説明

表示装置およびその製造方法ならびに赤外カットフィルターおよびその製造方法ならびに放電管およびその製造方法

【課題】光源の発光部から放射される不要な赤外光による各種の電子機器の誤動作を低コストで確実に防止することができる表示装置を提供する。
【解決手段】発光部が可視光および赤外光を放射する光源(CCFLなど)とこの光源から放射される光が射出される表示面とを有する表示装置(液晶表示装置など)において、光源の発光部と表示面との間および/または表示面上に、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびその製造方法ならびに赤外カットフィルターおよびその製造方法ならびに放電管およびその製造方法に関し、例えば、液晶表示装置やプラズマ表示装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光管、特にインバータ駆動の冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp,CCFL)をバックライトに用いた液晶表示装置では、RGB表示に不要な波長800〜1000nm付近の光が装置表面(表示面)から射出され、この不要な光が液晶表示装置のユーザが使用するエアコンなどの電子機器の赤外線リモコン用センサーに入射して電子機器の誤動作などを引き起こす原因となる場合があった。これは、インバータの駆動電圧の周期が、赤外線リモコンの搬送波周波数と同じ数10kHzである場合、特に問題となっていた。
【0003】
図16および図17を参照してこの問題を詳細に説明する。
図16に示すように、液晶表示装置100は、例えば、バックライト101、液晶偏光制御板102、R、G、B3色用のカラーフィルター103および保護シート104を備えている。液晶偏光制御板102は、偏光板、画素スイッチング用薄膜トランジスタ(TFT)、液晶、透明電極などを含む。
【0004】
図17は側面に蛍光管を配置するタイプ(エッジライト方式)であり、バックライト101は導光拡散板105を有し、この導光拡散板105の両側面に近接してCCFL106が取り付けられている。CCFL106は、ガラス管106aの内壁面に蛍光体106bを形成したものの中に水銀蒸気およびアルゴンガスが封入されたものであり、ガラス管106aの中心軸付近が放電発光部106cとなる。このCCFL106の周りには、このCCFL106から放射される光が外部に漏れるのを防止するための反射カバー107が取り付けられている。このバックライト101では、CCFL106から放射された光は、導光拡散板105の両側面からその内部に入射し、この導光拡散板106中を伝播することで一様な強度分布になることにより、一様な照明光が得られる。なお、このほかにも、特に大型の液晶表示装置では、導光拡散板の背後に複数の蛍光管を配置して一様な照明光を得るタイプ(直下方式)のものがある。
液晶表示装置100においては、バックライト101からの照明光は液晶偏光制御板102により各画素の明るさに相当した透過率変調を受け、各カラーフィルター103および保護シート104を透過して表示面から外部へ画像光108が射出される。
【0005】
この液晶表示装置100の外部に射出されるのは、RGB3色の光だけであるのが望ましいが、CCFL106からは蛍光体106bを発光源とする可視光だけでなく、主としてアルゴンを発光源とする不要な赤外光も放射されるため、図16に示すように、実際にはこの不要な赤外光109が液晶表示装置100の外部に放射されている。この結果、この液晶表示装置100の外部に赤外線リモコン110により操作されるエアコンなどの電子機器111があると、この電子機器111の赤外線リモコン用センサー111aにこの不要な赤外光109が入射する。
【0006】
この場合、周期的に強度変調された赤外光109が赤外線リモコン用センサー111aに入射すると、電子機器111が誤動作してしまうという問題がある。これは、赤外線リモコン110が950nm付近の波長の光源を使用するためである。特に、インバータで駆動されたCCFL106では、主としてアルゴンを発光源とし、30〜70kHzで強度変調された赤外光109が放射される。一方、赤外線リモコン110から放射される制御用赤外線112の搬送波周波数は約40kHzである。このため、この赤外線リモコン110からの制御用赤外線112は、波長950nm付近の不要な赤外光109と光の波長、変調帯域の2つが一致することから、赤外線リモコン用センサー111aへの赤外光109の入射により電子機器111の誤動作が起き易い状況にあり、実際に誤動作がしばしば発生する問題があった。
同様な問題は液晶表示装置だけでなく、プラズマ表示装置においても発生している。
【0007】
従来、これらに対する対策として、透明フィルム基材の表面に酸化セリウムなどの金属酸化物膜と銀系透明導電体膜とを交互に積層した赤外カットフィルターを用いる方法(特許文献1参照。)、透明高分子フィルム上に形成された近赤外反射層を含むディスプレイ用フィルターを用いる方法(特許文献2参照。)、放電管の給電開始時と通常時などで供給電力を変化させる方法(特許文献3参照。)などが提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−98131号公報
【特許文献2】特開2002−323860号公報
