説明

表示装置およびその調整方法

【課題】 輝度および色度の調整を短時間で行うことができる表示装置およびその調整方法を提供する。
【解決手段】 PC20は、目標ガンマデータと測定データとのY軸方向の差が最も大きい位置の測定データの座標を、補正区間の始端である始端座標(X1,Y1)として抽出し、初回のときは、X軸方向の最大値を補正区間の終端のX座標X2として抽出し、2回目以降は、前回のX1の値を終端のX座標X2として抽出する。そして、座標(X1,Y1),(X2)を、調整用データとしてディスプレイ10に送信する。ディスプレイ10は、ガンマデータテーブルに基づいて、受信した座標X2に対応するY2を取得する。座標X1に対応する調整前の座標Y1’が、目標値の座標Y1となるように、座標(0,0)〜(X2,Y2)の範囲のガンマデータを補正し、補正したガンマデータに基づいて、調整用パターンを表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輝度などの調整を行うことができる表示装置およびその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のユーザガンマの調整は、キャリブレーションツールを使用して行われる。ユーザガンマの調整を行うことによって、ユーザ好みの画像を表示することができる。ユーザガンマは、ユーザの意図に即したガンマカーブを独自に設定することである。ガンマカーブとは、ガンマ曲線のことである。
【0003】
キャリブレーションツールは、測定器によって、ディスプレイなどの情報表示装置(Information Display:以下「IDP」という)の輝度および色度を測定し、測定結果と目標値とを比較して、ガンマデータの補正計算を行う。ガンマデータは、IDPに入力される輝度信号と、IDPの実際の表示画面上の蛍光帯の輝度との関係を調整し、自然に近い画像を表示することができるように、ガンマ値を調整するためのデータである。ガンマ値は、画像の階調の応答特性を示す数値である。
【0004】
そして、キャリブレーションツールは、補正計算によって得られる計算値、つまり補正されたガンマデータをRS232C(Recommended Standard 232 version C)通信でIDPに転送し、IDPのレジスタに反映することによって、輝度および色度を調整する。キャリブレーションツールは、この調整手順を繰り返して、ユーザガンマを調整する。
【0005】
キャリブレーションツールは、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下「PC」という)に搭載されるアプリケーションプログラムからなるツールである。キャリブレーションツールは、ユーザガンマの調整を行うとき、測定されたデータに基づいて、PC側で補正計算を行い、補正計算で求められた補正されたカンマデータをIDPに送信する必要がある。補正されたカンマデータの全部をRS232C通信でIDPに送信する場合、PCとIDPとの間でのRS232Cによる1回の通信量が多いため、補正されたカンマデータの伝送に時間がかかり、ユーザガンマの調整処理が遅くなるという問題がある。
【0006】
第1の従来技術として、特許文献1に記載されるディスプレイシステムがある。このディスプレイシステムは、センサで検出された光を色フィルタで分光し、分光して得られるカウント値に対して、センサユニットが補正を行って、最終的に出力するカウント値を計算する。そして、センサユニットは、計算したカウント値を測定情報として液晶ディスプレイに送信して、輝度および色度の校正を行う。
【0007】
第2の従来技術として、特許文献2に記載されるカラー画質調整装置がある。このカラー画質調整装置は、カラーディスプレイ装置の画面の輝度を光センサで測定した輝度のアナログ信号をアナログデジタル変換器でデジタル信号に変換して、パーソナルコンピュータに入力する。パーソナルコンピュータは、輝度のデジタル信号に基づいて、画質調整を行い、画質調整を行った画像データを、ビデオ信号を発生する信号発生器に送り、画質調整後の画像データをカラーディスプレイ装置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−168466号公報
【特許文献2】特開平11−305709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、第1,第2の従来技術も、センサユニットまたはパーソナルコンピュータがすべてのデータの補正計算を行って、補正後のデータを液晶ディスプレイまたは信号発生器に送信するものであり、装置間で送受信するデータの通信量が多いため、伝送時間が長く、調整に時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、輝度および色度の調整を短時間で行うことができる表示装置およびその調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含み、
制御装置は、測定装置によって測定された画像の輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報をディスプレイ装置に送信し、
ディスプレイ装置は、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示することを特徴とする表示装置である。
