説明

表示装置および導光板

【課題】連続的な実線表現に適した表示装置を提供する。
【解決手段】一つの端面を入射面15とし、別の側面を出射面17とした導光板12からなり、導光板12の入射面15に光源11から光を入射させる表示装置10において、導光板12の一方の板面12Aに、出射面17に対して一定の角度で傾斜することで光源11から導光板12に入射する光L1を出射面17に向けて反射する第1の反射面を有する溝状凹所13を、出射面17に沿う方向に複数並べて形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的な実線状の表示を形成することが可能な表示装置およびそれに使用される導光板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光型の表示装置(発光装置)で実線を表現する手法としては、導光板の表面にシルク印刷などで実線を表現する印刷を施す手法、機械切削やレーザーなどによって連続的に表面加工を施す手法などがある。これらの手法においては、印刷や表面加工を施した箇所にバックライトやフロントライト等の光源からの光が当たると、光が散乱・反射して実線として認識することができる。
また、特許文献1には、棒状の導光体の長さ方向の端面に光源を接続し、導光体の一方の側面に、入射した光を別の側面方向に反射散乱する面を有するV字状の溝を複数、導光体長さ方向に間隔をあけて配置してなる線状照明装置用の導光体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−32759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷を施す手法では、光を印刷物で散乱させるため、光の指向性と利用効率が低いという問題がある。
レーザーによって表面加工を施す手法では、加工する深さの精度が低いため、光源と表面加工部との距離によって輝度ムラなどが発生してしまう。
機械切削によって表面加工を施す手法では、光の指向性と加工精度が高く、一点(ドット)毎に深さを変えて表面を加工するとより輝度が高く均一でバランスの取れた発光が可能となるが、ドット表現となるため、実線を表現するには不向きである。
さらに前記特許文献1に示されている線状照明装置用の導光体でも、場合によっては反射光による連続的な実線状の表示を確実に行なうことは困難であった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、連続的な実線表現に適した表示装置およびそれに使用される導光板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記一方の板面および前記入射面に対してそれぞれある角度をなす一つの側面が出射面とされた導光板と、前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されていることを特徴とする表示装置を提供する。
【0007】
本発明においては、前記導光板は、略直方体形状とし、前記溝状凹所の第1の反射面を、前記導光板の前記一方の板面に対して略垂直とすることもできる。
前記導光板の出射面を、前記導光板の入射面に対して略垂直とすることもできる。
また、全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記二つの板面のうちの他方の板面が出射面とされ、さらに前記一方の板面および前記入射面に対して、それぞれある角度をなす一つの側面を備えた導光板と、前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記側面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されており、さらに前記一つの側面に、前記複数の溝状凹所の第1の反射面からの光を、前記他方の板面の出射面に向けて反射させる第2の反射面を設けたことを特徴とする表示装置を提供する。
【0008】
またさらに、全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記二つの板面のうちの他方の板面が出射面とされ、さらに前記一方の板面および前記入射面に対して、それぞれある角度をなす二つの側面を備えた導光板と、前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記側面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されており、さらに前記一方の板面に、前記複数の溝状凹所の第1の反射面からの光を前記導光板の他方の板面の出射面に向けて反射させる第2の反射面を有する第2の溝状凹所を設けたことを特徴とする表示装置を提供する。
さらに、前記導光板における前記一方の板面および前記入射面に対して所定の角度をなす他の側面に、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けてそれぞれ反射させる第3の反射面を有する複数の溝状凹所が、前記伝播方向に平行な方向に間隔を置いて並べて形成されている構成とすることもできる。
そしてまた、前記第3の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所の深さが、前記入射面に近い側から遠い側に向かって順次深くなるように形成され、これによって前記各第3の反射面の面積が、入射面に近い側から遠い側に向かって順次拡大するように構成することができる。
またさらに、前記第3の反射面を有する前記各複数の溝状凹所のそれぞれが、前記第1の反射面による反射方向からみて、第1の反射面を有する隣り合う前記溝状凹所の相互に近い側の片端部に対応する位置に形成されている構成とすることもできる。
