表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラム
【課題】Mモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることで、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供する。
【解決手段】Mラインの位置情報を設定する位置情報設定部13と、Mラインの位置情報及び3次元画像データから2次元画像を生成する2次元画像生成部14と、2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部15と、Mラインの位置情報及び3次元画像データからMモード画像を生成するMモード画像生成部16と、3次元画像データから3次元画像を生成する3次元画像生成部17と、Mモード画像と3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部18とを備える。
【解決手段】Mラインの位置情報を設定する位置情報設定部13と、Mラインの位置情報及び3次元画像データから2次元画像を生成する2次元画像生成部14と、2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部15と、Mラインの位置情報及び3次元画像データからMモード画像を生成するMモード画像生成部16と、3次元画像データから3次元画像を生成する3次元画像生成部17と、Mモード画像と3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部18とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像診断装置は、超音波プローブに内蔵された超音波振動子から発生する超音波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射信号を超音波振動子により受信してモニタ(表示部)に表示する装置である。特に、心臓等の組織における超音波診断では、その機能を客観的かつ定量的に評価することが極めて重要であるとされ、その検査項目として心臓組織の運動機能、血流の速度や乱れ、心腔の面積や容積等の計測が行われる。
【0003】
表示方法としては、例えば、所定方向に超音波の送受信を繰り返し行い、このときに得られる組織からの反射信号から反射部位の位置の時間的変化の観測結果を表示する方法が挙げられる。この方法は、いわゆるMモード法であり、心臓の弁や壁等の動きを定量化して示す方法として利用される。このMモード法を採用する際に生成される画像がMモード画像であり、このMモード画像を介することで動きのある部位の動きを時系列で観察することができる。
【0004】
また、2次元画像上に任意に設定された線分(関心領域)に沿って、その部位における組織移動速度等の生体情報を抽出し、この生体情報の時間的変化を上述したMモード画像と同様な方法で表示する方法もある(以下の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−73287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
【0007】
すなわち、近年超音波プローブとして、例えば、Mecha4Dプローブや2DArrayプローブを使用することが可能な超音波画像診断装置が利用されつつある。このような超音波画像診断装置では、超音波プローブによって被検体の組織の3次元(以下、適宜「3D(3 dimensional)」と表わす。)データをリアルタイムで複数のボリューム取得することが可能である。このように取得されるデータは、3Dデータに時間の次元が追加されたデータであると言え、4次元画像データと表わすことができる。
【0008】
但し、これまでの超音波画像診断装置にて上述したようなMモード画像を表示させる方法では、当該画像が表示する場所の3次元的な位置把握が困難である。また、Mモード画像が表示される際には、併せて2次元(以下、適宜「2D(2 dimensional)」と表わす。)の画像上でMモード画像表示を行う方向を示すライン(以下、「Mライン」と表わす。)が表示される。但し、このMラインはあくまでも2D表示される画像(いわゆる「B画像」)上に表示されるだけであり、このMラインだけでは3次元的な位置把握が困難であることに変わりはない。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明の特徴は、表示画像生成装置において、表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を設定する位置情報設定部と、Mラインの位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、2次元画像生成部において生成された2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部とを備える。
【0011】
請求項6に記載の発明の特徴は、超音波画像診断装置であって、超音波の送受波を行う超音波振動子を備える超音波プローブと、超音波振動子を駆動して超音波ビームの送受信を行う超音波送受信部と、超音波送受信部が受信した画像データから3次元画像データを生成する3次元画像データ生成部と、3次元画像データ生成部において生成された3次元画像データを基に表示部に表示するための画像を生成する表示画像生成装置と、を備え、表示画像生成装置は、表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を備える位置情報設定部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、2次元画像生成部において生成された2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明の特徴は、超音波画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする表示画像生成プログラムにおいて、位置情報設定部が備える表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像生成部が2次元画像を生成するステップと、2次元画像生成部において生成された2次元画像と前記Mラインを示す画像とを基に、2次元画像−Mライン重畳部によって両画像を重畳して示す2次元重畳画像を生成するステップと、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像生成部によってMモード画像を生成するステップと、3次元画像データを基に3次元画像生成部によって3次元画像を生成するステップと、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを基に、Mモード画像−3次元画像重畳部によって両画像を重畳して示す3次元重畳画像を生成するステップとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における超音波画像診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施の形態における表示画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における表示画像である3次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における表示画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成及び高輝度ラインを示す画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における高輝度ラインを表示させるための準備画面の画面例である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における2次元重畳画像、高輝度ラインを示すMモード画像及び高輝度ラインの表示を含む3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1の全体構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1は、後述する表示画像生成装置内の各機能がその能力を発揮すべく、4次元画像データの収集、処理、表示が可能であることが前提とされる。
【0016】
超音波画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、超音波送受信部1jとが接続されている。この超音波送受信部1jには、例えば、Mecha4Dプローブや2DArrayプローブといった4次元画像データを収集することの可能な超音波プローブPが接続される。超音波プローブPは超音波の送受波を行う超音波振動子を備えており、超音波送受信部1jからの指示に基づきこの超音波振動子が駆動する。超音波プローブPが収集した被検体に関する4次元画像データは、超音波送受信部1jにて受信される。さらに、入出力インターフェイス1dを介して3次元画像データ生成部1k及び表示画像生成装置10も接続されている。
【0017】
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから超音波画像診断装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。
【0018】
さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、表示画像生成のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0019】
入力部1fは、超音波画像診断装置1の操作者(例えば、医師や検査技師)が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、超音波画像診断装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。
【0020】
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えば超音波プローブPを介して取得され生成された画像や撮影の際や画像処理を行う際の諸条件の設定を行うにあたって必要な画像等、或いはCPU1aの処理結果等を表示する。
【0021】
通信制御部1hは、LANカードやモデム等の手段であり、超音波画像診断装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0022】
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0023】
3次元画像データ生成部1kは、超音波プローブPが収集した被検体の内部情報に関するボリュームデータを基に3次元画像データを生成する。この3次元画像データを時系列に並べることで4次元画像データが生成される。この生成された3次元画像データは、いずれに記憶されていても良いが、本発明の実施の形態においては、超音波画像診断装置1の記憶部1iに記憶される。
【0024】
表示画像生成装置10は入出力インターフェイス1dに接続され、3次元画像データ生成部1kによって生成された3次元画像データを基に、2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像を生成する。
【0025】
