説明

表示装置およびテレビジョン装置

【課題】カバー部材の小型化を図りながら、表示セル部の駆動用の回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置(表示装置)100は、液晶セル部21と、液晶セル部21の後面に配置される、液晶セル部21の駆動用の駆動回路基板211と、中央部以外の外周部26dおよび外周部周辺が後部筐体を構成するとともに、後部筐体を構成する領域261において液晶セル部21の後面に配置された駆動回路基板211の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレーム26と、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261以外の領域を後方から覆うカバー部材4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびテレビジョン装置に関し、特に、表示セル部を備える表示装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示セル部を備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)(表示セル部)と、PDPの後面を覆うようにPDPの後方に配置される板状のシャーシと、シャーシの後面に取り付けられるデジタル信号処理用の回路基板と、シャーシの後方および側方を覆うように設けられ、後部筐体を構成する導電性のバックカバー(カバー部材)とを備えた表示装置が開示されている。ここで、上記特許文献1には記載されていないが、PDPの後面には、上記デジタル信号処理用の回路基板とは別個にPDP(表示セル部)の駆動用回路基板が設けられていると考えられ、板状のシャーシによりPDPの駆動用回路基板の後方が覆われていると考えられる。そして、導電性のバックカバーにより、シャーシの後方および側方を覆うことによってPDPの駆動用回路基板の側方を覆っていると考えられる。このような構成により、上記特許文献1では、板状のシャーシおよびバックカバーの両方を用いて、PDP(表示セル部)の後面の駆動用回路基板の側方および後方を覆ってPDPの駆動用の回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−200046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、PDP(表示セル部)の駆動用回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することが可能である一方、板状のシャーシによりPDPの駆動用回路基板の後方を覆うとともに、導電性のバックカバーによりシャーシの後方および側方を覆ってPDPの駆動用回路基板の側方を覆う必要があるので、シャーシの後方および側方を覆うために後部筐体を構成するバックカバー(カバー部材)を大きくする必要がある。このため、バックカバー(カバー部材)の小型化を図るのが困難であるという問題点があると考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、カバー部材の小型化を図りながら、表示セル部の駆動用の回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、表示セル部と、表示セル部の後面に配置される、表示セル部の駆動用の第1回路基板と、中央部以外の外周部および外周部周辺が後部筐体を構成するとともに、後部筐体を構成する領域において表示セル部の後面に配置された第1回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームと、リアフレームの後部筐体を構成する領域以外の領域を後方から覆うカバー部材とを備える。
【0008】
この第1の局面による表示装置では、上記のように、後部筐体を構成する領域において表示セル部の後面に配置された表示セル部の駆動用の第1回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームを設けることによって、リアフレームにより第1回路基板の側方および後方の両方を覆って第1回路基板から放出される不要輻射が外部に漏れるのを抑制することができる。これにより、リアフレームの後方に設けられるカバー部材により第1回路基板を覆う必要がないので、カバー部材の小型化を図ることができる。すなわち、リアフレームの後部筐体を構成する領域以外の領域のみを覆うカバー部材を設けることができるので、カバー部材を小型化することができる。したがって、この表示装置では、カバー部材の小型化を図りながら、表示セル部の駆動用の第1回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、リアフレームは、第1回路基板に接続される配線をリアフレームの前方側から後方側に通すための貫通孔を含み、貫通孔は、後方から見て、第1回路基板に重ならない位置で、かつ、カバー部材により後方から覆われる領域に設けられている。このように構成すれば、第1回路基板に接続される配線を通すための貫通孔をリアフレームに設けたとしても、第1回路基板から放出される不要輻射が貫通孔を介して外部に漏れるのを抑制することができるので、リアフレームのシールド機能が低下するのを抑制することができる。また、カバー部材により貫通孔を覆い隠すことができる。
【0010】
