説明

表示装置、バリア装置、位相差フィルム、および電子機器

【課題】視野角を広くするとともにコストを低減することができる表示装置を得る。
【解決手段】液晶層9と、第1の偏光フィルム115および第1の位相差フィルム114を含んで構成された第1の基板110と、第2の偏光フィルム126を含んで構成され、第1の基板の、第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムのうちの第1の位相差フィルムが配置された側に、液晶層を挟んで配置された第2の基板120とを備える。上記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0は、次の式(A)を満たす。上記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとは、次の式(A)を満たすものである。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶素子により構成される表示装置およびバリア装置、そのような装置に用いられる位相差フィルム、ならびにこれらを含んで構成される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置においては、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置から液晶表示装置への置き換えが進んでいる。液晶表示装置は、CRT表示装置に比べて薄くできるため省スペースを実現しやすく、また、消費電力が低いためエコロジーの観点からもメリットがある。
【0003】
また、近年、立体視表示を実現できる表示装置が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼映像と右眼映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。例えば、特許文献1には、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なる、視差バリア(パララックスバリア)方式の表示装置が開示されている。このような表示装置では、しばしばバリアとして液晶素子が用いられる。
【0004】
ところで、一般に表示装置では、視野角が広いことが望まれている。特許文献2,3には視野角を広くするために、光学異方性を有するディスコティック液晶からなる層を有する液晶表示装置が開示されている。このようなディスコティック液晶からなる層は、高視野角化フィルム(例えば、いわゆるWV(Wide View)フィルム)として流通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−119889号公報
【特許文献2】特開2005−189888号公報
【特許文献3】特開2001−100031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、電子機器は、コストの低減が望まれている。しかしながら、液晶素子を有する表示装置では、上述した高視野角化フィルムが専用の部材であることから、導入にコストがかかるおそれがある。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、視野角を広くするとともにコストを低減することができる表示装置、バリア装置、位相差フィルム、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の表示装置は、液晶層と、第1の基板と、第2の基板とを備えている。第1の基板は、第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムを含んで構成されたものである。第2の基板は、第2の偏光フィルムを含んで構成され、第1の基板の、第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムのうちの第1の位相差フィルムが配置された側に、液晶層を挟んで配置されたものである。上記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとは、次の式(A)を満たすものである。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0009】
本開示の第2の表示装置は、表示部と、バリア部とを備えている。バリア部は、開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するものである。上記バリア部は、液晶層と、偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、第1の基板の、偏光フィルムおよび位相差フィルムのうちの位相差フィルムが配置された側に、液晶層を挟んで配置された第2の基板とを有している。位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとは、次の式(A)を満たすものである。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0010】
本開示のバリア装置は、開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するバリア部を備えている。上記バリア部は、液晶層と、偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、第1の基板の、偏光フィルムおよび位相差フィルムのうちの位相差フィルムが配置された側に、液晶層を挟んで配置された第2の基板とを有している。位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとは、次の式(A)を満たすものである。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0011】
本開示の位相差フィルムは、面内方向の面内リタデーション値R0と、厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たすものである。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0012】
本開示の電子機器は、上記第1の表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0013】
本開示の第1の表示装置、位相差フィルム、および電子機器では、液晶層において光が変調され、表示画面に映像が表示される。その表示の際に光が透過する第1の位相差フィルムは、面内リタデーション値R0と厚さリタデーション値Rthとが、式(A)を満たすようになっている。
【0014】
本開示の第2の表示装置、バリア装置、および位相差フィルムでは、表示部に映像が表示され、液晶バリアを透過状態にすることにより、表示部に表示された映像が観察者に視認される。その際に光が透過するバリア部の位相差フィルムは、面内リタデーション値R0と厚さリタデーション値Rthとが、式(A)を満たすようになっている。
【発明の効果】
【0015】
本開示の第1および第2の表示装置、バリア装置、位相差フィルム、および電子機器によれば、面内リタデーション値R0と厚さリタデーション値Rthとが、式(A)を満たす位相差フィルムを用いるようにしたので、視野角を広くするとともにコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図3】図2に示した画素の一構成例を表す回路図である。
【図4】図1に示した液晶表示部の一構成例を表す断面図である。
【図5】図4に示した偏光フィルムの一構成例を表す断面図である。
【図6】図4に示した液晶層の一動作例を表す模式図である。
【図7】図4に示した位相差フィルムの機能を説明する説明図である。
【図8】図1に示した表示装置の一特性例を表す特性図である。
【図9】図1に示した表示装置の他の特性例を表す特性図である。
