説明

表示装置、表示方法、およびプログラム

【課題】オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示できる表示装置を提供する。
【解決手段】保持部170がオブジェクトとオブジェクトが属するグループを保持し、操作受付部110において第1のオブジェクトと第2のグループとを対応付ける操作が行われたと操作判定部120が判定した場合に、共通属性抽出部130が第1のオブジェクトが属する第1のグループに属する複数のオブジェクト間で属性値が共通な共通属性を抽出し、類似度判定部140が第1のオブジェクトと第2のグループに属する第3のオブジェクトとの類似度を判定し、類似度が所定以上であった場合に分類部150が第1のオブジェクトと第3のオブジェクトを同一のグループに分類し、提示部160が分類結果を表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像や文書等のオブジェクトを表示する表示装置、表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影年月日に基づいて撮影画像を自動的にフォルダに振り分けて分類するカメラが商品化されてきた。また、撮影年月日ごとに分類されている撮影画像の中から撮影年月日とは異なる別の属性に基づいて互いに類似な類似画像を抽出して表示する技術が提案されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示されている装置は、撮影年月日ごとに分類された画像の中から特定の人物が写っている画像のみを抽出して表示するものである。すなわち上記装置は、「撮影年月日」という属性に基づいて複数のグループに分類されたオブジェクトから「特定の人物が写っているかどうか」という別の属性に基づいて互いに類似なオブジェクトを抽出して表示するものである。
【0004】
特許文献1に開示されている技術によれば、撮影年月日という観点で画像を分類して得られた複数のグループから特定の人物が写っているかどうかという別の観点で互いに類似な画像を抽出して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−077445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の技術にあっては、「特定の人物が写っているかどうか」というあらかじめ定められた観点で類似オブジェクトを抽出することはできるものの、あらかじめ定められた観点とは異なる別の観点(たとえば「特定の場所で撮影されたかどうか」)で類似オブジェクトを抽出し表示することができなかった。
【0007】
あらかじめ定められた観点とは異なる種々の観点で類似オブジェクトを抽出することを可能にするには、利用者がメニュー等で属性を選択して観点を明示的に指示する方法が考えられる。しかしながら上記方法にあっては、属性を選択する操作が煩わしいという課題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、複数の属性と前記属性に対応する属性値とを有する第1、第2、及び第3のオブジェクトと、前記第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、前記第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持する保持部と、操作を受け付ける操作受付部と、前記操作が前記第1のオブジェクトを前記第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定する操作判定部と、前記第1及び第2のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い共通属性を前記複数の属性から抽出する共通属性抽出部と、前記操作判定部が前記対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する類似度判定部と、前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類する分類部と、前記第1及び第3のオブジェクトが前記第3のグループに属していることを表示する表示部と、を具備する。
【0010】
上記構成によれば、利用者によって第1のオブジェクトと第2のグループとを対応付ける対応付け操作が行われた場合に、第1のグループに属する複数のオブジェクト間で属性値が共通である共通属性を除いた属性に基づいて、第2のグループに属するオブジェクトから第1のオブジェクトと類似なオブジェクトが抽出されて表示される。
【0011】
すなわち、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう共通属性(すなわち分類の基準となった観点)とは異なる別の属性(すなわち分類の基準となった観点とは別の観点)に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが第2のグループから抽出される。このとき、類似オブジェクトの抽出に用いる属性は第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。
【0012】
したがって、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示することができる。
【0013】
また、上記構成によれば、利用者が第1のオブジェクトを第1のグループとは異なる第2のグループに対応付ける対応付け操作に基づいて類似オブジェクトが抽出される。このとき、第1のオブジェクトが属している第1のグループと異なる第2のグループ(すなわち、第1のグループの「外」)に第1のオブジェクトを対応付ける操作は、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に基準となった観点とは別の観点(すなわち、観点の「外」)で再分類する処理を連想しやすい。
【0014】
したがって、操作と処理内容との対応を利用者が直感的に把握しやすい。
【0015】
また、上記構成によれば、第1のオブジェクトの類似オブジェクトの抽出に用いる属性は、第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。このとき、利用者が気づいていない意外な属性値の共通性に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出されることが起こり得る。
【0016】
したがって、利用者が気づいていない意外な共通点を有するオブジェクトのグループを得ることができ、分類結果が面白味のあるものとなる。
【0017】
また、本発明の表示装置は、前記共通属性を第1の共通属性とし、前記保持部は、前記第2のグループに属する第4のオブジェクトを保持し、前記共通属性抽出部は、前記第3及び第4のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第2の共通属性を前記複数の属性から抽出し、前記類似度判定部は、前記複数の属性のうち前記第1の共通属性及び前記第2の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する。
【0018】
上記構成によれば、第1のグループに属しているオブジェクト間で属性値が共通である第1の共通属性、および第2のグループに属しているオブジェクト間で属性値が共通である第2の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0019】
すなわち、第1のグループの分類の基準となった観点とも、第2のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0020】
したがって、既存のグループに分類する際に用いた複数の観点とは異なる別の観点に基づいた類似オブジェクトを抽出することができるので、利用者にとってより意外な共通点を有するオブジェクトのグループを得ることができ、分類結果の意外性や面白味が増す。
【0021】
また、上記構成によれば、類似オブジェクトの抽出に用いる属性(すなわち別の観点)は第1のグループに属するオブジェクトが有する属性、および第2のグループに属するオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。
【0022】
したがって、第1のグループの分類の基準となった観点とも、第2のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトを抽出する際、別の観点を明示的に指示する手間を省くことができる。
【0023】
また、本発明の表示装置は、前記保持部は、前記第3のグループを保持する。
【0024】
上記構成によれば、対応付け操作に基づくオブジェクトの分類によって得られた第3のグループが保持部に保持される。したがって、利用者が分類結果を後ほど確認することができるようになる。また、後の分類作業の対象として第3のグループまたは第3のグループに分類されたオブジェクトを再利用することが可能となる。
【0025】
また、本発明の表示装置は、前記共通属性を第1の共通属性とし、前記保持部は、前記第1のオブジェクトが前記操作の以前に属していた第4のグループと、前記第4のグループに属する第5のオブジェクトと、を保持し、前記共通属性抽出部は、前記第1及び第5のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第3の共通属性を前記複数の属性から抽出し、前記操作判定部が前記対応付け操作であると判定した場合に、前記類似度判定部は、前記複数の属性のうち前記第1及び第3の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する。
【0026】
上記構成によれば、第4のグループに属しているオブジェクトに共通な第3の共通属性、及び第1のグループに属しているオブジェクトに共通な第1の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0027】
すなわち、第1のオブジェクトが現在属しているグループの分類の基準となった観点とも、第1のオブジェクトが以前属していたグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1オブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0028】
したがって、オブジェクトをグループに分類する作業を繰り返し行うことにより、過去に分類の基準として用いた観点とは異なる新たな観点に基づいて類似オブジェクトを抽出して表示することが可能となる。これにより、分類作業を繰り返しても分類の基準として用いる観点の固定化を避けることができ、分類結果の意外性が持続され面白味が増す。
【0029】
また、本発明の表示装置は、前記操作を第1の操作とし、前記対応付け操作を第1の対応付け操作とし、前記共通属性を第1の共通属性とし、前記保持部は、第6のオブジェクトと、前記第6のオブジェクトが属する第5のグループと、を保持し、前記操作受付部は、前記表示部が前記第3のグループを表示した後に第2の操作を受け付け、前記共通属性抽出部は、前記第1及び第3のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第4の共通属性を前記複数の属性から抽出し、前記操作判定部は、前記第2の操作が前記第1のオブジェクトを第5のグループに対応付ける第2の対応付け操作であるかどうかを判定し、前記類似度判定部は、前記操作判定部が前記第2の対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記第1の共通属性及び前記第4の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第6のオブジェクトとの類似度を判定し、前記分類部は、前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第6のオブジェクトとを第6のグループに属するように分類し、前記表示部は、前記第1及び第6のオブジェクトが前記第6のグループに属していることを表示する。