なお、「2次元画像」とは、2次元空間に対応する画素を配置した画像データをいい、「3次元画像」とは、3次元空間に対応する画素(空間的な3軸方向に対応する画素)を配置した画像データをいう。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、表示画像生成装置10を超音波画像診断装置1に搭載した例を挙げて以下、説明を行う。但し、この表示画像生成装置10は、超音波画像診断装置1から独立して存在し、図示しない通信ネットワークを介して超音波画像診断装置1とは別の医用画像診断装置と接続されるようにされていても良い。この場合には、さらに表示画像生成装置10が例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムと組み合わされて用いられても良い。
【0027】
この通信ネットワークの例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
【0028】
また、本発明の実施の形態においては表示画像生成装置10が画像処理を行うが、その処理は表示画像生成装置10によってではなく、記憶部1iに格納されている表示画像生成プログラムを利用することで行うこともできる。この場合は、記憶部1iに格納されている表示画像生成プログラムがコンピュータ(CPU1a)に読み込まれ実行されることにより、表示画像生成装置が超音波画像診断装置1に実装されることになる。
【0029】
図2は、本発明の第1及び第2の実施の形態における表示画像生成装置10の内部構成を示すブロック図である。表示画像生成装置10は、受信部11と、画像生成制御部12と、位置情報設定部13と、2次元画像生成部14と、2次元画像−Mライン重畳部(図面では「2次元画像」を「2D画像」と表わす)15と、M画像生成部16(図面では「Mモード画像」を「M画像」と表わす)と、3次元画像生成部(図面では「3次元画像」を「3D画像」と表わす)17と、Mモード画像−3次元画像重畳部(図面では「M画像−3D画像重畳部」と表わす)18と、送信部19とから構成される。
【0030】
画像生成制御部12は、入力部1fからの画像生成に関する指示を受信し、各部における表示部1gに表示する画像の生成を制御する。位置情報設定部13は、表示部1gに表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を把握(記憶)している。Mラインに関する位置情報は2次元画像、Mモード画像、2次元画像とMラインとの重畳画像、3次元画像とMモード画像との重畳画像を生成する上で非常に重要な情報であることから、2次元画像生成部14、2次元画像−Mライン重畳部15、M画像生成部16、Mモード画像−3次元画像重畳部18の各部へその位置情報が送信される。
【0031】
2次元画像生成部14、M画像生成部16、3次元画像生成部17は、それぞれ2次元画像、Mモード画像、3次元画像を生成する。さらに2次元画像−Mライン重畳部15は、2次元画像とMラインとを重ねて(重畳して)表示される画像(以下、適宜「2次元重畳画像」と表わす)を生成する。Mモード画像−3次元画像重畳部18は、Mモード画像と3次元画像とMラインとを重ねて表示される画像(以下、適宜「3次元重畳画像」と表わす)を生成する。
【0032】
超音波画像診断装置1の表示部1gに表示される画像は、2次元画像−Mライン重畳画像、Mモード画像、及び3次元画像−Mライン重畳画像の3種類である。そこで以下、これら3種類の画像の生成の流れを説明するとともに、表示画像生成装置10を構成する各部の機能を併せて説明する。
【0033】
図3は、本発明の第1の実施の形態における表示画像である2次元画像−Mライン重畳画像(2次元重畳画像)の生成の流れを示すフローチャートである。図4は、本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成の流れを示すフローチャートである。さらに、図5は、本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像−3次元画像重畳画像(3次元重畳画像)の生成の流れを示すフローチャートである。
【0034】
2次元重畳画像とは、いわゆる「B/Mモード画像」と言われる画像である。この画像は、2次元で示されるB画像にMモード画像を表示する方向を示すライン(Mライン)を重畳して示した画像である。
【0035】
2次元重畳画像を生成するに当たっては、まず、2次元画像生成部14が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST1)。記憶部1i内には、上述したように、超音波プローブPが収集した被検体の内部情報に関するボリュームデータを基に3次元画像データ生成部1kが生成した3次元画像データが記憶されている。2次元画像生成部14は、この記憶部1i内に記憶されている3次元画像データを入手する。
【0036】
なお、超音波画像診断装置1にて超音波画像として診察対象となる部位によって、例えば、心臓弁や心室を診察する場合と胎児の心臓を診察する場合とでは使用される超音波プローブPの種類も異なる。従って、ボリュームデータは診察対象に合わせて適切な超音波プローブPを使用して適切な方法で収集される。但し、以下に説明する表示態様についてはいずれの収集方法を採用しても同じである。
【0037】
併せて2次元画像生成部14は、位置情報設定部13からMラインの位置情報を入手する(ST2)。2次元重畳画像として表示されることになる2次元画像は、後述するように、2次元画像−Mライン重畳部15にてMラインと重ね合わせられることから、その位置関係が2次元画像とMラインとで合致している必要がある。2D画像の表示位置とMラインの表示位置とがずれていては重ね合わせることができないからである。また、2次元画像とこの2次元画像と重畳して示されるMラインとがばらばらの位置関係のままでは、両者が重畳して表示されても実際にMモード画像として表示される位置をB/Mモード画像から把握することはできない。
【0038】
そこで、2次元画像生成部14では、Mラインが表示される位置を予め位置情報設定部13から入手して把握し、そのMラインの画像を重ねることができるような位置で2次元画像を生成する(ST3)。Mラインの表示位置を考慮して生成された2次元画像は、2次元画像−Mライン重畳部15に送られる。
【0039】
2次元画像−Mライン重畳部15には、位置情報設定部13から予めMラインの位置情報が送信されており、この位置情報を基にMラインの画像が生成される。そして、2次元画像−Mライン重畳部15においてMラインの画像と重ねられて、2次元重畳画像が生成される(ST4)。生成された2次元重畳画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。超音波画像診断装置1の表示部1gには、図6に示す画面例以外の要素も表示させることが可能であるが、ここでは本発明の実施の形態において必要となる領域のみを示している。画面例では、表示領域が上下2分割され、上部はさらに2分割され、合計3分割されている。2次元重畳画像は、上段左側の領域Bで示される領域に表示される。上述したように、2次元画像とMラインの画像とが重畳して示されており、Mラインが2次元画像(にて示される部位)上、どの位置にあるかが明瞭に示されている。
【0041】
次に、Mモード画像生成の流れである。図4のフローチャートに示すように、Mモード画像生成部16は、画像生成制御部12からMモード画像の生成指示と、超音波画像診断装置1の記憶部1iから3次元画像データを入手する(ST11)。Mモード画像は、B/Mモード画像、すなわち、2次元画像−Mライン重畳画像に示されるMラインの位置における組織の周期的な動きが波形で表示される画像である。従って、超音波プローブPを走査させて超音波画像診断装置1上に表示させる位置を示すMラインの位置情報は重要である。Mモード画像生成部16ではこのMラインの位置情報を入手し(ST12)、このMラインの位置情報を基にMモード画像を生成する(ST13)。生成されたMモード画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。生成されたMモード画像が表示されることで、例えば、操作者は表示対象となった部位の内膜を計測することが可能となる。
【0042】
図6に示す画面例では、Mモード画像は下段の領域Mに示されている。Mモード画像は、B領域のB/M画像に示されるMラインにおける組織の動きを時系列に表示している。従って、組織の動きが波形となって表わされる。図6に示すB/M画像では、Mラインは2次元画像に示す組織において線状に示される3カ所の位置における動きを示している。そのためMモード画像においては、3カ所それぞれに対応した波形が示されている。
【0043】
なお、表示部1gに表示される2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像は、それぞれ超音波プローブPから送信される最新の情報に基づいて順次更新されるが、特に超音波プローブPからの情報に基づいて最初にMモード画像が表示される際の表示方法については、次のいずれであっても良い。すなわち、Mモード画像は組織の動きを時系列に表示する画像であるため、2次元重畳画像が生成されたばかりで2次元重畳画像におけるMラインの位置が定まったばかりの時には、まだ表示するに十分な波形が取得できていない。
【0044】
そこで、Mモード画像の表示方法としては、M領域において時間の経過に従って順次波形を表示する方法を採用することができる。この方法では更新の度に、M領域内において、あたかも波形がB領域側からVM領域側へと伸びていくように表示される。また、或いは、Mモード画像としてM領域に表示されるに十分な波形を取得できた時点になって初めてM領域にMモード画像を表示させる方法も採用することができる。この方法の場合には、M領域に表示可能な分の波形が最初から一括して表示されることになる。いずれの方法を採用するかは任意に選択することが可能とされている。なお、一旦表示されたMモード画像は、超音波プローブPから送信される最新の情報に基づいて順次更新される。
【0045】
次に、3次元画像生成の流れである。3次元画像生成部17は画像生成制御部12からの指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST21)。3次元画像生成部17は、Mラインの画像及びMモード画像を重ねることができるように3次元画像を生成する(ST22)。
【0046】
生成された3次元画像は、Mモード画像−3次元画像重畳部18に送られる。Mモード画像−3次元画像重畳部18には、位置情報設定部13から予めMラインの位置情報が送信されており、この位置情報を基にMラインの画像が生成される。そして、Mモード画像−3次元画像重畳部18においてMモード画像、3次元画像と、及び、Mラインの画像とが重ねられて、3次元重畳画像が生成される(ST23)。生成された3次元重畳画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。
【0047】
図6に示す画面例では、3次元重畳画像は上段の右側、VM領域に示されている。図6では3次元重畳画像として表示される3次元画像の輪郭のみを示しているが、3次元画像生成部17において生成される3次元画像は、基本的に表示対象となる部位がそのまま3次元画像として表示される。また、図6のVMの領域に示される3次元重畳画像の輪郭は実線で示されているが、破線で示すことも可能である。3次元画像は、Mラインの位置を3次元的に把握するために重畳して示される画像であることから、操作者にとって把握しやすいように表示を切り替えることが可能である。
【0048】
また、3次元重畳画像においてMラインの画像に重畳させるMモード画像は、Mラインに対して直交する方向に時間軸を有する。従って、Mラインを起点としてMラインから離れる方向に表示対象となる部位の動きを示す波形が伸びるように表示される。Mモード画像は、Mラインを中心に360度自由に回転させて表示させることが可能であり、操作者が視認し易い位置で表示させることができる。なお、図6に示す画面例では、Mラインに対してMモード画像は傾けて表示させた例を示している。