【特許文献3】特開2005−285357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2で提案された方法については、赤外光をカットする際に可視光の減衰が伴ったり、これを防ぐために高コストの膜設計を要する欠点があった。
一方、特許文献3で提案された方法については、供給電力の制御だけでは赤外光放射を充分に低減できず、電子機器の誤動作の危険が残る問題があった。
【0010】
こうした状況に加えて、差異化のためにCCFL106の内壁面に形成する蛍光体106bの発する可視光の波長を変えたり、色数を増やして色再現範囲を拡大するなどの近年の情勢により、赤外カットフィルターの設計変更を行って可視光の透過率を維持する必要が生じたり、視感度低下や色数増加を補うために投入電力を増大させることに対応して、赤外光放射量が増加してきているため、さらに効率の良い赤外光除去方法が求められている。
【0011】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、光源の発光部から放射される不要な赤外光による各種の電子機器の誤動作を低コストで確実に防止することができる表示装置およびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、このような表示装置に用いて好適な赤外カットフィルターおよびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、このような表示装置に用いて好適な放電管およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
発光部が可視光および赤外光を放射する光源とこの光源から放射される光が射出される表示面とを有する表示装置において、
上記光源の上記発光部と上記表示面との間および/または上記表示面上に、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とするものである。
【0013】
第2の発明は、
発光部が可視光および赤外光を放射する光源とこの光源から放射される光が射出される表示面とを有する表示装置の製造方法において、
上記光源の上記発光部と上記表示面との間および/または上記表示面上に、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を形成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0014】
第1および第2の発明において、希土類元素を含む物質は、希土類元素単体からなるものであってもよいし、希土類元素を含む化合物、例えば希土類元素と酸素との化合物(酸化物など)であってもよい。この物質としては、特に赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を引き起こす原因となる波長900〜1000nmの赤外線を効率的に吸収する観点より、好適には、イッテルビウムまたはイッテルビウムを含む化合物(例えば、イッテルビウムと酸素との化合物(酸化物を含む))、エルビウム、サマリウムおよびジスプロシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素またはこの希土類元素を含む化合物(例えば、この希土類元素と酸素との化合物(酸化物を含む))、イッテルビウムおよびエルビウムまたはそれらを含む化合物(例えば、イッテルビウムおよびエルビウムと酸素との化合物(酸化物を含む))からなるものが用いられる。この物質は、必要に応じて、希土類元素または希土類元素を含む化合物と他の物質(例えば、ガラス、石英、ポリマーなど)とを混合または複合化したものであってもよい。
典型的な例では、光源と表示面との間および/または表示面上に上記物質を内部に含むか少なくとも一方の面に有する板、シートまたは膜を有する。これらの板、シートまたは膜は可視光を透過する材料、例えばガラス、石英、ポリマーなどを基材としたものでもよい。また、これらの板、シートまたは膜は、表示装置の構成部品に成膜技術を用いて直接形成したり、貼り付けたり、構成部品間に挟んだりしたりすることができる。
【0015】
上記光源は、例えば、放電管やプラズマ放電セルなどである。放電管は、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL)、特にインバータ駆動されるもののほか、水銀ランプやキセノンランプなどである。放電管では、その管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に上記の物質が形成される。管壁は一般的にはガラスからなる。管壁の内壁面または外壁面にこの物質を形成する場合、この物質の形態は典型的には膜状であり、塗布、溶着、蒸着、スパッターなどの従来公知の成膜技術により容易に形成することができる。管壁の内部にこの物質を形成する場合には、例えば、管壁に用いるガラスにこの物質をドーピングする。プラズマ放電セルでは、このプラズマ放電セルから放射される光の経路上の少なくとも一箇所に上記の物質が形成される。具体的には、例えば、プラズマ放電セルの上部に設けられる保護層の裏面などに形成される。
表示装置は、発光部が可視光および赤外光を放射する光源を用いるものである限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、具体的には、例えば、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、プラズマ表示装置(プラズマディスプレイ)、リアプロジェクションテレビなどである。