【0012】
また本発明は、前記輝度は、輝度の階調と、輝度を強調する度合いを表す値である強弱値とによって表され、
前記補正範囲は、X軸が輝度の階調を表し、Y軸が強弱値を表すXY座標において、補正範囲の始端となる始端座標と、補正範囲の終端となる終端座標とによって表され、
始端座標は、前記目標とする輝度と、前記測定された輝度とをXY座標で表したとき、目標とする画像の輝度と測定された輝度とのY軸方向の差が最も大きな値となる位置のX座標と、該X座標における測定された輝度のY座標とによって表される座標であることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記ディスプレイ装置には、基準となる強弱値を輝度の階調ごとに表すガンマデータテーブルが記憶されており、
前記終端座標のX座標は、輝度の階調の最大値であり、
前記終端座標のY座標は、ガンマデータテーブルに基づいて、受信された補正範囲情報によって表される補正範囲の終端座標のX座標に対応するY座標として確定され、
前記ディスプレイ装置は、Y座標が確定した終端座標の補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含む表示装置の輝度を調整する調整方法であって、
制御装置が、測定装置によって測定された輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報を送信する補正区間算出工程と、
ディスプレイ装置が、制御装置から補正範囲情報を受信し、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示する補正工程とを含むことを特徴とする調整方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含む。制御装置は、測定装置によって測定された画像の輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報をディスプレイ装置に送信する。そして、ディスプレイ装置は、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示する。したがって、表示装置は、制御装置からディスプレイ装置に送信するデータを、補正されたガンマデータのデータ量から、補正範囲情報のデータ量まで減少させることができ、輝度および色度の調整を短時間で行うことができる。
【0016】
また本発明によれば、前記輝度は、輝度の階調と、輝度を強調する度合いを表す値である強弱値とによって表される。前記補正範囲は、X軸が輝度の階調を表し、Y軸が強弱値を表すXY座標において、補正範囲の始端となる始端座標と、補正範囲の終端となる終端座標とによって表される。そして、始端座標は、前記目標とする輝度と、前記測定された輝度とをXY座標で表したとき、目標とする画像の輝度と測定された輝度とのY軸方向の差が最も大きな値となる位置のX座標と、該X座標における測定された輝度のY座標とによって表される座標である。したがって、表示装置は、目標ガンマデータと測定ガンマデータとのY軸方向の最大の差を縮小することができ、短時間に表示ガンマデータを目標ガンマデータに近づけることができる。
【0017】
また本発明によれば、前記ディスプレイ装置には、基準となる強弱値を輝度の階調ごとに表すガンマデータテーブルが記憶されている。前記終端座標のX座標は、輝度の階調の最大値である。前記終端座標のY座標は、ガンマデータテーブルに基づいて、受信された補正範囲情報によって表される補正範囲の終端座標のX座標に対応するY座標として確定される。前記ディスプレイ装置は、Y座標が確定した終端座標の補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正する。したがって、表示装置は、補正区間情報のデータ量を終端座標のY座標の分だけ減少させることができ、よりガンマ調整を短時間で行うことができる。
【0018】
また本発明によれば、画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含む表示装置の輝度を調整するにあたって、補正区間算出工程では、制御装置が、測定装置によって測定された輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報を送信する。そして、補正工程では、ディスプレイ装置が、制御装置から補正範囲情報を受信し、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示する。したがって、表示装置は、制御装置からディスプレイ装置に送信するデータを、補正されたガンマデータのデータ量から、補正区間情報のデータ量まで減少させることができ、輝度および色度の調整を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】従来技術による表示装置90でのガンマデータ調整を説明するための図である。
【図3】表示装置1でのガンマデータ調整を説明するための図である。
【図4】調整用データの生成方法を説明するための図である。