【0049】
当然のことながら、B領域に示されているMラインはVM領域における3次元重畳画像上に示されるMラインと同一の位置を示している。また、VM領域の3次元重畳画像に示されているMモード画像は、M領域に示されるMモード画像と同一である。そのため、B領域及びM領域とともに、VM領域にMモード画像、3次元画像及び、Mラインの重畳した画像が表示されることによって、Mモード画像として表示されている位置を3次元画像上で容易に把握することができる。
【0050】
従って、表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0051】
なお、3次元重畳画像においては、3次元画像上にMラインが明瞭に表示されるように重畳処理される。このように表示するのは、上述したように、Mラインの位置を3次元画像上にて簡易に把握することができるようにするためである。そこで、Mモード画像−3次元画像重畳部18において3次元重畳画像を生成する際、3次元画像に含まれる様々な情報を考慮する。
【0052】
考慮される情報としてまず、不透明度の情報が考慮される。この不透明度の情報は、例えば、透明を「0」、不透明を「1」とし、不透明度の情報が0に近づけば近づくほどこの3次元画像は透明に表示される。従って、この場合、表示部1gには3次元画像が表示されていないように見えるように表示される(表示されてはいるが不透明度の情報から見えるようには表示されない)。一方、不透明度の情報が1に近づくと、それだけ3次元画像として明瞭に表示される。但しこのような場合、重畳画像として表示される、例えば、Mラインの画像については3次元画像に隠れるように表示されることになってしまう。
【0053】
そこで、3次元画像に重畳して表示される最も必要なMラインの画像を明瞭に表示するため、3次元画像の不透明度の情報を操作して、Mラインの位置が3次元画像上把握できるように表わす。3次元画像の不透明度の情報の操作は、Mモード画像−3次元画像重畳部18が3次元重畳画像を生成する際に行う。或いは、予めMラインの画像情報との関係で3次元画像の不透明度をある値に設定しておくこともできる。
【0054】
次にデプス情報も考慮する。この「デプス情報」は、重畳して表示される画像の奥行き方向の位置関係を示す情報である。3次元重畳画像は、3次元画像、Mモード画像及びMラインを示す画像の3種を重畳して示す画像である。3次元画像のデプス情報を考慮することで、これら3種の画像相互の位置関係が明確になることから、3次元画像におけるMラインの位置をより正確に把握することが可能となる。
【0055】
また、図6のVM領域に示す3次元重畳画像のMラインは垂直となるように示されている(その分、3次元画像とMモード画像とが傾いて示されている)とともに、VM領域内においてB領域側に偏る形で示されている。但し、このような表示も任意に変更することが可能であり、例えば、Mモード画像に表示されている波形をVM領域の上枠と平行となるように表示させることが可能である。この場合、MラインはB領域とVM領域とを隔てる枠に対して傾きをもって表示されることになる。
【0056】
さらには、Mラインの表示角度はそのままに、3次元重畳画像が表示されるVM領域の中央にMラインを固定させて表示することも可能である。すなわち、Mラインの表示方法に従って、3次元画像とMモード画像とを任意に回転、移動させて表示させることが可能である。
【0057】
さらには、3次元重畳画像上に、表示対象となった部位に対するデータ取得方向を表示させるために、例えば、プローブマーク等を重ねて表示させることも可能である。また、3次元重畳画像内に2次元画像生成部14において生成された2次元画像を重畳して示すように設定することも可能である。このような表示を行うことで、3次元的にMモード画像にて表示される表示対象の動きがどの3次元画像のどの部分に当たるのかを簡単に把握することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0059】
操作者によっては、表示対象となる部位によって複数のMラインを設定して表示させたい場合も考えられる。或いは、表示させたい領域のみを指定してその領域内におけるMモード画像や3次元重畳画像を表示させたい場合も考えられる。そこで第2の実施の形態においては、第1の実施の形態における説明に加えて、Mラインを複数指定した場合、或いは、Mラインに替わりMモード画像を表示させたい領域(以下、この領域を「関心領域」と表わす)を指定した場合の処理について説明する。
【0060】
図7は、本発明の第2の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。図8は、本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様(複数のMラインの場合)を示す画面例である。さらに図9は、本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様(関心領域の場合)を示す画面例である。
【0061】
第2の実施の形態においては、例えば、図8、図9に示されているように、B領域には、心臓弁を短軸で輪切りにしたように示される2次元重畳画像が示されている場合を例に挙げて説明する。図8に示す2次元重畳画像においては、複数のMラインが設定されている。図9に示す2次元重畳画像においては、表示される心臓弁の周囲を囲むように関心領域が設定されている。
【0062】
Mラインの設定に当たっては、操作者がその設定位置(設定領域)や設定本数を入力部1fを介して自由に設定することが可能である。なお、設定に際してはMラインの位置、或いは、関心領域の位置を設定することになるため、設定されたMラインや関心領域の位置情報については、位置情報設定部13が把握する。
【0063】
2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像の生成方法については、第1の実施の形態において説明した通りである。上述したように各重畳画像に示されるMラインが複数設定されているか、或いは、Mラインに替えて関心領域として領域設定がされているか、のみが第1の実施の形態において説明したことと相違する。従って、以下では2次元重畳画像の生成を例に挙げて説明する。
【0064】
操作者によってMラインが複数設定される場合、或いは、関心領域が設定される場合は、まず、位置情報設定部13がその設定情報を取得する(ST31)。すなわち、操作者が入力部1fを介して入力したMライン、或いは関心領域に関する設定情報は位置情報設定部13に記憶される。
【0065】
一方、関心領域の設定に当たっては、領域の設定がなされると、その領域内に自動的に複数枚のMモード画像の表示がなされるように設定されることになる。関心領域内にいくつのMモード画像の表示がなされるか、すなわち隣接するMモード画像間の間隔をどのように設定するかは、予め設定しておくことが可能である。或いは、関心領域の設定に合わせて適宜自由に隣接するMモード画像間の間隔を設定することにしても良い。図9のVMM領域の3次元重畳画像には、関心領域が設定された場合の3次元重畳画像が示されているが、この場合は関心領域として示される平面の中に4枚のMモード画像が等間隔となるよう表示されている。
【0066】
次に2次元画像生成部14が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST32)。併せて位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報を入手し(ST33)、それらの位置情報に基づいて2次元画像を生成する(ST34)。
【0067】
生成された2次元画像に関する画像情報は、2次元画像−Mライン重畳部15に送信される。2次元画像−Mライン重畳部15には、位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報が送信されている。そこで、複数のMライン、或いは、関心領域を示す画像と2次元画像とを重畳して1つの2次元重畳画像として生成する(ST35)。なお、図2においては、「2次元画像−Mライン重畳部」と表示されているが、関心領域が設定された場合にもこの「2次元画像−Mライン重畳部」において2次元重畳画像が生成される。
【0068】
このように、位置情報設定部13において把握された位置情報を基に、複数のMライン、或いは、関心領域において示されているMモード画像、3次元重畳画像が生成される。
【0069】
図8は、複数のMラインを設定した場合の画面例である。B領域における2次元重畳画像には複数(図8では3本)のMラインが表示されている。この設定されたMラインに併せてMモード画像も3枚MM領域に表示されている。VMM領域の3次元重畳画像には、3次元画像と複数のMライン、及びこのMラインに対応する複数のMモード画像(MM領域に表示されているMモード画像と同一)が表示されている。
【0070】
図9は、関心領域を設定した場合の画面例である。B領域に示されている心臓弁をその内部に含むように破線で示す関心領域が設定されている。この関心領域を3次元重畳画像で示すと、VMM領域に示されているような位置に該当する。図9に示す画面例では、3次元重畳画像として設定された関心領域内に4枚のMモード画像が表示されている。4枚示されているMモード画像のうち、前から2番目に表示されているMモード画像は、その輪郭が他のMモード画像とは異なり一点鎖線で示されている。これは、操作者が適宜選択したMモード画像であり、この選択されたMモード画像がMM領域の最前面に示される。
【0071】
なお、複数表示されるMモード画像のいずれを選択して表示させるかは、任意に行うことができる。また、選択されたMモード画像を強調して表示させることも可能である。強調表示の方法については、図9の3次元重畳画像に示すようにその輪郭を他のMモード画像と変えて表示させる他、選択されたMモード画像を点滅させる等、どのような方法が採用されても良い。
【0072】
以上の説明より、複数表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0073】
特に複数のMライン、或いは、関心領域を指定することで複数のMモード画像が一度に生成され、操作者が選択すればすぐに選択されたMモード画像がMM領域に表示される。このような表示を可能とすることで、操作者が表示対象、すなわち診察対象とする部位の全体の状態をすぐに把握することが可能となり、より一層の使い勝手の向上を提供することができる。
【0074】
また関心領域の指定は、複数のMラインの設定といった細かな操作を不要とするため、設定の煩雑さを排除して使い勝手の向上に寄与する。
【0075】
さらに複数のMモード画像を表示可能とすることで、マルチスライスすることによる効果、例えば、心臓弁の部分的な運動異常等を把握することが可能となる。そのため、例えば、弁の置換を部分的に行った場合等、術後の運動機能観察時等に利用することが可能となる。
【0076】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1または第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0077】
本発明の第3の実施の形態においては、Mモード画像を3次元的に表示させることを特徴とする。すなわち、そもそもMモード画像は、Mライン上の表示対象である部分の動きを時系列に表示するものであり、例えば図6のM領域に示されているように、縦軸を動きを表す軸、横軸を時間軸として、いわば2次元的に表示されている。このMモード画像を第2の実施の形態において説明したように複数のMライン或いは、関心領域の設定によって複数枚生成し、それらの波形を奥行き方向に連続して示すことにより、あたかも画面上3次元的に見えるように表示させるものである。
