表示装置、および駆動方法
【課題】液晶表示装置における消費電力の低減を図ることが可能な表示装置、および駆動方法を提供する。
【解決手段】マトリクス状に配置される信号線および走査線と、信号線および走査線の交差箇所に配置される画素回路とを有する表示部と、走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動させる対向電極駆動部とを備え、画素回路は、信号線に第1端子が接続されゲート端子に印加される走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、対向電極との間に形成される液晶容量と、画素電極と対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に保持容量の両端を対向電極に短絡させる第2スイッチング素子とを備える表示装置が提供される。
【解決手段】マトリクス状に配置される信号線および走査線と、信号線および走査線の交差箇所に配置される画素回路とを有する表示部と、走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動させる対向電極駆動部とを備え、画素回路は、信号線に第1端子が接続されゲート端子に印加される走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、対向電極との間に形成される液晶容量と、画素電極と対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に保持容量の両端を対向電極に短絡させる第2スイッチング素子とを備える表示装置が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、および駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、携帯電話やPC(Personal Computer)、テレビジョン受像機などのような様々な装置の表示デバイスとして液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)が用いられている。上記のような表示機能を有する表示装置では、例えば、駆動時間をより長くするためや社会的なニーズの高まりなどにより、省電力化が求められている。
【0003】
このような中、液晶表示装置における消費電力の低減を図る技術が開発されている。チャージシェアリングを行うことによって消費電力の低減を図る技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−244662号公報
【特許文献2】特開2007−058177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置(以下、単に「表示装置」と示す。)では、液晶素子の劣化を軽減するために一定周期で極性反転駆動が行われる。また、チャージシェアリングとは、例えば対向電極(以下、「VCOM電極」と示す場合がある。)との短絡を選択的に生じさせて電荷の再利用をすることによって、極性反転駆動のために消費される電力を低減させることをいう。よって、上記特許文献1、特許文献2に示すような、チャージシェアリングを行う従来の技術(以下、総称して「従来の技術」と示す場合がある。)を用いることによって、表示装置における省電力化をある程度は図ることができる可能性はある。
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1に示すチャージシェアリングを行う技術(以下、「従来の技術1」と示す場合がある。)は、チャージシェアリング時(短絡時)において、表示パネルのアクティブ領域外のドライバに近い部分でソース駆動線(データ線)とVCOM電極とを短絡させる。ここで、従来の技術1では、短絡時において表示パネル内部は駆動されておらず、表示パネル内に充電されている電荷を用いて、ソース駆動線およびVCOM電極を同電位まで推移させることとなるが、このときどれだけ同電位に近づけることができるかは、負荷の大きさと短絡している時間の長さに依存する。従来の技術1では、短絡点(スイッチトランジスタ)が、表示パネルのアクティブ領域外(パネル周囲)もしくはドライバIC(Integrated Circuit)内部となっているので、当該短絡点から遠い部分では負荷が大きく、十分な電位に達するまでに時間がかかってしまう。
【0007】
よって、従来の技術1を用いたとしても、表示パネルにおいてチャージシェアリングの効果が得られない部分が存在しうることから、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができるとは限らない。
【0008】
また、特許文献2に示すチャージシェアリングを行う技術(以下、「従来の技術2」と示す場合がある。)は、短絡点の配置位置をソース駆動線の両端に配置している。よって、従来の技術2を用いる場合には、従来に技術1を用いる場合よりもチャージシェアリングにかかる時間を少なくすることができる可能性はある。しかしながら、従来の技術2を用いたとしても従来の技術1を用いる場合と同様に、短絡点から遠い部分では負荷が大きく、十分な電位に達するまでに時間がかかってしまうことから、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができるとは限らない。
【0009】
したがって、従来の技術を用いたとしても、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができない恐れがある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることが可能な、新規かつ改良された表示装置、および駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、マトリクス状に配置される信号線および走査線と、上記信号線および上記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、上記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、上記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動させる対向電極駆動部と、を備え、上記画素回路は、上記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される上記走査線に印加される上記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、上記対向電極との間に形成される液晶容量と、上記画素電極と上記対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、を備える表示装置が提供される。
【0012】
かかる構成によって、各画素内において、対向電極−画素容量(液晶容量および保持容量)間チャージシェアリングを行うことが可能となるので、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0013】
また、上記チャージシェアリング駆動線は、上記走査線と並走して配線されてもよい。
【0014】
また、上記走査線駆動部は、上記走査信号の生成に用いられるシフトデータを用いて上記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した上記第1チャージシェアリング駆動信号を上記チャージシェアリング駆動線に印加してもよい。
【0015】
また、上記走査線駆動部、上記信号線駆動部、および上記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、上記対向電極駆動部と上記対向電極とを、第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続、または、上記表示部を構成する上記信号線と上記対向電極との接続を、上記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、をさらに備え、上記第2チャージシェアリング駆動信号は、上記タイミング制御部により生成されてもよい。
【0016】
また、上記走査線駆動部は、上記走査信号の生成に用いられるシフトデータと上記第2チャージシェアリング駆動信号とを用いて上記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した上記第1チャージシェアリング駆動信号を上記チャージシェアリング駆動線に印加してもよい。
【0017】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、同時に行われてもよい。
【0018】
また、上記走査線駆動部は、上記第1のチャージシェアリングおよび上記第2のチャージシェアリングが開始された後に上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子を導通させ、上記信号線を上記対向電極に短絡させてもよい。
【0019】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、別々に行われてもよい。
【0020】
また、上記第1のチャージシェアリングが開始された後に、上記第2のチャージシェアリングが行われてもよい。
【0021】
また、上記第1のチャージシェアリングは、上記第2のチャージシェアリングが行われる水平期間の一つ前の水平期間において行われてもよい。
【0022】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングと、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子および上記第2スイッチング素子の導通を行うことにより上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングとは、上記走査線駆動部が生成する上記走査信号と、上記タイミング制御部が生成する上記第2チャージシェアリング駆動信号とにより制御されてもよい。
【0023】
また、一水平期間において、上記画素回路に上記データ信号が印加される画素書き込みと、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、任意の順序で行われてもよい。
【0024】
また、上記第1のチャージシェアリングと上記第2のチャージシェアリングが同時に開始され、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子の導通が遮断され、かつ上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続がされた後に、上記第1スイッチング素子が導通して上記画素書き込みが行われてもよい。
【0025】
また、上記第1のチャージシェアリングが開始された後または同時に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子が導通されることによって、上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、上記画素回路を構成する上記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に上記画素回路に上記データ信号が印加されて、上記画素書き込みが行われてもよい。
【0026】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングが開始された後に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子が導通されることによって、上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子および上記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に、上記第1スイッチング素子が導通して上記画素回路に上記データ信号が印加される画素書き込みが行われてもよい。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、マトリクス状に配置される信号線および走査線と、上記信号線および上記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、上記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、上記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動する対向電極駆動部と、上記走査線駆動部、上記信号線駆動部、および上記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、上記対向電極駆動部と上記対向電極とを、上記タイミング制御部により生成される第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続、または、上記表示部を構成する上記信号線と上記対向電極との接続を、上記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング部とを備え、上記画素回路は、上記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される上記走査線に印加される上記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、上記対向電極との間に形成される液晶容量と、上記画素電極と上記対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通し、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子とを備える表示装置に適用可能な、上記画素回路に上記データ信号を印加する画素書き込みのための駆動方法であって、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとを同時に開始する第1ステップと、上記第1ステップの後に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子の導通を遮断し、かつ上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部とを接続する第2ステップと、第2ステップの後に、上記信号線に上記データ信号を印加する第3ステップと、を有する駆動方法が提供される。
【0028】
かかる方法を用いることによって、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る表示装置が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係るゲートドライバ(走査駆動部)の構成の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係るゲートドライバ(走査駆動部)の構成の他の例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る表示装置の構成の他の例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図17】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
(前提)
本発明の実施形態に係る表示装置(以下、「表示装置100」と示す場合がある。)の構成について説明する前に、表示装置100に係る構成の前提となる技術について説明する。
【0033】
図1〜図7は、本発明の実施形態に係る表示装置100に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【0034】
図1は、一般的な液晶表示装置が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示している。ここで、一般的な画素は、例えば、トランジスタTR1と、画素電極(図示せず)とVCOM電極(対向電極)との間に形成される液晶容量CLCと、画素電極とVCOM電極との間に形成される保持容量CSTとを有する。トランジスタTR1は、ゲート端子に印加されるゲート駆動線信号GPX(走査信号)の論理レベルに応じて選択的に導通する。トランジスタTR1が選択的に導通することによって、第1端子に接続されたソース駆動線(信号線)に印加されるソース駆動線信号(データ信号)が書き込まれる。
【0035】
また、図2は、従来の表示装置(以下、「表示装置10」と示す場合がある。)の構成(チャージシェアリングに係る構成)の一例を示している。表示装置10は、表示パネル12(表示部)と、ゲートドライバ14(走査線駆動部)と、ソースドライバ16(信号線駆動部)と、VCOMドライバ18(対向電極駆動部)と、タイミング制御部20と、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部22とを備える。
【0036】
表示パネル12は、マトリクス状に配置されるソース駆動線(信号線)およびゲート駆動線(走査線)を有し、ソース駆動線およびゲート駆動線の交差箇所それぞれには、図1に示す画素回路が設けられる。以下では、表示パネル12の内部に含まれる駆動線を「内部駆動線」と示す場合がある。
【0037】
ゲートドライバ14は、ゲート駆動線にゲート駆動線信号(走査信号)を印加する。ソースドライバ16は、ソース駆動線(信号線)にソース駆動線信号(データ信号)を印加する。VCOMドライバ18は、VCOM電極を駆動させる。タイミング制御部20は、ゲートドライバ14、ソースドライバ16、およびVCOMドライバ18それぞれの駆動タイミングを制御する。
【0038】
第1スイッチング部SW1は、VCOMドライバ18とVCOM電極とを、印加されるチャージシェアリング駆動信号CSE(以下、「CSE信号」と示す場合がある。)の論理レベルに応じて選択的に導通させる。ここで、チャージシェアリング駆動信号CSEは、タイミング制御部20が印加する。第2スイッチング部22は、表示パネル12を構成するソース駆動線ごとにスイッチSW2を備え、各ソース駆動線とソースドライバ16との接続、または、ソース駆動線とVCOM電極との接続を、チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて切り替え、選択的にソース駆動線をVCOM電極に短絡させる。つまり、表示装置10は、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部22とを備えることによって、チャージシェアリングを行う。
【0039】
図3は、表示装置10が備えるゲートドライバ14の回路構成を示している。ゲートドライバ14は、複数のシフトレジスタと論理和回路とで構成され、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路30と、各ゲート駆動線に対応するドライバ回路32とを備える。ここで、図3に示す「STV」は、ゲートドライバ用シフトデータ、「CKV」は、ゲートドライバ用シフトクロックを示している(以下、同様とする。)。また、図3に示す「GE」はゲートドライバ出力イネーブル(以下、「GE信号」と示す場合がある。)、「CSE」はチャージシェアリング・イネーブル、「XSR[n]」は、シフトデータ(nは自然数)、「HE」は水平方向有効期間(水平期間)、「GL[n]」はゲート駆動線(nは自然数)をそれぞれ示している(以下、同様とする。)。
【0040】
図4は、一画面走査分の駆動波形を示しており、図5は、ゲート駆動線信号の成形波形を示している。ここで、図4、図5に示す「VS」は、垂直同期信号を示し、「HS」は、水平同期信号を示している。また、図4、図5に示す「CSE」はチャージ・シェアリング・イネーブル、「S[m]」はソースドライバ出力(mは自然数)、「VCOMP」はVCOMドライバ出力をそれぞれ示している(以下、同様とする。)。また、図5に示す「Timing−A」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けない場合の例を示しており、「Timing−B」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けた場合の例を示している。また、「Timing−C」は、GE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設け、その後一旦GE信号をオフにした場合の例を示している。
【0041】
