説明

表示管の駆動装置及び駆動方法

【課題】この発明は、スタンバイモードにおける表示管の消費電力量を効果的に削減することができ、十分に実用に適するようにした表示管の駆動装置及び駆動方法を提供することを目的としている。
【解決手段】AV機器に設置された表示管(21)のフィラメントにフィラメント電圧(Vf)を印加する表示管の駆動装置であって、AV機器が通常モードにあるとき表示管(21)のフィラメントに規定レベル(+5V)のフィラメント電圧(Vf)を印加し、AV機器がスタンバイモードにあるとき表示管(21)のフィラメントに規定レベル(+5V)よりも低レベルのフィラメント電圧(Vf)を印加する制御手段(17,20,25)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に蛍光表示管(fluorescent character display tube)等の駆動に使用して好適する表示管の駆動装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、現在、AV(audio/visual)機器には、時刻を含む各種の状態を表示するために蛍光表示管が広く採用されている。この蛍光表示管は、表示内容に対応させてセグメント状に分離して配置された複数のアノードに蛍光体を塗布し、フィラメントから放出される電子を各蛍光体に選択的に当てて可視発光させることにより、所望の内容を表示させるようにしている。
【0003】
ところで、AV機器には、電源スイッチが投入されることにより(電源オン時)、各部に電力が供給されて主要な機能動作を実現することができる通常モードの他に、例えば、電源スイッチが遮断された状態でも(電源オフ時)、電源プラグがコンセントに挿入されている状態であれば、特定の部分に対してのみ電力が供給されるようにしたスタンバイモードが備えられている。
【0004】
そして、このスタンバイモードにあっては、AV機器が主要な機能動作を実現していない状態であることから、当然、消費電力量の削減を図ることが必要となる。この場合、特に、大多数のAV機器は、スタンバイモードにおいて蛍光表示管に時刻表示を行なわせている。このため、スタンバイモードにおける蛍光表示管の消費電力量を削減することが重要な課題となる。
【0005】
特許文献1には、通常表示モードからスタンバイ表示モードに移行するとき、表示管の中のスタンバイ表示モードでの表示が要求される特定の表示部のみを低電圧駆動させ、上記特定の表示部以外の表示部には駆動電圧を全く供給させないようにすることで、スタンバイ表示モード時における表示管の消費電力を少なくするようにした駆動回路の構成が開示されている。
【特許文献1】特開平11−184423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、スタンバイモードにおける表示管の消費電力量を効果的に削減することができ、十分に実用に適するようにした表示管の駆動装置及び駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る表示管の駆動装置は、AV機器に設置された表示管のフィラメントにフィラメント電圧を印加するものを対象としている。そして、AV機器が通常モードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルのフィラメント電圧を印加し、AV機器がスタンバイモードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を印加する制御手段を備えるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係る表示管の駆動方法は、AV機器に設置された表示管のフィラメントにフィラメント電圧を印加する方法を対象としている。そして、AV機器が通常モードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルのフィラメント電圧を印加し、AV機器がスタンバイモードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を印加するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