【0030】
上記構成によれば、第1のグループに分類された第1のオブジェクトを第2のグループに対応付ける1度目の対応付け操作が行われた後、第3のグループに分類された第1のオブジェクトを第5のグループに対応付ける2度目の対応付け操作が行われると、第1のグループに属しているオブジェクトに共通な第1の共通属性、及び第3のグループに属しているオブジェクトに共通な第4の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0031】
すなわち、2度目の対応付け操作により、第1のオブジェクトが現在属している第3のグループの分類の基準となった観点とも、第1のオブジェクトが以前属していた第1のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1オブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0032】
したがって、オブジェクトをグループに分類する作業を繰り返し行うことにより、過去に分類の基準として用いた観点とは異なる新たな観点に基づいて類似オブジェクトを抽出して表示することが可能となる。これにより、分類作業を繰り返しても分類の基準として用いる観点の固定化を避けることができ、分類結果の意外性が持続され面白味が増す。
【0033】
また、本発明の表示方法は、複数の属性と前記属性に対応する属性値とを有する第1、第2及び第3のオブジェクトと、前記第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、前記第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持する保持ステップと、
操作を受け付ける操作受付ステップと、前記操作が前記第1のオブジェクトを前記第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定する操作判定ステップと、前記第1及び第2のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い共通属性を前記複数の属性から抽出する共通属性抽出ステップと、前記操作判定ステップにおいて前記対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する類似度判定ステップと、前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類する分類ステップと、前記第1及び第3のオブジェクトが前記第3のグループに属していることを表示する表示ステップと、を具備する。
【0034】
上記手順によれば、利用者によって第1のオブジェクトと第2のグループとを対応付ける対応付け操作が行われた場合に、第1のグループに属する複数のオブジェクト間で属性値が共通である共通属性を除いた属性に基づいて、第2のグループに属するオブジェクトから第1のオブジェクトと類似なオブジェクトが抽出されて表示される。
【0035】
すなわち、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう共通属性(すなわち分類の基準となった観点)とは異なる別の属性(すなわち分類の基準となった観点とは別の観点)に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが第2のグループから抽出される。このとき、類似オブジェクトの抽出に用いる属性は第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。
【0036】
したがって、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示することができる。
【0037】
また、上記手順によれば、利用者が第1のオブジェクトを第1のグループとは異なる第2のグループに対応付ける対応付け操作に基づいて類似オブジェクトが抽出される。このとき、第1のオブジェクトが属している第1のグループと異なる第2のグループ(すなわち、第1のグループの「外」)に第1のオブジェクトを対応付ける操作は、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に基準となった観点とは別の観点(すなわち、観点の「外」)で再分類する処理を連想しやすい。
【0038】
したがって、操作と処理内容との対応を利用者が直感的に把握しやすい。
【0039】
また、上記手順によれば、第1のオブジェクトの類似オブジェクトの抽出に用いる属性は、第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。このとき、利用者が気づいていない意外な属性値の共通性に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出されることが起こり得る。
【0040】
したがって、利用者が気づいていない意外な共通点を有するオブジェクトのグループを得ることができ、分類結果が面白味のあるものとなる。
【0041】
また、本発明のプログラムは、前記手順を表示装置に実行させる。
【0042】
上記プログラムによれば、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示することができるよう表示装置を動作させることができる。
【0043】
また、上記プログラムによれば、操作と処理内容との対応を利用者が直感的に把握しやすいよう表示装置を動作させることができる。
【0044】
また、上記プログラムによれば、分類結果が面白味のあるものとなるよう表示装置を動作させることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示することができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の詳細構成図
【図3】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末における属性情報の例を表す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の処理手順を表すフローチャート
【図5A】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図5B】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図5C】本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図6】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末の処理手順を表すフローチャート
【図7A】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図7B】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図7C】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図8】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の詳細構成図
【図9】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の処理手順を表すフローチャート
【図10A】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図10B】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図10C】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図11A】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図11B】本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末の動作例を説明する図
【図12】本発明の実施の形態4に係るフォトフレームの詳細構成図
【図13】本発明の実施の形態4に係るフォトフレームの処理手順を表すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態4に係るフォトフレームの処理手順を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を説明するための各図面において、同一の構成要素には同一符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1の概略構成を示す図である。図1において携帯電話端末1は、操作受付部110、操作判定部120、共通属性抽出部130、類似度判定部140、分類部150、表示部161、及び保持部170を具備する。
【0049】
操作受付部110は、利用者の操作を受け付けて操作内容を示す操作信号を出力する。操作判定部120は、操作信号に基づいて、操作受付部110が受け付けた操作が「対応付け操作」であるかどうかを判定する。ここでいう「対応付け操作」とは、オブジェクトをグループに対応付ける操作を指す。操作判定部120は、対応付け操作であると判定した場合、対応付けられたオブジェクト(第1のオブジェクト)を識別するID、およびグループ(第2のグループ)を識別するIDを出力する。
【0050】
ここで、「オブジェクト」とは、画像、音声、文書、メッセージ、データ、プログラム等、ひとかたまりのデータとして管理される対象を指す。情報処理装置上でファイル単位で管理されるデータは「オブジェクト」に相当する。
【0051】
また、「グループ」とは、オブジェクトが分類される単位を指す。ファイルやメッセージを格納する「フォルダ」は「グループ」のひとつの例である。なお、グループもひとかたまりのデータとして管理されるものであり、オブジェクトとして他のグループに分類することもできる。たとえば、フォルダをサブフォルダとして他のフォルダに格納する場合がその例である。
【0052】
操作受付部110は、たとえばペン、マウス、キーボード、タッチパッド、タブレット、タッチパネル等の入力デバイスと、入力デバイスを駆動するためのドライバソフトウェア、ウインドウシステム等のソフトウェア等を用いて実装される。また、音声入力や視線入力等のデバイスを用いて実装することも可能である。
【0053】
共通属性抽出部130は、操作判定部120が出力した第1のオブジェクトのID、属性情報、および分類情報に基づいて第1のオブジェクトが属する第1のグループに共通なオブジェクトの属性(=共通属性)を抽出する。
【0054】
属性情報は、オブジェクトが有する属性および属性値を表す情報である。ここで、「属性」と「属性値」は、オブジェクトに付与されているメタデータ、もしくはオブジェクトが有する特徴や性質を表す情報である。たとえばオブジェクトが画像の場合、撮影画像にメタデータとして付与される「撮影日時」、「撮影場所」等が「属性」であり、それぞれの属性の値である「2010年9月8日」、「北緯35度東経139度」が「属性値」となる。
【0055】
画像以外にも、動画、音声、音楽データ、文書、メッセージなどに付与されているメタデータ(たとえば、再生時間、ジャンル、アーティスト、アルバム、サイズ、発信者、受信者、発信日時、受信日時、件名など)を「属性」および「属性値」として利用することができる。
【0056】
また、オブジェクトの内容を分析することにより得られるオブジェクトの特徴や性質も属性情報となりえる。たとえばオブジェクトが画像ならば、画像解析によって得られる「特定の人物が写っているかどうか」、「人物が何人写っているか」等の情報が「属性」であり、それぞれの属性の値「YES」、「5人」が「属性値」となる。