【図5】ディスプレイ10が実行するガンマデータ調整処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】PC20が実行する調整用データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】PC20が実行する目標ガンマデータ設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、ディスプレイ10、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下「PC」という)20、および測定器30を含んで構成される。PC20は、ディスプレイ10および測定器30に接続される。
【0021】
ディスプレイ装置であるディスプレイ10は、たとえば液晶ディスプレイによって構成される。ディスプレイ10は、制御部11、ディスプレイデータ通信部12、ガンマデータ計算部13、映像表示部14およびガンマ記憶部15を含んで構成される。
【0022】
制御部11は、ディスプレイデータ通信部12、ガンマデータ計算部13、および映像表示部14を制御する。制御部11は、通信制御部111、計算管理部112および映像表示管理部113を含んで構成される。通信制御部111は、ディスプレイデータ通信部12を制御する。計算管理部112は、ガンマデータ計算部13を制御する。映像表示管理部113は、映像表示部14を制御する。
【0023】
ディスプレイデータ通信部12は、たとえば通信装置によって構成される。ディスプレイデータ通信部12は、たとえばRS232C(Recommended Standard 232 version C)インタフェースによって、PC20の後述するPCデータ通信部21と接続される。ディスプレイデータ通信部12は、通信制御部111の指示によって、PC20とデータの送受信を行う。ディスプレイデータ通信部12は、PC20から受信したデータ、たとえば後述する調整用データを通信制御部111に送り、通信制御部111か受け取ったデータをPC20に送信する。
【0024】
ガンマデータ計算部13は、計算管理部112からの指示によって、PC20から受信した調整用データと、現在の後述するユーザディスプレイガンマ設定情報151とに基づいて、表示すべき画像の輝度および色度を表す表示ガンマデータの補正計算を行い、補正ガンマデータを生成する。補正ガンマデータは、補正された表示ガンマデータである。
【0025】
映像表示部14は、たとえばモニタなどの表示画面を含み、映像表示管理部113からの指示によって、映像表示管理部113から受け取る画像データを表示画面に表示する。また、映像表示部14は、映像表示管理部113からの指示によって、映像表示管理部113から受け取るガンマデータを適用する。ガンマデータを適用するとは、ガンマデータを後述するレジスタに反映することによって、画像の輝度および色度を調整することである。
【0026】
ガンマ記憶部15は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。ガンマ記憶部15は、制御部11によって、データの書き込みおよび読み出しが行われる。すなわち、制御部11、ならびに通信制御部111、計算管理部112および映像表示管理部113は、ガンマ記憶部15へのデータの書き込みおよび読み出しが可能である。ガンマ記憶部15は、ガンマデータなどの情報を記憶する。ガンマデータは、ユーザディスプレイガンマ設定情報151、標準ディスプレイガンマ設定情報152、および鮮やかな(以下「VIVID」という)ディスプレイガンマ設定情報153を含む。
【0027】
また、ガンマ記憶部15は、ガンマデータを反映するためのレジスタを含む。映像表示管理部113がレジスタに記憶されるガンマデータを映像表示部14に送り、映像表示部14に反映する。
【0028】
ユーザディスプレイガンマ設定情報151は、ユーザによって設定されたガンマデータである。標準ディスプレイガンマ設定情報152は、予め記憶されている標準のガンマデータであり、そのまま適用することができる。VIVIDディスプレイガンマ設定情報153は、予め記憶されている鮮やかな表示のガンマデータである。
【0029】
制御装置であるPC20は、たとえばパーソナルコンピュータなどのコンピュータによって構成される。PC20は、PCデータ通信部21、操作制御部22、目標データ比較部23、映像データ取得部24、調整用データ計算部25、測定器制御部26および内部バス27を含んで構成される。
【0030】
PCデータ通信部21は、たとえば通信装置によって構成される。PCデータ通信部21は、RS232Cインタフェースによって、ディスプレイ10のディスプレイデータ通信部12と接続される。PCデータ通信部21は、ディスプレイ10とデータの送受信を行う。PCデータ通信部21は、たとえば調整用データ計算部25から受け取る調整用データをディスプレイ10に送信する。
【0031】
操作制御部22は、キャリブレーションの実行の全体、ならびにPCデータ通信部21、目標データ比較部23、映像データ取得部24、調整用データ計算部25、および測定器制御部26を制御する。
【0032】
