説明

表示装置およびテレビジョン装置

【課題】部品点数が増加するのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置(表示装置)100は、後面に基板取付領域51を有するとともに放熱機能を有するリアフレーム5を含む液晶モジュール2と、リアフレーム5の後面の基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8と、回路基板7および8が取り付けられた基板取付領域51を後方から覆うとともに、リアフレーム5の後面の基板取付領域51以外の非基板取付領域52を露出させるように配置されたカバー部材6とを備える。また、少なくともリアフレーム5の露出された非基板取付領域52により、後部筐体が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびテレビジョン装置に関し、特に、基板取付部材を含む表示パネルを備える表示装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板取付部材を含む表示パネルを備える表示装置およびテレビジョン装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示部(表示パネル)と、表示部の前側に配置される外装枠体(前部筐体)と、表示部の後側に配置されるカバーとを備えた表示装置(テレビジョン装置)が開示されている。そして、表示部は、後面に基板装着部を有する金属板(基板取付部材)と、金属板の基板装着部に取り付けられた回路基板と、金属板の基板装着部に取り付けられた回路基板の周囲を取り囲むように配置された貫通孔を有する枠状の合成樹脂ケースとを含んでいる。また、カバーは、合成樹脂ケースに形成された貫通孔を塞ぐように合成樹脂ケースに取り付けられることによって、金属板の基板装着部に取り付けられた回路基板を覆うように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−8026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置(テレビジョン装置)では、金属板の基板装着部に取り付けられた回路基板を覆うようにカバーを取り付けるために、金属板の基板装着部に取り付けられた回路基板の周囲に別途合成樹脂ケースを配置する必要があるという不都合がある。このため、合成樹脂ケースを配置する分、表示部(表示パネル)の部品点数が増加するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数が増加するのを抑制することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、後面に基板取付領域を有するとともに放熱機能を有する基板取付部材を含む表示パネルと、基板取付部材の後面の基板取付領域に取り付けられた回路基板と、回路基板が取り付けられた基板取付領域を後方から覆うとともに、基板取付部材の後面の基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるように配置されたカバー部材とを備え、少なくとも基板取付部材の露出された非基板取付領域により、後部筐体が構成されている。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、上記のように、後面に回路基板が取り付けられた基板取付領域を後方から覆うとともに、基板取付部材の後面の基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるようにカバー部材を配置することによって、基板取付部材の基板取付領域に取り付けられた回路基板をカバー部材により直接的に覆うことができるので、カバー部材以外の部材を別途設ける必要がない分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、基板取付部材の基板取付領域と非基板取付領域との両方をカバー部材により覆う場合と異なり、回路基板から発生した熱を基板取付部材の露出している非基板取付領域から外部に効率よく放熱させることができる。また、少なくとも基板取付部材の露出された非基板取付領域により後部筐体を構成することによって、カバー部材を基板取付部材の一部(基板取付領域)のみを覆うように配置した場合にも、別途、後部筐体を設ける必要がない。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、回路基板は、外部接続端子を有しており、基板取付領域を覆うとともに非基板取付領域を露出させるように配置されたカバー部材は、回路基板の外部接続端子を露出させる開口部を有する。このように構成すれば、回路基板がカバー部材により覆われた状態で、回路基板の外部接続端子をカバー部材の開口部を介して外部に設置された電子機器などの接続配線と容易に接続することができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、後部筐体を構成する基板取付部材は、金属製であり、基板取付部材の露出された非基板取付領域は、少なくとも基板取付領域に取り付けられた回路基板の熱を外部に放熱する放熱部として機能する。このように構成すれば、たとえば、後部筐体を構成する基板取付部材が樹脂製の場合と比べて熱が伝わりやすいので、回路基板から発生した熱を外部により効率よく放熱させることができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、カバー部材は、回路基板を収納する凹部を有し、基板取付部材の後面の基板取付領域に取り付けられた回路基板は、カバー部材の凹部に収納された状態でカバー部材により覆われている。