この場合、好ましくは、リアフレームの後面のうち後部筐体を構成する領域以外の領域に取り付けられ、カバー部材により後方から覆われる第2回路基板をさらに備え、配線は、リアフレームの前方側に配置される第1回路基板と、リアフレームの後面に取り付けられる第2回路基板とを貫通孔を介して互いに接続するように構成されている。このように構成すれば、配線により、リアフレームの前方側に配置される第1回路基板とリアフレームの後面に取り付けられる第2回路基板とを貫通孔を介して容易に接続することができるとともに、カバー部材により、リアフレームの後面に取り付けられる第2回路基板および貫通孔の両方を覆い隠すことができる。
【0011】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、リアフレームは、後部筐体を構成する外周部が前方に向かって延びるように形成されており、外周部により第1回路基板の側方を覆うとともに、後部筐体を構成する外周部周辺により第1回路基板の後方を覆うように構成されている。このように構成すれば、後部筐体を構成する領域(外周部および外周部周辺の領域)により、容易に、第1回路基板の側方および後方の両方を覆って不要輻射が外部に漏れるのを効果的に抑制することができるので、シールド機能を向上させることができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、リアフレームは、板金製であり、後部筐体を構成する外周部周辺の領域に後方に向かって窪む凹形状に形成された第1絞り部を有し、凹形状に形成された第1絞り部により第1回路基板を後方から覆うように構成されている。このように構成すれば、第1絞り部によりリアフレームの外周部周辺の機械的強度が高められるので、リアフレームの後部筐体を構成する領域において、後部筐体として必要な強度を確保しながら不要輻射が外部に漏れるのを抑制することができる。また、後方に向かって窪む凹形状の第1絞り部を設けることによって、第1回路基板が後方に突出して配置されている場合にも、その突出して配置された第1回路基板を凹形状の第1絞り部により容易に覆うことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、表示セル部は、平面視で略矩形形状に形成されており、第1回路基板は、略矩形形状の表示セル部の一辺に沿って延びるように配置され、リアフレームの第1絞り部は、第1回路基板が延びる方向に延びるように形成されている。このように構成すれば、表示セル部の一辺に沿って延びる第1回路基板が後方に突出して配置される場合にも、その第1回路基板を第1絞り部により後方から確実に覆うことができるので、第1回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのをより抑制することができる。
【0014】
上記表示セル部が略矩形形状に形成された構成において、好ましくは、第1絞り部の底部には、第1絞り部が延びる方向に延びる第2絞り部が形成されている。このように構成すれば、第1絞り部の底部の面積が大きくなって底部が変形し易くなる場合でも、第2絞り部により底部の機械的強度が高められるので、後部筐体を構成する外周部周辺の第1絞り部の底部が変形するのを抑制して後部筐体として必要な強度を確保することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、表示セル部の後面に配置された光学部材と、光学部材を後方から支持する支持部材とをさらに備え、第1回路基板は、支持部材の後面に取り付けられ、リアフレームは、支持部材の後面に取り付けられた第1回路基板の側方および後方を後部筐体を構成する領域で覆うように構成されている。このように構成すれば、支持部材により第1回路基板を安定して支持することができるとともに、リアフレームにより、安定して支持される第1回路基板を覆って第1回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【0016】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、テレビジョン放送を受信可能な受信部と、受信部により受信されたテレビジョン放送を表示可能な表示セル部と、表示セル部の後面に配置される、表示セル部の駆動用の回路基板と、中央部以外の外周部および外周部周辺が後部筐体を構成するとともに、後部筐体を構成する領域において表示セル部の後面に配置された回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームと、リアフレームの後部筐体を構成する領域以外の領域を後方から覆うカバー部材とを備える。
【0017】
この第2の局面によるテレビジョン装置では、上記のように、後部筐体を構成する領域において表示セル部の後面に配置された表示セル部の駆動用の回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームを設けることによって、リアフレームにより回路基板の側方および後方の両方を覆って回路基板から放出される不要輻射が外部に漏れるのを抑制することができる。これにより、リアフレームの後方に設けられるカバー部材により回路基板を覆う必要がないので、カバー部材の小型化を図ることができる。すなわち、リアフレームの後部筐体を構成する領域以外の領域のみを覆うカバー部材を設けることができるので、カバー部材を小型化することができる。したがって、このテレビジョン装置では、カバー部材の小型化を図りながら、表示セル部の駆動用の回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、カバー部材の小型化を図りながら、表示セル部の駆動用の回路基板から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を前方から見た全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を後側から見た全体斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置を示した分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリアフレームを取り外した状態を後方から見た図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリアフレームを取り外した状態を示した概略斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリアフレームの後面を示した平面図である。