図6は、表示装置10における従来のチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示している。ここで、図6では、2行分の駆動波形を示している。図6は、各ドライバのうちの行nおよび行n+1駆動部を局所的に記載したものであり、それぞれの波形はドライバ端(ドライバ出力)、VCOM電極とソース駆動線、画素(n,m)、画素(n+1,m)の電位状態を示している。また、図6は、主に極性ライン反転駆動かつVCOMパルス駆動を例に挙げているが、例えば極性カラム反転駆動(列反転)、極性ドット反転駆動であっても原理は同じである。また、極性カラム反転駆動、極性ドット反転駆動では、例えばVCOM定電圧駆動が多く用いられるが、こちらも同様の技術を使用することができる。ここで、図6におけるVCOM電位を基準にみた場合が、VCOM定電圧駆動に相当する。また、図6における階調書き込み条件は、前フレームおよび現フレームとも同画素には同階調を極性反転して書き込むこととし、図6では、画素(n,m)には階調210レベルを書き込み、画素(n+1,m)には階調84レベルを書き込む例を示している。また、図6では、前後の画素である画素(n−1,m)には、階調170レベルを書き込み、画素(n+2,m)には階調255レベルを書き込む例を示している。なお、nおよびmは、自然数である。
【0042】
図6を参照すると、表示装置10は、一水平期間でドライバ出力が極性反転を行う際にCSE信号を有効にし、ソースドライバ16およびVCOMドライバ18の出力端と表示パネル12の内部駆動線を、第1スイッチング部SW1、および第2スイッチング部22を構成するスイッチSW2を用いて切り離す。このときVCOM電極とソース駆動線はこれらを能動する各ドライバから切り離され浮遊状態となっている。また、スイッチSW2によってVCOM電極とソース駆動線が短絡状態となる。短絡の直前は行n−1の画素を書き込むために必要な電圧値にソース駆動線およびVCOM電極が充電されている。また、すでに画素の書き込みは終了しており、ソース駆動線およびVCOM電極の配線容量や層間寄生容量等に充電されている電荷の役割は終了している。このとき、各画素は、液晶容量(CLC)および保持容量(CST)とVCOM電極とが容量結合した状態で書き込まれた電位差(階調)を保持している。
【0043】
ここで、表示部10がチャージシェアリング機構を備えていない場合には、ソース駆動線に溜まっている役割が終わり不要となった電荷の回収と所望の電位へ充電(書き込み)が、ソースドライバ16によって駆動される。極性ライン反転駆動(行反転)かつVCOMパルス駆動の場合には、VCOM電極は必ず極性反転を行うために高い電位から低い電位へ、もしくは低い電位から高い電位へ電位が推移することとなるが、この充電もVCOMドライバ18が担うこととなる。そのため、チャージシェアリング機構を備えていない場合には、画素書き込み前準備であるVCOM電極およびソース駆動線の極性反転時に電位の推移が大きく発生し、電荷の移動が大きいために消費電力が大きくなる。
【0044】
従来の技術では、上記極性反転を行うタイミングでチャージシェアリングを行うことによって、VCOM電極とソース駆動線に溜まった不要電荷を短絡して中和させ、VCOM電極およびソース駆動線を同電位に推移させている。上記動作は、行nの画素書き込みの電位方向に推移するため、ドライバ駆動のサポートの役割も果たし、プリチャージ動作と似た効果ももたらす。また、このとき電力は消費されていない。
【0045】
チャージシェアリング期間は積極的に各ドライバが能動して充電を行っている期間ではなく、VCOM電極とソース駆動線にそれぞれ溜まっている電荷を中和し電位をそれぞれの容量分割比によって決まる電位(仮に中点とする)に外部から電荷を供給せずに推移させることが、チャージシェアリングの目的であり、チャージシェアリングは、電荷の再利用をすることによって低消費電力化を図るものである。したがって、チャージシェアリングの効果を最大限に引き出すためには、例えば、VCOM電極とソース駆動線および短絡点の容量およびインピーダンスを低くするか、チャージシェアリング期間を長く保つことが必要となる。図1、図2に示す構成では、一水平期間内でチャージシェアリングおよび画素書き込みを時分割で行わなければならないため、例えば図5、図6に示すように、必然的に駆動タイミングが一水平期間内において下記の(i)〜(iii)の順となる。
(i)チャージシェアリングON
(ii)極性反転ドライブ
(iii)チャージシェアリングOFF
【0046】
一水平期間が一定の場合、チャージシェアリング期間を長くとると画素書き込み期間が圧迫される。一方、短い時間で画素書き込みを行うためにはソースドライバの駆動能力を上げる必要があり、駆動能力を上げるためにはソースドライバを構成するバッファ、アンプの定電流を大きくしなければならない。ここで、上記のようにバッファ、アンプの定電流を大きくすることは、上記チャージシェアリングの目的に反しており、かえって電力の増加に繋がってしまう。
【0047】
表示装置における一画面分の走査は、一般的には解像度に依存せず、常に一定(例えば60「Hz」程)である。そのため、水平解像度の増加は一水平期間の減少と直結しており、高解像度化が進む傾向にある現在では、一水平期間は減少傾向にある。また、高解像度化が進むにつれ、ソース駆動線に接続される画素書き込み制御用のスイッチング素子(図1に示すトランジスタTR1に相当)の数も増加するため、負荷も大きくなることとなる。したがって、表示装置の高解像度化や高フレームレート化が進むにつれ、チャージシェアリング期間を長く保つことはできない。チャージシェアリング期間を長く確保できない場合、表示装置10では、図6のAに示す部分のように完全なチャージシェアリングが行われないことになり、不要電荷が余った状態となる。また、表示装置10では、さらに、電位推移が不十分であることから効果的な駆動電力の削減効果が期待できない。
【0048】
したがって、従来の技術に係る図2に示す構成をとる従来の表示装置10では、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることはできない。ここで、図2に示す構成における問題は、短絡点のインピーダンスが高いことである。ドライバ端のみで短絡しているため、VCOM電極とソース駆動線間の電荷移動時の電流密度が短絡点で増している。つまり、図2に示す構成では、短絡点から遠いほどチャージシェアリングの効果は薄れることとなる。
【0049】
図7は、上記図2に示す構成に係る問題の解決を図るための、従来の表示装置10の他の構成を示している。図7に示す構成では、ソース駆動線の他端(ソース駆動線におけるスイッチング部22が接続される一端とは反対の端)にスイッチング部24を備えている。つまり、図7に構成をとる表示装置10は、ソース駆動線の両端に短絡点を設けることによって、インピーダンスを下げている。よって、図3に示す構成をとる表示装置10は、図2に示す構成をとる表示装置10よりもチャージシェアリングの効果を高めることが可能となる。しかしながら、図3に示す構成をとる表示装置10では、ソース駆動線の中点に向かうほど負荷が高くなることから、中点に向かうほどチャージシェアリングの効果が薄れることとなる。したがって、従来の技術に係る図3に示す構成をとったとしても、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができるとは限らない。
【0050】
(本発明の実施形態に係る表示装置100)
[本発明の実施形態に係る表示装置100の概要]
上記のように、従来の技術を用いたとしても、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができるとは限らない。そこで、本発明の実施形態に係る表示装置100は、短絡点のインピーダンスをさらに下げる回路構成をとり、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮させる駆動方法を用いることによって、チャージシェアリング効果を向上させる。
【0051】
以下、本発明の実施形態に係る回路構成の構成と、本発明の実施形態に係る駆動方法について説明する。なお、以下では、従来の技術と、本発明の実施形態に係る表示装置100に係る技術との差異の比較をより容易とするために、図6に示す波形に相当する波形を説明に用いる。
【0052】
[本発明の実施形態に係る回路構成]
図8は、本発明の実施形態に係る表示装置100が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示す説明図である。本発明の実施形態に係る画素は、例えば、第1スイッチング素子TR1と、画素電極(図示せず)とVCOM電極(対向電極)との間に形成される液晶容量CLCと、画素電極とVCOM電極との間に形成される保持容量CSTと、保持容量CSTの両端をバイパスするように電気的に制御可能な第2スイッチング素子TR2とを有する。
【0053】
第1スイッチング素子TR1は、ゲート端子に印加されるゲート駆動線信号GPX(走査信号)の論理レベルに応じて選択的に導通する。第1スイッチング素子TR1が選択的に導通することによって、第1端子に接続されたソース駆動線(信号線)に印加されるソース駆動線信号(データ信号)が書き込まれる。また、第2スイッチング素子TR2は、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号GSPXの論理レベルに応じて導通する。第2スイッチング素子TR2が導通することによって、保持容量CSTの両端はVCOM電極に短絡される。
【0054】
よって、表示装置100は、画素回路が第2スイッチング素子TR2を備えることによって、画素内でチャージシェアリングを行うことが可能である。以下では、本発明の実施形態に係る画素内におけるチャージシェアリングを、「第1のチャージシェアリング」と示す場合がある。
【0055】
ここで、図8では、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とが、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である例を示しているが、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、Nチャネル型のFETに限られない。例えば、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、Pチャネル型のFETであってもよい。上記の構成であっても、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、ゲート端子に印加される信号の論理レベルに応じて選択的に導通することが可能である。また、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、同一の特性を有する任意のスイッチング素子で構成することが可能である。
【0056】
また、図8に示すように、画素を、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とが同一の特性を有するスイッチング素子(図8ではNチャネル型のFET)として製造することによって、例えば図1に示す画素を製造する場合と比較して、製造コストは変わらない。
【0057】
図9は、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の一例を示す説明図である。表示装置100は、表示パネル102(表示部)と、ゲートドライバ104(走査線駆動部)と、ソースドライバ106(信号線駆動部)と、VCOMドライバ108(対向電極駆動部)と、タイミング制御部110と、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部112とを備える。
【0058】
表示パネル102は、マトリクス状に配置されるソース駆動線(信号線。S[m])およびゲート駆動線(走査線。GL[n])を有し、ソース駆動線およびゲート駆動線の交差箇所それぞれには、図8に示す画素回路が設けられる。以下では、表示パネル102の内部に含まれる駆動線を「内部駆動線」と示す場合がある。また、表示パネル102は、内部駆動線として、ゲート駆動線と並走して配線されるチャージシェアリング駆動線(CS[n])を有する。
【0059】
ゲートドライバ104は、ゲート駆動線(GL[n])にゲート駆動線信号GPX(走査信号)を印加する。また、ゲートドライバ104は、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを印加する。
【0060】
〔ゲートドライバ104の構成例〕
図10は、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104(走査駆動部)の構成の一例を示す説明図である。ゲートドライバ104は、図3に示す回路30と同様の構成を有し、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路150と、各ゲート駆動線および各チャージシェアリング駆動線に対応するドライバ回路152とを備える。ここで、ゲートドライバ104は、図3に示す従来のゲートドライバ14にチャージシェアリング制御信号(CSE。以下、「第2チャージシェアリング制御信号」と示す場合がある。)の入力を追加し、タイミング制御部110の第2チャージシェアリング制御信号CSEの出力と接続したものである。また、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを、n行水平期間に生成する。より具体的には、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で一水平期間において有効となっているノード(HE[n])と第2チャージシェアリング制御信号CSEと論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に対応する第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成する。
【0061】
図10に示すように、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線と同様にゲートドライバ104の各セル内でシフトレジスタのシフトデータと第2チャージシェアリング駆動信号CSEとを論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線を駆動する。ゲートドライバ104が上記のような構成をとることによって、表示装置100は、一水平期間内においてGE信号、CSE信号のタイミングを制御することにより、ゲート駆動線とチャージシェアリング駆動線を任意のタイミングで制御することができる。
【0062】
図10に示す構成をとることによって、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線信号GPX(走査信号)の生成に用いられるシフトデータSTVを用いて、第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、生成した第1チャージシェアリング駆動信号GSPXをチャージシェアリング駆動線(CS[n])に印加する。また、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線信号GPX(走査信号)の生成に用いられるシフトデータSTVと、第2チャージシェアリング駆動信号CSEとを用いて(論理ゲートすることによって)第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、生成した第1チャージシェアリング駆動信号GSPXをチャージシェアリング駆動線(CS[n])に印加する。
【0063】
なお、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104の構成は、図10に示す構成に限られない。図11は、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104(走査駆動部)の構成の他の例を示す説明図である。
【0064】
図11に示すゲートドライバ104は、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路154と、各ゲート駆動線および各チャージシェアリング駆動線に対応するドライバ回路156とを備える。ここで、ゲートドライバ104は、図10と同様に、図3に示す従来のゲートドライバ14に第2チャージシェアリング制御信号(CSE)の入力を追加し、タイミング制御部110の第2チャージシェアリング制御信号CSEの出力と接続したものである。また、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを、n−1行およびn行水平期間に生成する。より具体的には、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内でハーフラッチによってシフトされているシフトデータ・ノード(SR[n])と第2チャージシェアリング制御信号CSEと論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に対応する第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成する。
【0065】
本発明の実施形態に係るゲートドライバ104は、例えば図10、図11に示す構成をとることによって、ゲート駆動線信号GPXおよび第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、ゲート駆動線(GL[n])とチャージシェアリング駆動線(CS[n])にゲート駆動線信号GPXと第1チャージシェアリング駆動信号GSPXとを印加する。なお、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104の構成が、図10、図11に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0066】
再度図9を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の一例について説明する。ソースドライバ106は、ソース駆動線(信号線)にソース駆動線信号(データ信号)を印加する。VCOMドライバ108は、VCOM電極を駆動させる。タイミング制御部110は、ゲートドライバ104、ソースドライバ106、およびVCOMドライバ108それぞれの駆動タイミングを制御する。
【0067】
第1スイッチング部SW1は、VCOMドライバ108とVCOM電極とを、印加される第2チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて選択的に導通させる。ここで、第2チャージシェアリング駆動信号CSEは、タイミング制御部110が印加する。第2スイッチング部122は、表示パネル102を構成するソース駆動線(S[m])ごとにスイッチSW2(例えば3極スイッチ)を備え、各ソース駆動線(S[m])とソースドライバ106との接続、または、ソース駆動線(S[m])とVCOM電極との接続を、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて切り替え、選択的にソース駆動線(S[m])をVCOM電極に短絡させる。
【0068】
より具体的には、表示装置100は、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを制御することによって、第1スイッチング部SW1については、チャージシェアリング無効時にはVCOMドライバ出力と接続され、チャージシェアリング有効時には、フローティングとなるようにさせる。また、表示装置100は、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを制御することによって、第2スイッチング部112を構成する各スイッチSW2[m]については、チャージシェアリング無効時にはソースドライバ出力と接続され、チャージシェアリング有効時はVCOM電極と接続するようにさせるつまり、表示装置100は、VCOM電極に接続する先をVCOMドライバ出力かフローティングのどちらかを選択可能なように、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部122とを備える。
【0069】
よって、表示装置100は、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部122とを備えることによって、図2に示す表示装置10と同様のチャージシェアリングを行うことが可能である。以下では、表示パネル102(表示部)を構成するソース駆動線(信号線。S[m])をVCOM電極に短絡させることによるチャージシェアリングを、「第2のチャージシェアリング」と示す場合がある。
【0070】