このように構成すれば、基板取付部材の後面に回路基板が後方に突出するように取り付けられる場合にも、容易に、後方に突出した回路基板をカバー部材の凹部により収納することができるので、容易に、回路基板全体をカバー部材により覆うことができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、基板取付部材の後面の非基板取付領域は、基板取付部材の後面に基板取付領域の周囲を取り囲むように設けられている。このように構成すれば、基板取付部材の基板取付領域の周囲を取り囲むように露出された非基板取付領域により、放熱に有効な露出領域の面積を大きくすることができるので、基板取付部材の基板取付領域に取り付けられた回路基板から発生した熱をより効果的に放熱することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、基板取付部材の後面の基板取付領域は、凹形状に形成されており、カバー部材は、凹形状の基板取付領域に嵌まり込むように取り付けられている。このように構成すれば、基板取付部材の基板取付領域が平坦面形状に形成されている場合と異なり、基板取付部材の基板取付領域が凹形状に形成されている分、装置全体の厚みを小さくすることができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、後部筐体を構成する基板取付部材の外周縁部に近接して外周縁部の周囲を覆う内周縁部を有する枠状の前部筐体をさらに備える。このように構成すれば、容易に、後部筐体を構成する基板取付部材の外周縁部に前部筐体の内周縁部を近接させて前部筐体と後部筐体(基板取付部材)とを対応する形状に形成することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、スピーカをさらに備え、カバー部材は、非基板取付領域を露出させながら、回路基板に加えてスピーカも覆うように配置されている。このように構成すれば、スピーカを覆うための部材を別途設ける必要がない分、部品点数の増加を抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、カバー部材は、異なるサイズの表示パネルに対して共通する大きさで取り付けることが可能なように構成されている。このように構成すれば、異なるサイズの表示パネルに取り付けるために異なるサイズのカバー部材を形成する必要がないので、その分、カバー部材の製造工程を簡素化することができる。
【0017】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、テレビジョン放送を受信可能な受信部と、後面に基板取付領域を有するとともに放熱機能を有する基板取付部材を含むテレビジョン放送を表示可能な表示パネルと、基板取付部材の後面の基板取付領域に取り付けられた回路基板と、回路基板が取り付けられた基板取付領域を後方から覆うとともに、基板取付部材の後面の基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるように配置されたカバー部材とを備え、少なくとも基板取付部材の露出された非基板取付領域により、後部筐体が構成されている。
【0018】
この第2の局面によるテレビジョン装置では、上記のように、後面に回路基板が取り付けられた基板取付領域を後方から覆うとともに、基板取付部材の後面の基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるようにカバー部材を配置することによって、基板取付部材の基板取付領域に取り付けられた回路基板をカバー部材により直接的に覆うことができるので、カバー部材以外の部材を別途設ける必要がない分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、基板取付部材の基板取付領域と非基板取付領域との両方をカバー部材により覆う場合と異なり、回路基板から発生した熱を基板取付部材の露出している非基板取付領域から外部に効率よく放熱させることができる。また、少なくとも基板取付部材の露出された非基板取付領域により後部筐体を構成することによって、カバー部材を基板取付部材の一部(基板取付領域)のみを覆うように配置した場合にも、別途、後部筐体を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を前側から見た全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を後ろ側から見た全体斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の背面図(後面図)である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置の回路基板が取り付けられたリアフレームの平面図である。
【図6】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のカバー部材の背面図(後面図)である。
【図7】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のブロック図である。
