説明

表示装置および同表示装置を用いた表示方法

【課題】 ユーザーが簡便にかつ適切に表示状態をチェックできる表示装置および表示方法を提供すること。
【解決手段】 チェック表示制御部22のCPU221は記憶部222に圧縮されて記憶されたチェックパターン画像データを伸張してブリッジ回路223に出力する。回路223は所定のフォーマットを有するチェックパターン画像データを表示制御部21に出力する。また、CPU221はユーザーが表示状態を評価すべき領域および内容を示すガイド画像データを回路223を介して表示制御部21に出力する。制御部21のマイクロコンピュータ212は外部入力インターフェース211からの入力を禁止し、フレームメモリ213がチェックパターン画像データおよびガイド画像データを一時的に記憶し、画像制御回路214に供給する。これにより、表示部1はチェックパターン画像およびガイド画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置および同表示装置を用いた表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、下記特許文献1に示されたディスプレイ端末装置は知られている。このディスプレイ端末装置は、メニューや操作ガイダンスのような文字を中心とした表示画面を分かりやすいプレゼンテーション効果の大きいグラフィカルなイメージで高速に表示するために、予め作成されて圧縮された定型イメージデータを記憶部に格納しておくようになっている。そして、この格納したイメージデータを読み出して伸張部で伸張処理してバッファーメモリに展開し、さらに表示用メモリに転送してディスプレイに表示するようになっている。
【0003】
これにより、ハードウェアーおよびソフトウェアの構成が簡単でありながら、例えば、絵画的に自由に作成されたプレゼンテーション効果の大きいメニューや操作ガイダンスの画面を高速に表示することができるようになっている。
【特許文献1】特開平5−35256号公報
【発明の開示】
【0004】
ところで、上記従来のディスプレイ端末装置を含めて、外部から画像データを入力して表示する表示装置においては、入力した画像データに基づく各種画像を忠実に再現して表示することが要求される。特に、コンピュータに接続可能な表示装置として、最近、盛んに開発が行われている液晶表示装置においては、高い解像度および階調度を有しており、入力した画像データに基づく各種画像を極めて精細にかつ優れた階調再現性によって表示することができる。
【0005】
ここで、表示装置の優れた階調再現性、言い換えれば、良好な表示状態を維持するためには、表示される画像の表示状態を適切な間隔でチェックすることが望ましい。このような表示状態のチェックに関しては、例えば、表示装置に接続されたコンピュータにチェックに適した画像データすなわちチェックパターン画像データを予め記憶しておき、ユーザーがこのコンピュータから出力されたチェックパターン画像データに基づくチェックパターン画像の表示状態をチェックすることが考えられる。
【0006】
ところが、このようにチェックパターン画像を表示装置に表示させてユーザーが表示状態をチェックするためには、予め表示装置に対してコンピュータが接続されていなければならない。また、接続されたコンピュータが起動している状態でなければ、表示状態をチェックすることができない。このため、ユーザーが表示状態をチェックする状況においては、チェックを開始するまでの準備項目が増えて、チェック作業が煩雑となる可能性がある。
【0007】
また、最近では、表示装置にコンピュータ以外の外部装置(例えば、テレビチューナーやDVDプレーヤなど)が接続される機会も多い。このため、コンピュータが表示装置に接続されることを前提とする場合には、ユーザーによる表示状態のチェックが容易に行えない可能性もある。
【0008】
これに対して、例えば、表示装置に予めチェックパターン画像データを記憶させておき、チェック時に記憶させた画像データに基づくチェックパターン画像を表示させるようにすれば、ユーザーが容易に表示状態をチェックすることができる。しかし、チェックパターン画像データは、階調再現性が適切であるか否かをチェックできるように、一般的に高精細かつ高階調な画像を表示するために、大きなデータ量を有する場合が多い。
【0009】
このため、表示装置には、この大きなデータ量を記憶しておくための記憶容量の大きなメモリを設けておく必要がある。また、コンピュータを介さずに、高精細かつ高階調なチェックパターン画像を表示するためには、表示装置が高性能のグラフィックコントローラを内蔵しておくことも必要となる。したがって、表示装置自体の製造コストが増大する問題がある。
【0010】
さらに、このような表示装置の表示状態、より具体的には、階調再現性をチェックする場合には、一般的に、専門的な知識を必要とする場合がある。すなわち、一般のユーザーにおいては、階調再現性の良否を評価するために、表示されたチェックパターン画像のどの領域をどのようにチェックすればよいのか分からない場合がある。このため、ユーザーにおいては、適切に階調再現性をチェックすることが難しい場合がある。したがって、ユーザーが表示状態(階調再現性)をチェックする際には、チェックすべき領域やチェックすべき内容が報知されることが望ましい。
【0011】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザーが簡便にかつ適切に表示状態をチェックすることができる表示装置および同装置の表示方法を提供することにある。
【0012】
本発明の特徴は、予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置において、前記画像制御処理部が、前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止する外部入力禁止手段と、前記外部入力禁止手段が前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された所定の画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込む画像データ書き込み手段と、前記画像データ書き込み手段が前記所定の画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止する更新制御停止手段とを有することにある。この場合、前記記憶部に記憶される所定の画像データは、例えば、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであるとよい。
