説明

表示装置、文書ファイル管理装置および携帯情報端末。

【課題】大がかりな装置を表示装置に取り付けることなしで外部から容易に書き換えが可能な表示装置と、その表示装置を用いた文書ファイル管理装置および携帯情報端末を提供する。
【解決手段】書き込み指令と表示内容を含む受信信号あるいは読み出し指令を含む受信信号を受信すると共に、読み出し指令にしたがって表示内容を含む送信信号を送信する信号送受信手段22と、受信信号を伝送する電磁波から電力を生成する電力生成手段21と、受信信号に基づいて表示内容を表示する表示手段12とを備え、電力生成手段21は、信号送受信手段22と表示手段12に電力を供給し、電力によって表示手段12は表示内容を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、文書ファイル管理装置および携帯情報端末に関し、特に、外部から電磁波を介して表示内容を書き込むようにした表示装置、文書ファイル管理装置および携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーが開発され、その電子ペーパーを用いた表示装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。一方、RFタグを用いた物品の管理や、RFタグを用いた誘導案内の手法が多数開発されている。今後は、社会や事業所等でのRFタグの利用環境が発達し、RFタグ用のアンテナやリーダ・ライタがそのような環境内に偏在することが想定される。
【0003】
そのようなRFタグを応用した例として、文書ファイル管理システムがある。この文書ファイル管理システムでは、棚に入れる各文書にRFタグを付け、棚近辺に設けられたアンテナとリーダ・ライタを設置してコンピュータによりRFタグのIDを読み込みあるいは書き込むことによって分類し、管理することができる。
【0004】
この文書ファイル管理システムでは、RFタグにより非常に管理が容易となったが、文書ファイルを棚に置くとき、その文書ファイルの背表紙にペンなどにより表題や作成日などを書き込んで管理していた。
【0005】
文書ファイルは、文書の内容を更新したりするため、その日付などを更新する必要があるため、その都度、背表紙にペンで書き込む必要があった。
【0006】
また、RF技術は、ICカードにも応用され、現在、広く利用されている。そのICカードでは、ICのメモリ内の内容を書き換えることができるようになっている。しかしながら、ICカードの表面の表示を書き換えることはできなかった。
【特許文献1】特開2003−22257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
文書ファイルの背表紙等に電子ペーパーを用いたり、ICカードの表面に電子ペーパーを用いて表示する方法が考えられる。しかしながら、従来、電子ペーパーの表示を簡単に書き換えることはできなかった。例えば、特許文献1では、電子ペーパーの文書を書き換える場合、電子ペーパーを装着する大がかりな装置が必要であり、その装置での外部との通信により文書データを得て、電子ペーパーを書き換えるものであった。それゆえ、電子ペーパー以外にも大がかりな装置が必要不可欠の構成要素であり、大がかりな装置なしでは、文書の書き換えを外部から行うことはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、大がかりな装置を表示装置に取り付けることなしで外部から容易に書き換えが可能な表示装置と、その表示装置を用いた文書ファイル管理装置および携帯情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置、文書ファイル管理装置および携帯情報端末は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0010】
第1の表示装置(請求項1に対応)は、書き込み指令と表示内容を含む受信信号あるいは読み出し指令を含む受信信号を受信すると共に、読み出し指令にしたがって表示内容を含む送信信号を送信する信号送受信手段と、受信信号を伝送する電磁波から電力を生成する電力生成手段と、受信信号に基づいて表示内容を表示する表示手段とを備え、電力生成手段は、信号送受信手段と表示手段に電力を供給し、電力によって表示手段は表示内容を表示する、ことで特徴づけられる。
【0011】
第1の表示装置によれば、書き込み指令と表示内容を含む受信信号あるいは読み出し指令を含む受信信号を受信すると共に、読み出し指令にしたがって表示内容を含む送信信号を送信する信号送受信手段と、受信信号を伝送する電磁波から電力を生成する電力生成手段と、受信信号に基づいて表示内容を表示する表示手段とを備え、電力生成手段は、信号送受信手段と表示手段に電力を供給し、電力によって表示手段は表示内容を表示するため、大がかりな装置を表示装置に取り付けることなしで外部からのリーダ・ライタにより表示内容を容易に書き換えることができる。
