説明

表示画面制御装置、表示画面制御方法およびプログラム

【課題】Webサーバから取得した表示画面に含まれる画像が正常に表示されていない状態のとき、その非表示となっている画像に対応する情報をユーザが容易に確認できるようにする。
【解決手段】表示画面制御装置は、通信インタフェース18を介してWebサーバ3から表示画面を取得して表示部14に表示するブラウザ30と、ブラウザ30によってWebサーバ3から取得された表示画面が表示部14に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するエラー検出部33と、操作入力部15においてユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたとき、エラー検出部33によって表示エラーが検出されている場合に、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を表示部14に表示するエラー処理部34とを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面制御装置、表示画面制御方法およびプログラムに関し、特にWebサーバから表示画面を取得して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像処理装置はWebページを閲覧するためのブラウザを備え、このブラウザがネットワークに接続されたWebサーバから操作パネルに表示するための表示画面を取得して表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。このような表示形態では、例えば、画像処理装置においてユーザが設定操作可能な設定キーなどが、Webサーバから取得する表示画面に画像として含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−39663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような表示形態の場合、例えばWebサーバやネットワークに大きな負荷がかかっていると、表示画面に含まれる一部又は全部の画像が操作パネルに表示されないことがある。このような表示状態のとき、ユーザは、操作パネルに表示されていない画像がどのような内容を示すものであるのかを把握することができず、所望の設定操作を行うことができない。そのような表示状態のままで、ユーザがコピーなどのジョブの実行を指示してしまうと、ユーザにとっては意図しない出力形態となってしまう可能性があり、問題となる。
【0005】
特に画像処理装置における操作パネルなどの表示装置は、表示可能な画面サイズが小さいことから、Webサーバから取得する表示画面を最大限のサイズで表示できるようにするため、ブラウザに対する指示操作を行うためのツールバーなどを表示しないように設定されているケースが多い。このような場合には、ユーザが表示画面に含まれる画像が正常に表示されていないと認識したとしても、ブラウザに対してどのような操作を行えば、Webサーバから表示画面を再取得できるかが判らないことが多く、ユーザは、所望の設定操作を行うことができないままジョブの実行を指示してしまうケースが起こり得る。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、Webサーバから取得した表示画面に含まれる画像が正常に表示されていない状態のとき、そのような非表示となっている画像に対応する情報をユーザが容易に確認できるようにした表示画面制御装置、表示画面制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、表示画面制御装置であって、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる各種入力操作を検知する操作入力手段と、Webサーバとデータ通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記Webサーバから表示画面を取得して前記表示手段に表示するブラウザと、前記ブラウザによって前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するエラー検出手段と、前記操作入力手段においてユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたとき、前記エラー検出手段によって表示エラーが検出されている場合に、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するエラー処理手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の表示画面制御装置において、前記エラー処理手段は、前記エラー検出手段によって検出されている表示エラーを前記Webサーバに通知することにより、前記Webサーバから前記確認画面を取得して前記表示手段に表示することを特徴とする構成である。
【0009】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の表示画面制御装置において、前記エラー処理手段は、前記操作入力手段においてユーザによるジョブの実行指示が検知されたとき、前記エラー検出手段によって表示エラーが検出されていることを条件として前記確認画面を前記表示手段に表示することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の表示画面制御装置において、前記エラー処理手段により前記確認画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記操作入力手段においてジョブ実行指示が検知された場合、ジョブの実行を開始するジョブ実行制御手段をさらに備えることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項5にかかる発明は、請求項3又は4に記載の表示画面制御装置において、前記エラー処理手段により前記確認画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記操作入力手段において再設定操作が検知された場合、前記ブラウザは、前記Webサーバから表示画面を再度取得して前記表示手段に表示することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の表示画面制御装置において、前記確認画面には、表示エラーの検出されている画像に対応する設定項目の設定値が含まれることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の表示画面制御装置において、前記確認画面には、表示エラーの検出されている画像に対応する警告内容が含まれることを特徴とする構成である。この場合においては、表示エラーの検出されている画像に対応する警告内容がユーザの使用しようとしている機能に対応した警告内容であることを条件として前記確認画面に含めて表示するようにしても良い。
