表示用導光板及び表示用導光板を備えた表示装置
【課題】光が入射している導光板の表示情報をより鮮明に表示することができる表示用導光板及び前記表示用導光板を備えた表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の表示用導光板は、第1導光板20a及び第2導光板20bを互いに重ね合わせてなる。第2導光板20bの拡散溝30は、第1導光板20aに形成された拡散溝30に対して、水平方向に1ミリメートルずらして形成されているので、第1導光板20aの拡散溝30と第2導光板20bの拡散溝30は互いにそれぞれの拡散溝30の間に交互に位置されることになる。このように第1導光板20aに拡散溝30を形成することで、第2導光板20bから拡散された光が、第1導光板20aの拡散溝30に入射する可能性をより低減させることができる。
【解決手段】本発明の表示用導光板は、第1導光板20a及び第2導光板20bを互いに重ね合わせてなる。第2導光板20bの拡散溝30は、第1導光板20aに形成された拡散溝30に対して、水平方向に1ミリメートルずらして形成されているので、第1導光板20aの拡散溝30と第2導光板20bの拡散溝30は互いにそれぞれの拡散溝30の間に交互に位置されることになる。このように第1導光板20aに拡散溝30を形成することで、第2導光板20bから拡散された光が、第1導光板20aの拡散溝30に入射する可能性をより低減させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用導光板及び表示用導光板を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字、図形等の拡散ドットを有する複数の導光板を重ね合わせ、それぞれの導光板に対応して光源を取り付けた表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。この表示装置によれば、光源を切り替えることによって、それぞれの導光板のうちの1の文字、図形等の表示情報を表示することができる。これにより、同一表示装置において、光源を切り替えるのみで、異なる情報を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―299116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした文字、図形等の情報を表示する拡散ドットを有する導光板を複数枚重ねた場合、表裏に配置された各導光板の拡散ドットが重なっていると、裏面側の導光板の拡散ドットが表面側の導光板の拡散ドットに隠されて見えづらくなるという課題があった。また、光を入射した導光板から拡散された光が他の導光板の拡散ドットに入射して、表示したくない他の導光板の文字や図形をぼんやりと浮かび上がらせてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、光が入射している導光板の表示情報をより鮮明に表示することができる表示用導光板及び表示用導光板を備えた表示装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の表示用導光板は、表示情報を表すために裏面に配置され、前記表示情報の輪郭の内側に形成された複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットを有し、側面から入射した光を拡散させて主に表面から導出させて前記拡散ライン又は前記拡散ドットの前記表示情報を表示する導光板を複数備え、
前記導光板は、前記表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン又は前記拡散ドットが、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の前記拡散ライン又は前記拡散ドットと重なり合わないように直接又は空隙を開けて重ねて配置されていることを特徴とする。
【0008】
この表示用導光板は、表示情報の輪郭の内側に複数の拡散ライン又は複数の拡散ドット(以下、単に「拡散ライン等」ともいう。)を有し、この拡散ラインによって所望の表示情報を表示できる導光板を複数備えている。いずれかの導光板に側面から光を入射することによって、拡散ライン等で屈折し、光が入射された導光板の表示情報を表面側に表示することができる。本発明の表示用導光板は、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、表面側から視認した場合に、互いに重なり合わないように配置される。こうすることにより、表面側から視認した場合に表面側及び裏面側のそれぞれの拡散ライン等が重なり合っている場合と比較して、拡散ライン等によって拡散された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性を低減することができる。つまり、入射している導光板以外の導光板の表示情報を表示させる可能性を低減することができる。また、拡散ライン等は、一般的に、機械加工、レーザー加工、超音波加工等様々な加工方法で加工されるのであるが、拡散ライン等の底面は光の視認性を向上させるために粗面で形成されることが多い。従って、裏面側に配置された導光板の拡散ライン等からの光が表側の拡散ライン等と重なって視認しづらくなる。しかし、本発明の表示用導光板は、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、表面側から視認した場合に互いに重ならないように配置されているので、裏面側にある導光板の拡散ライン等が表面側の拡散ライン等に重なって見えづらくなることを防止することができる。ここで、本発明の「表示情報」とは、複数の拡散ライン等の組み合わせによって、文字、記号、図形、模様等を表現したものをいう。表示情報の「輪郭」とは、表示したい情報の外縁部をいう。「輪郭の内側に形成された拡散ライン又は複数の拡散ドット」は、あくまで表示したい表示情報の輪郭より内側に配置された拡散ライン等を指し、後述する輪郭溝を含まないとの意味である。また、必ずしも輪郭に溝がある必要はなく、あくまで表示情報として表現したい文字、記号、図形模様等の輪郭内に存在していればよいとの意である。「拡散ライン」とは、線状に形成された拡散領域をいい、例えば、溝状に形成された拡散溝や、スクリーン印刷によって形成された凸状の線状部分等が考えられる。拡散ドットとは、点状に形成された凹部や凸部をいう。
【0009】
本発明の表示用導光板において、前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットは、規則的に配置されていてもよい。規則的に配置された拡散ライン等とすることで、表面側の導光板の拡散ライン等又は裏面側の導光板の拡散ライン等のいずれかをすべて一定距離ずらして加工することで、表面側から視認した場合に、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、互い違いになるように配置される。すなわち、すべての表面側の導光板の拡散ライン等と裏面側の導光板の拡散ライン等とが互いに重ならないように配置される。このように規則的に配置された拡散ライン等とすることで、すべてが重なり合わない拡散ライン等を有する表示用導光板を容易に作製することができる。
【0010】
本発明の表示用導光板において、前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットの間隔は、前記拡散ラインの幅又は前記拡散ドットの幅よりも広く形成され、前記導光板は、表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン同士又は前記拡散ドット同士が離間して視認できるように配置されていてもよい。かかる構成を採用することによって、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等との間に離間した空白領域を設けることができる。これにより、空白領域が存在しない場合と比較して、光が入射された導光板の拡散ライン等から屈折された光が、多少広がるように拡散したとしても、隣り合う導光板に設けられた拡散ラインに入射する可能性をさらに低減することができる。つまり、入射している導光板以外の導光板の表示情報を表示させる可能性を低減することができる。また、仮に多少の拡散した入射光が隣り合う導光板の拡散ラインに入射したとしても空白領域があるので、光が入射された導光板の拡散ラインの境界は認識し易くなり、表示情報を明らかに認識し易くなる。また、空白領域が存在することによって、予定している視認方向(例えば、正面から見る方向)以外の方向から視認した場合でも、裏面側の拡散ライン等が、表面側の拡散ライン等によって隠される可能性を低減することができる。
【0011】
本発明の表示用導光板において、前記拡散ライン又は前記拡散ドットの周囲には、表示情報の輪郭を表す輪郭溝を有していてもよい。かかる構成を採用することによって、拡散ライン等で表示された表示情報の輪郭を明確に表示することできる。そのため、観る者に表示情報を理解させやすい表示用導光板とすることができる。
【0012】
本発明の表示用導光板において、表面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットが、表面側から視認した場合に、隣り合う裏面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットから導出された光が表面側に配置された前記導光板から導出する導出範囲以外の位置に配置されていてもよい。この表示用導光板は、裏面側に配置された導光板の拡散ライン等から屈曲された光が、表面側の導光板の表面から導出する導出範囲に拡散ライン等を設けないようにしたものである。こうすることによって、拡散ライン等によって拡散された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性をより低減することができる。また、裏面側の拡散ライン等が、表面側の拡散ライン等によって隠される可能性をより低減することができる。
【0013】
本発明の表示用導光板において、拡散ラインは、拡散溝からなるものであってもよい。拡散ラインとして拡散溝という手段を採用することによって、レーザー加工、機械加工等で加工することができ、容易に拡散ラインを作製することができる。
【0014】
