表示装置および表示方法
【課題】表示画質を高めることができる表示装置を得る。
【解決手段】表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、各フレーム期間における、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部とを備える。
【解決手段】表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、各フレーム期間における、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像を表示する表示装置、およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置においては、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置から液晶表示装置への置き換えが進んでいる。液晶表示装置は、CRT表示装置に比べて薄くできるため省スペースを実現しやすく、また、消費電力が低いためエコロジーの観点からもメリットがある。
【0003】
例えばCRT表示装置は、いわゆるインパルス型の表示デバイスである。人は、一般に、映像の点滅の周波数がある周波数(フリッカ検知周波数)以下になると、その映像を観察したときにちらつき(フリッカ)を感じてしまう。よって、このような表示装置では、観察者は、表示映像にフリッカを感じ、画質が劣化したように感じるおそれがある。
【0004】
一方、例えば液晶表示装置は、画素の状態が1フレームの間保持し続ける、いわゆるホールド型の表示デバイスである。よって、観察者は、このような表示装置に表示された動体を観察する場合、いわゆるホールドぼけが生じ、画質が劣化したように感じてしまう。このホールドぼけを改善するため、いくつかの検討がなされている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−268436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、表示装置では、表示画質のさらなる向上が望まれている。しかしながら、特許文献1には、表示画質のさらなる向上についての具体的な記載がない。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示画質を高めることができる表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置は、表示部と、制御部とを備えている。表示部は、表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御されるものである。制御部は、各フレーム期間における、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御するものである。
【0009】
本開示の表示方法は、各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御するものである。
【0010】
本開示の表示装置および表示方法では、各フレーム期間に設けられた複数の表示光期間において、間欠的に表示が行われる。その際、これらの複数の表示光期間のうち、少なくとも1つの時間上の位置が制御される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の表示装置および表示方法によれば、複数の表示光期間のうち、少なくとも1つの時間軸上の位置を制御するようにしたので、表示画質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示駆動部および液晶表示部の一構成例を表すブロック図である。
【図3】図2に示した画素の一構成例を表す回路図である。
【図4】図1に示した表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図5】図1に示したバックライト駆動部の一動作例を表す表である。
【図6】第1の実施の形態の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図7】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図8】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図9】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図10】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図11】第1の実施の形態の他の変形例に係るバックライトの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図12】第2の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図13】図12に示した表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図14】変形例に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
【0014】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すものである。表示装置1は、バックライトを有する透過型の液晶表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係る表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0015】
表示装置1は、制御部11と、表示駆動部20と、液晶表示部30と、動きベクトル検出部12と、平均信号レベル検出部13と、バックライト駆動部14と、バックライト40とを備えている。
【0016】
制御部11は、映像信号Sdispに基づいて、表示駆動部20、動きベクトル検出部12、平均信号レベル検出部13、バックライト駆動部14がお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、制御部11は、後述するように、表示駆動部20に対して映像信号Sdispおよび表示制御信号を供給し、動きベクトル検出部12および平均信号レベル検出部13に対して映像信号Sdispおよび制御信号をそれぞれ供給し、バックライト駆動部14に対してバックライト制御信号を供給する。
【0017】
表示駆動部20は、制御部11から供給される映像信号Sdispに基づいて、液晶表示部30を駆動するものである。液晶表示部30は、液晶表示素子により構成された表示部であり、バックライト40から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0018】
図2は、表示駆動部20および液晶表示部30のブロック図の一例を表すものである。 表示駆動部20は、タイミング制御部21と、ゲートドライバ22と、データドライバ23とを備えている。タイミング制御部21は、ゲートドライバ22およびデータドライバ23の駆動タイミングを制御するとともに、制御部11から供給された映像信号Sdispを映像信号Sdisp2としてデータドライバ23へ供給するものである。ゲートドライバ22は、タイミング制御部21によるタイミング制御に従って、液晶表示部30内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ23は、液晶表示部30の各画素Pixへ、映像信号Sdisp2に基づく画素信号を供給するものである。具体的には、データドライバ23は、映像信号Sdisp2に基づいてD/A(デジタル/アナログ)変換を行うことにより、アナログ信号である画素信号を生成し、各画素Pixへ供給するようになっている。
【0019】
液晶表示部30は、例えばガラスなどから構成される2枚の透明基板の間に液晶材料を封入したものである。これらの透明基板の液晶材料に面した部分には、例えばITO(Indium Tin Oxide)などから構成される透明電極が形成され、液晶材料とともに画素Pixを構成している。液晶表示部30には、図2に示したように、画素Pixがマトリックス状に配置されている。
【0020】
図3は、画素Pixの回路図の一例を表すものである。画素Pixは、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Csとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Csの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Csは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線CSLに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ22に接続され、データ線SGLはデータドライバ23に接続されている。
【0021】
動きベクトル検出部12は、映像信号Sdispにより供給される一連のフレーム画像に基づいて、画像の変化を示す動きベクトルを検出するものである。具体的には、動きベクトル検出部12は、供給された一連のフレーム画像のうちの時間的に隣接する2つのフレーム画像の画像情報に基づいて、例えば画素単位で、表示内容の水平方向および垂直方向の動きを検出し、動きベクトルを求める。そして、動きベクトル検出部12は、画素単位で求めた一連の動きベクトルを、動きベクトル信号Svとして出力するようになっている。なお、この例では画素単位で動きベクトルを求めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数の画素からなる画素ブロック単位で表示内容の動きを検出して動きベクトルを求めるようにしてもよい。
【0022】
平均信号レベル検出部13は、映像信号Sdispに基づいて、各フレーム画像における輝度レベルの平均値(平均信号レベルSavg)を求めるものである。具体的には、平均信号レベル検出部13は、例えば、映像信号SdispがYUV信号の場合には、Y値の平均を求め、映像信号SdispがRGB信号の場合には、RGB信号をY信号に変換し、そのY値の平均値を求めるようになっている。
【0023】
バックライト制御部14は、制御部11から供給されたバックライト制御信号、動きベクトル検出部12から供給された動きベクトル信号Sv、および平均信号レベル検出部13から供給された平均信号レベルSavgに基づいて、バックライト40が、液晶表示部30における表示に同期して間欠的に発光するように、バックライト40を駆動するものである。具体的には、バックライト制御部14は、後述するように、各フレーム期間において、バックライト40が2回発光するようにバックライト40を駆動する。その際、バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svに基づいて、各画素の動きベクトルの大きさを、画面全体にわたって積分することにより映像の動き量を求めるとともに、平均信号レベルSavgに基づいて映像の明るさを求める。そして、バックライト駆動部14は、その映像の動き量および映像の明るさに基づいて、バックライト40の発光タイミングが互いに異なる複数の動作モード(この例では3つの動作モードM1〜M3)から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40を駆動するようになっている。
【0024】
バックライト40は、バックライト駆動部14から供給される駆動信号に基づいて間欠的に発光(ブリンキング)し、液晶表示部30に対してその光を射出するものである。このバックライト40は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。なお、これに限定されるものではなく、例えばCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)により構成してもよい。