【0012】
第2の表示装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、電力生成手段は、表示手段の表示内容が書き換えられる時に電力を供給し、表示手段は、電力生成手段からの電力が断たれた後も表示内容を保持する特性を有することで特徴づけられる。
【0013】
第3の表示装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、表示手段は、電子ペーパーからなることで特徴づけられる。
【0014】
第1の文書ファイル管理装置(請求項4に対応)は、棚に入れた文書ファイルを管理する文書ファイル管理装置において、棚の表示と文書ファイルの背表紙と文書ファイルの目次の少なくとも1つは、上記の構成の表示装置を用いたものであり、入力端末と表示装置制御サーバとリーダ・ライタとアンテナマルチプレクサを備え、入力端末の操作により、棚の表示と文書ファイルの背表紙と文書ファイルの目次の少なくとも1つを書き換えることで特徴づけられる。
【0015】
第1の携帯情報端末(請求項5に対応)は、カード状の基板に上記の構成の表示装置を取り付けたことで特徴づけられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、書き込み指令と表示内容を含む受信信号あるいは読み出し指令を含む受信信号を受信すると共に、読み出し指令にしたがって表示内容を含む送信信号を送信する信号送受信手段と、受信信号を伝送する電磁波から電力を生成する電力生成手段と、受信信号に基づいて表示内容を表示する表示手段とを備え、電力生成手段は、信号送受信手段と表示手段に電力を供給し、電力によって表示手段は表示内容を表示するため、大がかりな装置を表示装置に取り付けることなしで外部からのリーダ・ライタにより表示内容を容易に書き換えることができる。
また、本発明によれば、棚に入れた文書ファイルを管理する文書ファイル管理装置において、棚の表示と文書ファイルの背表紙と文書ファイルの目次の少なくとも1つは、上記の構成の表示装置を用いたものであり、入力端末と制御サーバとリーダ・ライタとアンテナマルチプレクサを備え、入力端末の操作により、棚の表示と文書ファイルの背表紙と文書ファイルの目次の少なくとも1つを書き換えるため、外部から容易に棚の表示と文書ファイルの背表紙と文書ファイルの目次の少なくとも1つを書き換えることができる。
さらに、本発明によれば、カード状の基板に上記の構成の表示装置を取り付けたため、手軽に、外部から情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図5は本発明に係る表示装置の第1の実施形態を示す。表示装置10は、例えば電子ペーパーであり、基体11に表示部12と制御部13を備えたものである。制御部13からは表示部12への電力供給線14と信号線15で接続されている。
【0019】
基体11はシート状の柔軟性のあるプラスチックなどからできているものである。表示部12は、電子ペーパー等から形成されている。制御部13は、制御IC16とアンテナ17から形成されている。
【0020】
この表示装置10は、外部の図示しないリーダ・ライタから書き込み指令と表示内容を含む信号が電磁波によって制御部13に送られると、制御部13のアンテナ17によりその書き込み指令と表示内容を含む信号を受信する。また、リーダ・ライタから送られた電磁波から電力を得て、電力供給線14により表示部12に電力を供給し、その間に、表示部12に送られてきた表示内容を表示する。表示部12は、自己保持性のあるものであり、表示内容を表示後、電力が断たれても表示をそのまま保持する。また、この表示装置10は、外部から読み出し指令がリーダ・ライタによって送られると、制御部13は、表示内容をリーダ・ライタに送り、図示しないコンピュータに記憶・表示する。
【0021】
図2は、制御部13のブロック図を示す。制御部13は、アンテナ17と、電力生成部21、送受信部22、CPU23、メモリ24、表示制御部25からなる制御IC16を備えている。これらの回路要素は次のような機能を有している。
【0022】
電力生成部21は、外部から到来する高周波の電磁波から電力を生成する機能を有する。アンテナ17を介して導入される電磁波は、電力生成部21により、内部の送受信部22やCPU23、メモリ24、表示制御部25と、表示部12を動作させるための電力を生成する。送受信部22は、リーダ・ライタ34(図3参照)からの書き込み指令と表示内容を含んだ信号を受信し、また、読み出し指令を受信し、表示内容に係る信号を送信する。CPU23は送受信部22と表示制御部25とメモリ24を制御する。またメモリ24は受信した表示内容や表示中の内容を格納する。表示制御部25は、CPU23からの制御でメモリ24に記憶された表示内容を表示部12に送り、表示させる。また、表示部12に表示された表示内容を読み出しメモリ24に記憶する。