【図8】図3の200−200線に沿った断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリアフレームの全体斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態によるカバー部材を19型の液晶テレビジョン装置のリアフレームに取り付けた場合を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態によるカバー部材を22型の液晶テレビジョン装置のリアフレームに取り付けた場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「表示装置」および「テレビジョン装置」の一例である。
【0022】
本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1および図2に示すように、矩形形状を有するとともに、枠状の前部筐体1と、前部筐体1に収納された液晶モジュール2と、液晶テレビジョン装置100全体を支持するスタンド部材3とを備えている。なお、液晶モジュール2は、本発明の「表示パネル」の一例である。また、前部筐体1およびスタンド部材3は、共に樹脂製である。
【0023】
また、図2および図3に示すように、前部筐体1の後面側(矢印Y2方向側)には、板金からなる金属製のリアフレーム5が配置されている。なお、リアフレーム5は、本発明の「基板取付部材」の一例である。また、リアフレーム5は、後方から見て、矩形形状を有しているとともに、前部筐体1よりも小さく形成されている。また、図3に示すように、前部筐体1の内周面部1aは、リアフレーム5の外周面部50に近接(接触)するとともに、リアフレーム5の外周面部50の周囲を覆うように配置されている。なお、内周面部1aは、本発明の「内周縁部」の一例であり、外周面部50は、本発明の「外周縁部」の一例である。
【0024】
また、金属製のリアフレーム5の裏面側には、樹脂製のカバー部材6が取り付けられている。このカバー部材6は、後方から見て、矩形形状を有しているとともに、前部筐体1およびリアフレーム5よりも小さく形成されている。
【0025】
また、図4に示すように、前部筐体1とリアフレーム5との間には、リアフレーム5から前部筐体1の方向(矢印Y1方向)に向かって、光反射シート(図示せず)、導光板(図示せず)、光学シート(図示せず)、枠状の樹脂フレーム4a、液晶セル(図示せず)および枠状のベゼル(図示せず)などが配置されている。また、樹脂フレーム4aの側方には、複数のLEDから構成される光源4bが配置されている。また、液晶モジュール2は、樹脂フレーム4a、上記図示しない構成要素、光源4bおよびリアフレーム5を含んでいる。
【0026】
ここで、本実施形態では、図4に示すように、金属製のリアフレーム5の後面(矢印Y2方向側の面)には、装置全体に電力を供給する機能を有する回路基板7および信号処理を行う回路基板8がX方向に所定の間隔を隔てて並べて取り付けられている。具体的には、図5に示すように、リアフレーム5の後面は、中央部分に設けられ、2つの回路基板7および8が取り付けられる基板取付領域51と、基板取付領域51を取り囲むように設けられた非基板取付領域52とを含んでいる。
【0027】
また、図4に示すように、リアフレーム5の後面には、2つの回路基板7および8の各々を取り付けるための複数の基板取付用ネジ穴5aが形成されている。また、回路基板7の外縁部には、ネジ9を挿入するためのネジ挿入穴7aが形成されているとともに、回路基板8の外縁部には、ネジ9を挿入するためのネジ挿入穴8aが形成されている。また、2つの回路基板7および8の各々は、複数のネジ9(図4および図5参照)が回路基板7のネジ挿入穴7aおよび回路基板8のネジ挿入穴8aを介してリアフレーム5の複数の基板取付用ネジ穴5aに取り付けられることにより、リアフレーム5に対して固定されている。また、リアフレーム5の後面には、外縁部に沿って、複数のネジ挿入穴5bが形成されている。この複数のネジ挿入穴5bの各々にネジ9(図4参照)が取り付けられることにより、リアフレーム5が前部筐体1(図4参照)に対して取り付けられている。また、リアフレーム5の後面には、カバー部材6を取り付けるための複数のカバー部材取付用ネジ穴5cが形成されている。
【0028】
また、2つの回路基板7および8が取り付けられたリアフレーム5の後面(矢印Y2方向側の表面)には、1つの樹脂製のカバー部材6が取り付けられている。また、本実施形態では、図5および図6に示すように、カバー部材6は、2つの回路基板7および8が取り付けられた基板取付領域51を後方(矢印Y2方向)側から覆うとともに、リアフレーム5の後面(矢印Y2方向)の非基板取付領域52(基板取付領域51以外の領域)を露出させるように配置されている。具体的には、図3に示すように、カバー部材6は、リアフレーム5の基板取付領域51の左右および上部の縁部を取り囲む非基板取付領域52が露出されるように配置されている。なお、リアフレーム5の基板取付領域51の下部の縁部側(矢印Z2方向側)には、非基板取付領域52は、設けられていない。すなわち、カバー部材6から露出されるリアフレーム5の非基板取付領域52は、逆U字形状を有する。
【0029】
また、金属製のリアフレーム5のカバー部材6から露出された非基板取付領域52により、液晶テレビジョン装置100の後部筐体が構成されている。すなわち、本実施形態では、液晶モジュール2を構成する金属製のリアフレーム5のカバー部材6から露出した部分を後部筐体として兼用している。つまり、本実施形態では、後部筐体は、金属製のリアフレーム5の非基板取付領域52と、カバー部材6とにより構成されている。また、リアフレーム5の露出された非基板取付領域52は、基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8から発生する熱を外部に放熱する放熱部として機能するように構成されている。