また、前記光源を前記導光板の入射面に沿って複数設け、前記第1の反射面を有する溝状凹所を、前記入射面からの入射光の伝播方向に沿う方向に互いにずれた複数の列をなすように、前記導光板の前記二つの板面のうちいずれか一方または双方に形成することもできる。
また、前記導光板は、前記光源からの光に対して透光性を有する材質からなるものとすることができる。
さらに、本発明は前記各表示装置に使用される導光板として、次のようなものを提供する。
すなわち、全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記一方の板面および前記入射面に対してそれぞれある角度をなす一つの側面が出射面とされた導光板において、前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されていることを特徴とする導光板をも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、出射面に垂直な方向から見ると複数の溝状凹所の各反射面により反射された光が連続的につながり、実線として表現することが確実に可能になる。実線をドット表現で表現する場合に比べて、溝状凹所の長さや隣接する溝状凹所同士の間隔を大きくとることができるので、高度な加工精度を必要とすることなく、輝度が高く均一な発光を実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図2】第1形態例に係る表示装置を示す斜視図である。
【図3】第2形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図4】第2形態例に係る表示装置を示す斜視図である。
【図5】第3形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図6】第4形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図7】第5形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図8】第6形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図9】第7形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図10】第8形態例に係る表示装置を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図11】導光板を複数積層した表示装置の一例を示す側面図である。
【図12】導光板を複数積層した表示装置の一例を示す側面図である。
【図13】実線表示の幅が長さ方向に沿って変化する表示装置を例示する側面図である。
【図14】実線表示の幅が長さ方向に沿って変化する表示装置を例示する側面図である。
【図15】第9形態例に係る表示装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は平面図(a)のX−X線における断面図である。
【図16】図15に示した第9形態例に係る表示装置において、光源としてRGB発光のLEDを用いた場合の例を示す平面図である。
【図17】図15に示した第9形態例に係る表示装置の導光板の側面形状を変更した例を示すもので、(a)は導光板の平面図、(b)は(a)平面図(a)のY−Y線における断面図である。
【図18】図15に示した第9形態例に係る表示装置の導光板の側面形状を変更した別の例を示すもので、(a)は導光板の平面図、(b)は(a)平面図(a)のZ−Z線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1及び図2に、本発明の第1形態例に係る表示装置10を示す。この表示装置10は、本形態例では、全体として厚肉な方形の板状、すなわち略直方体形状をなす導光板12および後述する光源11とによって構成されている。その導光板12の外面としては、実質的に平行な幅広の二つの板面12A、12Bと、これらの板面12A、12Bに対して垂直となりかつ相互に実質的に平行な二つの端面12C、12Dと、前記二つの板面12A、12Bおよび二つの端面12C、12Dのそれぞれに対して実質的に垂直な二つの側面12E、12Fとを有している。そしてこの導光板12の二つの端面12C、12Dのうち、一方の端面12Cは入射面15とされ、二つの側面12E、12Fのうちの一方の側面12Eは出射面17とされており、前記一方の端面12Cからなる入射面15には、導光板12の入射面15に光L1を入射するための光源11が配設されている。また導光板12の一方の板面(溝状凹所形成面)12Aには、入射する光L1を出射面17に向けて反射する第1の反射面を有する溝状凹所13が、出射面17(一方の側面12E)に沿う方向(したがって前記入射光L1の伝播方向に平行な方向)に沿って所定間隔を置いて複数並べて形成されている。
ここで、各溝状凹所13は、それぞれその第1の反射面が、前記一方の板面12Aに対し垂直となるように板面12Aから彫り込まれており、かつ各第1の反射面が、前記入射面15からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜するように、溝状凹所13の長さ方向が、出射面17に対して一定の角度で傾斜している。そして、各溝状凹所13の長さ(板面12Aに平行な面内での長さ)および各溝状凹所13の相互の間隔は、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て、各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように定められている。換言すれば、各第1の反射面の反射領域を、仮に各第1の反射面からの反射光L2の伝播方向に沿って出射面17に投影させたとすれば、その出射面17における投影面が、ほぼ連続的となるように定められている。したがって、反射光L2を出射面17に垂直な方向から見れば、図1(b)に示すように、各々の溝状凹所13の第1の反射面による複数の発光部(反射領域)14が溝状凹所13の長さ方向の両端部に対応する部分で連続することにより、出射面17において連続する実線状の光を表現することができる。