【0057】
また、オブジェクトが音声ならば音声分析によって得られる発声者の性別、発声速度、発声間隔、あるいは音声認識によって抽出したキーワードに基づいて生成した属性と属性値が属性情報となりえる。また、オブジェクトが音楽データであれば音響分析によって得られるテンポ、ビートの間隔、曲の印象等に基づいて生成した属性と属性値が属性情報になりえる。オブジェクトが文書やメッセージの場合であれば、自然言語分析によってキーワードやテーマ等を抽出し、抽出結果に基づいて生成した属性と属性値を属性情報とするようにしてもよい。
【0058】
分類情報とは、オブジェクトがどのグループに属しているかを示す情報である。
【0059】
共通属性抽出部130は、第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性の属性値に基づいて第1のグループの共通属性を抽出する。より具体的には、たとえば、複数のオブジェクトが有する属性値が一致しているオブジェクトの個数(あるいは一致しているオブジェクトがグループに属するオブジェクトに占める割合)が所定以上である属性を共通属性として抽出する。
【0060】
なお、共通属性抽出部130が共通属性を抽出する方法は、上記方法に限ることはなく、属性値の共通性が高い属性を抽出する方法であればどのような方法であってもよい。たとえば、属性値の分散が所定値より小さい属性を共通属性としてもよい。このとき、第1のグループに属するオブジェクトにおける属性値の分散と、全オブジェクト(あるいは、属するグループに依存せずランダムに抽出した所定数のオブジェクト)における属性値の分散とに所定の演算を施すことにより、分散が相対的に小さいことを判定するようにしてもよい。あるいは、属性値の理論的な上限値と下限値との差と属性値の分散とに所定の演算を施した結果に基づいて属性値の共通性が高い属性を抽出するようにしてもよい。
【0061】
なお、共通属性抽出部130はグループに属するオブジェクトの個々の属性値に基づいて共通属性を抽出することは必須ではない。オブジェクトがグループに属するための条件をグループごとに予め規定しておき、共通属性抽出部130がグループに規定された属性値の条件を参照してグループに属するオブジェクトの共通属性を抽出するようにしてもよい。
【0062】
具体的には、「オブジェクトの属性1の属性値が値1から値2の範囲にあることが第1のグループに属するための条件である」等の属性値の条件をあらかじめ規定しておき、共通属性抽出部130が上記規定から得られる属性1の属性値の範囲(値1、値2)に基づいて第1のグループに属する複数のオブジェクト(第1のグループに将来属するであろうオブジェクトを含む)が有する属性1の属性値の共通性を判断するようにしてもよい。
【0063】
なお、ここで属性値の条件をグループに規定する方法は特に限定されるものではない。たとえば、グループに付与された識別子(フォルダの場合ならフォルダ名等)に条件を記述することによって規定してもよいし、条件の記述をメタデータまたはプロパティとしてグループに付与することによって規定してもよい。あるいはテーブル等のデータを別途設けて属性値の条件をグループごとに記述することによって規定するようにしてもよい。
【0064】
オブジェクトがグループに属するための条件がグループに規定されている場合、共通属性抽出部130が共通属性を抽出する時点で複数のオブジェクトが実際にグループに属している必要はない。なぜならば、共通属性抽出部130はグループに規定されている属性値の条件に基づいて共通属性を抽出するので、グループに実際に属しているオブジェクトがたとえ1個以下の場合であっても共通属性を抽出することができるからである。
【0065】
類似度判定部140は、共通属性抽出部130が抽出した共通属性、操作判定部120が出力した第1のオブジェクトのIDと第2のグループのID、属性情報、および分類情報に基づいて第2のグループに属するオブジェクト(=第3のオブジェクト)と第1のオブジェクトとの類似度を判定し、第1及び第3のオブジェクトを識別するID、および類似度判定結果を出力する。
【0066】
このとき、類似度判定部140は、オブジェクトが有する属性のうち共通属性を除いた属性に基づいて第1のオブジェクトと第3のオブジェクトの類似度を判定する。類似度は、第1のオブジェクトが有する属性(共通属性を除く)と第3のオブジェクトが有する属性(共通属性を除く)のうち、属性値が互いに一致している属性の個数(あるいは属性値が一致している属性が占める割合)に基づいて判定する。
【0067】
なお、類似度の判定方法は上記の方法に限定されるものではない。たとえば、オブジェクトが有する各属性を次元とし、各属性の属性値を値とするベクトルを類似度判定部140がそれぞれ第1及び第3のオブジェクトについて生成し、ベクトル同士の距離(たとえばユークリッド距離)を計算することにより類似度を判定するようにしてもよい。
【0068】
なお、共通属性を除いた属性に基づいて類似度を判定することは、共通属性の属性値をまったく無視して類似度を判定することを必ずしも意味しない。類似度の判定において共通属性の属性値が一致するかどうか(もしくは属性値が近いかどうか)が類似度の判定結果に与える影響を小さくするだけでよい。たとえば、共通属性以外の属性値が一致している場合に一致している個数を1カウント増加させるのに対して、共通属性の属性値が一致している場合に一致している個数を1未満(たとえば0.5)カウント増加させるようにして互いに一致している属性の個数を集計するようにしてもよい。
【0069】
また、類似度判定部140が、単位行列の対角要素のうち共通属性に対応する次元の値を1未満(たとえば0.5)とした修正行列を生成し、第1及び第3のオブジェクトについて生成したベクトルに乗ずることにより、共通属性の属性値が類似度の判定に与える影響を小さくするようにしてもよい。
【0070】
また、共通属性抽出部130が第1のグループに属するオブジェクトにおける属性値の分散を求め、類似度判定部140が属性値の分散に応じて修正行列を生成するようにしてもよい。このとき、類似度判定部140は、属性値の分散が小さいほどその属性に対応する次元に配する修正行列の要素を小さくするようにしてもよい。
【0071】
なお、類似度判定部140は、第1及び第3のオブジェクトの共通属性の属性値が互いに近いほど類似度が小さいと判定するようにしてもよい。具体的には、たとえば共通属性が一致している場合に、一致している属性の個数のカウントを減少させるようにしてもよい。あるいは、属性ごとの属性値の差の2乗値の合計に基づいて類似度を判定する場合は、共通属性に対応する2乗値に小さな係数(たとえば負値)を乗じた後に合計するようにしてもよい。これにより、分類部150は、オブジェクトの分類の基準となった観点と異なる別の観点での類似性をより重視した類似オブジェクトを同一のグループに分類することができる。したがって、分類結果がより面白味のあるものになる。
【0072】
分類部150は、類似度判定部140が判定した類似度が所定以上である場合に第1のオブジェクトIDで示される第1のオブジェクトと第3のオブジェクトIDで示される第3のオブジェクトとが第3のグループに属するように分類する。このとき分類部150は、類似度と所定値を比較することにより、第3のオブジェクトを第3のグループに属するよう分類するかどうかを決定する。
【0073】
なお、分類部150がオブジェクトを第3のグループに属するように分類するかどうか決定する方法は上記方法に限定されない。分類部150は、第2のグループに属するオブジェクトのうち類似度の高いオブジェクトを所定数選んで第3のグループに属するように分類するようにしてもよい。
【0074】
提示部160は、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることを利用者に認知可能に提示する。より具体的には、第3のグループを表す画面上の所定領域内に第1及び第3のオブジェクトを表す表示(オブジェクトの名称、シンボル、アイコン、サムネイルなど)を表示する。たとえば、提示部160は、第1のオブジェクトを表す表示(オブジェクトの名称、画像、シンボル、アイコン、サムネイルなど)の近傍に第3のオブジェクトを表す表示を配置することにより、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることを提示する。
【0075】
なお、提示部160の提示方法は、上記方法に限定されることはなく、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることが認知できればどのような表示であってもよい。たとえば、第3のグループを表すウインドウ等の閉領域内に第1及び第3のオブジェクトを表す表示を配置する方法でもよい。また、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることをアニメーションまたは文字列または音または音声を用いて利用者に説明するようにしてもよい。
【0076】
提示部160は、ディスプレイやプロジェクタ等の表示デバイスと、表示デバイスを駆動するためのデバイスドライバ、ウインドウシステム等のソフトウェアを用いて実装することが可能である。また、スピーカー、ヘッドホン、イヤホン等の音声出力デバイス、または触覚出力デバイスを用いて実装することも可能である。
【0077】
保持部170は、オブジェクトおよびグループに関する情報(具体的には、分類情報、属性情報)を保持する。保持部170は、たとえばメモリー、メモリーカード、ハードディスク等の記憶メディアを用いて実装される。
【0078】
また、操作判定部120、共通属性抽出部130、類似度判定部140、および分類部150は、CPU(Central Processing Unit)上で動作するプログラムを用いて実装することが可能である。
【0079】
図2は、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1の構成をさらに具体的に説明する詳細構成図である。図2において携帯電話端末1は、図1に示す携帯電話端末1の構成に加えてカメラ181、環境情報取得部182、および属性値付与部191を具備する。また、携帯電話端末1は操作受付部110、保持部170としてそれぞれタッチパネル111、メモリ171を具備する。さらに、表示部161の表示結果はタッチパネル111の画面上に表示されるよう構成されている。
【0080】
メモリ171は分類情報、属性情報に加えて表示情報を保持する。また、操作判定部120は、メモリ171が保持する表示情報に基づいて、タッチパネル111が受け付けた操作が「対応付け操作」であるかどうかを判定する。さらに、表示部161は、メモリ171が保持する表示情報を更新するよう構成されている。
【0081】
ここで、表示情報とは、オブジェクトまたはグループを表す表示(画像、ウインドウ、シンボル、アイコン、サムネイルなど)が表示部161の画面上でどのような位置関係にあるかを示す情報である。たとえばウインドウの原点(左上の点)が画面上のどの座標にあるか、アイコンの幅と高さ、などは表示情報の例である。操作判定部120は、操作信号が示す操作位置または操作位置の変化と表示情報とを比較することにより、オブジェクトとグループとを対応付ける対応付け操作(たとえば、オブジェクトを示すサムネイルをドラッグしてグループを示すアイコンに近付ける操作)が行われたかどうかを判定するのである。
【0082】
また、表示部161は、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることを表示した結果、第1及び第3のオブジェクトが表示されている位置が変化した場合に表示情報を更新する。また、第3のグループを示す表示(画像、ウインドウ、シンボル、アイコン、サムネイルなど)を生成・更新する場合には、表示部161は、第3のグループの表示情報も生成・更新する。
【0083】
