説明

表示装置、及び、表示プログラム

【課題】操作に慣れた利用者でも、初めて扱う人でも分かり易い操作性を実現することのできる表示装置、及び、表示プログラムを提供する。
【解決手段】携帯電話1は、メインメニュー設定テーブル701に基づいて各種機能を象徴化したアイコン画像を表示部20に一覧表示し、その一覧表示から次の指示入力がカーソルスイッチ303から行なわれるまでに所定時間が経過した場合、そのメインメニュー設定テーブル701に格納されたアイコン画像毎の名称をアイコン画像に重畳して半透過の状態で表示する。また、携帯電話1は、カーソルスイッチ303により選択されたアイコン画像の名称とそのアイコン画像に対応する機能の説明とを名称表示領域G121,説明表示領域G122に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の選択肢を表示させる表示装置、及び、表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯情報端末においては、主な機能である無線通信による電話の他に、インターネットの情報を閲覧する機能、アドレス(連絡先)を管理する機能、スケジュールを管理する機能、又はGPS(Global Positioning System)としての機能などを備えたより多機能なものが開発されている。
【0003】
この多機能な携帯情報端末では、小型のLCD(Liquid Crystal Display)などによる表示画面が設けられており、この限られた表示画面内において多様な機能の選択起動を行えるように、各機能の起動に対応したアイコンを複数表示することが一般的である。このアイコン表示では、処理の内容や対象を小さな絵や記号などで象徴的に表示するため、限られた表示領域に複数表示できるとともに、利用者に対して直感的に処理の内容や対象を認識させることができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、所望のアイコンに所定の機能を起動するショートカット機能を割り当てることで当該アイコンの選択時に利用者が望む機能の利用を可能にするとともに、そのアイコンを着信の待機中の画面である待ち受け画面に表示することで使い勝手を向上させる携帯電話における技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−198705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のアイコン表示は、情報機器の操作に慣れている人が機能を想起できるような絵や記号で象徴的な表示を行なうため、初めて扱う人にとっては未だに扱いづらいものであった。
【0007】
扱い慣れない人のためにアイコン表示とともに補足としてアイコンの簡単な説明文を表示するガイド表示を行なう構成もあるが、この場合は、ガイド表示のためにアイコンが認識し難くなる他、逆に見易くしようとするとアイコンの表示数が少なく制限されてしまい、機能の選択に関する利便性を損ねてしまう恐れがあった。逆に、ガイド表示をした場合、操作に慣れている人にとっては、機能の選択に関する利便性を損ねるだけでなく、ガイド表示がアイコン表示と重なるなどによるアイコン表示への影響により、操作性を損なう恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明は、操作に慣れた利用者でも、初めて扱う人でも分かり易い操作性を実現することのできる表示装置、及び、表示プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、表示装置において、
複数の選択肢を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記複数の選択肢のうち、所望の選択肢を選択させる選択手段と、
当該選択手段によって選択肢が選択された頻度を前記複数の選択肢毎に記憶する頻度記憶手段と、
当該頻度記憶手段によって記憶された各頻度に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する決定手段と、
当該決定手段によって決定された決定内容に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称の表示を制御する第2の表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、所定時間経過してから選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記決定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度の平均値に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記決定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度に基づいて、前記複数の選択肢毎に当該選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を設定する設定手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって設定された所定時間後に選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記設定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度の平均値に基づいて、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を設定し、
前記第2の表示制御手段は、
