説明

表示装置、画像形成装置、表示制御プログラム

【課題】用紙の給紙側から排紙側へ至る用紙搬送方向をわかり易く表示する。
【解決手段】印刷装置Pは、自機の搬送方向は、もともと認識可能であるが、他機に関しては、設置した後でないと、自機との相対位置関係を認識することができない。また、記録用紙の搬送方向を認識することができない。このため、UI36の処理状況表示領域36Aに表示される配列パターンに固定されない。そこで、自機の印刷装置Pにおいて、設置が完了(相対位置関係が確定)した場合に、自機の役割(上流側か下流側か)、他機の搬送方向(給紙側、排紙側)等の情報を取得し、UI36の処理状況表示領域36Aを編集する。自機と他機とで搬送方向が異なる場合、自機(処理状況表示領域36Aを見る方)の搬送方向に合わせて、矢印画像56をクランク状に方向転換したり、直線を維持して反転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、画像形成装置、表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタを2台連結して両面印刷を行うプリンタシステムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、デジタル複写機の重連構成でRIPイメージを効率的に生成する方法が記載されている。
【0004】
上記特許文献1又は特許文献2に連結される各プリンタに設けられたユーザーインターフェイスの表示画面には、用紙の搬送方向をグラフィカルに示すことで、ユーザーに処理状況を伝えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−237336号公報
【特許文献2】特開2006−279974公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、用紙の搬送方向が異なる複数の画像形成装置を連結して重連構成のシステムを構築した場合に、各々の画像形成装置の搬送方向画像が、互いに向きあう方向となる、又は、互いに離間する方向となる、といった表示が行われることを抑制することができる表示装置、画像形成装置、表示制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、用紙に対して印刷を行う第1画像形成装置と、前記第1画像形成装置により印刷された用紙に対して印刷を行う第2画像形成装置との少なくとも1つに設けられた表示手段と、前記表示手段に、前記第1画像形成装置を示す第1画像形成装置画像と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第1搬送方向画像と、前記第1画像形成装置画像の排紙側、又は、給紙側と隣り合わせて配置されるとともに、前記第2画像形成装置を示す第2画像形成装置画像と、前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第2搬送方向画像と、を表示するように制御する表示制御手段と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向とを取得する搬送方向情報取得手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記搬送方向情報取得手段により取得された前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と、前記第2画像形成装置の搬送方向とが互いに異なる方向である場合に、前記表示手段に表示される第1搬送方向画像、又は、前記第2搬送方向画像のいずれか一方を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記表示手段が前記第1画像形成装置に設けられている場合に、前記第2搬送方向画像を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記第1画像形成装置が用紙の搬送方向の上流側に設けられている場合に、前記第2搬送方向画像を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、用紙に対して印刷を行う第1画像形成装置と、前記第1画像形成装置により印刷された用紙に対して印刷を行う第2画像形成装置との少なくとも1つに設けられた表示手段と、前記表示手段に、前記第1画像形成装置を示す第1画像形成装置画像と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第1搬送方向画像と、前記第1画像形成装置画像の排紙側、又は、給紙側と隣り合わせて配置されるとともに、前記第2画像形成装置を示す第2画像形成装置画像と、前