【0078】
図10は、本発明の第3の実施の形態における表示画像生成装置30の内部構成を示すブロック図である。表示画像生成装置30は、第1、及び第2の実施の形態において説明した表示画像生成装置10と基本的に同様の構成とされている。但し特徴的なのは、表示画像生成装置10の各構成に加えて高輝度ライン抽出・生成部31が設けられていることと、Mモード画像−3次元画像重畳部32の機能がMモード画像−3次元画像重畳部18の機能と一部相違する点である。
【0079】
高輝度ライン抽出・生成部31及び、Mモード画像−3次元画像重畳部32の機能については、図11に示すフローチャートを利用しつつ、本発明の第3の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成及び高輝度ラインを示す画像の生成の流れを説明する際に併せて説明する。
【0080】
まず位置情報設定部13において複数のMライン又は関心領域の指定に関する情報を入手する(ST41)。次にMモード画像生成部16が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST42)。併せて位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報を入手し(ST43)、それらの位置情報に基づいてMモード画像を生成する(ST44)。ここまでのMモード画像生成の流れは、第2の実施の形態において複数のMライン、或いは、関心領域の設定がなされた場合の画像生成の流れを2次元画像の生成を例に挙げて説明した通りである。
【0081】
複数のMライン、或いは、関心領域の設定がなされた場合のMモード画像の表示は、図8、或いは図9の画面例に示す通りである。設定された複数のMラインに合わせて、或いは、設定された関心領域内で予め設定されている間隔でMモード画像が表示される。このように表示されるMモード画像を3次元的に表示させるため、次に、高輝度ラインの抽出が行われる。
【0082】
高輝度ラインの抽出処理は、例えば、高輝度ライン抽出・生成部31内に予め設定されている閾値と比較することで行われる。輝度は、「0」ないし「255」までの256段階に分かれている。そこで、閾値として、例えば、「200」を採用し、200以上の輝度で表わされる波形を抽出する(ST45)。抽出された波形については、例えば、MM領域に示される該当する波形を強調して表示させる。強調表示の方法については、例えば、該当する波形を囲んだり、或いは、波形自体を点滅させる等、様々な方法を採用することができる。
【0083】
高輝度ラインの抽出処理については、また、次のような方法を採用することも可能である。抽出に当たり、まず高輝度ラインを抽出する範囲、対象を特定する。例えば、操作者によって高輝度ラインを抽出する範囲としてある領域が指定された場合、その領域に関する情報が位置情報設定部13に送信される。位置情報設定部13は、特定された抽出範囲を示す位置情報を2次元画像生成部14、及び2次元画像−Mライン重畳部15に送信し、この位置情報に基づいて2次元重畳画像が生成される。
【0084】
図12は、本発明の第3の実施の形態における高輝度ラインを表示させるための準備画面の画面例である。図12に示す画面例のB領域には破線で示される、Mモード画像の生成範囲を示す関心領域内に、2点鎖線で囲まれる高輝度ラインを抽出範囲が示されている。この2点鎖線で囲まれた領域の位置情報は上述したように位置情報設定部13にて把握されており、この位置情報を基にこの領域内の動きを示す波形の中から高輝度ラインが抽出される。
【0085】
高輝度ライン抽出・生成部31は、位置情報設定部13から送信される高輝度ラインの抽出範囲に関する位置情報と上述した輝度に関する閾値を基に、抽出範囲内における高輝度ラインを抽出する。抽出結果は、例えば、図12のMM領域に表示されるように、該当波形が抽出範囲を示す2点鎖線によって囲まれることで表示される。
【0086】
なお、高輝度ラインを抽出する範囲が設定されることによって、高輝度ライン抽出・生成部31は、表示部1gに表示される全てのMモード画像の中から該当する波形を抽出する。例えば、図12に示すMモード画像の場合、MM領域に示されているように最前列のMモード画像の最上段の波形が抽出されるとともに、関心領域内において生成された他のMモード画像の最上段の波形が抽出される。従って、例えば、最下段の波形が抽出された場合、関心領域内において生成された全てのMモード画像(図12では4枚のMモード画像が示されているがこの4枚全てのMモード画像)の最下段の波形が高輝度ラインとして抽出される。
【0087】
また、高輝度ラインの抽出範囲を設定する方法として、領域を指定する方法を説明したが、Mラインを設定することによって高輝度ラインを抽出する対象を設定することも可能である。
【0088】
高輝度ラインが抽出されると、複数のMモード画像における高輝度ラインを連結する(ST46)。図13は、本発明の第3の実施の形態における2次元重畳画像、高輝度ラインを示すMモード画像及び高輝度ラインの表示を含む3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【0089】
図13のM3D領域には、複数のMモード画像にて抽出された高輝度ラインをその山の部分において連結した画像が表示されている。これまで説明してきたように、Mモード画像は時間軸(図13では「T」で示される軸)ともう1つの軸(図13で示すY軸)の2つの軸で示される、いわば2次元的に表示される。これは対象となる表示箇所の動きを時系列で表示するためである。
【0090】
第3の実施の形態においては、このT軸及びY軸の他、両軸にそれぞれ直交する方向に伸ばされる軸(図13におけるX軸)を設け、抽出された高輝度ラインを互いに連結してX軸方向(画面上奥行き方向)に表示させることによって、いわばMモード画像を3次元的に表示させている。高輝度ラインとして抽出された波形の各山の部分をX軸方向に連結して表示させることによって、例えば、表示対象とされる部位において機能的に弱っているため振幅が小さくなっている場所を明示的に表示させることが可能となる。
【0091】
高輝度ライン抽出・生成部31によって生成されたMモード画像の3次元的な表示に関する情報は、Mモード画像−3次元画像重畳部32に送られ、3次元重畳画像として生成される(ST47)。生成された3次元重畳画像は、図13に示されるようにVM3D領域に表示される。
【0092】
以上の説明から、複数表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0093】
特に、超音波画像診断装置を利用して行われる診察で有用なMモード画像を、高輝度に表示される箇所を連結し、1つの時間軸とこの時間軸に互いに直交する2つの軸上に表示させ、あたかも3次元的な表示とすることによって、操作者がより一層簡易に注意箇所を発見することが可能となる。このような表示を行うことで、操作者の使い勝手の向上をさらに図ることができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 超音波画像診断装置
10 表示画像生成装置
11 受信部
12 画像生成制御部
13 位置情報設定部
14 2次元画像生成部
15 2次元画像−Mライン重畳部
16 Mモード画像生成部
17 3次元画像生成部
18 Mモード画像−3次元画像重畳部
19 送信部
31 高輝度ライン抽出・生成部
32 Mモード画像−3次元画像重畳部
B,M,MM,M3D,VM,VMM,VM3D 画像表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像診断装置は、超音波プローブに内蔵された超音波振動子から発生する超音波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射信号を超音波振動子により受信してモニタ(表示部)に表示する装置である。特に、心臓等の組織における超音波診断では、その機能を客観的かつ定量的に評価することが極めて重要であるとされ、その検査項目として心臓組織の運動機能、血流の速度や乱れ、心腔の面積や容積等の計測が行われる。
【0003】
表示方法としては、例えば、所定方向に超音波の送受信を繰り返し行い、このときに得られる組織からの反射信号から反射部位の位置の時間的変化の観測結果を表示する方法が挙げられる。この方法は、いわゆるMモード法であり、心臓の弁や壁等の動きを定量化して示す方法として利用される。このMモード法を採用する際に生成される画像がMモード画像であり、このMモード画像を介することで動きのある部位の動きを時系列で観察することができる。
【0004】
また、2次元画像上に任意に設定された線分(関心領域)に沿って、その部位における組織移動速度等の生体情報を抽出し、この生体情報の時間的変化を上述したMモード画像と同様な方法で表示する方法もある(以下の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−73287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1において開示されている発明では、次の点について配慮がなされていない。
【0007】
すなわち、近年超音波プローブとして、例えば、Mecha4Dプローブや2DArrayプローブを使用することが可能な超音波画像診断装置が利用されつつある。このような超音波画像診断装置では、超音波プローブによって被検体の組織の3次元(以下、適宜「3D(3 dimensional)」と表わす。)データをリアルタイムで複数のボリューム取得することが可能である。このように取得されるデータは、3Dデータに時間の次元が追加されたデータであると言え、4次元画像データと表わすことができる。
【0008】
但し、これまでの超音波画像診断装置にて上述したようなMモード画像を表示させる方法では、当該画像が表示する場所の3次元的な位置把握が困難である。また、Mモード画像が表示される際には、併せて2次元(以下、適宜「2D(2 dimensional)」と表わす。)の画像上でMモード画像表示を行う方向を示すライン(以下、「Mライン」と表わす。)が表示される。但し、このMラインはあくまでも2D表示される画像(いわゆる「B画像」)上に表示されるだけであり、このMラインだけでは3次元的な位置把握が困難であることに変わりはない。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明の特徴は、表示画像生成装置において、表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を設定する位置情報設定部と、Mラインの位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、2次元画像生成部において生成された2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部とを備える。
【0011】
請求項6に記載の発明の特徴は、超音波画像診断装置であって、超音波の送受波を行う超音波振動子を備える超音波プローブと、超音波振動子を駆動して超音波ビームの送受信を行う超音波送受信部と、超音波送受信部が受信した画像データから3次元画像データを生成する3次元画像データ生成部と、3次元画像データ生成部において生成された3次元画像データを基に表示部に表示するための画像を生成する表示画像生成装置と、を備え、表示画像生成装置は、表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を備える位置情報設定部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、2次元画像生成部において生成された2次元画像とMラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部とを備える。