【0014】
請求項8にかかる発明は、表示画面制御方法であって、ネットワークを介して接続されたWebサーバから表示画面を取得して所定の表示手段に表示するステップと、前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するステップと、ユーザによる入力操作を検知するステップと、ユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたときに表示画面に含まれる画像の表示エラーが検出されている場合、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項9にかかる発明は、プログラムであって、コンピュータに、ネットワークを介して接続されたWebサーバから表示画面を取得して所定の表示手段に表示するステップと、前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するステップと、ユーザによる入力操作を検知するステップと、ユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたときに表示画面に含まれる画像の表示エラーが検出されている場合、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、Webサーバから取得した表示画面に含まれる画像が正常に表示手段に表示されていない状態でも、その非表示となっている画像に対応する情報を含む確認画面が表示されるので、ユーザは正常に表示されていない画像に対応した情報を容易に確認することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】制御部のCPUがプログラムを実行することによって表示画面制御装置として機能する場合の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ブラウザがWebサーバから表示画面を取得して表示部に表示する場合のデータ通信の概要を示す図である。
【図5】表示画面に含まれる全ての画像が正常に受信された場合に表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図6】原稿設定に関する設定項目の設定値を変更するための表示画面の一例を示す図である。
【図7】表示画面に含まれる一部の画像が正常に受信されなかった場合に表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図8】表示エラーが検出された場合のエラー処理部とWebサーバとのデータ通信の概要を示す図である。
【図9】表示エラーが検出されている状態でユーザが所定の操作を行った後に表示部に表示される確認画面の一例を示す図である。
【図10】制御部によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明における画像処理システム1の一構成例を示す図である。この画像処理システム1は、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像処理装置2と、Webサーバ3とがネットワーク4に接続された構成である。ネットワーク4は、例えばオフィス環境などに設置されるLANであっても良いし、またインターネットなどを含むネットワークであっても良い。
【0020】
画像処理装置2は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、FAX機能などの複数の機能を有しており、それら各機能に対応するジョブを実行する。ただし、画像処理装置2は、必ずしも複数の機能を備えていないものであっても良く、コピー機、スキャナ、プリンタ、又は、FAX装置などの単機能装置であっても構わない。
【0021】
画像処理装置2は、ユーザが操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル13を備えている。この操作パネル13には、各種情報を表示する表示部14と、ユーザによる各種入力操作を検知する操作入力部15とが設けられている。表示部14は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。また操作入力部15は、表示部14の画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示部14の周囲に配置された押しボタンキーとを備えて構成される。画像処理装置2は、表示部14に表示するための表示画面を、ネットワーク4を介してWebサーバ3から取得し、表示部14に表示するようになっている。
【0022】
Webサーバ3は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)により、画像処理装置2に対して操作パネル13の表示部14に表示させるための表示画面を提供するサーバである。Webサーバ3は、画像処理装置2の各機能に対応する操作画面を予め保持している。そして画像処理装置2からの画面要求に基づいて、各機能に対応する表示画面を生成し、画像処理装置2に送信する。
【0023】
図2は、画像処理装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、制御部10と、操作パネル13と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、通信インタフェース18と、記憶装置19とを備え、これらがデータバス20を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0024】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えており、操作パネル13、スキャナ部16、プリンタ部17、通信インタフェース18および記憶装置19のそれぞれの動作を制御する。特に本実施形態では、CPU11が記憶装置19に記憶されているプログラム21を読み出して実行することにより、操作パネル13の表示部14に表示する表示画面を制御するための表示画面制御装置として機能する。メモリ12は、CPU11がプログラム21に基づく処理を行うことに伴い、一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0025】