【図10】第2の実施の形態に係る立体表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図11】図10に示した立体表示装置の一構成例を表す説明図である。
【図12】図10に示した液晶バリア部の一構成例を表す平面図および断面図である。
【図13】図10に示した液晶バリア部のグループ構成例を表す説明図である。
【図14】図10に示した立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図15】図10に示した立体表示装置の一動作例を表す他の模式図である。
【図16】変形例に係る立体表示装置の一構成例を表す説明図である。
【図17】変形例に係る立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図18】他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図19】実施の形態に係る表示装置および立体表示装置を適用したテレビジョン装置の外観構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(表示装置)
2.第2の実施の形態(立体表示装置)
3.適用例
【0018】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すものである。表示装置1は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係る位相差フィルムは、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0019】
表示装置1は、制御部41と、バックライト駆動部42と、バックライト30と、表示駆動部50と、液晶表示部20とを備えている。
【0020】
制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42および表示駆動部50に対してそれぞれ制御信号を供給する回路である。具体的には、制御部41は、バックライト駆動部42に対してバックライト制御信号を供給し、表示駆動部50に対して映像信号Sdispに基づく映像信号Sを供給するようになっている。
【0021】
バックライト駆動部42は、制御部41から供給されるバックライト制御信号に基づいてバックライト30を駆動するものである。バックライト30は、液晶表示部20に対して面発光した光を射出する機能を有している。バックライト30は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などを用いて構成されるものである。
【0022】
表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sに基づいて液晶表示部20を駆動するものである。液晶表示部20は、液晶素子を駆動して、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0023】
図2は、表示駆動部50のブロック図の一例を表すものである。表示駆動部50は、タイミング制御部51と、ゲートドライバ52と、データドライバ53とを備えている。タイミング制御部51は、ゲートドライバ52およびデータドライバ53の駆動タイミングを制御するとともに、制御部41から供給された映像信号Sに基づいて映像信号S1を生成し、データドライバ53へ供給するものである。ゲートドライバ52は、タイミング制御部51によるタイミング制御に従って、液晶表示部20内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ53は、液晶表示部20の各画素Pixへ、映像信号S1に基づく画素信号を供給するものである。具体的には、データドライバ53は、映像信号S1に基づいてD/A(デジタル/アナログ)変換を行うことにより、アナログ信号である画素信号を生成し、各画素Pixへ供給するようになっている。
【0024】
図3は、液晶表示部20の画素Pixを構成するサブ画素SPixの回路図の一例を表すものである。各画素Pixは、赤色、緑色、青色にそれぞれ対応する3つのサブ画素SPixを有している。サブ画素SPixは、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Csとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Csの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Csは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線CSLに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ52に接続され、データ線SGLはデータドライバ53に接続されている。
【0025】
図4は、液晶表示部20の断面構成を表すものである。液晶表示部20は、駆動基板110と対向基板120との間に、液晶層9を封止したものである。
【0026】
駆動基板110は、透明基板111と、画素電極112と、配向膜113と、位相差フィルム114と、偏光フィルム115とを有している。透明基板111は、例えばガラス等から構成されるものであり、その表面には、図示しないTFT素子Tr等が形成されている。そして、その上には、画素電極112が形成されている。画素電極112は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜により構成されるものであり、データドライバ53から、データ線SGLおよびTFT素子Trを介して画素信号が供給される。画素電極112の上には、配向膜113が形成されている。透明基板111の、これらの画素電極112などが形成された面とは反対の面には、位相差フィルム114および偏光フィルム115が、この順で形成されている。
【0027】
対向基板120は、透明基板121と、カラーフィルタ層122と、共通電極123と、配向膜124と、位相差フィルム125と、偏光フィルム126とを有している。透明基板121は、透明基板111と同様に、例えばガラス等から構成されるものである。透明基板121の表面には、カラーフィルタ層122が形成されている。カラーフィルタ層122には、各画素電極112に対応する部分に、赤色、緑色、青色の3色のカラーフィルタが形成されている。そして、そのカラーフィルタ層122の上には、共通電極123が形成されている。共通電極123は、画素電極112と同様に、例えばITO等の透明導電膜により構成されるものであり、複数の画素電極112に対応する位置にわたって共通に設けられている。その共通電極123の上には、配向膜124が形成されている。透明基板121の、共通電極123などが形成された面とは反対の面には、位相差フィルム125および偏光フィルム126が、この順で形成されている。
【0028】
位相差フィルム114,125は、TAC(トリアセチルセルロース)により構成されている。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、COP(シクロオレフィンポリマー)により構成してもよい。この位相差フィルム114,125は、後述するように、面内のリタデーション値R0が、厚さ方向のリタデーション値Rthに比べ小さくなるように設定されている。これにより、表示装置1は、例えば黒表示時に広い視野角を得ることができるようになっている。また、この位相差フィルム114,125は、光の波長の減少に伴い屈折率異方性が減少する、いわゆる逆波長分散性を有しているとさらに良い。この場合には、表示装置1では、表示画面に向かって斜め方向から観察した場合に、色度のずれが生じるおそれを低減することができる。
【0029】
偏光フィルム115,126は、所定の方向に偏光した光のみ透過させるものであり、透過軸が互いに交差するように、すなわちクロスニコルになるように貼り合わせられている。
【0030】