カメラ181は、撮影した撮影画像を出力する。また、カメラ181は、撮影した際のカメラの設定に基づいて撮影情報を出力する。カメラ181は、たとえばシーンモード(人物/風景/スポーツ/グローズアップ、など)、シャッタースピード、絞り、焦点距離等を撮影情報として出力する。
【0084】
環境情報取得部182は、環境を表す情報を取得して環境情報を出力する。たとえば日付、時刻、緯度、経度、高度、速度などが環境情報の例である。環境情報取得部182は、たとえば時計、GPS(Global Positioning System)等により構成される。また、環境情報取得部182は、センサを利用して温度、湿度、気圧、音圧レベル、照度、カメラの仰角や方角等を環境情報として出力するようにしてもよい。
【0085】
属性付与部191は、環境情報取得部182が出力した環境情報に基づいて、カメラ181が撮影した撮影画像のメタデータを生成し、撮影画像(すなわちオブジェクト)の属性および属性値として撮影画像に付与する。属性付与部191は、属性を付与した撮影画像を画像ファイルとして出力し、メモリ171が画像ファイルを保持する。
【0086】
図3は、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1における属性情報の例を表す図である。図3において属性情報T170は、表形式のデータとなっている。属性情報T170は、オブジェクトID(フィールドF1701)ごとのレコードから成っている。また、属性情報T170の各レコードは、オブジェクトが有する属性を表すフィールド「撮影日」(フィールドF1702)、「撮影場所」(フィールドF1703)、および「シーンモード」(フィールドF1704)から成り、各レコードのフィールドにそれぞれの属性の属性値が格納されている。
【0087】
属性情報T170において属性「撮影日」は、オブジェクトIDが示す撮影画像(すなわちオブジェクト)が撮影された日を表す。また、属性「撮影場所」は、オブジェクトIDが示す撮影画像が撮影された場所を表しており、属性値は緯度と経度で表される。さらに、属性「シーンモード」はオブジェクトIDが示す撮影画像が撮影された際に利用者がどの撮影モードを選んで撮影したのかを表す。
【0088】
属性情報T170に示す属性「撮影日」および「撮影場所」は、図2における環境情報取得部182が出力する環境情報に基づいて属性付与部191が撮影画像に付与した属性である。また、属性「シーンモード」は、図2におけるカメラ181が出力する撮影情報に基づいて属性付与部191が撮影画像に付与した属性である。
【0089】
属性情報T170は、たとえばオブジェクトID「b1」が示す撮影画像が、2010年1月1日に北緯35度・東経139度の場所において人物モードで撮影されたことを示している。
【0090】
図4は、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1の処理手順を表すフローチャートである。はじめに、メモリ171が保持するオブジェクトとグループの状態を表示部161が表示する(ステップS1610)。次に、タッチパネル111が利用者の操作を受け付ける(ステップS1110)。続いて、ステップS1110において受け付けられた操作を操作判定部120が判定する(ステップS1210)。
【0091】
ここでステップS1210における判定結果が「対応付け操作」である場合は(ステップS1220,YES)、ステップS1230の処理へ進む。一方、ステップS1210における判定結果が「対応付け操作」でない場合は(ステップS1220,NO)、ステップS1610へ戻る。ステップS1230において操作判定部120は、対応付け操作が行われたオブジェクトx1(第1のオブジェクト)及び、対応付け操作が行われたグループG2(第2のグループ)を出力する。
【0092】
次に共通属性抽出部130は、メモリ171が保持している分類情報に基づいて、ステップS1230において出力されたオブジェクトx1(第1のオブジェクト)が属しているグループG1(第1のグループ)を求める(ステップS1310)。さらに共通属性抽出部130は、第1のグループG1に属するオブジェクトが有する属性のうち属性値に共通性のある共通属性を抽出する(ステップS1330)。
【0093】
続くステップS1410〜ステップS1440の処理において携帯電話端末1は、ステップS1330において抽出された共通属性に基づいて、第1のオブジェクトx1と類似であるオブジェクトを第2のグループG2から抽出して第3のグループG3に分類する。
【0094】
まず、類似度判定部140が第2のグループG2に属する最初のオブジェクトx3(第3のオブジェクト)を抽出する(ステップS1410)。次に、類似度判定部140は、第1のオブジェクトx1及び第3のオブジェクトx3が有する属性のうち、ステップS1330において抽出された共通属性を除く属性の属性値に基づいて第1のオブジェクトx1と第3のオブジェクトx3との類似度Lを計算する(ステップS1420)。
【0095】
続いて、分類部150は、ステップS1420において計算された類似度Lを所定の類似度Loと比較した結果に基づいて処理を分岐する(ステップS1510)。類似度Lが所定の類似度Lo以上の場合(ステップS1510,,YES)、分類部150はステップS1520へ処理を進める。一方、類似度Lが所定の類似度Lo未満の場合(ステップS1510,NO)、分類部150はステップS1430へ処理を進める。
【0096】
ステップS1510において類似度Lが所定の類似度Lo以上であると判定された場合(ステップS1510,YES)、分類部150は、第1のオブジェクトx1と第3のオブジェクトx3を共に第3のグループG3に分類する(ステップS1520)。そして、表示部161は、第1のオブジェクトx1と第3のオブジェクトx3が第3のグループG3に分類されていることを表示する(ステップS1610)。
【0097】
続いて、類似度判定部140は、第3のオブジェクトx3が第2のグループに属している最後のオブジェクトであるかどうかを判定する(ステップS1430)。第3のオブジェクトx3が第2のグループに属している最後のオブジェクトである場合(ステップS1430,YES)、類似度判定部140はステップS1110へ処理を進める。
【0098】
一方、第3のオブジェクトx3が第2のグループに属している最後のオブジェクトでない場合(ステップS1430,NO)、類似度判定部140が第2のグループG2に属する次のオブジェクト(第3のオブジェクト)x3を抽出してステップS1420へ処理を戻す。携帯電話端末1はステップS14120〜ステップS1440の処理を繰り返すことにより、第2のグループG2に属している類似オブジェクトを複数抽出して第1のオブジェクトとともに第3のグループG3に分類し表示することになる。
【0099】
なお、図4に示すフローチャートでは、操作判定部120が対応付け操作が行われたことを判定した(ステップS1210〜ステップS1220)後に共通属性抽出部130が共通属性を抽出(ステップS1330)しているが、この順序で処理を行う必然性はない。共通属性は、類似度判定部140による類似度計算(ステップS1420)の時点で抽出されていればよい。したがって、たとえばタッチパネル111による操作受け付け(ステップS1110)、あるいは操作判定部120による操作判定(ステップS1210、またはステップS1220)に先立って、予め共通属性抽出部130が各グループの共通属性を抽出しておくようにしてもよい。
【0100】
なお、ステップS1110〜ステップS1230の処理は、公知のウインドウシステムが有するイベント通知の機能を用いて簡易に実現できる。たとえば、グループを表すウインドウ(アイコンなどを含む)に対してオブジェクトがドラッグされたことを示すイベントをウインドウシステムが共通属性抽出部130または類似度判定部140へ通知することにより、オブジェクトとグループとの対応付け操作が行われた際の処理を開始するようにしてもよい。
【0101】
図5A、図5B、および図5Cは、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1の動作例を説明する図である。以下、図5A〜図5Cを中心に用いて、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1の動作を説明する。
【0102】
図5Aは、図4に示すフローチャートのステップS1610において表示部161がオブジェクトとグループを表示した状態である。グループg1には、オブジェクトb1、オブジェクトb2−1、オブジェクトb2−2、およびオブジェクトb2−3が属している。また、グループg2には、オブジェクトb3−1、オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1が属している。
【0103】
図5Bは、図5Aに示す状態において利用者がオブジェクトb1をグループg2に対応付ける対応付け操作を行った状態を示している。利用者はタッチパネル111を操作することにより、グループg1に属しているオブジェクトb1をドラッグし、グループg2に近付け、さらにオブジェクトb1をグループg2を示す領域の上を通過させている。ここでマーカmは、タッチパネル111上での利用者の操作位置を表すマーカである。
【0104】
このとき、携帯電話端末1は、図4に示すフローチャートのステップS1110〜ステップS1440の処理を実行する。まず、ステップS1110においてタッチパネル111が受け付けた操作は、ステップS1210において操作判定部120により「対応付け操作」であると判定されステップS1220の判断は「YES」となり、処理はステップS1230〜ステップS1310へ進む。
【0105】
ステップS1230において操作判定部120は、ドラッグしたオブジェクトb1を第1のオブジェクトx1、オブジェクトb1を近づけたグループg2を第2のグループG2とする。次に、ステップS1310において共通属性抽出部130は、グループg1に属するオブジェクトb1、オブジェクトb2−1、オブジェクトb2−2、およびオブジェクトb2−3を分類情報に基づいて抽出する。さらに、ステップS1330において共通属性抽出部130は、図3に示す属性情報T170に基づいてオブジェクトb1、オブジェクトb2−1、オブジェクトb2−2、およびオブジェクトb2−3の共通属性を抽出する。
【0106】
属性情報T170において、オブジェクトb1、オブジェクトb2−1、オブジェクトb2−2、およびオブジェクトb2−3は、属性「撮影場所」、「シーンモード」の属性値がそれぞれ異なっているのに対し、属性「撮影日」の属性値はともに「2010/01/01」となっており共通である。したがって、ステップS1330において共通属性抽出部130は、属性「撮影日」を共通属性として抽出する。
【0107】
続いて、類似度判定部140は、ステップS1410においてグループg2に属するオブジェクトb3−1、オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1のうち、最初のオブジェクトb3−1を第3のオブジェクトx3とする(ステップS1410)。
【0108】
さらに類似度判定部140は、共通属性「撮影日」および図3に示す属性情報T170に基づいてオブジェクトb1とオブジェクトb3−1との類似度を判定する(ステップS1420)。
【0109】
ここで、属性情報T170において、オブジェクトb1の属性「撮影日」、「撮影場所」、「シーンモード」の属性値はそれぞれ「2010/01/01」、「N35°E139°」、「人物」となっている。また、オブジェクトb3−1の属性「撮影日」、「撮影場所」、「シーンモード」の属性値はそれぞれ「2000/01/01」、「N35°E141°」、「人物」となっている。
【0110】