【0016】
第3の発明は、
スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とする赤外カットフィルターである。
第4の発明は、
スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を基体上に板状、シート状または膜状に形成するようにした
ことを特徴とする赤外カットフィルターの製造方法である。
第3および第4の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
【0017】
第5の発明は、
管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とする放電管である。
第6の発明は、
管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に希土類元素を含む物質を形成するようにした
ことを特徴とする放電管の製造方法である。
【0018】
第5および第6の発明において、希土類元素は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)からなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素である。
第5および第6の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
【0019】
上述のように構成されたこの発明によれば、光源の発光部と表示面との間および/または表示面上に、少なくとも一種の希土類元素を含む物質を有するので、光源の発光部から放射される不要な赤外光、取り分け赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を引き起こす原因となる波長900〜1000nmの赤外光をこの希土類元素により選択的に吸収することができる。一方、光源の発光部から放射される可視光はこの物質で吸収されることなく透過する。
また、放電管の管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に希土類元素を含む物質を有するので、この放電管の発光部から放射される不要な赤外光、取り分け赤外線リモコンを用いる電子機器の誤動作を引き起こす原因となる波長900〜1000nmの赤外光をこの希土類元素により選択的に吸収することができる。一方、放電管の発光部から放射される可視光はこの物質で吸収されることなく透過する。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、光源の発光部から放射される不要な赤外光による各種の電子機器の誤動作を低コストで確実に防止することができる表示装置を実現することができる。
また、光源の発光部から放射される不要な赤外光による各種の電子機器の誤動作を低コストで確実に防止することができる赤外カットフィルターを実現することができる。
さらに、発光部から放射される不要な赤外光による各種の電子機器の誤動作を低コストで確実に防止することができる放電管を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
まず、この発明の第1の実施形態による液晶表示装置について説明する。
図1にこの液晶表示装置10を示す。図1に示すように、この液晶表示装置10は、バックライト11、液晶偏光制御板12、R、G、B3色用のカラーフィルター13および保護シート14に加えて、バックライト11と液晶偏光制御板12との間に赤外カットフィルター15が設けられている。液晶偏光制御板12は、偏光板、画素スイッチング用のTFT、液晶、透明電極などを含む。
【0022】
図2にバックライト11の構成を示す。図2に示すように、バックライト11は、導光拡散板16を有し、この導光拡散板16の両側面に近接してCCFL17が取り付けられている。このCCFL17は、ガラス管17aの内壁面に蛍光体17bを形成したものの中に水銀蒸気およびアルゴンガスが封入されたものであり、ガラス管17aの中心軸付近が放電発光部17cとなる。放電発光部17cでは水銀原子が紫外線を発光している。このCCFL17の周りには、このCCFL17からの光が外部に漏れるのを防止するために、例えばAlなどからなる反射カバー18が取り付けられている。このバックライト11では、CCFL17から放射された光は、導光拡散板16の両側面からその内部に入射し、この導光拡散板16中を伝播することで一様な強度分布になることにより、一様な照明光が得られる。CCFL17は、典型的には、インバータ駆動される。
液晶表示装置10においては、バックライト11からの照明光は液晶偏光制御板12により各画素の明るさに相当した透過率変調を受け、各カラーフィルター13、保護シート14などを透過して表示面から外部へ画像光が射出される。
【0023】