前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって設定された平均値に基づく所定時間後に前記複数の選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記設定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度に基づいて、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を選択肢毎に設定し、
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、前記複数の選択肢のうち名称を表示させると決定された選択肢に対して、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって選択肢毎に設定された所定時間後に当該選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第2の表示制御手段は、前記第1の表示制御手段によって表示された前記複数の選択肢に重畳して、当該選択肢に対応する名称を表示させる、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第2の表示制御手段は、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された位置に半透過の状態で、当該選択肢に対応する名称を表示させる、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記複数の選択肢は、メニュー画面上の機能を象徴化したアイコン画像である、
ことを特徴とする。
【0019】
更に、請求項1に記載の発明に示した主要な機能を実現させるための表示プログラムを提供する(請求項11に記載の発明)。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、操作に慣れた利用者でも、初めて扱う人でも分かり易い操作性を実現することのできる表示装置、及び、表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明である携帯電話1の外観図である。
【図2】携帯電話1の機能的構成を模式的に示す図である。
【図3】(a)は、メインメニュー設定テーブル701の構成を例示する図であり、(b)は、表示時間設定テーブル702の構成を例示する図である。
【図4】本発明の実施の形態における機能表示処理を示すフローチャートである。
【図5】変形例1におけるタイマースタート処理を示すフローチャートである。
【図6】(a)は、表示部20にアイコン画像によるメインメニュー表示を例示する図であり、(b)は、メインメニュー表示においてアイコン画像に機能名称を重畳表示したことを例示する図であり、(c)は、他の画面レイアウトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明における実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用語はこれに限定されない。
【0023】
先ず、本発明である機能表示装置を適用した携帯電話1の外観について、図1を参照して説明する。
携帯電話1は、その外観において、表示部20,入力部30,マイク40,電話用スピーカ501,外部スピーカ502及び通信アンテナ62を備えて構成される。
【0024】
表示部20は、バックライト付きカラーLCD(Liquid Crystal Display)やLED(Luminescent Electronic Display)で構成され、携帯電話1の操作に係る各種情報や受信した情報などを表示する。
【0025】
入力部30は、数字スイッチの他に、メニュースイッチ301,表示スイッチ302,カーソルスイッチ303,決定スイッチ304,クリアスイッチ305,オフフックスイッチ306及びオンフックスイッチ307を備えて構成される。
【0026】
各数字スイッチには、”0”〜”9”の数字と、平仮名と、英字とが対応づけられている。利用者は、所定の操作により数字モード、仮名モード及び英字モードの何れかの入力モードに切り替えて、各文字の入力(以下、文字の入力のことを「データ入力」という。)を行なう。例えば、”2”には、「か行」の平仮名5文字と、英字の「A」〜「C」とが対応づけられている。仮名モードのときは、数字スイッチを押下する回数に応じて、「か」〜「こ」の平仮名が選択され、また、英字モードのときは、「A」〜「C」の英字が選択される。
【0027】
メニュースイッチ301は、メニュー画面を表示させるためのスイッチである。表示スイッチ302は、電子メールなどの送信した情報を表示する専用のメニュー画面を表示させるためのスイッチである。カーソルスイッチ303は、画面のスクロールや選択操作を行なうためのスイッチであり、上下左右4方向を検出可能に構成される。例えば、利用者は、表示スイッチ302を押下して表示部20に表示される電子メールのメニュー画面上の項目やフォルダなどをカーソルスイッチ303で選択し、決定スイッチ304を押下(オン)することにより、その選択された項目の詳細情報を表示部20に表示させる。
【0028】
クリアスイッチ305は、入力内容をクリアしたり、画面状態を直前の画面に戻したりするためのスイッチである。オフフックスイッチ306は、入力された電話番号への発信や、着信時に通話を開始させるためのスイッチであり、オンフックスイッチ307は、通話を終了させるためのスイッチである。また、オンフックスイッチ307は、携帯電話1の電源スイッチとしても機能し、所定時間(例えば、3秒)押下され続けると、携帯電話1の電源投入/遮断(オン/オフ)の切り替えが行なわれる。