【0023】
この制御部13では、アンテナ17が外部のリーダ・ライタから書き込み指令を含んだ信号を有する電磁波を受信すると、その電磁波は、電力生成部21により、内部の送受信部22やCPU23、メモリ24、表示制御部25と表示部12を動作させるための電力を生成し、各部に供給する。また、アンテナ17が受信した電磁波から書き込み指令を送受信部22は、受信し、CPU23に送る。CPU23は、書き込み準備の処理をし、送受信部22から書き込み準備完了の信号をリーダ・ライタに送る。リーダ・ライタからは、表示内容を送信する。その信号をアンテナ17を介して送受信部22は受信し、CPU23の動作によりメモリ24に記憶される。また、CPU23は、表示制御部25を動作し、メモリ24に記憶された表示内容を表示部12に信号線15を介して送る。そのとき電力生成部21からの電力が電力線14を介して表示部12に供給されている。それにより、表示内容が表示部12に表示される。その後、電力生成部21からの電力の供給は断たれるが、表示部12の自己保存性により、表示内容はそのまま表示され続ける。
【0024】
また、リーダ・ライタから読み出し指令を含む信号を有する電磁波をアンテナ17が受信すると、電磁波から電力生成部21は電力を生成し、送受信部22、CPU23、メモリ24、表示制御部25、表示部12に電力を供給する。また、電磁波から読み出し指令を送受信部22は受信すると、CPU23により、表示部制御部25を動作し、表示部12から表示内容を読み出す。その読み出した内容を送受信部22から信号に載せてリーダ・ライタに送る。
【0025】
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態に係る表示装置10の実際の使用例を説明する。
【0026】
実際に表示装置10に表示内容を書き込むときには、図3で示すように、ディスプレイ30と本体31とキーボード32を備えたコンピュータ33から表示内容を、コンピュータ33からの書き込み指令とともに、コンピュータ33に接続されたリーダ・ライタ34によって表示装置10の制御部13に送る。また、表示装置10の表示内容を読み出すときには、コンピュータ33からの読み出し指令により、制御部13からリーダ・ライタ34は表示内容を受信し、コンピュータ33のディスプレイ30に表示し、図示しない記憶装置に記憶する。
【0027】
まず、表示内容を表示装置10に書き込むときの各装置での処理を図4で示すフローチャートを用いて説明する。図4は、コンピュータ33での処理とリーダ・ライタ34での処理と表示装置10での処理をフローチャートで示している。まず、コンピュータ33のキーボード32等の入力装置から表示内容を入力する(ステップS11)。次に、コンピュータ33のキーボード32から書き込み指令を入力する(ステップS12)。コンピュータ33は、表示内容と書き込み指令をリーダ・ライタ34に送る(ステップS13)。リーダ・ライタ34は、書き込み指令を受けたか否かを判断する(ステップS21)。もし、書き込み指令を受けないときはそのステップを繰り返す。もし、書き込み指令を受けたならば、書き込み指令に係る信号を載せた電磁波を表示装置10に送る(ステップS22)。表示装置10の制御部13は、書き込み指令に係る信号を載せた電磁波を受信したか否かを判断する(ステップS31)。もし、書き込み指令に係る信号を載せた電磁波を受信しなければ、そのステップを繰り返す。もし、書き込み指令に係る信号を受信したならば、その電磁波は、図2で示す電力生成部21により、内部の送受信部22やCPU23、メモリ24、表示制御部25と表示部12を動作させるための電力を生成し、各部に供給する。また、アンテナ17が受信した電磁波から書き込み指令を送受信部22は、受信し、CPU23に送る。CPU23は、書き込み準備の処理をする(ステップS32)。表示装置10の制御部13は書き込み準備完了をしたか否かを判断する(ステップS33)。もし、書き込み準備完了していなければ、ステップS32を実行する。もし、書き込み準備完了したならば、送受信部22から書き込み準備完了の信号をリーダ・ライタ34に送る(ステップS34)。リーダ・ライタ34は、書き込み準備完了信号を表示装置10から受信したか否かを判断する(ステップS23)。もし、書き込み準備完了信号を受けていなければ、そのステップを繰り返す。もし、書き込み準備完了信号を受信したならば、リーダ・ライタ34からは、表示内容を送信する(ステップS24)。表示装置10では、その信号をアンテナ17を介して送受信部22は受信し、CPU23の動作によりメモリ24に記憶される。また、CPU23は、表示制御部25を動作し、メモリ24に記憶された表示内容を表示部12に信号線15を介して送る。そのとき電力生成部21からの電力が電力線14を介して表示部12に供給されている。それにより、表示内容が表示部12に表示される(ステップS35)。その後、電力生成部21からの電力の供給は絶たれるが、表示部12の自己保存性により、表示内容はそのまま表示され続ける。