ステップS1420において類似度判定部140は、これらの属性(「撮影日」、「撮影場所」、「シーンモード」)のうち、共通属性である属性「撮影日」を除いた属性(「撮影場所」、「シーンモード」)の属性値に基づいてオブジェクトb1とオブジェクトb3−1との類似度を判定する。属性情報T170においてオブジェクトb1とオブジェクトb3−1とは、属性「撮影場所」の属性値は互いに異なるが、属性「シーンモード」の属性値はともに「人物」であり一致しているので、ステップS1420において類似度判定部140は、類似度L(本実施例では一致している属性の個数を類似度Lとする)を「1」とする。
【0111】
続いて、ステップS1510において分類部150は、ステップS1420において判定した類似度L(=1)が所定の類似度Lo(本実施例ではLo=1とする)以上であるかによって処理を分岐する。類似度Lは所定の類似度Lo以上であるのでステップS1520〜ステップS1610へ処理が進む。その結果、ステップS1520において分類部150はオブジェクトb1とオブジェクトb3−1とを同一のグループであるグループg3(すなわち第3のグループG3)に分類する。さらに、ステップS1610において表示部161はオブジェクトb1とオブジェクトb3−1とがグループg3に分類されていることを表示する。
【0112】
携帯電話端末1は、グループg2に属する残りのオブジェクト(オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1)についてもステップS1420〜ステップS1430の処理を実行する。その結果、属性情報T170において属性「撮影場所」の属性値が第1のオブジェクトの属性「撮影場所」の属性値と一致しているオブジェクトb4−1がグループg3に分類される。
【0113】
最終的に、オブジェクトb3−1、オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1のうち、オブジェクトb1の類似オブジェクトとしてオブジェクトb3−1およびオブジェクトb4−1が選ばれている。ここで、属性情報T170において、オブジェクトb3−2の属性「撮影日」の属性値は「2010/01/01」であり、オブジェクトb1の属性値「2010/01/01」と一致している。一方、オブジェクトb3−1の属性「撮影日」の属性値は「2000/01/01」であり、オブジェクトb1の属性値とは異なっている。にもかかわらず、b1の類似オブジェクトとしてオブジェクトb3−2が選ばれず、オブジェクトb3−1が選ばれている。
【0114】
これは、オブジェクトb1が属しているグループg1に属するオブジェクトb1、オブジェクトb2−1、およびオブジェクトb2−2が有する属性のうち属性値が共通な属性「撮影日」を除いた属性に基づいてオブジェクトb1とオブジェクトb3−1、およびオブジェクトb1とオブジェクトb3−2の類似度を判定しているからである。
【0115】
これにより、オブジェクトb1がグループg1に分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう共通属性「撮影日」(すなわち分類の基準となった観点)とは異なる別の属性「撮影場所」、「シーンモード」(すなわち分類の基準となった観点とは別の観点)に基づいてオブジェクトb1の類似オブジェクトb3−1およびオブジェクトb4−1がグループg2から抽出されるのである。
【0116】
図5Cは、オブジェクトb1、オブジェクトb3−1、およびオブジェクトb4−1がグループg3に分類された様子を表示部161が表示した状態を示している。オブジェクトb1(すなわち第1のオブジェクト)の類似オブジェクトであるオブジェクトb3−1およびオブジェクトb4−1がオブジェクトb1の近傍に表示され、3個のオブジェクトが同一のグループに分類されたことが表されている。また、オブジェクトb3−1およびオブジェクトb4−1は、対応付け操作以前に属していたグループg2(すなわち第2のグループ)からグループg3(すなわち第3のグループ)へ移動したように表示され、第1のオブジェクトb1に似ている類似のオブジェクトが第1のオブジェクトb1にあたかも吸い寄せられたように表示されている。これにより、第1のオブジェクトb1の類似オブジェクトが第2のグループから収集されてきたということが利用者にとって分かりやすい表示となる。
【0117】
このように、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1は、複数の属性と属性に対応する属性値とを有する第1、第2、及び第3のオブジェクトと、第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持するメモリ171と、操作を受け付けるタッチパネル111と、操作が前記第1のオブジェクトを第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定する操作判定部120と、第1及び第2のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い共通属性を複数の属性から抽出する共通属性抽出部130と、操作判定部120が対応付け操作であると判定した場合に、複数の属性のうち共通属性を除いた属性の属性値に基づき、第1のオブジェクトと第3のオブジェクトとの類似度を判定する類似度判定部140と、類似度が所定以上である場合に、第1のオブジェクトと第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類する分類部150と、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることを表示する表示部161と、を具備する。
【0118】
また、本発明の実施の形態1に係る携帯電話端末1における表示方法は、複数の属性と前記属性に対応する属性値とを有する第1、第2及び第3のオブジェクトと、第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持するステップと、操作を受け付けるステップS1110と、操作が前記第1のオブジェクトを第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定するステップS1210と、第1及び第2のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い共通属性を複数の属性から抽出するステップS1330と、ステップS1210において対応付け操作であると判定した場合に、複数の属性のうち共通属性を除いた属性の属性値に基づき、第1のオブジェクトと第3のオブジェクトとの類似度Lを判定するステップS1420と、類似度Lが所定値Lo以上である場合に、第1のオブジェクトと第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類するステップS1520と、第1及び第3のオブジェクトが第3のグループに属していることを表示するステップS1610と、を具備する。
【0119】
よって、本実施の形態によれば、利用者によって第1のオブジェクトと第2のグループとを対応付ける対応付け操作が行われた場合に、第1のグループに属する複数のオブジェクト間で属性値が共通である共通属性を除いた属性に基づいて、第2のグループに属するオブジェクトから第1のオブジェクトと類似なオブジェクトが抽出されて表示される。
【0120】
すなわち、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう共通属性(すなわち分類の基準となった観点)とは異なる別の属性(すなわち分類の基準となった観点とは別の観点)に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが第2のグループから抽出される。このとき、類似オブジェクトの抽出に用いる属性は第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。
【0121】
したがって、オブジェクトの分類の基準となった観点とは別の観点に基づいた類似オブジェクトを、別の観点を明示的に指示する手間をかけることなく他の分類から抽出して表示することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、利用者が第1のオブジェクトを第1のグループとは異なる第2のグループに対応付ける対応付け操作に基づいて類似オブジェクトが抽出される。このとき、第1のオブジェクトが属している第1のグループと異なる第2のグループ(すなわち、第1のグループの「外」)に第1のオブジェクトを対応付ける操作は、第1のオブジェクトが第1のグループに分類される際に基準となった観点とは別の観点(すなわち、観点の「外」)で再分類する処理を連想しやすい。
【0123】
したがって、操作と処理内容との対応を利用者が直感的に把握しやすい。
【0124】
また、本実施の形態によれば、第1のオブジェクトの類似オブジェクトの抽出に用いる属性は、第1のグループに属する複数のオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。このとき、利用者が気づいていない意外な属性値の共通性に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出されることが起こり得る。
【0125】
したがって、利用者が気づいていない意外な共通点を有するオブジェクトのグループを得ることができ、分類結果が面白味のあるものとなる。
【0126】
なお、本実施の形態において、「対応付け操作」は第1のオブジェクトをドラッグして第2のグループを示す領域に近付ける操作、あるいは第1のオブジェクトをドラッグして第2のグループを示す領域を通過させる操作であるものとしたが、これに限るものではない。たとえば、第1のオブジェクトを選択した後に第2のグループを選択するなど、第1のグループを第2のグループに対応付ける操作であればどのような操作を「対応付け操作」であると判定してもよい。また、メニュー選択、ボタン押下、キー押下、テキスト、音声等のいずれかによるコマンド入力の形で第1のオブジェクトと第2のグループとを対応付ける操作を「対応付け操作」としてもよい。
【0127】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1では、共通属性を第1のグループに属するオブジェクトが有する属性の属性値に基づいて抽出する例を説明した。これに対し、本発明の実施の形態2では、共通属性を第2のグループに属するオブジェクトが有する属性の属性値に基づいて抽出する別の例を説明する。なお、本発明の実施の形態2において、携帯電話端末1の概略構成および詳細構成は本発明の実施の形態1と同一であるものとする。また、本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末1の動作例は、本発明の実施の形態1の説明に用いた属性情報T170(図3)を用いて説明する。
【0128】
図6は、本発明の実施の形態2における携帯電話端末1の処理手順を表すフローチャートである。図6に示す処理手順は、図4に示す本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の処理手順に加えてステップS1340を具備する。また、図6に示す処理手順は、図4に示す本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の処理手順におけるステップS1420に替えてステップS1421を具備する。
【0129】
ステップS1340において共通属性抽出部130は、対応付け操作が行われた第2のグループG2に属するオブジェクトに共通な第2の共通属性を抽出する。また、ステップS1421において類似度判定部140は、共通属性抽出部130がステップS1330において抽出した共通属性(本実施例では「第1の共通属性」とも呼ぶ)、およびステップS1340において抽出した第2の共通属性の両方を除いた属性に基づいて第1のオブジェクトと第3のオブジェクトの類似度Lを計算するようにしている。
【0130】