【0025】
ここで、液晶表示部30およびバックライト40は、本開示における「表示部」の一具体例に対応する。バックライト駆動部14は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。発光期間PBは、本開示における「第1の表示光期間」の一具体例に対応し、発光期間PAは、本開示における「第2の表示光期間」の一具体例に対応する。動作モードM1は、本開示における「第1の動作モード」の一具体例に対応し、動作モードM2は、本開示における「第2の動作モード」の一具体例に対応し、動作モードM3は、本開示における「第3の動作モード」の一具体例に対応する。
【0026】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
【0027】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部11は、映像信号Sdispに基づいて、表示駆動部20、動きベクトル検出部12、平均信号レベル検出部13、およびバックライト駆動部14がお互いに同期して動作するように制御する。表示駆動部20は、液晶表示部30を駆動する。液晶表示部30は、バックライト40から射出した光を変調することにより表示を行う。
【0028】
動きベクトル検出部12は、映像信号Sdispにより供給される一連のフレーム画像に基づいて、画像の変化を示す動きベクトルを検出し、動きベクトル信号Svを生成する。平均信号レベル検出部13は、各フレーム画像における映像信号Sdispの平均信号レベルSavgを求める。バックライト駆動部14は、各フレーム期間において、バックライト40が間欠的に2回発光するようにバックライト40を駆動する。その際、バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40の発光タイミングを制御する。バックライト40は、バックライト駆動部14から供給される駆動信号に基づいて発光し、液晶表示部30に対してその光を射出する。
【0029】
(詳細動作)
図4は、表示装置1における表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は液晶表示部30の動作を示し、(B)は液晶表示部30の画素Pixにおける光透過率を示し、(C)〜(E)は動作モードM1〜M3におけるバックライト40の輝度Iを示す。
【0030】
図4(A)の縦軸は、液晶表示部30の線順次走査方向の走査位置を示している。また、図4(A)において、例えば、“F(n)”は液晶表示部30がn番目のフレーム画像F(n)の表示を行っていることを示し、“F(n+1)”は液晶表示部30が(n+1)番目のフレーム画像F(n+1)の表示を行っていることを示している。
【0031】
表示装置1では、周期T0で線順次走査が行われ、フレーム画像Fの表示が行われる。ここで、周期T0は、例えば、16.7[msec](=1/60[Hz])にすることができる。なお、周期T0は、これに限定されるものではなく、例えば、20[msec](=1/50[Hz])、20.8[msec](=1/48[Hz])などにすることが可能である。そして、バックライト40は、周期T0の時間において2回(発光期間PA,PB)発光する。なお、この例では、発光期間PA,PBは、互いに等しい時間幅を有するものとし、また、バックライト40は、これらの期間において、互いに等しい輝度で発光するものとする。以下にその詳細を説明する。
【0032】
まず、タイミングt0〜t10の期間において、液晶表示部30では、表示駆動部20から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図4(A))。これにより、液晶表示部30の各水平ラインに係る画素Pixは、図4(B)に示したように、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの期間(表示期間Pdisp)に、その画素信号に対して応答し、表示期間Pdispの期間内にほぼ応答を完了する。
【0033】
次に、バックライト40は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行う(図4(C)〜(E))。すなわち、動作モードM1では、バックライト40は、タイミングt1から開始する発光期間PAにおいて発光する。具体的には、バックライト40は、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの前半の最後に設けられた発光期間PAにおいて発光する。また、動作モードM2では、バックライト40は、タイミングt1よりも遅いタイミングt2から開始する発光期間PAにおいて発光する。そして動作モードM3では、バックライト40は、タイミングt2よりも遅いタイミングt3から開始する発光期間PAにおいて発光する。
【0034】
次に、バックライト40は、タイミングt4から開始する発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。具体的には、バックライト40は、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けられた発光期間PBにおいて発光する。すなわち、バックライト40は、動作モードM1〜M3に依らず同じタイミングでこの2回目の発光を行う。
【0035】
以上の動作を繰り返すことにより、表示装置1は一連のフレーム画像Fからなる映像を表示する。
【0036】
次に、各動作モードM1〜M3について、詳細に説明する。
【0037】
動作モードM1では、図4(C)に示したように、発光期間PAは、互いに隣り合う発光期間PBの中間に配置される。すなわち、動作モードM1では、バックライト40は、周期T0の半分の周期で発光する。これにより、表示装置1では、観察者が、画面のちらつき(フリッカ)を感じるおそれを低減することができる。
【0038】
すなわち、一般に、人は、映像の点滅の周波数が、ある周波数(フリッカ検知周波数)以下になると、その映像を観察したときにフリッカを感じる。このフリッカ検知周波数は、概ね75Hz程度であるが、網膜上の像の位置や面積、その人の年齢などの個人差、その人の体調、表示する映像などにより変化する。特に、映像については、例えば、明るい映像や、動き量が小さい映像(例えば静止画など)を表示する場合において、フリッカ検知周波数が高くなり、これにより、人はフリッカを感じやすくなる。
【0039】
動作モードM1では、上述したように、バックライト40は、周期T0の半分の周期で発光するので、点滅の周波数は、例えば120[Hz](=60[Hz]×2)になり、フリッカ検知周波数よりも高くなる。これにより、表示装置1では、明るい映像や、動き量が小さい映像を表示する場合において、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0040】
一方、動作モードM3では、図4(E)に示したように、発光期間PAは、各発光期間PBの直前に配置される。すなわち、動作モードM3では、バックライト40は、発光期間PAと発光期間PBからなる1つの発光期間において発光する。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0041】
すなわち、動き量が大きい映像(例えば動画など)を、仮に動作モードM1で表示する場合には、1フレーム期間においてバックライト40が2回発光するため、観察者は2重像を観察するおそれがある。具体的には、図4(B)に示したように、例えば、液晶表示部30の中央の水平ラインに係る画素Pixは、表示期間Pdispの後ろに配置された発光期間PBでは、画素信号に対して十分に応答しているが、表示期間Pdispの中央付近に配置された発光期間PAではまだ十分に応答していないため、液晶表示部30は、互いに異なる画像を重ねて表示することとなり、この場合、観察者は、これらの画像を2重像として観察するおそれがある。
【0042】
動作モードM3では、上述したように、バックライト40は、1フレーム期間において1回のみ発光する。これにより、表示装置1では、動き量が大きい映像を表示する場合において、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0043】
また、動作モードM2では、図4(D)に示したように、発光期間PAは、動作モードM1における発光期間PAと、動作モードM3における発光期間PAの中間に配置される。これにより、動作モードM2では、動作モードM1の場合と同様に、バックライト40における点滅に、より高い周波数を含ませることができるため、観察者がフリッカを感じにくくすることができる。
【0044】
さらに、動作モードM2では、1フレーム期間における2つの発光期間PA,PBが、動作モードM1の場合と比べて互いに近づくため、例えば、各画素Pixにおける発光期間PAでの表示は、画素信号に対してより応答したものとなり、発光期間PBでの表示により近いものとなる。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0045】
(バックライト駆動部14の動作について)
バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、これらの3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40を駆動する。
【0046】
図5は、バックライト駆動部14における動作モードM1〜M3の選択動作を表すものである。バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svに基づいて、映像の動き量を3段階(大/中/小)で判定する。また、バックライト駆動部14は、平均信号レベルSavgに基づいて、映像の明るさを3段階(大/中/小)で判定する。そして、バックライト駆動部14は、この判定した動き量および明るさに基づいて、図5に示したように、動作モードM1〜M3のうちの1つの動作モードを選択する。
【0047】
具体的には、バックライト駆動部14は、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合には、動作モードM1を選択する。すなわち、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合には、上述したように、人はフリッカを感じやすくなる。そこで、バックライト駆動部14は、このような場合には動作モードM1を選択し、バックライト40における点滅の周波数を高くする。これにより、表示装置1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0048】
また、バックライト駆動部14は、動き量が大きく、かつ映像が暗い場合には、動作モードM3を選択する。すなわち、映像の動き量が大きく、かつ映像が暗い場合には、仮に動作モードM1のようにバックライト40が1フレーム期間において2回発光したときは、上述したように、観察者は2重像を観察するおそれがある。そこで、バックライト駆動部14は、このような場合には動作モードM3を選択し、バックライト40を、1フレーム期間において1回のみ発光させる。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0049】
また、バックライト駆動部14は、これら以外の場合には、動作モードM2を選択し、バックライト40の発光期間PA,PBを、動作モードM1の場合に比べて互いに近づける。これにより、表示装置1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減するとともに、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0050】
[効果]