【0029】
次に、図2を参照して、携帯電話1の機能的構成の一例を説明する。携帯電話1は、CPU10(Central Processing Unit),表示ドライバ21によって制御される表示部20,入力部30,マイク40,スピーカ50,通信アンテナ62によって通話信号の送受信やデータ通信をおこなうRFブロック60,記憶部70及びRAM80(Random Ac
cess Memory)を備えて構成される。
【0030】
CPU10は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの入出力をおこなう。具体的には、CPU10は、入力部30から入力される押下信号に応じて記憶部70に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、処理結果を表示するための表示制御信号を表示ドライバ21に出力して、当該表示制御信号に従った処理結果を表示部20に表示させる。
また、CPU10は、特に図示しない常時一定周波数を発信する水晶発振器によるクロック信号を基準に動作するとともに、当該クロック信号を計数して現在時刻を計時して時間を計測する機能を備える。
【0031】
また、CPU10は、記憶部70に記憶された画面表示プログラムを順次実行することで、表示部20に文字やアイコン画像による各種機能プログラムの一覧表示と入力部30からの操作によりそれら各種機能プログラムを選択が可能なポインタの表示とを行なう。そして、所定の機能プログラムが選択された状態で決定スイッチ304の押下を検出した場合には、記憶部70におけるそのプログラムのパスやポインタを指定することで対応する機能を実現するプログラムの実行を行なう。
【0032】
尚、携帯電話1は、画像や音声の信号処理用にDSP(Digital Signal Processor)を具備する構成としてもよい。その場合、本実施形態におけるCPU10と、DSPとを同一のLSIパッケージに組み込み、一体の回路として構成することとしてもよいし、CPU10がDSPとしての機能を記憶部70に記憶されたプログラムを読み出してソフト的に実現する構成としてもよい。具体的には、DSPとは、デジタル信号処理用プロセッサのことであり、音声信号や画像信号を符号化して音声データや映像データを生成したり、逆に符号化された音声データや映像データを復号して音声信号や映像信号を抽出したりする。
【0033】
表示ドライバ21は、CPU10から入力される表示制御信号に基づいて表示部20に適切な駆動電流を供給することで各種画面を表示させる。表示部20は、携帯電話1の各種画面を表示するための表示装置であり、LCDやLED等で構成される。
【0034】
入力部30は、プログラムの実行や、各種情報等の入力に必要なスイッチ群を備えた入力装置であり、利用者によって押下されたスイッチの押下信号をCPU10に出力する。
【0035】
マイク40は、特に図示しないA/D変換部を備えており、利用者の送話音声をA/D変換し、送話音声データとしてCPU10に出力する。
【0036】
スピーカ50は、特に図示しないD/A変換部を備えており、CPU10から入力される音声信号や、着信音、操作確認音等の音声データをD/A変換して音声出力する。尚、スピーカ50は、図1に示す電話用スピーカ501と外部スピーカ502とに相当するものである。
【0037】
RFブロック60は、CPU10から入力される指示に基づき、通信アンテナ62を介して特に図示しない無線通信網上の無線通信局との間で無線通信を行なう回路部であり、CPU10と協働することによって外部の情報端末との通話を行なう通話制御部と、外部の情報端末とのデータ通信を行なうメール送受信制御部との機能部が実現される。
【0038】
通話制御部は、無線通信局からの着呼を示す信号を受信すると、着信音を外部スピーカ502から出力させる。また、発呼指示(オフフックスイッチ306のオン)が入力されると、入力された電話番号への発信を行ない、無線通信局との間で無線通信回線を形成する。また、通話状態時に、受信した音声信号に基づく音声信号を増幅及び復調して電話用スピーカ501に出力するとともに、マイク40に入力された音声信号に基づく音声データを無線通信局へ無線送信する(この音声データの送受信を「通話処理」という。)。
【0039】
メール送受信部は、RFブロック60により通話制御部と排他制御される機能部であり、文字データや画像データ等を含むメールデータを送受信する。具体的には、他の情報機器から送信されて無線通信網上の特に図示しないメールサーバを中継されるメールデータの受信を行ない、受信したメールデータを記憶部70へ格納するとともに、表示部20に出力する。また、利用者によって作成されたメールデータをメールサーバを介して他の情報機器へ送信する。
【0040】
記憶部70は、メインメニュー設定テーブル701,表示時間設定テーブル702の他、不図示の画面表示や電話・メールの送受信などを行なうための各種アプリケーションプログラム、各種初期設定、ハードウエアの検査、あるいは必要なプログラムのロードを行なうための初期プログラム、及び電子メールなどの送受信した情報に関するデータを格納する。CPU10は、携帯電話1の電源投入時に上述した初期プログラムを実行することにより、携帯電話1の動作環境を設定する。また、記憶部70は、携帯電話1の動作に係る各種機能を実現するためのデータやプログラムを格納する。
【0041】
メインメニュー設定テーブル701は、図3(a)に示すように、表示部20に表示する各種機能毎に割り当てられたアイコン画像に関するデータを格納するテーブルであり、各種機能毎のアイコン画像に対して表示部20における「表示位置」、表示するアイコン画像データの格納先を示す「アイコン画像アドレス」、対応する機能の名称を示す「機能名称」、その機能に関する簡単な説明である「機能説明」に基づいた説明表示を表示部20に表示した回数を格納する「表示回数」を格納する。なお、「表示回数」は、後述する機能表示処理における「機能名称」に基づいた重畳表示を行なった回数を格納する構成であってもよい。