表示装置100は、例えば図9に示す構成をとることによって、図2に示す構成と同様の第2のチャージシェアリングに加え、画素内における第1のチャージシェアリングを行うことができる。本発明の実施形態に係る表示装置100が第1のチャージシェアリングをさらに行うことによる効果については、後述する本発明の実施形態に係る駆動方法において、説明する。
【0071】
なお、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成は、図9に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る表示装置100は、図7に示す表示装置10が備えるスイッチング部24と同様の構成を有するスイッチング部(第3スイッチング部)をさらに備えていてもよい。上記の構成では、第3スイッチング部を構成する各スイッチSW3[m]のスイッチ極の1つはソース駆動線に接続され、もうひとつのスイッチ極はVCOM電極に接続にされる。上記の構成によって、表示装置100は、各スイッチSW3[m]を制御する第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを変更することによって、ソース駆動線の接続先を、チャージシェアリング無効時にはフローティング、チャージシェアリング有効時はVCOM電極とすることが可能となる。
【0072】
図12は、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の他の例を示す説明図である。図12に示すように、本発明の実施形態に係る表示装置100は、従来の技術に係るチャージシェアリング(第2のチャージシェアリング)を行わない構成をとることも可能である。図12に示す構成であっても、表示装置100は、第1のチャージシェアリングを行うことが可能であるので、チャージシェアリング機構がない構成を有する表示装置よりも、より低消費電力で駆動することができる。
【0073】
[本発明の実施形態に係る駆動方法]
次に、例えば図9に示す本発明の実施形態に係る表示装置100の駆動方法について説明する。
【0074】
(0)基本駆動
まず、本発明の実施形態に係る表示装置100における基本駆動について説明する。
【0075】
ゲートドライバ104は、垂直方向開始データSTVをシフトデータとし、ゲートドライバ・シフトクロックCKVでゲートドライバ104内のシフトレジスタをシフトすることで行走査駆動を行う。また、ゲートドライバ104は、シフトデータを成形して一水平期間を生成する(HE[n])。
【0076】
HE[n]が有効な行において、タイミング制御部110より制御されるゲート制御信号GEが有効な期間、当該行の画素全てが画素書き込み状態となる。
【0077】
画素書き込み状態では、画素のスイッチング素子TR1が導通し、VCOM電位を基点としてソース駆動線との電位差が画素容量に充電される。ここで、本発明の実施形態に係る画素容量とは、液晶容量CLCおよび保持容量CSTを含む容量をいう。
【0078】
画素書き込み充電が完了後、ゲート制御信号GEを無効にし、スイッチング素子TR1を開放することで画素容量はVCOM電極に対し容量結合した状態で画素電位を保持する。
【0079】
画素電位は容量成分で保持しているため、時間の経過と共に放電する。そのため、表示装置100は、所望の階調電位以下とならない周期で再書き込みを行う。
【0080】
図9に示すようなアクティブマトリクス型の表示装置では、行方向に対する画素は同時に書き込まれ、列方向は順次走査によって書き込まれる。つまり、表示装置100は、走査を一画面分行うことで1つの画像として表示画面上に表示する。
【0081】
画素は再書き込みが必要であるため、表示装置100が画像を表示している間は、一画面分の走査をリフレッシュ・レート(周期)にしたがって繰り返す。
【0082】
また、表示装置100のような液晶表示装置では、液晶素子の特性劣化を軽減するために、画素容量に書き込む電位をVCOM電位基点に正電位書き込みと負電位書き込みとを切り替えて書き込む必要がある(極性反転)。
【0083】
ここで、極性反転の方法としては、例えば、極性ライン反転や、極性カラム反転、極性ドット反転などが挙げられる。また、極性反転を駆動するためのソースドライバ106とVCOMドライバ208の動作は、主に2つあり、1つがVCOM定電圧駆動、もうひとつがVCOMパルス駆動である。VCOM定電圧駆動は、VCOMドライバ108の出力が定電圧で、ソースドライバ106がVCOM電位を基点に正電位(正極性)もしくは負電位(負極性)を出力することで極性反転駆動を行う。VCOMパルス駆動では、VCOMドライバ108が2値の正弦波を出力する。上記正弦波の高電位をVCOMH、低電位をVCOMLとすると、正極性ではVCOMLを出力し、負極性ではVCOMHを出力することとなる。ソースドライバ106は、VCOM電位を基点に正極性では正電位、負極性では負電位を出力する。基点電位であるVCOM電位が推移するため、ソースドライバ106の絶対振幅は、VCOM定電圧駆動と比較して小さくなる。よって、低電圧駆動が可能となる。
【0084】
また、例えば図5に示すように、極性ライン反転および極性ドット反転では、行の走査が推移する度に極性反転駆動が行われる。
【0085】
ここで、画素書き込み前準備である極性反転を行う際のVCOM電極、ソース駆動線の充放電、および画素書き込み時の画素容量充放電を駆動する際には、大きく電力が消費される。よって、VCOM電極、ソース駆動線の駆動を低消費電力で行うことと、画素書き込みを低消費電力で行うことが、液晶表示装置における消費電力の低減に繋がる。
【0086】
表示装置100は、上記のような基本駆動を行う。次に、本発明の実施形態に係る表示装置100における駆動方法について説明する。以下では、表示装置100が図10に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法(第1の駆動方法)の一例と、表示装置100が図11に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法(第2の駆動方法)の一例とについて説明する。
【0087】
(1)第1の駆動方法
図13は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。ここで、図13に示す「CS[n]」は、チャージシェアリング駆動線(nは自然数)を示している(以下、同様とする。)。また、図13に示す「Timing−A」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けない場合の例を示しており、「Timing−B」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けた場合の例を示している。また、「Timing−C」は、GE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設け、その後一旦GE信号をオフにした場合の例を示している。
【0088】
まず、図13を参照しつつ、表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作の概要について説明する。
【0089】
(1−0)初期状態
ゲートドライバ104の走査によって、行nの水平期間に推移する直前では、ゲート駆動制御信号GEが無効、第1チャージシェアリング制御信号GSPXが無効となっており、ゲート駆動線(GL[n])およびチャージシェアリング駆動線(CS[n])は無効となっている。すなわち、初期状態とは、画素(n,m)内の第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2は、共に開放状態となっている状態である。
【0090】
(1−1)Timing−A
図14は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Aに係る動作波形を示している。図13、図14を参照しつつ、Timing−Aにおける駆動方法について説明する。
【0091】
現在の行nに水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このとき第1スイッチング素子TR1は開放されているため、それぞれのチャージシェアリングは独立して実施される。ここで、チャージシェアリング時には、電力は消費されていない(第一の状態)。
【0092】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このときソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、VCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバと導通し、VCOMドライバによって駆動される(第二の状態)。
【0093】
GE信号を有効にし、画素書き込みを実施する。このとき、現在の行各画素の第1スイッチング素子TR1は各ソース駆動線と導通され、VCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、第2スイッチング素子TR2は開放状態であるため、充電動作に作用しない(第三の状態)。
【0094】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき、第1スイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第四の状態)。
【0095】
図14に示すTiming−Aでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0096】
(1−2)Timing−B
図15は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Bに係る動作波形を示している。図13、図15を参照しつつ、Timing−Bにおける駆動方法について説明する。
【0097】
現在の行nに水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このとき第1スイッチング素子TR1は開放されているため、それぞれのチャージシェアリングは独立して実施される。ここで、チャージシェアリング時には、電力は消費されていない(第一の状態)。
【0098】
GE信号を有効にすることでCSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2が導通状態で、第1スイッチング素子TR1は導通されるため、各画素内にVCOM電極−ソース駆動線を短絡させるパスが形成される。上記は、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)において短絡点のインピーダンスが下がることを意味し、時定数が下がることから電荷の中和速度が増す(第二の状態)。ここで、上記のように、第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2の導通を行うことによりソース駆動線(信号線)をVCOM電極(対向電極)に短絡させるチャージシェアリングは、低インピーダンス・チャージシェアリング(第3のチャージシェアリング)と捉えることができる。
【0099】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このとき、ソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、VCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバと導通し、VCOMドライバによって駆動される。また、GE信号が有効であることから、画素書き込みを実施する。このとき現在の行各画素の第1スイッチング素子TR1は各ソース駆動線と導通され、VCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、第2スイッチング素子TR2は開放状態であるため充電動作に作用しない(第三の状態)。
【0100】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき第1スイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第四の状態)。
【0101】
図15に示すTiming−Bでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0102】
(1−3)Timing−C
表示装置100は、Timing−Bの第二の状態と第三の状態の間に、GE信号およびCSE信号無効状態を生成し、Timing−Aの第二の状態を生成する。
【0103】
その後、表示装置100は、Timing−Aの第三の状態、第四の状態へと移行する。
【0104】
Timing−Cでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0105】
第1の駆動方法を用いる表示装置100は、例えば上記のように動作する。ここで、表示装置100の動作は、水平期間内では従来技術と同様に、以下の(I)〜(III)の駆動を時分割で行っている。
(I)チャージシェアリングON
(II)極性反転ドライブ
(III)チャージシェアリングOFF
【0106】
このとき、従来の技術と大きく異なる部分は、チャージシェアリング期間にVCOM電極とソース駆動線を短絡させると同時に、書き込みを行う現在の行全ての画素を、それぞれの画素内で保持容量(CST)の両端をVCOM電極と短絡させる点にある。
【0107】
図14を参照して本発明の実施形態に係る駆動法の優位性に関して説明する。本発明の実施形態に係る駆動法を用いることによって、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、と第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)とが、それぞれ独立して行われる。VCOM電極−ソース駆動線間は、従来技術と同様にチャージシェアリングが行われ、VCOM電極−画素容量間では行方向全ての画素それぞれでチャージシェアリングが行われる。
【0108】
図14のBおよび図14のCに示すように、VCOM電極−ソース駆動線間の容量およびインピーダンスに対して、VCOM電極容量−画素容量間の容量およびインピーダンスは小さい値である。よって、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)に要する時間と比較した場合、画素内電荷は短い時間でチャージシェアリングが完了する。
【0109】
また、画素容量はVCOM電極容量との容量分割比で無視可能な容量差があるため、画素電位はほぼVCOM電極と同電位(第2スイッチング素子TR2の閾値電圧Vth分オフセットがかかった電位)に推移する。ここで、従来の技術では、画素内電荷は各ドライバによって駆動されるまで保持した状態である。画素内では極性反転によってVCOM電位と画素電位の高さ関係が必ず逆転するため電位が大きく推移する。そして、上記の駆動を行う際に大きく電力が消費される。
【0110】
それに対して、本発明の実施形態に係る表示装置100では、各ドライバによる駆動を行う前には必ずVCOM電位に推移されているため、所望の階調への書き込みの際に電位の逆転は発生せず電位推移量も小さくなる。したがって、表示装置100は、電力を低く抑えることが可能となることから、消費電力の低減を図ることができる。
【0111】
また、従来の技術では、従来の技術では図5のTiming−B、Timing−Cに示すように、CSE信号とGE信号にオーバーラップ期間を設けることが可能であるが、従来の技術では、図1に示すように、GE信号を有効にすることでトランジスタTR1が短絡してソース駆動線と接続された状態となる。この場合、上述した本発明の実施形態に係る表示装置100と、電位駆動的には似ている状態になるが、実際の動作では大きく異なっている。
【0112】
より具体的には、従来の技術ではトランジスタTR1を短絡させる手法をとっているが、この場合の画素容量はVCOM電極と容量結合している状態であるため、電荷供給(移動)はトランジスタTR1を介して行われる。すなわち、チャージシェアリング用短絡点からみた場合、画素容量分の負荷が増えた状態となる。したがって、従来の技術に係るチャージシェアリングと、本発明の実施形態に係るチャージシェアリングとが、同じチャージシェアリング期間で行われた場合には、従来の技術に係るチャージシェアリングの効果は、本発明の実施形態に係るチャージシェアリングの効果よりも薄れることとなる。
【0113】
また、本発明の実施形態に係る表示装置100は、図13のTiming−B、Timing−Cに示すように、従来の技術と同様にCSE信号とGE信号のオーバーラップ期間を設けることが可能である。また、表示装置100では、従来の技術が用いられる場合よりも、チャージシェアリング効果をより向上させる作用が働くこととなる。図15を参照して、本発明の実施形態に係る上記効果について説明する。
【0114】
第一にGE信号無効状態でCSE信号を有効にする。この状態は上述した内容と同じであり、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)がそれぞれ独立に行われている。このとき、VCOM電極とソース駆動線は互いに溜まっている電荷が短絡点によってチャージシェアリングされており、画素容量は、VCOM電極−ソース駆動線間の負荷と比較して非常に小さいため、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)に要する時間よりも早い時間で第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)によってVCOM電極の電位に推移する(第一の状態)。
【0115】
その後GE信号を有効にすることによって、表示装置100は、CSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき、チャージシェアリング機能が効いた状態で画素の第1スイッチング素子TR1が短絡することになる(第二の状態)。また、その後CSE信号を無効にすることによって、VCOM電極はVCOMドライバにより駆動し、ソース駆動線および現在の画素は、ソースドライバ106が所望の電位へ駆動する(第三の状態)。所望の電位への書き込みが完了後、GE信号を無効にし、画素容量とソース駆動線を切り離し、VCOM電極との容量結合によって画素電位を保持する(第四の状態)。
【0116】
本発明の実施形態に係る表示装置100における、従来の表示装置10に対する優位性は、上記第二の状態にある。従来の技術における第二の状態は、駆動負荷を増やしチャージシェアリング効果を低減させている。しかしながら、本発明の実施形態に係る表示装置100では、画素容量とVCOM電極が、第2スイッチング素子TR2によって画素内で短絡しており、さらに第一の状態においてVCOM電位に既に推移しているため、現在の行画素全ての第2スイッチング素子TR2が短絡点として作用する。すなわち、表示装置100では、VCOM電極−ソース駆動線間のインピーダンスが低くなることとなる。
【0117】
したがって、表示装置100では、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)が効果的に行われ、チャージシェアリングに要する時間も短くなる。
【0118】
ここで、チャージシェアリング期間が短くなることによって、表示装置100では、各ドライバによる駆動時間(第四の状態)を長くとることが可能となる。また、第四の状態を長くとれれば、ソースドライバ106やVCOMドライバ108のバッファ、アンプの定電流を低くして駆動能力を抑えることが可能となる。したがって、表示装置100は、さらなる低消費電力駆動を実現することができる。
【0119】
なお、図13のTiming−Cは、第四の状態へ推移する前にCSE信号とGE信号両方を一旦無効にすることによって、チャージシェアリング期間後、画素書き込み期間に入る前にドライバ駆動によってソース駆動線充電を先行して行う駆動である。したがって、図13のTiming−Cで駆動する場合においても、表示装置100は、消費電力の低減を図ることができる。
【0120】
(2)第2の駆動方法
次に、表示装置100が図11に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法について説明する。
【0121】
図16は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。ここで、図16に示す「Timing−A」は、現在の行nの1つ前の走査行n−1において先行して画素内におけるチャージシェアリング(第1のチャージシェアリング)を行い、現在の行nにおいて低インピーダンス・チャージシェアリング(第3のチャージシェアリング)を行う場合の例を示している。また、「Timing−B」は、Timing−Aと同様に、走査行n−1において先行して画素内におけるチャージシェアリングを行い、現在の行nにおいて低インピーダンス・チャージシェアリングを行った後、画素書き込みを実施、完了する場合の例を示している。