【0030】
また、図6に示すように、カバー部材6には、複数のネジ挿入穴6aおよび61aが形成されている。また、複数のネジ挿入穴6aおよび61aの各々にネジ9が取り付けられることにより、樹脂製のカバー部材6が金属製のリアフレーム5に対して取り付けられている。具体的には、図4に示すように、カバー部材6は、ネジ9がカバー部材6のネジ挿入穴6aを介してリアフレーム5のカバー部材取付用ネジ穴5cに取り付けられることにより、リアフレーム5に対して固定されている。なお、カバー部材6の左上に形成されたネジ挿入穴61aに挿入されたネジ9は、回路基板7の左上に形成されたネジ挿入穴7aを介して、リアフレーム5の左上に形成された基板取付用ネジ穴5aに取り付けられている。
【0031】
また、リアフレーム5の後面に形成されたカバー部材取付用ネジ穴5cのうちの下方に形成されたカバー部材取付用ネジ穴5cには、スピーカ取付部材10を挟み込むようにして、ネジ9によりカバー部材6が取り付けられている。また、スピーカ取付部材10には、2つのスピーカ11が取り付けられている。また、カバー部材6は、2つの回路基板7および8と、2つのスピーカ11が取り付けられたスピーカ取付部材10とを後方から覆うように取り付けられている。
【0032】
また、図5に示すように、リアフレーム5に取り付けられた2つの回路基板7および8のうちの矢印X1方向側に配置された信号処理用の回路基板8は、外部接続端子12aおよび12bと、外部接続端子12bと接続されたテレビジョン放送を受信可能な受信部(チューナー)13とを有している。また、図7に示すように、液晶テレビジョン装置100では、受信部13は、液晶モジュール2およびスピーカ11と接続されており、アンテナ200により受信されたテレビジョン放送信号(映像信号および音声信号)のうち映像信号を液晶モジュール2に出力するとともに、音声信号をスピーカ11に出力するように構成されている。また、図2に示すように、外部接続端子12aは、回路基板8から後面(矢印Y2方向側)に突出するように回路基板8に設けられているとともに、外部接続端子12bは、回路基板8から側方(矢印X1方向側)に突出するように回路基板8に設けられている。
【0033】
また、図6に示すように、カバー部材6の後面には、回路基板8に設けられた外部接続端子12aを後方(矢印Y2方向)に露出させるための丸穴形状を有する6つの開口部6bが設けられている。また、図2に示すように、回路基板8に設けられた6つの外部接続端子12aは、それそれ、カバー部材6の6つの開口部6bを介して、外部に設けられた電子機器などの接続配線と接続することが可能に構成されている。また、カバー部材6は、回路基板8に設けられた外部接続端子12bを側方(矢印X1方向)に露出させるための開口部6cを有している。この開口部6cは、側方(X方向)から見て、縦方向(Z方向)に延びるような矩形形状を有している。
【0034】
また、図8に示すように、カバー部材6は、リアフレーム5の後面の基板取付領域51に取り付けられた2つの回路基板7および8を収納する凹部6dを有している。また、カバー部材6の凹部6dは、後方(矢印Y2方向)に窪む形状を有している。また、2つの回路基板7および8は、カバー部材6の凹部6dに収納されるとともに、カバー部材6の内面と離間した状態でカバー部材6により覆われている。
【0035】
また、図8および図9に示すように、リアフレーム5の後面の基板取付領域51は、全体として凹形状に形成された凹部5dを有している。また、リアフレーム5の凹部5dには、カバー部材6の端部6eが嵌まり込むように取り付けられている。
【0036】
次に、図10および図11を参照して、1つのサイズのカバー部材6を異なるサイズのリアフレーム5および105に取り付ける場合について説明する。
【0037】
図10および図11に示すように、1つのサイズ(同じサイズ)のカバー部材6は、異なるサイズのリアフレーム5および105に取り付けることが可能なように構成されている。たとえば、図10に示す液晶テレビジョン装置を19型(インチ)とし、図11に示す液晶テレビジョン装置を22型(インチ)とした場合に、いずれのサイズの液晶テレビジョン装置にも、Z方向の長さがL1であるとともに、X方向の長さがL2であるカバー部材6を取り付けることが可能である。この場合、22型の液晶テレビジョン装置のリアフレームの非基板取付領域の表面積は、19型の液晶テレビジョン装置の非基板取付領域の表面積よりも大きくなる。なお、19型の液晶テレビジョン装置と、22型の液晶テレビジョン装置とに同じサイズのカバー部材6を取り付ける以外に、たとえば、26型の液晶テレビジョン装置と、32型の液晶テレビジョン装置とに26型および32型共通のサイズのカバー部材を取り付けることも可能である。
【0038】