【0028】
次に、表示装置10に表示されている表示内容をコンピュータ33に取り込む読み出し処理を図5で示すフローチャートを用いて説明する。図5は、コンピュータ33での処理とリーダ・ライタ34での処理と表示装置10での処理をフローチャートで示している。まず、コンピュータ33のキーボード32から読み出し指令を入力する(ステップS41)。次に、コンピュータ33は読み出し指令をリーダ・ライタ34に送る(ステップS42)。リーダ・ライタ34は、読み出し指令を受けたか否かを判断する(ステップS51)。もし、読み出し指令を受けていなければ、そのステップを繰り返す。もし、読み出し指令を受けたならば、読み出し指令に係る信号を載せた電磁波を表示装置10に送信する(ステップS52)。表示装置10の制御部13は、読み出し指令に係る信号を載せた電磁波を受信したか否かを判断する(ステップS61)。もし、読み出し指令に係る信号を載せた電磁波を受信していなければ、そのステップを繰り返す。もし、読み出し指令に係る信号を載せた電磁波を受信したならば、電磁波から電力生成部21は電力を生成し、送受信部22、CPU23、メモリ24、表示制御部25、表示部12に電力を供給する。また、電磁波から読み出し指令を送受信部22は受信すると、CPU23により、表示制御部25を動作し、表示部12から表示内容を読み出す。その読み出した内容を送受信部22から信号に載せてリーダ・ライタ34に送る(ステップS62)。リーダ・ライタ34は、表示内容に係る信号を載せた電磁波を受信したか否かを判断する(ステップS53)。もし、表示内容に係る信号を受信していなければ、そのステップを繰り返す。もし、表示内容に係る信号を受信したならば、表示内容をコンピュータ33に送る(ステップS54)。コンピュータ33は、表示内容をディスプレイ30に表示し、また、図示しない記憶装置に記憶する(ステップS43)。
【0029】
このようにして、表示装置10では、大がかりな装置を表示装置に取り付けることなしで外部からのリーダ・ライタにより表示内容を容易に書き換えることができる。また、容易に表示内容をコンピュータで読み出すことができる。
【0030】
次に、この表示装置の利用例として文書ファイル管理装置について説明する。
【0031】
図6は、本発明の実施形態に係る文書ファイル管理装置の構成を説明するための図である。図6に示すように、文書ファイル管理装置40は、棚41を備え、棚41にはアンテナ42,43,44,45を設置してあり、アンテナマルチプレクサ46に接続されている。棚41の中には、複数の文書ファイル47が入れられている。各文書ファイル47には、図示しないRFタグが付けられている。また、各文書ファイル47の背表紙には、それぞれ表示装置47−1,47−2,・・・47−45が設けられている。さらに、各文書ファイル47の内部には図示しない表示装置からなる目次を入れてある。また、棚41には表示装置41−1,41−2,41−3,41−4が設けられている。表示装置47−1,47−2,・・・47−45と図示しない目次に用いられる表示装置と表示装置41−1,41−2,41−3,41−4は、図1で示した表示装置10と基体11と表示部12の大きさが異なること以外は、同じ構造を有している。
【0032】
また、文書ファイル管理装置40は文書管理・表示器制御サーバ48(以後、サーバ48という)とリーダ・ライタ49が接続され、リーダ・ライタ49はアンテナマルチプレクサ46と接続されている。またサーバ48は、表示装置IDデータベース51と接続されており、また、LAN52により入力端末53と接続された構成をとる。
【0033】
棚41に入れられた文書ファイル47は、図7で示されるように、背表紙に設けられた表示装置47−1,47−2,47−3には、後述するように入力端末53から入力された文書が表示されている。また、棚41に設けられた棚表示用の表示装置41−1−1,41−1−2にも入力端末53から入力された文書が表示されている。さらに、文書ファイル47内の目次も表示装置47−1−1から形成されており、入力端末53から入力された文書が表示されている。これらの表示装置の表示内容は、後述するように入力端末53から文書を入力することにより、書き換えることができる。
【0034】
また、図7には、表示装置47−1,47−2,47−3それぞれの制御部47−1a47−2a,47−3aが示されており、また表示装置41−1−1,41−1−2それぞれの制御部41−1−1a,41−1−2aが示されており、さらに表示装置47−1−1の制御部47−1−1aが示されている。これらの制御部の図示しないメモリには、各表示装置を特定するIDが記憶されている。
【0035】