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第2搬送方向画像と、を表示するように制御する表示制御手段と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向とを取得する搬送方向情報取得手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記他機の中に、前記表示手段に表示される第1搬送方向画像、又は、前記第2搬送方向画像の何れか一方を並び替えて全ての第1搬送方向画像及び第2搬送方向画像の向きを統一した画像に変更する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の表示装置を備え、上流側又は下流側に、少なくとも用紙搬送機能を持つ他機が連結された画像形成装置である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の表示装置の表示制御として機能させる表示制御プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、請求項5、請求項6記載の発明によれば、用紙の搬送方向が異なる複数の画像形成装置を連結して重連構成のシステムを構築した場合に、各々の画像形成装置の搬送方向画像が、互いに向きあう方向となる、又は、互いに離間する方向となる、といった表示が行われることを抑制することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、表示装置が設けられた画像形成装置の搬送方向画像を、実際の搬送方向に即して表示することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、上流側の画像形成装置の搬送方向画像を、実際の搬送方向に即して表示することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、矢印画像を優先して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態に係る印刷システムの配列パターンを示す概略図である。
【図2】図1の配列パターンの詳細を示す図表である。
【図3】本実施の形態に係る2台の印刷装置の設置状態を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る印刷装置の印刷制御を司る制御系のハード構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態の印刷装置が、通信回線網に接続された場合の通信回線システム構成図である。
【図6】本実施の形態に係る印刷装置に設けられたUIの表示画面の正面図である。
【図7】本実施の形態に係るUIの処理状況表示領域に表示する画像の配列パターンを制御するための機能ブロック図である。
【図8】本実施の形態に係るUIの処理状況表示領域に表示するための流れを示すフローチャートである。
【図9】図8の表示制御における4種類の表示例を示すUIの処理状況領域の正面図である。
【図10】本実施の形態の変形例に係り、自機の印刷装置の搬送方向に沿った矢印の向きに統一して表示する場合のUIの処理状況領域の正面図である。
【図11】1台の印刷装置における記録用紙の処理状況を示すアニメーション画像を示すUIの処理状況領域の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1(A)〜(D)には、本実施の形態に係る印刷処理システム10が示されている。本実施の形態の印刷処理システム10は、2台の印刷装置(印刷装置12と、印刷装置14の組み合わせ)を備えている。以下、印刷装置12、14を区別しないで、総称する場合、或いは何れか一方を指し示す場合に、「印刷装置P」という
2台の印刷装置Pの間には、記録用紙を下流側へ受け渡すための搬送部18が設けられている。
【0019】
2台の印刷装置Pは、一方の印刷装置Pで記録用紙の一方の面(例えば、表(おもて)面)に画像を形成(印刷)し、その後、当該記録用紙を、他方へ送り出し、他方の印刷装置Pで受け取った記録用紙の他方の面(例えば、裏(うら)面)に画像を形成(印刷)する。なお、連帳紙だけでなくカット紙の場合でも、2台の印刷装置Pを直結させることで、同様に、両面印刷可能な構成とすることができる。
【0020】
また、印刷装置Pは、ゼログラフィープリンタとして構成されるが、インクジェットプリンタとして構成してもよい。
【0021】
なお、以下において、「印刷」とは、カット紙や連続紙等の記録紙に対して、トナーやインク等の画形材を印字する処理であり、「プリント」は、「印刷」と同義として使用する。また、「画像形成」は、プリンタに入力される印刷対象の印刷データに対して、ビットマップ形式のデータに変換する処理である、所謂、ラスタライズ処理として用いられる。