操作パネル13の表示部14は、データバス20を介して制御部10から入力する表示画面を表示する。また操作入力部15には、ユーザによる操作を検知する操作検知部15aが設けられている。操作検知部15aは、ユーザによる操作を検知すると、その検知信号を制御部10に出力する。
【0026】
スキャナ部16は、画像処理装置2においてコピー機能、スキャナ機能、FAX送信機能などのジョブを実行する際に制御部10からの指令に基づいて動作する処理部である。すなわち、スキャナ部16は、原稿の読み取り動作を行って画像データを生成し、出力する。
【0027】
プリンタ部17は、画像処理装置2においてコピー機能、プリンタ機能、FAX受信機能などのジョブを実行する際に制御部10からの指令に基づいて動作する処理部である。すなわち、プリンタ部17は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などの印刷媒体に画像形成を行い、印刷物を出力する。
【0028】
通信インタフェース18は、画像処理装置2をネットワーク4に接続するためのものである。制御部10は、この通信インタフェース18を介してWebサーバ3とのデータ通信を行い、Webサーバ3から表示画面を取得する。
【0029】
記憶装置19は、例えばハードディスク装置などの不揮発性記憶装置である。この記憶装置19には、上述したように制御部10のCPU11によって実行されるプログラム21が予めインストールされている。このプログラム21には、Webサーバ3から表示画面を取得して表示部14に表示させるためのブラウザプログラムが含まれる。
【0030】
図3は、制御部10のCPU11がプログラム21を実行することによって表示画面制御装置として機能する場合の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御部10は、ブラウザ30およびジョブ実行制御部36として機能する。またブラウザ30は、画面要求部31、表示処理部32、エラー検出部33およびエラー処理部34として機能する。
【0031】
ブラウザ30は、通信インタフェース18を介してWebサーバ3から表示画面を取得し、その表示画面を操作パネル13の表示部14に表示する処理部である。このブラウザ30が起動すると、画面要求部31、表示処理部32、エラー検出部33およびエラー処理部34のそれぞれが機能し、予め指定されたURL(Uniform Resource Locator)に基づいてWebサーバ3にアクセスする。そしてWebサーバ3から表示画面を取得し、表示部14に表示する。またブラウザ30は、操作入力部15における操作検知部15aがユーザによる操作を検知すると、必要に応じてWebサーバ3から、ユーザによる指示操作に対応した表示画面を取得して表示部14の表示画面を更新する。
【0032】
画面要求部31は、Webサーバ3に対して画面要求を送信する処理部である。この画面要求部31は、ブラウザ30の起動時に、初期画面に対応する表示画面の画面要求を、Webサーバ3に対して送信する。また、画面要求部31は、ユーザによる指示操作に基づいて表示部14の表示画面を更新する必要がある場合、Webサーバ3に対して新たな表示画面の画面要求を送信する。
【0033】
表示処理部32は、画面要求部31がWebサーバ3に対して画面要求を送信することにより、Webサーバ3から受信する表示画面を表示部14に表示する処理部である。したがって、ブラウザ30は、これら画面要求部31および表示処理部32の機能により、Webサーバ3から表示画面を取得し、その取得した表示画面を表示部14に表示する。
【0034】
図4は、ブラウザ30がWebサーバ3から表示画面を取得して表示部14に表示する場合のデータ通信の概要を示す図である。ブラウザ30は、例えば操作検知部15aによってユーザ操作が検知されると、そのユーザ操作に対応した表示画面を取得するためにWebサーバ3に対して画面要求D10を送信する。Webサーバ3は、この画面要求D10に対応した表示画面を生成し、ブラウザ30に送信する。Webサーバ3からブラウザ30に対して送信される表示画面は、例えば図4に示すように、HTML(HyperText Markup Language)などの所定の言語で記述されたWebページD20と、所定のデータフォーマットの画像D21,D22,…とで構成される。画像D21,D22のそれぞれには識別情報としてユニークなIDが付与されている。WebページD20には、それらIDと関連付けて表示位置と表示サイズなどが定義されている。
【0035】
表示処理部32は、Webサーバ3から受信するWebページD20を解析することにより、各画像D21,D22,…の表示位置や表示サイズなどを特定し、その特定結果に基づいてWebサーバ3から受信する各画像D21,D22,…を表示画面にレイアウトする。そして表示処理部32は、WebページD20に基づいて各画像D21,D22,…をレイアウトした表示画面を表示部14に出力して表示する。
【0036】
図5は、表示処理部32によって表示部14に表示される表示画面G1を示す図であり、表示画面G1に含まれる全ての画像が正常に受信された場合の表示結果の一例を示している。この表示画面G1では、例えばコピー機能に関する基本設定画像41と、原稿設定画像42と、応用設定画像43と、警告画像44と、スタートキー45とが表示されている。
【0037】
例えば、基本設定画像41は、画像処理装置2のコピー機能を使用する際の基本設定に関する設定操作を行うための操作キーを表すビットマップ画像となっている。そのため、基本設定画像41が正常に表示された表示画面G1では、ユーザは、コピー機能に関する基本設定の操作を行う場合、この基本設定画像41を操作すれば良いことを把握することができる。
【0038】
また原稿設定画像42は、コピー機能を使用する際の原稿設定に関する設定操作を行うための操作キーを表すビットマップ画像となっている。そのため、原稿設定画像42が正常に表示された表示画面G1では、ユーザは、コピー機能に関する原稿読み取り時の原稿設定操作を行う場合、この原稿設定画像42を操作すれば良いことを把握することができる。