【0012】
請求項7に記載の発明の特徴は、超音波画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする表示画像生成プログラムにおいて、位置情報設定部が備える表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像生成部が2次元画像を生成するステップと、2次元画像生成部において生成された2次元画像と前記Mラインを示す画像とを基に、2次元画像−Mライン重畳部によって両画像を重畳して示す2次元重畳画像を生成するステップと、Mラインの位置情報及び3次元画像データを基にMモード画像生成部によってMモード画像を生成するステップと、3次元画像データを基に3次元画像生成部によって3次元画像を生成するステップと、Mモード画像生成部において生成されたMモード画像と3次元画像生成部において生成された3次元画像とを基に、Mモード画像−3次元画像重畳部によって両画像を重畳して示す3次元重畳画像を生成するステップとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における超音波画像診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施の形態における表示画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における表示画像である3次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における表示画像生成装置の内部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成及び高輝度ラインを示す画像の生成の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における高輝度ラインを表示させるための準備画面の画面例である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における2次元重畳画像、高輝度ラインを示すMモード画像及び高輝度ラインの表示を含む3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1の全体構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態における超音波画像診断装置1は、後述する表示画像生成装置内の各機能がその能力を発揮すべく、4次元画像データの収集、処理、表示が可能であることが前提とされる。
【0016】
超音波画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、超音波送受信部1jとが接続されている。この超音波送受信部1jには、例えば、Mecha4Dプローブや2DArrayプローブといった4次元画像データを収集することの可能な超音波プローブPが接続される。超音波プローブPは超音波の送受波を行う超音波振動子を備えており、超音波送受信部1jからの指示に基づきこの超音波振動子が駆動する。超音波プローブPが収集した被検体に関する4次元画像データは、超音波送受信部1jにて受信される。さらに、入出力インターフェイス1dを介して3次元画像データ生成部1k及び表示画像生成装置10も接続されている。
【0017】
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから超音波画像診断装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。
【0018】
さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、表示画像生成のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0019】
入力部1fは、超音波画像診断装置1の操作者(例えば、医師や検査技師)が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、超音波画像診断装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。
【0020】
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えば超音波プローブPを介して取得され生成された画像や撮影の際や画像処理を行う際の諸条件の設定を行うにあたって必要な画像等、或いはCPU1aの処理結果等を表示する。
【0021】
通信制御部1hは、LANカードやモデム等の手段であり、超音波画像診断装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
【0022】
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
【0023】
3次元画像データ生成部1kは、超音波プローブPが収集した被検体の内部情報に関するボリュームデータを基に3次元画像データを生成する。この3次元画像データを時系列に並べることで4次元画像データが生成される。この生成された3次元画像データは、いずれに記憶されていても良いが、本発明の実施の形態においては、超音波画像診断装置1の記憶部1iに記憶される。
【0024】
表示画像生成装置10は入出力インターフェイス1dに接続され、3次元画像データ生成部1kによって生成された3次元画像データを基に、2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像を生成する。
【0025】
なお、「2次元画像」とは、2次元空間に対応する画素を配置した画像データをいい、「3次元画像」とは、3次元空間に対応する画素(空間的な3軸方向に対応する画素)を配置した画像データをいう。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、表示画像生成装置10を超音波画像診断装置1に搭載した例を挙げて以下、説明を行う。但し、この表示画像生成装置10は、超音波画像診断装置1から独立して存在し、図示しない通信ネットワークを介して超音波画像診断装置1とは別の医用画像診断装置と接続されるようにされていても良い。この場合には、さらに表示画像生成装置10が例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムと組み合わされて用いられても良い。
【0027】
この通信ネットワークの例としては、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークで使用される通信規格は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。
【0028】
また、本発明の実施の形態においては表示画像生成装置10が画像処理を行うが、その処理は表示画像生成装置10によってではなく、記憶部1iに格納されている表示画像生成プログラムを利用することで行うこともできる。この場合は、記憶部1iに格納されている表示画像生成プログラムがコンピュータ(CPU1a)に読み込まれ実行されることにより、表示画像生成装置が超音波画像診断装置1に実装されることになる。
【0029】
図2は、本発明の第1及び第2の実施の形態における表示画像生成装置10の内部構成を示すブロック図である。表示画像生成装置10は、受信部11と、画像生成制御部12と、位置情報設定部13と、2次元画像生成部14と、2次元画像−Mライン重畳部(図面では「2次元画像」を「2D画像」と表わす)15と、M画像生成部16(図面では「Mモード画像」を「M画像」と表わす)と、3次元画像生成部(図面では「3次元画像」を「3D画像」と表わす)17と、Mモード画像−3次元画像重畳部(図面では「M画像−3D画像重畳部」と表わす)18と、送信部19とから構成される。
【0030】
画像生成制御部12は、入力部1fからの画像生成に関する指示を受信し、各部における表示部1gに表示する画像の生成を制御する。位置情報設定部13は、表示部1gに表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を把握(記憶)している。Mラインに関する位置情報は2次元画像、Mモード画像、2次元画像とMラインとの重畳画像、3次元画像とMモード画像との重畳画像を生成する上で非常に重要な情報であることから、2次元画像生成部14、2次元画像−Mライン重畳部15、M画像生成部16、Mモード画像−3次元画像重畳部18の各部へその位置情報が送信される。
【0031】
2次元画像生成部14、M画像生成部16、3次元画像生成部17は、それぞれ2次元画像、Mモード画像、3次元画像を生成する。さらに2次元画像−Mライン重畳部15は、2次元画像とMラインとを重ねて(重畳して)表示される画像(以下、適宜「2次元重畳画像」と表わす)を生成する。Mモード画像−3次元画像重畳部18は、Mモード画像と3次元画像とMラインとを重ねて表示される画像(以下、適宜「3次元重畳画像」と表わす)を生成する。
【0032】
超音波画像診断装置1の表示部1gに表示される画像は、2次元画像−Mライン重畳画像、Mモード画像、及び3次元画像−Mライン重畳画像の3種類である。そこで以下、これら3種類の画像の生成の流れを説明するとともに、表示画像生成装置10を構成する各部の機能を併せて説明する。
【0033】
図3は、本発明の第1の実施の形態における表示画像である2次元画像−Mライン重畳画像(2次元重畳画像)の生成の流れを示すフローチャートである。図4は、本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成の流れを示すフローチャートである。さらに、図5は、本発明の第1の実施の形態における表示画像であるMモード画像−3次元画像重畳画像(3次元重畳画像)の生成の流れを示すフローチャートである。
【0034】
2次元重畳画像とは、いわゆる「B/Mモード画像」と言われる画像である。この画像は、2次元で示されるB画像にMモード画像を表示する方向を示すライン(Mライン)を重畳して示した画像である。
【0035】
2次元重畳画像を生成するに当たっては、まず、2次元画像生成部14が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST1)。記憶部1i内には、上述したように、超音波プローブPが収集した被検体の内部情報に関するボリュームデータを基に3次元画像データ生成部1kが生成した3次元画像データが記憶されている。2次元画像生成部14は、この記憶部1i内に記憶されている3次元画像データを入手する。
【0036】
なお、超音波画像診断装置1にて超音波画像として診察対象となる部位によって、例えば、心臓弁や心室を診察する場合と胎児の心臓を診察する場合とでは使用される超音波プローブPの種類も異なる。従って、ボリュームデータは診察対象に合わせて適切な超音波プローブPを使用して適切な方法で収集される。但し、以下に説明する表示態様についてはいずれの収集方法を採用しても同じである。
【0037】
併せて2次元画像生成部14は、位置情報設定部13からMラインの位置情報を入手する(ST2)。2次元重畳画像として表示されることになる2次元画像は、後述するように、2次元画像−Mライン重畳部15にてMラインと重ね合わせられることから、その位置関係が2次元画像とMラインとで合致している必要がある。2D画像の表示位置とMラインの表示位置とがずれていては重ね合わせることができないからである。また、2次元画像とこの2次元画像と重畳して示されるMラインとがばらばらの位置関係のままでは、両者が重畳して表示されても実際にMモード画像として表示される位置をB/Mモード画像から把握することはできない。
【0038】