【0122】
まず、図16を参照しつつ、表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作の概要について説明する。
【0123】
(2−0)初期状態
ゲートドライバ104の走査によって現在の行の1つ前の走査行n−1および現在の行nの水平期間に推移する直前では、ゲート駆動制御信号GEが無効、チャージシェアリング制御信号GSPXが無効となっており、ゲート駆動線(GL[n])およびチャージシェアリング駆動線(CS[n])は無効となっている。すなわち、初期状態とは、画素(n,m)内の第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2は、共に開放状態となっている状態である。
【0124】
(2−1)Timing−A
図17は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Aに係る動作波形を示している。図16、図17を参照しつつ、Timing−Aにおける駆動方法について説明する。
【0125】
現在の行の1つ前の走査行n−1に水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にする。このとき現在の行nのチャージシェアリング駆動線(CS[n])が有効となる。現在の行nのゲート駆動線(GL[n])は無効状態であるため、現在の行各画素のスイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このときスイッチング素子TR1は開放であるためソース駆動線と画素容量とは切り離されている。(第一の状態)。
【0126】
CSE信号を無効にし、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を終了し、現在の行の走査まで状態を保持する(第二の状態)。
【0127】
現在の行nに水平期間が推移後、再びCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素のスイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる(第三の状態)。
【0128】
第三の状態と同時、もしくは第三の状態後に、GE信号を有効にすることによって、CSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき現在の行各画素のスイッチング素子TR2が導通状態で、スイッチング素子TR1は導通されるため、各画素内にVCOM電極−ソース駆動線を短絡させるパスが形成される。上記は、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)において短絡点のインピーダンスが下がることを意味し、時定数が下がることから電荷の中和速度が増す(第四の状態)。
【0129】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このとき、ソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によってVCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバ108と導通して、VCOMドライバ108によって駆動される。また、GE信号が有効であることから、画素書き込みを実施する。このとき、現在の行各画素のスイッチング素子TR1は、各ソース駆動線と導通されVCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、スイッチング素子TR2は開放状態であるため充電動作に作用しない(第五の状態)。
【0130】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、表示装置100は、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき現在の行各画素のスイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第六の状態)。
【0131】
図16に示すTiming−Aでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0132】
(2−2)Timing−B
表示装置100は、Timing−Aと同様に、上記第一の状態から第四の状態までの動作を行う。
【0133】
その後、表示装置100は、上記第1の駆動方法に係るTiming−Aの第三の状態、第四の状態へと移行する。
【0134】
Timing−Cでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0135】
第2の駆動方法を用いる表示装置100は、例えば上記のように動作する。表示装置100は、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備えることによって、図16に示すような駆動タイミングとなり、画素容量を先行的にチャージシェアリングすることが可能となる。ここで、先行的に画素をチャージシェアリングする目的は、チャージシェアリング期間の短縮にある。
【0136】
現在の行を書き込む場合、1つ前の水平期間で現在の行画素のチャージシェアリング駆動線が駆動され、現在の行のチャージシェアリングが実施される。このときCSE信号とGE信号がオーバーラップしているが、現在の行のゲート駆動線は駆動されないため、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)のみが実施される。上記によって、現在の行の水平期間に推移したタイミングでは、既に現在の行の画素はVCOM電極電位に推移している。そして、現在の行の水平期間に推移後、現在の行のチャージシェアリング駆動線が再び駆動される。また、現在の行では、CSE信号とGE信号のオーバーラップ期間が生じることにより、同時にゲート駆動線も駆動されることとなる。上記の状態は上述した第二の状態に相当するため、チャージシェアリング時の短絡点のインピーダンスが低い状態となる。
【0137】
したがって、表示装置100では、チャージシェアリングに要する時間も短くなることから、第1の駆動方法を用いる場合と同様に、ソースドライバ106やVCOMドライバ108のバッファ、アンプの定電流を低くして駆動能力を抑えることが可能となるので、さらなる低消費電力駆動を実現することができる。
【0138】
以上のように、本発明の実施形態に係る表示装置100は、短絡点のインピーダンスをさらに下げる回路構成をとり、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮させる駆動方法を用いる。
【0139】
ここで、表示装置100は、画素容量電位を画素単位でチャージシェアリングすることが可能である(第1のチャージシェアリング)。よって、表示装置100は、例えば第1のチャージシェアリングのみを行う場合には、チャージシェアリング機構がない構成と比較した場合、より低消費電力で駆動することができる。
【0140】
また、表示装置100は、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)と第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)とを、それぞれ独立もしくは同時に行うことによって、VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリングを行う従来の技術を用いる場合よりも、チャージシェアリング効果を向上させることができる。
【0141】
また、表示装置100は、CSE信号とGE信号をオーバーラップさせることによって、短絡点のインピーダンスを下げる。上記によって、表示装置100は、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮することができる。また、チャージシェアリング期間の短縮によってドライバによる画素書き込み期間を長く確保することが可能である。つまり、画素書き込み期間を長くとることによって、ソースドライバ106は、従来の技術を用いる場合よりも低いソースドライバの駆動能力で駆動することか可能となるので、表示装置100では、ソースドライバ106のバッファ、アンプの定電流を低く抑えることができる。したがって、表示装置100は、従来の技術を用いる場合と比較して、より低消費電力での駆動が可能となる。
【0142】
また、表示装置100が、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備える場合には、画素容量を1つ前の水平期間内で先行してチャージシェアリングを行うため、チャージシェアリングに要する時間は細分化され、一水平期間で考えた場合、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上でより短縮することができる。よって、表示装置100が、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備える場合であっても、従来の技術を用いる場合と比較して、より低消費電力での駆動が可能となる。
【0143】
したがって、表示装置100は、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0144】
さらに、表示装置100は、従来に技術と同様の駆動制御線を使用して駆動を行うためタイミング制御部110(ドライバIC)に新たな制御線を設ける必要がない。よって、CSE信号をドライバICが駆動しているなどの外部機構が駆動している場合には、端子増によるコスト増を押さえることが可能となる。また、従来から使用されているドライバICをそのまま使用することが可能であり、開発コストを大幅に抑えることができ、また部品管理面でも優れている。
【0145】
以上、本発明の実施形態として表示装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置や、ノート型PCやPCなどのコンピュータ、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ/デジタルビデオカメラ)などの撮像装置、ゲーム機、テレビジョン受像機など、表示デバイスとしてアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイが用いられる様々な機器に適用することができる。
【0146】
(本発明の実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る表示装置として機能させるためのプログラム(例えば、本発明の実施形態に係る駆動方法に係る処理を実現するためのプログラム)によって、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0147】
(本発明の実施形態に係るプログラムを記録した記録媒体)
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る表示装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
【0148】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0149】
10、100 表示装置
12、102 表示パネル
14、104 ゲートドライバ14
16、106 ソースドライバ16
18、108 VCOMドライバ
20、110 タイミング制御部
22、112 第2スイッチング部
SW1 第1スイッチング部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、および駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、携帯電話やPC(Personal Computer)、テレビジョン受像機などのような様々な装置の表示デバイスとして液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)が用いられている。上記のような表示機能を有する表示装置では、例えば、駆動時間をより長くするためや社会的なニーズの高まりなどにより、省電力化が求められている。
【0003】
このような中、液晶表示装置における消費電力の低減を図る技術が開発されている。チャージシェアリングを行うことによって消費電力の低減を図る技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−244662号公報
【特許文献2】特開2007−058177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶表示装置(以下、単に「表示装置」と示す。)では、液晶素子の劣化を軽減するために一定周期で極性反転駆動が行われる。また、チャージシェアリングとは、例えば対向電極(以下、「VCOM電極」と示す場合がある。)との短絡を選択的に生じさせて電荷の再利用をすることによって、極性反転駆動のために消費される電力を低減させることをいう。よって、上記特許文献1、特許文献2に示すような、チャージシェアリングを行う従来の技術(以下、総称して「従来の技術」と示す場合がある。)を用いることによって、表示装置における省電力化をある程度は図ることができる可能性はある。
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1に示すチャージシェアリングを行う技術(以下、「従来の技術1」と示す場合がある。)は、チャージシェアリング時(短絡時)において、表示パネルのアクティブ領域外のドライバに近い部分でソース駆動線(データ線)とVCOM電極とを短絡させる。ここで、従来の技術1では、短絡時において表示パネル内部は駆動されておらず、表示パネル内に充電されている電荷を用いて、ソース駆動線およびVCOM電極を同電位まで推移させることとなるが、このときどれだけ同電位に近づけることができるかは、負荷の大きさと短絡している時間の長さに依存する。従来の技術1では、短絡点(スイッチトランジスタ)が、表示パネルのアクティブ領域外(パネル周囲)もしくはドライバIC(Integrated Circuit)内部となっているので、当該短絡点から遠い部分では負荷が大きく、十分な電位に達するまでに時間がかかってしまう。
【0007】
よって、従来の技術1を用いたとしても、表示パネルにおいてチャージシェアリングの効果が得られない部分が存在しうることから、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができるとは限らない。
【0008】
また、特許文献2に示すチャージシェアリングを行う技術(以下、「従来の技術2」と示す場合がある。)は、短絡点の配置位置をソース駆動線の両端に配置している。よって、従来の技術2を用いる場合には、従来に技術1を用いる場合よりもチャージシェアリングにかかる時間を少なくすることができる可能性はある。しかしながら、従来の技術2を用いたとしても従来の技術1を用いる場合と同様に、短絡点から遠い部分では負荷が大きく、十分な電位に達するまでに時間がかかってしまうことから、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができるとは限らない。
【0009】
したがって、従来の技術を用いたとしても、表示装置における消費電力の低減を十分に図ることができない恐れがある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることが可能な、新規かつ改良された表示装置、および駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、マトリクス状に配置される信号線および走査線と、上記信号線および上記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、上記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、上記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動させる対向電極駆動部と、を備え、上記画素回路は、上記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される上記走査線に印加される上記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、上記対向電極との間に形成される液晶容量と、上記画素電極と上記対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、を備える表示装置が提供される。
【0012】
かかる構成によって、各画素内において、対向電極−画素容量(液晶容量および保持容量)間チャージシェアリングを行うことが可能となるので、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0013】
また、上記チャージシェアリング駆動線は、上記走査線と並走して配線されてもよい。
【0014】
また、上記走査線駆動部は、上記走査信号の生成に用いられるシフトデータを用いて上記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した上記第1チャージシェアリング駆動信号を上記チャージシェアリング駆動線に印加してもよい。
【0015】
また、上記走査線駆動部、上記信号線駆動部、および上記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、上記対向電極駆動部と上記対向電極とを、第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続、または、上記表示部を構成する上記信号線と上記対向電極との接続を、上記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、をさらに備え、上記第2チャージシェアリング駆動信号は、上記タイミング制御部により生成されてもよい。
【0016】
また、上記走査線駆動部は、上記走査信号の生成に用いられるシフトデータと上記第2チャージシェアリング駆動信号とを用いて上記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した上記第1チャージシェアリング駆動信号を上記チャージシェアリング駆動線に印加してもよい。
【0017】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、同時に行われてもよい。
【0018】
また、上記走査線駆動部は、上記第1のチャージシェアリングおよび上記第2のチャージシェアリングが開始された後に上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子を導通させ、上記信号線を上記対向電極に短絡させてもよい。
【0019】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、別々に行われてもよい。
【0020】
また、上記第1のチャージシェアリングが開始された後に、上記第2のチャージシェアリングが行われてもよい。
【0021】
また、上記第1のチャージシェアリングは、上記第2のチャージシェアリングが行われる水平期間の一つ前の水平期間において行われてもよい。
【0022】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングと、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子および上記第2スイッチング素子の導通を行うことにより上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングとは、上記走査線駆動部が生成する上記走査信号と、上記タイミング制御部が生成する上記第2チャージシェアリング駆動信号とにより制御されてもよい。
【0023】
また、一水平期間において、上記画素回路に上記データ信号が印加される画素書き込みと、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、任意の順序で行われてもよい。
【0024】
また、上記第1のチャージシェアリングと上記第2のチャージシェアリングが同時に開始され、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子の導通が遮断され、かつ上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続がされた後に、上記第1スイッチング素子が導通して上記画素書き込みが行われてもよい。