【0042】
表示時間設定テーブル702は、表示部20に表示された各アイコン画像を入力部30からの指示により選択して機能説明を表示した回数又は機能名称を重畳表示した回数である「メインメニュー表示回数」に対応して、アイコンの名称を重畳して表示するまでの時間情報である「名称を表示させるまでの時間」を格納するテーブルである。
【0043】
RAM80は、CPU10が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に格納するための記憶領域である。
【0044】
次に、携帯電話1のCPU10が行なう待機画面表示時における機能表示に関する表示処理について、図4,図5に示すフローチャートを参照して説明する。図4は、機能表示処理を示すフローチャートであり、図5は、機能表示処理におけるタイマースタート処理を示すフローチャートである。
【0045】
先ず、CPU10は、表示部20に壁紙画像などを表示して利用者からの操作指示を受け付ける待機状態において、入力部30におけるキー操作の検出に基づいた判定を行ない(ステップS11)、特にキー操作が無い場合(ステップS11:N)にはそのまま終了(待機状態を維持)することで、キー操作が行なわれるまで待機状態を維持する。
【0046】
ステップS11においてキー操作の入力が検出された場合(ステップS11:Y)、そのキー操作の入力からの時間を計測するタイマーを起動するタイマースタート処理が開始され(ステップS12)、メインメニュー設定テーブル701に基づいて表示部20の表示画面に各種機能をアイコン表示して選択起動が可能なメインメニューを表示した状態に移行される(ステップS13)。
【0047】
ステップS13におけるメインメニューが表示された表示部20の表示画面は、図6(a)に示すように、画面上部に電波の受信状態、電池残量、メモリーカードなどのオプション機器の接続状態及び時計などを表示するステータス表示領域G11、画面中央にメインメニュー表示領域G12、画面下部にメニュースイッチ301,決定スイッチ304,表示スイッチ302押下時の機能を表示するサブメニュー表示領域G13から構成される。
【0048】
メインメニュー表示領域G12は、各種機能毎に割り当てられたアイコン画像がメインメニュー設定テーブル701に基づいて表示される領域であり、「機能名称」に基づいて選択されたアイコン画像の名称を表示する名称表示領域G121,「機能説明」に基づいてその選択されたアイコン画像に割り当てられた機能の簡単な説明を表示する説明表示領域G122及び「表示位置」・「アイコン画像アドレス」に基づいて各種機能一覧を表示するアイコン表示領域G123からなる。また、選択アイコンG124は、拡大表示により一覧表示されたアイコン画像の中で当該アイコンが選択されたアイコンであることを示すものである。なお、選択アイコンG124は、キー操作の検出により待機状態からメインメニューの表示を開始した状態、つまりステップS13に移行してすぐの状態では中央のアイコンに選択される。
【0049】
ステップS13の後、カーソルスイッチ303の押圧操作の有無、つまり利用者が選択アイコンG124を参照しながら行なうアイコンの選択指示が検出され(ステップS14)、特に指示が操作が行なわれない場合(ステップS14:N)はステップS12で開始されたタイマーがタイムアップする(予め設定された時間になる)まで待機される(ステップS19)。
【0050】
カーソルスイッチ303の押圧操作が検出された場合は(ステップS14:Y)、タイマーのカウントのリセット及びステップS12と同様のタイマースタート処理によるタイマーの再スタートが行なわれ(ステップS15)、選択されていたアイコンに対してカーソルスイッチ303により指示された方向のアイコンに選択アイコンG124が移行されて、その新たに選択されたアイコンに対する「機能名称」・「機能説明」がメインメニュー設定テーブル701から読み出され(ステップS16)、名称表示領域G121及び説明表示領域G122の表示がその新たに選択されたアイコンに関するものに差し替えられ(ステップS17)、その新たに選択された選択アイコンG124に関する表示に差し替えられたメインメニューの表示状態に移行されて(ステップS18)、タイムアップ又は次のカーソルスイッチ303の押圧操作が行なわれるまで待機される(ステップS19)。
【0051】
次いで、タイムアップと判定される、つまり所定の時間内にカーソルスイッチ303の押圧操作が検出されない場合は(ステップS19:Y)、タイマーのカウントのリセット及びタイマーの再スタートが行なわれ(ステップS20)、アイコン表示領域G123に表示されているメインメニューアイコンの全ての「機能名称」がメインメニュー設定テーブル701から読み出され(ステップS21)、名称表示領域G121及び説明表示領域G122の表示は選択されたアイコンに関するそのままの表示にしてアイコン表示領域G123における選択されたアイコン画像以外の各アイコン画像上に対応する機能名称が半透過の状態で重畳して表示される(ステップS22)。
【0052】
なお、ステップS22におけるアイコン表示領域G123の表示は、図6(b)に示すように、選択アイコンG124以外の各アイコン上にそのアイコンに対応する機能名称がアイコンの大きさに合わせた文字の大きさで重畳して表示される。なお、この機能名称の重畳表示は、アイコン画像だけの使用に慣れた利用者の使用感を損なうことがないように、アイコン画像が識別可な文字の大きさや半透過度合いで行なわれることが好ましい。
【0053】