赤外カットフィルター15は、CCFL17から放射される波長900〜1000nmの不要な赤外光を減光(強度減衰)またはカットし、可視光に対しては透明に構成されている。この赤外カットシート15は、具体的には、Sc、Y、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質からなるか、この物質を含むものである。この赤外カットフィルター15は、バックライト11および液晶偏光制御板12と別体にあらかじめ板状、シート状または膜状に形成したものであってもよいし、バックライト11および液晶偏光制御板12のいずれかの表面に蒸着、スパッター、塗布、溶着などの方法により膜状に形成したものであってもよい。この赤外カットフィルター15は、その全体を上記の少なくとも一種の希土類元素を含む物質で形成してもよいが、希土類元素の使用量を減らして低コスト化を図るため、好適には、例えば、透明基材上にこの物質を形成したり、この物質と他の透明材料、例えばガラスやポリマーなどとを混合したものであってもよい。透明基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの従来公知の各種のものを用いることができる。ポリマーとしても、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリカーボネート樹脂などの従来公知の各種のものを用いることができる。
【0024】
今、図3に示すように、表示面から画像光19が射出されている液晶表示装置10が、赤外線リモコン20により操作される電子機器21の近くに置かれている場合を考える。この電子機器21は赤外線リモコン用センサー21aを有し、ユーザーが赤外線リモコン20から制御用赤外線22を放射させてこの赤外線リモコン用センサー21aに入射させることにより電子機器21が操作される。この赤外線リモコン用センサー21aの感度曲線の一例を図4に示す。
図3に示すように、液晶表示装置10のバックライト11のCCFL17から放射される可視光および赤外光は赤外カットシート15に入射し、このうち不要な赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光はこの赤外カットシート15により減光またはカットされる。この結果、この液晶表示装置10の表示面から、赤外線リモコン20を用いる電子機器21の誤動作を引き起こす原因となる波長900〜1000nmの赤外光が外部に射出されるのを防止することができる。一方、CCFL17から放射される可視光は、赤外カットシート15を透過して液晶偏光制御板12に入射し、最終的に画像光19が得られる。
【0025】
このように液晶表示装置10の表示面から、不要な赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光が外部に射出されるのを防止することができるため、この不要な赤外光が赤外線リモコン用センサー21aに入射することがなくなり、この不要な赤外光に起因する電子機器21の誤動作を防止することができる。
【0026】
赤外カットシート15に含ませる上記の希土類元素の中でも、CCFL17から放射される波長900〜1000nmの不要な赤外光を減光またはカットする効果が特に高いYb、Er、Sm、Dy、Er+Ybを用いた場合について説明する。
Ybは図5(H.M.Pask et al.,IEEE.J.Selec.Top.Quantum.Electron.Vol.1,pp48-58,1994を元に作成したもの)に示す吸収・発光特性を有し、基本的には2準位系であるため、上準位吸収(Excited State Absorption, ESA)も小さい。図示は省略するが、450nm以上800nm以下の波長域でも吸収は少ない。900〜1030nmの波長の光を吸収したYbは、1030〜1080nmの波長域で発光する。赤外線リモコン20で使用される制御用赤外線22の波長は約950nm、赤外線リモコン用センサー21aの感度は900〜1000nmの波長域にあるため、この波長域の光を効率的に吸収するYbは、赤外線リモコン用センサー21aへの、CCFL17から放射される不要な赤外光の影響を効果的に低減可能である。また、インバータの周波数で変調された近赤外光(800〜1000nm)は一度Ybに吸収されると、蛍光寿命(〜1msec:濃度消光により高濃度の場合には多少短くなる)程度の時間保持されるので、変調度が緩和される。従って、Ybは赤外線リモコン20の仕様波長帯の光を効率的に吸収し、赤外線リモコン用センサー21aの受光感度の低い波長で発光が行われる、インバータに起因する数10kHzの変調も低減され、赤外線リモコン20の搬送データと区別される。
【0027】
ここで、赤外カットシート15に含ませる希土類元素としてYbを用いる場合の具体例について説明する。ここでは、Yb2 3 という酸化物の形で赤外カットシート15に含ませる。Yb2 3 の吸収散乱断面積は平均推定値で
σ=0.3×10-24 [m2
であるから、比重9200[kg/m3 ]から推定される原子密度
N=9200×(346/394)/173×6.02×1023
〜2.8×1028[/m3
を用いて、吸収係数は
α=Nσ=8400[/m]=8.4[/mm]
となる。これより、Yb2 3 単体であれば、0.1mm程度の膜厚で透過率50%以下に、0.3mmの膜厚で透過率10%以下にすることが可能である。実際にYb2 3 を形成する場合はこのようなデータをもとに、Ybの組成比を勘案して行えばよい。
【0028】
次に、Er、Sm、Dyについても同様に900〜1000nmの波長域の光を吸収する。しかし、Ybと比べると青、緑の何れかの波長域で吸収が存在するため、可視光の発光効率低下があり、CCFL17の蛍光体17bの発光スペクトル、利用したい可視光波長により使い分ける必要がある。
【0029】