図5は、偏光フィルム126の断面図を位相差フィルム125とともに表すものである。偏光フィルム126は、偏光機能を実現する偏光子102と、その偏光子102を挟んで配置された、偏光子102を保護するための保護層101,103を有している。保護層101,103は、例えばTACにより構成されるものである。この例では、保護層101,103は、位相差フィルムとしての機能は無いものである。すなわち、保護層101,103におけるリタデーション値R0,Rthは、位相差フィルム114,125のリタデーション値R0,Rthと比較して十分に低いものである。
【0031】
液晶層9は、配向方向により光の透過率Tを変化させることができるものであり、例えば、ノーマリーホワイト動作を行うTN(Twisted Nematic)の液晶により構成されるものである。液晶層9の液晶分子Mは、誘電率異方性が正であり、長軸方向の屈折率が、短軸方向の屈折率よりも大きいものである。
【0032】
各画素電極112は、液晶層9、カラーフィルタ層122などの画素電極112に対応する部分とともに、サブ画素SPixを構成する。そして、赤色、緑色、青色の各サブ画素SPixは、画素Pixを構成するようになっている。
【0033】
このような構成により、液晶表示部20では、画素電極112と共通電極123との間の電位差に応じて、液晶層9における光の透過率が変調され、表示が行われるようになっている。
【0034】
図6は、液晶層9の動作を模式的に表すものであり、(A)は画素電極112と共通電極123との間に電圧が印加されていない場合を示し、(B)はこの電圧が印加されている場合を示す。
【0035】
電圧が印加されていない場合には、図6(A)に示すように、液晶層9の液晶分子Mは、その長軸が駆動基板110や対向基板120の基板面に平行になっている。配向膜113の近くの液晶分子Mは、その長軸が配向膜113によって所定の方向に配向し、配向膜124の近くの液晶分子Mは、その長軸が配向膜124によって所定の方向に配向する。その際、配向膜113が配向させる液晶分子Mの配向方向と、配向膜124が配向させる液晶分子Mの向きとが、互いに交差するようになっており、液晶層9の内部の液晶分子Mは、ねじれるように配向する。このとき、液晶表示部20の一方(例えば下側)から入射した光は、偏光板115によって偏光され、液晶層9における液晶分子Mの配向に従ってその偏光方向がねじれ、偏光板126を透過し、他方(例えば上側)から射出する。このようにして、液晶表示部20では、電圧が印加されていない場合には、光を透過し、いわゆる白表示となる。
【0036】
一方、電圧が印加されている場合には、図6(B)に示すように、液晶層9の液晶分子Mは、その長軸が駆動基板110や対向基板120の基板面に垂直になっている。このとき、液晶表示部20の一方(例えば下側)から入射した光は、偏光板115によって偏光され、偏光方向を維持しながら液晶層9を透過した後、偏光板126において遮断される。このようにして、液晶表示部20では、電圧が印加されている場合には、光を遮断し、いわゆる黒表示となる。
【0037】
このように、液晶表示部20は、画素電極112と共通電極123との間に電圧が印加されていない場合には白表示になり、電圧が印加されている場合には黒表示となる。すなわち、液晶表示部20は、ノーマリーホワイト動作を行うようになっている。
【0038】
ここで、液晶層9は、本開示の第1の表示装置における「液晶層」の一具体例に対応する。駆動基板110および対向基板120のうちの一方は、本開示における「第1の基板」の一具体例に対応し、他方は、本開示における「第2の基板」の一具体例に対応する。
【0039】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
【0040】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42および表示駆動部50を制御する。バックライト駆動部42は、バックライト30を駆動する。バックライト30は、面発光した光を液晶表示部20に対して射出する。表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sに基づいて液晶表示部20を駆動する。液晶表示部20は、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行う。
【0041】
(視野角について)
表示装置1では、液晶表示部20に位相差フィルム114,125が設けられ、これにより、表示装置1の黒表示の際の視野角拡大を図るようになっている。以下に、その詳細を説明する。
【0042】
図7は、位相差フィルム114,125による黒表示の際の視野角の拡大を、模式的に説明するものである。この図において、x方向およびy方向は、駆動基板110および対向基板120と平行な方向を示し、z方向は、これらの基板に垂直な方向を示す。また、各形状は、x,y,z方向の各方向における屈折率の大きさを表すものであり、例えば、z方向に延びた形状は、z方向の屈折率が大きいことを意味している。
【0043】
液晶層9の液晶分子Mは、図6(B)に示したように、黒表示の際には、長軸が基板に垂直な方向(z方向)を向いており、図7に示したように、z方向の屈折率nzが、x方向の屈折率nxおよびy方向の屈折率nyよりも大きくなっている。一方、位相差フィルム114,125は、図7に示したように、z方向の屈折率nzが、x方向の屈折率nxおよびy方向の屈折率nyよりも小さくなっている。よって、液晶表示部20では、この液晶層9および位相差フィルム114,125の特性が互いに補償し合い、x,y,z方向の屈折率nx,ny,nzが互いにほぼ等しくなり、等方的な屈折率を実現できるようになる。これにより、黒表示の際の視野角を広くすることができる。
【0044】
次に、位相差フィルム114,125の特性について説明する。この検討では、位相差フィルム114,125の光学パラメータとして、面内方向のリタデーション値R0と、厚さ方向のリタデーション値Rthを用いる。リタデーション値R0,Rthは、以下のような式で定義されるものである。
R0=(nx−ny)×d ・・・(1)
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d ・・・(2)
ここで、x方向の屈折率nxとy方向の屈折率nyの間には、次式のような関係がある。
nx≧ny ・・・(3)
ここで、x方向を遅相軸、y方向を進相軸と定義する。位相差フィルム114における遅相軸は、液晶層9のうちの駆動基板110付近の液晶分子Mの長軸の配向方位と揃うように設定され、位相差フィルム125における遅相軸は、液晶層9のうちの対向基板120付近の液晶分子Mの長軸の配向方位と揃うように設定される。
【0045】
本検討では、位相差フィルム114,125のリタデーション値R0,Rthを様々な値に設定して、視野角特性をシミュレーションすることにより、望ましいリタデーション値R0,Rthの範囲を求めた。なお、この例では、位相差フィルム114と位相差フィルム125は、同じ特性を有するものとした。
【0046】
図8は、あるリタデーション値R0,Rthの場合の、コントラストに関する視野角特性の一例を表すものである。この図8において、左右方向は表示装置1の表示画面の水平方向と対応し、上下方向は表示画面の垂直方向と対応している。図中の線はコントラストを等高線で示すものであり、中心に近づくほどコントラストが高くなっていることを示している。コントラストは、白表示と黒表示の比を示すものであるため、コントラストの視野角が広いほど、黒表示の視野角も広いことを示している。
【0047】
様々なリタデーション値R0,Rthでの視野角特性を評価するにあたり、本検討では、コントラストの視野角を示すパラメータとして、パラメータMINCRを導入した。このパラメータMINCRは、図8において、点PR(方位:0度,極角:30度),点PT(方位:90度,極角:30度),点PL(方位:180度,極角:30度),点PB(方位:270度,極角:30度)の4箇所におけるコントラストの最小値(パラメータMINCR)として定義されるものである。ここで、30度の極角は、観察者が表示装置を観察する際に推奨される一般的な観察角度(0度〜30度)の最大値に対応するものである。すなわち、パラメータMINCRは、その値が大きいほど視野角が広く、その値が小さいほど視野角が狭いことを示すものである。