図7A、図7B、および図7Cは、本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末1の動作例を説明する図である。以下、図7A〜図7Cを中心に用いて、本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末1の動作を説明する。
【0131】
図7Aは、図6に示すフローチャートのステップS1610において表示部161がオブジェクトとグループを表示した状態を示している。
【0132】
図7Bは、図7Aに示す状態において利用者がオブジェクトb1をグループg2に対応付ける対応付け操作を行った状態を示している。
【0133】
このとき、携帯電話端末1は、図6に示すフローチャートのステップS1110〜ステップS1440の処理を実行する。ステップS1110〜ステップS1330の動作は本発明の実施の形態1における動作と同様なので説明を省略する。
【0134】
ステップS1421において、共通属性抽出部130は、図3に示す属性情報T170に基づいてオブジェクトb3−1、オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1の共通属性(すなわち第2の共通属性)を抽出する。
【0135】
属性情報T170において、オブジェクトb3−1、オブジェクトb3−2、およびオブジェクトb4−1は、属性「撮影日」、「シーンモード」の属性値がそれぞれ異なっているのに対し、属性「撮影場所」の属性値は「N35°141°」、「N35°140°」、「N35°139°」であり、属性値の一部「N35°」が共通である。したがって、ステップS1421において共通属性抽出部130は、属性「撮影場所」を第2の共通属性として抽出する。
【0136】
類似度判定部140は、ステップS1330において抽出された共通属性(すなわち第1の共通属性)「撮影日」およびステップS1340において抽出された第2の共通属性「撮影場所」を除いた属性「シーンモード」の属性値に基づいてグループg2に属するオブジェクトとオブジェクトb1の類似度を判定する(ステップS1421)。
【0137】
その結果、最終的にオブジェクトb3−1のみがオブジェクトb1と同一のグループg3に分類される。なぜならば、オブジェクトb4−1は、共通属性「撮影日」および第2の共通属性「撮影場所」を除いた属性「シーンモード」の属性値は「クローズアップ」でありオブジェクトb1の属性「シーンモード」の属性値「人物」と異なるため、ステップS1421において類似度L=0となり、グループg3に分類されないからである。
【0138】
すなわち、オブジェクトb1がグループg1に分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう共通属性「撮影日」(すなわちグループg1の分類の基準となった観点)、およびグループg2に属するオブジェクトがグループg2に分類される際に類似度を判断する基準として用いられたであろう第2の共通属性「撮影場所」(すなわちグループg2の分類の基準となった観点)とは異なる別の属性「シーンモード」(すなわち分類の基準となった観点とは別の観点)に基づいてオブジェクトb1の類似オブジェクトb3−1がグループg2から抽出されるのである。
【0139】
図7Cは、オブジェクトb1、オブジェクトb3−1がグループg3に分類された様子を表示部161が表示した状態を示している。オブジェクトb1(すなわち第1のオブジェクト)の類似オブジェクトであるオブジェクトb3−1がオブジェクトb1の近傍に表示され、2個のオブジェクトが同一のグループに分類されたことが表されている。
【0140】
このように、本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末1は、メモリ171が第2のグループに属する第4のオブジェクトを保持し、共通属性抽出部130が第1及び第2のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い第1の共通属性を複数の属性から抽出し、共通属性抽出部130が第3及び第4のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い第2の共通属性を複数の属性から抽出し、類似度判定部140は、複数の属性のうち第1の共通属性及び第2の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、第1のオブジェクトと第3のオブジェクトとの類似度を判定する。
【0141】
上記構成によれば、第1のグループに属しているオブジェクト間で属性値が共通である第1の共通属性、および第2のグループに属しているオブジェクト間で属性値が共通である第2の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0142】
すなわち、第1のグループの分類の基準となった観点とも、第2のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0143】
したがって、既存のグループに分類する際に用いた複数の観点とは異なる別の観点に基づいた類似オブジェクトを抽出することができるので、利用者にとってより意外な共通点を有するオブジェクトのグループを得ることができ、分類結果の意外性や面白味が増す。
【0144】
また、上記構成によれば、類似オブジェクトの抽出に用いる属性(すなわち別の観点)は第1のグループに属するオブジェクトが有する属性、および第2のグループに属するオブジェクトが有する属性に基づいて自動的に選択される。
【0145】
したがって、第1のグループの分類の基準となった観点とも、第2のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1のオブジェクトの類似オブジェクトを抽出する際、別の観点を明示的に指示する手間を省くことができる。
【0146】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、第1のオブジェクトの対応付け操作が行われる以前に第1のオブジェクトが属していたグループに属するオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い属性を共通属性として抽出する別の例を説明する。なお、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1の動作例は、本発明の実施の形態1の説明に用いた属性情報T170(図3)を用いて説明する。
【0147】
図8は、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1の詳細構成を示す図である。図3においてメモリ171は分類部150が分類した結果である分類情報(オブジェクトがどのグループに属しているかを示す情報)を保持するよう構成されている。また、共通属性抽出部130は、分類部150が出力してメモリ171が保持している分類情報に基づいて共通属性を抽出する。さらに、類似度判定部140は、分類150が出力してメモリ171が保持している分類情報に基づいて類似度の判定を行う。
【0148】
ここで、本実施例における分類情報は、オブジェクトが現在どのグループに属しているかを示す情報に加えて、オブジェクトが過去にどのグループに属していたかを示す履歴情報を含んでいる。分類部150は、オブジェクトをグループに分類する処理を行った際に、オブジェクトがグループに属することを示す情報を履歴情報に追加する。これにより、共通属性抽出部130は、オブジェクトが現在属しているグループ、およびオブジェクトが過去に属していたグループを参照することができる。
【0149】
図9は、本発明の実施の形態3における携帯電話端末1の処理手順を表すフローチャートである。図9に示す処理手順は、図4に示す本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の処理手順に加えてステップS1320、ステップS1350およびステップS1720を具備する。また、図9に示す処理手順は、図4に示す本発明の実施の形態1における携帯電話端末1の処理手順におけるステップS1420に替えてステップS1422を具備する。
【0150】
ステップS1320において共通属性抽出部130は、第1のオブジェクトが第1のグループG1に属するよりも以前に属していたグループを分類情報に含まれる履歴情報に基づいて求め、第4のグループG4とする。
【0151】
ステップS1350において共通属性抽出部130は、ステップS1320において求めた第4のグループG4に属するオブジェクトに共通な第3の共通属性を抽出する。また、ステップS1421において類似度判定部140は、共通属性抽出部130がステップS1330において抽出した共通属性、およびステップS1350において抽出した第3の共通属性の両方を除いた属性に基づいて第1のオブジェクトと第3のオブジェクトの類似度Lを計算するようにしている。
【0152】
さらに、ステップS1720においてメモリ171は、ステップS1520において分類部150が分類した第1のオブジェクトと第3のオブジェクトの分類情報(履歴情報を含む)を記憶(追加または更新)するようにしている。
【0153】
図10A、図10B、図10C、図11A、および図11Bは、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1の動作例を説明する図である。以下、図10A〜図11Bを中心に用いて、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1の動作を説明する。
【0154】
図10Aは、図9に示すフローチャートのステップS1610において表示部161がオブジェクトとグループを表示した状態である。図10Aにおいてグループg1、グループg2に加えてグループg4が表示されている。グループg4には、オブジェクトb5−1、オブジェクトb5−2、およびオブジェクトb5−3が属している。図10A中の破線および破線矢印は、元々グループg4に属していたオブジェクトb1が、利用者の操作(たとえばドラッグアンドドロップ操作)によりグループg1に属するよう再分類されたことを表している。
【0155】
図10Bは、図10Aに示す状態において利用者がオブジェクトb1をグループg2に対応付ける対応付け操作を行った状態を示している。
【0156】
このとき、携帯電話端末1は、図9に示すフローチャートのステップS1110〜ステップS1440の処理を実行する。ステップS1320において共通属性抽出部130は、第1のオブジェクトx1(=オブジェクトb1)が過去に属していたグループを求める。図10Aで説明したとおり、オブジェクトb1は過去にグループg4に属していたので、共通属性抽出部130はグループg4を第4のグループG4とする。
【0157】
ステップS1350において共通属性抽出部130は、グループg4に属するオブジェクトb5−1、オブジェクトb5−2、オブジェクトb5−3、およびオブジェクトb1が有する属性のうち属性値に共通性を有する第3の共通属性を抽出する。
【0158】
属性情報T170(図3)において、オブジェクトb5−1、オブジェクトb5−2、オブジェクトb5−3、オブジェクトb1の属性「撮影場所」の属性値はいずれも「N35°139°」で共通している。したがって共通属性抽出部130は、属性「撮影場所」を第3の共通属性として抽出する。
【0159】
ここで、共通属性抽出部130は、第1のオブジェクトb1が過去に属していたグループg4の共通属性を抽出する際、第1のオブジェクトb1自身が有する属性の属性値も参照して共通性の判断を行っている。これにより、第1のオブジェクトb1が過去に第4のグループg4に分類された際に基準として用いられたであろう観点を精度よく抽出することが可能となる。しかし、過去に属していたグループの共通属性を抽出する際に第1のオブジェクト自身が有する属性の属性値にかかわらず共通性を判断するようにしても差し支えはない。
【0160】