そこで、2次元画像生成部14では、Mラインが表示される位置を予め位置情報設定部13から入手して把握し、そのMラインの画像を重ねることができるような位置で2次元画像を生成する(ST3)。Mラインの表示位置を考慮して生成された2次元画像は、2次元画像−Mライン重畳部15に送られる。
【0039】
2次元画像−Mライン重畳部15には、位置情報設定部13から予めMラインの位置情報が送信されており、この位置情報を基にMラインの画像が生成される。そして、2次元画像−Mライン重畳部15においてMラインの画像と重ねられて、2次元重畳画像が生成される(ST4)。生成された2次元重畳画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。超音波画像診断装置1の表示部1gには、図6に示す画面例以外の要素も表示させることが可能であるが、ここでは本発明の実施の形態において必要となる領域のみを示している。画面例では、表示領域が上下2分割され、上部はさらに2分割され、合計3分割されている。2次元重畳画像は、上段左側の領域Bで示される領域に表示される。上述したように、2次元画像とMラインの画像とが重畳して示されており、Mラインが2次元画像(にて示される部位)上、どの位置にあるかが明瞭に示されている。
【0041】
次に、Mモード画像生成の流れである。図4のフローチャートに示すように、Mモード画像生成部16は、画像生成制御部12からMモード画像の生成指示と、超音波画像診断装置1の記憶部1iから3次元画像データを入手する(ST11)。Mモード画像は、B/Mモード画像、すなわち、2次元画像−Mライン重畳画像に示されるMラインの位置における組織の周期的な動きが波形で表示される画像である。従って、超音波プローブPを走査させて超音波画像診断装置1上に表示させる位置を示すMラインの位置情報は重要である。Mモード画像生成部16ではこのMラインの位置情報を入手し(ST12)、このMラインの位置情報を基にMモード画像を生成する(ST13)。生成されたMモード画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。生成されたMモード画像が表示されることで、例えば、操作者は表示対象となった部位の内膜を計測することが可能となる。
【0042】
図6に示す画面例では、Mモード画像は下段の領域Mに示されている。Mモード画像は、B領域のB/M画像に示されるMラインにおける組織の動きを時系列に表示している。従って、組織の動きが波形となって表わされる。図6に示すB/M画像では、Mラインは2次元画像に示す組織において線状に示される3カ所の位置における動きを示している。そのためMモード画像においては、3カ所それぞれに対応した波形が示されている。
【0043】
なお、表示部1gに表示される2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像は、それぞれ超音波プローブPから送信される最新の情報に基づいて順次更新されるが、特に超音波プローブPからの情報に基づいて最初にMモード画像が表示される際の表示方法については、次のいずれであっても良い。すなわち、Mモード画像は組織の動きを時系列に表示する画像であるため、2次元重畳画像が生成されたばかりで2次元重畳画像におけるMラインの位置が定まったばかりの時には、まだ表示するに十分な波形が取得できていない。
【0044】
そこで、Mモード画像の表示方法としては、M領域において時間の経過に従って順次波形を表示する方法を採用することができる。この方法では更新の度に、M領域内において、あたかも波形がB領域側からVM領域側へと伸びていくように表示される。また、或いは、Mモード画像としてM領域に表示されるに十分な波形を取得できた時点になって初めてM領域にMモード画像を表示させる方法も採用することができる。この方法の場合には、M領域に表示可能な分の波形が最初から一括して表示されることになる。いずれの方法を採用するかは任意に選択することが可能とされている。なお、一旦表示されたMモード画像は、超音波プローブPから送信される最新の情報に基づいて順次更新される。
【0045】
次に、3次元画像生成の流れである。3次元画像生成部17は画像生成制御部12からの指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST21)。3次元画像生成部17は、Mラインの画像及びMモード画像を重ねることができるように3次元画像を生成する(ST22)。
【0046】
生成された3次元画像は、Mモード画像−3次元画像重畳部18に送られる。Mモード画像−3次元画像重畳部18には、位置情報設定部13から予めMラインの位置情報が送信されており、この位置情報を基にMラインの画像が生成される。そして、Mモード画像−3次元画像重畳部18においてMモード画像、3次元画像と、及び、Mラインの画像とが重ねられて、3次元重畳画像が生成される(ST23)。生成された3次元重畳画像は、送信部19を介して表示部1gに表示される。
【0047】
図6に示す画面例では、3次元重畳画像は上段の右側、VM領域に示されている。図6では3次元重畳画像として表示される3次元画像の輪郭のみを示しているが、3次元画像生成部17において生成される3次元画像は、基本的に表示対象となる部位がそのまま3次元画像として表示される。また、図6のVMの領域に示される3次元重畳画像の輪郭は実線で示されているが、破線で示すことも可能である。3次元画像は、Mラインの位置を3次元的に把握するために重畳して示される画像であることから、操作者にとって把握しやすいように表示を切り替えることが可能である。
【0048】
また、3次元重畳画像においてMラインの画像に重畳させるMモード画像は、Mラインに対して直交する方向に時間軸を有する。従って、Mラインを起点としてMラインから離れる方向に表示対象となる部位の動きを示す波形が伸びるように表示される。Mモード画像は、Mラインを中心に360度自由に回転させて表示させることが可能であり、操作者が視認し易い位置で表示させることができる。なお、図6に示す画面例では、Mラインに対してMモード画像は傾けて表示させた例を示している。
【0049】
当然のことながら、B領域に示されているMラインはVM領域における3次元重畳画像上に示されるMラインと同一の位置を示している。また、VM領域の3次元重畳画像に示されているMモード画像は、M領域に示されるMモード画像と同一である。そのため、B領域及びM領域とともに、VM領域にMモード画像、3次元画像及び、Mラインの重畳した画像が表示されることによって、Mモード画像として表示されている位置を3次元画像上で容易に把握することができる。
【0050】
従って、表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0051】
なお、3次元重畳画像においては、3次元画像上にMラインが明瞭に表示されるように重畳処理される。このように表示するのは、上述したように、Mラインの位置を3次元画像上にて簡易に把握することができるようにするためである。そこで、Mモード画像−3次元画像重畳部18において3次元重畳画像を生成する際、3次元画像に含まれる様々な情報を考慮する。
【0052】
考慮される情報としてまず、不透明度の情報が考慮される。この不透明度の情報は、例えば、透明を「0」、不透明を「1」とし、不透明度の情報が0に近づけば近づくほどこの3次元画像は透明に表示される。従って、この場合、表示部1gには3次元画像が表示されていないように見えるように表示される(表示されてはいるが不透明度の情報から見えるようには表示されない)。一方、不透明度の情報が1に近づくと、それだけ3次元画像として明瞭に表示される。但しこのような場合、重畳画像として表示される、例えば、Mラインの画像については3次元画像に隠れるように表示されることになってしまう。
【0053】
そこで、3次元画像に重畳して表示される最も必要なMラインの画像を明瞭に表示するため、3次元画像の不透明度の情報を操作して、Mラインの位置が3次元画像上把握できるように表わす。3次元画像の不透明度の情報の操作は、Mモード画像−3次元画像重畳部18が3次元重畳画像を生成する際に行う。或いは、予めMラインの画像情報との関係で3次元画像の不透明度をある値に設定しておくこともできる。
【0054】
次にデプス情報も考慮する。この「デプス情報」は、重畳して表示される画像の奥行き方向の位置関係を示す情報である。3次元重畳画像は、3次元画像、Mモード画像及びMラインを示す画像の3種を重畳して示す画像である。3次元画像のデプス情報を考慮することで、これら3種の画像相互の位置関係が明確になることから、3次元画像におけるMラインの位置をより正確に把握することが可能となる。
【0055】
また、図6のVM領域に示す3次元重畳画像のMラインは垂直となるように示されている(その分、3次元画像とMモード画像とが傾いて示されている)とともに、VM領域内においてB領域側に偏る形で示されている。但し、このような表示も任意に変更することが可能であり、例えば、Mモード画像に表示されている波形をVM領域の上枠と平行となるように表示させることが可能である。この場合、MラインはB領域とVM領域とを隔てる枠に対して傾きをもって表示されることになる。
【0056】
さらには、Mラインの表示角度はそのままに、3次元重畳画像が表示されるVM領域の中央にMラインを固定させて表示することも可能である。すなわち、Mラインの表示方法に従って、3次元画像とMモード画像とを任意に回転、移動させて表示させることが可能である。
【0057】
さらには、3次元重畳画像上に、表示対象となった部位に対するデータ取得方向を表示させるために、例えば、プローブマーク等を重ねて表示させることも可能である。また、3次元重畳画像内に2次元画像生成部14において生成された2次元画像を重畳して示すように設定することも可能である。このような表示を行うことで、3次元的にMモード画像にて表示される表示対象の動きがどの3次元画像のどの部分に当たるのかを簡単に把握することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0059】
操作者によっては、表示対象となる部位によって複数のMラインを設定して表示させたい場合も考えられる。或いは、表示させたい領域のみを指定してその領域内におけるMモード画像や3次元重畳画像を表示させたい場合も考えられる。そこで第2の実施の形態においては、第1の実施の形態における説明に加えて、Mラインを複数指定した場合、或いは、Mラインに替わりMモード画像を表示させたい領域(以下、この領域を「関心領域」と表わす)を指定した場合の処理について説明する。
【0060】
図7は、本発明の第2の実施の形態における表示画像である2次元重畳画像の生成の流れを示すフローチャートである。図8は、本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様(複数のMラインの場合)を示す画面例である。さらに図9は、本発明の第2の実施の形態における2次元重畳画像、Mモード画像及び3次元重畳画像の表示態様(関心領域の場合)を示す画面例である。
【0061】
第2の実施の形態においては、例えば、図8、図9に示されているように、B領域には、心臓弁を短軸で輪切りにしたように示される2次元重畳画像が示されている場合を例に挙げて説明する。図8に示す2次元重畳画像においては、複数のMラインが設定されている。図9に示す2次元重畳画像においては、表示される心臓弁の周囲を囲むように関心領域が設定されている。
【0062】
Mラインの設定に当たっては、操作者がその設定位置(設定領域)や設定本数を入力部1fを介して自由に設定することが可能である。なお、設定に際してはMラインの位置、或いは、関心領域の位置を設定することになるため、設定されたMラインや関心領域の位置情報については、位置情報設定部13が把握する。
【0063】