以上のように本実施の形態では、1フレーム期間において2つの発光期間を設け、その発光期間の間隔を変化させるようにしたので、表示画質を高めることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合において、発光期間PAを、互いに隣り合う発光期間PBの中間に配置したので、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、映像の動き量が大きく、かつ映像が暗い場合において、発光期間PAを発光期間PBの直前に配置したので、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、映像の動き量および明るさが上記以外の場合において、発光期間PAを、互いに隣り合う発光期間PBの中間からずれるように配置したので、観察者がフリッカを感じるおそれを低減するとともに、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0054】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、発光期間PBを、液晶表示部30の中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図4(C)〜(E)に示した各発光期間PA,PBのタイミングを全体的にずらすことにより、発光期間PBを、液晶表示部30の中央以外の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよい。具体的には、例えば、発光期間PBを、液晶表示部30の最上部の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよいし、発光期間PBを、液晶表示部30の最下部の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよい。
【0055】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、発光期間PA,PBにおけるバックライト40の各発光量(時間幅×輝度)は互いに等しいものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、発光期間PBにおける発光量を、発光期間PAにおける発光量よりも大きくしてもよい。具体的には、例えば、図6に示したように、バックライト40の輝度Iにより発光量を制御してもよいし、図7に示したように、発光期間PA,PBの時間幅により発光量を制御してもよい。
【0056】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、3つの動作モードM1〜M3を設けたが、これに限定されるものではなく、2つもしくは4つ以上の動作モードを設けてもよい。図8に、4つの動作モードN1〜N4を設けた場合の例を示す。
【0057】
[変形例1−4]
上記実施の形態では、周期T0ごとに線順次走査を1回行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、周期T0ごとに複数回、線順次走査を行ってもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0058】
図9は、本変形例に係る表示装置1Dにおける表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は本変形例に係る液晶表示部30Dの動作を示し、(B)〜(D)は本変形例に係るバックライト40Dの輝度Iを示す。
【0059】
表示装置1Dでは、周期T0において、フレーム画像Fを表示する線順次走査を2回行う。この線順次走査を行う周期T1は、例えば8.3[msec](=1/60[Hz]/2)にすることができる。すなわち、この例では、液晶表示部30Dは、いわゆる2倍速駆動に対応した液晶表示パネルである。
【0060】
液晶表示部30Dでは、タイミングt30〜t35の期間において線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図9(A))。これにより、各水平ラインに係る画素Pixは、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの表示期間PdispAに、その画素信号に対して応答する。次に、液晶表示部30Dでは、タイミングt35〜t40の期間において、再度線順次走査が行われ、同じフレーム画像F(n)の表示が行われる(図9(A))。各水平ラインに係る画素Pixは、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの表示期間PdispBに、その画素信号に対して応答する。
【0061】
また、バックライト40Dは、上記実施の形態の場合と同様に、動作モードM1〜M3に応じたタイミングt41,t42,t40から開始する発光期間PAで、1回目の発光を行い、タイミングt43から開始する発光期間PBで、2回目の発光を行う(図4(C)〜(E))。すなわち、バックライト40は、動作モードM1では、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間PdispAの最後に設けられた発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングt42から開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングt40から開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、バックライト40は、動作モードに依らず、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間PdispBの最後に設けられた発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。
【0062】
この場合でも、上記実施の形態の場合と同様に、例えば動作モードM1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができ、動作モードM3では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができ、また、動作モードM2では、これらの効果を両立することができる。
【0063】
[変形例1−5]
上記実施の形態では、動作モードM2,M3において、動作モードM1における発光期間PAの発光タイミングを後ろにずらすことにより、発光期間PA,PBの間隔を狭めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図10に示したように、動作モードM1における発光期間PAの発光タイミングを前にずらすことにより、発光期間PA,PBの間隔を狭めてもよい。
【0064】
[変形例1−6]
上記実施の形態では、バックライト40は、各発光期間PA,PBにおいて連続的に発光し続けるようにしたが、これに限定されるものではない。図11は、バックライト40の輝度Iのタイミング波形図を表すものであり、(A)はバックライト40が連続して発光する例を示し、(B)はパルスにより発光する例を示す。図11(B)に示したように、バックライト40が、短い時間で発光と消灯を交互に繰り返すようにしてもよい。この場合には、発光と消灯の時間比(デューティ比)により、各発光期間におけるバックライト40の輝度を調整することができる。
【0065】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。本実施の形態は、複数の部分発光部を有するバックライトを用いて表示装置を構成したものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0066】
図12は、本実施の形態に係る表示装置2の一構成例を表すものである。表示装置2は、バックライト50と、バックライト駆動部18とを備えている。バックライト50は、この例では、線順次走査方向に並設された2つの部分発光部51,52を有している。これらの部分発光部51,52は、独立して発光できるように構成されている。バックライト駆動部18は、この例では、表示画面全体における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じて、これらの部分発光部51,52を独立して駆動するものである。部分発光部51から射出した光は、液晶表示部30における対応する領域Z1に入射するようになっており、部分発光部52から射出した光は、液晶表示部30における対応する領域Z2に入射するようになっている。
【0067】
図13は、表示装置2における表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は液晶表示部30の動作を示し、(B)〜(D)は部分発光部51における輝度Iを示し、(E)〜(G)は部分発光部52における輝度Iを示す。ここで、図13(B),(E)は動作モードM1における輝度Iを示し、図13(C),(F)は動作モードM2における輝度Iを示し、図13(D),(G)は動作モードM3における輝度Iを示す。
【0068】
まず、タイミングt50〜t60の期間において、液晶表示部30では、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図13(A))。
【0069】
バックライト50の部分発光部51,52は、液晶表示部30の領域Z1,Z2における表示とそれぞれ同期して、独立して発光を行う。
【0070】
まず、部分発光部51は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行い、動作モードに依らないタイミングで、2回目の発光(発光期間PB)を行う(図13(B)〜(D))。具体的には、部分発光部51は、動作モードM1では、領域Z1における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp1の中央付近に設けられた発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、部分発光部51は、動作モードに依らず、領域Z1における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp1の最後に設けられた発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。
【0071】
同様に、部分発光部52は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行い、動作モードに依らないタイミングで、2回目の発光(発光期間PB)を行う(図13(E)〜(G))。具体的には、部分発光部52は、動作モードM1では、領域Z2における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp2の中央付近に設けられた発光期間PAにおいて、1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、部分発光部52は、動作モードに依らず、領域Z2における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp2の最後に設けられた発光期間PBにおいて、2回目の発光を行う。
【0072】