【図7】図6の200−200線に沿った断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置のリアフレームを取り付けた状態を後方から見た図である。
【図9】図8の300−300線に沿った断面図である。
【図10】図8の400−400線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の「表示装置」および「テレビジョン装置」を、液晶テレビジョン装置100に適用する例について説明する。
【0022】
本発明の一実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1および図2に示すように、枠状の前部筐体1と、前部筐体1の後ろ側(Y2方向側)に配置される液晶モジュール2と、液晶テレビジョン装置100全体を支持するスタンド部材3とを備えている。
【0023】
前部筐体1は、図1および図3に示すように、液晶モジュール2の矩形形状の表示領域21a(図1参照)を露出させるための略矩形形状の開口部1aを有している。また、図3に示すように、前部筐体1の内面1b(Y2方向側の表面)には、縁部に沿って複数のネジ螺合部11が前部筐体1に一体的に形成されている。
【0024】
液晶モジュール2は、図3に示すように、液晶セル部21と、光源22と、樹脂フレーム23と、光学部材24と、枠状のホールドプレート25と、リアフレーム26とを含んでいる。具体的には、リアフレーム26から前部筐体1の方向(矢印Y1方向)に向かって、ホールドプレート25、光学部材24、枠状の樹脂フレーム23、液晶セル部21の順で配置されている。また、樹脂フレーム23のX2方向側の側面には、複数のLEDから構成される光源22が配置されている。なお、液晶セル部21は、本発明の「表示セル部」の一例であり、ホールドプレート25は、本発明の「支持部材」の一例である。
【0025】
液晶セル部21は、液晶表示パネルを構成するとともに、液晶セルや電極シートなどにより構成されている。また、液晶セル部21は、後述する受信部(チューナ)28aにより受信されたテレビジョン放送に応じて駆動されてテレビジョン放送を表示するように構成されている。また、図3に示すように、液晶セル部21は、平面視で略矩形形状に形成されている。また、液晶セル部21は、図示しないベゼルにより前面側(Y1方向側)の縁部が押さえられるように構成されている。なお、ベゼルは、略L字状の断面形状を有する板金からなり、樹脂フレーム23との間に液晶セル部21の縁部を挟み込んで液晶セル部21の前面側を押さえるように構成されている。
【0026】
図3に示すように、液晶セル部21には、液晶セル部21の駆動用の駆動回路基板211が取り付けられている。駆動回路基板211は、略矩形形状の液晶セル部21の上側(Z1方向側)の一辺に沿ってX方向に延びるように配置されている。また、駆動回路基板211は、複数のフレキシブルケーブル211aにより液晶セル部21に接続されるとともに、液晶セル部21の後面に配置されている。具体的には、駆動回路基板211は、図4および図5に示すように、フレキシブルケーブル211aがU字状に折り曲げられることによって液晶セル部21の後方に配置される枠状のホールドプレート25の後面(Y2方向側の表面)にネジ7により取り付けられるように構成されている。詳細には、図9に示すように、駆動回路基板211は、ホールドプレート25の後方に突出する基板取付部25aにネジ7により取り付けられるように構成されている。このように駆動回路基板211は、ホールドプレート25から後方に突出した状態で配置されている。なお、駆動回路基板211は、本発明の「第1回路基板」および「回路基板」の一例である。
【0027】
樹脂フレーム23は、図3に示すように、枠状に形成されており、液晶セル部21の縁部を後ろ側(Y2方向側)から支持するように構成されている。光学部材24は、液晶セル部21の後面に配置され、光反射シート、導光板、拡散シートおよびレンズシートなどから構成されている。また、光学部材24は、樹脂フレーム23とホールドプレート25とにより挟み込まれることによって保持されている。ホールドプレート25は、光学部材24を後方から支持するように構成されている。また、ホールドプレート25は、板金(SECC(電気亜鉛めっき鋼板))製であり、光源22の熱を放散させるヒートシンクとして機能するように構成されている。
【0028】
リアフレーム26は、図3、図5および図6に示すように、導電性の板金であるSECC(電気亜鉛めっき鋼板)からなり、平面視で略矩形形状に形成されている。また、リアフレーム26は、複数の基板取付用ネジ穴26aを有している。これにより、リアフレーム26の後面26b(Y2方向側の表面)の中央部に、装置全体に電力を供給するための回路基板27(図3参照)と、テレビジョン放送を受信可能な受信部(チューナ)28aが設けられた信号処理用の回路基板28(図3参照)とを取り付けることが可能である。なお、回路基板28は、本発明の「第2回路基板」の一例である。
【0029】