2次元重畳画像、Mモード画像、及び3次元重畳画像の生成方法については、第1の実施の形態において説明した通りである。上述したように各重畳画像に示されるMラインが複数設定されているか、或いは、Mラインに替えて関心領域として領域設定がされているか、のみが第1の実施の形態において説明したことと相違する。従って、以下では2次元重畳画像の生成を例に挙げて説明する。
【0064】
操作者によってMラインが複数設定される場合、或いは、関心領域が設定される場合は、まず、位置情報設定部13がその設定情報を取得する(ST31)。すなわち、操作者が入力部1fを介して入力したMライン、或いは関心領域に関する設定情報は位置情報設定部13に記憶される。
【0065】
一方、関心領域の設定に当たっては、領域の設定がなされると、その領域内に自動的に複数枚のMモード画像の表示がなされるように設定されることになる。関心領域内にいくつのMモード画像の表示がなされるか、すなわち隣接するMモード画像間の間隔をどのように設定するかは、予め設定しておくことが可能である。或いは、関心領域の設定に合わせて適宜自由に隣接するMモード画像間の間隔を設定することにしても良い。図9のVMM領域の3次元重畳画像には、関心領域が設定された場合の3次元重畳画像が示されているが、この場合は関心領域として示される平面の中に4枚のMモード画像が等間隔となるよう表示されている。
【0066】
次に2次元画像生成部14が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST32)。併せて位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報を入手し(ST33)、それらの位置情報に基づいて2次元画像を生成する(ST34)。
【0067】
生成された2次元画像に関する画像情報は、2次元画像−Mライン重畳部15に送信される。2次元画像−Mライン重畳部15には、位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報が送信されている。そこで、複数のMライン、或いは、関心領域を示す画像と2次元画像とを重畳して1つの2次元重畳画像として生成する(ST35)。なお、図2においては、「2次元画像−Mライン重畳部」と表示されているが、関心領域が設定された場合にもこの「2次元画像−Mライン重畳部」において2次元重畳画像が生成される。
【0068】
このように、位置情報設定部13において把握された位置情報を基に、複数のMライン、或いは、関心領域において示されているMモード画像、3次元重畳画像が生成される。
【0069】
図8は、複数のMラインを設定した場合の画面例である。B領域における2次元重畳画像には複数(図8では3本)のMラインが表示されている。この設定されたMラインに併せてMモード画像も3枚MM領域に表示されている。VMM領域の3次元重畳画像には、3次元画像と複数のMライン、及びこのMラインに対応する複数のMモード画像(MM領域に表示されているMモード画像と同一)が表示されている。
【0070】
図9は、関心領域を設定した場合の画面例である。B領域に示されている心臓弁をその内部に含むように破線で示す関心領域が設定されている。この関心領域を3次元重畳画像で示すと、VMM領域に示されているような位置に該当する。図9に示す画面例では、3次元重畳画像として設定された関心領域内に4枚のMモード画像が表示されている。4枚示されているMモード画像のうち、前から2番目に表示されているMモード画像は、その輪郭が他のMモード画像とは異なり一点鎖線で示されている。これは、操作者が適宜選択したMモード画像であり、この選択されたMモード画像がMM領域の最前面に示される。
【0071】
なお、複数表示されるMモード画像のいずれを選択して表示させるかは、任意に行うことができる。また、選択されたMモード画像を強調して表示させることも可能である。強調表示の方法については、図9の3次元重畳画像に示すようにその輪郭を他のMモード画像と変えて表示させる他、選択されたMモード画像を点滅させる等、どのような方法が採用されても良い。
【0072】
以上の説明より、複数表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0073】
特に複数のMライン、或いは、関心領域を指定することで複数のMモード画像が一度に生成され、操作者が選択すればすぐに選択されたMモード画像がMM領域に表示される。このような表示を可能とすることで、操作者が表示対象、すなわち診察対象とする部位の全体の状態をすぐに把握することが可能となり、より一層の使い勝手の向上を提供することができる。
【0074】
また関心領域の指定は、複数のMラインの設定といった細かな操作を不要とするため、設定の煩雑さを排除して使い勝手の向上に寄与する。
【0075】
さらに複数のMモード画像を表示可能とすることで、マルチスライスすることによる効果、例えば、心臓弁の部分的な運動異常等を把握することが可能となる。そのため、例えば、弁の置換を部分的に行った場合等、術後の運動機能観察時等に利用することが可能となる。
【0076】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1または第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0077】
本発明の第3の実施の形態においては、Mモード画像を3次元的に表示させることを特徴とする。すなわち、そもそもMモード画像は、Mライン上の表示対象である部分の動きを時系列に表示するものであり、例えば図6のM領域に示されているように、縦軸を動きを表す軸、横軸を時間軸として、いわば2次元的に表示されている。このMモード画像を第2の実施の形態において説明したように複数のMライン或いは、関心領域の設定によって複数枚生成し、それらの波形を奥行き方向に連続して示すことにより、あたかも画面上3次元的に見えるように表示させるものである。
【0078】
図10は、本発明の第3の実施の形態における表示画像生成装置30の内部構成を示すブロック図である。表示画像生成装置30は、第1、及び第2の実施の形態において説明した表示画像生成装置10と基本的に同様の構成とされている。但し特徴的なのは、表示画像生成装置10の各構成に加えて高輝度ライン抽出・生成部31が設けられていることと、Mモード画像−3次元画像重畳部32の機能がMモード画像−3次元画像重畳部18の機能と一部相違する点である。
【0079】
高輝度ライン抽出・生成部31及び、Mモード画像−3次元画像重畳部32の機能については、図11に示すフローチャートを利用しつつ、本発明の第3の実施の形態における表示画像であるMモード画像の生成及び高輝度ラインを示す画像の生成の流れを説明する際に併せて説明する。
【0080】
まず位置情報設定部13において複数のMライン又は関心領域の指定に関する情報を入手する(ST41)。次にMモード画像生成部16が画像生成制御部12からの生成指示を受信するとともに、3次元画像データを記憶部1iから入手する(ST42)。併せて位置情報設定部13から複数のMライン、或いは、関心領域の位置情報を入手し(ST43)、それらの位置情報に基づいてMモード画像を生成する(ST44)。ここまでのMモード画像生成の流れは、第2の実施の形態において複数のMライン、或いは、関心領域の設定がなされた場合の画像生成の流れを2次元画像の生成を例に挙げて説明した通りである。
【0081】
複数のMライン、或いは、関心領域の設定がなされた場合のMモード画像の表示は、図8、或いは図9の画面例に示す通りである。設定された複数のMラインに合わせて、或いは、設定された関心領域内で予め設定されている間隔でMモード画像が表示される。このように表示されるMモード画像を3次元的に表示させるため、次に、高輝度ラインの抽出が行われる。
【0082】
高輝度ラインの抽出処理は、例えば、高輝度ライン抽出・生成部31内に予め設定されている閾値と比較することで行われる。輝度は、「0」ないし「255」までの256段階に分かれている。そこで、閾値として、例えば、「200」を採用し、200以上の輝度で表わされる波形を抽出する(ST45)。抽出された波形については、例えば、MM領域に示される該当する波形を強調して表示させる。強調表示の方法については、例えば、該当する波形を囲んだり、或いは、波形自体を点滅させる等、様々な方法を採用することができる。
【0083】
高輝度ラインの抽出処理については、また、次のような方法を採用することも可能である。抽出に当たり、まず高輝度ラインを抽出する範囲、対象を特定する。例えば、操作者によって高輝度ラインを抽出する範囲としてある領域が指定された場合、その領域に関する情報が位置情報設定部13に送信される。位置情報設定部13は、特定された抽出範囲を示す位置情報を2次元画像生成部14、及び2次元画像−Mライン重畳部15に送信し、この位置情報に基づいて2次元重畳画像が生成される。
【0084】
図12は、本発明の第3の実施の形態における高輝度ラインを表示させるための準備画面の画面例である。図12に示す画面例のB領域には破線で示される、Mモード画像の生成範囲を示す関心領域内に、2点鎖線で囲まれる高輝度ラインを抽出範囲が示されている。この2点鎖線で囲まれた領域の位置情報は上述したように位置情報設定部13にて把握されており、この位置情報を基にこの領域内の動きを示す波形の中から高輝度ラインが抽出される。
【0085】
高輝度ライン抽出・生成部31は、位置情報設定部13から送信される高輝度ラインの抽出範囲に関する位置情報と上述した輝度に関する閾値を基に、抽出範囲内における高輝度ラインを抽出する。抽出結果は、例えば、図12のMM領域に表示されるように、該当波形が抽出範囲を示す2点鎖線によって囲まれることで表示される。
【0086】
なお、高輝度ラインを抽出する範囲が設定されることによって、高輝度ライン抽出・生成部31は、表示部1gに表示される全てのMモード画像の中から該当する波形を抽出する。例えば、図12に示すMモード画像の場合、MM領域に示されているように最前列のMモード画像の最上段の波形が抽出されるとともに、関心領域内において生成された他のMモード画像の最上段の波形が抽出される。従って、例えば、最下段の波形が抽出された場合、関心領域内において生成された全てのMモード画像(図12では4枚のMモード画像が示されているがこの4枚全てのMモード画像)の最下段の波形が高輝度ラインとして抽出される。
【0087】
また、高輝度ラインの抽出範囲を設定する方法として、領域を指定する方法を説明したが、Mラインを設定することによって高輝度ラインを抽出する対象を設定することも可能である。
【0088】
高輝度ラインが抽出されると、複数のMモード画像における高輝度ラインを連結する(ST46)。図13は、本発明の第3の実施の形態における2次元重畳画像、高輝度ラインを示すMモード画像及び高輝度ラインの表示を含む3次元重畳画像の表示態様を示す画面例である。
【0089】
図13のM3D領域には、複数のMモード画像にて抽出された高輝度ラインをその山の部分において連結した画像が表示されている。これまで説明してきたように、Mモード画像は時間軸(図13では「T」で示される軸)ともう1つの軸(図13で示すY軸)の2つの軸で示される、いわば2次元的に表示される。これは対象となる表示箇所の動きを時系列で表示するためである。
【0090】
第3の実施の形態においては、このT軸及びY軸の他、両軸にそれぞれ直交する方向に伸ばされる軸(図13におけるX軸)を設け、抽出された高輝度ラインを互いに連結してX軸方向(画面上奥行き方向)に表示させることによって、いわばMモード画像を3次元的に表示させている。高輝度ラインとして抽出された波形の各山の部分をX軸方向に連結して表示させることによって、例えば、表示対象とされる部位において機能的に弱っているため振幅が小さくなっている場所を明示的に表示させることが可能となる。
【0091】