目標データ比較部23は、測定器30によって測定された輝度および色度を表す測定データ(以下「測定ガンマデータ」ともいう)と、目標とする画像の輝度および色度を表す目標データ(以下「目標ガンマデータ」ともいう)とを比較する。目標データは、ユーザディスプレイガンマ設定情報151である。ユーザがPC20でキャリブレーションツールを使って、所望のディスプレイ表示用のガンマカーブを決定すると、キャリブレーションツールは、そのガンマカーブに対応する座標値を計算し、PC20は、計算された座標値を目標データとしてディスプレイ10に送る。ディスプレイ10は、受け取った目標データをユーザディスプレイガンマ設定情報151として、ガンマ記憶部15に記憶する。ガンマカーブとは、ガンマ曲線のことである。後述するガンマデータテーブルは、ガンマデータを記憶するテーブルである。ガンマデータテーブルのガンマデータを、後述するXY座標で表したものがガンマカーブ、つまりガンマ曲線である。
【0033】
ディスプレイ10の表示画面にカラー画像を表示するためには、基本的に赤(Red:以下「R」という)、緑(Green:以下「G」という)、および青(Blue:以下「B」という)の3つのカラー信号が必要であり、それぞれの画像の明るさを表現するためのデジタルデータは、通常8ビット=256階調である。我々がディスプレイ10の表示画面で見ているすべての色度、つまり色は、R,G,Bの3原色のそれぞれが256段階に変化する輝度によって表わされている。そして、 R,G,Bそれぞれが取り得る値は、0〜255の階調の中のどれかの階調であり、R,G,Bがすべて同じ値である場合、ディスプレイ10の表示画面に表示される色は、無彩色になる。すなわち、たとえば、R=G=B=0の場合は、最低輝度値としての黒(全黒)になり、R=G=B=255の場合は、最高輝度値としての白(全白)になる。したがって、輝度および色度は、3色のそれぞれの輝度によって決まる。
【0034】
輝度は、画像全体の明るさを同じように変化させる。ガンマは、画像全体をリニアに明るくするのではなく、ガンマカーブに従って明るさを変える。輝度で画像の明るさを上げた場合、一番明るい部分は飽和して白とびするが、ガンマで画像の明るさを引き上げた場合、明るい部分はそのままで中間の明るさをもつ部分だけをより明るくすることができる。ガンマは、画像処理の分野において、濃度階調の入出力応答の比を表す。ガンマは、輝度を、輝度の階調と、強弱値とによって表す情報である。ガンマカーブに対応する座標値を計算するということは、ガンマカーブに対応する輝度の階調および強弱値を計算することである。
【0035】
キャリブレーションツールは、ディスプレイ10のガンマを調整するためのツールであり、PC20にインストールされるアプリケーションプログラムである。キャリブレーションツールは、PC20で実行され、ディスプレイ10では、実行することができない。したがって、後述する補正区間の選定計算は、必ずPC20で行われる。ただし、ディスプレイ10は、補正区間を表す補正区間情報があれば、ガンマデータテーブル上の補正計算を行うことができる。ガンマの補正区間の選定方法は、キャリブレーションツールによって異なる。補正区間は、補正範囲であり、補正区間情報は、補正範囲情報である。
【0036】
映像データ取得部24は、測定器30から、測定器30によって測定された測定データを取得する。調整用データ計算部25は、調整用データを生成する。調整用データは、ガンマデータを補正するための後述する補正区間を表すデータである。測定器制御部26は、測定器30の動作を制御する。内部バス27は、PCデータ通信部21、操作制御部22、目標データ比較部23、映像データ取得部24、調整用データ計算部25、および測定器制御部26の個々の構成要素の間で、相互にデータを送受信するためのデータバスである。
【0037】
測定装置である測定器30は、たとえば面輝度/色度計によって構成される。測定器30は、測定器制御部26からの指示によって、表示画面に表示されている画像の輝度および色度を測定する。輝度および色度の調整を行う際、表示画面には、ディスプレイ10に予め記憶される調整用パターン、たとえば白色のパターンが表示される。測定器30は、ディスプレイ10の表示画面に表示されている画像の輝度と色度とを変化させながら、表示画面の中央部分だけを測定する。このとき、測定器30は、表示画面全体に同じ輝度と色とで表示し、輝度と色とを変化させるごとに、ディスプレイ画面の中央部分だけを測定する。測定器30によって測定された測定データは、映像データ取得部24によって取得される。
【0038】
図2は、従来技術による表示装置90でのガンマデータ調整を説明するための図である。図3は、表示装置1でのガンマデータ調整を説明するための図である。図2(a)に示した表示装置90は、ディスプレイ100、PC200および図示しない測定器を含んで構成される。
【0039】
図2(a)に示したシーケンスS11では、図示しない測定器は、ディスプレイ100の表示画面に表示される画像の輝度および色度を測定する。シーケンスS12では、図示しない測定器は、測定した測定データをPC200に送信する。シーケンスS13では、PC200は、ガンマデータの補正計算を行う。シーケンスS14では、PC200は、補正したガンマデータをディスプレイ100に送信する。シーケンスS15では、ディスプレイ100は、受信したガンマデータをレジスタに反映する。以後、測定データが目標データに一致するまで、図2(a)〜図2(e)のシーケンスを繰り返す。
【0040】
図2(b),図3(b)は、ガンマ曲線を表すグラフである。縦軸は、強弱値を表すY軸であり、横軸は、組番号を表すX軸である。組番号は、1〜256であり、輝度の256段階の階調に対応する。強弱値は、輝度を強調する度合いを示す値である。測定データは、各R,G,Bについて、0〜255の値で取得される。強弱値は、測定データに基づいて、ガンマ補正アルゴリズムによって算出される。したがって、各色の輝度は、輝度の階調と、強弱値によって表される。