【0012】
したがって本形態例の場合、導光板12は、二つの略長方形状の板面(図2の上下面)12A、12Bと、それらの板面12A、12Bの長さ方向に対して直交する2辺に相当する二つの端面12C、12Dと、板面12A、12Bの長さ方向に沿った2辺に相当する二つの側面12E、12Fとを有する略直方体形状(厚肉方形板状)とされており、この導光板12の二つの端面12C、12Dのうちの一方の端面12Cに光源11が光学的に接続された状態で配設されて、その端面12Cが入射面15とされ、入射面15に対し略垂直な二つの側面12E、12Fのうちの一方の側面12Eが出射面17とされ、さらに導光板12の二つの板面12A、12Bのうち一方の板面12Aに、それぞれ第1の反射面を有する複数の溝状凹所13が形成されていることになる。
導光板12を構成する材質は光源11の光を十分に透過することが可能であれば特に限定されるものではなく、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの有機材料、多成分ガラスや石英ガラス等の無機材料など、光源11の光に対して透光性を有する材質であればよい。なお導光板12は、可撓性を有してもよく、あるいは剛体でもよい。
【0013】
さらに光源11について説明すれば、導光板12は、その一つの端面12Cに入射面15を有し、この入射面15にはLED(発光ダイオード)、電球、各種ランプ等の光源11が光学的に接するように配設されている。通常、光源11から導光板12に入射される入射光L1は、所定範囲の広がり角を有して光パワーが分布するビームであるが、図では、簡略のため、ビームの略中心線を入射面15に垂直な方向の矢印として表している。
光源としては、RGB(Red−Green−Blue)等の可変色のLEDを使用することも可能である。この場合、発光色が時間的に変化し、任意の色で動的表現を得ることが可能となり、表現の多様性が増して好ましい。
【0014】
導光板12の一方の板面(図1(b)の下面)12Aは、入射光L1を反射する第1の反射面を有する溝状凹所13が複数形成された溝状凹所形成面となっている。それぞれの溝状凹所13の第1の反射面は、前述のように入射面15に垂直な方向(入射光L1の略中心軸線方向)に対して傾斜し、また、出射面17に対しても傾斜している。このような溝状凹所13の第1の反射面により、入射光L1を、導光板12の側面12Eに相当する出射面17(図1(b)の手前側の面)に向けて入射光L1を反射することができる。溝状凹所13の第1の反射面は、導光板12の一方の板面(溝状凹所形成面)12Aに対してある角度をなしていれば良いが、通常は特に傾斜させる必要はなく、溝状凹所形成面16に対して略垂直とすることが望ましい。
【0015】
溝状凹所13における第1の反射面を含む面の傾斜角は、溝状凹所13の長さ方向と入射面15に垂直な方向との成す角度を0〜90°の範囲内で定義(但し90〜180°の範囲は、その補角と同視する)すれば、0°より大きく90°より小さい角度から適宜選択することができ、30°以上60°以下程度が好ましく、40°以上50°以下程度、特に45°がより好ましい。図1(a)に示す例では、入射面15と出射面17とが略垂直(成す角度が約90°)であり、溝状凹所13の傾斜角は約45°に設定されている。
溝状凹所13の個数は、図1では6個であるが、特に限定されるものではなく、1つの光源11に対して溝状凹所13が2個以上であれば、所望の個数とすることができる。
【0016】
それぞれの溝状凹所13は、板面(溝状凹所形成面)12Aから所定の深さで、例えば機械加工やレーザー加工などにより形成することができる。導光板12の材質によってはエッチング加工なども適用可能である。複数の溝状凹所13の断面形状(板面12A,12Bに対し直交しかつ溝状凹所13の長さ方向に直交する断面の形状)は、例えば矩形状とすればよく、また楔状(V状)としてもよい。さらに複数の溝状凹所13の幅、深さ、長さ等は、同一(多少のばらつきがあっても構わない)とすることもでき、あるいは、変化をもたせてもよい。そして特に各溝状凹所13の長さ(板面16の板面に平行な面内での長さ)および各溝状凹所13の間隔は、既に述べたように前記第1の反射面13Aで反射された光をその反射方向から見て各反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、換言すれば、各第1の反射面の反射領域を、仮に各第1の反射面からの反射光L2の伝播方向に沿って出射面17に投影させたとすれば、その出射面17における投影面が、ほぼ連続的となるように定めておけばよい。
【0017】
図1(a)に示すように溝状凹所13の傾斜角が約45°であれば、隣接する溝状凹所13同士の間隔は、溝状凹所13の長さの約0.7倍(1/√2倍)以下であればよい。溝状凹所13の傾斜角が45°でなくとも、溝状凹所13の長さを大きくすれば、隣り合う溝状凹所13同士の間隔を大きくとることができる。これにより、実線をドット表現で表現する場合に比べて、隣接する溝状凹所13同士の間隔を大きくとることができるので、溝状凹所13の深さを極端に小さくする必要がなく、高度な加工精度は要求されない。その結果、各溝状凹所13の寸法や形状のばらつきを抑制して、輝度が高く均一な発光を実現できる。
【0018】