また、リアフレーム26は、複数のカバー取付用ネジ穴26cを有し、回路基板27および28を覆うように凹形状に形成されたカバー部材4(図2および図3参照)が取り付けられるように構成されている。具体的には、リアフレーム26は、後面26bの中央部がカバー部材4により覆われるように構成されている。言い換えると、リアフレーム26の中央部以外の外周部26dおよび外周部周辺のU字形状の領域261(図6参照)は露出され、リアフレーム26の中央部以外の領域261とカバー部材4とにより液晶テレビジョン装置100の後部筐体が構成されている。すなわち、回路基板27および28は、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261以外の領域に取り付けられ、カバー部材4は、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261以外の領域を後方から覆っている。また、リアフレーム26は、ホールドプレート25を介して伝達される光源22の熱や回路基板27および28に搭載された電子部品の熱を、後部筐体を構成する露出された領域261により効果的に放熱することが可能である。
【0030】
また、図3、図5および図6に示すように、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261(図6参照)には、複数のネジ7(図3参照)を挿入可能な複数のネジ挿入穴26eが形成されている。リアフレーム26は、図3に示すように、ネジ挿入穴26eに挿入されるネジ7が前部筐体1のネジ螺合部11に螺合されることによって前部筐体1に取り付けられるように構成されている。また、リアフレーム26の後面26b側には、2つのスピーカ5が設けられている。スピーカ5は、スピーカ取付部材6を介してリアフレーム26とカバー部材4とにより挟み込まれることによって保持されるように構成されている。
【0031】
ここで、本実施形態では、図5および図8〜図10に示すように、リアフレーム26は、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261(図6参照)において、ホールドプレート25の後面に取り付けられた駆動回路基板211の側方および後方を覆うように構成されている。詳細には、リアフレーム26は、図5、図7、図9および図10に示すように、外周部26dが折り曲げられて前方(Y1方向)に延びることにより周状の側面部を有するように形成されている。また、リアフレーム26は、図6および図7に示すように、後部筐体を構成する外周部周辺の領域に後方(Y2方向)に向かって窪む凹形状に形成された絞り部262を有している。絞り部262は、図6に示すように、後方から見て、後部筐体を構成するU字形状の領域261の内側縁部に沿ってU字形状に形成されている。また、絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aは、駆動回路基板211が延びる方向(X方向)に延びるように形成されている。また、絞り部262の側方の部分262bは、上下方向(Z方向)に延びるように形成されている。また、図5〜図7に示すように、絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aの底部には、絞り部262が延びる方向(X方向)に延びる底部絞り部262cが形成されている。このような構成により、図8〜図10に示すように、リアフレーム26は、後部筐体を構成する外周部周辺に形成された絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aにより、後方に突出するように取り付けられた駆動回路基板211の後方を覆うとともに、前方に向かって折り曲げられた外周部(側面部)26dにより駆動回路基板211の側方を覆うことが可能である。なお、絞り部262は、本発明の「第1絞り部」の一例であり、底部絞り部262cは、本発明の「第2絞り部」の一例である。
【0032】
また、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261以外の領域には、X方向に所定の間隔を隔てて2つの貫通孔263aおよび263bが形成されている。貫通孔263aは、駆動回路基板211と回路基板28とを互いに接続するケーブル211bをリアフレーム26の前方側(Y1方向側)から後方側(Y2方向側)に通すために設けられている。なお、ケーブル211bは、本発明の「配線」の一例である。また、貫通孔263bは、回路基板27から光源22に電力を供給するためのケーブル221をリアフレーム26の前方側(Y1方向側)から後方側(Y2方向側)に通すために設けられている。また、2つの貫通孔263aおよび263bは、図6および図8に示すように、後方から見て略矩形形状に形成されている。また、2つの貫通孔263aおよび263bは、図8に示すように、後方から見て、駆動回路基板211に重ならない、駆動回路基板211よりも下方の位置に配置されている。すなわち、2つの貫通孔263aおよび263bは、2つの貫通孔263aおよび263bを介して駆動回路基板211が露出されない位置に形成されている。また、貫通孔263a(263b)の一部は、後方から見て回路基板28(27)に重なるように設けられている。また、2つの貫通孔263aおよび263bは、図3に示すように、カバー部材4により後方から覆われる位置に設けられている。
【0033】