次に、ErとYbとを混合すると、さらに効率的に900〜1000nmの波長域で有効な吸収特性が得られる。その様子を図6(Marcel Dekker 社、Digonnet著、”Rare-Earth-Doped fiber lasers and amplifiers”, p.630 より引用)に示す。発光波長は980nmもあるが、吸収した光より長波長化するため長波長側の1500nm帯の発光にもエネルギーが分散されるため、赤外線リモコン用センサー21aの感度帯からはずれて好適であり、また、Ybからエネルギーを受けたErの蛍光寿命が10msecであり時間的に緩和されるため、無害化する。
【0030】
以上のように、この第1の実施形態によれば、バックライト11と液晶偏光制御板12との間に赤外カットフィルター15を有するので、CCFL17から放射される波長900〜1000nmの不要な赤外光をこの赤外カットフィルター15により減光またはカットすることができる。このため、液晶表示装置10の表示面からこの波長900〜1000nmの赤外光が放射されなくなるか、あるいは、この赤外光の強度を電子機器21の赤外線リモコン用センサー21aに入射しても電子機器21の誤動作が起きない程度に十分に小さくすることができる。このため、電子機器21の誤動作を起こすことなく、液晶表示装置10を使用することができる。
【0031】
次に、この発明の第2の実施形態による液晶表示装置について説明する。
図7に示すように、この液晶表示装置10は、液晶偏光制御板12とカラーフィルター13との間に赤外カットシート15が設けられていることを除いて、第1の実施形態による液晶表示装置10と同様な構成を有する。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0032】
次に、この発明の第3の実施形態による液晶表示装置について説明する。
図8に示すように、この液晶表示装置10は、カラーフィルター13と保護シート14との間に赤外カットシート15が設けられていることを除いて、第1の実施形態による液晶表示装置10と同様な構成を有する。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0033】
次に、この発明の第4の実施形態による液晶表示装置について説明する。
図9に示すように、この液晶表示装置10は、保護シート14の表面に赤外カットシート15が設けられていることを除いて、第1の実施形態による液晶表示装置10と同様な構成を有する。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0034】
次に、この発明の第5の実施形態によるCCFLについて説明する。
図10に示すように、この第5の実施形態においては、CCFL17のガラス管17aの内壁面に蛍光体17bが形成され、さらにこの蛍光体17bの上に希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23が形成されている。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23により、このCCFL17から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光が減光またはカットされるようになっている。好適には、波長980nmの赤外光に対してCCFL17全体の透過率が50%以下、より好適には10%以下となるようにする。この希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Te、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれた少なくとも一種である。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23は、例えば、蛍光体17bの内壁面に塗布、溶着、蒸着、スパッターなどにより成膜することことができる。
【0035】
蛍光体17bの上に形成する希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23の具体例について説明する。ここでは、希土類元素としてYbを用いる場合について説明する。例えば、Yb2 3 という酸化物は無機物であり、融点が2400℃程度であるから、蛍光体17bの内壁面に塗布または成膜するのに好適である。第1の実施形態で述べたと同様に、この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23がYb2 3 単体からなるものであれば、0.1mm程度の膜厚で透過率50%以下に、0.3mmで透過率10%以下にすることが可能である。実際に塗布などにより形成する場合は、このようなデータをもとにYbの組成比を勘案して行えばよい。
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0036】
次に、この発明の第6の実施形態によるCCFLについて説明する。