本発明の表示装置は、上述したいずれかの表示用導光板と、複数の導光板に対応して側面から照射光を入射する複数のLED光源と、を備えた表示装置である。この表示装置によれば、上述したいずれかの表示用導光板を備えているので、上述の表示用導光板と同様の効果、例えば、拡散ライン等によって屈折された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性を低減することができるという効果を得ることができる。
【0015】
本発明の表示装置は、前記複数のLED光源は、前記複数のLED光源は、それぞれ明るさ又は色が異なるものであってもよい。かかる構成を採用することによって、各複数の導光板の表示情報毎に異なる印象を有する表示情報を与えることができる。
【0016】
本発明の表示装置は、表面にぼかしフィルターを備えていてもよい。係る構成を採用することによって、拡散ライン又は拡散ドットの個々の形状が強調されることなく、全体として一体感のある表示情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる表示用導光板10を構成する第1導光板20a及び第2導光板20bを離した状態を示す斜視図である。
【図3】図3aは、第1実施形態にかかる表示用導光板10の正面を表す正面図、図3bは、この正面図のA−A断面図及び図3cは、図3aのB部の拡大図である。
【図4】図4は、図3bのC部の拡大図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板の拡散溝30bを光らせた状態を示す模式図であり、図5aは、拡散溝30aと拡散溝30bとが重ならない状態を示す模式図であり、図5bは拡散溝30aと拡散溝30bとが重なった状態を示す模式図である。
【図6】図6は、図5bのD部の拡大図である。
【図7】図7a及び図7bは、それぞれ第1実施形態にかかる表示用導光板10の拡散溝30の別実施形態を示す正面図である。
【図8】図8は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の相対位置関係の別実施形態を示す断面図である。
【図9】図9a及び図9bは、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の相対位置関係の比較を示す断面図である。
【図10】図10a及び図10bは、それぞれ第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の断面形状の別実施形態を示す断面図である。
【図11】図11は、第1実施形態に係る表示用導光板において輪郭溝40を形成しない別実施形態を説明するための説明図である。
【図12】図12aは、第2実施形態における表示用導光板11を構成する第1導光板20a及び第2導光板20bを離した状態を示す斜視図であり、図12bは拡散ドット32の断面を示す拡大図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかる表示用導光板11の拡散ドット32の重なり状態を示す図である。
【図14】図14は、第3実施形態にかかる表示装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、上記で簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本発明の構成要素と本実施の形態の構成要素との対応関係を明らかにする。第1実施形態においては、本発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散溝30a及び拡散溝30bを使用し、「複数の導光板」として第1導光板20a及び第2導光板20bを使用した。第2実施形態においては、本発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散ドット32c及び拡散ドット32dを使用し、「複数の導光板」として第3導光板20c及び第4導光板20dを使用した。第3実施形態においては、発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散溝30a及び拡散溝30bを使用し、「複数の導光板」として第1導光板20a及び第2導光板20bを使用し、「LED光源」として、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bを使用した。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「表面」とは、表示用導光板が視認された場合に視認される側の面を指し、「裏面」とは、その反対側の面を指す。
【0019】
(第1実施形態)
図1から図4を用いて、第1実施形態にかかる表示用導光板10の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態である第1導光板20a及び第2導光板20bの構成の概略を示す斜視図であり、図2は、第1導光板20a及び第2導光板20bをそれぞれ離した状態を示す斜視図である。また、図3aは、表示用導光板10の正面を表す正面図、図3bはA−A断面図及び図3cはA−A断面図の拡大図をそれぞれ示している。図4は、図3bのA−A断面図の一部拡大図である。
【0020】
表示用導光板10は、図1に示すように、第1導光板20aと第2導光板20bを主として備えており、いずれかの導光板に光を入射することにより、入射された導光板の表示情報を表示する。
【0021】
第1導光板20aは、図2に示すように、それぞれ厚さが約4ミリメートルから約12ミリメートルであり、略直方体の板状に形成された高透過性を有するメタクリル樹脂製の板である。第1導光板20aは、それぞれ規則的に配置された複数の拡散溝30aと、この拡散溝30aの輪郭位置に設けられた輪郭溝40aと、が裏面に形成されている。そのため、第1導光板20aの側面から光が入射されると、複数の拡散溝30a及び輪郭溝40aで光が屈折し、主に表面から光が導出され、拡散溝30a及び輪郭溝40aを明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。複数の拡散溝30aは、第1導光板20aの裏面側に、全体として、文字、図形、記号及び模様等の表示情報が視認されるように形成される。第1実施形態においては、第1導光板20aには「指定席」と視認されるように拡散溝30aが形成される。
【0022】
拡散溝30aは、図3a及び図3bのA−A断面図に示すように、凹状に凹む溝であり、水平方向に等間隔に規則的な平行線となるように複数のレーザー加工痕によって表示情報の輪郭の内側に形成されている。拡散溝30aの幅は、0.5〜0.7ミリメートルに形成され、各拡散溝30a間の間隔は2ミリメートルピッチに設けられている。
【0023】
輪郭溝40aは、拡散溝30aで表示した表示情報の輪郭位置に設けられており、拡散溝30aと同様に複数のレーザー加工痕によって形成される。輪郭溝40aを形成することで、表示情報の輪郭を明らかにすることができる。
【0024】
拡散溝30a及び輪郭溝40aは、外周をレーザー加工した後に、溝の一端側から他端側まで直線状に複数回レーザー光を照射することにより、マイクロ単位の幅で形成される直線状のレーザー加工痕を連結して形成される。例えば、はしごのような形状や作図の際に用いられるハッチング形状と似たような形状が溝内部に形成され、溝内部に複数の平行なレーザー痕が形成され、最終的に溝全体が加工された幅0.5〜0.7ミリメートルの溝が形成される。なお、レーザー加工痕は、導光板への入射光に対して、交差するように設けることが好ましい。例えば、下方から光が入射される場合には、レーザー加工痕は複数の水平方向のハッチングか斜めのハッチングとなるように形成するとよい。光路とレーザー加工痕とが必ず交差することになり、レーザー加工痕を光の入射方向と平行に加工した場合と比較して、光がレーザー加工痕により屈折し易くなり、拡散溝30a及び輪郭溝40aをより明るく見せることができる。
【0025】
一方、第2導光板20bは、第1導光板20aと同様のメタクリル樹脂製の板を使用し、同様の方法で拡散溝30b及び輪郭溝40bが設けられる。但し、第2導光板20bの拡散溝30bは、「自由席」と視認されるように形成されており、かつ第1導光板20aの拡散溝30aに対して垂直方向に1ミリメートルずらして形成されている。尚、図中の拡散溝30、輪郭溝40の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
【0026】
以上のように作製された第1導光板20a及び第2導光板20bは、互いに重ね合わされて表示用導光板10となる。この際に、上述したように、第2導光板20bの拡散溝30bは、第1導光板20aに形成された拡散溝30aに対して、垂直方向に1ミリメートルずらして形成されているので、図3b及び図3cに示すように、拡散溝30aと拡散溝30bは、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散溝30a、30bの間に交互に配置されることになる。また、拡散溝30の幅は、0.5〜0.7ミリメートルに形成され、拡散溝30a同士又は拡散溝30b同士の間隔は、2ミリメートルピッチに設けられているので、互いの拡散溝30aと拡散溝30bとの間は離間しており、拡散溝30aと拡散溝30bとの間には、溝がない空白領域50が形成される。なお、この際に、図4に示すように、第1導光板20aの拡散溝30aは、前記表面側から視認した場合に、第2導光板20bの複数の拡散溝30bから導出された光が第1導光板20aから導出する導出範囲α以外の位置に配置するとよい。このように第1導光板20aに拡散溝30aを形成することで、第2導光板20bから拡散された光が、第1導光板20aの拡散溝30aに入射する可能性をより低減させることができ、観る者に対して拡散溝30bから出た光が拡散溝30aと重なって見えることを防止することができる。
【0027】
以上説明した第1実施形態による表示用導光板10によれば、例えば、裏面側にある第2導光板20bを表示させた場合に、図5aに示すように、第2導光板20bの拡散溝30bが第1導光板20aの拡散溝30aによって隠されることがなく、拡散溝30b全体が拡散溝30a以外の部分、すなわち、透明部分を介して視認することができる。そのため、第2導光板20bの拡散溝30bを良好に視認でき、表示情報を認識しやすい。なお、図5は、表示用導光板10の第2導光板20bに光を入射した場合の最も左側の文字の状況を模式的に表したものであり、光っている「自」の文字を塗りつぶしの黒色で便宜的に表したものである。なお、第2導光板20bの拡散溝30bと第1導光板20aの拡散溝30aとが同一位置にある状態を、参考として模式的に図5bに図示してある。この図5aと図5bを比較すれば、図5aの「自」の情報が視認しやすいことが確認できる。