本実施形態では、上記のように、後部筐体を構成する領域261において液晶セル部21の後面に配置された液晶セル部21の駆動用の駆動回路基板211の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレーム26を設けることによって、リアフレーム26により駆動回路基板211の側方および後方の両方を覆って駆動回路基板211から放出される不要輻射が外部に漏れるのを抑制することができる。これにより、リアフレーム26の後方に設けられるカバー部材4により駆動回路基板211を覆う必要がないので、カバー部材4の小型化を図ることができる。すなわち、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261以外の領域のみを覆うカバー部材4を設けることができるので、カバー部材4を小型化することができる。したがって、この液晶テレビジョン装置100では、カバー部材4の小型化を図りながら、液晶セル部21の駆動用の駆動回路基板211から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態では、上記のように、駆動回路基板211に接続されるケーブル211bをリアフレーム26の前方側から後方側に通すための貫通孔263aをリアフレーム26に設け、貫通孔263aを、後方から見て、駆動回路基板211に重ならない位置で、かつ、カバー部材4により後方から覆われる領域に設ける。これにより、駆動回路基板211に接続されるケーブル211bを通すための貫通孔263aをリアフレーム26に設けたとしても、駆動回路基板211から放出される不要輻射が貫通孔263aを介して外部に漏れるのを抑制することができるので、リアフレーム26のシールド機能が低下するのを抑制することができる。また、カバー部材4により貫通孔263aを覆い隠すことができる。
【0035】
また、本実施形態では、上記のように、リアフレーム26の後面26bのうち後部筐体を構成する領域261以外の領域に取り付けられてカバー部材4により後方から覆われる回路基板28を設け、ケーブル211bにより、リアフレーム26の前方側に配置される駆動回路基板211とリアフレーム26の後面26bに取り付けられる回路基板28とを貫通孔263aを介して互いに接続する。これにより、ケーブル211bにより、リアフレーム26の前方側に配置される駆動回路基板211とリアフレーム26の後面26bに取り付けられる回路基板28とを貫通孔263aを介して容易に接続することができるとともに、カバー部材4により、リアフレーム26の後面26bに取り付けられる回路基板28および貫通孔263aの両方を覆い隠すことができる。
【0036】
また、本実施形態では、上記のように、リアフレーム26の外周部26dを前方に向かって延びるように形成し、外周部26dにより駆動回路基板211の側方を覆うとともに、外周部周辺により駆動回路基板211の後方を覆うようにリアフレーム26を構成する。このように構成すれば、後部筐体を構成する領域261により、容易に、駆動回路基板211の側方および後方の両方を覆って不要輻射が外部に漏れるのを効果的に抑制することができるので、シールド機能を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、板金製のリアフレーム26の後部筐体を構成する外周部周辺の領域に、後方に向かって窪む凹形状に形成された絞り部262を設け、凹形状に形成された絞り部262により駆動回路基板211を後方から覆う。これにより、絞り部262によりリアフレーム26の外周部周辺の機械的強度が高められるので、リアフレーム26の後部筐体を構成する領域261において、後部筐体として必要な強度を確保しながら不要輻射が外部に漏れるのを抑制することができる。また、後方に向かって窪む凹形状の絞り部262を設けることによって、駆動回路基板211が後方に突出して配置されている場合にも、その突出して配置された駆動回路基板211を凹形状の絞り部262により容易に覆うことができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、駆動回路基板211を、略矩形形状の液晶セル部21の一辺に沿って延びるように配置し、リアフレーム26の絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aを、駆動回路基板211が延びる方向に延びるように形成する。これにより、液晶セル部21の一辺に沿って延びる駆動回路基板211が後方に突出して配置される場合にも、その駆動回路基板211を絞り部262により後方から確実に覆うことができるので、駆動回路基板211から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのをより抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aの底部に、絞り部262の上側(Z1方向側)の部分262aが延びる方向に延びる底部絞り部262cを形成する。これにより、絞り部262の底部の面積が大きくなって底部が変形し易くなる場合でも、底部絞り部262cにより底部の機械的強度が高められるので、後部筐体を構成する外周部周辺の絞り部262の底部が変形するのを抑制して後部筐体として必要な強度を確保することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、リアフレーム26を、ホールドプレート25の後面に取り付けられた駆動回路基板211の側方および後方を後部筐体を構成する領域261で覆うように構成する。これにより、ホールドプレート25により駆動回路基板211を安定して支持することができるとともに、リアフレーム26により、安定して支持される駆動回路基板211を覆って駆動回路基板211から放出される不要輻射(EMI)が外部に漏れるのを抑制することができる。
【0041】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0042】