【0041】
図2(b)に示したグラフ31は、目標ガンマ曲線311および現在ガンマ曲線312を示す。目標ガンマ曲線311は、目標ガンマデータによって表わされるガンマ曲線であり、現在ガンマ曲線312は、測定ガンマデータ、つまり測定データによって表わされるガンマ曲線である。図2(b)に示したグラフ32は、調整ガンマ曲線322を示す。調整ガンマ曲線322は、1回目の調整を行った後に測定された測定データによって表わされるガンマ曲線である。図2(b)に示したグラフ33は、調整完了ガンマ曲線332である。調整完了ガンマ曲線332は、最後の調整を行った後に測定された測定データによって表わされるガンマ曲線である。
【0042】
図3(a)に示した表示装置1は、図1に示した表示装置1と同じである。シーケンスS21では、測定器30は、ディスプレイ10の表示画面に表示される画像の輝度および色度を測定する。シーケンスS22では、測定器30は、測定した測定データをPC20に送信する。シーケンスS23では、PC20は、ガンマデータの補正区間の座標(X1,Y1)および座標(X2,−)を求める。座標(X1,Y1)は、ガンマの補正区間の始端を表す始端座標であり、座標(X2,−)は、補正区間の終端を表す終端座標である。座標(X2,−)のY座標「−」は、Y座標が未確定であることを示している。Y座標が未確定となっているのは、ディスプレイ10側で、ガンマデータテーブルに基づいてY座標を確定することができるからである。
【0043】
シーケンスS24では、PC20は、求めたガンマデータの補正区間の座標(X1,X2)および座標(X2,−)を、調整用データとしてディスプレイ10に送信する。シーケンスS25では、ディスプレイ10は、受信した調整用データに基づいて、補正計算を行い、補正されたガンマデータをレジスタに反映する。以後、測定データが、目標データに一致するまで、図2(a)〜図2(e)のシーケンスを繰り返す。
【0044】
補正計算は、座標(0,0)から座標(X1,Y1)まで、および座標(X1,Y1)から座標(X2,Y2)まで直線に連結する補間計算である。すなわち、補正計算は、直線補間を行うことである。ただし、2回目以後は、座標(0,0)ではなく、選択区間の左端の座標である。ディスプレイ10は、補正されたガンマデータをガンマ記憶部15に反映する。すなわち、ディスプレイ10は、補正されたガンマデータを、新たなユーザディスプレイガンマ設定情報151として記憶する。補正されたガンマデータをレジスタに反映することによって、補正された輝度および色度の調整用パターンが表示される。
【0045】
図3(b)に示したグラフ41は、目標ガンマ曲線411および現在ガンマ曲線412を示す。目標ガンマ曲線411は、図2(b)に示したグラフ31の目標ガンマ曲線311と同じである。現在ガンマ曲線412は、図2(b)に示したグラフ31の現在ガンマ曲線312と同じである。図3(b)に示したグラフ42は、調整ガンマ曲線422を示す。調整ガンマ曲線422は、1回目の調整を行った後に測定された測定データによって表わされるガンマ曲線である。調整ガンマ曲線422は、調整座標点423で屈曲する直線である。調整座標点423は、補正区間の座標(X1,Y1)である。図3(b)に示したグラフ43は、調整完了ガンマ曲線432である。調整完了ガンマ曲線432は、最後の調整を行った後に測定された測定データによって表わされるガンマ曲線である。
【0046】
図4は、調整用データの生成方法を説明するための図である。図4(a)〜図4(i)とも、横軸Xは、組番号であり、縦軸Yは、強弱値である。上述したように、画像は、R,G,Bという3原色のそれぞれが256段階に変化する輝度によって表現されている。ガンマデータテーブルは、R,G,Bそれぞれについて、XとYとからなる256組のデータを持っている。Xは、組番号であり、Yは、強弱値である。
【0047】
PC20は、測定器30によって、R,G,Bそれぞれの輝度値および色度値を測定し、ガンマデータテーブルに基づいて、座標Xに対応するYの数値を更新する。その後、PC20は、調整後の調整ガンマ曲線と目標ガンマ曲線とを比較し、合致しない部分を再調整する。
【0048】
図4(a)は、目標ガンマ曲線511を表すグラフ51である。図4(b)は、第1回目に測定した現在ガンマ曲線522を表すグラフ52である。図4(c)は、第1回目の座標(X1,Y1)を示すグラフ53である。第1回目の座標(X1,Y1)は、目標ガンマ曲線511と現在ガンマ曲線522とのY軸方向の差が最大となる位置の現在ガンマ曲線522の座標である。図4(d)は、第1回目の座標(X2,−)を示すグラフ54である。第1回目の座標(X2,−)のX2は、Xの最大値である。つまり、X2は、X2=256である。図4(e)は、第1回目の調整用データ、つまり第1回目の座標(X1,Y1),(X2,−)に基づいて補正された調整ガンマ曲線552を示すグラフ55である。
【0049】