溝状凹所13は、その内部が導光板12を構成する材質と屈折率差を有する媒質で満たされることにより、ミラー等を設けなくとも入射光L1を反射することができる。入射光L1のパワーのうち、その溝状凹所13に入射する光は、溝状凹所13の幅方向の両側の界面で屈折することになる。溝状凹所13の形状は、長さ方向に垂直な幅が均等であると、その溝状凹所13の入射面15に近い側の面と、入射面15から遠い側の面とが平行になり、溝状凹所13を透過するパワーが2つの面でそれぞれ屈折したときに方向が変化しにくなり、そのため反射光L2の方向も揃って好都合である。
【0019】
溝状凹所13の内部を満たす媒質の性状は、気体、液体、固体など特に限定されないが、溝状凹所13の内部を満たす媒質が空気など屈折率1程度の媒質であると、導光板12を構成する材質との屈折率差が大きくなり、sinθ=n/nで表される全反射条件(ただし、θは臨界角、n及びnは両側の屈折率、かつn>n)を満足しやすい第1の反射面を構成することができる。溝状凹所13の内部を満たす媒質は、導光板12の周囲を囲む外気などの外部媒質であってもよく、溝状凹所13に蓋をして媒質を内部に封入してもよい。
入射光L1の一部が臨界角θより小さい入射角で反射面に入射すると、その溝状凹所13を透過して次の溝状凹所13へと向かうことができる。ここで、入射光L1のうちの一部の光は、溝状凹所13の最深部よりも溝状凹所形成面(板面12A)から離れた位置を透過することがある(すなわち溝状凹所13を通らないことがある)が、入射面15に近い位置の溝状凹所13を通らずに通過した入射光は、より入射面15から離れた位置の溝状凹所13に至ってその溝状凹所13において出射面17に向けて反射されることもある。さらに、入射光L1のうちの一部の光は溝状凹所形成面(板面12A)とは反対側の板面12Bで全反射されることもあり、この場合の反射光は、入射面15からより遠い位置の溝状凹所13に到達してから出射面17に向けて反射されることもある。
【0020】
複数の溝状凹所13は、入射面15に垂直な方向(図1(a)の左右方向)に沿って、互いに間隔を置いて形成されている。また、各溝状凹所13の形成範囲を出射面17に垂直な方向(図1(a)の上下方向)に投影すると、隣接する溝状凹所13の形成範囲(すなわち第1の反射面による反射領域)が、溝状凹所13の端部同士で重なり合うようになっている。例えば、図1(a)において互いに隣接するいずれか2つの溝状凹所13に着目すると、右側に位置する溝状凹所13の左下側の端部の位置と、左側に位置する溝状凹所13の右上側の端部の位置とが、ほぼ重なり合っている。
【0021】
以上の構成を備えた本形態例の表示装置10は、光源11から導光板12に光L1を入射すると、図1(a)及び図2に示すように複数の溝状凹所13の各第1の反射面により反射された光L2を、図1(b)に示すように出射面17に垂直な方向から見たとき、発光部14が、溝状凹所13の長さ方向の両端部に対応する部分で連続することにより、実線状の照明光となる。発光部14が連続することにより、ドット状表示と異なって発光部14に隙間がなく、より明瞭な実線を表示することができる。
【0022】
図3及び図4に、本発明の第2形態例に係る表示装置20を示す。この表示装置20は、導光板22の一つの端面12Cを入射面25とし、その入射面25に光L1を入射する光源21を備えており、導光板22の一方の板面(溝状凹所形成面)12Aには、入射光L1を側面12Eに向けて反射する第1の反射面を有する溝状凹所23が、入射光L1の伝搬方向に沿う方向に複数並べて形成されており、さらに導光板22の一つの側面12Eは、板面(溝状凹所形成面)12Aに対し所定角度(例えば約45°)傾斜する傾斜面とされて、その傾斜面に、複数の溝状凹所23による反射光L2を、導光板22の他方の板面12Bに向けて再び反射させる第2の反射面28が形成されている。したがってこの第2形態例では、導光板22の他方の板面12Bの縁部近くの領域が、溝状凹所23により反射されさらに第2の反射面28により反射された再反射光を外部に出射させる出射面27となっている。
【0023】
本形態例において、光源21、導光板22、溝状凹所23等は、上述した第1形態例に係る表示装置10の光源11、導光板12、溝状凹所13等と同様に構成することができる。
本形態例の表示装置20の場合、導光板22の一つの側面12Eからなる第2の反射面28は、出射面27に垂直な方向に対して傾斜している。この傾斜角は、適宜選択することができ、30°以上60°以下程度が好ましく、40°以上50°以下程度がより好ましい。図3(b)に示す例では、側面12Eからなる第2の反射面28の傾斜角は、入射面25に対して約45°に設定されている。ここで、側面12Eからなる第2の反射面28は、外部媒質が導光板22を構成する材質と屈折率差を有することにより、ミラー等を設けなくとも反射光L2を再反射させることができる。
【0024】
本形態例の表示装置20は、光源21から導光板22に光L1を入射すると、図3(a)及び図4に示すように、複数の溝状凹所23の各第1の反射面により側面12Eの第2の反射面28に向けて反射された光L2を、図3(b)に示すように、その第2の反射面28で再び板面12Aの出射面27に向けて反射することができる。そして、図3(a)に示すように、出射面27に垂直な方向から見たとき、各々の溝状凹所23に対応する複数の発光部24が、溝状凹所23の長さ方向の両端部に対応する部分で連続する実線を表示することができる。これにより、ドット状表示と異なって発光部24に隙間がなく、実線表示がより明瞭な表示装置とすることができる。
【0025】
なお、上記の第2形態例に係る表示装置20においては、反射光L2を出射面27に向けて再び反射する第2の反射面28を、導光板22の側面12Eに設けているが、図5や図6に示す表示装置20A,20Bのように、反射光L2を出射面27(板面12B)に向けて再び反射する第2の反射面を有する例えば断面楔状の再反射用溝状凹所29を、導光板22A,22Bの板面(溝状凹所形成面)12Aに形成することも可能である。図5及び図6の場合、導光板22A,22Bの側面12Eは、出射面27(板面12B)に垂直でも構わない。