【0028】
また、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとが互いに重なり合っていると、拡散溝30aを拡散した光が拡散溝30b内に一部が入射することによって、図6に示したように、第2導光板20bの拡散溝30bと同一の範囲とこの範囲からある程度広がった範囲までぼんやりと光ったように見える部分70が発生する。しかし、拡散溝30aと拡散溝30bとを、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散溝30a、30bの間に互い違いに配置することで、こうした状態が発生することを低減することができる。しかも第1実施形態においては、拡散溝30aと拡散溝30bの間は離間しており、溝がない空白領域50が形成されているので、第1導光板20aの拡散溝30aで屈曲した光が第2導光板20bの拡散溝30bに入射する可能性をさらに低減することができる。つまり、第1導光板20aの拡散溝30aがぼんやりと光る可能性を低減することができる。また、仮に拡散溝30aがぼんやり光ったとしても空白領域があるので、拡散溝30bの境界をはっきりと視認することができ、表示情報を認識しやすくすることができる。
【0029】
なお、上述した第1実施形態では、拡散溝30として水平方向の等間隔な平行線に形成したものを用いて説明したが、これに限定するものではなく、規則的に配置されていればよい。例えば、溝間の幅が1:2:3の割合で規則的に配置されるものであったりしても構わない。つまり、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとを一定距離ずらした場合に、それぞれの拡散溝30a、30bの全てが互い違いとなるように配置されるように規則的に配置されるものであればよい。こうした実施形態であっても同様の効果を有することができる。
【0030】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30として、水平方向の溝を使用して説明したが、これに限定するものではなく、図7aに示すように、垂直方向に形成した溝であってもよいし、図7bに示すように斜めに形成した溝であってもよい。入射させる光の方向によって、適宜最適な方向の拡散溝30を選択することができる。なお、図7a及び図7bの拡散溝30は「指」の文字のみ表し、その他の文字の拡散溝は省略してある。
【0031】
また、上述した第1実施形態では、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとの間に間隙が形成し、空白領域50を形成しているものとしたが、図8に示すように、必ずしもこの空白領域50を設けなくてよい。こうすることにより、空白領域50を設けた場合と比較すると、より幅の太い拡散溝30を設けたり、又はより間隔の狭い拡散溝30を形成したりすることができる。
【0032】
また、上述した第1実施形態では、正面から視認される表示用導光板10を使用して説明したが、視認される方向によって、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bの相対的な位置関係を変更することができる。例えば、表示用導光板10が高所に配置され、常に下方から見上げる状態で視認される状態で使用される場合には、図9aに示すように、水平方向から視認される場合に拡散溝30aと拡散溝30bとが重なり合わないように配置されていても、下方斜めから視認された場合に第2導光板20bの拡散溝30bで拡散された光が第1導光板20aの拡散溝30aに隠されてしまうことになる。こういう状況の場合には、図9bに示すように、下方から視認した状態で拡散溝30aと拡散溝30bが重なり合わないように配置することもできる。これにより、下方から視認した場合に同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30の断面形状として矩形の溝を用いて説明したが、これに限定するものではなく、例えば、断面弧状の溝を用いたり、表示用導光板10が高所に配置され、常に見上げた状態で視認される状況にある場合には、図10に示すように、光が下方に導出するように台形状の断面(図10a)又は三角形状の断面(図10b)を有する溝を使用したりしてもよい。
【0034】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30aの幅は、0.5〜0.7ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、拡散溝の幅は、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散溝30のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5ミリメートル、約2.0ミリメートル及び約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。ピッチを短くすれば、表示情報をより明らかに表現することができるという効果も有する。
【0035】
また、上述した第1実施形態では、輪郭溝40を形成するものとしているが、図11に示すように必ずしも輪郭溝40を形成しなくてもよい。輪郭溝40を形成しない場合は、拡散溝30のみとなるため、すべての溝が正面から見た場合に重ならないため、一定の明るさを有するきれいな表示情報を表示することができる。
【0036】
また、上述した第1実施形態では、拡散ラインとして拡散溝30用いて説明したが、拡散ラインとして、スクリーン印刷等により裏面側に盛り上がった(凸状)の拡散ラインを形成してもよい。かかる構成を採用しても同様の効果を得ることができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、図12及び図13を用いて、第2実施形態にかかる表示用導光板11の構成を詳しく説明する。ここで、図12aは、本発明の第2実施形態である第3導光板20c及び第4導光板20dの構成の概略を示す斜視図である。図12bは、拡散ドットの断面形状を説明する説明図である。なお、図12は、「自」「指」の文字以外の文字の拡散ドット32は省略されている。第2実施形態である表示用導光板11も、第1実施形態と同様に、第3導光板20c及び第4導光板20dの2枚の導光板を備えている。
【0038】
第3導光板20cは、規則的に配置された複数の拡散ドット32cと、この拡散ドット32cの輪郭位置に設けられた輪郭溝42cとが裏面側に形成されている。これら第3導光板20cの側面から光が入射されると、複数の拡散ドット32c及び輪郭溝42cで光が屈折し、主に表面から光が導出される。
【0039】
拡散ドット32cは、図12bに示すように、略四角錐形状に凹む凹部であり、四角錐の底面に相当する位置が第3導光板20cの裏面側に位置するように設けられている。第2実施形態においては、拡散ドット32cの各辺の長さが約0.6ミリメートル、深さが約0.4ミリメートルであり、隣り合う拡散ドット32c間のピッチが2.0ミリメートルとしている。
【0040】
拡散ドット32cは、先端面に拡散ドット32cを反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつ、マトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。すなわち、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加し、導光板の裏面に対して垂直に超音波加工用ホーンを押圧して、加工ドットの形状が反映された形状の拡散ドット32cを形成する。
【0041】
輪郭溝42cは、第1実施形態と同様にレーザー加工により加工される。なお、輪郭溝42cの深さは、拡散ドット32cの深さよりも浅くなるように形成するとよい(図12b参照)。かかる構成を採用することで、側面から入射した光の少なくとも一部は、輪郭溝42cで屈折されることなく拡散ドット32cまで到達することができ、輪郭溝42cの深さが拡散ドット32cの深さと同等か又は輪郭溝42cの深さが拡散ドット32cの深さより深い場合と比較して、拡散ドット32cで屈曲される光をより多くすることができる。
【0042】
一方、第4導光板20dは、第3導光板20cと同様のメタクリル樹脂製の板を使用し、同様の方法で拡散ドット32d及び輪郭溝42dが設けられる。但し、第4導光板20dの拡散ドット32dは、「自由席」と視認されるように拡散ドット32dが形成されており、かつ第3導光板20cの拡散ドット32cに対して、水平方向に1ミリメートル、垂直方向に1ミリメートルずらして形成される。尚、図中の拡散ドット32、輪郭溝42の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
【0043】
以上のように作製された第3導光板20c及び第4導光板20dは、互いに重ね合わされて表示用導光板11とされる。この際に、上述したように、第4導光板20dの拡散ドット32dは、第3導光板20cに形成された拡散ドット32cに対して、水平方向及び垂直方向に1ミリメートルずらして形成されているので、図13に示すように、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dは、正面から視認した場合に、それぞれの拡散ドット32が水平方向及び垂直方向のいずれの方向にも互い違いとなるように配置される。また、拡散ドット32の幅は、0.6ミリメートルに形成され、各拡散ドット32同士の間隔は、2ミリメートルピッチに設けられているので、互いの拡散ドット32cと拡散ドット32dの間は、離間しており、拡散ドット32がない空白領域51が形成される。
【0044】
以上説明した第2実施形態による表示用導光板11によれば、例えば、裏面側にある第4導光板20dを表示させた場合に、第4導光板20dの拡散ドット32dが第3導光板20cの拡散ドット32cによって隠されることがないため、第4導光板20dの拡散ドット32d全体が第3導光板20cの拡散ドット32c以外の部分、すなわち、透明部分を介して視認することができる。よって、第4導光板20dの表示情報を明確に判断することができる。
【0045】