図4(f)は、第2回目として、補正された調整ガンマ曲線552のガンマデータを反映した画像を測定した現在ガンマ曲線562を表すグラフ56である。図4(g)は、第2回目の座標(X1,Y1)を示すグラフ57である。第2回目の座標(X1,Y1)は、目標ガンマ曲線511と現在ガンマ曲線562とのY軸方向の差が最大となる位置の現在ガンマ曲線562の座標である。図4(h)は、第2回目の座標(X2,−)を示すグラフ58である。第2回目の座標(X2,−)のX2は、前回のX1の値である。つまり、X2は、X2=前回のX1の値である。図4(i)は、第2回目の調整用データ、つまり第2回目の座標(X1,Y1),(X2,−)に基づいて補正された調整ガンマ曲線592を示すグラフ59である。
【0050】
図5は、ディスプレイ10が実行するガンマデータ調整処理の処理手順を示すフローチャートである。制御部11は、ディスプレイ10の電源が投入され、動作可能状態になると、ステップA1に移る。
【0051】
ステップA1では、制御部11は、PC20から調整開始の指示を受信したか否かを判定する。制御部11は、PC20から調整開始の指示を受信したとき、ステップA2に進み、PC20から調整開始の指示を受信しなかったとき、ステップA1に戻る。ステップA2では、制御部11は、ガンマ記憶部15(図では「記憶部」という)からガンマデータを読み出す。このときに読み出すガンマデータは、ユーザディスプレイガンマ設定情報151である。
【0052】
ステップA3では、制御部11は、ガンマデータに基づいて、調整用パターンを表示画面に表示する。すなわち、制御部11は、ガンマデータを適用した調整用パターンを表示画面に表示する。ステップA4では、制御部11は、PC20から調整用データである座標(X1,Y1),(X2)を受信したか否かを判定する。制御部11は、PC20から調整用データである座標(X1,Y1),(X2)を受信したとき、ステップA5に進み、PC20から調整用データである座標(X1,Y1),X2を受信しなかったとき、ステップA8に進む。
【0053】
ステップA5では、制御部11は、受信したX2に基づいて、現在のガンマデータからY2を取得する。具体的には、制御部11は、ガンマデータテーブルから、受信したX2に対応するY2を取得する。
【0054】
ガンマデータテーブルは、ディスプレイ10に記憶されている。ガンマデータテーブルは、たとえばX=(1,2,3,4,5,6,7…253,254,255,256)であるとき、Xに対応するYとして、Y=(0,4,8,12,16,20,24…4084,4087,4089,4092)を対応付けたテーブルである。すなわち、ガンマデータテーブルには、(X,Y)として、(1,0),(2,4),(3,8),・・・,(256,4092)の256組のデータがある。受信したX2が、たとえばX2=253であるとき、ガンマデータテーブルからY2が、Y2=4084であることが分かる。
【0055】
ステップA6では、制御部11は、X1がY1となるように、ガンマデータの座標(0,0)〜座標(X2,Y2)の範囲のガンマデータを計算する。X1がY1となるようにとは、X1に対応する調整前のY1’が、目標値のY1となるように、ということである。たとえば、X1=253、Y1’=4084、Y1=3096(目標値)、X2=256、およびY2=4092であるとき、X1に対応するガンマデータテーブル中のY1’=4084からY1=3096に調整するため、ガンマデータの座標(0,0)〜座標(253,4084)の範囲と、ガンマデータの座標(253,4084)〜座標(256,4092)の範囲とを直線となるように、たとえば図3(b)の中央のグラフ42のように計算する。
【0056】
ステップA7では、制御部11は、計算後のガンマデータをガンマ記憶部15に、新たなユーザディスプレイガンマ設定情報151として記憶し、保存する。ステップA8では、制御部11は、PC20から調整終了の指示を受信したか否かを判定する。制御部11は、PC20から調整終了の指示を受信したとき、ガンマデータ調整処理を終了し、PC20から調整終了の指示を受信しなかったとき、ステップA3に戻る。図5に示したステップA1〜ステップA8は、補正工程である。
【0057】
図6は、PC20が実行する調整用データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。操作制御部22は、PC20のメニューからガンマ調整が選択されると、ステップB1に移る。
【0058】
ステップB1では、操作制御部22は、後述する目標ガンマデータ設定処理を行う。ステップB2では、操作制御部22は、調整開始の指示をディスプレイ10に送信する。ステップB3では、映像データ取得部24は、測定器30から測定データを取得する。
【0059】
ステップB4では、操作制御部22は、取得した測定データがガンマデータ調整用映像の測定データであるか否かを判定する。操作制御部22は、取得した測定データがガンマデータ調整用映像の測定データであるとき、ステップB5に進み、取得した測定データがガンマデータ調整用映像の測定データでないとき、ステップB3に戻る。操作制御部22は、取得した測定データが、調整開始の指示を送信した後に、測定器30から取得した測定データであるとき、ガンマデータ調整用映像の測定データであると判定する。
【0060】
ステップB5では、操作制御部22は、取得した測定データを、操作制御部22に含まれる図示しない記憶装置に記憶する。ステップB6では、目標データ比較部23は、測定データと目標ガンマデータ、つまり目標データとを比較し、調整達成であるか否かを判定する。目標データ比較部23は、測定データと目標ガンマデータとを比較し、一致したとき、調整達成であると判定し、ステップB7に進み、一致しなかったとき、調整達成でないと判定し、ステップB8に進む。ステップB7では、操作制御部22は、調整終了の指示をディスプレイ10に送信して、調整用データ生成処理を終了する。