これらの表示装置は、入力端末53から入力されたIDと書き込み指令と表示内容に従って、図6で示される棚41に設けられたアンテナ42,43,44,45のいずれかから表示装置を特定するIDと書き込み指令と表示内容を含む信号が電磁波によって制御部に送られると、制御部のメモリによって送られてきた信号内のIDと表示装置自身のIDを照合する。そして、IDが一致した場合に、そのIDを持つ表示装置は表示内容を書き換える。
【0036】
図6の他の各部を説明する。アンテナマルチプレクサ46は、アンテナ42,43,44,45のいずれか1つを選択させて動作させる。リーダ・ライタ49は、サーバ48からの信号をアンテナマルチプレクサ46を介して送り、また、アンテナマルチプレクサ46からの信号を受信しサーバ48に送る。サーバ48は、入力端末53から送信されたIDと書き込み指令と表示内容に係るデータを受信し、表示装置IDデータベースを検索し、対応するIDを有する表示装置の位置を特定し、その位置情報とともに、表示内容と書き込み指令に係る信号をリーダ・ライタ49に送る。アンテナマルチプレクサ46は、その位置情報に基づいて、そのIDを有する表示装置のある段のアンテナを動作させる。また、表示装置IDデータベース51は表示装置のIDとその棚の中での位置を記憶する。入力端末53は、表示装置のIDと書き込み指令と表示内容の入力をするための装置である。
【0037】
次に、本実施形態における背表紙や目次や棚表示の表示装置の表示内容を書き換えるときの操作を図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0038】
本実施形態では、まず、管理者が入力端末53の入力装置53aより処理プログラム(表示内容変更プログラム)を起動する(ステップS71)。
【0039】
処理プログラムを起動した入力端末53は、画面53b上に図9で示す入力画面60を表示する(ステップS72)。管理者は、画面53bに表示された入力画面60を見ながら、入力装置53aにより、変更したい表示装置のIDを入力するIDテキストボックス61、表示内容テキストボックス62にそれぞれIDと表示内容を入力する(ステップS73)。
【0040】
管理者は、それらの文章でよいか否かを確認する(ステップS74)、それで決定するときは、出力画面60上に表示された確認のOKボタン63を図示しないマウスによりクリックして、決定の情報を送信する(ステップS75)。キャンセルや修正するときは、出力画面60上に表示されたキャンセルボタン64を図示しないマウスによりクリックして送信する(ステップS76)。そのとき、プログラムはステップS71に戻る。
【0041】
この文書ファイル管理装置40では、図6で示すように上記のようにして入力端末53から表示装置のIDと書き込み指令と表示内容を入力することにより、表示装置のIDと書き込み指令と表示内容に係るデータがLAN52を介して、サーバ48に送られる。サーバ48は、送られてきたデータから表示装置のIDから表示装置の位置を検索する。そして、その表示装置の位置情報とIDと書き込み指令と表示内容に係るデータをリーダ・ライタ49に送る。リーダ・ライタ49は、表示装置の位置情報とIDと書き込み指令と表示内容に係るデータを載せた信号をアンテナマルチプレクサ46に送る。アンテナマルチプレクサ46は、その信号から表示装置の位置を特定し、その表示装置のある棚の段のアンテナを動作させる。その動作させたアンテナからIDと書き込み指令と表示内容に係るデータを載せた信号を含む電磁波が発信される。棚の中にある各表示装置の制御部は送られた電磁波を受信し、自身のメモリ内のIDと照合する。その結果、対応するIDを有する制御部は、動作を開始し、送られてきた電磁波を受信し、書き込み指令と表示内容とに基づいて、表示内容が変更され表示される。これにより、文書ファイルの背表紙の表示装置47−1,47−2,・・・47−45や棚表示の表示装置41−1,・・・41−4や目次の表示装置を入力端末53から表示内容を容易に書き換えることができる。
【0042】
このように、文章の作成に時間がかからず、文章を変更するのに手間がかからないようにすることができる。なお、入力は、キーボード等による入力で説明したが、音声入力装置による入力でも良い。
【0043】
次に、表示装置の他の利用例として図10と図11を参照して本発明の携帯情報端末に係る実施形態を説明する。
【0044】
図10は、本実施形態に係る携帯情報端末の分解斜視図である。携帯情報端末80は、カード状のものであり、プラスチック等からなる基体81と、表示部82を備えている。基体81には、制御IC83とアンテナ84からなる制御部85が設けられている。表示部82は、電子ペーパー等から形成されている。また、表示部82は制御IC83と電力供給線86と信号線87によって接続されている。この制御部の制御IC82とアンテナ83は、機能的に図1と図2で説明した表示装置10と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0045】