以上のように本実施の形態では、バックライトを2つの部分発光部により構成し、独立して発光できるようにしたので、バックライトを分割しない場合に比べて、各画素Pixの液晶素子LCが画素信号により応答したタイミングで発光期間PBを設けることができるため、画質の低下を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0073】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、バックライト駆動部18は、表示画面全体における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、領域Z1における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択された動作モードに応じて部分発光部51を駆動するとともに、領域Z2における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択された動作モードに応じて部分発光部52を駆動してもよい。これにより、領域Z1,Z2で、互いに異なる動作モードを選択することができるため、表示画質を高めることができる。
[変形例2−2]
上記実施の形態では、バックライト50は、2つの部分発光部51,52により構成したが、これに限定されるものではなく、3つ以上の部分発光部により構成してもよい。
【0074】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0075】
例えば、上記の各実施の形態等では、液晶表示部30およびバックライト40を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置、LEDを表示素子とするLED表示装置を用いてもよい。以下に、一例として、上記第1の実施の形態において、液晶表示部30およびバックライト40に代えてEL表示部を用いた場合について説明する。
【0076】
図14は、本変形例に係る表示装置1Gの一構成例を表すものである。表示装置1Gは、表示制御部14Gと、表示駆動部20Gと、EL表示部30Gとを備えている。表示制御部14Gは、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、EL表示部30Gにおける表示タイミングが互いに異なる3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じて表示駆動部20Gを制御するようになっている。表示駆動部20Gは、制御部11から供給される映像信号Sdisp、および表示制御部14Gから供給される制御信号に基づいて、EL表示部30Gを駆動するものである。具体的には、表示駆動部20Gは、各フレーム期間において、EL表示部30Gが2回(発光期間PA,PB)発光して表示を行うように、EL表示部30Gを駆動する。EL表示部30Gは、EL表示素子により構成されるものであり、例えば有機EL素子が適用可能である。
【0077】
また、例えば、上記の各実施の形態等では、1フレーム期間において2つの発光期間を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3つ以上の発光期間を設けてもよい。
【0078】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0079】
(1)表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、
各フレーム期間における、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部と
を備えた表示装置。
【0080】
(2)各フレーム期間には、固定された第1の表示光期間と、可変の第2の表示光期間が設けられている
前記(1)に記載の表示装置。
【0081】
(3)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルに基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
前記(2)に記載の表示装置。
【0082】
(4)前記制御部は、前記明るさレベルが大きいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
前記(3)に記載の表示装置。
【0083】
(5)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の動き量に基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
前記(2)に記載の表示装置。
【0084】
(6)前記制御部は、前記動き量が小さいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
前記(5)に記載の表示装置。
【0085】
(7)前記制御部は、第1の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に配置する
前記(2)に記載の表示装置。
【0086】
(8)前記制御部は、第2の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央からずれた位置に配置する
前記(7)に記載の表示装置。
【0087】
(9)前記制御部は、第3の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、前記第1の表示光期間に隣接して配置する
前記(8)に記載の表示装置。
【0088】
(10)前記制御部は、前記明るさレベルを複数の範囲に区分し、明るさレベルが一番大きい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
前記(7)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
【0089】
(11)前記制御部は、前記動き量を複数の範囲に区分し、動き量が一番小さい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
前記(7)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
【0090】
(12)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルおよび動き量をそれぞれ複数の範囲に区分し、
明るさレベルが一番大きい場合、もしくは動き量が一番小さい場合には、前記第1の動作モードを選択し、
明るさレベルが一番小さく、かつ動き量が一番大きい場合には、前記第3の動作モードを選択し、
それ以外の場合には、前記第2の動作モードを選択する
前記(9)に記載の表示装置。
【0091】
(13)前記表示部は、液晶表示部と、バックライトとを備え、
前記制御部は、前記バックライトの発光タイミングを制御する
前記(2)から(12)のいずれかに記載の表示装置。
【0092】
(14)前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
前記(13)に記載の表示装置。
【0093】
(15)前記バックライトは複数の部分発光部を有し、
前記制御部は、前記部分発光部ごとに、前記第2の表示光期間の時間軸上の位置を独立して制御する
前記(13)に記載の表示装置。
【0094】
(16)各部分発光部の前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部における対応する表示領域の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
前記(15)に記載の表示装置。
【0095】
(17)前記表示部は、EL表示部である
前記(1)から(12)のいずれかに記載の表示装置。
【0096】
(18)各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する
表示方法。
【符号の説明】
【0097】
1,2…表示装置、11…制御部、12…動きベクトル検出部、13…平均信号レベル検出部、14,18…バックライト駆動部、14G…表示制御部、20,20G…表示駆動部、21…タイミング制御部、22…ゲートドライバ、23…データドライバ、30…液晶表示部、30G…EL表示部、40,50…バックライト,51,52…部分発光部、 CSL…保持容量線、GCL…ゲート線、LC…液晶素子、M1〜M3…動作モード、PA,PB…発光期間、Pdisp,PdispA,PdispB,Pdisp1,Pdisp2…表示期間、Pix…画素、Savg…平均信号レベル、Sdisp,Sdisp2…映像信号、Sv…動きベクトル信号、SGL…データ線、Tr…TFT素子、Z1,Z2…領域。
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像を表示する表示装置、およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置においては、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置から液晶表示装置への置き換えが進んでいる。液晶表示装置は、CRT表示装置に比べて薄くできるため省スペースを実現しやすく、また、消費電力が低いためエコロジーの観点からもメリットがある。
【0003】
例えばCRT表示装置は、いわゆるインパルス型の表示デバイスである。人は、一般に、映像の点滅の周波数がある周波数(フリッカ検知周波数)以下になると、その映像を観察したときにちらつき(フリッカ)を感じてしまう。よって、このような表示装置では、観察者は、表示映像にフリッカを感じ、画質が劣化したように感じるおそれがある。
【0004】
一方、例えば液晶表示装置は、画素の状態が1フレームの間保持し続ける、いわゆるホールド型の表示デバイスである。よって、観察者は、このような表示装置に表示された動体を観察する場合、いわゆるホールドぼけが生じ、画質が劣化したように感じてしまう。このホールドぼけを改善するため、いくつかの検討がなされている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−268436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、表示装置では、表示画質のさらなる向上が望まれている。しかしながら、特許文献1には、表示画質のさらなる向上についての具体的な記載がない。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示画質を高めることができる表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置は、表示部と、制御部とを備えている。表示部は、表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御されるものである。制御部は、各フレーム期間における、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御するものである。
【0009】
本開示の表示方法は、各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御するものである。
【0010】
本開示の表示装置および表示方法では、各フレーム期間に設けられた複数の表示光期間において、間欠的に表示が行われる。その際、これらの複数の表示光期間のうち、少なくとも1つの時間上の位置が制御される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の表示装置および表示方法によれば、複数の表示光期間のうち、少なくとも1つの時間軸上の位置を制御するようにしたので、表示画質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示駆動部および液晶表示部の一構成例を表すブロック図である。
【図3】図2に示した画素の一構成例を表す回路図である。
【図4】図1に示した表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図5】図1に示したバックライト駆動部の一動作例を表す表である。