【0048】
図9は、位相差フィルム114,125のリタデーション値R0,Rthと、パラメータMINCRとの関係を表すものである。図9において、横軸は厚さ方向のリタデーション値Rthを示し、縦軸は面内方向のリタデーション値R0を示す。また、シンボル×(クロス)は、パラメータMINCRが0以上5未満の範囲内であることを示し、シンボル△(三角)は、パラメータMINCRが5以上10未満の範囲内であることを示し、シンボル□(四角)は、パラメータMINCRが10以上15未満の範囲内であることを示し、シンボル○(丸)は、バラメータMINCRが15以上20未満の範囲内であることを示す。
【0049】
図9に示したように、リタデーション値R0が小さく、リタデーション値Rthが大きいほど、パラメータMINCRは大きく、視野角が広くなる。具体的には、図9において、リタデーション値R0,Rthが、破線よりも下の範囲内にある場合には、パラメータMINCRが10以上になり、視野角が広くなる。このリタデーション値R0,Rthの範囲は、以下の関係式により示すことができる。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・(A)
【0050】
このように、表示装置1では、位相差フィルム114,125のそれぞれに係るリタデーション値R0,Rthが、式(A)を満たすようにしたので、視野角を広くすることができる。
【0051】
また、位相差フィルム114,125は、上述したように、例えばTACやCOPにより構成されるものであり、WVフィルムのような専用の部材とは異なり、安価なものであるため、コストを低減することができる。さらに、TACやCOPなどは、面内方向に延伸することによりリタデーション値R0,Rthを変化させることができることから、より低コストで所望のリタデーション値R0,Rthを得ることができる。
【0052】
[効果]
以上のように本実施の形態では、式(A)を満たす所定の範囲のリタデーション値を有する位相差フィルムを用いるようにしたので、視野角を広くすることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、TACやCOPを用いて位相差フィルムを構成したので、コストを低減することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、位相差フィルムが逆波長分散性を有するようにしたので、表示画面に向かって斜め方向から観察した場合に、色度のずれが生じるおそれを低減することができる。
【0055】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、偏光フィルム115,126の保護層101,103は、位相差フィルムとしての機能は無いものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、位相差フィルムとしての機能を有していてもよい。
【0056】
この場合、例えば、位相差フィルム114と偏光フィルム115が1枚の位相差フィルムとして機能するとともに、位相差フィルム125と偏光フィルム126が1枚の位相差フィルムとして機能するようにしてもよい。具体的には、例えば、位相差フィルム125と偏光フィルム126に関しては、位相差フィルム125の面内方向のリタデーション値と、偏光フィルム126の保護層101における面内方向の各リタデーション値の合計値をリタデーション値R0とするとともに、同様にこれらの2つの厚さ方向のリタデーション値の合計値をリタデーション値Rthとし、このリタデーション値R0,Rthが式(A)を満足するようにすることが可能である。
【0057】
また、例えば、位相差フィルム114,125を省き、偏光フィルム115,126をそれぞれ位相差フィルムとしても使用するようにしてもよい。具体的には、例えば、偏光フィルム126に関し、保護層101を位相差フィルムとして用い、その面内方向のリタデーション値R0と、厚さ方向のリタデーション値Rthが式(A)を満足するようにすることが可能である。
【0058】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、位相差フィルム114と位相差フィルム125は同じ特性を有するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、互いに異なる特性を有していても良い。この場合、例えば、これらの2枚の位相差フィルム114,125における面内方向の各リタデーション値の平均値をリタデーション値R0とするとともに、厚さ方向の各リタデーション値の平均値をリタデーション値Rthとし、このリタデーション値R0,Rthが、式(A)を満足するようにすることが可能である。
【0059】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、位相差フィルム114と位相差フィルム125の両方を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば位相差フィルム114,125のうちの一方のみを設けてもよい。なお、この場合には、例えば視野角特性に非対称性が生じるおそれがあるが、その非対称性が許容できるアプリケーションに適用することができる。
【0060】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る立体表示装置2について説明する。本実施の形態は、液晶バリアを用いたパララックスバリア方式の立体表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係るバリア装置は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。また、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0061】
図10は、立体表示装置2の一構成例を表すものである。立体表示装置2は、制御部61と、バリア駆動部63と、液晶バリア部10とを備えている。
【0062】
制御部61は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部63に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、制御部61は、バックライト駆動部42に対してバックライト制御信号を供給し、表示駆動部50に対して映像信号Sdispに基づく映像信号Sを供給し、バリア駆動部63に対してバリア制御信号を供給するようになっている。ここで、映像信号Sは、立体表示装置2が立体視表示を行う場合に、後述するように、それぞれが複数(この例では6つ)の視点映像を含む映像信号SA,SBから構成されるものである。
【0063】
バリア駆動部63は、制御部61から供給されるバリア制御信号に基づいて液晶バリア部10を駆動するものである。液晶バリア部10は、バックライト30から射出し液晶表示部20を透過した光を透過(開動作)または遮断(閉動作)するものであり、液晶を用いて構成された複数の開閉部11,12(後述)を有している。
【0064】
図11は、立体表示装置2の要部の一構成例を表すものであり、(A)は立体表示装置2の分解斜視構成を示し、(B)は立体表示装置2の側面図を示す。図11に示したように、立体表示装置2では、これらの各部品は、バックライト30、液晶表示部20、および液晶バリア部10の順に配置されている。つまり、バックライト30から射出した光は、液晶表示部20および液晶バリア部10を介して、観察者に届くようになっている。
【0065】