【0013】
また、本発明の他の特徴は、予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置において、前記記憶部に記憶される所定の画像データは、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであり、前記画像制御処理部が、前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止する外部入力禁止手段と、前記外部入力禁止手段が前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された評価用画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込む評価用画像データ書き込み手段と、前記評価用画像データ書き込み手段が前記評価用画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止する更新制御停止手段と、前記評価用画像データ書き込み手段が前記フレームメモリに書き込んだ評価用画像データに基づいて前記表示部に表示した評価用画像に対して、表示状態を評価する領域および表示状態を評価する評価内容を表す案内画像を前記表示部に表示する表示位置を決定する表示位置決定手段と、前記表示位置決定手段が決定した表示位置にて、前記案内画像を前記評価用画像に重ねて表示する案内画像表示制御手段とを有することにもある。
【0014】
さらに本発明の他の特徴は、予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置における表示状態を評価するための表示方法であって、前記記憶部に記憶される所定の画像データは、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであり、前記画像制御処理部は、前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止し、前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された評価用画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込み、前記評価用画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止し、前記フレームメモリに書き込んだ評価用画像データに基づいて、前記表示部に評価用画像を表示させ、前記表示部に表示した評価用画像に対して、表示状態を評価する領域および表示状態を評価する評価内容を表す案内画像を表示する表示位置を決定し、前記決定した表示位置にて前記案内画像を前記評価用画像に重ねて表示するようにしたことにもある。
【0015】
そして、これらの場合には、前記記憶部に記憶される所定の画像データ(評価用画像データ)は圧縮されて記憶されるものであり、前記画像制御処理部が、前記記憶部に圧縮されて記憶された所定の画像データ(評価用画像データ)を伸張する伸張処理手段を有するとよい。
【0016】
また、前記画像制御処理部が、前記記憶部に記憶された画像データ(評価用画像データ)のうち、予め設定された画像フォーマット形式で作成された所定の画像データ(評価用画像データ)を前記フレームメモリに出力する画像データ出力手段を有するとよい。この場合、前記画像データ出力手段は、例えば、前記記憶部に記憶された画像データ(評価用画像データ)のうち、前記予め設定された画像フォーマット形式で作成された所定の画像データ(評価用画像データ)を選択して前記フレームメモリに出力するとよい。また、前記画像データ出力手段は、例えば、前記記憶部に記憶された画像データ(評価用画像データ)を前記予め設定された画像フォーマット形式に変更し、同変更した所定の画像データ(評価用画像データ)を前記フレームメモリに出力するとよい。また、前記予め設定された画像フォーマット形式が、例えば、ビット・マップ形式であるとよい。
【0017】
これらによれば、表示装置の記憶部に予め記憶されている所定の画像データ(評価用画像データ)を表示させる際には、画像制御処理部が外部装置から外部入力画像データの入力を禁止することができる。そして、画像制御処理部は、フレームメモリに書き込まれた所定の画像データ(評価用画像データ)によって表される画像(評価用画像)を表示部に表示させることができる。
【0018】
このため、ユーザーが表示部の表示状態(階調再現性)をチェックする場合においては、外部装置(例えば、コンピュータ)を接続していない状態であっても、言い換えれば、外部装置からの入力に依存することなく、表示装置を起動することによって行うことが可能となる。また、外部装置が接続されている状態であっても、ユーザーは外部装置からの入力を禁止させるための操作を行う必要がない。したがって、ユーザーは、表示装置の表示状態をチェックするための準備項目を減らすことができて、簡単に表示状態をチェック(評価)することができる。
【0019】
また、記憶部に記憶される所定の画像データ(評価用画像データ)は、通常時に、例えば、ZIP形式など周知の方式により圧縮されて記憶されており、必要時に伸張処理により伸張されて表示部に表示される。これにより、記憶部における所定の画像データ(評価用画像データ)を記憶しておくための記憶容量を小さくすることができ、表示装置の製造コストを低減することができる。
【0020】
また、記憶部に記憶されている所定の画像データ(評価用画像データ)を表示部に表示する際には、予め設定されたフォーマット形式を有する画像データ(評価用画像データ)を選択して、あるいは、画像データ(評価用画像データ)を予め設定されたフォーマット形式に変更して表示部に表示することができる。ここで、予め設定されたフォーマット形式とは、例えば、画像フォーマット(ビット・マップ形式かベクタ形式か)や、表示部に画像を表示する際のフォーマット(例えば、表示部の解像度など)を含むものである。
【0021】
