説明

表示装置、映像信号処理方法及び映像信号処理プログラム

【課題】電源ノイズを除去するためのフィルタを不要とすることを可能とし、且つ、液晶表示される映像の色度が、バックライトの光源として用いられる半導体発光素子への供給電流の大きさの変化に起因して変化することを防ぐことができる表示装置、映像信号処理方法及び映像信号処理プログラムを提供する。
【解決手段】LEDバックライト駆動部13が、LEDバックライト部14の照射光の輝度が、制御部11により決定される目的となる輝度になるよう、バックライト用LEDに供給される電流の大きさを制御し、制御部11が、バックライト用LEDに供給される電流の大きさの変化に起因する照射光の輝度変化に伴う表示映像の色度変化が打ち消されるように色度調整量を決定し、映像信号処理部17が、決定された色度調整量の調整を映像信号の色度に対して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、液晶を背面から照射するバックライトの光源に半導体発光素子を用い、供給電流の大きさを調節することによりバックライトの輝度を調節する表示装置、映像信号処理方法及び映像信号処理プログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶の表示装置には、映像の視認性の観点から必ずといって良いほどバックライトが用いられている。このバックライトの光源としては種々のものが用いられているが、現在の主流はLED(Light Emitting Diode)である。
【0003】
従来、LEDを光源としたバックライトの調光方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、LEDに供給される電流をPWM(Pulse Width Modulation)制御し、このデューディー比を調節することでバックライトの輝度を調節する方法が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記の調光方法では、PWM制御により低周波の電源ノイズが発生する。このノイズを除去するためには時定数の大きいフィルタを用いる必要があるので、フィルタのサイズが大きくなるという問題がある。
【0005】
調光方法の他の例としては、LEDに供給される電流の大きさを制御する方法が挙げられる。この電流値制御による調光方法によれば、PWM制御に伴うノイズが発生しないので、電源に大きなフィルタを使用する必要がない。また、この方法では、回路に使用するコンデンサにセラミックコンデンサを使用することが可能となるので、表示装置の小型化・薄型化を実現することができる。PWM制御による調光方法では、圧電現象によるコンデンサの振動でノイズが発生するので、これを抑えるためには電解コンデンサを使用することが必要である。
【特許文献1】特開2005−283735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電流値制御による調光方法では、LEDに流れる電流の大きさを変化させると発光波長が変化するので、発光色の色度変化が生じる。従って、バックライトの輝度を変化させると、液晶表示される映像の色度が全体的に変化するという問題があった。
【0007】
PWM制御による調光方法では、単位時間当たりの発光時間を調節することで輝度を調整するものであり、また、電流を流している間の電流値は基本的に一定であるため、輝度の変化による色度変化は生じない。こうしたことから、電流値制御による調光方法は、バックライトの調光方法として採用しづらいという面があった。
【0008】
本願は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、電源ノイズを除去するためのフィルタを不要とすることを可能とし、且つ、液晶表示される映像の色度が、バックライトの光源として用いられる半導体発光素子への供給電流の大きさの変化に起因して変化することを防ぐことができる表示装置、映像信号処理方法及び映像信号処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力された映像信号に対応する映像を液晶表示する表示手段と、半導体発光素子を光源とし、前記表示手段を背面から照射する照射手段と、前記照射手段の照射光の輝度が、目的とする輝度になるよう、前記半導体発光素子に供給される電流の大きさを制御する電流制御手段と、前記電流の大きさの変化に起因する前記映像の色度変化を打ち消すように、前記映像信号の色度を調整する色度調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、入力された映像信号に対応する映像を液晶表示する表示手段と、半導体発光素子を光源とし、前記表示手段を背面から照射する照射手段と、を備え、前記照射手段の照射光の輝度が、目的とする輝度になるよう、前記半導体発光素子に供給される電流の大きさを制御する表示装置における映像信号処理方法であって、前記電流の大きさの変化に起因する前記映像の色度変化を打ち消すように、前記映像信号の色度を調整することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本願の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、バックライトの光源に半導体発光素子の一例としてのLEDを採用した液晶表示装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0012】