【0022】
印刷装置12は、記録用紙を左から右へ搬送する装置であり、印刷装置14は、右から左へ搬送する装置である。この符号12、14は、搬送方向によって区別しており、例えば、異なる機種であるが、搬送方向が左から右である印刷装置Pは、印刷装置12であり、異なる機種であるが、搬送方向が右から左である印刷装置Pは、印刷装置14である。
【0023】
ここで2台の印刷装置Pを連結する場合(重連構成する場合)、同一搬送方向の印刷装置Pを連結する場合と、相反する搬送方向の印刷装置Pを連結する場合とがある。
【0024】
図1(A)は、同一搬送方向の印刷装置Pが連結されたパターンを示しており、この場合、印刷装置12同士が連結された場合である。すなわち、図1(A)の正面視で記録用紙は左から右へ搬送されることになる。
【0025】
図1(B)は、同一搬送方向の印刷装置Pが連結されたパターンを示しており、この場合、印刷装置14同士が連結された場合である。すなわち、図1(B)の正面視で記録用紙は右から左へ搬送されることになる。
【0026】
図1(C)は、異なる搬送方向の印刷装置Pが互いに排紙側が対面して連結されたパターンを示しており、図1(C)の正面視で印刷装置12が左側、印刷装置14が右側に配置され連結された場合である。すなわち、図1(C)の正面視で記録用紙は外側から内側へ搬送される(排紙方向が対向)ことになる。
【0027】
図1(D)は、異なる搬送方向の印刷装置Pが互いに排紙側が相反する向きとなるように連結されたパータンを示しており、図1(D)の正面視で印刷装置12が左側、印刷装置14が右側に配置され連結された場合である。すなわち、図1(D)の正面視で記録用紙は内側から外側へ搬送される(排紙方向が相反する方向)ことになる。
【0028】
図2は、前記図1(A)〜(D)に示す印刷装置Pの配列パターンにおいて、記録用紙を搬送する流れを図表化して示したものである。
【0029】
この図2において、各ブロック毎に2種類の搬送方向(矢印方向参照)が図示されているのは、印刷装置Pの上流側と下流側との相関関係に基づくものである。このような、変則的な搬送パターンが存在するのは、印刷装置Pが物理的に横並びに配列されずに、図3に示すように、印刷装置Pが併設される場合があるためである。なお、図3は、図1(C)の配列パターンの上段の配列パターンの一例となり得るものであり、この図1(C)の配列パターンの場合、2台の印刷装置Pが搬送方向に沿って直線的に配置するのは、現実的には不自然であり、図3のような併設が一般的となる。
【0030】
図4は、本実施の形態における印刷装置Pにおける印刷処理制御を司る、印刷処理制御部22のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0031】
図4に示される如く、印刷処理制御部22は、メインコントロール部24を含んでいる。メインコントロール部24は、CPU26、RAM28、ROM30、I/O(入出力部)32、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス34を有している。
【0032】
CPU26は、RAM28、ROM30等の記憶装置に格納されたプログラムに基づいて所定の処理を実行し、メインコントロール部24の動作を制御する。
【0033】
なお、本実施の形態に係る印刷処理プログラムは、コンピュータに実行させるステップを有している。すなわち、本実施の形態に係るプログラムは、上記説明したメインコントロール部24のハードウェア構成例をコンピュータで実現し、このコンピュータに実行させるステップを有する。ここで、本実施の形態の画像処理プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録されていたり、ネットワークを介して配信されたりするものでもある。
【0034】
I/O32には、画像形成のための搬送系、走査露光系、現像系等の各処理系を制御し、管理するための画像形成制御部35が接続されている。
【0035】
印刷処理制御部22は、I/O32ではなく、直接バス34に接続された構成であってもよい。また、ここでは、画像形成に関する制御を印刷処理制御部22に集約する構成としたが、当該制御をメインコントロール部24で実行する構成であってもよい。
【0036】
また、I/O32には、UI(ユーザー・インターフェイス)36が接続されている。UI36は、ユーザーからの入力指示を受け付け、かつユーザーへ画像形成処理に関する情報を報知する役目を有している。さらに、I/O32には、ハードディスク38が接続されている。また、I/O32は、I/F40を介して通信回線網42に接続されている。
【0037】