また、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dとが互いに重なり合っていると、拡散ドット32cを拡散した光が拡散ドット32d内に一部が入射することによって、第4導光板20dの拡散ドット32dがぼんやりと光ったように見える可能性がある。しかし、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dを、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散ドット32の間に位置するように配置することで、こうした状態が発生するのを防止することができる。第2実施形態においても、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32d同士の間は、離間しており、拡散ドット32がない空白領域51が形成されているので、第3導光板20cの拡散ドット32cで屈曲した光が第4導光板20dの拡散ドット32dに入射する可能性をさらに低減することができる。
【0046】
上述した第2実施形態では、拡散ドット32の形状として略四角錐形状に凹む凹部としたが、これに限定するものではなく、半球状の凹部、円錐状の凹部等種々の形態を採用することができる。これによっても上述の効果と同様の効果を得ることができる。また、必ずしも凹部である必要はなく、スクリーン印刷等によって、拡散ドットを盛り上がるように(凸状)に形成してもよい。
【0047】
また、上述した第2実施形態では、拡散ドット32の各辺の長さが0.6ミリメートル、深さが0.4ミリメートルであるとしたが、これに限定されるものではなく、拡散ドット32の各辺の長さは、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。また、拡散ドット32の深さは、例えば、0.4ミリメートル〜0.8ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散ドット32間のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5ミリメートル、約2.0ミリメートル及び約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0048】
上述した第2実施形態では、同一形状の拡散ドット32を設けるものとしたが、拡散ドット32の形状及び大きさは、同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、光源から遠ざかるにつれて、拡散ドット32の各辺を徐々に長くしたり、拡散ドット32の深さを徐々に深くしたりしても良い。こうすれば、光源から近く光が強い位置では屈曲される光量が小さくなり、光源から遠ざかるにつれて屈曲される光量が大きくなるため、上述した実施形態の効果に加えて、拡散ドット32の明るさを均等に見せることができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第1実施形態にかかる表示用導光板10を使用した表示装置100について、図14を使用して詳細に説明する。ここで、図14は、表示装置100の構造の概略を示す斜視図である。表示装置100は、図14に示すように、表示用導光板10の左右側面及び上面を嵌め込むことができる枠体110と、表示用導光板10を底面側で支持する支持台120とを備えている。この支持台120の下面に複数のLED121からなる第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bの2つが設けられていて、この2つの第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bがそれぞれ第1導光板20a及び第2導光板20bに下側面に対応するように配置されており、それぞれの第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bの上方に第1導光板20a及び第2導光板20bの側面がそれぞれ位置するように、表示用導光板10が取り付けられる。なお、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bは、同一の光量を有するものとしてもよいし、異なる光量を有するものであってもよい。また、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bのそれぞれの発光色は同一であっても、異なっていても良い。表示用導光板10の最表面には、ぼかしフィルター130が貼り付けられる。このぼかしフィルター130は、第1導光板20a又は第2導光板20bの表示情報をぼかし、やわらかな印象にする効果があり、このぼかしフィルター130を組み合わせることで、第2導光板20bを表示する際に、第1導光板20aの拡散溝30aがぼんやりと光るという現象をさらに和らげて視認させることができる。そして、表示用導光板10の左右側面及び上面が枠体110で支持されて表示装置100とされる。
【0050】
この表示装置100は、図示しない電源より供給された電力によって第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bが切り替え可能に点灯することができる。第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bのいずれかが点灯すると、点灯した側の導光板の側面に光が入射される。例えば、第1LED照明具122aが点灯した場合には、第1導光板20aの側面に光が入射される。この光は拡散溝30及び輪郭溝40で屈曲され、第1導光板20aの表面側から導出され、第1導光板20aに形成された拡散溝30及び輪郭溝40の表示情報を表示することになる。この状態から第1LED照明具122aから第2LED照明具122bに切り替えることによって、第2導光板20bに光が入射して第2導光板20bに形成された拡散溝30b及び輪郭溝40bの表示情報を表示することができる。
【0051】
上述した第3実施形態では、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bを支持台120に設置するものとしたが、LED照明具を枠体110側の上面又は側面に設けてもよいし、第1LED照明具122aと第2LED照明具122bを別々の側面に配置しても構わない。
【0052】
なお、本発明は上述した第1実施形態〜第3実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0053】
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、導光板は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、2枚の導光板を使用する表示用導光板について説明したが、導光板の枚数は2枚に限定するものではなく、複数の導光板を使用していればよい。複数の導光板を使用した場合には、表面側又は裏面側に配置される導光板との関係において、上述した効果を有することになる。
【0055】
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、2枚の導光板を隙間なく直接接触するように重ねて配置しているものとしたが、それぞれの導光板は必ずしも接触している必要はなく、間隙を開けて配置してもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に照明用の表示用導光板として利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…表示用導光板、11…表示用導光板、20a…第1導光板、20b…第2導光板、20c…第3導光板、20d…第4導光板、30,30a,30b,32,32c,32d…拡散ドット、40,40a,40b,42,42c,42d…輪郭溝、50,51…空白領域、100…表示装置、110…枠体、120…支持台、121…LED、122a…第1LED照明具、122b…第2LED照明具、130…ぼかしフィルター
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用導光板及び表示用導光板を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字、図形等の拡散ドットを有する複数の導光板を重ね合わせ、それぞれの導光板に対応して光源を取り付けた表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。この表示装置によれば、光源を切り替えることによって、それぞれの導光板のうちの1の文字、図形等の表示情報を表示することができる。これにより、同一表示装置において、光源を切り替えるのみで、異なる情報を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―299116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした文字、図形等の情報を表示する拡散ドットを有する導光板を複数枚重ねた場合、表裏に配置された各導光板の拡散ドットが重なっていると、裏面側の導光板の拡散ドットが表面側の導光板の拡散ドットに隠されて見えづらくなるという課題があった。また、光を入射した導光板から拡散された光が他の導光板の拡散ドットに入射して、表示したくない他の導光板の文字や図形をぼんやりと浮かび上がらせてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、光が入射している導光板の表示情報をより鮮明に表示することができる表示用導光板及び表示用導光板を備えた表示装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の表示用導光板は、表示情報を表すために裏面に配置され、前記表示情報の輪郭の内側に形成された複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットを有し、側面から入射した光を拡散させて主に表面から導出させて前記拡散ライン又は前記拡散ドットの前記表示情報を表示する導光板を複数備え、
前記導光板は、前記表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン又は前記拡散ドットが、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の前記拡散ライン又は前記拡散ドットと重なり合わないように直接又は空隙を開けて重ねて配置されていることを特徴とする。