【0026】
この場合、図5(b)及び図6(b)に示すように、複数の溝状凹所23の各第1の反射面により側面12Eに向けて反射された光L2を、第2の反射面28を有する再反射用溝状凹所29で再び出射面27(板面12B)に向けて反射し、図5(a)及び図6(a)に示すように、出射面27に垂直な方向から見たとき、各々の溝状凹所23に対応する複数の発光部24が溝状凹所23の長さ方向の両端部に対応する部分で連続する実線を表示することができる。これにより、ドット状表示と異なって発光部24に隙間がなく、実線表示がより明瞭な表示装置とすることができる。
第2の反射面28を有する再反射用溝状凹所29は、実線表示に必要な範囲に形成されていればよい。また第2の反射面を有する再反射用溝状凹所29の両端は、図5(a)及び図6(a)に示すように導光板22の側面12Eから離れていてもよい。また、特に図示はしないが、第2の反射面28を有する再反射用溝状凹所29の片端または両端が、導光板22の端面に到達していても構わない。
【0027】
表示装置20,20A,20Bのように、溝状凹所23の傾斜した第1の反射面で側面12Eに向けて反射されてほぼ板面(溝状凹所形成面)12Aの面方向に沿って進行する光L2を、第2の反射面28により再び反射させることにより、板面(溝状凹所形成面)12Aとは反対側の板面12Bを出射面27とすることも可能になる。また、第2の反射面の角度を変更することにより、第1の反射面28を有する溝状凹所形成面26と同じ側の板面12Aを出射面とすることも可能である。
なお、本発明においては、第2の反射面を有する側面12Eと、第2の反射面28を有する溝状凹所29とを併用することも可能である。
【0028】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば1つの導光板に対して複数の光源を光学的に接続することもできる。これら複数の光源は、図7及び図8に示す表示装置30,30Aのように、複数の光源による発光部を連続させて1つの実線を表示することも可能である。また、図9及び図10に示す表示装置40,50のように、1つの出射面に複数の実線を表示することも可能である。
【0029】
図7の表示装置30は、複数の光源31A,31Bを導光板32の同一面上の入射面35(端面12C)に接続し、溝状凹所形成面(板面12A)には、光源31Aからの入射光L1Aを出射面37に向けて反射する溝状凹所33Aと、光源31Bからの入射光L1Bを出射面37に向けて反射する溝状凹所33Bとを、それぞれ複数形成した構成である。光源31A,31Bは、導光板32の入射面35に沿って(図7(a)の左右方向)複数設けられている。また、溝状凹所33A,33Bは、入射面35に沿う方向に互いにずれた複数の列をなすように、導光板32の一方の板面12Aに形成されている。これにより、それぞれの反射光L2A,L2Bを出射面37に垂直な方向から見ると、図7(b)に示すように、複数の発光部34A,34Bが連続することにより実線を表現することができる。
なお、図7では二つの光源31A,31Bと二列の溝状凹所33A,33Bを図示しているが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、光源と、溝状凹所の列とを、それぞれ三つ以上設けることもできる。
【0030】
図8の表示装置30Aは、複数の光源31A,31Bを導光板32Aのそれぞれ異なる入射面35A,35B(端面12C、12D)に接続し、溝状凹所形成面(板面12A)には、光源31Aからの入射光L1Aを出射面37に向けて反射する溝状凹所33Aと、光源31Bからの入射光L1Bを出射面37に向けて反射する溝状凹所33Bを、それぞれ複数形成し、それぞれの反射光L2A,L2Bを出射面37に垂直な方向から見ると、図8(b)に示すように、複数の発光部34A,34Bが連続することにより実線を表現することができる。
複数の光源31A,31Bは、それぞれ出射面37からの距離が異なる。溝状凹所33A,33Bは、それぞれの光源31A,31Bに対応して、出射面37からの距離が異なる位置で、複数の列(複数の溝状凹所33Aからなる列と、複数の溝状凹所33Bからなる列)が形成されている。本形態例の場合、出射面37から溝状凹所33Aの距離は、出射面37から光源31Aの距離と同程度であり、これと同様に、出射面37から溝状凹所33Bの距離は、出射面37から光源31Bの距離と同程度である。また、溝状凹所33Aの深さと溝状凹所33Bの深さに差をつけなくてもよい。
【0031】
なお、図7及び図8には、出射面37を導光板32,32Aの一つの側面12Eに形成した例を示すが、図3〜6に示すように、溝状凹所によって導光板の一つの側面12Eに向けて反射された光を再び反射する第2の反射面28と組み合わせることも可能である。この場合には、溝状凹所とは反対側の板面12Bを出射面として、複数の光源による発光部を連続させて1つの実線を表示することができる。
【0032】
図9の表示装置40は、複数の光源41A,41Bを導光板42の異なる入射面45A,45B(端面12C、12D)に接続し、光源41Aからの入射光L1Aを出射面47に向けて反射する溝状凹所43Aを導光板42の一つの板面12Bに複数形成し、光源41Bからの入射光L1Bを出射面47に向けて反射する溝状凹所43Bを導光板42の他の板面12Aに複数形成し、それぞれの反射光L2A,L2Bが導光板42から出射される構成である。
出射面47に垂直な方向から見ると、図9(b)に示すように、溝状凹所43Aの反射による複数の発光部44Aが連続した実線と、溝状凹所43Bの反射による複数の発光部44Bが連続した実線とを、出射面47のそれぞれ異なる位置に表現することができる。
【0033】