なお、印刷依頼情報は、この通信回線網42を介して、印刷処理制御部22へ入力される場合がある。例えば、図5に示される如く、本実施の形態に係る印刷システム10が接続されている通信回線網42には、印刷依頼情報を送出する端末装置44、或いは、印刷依頼情報を集約して管理するサーバー46が接続された通信回線システムを構築してもよい。
【0038】
ここで、本実施の形態では、印刷装置P毎に設けられたユーザーインターフェイス(UI)36に、第1画像形成装置(自身の印刷装置Pであり、以下、「自機」という場合がある)を主体とした、記録用紙の搬送パターン(受け渡しパターン)をグラフィカルに表示するようにしている。
【0039】
図6は、UI36の表示画面の一例(基本表示パターン)である。UI36は、タッチパネル形式であり、命令や情報を入力するための操作部と、各種情報を表示するための表示部とが共存している。
【0040】
このUI36には、その上下方向の中央部に、左右端に渡って横長の処理状況表示領域36Aが設けられている。
【0041】
例えば、印刷システムとして、2台の印刷装置14が連結され、上流側印刷装置14のさらに上流側には給紙装置が配置され、下流側印刷装置14のさらに下流側には、回収装置(共に、図示省略)が配置されており、UI36の処理状況表示領域36Aには、このシステム構成が、グラフィカルに表示されるようになっている。
【0042】
すなわち、UI36の処理状況表示領域36Aは、横長画面であり、右から順に、給紙装置画像54G、上流側印刷装置画像14G、下流側印刷装置画像14G、回収装置画像55Gが表示されている。
【0043】
また、給紙装置画像54Gと上流側印刷装置画像14Gとの間、上流側印刷装置画像14Gと下流側印刷装置画像14Gとの間、下流側印刷装置画像14Gと回収装置画像55Gとの間には、それぞれ左向き直線状の矢印画像56G(基本的には、用紙搬送方向を示す画像である)が表示されている。これは、図2に示す、図1(B)の配列パターン枠の上段に配列パターンに相当する表示画像である。
【0044】
ところで、印刷装置Pは、自機の搬送方向は、もともと認識可能であるが、第2画像形成装置(自身の印刷装置P以外の印刷装置Pであり、以下、「他機」という場合がある)に関しては、設置した後でないと、自機との相対位置関係を認識することができない。また、記録用紙の搬送方向を認識することができない。このため、図6に示したような、UI36の処理状況表示領域36Aに表示される配列パターンに固定されない。
【0045】
なお、以下で示す矢印画像56は、自機の用紙搬送方向を示す方向と、他機の用紙搬送方向を示す方向を忠実に示す場合と、自機と他機で搬送方向が異なる場合、何れか一方からみた搬送方向に変更して表示する場合がある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、自機の印刷装置Pにおいて、設置が完了(相対位置関係が確定)した場合に、自機の役割(上流側か下流側か)、他機の搬送方向(給紙側、排紙側)等の情報を取得し、UI36の処理状況表示領域36Aを編集するようになっている。
【0047】
図7には、前記印刷処理制御部22における、UI36の処理状況表示画面36Aの編集制御のための機能ブロックが示されている。
【0048】
I/F40は、メインコントローラ部24の印刷依頼情報受付部50に接続されている。通信回線網42を介して依頼される印刷依頼情報は、この印刷依頼情報受付部50で受け付ける。
【0049】
印刷依頼情報受付部50は、属性情報/画像情報抽出部52に接続されている。属性情報/画像情報抽出部52では、印刷依頼情報に含まれる属性情報と画像情報とを抽出する。属性情報/画像情報抽出部52は、ラスターイメージ処理部58に接続されている。
【0050】
前記属性情報/画像情報抽出部52で抽出された属性情報及び画像情報は、ラスターイメージ処理部58へ送出される。
【0051】
ラスターイメージ処理部58では、画像情報を属性情報に基づいて印刷するときのイメージデータ(例えば、ビットマップデータ等)に変換するラスターイメージ処理を施し、変換したデータを一時格納部60へ格納する。
【0052】
UI36からは、ラスターイメージ情報出力部69に対して、印刷の実行の可否を決定する信号が送出される。
【0053】
ラスターイメージ情報出力部69では、印刷の実行の指示を受けると、一時格納部60からラスータイメージデータを読み出し、画像形成制御部35へ送出する。また、印刷の実行不可(中止)の指示を受けると、一時格納部60に格納したラスターイメージ情報を消去し、印刷依頼情報を取り消す。
【0054】
一方、I/F40は、自プリンタ機能情報送出部62及び他プリンタ機能情報取得部64に接続されている。
【0055】