【図6】第1の実施の形態の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図7】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図8】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図9】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図10】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図11】第1の実施の形態の他の変形例に係るバックライトの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図12】第2の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図13】図12に示した表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図14】変形例に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
【0014】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すものである。表示装置1は、バックライトを有する透過型の液晶表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係る表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0015】
表示装置1は、制御部11と、表示駆動部20と、液晶表示部30と、動きベクトル検出部12と、平均信号レベル検出部13と、バックライト駆動部14と、バックライト40とを備えている。
【0016】
制御部11は、映像信号Sdispに基づいて、表示駆動部20、動きベクトル検出部12、平均信号レベル検出部13、バックライト駆動部14がお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、制御部11は、後述するように、表示駆動部20に対して映像信号Sdispおよび表示制御信号を供給し、動きベクトル検出部12および平均信号レベル検出部13に対して映像信号Sdispおよび制御信号をそれぞれ供給し、バックライト駆動部14に対してバックライト制御信号を供給する。
【0017】
表示駆動部20は、制御部11から供給される映像信号Sdispに基づいて、液晶表示部30を駆動するものである。液晶表示部30は、液晶表示素子により構成された表示部であり、バックライト40から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0018】
図2は、表示駆動部20および液晶表示部30のブロック図の一例を表すものである。 表示駆動部20は、タイミング制御部21と、ゲートドライバ22と、データドライバ23とを備えている。タイミング制御部21は、ゲートドライバ22およびデータドライバ23の駆動タイミングを制御するとともに、制御部11から供給された映像信号Sdispを映像信号Sdisp2としてデータドライバ23へ供給するものである。ゲートドライバ22は、タイミング制御部21によるタイミング制御に従って、液晶表示部30内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ23は、液晶表示部30の各画素Pixへ、映像信号Sdisp2に基づく画素信号を供給するものである。具体的には、データドライバ23は、映像信号Sdisp2に基づいてD/A(デジタル/アナログ)変換を行うことにより、アナログ信号である画素信号を生成し、各画素Pixへ供給するようになっている。
【0019】
液晶表示部30は、例えばガラスなどから構成される2枚の透明基板の間に液晶材料を封入したものである。これらの透明基板の液晶材料に面した部分には、例えばITO(Indium Tin Oxide)などから構成される透明電極が形成され、液晶材料とともに画素Pixを構成している。液晶表示部30には、図2に示したように、画素Pixがマトリックス状に配置されている。
【0020】
図3は、画素Pixの回路図の一例を表すものである。画素Pixは、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Csとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Csの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Csは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線CSLに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ22に接続され、データ線SGLはデータドライバ23に接続されている。
【0021】
動きベクトル検出部12は、映像信号Sdispにより供給される一連のフレーム画像に基づいて、画像の変化を示す動きベクトルを検出するものである。具体的には、動きベクトル検出部12は、供給された一連のフレーム画像のうちの時間的に隣接する2つのフレーム画像の画像情報に基づいて、例えば画素単位で、表示内容の水平方向および垂直方向の動きを検出し、動きベクトルを求める。そして、動きベクトル検出部12は、画素単位で求めた一連の動きベクトルを、動きベクトル信号Svとして出力するようになっている。なお、この例では画素単位で動きベクトルを求めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数の画素からなる画素ブロック単位で表示内容の動きを検出して動きベクトルを求めるようにしてもよい。
【0022】
平均信号レベル検出部13は、映像信号Sdispに基づいて、各フレーム画像における輝度レベルの平均値(平均信号レベルSavg)を求めるものである。具体的には、平均信号レベル検出部13は、例えば、映像信号SdispがYUV信号の場合には、Y値の平均を求め、映像信号SdispがRGB信号の場合には、RGB信号をY信号に変換し、そのY値の平均値を求めるようになっている。
【0023】
バックライト制御部14は、制御部11から供給されたバックライト制御信号、動きベクトル検出部12から供給された動きベクトル信号Sv、および平均信号レベル検出部13から供給された平均信号レベルSavgに基づいて、バックライト40が、液晶表示部30における表示に同期して間欠的に発光するように、バックライト40を駆動するものである。具体的には、バックライト制御部14は、後述するように、各フレーム期間において、バックライト40が2回発光するようにバックライト40を駆動する。その際、バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svに基づいて、各画素の動きベクトルの大きさを、画面全体にわたって積分することにより映像の動き量を求めるとともに、平均信号レベルSavgに基づいて映像の明るさを求める。そして、バックライト駆動部14は、その映像の動き量および映像の明るさに基づいて、バックライト40の発光タイミングが互いに異なる複数の動作モード(この例では3つの動作モードM1〜M3)から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40を駆動するようになっている。
【0024】
バックライト40は、バックライト駆動部14から供給される駆動信号に基づいて間欠的に発光(ブリンキング)し、液晶表示部30に対してその光を射出するものである。このバックライト40は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。なお、これに限定されるものではなく、例えばCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)により構成してもよい。
【0025】
ここで、液晶表示部30およびバックライト40は、本開示における「表示部」の一具体例に対応する。バックライト駆動部14は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。発光期間PBは、本開示における「第1の表示光期間」の一具体例に対応し、発光期間PAは、本開示における「第2の表示光期間」の一具体例に対応する。動作モードM1は、本開示における「第1の動作モード」の一具体例に対応し、動作モードM2は、本開示における「第2の動作モード」の一具体例に対応し、動作モードM3は、本開示における「第3の動作モード」の一具体例に対応する。
【0026】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
【0027】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部11は、映像信号Sdispに基づいて、表示駆動部20、動きベクトル検出部12、平均信号レベル検出部13、およびバックライト駆動部14がお互いに同期して動作するように制御する。表示駆動部20は、液晶表示部30を駆動する。液晶表示部30は、バックライト40から射出した光を変調することにより表示を行う。
【0028】
動きベクトル検出部12は、映像信号Sdispにより供給される一連のフレーム画像に基づいて、画像の変化を示す動きベクトルを検出し、動きベクトル信号Svを生成する。平均信号レベル検出部13は、各フレーム画像における映像信号Sdispの平均信号レベルSavgを求める。バックライト駆動部14は、各フレーム期間において、バックライト40が間欠的に2回発光するようにバックライト40を駆動する。その際、バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40の発光タイミングを制御する。バックライト40は、バックライト駆動部14から供給される駆動信号に基づいて発光し、液晶表示部30に対してその光を射出する。
【0029】
(詳細動作)
図4は、表示装置1における表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は液晶表示部30の動作を示し、(B)は液晶表示部30の画素Pixにおける光透過率を示し、(C)〜(E)は動作モードM1〜M3におけるバックライト40の輝度Iを示す。
【0030】
図4(A)の縦軸は、液晶表示部30の線順次走査方向の走査位置を示している。また、図4(A)において、例えば、“F(n)”は液晶表示部30がn番目のフレーム画像F(n)の表示を行っていることを示し、“F(n+1)”は液晶表示部30が(n+1)番目のフレーム画像F(n+1)の表示を行っていることを示している。
【0031】
表示装置1では、周期T0で線順次走査が行われ、フレーム画像Fの表示が行われる。ここで、周期T0は、例えば、16.7[msec](=1/60[Hz])にすることができる。なお、周期T0は、これに限定されるものではなく、例えば、20[msec](=1/50[Hz])、20.8[msec](=1/48[Hz])などにすることが可能である。そして、バックライト40は、周期T0の時間において2回(発光期間PA,PB)発光する。なお、この例では、発光期間PA,PBは、互いに等しい時間幅を有するものとし、また、バックライト40は、これらの期間において、互いに等しい輝度で発光するものとする。以下にその詳細を説明する。
【0032】
まず、タイミングt0〜t10の期間において、液晶表示部30では、表示駆動部20から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図4(A))。これにより、液晶表示部30の各水平ラインに係る画素Pixは、図4(B)に示したように、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの期間(表示期間Pdisp)に、その画素信号に対して応答し、表示期間Pdispの期間内にほぼ応答を完了する。
【0033】