たとえば、上記実施形態では、本発明の「表示装置」を、液晶テレビジョン装置に適用する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、パーソナルコンピュータのモニタなど、液晶テレビジョン装置以外の表示装置にも本発明を適用可能である。
【0043】
また、上記実施形態では、本発明の第1回路基板としての駆動回路基板を、液晶セル部(表示セル部)の上側の一辺に沿って延びるように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1回路基板を表示セル部の上側以外の一辺に沿って延びるように配置してもよいし、第1回路基板を所定方向に延びる形状に形成することなく表示セル部の後面に配置してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、本発明の表示セル部を液晶セル部に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の表示セル部は、液晶セル部以外の表示セル部にも広く適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
4 カバー部材(後部筐体)
21 液晶セル部(表示セル部)
24 光学部材
25 ホールドプレート(支持部材)
26 リアフレーム(後部筐体)
26d 外周部
28 回路基板(第2回路基板)
28a 受信部
100 液晶テレビジョン装置(表示装置、テレビジョン装置)
211 駆動回路基板(第1回路基板、回路基板)
211b ケーブル(配線)
262 絞り部(第1絞り部)
262c 底部絞り部(第2絞り部)
263a 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示セル部と、
前記表示セル部の後面に配置される、前記表示セル部の駆動用の第1回路基板と、
中央部以外の外周部および外周部周辺が後部筐体を構成するとともに、前記後部筐体を構成する領域において前記表示セル部の後面に配置された前記第1回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームと、
前記リアフレームの前記後部筐体を構成する領域以外の領域を後方から覆うカバー部材とを備える、表示装置。
【請求項2】
前記リアフレームは、前記第1回路基板に接続される配線を前記リアフレームの前方側から後方側に通すための貫通孔を含み、
前記貫通孔は、後方から見て、前記第1回路基板に重ならない位置で、かつ、前記カバー部材により後方から覆われる領域に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記リアフレームの後面のうち前記後部筐体を構成する領域以外の領域に取り付けられ、前記カバー部材により後方から覆われる第2回路基板をさらに備え、
前記配線は、前記リアフレームの前方側に配置される前記第1回路基板と、前記リアフレームの後面に取り付けられる前記第2回路基板とを前記貫通孔を介して互いに接続するように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記リアフレームは、前記後部筐体を構成する前記外周部が前方に向かって延びるように形成されており、前記外周部により前記第1回路基板の側方を覆うとともに、前記後部筐体を構成する前記外周部周辺により前記第1回路基板の後方を覆うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記リアフレームは、板金製であり、前記後部筐体を構成する前記外周部周辺の領域に後方に向かって窪む凹形状に形成された第1絞り部を有し、
前記凹形状に形成された第1絞り部により前記第1回路基板を後方から覆うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示セル部は、平面視で略矩形形状に形成されており、
前記第1回路基板は、略矩形形状の前記表示セル部の一辺に沿って延びるように配置され、
前記リアフレームの第1絞り部は、前記第1回路基板が延びる方向に延びるように形成されている、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1絞り部の底部には、前記第1絞り部が延びる方向に延びる第2絞り部が形成されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示セル部の後面に配置された光学部材と、
前記光学部材を後方から支持する支持部材とをさらに備え、
前記第1回路基板は、前記支持部材の後面に取り付けられ、
前記リアフレームは、前記支持部材の後面に取り付けられた前記第1回路基板の側方および後方を前記後部筐体を構成する領域で覆うように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
テレビジョン放送を受信可能な受信部と、
前記受信部により受信されたテレビジョン放送を表示可能な表示セル部と、
前記表示セル部の後面に配置される、前記表示セル部の駆動用の回路基板と、
中央部以外の外周部および外周部周辺が後部筐体を構成するとともに、前記後部筐体を構成する領域において前記表示セル部の後面に配置された前記回路基板の側方および後方を覆う導電性材料からなるリアフレームと、
前記リアフレームの前記後部筐体を構成する領域以外の領域を後方から覆うカバー部材とを備える、テレビジョン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−93751(P2013−93751A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234735(P2011−234735)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】