自プリンタ機能情報送出部62では、他機である印刷装置Pから情報要求を受け付けると、その返信として自プリンタ機能情報メモリ66から自プリンタ機能情報を読み出して、送出する。
【0056】
また、他プリンタ機能情報送出部64では、他機である印刷装置Pへ情報要求を送出することで、その返信として他プリンタ機能情報を取得する。この自プリンタ機能情報送出部62及び他プリンタ機能情報取得部64により、連結された全ての印刷装置Pは、全ての印刷装置Pの機能情報を共有する。
【0057】
前記他プリンタ機能情報取得部64は、基本表示パターン生成部68に接続されている。この基本表示パターン生成部68には、前記自プリンタ機能情報メモリ66が接続されている。
【0058】
基本表示パターン生成部68は、今回連結される印刷装置Pの画像(12G又は14G)と、それぞれの印刷装置における記録用紙の給紙側及び排紙側の矢印画像56Gとに基づいて、自機の印刷装置画像(12G又は14G)の記録用紙搬送方向を基準として、その上流側又は下流側に他機の印刷装置画像(12G又は14G)を配置すると共に、それぞれの矢印画像56Gをその給紙側及び排紙側に配置した基本画像を生成する。
【0059】
基本画像情報は、比較編集部70へ送出されるようになっている。
【0060】
比較編集部70では、前述した図1(A)〜図1(D)の何れの配列パターンに属するかを判定し、矢印画像56Gの向きが一致するか否かを判定する。
【0061】
この比較編集部70において、矢印画像56Gの向きが全て一致している場合は、基本画像がそのままUI36の処理状況表示領域36Aに表示される画像となり得る。
【0062】
一方、比較編集部70において、矢印画像56Gの向きが一致していない場合は、図2の配列パターンに従い、UI36の処理状況表示領域36Aに表示される画像を編集する。
【0063】
比較編集部70は、UI画面生成部72に接続されている。UI画面生成部72では、前記ラスターイメージ処理部58からの情報を加え、UI36の処理状況表示領域36Aのレイアウトを行い(UI画面情報生成)、UI36へ送出する。UI36では、このUI画面生成部72で生成されたUI画面情報に基づいて、表示制御される。
【0064】
以下に本実施の形態の作用を図8のフローチャートに従い説明する。図8のフローチャートでは、UI36の処理状況表示領域36Aの表示制御に特化する。なお、以下に示すUI36の処理状況表示領域36Aの表示形態(図9参照)において、図6に示した給紙装置画像54Gと回収装置画像55Gを省略する。
【0065】
図8に示される如く、ステップ100では、他機印刷装置機能情報を要求し、ステップ102へ移行して、要求した他機印刷装置から機能情報を取得したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ104へ移行する。
【0066】
ステップ104では、自機印刷装置の機能情報を取得し、次いでステップ106へ移行して印刷装置画像(12G又は14G)と矢印画像56Gとを用いて、基本画像を生成する。この基本画像は、予め定めた情報(デフォルト情報)に基づき、単純に、連結されている印刷装置画像(12G又は14G)と矢印画像56Gにより仮の配列パターンを決定する。
【0067】
次のステップ108では、連結された2台の印刷装置Pの用紙搬送方向が同一か否かが判断される。このステップ108で肯定判定された場合は、ステップ110へ移行して、その同一とされた用紙搬送方向が、右から左であるか、左から右であるかを判定する。
【0068】
ステップ110で用紙搬送方向が右から左であると判定された場合は、ステップ112へ移行して、前記基本画像に基づいて、UI36の処理状況表示領域36Aに表示するための印刷装置画像14Gを編集する。すなわち、上流側印刷装置画像14Gを右側、下流側印刷装置画像14Gを左側に配置する。次いで、ステップ114において、矢印画像56Gを編集する。すなわち、全ての矢印画像56Gを左向きにして、ステップ130へ移行する。なお、本実施の形態では、この形態をデフォルト情報としているため(図6参照)、実質的に、ステップ112、114の編集は実行されず、基本画像のままとなる。
【0069】
また、ステップ110で用紙搬送方向が左から右であると判定された場合は、ステップ116へ移行して、前記基本画像に基づいて、UI36の処理状況表示領域36Aに表示するための印刷装置画像12Gを編集する。すなわち、上流側印刷装置画像12Gを左側、下流側印刷装置画像12Gを右側に配置する。次いで、ステップ118において、矢印画像56Gを編集する。すなわち、全ての矢印画像56Gを右向きにして、ステップ130へ移行する。
【0070】
前記ステップ108で否定判定された場合は、ステップ120へ移行して、上流側の用紙搬送方向が、右から左であるか、左から右であるかを判定する。
【0071】