これにより、記憶部に種々のフォーマット形式で画像データ(評価用画像データ)が予め記憶されている場合であっても、例えば、表示部の解像度に合せたビット・マップ形式の画像データ(評価用画像データ)を選択したり、表示部の解像度に合わせて画像データ(評価用画像データ)の解像度を変更したりできる。したがって、表示装置の製造コストを低減することができるとともに、ユーザーは適切に表示された画像に基づいて表示状態をチェック(評価)することができる。
【0022】
また、外部装置から外部入力を禁止してフレームメモリに所定の画像データ(評価用画像データ)を一回だけ書き込んだ状態においては、フレームメモリの更新処理を停止させることができる。すなわち、通常、外部装置から外部入力画像データが入力される状況では、画像処理制御部が所定の時間間隔(所謂、リフレッシュレート)に合わせてフレームメモリに対する画像データの書き込みおよび読み出しを更新処理する。
【0023】
これに対して、所定の画像データ(評価用画像データ)が一回だけフレームメモリに書き込まれている場合には、同一の画像を表示部に表示させるため、書き込まれた画像データを更新処理する必要がない。このため、この場合には、フレームメモリの更新処理を停止することができる。また、表示装置が、例えば、高解像度をサポートする高性能なグラフィックコントローラを備えていなくても、表示部の表示形態に応じて、適切な画像(評価用画像)を表示することができる。したがって、画像処理制御部の処理能力を低くすることが可能となって表示装置の製造コストを低減できるとともに、装置の構成を簡略化することもできる。
【0024】
さらに、特に、評価用画像が表示部に表示されている状況において、この評価用画像に重ねて、ユーザーが表示状態をチェック(評価)すべき領域およびチェック(評価)すべき内容を表す案内画像をさらに表示することができる。これにより、ユーザーは、専門的な知識を有していなくても、表示部の表示状態(例えば、階調再現性など)を適切に、かつ、容易に評価することができる。これにより、ユーザーは、表示部の表示状態を常に良好に維持することができ、常に高精細および高階調の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の表示装置Sの構成を示す概略的な機能ブロック図である。この表示装置は、表示部1と、この表示部1に対して各種画像の表示を制御する制御部2とを備えている。表示部1は、例えば、LCD(Liquid Cristal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)およびこれらを作動させるための駆動回路などから構成されるものである。なお、LCDやCRT、PDPの構造および作動に関しては、本発明と直接関係しないため、その説明を省略する。
【0026】
制御部2は、表示制御部21とチェック表示制御部22とを備えている。表示制御部21は、表示装置Sに接続される外部装置(例えば、パーソナルコンピュータやテレビ用チューナ、DVDプレーヤ、ゲーム機など)から出力される画像データおよびチェック制御部22から出力される各種画像データを入力し、同入力した画像データに基づいて表示部1に画像を表示させるものである。チェック表示制御部22は、ユーザーが表示状態(例えば、階調再現性など)をチェックするためのチェックパターン画像データを表示制御部21に出力するとともに、表示されたチェックパターン画像上でユーザーがチェックすべきチェック領域およびこのチェック領域内でチェックすべき内容を案内するためのガイド画像データを表示制御部21に出力するものである。
【0027】
表示制御部21は、外部入力インターフェース211と、マイクロコンピュータ212と、フレームメモリ213と、画像制御回路214とを含んで構成されている。外部入力インターフェース211は、上述した外部装置と接続されて、同外部装置から出力される各種画像データを入力する。マイクロコンピュータ212は、入力した各種画像データを表示部1に出力するための作動を統括的に制御するものである。フレームメモリ213は、例えば、SD−RAMなどから構成されるものであり、外部入力インターフェース211を介して外部装置から入力された画像データや、後に詳述するチェック表示制御部22から出力されたチェックパターン画像データおよびガイド画像データを一時的に記憶し、同記憶した各種画像データを画像制御回路214に出力する。
【0028】
画像制御回路214は、フレームメモリ213から出力される各種画像データに含まれる階調値に基づく輝度や階調再現性などを適宜補正して出力する、ロジックICとしての所謂ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。このため、画像制御回路214には、出力された各種画像データを補正するためのLUT(Look Up Table)回路が設けられている。そして、画像制御回路214は、補正した画像データに基づき、表示部1に対応する画像を表示させる。
【0029】
チェック表示制御部22は、同制御部22の作動を統括的に制御するCPU221を備えている。CPU221は、図示省略のROM内に予め記憶された所定のプログラムを実行することにより、ユーザーが表示部1の表示状態をチェックするための作動を制御する。そして、このCPU221には、チェックパターン画像を予め記憶しておく記憶部222と表示制御部21とチェック表示制御部22とを連結するブリッジ回路223とが接続されている。
【0030】
記憶部222は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリなど)やハードディスク、CD−ROMあるいはDVD−ROMなどの記憶媒体および駆動装置などから構成される記憶装置を含むものである。そして、記憶部222は、表示部1の解像度に合わせて予め作成されたチェックパターン画像データを圧縮処理された状態で記憶している。
【0031】
なお、記憶部222に予め記憶されているチェックパターン画像データに関しては、汎用性を確保するために、種々のフォーマット形式(例えば、ベクタ形式やビットマップ形式など)に従って作成することが可能であり、これら各フォーマット形式で作成した画像データをまとめて圧縮処理して記憶しておくことが可能である。この場合、本実施形態においては、記憶部222に圧縮されて記憶されるチェックパターン画像データには、少なくとも、フォーマット形式としてビット・マップ形式で作成されたチェックパターン画像データが含まれるものとする。