【0008】
この表示用導光板は、表示情報の輪郭の内側に複数の拡散ライン又は複数の拡散ドット(以下、単に「拡散ライン等」ともいう。)を有し、この拡散ラインによって所望の表示情報を表示できる導光板を複数備えている。いずれかの導光板に側面から光を入射することによって、拡散ライン等で屈折し、光が入射された導光板の表示情報を表面側に表示することができる。本発明の表示用導光板は、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、表面側から視認した場合に、互いに重なり合わないように配置される。こうすることにより、表面側から視認した場合に表面側及び裏面側のそれぞれの拡散ライン等が重なり合っている場合と比較して、拡散ライン等によって拡散された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性を低減することができる。つまり、入射している導光板以外の導光板の表示情報を表示させる可能性を低減することができる。また、拡散ライン等は、一般的に、機械加工、レーザー加工、超音波加工等様々な加工方法で加工されるのであるが、拡散ライン等の底面は光の視認性を向上させるために粗面で形成されることが多い。従って、裏面側に配置された導光板の拡散ライン等からの光が表側の拡散ライン等と重なって視認しづらくなる。しかし、本発明の表示用導光板は、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、表面側から視認した場合に互いに重ならないように配置されているので、裏面側にある導光板の拡散ライン等が表面側の拡散ライン等に重なって見えづらくなることを防止することができる。ここで、本発明の「表示情報」とは、複数の拡散ライン等の組み合わせによって、文字、記号、図形、模様等を表現したものをいう。表示情報の「輪郭」とは、表示したい情報の外縁部をいう。「輪郭の内側に形成された拡散ライン又は複数の拡散ドット」は、あくまで表示したい表示情報の輪郭より内側に配置された拡散ライン等を指し、後述する輪郭溝を含まないとの意味である。また、必ずしも輪郭に溝がある必要はなく、あくまで表示情報として表現したい文字、記号、図形模様等の輪郭内に存在していればよいとの意である。「拡散ライン」とは、線状に形成された拡散領域をいい、例えば、溝状に形成された拡散溝や、スクリーン印刷によって形成された凸状の線状部分等が考えられる。拡散ドットとは、点状に形成された凹部や凸部をいう。
【0009】
本発明の表示用導光板において、前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットは、規則的に配置されていてもよい。規則的に配置された拡散ライン等とすることで、表面側の導光板の拡散ライン等又は裏面側の導光板の拡散ライン等のいずれかをすべて一定距離ずらして加工することで、表面側から視認した場合に、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等とが、互い違いになるように配置される。すなわち、すべての表面側の導光板の拡散ライン等と裏面側の導光板の拡散ライン等とが互いに重ならないように配置される。このように規則的に配置された拡散ライン等とすることで、すべてが重なり合わない拡散ライン等を有する表示用導光板を容易に作製することができる。
【0010】
本発明の表示用導光板において、前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットの間隔は、前記拡散ラインの幅又は前記拡散ドットの幅よりも広く形成され、前記導光板は、表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン同士又は前記拡散ドット同士が離間して視認できるように配置されていてもよい。かかる構成を採用することによって、光が入射された導光板に設けられた拡散ライン等と、この導光板の表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板に設けられた拡散ライン等との間に離間した空白領域を設けることができる。これにより、空白領域が存在しない場合と比較して、光が入射された導光板の拡散ライン等から屈折された光が、多少広がるように拡散したとしても、隣り合う導光板に設けられた拡散ラインに入射する可能性をさらに低減することができる。つまり、入射している導光板以外の導光板の表示情報を表示させる可能性を低減することができる。また、仮に多少の拡散した入射光が隣り合う導光板の拡散ラインに入射したとしても空白領域があるので、光が入射された導光板の拡散ラインの境界は認識し易くなり、表示情報を明らかに認識し易くなる。また、空白領域が存在することによって、予定している視認方向(例えば、正面から見る方向)以外の方向から視認した場合でも、裏面側の拡散ライン等が、表面側の拡散ライン等によって隠される可能性を低減することができる。
【0011】
本発明の表示用導光板において、前記拡散ライン又は前記拡散ドットの周囲には、表示情報の輪郭を表す輪郭溝を有していてもよい。かかる構成を採用することによって、拡散ライン等で表示された表示情報の輪郭を明確に表示することできる。そのため、観る者に表示情報を理解させやすい表示用導光板とすることができる。
【0012】
本発明の表示用導光板において、表面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットが、表面側から視認した場合に、隣り合う裏面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットから導出された光が表面側に配置された前記導光板から導出する導出範囲以外の位置に配置されていてもよい。この表示用導光板は、裏面側に配置された導光板の拡散ライン等から屈曲された光が、表面側の導光板の表面から導出する導出範囲に拡散ライン等を設けないようにしたものである。こうすることによって、拡散ライン等によって拡散された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性をより低減することができる。また、裏面側の拡散ライン等が、表面側の拡散ライン等によって隠される可能性をより低減することができる。
【0013】
本発明の表示用導光板において、拡散ラインは、拡散溝からなるものであってもよい。拡散ラインとして拡散溝という手段を採用することによって、レーザー加工、機械加工等で加工することができ、容易に拡散ラインを作製することができる。
【0014】
本発明の表示装置は、上述したいずれかの表示用導光板と、複数の導光板に対応して側面から照射光を入射する複数のLED光源と、を備えた表示装置である。この表示装置によれば、上述したいずれかの表示用導光板を備えているので、上述の表示用導光板と同様の効果、例えば、拡散ライン等によって屈折された入射光が、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の拡散ライン等に入射する可能性を低減することができるという効果を得ることができる。
【0015】
本発明の表示装置は、前記複数のLED光源は、前記複数のLED光源は、それぞれ明るさ又は色が異なるものであってもよい。かかる構成を採用することによって、各複数の導光板の表示情報毎に異なる印象を有する表示情報を与えることができる。
【0016】
本発明の表示装置は、表面にぼかしフィルターを備えていてもよい。係る構成を採用することによって、拡散ライン又は拡散ドットの個々の形状が強調されることなく、全体として一体感のある表示情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかる表示用導光板10を構成する第1導光板20a及び第2導光板20bを離した状態を示す斜視図である。
【図3】図3aは、第1実施形態にかかる表示用導光板10の正面を表す正面図、図3bは、この正面図のA−A断面図及び図3cは、図3aのB部の拡大図である。
【図4】図4は、図3bのC部の拡大図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板の拡散溝30bを光らせた状態を示す模式図であり、図5aは、拡散溝30aと拡散溝30bとが重ならない状態を示す模式図であり、図5bは拡散溝30aと拡散溝30bとが重なった状態を示す模式図である。
【図6】図6は、図5bのD部の拡大図である。
【図7】図7a及び図7bは、それぞれ第1実施形態にかかる表示用導光板10の拡散溝30の別実施形態を示す正面図である。
【図8】図8は、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の相対位置関係の別実施形態を示す断面図である。
【図9】図9a及び図9bは、第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の相対位置関係の比較を示す断面図である。
【図10】図10a及び図10bは、それぞれ第1実施形態にかかる表示用導光板10の第1導光板20a及び第2導光板20bの拡散溝30の断面形状の別実施形態を示す断面図である。
【図11】図11は、第1実施形態に係る表示用導光板において輪郭溝40を形成しない別実施形態を説明するための説明図である。
【図12】図12aは、第2実施形態における表示用導光板11を構成する第1導光板20a及び第2導光板20bを離した状態を示す斜視図であり、図12bは拡散ドット32の断面を示す拡大図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかる表示用導光板11の拡散ドット32の重なり状態を示す図である。
【図14】図14は、第3実施形態にかかる表示装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、上記で簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本発明の構成要素と本実施の形態の構成要素との対応関係を明らかにする。第1実施形態においては、本発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散溝30a及び拡散溝30bを使用し、「複数の導光板」として第1導光板20a及び第2導光板20bを使用した。第2実施形態においては、本発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散ドット32c及び拡散ドット32dを使用し、「複数の導光板」として第3導光板20c及び第4導光板20dを使用した。第3実施形態においては、発明の「拡散ライン又は拡散ドット」として拡散溝30a及び拡散溝30bを使用し、「複数の導光板」として第1導光板20a及び第2導光板20bを使用し、「LED光源」として、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bを使用した。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「表面」とは、表示用導光板が視認された場合に視認される側の面を指し、「裏面」とは、その反対側の面を指す。