【0025】
また、上記第1のチャージシェアリングが開始された後または同時に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子が導通されることによって、上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、上記画素回路を構成する上記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に上記画素回路に上記データ信号が印加されて、上記画素書き込みが行われてもよい。
【0026】
また、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングが開始された後に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子が導通されることによって、上記信号線を上記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子および上記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に、上記第1スイッチング素子が導通して上記画素回路に上記データ信号が印加される画素書き込みが行われてもよい。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、マトリクス状に配置される信号線および走査線と、上記信号線および上記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、上記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、上記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、対向電極を駆動する対向電極駆動部と、上記走査線駆動部、上記信号線駆動部、および上記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、上記対向電極駆動部と上記対向電極とを、上記タイミング制御部により生成される第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部との接続、または、上記表示部を構成する上記信号線と上記対向電極との接続を、上記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング部とを備え、上記画素回路は、上記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される上記走査線に印加される上記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、上記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、上記対向電極との間に形成される液晶容量と、上記画素電極と上記対向電極との間に形成される保持容量と、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通し、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子とを備える表示装置に適用可能な、上記画素回路に上記データ信号を印加する画素書き込みのための駆動方法であって、上記保持容量の両端を上記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、上記表示部を構成する上記信号線を上記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとを同時に開始する第1ステップと、上記第1ステップの後に、上記画素回路を構成する上記第1スイッチング素子の導通を遮断し、かつ上記表示部を構成する上記信号線と上記信号線駆動部とを接続する第2ステップと、第2ステップの後に、上記信号線に上記データ信号を印加する第3ステップと、を有する駆動方法が提供される。
【0028】
かかる方法を用いることによって、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る表示装置に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る表示装置が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係るゲートドライバ(走査駆動部)の構成の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係るゲートドライバ(走査駆動部)の構成の他の例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る表示装置の構成の他の例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【図17】本発明の実施形態に係る表示装置におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
(前提)
本発明の実施形態に係る表示装置(以下、「表示装置100」と示す場合がある。)の構成について説明する前に、表示装置100に係る構成の前提となる技術について説明する。
【0033】
図1〜図7は、本発明の実施形態に係る表示装置100に係る構成の前提となる技術について説明するための説明図である。
【0034】
図1は、一般的な液晶表示装置が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示している。ここで、一般的な画素は、例えば、トランジスタTR1と、画素電極(図示せず)とVCOM電極(対向電極)との間に形成される液晶容量CLCと、画素電極とVCOM電極との間に形成される保持容量CSTとを有する。トランジスタTR1は、ゲート端子に印加されるゲート駆動線信号GPX(走査信号)の論理レベルに応じて選択的に導通する。トランジスタTR1が選択的に導通することによって、第1端子に接続されたソース駆動線(信号線)に印加されるソース駆動線信号(データ信号)が書き込まれる。
【0035】
また、図2は、従来の表示装置(以下、「表示装置10」と示す場合がある。)の構成(チャージシェアリングに係る構成)の一例を示している。表示装置10は、表示パネル12(表示部)と、ゲートドライバ14(走査線駆動部)と、ソースドライバ16(信号線駆動部)と、VCOMドライバ18(対向電極駆動部)と、タイミング制御部20と、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部22とを備える。
【0036】
表示パネル12は、マトリクス状に配置されるソース駆動線(信号線)およびゲート駆動線(走査線)を有し、ソース駆動線およびゲート駆動線の交差箇所それぞれには、図1に示す画素回路が設けられる。以下では、表示パネル12の内部に含まれる駆動線を「内部駆動線」と示す場合がある。
【0037】
ゲートドライバ14は、ゲート駆動線にゲート駆動線信号(走査信号)を印加する。ソースドライバ16は、ソース駆動線(信号線)にソース駆動線信号(データ信号)を印加する。VCOMドライバ18は、VCOM電極を駆動させる。タイミング制御部20は、ゲートドライバ14、ソースドライバ16、およびVCOMドライバ18それぞれの駆動タイミングを制御する。
【0038】
第1スイッチング部SW1は、VCOMドライバ18とVCOM電極とを、印加されるチャージシェアリング駆動信号CSE(以下、「CSE信号」と示す場合がある。)の論理レベルに応じて選択的に導通させる。ここで、チャージシェアリング駆動信号CSEは、タイミング制御部20が印加する。第2スイッチング部22は、表示パネル12を構成するソース駆動線ごとにスイッチSW2を備え、各ソース駆動線とソースドライバ16との接続、または、ソース駆動線とVCOM電極との接続を、チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて切り替え、選択的にソース駆動線をVCOM電極に短絡させる。つまり、表示装置10は、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部22とを備えることによって、チャージシェアリングを行う。
【0039】
図3は、表示装置10が備えるゲートドライバ14の回路構成を示している。ゲートドライバ14は、複数のシフトレジスタと論理和回路とで構成され、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路30と、各ゲート駆動線に対応するドライバ回路32とを備える。ここで、図3に示す「STV」は、ゲートドライバ用シフトデータ、「CKV」は、ゲートドライバ用シフトクロックを示している(以下、同様とする。)。また、図3に示す「GE」はゲートドライバ出力イネーブル(以下、「GE信号」と示す場合がある。)、「CSE」はチャージシェアリング・イネーブル、「XSR[n]」は、シフトデータ(nは自然数)、「HE」は水平方向有効期間(水平期間)、「GL[n]」はゲート駆動線(nは自然数)をそれぞれ示している(以下、同様とする。)。
【0040】
図4は、一画面走査分の駆動波形を示しており、図5は、ゲート駆動線信号の成形波形を示している。ここで、図4、図5に示す「VS」は、垂直同期信号を示し、「HS」は、水平同期信号を示している。また、図4、図5に示す「CSE」はチャージ・シェアリング・イネーブル、「S[m]」はソースドライバ出力(mは自然数)、「VCOMP」はVCOMドライバ出力をそれぞれ示している(以下、同様とする。)。また、図5に示す「Timing−A」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けない場合の例を示しており、「Timing−B」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けた場合の例を示している。また、「Timing−C」は、GE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設け、その後一旦GE信号をオフにした場合の例を示している。
【0041】
図6は、表示装置10における従来のチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示している。ここで、図6では、2行分の駆動波形を示している。図6は、各ドライバのうちの行nおよび行n+1駆動部を局所的に記載したものであり、それぞれの波形はドライバ端(ドライバ出力)、VCOM電極とソース駆動線、画素(n,m)、画素(n+1,m)の電位状態を示している。また、図6は、主に極性ライン反転駆動かつVCOMパルス駆動を例に挙げているが、例えば極性カラム反転駆動(列反転)、極性ドット反転駆動であっても原理は同じである。また、極性カラム反転駆動、極性ドット反転駆動では、例えばVCOM定電圧駆動が多く用いられるが、こちらも同様の技術を使用することができる。ここで、図6におけるVCOM電位を基準にみた場合が、VCOM定電圧駆動に相当する。また、図6における階調書き込み条件は、前フレームおよび現フレームとも同画素には同階調を極性反転して書き込むこととし、図6では、画素(n,m)には階調210レベルを書き込み、画素(n+1,m)には階調84レベルを書き込む例を示している。また、図6では、前後の画素である画素(n−1,m)には、階調170レベルを書き込み、画素(n+2,m)には階調255レベルを書き込む例を示している。なお、nおよびmは、自然数である。
【0042】
図6を参照すると、表示装置10は、一水平期間でドライバ出力が極性反転を行う際にCSE信号を有効にし、ソースドライバ16およびVCOMドライバ18の出力端と表示パネル12の内部駆動線を、第1スイッチング部SW1、および第2スイッチング部22を構成するスイッチSW2を用いて切り離す。このときVCOM電極とソース駆動線はこれらを能動する各ドライバから切り離され浮遊状態となっている。また、スイッチSW2によってVCOM電極とソース駆動線が短絡状態となる。短絡の直前は行n−1の画素を書き込むために必要な電圧値にソース駆動線およびVCOM電極が充電されている。また、すでに画素の書き込みは終了しており、ソース駆動線およびVCOM電極の配線容量や層間寄生容量等に充電されている電荷の役割は終了している。このとき、各画素は、液晶容量(CLC)および保持容量(CST)とVCOM電極とが容量結合した状態で書き込まれた電位差(階調)を保持している。
【0043】
ここで、表示部10がチャージシェアリング機構を備えていない場合には、ソース駆動線に溜まっている役割が終わり不要となった電荷の回収と所望の電位へ充電(書き込み)が、ソースドライバ16によって駆動される。極性ライン反転駆動(行反転)かつVCOMパルス駆動の場合には、VCOM電極は必ず極性反転を行うために高い電位から低い電位へ、もしくは低い電位から高い電位へ電位が推移することとなるが、この充電もVCOMドライバ18が担うこととなる。そのため、チャージシェアリング機構を備えていない場合には、画素書き込み前準備であるVCOM電極およびソース駆動線の極性反転時に電位の推移が大きく発生し、電荷の移動が大きいために消費電力が大きくなる。
【0044】
従来の技術では、上記極性反転を行うタイミングでチャージシェアリングを行うことによって、VCOM電極とソース駆動線に溜まった不要電荷を短絡して中和させ、VCOM電極およびソース駆動線を同電位に推移させている。上記動作は、行nの画素書き込みの電位方向に推移するため、ドライバ駆動のサポートの役割も果たし、プリチャージ動作と似た効果ももたらす。また、このとき電力は消費されていない。
【0045】
チャージシェアリング期間は積極的に各ドライバが能動して充電を行っている期間ではなく、VCOM電極とソース駆動線にそれぞれ溜まっている電荷を中和し電位をそれぞれの容量分割比によって決まる電位(仮に中点とする)に外部から電荷を供給せずに推移させることが、チャージシェアリングの目的であり、チャージシェアリングは、電荷の再利用をすることによって低消費電力化を図るものである。したがって、チャージシェアリングの効果を最大限に引き出すためには、例えば、VCOM電極とソース駆動線および短絡点の容量およびインピーダンスを低くするか、チャージシェアリング期間を長く保つことが必要となる。図1、図2に示す構成では、一水平期間内でチャージシェアリングおよび画素書き込みを時分割で行わなければならないため、例えば図5、図6に示すように、必然的に駆動タイミングが一水平期間内において下記の(i)〜(iii)の順となる。
(i)チャージシェアリングON
(ii)極性反転ドライブ
(iii)チャージシェアリングOFF
【0046】
一水平期間が一定の場合、チャージシェアリング期間を長くとると画素書き込み期間が圧迫される。一方、短い時間で画素書き込みを行うためにはソースドライバの駆動能力を上げる必要があり、駆動能力を上げるためにはソースドライバを構成するバッファ、アンプの定電流を大きくしなければならない。ここで、上記のようにバッファ、アンプの定電流を大きくすることは、上記チャージシェアリングの目的に反しており、かえって電力の増加に繋がってしまう。
【0047】
表示装置における一画面分の走査は、一般的には解像度に依存せず、常に一定(例えば60「Hz」程)である。そのため、水平解像度の増加は一水平期間の減少と直結しており、高解像度化が進む傾向にある現在では、一水平期間は減少傾向にある。また、高解像度化が進むにつれ、ソース駆動線に接続される画素書き込み制御用のスイッチング素子(図1に示すトランジスタTR1に相当)の数も増加するため、負荷も大きくなることとなる。したがって、表示装置の高解像度化や高フレームレート化が進むにつれ、チャージシェアリング期間を長く保つことはできない。チャージシェアリング期間を長く確保できない場合、表示装置10では、図6のAに示す部分のように完全なチャージシェアリングが行われないことになり、不要電荷が余った状態となる。また、表示装置10では、さらに、電位推移が不十分であることから効果的な駆動電力の削減効果が期待できない。
【0048】
したがって、従来の技術に係る図2に示す構成をとる従来の表示装置10では、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることはできない。ここで、図2に示す構成における問題は、短絡点のインピーダンスが高いことである。ドライバ端のみで短絡しているため、VCOM電極とソース駆動線間の電荷移動時の電流密度が短絡点で増している。つまり、図2に示す構成では、短絡点から遠いほどチャージシェアリングの効果は薄れることとなる。
【0049】
図7は、上記図2に示す構成に係る問題の解決を図るための、従来の表示装置10の他の構成を示している。図7に示す構成では、ソース駆動線の他端(ソース駆動線におけるスイッチング部22が接続される一端とは反対の端)にスイッチング部24を備えている。つまり、図7に構成をとる表示装置10は、ソース駆動線の両端に短絡点を設けることによって、インピーダンスを下げている。よって、図3に示す構成をとる表示装置10は、図2に示す構成をとる表示装置10よりもチャージシェアリングの効果を高めることが可能となる。しかしながら、図3に示す構成をとる表示装置10では、ソース駆動線の中点に向かうほど負荷が高くなることから、中点に向かうほどチャージシェアリングの効果が薄れることとなる。したがって、従来の技術に係る図3に示す構成をとったとしても、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができるとは限らない。
【0050】
(本発明の実施形態に係る表示装置100)
[本発明の実施形態に係る表示装置100の概要]
上記のように、従来の技術を用いたとしても、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができるとは限らない。そこで、本発明の実施形態に係る表示装置100は、短絡点のインピーダンスをさらに下げる回路構成をとり、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮させる駆動方法を用いることによって、チャージシェアリング効果を向上させる。
【0051】
以下、本発明の実施形態に係る回路構成の構成と、本発明の実施形態に係る駆動方法について説明する。なお、以下では、従来の技術と、本発明の実施形態に係る表示装置100に係る技術との差異の比較をより容易とするために、図6に示す波形に相当する波形を説明に用いる。
【0052】
[本発明の実施形態に係る回路構成]
図8は、本発明の実施形態に係る表示装置100が備える画素の画素回路(画素の等価回路)を示す説明図である。本発明の実施形態に係る画素は、例えば、第1スイッチング素子TR1と、画素電極(図示せず)とVCOM電極(対向電極)との間に形成される液晶容量CLCと、画素電極とVCOM電極との間に形成される保持容量CSTと、保持容量CSTの両端をバイパスするように電気的に制御可能な第2スイッチング素子TR2とを有する。
【0053】
第1スイッチング素子TR1は、ゲート端子に印加されるゲート駆動線信号GPX(走査信号)の論理レベルに応じて選択的に導通する。第1スイッチング素子TR1が選択的に導通することによって、第1端子に接続されたソース駆動線(信号線)に印加されるソース駆動線信号(データ信号)が書き込まれる。また、第2スイッチング素子TR2は、ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号GSPXの論理レベルに応じて導通する。第2スイッチング素子TR2が導通することによって、保持容量CSTの両端はVCOM電極に短絡される。
【0054】
よって、表示装置100は、画素回路が第2スイッチング素子TR2を備えることによって、画素内でチャージシェアリングを行うことが可能である。以下では、本発明の実施形態に係る画素内におけるチャージシェアリングを、「第1のチャージシェアリング」と示す場合がある。
【0055】
ここで、図8では、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とが、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である例を示しているが、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、Nチャネル型のFETに限られない。例えば、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、Pチャネル型のFETであってもよい。上記の構成であっても、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、ゲート端子に印加される信号の論理レベルに応じて選択的に導通することが可能である。また、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とは、同一の特性を有する任意のスイッチング素子で構成することが可能である。