本実施形態では、上記のように、後面に回路基板7および8が取り付けられた基板取付領域51を後方から覆うとともに、リアフレーム5の後面の基板取付領域51以外の非基板取付領域52を露出させるようにカバー部材6を配置する。これにより、リアフレーム5の基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8をカバー部材6により直接的に覆うことができるので、カバー部材6以外の部材を別途設ける必要がない分、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、リアフレーム5の基板取付領域51と非基板取付領域52との両方をカバー部材6により覆う場合と異なり、回路基板7および8から発生した熱をリアフレーム5の露出している非基板取付領域52から外部に効率よく放熱させることができる。また、リアフレーム5の露出された非基板取付領域52により後部筐体を構成することによって、カバー部材6をリアフレーム5の一部(基板取付領域51)のみを覆うように配置した場合にも、別途、後部筐体を設ける必要がない。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、基板取付領域51を覆うとともに非基板取付領域52を露出させるように配置されたカバー部材6が、回路基板8の6つの外部接続端子12aを露出させる開口部6bおよび外部接続端子12bを露出させる開口部6cを有することによって、回路基板7および8がカバー部材6により覆われた状態で、回路基板8の外部接続端子12aおよび12bをカバー部材6の開口部6bおよび6cを介して外部に設置された電子機器などの接続配線と容易に接続することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、後部筐体を構成するリアフレーム5を金属製にするとともに、リアフレーム5の露出された非基板取付領域52を基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8の熱を外部に放熱する放熱部として機能させることによって、後部筐体を構成するリアフレーム5が樹脂製の場合と比べて熱が伝わりやすいので、回路基板7および8から発生した熱を外部により効率よく放熱させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、リアフレーム5の後面の基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8をカバー部材6の凹部6dに収納された状態でカバー部材6により覆うことによって、リアフレーム5の後面に回路基板7および8が後方に突出するように取り付けられる場合にも、容易に、後方に突出した回路基板7および8をカバー部材6の凹部6dにより収納することができるので、容易に、回路基板7および8全体をカバー部材6により覆うことができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、非基板取付領域52を、リアフレーム5の後面に基板取付領域51の周囲を取り囲むように設けることによって、リアフレーム5の基板取付領域51の周囲を取り囲むように露出された非基板取付領域52により、放熱に有効な露出領域の面積を大きくすることができるので、リアフレーム5の基板取付領域51に取り付けられた回路基板7および8から発生した熱をより効果的に放熱することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、カバー部材6を凹形状の基板取付領域51に嵌まり込むように取り付けることによって、リアフレーム5の基板取付領域51が平坦面形状に形成されている場合と異なり、リアフレーム5の基板取付領域51が凹形状に形成されている分、液晶テレビジョン装置100全体の厚みを小さくすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、後部筐体を構成するリアフレーム5の外周面部50に近接して外周面部50の周囲を覆う内周面部1aを有する枠状の前部筐体1を設けることによって、容易に、後部筐体を構成するリアフレーム5の外周面部50に前部筐体1の内周面部1aを近接させて前部筐体1と後部筐体(リアフレーム5)とを対応する形状に形成することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、非基板取付領域52を露出させながら、回路基板7および8に加えてスピーカ11も覆うように、カバー部材6を配置することによって、スピーカ11を覆うための部材を別途設ける必要がない分、部品点数の増加を抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、カバー部材6を、異なるサイズ(19型、22型など)の表示パネル2(リアフレーム5および105)に対して共通する大きさ(サイズ)で取り付けることが可能なように構成することによって、異なるサイズ(19型、22型など)の表示パネル2(リアフレーム5および105)に取り付けるために異なる大きさ(サイズ)のカバー部材6を形成する必要がないので、その分、カバー部材6の製造工程を簡素化することができる。
【0047】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0048】
たとえば、上記実施形態では、表示装置(テレビジョン装置)の一例として液晶テレビジョン装置に本発明を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、テレビジョン装置以外のたとえばパーソナルコンピュータのモニタなどの他の表示装置や液晶テレビジョン装置以外のテレビジョン装置にも本発明を適用可能である。
【0049】