なお、グループg1に属するオブジェクトの共通属性を抽出する際、グループg1に現在属しているオブジェクトのみならず、グループg1に過去に属していたオブジェクトの属性の属性値を参照して共通属性を抽出するようにしてもよい。同様に、グループg4に属するオブジェクトの共通属性を抽出する際、グループg4に過去に属していたオブジェクトの属性の属性値を参照して共通属性を抽出するようにしてもよい。これにより、グループの分類の基準となった観点をより精度よく抽出することができる。
【0161】
類似度判定部140は、ステップS1330において抽出された共通属性「撮影日」およびステップS1350において抽出された第3の共通属性「撮影場所」を除いた属性「シーンモード」の属性値に基づいてグループg2に属するオブジェクトとオブジェクトb1の類似性を判定する(ステップS1421)。その結果、最終的にオブジェクトb3−1のみがオブジェクトb1と同一のグループg3に分類される。
【0162】
そして、ステップS1720においてメモリ171は、オブジェクトb3−1がグループg3に新たに分類されたことを分類情報として記憶する。
【0163】
図10Cは、オブジェクトb1およびオブジェクトb3−1がグループg3に分類された様子を表示部161が表示した状態を示している。
【0164】
図11Aは、ステップS1110〜ステップS1440の処理を終了した後、さらに続けて利用者がオブジェクトb1(この時点ではグループg3に属している)をグループg5に対応付ける対応付け操作を行った状態を示している。
【0165】
このとき、携帯電話端末1は図9に示すフローチャートのステップS1110〜ステップS1440の処理を再度実行する。ただし、ステップS1110〜ステップS1440の2度目の実行において、どのグループおよびオブジェクトについて各ステップを実行するかが1度目の実行の場合と異なる。
【0166】
ステップS1230において操作判定部120は、オブジェクトb1をオブジェクトx1、グループg5をグループG2とする。ステップS1310において共通属性抽出部130は、現在オブジェクトb1が属するグループg3をグループG1とする。さらに、ステップS1320において共通属性抽出部130は、オブジェクトb1が過去に属していた(すなわちグループg3に属する以前に属していた)グループを分類情報に含まれる履歴情報に基づいて求めてグループG4とする。ここでは、グループg1がグループG4となる。
【0167】
ステップS1330において共通属性抽出部130は、グループg3に属するオブジェクトb1およびオブジェクトb3−1に共通な共通属性を抽出。属性情報T170(図3)において、オブジェクトb1およびオブジェクトb3−1はともに属性「シーンモード」の属性値が「人物」であり共通しているので、共通属性抽出部130は共通属性「シーンモード」を抽出する。
【0168】
なお、ステップS1330において共通属性抽出部130が抽出する共通属性は、1度目の実行において抽出する共通属性と区別するため、以下「第1の共通属性」と記載する。
【0169】
ステップS1350において共通属性抽出部130は、グループg1に属するオブジェクトに共通な共通属性を抽出する。属性情報T170(図3)において、オブジェクトb1、オブジェクトb2−1、オブジェクトb2−2、およびオブジェクトb2−3はともに属性「撮影日」の属性値が「2010/01/01」であり共通しているので、共通属性抽出部130は共通属性「撮影日」を抽出する。
【0170】
なお、ステップS1335において共通属性抽出部130が抽出する共通属性は、1度目の実行において抽出する第3の共通属性と区別するため、以下「第4の共通属性」と記載する。
【0171】
ステップS1410〜ステップS1440において類似度判定部140は、グループg5に属するオブジェクトとオブジェクトb1の類似度を判定する。このとき、ステップS1420において類似度判定部140は、第1の共通属性「シーンモード」および第4の共通属性「撮影日」を除いた属性「撮影場所」の属性値に基づいて類似度を判定する。また、ステップS1520においては、分類部150はオブジェクトb1と類似度の高いオブジェクトを新たなグループg6に分類する。
【0172】
属性情報T170(図3)において、属性「撮影場所」の属性値はオブジェクトb6−2およびオブジェクトb6−3がそれぞれ「N45°E149°」、「N55°E159°」であり、オブジェクトb1の属性「撮影場所」の属性値「N35°E139°」とは異なっている。これに対し、オブジェクトb6−1の属性「撮影場所」の属性値「N35°E139°」はオブジェクトb1の属性「撮影場所」の属性値と一致している。したがって、ステップS1520において分類部150は、オブジェクトb6−1のみをオブジェクトb1と同一のグループg6に分類する。
【0173】
図11Bは、オブジェクトb1、オブジェクトb6−1がグループg6に分類された様子を表示部161が表示した状態を示している。
【0174】
オブジェクトをグループg3に分類する処理(すなわち図9に示すフローチャートの1度目の処理)におけるステップS1422において類似度判定部140が類似度の判定に用いた属性値は「シーンモード」であった。これに対し、オブジェクトをグループg6に分類する処理(すなわち図9に示すフローチャートの2度目の処理)において類似度判定部140が類似度の判定に用いた属性値は「撮影場所」であった。これは、利用者が対応付け操作を繰り返すと、繰り返す度に分類の基準とする観点を変化させることができることを意味する。たとえば、対応付け操作を行った結果収集した類似オブジェクトが利用者の意図した観点による類似オブジェクトでない場合に、観点を明示的に切替える操作を行わずとも、対応付け操作を単純に繰り返すことにより分類の観点を順次切替えることができるので、利便性が高い。
【0175】
このように、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1は、メモリ171が第3のグループを保持する。
【0176】
よって、対応付け操作に基づくオブジェクトの分類によって得られた第3のグループがメモリ171に保持される。したがって、利用者が分類結果を後ほど確認することができるようになる。また、後の分類作業の対象として第3のグループまたは第3のグループに分類されたオブジェクトを再利用することが可能となる。
【0177】
また、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1は、共通属性を第1の共通属性とし、メモリ171は、第1のオブジェクトが操作の以前に属していた第4のグループと、第4のグループに属する第5のオブジェクトと、を保持し、共通属性抽出部130は、第1及び第5のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い第3の共通属性を複数の属性から抽出し、操作判定部120が前記対応付け操作であると判定した場合に、類似度判定部140は、複数の属性のうち第1及び第3の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する。
【0178】
よって、第4のグループに属しているオブジェクトに共通な第3の共通属性、及び第1のグループに属しているオブジェクトに共通な第1の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0179】
すなわち、第1のオブジェクトが現在属しているグループの分類の基準となった観点とも、第1のオブジェクトが以前属していたグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1オブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0180】
したがって、オブジェクトをグループに分類する作業を繰り返し行うことにより、過去に分類の基準として用いた観点とは異なる新たな観点に基づいて類似オブジェクトを抽出して表示することが可能となる。これにより、分類作業を繰り返しても分類の基準として用いる観点の固定化を避けることができ、分類結果の意外性が持続され面白味が増す。
【0181】
また、本発明の実施の形態3に係る携帯電話端末1は、操作を第1の操作とし、対応付け操作を第1の対応付け操作とし、共通属性を第1の共通属性とし、メモリ171は、第6のオブジェクトと、第6のオブジェクトが属する第5のグループと、を保持し、タッチパネル111は、表示部161が第3のグループを表示した後に第2の操作を受け付け、共通属性抽出部130は、第1及び第3のオブジェクトにおいて属性値の共通性が高い第4の共通属性を複数の属性から抽出し、操作判定部120は、第2の操作が第1のオブジェクトを第5のグループに対応付ける第2の対応付け操作であるかどうかを判定し、類似度判定部140は、操作判定部120が第2の対応付け操作であると判定した場合に、複数の属性のうち第1の共通属性及び第4の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、第1のオブジェクトと第6のオブジェクトとの類似度を判定し、分類部150は、類似度が所定以上である場合に、第1のオブジェクトと第6のオブジェクトとを第6のグループに属するように分類し、表示部161は、第1及び第6のオブジェクトが第6のグループに属していることを表示する。
【0182】
よって、第1のグループに分類された第1のオブジェクトを第2のグループに対応付ける1度目の対応付け操作が行われた後、第3のグループに分類された第1のオブジェクトを第5のグループに対応付ける2度目の対応付け操作が行われると、第1のグループに属しているオブジェクトに共通な第1の共通属性、及び第3のグループに属しているオブジェクトに共通な第4の共通属性を除いた属性の属性値に基づいて、第1のオブジェクトの類似オブジェクトが抽出され表示される。
【0183】
すなわち、2度目の対応付け操作により、第1のオブジェクトが現在属している第3のグループの分類の基準となった観点とも、第1のオブジェクトが以前属していた第1のグループの分類の基準となった観点とも異なる別の観点に基づいて第1オブジェクトの類似オブジェクトが抽出される。
【0184】
したがって、オブジェクトをグループに分類する作業を繰り返し行うことにより、過去に分類の基準として用いた観点とは異なる新たな観点に基づいて類似オブジェクトを抽出して表示することが可能となる。これにより、分類作業を繰り返しても分類の基準として用いる観点の固定化を避けることができ、分類結果の意外性が持続され面白味が増す。
【0185】
なお、本発明の実施の形態3において、共通属性抽出部130は第1のオブジェクトが前回属していたグループにおける共通属性を抽出し、類似度判定部140が共通属性を除く属性の属性値に基づいて類似度を判定するようにしたが、これに限るものではない。共通属性抽出部130が、第1のオブジェクトが属していたグループのうち最近属していた3個以上のグループにおける共通属性を複数抽出し、類似度判定部140が複数抽出した共通属性を除く属性の属性値に基づいて類似度を判定するようにしてもよい。このようにすれば、対応付け操作を繰り返すうちに同じ観点による類似オブジェクトが繰り返し収集されてしまうことを避けることができる。
【0186】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、本発明の表示装置をフォトフレームに応用した例を説明する。
【0187】
図12は、本発明の実施の形態4に係るフォトフレーム2の詳細構成図である。図12においてフォトフレーム2はSDカードスロット210、およびタイマ165を具備する。操作判定部120は、タッチパネル111が受け付けた操作が表示中止を指示する操作であるかどうかを判定し、表示中止を指示する操作である場合は表示部161に表示中止指示を出力する。さらに、表示部161は、メモリ171が保持する画像データを表示するよう構成されている。
【0188】