【0056】
また、図8に示すように、画素を、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とが同一の特性を有するスイッチング素子(図8ではNチャネル型のFET)として製造することによって、例えば図1に示す画素を製造する場合と比較して、製造コストは変わらない。
【0057】
図9は、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の一例を示す説明図である。表示装置100は、表示パネル102(表示部)と、ゲートドライバ104(走査線駆動部)と、ソースドライバ106(信号線駆動部)と、VCOMドライバ108(対向電極駆動部)と、タイミング制御部110と、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部112とを備える。
【0058】
表示パネル102は、マトリクス状に配置されるソース駆動線(信号線。S[m])およびゲート駆動線(走査線。GL[n])を有し、ソース駆動線およびゲート駆動線の交差箇所それぞれには、図8に示す画素回路が設けられる。以下では、表示パネル102の内部に含まれる駆動線を「内部駆動線」と示す場合がある。また、表示パネル102は、内部駆動線として、ゲート駆動線と並走して配線されるチャージシェアリング駆動線(CS[n])を有する。
【0059】
ゲートドライバ104は、ゲート駆動線(GL[n])にゲート駆動線信号GPX(走査信号)を印加する。また、ゲートドライバ104は、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを印加する。
【0060】
〔ゲートドライバ104の構成例〕
図10は、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104(走査駆動部)の構成の一例を示す説明図である。ゲートドライバ104は、図3に示す回路30と同様の構成を有し、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路150と、各ゲート駆動線および各チャージシェアリング駆動線に対応するドライバ回路152とを備える。ここで、ゲートドライバ104は、図3に示す従来のゲートドライバ14にチャージシェアリング制御信号(CSE。以下、「第2チャージシェアリング制御信号」と示す場合がある。)の入力を追加し、タイミング制御部110の第2チャージシェアリング制御信号CSEの出力と接続したものである。また、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを、n行水平期間に生成する。より具体的には、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で一水平期間において有効となっているノード(HE[n])と第2チャージシェアリング制御信号CSEと論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に対応する第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成する。
【0061】
図10に示すように、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線と同様にゲートドライバ104の各セル内でシフトレジスタのシフトデータと第2チャージシェアリング駆動信号CSEとを論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線を駆動する。ゲートドライバ104が上記のような構成をとることによって、表示装置100は、一水平期間内においてGE信号、CSE信号のタイミングを制御することにより、ゲート駆動線とチャージシェアリング駆動線を任意のタイミングで制御することができる。
【0062】
図10に示す構成をとることによって、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線信号GPX(走査信号)の生成に用いられるシフトデータSTVを用いて、第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、生成した第1チャージシェアリング駆動信号GSPXをチャージシェアリング駆動線(CS[n])に印加する。また、ゲートドライバ104は、ゲート駆動線信号GPX(走査信号)の生成に用いられるシフトデータSTVと、第2チャージシェアリング駆動信号CSEとを用いて(論理ゲートすることによって)第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、生成した第1チャージシェアリング駆動信号GSPXをチャージシェアリング駆動線(CS[n])に印加する。
【0063】
なお、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104の構成は、図10に示す構成に限られない。図11は、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104(走査駆動部)の構成の他の例を示す説明図である。
【0064】
図11に示すゲートドライバ104は、シフトデータSTVに基づく信号を生成する回路154と、各ゲート駆動線および各チャージシェアリング駆動線に対応するドライバ回路156とを備える。ここで、ゲートドライバ104は、図10と同様に、図3に示す従来のゲートドライバ14に第2チャージシェアリング制御信号(CSE)の入力を追加し、タイミング制御部110の第2チャージシェアリング制御信号CSEの出力と接続したものである。また、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内で第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを、n−1行およびn行水平期間に生成する。より具体的には、ゲートドライバ104は、ゲートドライバ1ビット・セル内でハーフラッチによってシフトされているシフトデータ・ノード(SR[n])と第2チャージシェアリング制御信号CSEと論理ゲートすることによって、チャージシェアリング駆動線(CS[n])に対応する第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成する。
【0065】
本発明の実施形態に係るゲートドライバ104は、例えば図10、図11に示す構成をとることによって、ゲート駆動線信号GPXおよび第1チャージシェアリング駆動信号GSPXを生成し、ゲート駆動線(GL[n])とチャージシェアリング駆動線(CS[n])にゲート駆動線信号GPXと第1チャージシェアリング駆動信号GSPXとを印加する。なお、本発明の実施形態に係るゲートドライバ104の構成が、図10、図11に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0066】
再度図9を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の一例について説明する。ソースドライバ106は、ソース駆動線(信号線)にソース駆動線信号(データ信号)を印加する。VCOMドライバ108は、VCOM電極を駆動させる。タイミング制御部110は、ゲートドライバ104、ソースドライバ106、およびVCOMドライバ108それぞれの駆動タイミングを制御する。
【0067】
第1スイッチング部SW1は、VCOMドライバ108とVCOM電極とを、印加される第2チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて選択的に導通させる。ここで、第2チャージシェアリング駆動信号CSEは、タイミング制御部110が印加する。第2スイッチング部122は、表示パネル102を構成するソース駆動線(S[m])ごとにスイッチSW2(例えば3極スイッチ)を備え、各ソース駆動線(S[m])とソースドライバ106との接続、または、ソース駆動線(S[m])とVCOM電極との接続を、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの論理レベルに応じて切り替え、選択的にソース駆動線(S[m])をVCOM電極に短絡させる。
【0068】
より具体的には、表示装置100は、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを制御することによって、第1スイッチング部SW1については、チャージシェアリング無効時にはVCOMドライバ出力と接続され、チャージシェアリング有効時には、フローティングとなるようにさせる。また、表示装置100は、第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを制御することによって、第2スイッチング部112を構成する各スイッチSW2[m]については、チャージシェアリング無効時にはソースドライバ出力と接続され、チャージシェアリング有効時はVCOM電極と接続するようにさせるつまり、表示装置100は、VCOM電極に接続する先をVCOMドライバ出力かフローティングのどちらかを選択可能なように、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部122とを備える。
【0069】
よって、表示装置100は、第1スイッチング部SW1と、第2スイッチング部122とを備えることによって、図2に示す表示装置10と同様のチャージシェアリングを行うことが可能である。以下では、表示パネル102(表示部)を構成するソース駆動線(信号線。S[m])をVCOM電極に短絡させることによるチャージシェアリングを、「第2のチャージシェアリング」と示す場合がある。
【0070】
表示装置100は、例えば図9に示す構成をとることによって、図2に示す構成と同様の第2のチャージシェアリングに加え、画素内における第1のチャージシェアリングを行うことができる。本発明の実施形態に係る表示装置100が第1のチャージシェアリングをさらに行うことによる効果については、後述する本発明の実施形態に係る駆動方法において、説明する。
【0071】
なお、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成は、図9に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る表示装置100は、図7に示す表示装置10が備えるスイッチング部24と同様の構成を有するスイッチング部(第3スイッチング部)をさらに備えていてもよい。上記の構成では、第3スイッチング部を構成する各スイッチSW3[m]のスイッチ極の1つはソース駆動線に接続され、もうひとつのスイッチ極はVCOM電極に接続にされる。上記の構成によって、表示装置100は、各スイッチSW3[m]を制御する第2チャージシェアリング駆動信号CSEの倫理レベルを変更することによって、ソース駆動線の接続先を、チャージシェアリング無効時にはフローティング、チャージシェアリング有効時はVCOM電極とすることが可能となる。
【0072】
図12は、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成の他の例を示す説明図である。図12に示すように、本発明の実施形態に係る表示装置100は、従来の技術に係るチャージシェアリング(第2のチャージシェアリング)を行わない構成をとることも可能である。図12に示す構成であっても、表示装置100は、第1のチャージシェアリングを行うことが可能であるので、チャージシェアリング機構がない構成を有する表示装置よりも、より低消費電力で駆動することができる。
【0073】
[本発明の実施形態に係る駆動方法]
次に、例えば図9に示す本発明の実施形態に係る表示装置100の駆動方法について説明する。
【0074】
(0)基本駆動
まず、本発明の実施形態に係る表示装置100における基本駆動について説明する。
【0075】
ゲートドライバ104は、垂直方向開始データSTVをシフトデータとし、ゲートドライバ・シフトクロックCKVでゲートドライバ104内のシフトレジスタをシフトすることで行走査駆動を行う。また、ゲートドライバ104は、シフトデータを成形して一水平期間を生成する(HE[n])。
【0076】
HE[n]が有効な行において、タイミング制御部110より制御されるゲート制御信号GEが有効な期間、当該行の画素全てが画素書き込み状態となる。
【0077】
画素書き込み状態では、画素のスイッチング素子TR1が導通し、VCOM電位を基点としてソース駆動線との電位差が画素容量に充電される。ここで、本発明の実施形態に係る画素容量とは、液晶容量CLCおよび保持容量CSTを含む容量をいう。
【0078】
画素書き込み充電が完了後、ゲート制御信号GEを無効にし、スイッチング素子TR1を開放することで画素容量はVCOM電極に対し容量結合した状態で画素電位を保持する。
【0079】
画素電位は容量成分で保持しているため、時間の経過と共に放電する。そのため、表示装置100は、所望の階調電位以下とならない周期で再書き込みを行う。
【0080】
図9に示すようなアクティブマトリクス型の表示装置では、行方向に対する画素は同時に書き込まれ、列方向は順次走査によって書き込まれる。つまり、表示装置100は、走査を一画面分行うことで1つの画像として表示画面上に表示する。
【0081】
画素は再書き込みが必要であるため、表示装置100が画像を表示している間は、一画面分の走査をリフレッシュ・レート(周期)にしたがって繰り返す。
【0082】
また、表示装置100のような液晶表示装置では、液晶素子の特性劣化を軽減するために、画素容量に書き込む電位をVCOM電位基点に正電位書き込みと負電位書き込みとを切り替えて書き込む必要がある(極性反転)。
【0083】
ここで、極性反転の方法としては、例えば、極性ライン反転や、極性カラム反転、極性ドット反転などが挙げられる。また、極性反転を駆動するためのソースドライバ106とVCOMドライバ208の動作は、主に2つあり、1つがVCOM定電圧駆動、もうひとつがVCOMパルス駆動である。VCOM定電圧駆動は、VCOMドライバ108の出力が定電圧で、ソースドライバ106がVCOM電位を基点に正電位(正極性)もしくは負電位(負極性)を出力することで極性反転駆動を行う。VCOMパルス駆動では、VCOMドライバ108が2値の正弦波を出力する。上記正弦波の高電位をVCOMH、低電位をVCOMLとすると、正極性ではVCOMLを出力し、負極性ではVCOMHを出力することとなる。ソースドライバ106は、VCOM電位を基点に正極性では正電位、負極性では負電位を出力する。基点電位であるVCOM電位が推移するため、ソースドライバ106の絶対振幅は、VCOM定電圧駆動と比較して小さくなる。よって、低電圧駆動が可能となる。
【0084】
また、例えば図5に示すように、極性ライン反転および極性ドット反転では、行の走査が推移する度に極性反転駆動が行われる。
【0085】
ここで、画素書き込み前準備である極性反転を行う際のVCOM電極、ソース駆動線の充放電、および画素書き込み時の画素容量充放電を駆動する際には、大きく電力が消費される。よって、VCOM電極、ソース駆動線の駆動を低消費電力で行うことと、画素書き込みを低消費電力で行うことが、液晶表示装置における消費電力の低減に繋がる。
【0086】
表示装置100は、上記のような基本駆動を行う。次に、本発明の実施形態に係る表示装置100における駆動方法について説明する。以下では、表示装置100が図10に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法(第1の駆動方法)の一例と、表示装置100が図11に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法(第2の駆動方法)の一例とについて説明する。
【0087】
(1)第1の駆動方法
図13は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。ここで、図13に示す「CS[n]」は、チャージシェアリング駆動線(nは自然数)を示している(以下、同様とする。)。また、図13に示す「Timing−A」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けない場合の例を示しており、「Timing−B」はGE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設けた場合の例を示している。また、「Timing−C」は、GE信号およびCSE信号のオーバーラップ期間を設け、その後一旦GE信号をオフにした場合の例を示している。
【0088】
まず、図13を参照しつつ、表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作の概要について説明する。
【0089】
(1−0)初期状態
ゲートドライバ104の走査によって、行nの水平期間に推移する直前では、ゲート駆動制御信号GEが無効、第1チャージシェアリング制御信号GSPXが無効となっており、ゲート駆動線(GL[n])およびチャージシェアリング駆動線(CS[n])は無効となっている。すなわち、初期状態とは、画素(n,m)内の第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2は、共に開放状態となっている状態である。
【0090】
(1−1)Timing−A
図14は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Aに係る動作波形を示している。図13、図14を参照しつつ、Timing−Aにおける駆動方法について説明する。
【0091】
現在の行nに水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このとき第1スイッチング素子TR1は開放されているため、それぞれのチャージシェアリングは独立して実施される。ここで、チャージシェアリング時には、電力は消費されていない(第一の状態)。
【0092】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このときソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、VCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバと導通し、VCOMドライバによって駆動される(第二の状態)。
【0093】
GE信号を有効にし、画素書き込みを実施する。このとき、現在の行各画素の第1スイッチング素子TR1は各ソース駆動線と導通され、VCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、第2スイッチング素子TR2は開放状態であるため、充電動作に作用しない(第三の状態)。
【0094】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき、第1スイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第四の状態)。
【0095】
図14に示すTiming−Aでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0096】
(1−2)Timing−B
図15は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Bに係る動作波形を示している。図13、図15を参照しつつ、Timing−Bにおける駆動方法について説明する。
【0097】
現在の行nに水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このとき第1スイッチング素子TR1は開放されているため、それぞれのチャージシェアリングは独立して実施される。ここで、チャージシェアリング時には、電力は消費されていない(第一の状態)。
【0098】
GE信号を有効にすることでCSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき現在の行各画素の第2スイッチング素子TR2が導通状態で、第1スイッチング素子TR1は導通されるため、各画素内にVCOM電極−ソース駆動線を短絡させるパスが形成される。上記は、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)において短絡点のインピーダンスが下がることを意味し、時定数が下がることから電荷の中和速度が増す(第二の状態)。ここで、上記のように、第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2の導通を行うことによりソース駆動線(信号線)をVCOM電極(対向電極)に短絡させるチャージシェアリングは、低インピーダンス・チャージシェアリング(第3のチャージシェアリング)と捉えることができる。