【0019】
(第1実施形態)
図1から図4を用いて、第1実施形態にかかる表示用導光板10の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態である第1導光板20a及び第2導光板20bの構成の概略を示す斜視図であり、図2は、第1導光板20a及び第2導光板20bをそれぞれ離した状態を示す斜視図である。また、図3aは、表示用導光板10の正面を表す正面図、図3bはA−A断面図及び図3cはA−A断面図の拡大図をそれぞれ示している。図4は、図3bのA−A断面図の一部拡大図である。
【0020】
表示用導光板10は、図1に示すように、第1導光板20aと第2導光板20bを主として備えており、いずれかの導光板に光を入射することにより、入射された導光板の表示情報を表示する。
【0021】
第1導光板20aは、図2に示すように、それぞれ厚さが約4ミリメートルから約12ミリメートルであり、略直方体の板状に形成された高透過性を有するメタクリル樹脂製の板である。第1導光板20aは、それぞれ規則的に配置された複数の拡散溝30aと、この拡散溝30aの輪郭位置に設けられた輪郭溝40aと、が裏面に形成されている。そのため、第1導光板20aの側面から光が入射されると、複数の拡散溝30a及び輪郭溝40aで光が屈折し、主に表面から光が導出され、拡散溝30a及び輪郭溝40aを明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。複数の拡散溝30aは、第1導光板20aの裏面側に、全体として、文字、図形、記号及び模様等の表示情報が視認されるように形成される。第1実施形態においては、第1導光板20aには「指定席」と視認されるように拡散溝30aが形成される。
【0022】
拡散溝30aは、図3a及び図3bのA−A断面図に示すように、凹状に凹む溝であり、水平方向に等間隔に規則的な平行線となるように複数のレーザー加工痕によって表示情報の輪郭の内側に形成されている。拡散溝30aの幅は、0.5〜0.7ミリメートルに形成され、各拡散溝30a間の間隔は2ミリメートルピッチに設けられている。
【0023】
輪郭溝40aは、拡散溝30aで表示した表示情報の輪郭位置に設けられており、拡散溝30aと同様に複数のレーザー加工痕によって形成される。輪郭溝40aを形成することで、表示情報の輪郭を明らかにすることができる。
【0024】
拡散溝30a及び輪郭溝40aは、外周をレーザー加工した後に、溝の一端側から他端側まで直線状に複数回レーザー光を照射することにより、マイクロ単位の幅で形成される直線状のレーザー加工痕を連結して形成される。例えば、はしごのような形状や作図の際に用いられるハッチング形状と似たような形状が溝内部に形成され、溝内部に複数の平行なレーザー痕が形成され、最終的に溝全体が加工された幅0.5〜0.7ミリメートルの溝が形成される。なお、レーザー加工痕は、導光板への入射光に対して、交差するように設けることが好ましい。例えば、下方から光が入射される場合には、レーザー加工痕は複数の水平方向のハッチングか斜めのハッチングとなるように形成するとよい。光路とレーザー加工痕とが必ず交差することになり、レーザー加工痕を光の入射方向と平行に加工した場合と比較して、光がレーザー加工痕により屈折し易くなり、拡散溝30a及び輪郭溝40aをより明るく見せることができる。
【0025】
一方、第2導光板20bは、第1導光板20aと同様のメタクリル樹脂製の板を使用し、同様の方法で拡散溝30b及び輪郭溝40bが設けられる。但し、第2導光板20bの拡散溝30bは、「自由席」と視認されるように形成されており、かつ第1導光板20aの拡散溝30aに対して垂直方向に1ミリメートルずらして形成されている。尚、図中の拡散溝30、輪郭溝40の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
【0026】
以上のように作製された第1導光板20a及び第2導光板20bは、互いに重ね合わされて表示用導光板10となる。この際に、上述したように、第2導光板20bの拡散溝30bは、第1導光板20aに形成された拡散溝30aに対して、垂直方向に1ミリメートルずらして形成されているので、図3b及び図3cに示すように、拡散溝30aと拡散溝30bは、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散溝30a、30bの間に交互に配置されることになる。また、拡散溝30の幅は、0.5〜0.7ミリメートルに形成され、拡散溝30a同士又は拡散溝30b同士の間隔は、2ミリメートルピッチに設けられているので、互いの拡散溝30aと拡散溝30bとの間は離間しており、拡散溝30aと拡散溝30bとの間には、溝がない空白領域50が形成される。なお、この際に、図4に示すように、第1導光板20aの拡散溝30aは、前記表面側から視認した場合に、第2導光板20bの複数の拡散溝30bから導出された光が第1導光板20aから導出する導出範囲α以外の位置に配置するとよい。このように第1導光板20aに拡散溝30aを形成することで、第2導光板20bから拡散された光が、第1導光板20aの拡散溝30aに入射する可能性をより低減させることができ、観る者に対して拡散溝30bから出た光が拡散溝30aと重なって見えることを防止することができる。
【0027】
以上説明した第1実施形態による表示用導光板10によれば、例えば、裏面側にある第2導光板20bを表示させた場合に、図5aに示すように、第2導光板20bの拡散溝30bが第1導光板20aの拡散溝30aによって隠されることがなく、拡散溝30b全体が拡散溝30a以外の部分、すなわち、透明部分を介して視認することができる。そのため、第2導光板20bの拡散溝30bを良好に視認でき、表示情報を認識しやすい。なお、図5は、表示用導光板10の第2導光板20bに光を入射した場合の最も左側の文字の状況を模式的に表したものであり、光っている「自」の文字を塗りつぶしの黒色で便宜的に表したものである。なお、第2導光板20bの拡散溝30bと第1導光板20aの拡散溝30aとが同一位置にある状態を、参考として模式的に図5bに図示してある。この図5aと図5bを比較すれば、図5aの「自」の情報が視認しやすいことが確認できる。
【0028】
また、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとが互いに重なり合っていると、拡散溝30aを拡散した光が拡散溝30b内に一部が入射することによって、図6に示したように、第2導光板20bの拡散溝30bと同一の範囲とこの範囲からある程度広がった範囲までぼんやりと光ったように見える部分70が発生する。しかし、拡散溝30aと拡散溝30bとを、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散溝30a、30bの間に互い違いに配置することで、こうした状態が発生することを低減することができる。しかも第1実施形態においては、拡散溝30aと拡散溝30bの間は離間しており、溝がない空白領域50が形成されているので、第1導光板20aの拡散溝30aで屈曲した光が第2導光板20bの拡散溝30bに入射する可能性をさらに低減することができる。つまり、第1導光板20aの拡散溝30aがぼんやりと光る可能性を低減することができる。また、仮に拡散溝30aがぼんやり光ったとしても空白領域があるので、拡散溝30bの境界をはっきりと視認することができ、表示情報を認識しやすくすることができる。
【0029】
なお、上述した第1実施形態では、拡散溝30として水平方向の等間隔な平行線に形成したものを用いて説明したが、これに限定するものではなく、規則的に配置されていればよい。例えば、溝間の幅が1:2:3の割合で規則的に配置されるものであったりしても構わない。つまり、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとを一定距離ずらした場合に、それぞれの拡散溝30a、30bの全てが互い違いとなるように配置されるように規則的に配置されるものであればよい。こうした実施形態であっても同様の効果を有することができる。
【0030】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30として、水平方向の溝を使用して説明したが、これに限定するものではなく、図7aに示すように、垂直方向に形成した溝であってもよいし、図7bに示すように斜めに形成した溝であってもよい。入射させる光の方向によって、適宜最適な方向の拡散溝30を選択することができる。なお、図7a及び図7bの拡散溝30は「指」の文字のみ表し、その他の文字の拡散溝は省略してある。
【0031】
また、上述した第1実施形態では、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bとの間に間隙が形成し、空白領域50を形成しているものとしたが、図8に示すように、必ずしもこの空白領域50を設けなくてよい。こうすることにより、空白領域50を設けた場合と比較すると、より幅の太い拡散溝30を設けたり、又はより間隔の狭い拡散溝30を形成したりすることができる。
【0032】
また、上述した第1実施形態では、正面から視認される表示用導光板10を使用して説明したが、視認される方向によって、第1導光板20aの拡散溝30aと第2導光板20bの拡散溝30bの相対的な位置関係を変更することができる。例えば、表示用導光板10が高所に配置され、常に下方から見上げる状態で視認される状態で使用される場合には、図9aに示すように、水平方向から視認される場合に拡散溝30aと拡散溝30bとが重なり合わないように配置されていても、下方斜めから視認された場合に第2導光板20bの拡散溝30bで拡散された光が第1導光板20aの拡散溝30aに隠されてしまうことになる。こういう状況の場合には、図9bに示すように、下方から視認した状態で拡散溝30aと拡散溝30bが重なり合わないように配置することもできる。これにより、下方から視認した場合に同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30の断面形状として矩形の溝を用いて説明したが、これに限定するものではなく、例えば、断面弧状の溝を用いたり、表示用導光板10が高所に配置され、常に見上げた状態で視認される状況にある場合には、図10に示すように、光が下方に導出するように台形状の断面(図10a)又は三角形状の断面(図10b)を有する溝を使用したりしてもよい。