図10の表示装置50は、複数の光源51A,51Bを導光板52の異なる入射面55A,55B(端面12C、12D)に接続し、光源51Aからの入射光L1Aを一つの側面12Eに向けて反射する溝状凹所53Aを導光板52の一つの板面12Bに複数形成し、光源51Bからの入射光L1Bを同じく一つの側面12Eに向けて反射する溝状凹所53Bを導光板52の他の板面12Aに複数形成し、それぞれの反射光L2A,L2Bを一つの側面12Eに設けた反射面によって出射面57に向けて再び反射し、その再反射光L3A,L3Bが導光板52の一つの板面12Bから出射される構成である。
前記板面12Bからなる出射面57に垂直な方向から見ると、図10(b)に示すように、溝状凹所53Aの反射による複数の発光部54Aが連続した実線と、溝状凹所53Bの反射による複数の発光部54Bが連続した実線とを、出射面57のそれぞれ異なる位置に表現することができる。
【0034】
図11及び図12に示すように、本発明の表示装置は、複数の導光板を積層し、それぞれの導光板の出射面を揃えて用いることも可能である。
例えば図11に示す表示装置は、光源1Aからの入射光を反射して得られる複数の発光部4Aを連続して表現した実線(図11の上段)と、光源1Bからの入射光を反射して得られる複数の発光部4Bを連続して表現した実線(図11の中段)と、光源1Cからの入射光を反射して得られる複数の発光部4Cを連続して表現した実線(図11の下段)とを、任意に表示することが可能である。ここで、各導光板2A,2B,2Cは、図1及び図2に示す表示装置10の導光板12と同様に構成することが可能である。
また、図12には、導光板2A,2Bの溝状凹所が形成された面(板面12A)同士を向かい合わせて積層した例を示す。
【0035】
導光板(あるいは導光体)の形状は、厚さの均一な平板状、厚さが一方の端面から他方の端面に向けて、もしくは一方の側面から他方の側面に向けて、減少または増大するくさび形の断面状、円弧状や円筒状などの曲面状、波板状、角棒状、円柱状、パネル状(板状)、ロッド状(棒状)など種々の形状を採用可能である。また、導光板の各面における形状は、矩形状に限らず、円盤状、多角形状、楕円状など種々の形状を採用することも可能である。
【0036】
導光板の色は、無色透明でもよく、所定の色を帯びていても構わない。
複数の光源を用いる場合、各光源の発光色は、同じでも異なってもよい。
図13及び図14に示すように、導光板2に形成する溝の深さを変化させることで、発光部4を連続させて表示される実線の幅に変化をもたせることも可能である。
【0037】
図15には、さらに本発明の別の実施形態(第9形態例)に係る表示装置60を示す。この表示装置60は、図1、図2に示した第1形態例に係る表示装置10の導光板12をベースとし、さらにその導光板12に、次に述べるような、それぞれ第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63を形成したものである。
すなわち、導光板12の一つの板面12Aに形成された複数の溝状凹所13とは別に、導光板12における、前記一つの側面12Eとほぼ平行な他の側面12Fに、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面17に向けて反射させる第3の反射面61を有する例えば楔状の複数の溝状凹所63が、前記伝播方向に平行な方向に間隔を置いて並べて形成されている。ここで、第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63は、それぞれの深さが、入射面15に近い側から遠ざかる向きに、順次大きくなるように形成されており、したがってこれらの複数の溝状凹所63の第3の反射面61の面積も、入射面15に近い側から遠ざかる向きに、順次大きくなるように形成されている。さらに、これらの第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63は、前記溝状凹所13の第1の反射面による反射方向から見て、相互に隣り合う前記二つの溝状凹所13のそれぞれの端部に対応する位置に形成されている。すなわち、溝状凹所13の第1の反射面による反射方向から見て、前記複数の溝状凹所13の第1の反射面と、同じく複数の溝状凹所63の第3の反射面61とが、その端部を重ね合わせた状態で、交互に並んでいることになる。なお図15の例においては、複数の溝状凹所63以外の部分の構成は、図1、図2に示した表示装置10と同様である。
【0038】
このような図15に示される表示装置60においては、直線状発光の連続性をより良好にするとともに、発光量を増大させて直線状発光の光量をより増大させることができる。
【0039】
すなわち、入射面15から入射した入射光L1は、溝状凹所13の第1の反射面により反射されるばかりでなく、溝状凹所63の第3の反射面61によっても反射あるいは散乱させられ、その結果、たとえ複数の溝状凹所13の第1の反射面からの反射光L2が出射面17から見て不連続であったり、あるいは直線状に連続していても複数の溝状凹所13の端部に対応する位置の光が弱くて連続性に劣る場合であっても、その不連続や、連続性に劣る事象を、溝状凹所63の第3の反射面61によって補完し、連続性の良好な直線状連続光を呈することが可能となる。特に、上述のように第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63を、前記溝状凹所13の第1の反射面による反射方向から見て、相互に隣り合う溝状凹所13のそれぞれの片端部に対応する位置に形成しておけば、上記の補完効果を、より確実に発揮させることができる。
【0040】
また、上記のように、入射面15から入射した入射光L1は、溝状凹所13の第1の反射面により反射されるばかりでなく、溝状凹所63の第3の反射面61によっても反射あるいは散乱させられるため、出射面17には、溝状凹所13の第1の反射面による反射光のほか、溝状凹所63の第3の反射面61による反射光や散乱光も到達するため、直線状連続光の光量を一層大きくすることができる。