この携帯情報端末80は、駅の構内等にあるリーダ・ライタを備えた端末にかざすと、表示部82に文書が表示される装置として用いることができる。例えば、外部の図示しないリーダ・ライタから書き込み指令と書き込み文書が電磁波によって制御部85に送られると、制御部85のアンテナ84によりその書き込み指令と書き込み文書を受信する。また、リーダ・ライタから送られた電磁波から電力を得て、電力供給線86により表示部に電力を供給し、その間に、信号線87から表示部82に送られてきた書き込み文書を表示する。表示部82は、自己保持性のあるものであり、表示後、電力が断たれても表示はそのまま保持する。そして、図11のように文書が表示され、利用者は、その文書から情報を得ることができる。
【0046】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、外部から文書データを含む信号を載せた電磁波を送ることにより容易に表示内容を書き換えることができる表示装置、文書ファイル管理装置および携帯情報端末として利用される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態に係る表示装置の制御部のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る表示装置に表示内容を書き込むときの動作を説明する図である。
【図4】表示装置に表示内容を書き込むときの処理フローチャートである。
【図5】表示装置から表示内容を読み出すときの処理フローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る文書ファイル管理装置の構成を説明するための図である。
【図7】棚の中の文書ファイルに設けられた表示装置と棚表示用の表示装置を示す図である。
【図8】本実施形態における背表紙や目次や棚表示の表示装置の表示内容を書き換えるときの操作を説明するフローチャートである。
【図9】入力端末の画面上に表示される入力画面を示す図である。
【図10】本実施形態に係る携帯情報端末の分解斜視図である。
【図11】携帯情報端末の表示部に表示される表示内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 表示装置
11 基体
12 表示部
13 制御部
14 電力供給線
15 信号線
16 制御IC
17 アンテナ
21 電力生成部
40 文書ファイル管理装置
46 アンテナマルチプレクサ
48 表示装置制御サーバ
49 リーダ・ライタ
80 携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み指令と表示内容を含む受信信号あるいは読み出し指令を含む受信信号を受信すると共に、前記読み出し指令にしたがって表示内容を含む送信信号を送信する信号送受信手段と、
前記受信信号を伝送する電磁波から電力を生成する電力生成手段と、
前記受信信号に基づいて前記表示内容を表示する表示手段とを備え、
前記電力生成手段は、前記信号送受信手段と前記表示手段に電力を供給し、前記電力によって前記表示手段は前記表示内容を表示する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記電力生成手段は、前記表示手段の表示内容が書き換えられる時に電力を供給し、前記表示手段は、前記電力生成手段からの電力が断たれた後も表示内容を保持する特性を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、電子ペーパーからなることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
棚に入れた文書ファイルを管理する文書ファイル管理装置において、
前記棚の表示と前記文書ファイルの背表紙と前記文書ファイルの目次の少なくとも1つは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置を用いたものであり、
入力端末と制御サーバとリーダ・ライタとアンテナマルチプレクサを備え、
前記入力端末の操作により、前記棚の表示と前記文書ファイルの背表紙と前記文書ファイルの目次の少なくとも1つを書き換えることを特徴とする文書ファイル管理装置。
【請求項5】
カード状の基板に請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置を取り付けたことを特徴とする携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−199296(P2007−199296A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16699(P2006−16699)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】