[1.表示装置の構成及び機能]
先ず、本実施形態に係る表示装置1の構成及び機能について、図1及び図2を用いて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る表示装置1の概要構成の一例を示す図である。また、図2(a)は、本実施形態に係る調光量決定テーブルに設定される情報の一例を示す図であり、図2(b)は、本実施形態に係る色度調整量決定テーブルに設定される情報の一例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、表示装置1は、制御部11と、バックライト電源入力部12と、電流制御手段の一例としてのバックライト駆動部13と、照射手段の一例としてのLEDバックライト部14と、外光・温度センサ部15と、映像信号入力部16と、映像信号処理部17と、表示手段の一例としての液晶表示部18と、を含んで構成されている。ここで、制御部11及び映像信号処理部17は、色度調整手段の一例を構成する。なお、電源ノイズを除去するためのフィルタは、表示装置1の構成に含めなくても良い。
【0014】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶手段の一例としてのROM(Read Only Memory)、D/Aコンバータ等により構成されており、ROMに記憶された制御プログラムを読み出し実行することにより、表示装置1全体を統括制御するようになっている。また、制御部11は、後述するように、外光・温度センサ部15からの情報に基づいて、LEDバックライト部14の調光量を決定するとともに、液晶表示部18に供給される映像信号の色度の調整量を決定するようになっている。
【0015】
バックライト電源入力部12は、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、この電力をバックライト駆動部13を介してLEDバックライト部14に供給するようになっている。なお、表示装置1は、車載用の表示装置として適用可能であり、この場合におけるバックライト電源入力部12は、車載用のバッテリーから供給される直流電力を入力するためのアダプターである。
【0016】
バックライト駆動部13は、バックライト部14を駆動するための電圧を生成してバックライト部14に供給するとともに、制御部11により決定された調光量に基づいて、バックライト電源入力部12からバックライト用LEDに供給される電流の大きさを調節するようになっている。
【0017】
LEDバックライト部14は、光源としてのLED(以下、「バックライト用LED」と称する)を含んで構成されており、液晶表示部18をその背面から照射するバックライトである。ここで、バックライト用LEDは、バックライト駆動部13から供給される電流の大きさに応じた輝度で発光するようになっている。
【0018】
外光・温度センサ15は、外光センサ(光センサ)及び温度センサ等により構成されており、表示装置1周辺の明るさ及びバックライト用LEDの温度を測定し、これらの測定結果を制御部11に出力するようになっている。
【0019】
映像信号入力部16は、外部から入力されたコンポーネント映像信号等の映像信号を映像信号処理部17に供給するようになっている。
【0020】
映像信号処理部17は、制御部11により決定された色度の調整量に基づいて、映像信号入力部16からの映像信号の色度を調整する他、各種の信号処理を行い、当該処理後の映像信号を液晶表示部18に供給するようになっている。
【0021】
液晶表示部18は、液晶パネル及び液晶パネルを駆動する駆動回路等により構成されており、映像信号処理部17から供給された映像信号に対応する映像を表示するようになっている。液晶パネルにおいては、画面の各画素に対応して、R(赤)、G(緑)、B(青)にそれぞれ着色されたカラーフィルタが配置されている。映像信号に含まれる各画素のR、G、Bの色相成分それぞれの輝度値に応じた電圧が、液晶パネルの各画素のR、G、Bに対応する液晶に印加される。これによって液晶分子の配向が制御されて液晶に対する照射光の透過率が調節される。液晶表示部18の画面に表示される各画素の最終的な色度及び明度は、映像信号に含まれる各色相成分の輝度値と、LEDバックライト部14の照射光の色度及び明度と、で決定付けられる。
【0022】