【0039】
また応用設定画像43は、画像処理装置2のコピー機能を使用する際の応用設定に関する設定操作を行うための操作キーを表すビットマップ画像となっている。そのため、応用設定画像43が正常に表示された表示画面G1では、ユーザは、コピー機能に関する応用設定を行う場合、この応用設定画像43を操作すれば良いことを把握することができる。このような応用設定には、例えば、印刷出力を行う際のステープルやパンチなどの仕上げ設定などが含まれる。
【0040】
また警告画像44は、画像処理装置2においてトナー減少や用紙不足、紙詰まりなどが発生している場合、それらの状態をユーザに警告するためのビットマップ画像となっている。トナー減少、用紙不足、紙詰まりなどを示す画像はそれぞれ異なる画像となっている。また、画像処理装置2においてトナー減少や用紙不足、紙詰まりなどが発生していない場合、警告画像44は、警告すべき状態にないことを示す画像(つまり、正常状態であることを示す画像)として表される。そのため、このような警告画像44が表示画面G1において表示されることにより、ユーザは、画像処理装置2においてトナー減少、用紙不足、紙詰まりなどが生じているか否かを把握することができる。
【0041】
またスタートキー45もビットマップ画像として表示画面G1に表示される。このスタートキー45は、画像処理装置2に対してジョブの実行開始を指示するための操作キーとなる。ただし、表示部14の周囲に設けられた押しボタンキーの一つとして、スタートキーが設けられている場合は、表示画面G1に必ずしもスタートキー45を表示しなくても良い。
【0042】
図5に示すように、表示画面G1に含まれる全ての画像が正常に表示されている場合、ユーザは、画像処理装置2を使用するときに各画像を適宜に操作することにより所望の設定操作を行うことができる。また、画像処理装置2においてトナー減少、用紙不足、紙詰まりなどが発生していれば、それらに対する適切な処置を行うことができる。
【0043】
例えば、図5に示すような表示画面G1が表示されている状態で、ユーザが特定の設定項目の設定値を変更する場合、その設定項目に対応する画像(操作キー)を押下する操作を行う。この操作は操作検知部15aによって検知され、操作検知部15aからブラウザ30に対して操作信号が出力される。ブラウザ30は、この操作信号を入力すると、ユーザによって操作された画像を特定し、その画像に含まれる設定項目の設定値を変更するための表示画面をWebサーバ3から取得する必要があるか否かを判断する。そしてWebサーバ3から表示画面を取得する必要がある場合、画面要求部31が、Webサーバ3に対して画面要求D10を送信する。これにより、Webサーバ3から設定変更のための表示画面が送信されるので、表示処理部32は、Webサーバ3から設定変更のための表示画面を取得すると、その表示画面を表示部14に表示する。尚、Webサーバ3から表示画面を取得する必要がない場合(例えば、Webサーバ3から既に取得したWebページD20に次の表示画面に関する情報が含まれている場合など)、ブラウザ30は、Webサーバ3からあらためて表示画面を取得することなく、表示部14に表示する表示画面を、設定変更のための表示画面に変更する。
【0044】
図6は、原稿設定画像42が操作された場合における原稿設定に関する設定項目の設定値を変更するための表示画面G2の一例を示す図である。例えば図5に示す表示画面G1が表示部14に表示されている状態で、ユーザが原稿設定画像42を押下する操作を行うと、ブラウザ30が、必要に応じて、Webサーバ3から図6に示すような表示画面G2を取得し、表示部14に表示する。この表示画面G2には、各種設定項目に対応して現在の設定値が表示されると共に、現在の設定値を変更するためのプルダウンボタン46が表示されている。このプルダウンボタン46が操作されると、ブラウザ30は、図6に示すようにプルダウンメニュー47を表示する。ユーザはこのプルダウンメニュー47の中から所望の設定値を選択することで設定値を変更する。そして変更した設定値を確定させる場合には、OKキー48を押下する。
【0045】
ブラウザ30は、表示画面G2のOKキー48が押下されたことを検出すると、それに伴い、表示部14に表示する表示画面を、図6に示す表示画面G2から、図5に示す表示画面G1へと戻す。このとき、ブラウザ30は、ユーザが表示画面G2に対して行った設定変更の内容を一時的にメモリ12などに記憶しておく。
【0046】
またブラウザ30は、表示部14に表示する表示画面を、図6に示す表示画面G2から、図5に示す表示画面G1へと戻すとき、Webサーバ3から表示画面G1を再度取得するようにしても良い。この場合、上記と同様に、画面要求部31がWebサーバ3に対して画面要求を送信する。このとき送信される画面要求には、ユーザによる設定変更の内容が付加される。そして表示処理部32は、Webサーバ3から表示画面G1を再度取得するので、その取得した表示画面G1を表示部14に表示する。このとき、原稿設定画像42は、ユーザによる設定変更の内容が反映された別の画像に切り替わっていても良い。
【0047】
ところで、上記のようにブラウザ30がWebサーバ3に対して画面要求D10を送信したタイミングで、Webサーバ3又はネットワーク4に大きな負荷がかかっている場合、ブラウザ30は、例えば図5に示すような表示画面G1を表示するのに必要となる全ての画像をWebサーバ3から正常に受信しないことがある。このような場合、ブラウザ30は、Webサーバ3から受信するWebページD20に基づいて各画像D21,D22,…を正常にレイアウトすることができず、表示部14には一部の画像の欠落した不完全な表示画面が表示される。
【0048】
図7は、ブラウザ30によって表示部14に表示される表示画面G3を示す図であり、図5の表示画面G1に含まれる基本設定画像41と原稿設定画像42と警告画像44とが正常に受信されなかった場合の表示結果の一例を示している。この表示画面G3では、ブラウザ30によって基本設定画像41と原稿設定画像42と警告画像44とが正常に受信されていないため、本来それらの画像が表示される部分に特定のマーク(例えばXマークなど)が表示される。つまり、この特定のマークは、ユーザに対して正常に画像が表示されていないことを示すエラー表示となっている。このようなエラーはブラウザ30によって検出される。
【0049】