高輝度ライン抽出・生成部31によって生成されたMモード画像の3次元的な表示に関する情報は、Mモード画像−3次元画像重畳部32に送られ、3次元重畳画像として生成される(ST47)。生成された3次元重畳画像は、図13に示されるようにVM3D領域に表示される。
【0092】
以上の説明から、複数表示されるMモード画像に関連する部位の位置を操作者が表示画面上3次元的に確実に把握できるように表示させることによって、操作者の使い勝手の向上を図ることのできる表示画像生成装置、この表示画像生成装置を備える超音波画像診断装置及び表示画像生成プログラムを提供することが可能となる。
【0093】
特に、超音波画像診断装置を利用して行われる診察で有用なMモード画像を、高輝度に表示される箇所を連結し、1つの時間軸とこの時間軸に互いに直交する2つの軸上に表示させ、あたかも3次元的な表示とすることによって、操作者がより一層簡易に注意箇所を発見することが可能となる。このような表示を行うことで、操作者の使い勝手の向上をさらに図ることができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 超音波画像診断装置
10 表示画像生成装置
11 受信部
12 画像生成制御部
13 位置情報設定部
14 2次元画像生成部
15 2次元画像−Mライン重畳部
16 Mモード画像生成部
17 3次元画像生成部
18 Mモード画像−3次元画像重畳部
19 送信部
31 高輝度ライン抽出・生成部
32 Mモード画像−3次元画像重畳部
B,M,MM,M3D,VM,VMM,VM3D 画像表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を設定する位置情報設定部と、
前記Mラインの位置情報及び、超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、
前記2次元画像生成部において生成された前記2次元画像と前記Mラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、
前記Mラインの位置情報及び前記3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、
前記3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、
前記Mモード画像生成部において生成された前記Mモード画像と前記3次元画像生成部において生成された前記3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部と、
を備えることを特徴とする表示画像生成装置。
【請求項2】
複数の前記Mラインの指定がなされた場合に、前記位置情報設定部が前記複数のMラインの位置情報を前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部へ送信し、前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部が前記複数のMラインの位置情報に基づいて、前記2次元重畳画像、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の表示画像生成装置。
【請求項3】
前記Mラインに替えて領域の指定がなされた場合に、前記位置情報設定部が前記領域の位置情報を前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部へ送信し、前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部が前記領域の位置情報に基づいて、前記2次元重畳画像、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の表示画像生成装置。
【請求項4】
前記Mモード画像、前記3次元重畳画像として複数の前記Mモード画像が表示される場合に、選択されたMモード画像について前記3次元重畳画像において強調した表示がなされるとともに、選択されたMモード画像が表示される複数のMモード画像の最前面に表示されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示画像生成装置。
【請求項5】
前記表示画像生成装置は、さらに複数の前記Mモード画像の中から高輝度に示されるラインを抽出する高輝度ライン抽出・生成部を備え、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像において複数の前記Mモード画像が表示される場合に、これら複数の前記Mモード画像の中で抽出された前記高輝度ラインを互いに連結し互いに直交する2つの軸と1つの時間軸とで3次元的に表示させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表示画像生成装置。
【請求項6】
超音波の送受波を行う超音波振動子を備える超音波プローブと、
前記超音波振動子を駆動して超音波ビームの送受信を行う超音波送受信部と、
前記超音波送受信部が受信した画像データから3次元画像データを生成する3次元画像データ生成部と、
前記3次元画像データ生成部において生成された前記3次元画像データを基に表示部に表示するための画像を生成する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の表示画像生成装置と、
を備えることを特徴とする超音波画像診断装置。
【請求項7】
位置情報設定部が備える表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像生成部が2次元画像を生成するステップと、
前記2次元画像生成部において生成された前記2次元画像と前記Mラインを示す画像とを基に、2次元画像−Mライン重畳部によって両画像を重畳して示す2次元重畳画像を生成するステップと、
前記Mラインの位置情報及び前記3次元画像データを基にMモード画像生成部によってMモード画像を生成するステップと、
前記3次元画像データを基に3次元画像生成部によって3次元画像を生成するステップと、
前記Mモード画像生成部において生成された前記Mモード画像と前記3次元画像生成部において生成された前記3次元画像とを基に、Mモード画像−3次元画像重畳部によって両画像を重畳して示す3次元重畳画像を生成するステップと、
を超音波画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする表示画像生成プログラム。
【請求項1】
表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報を設定する位置情報設定部と、
前記Mラインの位置情報及び、超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像を生成する2次元画像生成部と、
前記2次元画像生成部において生成された前記2次元画像と前記Mラインを示す画像とを重畳して示す2次元重畳画像を生成する2次元画像−Mライン重畳部と、
前記Mラインの位置情報及び前記3次元画像データを基にMモード画像を生成するMモード画像生成部と、
前記3次元画像データを基に3次元画像を生成する3次元画像生成部と、
前記Mモード画像生成部において生成された前記Mモード画像と前記3次元画像生成部において生成された前記3次元画像とを重畳して示す3次元重畳画像を生成するMモード画像−3次元画像重畳部と、
を備えることを特徴とする表示画像生成装置。
【請求項2】
複数の前記Mラインの指定がなされた場合に、前記位置情報設定部が前記複数のMラインの位置情報を前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部へ送信し、前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部が前記複数のMラインの位置情報に基づいて、前記2次元重畳画像、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の表示画像生成装置。
【請求項3】
前記Mラインに替えて領域の指定がなされた場合に、前記位置情報設定部が前記領域の位置情報を前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部へ送信し、前記2次元画像生成部、前記2次元画像−Mライン重畳部、前記Mモード画像生成部、前記Mモード画像−3次元画像重畳部が前記領域の位置情報に基づいて、前記2次元重畳画像、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の表示画像生成装置。
【請求項4】
前記Mモード画像、前記3次元重畳画像として複数の前記Mモード画像が表示される場合に、選択されたMモード画像について前記3次元重畳画像において強調した表示がなされるとともに、選択されたMモード画像が表示される複数のMモード画像の最前面に表示されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示画像生成装置。
【請求項5】
前記表示画像生成装置は、さらに複数の前記Mモード画像の中から高輝度に示されるラインを抽出する高輝度ライン抽出・生成部を備え、前記Mモード画像、前記3次元重畳画像において複数の前記Mモード画像が表示される場合に、これら複数の前記Mモード画像の中で抽出された前記高輝度ラインを互いに連結し互いに直交する2つの軸と1つの時間軸とで3次元的に表示させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の表示画像生成装置。
【請求項6】
超音波の送受波を行う超音波振動子を備える超音波プローブと、
前記超音波振動子を駆動して超音波ビームの送受信を行う超音波送受信部と、
前記超音波送受信部が受信した画像データから3次元画像データを生成する3次元画像データ生成部と、
前記3次元画像データ生成部において生成された前記3次元画像データを基に表示部に表示するための画像を生成する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の表示画像生成装置と、
を備えることを特徴とする超音波画像診断装置。
【請求項7】
位置情報設定部が備える表示される超音波画像の位置を示すMラインに関する位置情報及び超音波プローブが収集した3次元画像データを基に2次元画像生成部が2次元画像を生成するステップと、
前記2次元画像生成部において生成された前記2次元画像と前記Mラインを示す画像とを基に、2次元画像−Mライン重畳部によって両画像を重畳して示す2次元重畳画像を生成するステップと、
前記Mラインの位置情報及び前記3次元画像データを基にMモード画像生成部によってMモード画像を生成するステップと、
前記3次元画像データを基に3次元画像生成部によって3次元画像を生成するステップと、
前記Mモード画像生成部において生成された前記Mモード画像と前記3次元画像生成部において生成された前記3次元画像とを基に、Mモード画像−3次元画像重畳部によって両画像を重畳して示す3次元重畳画像を生成するステップと、
を超音波画像診断装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする表示画像生成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−143332(P2012−143332A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2786(P2011−2786)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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