【0032】
ブリッジ回路223は、表示制御部21とチェック表示制御部22とをデータ通信可能に接続するものである。ここで、ブリッジ回路223は、ロジックICとしてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、記憶部222に記憶されたチェックパターン画像データがCPU221によって伸張処理された後、所定のフォーマット形式(この実施形態においてはビット・マップ形式)を有するチェックパターン画像データを選択的に表示制御部21に出力するようになっている。
【0033】
また、表示装置Sは、ユーザーによって操作される操作部23を備えている。操作部23は、例えば、表示部1における表示パネルの周囲部分に配置されて、後述する表示状態のチェックにおいてユーザーによって操作されるものである。
【0034】
次に、上記のように構成した表示装置Sの動作について、ユーザーが表示状態のチェックを行うための動作(以下、チェック動作という)から説明する。
【0035】
ユーザーによって表示装置Sが起動されると、あるいは、ユーザーによって操作部23が特定操作されると、チェック表示制御部22のCPU221は、ROM内に予め記憶された所定のプログラムの実行を開始する。ここで、CPU221は、以下に説明するチェック動作を行っている間、所定の通信路を介して、表示制御部21のマイクロコンピュータ212に対し、外部入力インターフェース211による外部入力画像データの入力を禁止するように指示する。この指示に応じて、マイクロコンピュータ212は、外部入力インターフェース211からの入力を禁止する。これにより、表示装置Sは、外部装置からの入力に依存することなく、チェック動作を行う状態になる。
【0036】
CPU221は、プログラムの実行を開始すると、記憶部222の所定記憶位置に、例えば、ZIP形式により圧縮されて予め記憶されているチェックパターン画像データを取得する。そして、CPU221は、取得したデータを周知の伸張方式に従って伸張する。これにより、少なくとも、ビット・マップ形式のチェックパターン画像データが生成され、CPU221は、生成したチェックパターン画像データを一時的に図示しないRAMの所定記憶位置に記憶する。
【0037】
次に、CPU221は、伸張処理によって生成するとともにRAMに一時的に記憶したチェックパターン画像データをブリッジ回路223に供給する。ブリッジ回路223においては、供給されたチェックパターン画像データのうち、所定のフォーマット形式すなわちビット・マップ形式を有するチェックパターン画像データを選択的に表示制御部21に出力する。
【0038】
すなわち、記憶部222には、上述したように、種々のフォーマット形式に従って作成されたチェックパターン画像データが圧縮されて予め記憶される場合がある。この場合、ユーザーが表示部1の表示状態(より具体的には、階調再現性)をチェックするにあたっては、ドットパードット表示が可能なビット・マップ形式で作成されたチェックパターン画像を用いるとよい。このため、ブリッジ回路223は、CPU221から供給されるチェックパターン画像データのうち、ビット・マップ形式により作成されたチェックパターン画像データを表示制御部21に対して出力する。ここで、ブリッジ回路223は、上述したように、ASICであるため、特定のフォーマットを有するチェックパターン画像データを選択して出力するように、予め構成されている。
【0039】
なお、ビット・マップ形式のチェックパターン画像データを出力するにあたり、ブリッジ回路223は、例えば、CPU221から供給されたチェックパターン画像データがRGB情報を有している場合には、RGB情報のうちのいずれか一つの情報を有する画像データを出力するようにするとよい。これにより、表示制御部21(より詳しくは、フレームメモリ213)に出力するデータ量を低減することができる。
【0040】
また、CPU221は、記憶部222に圧縮されて記憶されたチェックパターン画像データ一個に対して一回のみ伸張処理してブリッジ回路223に供給する。これにより、ブリッジ回路223は、伸張処理されたチェックパターン画像データを一回だけ表示制御部21に対して出力する。これは、ユーザーが表示状態をチェックするために表示部1に表示されるチェックパターン画像データは、ユーザーが表示状態をチェックしている間同一であるためである。
【0041】
すなわち、通常、表示制御部21は、例えば、外部装置から画像データが供給されると、表示すべき画像が同一であるか否かに関わらず、所定の間隔(所謂、リフレッシュレート)で表示画像を更新する。これに対して、ユーザーが表示状態をチェックしている間は、ブリッジ回路223から1回のみチェックパターン画像データが出力されるため、リフレッシュレートに合わせた出力処理を行わない。したがって、ブリッジ回路223の処理能力を小さくすることができ、その結果、コストダウンを実現することができる。
【0042】
このように、チェック表示制御部22のブリッジ回路223から出力されたチェックパターン画像データは、表示制御部21の画像制御回路214を介してフレームメモリ213に供給されて一時的に記憶される。すなわち、チェック表示制御部22のCPU221は、所定の通信路を介して、表示制御部21のマイクロコンピュータ212に対して、ブリッジ回路223から出力されるチェックパターン画像データをフレームメモリ213に記憶するように指示する。
【0043】
マイクロコンピュータ212においては、CPU221の指示に従い、ブリッジ回路223から画像制御回路214にチェックパターン画像データが出力されると、画像制御回路214に対して、出力されたチェックパターン画像データをフレームメモリ213に供給するように指示する。これにより、画像制御回路214は、ブリッジ回路223から出力されたチェックパターン画像データをフレームメモリ213に供給する。フレームメモリ213においては、供給されたチェックパターン画像データを所定の記憶位置に記憶する(書き込まれる)。
【0044】
ここで、上述したように、チェックパターン画像データは、画像制御回路214に対して、チェック表示制御部22のブリッジ回路223から一回のみ出力される。したがって、フレームメモリ213には、チェックパターン画像データが一回のみ記憶される。言い換えれば、フレームメモリ213は、例えば、リフレッシュレートに応じて、同一のチェックパターン画像データを更新して記憶し直す必要がなく、その結果、マイクロコンピュータ212および画像制御回路214の処理能力を小さくすることができる。