【0034】
また、上述した第1実施形態では、拡散溝30aの幅は、0.5〜0.7ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、拡散溝の幅は、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散溝30のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5ミリメートル、約2.0ミリメートル及び約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。ピッチを短くすれば、表示情報をより明らかに表現することができるという効果も有する。
【0035】
また、上述した第1実施形態では、輪郭溝40を形成するものとしているが、図11に示すように必ずしも輪郭溝40を形成しなくてもよい。輪郭溝40を形成しない場合は、拡散溝30のみとなるため、すべての溝が正面から見た場合に重ならないため、一定の明るさを有するきれいな表示情報を表示することができる。
【0036】
また、上述した第1実施形態では、拡散ラインとして拡散溝30用いて説明したが、拡散ラインとして、スクリーン印刷等により裏面側に盛り上がった(凸状)の拡散ラインを形成してもよい。かかる構成を採用しても同様の効果を得ることができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、図12及び図13を用いて、第2実施形態にかかる表示用導光板11の構成を詳しく説明する。ここで、図12aは、本発明の第2実施形態である第3導光板20c及び第4導光板20dの構成の概略を示す斜視図である。図12bは、拡散ドットの断面形状を説明する説明図である。なお、図12は、「自」「指」の文字以外の文字の拡散ドット32は省略されている。第2実施形態である表示用導光板11も、第1実施形態と同様に、第3導光板20c及び第4導光板20dの2枚の導光板を備えている。
【0038】
第3導光板20cは、規則的に配置された複数の拡散ドット32cと、この拡散ドット32cの輪郭位置に設けられた輪郭溝42cとが裏面側に形成されている。これら第3導光板20cの側面から光が入射されると、複数の拡散ドット32c及び輪郭溝42cで光が屈折し、主に表面から光が導出される。
【0039】
拡散ドット32cは、図12bに示すように、略四角錐形状に凹む凹部であり、四角錐の底面に相当する位置が第3導光板20cの裏面側に位置するように設けられている。第2実施形態においては、拡散ドット32cの各辺の長さが約0.6ミリメートル、深さが約0.4ミリメートルであり、隣り合う拡散ドット32c間のピッチが2.0ミリメートルとしている。
【0040】
拡散ドット32cは、先端面に拡散ドット32cを反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつ、マトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。すなわち、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加し、導光板の裏面に対して垂直に超音波加工用ホーンを押圧して、加工ドットの形状が反映された形状の拡散ドット32cを形成する。
【0041】
輪郭溝42cは、第1実施形態と同様にレーザー加工により加工される。なお、輪郭溝42cの深さは、拡散ドット32cの深さよりも浅くなるように形成するとよい(図12b参照)。かかる構成を採用することで、側面から入射した光の少なくとも一部は、輪郭溝42cで屈折されることなく拡散ドット32cまで到達することができ、輪郭溝42cの深さが拡散ドット32cの深さと同等か又は輪郭溝42cの深さが拡散ドット32cの深さより深い場合と比較して、拡散ドット32cで屈曲される光をより多くすることができる。
【0042】
一方、第4導光板20dは、第3導光板20cと同様のメタクリル樹脂製の板を使用し、同様の方法で拡散ドット32d及び輪郭溝42dが設けられる。但し、第4導光板20dの拡散ドット32dは、「自由席」と視認されるように拡散ドット32dが形成されており、かつ第3導光板20cの拡散ドット32cに対して、水平方向に1ミリメートル、垂直方向に1ミリメートルずらして形成される。尚、図中の拡散ドット32、輪郭溝42の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
【0043】
以上のように作製された第3導光板20c及び第4導光板20dは、互いに重ね合わされて表示用導光板11とされる。この際に、上述したように、第4導光板20dの拡散ドット32dは、第3導光板20cに形成された拡散ドット32cに対して、水平方向及び垂直方向に1ミリメートルずらして形成されているので、図13に示すように、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dは、正面から視認した場合に、それぞれの拡散ドット32が水平方向及び垂直方向のいずれの方向にも互い違いとなるように配置される。また、拡散ドット32の幅は、0.6ミリメートルに形成され、各拡散ドット32同士の間隔は、2ミリメートルピッチに設けられているので、互いの拡散ドット32cと拡散ドット32dの間は、離間しており、拡散ドット32がない空白領域51が形成される。
【0044】
以上説明した第2実施形態による表示用導光板11によれば、例えば、裏面側にある第4導光板20dを表示させた場合に、第4導光板20dの拡散ドット32dが第3導光板20cの拡散ドット32cによって隠されることがないため、第4導光板20dの拡散ドット32d全体が第3導光板20cの拡散ドット32c以外の部分、すなわち、透明部分を介して視認することができる。よって、第4導光板20dの表示情報を明確に判断することができる。
【0045】
また、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dとが互いに重なり合っていると、拡散ドット32cを拡散した光が拡散ドット32d内に一部が入射することによって、第4導光板20dの拡散ドット32dがぼんやりと光ったように見える可能性がある。しかし、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32dを、正面から視認した場合に互いにそれぞれの拡散ドット32の間に位置するように配置することで、こうした状態が発生するのを防止することができる。第2実施形態においても、第3導光板20cの拡散ドット32cと第4導光板20dの拡散ドット32d同士の間は、離間しており、拡散ドット32がない空白領域51が形成されているので、第3導光板20cの拡散ドット32cで屈曲した光が第4導光板20dの拡散ドット32dに入射する可能性をさらに低減することができる。
【0046】
上述した第2実施形態では、拡散ドット32の形状として略四角錐形状に凹む凹部としたが、これに限定するものではなく、半球状の凹部、円錐状の凹部等種々の形態を採用することができる。これによっても上述の効果と同様の効果を得ることができる。また、必ずしも凹部である必要はなく、スクリーン印刷等によって、拡散ドットを盛り上がるように(凸状)に形成してもよい。
【0047】
また、上述した第2実施形態では、拡散ドット32の各辺の長さが0.6ミリメートル、深さが0.4ミリメートルであるとしたが、これに限定されるものではなく、拡散ドット32の各辺の長さは、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。また、拡散ドット32の深さは、例えば、0.4ミリメートル〜0.8ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散ドット32間のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5ミリメートル、約2.0ミリメートル及び約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0048】
上述した第2実施形態では、同一形状の拡散ドット32を設けるものとしたが、拡散ドット32の形状及び大きさは、同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、光源から遠ざかるにつれて、拡散ドット32の各辺を徐々に長くしたり、拡散ドット32の深さを徐々に深くしたりしても良い。こうすれば、光源から近く光が強い位置では屈曲される光量が小さくなり、光源から遠ざかるにつれて屈曲される光量が大きくなるため、上述した実施形態の効果に加えて、拡散ドット32の明るさを均等に見せることができる。
【0049】
(第3実施形態)
次に、第1実施形態にかかる表示用導光板10を使用した表示装置100について、図14を使用して詳細に説明する。ここで、図14は、表示装置100の構造の概略を示す斜視図である。表示装置100は、図14に示すように、表示用導光板10の左右側面及び上面を嵌め込むことができる枠体110と、表示用導光板10を底面側で支持する支持台120とを備えている。この支持台120の下面に複数のLED121からなる第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bの2つが設けられていて、この2つの第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bがそれぞれ第1導光板20a及び第2導光板20bに下側面に対応するように配置されており、それぞれの第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bの上方に第1導光板20a及び第2導光板20bの側面がそれぞれ位置するように、表示用導光板10が取り付けられる。なお、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bは、同一の光量を有するものとしてもよいし、異なる光量を有するものであってもよい。また、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bのそれぞれの発光色は同一であっても、異なっていても良い。表示用導光板10の最表面には、ぼかしフィルター130が貼り付けられる。このぼかしフィルター130は、第1導光板20a又は第2導光板20bの表示情報をぼかし、やわらかな印象にする効果があり、このぼかしフィルター130を組み合わせることで、第2導光板20bを表示する際に、第1導光板20aの拡散溝30aがぼんやりと光るという現象をさらに和らげて視認させることができる。そして、表示用導光板10の左右側面及び上面が枠体110で支持されて表示装置100とされる。