上記した発明によれば、AV機器が通常モードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルのフィラメント電圧を印加し、AV機器がスタンバイモードにあるとき表示管のフィラメントに規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を印加するようにしたので、スタンバイモードにおける表示管の消費電力量を効果的に削減することができ、十分に実用に適するものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するAV機器をその電源系を主体にして示している。すなわち、交流電源11から得られる交流電圧は、整流平滑部12、スイッチング部13及びコンバータトランス14により、後段の整流平滑部15、負電圧整流平滑部16及びフィラメント電圧整流平滑部17でそれぞれ必要なレベルの交流電圧に変換される。なお、整流平滑部15からは、制御回路18を介してスイッチング部13を制御するフィードバックループが形成されている。
【0011】
そして、上記整流平滑部15から出力される直流電圧は、AV機器の主要な機能を実現するための各種回路機構部19と、AV機器の全ての動作を統括的に制御するためのマイクロコンピュータ部20と、蛍光表示管21を駆動するための表示管コントローラ22とにそれぞれ供給されている。蛍光表示管21による表示は、マイクロコンピュータ部20から発生されたデータに基づいて、表示管コントローラ22が蛍光表示管21を駆動することにより行なわれる。
【0012】
また、上記負電圧整流平滑部16から出力される直流負電圧は、スイッチ23及び負電圧安定化部24を介して表示管コントローラ22に供給されている。このスイッチ23は、マイクロコンピュータ部20から発生される表示管オンオフ信号に基づいてオンオフ制御される。すなわち、マイクロコンピュータ部20は、蛍光表示管21に表示を行なわせるとき表示管オン信号を発生し、これにより、スイッチ23がオンされる。スイッチ23がオンされると、負電圧整流平滑部16から出力される直流負電圧が負電圧安定化部24を介して表示管コントローラ22に供給され、表示管コントローラ22が蛍光表示管21を駆動するようになる。
【0013】
さらに、上記フィラメント電圧整流平滑部17から出力される直流電圧は、フィラメント電圧切替部25を介して蛍光表示管21に供給されている。このフィラメント電圧切替部25は、マイクロコンピュータ部20から発生された電源オンオフ信号に基づいて、表示管21に供給するフィラメント電圧Vfを、規定レベルである+5Vとそれよりも低いレベル(例えば+3.5V程度)とに切り替えている。すなわち、マイクロコンピュータ部20は、通常モードのとき電源オン信号を発生し、スタンバイモードのとき電源オフ信号を発生する。そして、フィラメント電圧切替部25は、電源オン信号が発生されたとき表示管21に規定レベルのフィラメント電圧Vfを供給し、電源オフ信号が発生されたとき表示管21に低レベルのフィラメント電圧Vfを供給するように切り替えている。
【0014】
なお、上記負電圧安定化部24の出力端とフィラメント電圧切替部25の0レベル出力端との間には、カットオフ電圧生成部26が介在されている。また、上記整流平滑部15から出力される直流電圧は、スイッチ27を介して上記各種回路機構部19に供給されている。このスイッチ27は、マイクロコンピュータ部20から電源オン信号が発生されたときオンされる。スイッチ27がオンされると、整流平滑部15から出力される直流電圧が各種回路機構部19に供給され、これにより、各種回路機構部19が駆動されるようになる。
【0015】
図2は、図1に示したAV機器から、この実施の形態で説明すべき主要部の構成を取り出して示している。すなわち、上記表示管コントローラ22には、上記整流平滑部15から出力される直流電圧(+5V)が常時供給されている。そして、この表示管コントローラ22には、マイクロコンピュータ部20が表示管オン信号を発生したときに、上記負電圧安定化部24から出力される直流負電圧(−30V)が供給される。これにより、表示管コントローラ22は、蛍光表示管21に表示用のデータを送って、蛍光表示管21を表示駆動するようになる。
【0016】
また、上記蛍光表示管21には、フィラメント電圧Vfの負(−)極性側入力端−Fと正(+)極性側入力端+Fとが設けられている。このうち、負極性側入力端−Fには、フィラメント電圧切替部25の0レベル出力端から得られる0V(接地レベル)のフィラメント−(マイナス)電圧が印加されている。また、蛍光表示管21のフィラメント電圧Vfの正極性側入力端+Fには、フィラメント電圧切替部25の正レベル出力端から得られる所定レベルのフィラメント+(プラス)電圧が印加されている。