また、上記実施形態では、本発明の回路基板を取り付ける基板取付部材の一例として、リアフレームを適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回路基板が取り付けられた基板取付領域をカバー部材により覆うことが可能であれば、リアフレーム以外の基板取付部材でも適用可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、本発明の放熱機能を有する基板取付部材の一例として、金属製のリアフレームを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、放熱機能を有していれば、金属製以外のリアフレームでも適用可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、本発明のカバー部材の一例として、樹脂製のカバー部材を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、金属製のカバー部材を用いてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、リアフレームの基板取付領域に2つの回路基板を取り付ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、リアフレームの基板取付領域には、1つまたは3つ以上の回路基板を取り付けてもよい。そして、リアフレームの基板取付領域に取り付けられた1つまたは3つ以上の数の回路基板を覆うようにカバー部材を配置するとよい。
【符号の説明】
【0053】
1 前部筐体
1a 内周面部(内周縁部)
2 液晶モジュール(表示パネル)
5 リアフレーム(基板取付部材)
6 カバー部材
6b、6c 開口部
6d 凹部
7、8 回路基板
11 スピーカ
12a、12b 外部接続端子
13 受信部
50 外周面部(外周縁部)
51 基板取付領域
52 非基板取付領域
100 液晶テレビジョン装置(表示装置)(テレビジョン装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面に基板取付領域を有するとともに放熱機能を有する基板取付部材を含む表示パネルと、
前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域に取り付けられた回路基板と、
前記回路基板が取り付けられた前記基板取付領域を後方から覆うとともに、前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるように配置されたカバー部材とを備え、
少なくとも前記基板取付部材の露出された非基板取付領域により、後部筐体が構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記回路基板は、外部接続端子を有しており、
前記基板取付領域を覆うとともに前記非基板取付領域を露出させるように配置された前記カバー部材は、前記回路基板の外部接続端子を露出させる開口部を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記後部筐体を構成する前記基板取付部材は、金属製であり、
前記基板取付部材の露出された前記非基板取付領域は、少なくとも前記基板取付領域に取り付けられた前記回路基板の熱を外部に放熱する放熱部として機能する、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記回路基板を収納する凹部を有し、
前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域に取り付けられた前記回路基板は、前記カバー部材の凹部に収納された状態で前記カバー部材により覆われている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記基板取付部材の後面の前記非基板取付領域は、前記基板取付部材の後面に前記基板取付領域の周囲を取り囲むように設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域は、凹形状に形成されており、
前記カバー部材は、凹形状の前記基板取付領域に嵌まり込むように取り付けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記後部筐体を構成する前記基板取付部材の外周縁部に近接して前記外周縁部の周囲を覆う内周縁部を有する枠状の前部筐体をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
スピーカをさらに備え、
前記カバー部材は、前記非基板取付領域を露出させながら、前記回路基板に加えて前記スピーカも覆うように配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、異なるサイズの前記表示パネルに対して共通する大きさで取り付けることが可能なように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
テレビジョン放送を受信可能な受信部と、
後面に基板取付領域を有するとともに放熱機能を有する基板取付部材を含むテレビジョン放送を表示可能な表示パネルと、
前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域に取り付けられた回路基板と、
前記回路基板が取り付けられた前記基板取付領域を後方から覆うとともに、前記基板取付部材の後面の前記基板取付領域以外の非基板取付領域を露出させるように配置されたカバー部材とを備え、
少なくとも前記基板取付部材の露出された非基板取付領域により、後部筐体が構成されている、テレビジョン装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−50516(P2013−50516A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187156(P2011−187156)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】