図11に示すように、この第6の実施形態においては、CCFL17のガラス管17aの外壁面に第5の実施形態において用いたものと同様な希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23が形成されている。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23により、このCCFL17から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光が減光またはカットされるようになっている。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23は、例えば、ガラス管17aの外壁面に塗布、溶着、蒸着、スパッターなどにより成膜することができる。
この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23の具体例は、例えば、第5の実施形態において挙げたものと同様である。
この第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0037】
次に、この発明の第7の実施形態によるCCFLについて説明する。
この第7の実施形態においては、CCFL17のガラス管17aの内部に希土類元素がドーピングされていることにより、このCCFL17から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。この希土類元素は、第5の実施形態において挙げたものと同様である。この希土類元素のドーピングは、例えば、ガラス管17aの作製時にガラス中に希土類元素または希土類元素を含む化合物(例えば、酸化物)を溶融拡散または粒状分散させることにより行うことができる。具体的には、例えば、ガラス管17aのガラスにYb2 3 を溶融拡散させ、あるい粒状分散させる。このYb2 3 の拡散または分散量は、例えば、第5の実施形態において用いた希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜18がYb2 3 単体からなるものである場合に膜中に含まれるYb2 3 の量に見合う量とすることができる。ここで、Yb2 3 と水酸基、炭酸基とが共存するとYbに蓄えられたエネルギーが2.7〜4.5μmの長波長側へシフトする報告(B.Bitnar et al., Proceedings of 17th European Solar Energy Conference and Exhibition, pp.1-4, Munich, 2001)もあり、炭酸基、水酸基を含むガラスと共に用いることでさらなる効果が期待できる。
この第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0038】
次に、この発明の第8の実施形態によるCCFLについて説明する。
この第8の実施形態においては、CCFL17のガラス管17aの内壁面に形成された蛍光体17bに希土類元素がドーピングされていることにより、このCCFL17から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。具体的には、例えば、蛍光体17bに用いる蛍光材料に希土類元素をドーピングし、これをガラス管17aの内壁面に塗布、溶着、蒸着、スパッターなどにより成膜する。この希土類元素は、第5の実施形態において挙げたものと同様である。
この第8の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0039】
次に、この発明の第9の実施形態によるプラズマ表示装置について説明する。
図12に示すように、このプラズマ表示装置50においては、背面ガラス基板51上に複数の隔壁52が互いに平行にかつ等間隔に設けられている。互いに隣り合う一対の隔壁52により仕切られた各空間の下部の背面ガラス基板51上には、データ電極(アドレス電極)53が設けられている。このデータ電極53を覆い、かつ隔壁52の側面を覆うように蛍光体54が形成されている。隔壁52上に、前面ガラス基板55上に走査/維持電極56、維持電極57および誘電体層58が形成され、その上に保護層59が形成されたものが、その保護層59を下にして設けられている。蛍光体54と保護層59とにより囲まれた空間60に、一旦真空排気を行った後に放電用ガスとしてネオンガスやキセノンガスなどが封入されている。
蛍光体54と保護層59とにより囲まれ、放電用のガスが封入された空間60の上下にデータ電極53、走査/維持電極56および維持電極57が配置されたものがプラズマ放電セル61を構成する。
【0040】
この第9の実施形態においては、保護層59に希土類元素がドーピングされていることにより、プラズマ放電セル61から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。この希土類元素は、第5の実施形態において挙げたものと同様である。
この第9の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0041】
次に、この発明の第10の実施形態によるプラズマ表示装置について説明する。
図13に示すように、このプラズマ表示装置50は、保護層59に希土類元素がドーピングされておらず、代わりに保護層59の裏面に第5の実施形態において用いたものと同様な希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23が形成されていることを除いて、第9の実施形態によるプラズマ表示装置50と同様な構成を有する。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜18により、プラズマ放電セル61から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23は、例えば、保護層59の裏面に蒸着、スパッター、塗布、溶着などにより形成することができる。