【0017】
このフィラメント+電圧は、マイクロコンピュータ部20から発生された電源オンオフ信号に基づいて、規定レベルである+5Vとそれよりも低レベル(例えば+3.5V程度)とに切り替えられるようになっている。すなわち、蛍光表示管21のフィラメント電圧Vfの正極性側入力端+Fには、電源オン信号が発生されたとき規定レベルのフィラメント+電圧が供給され、電源オフ信号が発生されたとき低レベルのフィラメント+電圧が供給されるようになっている。
【0018】
なお、上記カットオフ電圧生成部26は、ツェナーダイオードDZ2によってカットオフ電圧Vkを得るように構成されている。
【0019】
上記した実施の形態によれば、通常モードのとき、マイクロコンピュータ部20から発生される電源オン信号に基づいて、蛍光表示管21が規定レベルのフィラメント電圧Vfで表示駆動され、スタンバイモードのとき、マイクロコンピュータ部20から発生される電源オフ信号に基づいて、蛍光表示管21が低レベルのフィラメント電圧Vfで表示駆動されるようにしたので、スタンバイモードにおける蛍光表示管21の消費電力量を効果的に削減することができる。
【0020】
この点について、現状では、表示管コントローラ22に供給する直流負電圧(−30V)を、スタンバイモードのときに−5Vに変更することで消費電力量の削減を行なう構成も考えられている。しかしながら、スタンバイモードでは、大多数のAV機器が蛍光表示管21に時刻表示を行なわせているだけである。そして、時刻表示に使用される電流は3mA程度であって、通常モードでも[5V−(−30V)]×3mA=0.105Wの電力損失しか生じていない。
【0021】
これに対し、フィラメントラインの負荷は、通常25Ω程度であって、フィラメント電圧Vfを規定レベル(+5V)から30%(1.5V)下げて3.5Vにするだけで、(5V×5V/25Ω)−(3.5V×3.5V/25Ω)=0.51Wの電力を削減することができるようになる。AV機器のスタンバイモードにおける消費電力量は3W程度であるため、0.51W−0.105W=0.405Wの電力削減は、上記した現状のものに比して、大きな効果となる。
【0022】
次に、図3は、蛍光表示管21のアノード電圧とフィラメント電圧Vfとの関係を示している。すなわち、蛍光表示管21では、図3の実線aに示すように、蛍光表示管21の負極性側入力端−Fに0Vのフィラメント−電圧が印加され、正極性側入力端+Fに規定レベル(+5V)のフィラメント+電圧が印加された状態、つまり、フィラメントの一端部に0Vが印加され、他端部に+5Vが印加された通常モードのときに、蛍光表示管21の両端部のアノード電圧(Vb+),(Vb−)が等しくなるように、アノードに対するフィラメント電圧Vfの傾きを調整して、蛍光表示管21の左右で輝度ムラが発生しないようにしている。実際には、蛍光表示管21のアノードに対してフィラメントを物理的に傾けて設置している。
【0023】
このため、先に述べたように、スタンバイモードのときに、フィラメント電圧Vfの正極性側入力端+Fに規定レベル(+5V)よりも低レベルのフィラメント+電圧を印加するようにすると、図3の実線bに示すように、フィラメント電圧Vfの傾きがアノードに対応しなくなり、アノード電圧がVb1〜Vb6に示すように、蛍光表示管21の各部で異なるようになるため、輝度ムラが発生し易くなる。
【0024】
そこで、蛍光表示管21の表示領域を、中央部の表示位置2と、フィラメント電圧Vfの正極性側入力端+Fに近い表示位置1と、フィラメント電圧Vfの負極性側入力端−Fに近い表示位置3との3つに分割して考える。この場合、表示位置1,3は同じ表示幅とし、表示位置2は表示位置1,3よりも表示幅が長いものとする。
【0025】
すると、それぞれの表示位置1〜3におけるフィラメント電圧Vfの傾きは同じであるが、表示位置2の場合は、表示位置3に対して表示幅が長いため輝度ムラが発生し易くなっている。
【0026】
また、表示位置2の両端部におけるアノード電圧Vb3,Vb4の差分を(ΔVb4−3)とし、表示位置3の両端部におけるアノード電圧Vb5,Vb6の差分を(ΔVb6−5)とすると、
(ΔVb4−3)>(ΔVb6−5)
となり、表示位置2の方が表示位置3よりもアノード電圧が高くなり、消費電力量も大きくなる。
【0027】
また、表示位置1の場合は、表示位置3と表示幅が同じであるため、輝度ムラは同じになる。そして、表示位置1の両端部におけるアノード電圧Vb1,Vb2の差分を(ΔVb2−1)とすると、
(ΔVb2−1)=(ΔVb6−5)