図12は、液晶バリア部10の一構成例を表すものであり、(A)は液晶バリア部10における開閉部の配置構成を示し、(B)は(A)の液晶バリア部10におけるXII−XII矢視方向の断面構成を示す。液晶バリア部10はノーマリーホワイト動作を行うものである。つまり、液晶バリア部10は、駆動されていない状態では光を遮断するものである。
【0066】
液晶バリア部10は、いわゆるパララックスバリアであり、図12(A)に示したように、光を透過または遮断する複数の開閉部(液晶バリア)11,12を有している。これらの開閉部11,12は、立体表示装置2が通常表示(2次元表示)および立体視表示のどちらを行うかにより、異なる動作を行う。具体的には、開閉部11は、後述するように、通常表示の際には開状態(透過状態)になり、立体視表示を行う際には、閉状態(遮断状態)となるものである。開閉部12は、後述するように、通常表示の際には開状態(透過状態)、立体視表示の際には、時分割的に開閉動作を行うものである。
【0067】
これらの開閉部11および開閉部12は、XY平面における一方向(ここでは、例えば垂直方向Yから所定の角度θをなす方向)に延在して設けられている。角度θは、例えば18度に設定可能である。開閉部11の幅W1と、開閉部12の幅W2とは、互いに異なっており、ここでは例えばW1>W2となっている。但し、開閉部11,12の幅の大小関係はこれに限定されず、W1<W2であってもよく、また、W1=W2であってもよい。このような開閉部11,12は、後述する液晶層19を含んで構成されており、この液晶層19への駆動電圧によって、開閉が切り替わるようになっている。
【0068】
液晶バリア部10は、図12(B)に示したように、駆動基板210と対向基板220との間に、液晶層19を封止したものである。
【0069】
駆動基板210は、透明基板211と、透明電極層212と、配向膜213と、位相差フィルム214と、偏光フィルム215とを有している。透明基板211は、例えばガラス等から構成されるものである。透明基板211の上には、例えばITO等の透明導電膜により構成された透明電極層212が形成されている。透明電極層212の上には、配向膜213が形成されている。透明基板211の、これらの透明電極層212などが形成された面とは反対の面には、位相差フィルム214および偏光フィルム215が、この順で形成されている。
【0070】
対向基板220は、透明基板221と、透明電極層222と、配向膜223と、位相差フィルム224と、偏光フィルム225とを有している。透明基板221は、透明基板211と同様に、例えばガラス等から構成されるものである。透明基板221の上には、透明電極層222が形成されている。透明電極層222は、透明電極層212と同様に、例えばITO等の透明導電膜により構成されるものである。そして、その透明電極層222の上には、配向膜223が形成されている。透明基板221の、透明電極層222などが形成された面とは反対の面には、位相差フィルム224および偏光フィルム225が、この順で形成されている。
【0071】
位相差フィルム214,224は、上記第1の実施の形態に係る位相差フィルム114,125と同様に構成されたものであり、逆波長分散特性を有するとともに、面内のリタデーション値R0と、厚さ方向のリタデーション値Rthとが、式(A)を満たすように設定されている。
【0072】
偏光フィルム215,225は、上記第1の実施の形態に係る偏光フィルム115,126と同様に構成されたものであり、クロスニコルになるように貼り合わせられている。
【0073】
液晶層19は、上記第1の実施の形態に係る液晶層9と同様に構成されたものであり、例えば、ノーマリーホワイト動作を行うTN(Twisted Nematic)の液晶により構成されるものである。よって、液晶層19の動作は、液晶層9の場合(図6)と同様である。
【0074】
透明電極層212は、透明電極E11および透明電極E12を有している。そして、透明電極層222は、各開閉部11,12に共通の電極として設けられている。透明電極層212の透明電極E11と、液晶層19および透明電極層222におけるその透明電極E11に対応する部分とは、開閉部11を構成している。同様に、透明電極層212の透明電極E12と、液晶層19および透明電極層222におけるその透明電極E12に対応する部分とは、開閉部12を構成している。
【0075】
この構成により、液晶バリア部10では、透明電極E11,E12に電圧を選択的に印加し、液晶層19がその電圧に応じた液晶配向になることにより、開閉部11,12毎の開閉動作を行うことができるようになっている。具体的には、透明電極層212(透明電極E11,E12)および透明電極層222に電圧を印加してその電位差が大きくなると、液晶層19における光の透過率が減少し、開閉部11,12は遮断状態(閉状態)になる。一方、その電位差が小さくなると、液晶層19における光の透過率が増大し、開閉部11,12は透過状態(開状態)となる。
【0076】
液晶バリア部10では、複数の開閉部12はグループを構成し、同じグループに属する複数の開閉部12は、立体視表示を行う際、同じタイミングで開動作および閉動作を行うようになっている。次に、開閉部12のグループについて説明する。
【0077】
図13は、開閉部12のグループ構成例を表すものである。開閉部12は、この例では2つのグループを構成している。具体的には、並設された複数の開閉部12が、交互にグループAおよびグループBを構成するようになっている。なお、以下では、グループAに属する開閉部12の総称として開閉部12Aを適宜用い、同様に、グループBに属する開閉部12の総称として開閉部12Bを適宜用いるものとする。
【0078】
バリア駆動部63は、立体視表示を行う際、同じグループに属する複数の開閉部12が同じタイミングで開閉動作を行うように駆動する。具体的には、バリア駆動部63は、後述するように、グループAに属する複数の開閉部12Aと、グループBに属する複数の開閉部12Bとを、時分割的に交互に開閉動作するように駆動する。
【0079】
図14は、立体視表示および通常表示(2次元表示)を行う場合の液晶バリア部10の状態を、断面構造を用いて模式的に表すものであり、(A)は立体視表示を行う一状態を示し、(B)は立体視表示を行う他の状態を示し、(C)は通常表示を行う状態を示す。液晶バリア部10には、開閉部11および開閉部12(開閉部12A,12B)が交互に配置されている。この例では、開閉部12Aは、液晶表示部20の6つの画素Pixに1つの割合で設けられている。同様に、開閉部12Bは、液晶表示部20の6つの画素Pixに1つの割合で設けられている。図14では、液晶バリア部10の開閉部11,12A,12Bのうち、光が遮断される開閉部を斜線で示している。
【0080】
立体視表示を行う場合には、表示駆動部50に映像信号SA,SBが交互に供給され、液晶表示部20はそれらに基づいて表示を行う。そして、液晶バリア部10では、開閉部12(開閉部12A,12B)が時分割的に開閉動作を行い、開閉部11が閉状態(遮断状態)を維持する。具体的には、映像信号SAが供給された場合には、図14(A)に示したように、開閉部12Aが開状態になるとともに、開閉部12Bが閉状態になる。液晶表示部20では、後述するように、この開閉部12Aに対応した位置に配置された互いに隣接する6つの画素Pixが、映像信号SAに含まれる6つの視点映像に対応する表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、例えば左眼と右眼とで異なる視点映像を見ることにより、表示された映像を立体的な映像として感じるようになっている。同様に、映像信号SBが供給された場合には、図14(B)に示したように、開閉部12Bが開状態になるとともに、開閉部12Aが閉状態になる。液晶表示部20では、後述するように、この開閉部12Bに対応した位置に配置された互いに隣接する6つの画素Pixが、映像信号SBに含まれる6つの視点映像に対応する表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、例えば左眼と右眼とで異なる視点映像を見ることにより、表示された映像を立体的な映像として感じるようになっている。立体表示装置2では、このように、開閉部12Aと開閉部12Bを交互に開放して映像を表示することにより、後述するように、表示装置の解像度を高めることができるようになっている。