次に、バックライト40は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行う(図4(C)〜(E))。すなわち、動作モードM1では、バックライト40は、タイミングt1から開始する発光期間PAにおいて発光する。具体的には、バックライト40は、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの前半の最後に設けられた発光期間PAにおいて発光する。また、動作モードM2では、バックライト40は、タイミングt1よりも遅いタイミングt2から開始する発光期間PAにおいて発光する。そして動作モードM3では、バックライト40は、タイミングt2よりも遅いタイミングt3から開始する発光期間PAにおいて発光する。
【0034】
次に、バックライト40は、タイミングt4から開始する発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。具体的には、バックライト40は、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けられた発光期間PBにおいて発光する。すなわち、バックライト40は、動作モードM1〜M3に依らず同じタイミングでこの2回目の発光を行う。
【0035】
以上の動作を繰り返すことにより、表示装置1は一連のフレーム画像Fからなる映像を表示する。
【0036】
次に、各動作モードM1〜M3について、詳細に説明する。
【0037】
動作モードM1では、図4(C)に示したように、発光期間PAは、互いに隣り合う発光期間PBの中間に配置される。すなわち、動作モードM1では、バックライト40は、周期T0の半分の周期で発光する。これにより、表示装置1では、観察者が、画面のちらつき(フリッカ)を感じるおそれを低減することができる。
【0038】
すなわち、一般に、人は、映像の点滅の周波数が、ある周波数(フリッカ検知周波数)以下になると、その映像を観察したときにフリッカを感じる。このフリッカ検知周波数は、概ね75Hz程度であるが、網膜上の像の位置や面積、その人の年齢などの個人差、その人の体調、表示する映像などにより変化する。特に、映像については、例えば、明るい映像や、動き量が小さい映像(例えば静止画など)を表示する場合において、フリッカ検知周波数が高くなり、これにより、人はフリッカを感じやすくなる。
【0039】
動作モードM1では、上述したように、バックライト40は、周期T0の半分の周期で発光するので、点滅の周波数は、例えば120[Hz](=60[Hz]×2)になり、フリッカ検知周波数よりも高くなる。これにより、表示装置1では、明るい映像や、動き量が小さい映像を表示する場合において、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0040】
一方、動作モードM3では、図4(E)に示したように、発光期間PAは、各発光期間PBの直前に配置される。すなわち、動作モードM3では、バックライト40は、発光期間PAと発光期間PBからなる1つの発光期間において発光する。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0041】
すなわち、動き量が大きい映像(例えば動画など)を、仮に動作モードM1で表示する場合には、1フレーム期間においてバックライト40が2回発光するため、観察者は2重像を観察するおそれがある。具体的には、図4(B)に示したように、例えば、液晶表示部30の中央の水平ラインに係る画素Pixは、表示期間Pdispの後ろに配置された発光期間PBでは、画素信号に対して十分に応答しているが、表示期間Pdispの中央付近に配置された発光期間PAではまだ十分に応答していないため、液晶表示部30は、互いに異なる画像を重ねて表示することとなり、この場合、観察者は、これらの画像を2重像として観察するおそれがある。
【0042】
動作モードM3では、上述したように、バックライト40は、1フレーム期間において1回のみ発光する。これにより、表示装置1では、動き量が大きい映像を表示する場合において、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0043】
また、動作モードM2では、図4(D)に示したように、発光期間PAは、動作モードM1における発光期間PAと、動作モードM3における発光期間PAの中間に配置される。これにより、動作モードM2では、動作モードM1の場合と同様に、バックライト40における点滅に、より高い周波数を含ませることができるため、観察者がフリッカを感じにくくすることができる。
【0044】
さらに、動作モードM2では、1フレーム期間における2つの発光期間PA,PBが、動作モードM1の場合と比べて互いに近づくため、例えば、各画素Pixにおける発光期間PAでの表示は、画素信号に対してより応答したものとなり、発光期間PBでの表示により近いものとなる。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0045】
(バックライト駆動部14の動作について)
バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、これらの3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じてバックライト40を駆動する。
【0046】
図5は、バックライト駆動部14における動作モードM1〜M3の選択動作を表すものである。バックライト駆動部14は、動きベクトル信号Svに基づいて、映像の動き量を3段階(大/中/小)で判定する。また、バックライト駆動部14は、平均信号レベルSavgに基づいて、映像の明るさを3段階(大/中/小)で判定する。そして、バックライト駆動部14は、この判定した動き量および明るさに基づいて、図5に示したように、動作モードM1〜M3のうちの1つの動作モードを選択する。
【0047】
具体的には、バックライト駆動部14は、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合には、動作モードM1を選択する。すなわち、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合には、上述したように、人はフリッカを感じやすくなる。そこで、バックライト駆動部14は、このような場合には動作モードM1を選択し、バックライト40における点滅の周波数を高くする。これにより、表示装置1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0048】
また、バックライト駆動部14は、動き量が大きく、かつ映像が暗い場合には、動作モードM3を選択する。すなわち、映像の動き量が大きく、かつ映像が暗い場合には、仮に動作モードM1のようにバックライト40が1フレーム期間において2回発光したときは、上述したように、観察者は2重像を観察するおそれがある。そこで、バックライト駆動部14は、このような場合には動作モードM3を選択し、バックライト40を、1フレーム期間において1回のみ発光させる。これにより、表示装置1では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0049】
また、バックライト駆動部14は、これら以外の場合には、動作モードM2を選択し、バックライト40の発光期間PA,PBを、動作モードM1の場合に比べて互いに近づける。これにより、表示装置1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減するとともに、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0050】
[効果]
以上のように本実施の形態では、1フレーム期間において2つの発光期間を設け、その発光期間の間隔を変化させるようにしたので、表示画質を高めることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、映像の動き量が小さい場合、または映像が明るい場合において、発光期間PAを、互いに隣り合う発光期間PBの中間に配置したので、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、映像の動き量が大きく、かつ映像が暗い場合において、発光期間PAを発光期間PBの直前に配置したので、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、映像の動き量および明るさが上記以外の場合において、発光期間PAを、互いに隣り合う発光期間PBの中間からずれるように配置したので、観察者がフリッカを感じるおそれを低減するとともに、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができる。
【0054】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、発光期間PBを、液晶表示部30の中央の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図4(C)〜(E)に示した各発光期間PA,PBのタイミングを全体的にずらすことにより、発光期間PBを、液晶表示部30の中央以外の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよい。具体的には、例えば、発光期間PBを、液晶表示部30の最上部の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよいし、発光期間PBを、液晶表示部30の最下部の水平ラインに係る表示期間Pdispの最後に設けてもよい。
【0055】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、発光期間PA,PBにおけるバックライト40の各発光量(時間幅×輝度)は互いに等しいものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、発光期間PBにおける発光量を、発光期間PAにおける発光量よりも大きくしてもよい。具体的には、例えば、図6に示したように、バックライト40の輝度Iにより発光量を制御してもよいし、図7に示したように、発光期間PA,PBの時間幅により発光量を制御してもよい。
【0056】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、3つの動作モードM1〜M3を設けたが、これに限定されるものではなく、2つもしくは4つ以上の動作モードを設けてもよい。図8に、4つの動作モードN1〜N4を設けた場合の例を示す。
【0057】
[変形例1−4]
上記実施の形態では、周期T0ごとに線順次走査を1回行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、周期T0ごとに複数回、線順次走査を行ってもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0058】
図9は、本変形例に係る表示装置1Dにおける表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は本変形例に係る液晶表示部30Dの動作を示し、(B)〜(D)は本変形例に係るバックライト40Dの輝度Iを示す。
【0059】
表示装置1Dでは、周期T0において、フレーム画像Fを表示する線順次走査を2回行う。この線順次走査を行う周期T1は、例えば8.3[msec](=1/60[Hz]/2)にすることができる。すなわち、この例では、液晶表示部30Dは、いわゆる2倍速駆動に対応した液晶表示パネルである。
【0060】
液晶表示部30Dでは、タイミングt30〜t35の期間において線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図9(A))。これにより、各水平ラインに係る画素Pixは、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの表示期間PdispAに、その画素信号に対して応答する。次に、液晶表示部30Dでは、タイミングt35〜t40の期間において、再度線順次走査が行われ、同じフレーム画像F(n)の表示が行われる(図9(A))。各水平ラインに係る画素Pixは、画素信号が書き込まれてから次に書き込まれるまでの表示期間PdispBに、その画素信号に対して応答する。