となるが、Vb1>Vb2>Vb5>Vb6であるため、アノード電圧が高くなり、アノード電流が大きくなるので、消費電力量が大きくなる。
【0028】
そこで、この実施の形態では、スタンバイモードにおいて、蛍光表示管21が低レベルのフィラメント電圧Vfで駆動されたとき、輝度ムラ及び消費電力量等を考慮して、フィラメント電圧Vfの負極性側入力端−Fに近い表示位置3に、スタンバイモードでの表示(例えば時刻表示等)を行なわせるようにしている。
【0029】
フィラメント電圧Vfを規定レベルよりも低レベルにすると、通常モードのときよりも輝度が低下し表示が暗くなるが、スタンバイモードのときだけであるため実使用上問題とはならない。逆に、夜間におけるスタンバイモードでの表示が明るすぎることに対する対策となる。要するに、スタンバイモードのとき、蛍光表示管21のフィラメント電圧Vfの負極性側入力端−Fに近い位置に表示を集中させることにより、輝度ムラが少なく、省電力での表示を可能とすることができる。
【0030】
図4及び図5は、図1に示したAV機器の各ブロックを具体的に示している。まず、図4において、トランスT1がコンバータトランス14を構成し、ダイオードD1及びコンデンサC1が整流平滑部15を構成し、ダイオードD2及びコンデンサC2が負電圧整流平滑部16を構成し、ダイオードD3及びコンデンサC3がフィラメント電圧整流平滑部17を構成している。
【0031】
また、トランジスタQ1〜Q3がスイッチ23を構成し、抵抗R1及びツェナーダイオードDZ1が負電圧安定化部24を構成し、抵抗R3,トランジスタQ6〜Q8及びツェナーダイオードDZ3,DZ4がフィラメント電圧切替部25を構成し、ツェナーダイオードDZ2がカットオフ電圧生成部26を構成し、トランジスタQ4,Q5がスイッチ27を構成している。
【0032】
スタンバイモードのときには、マイクロコンピュータ部20からL(low)レベルの電源オフ信号が発生されるので、トランジスタQ8がオフ状態、トランジスタQ7がオン状態となるため、ツェナーダイオードDZ4がトランジスタQ7によって側路される。これにより、蛍光表示管21に与えるフィラメント電圧Vfが低レベルに切り替えられる。
【0033】
また、通常モードのときには、マイクロコンピュータ部20からH(high)レベルの電源オン信号が発生されるので、トランジスタQ8がオン状態、トランジスタQ7がオフ状態となるため、ツェナーダイオードDZ3,DZ4で決まる規定レベル(+5V)のフィラメント電圧Vfが、蛍光表示管21に与えられることになる。
【0034】
なお、スタンバイモードのときに、整流平滑部15から出力される直流電圧(+5V)と抵抗R3とによって決定されるトランジスタQ7に流れる電流は1mA程度であり、スタンバイモードでの電力損失の増加分は5V×1mA=0.005Wだけとなる。この値は、先に述べたフィラメント電圧Vfを低下させることによる電力削減分(0.405W)に比べて非常に小さく、消費電力量の削減を何ら妨げるものではない。
【0035】
次に、図5においては、トランスT1がコンバータトランス14を構成し、ダイオードD1及びコンデンサC1が整流平滑部15を構成し、ダイオードD2及びコンデンサC2が負電圧整流平滑部16を構成し、ダイオードD3及びコンデンサC3がフィラメント電圧整流平滑部17を構成している。
【0036】
また、トランジスタQ1,Q2がスイッチ23を構成し、抵抗R1及びツェナーダイオードDZ1が負電圧安定化部24を構成し、抵抗R3,R4,トランジスタQ7〜Q9及びツェナーダイオードDZ5がフィラメント電圧切替部25を構成し、ツェナーダイオードDZ2がカットオフ電圧生成部26を構成し、トランジスタQ4,Q5がスイッチ27を構成している。
【0037】
スタンバイモードのときには、マイクロコンピュータ部20からLレベルの電源オフ信号が発生されるので、トランジスタQ8がオフ状態、トランジスタQ7がオフ状態、トランジスタQ9がオフ状態となるため、抵抗R4の電流制限作用により、フィラメント電圧整流平滑部17から出力される規定レベルのフィラメント電圧Vfが降下され、これにより、蛍光表示管21に与えるフィラメント電圧Vfが低レベルに切り替えられる。
【0038】
また、通常モードのときには、マイクロコンピュータ部20からHレベルの電源オン信号が発生されるので、トランジスタQ8がオン状態、トランジスタQ7がオン状態となるため、ツェナーダイオードDZ5で決まる規定レベル(+5V)のフィラメント電圧Vfが、蛍光表示管21に与えられることになる。