【0081】
通常表示(2次元表示)を行う場合には、液晶バリア部10では、図14(C)に示したように、開閉部11および開閉部12(開閉部12A,12B)がともに開状態(透過状態)を維持するようになっている。これにより、観察者は、映像信号Sに基づいて液晶表示部20に表示された通常の2次元映像をそのまま見ることができる。
【0082】
ここで、液晶表示部20は、本開示の「表示部」の一具体例に対応する。液晶バリア部10は、本開示の「バリア部」の一具体例に対応する。開閉部11,12は、本開示の「液晶バリア」の一具体例に対応する。開閉部12は、本開示の「第1系列の液晶バリア」の一具体例に対応し、開閉部11は、本開示の「第2系列の液晶バリア」の一具体例に対応する。液晶層19は、本開示の第2の表示装置およびバリア装置における「液晶層」の一具体例に対応する。駆動基板210および対向基板220のうちの一方は、本開示における「第1の基板」の一具体例に対応し、他方は、本開示における「第2の基板」の一具体例に対応する。
【0083】
次に、図10を参照して、立体表示装置2の全体動作概要を説明する。制御部61は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部63に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。バックライト駆動部42は、制御部61から供給されるバックライト制御信号に基づいてバックライト30を駆動する。バックライト30は、面発光した光を液晶表示部20に対して射出する。表示駆動部50は、制御部61から供給される映像信号Sに基づいて液晶表示部20を駆動する。液晶表示部20は、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行う。バリア駆動部63は、制御部61から供給されるバリア制御信号に基づいて液晶バリア部10を駆動する。液晶バリア部10の開閉部11,12(12A,12B)は、開閉動作を行い、バックライト30から射出し液晶表示部20を透過した光を透過または遮断する。
【0084】
次に、立体視表示を行う場合の詳細動作を説明する。
【0085】
図15は、液晶表示部20および液晶バリア部10の動作例を表すものであり、(A)は、映像信号SAが供給された場合を示し、(B)は映像信号SBが供給された場合を示す。
【0086】
映像信号SAが供給された場合には、図15(A)に示したように、液晶表示部20の画素Pixのそれぞれは、映像信号SAに含まれる6つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P6を表示する。このとき、画素情報P1〜P6は、開閉部12A付近に配置された画素Pixにそれぞれ表示される。映像信号SAが供給された場合には、液晶バリア部10では、開放部12Aが開状態(透過状態)になるとともに、開放部12Bが閉状態になるように制御される。液晶表示部20の各画素Pixから出た光は、開閉部12Aによりそれぞれ角度が制限されて出力される。観察者は、例えば左眼で画素情報P3を、右眼で画素情報P4を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0087】
映像信号SBが供給された場合には、図15(B)に示したように、液晶表示部20の画素Pixのそれぞれは、映像信号SBに含まれる6つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P6を表示する。このとき、画素情報P1〜P6は、開閉部12B付近に配置された画素Pixにそれぞれ表示される。映像信号SBが供給された場合には、液晶バリア部10では、開放部12Bが開状態(透過状態)になるとともに、開放部12Aが閉状態になるように制御される。液晶表示部20の各画素Pixから出た光は、開閉部12Bによりそれぞれ角度が制限されて出力される。観察者は、例えば左眼で画素情報P3を、右眼で画素情報P4を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。
【0088】
このように、観察者は、左眼と右眼とで、画素情報P1〜P6のうちの異なる画素情報を見ることとなり、観察者は立体的な映像として感じることができる。また、開閉部12Aと開閉部12Bを時分割的に交互に開放して映像を表示することにより、観察者は、互いにずれた位置に表示される映像を平均化して見ることとなる。よって、立体表示装置2は、開閉部12Aのみをもつ場合に比べ、2倍の解像度を実現することが可能となる。言い換えれば、立体表示装置2の解像度は、2次元表示の場合に比べ1/3(=1/6×2)で済むこととなる。
【0089】
立体表示装置2でも、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と同様に、位相差フィルム214,224のそれぞれに係るリタデーション値R0,Rthが、式(A)を満たすようにしたので、視野角を広くすることができる。また、位相差フィルム214,224は、上記第1の実施の形態に係る位相差フィルム114,125と同様に、例えばTACやCOPにより構成されるようにしたので、コストを低減することができる。
【0090】
以上のように本実施の形態では、位相差フィルムを、立体表示装置の液晶バリア部に適用したので、立体表示装置の視野角を広くすることができるとともに、コストを低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0091】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、液晶表示部20およびバックライト30を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、EL(Electro Luminescence)などの表示部を用いてもよい。
【0092】
[変形例2−2]
上記実施の形態では、バックライト30、液晶表示部20、液晶バリア部10は、この順に配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図16に示したように、バックライト30、液晶バリア部10、液晶表示部20の順に配置してもよい。 図17は、本変形例に係る液晶表示部20および液晶バリア部10の動作例を表すものであり、(A)は、映像信号SAが供給された場合を示し、(B)は映像信号SBが供給された場合を示す。本変形例では、バックライト30から射出した光は、まず液晶バリア部10に入射する。そして、その光のうち、開閉部12A,12Bを透過した光が液晶表示部20において変調されるとともに、6つの視点映像を出力するようになっている。
【0093】
[変形例2−3]
上記実施の形態では、開閉部12は2つのグループを構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3つ以上のグループを構成するようにしてもよい。これにより、表示の分解能をさらに改善することができる。以下に、その詳細を説明する。
【0094】
図18は、開閉部12が3つのグループA,B,Cを構成する場合の例を表すものである。上記実施の形態と同様に、開閉部12AはグループAに属する開閉部12を示し、開閉部12BはグループBに属する開閉部12を示し、開閉部12CはグループCに属する開閉部12を示す。
【0095】
このように、開閉部12A,12B,12Cを時分割的に交互に開放して映像を表示することにより、この変形例に係る立体表示装置は、開閉部12Aのみをもつ場合に比べ、3倍の解像度を実現することが可能となる。言い換えれば、この立体表示装置の解像度は、2次元表示の場合に比べ1/2(=1/6×3)で済むこととなる。
【0096】
[変形例2−4]