【0099】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このとき、ソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、VCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバと導通し、VCOMドライバによって駆動される。また、GE信号が有効であることから、画素書き込みを実施する。このとき現在の行各画素の第1スイッチング素子TR1は各ソース駆動線と導通され、VCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、第2スイッチング素子TR2は開放状態であるため充電動作に作用しない(第三の状態)。
【0100】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき第1スイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第四の状態)。
【0101】
図15に示すTiming−Bでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0102】
(1−3)Timing−C
表示装置100は、Timing−Bの第二の状態と第三の状態の間に、GE信号およびCSE信号無効状態を生成し、Timing−Aの第二の状態を生成する。
【0103】
その後、表示装置100は、Timing−Aの第三の状態、第四の状態へと移行する。
【0104】
Timing−Cでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0105】
第1の駆動方法を用いる表示装置100は、例えば上記のように動作する。ここで、表示装置100の動作は、水平期間内では従来技術と同様に、以下の(I)〜(III)の駆動を時分割で行っている。
(I)チャージシェアリングON
(II)極性反転ドライブ
(III)チャージシェアリングOFF
【0106】
このとき、従来の技術と大きく異なる部分は、チャージシェアリング期間にVCOM電極とソース駆動線を短絡させると同時に、書き込みを行う現在の行全ての画素を、それぞれの画素内で保持容量(CST)の両端をVCOM電極と短絡させる点にある。
【0107】
図14を参照して本発明の実施形態に係る駆動法の優位性に関して説明する。本発明の実施形態に係る駆動法を用いることによって、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、と第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)とが、それぞれ独立して行われる。VCOM電極−ソース駆動線間は、従来技術と同様にチャージシェアリングが行われ、VCOM電極−画素容量間では行方向全ての画素それぞれでチャージシェアリングが行われる。
【0108】
図14のBおよび図14のCに示すように、VCOM電極−ソース駆動線間の容量およびインピーダンスに対して、VCOM電極容量−画素容量間の容量およびインピーダンスは小さい値である。よって、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)に要する時間と比較した場合、画素内電荷は短い時間でチャージシェアリングが完了する。
【0109】
また、画素容量はVCOM電極容量との容量分割比で無視可能な容量差があるため、画素電位はほぼVCOM電極と同電位(第2スイッチング素子TR2の閾値電圧Vth分オフセットがかかった電位)に推移する。ここで、従来の技術では、画素内電荷は各ドライバによって駆動されるまで保持した状態である。画素内では極性反転によってVCOM電位と画素電位の高さ関係が必ず逆転するため電位が大きく推移する。そして、上記の駆動を行う際に大きく電力が消費される。
【0110】
それに対して、本発明の実施形態に係る表示装置100では、各ドライバによる駆動を行う前には必ずVCOM電位に推移されているため、所望の階調への書き込みの際に電位の逆転は発生せず電位推移量も小さくなる。したがって、表示装置100は、電力を低く抑えることが可能となることから、消費電力の低減を図ることができる。
【0111】
また、従来の技術では、従来の技術では図5のTiming−B、Timing−Cに示すように、CSE信号とGE信号にオーバーラップ期間を設けることが可能であるが、従来の技術では、図1に示すように、GE信号を有効にすることでトランジスタTR1が短絡してソース駆動線と接続された状態となる。この場合、上述した本発明の実施形態に係る表示装置100と、電位駆動的には似ている状態になるが、実際の動作では大きく異なっている。
【0112】
より具体的には、従来の技術ではトランジスタTR1を短絡させる手法をとっているが、この場合の画素容量はVCOM電極と容量結合している状態であるため、電荷供給(移動)はトランジスタTR1を介して行われる。すなわち、チャージシェアリング用短絡点からみた場合、画素容量分の負荷が増えた状態となる。したがって、従来の技術に係るチャージシェアリングと、本発明の実施形態に係るチャージシェアリングとが、同じチャージシェアリング期間で行われた場合には、従来の技術に係るチャージシェアリングの効果は、本発明の実施形態に係るチャージシェアリングの効果よりも薄れることとなる。
【0113】
また、本発明の実施形態に係る表示装置100は、図13のTiming−B、Timing−Cに示すように、従来の技術と同様にCSE信号とGE信号のオーバーラップ期間を設けることが可能である。また、表示装置100では、従来の技術が用いられる場合よりも、チャージシェアリング効果をより向上させる作用が働くこととなる。図15を参照して、本発明の実施形態に係る上記効果について説明する。
【0114】
第一にGE信号無効状態でCSE信号を有効にする。この状態は上述した内容と同じであり、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)がそれぞれ独立に行われている。このとき、VCOM電極とソース駆動線は互いに溜まっている電荷が短絡点によってチャージシェアリングされており、画素容量は、VCOM電極−ソース駆動線間の負荷と比較して非常に小さいため、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)に要する時間よりも早い時間で第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)によってVCOM電極の電位に推移する(第一の状態)。
【0115】
その後GE信号を有効にすることによって、表示装置100は、CSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき、チャージシェアリング機能が効いた状態で画素の第1スイッチング素子TR1が短絡することになる(第二の状態)。また、その後CSE信号を無効にすることによって、VCOM電極はVCOMドライバにより駆動し、ソース駆動線および現在の画素は、ソースドライバ106が所望の電位へ駆動する(第三の状態)。所望の電位への書き込みが完了後、GE信号を無効にし、画素容量とソース駆動線を切り離し、VCOM電極との容量結合によって画素電位を保持する(第四の状態)。
【0116】
本発明の実施形態に係る表示装置100における、従来の表示装置10に対する優位性は、上記第二の状態にある。従来の技術における第二の状態は、駆動負荷を増やしチャージシェアリング効果を低減させている。しかしながら、本発明の実施形態に係る表示装置100では、画素容量とVCOM電極が、第2スイッチング素子TR2によって画素内で短絡しており、さらに第一の状態においてVCOM電位に既に推移しているため、現在の行画素全ての第2スイッチング素子TR2が短絡点として作用する。すなわち、表示装置100では、VCOM電極−ソース駆動線間のインピーダンスが低くなることとなる。
【0117】
したがって、表示装置100では、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)が効果的に行われ、チャージシェアリングに要する時間も短くなる。
【0118】
ここで、チャージシェアリング期間が短くなることによって、表示装置100では、各ドライバによる駆動時間(第四の状態)を長くとることが可能となる。また、第四の状態を長くとれれば、ソースドライバ106やVCOMドライバ108のバッファ、アンプの定電流を低くして駆動能力を抑えることが可能となる。したがって、表示装置100は、さらなる低消費電力駆動を実現することができる。
【0119】
なお、図13のTiming−Cは、第四の状態へ推移する前にCSE信号とGE信号両方を一旦無効にすることによって、チャージシェアリング期間後、画素書き込み期間に入る前にドライバ駆動によってソース駆動線充電を先行して行う駆動である。したがって、図13のTiming−Cで駆動する場合においても、表示装置100は、消費電力の低減を図ることができる。
【0120】
(2)第2の駆動方法
次に、表示装置100が図11に示すゲートドライバ104を備える場合における駆動方法について説明する。
【0121】
図16は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図である。ここで、図16に示す「Timing−A」は、現在の行nの1つ前の走査行n−1において先行して画素内におけるチャージシェアリング(第1のチャージシェアリング)を行い、現在の行nにおいて低インピーダンス・チャージシェアリング(第3のチャージシェアリング)を行う場合の例を示している。また、「Timing−B」は、Timing−Aと同様に、走査行n−1において先行して画素内におけるチャージシェアリングを行い、現在の行nにおいて低インピーダンス・チャージシェアリングを行った後、画素書き込みを実施、完了する場合の例を示している。
【0122】
まず、図16を参照しつつ、表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作の概要について説明する。
【0123】
(2−0)初期状態
ゲートドライバ104の走査によって現在の行の1つ前の走査行n−1および現在の行nの水平期間に推移する直前では、ゲート駆動制御信号GEが無効、チャージシェアリング制御信号GSPXが無効となっており、ゲート駆動線(GL[n])およびチャージシェアリング駆動線(CS[n])は無効となっている。すなわち、初期状態とは、画素(n,m)内の第1スイッチング素子TR1および第2スイッチング素子TR2は、共に開放状態となっている状態である。
【0124】
(2−1)Timing−A
図17は、本発明の実施形態に係る表示装置100におけるチャージシェアリングに関する動作に係る波形を示す説明図であり、Timing−Aに係る動作波形を示している。図16、図17を参照しつつ、Timing−Aにおける駆動方法について説明する。
【0125】
現在の行の1つ前の走査行n−1に水平期間が推移後、第一にCSE信号を有効にする。このとき現在の行nのチャージシェアリング駆動線(CS[n])が有効となる。現在の行nのゲート駆動線(GL[n])は無効状態であるため、現在の行各画素のスイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる。このときスイッチング素子TR1は開放であるためソース駆動線と画素容量とは切り離されている。(第一の状態)。
【0126】
CSE信号を無効にし、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を終了し、現在の行の走査まで状態を保持する(第二の状態)。
【0127】
現在の行nに水平期間が推移後、再びCSE信号を有効にし、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)、および第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)を実施する。CSE信号が有効であることから、第1スイッチング部SW1によってVCOM電極とVCOMドライバ108は切り離され、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によって、ソース駆動線はVCOM電極と短絡する。また、現在の行各画素のスイッチング素子TR2は導通し、画素容量の両端極をVCOM電極に短絡させる(第三の状態)。
【0128】
第三の状態と同時、もしくは第三の状態後に、GE信号を有効にすることによって、CSE信号とのオーバーラップ期間を生成する。このとき現在の行各画素のスイッチング素子TR2が導通状態で、スイッチング素子TR1は導通されるため、各画素内にVCOM電極−ソース駆動線を短絡させるパスが形成される。上記は、第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)において短絡点のインピーダンスが下がることを意味し、時定数が下がることから電荷の中和速度が増す(第四の状態)。
【0129】
CSE信号を無効にし、チャージシェアリングを終了する。このとき、ソース駆動線は、第2スイッチング部112を構成するスイッチSW2[m]によってVCOMドライバ出力と導通され、VCOM電極は、第1スイッチング部SW1によってVCOMドライバ108と導通して、VCOMドライバ108によって駆動される。また、GE信号が有効であることから、画素書き込みを実施する。このとき、現在の行各画素のスイッチング素子TR1は、各ソース駆動線と導通されVCOM電極電位との電位差が画素容量に充電される。また、スイッチング素子TR2は開放状態であるため充電動作に作用しない(第五の状態)。
【0130】
画素書き込み動作によって所望の電位(階調)の充電が完了後、表示装置100は、GE信号を無効にし、画素書き込み状態を終了する。このとき現在の行各画素のスイッチング素子TR1は開放され、画素容量はVCOM電極と容量結合した状態で画素電位を保持する(第六の状態)。
【0131】
図16に示すTiming−Aでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0132】
(2−2)Timing−B
表示装置100は、Timing−Aと同様に、上記第一の状態から第四の状態までの動作を行う。
【0133】
その後、表示装置100は、上記第1の駆動方法に係るTiming−Aの第三の状態、第四の状態へと移行する。
【0134】
Timing−Cでは、表示装置100は、例えば上記のように動作する。
【0135】
第2の駆動方法を用いる表示装置100は、例えば上記のように動作する。表示装置100は、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備えることによって、図16に示すような駆動タイミングとなり、画素容量を先行的にチャージシェアリングすることが可能となる。ここで、先行的に画素をチャージシェアリングする目的は、チャージシェアリング期間の短縮にある。
【0136】
現在の行を書き込む場合、1つ前の水平期間で現在の行画素のチャージシェアリング駆動線が駆動され、現在の行のチャージシェアリングが実施される。このときCSE信号とGE信号がオーバーラップしているが、現在の行のゲート駆動線は駆動されないため、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)のみが実施される。上記によって、現在の行の水平期間に推移したタイミングでは、既に現在の行の画素はVCOM電極電位に推移している。そして、現在の行の水平期間に推移後、現在の行のチャージシェアリング駆動線が再び駆動される。また、現在の行では、CSE信号とGE信号のオーバーラップ期間が生じることにより、同時にゲート駆動線も駆動されることとなる。上記の状態は上述した第二の状態に相当するため、チャージシェアリング時の短絡点のインピーダンスが低い状態となる。
【0137】
したがって、表示装置100では、チャージシェアリングに要する時間も短くなることから、第1の駆動方法を用いる場合と同様に、ソースドライバ106やVCOMドライバ108のバッファ、アンプの定電流を低くして駆動能力を抑えることが可能となるので、さらなる低消費電力駆動を実現することができる。
【0138】
以上のように、本発明の実施形態に係る表示装置100は、短絡点のインピーダンスをさらに下げる回路構成をとり、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮させる駆動方法を用いる。
【0139】
ここで、表示装置100は、画素容量電位を画素単位でチャージシェアリングすることが可能である(第1のチャージシェアリング)。よって、表示装置100は、例えば第1のチャージシェアリングのみを行う場合には、チャージシェアリング機構がない構成と比較した場合、より低消費電力で駆動することができる。
【0140】
また、表示装置100は、第1のチャージシェアリング(VCOM電極−画素容量間チャージシェアリング)と第2のチャージシェアリング(VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリング)とを、それぞれ独立もしくは同時に行うことによって、VCOM電極−ソース駆動線間チャージシェアリングを行う従来の技術を用いる場合よりも、チャージシェアリング効果を向上させることができる。
【0141】
また、表示装置100は、CSE信号とGE信号をオーバーラップさせることによって、短絡点のインピーダンスを下げる。上記によって、表示装置100は、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上で短縮することができる。また、チャージシェアリング期間の短縮によってドライバによる画素書き込み期間を長く確保することが可能である。つまり、画素書き込み期間を長くとることによって、ソースドライバ106は、従来の技術を用いる場合よりも低いソースドライバの駆動能力で駆動することか可能となるので、表示装置100では、ソースドライバ106のバッファ、アンプの定電流を低く抑えることができる。したがって、表示装置100は、従来の技術を用いる場合と比較して、より低消費電力での駆動が可能となる。
【0142】
また、表示装置100が、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備える場合には、画素容量を1つ前の水平期間内で先行してチャージシェアリングを行うため、チャージシェアリングに要する時間は細分化され、一水平期間で考えた場合、チャージシェアリングに要する時間を不要電荷の再利用率を高めた上でより短縮することができる。よって、表示装置100が、図11に示す回路構成のゲートドライバ104を備える場合であっても、従来の技術を用いる場合と比較して、より低消費電力での駆動が可能となる。
【0143】
したがって、表示装置100は、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0144】
さらに、表示装置100は、従来に技術と同様の駆動制御線を使用して駆動を行うためタイミング制御部110(ドライバIC)に新たな制御線を設ける必要がない。よって、CSE信号をドライバICが駆動しているなどの外部機構が駆動している場合には、端子増によるコスト増を押さえることが可能となる。また、従来から使用されているドライバICをそのまま使用することが可能であり、開発コストを大幅に抑えることができ、また部品管理面でも優れている。
【0145】
以上、本発明の実施形態として表示装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、携帯電話などの携帯型通信装置や、ノート型PCやPCなどのコンピュータ、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ/デジタルビデオカメラ)などの撮像装置、ゲーム機、テレビジョン受像機など、表示デバイスとしてアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイが用いられる様々な機器に適用することができる。
【0146】
(本発明の実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る表示装置として機能させるためのプログラム(例えば、本発明の実施形態に係る駆動方法に係る処理を実現するためのプログラム)によって、液晶表示装置における消費電力の低減を図ることができる。
【0147】