すなわち、図3に示すように、ブラウザ30は、表示エラーを検出するエラー検出部33を備えている。エラー検出部33は、ブラウザ30によってWebサーバ3から取得された表示画面が表示部14に表示された状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出する処理部である。このエラー検出部33は、例えば、WebページD20に基づいて画像を正常にレイアウトすることができなかった場合、その画像が正常に表示されずに表示エラーとなったことを検知する。このようなエラー検出部33は、例えばjavaScriptなどによって実現され、ブラウザ30の一部の機能となっている。そしてブラウザ30が起動している間、エラー検出部33は表示エラーの有無を検出可能な状態となっている。
【0050】
図7に示すように表示画面G3に含まれる画像41、42、44が正常に表示されていないとき、ユーザはそれら非表示となっている画像がどのような画像であるかを把握することができない。そのため、ユーザは所望の設定操作を行うができないし、また画像処理装置2がトナー減少、用紙不足、紙詰まりなどの警告状態であるか否かも確認することができない。一方、スタートキー45はユーザが操作可能となっており、ユーザは非表示となっている画像に対応した設定項目の設定値や警告状態を確認していない状態でスタートキー45を操作することもある。このような場合、本実施形態では、ユーザによる設定値の確認や警告状態の確認が行われていない状態のままでジョブの実行を開始してしまうことを防止するために、エラー処理部34が機能する。
【0051】
エラー処理部34は、少なくとも画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前に機能し、ユーザが各設定項目の設定値や警告状態を確認できるようにする。そしてユーザによる設定値の確認や警告状態の確認が終了し、ジョブの実行が可能な状態になると、その後、制御部10においてジョブ実行制御部36が機能してジョブの実行が開始される。
【0052】
ジョブ実行制御部36は、画像処理装置2においてユーザにより選択された機能に関するジョブを実行する処理部である。すなわち、ジョブ実行制御部36は、各種表示画面に対してユーザが設定した設定内容を反映してスキャナ部16、プリンタ部17、通信インタフェース18および記憶装置19のそれぞれを必要に応じて駆動制御することにより、ジョブの実行を制御する。また、ジョブ実行制御部36は、ジョブの実行に伴ってトナー減少、用紙不足、又は紙詰まりなどが発生すると、それを検知し、通信インタフェース18を介して警告状態をWebサーバ3に通知するように構成されている。
【0053】
以下、本実施形態におけるエラー処理部34による処理について詳しく説明する。
【0054】
ブラウザ30がWebサーバ3から取得した表示画面を表示部14に表示している状態で、ユーザにより表示画面が切り替わるような操作が行われた場合、エラー処理部34は、その時点で表示部14に表示されている表示画面に表示エラーが検出されているか否かを判定する。ここで、表示画面が切り替わるような操作には、スタートキー45の操作が含まれる。つまり、ユーザによりスタートキー45が操作された場合、表示部14に表示される表示画面は、通常「ジョブ実行中」であることを示す表示画面に切り替わるので、ユーザによるスタートキー45の操作は、表示画面が切り替わるような操作のひとつとなっている。尚、以下においては、ユーザがスタートキー45を操作することによってジョブの実行開始指示が行われた場合に、エラー処理部34が機能する場合を例示する。
【0055】
エラー処理部34は、ユーザによりスタートキー45が操作されたタイミングにおいて、エラー検出部33によって表示エラーが検出されているか否かを判定する。そして表示部14に表示されている表示画面で少なくとも1つの画像が正常に表示されていないと判定した場合、エラー処理部34は、Webサーバ3に対し、その時点での画面表示状態を通知する。そしてエラー処理部34は、Webサーバ3から非表示となっていた画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を取得して表示部14に表示する。
【0056】
図8は、ブラウザ30のエラー処理部34とWebサーバ3とのデータ通信の概要を示す図である。エラー処理部34は、ユーザによってスタートキー45が押下操作されたタイミングで、表示部14に表示されていた表示画面において少なくとも1つの画像が正常に表示されていなかった場合、Webサーバ3に対して、その時点での画面表示状態D31を送信する。この画面表示状態D31には、現在の表示画面を特定するための情報や、正常に表示されなかった画像のIDなどが含まれる。またこのとき、エラー処理部34は、必要に応じて、その直前にユーザが設定変更した設定内容D30を送信する。
【0057】
Webサーバ3は、設定内容D30を受信すると、その設定内容D30を解析することにより、現在の画像処理装置2の設定状態を特定することができる。またWebサーバ3は、画面表示状態D31を受信すると、その画面表示状態D31を解析することにより、画像処理装置2においてどのような表示画面を表示しているときにどのような画像が正常に表示できていなかったかを特定することができる。
【0058】
そしてWebサーバ3は、画像処理装置2において正常に表示されなかった画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を生成し、ブラウザ30に送信する。この確認画面は、データ量の大きな画像を伴わず、テキスト形式で記述されたWebページD40のみによって構成される。つまり、WebページD40には、画像処理装置2において正常に表示されなかった画像に対応する非表示の情報がテキスト形式で表記される。例えば、図7に示すように、基本設定画像41、原稿設定画像42および警告画像44が正常に表示されていなかった場合、WebページD40には、基本設定および原稿設定に関する各設定項目の設定値がテキスト形式で表記されると共に、警告画像44に対応する警告状態がテキスト形式で表記される。したがって、Webサーバ3やネットワーク4に比較的大きな負荷がかかっている場合であっても、確認画面を構成するWebページD40は、Webサーバ3から画像処理装置2に対して正常に送信される。
【0059】
エラー処理部34は、上記のようにしてWebサーバ3から送信されるWebページD40を受信すると、それに基づいて表示部14に確認画面を表示する。これにより、表示部14には、画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前に確認画面が表示されるようになる。