【0039】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、AV機器をその電源系を主体にして説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態におけるAV機器の主要部を取り出して説明するために示すブロック構成図。
【図3】同実施の形態におけるAV機器の蛍光表示管のアノード電圧とフィラメント電圧との関係を説明するために示す図。
【図4】同実施の形態におけるAV機器の各ブロックの一具体例を説明するために示すブロック回路構成図。
【図5】同実施の形態におけるAV機器の各ブロックの他の具体例を説明するために示すブロック回路構成図。
【符号の説明】
【0041】
11…交流電源、12…整流平滑部、13…スイッチング部、14…コンバータトランス、15…整流平滑部、16…負電圧整流平滑部、17…フィラメント電圧整流平滑部、18…制御回路、19…各種回路機構部、20…マイクロコンピュータ部、21…蛍光表示管、22…表示管コントローラ、23…スイッチ、24…負電圧安定化部、25…フィラメント電圧切替部、26…カットオフ電圧生成部、27…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AV機器に設置された表示管のフィラメントにフィラメント電圧を印加する表示管の駆動装置であって、
前記AV機器が通常モードにあるとき前記表示管のフィラメントに規定レベルのフィラメント電圧を印加し、前記AV機器がスタンバイモードにあるとき前記表示管のフィラメントに前記規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を印加する制御手段を具備することを特徴とする表示管の駆動装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
直流電圧を生成する生成手段と、
前記AV機器が通常モードであることを示す信号に基づいて、前記生成手段で生成された直流電圧から前記規定レベルのフィラメント電圧を得て前記表示管のフィラメントに印加させ、前記AV機器がスタンバイモードであることを示す信号に基づいて、前記生成手段で生成された直流電圧から前記規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を得て前記表示管のフィラメントに印加させる電圧切替手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の表示管の駆動装置。
【請求項3】
前記AV機器がスタンバイモードにあるときには、前記表示管におけるフィラメント電圧の負極性側入力端に近い位置で表示を行なわせることを特徴とする請求項1記載の表示管の駆動装置。
【請求項4】
前記表示管は、蛍光表示管であることを特徴とする請求項1記載の表示管の駆動装置。
【請求項5】
AV機器に設置された表示管のフィラメントにフィラメント電圧を印加する表示管の駆動方法であって、
前記AV機器が通常モードにあるとき前記表示管のフィラメントに規定レベルのフィラメント電圧を印加し、前記AV機器がスタンバイモードにあるとき前記表示管のフィラメントに前記規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を印加することを特徴とする表示管の駆動方法。
【請求項6】
直流電圧を生成する生成工程と、
前記AV機器が通常モードであることを示す信号に基づいて、前記生成工程で生成された直流電圧から前記規定レベルのフィラメント電圧を得て前記表示管のフィラメントに印加させ、前記AV機器がスタンバイモードであることを示す信号に基づいて、前記生成工程で生成された直流電圧から前記規定レベルよりも低レベルのフィラメント電圧を得て前記表示管のフィラメントに印加させる電圧切替工程とを具備することを特徴とする請求項5記載の表示管の駆動方法。
【請求項7】
前記AV機器がスタンバイモードにあるときには、前記表示管におけるフィラメント電圧の負極性側入力端に近い位置で表示を行なわせることを特徴とする請求項5記載の表示管の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−299127(P2008−299127A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145799(P2007−145799)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】