ここで、図1、図2に示した第1形態例に係る表示装置10の導光板12の場合、すなわち導光板12における側面12Fの側に第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63を形成していない場合において、出射面17での光量を増大させるためには、溝状凹所13の第1の反射面の面積を拡大するべく溝状凹所13の深さを深くすることが考えられるが、その場合には、隣り合う溝状凹所13で溝同士の干渉が生じやすくなり、特に断面が楔状の溝状凹所13でその傾向が顕著となってしまう。その問題を回避するためには、溝状凹所13の深さを深くすると同時に、隣り合う溝状凹所13の間隔を大きくすることが考えられるが、その場合には、出射面17における光の連続性が損なわれてしまうという別の問題が発生するおそれがある。したがって溝状凹所13の深さを深くするにも限界がある。しかるに、図15に示したように、板面12Aの側の第1の反射面を有する複数の溝状凹所13に併せて、側面12Fの側に第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63を形成しておくことによって、板面12Aの側の第1の反射面を有する複数の溝状凹所13をいたずらに深くすることなく、かつ溝状凹所13の間隔をいたずらに大きくすることなく、出射面17における光量の増大を図ることができる。すなわち、出射面17における光の連続性を損なうことなく、直線状発光の光量の増大を図ることが可能となるのである。
【0041】
なお図15では、複数の溝状凹所13と複数の溝状凹所63の数を同一としているが、それに限定されるものではなく、溝状凹所13の数と溝状凹所63の数とを異ならしめてもよい。また複数の溝状凹所63の数は、図15の例では6個としているが、その数も特に限定されるものではなく、2個以上の所望の個数とすることができる。
なおまた、溝状凹所63における第3の反射面61の傾斜角は、側面12Fとの成す角度を0〜90°の範囲内で定義(但し90〜180°の範囲は、その補角と同視する)すれば、0°より大きく90°より小さい角度から適宜選択することができ、30°以上60°以下程度が好ましく、40°以上50°以下程度、特に45°がより好ましい。図15に示す例では、溝状凹所63の反射面61の傾斜角は、それぞれ約45°に設定されている。
【0042】
さらに図15に示した表示装置60においては、光源11としてRGB発光のLED(発光ダイオード)を使用し、かつそのLEDを、入射面15に接して配置する場合に好適となる。すなわちRGB発光のLEDにおいては、Rの発光素子、Gの発光素子、Bの発光素子の位置が異なり、そのためLEDを入射面15に接して配置した場合、R、G、Bの各発光素子から、板面12Aの側の溝状凹所13の第1の反射面までの距離も異なることになる。その場合、溝状凹所13の第1の反射面に近い発光素子からの光の反射光は強くなる一方、溝状凹所13の第1の反射面に遠い発光素子からの光の反射光は弱くなり、その結果、混色の程度に差が生じてしまって、出射面17における光の色が、期待したとおりとならなくなるおそれがある。しかしながら、図15に示す表示装置60の導光板12の場合、板面12Aの側の第1の反射面を有する複数の溝状凹所13の並ぶ列と、側面12Fの側の第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63の並ぶ列とが、導光板12の入射面15の幅方向(一方の側面12Eと他方の側面12Fとを結ぶ方向)に離れて位置しているため、例えば図16に示しているように、光源11としてのRGB発光のLEDにおけるR、G、Bの各発光素子11R、11G、11Bを、導光板12の入射面15に、その入射面15の幅方向(一方の側面12Eと他方の側面12Fとを結ぶ方向)に間隔を置いて配列しておけば、各発光素子11R、11G、11Bからの各色の入射光に対する反射光の差を少なくして、混色の程度の差を少なくし、これによって所期の色を発光させることが容易となる。
【0043】
なおまた、図15もしくは図16に示す形態において、導光板12の第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63を形成した側面12Fの形状は、図17もしくは図18に示すような形状に変更してもよい。
【0044】
すなわち図17に示す例では、導光板12の側面12Fに、その長さ方向(入射光L1の伝搬方向)と平行となるように突条部71が形成されており、その突条部71の高さよりも深く前記第3の反射面61を有する複数の溝状凹所63が彫り込まれている。この場合、各溝状凹所63の反射面63のそれぞれについては、その中央領域63Aの面積が、側面12Fの長さ方向に対して直交する方向(板面12A,12Bの間の厚み方向)の両端側の領域63B、63Cの面積よりも大きくなり、そのため板面12A,12Bの間の厚み方向の中央部分を透過する入射光を効果的に反射させることができる。
【0045】
一方、図18に示す例では、導光板12の側面12Fの二つの稜線部分の少なくとも一方に、その長さ方向(入射光L1の伝搬方向)と平行となるように傾斜面75が形成されて、この傾斜面75が、板面12A,12Bの間を透過する入射光を反射させる反射面とされている。この場合、傾斜面75からなる反射面によって、板面12A,12Bの間を透過する入射光が、側面12F付近から外部へ放出されてしまうことを防止して、入射光の利用効率を高めることができる。
なお、図15〜図18に示すいずれの例においても、図3〜図10、図13、図14に示した各構成を併用することができ、さらに図11、図12に示した導光板積層構造に適用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