【0060】
図9は、表示部14に表示される確認画面G4の一例を示す図である。この確認画面G4は、例えばユーザがスタートキー45を押下操作したときに、表示部14が図7に示した表示画面G3を表示している状態であった場合を例示している。例えば図7に示した表示画面G3では、基本設定画像41および原稿設定画像42が非表示状態となっている。そのため、ユーザは、スタートキー45の押下操作を行う直前に、基本設定画像41および原稿設定画像42に含まれる設定項目の設定値を確認していない可能性が高い。このような場合、図9に示す確認画面G4では、それら非表示の画像に対応する各設定項目の設定値に関する情報52が表示されるため、ユーザは画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前にそれらの設定値を確認することができる。
【0061】
また例えば図7に示した表示画面G3では、警告画像44が非表示状態となっている。そのため、ユーザは、スタートキー45の押下操作を行う直前に、トナー減少、用紙不足、紙詰まりなどの警告状態が発生していてもそれらに対する適切な対処を行っていない可能性がある。このような場合、図9に示す確認画面G4では、その非表示の画像に対応する警告内容に関する情報51が表示されるため、ユーザは画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前にその警告内容を確認することができる。そして何らかの警告が発生している場合、それに対する適切な処置を行うことができる。
【0062】
ただし、警告内容に関する情報51は、ユーザが使用しようとしている機能に対応する警告である場合に表示し、ユーザが使用しようとしている機能に対応しない警告であれば表示しないようにしても良い。例えば、ユーザがFAX送信を行おうとしているときに、トナー減少、用紙不足、プリンタ部17での紙詰まりが発生していても、そのような警告状態はFAX送信には何ら影響を与えるものではない。このような場合には、画像処理装置2においてトナー減少、用紙不足、プリンタ部17での紙詰まりといった警告状態が発生していても、確認画面G4においては警告内容に関する情報51を表示しなくても良い。尚、警告内容に関する情報51を確認画面G4に含めるか否かは、Webサーバ3が判断するようにしても良いし、エラー処理部34が画面表示状態D31を送信するときに判断するようにしても良い。例えば、エラー処理部34が画面表示状態D31を送信するときに判断する場合、エラー処理部34は、非表示となっている警告画像44の属性情報(例えばWebページD20に含まれる情報)に基づいてユーザが使用しようとしている機能に対応する警告画像44が非表示であるか否かを判断し、ユーザが使用しようとしている機能に対応する警告画像44が非表示となっていれば、画面表示状態D31にそれを示す情報を付加すれば良い。
【0063】
尚、図9に示す確認画面G4の例では、図7の表示画面G3において正常に表示されなかった画像41,42,44に対応する非表示の情報がテキスト形式で表示されるようになっているが、これに加えて例えば図7の表示画面G3において正常に表示されていた画像43に対応する情報を同時にテキスト形式で表示するようにしても良い。
【0064】
また図9に示すように、確認画面G4には、OKキー53と、NGキー54とが表示される。ユーザは、確認画面G4に表示される各設定値に関する情報52又は警告内容に関する情報51を確認した後、ジョブを実行させる場合にはOKキー53を操作し、ジョブの実行をキャンセルしてジョブの再設定操作を行う場合にはNGキー54を操作する。つまり、OKキー53は、確認画面G4が表示されている状態においてジョブ実行指示を行うためのキーであり、NGキー54は、ジョブの再設定操作を行うためのキーである。
【0065】
ユーザによりOKキー53が操作された場合、ブラウザ30は、Webサーバ3に対してジョブ実行指示が行われたことを通知する。これにより、ブラウザ30はジョブ実行中に表示する表示画面をWebサーバ3から取得し、表示部14に表示する。Webサーバ3は、ジョブ実行指示が行われたことを検知すると、ブラウザ30に対し、ジョブ実行中に表示させる表示画面を送信すると共に、ジョブ実行制御部36に対してジョブ実行時に適用する各種の設定値を通知し、ジョブ実行制御部36にジョブの実行を指示する。そしてジョブ実行制御部36は、Webサーバ3から受信する各種設定値に基づいてジョブを実行するための設定を行い、スキャナ部16やプリンタ部17などを駆動させることによりユーザにより指定されたジョブの実行を制御する。ただし、必ずしもこのようなジョブの実行形態に限られず、ジョブ実行時にはWebサーバ3と画像処理装置2とでデータ通信を行うことなく、ジョブ実行制御部36がジョブの実行を開始するものであっても構わない。
【0066】
一方、ユーザによりNGキー54が操作された場合、ブラウザ30において再び画面要求部31が機能し、画面要求部31は、正常に表示さなかった画像を含む表示画面を再度Webサーバ3から取得すべく、Webサーバ3に対して画面要求D10を送信する。このような表示画面の再取得により、非表示状態となっていた画像が正常に表示される可能性がある。そしてその後は、ユーザによる設定値の変更操作を再び受け付ける状態となる。
【0067】
以上のように、本実施形態では、ブラウザ30によってWebサーバ3から取得された表示画面が表示部14に表示された状態で、その表示画面に含まれる画像が正常に表示されていないとき、ユーザがスタートキー45やその他の表示画面を切り替えるような操作キーを押下すると、少なくとも非表示状態となっている画像に対応した情報が含まれる確認画面G4がWebサーバ3から取得され、表示部14に表示される。このような確認画面G4は、ユーザが各種設定操作を行うための表示画面G1,G2などと比較すると、画像などのデータ量の大きなコンテンツを含まないテキスト形式のデータで表現される画面であるため、Webサーバ3やネットワーク4に比較的大きな負荷がかかっている場合であっても正常に取得され、表示部14に表示される。そのため、ユーザは、画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前に、そのジョブの実行時に適用される各設定値や警告状態を確認することが可能である。
【0068】