このような構成において、表示装置1は、装置周辺の明るさとバックライト用LEDの温度に応じて、LEDバックライト部14の照射光の輝度(バックライト用LEDに供給される電流の大きさ)を調節する。具体的には、表示装置1の周りの明るさに応じて人の目の瞳孔の大きさが変化することにより、表示された映像の視覚を通じて人が実際に感じる明るさが変化するので、LEDバックライト部14の輝度を調節することによってこの変化を少なくさせる。また、LEDの温度が高くなりすぎると、LEDの寿命が短くなってしまうため、高温にならないようLEDバックライト部14の輝度を低くさせる。
【0023】
図2(a)は、制御部11のROMに記憶されている調光量決定テーブルに設定される情報の内容の一例を示す図である。図2(a)に示すように、調光量決定テーブルには、外光・温度センサ15の外光センサからの情報の1つである表示装置1周辺の明るさを示す明度値と、外光・温度センサ15の温度センサからの情報の他の1つであるバックライト用LEDの温度を示す温度値と、の組に対応して、調光量が設定されている。なお、同図において、明度値と温度値については、それぞれ16進表記で示されており、調光量については、百分率で示されている。
【0024】
外光・温度センサ15から出力される明度値は、0x00〜0x00Fの範囲で設定され、0x00は最も暗いことを意味し、0x0Fは最も明るいことを意味する。また、外光・温度センサ15から出力される温度値も、0x00〜0x00Fの範囲で設定され、0x00は最も温度が低いことを意味し、0x0Fは最も温度が高いことを意味する。調光量は、LEDバックライト部14の照射光の明るさの度合いを、最大輝度を100%とした場合における割合で示した情報である。
【0025】
調光量決定テーブルにおいて、明度値0x0Fに対応する調光量は、温度値に応じて50%〜100%が設定されている。具体的に、温度値が0x0A以下である場合には、調光量として100%が設定され、温度値が0x0Bである場合には、調光量として90%が設定され、温度値が0x0Cである場合には、調光量として80%が設定されている。また、温度値が0x0Dである場合には、調光量として70%が設定され、温度値が0x0Eである場合には、調光量として60%が設定され、温度値が0x0Fである場合には、調光量として50%が設定されている。
【0026】
明度値0x0Eに対応する調光量は、温度値に応じて50%〜90%が設定されている。具体的に、温度値が0x0A以下である場合には、調光量として90%が設定されている。また、温度値が0x0B〜0x0Fである場合については、明度値が0x0Fである場合と同一の調光量が設定されている。
【0027】
明度値0x0Dに対応する調光量は、温度値に応じて50%〜80%が設定されている。具体的に、温度値が0x0A以下である場合と0x0Bである場合には、調光量として80%が設定されている。また、温度値が0x0C〜0x0Fである場合については、明度値が0x0Fである場合と同一の調光量が設定されている。明度値が0x0C〜0x00である場合についても、温度値毎に適切な調光量が設定されている。
【0028】
制御部11は、外光・温度センサ15から出力された明度値及び温度値に対応する調光量を調光量決定テーブルから取得することによって、LEDバックライト部14の調光量を決定する。そして、制御部11は、決定した調光量に相当する調光量制御命令(指示された調光量の一例)をバックライト駆動部13に出力する。バックライト駆動部13は、LEDバックライト部14の照射光の輝度が調光量制御命令に対応する輝度となるよう、バックライト用LEDに供給される電流の大きさを、調光量制御命令に対応した大きさに調節する。
【0029】
バックライト用LEDに供給される電流の大きさが変化すると、この変化に起因して発光色の色度が変化するので、表示装置1は、画面表示される映像の色度が変化することを防止すべく、映像信号の色度を調整する。
【0030】
図2(b)は、制御部11のROMに記憶されている色度調整量決定テーブルに設定される情報の内容の一例を示す図である。図2(b)に示すように、色度調整量決定テーブルには、照射光の輝度を示す情報の一例としての調光量に対応して、調整量の一例の一例としての色度調整量が設定されている。色度調整量には、R、G、Bの色相毎にその色相の輝度の調整量が設定されている。同図において、各色相の輝度の調整量は、16進表記で示されている。
【0031】
具体的に、色度調整量決定テーブルには、調光量100%に対して、[0x00、0x00、0x00]が設定されている。なお、前記括弧内の数値の意味するところは、前方から、R成分の輝度調整量、G成分の輝度調整量、B成分の輝度調整量、である。ここでは、映像信号のどの色相成分に対しても輝度の調整を行わないことを示している。
【0032】