L1,L1A,L1B…入射光、L2,L2A,L2B…反射光、L3,L3A,L3B…再反射光、10,20,20A,20B,30,30A,40,50…表示装置、1,1A,1B,1C,11,21,31A,31B,41A,41B,51A,51B…光源、2,2A,2B,2C,12,22,22A,22B,32,32A,42,52…導光板(導光体)、13,23,33A,33B,43A,43B,53A,53B…反射面を有する溝状凹所、4,4A,4B,4C,14,24,34A,34B,44A,44B,54A,54B…発光部、12A、12B…導光板の板面、12C、12D…導光板の端面、12A、12B…導光板の側面、15,25,35,35A,35B,45A,45B,55A,55B…入射面、16,26,36,46A,46B,56A,56B…溝状凹所形成面、17,27,37,47,57…出射面、28,58…導光板の第2の反射面、29…第2の反射面を有する溝状凹所、61…第3の反射面、63…第3の反射面を有する溝状凹所。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記一方の板面および前記入射面に対してそれぞれある角度をなす一つの側面が出射面とされた導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導光板は、略直方体形状であり、前記各溝状凹所の第1の反射面は、前記導光板の前記一方の板面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記導光板の出射面は、前記導光板の入射面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項4】
全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記二つの板面のうちの他方の板面が出射面とされ、さらに前記一方の板面および前記入射面に対して、それぞれある角度をなす一つの側面を備えた導光板と、
前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記側面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されており、
さらに前記一つの側面に、前記複数の溝状凹所の第1の反射面からの光を、前記他方の板面の出射面に向けて反射させる第2の反射面を設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記二つの板面のうちの他方の板面が出射面とされ、
前記導光板の入射面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光板の前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記側面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されており、
さらに前記一方の板面に、前記複数の溝状凹所の第1の反射面からの光を前記導光板の他方の板面の出射面に向けて反射させる第2の反射面を有する第2の溝状凹所を設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記導光板における前記一方の板面および前記入射面に対して所定の角度をなす他の側面に、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けてそれぞれ反射させる第3の反射面を有する複数の溝状凹所が、前記伝播方向に平行な方向に間隔を置いて並べて形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所の深さが、前記入射面に近い側から遠い側に向かって順次深くなるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3の反射面を有する前記複数の溝状凹所のそれぞれが、前記第1の反射面による反射方向からみて、第1の反射面を有する隣り合う前記溝状凹所の相互に近い側の片端部に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項6、請求項7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記光源を前記導光板の入射面に沿って複数設け、前記第1の反射面を有する溝状凹所を、前記入射面からの入射光の伝播方向に沿う方向に互いにずれた複数の列をなすように、前記導光板の前記二つの板面のうちいずれか一方または双方に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
全体として平面状をなす二つの板面を備え、そのうちの一方の板面に対して所定の角度をなす一つの端面が入射面とされ、前記一方の板面および前記入射面に対してそれぞれある角度をなす一つの側面が出射面とされ、
前記一方の板面には、前記入射面からの入射光の伝播方向に対して一定の角度で傾斜して前記入射光を前記出射面に向けて反射させる第1の反射面をそれぞれ有する複数の溝状凹所が、前記第1の反射面で反射された光をその反射方向から見て各第1の反射面の反射領域がほぼ連続的となるように、前記伝播方向に平行な方向に並べて形成されていることを特徴とする導光板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−228275(P2011−228275A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59452(P2011−59452)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】