【0045】
画像制御回路214は、マイクロコンピュータ212の指示に従い、フレームメモリ213の所定の記憶位置に記憶されたチェックパターン画像データを読み出す。そして、画像制御回路214は、読み出したチェックパターン画像データに対して、LUT回路を用いることによって、例えば、輝度値の補正を行った後、表示部1にチェックパターン画像データを出力して表示させる。これにより、表示部1は、チェックパターン画像を表示可能領域の全体にわたり表示する。
【0046】
一方で、チェック表示制御部22のCPU221は、ROMに予め記憶された所定のプログラムを実行することにより、ユーザーが表示部1に表示されたチェックパターン画像に基づいて適切に階調再現性を評価できるように、ガイド画像データを生成する。以下、このことを具体的に説明する。
【0047】
表示部1に表示される各種画像に関し、その階調再現性を評価するためには、専門的な知識を必要とする場合がある。特に、より高い階調再現性を必要とする画像を表示させるためには、より専門的な知識に基づいて評価する必要がある。しかし、一般的なユーザーにおいては、この専門的な知識を有しているとは限らない。このため、CPU221は、予め作成されて表示されるチェックパターン画像に対して、専門的な知識を有していないユーザーであっても、適切に階調再現性が評価できるように、チェックすべき領域およびその領域内における評価内容を報知するガイド画像データを生成する。そして、CPU221は、この生成したガイド画像データに基づくガイド画像を、所謂、オーバーレイ機能(PinP(Picture in Picture))機能により、チェックパターン画像上に重ねて表示させる。
【0048】
具体的には、CPU221は、まず、ユーザーがチェックパターン画像中でチェックすべき領域を示すための枠画像を表示する表示位置を決定する。すなわち、CPU221は、表示部1に表示されたチェックパターン画像の全領域うち、より適切に階調再現性を評価できる領域を含むように、枠画像の表示位置を決定する。ここで、階調再現性を評価する領域としては、全表示領域に対して予め複数個所に設定されている。そして、後述するように、ユーザーが枠画像によって指し示された領域内の階調再現性を評価するごとに、CPU221は順次枠画像の表示位置を変更する。
【0049】
次に、CPU221は、決定した枠画像の表示位置に対応して同枠画像によって仕切られる領域内で評価すべき内容を決定する。そして、CPU221は、同決定した評価内容を表すテキストデータを枠画像に隣接させて表示させるようにしてガイド画像データを生成する。
【0050】
このように、ガイド画像データを生成すると、CPU221は、同画像データをブリッジ回路223に供給する。ブリッジ回路223においては、供給されたガイド画像データを表示制御部21に出力する。ここで、ブリッジ回路223は、CPU221からガイド画像データが供給された場合には、表示制御部21に対して供給された画像データを出力するように、予めプログラミングされている。
【0051】
なお、本実施形態においては、ガイド画像を枠画像を有するように実施するが、この枠画像を省略して実施することも可能である。この場合、評価領域をユーザに知らせるために、例えば、矢印などをテキストデータに付加するようにするとよい。
【0052】
ブリッジ回路223から出力されたガイド画像データは、表示制御部21の画像制御回路214を介してフレームメモリ213に供給されて一時的に記憶される。すなわち、チェック表示制御部22のCPU221は、所定の通信路を介して、表示制御部21のマイクロコンピュータ212に対して、ブリッジ回路223から出力されるガイド画像データをフレームメモリ213に記憶するように指示する。
【0053】
マイクロコンピュータ212においては、CPU221の指示に従い、ブリッジ回路223から画像制御回路214にガイド画像データが出力されると、画像制御回路214に対して、出力されたガイド画像データをフレームメモリ213に供給するように指示する。これにより、画像制御回路214は、ブリッジ回路223から出力されたガイド画像データをフレームメモリ213に供給する。フレームメモリ213においては、供給されたガイド画像データを所定の記憶位置に記憶する(書き込まれる)。
【0054】
ここで、ガイド画像データは、上述したように、CPU221がユーザーに対してチェックすべき領域を変更するごとに、画像制御回路214に対してブリッジ回路223から出力される。したがって、フレームメモリ213は、ガイド画像データが供給されるごとに更新して記憶する。ここで、CPU221によって生成されるガイド画像データは、例えば、枠画像とテキストデータとから形成されるものであるため、そのデータ容量は小さくなる。したがって、フレームメモリ213の記憶容量を小さくすることができて、コストを低減することができる。
【0055】
画像制御回路214は、マイクロコンピュータ212の指示に従い、フレームメモリ213の所定記憶位置に記憶されたガイド画像データを読み出す。そして、画像制御回路214は、PinP機能により、既に表示部1に表示されているチェックパターン画像に対して、CPU221が決定した表示位置となるように、ガイド画像データに基づくガイド画像を表示させる。これにより、表示部1は、図2に示すように、ユーザーが階調再現性をチェックすべき領域を枠画像によって報知するとともに、同領域内でチェックすべき内容を文字列によって報知することができる。
【0056】
このように、チェックパターン画像とガイド画像とが表示部1に表示された状態において、ユーザーは、ガイド画像の枠画像によって指し示される領域内の階調再現性を表示された評価内容に従って評価してチェックする。そして、ユーザーは、階調再現性を評価した結果、領域内の表示状態が良好であれば、例えば、操作部23を操作して表示状態が良好であることをチェック表示制御部22のCPU221に入力する。
【0057】
この操作部23からの入力に基づき、CPU221は、決定した領域内における階調再現性が良好であるとユーザーが判断した場合には、次に評価すべき領域を決定し、ガイド画像データを生成し、上述したように、表示部1の決定した領域に対応するガイド画像を表示させる。