調光量90%以下においては、調光量100%における照射光の色度を基準として、色度調整量が設定されている。具体的に、調光量90%に対しては、[0x00、0x01、0x01]が設定されている。これは、G成分の輝度とB成分の輝度とをそれぞれ1上げることを意味している。調光量80%に対しては、[0x00、0x02、0x02]が設定されている。これは、G成分の輝度とB成分の輝度とをそれぞれ2上げることを意味している。また、調光量70%に対しては、[0x00、0x03、0x02]が設定され、調光量60%に対しては、[0x00、0x04、0x03]が設定されている。同様にして、調光量50%以下についても適切な色度調整量が設定されている。
【0033】
これらの色度調整量は、LEDの特性によって異なるため、例えば、製造者等がLEDバックライト部14の発光試験を行うことにより決定する。この試験においては、例えば、LEDバックライト部14の照射光の輝度毎における色度が測定され、基準となる輝度(本実施形態では最大輝度)からの輝度の変化に伴う色度の変化量が求められる。そして、照射光の色度の変化量と映像信号の色度の調整量とが相殺するように(変化量と調整量との和がゼロになるように)、色度調整量が決定される。つまり、基準となる輝度における照射光の色度から、測定により得られた色度を差し引いた分に相当する色度が色度調整量とされる。なお、色度調整量決定テーブルにおいては、G成分及びB成分の輝度を上げる代わりに、R成分の輝度を下げるように、色度調整量が設定されても良い。
【0034】
制御部11は、決定した調光量に対応する色度調整量を色度調整量決定テーブルから取得し、取得した色度調整量を含む信号処理設定命令を映像信号処理部17に出力する。映像信号処理部17は、映像信号入力部16からの映像信号に対して、信号処理設定命令に含まれる色度調整量に相当する量の色度の調整を行う。具体的に、映像信号処理部17は、各画素のR、G、B成分の輝度に、色度調整量に含まれるR、G、B成分の輝度調整量をそれぞれ加算する。そして、映像信号処理部17は、調整後の映像信号を液晶表示部18に供給する。これにより、LEDバックライト部14の照射光の色度の変化と、映像信号の色度の調整による液晶表示部18の画面の各画素におけるR、G、Bそれぞれに対応する照射量の透過量の変化による色度の変化とが相殺されるので、照射光の輝度、すなわち、液晶表示部18の画面の明るさが変化しても、表示される映像の色度は変化しない。
【0035】
[2.表示装置の動作]
次に、表示装置1の動作について、図3を用いて説明する。ここで、図3は、本実施形態に係る表示装置1の制御部11の処理例を示すフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、制御部11は、外光・温度センサ15から明度値及び温度値の情報を取得する(ステップS1)。次いで、制御部11は、取得した明度値及び温度値と、調光量決定テーブルとに基づいて、調光量を決定する(ステップS2)。
【0037】
次いで、制御部11は、決定した調光量と現在の調光量とが一致するか否かを判定する(ステップS3)。このとき、制御部11は、決定した調光量と現在の調光量とが一致する場合には(ステップS3:YES)、現状を維持し(ステップS4)、ステップS7に移行する。ここで現状維持とは、現在の調光量と当該調光量に対応する色度調整量に基づいて、LEDバックライト駆動部13と映像信号処理部17とが動作することを意味する。
【0038】
一方、制御部11は、決定した調光量と現在の調光量とが一致しない場合には(ステップS3:NO)、決定した調光量でLEDバックライト14の輝度を調整すべく、バックライト駆動部13を制御する(ステップS5)。具体的に、制御部11は、決定した調光量に相当する調光量制御命令をバックライト駆動部13に出力する。これによってバックライト駆動部13は、バックライト用LEDに供給される電流の大きさを、調光量制御命令に応じて調整し直す。また、制御部11は、決定した調光量で現在の調光量を更新する。
【0039】
次いで、制御部11は、決定した調光量に対応する色度調整量分、映像信号の色度を調整すべく、映像信号処理部17を制御する(ステップS6)。具体的に、制御部11は、決定した調光量に対応する色度調整量を色度調整量決定テーブルから取得し、取得した色度調整量を含む信号処理設定命令を映像信号処理部17に出力する。これによって映像信号処理部17は、映像信号の色度を調整する量を設定し直す。
【0040】
制御部11は、ステップS4またはS6の処理を終えると、電源スイッチ(図示せず)の操作状態に基づいて、電源OFFを行うか否かを判定する(ステップS7)。
【0041】