上記実施の形態では、映像信号SA,SBが6つの視点映像を含むようにしたが、これに限定されるものではなく、5つ以下の視点映像や、7つ以上の視点映像を含むようにしてもよい。この場合、図14に示した液晶バリア部10の開閉部12A,12Bと、画素Pixとの関係も変化する。すなわち、例えば、映像信号SA,SBが5つの視点映像を含む場合には、開閉部12Aは、表示部20の5つの画素Pixに1つの割合で設けることが望ましく、同様に、開閉部12Bは、表示部20の5つの画素Pixに1つの割合で設けることが望ましい。
【0097】
[変形例2−5]
上記実施の形態では、開閉部11,12は、垂直方向Yから所定の角度θをなす斜め方向に延在するように設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、垂直方向Yに延在するように設けてもよい。
【0098】
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置および立体表示装置の適用例について説明する。
【0099】
図19は、上記実施の形態等の表示装置および立体表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る表示装置または立体表示装置により構成されている。
【0100】
上記実施の形態等の表示装置および立体表示装置は、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示装置および立体表示装置は、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0101】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびにそれらの電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0102】
例えば、第1の実施の形態に係る変形例1−1〜1−3を、第2の実施の形態等に係る液晶バリア部10に対して同様に適用してもよい。
【0103】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0104】
(1)液晶層と、
第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
第2の偏光フィルムを含んで構成され、前記第1の基板の、前記第1の偏光フィルムおよび前記第1の位相差フィルムのうちの前記第1の位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を備え、
前記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
表示装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0105】
(2)前記第1の位相差フィルムは、トリアセチルセルロースまたはシクロオレフィンポリマーにより構成される
前記(1)に記載の表示装置。
【0106】
(3)前記第1の位相差フィルムは、逆波長分散特性を有する
前記(1)または(2)に記載の表示装置。
【0107】
(4)前記第2の基板は、前記第2の偏光フィルムの前記液晶層の側に配置された第2の位相差フィルムを含んで構成されている
前記(1)から(3)のいずれかに記載の表示装置。
【0108】
(5)前記第2の位相差フィルムの面内リタデーション値および厚さリタデーション値は、それぞれ、前記第1の位相差フィルムの面内リタデーション値R0および厚さリタデーション値Rthとほぼ等しい
前記(4)に記載の表示装置。
【0109】
(6)前記第1の位相差フィルムは、前記第1の基板の前記液晶層とは反対側に配置され、
前記第2の位相差フィルムは、前記第2の基板の前記液晶層とは反対側に配置されている
前記(4)または(5)に記載の表示装置。
【0110】
(7)前記液晶層は、ノーマリーホワイト動作を行うTN液晶により構成される
前記(1)から(6)のいずれかに記載の表示装置。
【0111】
(8)表示部と
開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するバリア部と
を備え、
前記バリア部は、
液晶層と、
偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
前記第1の基板の、前記偏光フィルムおよび前記位相差フィルムのうちの前記位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
表示装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0112】
(9)前記バリア部は、複数の第1系列の液晶バリアおよび複数の第2系列の液晶バリアを有する
前記(8)に記載の表示装置。
【0113】
(10)2次元映像表示モードおよび3次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記2次元映像表示モードでは、前記表示部が1つの視点画像を表示し、前記複数の第1系列の液晶バリアおよび前記複数の第2系列の液晶バリアが透過状態になることにより、2次元映像を表示し、
前記3次元映像表示モードでは、前記表示部が前記複数の視点画像を表示し、前記複数の第1系列の液晶バリアが透過状態になるとともに、前記複数の第2系列の液晶バリアが遮断状態になることにより、3次元映像を表示する
前記(9)に記載の表示装置。
【0114】
(11)前記複数の第1系列の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記3次元映像表示モードでは、前記複数の第1系列の液晶バリアは、バリアグループごとに、時分割的に開状態および閉状態との間で切り換わる
前記(10)に記載の表示装置。
【0115】
(12)バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
前記(8)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
【0116】
(13)バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
前記(8)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
【0117】
(14)開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するバリア部を備え、
前記バリア部は、
液晶層と、
偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
前記第1の基板の、前記偏光フィルムおよび前記位相差フィルムのうちの前記位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
バリア装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0118】
(15)面内方向の面内リタデーション値R0と、厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
位相差フィルム。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【0119】
(16)前記位相差フィルムは、液晶層とともに用いられる
前記(15)に記載の位相差フィルム。
【0120】
(17)表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
液晶層と、
第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
第2の偏光フィルムを含んで構成され、前記第1の基板の、前記第1の偏光フィルムおよび前記第1の位相差フィルムのうちの前記第1の位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