【0061】
ステップB8では、調整用データ計算部25は、測定データと目標ガンマデータとで最も差のある座標(X1,Y1)を抽出する。具体的には、調整用データ計算部25は、図4(c),図4(g)のように、目標ガンマデータと測定データとのY軸方向の差が最も大きい位置の測定データの座標を、座標(X1,Y1)として抽出する。
【0062】
ステップB9では、調整用データ計算部25は、抽出した座標(X1,Y1)の補正区間の終端のX座標(X2)を抽出する。調整用データ計算部25は、初回のときは、図4(d)のように、X軸方向の最大値をX2として抽出、つまりX2=256を抽出する。また、調整用データ計算部25は、2回目以降は、図4(h)のように、前回のX1の値をX2として抽出する。ステップB10では、調整用データ計算部25は、座標(X1,Y1),(X2)を、調整用データとしてディスプレイ10に送信して、ステップB3に戻る。図6に示したステップB1〜ステップB10は、補正区間算出工程である。
【0063】
図7は、PC20が実行する目標ガンマデータ設定処理の処理手順を示すフローチャートである。操作制御部22は、図6に示したフローチャートのステップB1が実行されると、ステップC1に移る。
【0064】
ステップC1では、操作制御部22は、目標ガンマデータの入力方式として、候補からの選択方式が選択されたか否かを判定する。具体的には、操作制御部22は、まず、PC20の図示しない表示装置に、候補による選択方式および変更方式のうちからいずれかを選択する選択画面を表示し、ユーザがいずれかを選択可能とする。
【0065】
候補による選択方式は、キャリブレーションツールに、候補となる複数のガンマ曲線が予め用意されており、キャリブレーションツールが、その複数のガンマ曲線を表示し、表示された複数のガンマ曲線の中から、ユーザが所望するガンマ曲線を選択する方式である。また、変更方式は、キャリブレーションツールに予め用意されている目標ガンマ曲線を、キャリブレーションツールが表示し、表示されている目標ガンマ曲線を、ユーザが直接変更して所望のガンマ曲線を生成する方式である。
【0066】
操作制御部22は、目標ガンマデータの入力方式として、候補からの選択方式が選択されたとき、ステップC2に進み、目標ガンマデータの入力方式として、候補からの選択方式が選択されなかったとき、つまり変更方式が選択されたとき、ステップC4に進む。
【0067】
ステップC2では、操作制御部22は、候補となる複数のガンマ曲線を選択可能に表示する。ステップC3では、操作制御部22は、ユーザによって、目標となるガンマデータが選択されたか否かを判定する。操作制御部22は、表示した複数のガンマ曲線の中から1つのガンマ曲線が選択されたとき、目標となるガンマデータが選択されたと判定して、目標ガンマデータ設定処理を終了し、表示した複数のガンマ曲線の中から1つのガンマ曲線が選択されなかったとき、目標となるガンマデータが選択されなかったと判定して、ステップC3に戻る。
【0068】
ステップC4では、操作制御部22は、ベースとなるガンマデータを目標ガンマ曲線として表示する。ステップC5では、操作制御部22は、ユーザから、ガンマデータへの変更指示があったか否かを判定する。操作制御部22は、ユーザがキャリブレーションツールによって、目標ガンマ曲線に対する変更指示を出したとき、ガンマデータへの変更指示があったと判定し、ステップC7に進み、ユーザがキャリブレーションツールによって、目標ガンマ曲線に対する変更指示を出さなかったとき、ガンマデータへの変更指示がなかったと判定し、ステップC6に進む。
【0069】
ステップC6では、操作制御部22は、目標ガンマデータへの変更が終了したか否かを判定する。操作制御部22は、目標ガンマデータへの変更が終了したとき、目標ガンマデータ設定処理を終了し、目標ガンマデータへの変更が終了しなかったとき、ステップC5に戻る。ステップC7では、操作制御部22は、変更されたガンマデータを目標ガンマ曲線として表示して、ステップC5に戻る。
【0070】
このように、画像を表示するディスプレイ10と、ディスプレイ10を制御するPC20と、ディスプレイ10に表示される画像の輝度を測定する測定器30とを含む。PC20は、測定器30によって測定された画像の輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報を送信する。そして、ディスプレイ10は、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画素を補正し、補正された輝度の画像を表示する。したがって、表示装置1は、PC20からディスプレイ10に送信するデータを、補正されたガンマデータのデータ量から、補正範囲情報のデータ量まで減少させることができ、輝度および色度の調整を短時間で行うことができる。
【0071】