SDカードスロット210は、挿入されたSDカード(図示せず)が保持する画像ファイルを読み出してメモリ171へ転送する。タイマ165は時間を計測し、所定時間が経過したことを表示部161へ通知する。表示部161は、第3のグループに属するオブジェクト(すなわち類似オブジェクトであるとして分類された画像)の画像データを表示する。このとき表示部161は、タイマ165の通知に応じて表示する画像を順次切替えるようにしている。また、表示部161は、操作判定部120が出力する表示中止指示に応じて表示を中止する。
【0189】
図13は、本発明の実施の形態4に係るフォトフレーム2の処理手順を表すフローチャートである。図13に示す手順は、第3のグループに属するオブジェクトを表示するステップS1620を具備する。
【0190】
また、実施例1における手順(図4)においては、ステップS1420〜ステップS1440の繰り返しの最中に表示部161が第3のグループの状態を表示するステップS1610を実行するようになっていた。これに対し、図13に示す手順においては、類似度判定部140の処理(ステップS1410、ステップS1420、ステップS1430、およびステップS1440)及び分類部150の処理(ステップS1510、ステップS1520)が完了した後に、表示部161の表示処理(ステップS1620)を実行するようにしている。
【0191】
図14は、本発明の実施の形態4に係るフォトフレーム2の処理手順のうち、図13に示す処理手順のステップS1620をさらに詳しく表したフローチャートである。
【0192】
ステップS1621において表示部161は、第3のグループG3に属する最初のオブジェクトをオブジェクトx3とする。次にステップS1622において表示部161は、オブジェクトx3の画像データをメモリ171から取得する。そしてステップS1623において表示部161は、ステップS1622で取得した画像データ(すなわちオブジェクトの内容)を全画面表示する。
【0193】
ここで、ステップS1624において表示部161は、所定時間経過したらタイマ165が表示部161へ通知するようタイマ165をリセットする。次に、ステップS1120において、タッチパネル111が利用者の操作を受け付ける。続いて、ステップS1220において操作判定部120は、ステップS1120でタッチパネル111が受け付けた操作が表示中止を指示する操作(たとえばタッチパネルをタッチする操作)であるかどうかを判定する。
【0194】
ステップS1625において表示部161は、ステップS1220の判定の結果、表示中止を指示する操作である場合(ステップS1625,YES)は表示を終了して図14に示す手順を終了する。一方、表示中止を指示する操作が行われていない場合(ステップS1625,NO)は、表示部161はステップS1626の処理へ進む。このとき、ステップS1625における表示部161の判断は、操作判定部120が出力する表示中止指示に基づいて行う。
【0195】
ステップS1626において表示部161は、タイマ165から所定時間経過の通知があったかどうかを判定する。所定時間経過の通知があった場合(ステップS1626,YES)は、表示部161はステップS1627へ処理を進め、所定時間経過の通知がなかった場合(ステップS1626,NO)は、表示部161はステップS1120へ処理を進める。
【0196】
ステップS1627において表示部161は、表示中の画像データが第3のグループに属する最後のオブジェクトの画像データであるかどうかを判断する。最後のオブジェクトの画像データである場合(ステップS1627,YES)、表示部161は第3のグループに属するオブジェクトの画像データを繰り返し表示するようステップS1621へ処理を進める。一方、表示中の画像データが第3のグループに属する最後のオブジェクトの画像データでない場合(ステップS1627,NO)、表示部161は第3のグループに属する次のオブジェクトについてステップS1622〜ステップS1628の処理を繰り返すためステップS1622へ処理を進める。
【0197】
このように、本発明の実施の形態4に係るフォトフレーム2は、図14に示す手順を実行することにより、対応付け操作によって抽出された第1のオブジェクトの類似オブジェクトの画像データを所定時間ごとに切替えながらスライドショー表示を行う。
【0198】
よって、利用者が気づいていない意外な共通点を有する画像のスライドショー表示が可能となるので、利用者は面白味のあるスライドショー表示を鑑賞することができる。また、意外な共通点の発見による新たな発想を得るためのツールとして本発明の実施の形態4に係るフォトフレーム2を利用することもできる。
【0199】
また、図13に示す手順からわかるとおり、利用者が対応付け操作を行う(ステップS1110)とフォトフレーム2は自動的にスライドショー表示(ステップS1620)を開始するので、利用者はオブジェクトの分類操作とスライドショー開始操作を別々に行う必要がなくなり、利便性が増す。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明は、画像、文書、メッセージ、音楽コンテンツ等のオブジェクトを利用者の操作に応じて提示する機能を持つ提示装置として電子機器に広く利用することができる。たとえば携帯電話端末、スマートフォン、電話端末、PDA、パーソナルコンピューター、ワークステーション、カメラ、フォトフレーム、カーナビゲーション端末、AV機器、情報家電、キオスク端末、電子看板、電子黒板などに有用である。
【符号の説明】
【0201】
1 携帯電話端末
110 操作受付部
111 タッチパネル
120 操作判定部
130 共通属性抽出部
140 類似度判定部
150 分類部
160 提示部
161 表示部
165 タイマ
170 保持部
171 メモリ
181 カメラ
182 環境情報取得部
191 属性付与部
2 フォトフレーム
210 SDカードスロット
b1,b2−1,b2−2,b2−3,b3−1,b3−2,b4−1,b5−1,b5−2,b5−3,b6−1,b6−2,b6−3 オブジェクト
g1,g2,g3,g4,g5,g6 グループ
T170 属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の属性と前記属性に対応する属性値とを有する第1、第2、及び第3のオブジェクトと、前記第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、前記第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持する保持部と、
操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作が前記第1のオブジェクトを前記第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定する操作判定部と、
前記第1及び第2のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い共通属性を前記複数の属性から抽出する共通属性抽出部と、
前記操作判定部が前記対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する類似度判定部と、
前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類する分類部と、
前記第1及び第3のオブジェクトが前記第3のグループに属していることを表示する表示部と、
を具備する表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記共通属性を第1の共通属性とし、
前記保持部は、前記第2のグループに属する第4のオブジェクトを保持し、
前記共通属性抽出部は、前記第3及び第4のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第2の共通属性を前記複数の属性から抽出し、
前記類似度判定部は、前記複数の属性のうち前記第1の共通属性及び前記第2の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記保持部は、前記第3のグループを保持する表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記共通属性を第1の共通属性とし、
前記保持部は、前記第1のオブジェクトが前記操作の以前に属していた第4のグループと、前記第4のグループに属する第5のオブジェクトと、を保持し、
前記共通属性抽出部は、前記第1及び第5のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第3の共通属性を前記複数の属性から抽出し、
前記操作判定部が前記対応付け操作であると判定した場合に、前記類似度判定部は、前記複数の属性のうち前記第1及び第3の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記操作を第1の操作とし、
前記対応付け操作を第1の対応付け操作とし、
前記共通属性を第1の共通属性とし、
前記保持部は、第6のオブジェクトと、前記第6のオブジェクトが属する第5のグループと、を保持し、
前記操作受付部は、前記表示部が前記第3のグループを表示した後に第2の操作を受け付け、
前記共通属性抽出部は、前記第1及び第3のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い第4の共通属性を前記複数の属性から抽出し、
前記操作判定部は、前記第2の操作が前記第1のオブジェクトを第5のグループに対応付ける第2の対応付け操作であるかどうかを判定し、
前記類似度判定部は、前記操作判定部が前記第2の対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記第1の共通属性及び前記第4の共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第6のオブジェクトとの類似度を判定し、
前記分類部は、前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第6のオブジェクトとを第6のグループに属するように分類し、
前記表示部は、前記第1及び第6のオブジェクトが前記第6のグループに属していることを表示する表示装置。
【請求項6】
複数の属性と前記属性に対応する属性値とを有する第1、第2及び第3のオブジェクトと、前記第1及び第2のオブジェクトが属する第1のグループと、前記第3のオブジェクトが属する第2のグループと、を保持する保持ステップと、
操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作が前記第1のオブジェクトを前記第2のグループに対応付ける対応付け操作であるかどうかを判定する操作判定ステップと、
前記第1及び第2のオブジェクトにおいて前記属性値の共通性が高い共通属性を前記複数の属性から抽出する共通属性抽出ステップと、
前記操作判定ステップにおいて前記対応付け操作であると判定した場合に、前記複数の属性のうち前記共通属性を除いた属性の属性値に基づき、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとの類似度を判定する類似度判定ステップと、
前記類似度が所定以上である場合に、前記第1のオブジェクトと前記第3のオブジェクトとを第3のグループに属するように分類する分類ステップと、
前記第1及び第3のオブジェクトが前記第3のグループに属していることを表示する表示ステップと、
を具備する表示方法。
【請求項7】
請求項6に記載の手順を表示装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−88886(P2012−88886A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234312(P2010−234312)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】