【0058】
一方、ユーザーは、表示された評価内容に従って評価した結果、領域内の階調再現性が不良であれば、操作部23を操作して不良であることをチェック表示制御部22のCPU221に入力する。
【0059】
そして、この場合には、CPU221は、別途予め設定されたエラー対処メッセージ(例えば、「管理者に連絡してください。」など)を表示部1に表示させる。また、CPU221は、ユーザーによる評価が不良であったことを表す情報を履歴情報として、例えば、表示装置S内に保存したり、あるいは、表示装置Sがネットワークに接続されている場合にはサーバ内に保存したりする。
【0060】
このように、CPU221は、表示状態すなわち階調再現性をチェックすべき領域およびチェック内容を報知し、ユーザーがすべての領域において階調再現性が良好であることをチェックすると、チェック動作を終了する。そして、CPU221は、表示制御部21のマイクロコンピュータ212に対して、所定の通信路を介して、外部入力インターフェース211による外部装置からの外部入力画像データの入力を許可するように指示する。
【0061】
この指示に応じて、マイクロコンピュータ212は、外部入力インターフェース211による外部装置からの外部入力画像データの入力を許容し、表示装置Sの動作状態を通常動作に移行する。これにより、外部装置から出力された外部入力画像データは、外部入力インターフェース211から画像制御回路214を介してフレームメモリ213に入力される。フレームメモリ213は、一時的に記憶した外部入力画像データを所定のリフレッシュレートに応じて、画像制御回路214に供給する。画像制御回路214においては、供給された外部入力画像データに対して、上述したチェック動作によりユーザーが良好であると評価した階調再現性に基づく補正を加え、表示部1に補正した画像データを供給する。そして、表示部1は、供給された画像データに基づく階調値により、画像を表示する。
【0062】
以上の説明からも理解できるように、本実施形態によれば、表示装置Sの記憶部222に予め記憶されているチェックパターン画像データに基づくチェックパターン画像を表示させる際には、画像制御処理部を構成するCPU221がマイクロコンピュータ212に指示することによって、外部装置から外部入力画像データの入力を禁止することができる。そして、画像制御回路214は、フレームメモリ213に書き込まれたチェックパターン画像データによって表されるチェックパターン画像を表示部1に表示させることができる。
【0063】
このため、ユーザーが表示部1の表示状態(階調再現性)をチェックする場合においては、外部装置(例えば、コンピュータ)を接続していない状態であっても、言い換えれば、外部装置からの入力に依存することなく、表示装置Sを起動することによって行うことが可能となる。また、外部装置が接続されている状態であっても、ユーザーは外部装置からの入力を禁止させるための操作を行う必要がない。したがって、ユーザーは、表示装置Sの表示状態をチェックするための準備項目を減らすことができて、簡単に表示状態をチェック(評価)することができる。
【0064】
また、記憶部222に記憶されるチェックパターン画像データは、通常時に、例えば、ZIP形式など周知の方式により圧縮されて記憶されており、必要時に伸張処理により伸張されて表示部1に表示される。これにより、記憶部222におけるチェックパターン画像データを記憶しておくための記憶容量を小さくすることができ、表示装置Sの製造コストを低減することができる。
【0065】
また、記憶部222に記憶されているチェックパターン画像データを表示部1に表示する際には、ブリッジ回路223が予め設定されたフォーマット形式を有するチェックパターン画像データを選択して表示制御部21に出力し、画像制御回路214はこの出力されたチェックパターン画像データに基づいて表示部1に表示させることができる。
【0066】
これにより、記憶部222に種々のフォーマット形式でチェックパターン画像データが予め記憶されている場合であっても、例えば、ビット・マップ形式のチェックパターン画像データを選択することができる。これにより、表示装置Sが、例えば、高解像度をサポートする高性能なグラフィックコントローラを備えていなくても、表示部1の表示形態に応じて、適切なチェックパターン画像を表示することができる。したがって、表示装置Sの製造コストを低減することができるとともに、ユーザーは適切に表示されたチェックパターン画像に基づいて表示状態をチェック(評価)することができる。
【0067】
また、外部装置から外部入力を禁止してフレームメモリ213にチェックパターン画像データを一回だけ書き込んだ状態においては、フレームメモリ213の更新処理を停止させることができる。すなわち、通常、外部装置から外部入力画像データが入力される状況では、マイクロコンピュータ212および画像制御回路214が所定のリフレッシュレートに応じてフレームメモリ213に対する画像データの書き込みおよび読み出しを更新処理する。
【0068】
これに対して、チェックパターン画像データが一回だけフレームメモリ213に書き込まれている場合には、同一の画像を表示部1に表示させるため、書き込まれたチェックパターン画像データを更新処理する必要がない。したがって、この場合には、フレームメモリ213の更新処理を停止することができ、その結果、マイクロコンピュータ212および画像制御回路214の処理能力を低くすることが可能となって表示装置Sの製造コストを低減できるとともに、同装置Sの構成を簡略化することもできる。
【0069】
さらに、チェックパターン画像が表示部1に表示されている状況において、このチェックパターン画像に重ねて、ユーザーが表示状態をチェック(評価)すべき領域およびチェック(評価)すべき内容を表すガイド画像をさらに表示することができる。これにより、ユーザーは、専門的な知識を有していなくても、表示部1の表示状態(例えば、階調再現性など)を適切に、かつ、容易に評価することができる。これにより、ユーザーは、表示部1の表示状態を常に良好に維持することができ、常に高精細および高階調の画像を得ることができる。
【0070】