ステップS22の後、ステップS14と同様にカーソルスイッチ303の押圧操作が検出され(ステップS23)、特に操作入力されない場合は(ステップS23:N)ステップS20でスタートされたタイマーに基づいてタイムアップと判定されるまでステップS22,S23の処理を実行するように待機されて(ステップS24)、終了する。また、押圧操作が検出された場合は(ステップS23:Y)、ステップS15からの処理に戻り、タイマーのリセット/タイマースタート処理によるタイマーの再スタートとその操作指示に応じたアイコンが選択されたメインメニュー表示状態(前述の図6(a)に示すような状態)に移行される。
【0054】
以上のように、携帯電話1は、メインメニュー設定テーブル701に基づいて各種機能を象徴化したアイコン画像を表示部20に一覧表示し、その一覧表示から次の指示入力がカーソルスイッチ303から行なわれるまでに所定時間が経過した場合、そのメインメニュー設定テーブル701に格納されたアイコン画像毎の名称をアイコン画像に重畳して半透過の状態で表示する。また、携帯電話1は、カーソルスイッチ303により選択されたアイコン画像の名称とそのアイコン画像に対応する機能の説明とを名称表示領域G121、説明表示領域G122に表示する。
【0055】
このため、メインメニューが表示された表示部20の表示画面を確認することにより、利用者は、アイコン表示領域G123における表示を確認することで携帯電話1の各種機能をアイコン画像を通じて直感的に選択することが可能である。名称表示領域G121、説明表示領域G122における表示を確認することでその選択されたアイコン画像に対応する機能の詳細を認識することができ、迅速で的確に機器を取り扱うことができる。
【0056】
さらに、利用者は、アイコン画像から直感的に各種機能を想起できない場合においても、所定時間の経過後にアイコン画像に重畳表示される機能名称を元に所望する機能を選択する事ができる。また、アイコン画像への重畳表示は、半透過で行なわれるため、習熟した利用者のアイコン画像による直感的な機能の認識を妨げることなく、不慣れな利用者に対する機能の名称を表示することができる。
【0057】
[変形例]
次に、変形例として、メインメニュー設定テーブル701の「表示回数」に基づいて前述の機能表示処理のタイマーを設定する構成を図4、図5を参照して説明する。図5は、機能表示処理におけるタイマースタート処理の詳細を示すフローチャートである。なお、簡略化のために同様の構成については説明を省略し、機能表示処理におけるメインメニュー設定テーブル701の「表示回数」のカウント及びタイマーの設定についてのみ説明する。
【0058】
メインメニュー設定テーブル701における「表示回数」のカウントは、選択されたアイコン画像に対応する機能説明の表示を「表示回数」にカウントする場合、ステップS13及びステップS17の「機能説明」に基づいた説明を説明表示領域G122に表示した時にその選択されたアイコン画像に対応する「表示回数」がインクリメントされて行なわれる。また、アイコン画像に対応する機能名称の重畳表示を「表示回数」にカウントする場合は、同図におけるステップS22で重畳表示したアイコン画像に対応する「表示回数」がインクリメントされて行なわれる。
【0059】
そして、CPU10は、ステップS12におけるタイマースタート処理において、図5に示すように、メインメニュー設定テーブル701から各アイコン画像の「表示回数」を読み出し(ステップS121)、その読み出した「表示回数」の平均値に基づいて表示時間設定テーブル702から名称を表示させるまでの時間を読み出し(ステップS122)、その読み出された時間でタイマーを設定し(ステップS123)、タイマーをスタートする(ステップS124)。
【0060】
以上のように、携帯電話1は、メインメニュー設定テーブル701の「表示回数」に基づいて機能表示処理のタイマーを設定する構成であるため、利用者がアイコン画像の名称を確認した度合いや、利用者がアイコン画像に対応する説明を確認した度合いでアイコン画像に対応する名称の重畳表示を行なうまでの時間を調節することができ、利用者の使用回数、習熟度合いに応じた機能表示を行なうことができる。
【0061】
なお、ステップS122におけるタイマーの設定時間の読み出しは、平均値に基づいて一つの設定時間を読み出す構成以外に、アイコン画像毎に設定時間を読み出し、ステップS19におけるタイマーの設定時間に基づいたタイムアップの判定を個々に行なうことで、表示頻度の異なるアイコン画像に応じた名称の重畳表示を行なう構成であっても良い。この場合は、利用者の機能毎の習熟度合いに応じた表示を行なうことができる。
【0062】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。本実施の形態における携帯電話1の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、本実施の形態では携帯電話について示したが、PDA(Personal Digital Assistant)やその他の情報端末であって良く、本発明を限定するものではない。
【0063】
また、表示部20のメインメニュー表示領域G12におけるメインメニューの表示は、図6(c)に示すような円環状のアイコン表示領域G123の中心部分に名称表示領域G121及び説明表示領域G122を配する構成や、特に図示しないリスト状にアイコン画像を配置するなど、他のレイアウトであってもよい。
【0064】
また、入力部30によるアイコンの選択指示は、カーソルスイッチ303からだけでなく、数字キーなどであっても良く、特に限定しない。さらに、入力部30は、メインメニュー表示が図6(c)に示すレイアウトのような場合の操作指示に好適なものとして、特に図示しないダイヤル状の指示入力キーを備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 携帯電話