このとき、制御部11は、電源OFFを行わない場合には(ステップS7:NO)、ステップS1に移行し、電源OFFを行う場合には(ステップS7:YES)、処理を終了させる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、LEDバックライト駆動部13が、LEDバックライト部14の照射光の輝度が、制御部11により決定される目的となる輝度になるよう、バックライト用LEDに供給される電流の大きさを制御し、制御部11が、バックライト用LEDに供給される電流の大きさの変化に起因する照射光の輝度変化に伴う表示映像の色度変化が打ち消されるように色度調整量を決定し、映像信号処理部17が、決定された色度調整量の調整を映像信号の色度に対して行うので、バックライト用LEDへの供給電流の大きさを制御することによってバックライト部14の照射光の輝度を調節するようにしても、液晶表示部18の画面に表示される映像の色度変化を防ぐことができる。
【0043】
また、制御部11のROMには、調光量と、基準となる色度から当該調光量における照射光の色度を差し引いた分に相当する色度調整量と、を対応付けて示す色度調整量決定テーブルが記憶されており、制御部11が、決定した調光量に対応する色度調整量を調光量決定テーブルから取得し、映像信号処理部17が、取得した色度調整量に相当する色度を映像信号の色度に加算するので、簡易な方法で、画面に表示される映像の色度変化を防ぐことができる。
【0044】
なお、本実施形態において、調光量決定テーブル及び色度調整量決定テーブルに設定される調光量として、照射光の輝度を示す情報を適用していたが、例えば、バックライト用LEDに供給する電流の大きさを示す情報を適用しても良い。
【0045】
また、本実施形態において、表示装置1は、周辺の明るさとバックライト用LEDの温度とに基づいて、調光量を決定していたが、例えば、利用者からのバックライトの明るさの指定の入力を受け、この指定に基づいて調光量を決定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施形態に係る表示装置1の概要構成の一例を示す図である。
【図2】(a)は、一実施形態に係る調光量決定テーブルに設定される情報の一例を示す図であり、(b)は、一実施形態に係る色度調整量決定テーブルに設定される情報の一例を示す図である。
【図3】一実施形態に係る表示装置1の制御部11の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 表示装置
11 制御部
12 バックライト電源入力部
13 バックライト駆動部
14 LEDバックライト部
15 外光・温度センサ部
16 映像信号入力部
17 映像信号処理部
18 液晶表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号に対応する映像を液晶表示する表示手段と、
半導体発光素子を光源とし、前記表示手段を背面から照射する照射手段と、
前記照射手段の照射光の輝度が、目的とする輝度になるよう、前記半導体発光素子に供給される電流の大きさを制御する電流制御手段と、
前記電流の大きさの変化に起因する前記映像の色度変化を打ち消すように、前記映像信号の色度を調整する色度調整手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記照射光の輝度または前記電流の大きさの少なくとも何れか一方を示す情報と、基準となる色度から当該輝度または当該電流の大きさにおける前記照射光の色度を差し引いた分に相当する調整量と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記色度調整手段は、前記目的とする輝度に対応する前記調整量に相当する色度を前記映像信号の色度に加算すことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
入力された映像信号に対応する映像を液晶表示する表示手段と、半導体発光素子を光源とし、前記表示手段を背面から照射する照射手段と、を備え、前記照射手段の照射光の輝度が、目的とする輝度になるよう、前記半導体発光素子に供給される電流の大きさを制御する表示装置における映像信号処理方法であって、
前記電流の大きさの変化に起因する前記映像の色度変化を打ち消すように、前記映像信号の色度を調整することを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項4】
入力された映像信号に対応する映像を液晶表示する表示手段と、半導体発光素子を光源とし、前記表示手段を背面から照射する照射手段と、を備え、前記照射手段の照射光の輝度が、目的とする輝度になるよう、前記半導体発光素子に供給される電流の大きさを制御する表示装置に含まれるコンピュータを、
前記電流の大きさの変化に起因する前記映像の色度変化を打ち消すように、前記映像信号の色度を調整する色度調整手段として機能させることを特徴とする映像信号処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−78690(P2010−78690A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244497(P2008−244497)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】