この希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜23の具体例は、例えば、第5の実施形態において挙げたものと同様である。
この第10の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0042】
次に、この発明の第11の実施形態によるプラズマ表示装置について説明する。
図14に示すように、このプラズマ表示装置50は、保護層59に希土類元素がドーピングされておらず、代わりに走査/維持電極56、維持電極57および誘電体層58と前面ガラス基板55との間に第1の実施形態において用いたものと同様な赤外カットフィルター15が設けられていることを除いて、第9の実施形態によるプラズマ表示装置50と同様な構成を有する。この赤外カットフィルター15により、プラズマ放電セル61から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。
この第11の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0043】
次に、この発明の第12の実施形態によるプラズマ表示装置について説明する。
図15に示すように、このプラズマ表示装置50は、保護層59に希土類元素がドーピングされておらず、代わりに前面ガラス基板55の表面に第1の実施形態において用いたものと同様な赤外カットフィルター15が設けられていることを除いて、第9の実施形態によるプラズマ表示装置50と同様な構成を有する。この赤外カットフィルター15により、プラズマ放電セル61から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmの赤外光を減光またはカットするように構成されている。
この第12の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0044】
次に、この発明の第13の実施形態によるプラズマ表示装置について説明する。
このプラズマ表示装置50は、保護層59に希土類元素がドーピングされておらず、代わりに前面ガラス基板55に希土類元素がドーピングされていることを除いて、第9の実施形態によるプラズマ表示装置50と同様な構成を有する。この希土類元素がドーピングされた前面ガラス基板55により、プラズマ放電セル61から放射される赤外光、取り分け波長900〜1000nmのな赤外光を減光またはカットするように構成されている。この希土類元素は、第5の実施形態において挙げたものと同様である。
この第13の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
【0045】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
すなわち、上述の実施形態において挙げた数値、構成、構造、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構成、構造、形状、材料などを用いることも可能である。
例えば、第1〜第4の実施形態による液晶表示装置10の構成は一例に過ぎず、従来公知の他の構成のものであってもよい。また、液晶表示装置10のカラー表示の方法も一例に過ぎず、従来公知の他の方法を用いてもよい。同様に、第9〜第13の実施形態によるプラズマ表示装置の構成は一例に過ぎず、従来公知の他の構成のものであってもよい。
また、第1〜第4の実施形態においては、バックライト11としてエッジライト方式のものを用いているが、直下方式のものを用いてもよい。
また、導光拡散板16の散乱体(図示せず)中に粒径の大きな希土類化合物を粒状分散させて、光の拡散効果を増強させるようにしてもよい。
さらに、必要に応じて、第1〜8の実施形態のうちの二以上を組み合わせてもよく、第9〜第13の実施形態のうちの二以上を組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の第1の実施形態による液晶表示装置を示す側面図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による液晶表示装置のバックライトを示す断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による液晶表示装置を他の電子機器と共に使用する場合を示す略線図である。
【図4】赤外線リモコン用センサーの感度曲線の一例を示す略線図である。
【図5】Ybの吸収・発光特性を示す略線図である。
【図6】Yb+Erの吸収・発光特性を示す略線図である。
【図7】この発明の第2の実施形態による液晶表示装置を示す側面図である。
【図8】この発明の第3の実施形態による液晶表示装置を示す側面図である。
【図9】この発明の第4の実施形態による液晶表示装置を示す側面図である。
【図10】この発明の第5の実施形態によるCCFLを示す側面図である。
【図11】この発明の第6の実施形態によるCCFLを示す側面図である。
【図12】この発明の第9の実施形態によるプラズマ表示装置を示す断面図である。
【図13】この発明の第10の実施形態によるプラズマ表示装置を示す断面図である。
【図14】この発明の第11の実施形態によるプラズマ表示装置を示す断面図である。