ステップ120で用紙搬送方向が、右から左であると判定された場合は、ステップ122へ移行して、前記基本画像に基づいて、UI36の処理状況表示領域36Aに表示するための印刷装置画像12G、14Gを編集する。すなわち上流側印刷装置画像14Gを右側、下流側印刷装置画像12Gを左側に配置する。次いで、ステップ124において矢印画像56Gを編集する。すなわち、下流側印刷装置画像12Gに関わる矢印画像をクランク状に編集して、ステップ130へ移行する。
【0072】
また、ステップ120で用紙搬送方向が、左から右であると判定された場合は、ステップ126へ移行して、前記基本画像に基づいて、UI36の処理状況表示領域36Aに表示するための印刷装置画像12G、14Gを編集する。すなわち上流側印刷装置画像12Gを左側、下流側印刷装置画像14Gを右側に配置する。次いで、ステップ128において矢印画像56Gを編集する。すなわち、下流側印刷装置画像12Gに関わる矢印画像56Gをクランク状に編集して、ステップ130へ移行する。
【0073】
ステップ130では、編集が完了した配列パターンに基づいて、UI36の処理状況表示領域36Aに印刷装置画像12G及び/又は14G、矢印画像56Gを表示するように制御し、このルーチンは終了する。
【0074】
上記図8では、4種類の配列パターンに分類されることになる。以下、図9に、それぞれの配列パターンにおけるUI36の処理状況表示領域36Aの表示形態を示す。
【0075】
図9(A)は、最終的に図8のステップ114を経た場合の配列パターンであり、図2に示す、「図1(B)の配列パターンの上段」に相当する。
【0076】
また、図9(B)は、最終的に図8のステップ118を経た場合の配列パターンであり、図2に示す、「図1(A)の配列パターンの上段」に相当する。
【0077】
さらに、図9(C)は、最終的に図8のステップ124を経た場合の配列パターンであり、図2に示す、「図1(C)の配列パターンの下段」に相当する。
【0078】
また、図9(D)は、最終的に図8のステップ128を経た場合の配列パターンであり、図2に示す、「図1(C)の配列パターンの上段」に相当する。
【0079】
図2に示す、残りの配列パターン(「図1(A)の配列パターンの下段」、「図1(B)の配列パターンの下段」、「図1(D)の配列パターンの上段」、「図1(D)の配列パターンの下段」に関しては、変則的な配列であるため、ここでの表示形態の候補から外したが、当然矢印画像56Aを編集して、表示するようにしてもよい。
【0080】
上記図8のフローチャート及び図9のUI36の表示領域36Aに表示した画像は、一例であり、ユーザーに見やすい印象を与える表示形態であれば、他の表示形態を行ってもよい。
【0081】
例えば、同一の重連構成において、ユーザーが操作する印刷装置12が上流側、他機となる印刷装置14が下流側で、この上流側印刷装置12が左から右への記録用紙搬送である場合に、物理的な印刷装置Pの配列に関係なく、当該ユーザーが操作する上流側の印刷装置画像14Gを左側に配置し、その右側に下流側の印刷装置画像14を配置し、矢印画像56Gを右向きの直線で表示する(図10(A)参照)。こうすることで複雑なクランク状の矢印で表示する代わりに、簡素な直線のみで見やすく表示することができる。この場合、下流側の印刷装置14に関わる矢印画像56Gが実際の用紙搬送方向と逆になるが、ユーザーの操作する印刷装置12に関わる矢印画像56Gが正しければ、問題となる可能性は少ない。
【0082】
一方、ユーザーが操作する印刷装置14が下流側、他機となる印刷装置12が下流側で、この下流側印刷装置14が右から左への記録用紙搬送である場合に、物理的な印刷装置Pの配列に関係なく、当該ユーザーが操作する下流側の印刷装置画像14Gを左側に配置し、その右側に上流側の印刷装置画像12Gを配置し、矢印画像56Gを左向きの直線で表示する(図10(B)参照)。こうすることで複雑なクランク状の矢印で表示する代わりに、簡素な直線のみで見やすく表示することができる。この場合、上流側の印刷装置12に関わる矢印画像56Gが実際の用紙搬送方向と逆になるが、ユーザーの操作する印刷装置14に関わる矢印画像56Gが正しければ、問題となる可能性は少ない。
【0083】
なお、本実施の形態では、印刷装置画像12G、14Gと矢印画像56Gの編集を行い、場合によっては、物理的な配置とは異なったり、実際の記録用紙搬送方向と異なる場合もあるが、このような誤解を防止するために、印刷装置P自体での(単独での)記録用紙の搬送方向を、図11(A)、(B)に示すような、3段階のアニメーション画像を併用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 印刷処理システム
12 印刷装置
14 印刷装置
P 印刷装置
18 搬送部
22 印刷処理制御部