上記実施形態においては、表示装置Sがチェック動作しているときに、ユーザーが表示部1に表示されたチェックパターン画像およびガイド画像に従って目視により表示状態(例えば、階調再現性)を評価するように実施した。この場合、表示装置Sが輝度センサを備えている場合には、この輝度センサを用いて表示状態を評価するように実施することも可能である。以下、この変形例を説明する。
【0071】
この変形例においては、輝度センサがチェック表示制御部22のCPU221に対して接続される。そして、CPU221は、上述した実施形態と同様に、記憶部222に予め圧縮されて記憶されているチェックパターン画像データを伸張処理し、ブリッジ回路223に供給するとともに、プログラムの実行によってガイド画像データをブリッジ回路223に供給する。これにより、表示制御部21のマイクロコンピュータ212、フレームメモリ213および画像制御回路214が互いに協働して、表示部1にチェックパターン画像およびガイド画像が表示される。
【0072】
ただし、この変形例においては、ガイド画像として、枠画像とともにユーザーが表示部1に表示された枠画像内に輝度センサを合わせるように指示する内容が表示される。そして、ユーザーがこの指示内容に従って枠画像によって仕切られた領域内に輝度センサを合わせることにより、領域内の輝度が輝度センサによって検出されるとともに、同検出された輝度を表す検出輝度値がCPU221に出力される。これにより、CPU221は、出力された検出輝度値を入力し、同検出値が適切であるか否かを判定する。したがって、この変形例によれば、表示状態(階調再現性)を自動的に評価することができて、ユーザーはより簡便に表示状態のチェックを行うことができる。
【0073】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態においては、制御部2を表示制御部21とチェック表示制御部22とから構成して実施した。そして、表示装置Sの作動状態がチェック作動であるときに、チェック表示制御部22のCPU221が表示制御部21のマイクロコンピュータ212に対して各種指示を行うように実施した。しかしながら、この場合、例えば、表示制御部21のマイクロコンピュータ212を省略し、チェック表示制御部22のCPU221が表示制御部21とチェック表示制御部22の作動を統括的に制御するようにしてもよい。これにより、制御部2の構成をより簡略化することができて、表示装置Sの製造コストをより低減することができる。
【0075】
また、上記実施形態においては、チェック表示制御部22の記憶部222に圧縮されて記憶されるチェックパターン画像データが表示部1の解像度に合わせて作成されるように実施した。しかし、より汎用性を持たせるために、種々の解像度を有するチェックパターン画像データを圧縮して記憶部222に記憶するように実施することも可能である。
【0076】
この場合には、チェック表示制御部22のCPU221が記憶部222に記憶されたチェックパターン画像データを伸張処理した後、ブリッジ回路223が表示部1の解像度に一致するとともにビット・マップ形式のチェックパターン画像データを選択的に表示制御部21に対して出力すればよい。また、例えば、表示部1の解像度に一致しないチェックパターン画像データしか存在しない場合には、ブリッジ回路223が表示部1の解像度に合わせて、言い換えれば、チェックパターン画像データが表示部1の表示領域の全領域で表示されるように、チェックパターン画像データの解像度あるいは画像フォーマットを変換して表示制御部21に対して出力すればよい。
【0077】
これらにより、個々の表示装置Sの表示部1における解像度に応じたチェックパターン画像データを用意する必要がない。さらに、ブリッジ回路223を、ビット・マップ形式であって表示部1の解像度に一致するチェックパターン画像データを選択的に出力するように、あるいは、チェックパターン画像データを表示部1の解像度に合わせて変換するようにプログラミングすることにより、CPU221が高い処理能力を有する必要がなく、また、表示装置Sがグラフィックコントローラを備えておく必要もない。したがって、これらによっても、表示装置Sの製造コストを低減することができるとともに、同装置Sの構成を簡略化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す概略的なブロック図である。
【図2】表示部に表示されたチェックパターン画像およびガイド画像を説明するための概略的な図である。
【符号の説明】
【0079】
1…表示部、2…制御部、21…表示制御部、211…外部入力インターフェース、212…マイクロコンピュータ、213…フレームメモリ、214…画像制御回路、22…チェック表示制御部、221…CPU、222…記憶部、223…ブリッジ回路、23…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置において、
前記画像制御処理部が、
前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止する外部入力禁止手段と、
前記外部入力禁止手段が前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された所定の画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込む画像データ書き込み手段と、
前記画像データ書き込み手段が前記所定の画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止する更新制御停止手段とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載した表示装置において、
前記記憶部に記憶される所定の画像データは、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置において、
前記記憶部に記憶される所定の画像データは、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであり、
前記画像制御処理部が、
前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止する外部入力禁止手段と、
前記外部入力禁止手段が前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された評価用画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込む評価用画像データ書き込み手段と、