【0061】
また、バックライト40Dは、上記実施の形態の場合と同様に、動作モードM1〜M3に応じたタイミングt41,t42,t40から開始する発光期間PAで、1回目の発光を行い、タイミングt43から開始する発光期間PBで、2回目の発光を行う(図4(C)〜(E))。すなわち、バックライト40は、動作モードM1では、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間PdispAの最後に設けられた発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングt42から開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングt40から開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、バックライト40は、動作モードに依らず、表示面における中央の水平ラインに係る表示期間PdispBの最後に設けられた発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。
【0062】
この場合でも、上記実施の形態の場合と同様に、例えば動作モードM1では、観察者がフリッカを感じるおそれを低減することができ、動作モードM3では、観察者が2重像による画質の低下を感じるおそれを低減することができ、また、動作モードM2では、これらの効果を両立することができる。
【0063】
[変形例1−5]
上記実施の形態では、動作モードM2,M3において、動作モードM1における発光期間PAの発光タイミングを後ろにずらすことにより、発光期間PA,PBの間隔を狭めたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図10に示したように、動作モードM1における発光期間PAの発光タイミングを前にずらすことにより、発光期間PA,PBの間隔を狭めてもよい。
【0064】
[変形例1−6]
上記実施の形態では、バックライト40は、各発光期間PA,PBにおいて連続的に発光し続けるようにしたが、これに限定されるものではない。図11は、バックライト40の輝度Iのタイミング波形図を表すものであり、(A)はバックライト40が連続して発光する例を示し、(B)はパルスにより発光する例を示す。図11(B)に示したように、バックライト40が、短い時間で発光と消灯を交互に繰り返すようにしてもよい。この場合には、発光と消灯の時間比(デューティ比)により、各発光期間におけるバックライト40の輝度を調整することができる。
【0065】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。本実施の形態は、複数の部分発光部を有するバックライトを用いて表示装置を構成したものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0066】
図12は、本実施の形態に係る表示装置2の一構成例を表すものである。表示装置2は、バックライト50と、バックライト駆動部18とを備えている。バックライト50は、この例では、線順次走査方向に並設された2つの部分発光部51,52を有している。これらの部分発光部51,52は、独立して発光できるように構成されている。バックライト駆動部18は、この例では、表示画面全体における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じて、これらの部分発光部51,52を独立して駆動するものである。部分発光部51から射出した光は、液晶表示部30における対応する領域Z1に入射するようになっており、部分発光部52から射出した光は、液晶表示部30における対応する領域Z2に入射するようになっている。
【0067】
図13は、表示装置2における表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は液晶表示部30の動作を示し、(B)〜(D)は部分発光部51における輝度Iを示し、(E)〜(G)は部分発光部52における輝度Iを示す。ここで、図13(B),(E)は動作モードM1における輝度Iを示し、図13(C),(F)は動作モードM2における輝度Iを示し、図13(D),(G)は動作モードM3における輝度Iを示す。
【0068】
まず、タイミングt50〜t60の期間において、液晶表示部30では、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、フレーム画像F(n)の表示が行われる(図13(A))。
【0069】
バックライト50の部分発光部51,52は、液晶表示部30の領域Z1,Z2における表示とそれぞれ同期して、独立して発光を行う。
【0070】
まず、部分発光部51は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行い、動作モードに依らないタイミングで、2回目の発光(発光期間PB)を行う(図13(B)〜(D))。具体的には、部分発光部51は、動作モードM1では、領域Z1における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp1の中央付近に設けられた発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、部分発光部51は、動作モードに依らず、領域Z1における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp1の最後に設けられた発光期間PBにおいて2回目の発光を行う。
【0071】
同様に、部分発光部52は、動作モードM1〜M3に応じたタイミングで、1回目の発光(発光期間PA)を行い、動作モードに依らないタイミングで、2回目の発光(発光期間PB)を行う(図13(E)〜(G))。具体的には、部分発光部52は、動作モードM1では、領域Z2における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp2の中央付近に設けられた発光期間PAにおいて、1回目の発光を行い、動作モードM2では、動作モードM1の場合よりも遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行い、動作モードM3では、動作モードM2の場合よりもさらに遅いタイミングから開始する発光期間PAにおいて1回目の発光を行う。また、部分発光部52は、動作モードに依らず、領域Z2における中央の水平ラインに係る表示期間Pdisp2の最後に設けられた発光期間PBにおいて、2回目の発光を行う。
【0072】
以上のように本実施の形態では、バックライトを2つの部分発光部により構成し、独立して発光できるようにしたので、バックライトを分割しない場合に比べて、各画素Pixの液晶素子LCが画素信号により応答したタイミングで発光期間PBを設けることができるため、画質の低下を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0073】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、バックライト駆動部18は、表示画面全体における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、領域Z1における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択された動作モードに応じて部分発光部51を駆動するとともに、領域Z2における映像の動き量および映像の明るさに基づいて動作モードを選択し、その選択された動作モードに応じて部分発光部52を駆動してもよい。これにより、領域Z1,Z2で、互いに異なる動作モードを選択することができるため、表示画質を高めることができる。
[変形例2−2]
上記実施の形態では、バックライト50は、2つの部分発光部51,52により構成したが、これに限定されるものではなく、3つ以上の部分発光部により構成してもよい。
【0074】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0075】
例えば、上記の各実施の形態等では、液晶表示部30およびバックライト40を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置、LEDを表示素子とするLED表示装置を用いてもよい。以下に、一例として、上記第1の実施の形態において、液晶表示部30およびバックライト40に代えてEL表示部を用いた場合について説明する。
【0076】
図14は、本変形例に係る表示装置1Gの一構成例を表すものである。表示装置1Gは、表示制御部14Gと、表示駆動部20Gと、EL表示部30Gとを備えている。表示制御部14Gは、動きベクトル信号Svから得られる映像の動き量と、平均信号レベルSavgから得られる映像の明るさとに基づいて、EL表示部30Gにおける表示タイミングが互いに異なる3つの動作モードM1〜M3から動作モードを選択し、その選択した動作モードに応じて表示駆動部20Gを制御するようになっている。表示駆動部20Gは、制御部11から供給される映像信号Sdisp、および表示制御部14Gから供給される制御信号に基づいて、EL表示部30Gを駆動するものである。具体的には、表示駆動部20Gは、各フレーム期間において、EL表示部30Gが2回(発光期間PA,PB)発光して表示を行うように、EL表示部30Gを駆動する。EL表示部30Gは、EL表示素子により構成されるものであり、例えば有機EL素子が適用可能である。
【0077】
また、例えば、上記の各実施の形態等では、1フレーム期間において2つの発光期間を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3つ以上の発光期間を設けてもよい。
【0078】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0079】
(1)表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、
各フレーム期間における、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部と
を備えた表示装置。
【0080】
(2)各フレーム期間には、固定された第1の表示光期間と、可変の第2の表示光期間が設けられている
前記(1)に記載の表示装置。
【0081】
(3)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルに基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
前記(2)に記載の表示装置。
【0082】
(4)前記制御部は、前記明るさレベルが大きいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
前記(3)に記載の表示装置。
【0083】
(5)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の動き量に基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
前記(2)に記載の表示装置。
【0084】
(6)前記制御部は、前記動き量が小さいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
前記(5)に記載の表示装置。
【0085】
(7)前記制御部は、第1の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に配置する
前記(2)に記載の表示装置。
【0086】