24 メインコントロール部
26 CPU
28 RAM
30 ROM
32 I/O
34 バス
35 画像形成制御部
36 UI
38 ハードディスク
40 I/F
42 通信回線網
44 端末装置
46 サーバー
36A 処理状況表示領域
54G 給紙装置画像
12G、14G 印刷装置画像
55G 回収装置画像
56G 矢印画像
50 印刷依頼情報受付部
52 属性情報/画像情報抽出部
58 ラスターイメージ処理部
69 ラスターイメージ情報出力部
60 一時格納部
35 画像形成制御部
62 自プリンタ機能情報送出部
64 他プリンタ機能情報取得部
66 自プリンタ機能情報メモリ
68 基本表示パターン生成部
70 比較編集部
72 UI画面生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対して印刷を行う第1画像形成装置と、前記第1画像形成装置により印刷された用紙に対して印刷を行う第2画像形成装置との少なくとも1つに設けられた表示手段と、
前記表示手段に、前記第1画像形成装置を示す第1画像形成装置画像と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第1搬送方向画像と、前記第1画像形成装置画像の排紙側、又は、給紙側と隣り合わせて配置されるとともに、前記第2画像形成装置を示す第2画像形成装置画像と、前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第2搬送方向画像と、を表示するように制御する表示制御手段と、
前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向とを取得する搬送方向情報取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記搬送方向情報取得手段により取得された前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と、前記第2画像形成装置の搬送方向とが互いに異なる方向である場合に、前記表示手段に表示される第1搬送方向画像、又は、前記第2搬送方向画像のいずれか一方を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段が前記第1画像形成装置に設けられている場合に、前記第2搬送方向画像を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第1画像形成装置が用紙の搬送方向の上流側に設けられている場合に、前記第2搬送方向画像を、逆の搬送方向の画像に変更する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
用紙に対して印刷を行う第1画像形成装置と、前記第1画像形成装置により印刷された用紙に対して印刷を行う第2画像形成装置との少なくとも1つに設けられた表示手段と、
前記表示手段に、前記第1画像形成装置を示す第1画像形成装置画像と、前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第1搬送方向画像と、前記第1画像形成装置画像の排紙側、又は、給紙側と隣り合わせて配置されるとともに、前記第2画像形成装置を示す第2画像形成装置画像と、前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向を示す第2搬送方向画像と、を表示するように制御する表示制御手段と、
前記第1画像形成装置の用紙の搬送方向と前記第2画像形成装置の用紙の搬送方向とを取得する搬送方向情報取得手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記他機の中に、前記表示手段に表示される第1搬送方向画像、又は、前記第2搬送方向画像の何れか一方を並び替えて全ての第1搬送方向画像及び第2搬送方向画像の向きを統一した画像に変更する制御を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の表示装置を備え、
上流側又は下流側に、少なくとも用紙搬送機能を持つ他機が連結された画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の表示装置の表示制御として機能させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−197574(P2011−197574A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66905(P2010−66905)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】