次に制御部10による具体的な動作について説明する。図10は、制御部10によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部10においてブラウザ30が起動されることにより開始される。まずブラウザ30は、画面要求部31として機能し、Webサーバ3に対して画面要求D10を送信する(ステップS10)。そして表示処理部32が機能し、Webサーバ3から表示画面を受信して表示部14に表示する(ステップS11)。このとき、表示処理部32は、Webサーバ3から受信するWebページD20に基づいて、それに引き続きWebサーバ3から受信する画像D21,D22,…を画面内にレイアウトすることにより表示画面を生成して表示部14に表示する。そしてエラー検出部33が機能し、表示部14に表示した表示画面に含まれる画像が表示エラーとして検知されたか否かを判断する(ステップS12)。正常に表示されるおとなく表示エラーとなった画像が存在する場合(ステップS12でYES)、エラー検出部33は、その表示エラーの内容(例えば表示エラーとなった画像のIDなど)をメモリ12などに一時記憶する(ステップS13)。これに対し、表示エラーとなった画像が存在しない場合(ステップS12でNO)、ステップS13の処理はスキップする。
【0069】
Webサーバ3から取得した表示画面を表示部14に表示している状態で、ユーザによる操作が行われたか否かを判断し、ユーザによる操作が行われていなければ、そのまま待機する(ステップS14でNO)。そしてユーザによる操作が行われると(ステップS14でYES)、ブラウザ30は、Webサーバ3から表示画面を取得する必要があるか否かを判断する(ステップS15)。その結果、Webサーバ3から表示画面を取得する必要がない場合(ステップS15でNO)、ユーザ操作に基づいて表示画面を更新し(ステップS16)、ステップS14に戻る。
【0070】
一方、Webサーバ3から表示画面を取得する必要がある場合(ステップS15でYES)、ブラウザ30は、ユーザによりスタートキー45が操作されたか否かを判断する(ステップS17)。そしてスタートキー45ではなかった場合(ステップS17でNO)、ステップS10に戻り、Webサーバ3に対して画面要求が送信される。
【0071】
これに対し、ユーザによる操作がスタートキー45の操作であった場合(ステップS17でYES)、エラー処理部34が機能し、そのタイミングで表示エラーが検出されているか否かを判断する(ステップS18)。ここでは、メモリ12に、表示エラーの内容が記憶されているか否かにより判断される。そして表示エラーが検出されている場合(ステップS18でYES)、エラー処理部34は、Webサーバ3に対して画面表示状態D31を送信する(ステップS19)。これにより、エラー処理部34は、Webサーバ3から確認画面G4を取得する。そしてエラー処理部34は、Webサーバ3から取得する確認画面G4を表示部14に表示する(ステップS20)。ここで確認画面G4が表示部14に表示されることにより、ユーザはジョブが実行される前に非表示となっていた画像に対応する情報を確認することができる。そして確認画面G4に対する操作が行われた場合、OKキー53が操作されたか否かを判断し(ステップS21)、OKキー53であれば、ジョブ実行制御部36によるジョブの実行を開始して処理を終了する(ステップS22)。一方、NGキー54が操作された場合には(ステップS21でNO)、ステップS10に戻って再度、前回と同じ表示画面をWebサーバ3から取得すべく画面要求を送信する。
【0072】
尚、ユーザによってスタートキー45が操作されたタイミングで表示エラーが検出されていなかった場合(ステップS18でNO)、確認画面G4を表示する必要はないので、ジョブ実行制御部36によるジョブの実行を開始して処理を終了する(ステップS22)。
【0073】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、通信インタフェース18を介してWebサーバ3から表示画面を取得して表示部14に表示するブラウザ30と、ブラウザ30によってWebサーバ3から取得された表示画面が表示部14に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するエラー検出部33と、操作入力部15においてユーザによる表示画面を切り替える操作(特にユーザによるジョブ実行指示)が検知されたとき、エラー検出部33によって表示エラーが検出されている場合に、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面G4を表示部14に表示するエラー処理部34とを備えた構成となっている。
【0074】
上記構成によれば、ブラウザ30により表示部14に表示された表示画面に含まれる一部又は全部の画像が正常に表示されていない場合でも、画像処理装置2においてジョブの実行が開始される前に、ユーザは非表示状態となっていた画像に対応する情報を容易に確認することができる。そのため、ユーザにとって意図しない出力形態となってしまうことを防止することができる。
【0075】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明には、上述した実施形態以外にも種々の変形例が適用可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態では、主としてユーザがスタートキー45を操作したタイミングで、表示画面に表示エラーが検出されていれば、非表示となっている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面G4を表示する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、上述したようにユーザが表示画面を切り替える操作を行う都度、その直前の表示画面で表示エラーが検出されていれば、非表示となっている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を表示部14に表示するようにしても良い。例えば、ユーザが画像処理装置2の特定の機能について設定操作を行っていくとき、前画面での設定内容が次画面に反映され、次画面が前画面での設定内容をさらに詳細に設定するための表示画面となるような場合、ブラウザ30は次画面を前画面での設定内容に対応した表示画面を取得するためにWebサーバ3とデータ通信を行う。このような状態のとき、前画面で正常に表示されていない画像があれば、ユーザによって次画面に切り替える操作が行われたタイミングで、エラー処理部34が設定内容D30と共に画面表示状態D31をWebサーバ3に送信する(図8参照)。すると、Webサーバ3は、次画面を画像処理装置2に送信する前に、前画面に対応する確認画面G4に関するWebページD40を生成して画像処理装置2に送信するので、ブラウザ30は前画面から次画面に遷移させる前に前画面での設定内容をユーザに確認させるために確認画面G4を表示部14に表示することができる。
