同じ前記表示手段または別の前記表示手段から取外されて無効化された電波モジュール本体が前記表示手段に取付けられた場合に、表示情報を表示切替しないことを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記表示手段が現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートに取付け可能に構成され、前記電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある場合に、前記電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある場合に、前記電波モジュール本体に記憶されている車両情報のうち車両登録番号を表示情報として表示維持することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、現行のナンバープレートに刻印されている車両情報を隠さないように前記現行のナンバープレートに取付け可能に構成されていることを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項11】
現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートと、
前記ベースプレートに内蔵されている電池と、
前記ベースプレートに内蔵されて前記電池から供給されている電力を充放電する充電池と、
前記ベースプレートに内蔵されて前記電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体と、
表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記電池から供給されている電力または前記電池から前記充電池に充電されて前記充電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項12】
現行のナンバープレートと同等のサイズに形成されているベースプレートと、
前記ベースプレートに内蔵されている電池と、
前記ベースプレートに内蔵されている補助電池と、
前記ベースプレートに内蔵されて前記電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体と、
表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記電池から供給されている電力または前記補助電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項13】
請求項11または12に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、前記電池の残容量が閾値まで低下した場合に、前記電池の残容量が閾値まで低下する前の表示情報から前記電池の残容量が閾値まで低下した旨を表す表示情報に表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項14】
請求項11または12に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、車両から取外された場合に、車両から取外される前の表示情報から車両から取外された旨を表す表示情報に表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項15】
請求項11ないし14のいずれかに記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、過去に運用を開始した後に同じ前記車両または別の前記車両から取外されて無効化された後に前記車両に取付けられた場合に、表示情報を表示切替しないことを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項16】
請求項11ないし15のいずれかに記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある場合に、前記電波モジュール本体に記憶されている車両情報を表示情報として表示維持することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項17】
請求項16に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が正常通信可能な状態にある場合に、前記電波モジュール本体に記憶されている車両情報のうち車両登録番号を表示情報として表示維持することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項18】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体と、
前記電波モジュール本体に一体的に設けられ前記電波モジュール本体の前記電池から供給される電力を動作電力として物理状態を切替える物理状態切替手段と、
前記電波モジュール本体に一体的に設けられている表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項19】
請求項18に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体の前記電池の残容量が閾値まで低下した場合に、前記物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項20】
請求項18に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、前記電波モジュール本体がナンバープレートから取外された場合に、前記物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項21】
請求項18ないし20のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記物理状態切替手段は、前記電波モジュール本体が状態を切替えた内容に応じて物理状態を切替える程度を可変し、
前記表示手段は、前記物理状態切替手段が物理状態を切替える程度を可変することに連動して表示状態を表示切替する程度を可変することを特徴とする表示機能付き電波モジュール
【請求項22】
請求項18ないし21のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記物理状態切替手段は、物理状態を切替える動作として光を放出し、
前記表示手段は、前記物理状態切替手段から放出された光に反応して表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項23】
請求項22に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記表示手段は、その外側表面部に紫外線を遮断する紫外線遮断部材が設けられていることを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項24】
請求項18ないし21のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記物理状態切替手段は、物理状態を切替える動作として熱を放出し、
前記表示手段は、前記物理状態切替手段から放出された熱に反応して表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項25】
請求項18ないし21のいずれかに記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記物理状態切替手段は、物理状態を切替える動作として磁気を発生し、
前記表示手段は、前記物理状態切替手段から発生された磁気に反応して表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項26】
請求項3または19に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記電波モジュール本体の前記電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報を判定材料として判定することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項27】
請求項26に記載した表示機能付き電波モジュールにおいて、
前記電波モジュール本体の前記電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報に、電波モジュール本体が起動した回数、電波モジュール本体が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体が通信を中断(異常終了)した回数、電波モジュール本体が誤って起動した回数及び電波モジュール本体が起動した累積時間のうち少なくともいずれかをも判定材料として加えて判定することを特徴とする表示機能付き電波モジュール。
【請求項28】
請求項13に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報を判定材料として判定することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項29】
請求項28に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記電池の残容量が閾値まで低下したか否かを、電池の電圧情報及び周囲の温度情報に、電波モジュール本体が起動した回数、電波モジュール本体が正常に通信を完了した回数、電波モジュール本体が通信を中断(異常終了)した回数、電波モジュール本体が誤って起動した回数及び電波モジュール本体が起動した累積時間のうち少なくともいずれかをも判定材料として加えて判定することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項30】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力を充放電する充電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段を設け、前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記表示手段が前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力または前記電波モジュール本体の前記電池から前記充電池に充電されて前記充電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする電波モジュール本体の状態表示方法。
【請求項31】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、補助電池を備えると共に表示情報を表示切替するのに動作電力を要する一方で表示情報を表示維持するのに動作電力を要しない性質を有する表示手段を設け、前記電波モジュール本体の前記電池から前記表示手段に電力が供給されているときに前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記表示手段が前記電波モジュール本体の前記電池から供給されている電力または前記補助電池から供給されている電力を動作電力として前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を表示切替することを特徴とする電波モジュール本体の状態表示方法。
【請求項32】
筐体内に封止されている電池から供給されている電力を動作電力として動作する電波モジュール本体に、筐体内に封止されている電池から供給される電力を動作電力として物理状態を切替える物理状態切替手段と表示手段とを前記電波モジュール本体に一体的に設け、前記電波モジュール本体が状態を切替えた場合に、前記物理状態切替手段が物理状態を切替えたことに連動して前記表示手段が前記電波モジュール本体の状態を表す表示情報を不可逆に表示切替することを特徴とする電波モジュール本体の状態表示方法。
【請求項33】
表示情報を電子的に表示切替する表示手段を備えたことを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項34】
請求項33に記載した電子ナンバープレートにおいて、
車両の挙動状態を取得する車両挙動状態取得手段を備え、
前記表示手段は、前記車両挙動状態取得手段が取得した情報に基づいて表示情報を表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項35】
請求項33または34に記載した電子ナンバープレートにおいて、
路側に設置されている路側機との間で路車間通信したり他車両に搭載されている車載通信機との間で車々間通信したりする外部通信手段を備え、
前記表示手段は、前記外部通信手段が路側機及び車載通信機のうちいずれかから受信した情報に基づいて表示情報を表示切替することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項36】
請求項33ないし35のいずれかに記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、表示情報を表示切替するトリガが発生した時点で表示していた表示情報に新たな表示情報を重畳することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項37】
請求項36に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、表示情報を表示切替するトリガが発生した時点で表示していた表示情報の表示濃度を薄くまたは濃くすることを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項38】
請求項36または37に記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、新たな表示情報を点滅させることを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項39】
請求項36ないし38のいずれかに記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、新たな表示情報をスクロールさせることを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項40】
請求項33ないし38のいずれかに記載した電子ナンバープレートにおいて、
前記表示手段は、表示情報として字体及び絵柄のうち少なくともいずれかを表示することを特徴とする電子ナンバープレート。
【請求項41】
請求項33ないし40のいずれに記載した電子ナンバープレートを備えたことを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−94361(P2008−94361A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291283(P2006−291283)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】