【図15】この発明の第12の実施形態によるプラズマ表示装置を示す断面図である。
【図16】従来の液晶表示装置を他の電子機器と共に使用する場合の問題点を説明するための略線図である。
【図17】従来の液晶表示装置のバックライトを示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10…液晶表示装置、11…バックライト、12…液晶偏光制御板、13…カラーフィルター、14…保護シート、15…赤外カットフィルター、17…CCFL、17a…ガラス管、17b…蛍光体、17c…放電発光部、19…画像光、20…赤外線リモコン、21…電子機器、21a…赤外線リモコン用センサー、22…制御用赤外線、23…希土類元素または希土類元素を含む化合物からなる膜、50…プラズマ表示装置、51…背面ガラス基板、52…隔壁、54…蛍光体、55…全面ガラス基板、59…保護層、60…空間、61…放電プラズマセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部が可視光および赤外光を放射する光源とこの光源から放射される光が射出される表示面とを有する表示装置において、
上記光源の上記発光部と上記表示面との間および/または上記表示面上に、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記物質はイッテルビウムまたはイッテルビウムを含む化合物からなることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
上記物質はイッテルビウムおよびエルビウムまたはそれらを含む化合物からなることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
上記光源は放電管であり、この放電管の管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に上記物質を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
上記管壁の内壁面に上記物質を含む蛍光体が形成されていることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
上記放電管は冷陰極蛍光管であることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項7】
上記冷陰極蛍光管はインバータ駆動されることを特徴とする請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
上記光源はプラズマ放電セルであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
上記光源と上記表示面との間および/または上記表示面上に、上記物質を内部に含むか少なくとも一方の面に有する板、シートまたは膜を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
上記板、上記シートまたは上記膜はガラス、石英またはポリマーからなることを特徴とする請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
上記表示装置は液晶表示装置またはプラズマ表示装置であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項12】
発光部が可視光および赤外光を放射する光源とこの光源から放射される光が射出される表示面とを有する表示装置の製造方法において、
上記光源の上記発光部と上記表示面との間および/または上記表示面上に、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を形成するようにした
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項13】
スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とする赤外カットフィルター。
【請求項14】
スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素を含む物質を基体上に板状、シート状または膜状に形成するようにした
ことを特徴とする赤外カットフィルターの製造方法。
【請求項15】
管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に希土類元素を含む物質を有する
ことを特徴とする放電管。
【請求項16】
上記希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の希土類元素であることを特徴とする請求項15記載の放電管。
【請求項17】
管壁の内壁面、内部および外壁面の少なくとも一箇所に希土類元素を含む物質を形成するようにした
ことを特徴とする放電管の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−323022(P2007−323022A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156444(P2006−156444)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】