【0077】
また、上述した実施形態では、画像処理装置2がWebサーバ3から確認画面G4を取得して表示部14に表示する場合を例示した。しかし、これに限られるものでもない。例えば、Webサーバ3から取得した表示画面で表示エラーが検出された場合、画像処理装置2が内部処理で確認画面G4を生成して表示部14に表示するようにしても良い。
【0078】
さらに、上述した実施形態では、本発明にかかる表示画面制御装置を、MFPなどの画像処理装置2に実装した場合を例示した。しかし、上述した表示画面制御装置としての各構成要素を適用可能な装置は、MFPのような画像処理装置2に限られない。つまり、上述した表示画面制御装置としての各構成要素は、画像処理装置以外の装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
3 Webサーバ
4 ネットワーク
10 制御部(表示画面制御装置)
13 操作パネル
14 表示部(表示手段)
15 操作入力部(操作入力手段)
18 通信インタフェース(通信手段)
21 プログラム
30 ブラウザ
31 画面要求部
32 表示処理部
33 エラー検出部(エラー検出手段)
34 エラー処理部(エラー処理手段)
36 ジョブ実行制御部(ジョブ実行制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる各種入力操作を検知する操作入力手段と、
Webサーバとデータ通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記Webサーバから表示画面を取得して前記表示手段に表示するブラウザと、
前記ブラウザによって前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するエラー検出手段と、
前記操作入力手段においてユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたとき、前記エラー検出手段によって表示エラーが検出されている場合に、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するエラー処理手段と、
を備えることを特徴とする表示画面制御装置。
【請求項2】
前記エラー処理手段は、前記エラー検出手段によって検出されている表示エラーを前記Webサーバに通知することにより、前記Webサーバから前記確認画面を取得して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の表示画面制御装置。
【請求項3】
前記エラー処理手段は、前記操作入力手段においてユーザによるジョブの実行指示が検知されたとき、前記エラー検出手段によって表示エラーが検出されていることを条件として前記確認画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示画面制御装置。
【請求項4】
前記エラー処理手段により前記確認画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記操作入力手段においてジョブ実行指示が検知された場合、ジョブの実行を開始するジョブ実行制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の表示画面制御装置。
【請求項5】
前記エラー処理手段により前記確認画面が前記表示手段に表示されている状態で、前記操作入力手段において再設定操作が検知された場合、前記ブラウザは、前記Webサーバから表示画面を再度取得して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項3又は4に記載の表示画面制御装置。
【請求項6】
前記確認画面には、表示エラーの検出されている画像に対応する設定項目の設定値が含まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表示画面制御装置。
【請求項7】
前記確認画面には、表示エラーの検出されている画像に対応する警告内容が含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の表示画面制御装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続されたWebサーバから表示画面を取得して所定の表示手段に表示するステップと、
前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するステップと、
ユーザによる入力操作を検知するステップと、
ユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたときに表示画面に含まれる画像の表示エラーが検出されている場合、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するステップと、
を有することを特徴とする表示画面制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ネットワークを介して接続されたWebサーバから表示画面を取得して所定の表示手段に表示するステップと、
前記Webサーバから取得された表示画面が前記表示手段に表示されている状態で当該表示画面に含まれる画像の表示エラーの有無を検出するステップと、
ユーザによる入力操作を検知するステップと、
ユーザによる表示画面を切り替える操作が検知されたときに表示画面に含まれる画像の表示エラーが検出されている場合、当該表示エラーの検出されている画像に対応する非表示の情報を含む確認画面を前記表示手段に表示するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−227790(P2011−227790A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98397(P2010−98397)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】