電子機器。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【符号の説明】
【0121】
1,1B…表示装置、2…立体表示装置、9,19…液晶層、10…液晶バリア部、11,12,12A,12B,12C…開閉部、20…液晶表示部、30…バックライト、41…制御部、42…バックライト駆動部、50…表示駆動部、51…タイミング制御部、52…ゲートドライバ、53…データドライバ、61…制御部、63…バリア駆動部、101,103…保護層、102…偏光子、110…駆動基板、111,121…透明基板、112…画素電極、113,124…配向膜、114,125…位相差フィルム、115,126…偏光フィルム、120…対向基板、122…カラーフィルタ層、123…共通電極、210…駆動基板、211,221…透明基板、212,222…透明電極層、213,223…配向膜、214,224…位相差フィルム、215,225…偏光フィルム、220…対向基板、A,B…グループ、Cs…保持容量素子、CSL…保持容量線、E11,E12…透明電極、GCL…ゲート線、LC…液晶素子、M…液晶分子、Pix…画素、PB,PL,PR,PT…点、R0,Rth…リタデーション値、S,S1,Sdisp…映像信号、SGL…データ線、SPix…サブ画素、Tr…TFT素子、W1,W2…幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶層と、
第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
第2の偏光フィルムを含んで構成され、前記第1の基板の、前記第1の偏光フィルムおよび前記第1の位相差フィルムのうちの前記第1の位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を備え、
前記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
表示装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【請求項2】
前記第1の位相差フィルムは、トリアセチルセルロースまたはシクロオレフィンポリマーにより構成される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の位相差フィルムは、逆波長分散特性を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の基板は、前記第2の偏光フィルムの前記液晶層の側に配置された第2の位相差フィルムを含んで構成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2の位相差フィルムの面内リタデーション値および厚さリタデーション値は、それぞれ、前記第1の位相差フィルムの面内リタデーション値R0および厚さリタデーション値Rthとほぼ等しい
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の位相差フィルムは、前記第1の基板の前記液晶層とは反対側に配置され、
前記第2の位相差フィルムは、前記第2の基板の前記液晶層とは反対側に配置されている
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記液晶層は、ノーマリーホワイト動作を行うTN液晶により構成される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
表示部と
開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するバリア部と
を備え、
前記バリア部は、
液晶層と、
偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
前記第1の基板の、前記偏光フィルムおよび前記位相差フィルムのうちの前記位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
表示装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【請求項9】
前記バリア部は、複数の第1系列の液晶バリアおよび複数の第2系列の液晶バリアを有する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
2次元映像表示モードおよび3次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記2次元映像表示モードでは、前記表示部が1つの視点画像を表示し、前記複数の第1系列の液晶バリアおよび前記複数の第2系列の液晶バリアが透過状態になることにより、2次元映像を表示し、
前記3次元映像表示モードでは、前記表示部が前記複数の視点画像を表示し、前記複数の第1系列の液晶バリアが透過状態になるとともに、前記複数の第2系列の液晶バリアが遮断状態になることにより、3次元映像を表示する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の第1系列の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記3次元映像表示モードでは、前記複数の第1系列の液晶バリアは、バリアグループごとに、時分割的に開状態および閉状態との間で切り換わる
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
請求項8に記載の表示装置。
【請求項13】
バックライトをさらに備え、
前記表示部は液晶表示部であり、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
請求項8に記載の表示装置。
【請求項14】
開状態と閉状態とを切り換え可能な液晶バリアを有するバリア部を備え、
前記バリア部は、
液晶層と、
偏光フィルムおよび位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
前記第1の基板の、前記偏光フィルムおよび前記位相差フィルムのうちの前記位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
バリア装置。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【請求項15】
面内方向の面内リタデーション値R0と、厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
位相差フィルム。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)
【請求項16】
前記位相差フィルムは、液晶層とともに用いられる
請求項15に記載の位相差フィルム。
【請求項17】
表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
液晶層と、
第1の偏光フィルムおよび第1の位相差フィルムを含んで構成された第1の基板と、
第2の偏光フィルムを含んで構成され、前記第1の基板の、前記第1の偏光フィルムおよび前記第1の位相差フィルムのうちの前記第1の位相差フィルムが配置された側に、前記液晶層を挟んで配置された第2の基板と
を有し、
前記第1の位相差フィルムの面内方向の面内リタデーション値R0と、前記第1の位相差フィルムの厚さ方向の厚さリタデーション値Rthとが、次の式(A)を満たす
電子機器。
R0 ≦ (5/8)×Rth−25 ・・・ (A)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−45064(P2013−45064A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184804(P2011−184804)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】