さらに、前記輝度は、輝度の階調と、輝度を強調する度合いを表す値である強弱値とによって表される。前記補正範囲は、X軸が輝度の階調を表し、Y軸が強弱値を表すXY座標において、補正範囲の始端となる始端座標と、補正範囲の終端となる終端座標とによって表される。そして、始端座標は、前記目標とする輝度と、前記測定された輝度とをXY座標で表したとき、目標とする画像の輝度と測定された輝度とのY軸方向の差が最も大きな値となる位置のX座標と、該X座標における測定ガンマデータのY座標とによって表される座標である。したがって、表示装置1は、目標ガンマデータと測定ガンマデータとのY軸方向の最大の差を縮小することができ、短時間に表示ガンマデータを目標ガンマデータに近づけることができる。
【0072】
さらに、前記終端座標は、Y座標が未確定である。そして、ディスプレイ10は、基準となる強弱値を輝度の階調ごとに表すガンマデータテーブルを記憶し、前記表示ガンマデータを補正するとき、受信した補正区間情報によって表される補正区間の終端座標のX座標に対応するY座標を、ガンマデータテーブルに基づいて確定し、Y座標が確定した終端座標の補正区間に基づいて、前記表示ガンマデータを補正する。したがって、表示装置1は、補正区間情報のデータ量を終端座標のY座標の分だけ減少させることができ、よりガンマ調整を短時間で行うことができる。
【0073】
さらに、画像を表示するディスプレイ10と、ディスプレイ10を制御するPC20と、ディスプレイ10に表示される画像の輝度を測定する測定器30とを含む表示装置1の輝度を調整するにあたって、図6に示したステップB1〜ステップB10では、PC20が、測定器30によって測定された輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報を送信する。そして、図5に示したステップA1〜ステップA8では、ディスプレイ10が、PC20から補正範囲情報を受信し、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示する。したがって、表示装置1は、PC20からディスプレイ10に送信するデータを、補正されたガンマデータのデータ量から、補正期間情報のデータ量まで減少させることができ、輝度および色度の調整を短時間で行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 表示装置
10 ディスプレイ
11 制御部
12 ディスプレイデータ通信部
13 ガンマデータ計算部
14 映像表示部
15 ガンマ記憶部
20 PC
21 PCデータ通信部
22 操作制御部
23 目標データ比較部
24 映像データ取得部
25 調整用データ計算部
26 測定器制御部
27 内部バス
30 測定器
111 通信制御部
112 計算管理部
113 映像表示管理部
151 ユーザディスプレイガンマ設定情報
152 標準ディスプレイガンマ設定情報
153 VIVIDディスプレイガンマ設定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含み、
制御装置は、測定装置によって測定された画像の輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報をディスプレイ装置に送信し、
ディスプレイ装置は、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記輝度は、輝度の階調と、輝度を強調する度合いを表す値である強弱値とによって表され、
前記補正範囲は、X軸が輝度の階調を表し、Y軸が強弱値を表すXY座標において、補正範囲の始端となる始端座標と、補正範囲の終端となる終端座標とによって表され、
始端座標は、前記目標とする輝度と、前記測定された輝度とをXY座標で表したとき、目標とする画像の輝度と測定された輝度とのY軸方向の差が最も大きな値となる位置のX座標と、該X座標における測定された輝度のY座標とによって表される座標であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ディスプレイ装置には、基準となる強弱値を輝度の階調ごとに表すガンマデータテーブルが記憶されており、
前記終端座標のX座標は、輝度の階調の最大値であり、
前記終端座標のY座標は、ガンマデータテーブルに基づいて、受信された補正範囲情報によって表される補正範囲の終端座標のX座標に対応するY座標として確定され、
前記ディスプレイ装置は、Y座標が確定した終端座標の補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を制御する制御装置と、ディスプレイ装置に表示される画像の輝度を測定する測定装置とを含む表示装置の輝度を調整する調整方法であって、
制御装置が、測定装置によって測定された輝度を、その画像の目標とする輝度とするために補正される輝度の補正範囲を算出し、算出した補正範囲を表す補正範囲情報を送信する補正区間算出工程と、
ディスプレイ装置が、制御装置から補正範囲情報を受信し、受信した補正範囲情報によって表される補正範囲に基づいて、前記表示された画像の輝度を補正し、補正された輝度の画像を表示する補正工程とを含むことを特徴とする調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−29621(P2013−29621A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164830(P2011−164830)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】