前記評価用画像データ書き込み手段が前記評価用画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止する更新制御停止手段と、
前記評価用画像データ書き込み手段が前記フレームメモリに書き込んだ評価用画像データに基づいて前記表示部に表示した評価用画像に対して、表示状態を評価する領域および表示状態を評価する評価内容を表す案内画像を前記表示部に表示する表示位置を決定する表示位置決定手段と、
前記表示位置決定手段が決定した表示位置にて、前記案内画像を前記評価用画像に重ねて表示する案内画像表示制御手段とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載した表示装置において、
前記記憶部に記憶される所定の画像データは圧縮されて記憶されるものであり、
前記画像制御処理部が、
前記記憶部に圧縮されて記憶された所定の画像データを伸張する伸張処理手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載した表示装置において、さらに、
前記画像制御処理部が、
前記記憶部に記憶された画像データのうち、予め設定された画像フォーマット形式で作成された所定の画像データを前記フレームメモリに出力する画像データ出力手段を有することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載した表示装置において、
前記画像データ出力手段は、
前記記憶部に記憶された画像データのうち、前記予め設定された画像フォーマット形式で作成された所定の画像データを選択して前記フレームメモリに出力することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項5に記載した表示装置において、
前記画像データ出力手段は、
前記記憶部に記憶された画像データを前記予め設定された画像フォーマット形式に変更し、同変更した所定の画像データを前記フレームメモリに出力することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項5に記載した表示装置において、
前記予め設定された画像フォーマット形式がビット・マップ形式であることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
予め作成された所定の画像データを記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された所定の画像データまたは外部装置から入力される外部入力画像データを一時的に記憶するフレームメモリと、このフレームメモリに対する前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データの書き込みおよび読み出しを所定の時間間隔により更新制御するとともに、同フレームメモリに一時的に記憶された前記所定の画像データまたは前記外部入力画像データに基づいて表示部に画像を表示する画像制御処理部とを備えた表示装置における表示状態を評価するための表示方法であって、
前記記憶部に記憶される所定の画像データは、前記表示部における表示状態を評価するための評価用画像データであり、
前記画像制御処理部は、
前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止し、
前記外部装置から前記外部入力画像データの入力を禁止した状態で、前記記憶部に記憶された評価用画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込み、
前記評価用画像データを書き込んだ後、前記フレームメモリに対する書き込みの更新制御を停止し、
前記フレームメモリに書き込んだ評価用画像データに基づいて、前記表示部に評価用画像を表示させ、
前記表示部に表示した評価用画像に対して、表示状態を評価する領域および表示状態を評価する評価内容を表す案内画像を表示する表示位置を決定し、
前記決定した表示位置にて前記案内画像を前記評価用画像に重ねて表示するようにしたことを特徴とする表示装置の表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載した表示装置の表示方法において、
前記記憶部に記憶される評価用画像データは圧縮されて記憶されるものであり、
前記画像制御処理部は、
前記記憶部に圧縮されて記憶された評価用画像データを伸張し、同伸張した評価用画像データを前記フレームメモリに一回だけ書き込むようにしたことを特徴とする表示装置の表示方法。
【請求項11】
請求項9に記載した表示装置の表示方法において、
前記画像制御処理部は、
前記記憶部に記憶された評価用画像データのうち、予め設定された画像フォーマット形式で作成された評価用画像データを前記フレームメモリに書き込むようにしたことを特徴とする表示装置の表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載した表示装置の表示方法において、
前記画像制御処理部は、
前記記憶部に記憶された評価用画像データのうち、前記予め設定された画像フォーマット形式で作成された評価用画像データを選択して前記フレームメモリにに書き込むようにしたことを特徴とする表示装置の表示方法。
【請求項13】
請求項11に記載した表示装置の表示方法において、
前記画像制御処理部は、
前記記憶部に記憶された評価用画像データを前記予め設定された画像フォーマット形式に変更し、同変更した評価用画像データを前記フレームメモリに出力することを特徴とする表示装置の表示方法。
【請求項14】
請求項9に記載した表示装置の表示方法において、
前記予め設定された画像フォーマット形式がビット・マップ形式であることを特徴とする表示装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−58602(P2009−58602A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223858(P2007−223858)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】