【0050】
この表示装置100は、図示しない電源より供給された電力によって第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bが切り替え可能に点灯することができる。第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bのいずれかが点灯すると、点灯した側の導光板の側面に光が入射される。例えば、第1LED照明具122aが点灯した場合には、第1導光板20aの側面に光が入射される。この光は拡散溝30及び輪郭溝40で屈曲され、第1導光板20aの表面側から導出され、第1導光板20aに形成された拡散溝30及び輪郭溝40の表示情報を表示することになる。この状態から第1LED照明具122aから第2LED照明具122bに切り替えることによって、第2導光板20bに光が入射して第2導光板20bに形成された拡散溝30b及び輪郭溝40bの表示情報を表示することができる。
【0051】
上述した第3実施形態では、第1LED照明具122a及び第2LED照明具122bを支持台120に設置するものとしたが、LED照明具を枠体110側の上面又は側面に設けてもよいし、第1LED照明具122aと第2LED照明具122bを別々の側面に配置しても構わない。
【0052】
なお、本発明は上述した第1実施形態〜第3実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0053】
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、導光板は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、2枚の導光板を使用する表示用導光板について説明したが、導光板の枚数は2枚に限定するものではなく、複数の導光板を使用していればよい。複数の導光板を使用した場合には、表面側又は裏面側に配置される導光板との関係において、上述した効果を有することになる。
【0055】
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、2枚の導光板を隙間なく直接接触するように重ねて配置しているものとしたが、それぞれの導光板は必ずしも接触している必要はなく、間隙を開けて配置してもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に照明用の表示用導光板として利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…表示用導光板、11…表示用導光板、20a…第1導光板、20b…第2導光板、20c…第3導光板、20d…第4導光板、30,30a,30b,32,32c,32d…拡散ドット、40,40a,40b,42,42c,42d…輪郭溝、50,51…空白領域、100…表示装置、110…枠体、120…支持台、121…LED、122a…第1LED照明具、122b…第2LED照明具、130…ぼかしフィルター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を表すために裏面に配置され、前記表示情報の輪郭の内側に形成された複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットを有し、側面から入射した光を拡散させて主に表面から導出させて前記拡散ライン又は前記拡散ドットの前記表示情報を表示する導光板を複数備え、
前記導光板は、前記表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン又は前記拡散ドットが、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の前記拡散ライン又は前記拡散ドットと重なり合わないように直接又は空隙を開けて重ねて配置されていることを特徴とする表示用導光板。
【請求項2】
前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットは、規則的に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の表示用導光板。
【請求項3】
前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットの間隔は、前記拡散ラインの幅又は前記拡散ドットの幅よりも広く形成され、
前記導光板は、表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン同士又は前記拡散ドット同士が離間して視認できるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示用導光板。
【請求項4】
前記拡散ライン又は前記拡散ドットの周囲には、表示情報の輪郭を表す輪郭溝を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項5】
表面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットが、表面側から視認した場合に、隣り合う裏面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットから導出された光が表面側に配置された前記導光板から導出する導出範囲以外の位置に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項6】
拡散ラインは、拡散溝からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の表示用導光板と、
前記複数の導光板に対応して、側面から照射光を入射する複数のLED光源と、
を備えた表示装置。
【請求項8】
前記複数のLED光源は、それぞれ明るさ又は色が異なることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の表示装置において、
表面にぼかしフィルターを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
表示情報を表すために裏面に配置され、前記表示情報の輪郭の内側に形成された複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットを有し、側面から入射した光を拡散させて主に表面から導出させて前記拡散ライン又は前記拡散ドットの前記表示情報を表示する導光板を複数備え、
前記導光板は、前記表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン又は前記拡散ドットが、表面側又は裏面側に配置された隣り合う導光板の前記拡散ライン又は前記拡散ドットと重なり合わないように直接又は空隙を開けて重ねて配置されていることを特徴とする表示用導光板。
【請求項2】
前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットは、規則的に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の表示用導光板。
【請求項3】
前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットの間隔は、前記拡散ラインの幅又は前記拡散ドットの幅よりも広く形成され、
前記導光板は、表面側から視認した場合に、前記導光板のすべての前記拡散ライン同士又は前記拡散ドット同士が離間して視認できるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示用導光板。
【請求項4】
前記拡散ライン又は前記拡散ドットの周囲には、表示情報の輪郭を表す輪郭溝を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項5】
表面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は前記複数の拡散ドットが、表面側から視認した場合に、隣り合う裏面側に配置された前記導光板の前記複数の拡散ライン又は複数の拡散ドットから導出された光が表面側に配置された前記導光板から導出する導出範囲以外の位置に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項6】
拡散ラインは、拡散溝からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示用導光板。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の表示用導光板と、
前記複数の導光板に対応して、側面から照射光を入射する複数のLED光源と、
を備えた表示装置。
【請求項8】
前記複数のLED光源は、それぞれ明るさ又は色が異なることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の表示装置において、
表面にぼかしフィルターを備えていることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−11768(P2013−11768A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144815(P2011−144815)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000127857)株式会社エス・ケー・ジー (105)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000127857)株式会社エス・ケー・ジー (105)
【Fターム(参考)】
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