(8)前記制御部は、第2の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央からずれた位置に配置する
前記(7)に記載の表示装置。
【0087】
(9)前記制御部は、第3の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、前記第1の表示光期間に隣接して配置する
前記(8)に記載の表示装置。
【0088】
(10)前記制御部は、前記明るさレベルを複数の範囲に区分し、明るさレベルが一番大きい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
前記(7)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
【0089】
(11)前記制御部は、前記動き量を複数の範囲に区分し、動き量が一番小さい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
前記(7)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
【0090】
(12)前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルおよび動き量をそれぞれ複数の範囲に区分し、
明るさレベルが一番大きい場合、もしくは動き量が一番小さい場合には、前記第1の動作モードを選択し、
明るさレベルが一番小さく、かつ動き量が一番大きい場合には、前記第3の動作モードを選択し、
それ以外の場合には、前記第2の動作モードを選択する
前記(9)に記載の表示装置。
【0091】
(13)前記表示部は、液晶表示部と、バックライトとを備え、
前記制御部は、前記バックライトの発光タイミングを制御する
前記(2)から(12)のいずれかに記載の表示装置。
【0092】
(14)前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
前記(13)に記載の表示装置。
【0093】
(15)前記バックライトは複数の部分発光部を有し、
前記制御部は、前記部分発光部ごとに、前記第2の表示光期間の時間軸上の位置を独立して制御する
前記(13)に記載の表示装置。
【0094】
(16)各部分発光部の前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部における対応する表示領域の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
前記(15)に記載の表示装置。
【0095】
(17)前記表示部は、EL表示部である
前記(1)から(12)のいずれかに記載の表示装置。
【0096】
(18)各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する
表示方法。
【符号の説明】
【0097】
1,2…表示装置、11…制御部、12…動きベクトル検出部、13…平均信号レベル検出部、14,18…バックライト駆動部、14G…表示制御部、20,20G…表示駆動部、21…タイミング制御部、22…ゲートドライバ、23…データドライバ、30…液晶表示部、30G…EL表示部、40,50…バックライト,51,52…部分発光部、 CSL…保持容量線、GCL…ゲート線、LC…液晶素子、M1〜M3…動作モード、PA,PB…発光期間、Pdisp,PdispA,PdispB,Pdisp1,Pdisp2…表示期間、Pix…画素、Savg…平均信号レベル、Sdisp,Sdisp2…映像信号、Sv…動きベクトル信号、SGL…データ線、Tr…TFT素子、Z1,Z2…領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、
各フレーム期間における、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部と
を備えた表示装置。
【請求項2】
各フレーム期間には、固定された第1の表示光期間と、可変の第2の表示光期間が設けられている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルに基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記明るさレベルが大きいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の動き量に基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記動き量が小さいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、第1の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に配置する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、第2の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央からずれた位置に配置する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、第3の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、前記第1の表示光期間に隣接して配置する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記明るさレベルを複数の範囲に区分し、明るさレベルが一番大きい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記動き量を複数の範囲に区分し、動き量が一番小さい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルおよび動き量をそれぞれ複数の範囲に区分し、
明るさレベルが一番大きい場合、もしくは動き量が一番小さい場合には、前記第1の動作モードを選択し、
明るさレベルが一番小さく、かつ動き量が一番大きい場合には、前記第3の動作モードを選択し、
それ以外の場合には、前記第2の動作モードを選択する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示部は、液晶表示部と、バックライトとを備え、
前記制御部は、前記バックライトの発光タイミングを制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記バックライトは複数の部分発光部を有し、
前記制御部は、前記部分発光部ごとに、前記第2の表示光期間の時間軸上の位置を独立して制御する
請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
各部分発光部の前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部における対応する表示領域の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示部は、エレクトロルミネッセンス表示部である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する
表示方法。
【請求項1】
表示画面から映像に応じた表示光が、各フレーム期間内において間欠的に複数回発せられるように制御される表示部と、
各フレーム期間における、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する制御部と
を備えた表示装置。
【請求項2】
各フレーム期間には、固定された第1の表示光期間と、可変の第2の表示光期間が設けられている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルに基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記明るさレベルが大きいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の動き量に基づいて前記第2の表示光期間の時間上の位置を制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記動き量が小さいほど、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に近づける
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、第1の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央に配置する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、第2の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、互いに隣り合うフレーム期間における2つの前記第1の表示光期間の中央からずれた位置に配置する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、第3の動作モードにおいて、前記第2の表示光期間を、前記第1の表示光期間に隣接して配置する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記明るさレベルを複数の範囲に区分し、明るさレベルが一番大きい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記動き量を複数の範囲に区分し、動き量が一番小さい範囲に属する場合には、前記第1の動作モードを選択する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記表示部に表示すべき映像の明るさレベルおよび動き量をそれぞれ複数の範囲に区分し、
明るさレベルが一番大きい場合、もしくは動き量が一番小さい場合には、前記第1の動作モードを選択し、
明るさレベルが一番小さく、かつ動き量が一番大きい場合には、前記第3の動作モードを選択し、
それ以外の場合には、前記第2の動作モードを選択する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示部は、液晶表示部と、バックライトとを備え、
前記制御部は、前記バックライトの発光タイミングを制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記バックライトは複数の部分発光部を有し、
前記制御部は、前記部分発光部ごとに、前記第2の表示光期間の時間軸上の位置を独立して制御する
請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
各部分発光部の前記第1の表示光期間は、前記液晶表示部における対応する表示領域の中央に位置する水平ラインが表示される表示期間の最後部またはその近傍に設けられている
請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示部は、エレクトロルミネッセンス表示部である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
各フレーム期間において、表示画面から間欠的に複数回表示光を発し、前記表示光が発せられる複数の表示光期間のうちの少なくとも1つの時間上の位置を制御する
表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−101259(P2013−101259A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245591(P2011−245591)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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