(本発明の実施形態に係るプログラムを記録した記録媒体)
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る表示装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
【0148】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0149】
10、100 表示装置
12、102 表示パネル
14、104 ゲートドライバ14
16、106 ソースドライバ16
18、108 VCOMドライバ
20、110 タイミング制御部
22、112 第2スイッチング部
SW1 第1スイッチング部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置される信号線および走査線と、前記信号線および前記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、
前記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、
前記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、
対向電極を駆動させる対向電極駆動部と、
を備え、
前記画素回路は、
前記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される前記走査線に印加される前記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、前記対向電極との間に形成される液晶容量と、
前記画素電極と前記対向電極との間に形成される保持容量と、
ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、
を備えることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記チャージシェアリング駆動線は、前記走査線と並走して配線されることを特徴とすることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記走査線駆動部は、前記走査信号の生成に用いられるシフトデータを用いて前記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した前記第1チャージシェアリング駆動信号を前記チャージシェアリング駆動線に印加する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記走査線駆動部、前記信号線駆動部、および前記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、
前記対向電極駆動部と前記対向電極とを、第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、
前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続、または、前記表示部を構成する前記信号線と前記対向電極との接続を、前記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、
をさらに備え、
前記第2チャージシェアリング駆動信号は、前記タイミング制御部により生成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記走査線駆動部は、前記走査信号の生成に用いられるシフトデータと前記第2チャージシェアリング駆動信号とを用いて前記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した前記第1チャージシェアリング駆動信号を前記チャージシェアリング駆動線に印加することを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、同時に行われることを特徴とする、請求項4、または5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記走査線駆動部は、前記第1のチャージシェアリングおよび前記第2のチャージシェアリングが開始された後に前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子を導通させ、前記信号線を前記対向電極に短絡させることを特徴とする、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、別々に行われることを特徴とする、請求項4、または5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のチャージシェアリングが開始された後に、前記第2のチャージシェアリングが行われることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1のチャージシェアリングは、前記第2のチャージシェアリングが行われる水平期間の一つ前の水平期間において行われることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングと、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の導通を行うことにより前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングとは、前記走査線駆動部が生成する前記走査信号と、前記タイミング制御部が生成する前記第2チャージシェアリング駆動信号とにより制御されることを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項12】
一水平期間において、前記画素回路に前記データ信号が印加される画素書き込みと、前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、任意の順序で行われることを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1のチャージシェアリングと前記第2のチャージシェアリングが同時に開始され、
前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子の導通が遮断され、かつ前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続がされた後に、前記第1スイッチング素子が導通して前記画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1のチャージシェアリングが開始された後または同時に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子が導通されることによって、前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、
前記画素回路を構成する前記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に前記画素回路に前記データ信号が印加されて、前記画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングが開始された後に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子が導通されることによって、前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、
前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に、前記第1スイッチング素子が導通して前記画素回路に前記データ信号が印加される画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
マトリクス状に配置される信号線および走査線と、前記信号線および前記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、
前記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、
前記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、
対向電極を駆動する対向電極駆動部と、
前記走査線駆動部、前記信号線駆動部、および前記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、
前記対向電極駆動部と前記対向電極とを、前記タイミング制御部により生成される第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、
前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続、または、前記表示部を構成する前記信号線と前記対向電極との接続を、前記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、
を備え、
前記画素回路は、
前記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される前記走査線に印加される前記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、前記対向電極との間に形成される液晶容量と、
前記画素電極と前記対向電極との間に形成される保持容量と、
ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通し、前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、
を備える表示装置に適用可能な、前記画素回路に前記データ信号を印加する画素書き込みのための駆動方法であって、
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとを同時に開始する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子の導通を遮断し、かつ前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部とを接続する第2ステップと、
第2ステップの後に、前記信号線に前記データ信号を印加する第3ステップと、
を有することを特徴とする、駆動方法。
【請求項1】
マトリクス状に配置される信号線および走査線と、前記信号線および前記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、
前記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、
前記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、
対向電極を駆動させる対向電極駆動部と、
を備え、
前記画素回路は、
前記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される前記走査線に印加される前記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、前記対向電極との間に形成される液晶容量と、
前記画素電極と前記対向電極との間に形成される保持容量と、
ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて導通し、選択的に前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、
を備えることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記チャージシェアリング駆動線は、前記走査線と並走して配線されることを特徴とすることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記走査線駆動部は、前記走査信号の生成に用いられるシフトデータを用いて前記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した前記第1チャージシェアリング駆動信号を前記チャージシェアリング駆動線に印加する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記走査線駆動部、前記信号線駆動部、および前記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、
前記対向電極駆動部と前記対向電極とを、第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、
前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続、または、前記表示部を構成する前記信号線と前記対向電極との接続を、前記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、
をさらに備え、
前記第2チャージシェアリング駆動信号は、前記タイミング制御部により生成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記走査線駆動部は、前記走査信号の生成に用いられるシフトデータと前記第2チャージシェアリング駆動信号とを用いて前記第1チャージシェアリング駆動信号を生成し、生成した前記第1チャージシェアリング駆動信号を前記チャージシェアリング駆動線に印加することを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、同時に行われることを特徴とする、請求項4、または5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記走査線駆動部は、前記第1のチャージシェアリングおよび前記第2のチャージシェアリングが開始された後に前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子を導通させ、前記信号線を前記対向電極に短絡させることを特徴とする、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、別々に行われることを特徴とする、請求項4、または5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のチャージシェアリングが開始された後に、前記第2のチャージシェアリングが行われることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1のチャージシェアリングは、前記第2のチャージシェアリングが行われる水平期間の一つ前の水平期間において行われることを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングと、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の導通を行うことにより前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングとは、前記走査線駆動部が生成する前記走査信号と、前記タイミング制御部が生成する前記第2チャージシェアリング駆動信号とにより制御されることを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項12】
一水平期間において、前記画素回路に前記データ信号が印加される画素書き込みと、前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとは、任意の順序で行われることを特徴とする、請求項4に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1のチャージシェアリングと前記第2のチャージシェアリングが同時に開始され、
前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子の導通が遮断され、かつ前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続がされた後に、前記第1スイッチング素子が導通して前記画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1のチャージシェアリングが開始された後または同時に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子が導通されることによって、前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、
前記画素回路を構成する前記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に前記画素回路に前記データ信号が印加されて、前記画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングが開始された後に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子が導通されることによって、前記信号線を前記対向電極に短絡させる第3のチャージシェアリングが行われ、
前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子の導通が遮断された後に、前記第1スイッチング素子が導通して前記画素回路に前記データ信号が印加される画素書き込みが行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
マトリクス状に配置される信号線および走査線と、前記信号線および前記走査線の交差箇所にそれぞれ対応づけて配置される画素回路とを有する表示部と、
前記走査線に走査信号を印加する走査線駆動部と、
前記信号線にデータ信号を印加する信号線駆動部と、
対向電極を駆動する対向電極駆動部と、
前記走査線駆動部、前記信号線駆動部、および前記対向電極駆動部それぞれの駆動タイミングを制御するタイミング制御部と、
前記対向電極駆動部と前記対向電極とを、前記タイミング制御部により生成される第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通させる第1スイッチング部と、
前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部との接続、または、前記表示部を構成する前記信号線と前記対向電極との接続を、前記第2チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて切り替え、選択的に前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング部と、
を備え、
前記画素回路は、
前記信号線に第1端子が接続され、ゲート端子に接続される前記走査線に印加される前記走査信号の論理レベルに応じて選択的に導通する第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子の第2端子に接続される画素電極と、前記対向電極との間に形成される液晶容量と、
前記画素電極と前記対向電極との間に形成される保持容量と、
ゲート端子に接続されるチャージシェアリング駆動線に印加される第1チャージシェアリング駆動信号の論理レベルに応じて選択的に導通し、前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第2スイッチング素子と、
を備える表示装置に適用可能な、前記画素回路に前記データ信号を印加する画素書き込みのための駆動方法であって、
前記保持容量の両端を前記対向電極に短絡させる第1のチャージシェアリングと、前記表示部を構成する前記信号線を前記対向電極に短絡させる第2のチャージシェアリングとを同時に開始する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、前記画素回路を構成する前記第1スイッチング素子の導通を遮断し、かつ前記表示部を構成する前記信号線と前記信号線駆動部とを接続する第2ステップと、
第2ステップの後に、前記信号線に前記データ信号を印加する第3ステップと、
を有することを特徴とする、駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−133046(P2012−133046A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283823(P2010−283823)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
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