10 CPU
20 表示部
30 入力部
70 記憶部
701 メインメニュー設定テーブル
702 表示時間設定テーブル
G12 メインメニュー表示領域
G121 名称表示領域
G122 説明表示領域
G123 アイコン表示領域
G124 選択アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択肢を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記複数の選択肢のうち、所望の選択肢を選択させる選択手段と、
当該選択手段によって選択肢が選択された頻度を前記複数の選択肢毎に記憶する頻度記憶手段と、
当該頻度記憶手段によって記憶された各頻度に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する決定手段と、
当該決定手段によって決定された決定内容に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称の表示を制御する第2の表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、所定時間経過してから選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度の平均値に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記決定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度に基づいて、前記複数の選択肢毎に当該選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を設定する設定手段を更に備え、
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、名称を表示させると決定された場合、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって設定された所定時間後に選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記設定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度の平均値に基づいて、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を設定し、
前記第2の表示制御手段は、
前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって設定された平均値に基づく所定時間後に前記複数の選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記設定手段は、
前記頻度記憶手段によって記憶された前記複数の選択肢毎の頻度に基づいて、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示されてから選択肢に対応する名称を表示させるまでの時間を選択肢毎に設定し、
前記第2の表示制御手段は、
前記決定手段によって、前記複数の選択肢のうち名称を表示させると決定された選択肢に対して、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された後、前記設定手段によって選択肢毎に設定された所定時間後に当該選択肢に対応する名称を当該選択肢の位置に表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2の表示制御手段は、前記第1の表示制御手段によって表示された前記複数の選択肢に重畳して、当該選択肢に対応する名称を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の表示制御手段は、前記第1の表示制御手段によって前記複数の選択肢が表示された位置に半透過の状態で、当該選択肢に対応する名称を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の選択肢は、メニュー画面上の機能を象徴化したアイコン画像である、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
コンピュータを、
複数の選択肢を表示手段に表示させる第1の表示制御手段、
前記複数の選択肢のうち、所望の選択肢を選択させる選択手段、
当該選択手段によって選択肢が選択された頻度を前記複数の選択肢毎に記憶する頻度記憶手段、
当該頻度記憶手段によって記憶された各頻度に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称を表示させるか否かを決定する決定手段、
当該決定手段によって決定された決定内容に基づいて、前記複数の選択肢に対応する名称の表示を制御する第2の表示制御手段、
として機能させることを特徴とする表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−238244(P2010−238244A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110673(P2010−110673)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願2005−145415(P2005−145415)の分割
【原出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】